以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る信号表示灯1の正面図である。図2は、図1の姿勢における信号表示灯1の側面中央縦断面図である。図3Aおよび図3Bは、信号表示灯1を構成する個々の部品の正面図である。図4Aおよび図4Bは、信号表示灯1の分解斜視図である。図5Aおよび図5Bは、図4Aおよび図4Bとは異なる方向から見た場合における信号表示灯1の分解斜視図である。
図1および図2を参照して、この発明の一実施形態に係る信号表示灯1は、工場の製造現場等で使用されるものであり、細長い円筒状をなしている。使用時における信号表示灯1の姿勢は、使用条件に応じて任意に設定できる。しかし、以下では、便宜上、図1〜図5Bの各図における紙面の上下方向が信号表示灯1の長手方向と一致するように、縦長に配置されたときの信号表示灯1を基準として説明する。具体的は、図1〜図5Bの各図において、紙面の上側を信号表示灯1の上側とし、紙面の下側を信号表示灯1の下側として説明する。
図3A〜図5Bを参照して、信号表示灯1は、LED実装基板2と、レンズユニット3と、ボディ4と、プレート5と、ブラケット6と、防水リング7と、防水シート8と、防水リング9と、アウターレンズ10(ケース部)と、アウタートップ11と、防水キャップ12と、ヘッドカバー13とを含んでいる。以下では、各部品について個別に説明する。
LED実装基板2は、図4Bおよび図5Bに示すように、上下方向に長手をなす略長方形の薄板状である。LED実装基板2の長手方向(上下方向)に符号Lを付し、LED実装基板2の短手方向に符号Sを付し、LED実装基板2の厚さ方向に符号Tを付すことにする。長手方向LにおけるLED実装基板2の寸法は、信号表示灯1の長手方向寸法より少し小さい(図2参照)。LED実装基板2は、厚さ方向Tにおける両側面をなす表面2Aおよび裏面2Bを有している。便宜上、図4Bにおいて最も大きく見えている面を表面2Aとし、図5Bにおいて最も大きく見えている面を裏面2Bとする。長手方向Lと短手方向Sとは、表面2Aおよび裏面2Bに平行な同一平面上で直交している。厚さ方向Tは、長手方向Lおよび短手方向Sの両方に対して直交している。なお、厚さ方向Tは、信号表示灯1の奥行き方向Fでもあり(図2参照)、短手方向Sは、信号表示灯1の左右方向Gでもある(図1参照)。
表面2Aおよび裏面2Bのそれぞれにおいて、短手方向Sにおける中央位置2Cから一方の端部2D側へ偏った位置に、LED(発光ダイオード)14が実装されている。表面2Aに実装されたLED14と、裏面2Bに実装されたLED14とは、短手方向Sにおいて同じ位置(端部2Dにおける縁2Eから僅かに中央位置2C側の位置)にある(図4Bおよび図5B参照)。
表面2Aおよび裏面2Bのそれぞれにおいて、複数のLED14が、長手方向Lに沿って一列で並んで実装されている。具体的には、長手方向Lに沿って等間隔で並んだ4つのLED14が、1つの組15をなし、5つの組15が、長手方向Lに沿って等間隔で並んでいる。つまり、LED実装基板2では、複数組のLED14を長手方向Lに所定間隔で実装している。なお、各組15内で隣り合うLED14同士の間隔K1は、隣り合う組15同士の間隔K2よりも狭い(図4B参照)。また、個々のLED14は、小片状をなしている。そして、各組15において、表面2AのLED14と裏面2BのLED14とは、長手方向Lで同じ位置に1つずつ配置されている。
当該5つの組15は、表面2Aおよび裏面2Bのそれぞれにおいて、長手方向Lにおける一方側(上側)の略4分の3の領域に配置されている。表面2Aおよび裏面2Bのそれぞれにおいて、5つの組15を、上から順に、第1組15A、第2組15B、第3組15C、第4組15D、第5組15Eというように区別すると、第1組15Aは、表面2Aおよび裏面2Bの上端部に配置されている。
表面2Aおよび裏面2Bにおいて、長手方向Lにおける他方側(下側)の略4分の1の領域には、LED14は配置されておらず、表面2Aの当該領域には、端子16が実装されている。端子16には、制御信号や電力の供給を行うケーブル17が接続される。端子16と各LED14とは、電気的に接続されている。各LED14は、端子16を介してケーブル17から制御信号や電力が供給されることによって、発光する。
次に、レンズユニット3について説明する。レンズユニット3の説明に際し、図1〜図5のそれぞれにおいて信号表示灯1に組み付けられるときのレンズユニット3の姿勢を基準とする。
図2を参照して、レンズユニット3は、前述したLED14の組15と同数(つまり5つ)設けられていて、それぞれのレンズユニット3の形態(形状および大きさ)は同じである。これら5つのレンズユニット3は、上下方向(LED実装基板2の長手方向L)に連結して使用される。つまり、個々のレンズユニット3は、自己と同じ形態の他のレンズユニット3を長手方向Lに連結して使用されるのであり、信号表示灯1では、複数個(5個)のレンズユニット3が連設されている。5個のレンズユニット3を、上から順に、第1レンズユニット3A、第2レンズユニット3B、第3レンズユニット3C、第4レンズユニット3D、第5レンズユニット3Eというように区別することがある。各レンズユニット3は、形態は同じであるが、異なる色で着色されていてもよい。たとえば、第1レンズユニット3Aを赤色とし、第2レンズユニット3Bを橙色とし、第3レンズユニット3Cを緑色とし、第4レンズユニット3Dを青色とし、第5レンズユニット3Eを白色としてもよい。または、各レンズユニット3を同色とする一方で、各レンズユニット3に向けて発光するLED14の発光色をレンズユニット3毎に異ならせてもよい。
図6は、レンズユニット3の斜視図である。図7は、レンズユニット3の平面図である。図8は、レンズユニット3の底面図である。図9は、レンズユニット3の左側面図である。図10は、レンズユニット3の背面図である。図11は、図7のA−A矢視図である。図12および図13は、一部を断面で示したレンズユニット3の要部の斜視図である。
以下には、図6〜図13を参照して、個々のレンズユニット3について説明する。なお、図6〜図13のうち、図7以外の図面では、便宜上、LED実装基板2を図示していない。
レンズユニット3は、略円筒状である。レンズユニット3の円中心を通る中心軸(図示せず)延びる方向を、レンズユニット3の軸方向Xということにする。レンズユニット3は、軸方向Xに所定長さを有している。図7に示すように、軸方向Xから見たときのレンズユニット3の外側輪郭3Rは、略円形になっている。以下では、レンズユニット3の周方向Pおよび径方向Rを用いて説明することがある。
レンズユニット3全体は、透明(半透明や有色透明も含む、以下同じ)の樹脂を材料としていて、射出成形等により、金型用いて成形されている。レンズユニット3における各部分(これから述べる)は、一体化されている。ここでの樹脂として、アクリル樹脂が挙げられる。
レンズユニット3は、導光放射部20と、補助レンズ部21と、支持部22とを主に含んでいる(図7においてドットで塗りつぶした部分を参照)。
導光放射部20は、レンズユニット3の外側輪郭3Rのほとんどをなす筒状(詳しくは略円筒状)である。そのため、導光放射部20の周方向は、前述した周方向Pと同じであり、導光放射部20の径方向は、前述した径方向Rと同じである。導光放射部20の周上1箇所には、スリット部23が形成されている。スリット部23は、導光放射部20を軸方向Xに切り欠いており、導光放射部20の周上1箇所を軸方向Xに沿って切断している。そのため、軸方向Xと直交する切断面で切断したときの導光放射部20の断面は、厳密には、スリット部23において途切れた略C字状をなしている。導光放射部20には、スリット部23を区画する一対の対向端面が形成されており、これらの対向端面を入射面24と呼ぶことにする。一対の入射面24のうち、一方(図7において右側)を入射面24Aといい、他方(図7において左側)を入射面24Bということにする。これらの入射面24は、スリット部23を挟んで対向配置されている。これらの入射面24は、平行に延びる平坦面であってもよいし、図7に示すように、互いに接近する方向へ略円弧状に膨出していてもよい。
導光放射部20において各入射面24A側の部分(入射部28ということにする)は、レンズユニット3の外側輪郭3Rより内側(レンズユニット3の円中心側)に位置しており、外側輪郭3Rを構成していない。導光放射部20の外周面20Aにおいて、各入射部28以外の領域が、外側輪郭3Rのほとんどの部分を構成している。
導光放射部20の内周面20Bには、複数の凸部25が一体的に設けられている。これらの凸部25は、レンズユニット3の円中心側(径方向Rの内側)へ突出しつつ、軸方向Xに沿って直線状に延びる筋状である。軸方向Xと直交する切断面で切断したときの各凸部25の断面形状は、内周面20Bにおける周方向Pの位置によって異なっている。詳しくは、導光放射部20において、周方向Pでスリット部23から180度ずれた位置を反対位置20Cと呼び、各入射面24から反対位置20Cまでの領域を、入射面24に近い順から、第1領域20D、第2領域20E、第3領域20Fとに3分割する。第1領域20Dにおける凸部25の断面形状は、略三角形状である。第3領域20Fにおける凸部25の断面形状は、略半円形状である。第2領域20Eにおける凸部25の断面形状は、第1領域20Dにおける凸部25と第3領域20Fにおける凸部25とのどちらにも似た形状である。
補助レンズ部21は、スリット部23を径方向Rにおける外方から覆うように設けられている。補助レンズ部21は、径方向Rにおいて扁平であって、軸方向Xへ帯状に延びている(図10参照)。軸方向Xにおける補助レンズ部21の寸法は、軸方向Xにおける導光放射部20の寸法より少し小さい(図9および図10参照)。補助レンズ部21において、径方向Rにおける外側面21Aと、径方向Rにおける内側面21Bとは、互いに離れる方向へ円弧状に膨出している。そのため、軸方向Xと直交する切断面で切断したときの補助レンズ部21の断面は、径方向Rにおける厚さが、周方向Pにおける両外側へ向かうに従って徐々に小さくなっている。補助レンズ部21において周方向Pにおける両側の端面21Cは、外側面21Aおよび内側面21Bのそれぞれに交差しつつ、軸方向Xに沿って延びる平坦面である。外側面21Aは、レンズユニット3の外側輪郭3Rの一部を構成している。
内側面21Bにおいて、周方向Pにおける中央には、軸方向Xに沿って平行に延びる一対のレール部26が一体的に設けられている。軸方向Xにおける各レール部26の寸法は、軸方向Xにおける内側面21Bの寸法より小さい(図11参照)。一対のレール部26の間隔は、LED実装基板2の厚さ(厚さ方向Tにおける寸法)とほぼ同じである。一対のレール部26の間には、移動抑止部27(第1移動抑止部)が設けられている。移動抑止部27は、補助レンズ部21の内側面21Bにおいて径方向Rの内側に開放された溝状であって、軸方向Xに延びている。
レンズユニット3は、導光放射部20と補助レンズ部21とを連結する連結部29を備えている。連結部29は、軸方向Xにおいて薄い板状である(図9参照)。連結部29は、軸方向Xにおける導光放射部20の中央(レンズユニット3全体の中央でもある)から上側へ少し偏った位置に配置されている(図9および図10参照)。レンズユニット3において、軸方向Xにおける連結部29の位置は、レンズユニット3を2つの金型(図示)内で成形するときにおける当該2つの金型の合わせ位置(境界)Yになっている(図10参照)。合わせ位置Yがレンズユニット3の中央から外れているので、レンズユニット3の成形後に当該2つの金型を分離させると、レンズユニット3は、どちらか決まった方の金型に必ず位置するので、成形後のレンズユニット3の取り扱いの点で便利である。
連結部29は、軸方向Xから見て、周方向Pにおけるスリット部23および移動抑止部27の両外側において、導光放射部20の外周面20Aと、補助レンズ部21の内側面21Bおよび端面21Cのそれぞれとの間に架設されている。径方向Rにおける連結部29の外周面29Aは、レンズユニット3の外側輪郭3Rの一部を構成していて、導光放射部20の外周面20Aと、補助レンズ部21の外側面21Aとを滑らかにつないでいる。
支持部22は、導光放射部20の内側に収容されている。支持部22は、筒状である。厳密には、支持部22は、導光放射部20よりも小径の略円筒状であり、その中心軸は、軸方向Xに沿って延びている。また、支持部22の中心軸(円中心)は、導光放射部20(厳密には、レンズユニット3の外側輪郭3R)の中心軸とは一致しておらず、導光放射部20の中心軸から反対位置20C側に少しずれている。軸方向Xにおける支持部22の寸法は、軸方向Xにおける導光放射部20の寸法よりも大きい。そのため、軸方向Xにおける支持部22の一端部(上端部)22Cは、導光放射部20よりも外側(上側)にはみ出しており、軸方向Xにおける支持部22の他端部(下端部)22Dは、導光放射部20よりも外側(下側)にはみ出している(図9および図10参照)。支持部22の上端面を、レンズユニット3において軸方向Xの一端側に設けられた一端側当接端面22Eといい、支持部22の下端面を、レンズユニット3において軸方向Xの他端側に設けられた他端側当接端面22Fということにする(図9および図10参照)。一端側当接端面22Eおよび他端側当接端面22Fの両方は、軸方向Xと直交する方向に沿って平坦である。
支持部22の周上1箇所には、スリット部30が形成されている。スリット部30は、支持部22を軸方向Xに切り欠いており、支持部22の周上1箇所を軸方向Xに沿って切断している。そのため、軸方向Xと直交する切断面で切断したときの支持部22の断面は、厳密には、スリット部30において途切れた略C字状をなしている。周方向Pにおいて、スリット部30と、導光放射部20のスリット部23とは同じ位置にある。そのため、スリット部30とスリット部23とは、径方向Rに延びる同一直線(詳しくは、後述する平坦面Mに沿う直線)上に位置している。
支持部22は、外周面22Aと、内周面22Bとを有している。
外周面22Aには、全周に亘って遮光処理が施されている。具体的には、外周面22Aには、軸方向Xに沿って延びる筋状の凸部31が設けられており、多数の凸部31が、外周面22Aの周方向に並ぶように、外周面22Aの周方向全域に亘って配置されている。軸方向Xと直交する切断面で切断したときの各凸部31の断面は、外側へ向けて尖る略三角形状をなしている。なお、外周面22Aにおける遮光処理の別の例として、外周面22Aにシボ加工等を施してもよい。
内周面22Bには、複数(ここでは4つ)の位置決めリブ32が設けられている。4つの位置決めリブ32は、内周面22Bの周方向において等間隔で配置されている。スリット部30に対して最寄の位置決めリブ32は、スリット部30から内周面22Bの周方向において約45度離れた位置にある。各位置決めリブ32は、軸方向Xに細長く延びる四角柱であり、その先端部32A(係合部、第1連結ガイド部)は、軸方向Xにおけるレンズユニット3の一端側(前述した一端側当接端面22E)に設けられていて、厳密には、一端側当接端面22Eよりも外側(上側)にはみ出ている(図6参照)。
なお、前述した遮光処理は、外周面22Aでなく、内周面22Bに施されていてもよいし、外周面22Aおよび内周面22Bの両方に施されていてもよい。
レンズユニット3は、導光放射部20と支持部22とを連結する連結部33を備えている。連結部33は、前述した連結部29と同じ厚さの薄板状であり、軸方向Xにおいて連結部29と同じ位置にある。連結部33は、軸方向Xから見て、導光放射部20のスリット部23側に開放された略U字状をなしている。このような連結部33は、導光放射部20の内周面20B(厳密には、前述した第2領域20Eおよび第3領域20Fにおける内周面20B)と、支持部22の外周面22Aとの間を塞ぐように、内周面20Bと外周面22Aとの間に架設されている。連結部33は、第1領域20Dにおける内周面20Bには接続されていないので、軸方向Xから見て、連結部33と第1領域20Dにおける内周面20Bとの間には、隙間34が区画されている。隙間34は、軸方向Xにおけるレンズユニット3の両側から外部に露出されている(図7および図8参照)。
また、支持部22の内周面22Bには、軸方向Xから見たときの支持部22の中空部分におけるほとんどの領域を塞ぐ略円形状の閉塞部35が設けられている。閉塞部35は、連結部29および連結部33のそれぞれと同じ厚さの薄板状であり、軸方向Xにおいて連結部29および連結部33のそれぞれと同じ位置にある。閉塞部35の上面に、各位置決めリブ32の根元部分(先端部32Aとは反対側の下端部)が接続されている(図12および図13参照)。
閉塞部35には、支持部22のスリット部30から連続して、支持部22の径方向に沿って直線状に延びる切り欠き溝36が形成されている。切り欠き溝36は、閉塞部35を厚さ方向に貫通しつつ、閉塞部35の円中心よりもスリット部30から離れた位置(閉塞部35の円中心に対してスリット部30よりも反対側の位置)まで延びている。閉塞部35において切り欠き溝36を区画する部分のうち、スリット部23から最も離れた部分(切り欠き溝36の溝底)を、底面36A(第2移動抑止部)ということにする。軸方向Xから見て、切り欠き溝36がスリット部30から底面36Aへ向かって延びる方向を、深さ方向Dといい、深さ方向Dと直交する方向を、幅方向Wということにする。底面36Aは、幅方向Wに沿って平坦である。底面36Aは、深さ方向Dにおいて補助レンズ部21とは反対側(導光放射部20の反対位置20C側)に設けられている。スリット部23とスリット部30と切り欠き溝36とは、前述した同一直線(平坦面Mに沿う直線)上に位置している。
図12および図13に示すように、レンズユニット3は、閉塞部35において、一対の挿入空間形成部材40を含んでいる。なお、図12および図13では、便宜上、断面や端面(断面ではない)に相当する部分をドットで塗り潰している。
一対の挿入空間形成部材40は、軸方向Xに沿って延びるレバー状であって、それぞれの軸方向Xにおける略中央部分が、閉塞部35に連結されている。
図7を参照して、一対の挿入空間形成部材40は、軸方向Xから見て、切り欠き溝36の底面36A側の部分(厳密には閉塞部35の円中心)を幅方向Wから挟むように、幅方向Wにおいて対向配置されている。一対の挿入空間形成部材40は、非接触状態で対向配置されている。閉塞部35および連結部33(支持部22において閉塞部35および連結部33に接続された部分も含む)は、一対の挿入空間形成部材40と導光放射部20とを連結している(図11参照)。軸方向Xから見たときの各挿入空間形成部材40は、深さ方向Dに長手(幅方向Wに扁平)の長方形状をなしている。
一対の挿入空間形成部材40は、互いの対向面40Aの間で、挿入空間41という隙間を区画している。挿入空間41は、軸方向Xにおけるレンズユニット3の両側から外部に露出されている(図7および図8参照)。軸方向Xから見ると、挿入空間41は、支持部22の内側に形成されている。軸方向Xと直交する切断面で切断したときの挿入空間41の断面は、幅方向Wにおいて扁平になっている。
図9〜図11を参照して、一対の挿入空間形成部材40における軸方向Xの一端部40B(上端部)は、支持部22の上面である一端側当接端面22Eよりも軸方向Xにおける外側(上側)へ突出している。一対の挿入空間形成部材40における軸方向Xの他端部40C(下端部)は、支持部22の下面である他端側当接端面22Fよりも軸方向Xにおける外側(下側)へ僅かに突出している。つまり、一端部40Bは、他端部40Cよりも支持部22の外側へ突出している。
図11を参照して、各挿入空間形成部材40の対向面40Aにおいて他端部40C側の端部には、軸方向Xに傾斜するように延びて当該端部を面取りする傾斜面40Dが形成されている。各挿入空間形成部材40の対向面40Aにおいて一端部40B側の端部には、軸方向Xに沿う平坦面40Eが形成されている。平坦面40Eの上端には、相手側の挿入空間形成部材40へ向けて若干突出した凸部40Fが設けられている。挿入空間41の幅方向Wの寸法は、LED実装基板2の厚さ方向Tの寸法とほぼ同じである(図7参照)。ただし、厳密には、レンズユニット3が単体で存在する状態(他のレンズユニット3に連結されていない状態)における挿入空間41の幅方向Wの寸法は、LED実装基板2の厚さ方向Tの寸法より若干大きい。また、挿入空間41の幅方向Wの寸法は、他端部40C側よりも一端部40B側において狭くなっている。各挿入空間形成部材40の一端部40Bにおける外面(対向面40Aとは反対側の面)には、一端部40B(凸部40F側の部分)を階段状に細くする窪み40Gが形成されている。
図8を参照して、各挿入空間形成部材40に関連して、レンズユニット3は、補強部42を含んでいる。補強部42は、挿入空間形成部材40に対して1つずつ設けられている。各補強部42は、軸方向Xから見たときの挿入空間形成部材40の長手方向(深さ方向D)に薄い板状であって、軸方向Xに延びている(図5A参照)。なお、便宜上、補強部42の図示が省略されている図がある。
図11を参照して、各補強部42は、対応する挿入空間形成部材40の他端部40C(厳密には、閉塞部35よりも他端部40C側の部分における深さ方向Dの略中央位置であり、図8参照)と閉塞部35との両方に連結される三角形状をなしている。補強部42によって、一対の挿入空間形成部材40における軸方向Xの他端部40Cは、補強されている。そのため、各挿入空間形成部材40の他端部40Cは、閉塞部35との連結位置(支点位置Qということがある)を中心として撓みにくくなっている(揺動しにくくなっている)。一方、一対の挿入空間形成部材40における軸方向Xの一端部40Bは、補強されていないので、支点位置Q(閉塞部35との連結位置)を中心として揺動するように弾性変形可能である。
以上のようなレンズユニット3は、図7および図8に示すように軸方向Xから見て、スリット部23、スリット部30および切り欠き溝36とレンズユニット3の円中心とを通る平坦面Mを基準として対称な形状となっている。
レンズユニット3の組み立ての際、複数個(ここでは5個)のレンズユニット3は、それぞれの軸方向Xが平行になった状態で、上下方向に沿って並べられる(図3A、図4Aおよび図5A参照)。
隣り合うレンズユニット3の連結について、図14Aおよび図14Bを参照しながら説明する。
図14Aに示すように隣り合う2つのレンズユニット3では、一例として、図14Aにおける下側の第2レンズユニット3Bの支持部22の一端側当接端面22Eが、図14Aにおいて上側にある他のレンズユニット3(第1レンズユニット3A)の支持部22の他端側当接端面22Fに対して、軸方向Xから対向している。この状態から、図14Aの白抜き矢印で示すように、第2レンズユニット3Bを第1レンズユニット3Aに接近させる。逆に、第1レンズユニット3Aを第2レンズユニット3Bに接近させてもよい。
いずれにせよ、第1レンズユニット3Aと第2レンズユニット3Bとの接近に伴い、図14Bに示すように、第2レンズユニット3Bにおける一対の挿入空間形成部材40の一端部40Bが、第1レンズユニット3Aにおける一対の挿入空間形成部材40における軸方向Xの他端部40Cの間に進入する。これにより、当該一端部40B同士が接近する。そして、図14Bに示すように第2レンズユニット3Bの支持部22の一端側当接端面22Eが第1レンズユニット3Aの他端側(支持部22の他端側当接端面22F)と当接(面接触)すると、これらのレンズユニット3同士の連結が完了する。このとき、第2レンズユニット3Bの支持部22の内側の各位置決めリブ32の先端部32Aは、連結される第1レンズユニット3Aの他端側(支持部22の内周面22B)に係合している。同様に第2レンズユニット3Bと第3レンズユニットCとを連結すると、図14Bに示すように第2レンズユニット3Bの他端側当接端面22Fが、第3レンズユニット3C(連結される他のレンズユニット3)の一端側(一端側当接端面22E)と当接(面接触)する。また、第3レンズユニット3Cの各位置決めリブ32の先端部32Aが第2レンズユニット3Bの他端側に係合する。よって、隣り合うレンズユニット3を、位置決めリブ32の先端部32Aによって、相対位置が一定となった状態で連結することができる。また、平坦な一端側当接端面22Eおよび他端側当接端面22Fが相手側のレンズユニット3の支持部22(一端側当接端面22Eおよび他端側当接端面22Fのうち対応する方)に当接する。これによって、各レンズユニット3の支持部22は、連結される他のレンズユニット3を軸方向Xから支持(位置決め)している。つまり、支持部22によって、隣り合って連結されたレンズユニット3同士の相対位置を安定させることができる。このとき、隣り合うレンズユニット3は、同軸状かつ平行になっている。
そして、最終的に、第1レンズユニット3A〜第5レンズユニット3Eにおいて隣り合うレンズユニット3同士を同様の手順で連結し、図2に示すように、5個のレンズユニット3を数珠繋ぎで一体化する。一体化された5個のレンズユニット3では、一対の挿入空間形成部材40の間に区画された挿入空間41(5個のレンズユニット3に応じて5つ存在する)が、軸方向Xに延びる同一直線上に並び、連通している。
この状態で、LED実装基板2が、その長手方向Lが軸方向Xと一致した状態(平行になった状態)で、各レンズユニット3の挿入空間41に挿入され、LED実装基板2の少なくとも一部が各レンズユニット3の挿入空間41に内包(収容)される。LED実装基板2と各レンズユニット3との相対位置が適正であるとき(最終的に定まったとき)、図7に示すように、LED実装基板2は、前述した平坦面Mに沿った姿勢で、スリット部23、スリット部30および切り欠き溝36に挿入されている。このとき、長手方向Lと軸方向Xとが一致しているだけでなく、各レンズユニット3に内包されたLED実装基板2の短手方向Sと、前述した深さ方向Dとが一致していて、LED実装基板2の厚さ方向Tと、前述した幅方向Wとが一致している。
また、この状態では、図2に示すように、長手方向Lにおいて、LED14の第1組15Aと第1レンズユニット3Aとが同じ位置にある。また、長手方向Lにおいて、LED14の第2組15Bと第2レンズユニット3Bとが同じ位置にあり、第3組15Cと第3レンズユニット3Cとが同じ位置にあり、第4組15Dと第4レンズユニット3Dとが同じ位置にあり、第5組15Eと第5レンズユニット3Eとが同じ位置にある。
各組15における全てのLED14は、図7に示すように、対応する(長手方向Lで同じ位置にある)レンズユニット3における導光放射部20のスリット部23内に配置されている。LED実装基板2において、表面2Aの各LED14は、前述した一対の入射面24における一方(ここでは、入射面24A)に対して、隙間を隔てて対向配置され、裏面2Bの各LED14は、一対の入射面24における他方(ここでは、入射面24B)に対して、隙間を隔てて対向配置されている。
また、この状態では、LED実装基板2においてLED14が位置する側の(短手方向Sにおける)端部2Dは、各レンズユニット3において、支持部22および導光放射部20からはみ出して、補助レンズ部21の移動抑止部27(一対のレール部26の間の溝)に嵌め込まれ、一対のレール部26によって挟持されている。また、端部2Dは、移動抑止部27内において補助レンズ部21に対して短手方向Sから当接している。これにより、LED実装基板2の短手方向S(厳密には補助レンズ部21側)および厚さ方向Tのそれぞれにおける移動が抑止されている。これにより、各レンズユニット3と、LED実装基板2において対応する位置にあるLED14との相対位置を安定させることができる。
一方、LED実装基板2において短手方向Sで端部2Dとは反対側の端部2Fは、レンズユニット3の閉塞部35における切り欠き溝36の底面36Aに対して、短手方向Sから当接している。これにより、短手方向S(厳密には、補助レンズ部21側とは反対側)へのLED実装基板2の移動が抑止されている。よって、各レンズユニット3と、LED実装基板2において対応する位置にあるLED14との相対位置を一層安定させることができる。なお、LED実装基板2では、短手方向Sにおいて端部2Dよりも端部2F側の部分が支持部22に内包されている。
LED実装基板2の各LED14が発光すると、各LED14から放射された光(LED放射光)は、LED14に対向配置された入射面24からレンズユニット3の導光放射部20内へ入射される。具体的には、LED実装基板2において、表面2Aの各LED14からの光は、入射面24Aから導光放射部20内へ入射され、裏面2Bの各LED14からの光は、入射面24Bから導光放射部20内へ入射される。各入射面24から導光放射部20内へ入射された光は、周方向Pに沿って導光放射部20内を進行し、その際、導光放射部20の周方向Pの全域において導光放射部20から外方(径方向Rの外側)に放射される。つまり、入射面24から導光放射部20内へ入射された光は、導光放射部20によって導かれ、導光放射部20の周方向全域(周方向Pにおける全域)で外方に放射される。
導光放射部20内での光の動きについて詳しく説明すると、光は、第1領域20Dにおいては、第1領域20Dの凸部25によって、比較的外方へ放射されやすい。第2領域20Eでは、一部の光が導光放射部20の内側に放射されることがあるが、当該一部の光は、第3領域20Fの凸部25によって乱反射され、最終的には、外方へ放射される。
一方、導光放射部20のスリット部23から漏れた光は、補助レンズ部21に受け渡され、補助レンズ部21によって外方へ放射される。また、補助レンズ部21およびその内周面21Bには、LED14の直接照射光のうち、入射面24を介して導光放射部20に入射されなかった光が照射される。補助レンズ部21および内周面21Bは、LED14からの直接照射光を外周面20Aから導光放射部20に入射されるように反射する。また、補助レンズ部21および内周面21Bは、LED14からの直接放射光を自己の外側面21Aおよび端面21Cから放射する。それによって、各レンズユニット3では、周方向Pの全周において、周方向Pでの視認性に変化が生じにくい信号報知を行うことができる。
以上の結果、各レンズユニット3では、周方向Pにおける全域においてほぼ均一に光が放射される。
ちなみに、各レンズユニット3に対して外からの光が入ってくることがある。当該光が導光放射部20を透過して導光放射部20の内側に進行すると、この光は、支持部22において遮光処理が施された外周面22A(凸部31)によって乱反射される。これにより、外からの光が弱められる。また、導光放射部20の内側に漏れた光が支持部22を透過してから導光放射部20に入射されることに起因して導光放射部20での光の放射特性に悪影響が生じることを、当該凸部31によって防止することもできる。これらの結果、導光放射部20から外部に放射される光を際立たせることができる。なお、外周面22Aに遮光処理が施された支持部22は、その内側のLED実装基板2に対する目隠しとして機能することもできる。同様に、補助レンズ部21は、LED実装基板2において導光放射部20のスリット部23から露出された部分(端部2D)を目隠しする役割も果たしている。
また、図14Bを参照して、第1レンズユニット3A以外の各レンズユニット3では、前述したように、一対の挿入空間形成部材40における一端部40B同士が、連結される他のレンズユニット3における一対の挿入空間形成部材40の他端部40Cの間に進入することで、接近している。当該一端部40B同士の間における挿入空間41の(幅方向Wにおける)寸法は、LED実装基板2の厚さ方向Tにおける寸法よりも小さい。そのため、当該一端部40B(特に、前述した平坦面40Eおよび凸部40Fであり、図11参照)同士は、LED実装基板2(LED14を避けた端部2F側の部分)を、所定以上の圧力で厚さ方向Tから挟持している(図7も参照)。
つまり、この信号表示灯1では、複数個のレンズユニット3を軸方向Xに連結させると、各レンズユニット3において、一対の挿入空間形成部材40における一端部40BがLED実装基板2を厚さ方向Tから強く挟持する。これにより、各レンズユニット3と、LED実装基板2において対応する位置(長手方向Lで同じ位置)にあるLED14との相対位置が安定する。また、図7に示す移動抑止部27や切り欠き溝36の底面36Aによって、各レンズユニット3と、LED実装基板2において対応する位置にあるLED14との相対位置が一層安定する。よって、その結果、信号表示灯1では、振動があっても、LED14からの光を安定してレンズユニット3に導いて照射することができる。
また、前述したように、各レンズユニット3では、導光放射部20のスリット部23に、LED実装基板2の短手方向Sにおける端部2D側へ偏った位置に実装されたLED14が配置される。導光放射部20におけるスリット部23の一対の対向端面が入射面24になっていて、入射面24からレンズユニット3内へ入射された光は、導光放射部20によって導かれ、その周方向全域で外方に放射される。このような構成であれば、信号表示灯1において、LED実装基板2とレンズユニット3とを、互いに極力接近するようにコンパクトにまとめて配置できる。つまり、小型化やシンプル化につながる新規構造の信号表示灯1を提供することができる。
以下では、図2および図14Bに示すように、連結された複数個(最終的には5個)のレンズユニット3と、各レンズユニット3の一対の挿入空間形成部材40における一端部40Bによって挟持されたLED実装基板2とを、アセンブリー100ということにする。なお、以上で説明したアセンブリー100の組み立て手順では、先にレンズユニット3を連結してから各レンズユニット3の挿入空間41にLED実装基板2を挿入している。この手順に代えて、非連結状態で並べた複数個のレンズユニット3の挿入空間41にLED実装基板2を予め挿入してから、隣り合うレンズユニット3を連結させることで、アセンブリー100を組み立ててもよい。
次に、LED実装基板2およびレンズユニット3以外の構成について説明する。
図3B、図4Bおよび図5Bを参照して、ボディ4は、LED実装基板2においてLED14が実装されていない下側部分を収容する中空円筒状であって、その中心軸は、上下方向に延びている。ボディ4の中空部分は、上下の両方から露出されている。ボディ4の内周面には、上下に延びるボス部50が複数(ここでは2つ)形成されている。これらのボス部50は、ボディ4の内周面の周方向において間隔を隔てて配置されている。各ボス部50には、上下に延びるねじ穴50Aが形成されている(図4Bおよび図5B参照)。
プレート5は、上下に薄い略円板形状であり、その周上1箇所には、図4Bに示すように、プレート5の円中心側に窪みつつプレート5を厚さ方向に貫通する凹状の切り欠き5Aが形成されている。プレート5において切り欠き5Aを避けた位置には、複数(ここでは2つ)の貫通孔5Bが形成されている。これらの貫通孔5Bは、プレート5を厚さ方向に貫通する丸穴であり、プレート5の周方向において間隔を隔てて配置されている。プレート5の上面において、プレート5の円中心位置には、支持部51(第2の支持部)が取り付けられている。支持部51は、略直方体のブロック形状である。支持部51では、少なくとも一部が、ゴムやスポンジ等の弾性部材を含んでおり、支持部51は弾性変形可能である。プレート5は、自身が水平となり、支持部51が上を向いた状態で、ボディ4内に下から収容されている。支持部51の各貫通孔5Bには、ねじ(図示せず)が下から挿通され、ボディ4内で対応するボス部50のねじ穴50A(図5B参照)に組み付けられている。これにより、プレート5は、ボディ4に固定されている。
ブラケット6は、中空円筒状であって、その中心軸は、上下方向に延びている。ブラケット6の下端には、円板状の底壁6Aが一体的に設けられていて、ブラケット6の中空部分は、底壁6Aによって下から塞がれている。底壁6Aには、複数(ここでは3つ)の貫通孔6Bが形成されている。これらの貫通孔6Bは、底壁6Aを厚さ方向に貫通する丸穴であり、底壁6Aの周方向において間隔を隔てて配置されている。底壁6Aの上面において各貫通孔6Bと重なる部分には、ナット52が1つずつ固定されている。ナット52の中空部分(ねじが形成された部分)と、その下の貫通孔6Bとは連通している。底壁6Aにおいて貫通孔6Bを避けた位置には、底壁6Aを厚さ方向に貫通する貫通孔6Cが形成されている。貫通孔6Cは、貫通孔6Bよりも大きい略矩形状をなしている(図5B参照)。ブラケット6の上側部分がボディ4内に下から嵌め入れられることによって、ブラケット6がボディ4に対して固定される。信号表示灯1を台座(図示せず)等に固定する場合、台座側のねじ(図示せず)を各貫通孔6Bに通してナット52に組み付けると、信号表示灯1全体が台座に対して固定される。
防水リング7は、リング状で形成されたゴムパッキンであり、ブラケット6の外周面の上端部に対して外嵌される。厳密には、ブラケット6の外周面の上端部には、当該外周面に沿って延びる環状溝6Dが形成されており、防水リング7は、この環状溝6Dにセットされる。防水リング7は、ブラケット6の上端部とボディ4の内周面の下端部との間を密封している(図2参照)。これにより、ブラケット6の上端部とボディ4の内周面との間を通ってブラケット6やボディ4内に水が侵入することが防止される。
防水シート8は、ゴム等の弾性体のシートで形成された円板状である。防水シート8には、防水シート8を厚さ方向に貫通する貫通孔8Aおよび貫通孔8Bが形成されている。貫通孔8Bは、略半円形状であり、貫通孔8Aより大きい。防水シート8は、ブラケット6の底壁6Aの下面に取り付けられている。厳密には、底壁6Aの下面には、各貫通孔6Bおよび貫通孔6Cを取り囲みつつ上側へ浅く窪む凹み6Eが形成されており(図5B参照)、防水シート8では、一部が凹み6Eに収容されつつ、少なくとも下端部が凹み6Eから下側へはみ出している(図1および図2参照)。貫通孔8Aから、ブラケット6の底壁6Aにおける1つの貫通孔6Bが下方に露出され、貫通孔8Bから、残り2つの貫通孔6Bと貫通孔6Cとが下方に露出される(図5B参照)。防水シート8は、前述した台座(図示せず)とブラケット6の底壁6Aとの間を密封する役割を果たす。これにより、台座と底壁6Aとの間を通ってブラケット6内に水が侵入することが防止される。
防水リング9は、ゴム等で形成されたリング状のパッキンであり、ボディ4の外周面の上端部に対して外嵌される。厳密には、ボディ4の外周面の上端部には、当該外周面に沿って延びる環状溝4Aが形成されており、防水リング9は、この環状溝4Aに係合しつつ、ボディ4の上端縁を全周に亘って縁取っている(図2参照)。
以上で説明したボディ4、プレート5、ブラケット6、防水リング7、防水シート8および防水リング9は、ベース部60を構成している。
図5Aを参照して、アウターレンズ10は、連結された5つのレンズユニット3を収容する中空円筒状であって、その中心軸は、上下方向に延びている。アウターレンズ10は、耐衝撃性および透光性を有する透明な樹脂(たとえば、ポリカーボネート)で形成されている。アウターレンズ10の中空部分は、上下の両方から露出されている。ボディ4の上端部がアウターレンズ10内に下から嵌め入れられることによって(図5B参照)、ボディ4がアウターレンズ10に対して固定される(図2参照)。これにより、アウターレンズ10は、ボディ4(つまり、前述したベース部60)によって支持される。前述した防水リング9は、ボディ4の上端部とアウターレンズ10の下端部との間を密封している(図2参照)。これにより、ボディ4とアウターレンズ10との間を通ってボディ4やアウターレンズ10内に水が侵入することが防止されている。
アウタートップ11は、円板形状であり、その外周縁の全域には、下方へ張り出したフランジ部11Aが一体的に設けられている。フランジ部11Aは、アウタートップ11の外周縁を縁取るリング状をなしている。アウタートップ11の下面の略円中心位置には、下方へ突出する一対の挟持突起53(第1の支持部)が設けられている。一対の挟持突起53は、各レンズユニット3における一対の挿入空間形成部材40の他端部40Cとほぼ同じ構成になっている。アウタートップ11には、補強部54が設けられている。補強部54は、前述した補強部42と同様の構成であり、挟持突起53毎に設けられていて、対応する挟持突起53を補強している。アウタートップ11は、フランジ部11Aがアウターレンズ10の上端部に対して外嵌されるように、アウターレンズ10の上端部に組み付けられる。これにより、アウタートップ11は、アウターレンズ10と一体となり、アウターレンズ10の中空部分がアウタートップ11によって上から塞がれる(図2参照)。この状態のアウタートップ11では、一対の挟持突起53がアウターレンズ10の中空部分に上から進出している(図2参照)。
防水キャップ12は、ゴム等で形成されたリング状のパッキンであり、アウタートップ11のフランジ部11Aとアウターレンズ10の上端部との間を密封している。これにより、アウタートップ11とアウターレンズ10の上端部との間を通ってアウターレンズ10やアウタートップ11内に水が侵入することが防止されている(図2参照)。
ヘッドカバー13は、円形のキャップ形状であり、アウタートップ11の上面を覆うようにアウタートップ11に対して上から組み付けられる。
なお、ボディ4とブラケット6との組み付け、ボディ4とアウターレンズ10との組み付け、アウターレンズ10とアウタートップ11との組み付け、および、アウタートップ11とヘッドカバー13との組み付けのそれぞれは、圧入による組み付けであってもよいし、ねじ結合による組み付けであってもよい。この実施形態では、ねじ結合が採用されており、組み合わされる2部品の一方には、信号表示灯1の周方向(前述した周方向Pと同じ)に延びる凸状のリブ70が形成され、当該2部品の他方には、リブ70を受け入れる溝71が形成されている(図3A〜図5B参照)。
図2を参照して、前述したアセンブリー100(軸方向Xに連結された5個のレンズユニット3と、LED実装基板2)は、アウターレンズ10内に収納される。最上位の第1レンズユニット3Aでは、一対の挿入空間形成部材40における一端部40B同士が、アウタートップ11における一対の挟持突起53の間に進入することで接近し、LED実装基板2の上端部(長手方向における一端部)2Gを厚さ方向Tから挟持している。このとき、一対の挟持突起53は、当該一端部40Bを介することによって、(他のレンズユニット3に連結した)第1レンズユニット3AまたはLED実装基板2の上端部2Gを、直接的または間接的に支持している。
LED実装基板2においてLED14が実装されていない下側部分は、前述したようにボディ4内に収容されていて、ボディ4内のプレート5の上面の支持部51に対して上から接触している。支持部51は、前述したように弾性変形可能であるから、LED実装基板2の下端部2H(長手方向Lにおける他端部)を上向きに付勢するように支持している。これにより、5つのレンズユニット3とLED実装基板2とが(つまり、アセンブリー100全体が)、アウタートップ11の挟持突起53に対して下側から押し付けられている。そのため、挟持突起53および支持部51によって、LED実装基板2および複数個のレンズユニット3の全体を、がたが生じないように、保持することができる。よって、信号表示灯1では、振動があっても、LED14からの光を一層安定してレンズユニット3に導いて照射することができる。
以上のように、LED実装基板2の長手方向Lの一端側(当該一端側のレンズユニット3またはLED実装基板2の一端部(上端部2G))が、アウターレンズ10側の挟持突起53によって支持され、LED実装基板2の長手方向Lにおける他端部(下端部2H)が、ベース部60の支持部51によって支持される。そして、アウターレンズ10がベース部60に連結されることによって、5個のレンズユニット3全体がアウターレンズ10およびベース部60の両方に固定される。これにより、信号表示灯1内において、レンズユニット3およびLED実装基板2のそれぞれを保持することができる。よって、信号表示灯1では、振動があっても、LED14からの光を一層安定してレンズユニット3に導いて照射することができる。ちなみに、各レンズユニット3から放射された光は、アウターレンズ10を通って、信号表示灯1の周方向全域から外部に照射される。
なお、ボディ4の上端部にある防水リング9が、最下位の第5レンズユニット3Eを下から当接することによって、アセンブリー100の支持に貢献してもよい。
図4Bを参照して、LED実装基板2の端子16に接続されたケーブル17は、プレート5の切り欠き5A、ブラケット6の貫通孔6Cおよび防水シート8の貫通孔8Bを通って、信号表示灯1の外部に引き出され、外部電源に接続される。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、図14Bを参照して、連結された2つのレンズユニット3(第2レンズユニット3Bおよび第3レンズユニット3Cを参照)では、一方のレンズユニット3(第3レンズユニット3C)における各位置決めリブ32の先端部32Aが、他方のレンズユニット3(第2レンズユニット3B)における支持部22の他端側(他端側当接端面22F側の内周面22B)に係合している。ここで、他方のレンズユニット3における軸方向Xの他端側に、各位置決めリブ32の先端部32Aを受け入れる凹部90(第2連結ガイド部)が位置決めリブ32と同数(ここでは4つ)設けられているとよい(図13参照)。各凹部90に先端部32Aが一つずつ係合することによって、軸方向Xに沿う回転軸(図示せず)を中心とする各レンズユニット3(連結された2つのレンズユニット3のそれぞれ)の回転(隣り合うレンズユニット3のねじれ)を抑止することができる。これにより、各レンズユニット3の挿入空間41に内包されたLED実装基板2に対して当該ねじれによる負荷がかかることを抑制できる。
なお、逆の構成として、当該一方のレンズユニット3において各位置決めリブ32の先端部32Aの代わりに凹部90を設け、当該他方のレンズユニット3の他端側に各位置決めリブ32の先端部32Aを設けてもよい。
また、第1レンズユニット3A以外の各レンズユニット3では、前述したように、一対の挿入空間形成部材40における一端部40B同士が、連結される他のレンズユニット3における一対の挿入空間形成部材40の他端部40Cの間に進入することで、弾性変形により接近する。図14Aおよび図14Bの場合は、当該他端部40Cが補強部42によって補強されて撓みにくくなっている。この場合、当該一端部40Bは、連結される他のレンズユニット3の一対の挿入空間形成部材40における軸方向Xの他端部40Cの間に進入する際、補強部42によって補強された当該他端部40Cの間を進入する。そのため、当該一端部40B同士は、確実に弾性変形して接近し、LED実装基板2を厚さ方向Tから挟持することができる(図14B参照)。
ただし、当該他端部40C自体に十分な剛性があるのであれば、図15Aおよび図15Bに示すように、補強部42を省略することができる。
また、図16Aおよび図16Bに示すように、各レンズユニット3において、導光放射部20が支持部22を兼ねていてもよい。この場合、導光放射部20とは別に存在していた支持部22(図14A等参照)を省略できる。また、連結されるレンズユニット3は、導光放射部20同士が直接接触することによって、互いに安定して支持される。
また、各挿入空間形成部材40の一端部40Bが弾性変形するときの支点位置(一端部40Bの揺動中心)Qは、軸方向Xにおけるレンズユニット3の略中央(厳密には中央から上側へ少し偏った位置であり、図14A参照)でなくてもよい。一対の挿入空間形成部材40の一端部40BによるLED実装基板2の挟持力を所望の大きさとするために、支点位置Qを軸方向Xにおける任意の位置とすることができる。
また、支点位置Qは、挿入空間形成部材40と閉塞部35との接続部分でなく、図17Aおよび図17Bに示すように、閉塞部35と支持部22との接続部分であってもよい。この場合、各挿入空間形成部材40は、他端部40Cにおいて閉塞部35と連結されていて、閉塞部35とともに揺動可能となる。
また、各レンズユニット3において補助レンズ部21(図4A参照)を省略し、アウターレンズ10に補助レンズ部21を設けてもよい。
前述した実施形態では、図2を参照して、プレート5の上面の支持部51が弾性部材を含んでいたが、代わりに、アウタートップ11の挟持突起53の少なくとも一部が弾性部材を含んでいてもよい。
また、アウタートップ11がアウターレンズ10の一部として一体化されていてもよい。その場合、アウタートップ11の挟持突起53は、アウターレンズ10に設けられていることになる。
図18は、第4変形例におけるレンズユニット3の斜視図である。図19は、第4変形例におけるレンズユニット3の平面図である。
図18および図19に示す第4変形例のレンズユニット3は、導光放射部20の内側かつ支持部22の外側(つまり、導光放射部20と支持部22との間)に内側照射部80を含んでいる。内側照射部80は、前述した幅方向Wにおける支持部22の両側に配置されるように一対設けられている。各内側照射部80は、周方向Pでスリット部23から約+90度または約−90度ずれた位置に配置されている。各内側照射部80は、連結部33から軸方向Xに沿って延びる柱状である。軸方向Xに直交する平面で切断したときの各内側照射部80の断面は、導光放射部20の反対位置20Cへ向けて細くなる略三角形状をなしている。そのため、各内側照射部80においてスリット部23側の端面80Aは、幅方向Wおよび軸方向Xの両方に沿った平坦面である。なお、各内側照射部80は、導光放射部20と支持部22との間に架設されているが(図19参照)、これに限らず、導光放射部20および支持部22の両方または一方に接続されていなくてもよい。
LED14の発光に伴って導光放射部20の内側に光が漏れた場合、この光の一部は、内側照射部80によって端面80Aからスリット部23側(厳密には、導光放射部20の第1領域20D側であって、図19の場合には端面80Aの真上の領域)に照射される。このように照射された光のうち、第1領域20Dに到達した光は、第1領域20Dにおける導光放射部20から外方に放射される。また、内側照射部80によって照射されてからスリット部23側に到達した光は、スリット部23の補助レンズ部21によって外方に放射される。これにより、信号表示灯1では、導光放射部20から外方に放射される光の光量の周方向Pにおける均一化を図ることができる。
前述した実施形態では、導光放射部20の内周面20Bにおける凸部25の断面形状が、第1領域20Dと第2領域20Eと第3領域20Fとで異なっていたが(図6〜図8参照)、第4変形例のように、凸部25の断面形状は、第1領域20D〜第3領域20Fの全域で同一であってもよい。この場合、各凸部25の断面形状は、当初の第2領域20Eにおける凸部25の断面形状(図6〜図8参照)に似た形状となっている。そのため、軸方向Xと直交する切断面で切断したときの各凸部25の基本断面形態は、内周面20Bにおける周方向Pの位置がどこであっても同一になっている。