JPWO2015050005A1 - Egf受容体を介して細胞増殖を促進するタンパク質組成物 - Google Patents

Egf受容体を介して細胞増殖を促進するタンパク質組成物 Download PDF

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Abstract

従来のEGFタンパク質製品に代えて活用することができる、EGF受容体を介して細胞増殖を促進する活性を有する新規なタンパク質組成物が開示されている。本発明のタンパク質組成物は、上皮細胞増殖因子のアミノ酸配列をコードする核酸を植物細胞内に導入してタンパク質を発現させた後、該植物細胞内のタンパク質を抽出及び精製することにより得られる。該組成物は、細胞増殖を促進する活性を有し、質量分析においてm/z 5000〜5500の範囲で3つのピークを呈する。

Description

本発明は、EGF受容体を介して細胞増殖を促進する活性を有する新規タンパク質組成物に関する。
細胞増殖因子は、対応する受容体に結合して、細胞内シグナル伝達系を経て細胞の増殖に必要な代謝系活動を誘発し、細胞の増殖を促す。上皮細胞増殖因子(EGF)は細胞増殖因子のひとつである。EGFの生理活性として、細胞増殖作用の他、胃酸分泌抑制作用、抗潰瘍作用、消化器粘膜保護作用、DNA合成促進作用、角膜修復作用、創傷治癒促進作用、抗炎症作用、鎮痛作用などが知られている。
EGFは、最初Cohenらがマウスの顎下腺より発見し精製された(非特許文献1)。その後、ヒトの尿より胃酸分泌抑制作用のある物質として精製されている(非特許文献2)。ヒトEGFは、生体内では、アミノ酸1207個から成る前駆タンパク質として合成され、その後処理された53個のアミノ酸から成る分子量約6kDaのタンパク質で、分子内に3カ所のジスルフィド結合をもっている(非特許文献3)。
EGF等の細胞増殖因子は、医薬品及び化粧品等の成分の一つとして利用されている。EGFの効率的な生産方法についても研究が進められており、遺伝子組み換えによるEGFの生産方法が種々報告されている。それらの報告の一例として、大腸菌による生産(非特許文献4)、酵母による生産(非特許文献5〜7)、植物による生産(特許文献1、非特許文献8)等がある。
遺伝子組み換えにより生産されたEGFは、使用する生物種に応じて細胞内で様々な修飾を受ける。現在商業的に利用されているEGFは、大腸菌で生産したEGFと酵母で生産したEGFである。細菌内でEGFを生産する技術では、微細な培養条件を精密に監視して制御するために高価なシステムを導入する必要があるため、組換えEGF及びこれを用いた各種製品の価格は依然として高価である。植物での大量生産が可能になれば低コストで提供できる可能性があるが、植物を利用した生産方法で実用化可能なものは未だ確立していない。例えば、特許文献1記載の方法では、大麦のゲノムにEGF遺伝子を安定的に組み換えて大麦に組換えEGFを生産させるが、この方法では遺伝子組み換え植物の管理が必須となり、大規模生産のハードルは高い。非特許文献8には、ヒトEGF遺伝子を組み込んだウイルスを作製し、このウイルスをタバコに感染させ、ヒトEGFを一過性に発現させることによりEGFを産生する方法が記載されている。しかしながら、非特許文献8記載の方法は収量に問題があり、実用的な方法とはいえない。従って、植物でEGFを大量生産した場合にどのような組成の組換えEGFタンパク質を得ることができるかも依然として不明である。
WO2011/083500
S. Cohen, J. Biol. Chem., 237, 1555 (1962) H. Gregory, Nature ,257, 325 (1975) G. I. Bell, et al., Nucleic Acids Research 14(21), 8427 1986) F. Kishimoto et al., Gene, 45, 311 (1986) M. S. Urdea, et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80 7461 (1983) J. M. Clements, et al., Gene 106, 267 (1991) Z. Hambali, Journal of International Studies, 10, 36 (2009) Sonin Wirth, et al., Molecular Breeding 13: 23-35, 2004
本発明は、従来のEGFタンパク質製品に代えて活用することができる、EGF受容体を介して細胞増殖を促進する活性を有する新規なタンパク質組成物を提供することを目的とする。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、植物体内において一過性発現系により生物活性のあるEGFを効率よく製造する技術の開発に成功した。当該技術により植物葉から回収した、組換えEGFを含むタンパク質組成物について、TOF-MSによる分子量の確認及びアミノ酸分析を行ない、その組成を確認したところ、成熟型ヒトEGFの53残基のアミノ酸配列のうち第48番アミノ酸〜C末端の領域が欠失した配列を有する3種類のタンパク質断片の混合物であることを確認し、本願発明を完成した。
すなわち、本発明は、上皮細胞増殖因子のアミノ酸配列をコードする核酸を植物細胞内に導入してタンパク質を発現させた後、該植物細胞内のタンパク質を抽出及び精製することにより得られるタンパク質組成物であって、細胞増殖を促進する活性を有し、質量分析においてm/z 5000〜5500の範囲で3つのピークを呈する、タンパク質組成物を提供する。
本発明により、成熟型ヒトEGFのアミノ酸配列に基づいて植物細胞内で製造された、細胞増殖活性を有する新規タンパク質組成物が提供される。植物はヒトと同じく真核生物に属する多細胞生物であり、両者の細胞は非常によく似たタンパク質の発現機構を有している。現在商業的に利用されている細菌で生産された組換えEGFタンパク質と比べ、本発明のタンパク質組成物は生産コスト、設備投資、生産拡張性の観点から有利である。本発明のタンパク質組成物によれば、従来の組換えEGFを利用した化粧品や医薬品等の製品をより低価格で提供することが可能になる。
実施例で用いたTMV発現ベクターUB001の構造図である。 組換えTMV感染タバコ葉より抽出精製したEGFをSDS-PAGE後に銀染色した結果を示す図である。レーン1:分子マーカー、レーン2:標準品、レーン3:C末端小胞体シグナルKDELあり(5倍濃縮)、レーン4:C末端小胞体シグナルなし(5倍濃縮)、レーン5:C末端小胞体シグナルKDELあり、レーン6:C末端小胞体シグナルなし、レーン7:分子マーカー。 組換えTMV感染タバコ葉より抽出精製した組換えタンパク質試料の生物活性(増殖促進作用)を測定した結果である。A.ヒト線維芽細胞PDL3。B.マウス胎仔由来細胞BALB/3T3。 市販のヒトEGFタンパク質標準品の生物活性(増殖促進作用)を測定した結果である。A.ヒト線維芽細胞PDL3。B.マウス胎仔由来細胞BALB/3T3。 組換えTMV感染タバコ葉より抽出精製した組換えタンパク質試料についての質量分析の結果である。
本発明のタンパク質組成物は、成熟型ヒトEGFと同じアミノ酸配列(配列番号2)をコードする核酸を植物細胞内に導入してタンパク質を発現させた後、該植物細胞内のタンパク質を抽出及び精製することにより得られる。当該タンパク質組成物は、上記の核酸にコードされるタンパク質の3種類の断片を主成分とし、質量分析においてm/z 5000〜5500の範囲で3つのピーク(m/z 5113±5、m/z 5200±5及びm/z 5315±5)を呈する(図5)。さらなる詳細な解析により、当該タンパク質組成物に含まれる3種類のタンパク質断片は、配列番号2に示すアミノ酸配列中の第1番〜第47番アミノ酸の領域からなる断片、第2番〜第47番アミノ酸の領域からなる断片、及び第3番〜第47番アミノ酸の領域からなる断片と同定されている(下記実施例参照)。植物細胞内で発現されたタンパク質が、細胞内で酵素による切断等の修飾を受けた結果、このようなタンパク質断片が生じるものと考えられる。大腸菌でEGFタンパク質を生産した場合に得られるタンパク質組成物は、天然のヒト由来EGFタンパク質とほぼ同一のアミノ酸組成及びアミノ酸配列を有していることが報告されており(T. Oka, et al. Proc. Natl. Acad. Sci., 82, 7212-7216, 1985)、本発明のタンパク質組成物は大腸菌由来のEGFとは明らかに異なる特徴を有する。
本発明のタンパク質組成物は細胞増殖を促進する活性を有する。この細胞増殖活性は、EGF受容体に対するアゴニスト活性によりもたらされる。すなわち、本発明のタンパク質組成物は、EGF受容体に結合して下流のシグナル伝達系を作動させ、それにより細胞の増殖を促進する。上記した3種類のタンパク質断片には、成熟型ヒトEGF分子が生物活性を発揮するために重要な領域として知られる第6番Cys〜第42番Cys(He-Shu Lu, et al, J. Biol. Chem., 276, 34913-34917 (2001); H. Ogiso et al. Cell, 110,775-787 (2002))に該当する領域が含まれており、本発明のタンパク質組成物がEGF受容体に対するアゴニスト活性を有することと合致する。細胞増殖活性は、例えばG. Carpenter and J. Zendegui, Analytical Biochemistry, 153, 279 (1985)に記載される方法で確認することができる。下記実施例には、ヒト線維芽細胞株を用いてタンパク質組成物の細胞増殖活性を確認する方法が詳述されている。また、EGF受容体への結合能は、例えばR. L. Ladda, et al, Analytical Biochemistry, 93, 286 (1979)に記載される方法で調べることができる。
以下、本発明のタンパク質組成物の製造方法について説明する。
本発明のタンパク質組成物の製造に用いる植物細胞は、培養細胞でも植物個体でもよいが、植物個体内で発現させたタンパク質を回収してタンパク質組成物を得ることが好ましい。
植物細胞内に導入する核酸には、成熟型ヒトEGFと同一のアミノ酸配列がコードされている。ヒトEGF遺伝子はNCBIのデータベースGeneに1950のGene IDで登録されており、その配列は例えばGenBankにaccession No. NM_001963で登録されている。配列表の配列番号1及び2には、天然のヒトEGF遺伝子中の、成熟型EGFをコードする領域の塩基配列、及び該成熟型EGFのアミノ酸配列を示す。
該核酸において、成熟型ヒトEGF配列をコードする塩基配列は、植物細胞内で効率よくタンパク質を発現できるようにコドンを改変した塩基配列であることが好ましい。Met及びTrp以外の18種のアミノ酸は2〜6種の同義語コドンにコードされているが、生物の種類に応じて同義語コドンの使用頻度が異なっていることが知られている(Grantham, R. (1980) Trends Biochem. Sci. 5, 327-331.; Grantham, R., Gautier, C. and Gouy, M. (t980) Nucl. Acids Res. 8, 1893-1912.; Grantham, R., Gautier, C., Gouy, M., Mercier, R. and Pave, A. (1980) Nucl. AcidsRes. 8, r49-r62.; Grantham, R., Gautier, C., Gouyt, M., Jacobzone, M. and Mercier, R. (1981) Nucd.Acids Res. 9, r43-r74.; Aota, S.-I., Gojobori, T., Ishibashi, F., Maruvama, T. and Ikemura, T. (1988) Nucl.Acids Res. 16, r315-r402.)。Murrayらは植物におけるコドンの使用頻度について報告しており(Murray et al. (1989) Nucl. AcidsRes. 17, 477-498)、当該報告を参考にして、植物細胞に導入する核酸のコドンを植物細胞内での発現効率が高まるように改変することが可能である。
18種のアミノ酸の同義語コドンのうち、植物(特に双子葉植物)で使用頻度の高いコドンとしては、表1に示すものを挙げることができる。これらのコドンは植物において好ましく使用できるコドンである。本発明において、成熟型ヒトEGF配列をコードする塩基配列を改変する場合には、ヒトEGF遺伝子の塩基配列をもとに、各アミノ酸をコードするコドンの一部又は全部を表1に示したコドンに置き換えればよい。
配列番号3に示す塩基配列は、植物細胞内で効率よく発現できるようにコドンの最適化を施した、成熟型ヒトEGF配列をコードする塩基配列の一例である。本発明のタンパク質組成物を製造する際には、当該配列を特に好ましく用いることができる。この塩基配列は、天然の成熟型ヒトEGFコード配列(配列番号1)のうちの38個の塩基を変更してコドンを改変した配列である。本発明のタンパク質組成物を製造する際には、当該配列を特に好ましく用いることができる。また、配列番号3と完全に同一の塩基配列だけではなく、少数の塩基が相違する程度の配列であれば、とりわけ上記表1に例示したような植物で使用頻度の高いコドンを利用することになる配列であれば、配列番号3の塩基配列と同様に好ましく使用可能である。ここでいう「少数」とは、例えば1個〜15個、1個〜12個、1個〜数個、1個〜5個、又は1個〜3個であり得る。配列番号3との同一性(%)で表現した場合、配列番号3と同様に使用可能な改変塩基配列は、配列番号3との同一性が90%以上、92%以上、95%以上、又は98%以上であり得る。
ここで、塩基配列の「同一性」とは、比較すべき2つの塩基配列の塩基ができるだけ多く一致するように両配列を整列させ、一致した塩基数を、全塩基数で除したものを百分率で表したものである。上記整列の際には、必要に応じ、比較する2つの配列の一方又は双方に適宜ギャップを挿入する。このような配列の整列化は、例えばBLAST、FASTA、CLUSTAL W等の周知のプログラムを用いて行なうことができる。ギャップが挿入される場合、上記全塩基数は、1つのギャップを1つの塩基として数えた塩基数となる。このようにして数えた全塩基数が、比較する2つの配列間で異なる場合には、同一性(%)は、長い方の配列の全塩基数で、一致した塩基数を除して算出される。ただし、比較すべき配列が他の任意の配列と連結された状態にある場合には(例えば、発現ベクターに組み込まれた状態など)、相当する領域のみを取り出して配列を対比し、同一性を算出する。例えば、成熟型ヒトEGFをコードする塩基配列を比較するときには、当該成熟型ヒトEGFをコードする領域に相当する領域のみを取り出して配列を対比する。
成熟型EGF配列をコードする核酸には、発現させたタンパク質の細胞内輸送や局在化等のために有用なシグナルペプチドをコードする核酸が連結され得る。シグナルペプチドは、通常、3〜60残基程度のアミノ酸からなり、細胞質内で合成されたタンパク質の輸送及び局在化を指示する構造である。
本発明においては、細胞内輸送のためのシグナルペプチドとして、タバコN. plumbaginifoliaが有するエクステンシンのシグナルペプチドを好ましく用いることができる。エクステンシンシグナルペプチドは、成熟型EGF配列のN末端側に連結して用いることができる。N. plumbaginifoliaのエクステンシン遺伝子配列は、GenBankにaccession No. M34371で登録されており、この登録配列中に見られるシグナルペプチドコード領域の塩基配列を配列番号4に、当該シグナルペプチドのアミノ酸配列を配列番号5に示す。
シグナルペプチドをコードする塩基配列も、成熟型EGF配列をコードする核酸と同様に、植物細胞内で効率よく発現されるようにコドンを改変して用いることができる。配列番号6に示す塩基配列は、一過性発現系を用いた植物細胞内での発現のためにコドンを最適化したエクステンシンシグナルペプチド配列をコードする塩基配列の一例である。この塩基配列は、天然のタバコエクステンシンシグナルペプチドコード配列(配列番号6)のうちの29個の塩基を変更してコドンを改変した配列である。本発明のタンパク質組成物を製造する際には、細胞内輸送のためのシグナルペプチドをコードする配列として、当該配列を特に好ましく用いることができる。また、配列番号6と完全に同一の配列だけではなく、少数(例えば1個〜15個、1個〜12個、1個〜数個、1個〜5個、又は1個〜3個)の塩基が相違する配列、とりわけ上記表1に例示したような植物で使用頻度の高いコドンを利用することになる配列であれば、配列番号6の塩基配列と同様に好ましく使用可能である。同一性(%)で表現した場合、配列番号6と同様に使用可能な改変塩基配列は、配列番号6との同一性が90%以上、92%以上、95%以上、又は98%以上であり得る。
また、本発明では、細胞内局在化のためのシグナルペプチドとして、例えばKDEL(配列番号7)の配列からなる小胞体保留シグナルを好ましく用いることができる。当該保留シグナルをコードする塩基配列としては、例えば配列番号8に示す塩基配列を好ましく用いることができるが、成熟型ヒトEGFをコードする配列やエクステンシンシグナルペプチドをコードする配列と同様に、使用可能な配列は配列番号8と完全に同一の配列にのみ限定されるものではない。
配列番号9に示す塩基配列は、成熟型EGF配列をコードするコドン最適化した塩基配列(配列番号3)の上流側にエクステンシンシグナルペプチド配列をコードするコドン最適化した塩基配列(配列番号6)を、下流側に小胞体保留シグナルKDELをコードする塩基配列(配列番号8)をそれぞれ連結した塩基配列である。該塩基配列は、本発明のタンパク質組成物の製造において植物細胞内に導入する核酸の塩基配列として特に好ましい一例である。エクステンシンシグナルペプチド及び小胞体保留シグナルと融合させた外来タンパク質は、植物細胞内で発現させると、該細胞の細胞質内、特に小胞体に集積すると考えられる。
配列番号9のような改変された塩基配列を含む核酸は、常法の化学合成により調製することができる。あるいは、周知の遺伝子工学的手法により、天然に存在する配列を有するcDNAを合成した後、このcDNAを鋳型として、適当なプライマーを用いて適宜変異を導入することにより調製することもできる。あるいはまた、調製すべき核酸をいくつかの短い領域に分けて複数の核酸断片を化学合成し、公知のfusion PCR法により各断片を連結させて調製することもできる。
本発明のタンパク質組成物の製造において、植物細胞内でのタンパク質の発現は、一過性の発現であることが好ましい。タンパク質を「一過性に発現させる」とは、該タンパク質をコードする核酸が宿主植物細胞のゲノムに組み込まれない状態で該植物細胞内で発現させることをいう。そのような一過性発現は、ウイルスベクターを用いることで実施できる。植物細胞内で所望の外来遺伝子を発現させるための植物ウイルスベクターは各種のものが知られており(例えば、「蛋白質 核酸 酵素」、vol.45、p.607-613など参照)、市販品も各種のものが存在する。植物ウイルスベクターの中でも、最も活発に研究され広く利用されているのはタバコモザイクウイルス(TMV)ベクターであり、本発明でもTMVベクターを好ましく用いることができる。
ウイルスベクターを用いて植物体内で外来タンパク質を一過性に発現させる場合、外来タンパク質をコードする核酸構築物は、転写反応により組換えウイルスRNAを合成する際に必要となる適当なRNAポリメラーゼプロモーター(例えば、T7プロモーター等のファージポリメラーゼプロモーター)、ウイルスのレプリカーゼcDNA、移行タンパク質cDNA及び外被タンパク質cDNAと連結される。TMV等のトバモウイルスベクターを用いる場合であれば、[RNAポリメラーゼプロモーター]−[RNAレプリカーゼcDNA]−[移行タンパク質cDNA]−[核酸構築物]−[外被タンパク質cDNA]の順で連結すればよい。通常、こうした遺伝子構築物は、プラスミドDNAの形態をとる。
TMVに基づく一過性発現系の好ましい具体例を挙げると、特許第4750285号に記載されるBSG1037及びBSG1057や、市販品ではケンタッキーバイオプロセシング社のGENEWARE(登録商標)などがある。これらのプラスミドは、全身感染性の組換えTMVを発現可能なプラスミドであり、RNAポリメラーゼプロモーター、TMVのレプリカーゼ(RNA依存性RNAポリメラーゼ)cDNA、移行タンパク質cDNA及び外被タンパク質cDNAが含まれている。所望の外来遺伝子を移行タンパク質cDNAと外被タンパク質cDNAの間に挿入し、これを鋳型として5'末端にキャップを有するRNAを合成することで、所望の外来遺伝子を植物細胞内で発現可能な全身感染性のTMVウイルスRNAを得ることができる。キャップが付加されたRNAの合成は、市販のキット(例えばライフテクノロジーズ社のmMESSAGE mMACHINE(登録商標)kitなど)を用いて容易に行うことができる。
なお、本発明において、ウイルスの「レプリカーゼ」、「移行タンパク質」、「外被タンパク質」といった場合には、天然の植物ウイルスが有するこれら因子と同一の配列を有するもののほか、一過性発現のために好適化された、人為的な改変を含む配列を有するものも包含される。例えば、特許第4750285号に記載されるTMV発現ベクターBSG1057では、レプリカーゼcDNA及び移行タンパク質cDNAに改変が加えられ、天然のTMVとは配列が若干異なるレプリカーゼと移行タンパク質が産生されるが、このような配列の改変が加えられたものも本発明のタンパク質組成物の製造に使用可能である。
成熟型EGF配列をコードする核酸を組み込んだ全身感染性のTMVウイルスRNAは、そのまま裸のウイルスゲノムの状態で植物に接種してもよいし、あるいは、精製した外被タンパク質と混合してカプシド形成させ、ウイルス粒子の状態にしてから植物に接種してもよい。本発明において、「組換えウイルス」という語には、裸のウイルスゲノムと、カプシド形成させて得られるウイルス粒子の両者が包含される。ウイルスの接種は、常法の通り、植物の葉にカーボン粉末やセライト等の微粒子等を用いて機械的に傷をつけて接種原と接触させることにより行なえばよい。
組換えウイルスを感染させた植物体内では、ウイルスが増殖し、植物細胞内で大量の外来タンパク質が生産される。ウイルス接種後10〜15日間程度栽培した後、葉を収穫してタンパク質を抽出・精製すれば、本発明のタンパク質組成物を得ることができる。
組換えウイルスを感染させた植物組織からの目的タンパク質の抽出及び精製は、基本的には一般的なタンパク質精製方法(C. D. Mount et al., Archives of Biochemistry and Biophysics, 240 33 (1985), U. H. Gregory and I. R. Willshire, Hoppe-Sayler's Z. Physiol. Chem., 356 1765 (1975))を用いて行なうことができる。具体的には、例えば以下のようにして行えばよい。
タンパク分解酵素阻害剤を含む緩衝液に感染した植物の組織を加え、ミキサーによって均一化してタンパク質を抽出する。この液を遠心後、上清を回収し、限外濾過で上清中の不純なタンパク質を除去して、必要に応じて更に限外膜による濃縮を行い、粗精製物を得る。限外濾過は、例えば、Miracloth(CALBIOCHEM社)やガラス繊維ろ紙等のフィルターで濾過後、濾液を分画分子量10〜30 kDa程度のメンブレンでクロスフロー濾過することにより実施できる。
得られた粗精製物は、疎水性相互作用クロマトグラフィー担体を用いてさらに1回以上精製する。担体は特に限定されず、ゲルや樹脂など、疎水性相互作用クロマトグラフィーに一般的に用いられている公知の担体のいずれであってもよい。疎水性相互作用クロマトグラフィー担体としては、官能基としてフェニル基を有するもの、例えばフェニル−セファロース担体が好ましく用いられる。粗精製物に終濃度1〜3 Mの硫酸アンモニウム等を添加して塩濃度を高めた後、疎水性相互作用クロマトグラフィー担体と接触させ、目的タンパク質を担体に吸着させる。次いで、数mM程度の濃度のリン酸ナトリウム等の緩衝液(pHは中性付近のものを用いる)で吸着したタンパク質を溶出させる。
さらに、必要に応じ、溶出液を強陰イオン交換クロマトグラフィー担体にタンパク質を吸着させ、塩基性(pH9〜11程度)に調整した塩化ナトリウムを含むグリシン緩衝液で溶出させることにより、3種類のタンパク質断片を主成分として含む本発明のタンパク質組成物を得ることができる。このタンパク質組成物は、脱塩処理等、所望によりさらなる処理に付してよい。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
1.組換えTMV発現ベクターの調製
タバコエクステンシンシグナルペプチド配列と、53残基の成熟型ヒトEGF配列と、小胞体保留シグナルKDELとを連結させたアミノ酸配列(配列番号10)をコードする、改変された塩基配列からなるDNA(配列番号9)を含むインサートDNA(配列番号11)は、GeneArt社(現Life Technologies社)に依頼し、化学合成により作製した。
その一方で、組換えタバコモザイクウイルスを発現可能な公知のプラスミドBSG1057(特許第4750285号)を改変して作製したプラスミドUB001(図1)をPacI及びXhoIで消化してリニア化し、アガロースゲルで泳動後にゲルから抽出・精製した。
上記のインサートDNAとリニア化UB001をT4 DNAリガーゼ(インビトロジェン)でライゲーションした(37℃、20分)。得られたプラスミドDNAをヒートショックにより大腸菌NEB5-α(New England BioLabs)に導入し、アンピシリン含有培地でスクリーニングしてシングルコロニーを増殖させ、この大腸菌細胞からmini prepキット(キアゲン)を用いてプラスミドDNAを抽出・精製することにより、UB001のタバコモザイクウイルスMP領域とCP領域との間にインサートDNAが挿入された組換えTMV発現プラスミドを得た。PacIとXhoIでプラスミドを消化してインサートサイズを確認した。
2.組換えTMV粒子の調製
上記で得た組換えTMV発現プラスミドDNAを鋳型として、Ambion mMessage mMachine kit(Life Technologies)を用いて転写反応を行なった。反応液組成は以下の通りとした。
反応液を37℃で1〜3時間インキュベートし、成熟型ヒトEGFと同一のアミノ酸配列にエクステンシンシグナルペプチドと小胞体保留シグナルペプチドを融合させたタンパク質を発現可能な組換えTMV RNAを調製した。反応液のうち0.5μLを1%アガロースゲルで電気泳動し、転写産物を確認した。
反応液19.5μLを、1.58mLのヌクレアーゼフリー水、0.2mLの1Mリン酸ナトリウムpH7.0、及び0.2mLの精製TMV外被タンパク質(10mg/mL、TMV感染タバコ葉より抽出精製したもの)と混合し、室温で2時間〜一晩インキュベートすることで、カプシド形成反応を行なった。これにより、成熟型ヒトEGFと同一のアミノ酸配列にエクステンシンシグナルペプチドと小胞体保留シグナルペプチドを融合させたタンパク質(配列番号10)を発現可能な組換えTMV粒子を得た。
3.接種原の調製
カプシド形成反応後の反応液を用いて接種原を調製した。接種原の調製に用いるバッファー(GENEWARE(登録商標)Inoculation Buffer(GIB))は、以下の通りに調製した。
ビーカーに250mLの18.2 MΩ水、2.25gのグリシン、3.14gのK2HPO4、3.00gのNa4P2O7・10H2Oを入れ、スターラーで15分以上撹拌した。溶解後の溶液を500mL容のメスシリンダーに移し、18.2 MΩ水にて300mLに調整した。これをオートクレーブ可能な容器に移し替え、3.00gのベントナイトと3.00gのセライトを加え、回旋撹拌してベントナイトとセライトを十分に湿らせた後、オートクレーブ処理(121℃、20分)した。冷却後は4℃で保存した(4℃で1年間安定)。
カプシド形成反応液の原液又は適宜ヌクレアーゼフリー水で希釈した液を等量のGIBと混合し、接種原として用いた。タバコ(Nicotiana benthamiana)1個体につき2枚の本葉に、葉1枚当たり30μLの接種原を滴下し、手袋をはめた指で軽く擦って葉に傷をつけることにより、組換えTMVをタバコに感染させた。
4.タバコ葉からのEGFの回収(1)
接種後12日間栽培した後、タバコ葉を収穫した。収穫した500gの葉は、抽出までの間、約45分間氷上に置いた。抽出用緩衝液(50mMトリス緩衝液(pH8.5)、10mM EDTA、1mM PMSF(Phenylmethylsulfonyl fluoride、プロテアーゼ阻害剤として)、0.1% Triton X-100)は、抽出作業まで4℃に冷蔵保存した。500g の葉に500mLの抽出用緩衝液を加えて、ジューサーで破砕抽出して、ガラス瓶に入れて氷液に保存した。この液を10,000gで10分間遠心して、その後の濾過の材料とした。遠心後の上清をMiracloth 及び30KDa PES Kvick flow UFカセット(0.1m2)で濾過することにより、濾液中の大部分のタンパク質を除去して組換えタンパク質を濃縮した(30KDa濾過液)。また、この30KDa濾過液を2KDa Hydrosart Sartorius カセット(0.1m2)でさらに90mLに濃縮した(2KDa濾過液)。さらに、各濾過残渣を7倍量の抽出用緩衝液(計1,600mL)で洗浄し、洗浄液を回収した(30KDa残渣、及び2KDa残渣)。
タバコ葉破砕液、遠心上清、30KDa濾過液、30KDa残渣、2KDa濾過液及び2KDa残渣の各試料について、ヒトEGFに特異的な抗体を用いたウエスタンブロットによりタンパク質の検出を行なった。その結果、破砕液、遠心上清のほか、30kDa濾過液試料と2kDa濾過残渣試料中に約5.5kDaの組換えタンパク質が検出された。タバコ葉細胞内で組換えTMVから産生された組換えタンパク質は、シグナルペプチドが付加された状態で翻訳されるが、その後に植物細胞内の酵素反応によってシグナルペプチドが外されるので、上記したサイズで検出される結果となった。
5.タバコ葉からのEGFの回収(2)
接種後12日間栽培した後、タバコ葉を収穫した。収穫した1500gの葉は、抽出までの間、約45分間氷上に置いた。抽出用緩衝液(50mMトリス緩衝液(pH8.5)、10mM EDTA、1mM PMSF(Phenylmethylsulfonyl fluoride、プロテアーゼ阻害剤として)、0.1% Triton X-100)は、抽出作業まで4℃に冷蔵保存した。1500g の葉に1500mLの抽出用緩衝液を加えて、ジューサーで破砕抽出して、ガラス瓶に入れて氷液に保存した。この液を10,000gで10分間遠心して、その後の濾過の材料とした。遠心後の上清をMiracloth 及び30KDa PES Kvick flow UFカセット(0.1m2)で濾過することにより、濾液中の大部分のタンパク質を除去して組換えタンパク質を濃縮した。この30KDa濾過液に1.5Mになるように硫酸アンモニウムを加えてPhenyl Sepharose FFカラムに吸着させた後、5mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で溶出した。更に、この液に2.5Mになるように硫酸アンモニウムを加えてPhenyl Sepharose FFカラムに吸着させた後、5mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で溶出した。この液をNuviaQカラムを通し組換えタンパク質を吸着させて、500mM塩化ナトリウムを加えたグリシン緩衝液(pH 10.0)で溶出した。これを組換えタンパク質試料として、SDS-PAGE・銀染色による純度の測定及び生物活性の測定を実施した。
銀染色の結果を図2に示す。上記の方法でタバコ葉内の組換えタンパク質を高い純度で回収精製できていることが確認された。
6.タバコ由来組換えタンパク質の生物活性の測定
組換えタンパク質の生物活性として、細胞増殖活性を測定した。96穴マイクロプレートの各ウェルにヒト線維芽細胞PDL3を5000個になるように入れた。上記組換えタンパク質試料を20pg/mLから2000pg/mLまで11段階で希釈し、各希釈試料0.5mLをウェル一列(6ウェル)ずつ、計11列のウェルにそれぞれ加えた。PDL3の培養に用いた培養液を0.5mLずつ加えたウェル一列をネガティブコントロールとして準備した。このマイクロプレートを炭酸ガス細胞培養器にて4日間培養した。培養後、培養液を除き、テトラゾリウム系生細胞染色液を1mLを加えて3時間染色して、マイクロプレートリーダーを用いて490nmの吸光度を測定した。
また、PDL3の他に、BALB/cマウス胎仔由来細胞BALB/3T3を用いて同様に生物活性を測定した。参考データとして、上記の組換えタンパク質試料に代えて市販のヒトEGFタンパク質標準品(Promega社)を用いて同様に生物活性を測定した。
組換えタンパク質試料の生物活性測定結果を図3に示す。PDL3細胞(図3A)及びBALB/3T3細胞(図3B)いずれも、組換えタンパク質試料の添加濃度に応じて細胞の増殖が促進されており、市販のヒトEGFタンパク質(図4A, B)と遜色のない結果であった。これにより、上記の方法でタバコ葉から回収精製された組換えタンパク質試料が生物活性を有していることが確認された。
7.組換えタンパク質試料のTOF-MS分析
組換えタンパク質試料50μLをZipTip C18(Millipore社)によって脱塩して10μLに濃縮した。この溶液1μLとMatrix CCA(Alpha-cyano-4-hydroxy cinnamic acid) 4μLとを混合して、その1μLを,Bruker REFLEXTM Matrix-Assisted Laser Desorption Time-of-Flight Mass Spectrometer (MALDI-TOF MS)解析に供した。
得られたマススペクトルを図5に示す。m/z5113.687、5200.814、5316.018の3つのピークが確認された。
8.組換えタンパク質試料のアミノ酸配列の分析
上記で得られた組換えタンパク質試料に含まれるペプチドのアミノ酸配列の分析は、株式会社東レリサーチセンターに委託して実施した。Edman分解によるN末端アミノ酸配列分析により、N末端より10残基のアミノ酸配列を確認した。その結果、当該タンパク質試料には、予想されるN末端配列(配列番号2)、N末端1残基欠損配列、及びN末端2残基欠損配列の3種類の配列が確認された。
さらに、TOF-MSによる分子量の測定及びN末端からのアミノ酸分析の結果より、ペプチドの構造の推定を行なった。
上記のデータより、タンパク質試料中に含まれるペプチドは、いずれもC末端をL(ロイシン)とするペプチドであると推定された。

Claims (12)

  1. 上皮細胞増殖因子のアミノ酸配列をコードする核酸を植物細胞内に導入してタンパク質を発現させた後、該植物細胞内のタンパク質を抽出及び精製することにより得られるタンパク質組成物であって、細胞増殖を促進する活性を有し、質量分析においてm/z 5000〜5500の範囲で3つのピークを呈する、タンパク質組成物。
  2. 抽出されたタンパク質の精製は、疎水性相互作用クロマトグラフィー担体をタンパク質溶液と接触させ、担体に吸着したタンパク質を溶出する工程を含む、請求項1記載のタンパク質組成物。
  3. 疎水性相互作用クロマトグラフィー担体がフェニル−セファロースである、請求項2記載のタンパク質組成物。
  4. 上皮細胞増殖因子のアミノ酸配列は、配列番号2に示す53残基の成熟型ヒト上皮細胞増殖因子のアミノ酸配列である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンパク質組成物。
  5. 配列番号2に示すアミノ酸配列中の第1番〜第47番アミノ酸の領域からなる断片、第2番〜第47番アミノ酸の領域からなる断片、及び第3番〜第47番アミノ酸の領域からなる断片を含有する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のタンパク質組成物。
  6. 前記植物がタバコである、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のタンパク質組成物。
  7. 植物細胞内でのタンパク質の発現は一過性の発現である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のタンパク質組成物。
  8. 植物細胞内への核酸の導入及びタンパク質の発現は、前記核酸が組み込まれたウイルス発現ベクターから調製された組換えウイルスを植物体に感染させることにより行われる、請求項7記載のタンパク質組成物。
  9. ウイルス発現ベクターがタバコモザイクウイルス発現ベクターである、請求項8記載のタンパク質組成物。
  10. 前記核酸にコードされるタンパク質は、少なくとも1種のシグナルペプチドが付加されたタンパク質として植物細胞内で発現される、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のタンパク質組成物。
  11. 前記核酸にコードされるタンパク質は、成熟型ヒト上皮細胞増殖因子のアミノ酸配列のN末側にタバコエクステンシンシグナルペプチドを、C末側に小胞体保留シグナルKDELを付加したタンパク質として植物細胞内で発現される、請求項10記載のタンパク質組成物。
  12. 配列表の配列番号8に示される塩基配列の核酸が植物細胞に導入される、請求項11記載のタンパク質組成物。
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