JPWO2015041186A1 - リチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法 - Google Patents
リチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2015041186A1 JPWO2015041186A1 JP2015537909A JP2015537909A JPWO2015041186A1 JP WO2015041186 A1 JPWO2015041186 A1 JP WO2015041186A1 JP 2015537909 A JP2015537909 A JP 2015537909A JP 2015537909 A JP2015537909 A JP 2015537909A JP WO2015041186 A1 JPWO2015041186 A1 JP WO2015041186A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- active material
- ion battery
- lithium ion
- coating
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/36—Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
- H01M4/362—Composites
- H01M4/366—Composites as layered products
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Abstract
本発明の目的は、活物質の電子伝導性を向上させることのできるリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法を提供することであって、本発明のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法は、リチウムイオン電池活物質の表面の少なくとも一部が被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆されてなるリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法であって、上記リチウムイオン電池活物質に対して上記被覆用樹脂及び上記導電助剤を機械的に被覆処理する工程を含み、上記被覆用樹脂の平均粒子径D2(μm)の上記リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D2/D1)が1/5以下であり、上記導電助剤の平均粒子径D3(μm)の上記リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D3/D1)が1/10以下であることを特徴とする。
Description
本発明は、リチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法に関する。
近年、環境保護のため二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるリチウムイオン二次電池に注目が集まっている。
リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダを用いて正極又は負極活物質等を正極用又は負極用集電体にそれぞれ塗布して電極を構成している。また、双極型の電池の場合には、集電体の一方の面にバインダを用いて正極活物質等を塗布して正極層を、反対側の面にバインダを用いて負極活物質等を塗布して負極層を有する双極型電極を構成している。
電極活物質は、その種類によって電子伝導性が異なるが、現状では、どの活物質を使用する場合でも電子伝導性を高めるための導電助剤(導電剤ともいう)が不可欠である。導電助剤としては、黒鉛やカーボンブラック等の炭素質導電性物質が用いられている。
例えば特許文献1には、リチウムイオンの可逆的な挿入/脱離が可能な正極活物質と、正極活物質の表面に付着された、比表面積の異なる2種類の導電剤とを含むリチウムイオン二次電池用導電剤/正極活物質複合体が開示されている。また、特許文献1には、メカノフュージョン等の処理によって複合体を製造することが好ましいとも記載されている。
しかしながら、近年、電池の高容量化がさらに求められているために、電極の導電性をさらに向上させることが必要となっている。
本発明者らは、リチウムイオン電池活物質の表面の一部を被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆することによって、電極の導電性を高めることができる可能性があることを見出したが、リチウムイオン電池活物質の表面を被覆する具体的な方法としては様々な方法が考えられ、検討の余地があった。
本発明は、上記状況を踏まえてなされたものであり、活物質の電子伝導性を向上させることのできるリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、リチウムイオン電池活物質の表面の一部を被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆することによって、電極の導電性を高めることができる可能性があることを見出したが、リチウムイオン電池活物質の表面を被覆する具体的な方法としては様々な方法が考えられ、検討の余地があった。
本発明は、上記状況を踏まえてなされたものであり、活物質の電子伝導性を向上させることのできるリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法は、リチウムイオン電池活物質の表面の少なくとも一部が被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆されてなるリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法であって、
上記リチウムイオン電池活物質に対して上記被覆用樹脂及び上記導電助剤を機械的に被覆処理する工程を含み、
上記被覆用樹脂の平均粒子径D2(μm)の上記リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D2/D1)が1/5以下であり、上記導電助剤の平均粒子径D3(μm)の上記リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D3/D1)が1/10以下であることを特徴とする。
すなわち、本発明のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法は、リチウムイオン電池活物質の表面の少なくとも一部が被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆されてなるリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法であって、
上記リチウムイオン電池活物質に対して上記被覆用樹脂及び上記導電助剤を機械的に被覆処理する工程を含み、
上記被覆用樹脂の平均粒子径D2(μm)の上記リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D2/D1)が1/5以下であり、上記導電助剤の平均粒子径D3(μm)の上記リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D3/D1)が1/10以下であることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法によると、活物質の周囲に被覆用樹脂及び導電助剤が付着した被覆活物質が得られる。そして、本発明の製造方法で得られるリチウムイオン電池用被覆活物質は、電子伝導性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法は、リチウムイオン電池活物質の表面の少なくとも一部が被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆されてなるリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法であって、
上記リチウムイオン電池活物質に対して上記被覆用樹脂及び上記導電助剤を機械的に被覆処理する工程を含み、
上記被覆用樹脂の平均粒子径D2(μm)の上記リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D2/D1)が1/5以下であり、上記導電助剤の平均粒子径D3(μm)の上記リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D3/D1)が1/10以下であることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法は、リチウムイオン電池活物質の表面の少なくとも一部が被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆されてなるリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法であって、
上記リチウムイオン電池活物質に対して上記被覆用樹脂及び上記導電助剤を機械的に被覆処理する工程を含み、
上記被覆用樹脂の平均粒子径D2(μm)の上記リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D2/D1)が1/5以下であり、上記導電助剤の平均粒子径D3(μm)の上記リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D3/D1)が1/10以下であることを特徴とする。
本発明のように、リチウムイオン電池活物質の表面を被覆用樹脂及び導電助剤で被覆することにより、導電助剤のみで被覆する場合に比べて電子伝導性に優れたリチウムイオン電池用被覆活物質を得ることができる。その理由は明らかではないが、被覆用樹脂を用いることにより、リチウムイオン電池活物質の周囲に導電助剤を付着させることができるだけでなく、リチウムイオン電池活物質又は導電助剤に付着した被覆用樹脂を介して導電助剤をさらに付着させることもできるためではないかと考えられる。その結果、導電助剤の付着量を多くすることができ、導電助剤による導電パスがつながりやすくなるため、電子伝導性に優れたリチウムイオン電池用被覆活物質を得ることができるのではないかと考えられる。
なお、「機械的に被覆処理する」とは、溶媒を使用せずに、複数の異なる素材粒子に機械的エネルギー(メカニカルエネルギー)を加えて、メカノケミカル的な反応を起こさせ、表面に被覆層を形成すること、すなわち、乾式で機械的に複合化することを意味する。
被覆用樹脂及び導電助剤を機械的に被覆処理する方法としては、(a)低回転ボールミル等で、樹脂及び導電助剤の混合粉末を活物質の粉末表面に接触させ、樹脂及び導電助剤の粒子を活物質の粒子表面に付着させると同時に、付着した樹脂及び導電助剤の粒子を互いに凝集させて表面を被覆する方法、(b)装置内部の粉砕媒体又は回転子の運動等によって、樹脂及び導電助剤の粒子を活物質の粒子表面に拘束させ、活物質の粒子と樹脂及び導電助剤の粒子とを結合させると同時に、活物質の粒子上の樹脂及び導電助剤の粒子を互いに機械的に結合させたり、あるいは応力から発生する熱により、活物質の粒子上の樹脂及び導電助剤の粒子を軟化又は溶融させ、それらの粒子を結合させる方法、上記(a)及び/又は(b)の方法によって形成された被覆活物質を熱処理することにより、活物質、樹脂及び導電助剤の一部又は全部を溶融させた後、さらに冷却させる方法等が挙げられるが、必ずしもこれらの方法に限定されるものではない。
被覆用樹脂及び導電助剤を機械的に被覆処理する方法において、被覆樹脂及び導電助剤は別個に被覆処理を行っても、同時に被覆処理を行っても良い。
被覆樹脂及び導電助剤を同時に被覆処理する場合は、(1)リチウムイオン電池活物質、被覆用樹脂及び導電助剤を一括で混合して、活物質に被覆用樹脂及び導電助剤を機械的に被覆処理してもよく、(2)リチウムイオン電池活物質を、被覆用樹脂及び導電助剤を混合したもので処理して、活物質に被覆用樹脂及び導電助剤を機械的に被覆処理してもよく、(1)リチウムイオン電池活物質、被覆用樹脂及び導電助剤を一括で混合して、活物質に被覆用樹脂及び導電助剤を機械的に被覆処理することが好ましい。
被覆樹脂及び導電助剤を同時に被覆処理する場合は、(1)リチウムイオン電池活物質、被覆用樹脂及び導電助剤を一括で混合して、活物質に被覆用樹脂及び導電助剤を機械的に被覆処理してもよく、(2)リチウムイオン電池活物質を、被覆用樹脂及び導電助剤を混合したもので処理して、活物質に被覆用樹脂及び導電助剤を機械的に被覆処理してもよく、(1)リチウムイオン電池活物質、被覆用樹脂及び導電助剤を一括で混合して、活物質に被覆用樹脂及び導電助剤を機械的に被覆処理することが好ましい。
被覆用樹脂及び導電助剤を機械的に被覆処理する具体的な方法としては、例えば、ハイブリダイゼーション法、メカノフュージョン法、メカニカルミリング法等の方法が好ましく、ハイブリダイゼーション法がより好ましい。
ハイブリダイゼーション法又はメカノフュージョン法とは、混合物を、回転する容器内に投入した後、遠心力で上記混合物を容器内壁に固定させた後、容器内壁と、それと若干の間隔で近接するアームヘッドとの間隙で圧縮する方法であり、上記(b)の方法に該当する。
ハイブリダイゼーション法を行う際には、ハイブリダイザー装置を用いることができる。ハイブリダイザー装置を用いる場合、回転数を1,000〜200,000rpm、処理時間を1〜60分間とすることが好ましい。ハイブリダイザー装置としては、奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステムNHS−0、NHS−1、NHS−3、NHS−4及びNHS−5等を用いることができる。
また、メカノフュージョン法を行うには、例えば、ホソカワミクロン社製のメカノフュージョンシステムを用いることができる。メカノフュージョンシステムを用いる場合、回転数を1,000〜200,000rpm、処理時間を1〜60分間とすることが好ましい。
ハイブリダイゼーション法を行う際には、ハイブリダイザー装置を用いることができる。ハイブリダイザー装置を用いる場合、回転数を1,000〜200,000rpm、処理時間を1〜60分間とすることが好ましい。ハイブリダイザー装置としては、奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステムNHS−0、NHS−1、NHS−3、NHS−4及びNHS−5等を用いることができる。
また、メカノフュージョン法を行うには、例えば、ホソカワミクロン社製のメカノフュージョンシステムを用いることができる。メカノフュージョンシステムを用いる場合、回転数を1,000〜200,000rpm、処理時間を1〜60分間とすることが好ましい。
メカニカルミリング法は、上記(a)の方法に該当する。メカニカルミリング法を行うには、例えば、遊星ボールミル、ボールミル、回転ミル、振動ミル等を用いることができる。メカニカルミリング処理は、アルゴンガスのような不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
リチウムイオン電池活物質(Y)としては、正極活物質(Y1)及び負極活物質(Y2)が挙げられる。
正極活物質(Y1)としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2及びLiMn2O4)、遷移金属酸化物(例えばMnO2及びV2O5)、遷移金属硫化物(例えばMoS2及びTiS2)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリフッ化ビニリデン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン及びポリカルバゾール)等が挙げられる。
負極活物質(Y2)としては、黒鉛、アモルファス炭素、高分子化合物焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)、炭素繊維、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、スズ、シリコン、及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−シリコン合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)、リチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLi4Ti5O12等)等が挙げられる。
正極活物質(Y1)としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2及びLiMn2O4)、遷移金属酸化物(例えばMnO2及びV2O5)、遷移金属硫化物(例えばMoS2及びTiS2)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリフッ化ビニリデン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン及びポリカルバゾール)等が挙げられる。
負極活物質(Y2)としては、黒鉛、アモルファス炭素、高分子化合物焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)、炭素繊維、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、スズ、シリコン、及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−シリコン合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)、リチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLi4Ti5O12等)等が挙げられる。
リチウムイオン電池活物質自体の導電性が低いものであると、導電性向上の効果が大きく得られるために好ましい。そのため、正極活物質(Y1)としてはリチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2及びLiMn2O4)、遷移金属酸化物(例えばMnO2及びV2O5)、遷移金属硫化物(例えばMoS2及びTiS2)が望ましい。負極活物質(Y2)としてはリチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLi4Ti5O12等)が望ましい。
リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、1〜50μmであることが好ましく、2〜40μmであることがより好ましく、5〜25μmであることがさらに好ましい。
なお、本明細書中において、「リチウムイオン電池活物質の粒子径」とは、リチウムイオン電池活物質の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
なお、本明細書中において、「リチウムイオン電池活物質の粒子径」とは、リチウムイオン電池活物質の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
被覆用樹脂としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、例えばビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート及びこれらの混合物等が使用できる。これらのうち、均一微細球状の樹脂粒子が得られやすいという観点等から、ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル及びこれらの混合物が好ましく、より好ましくはビニル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル及びこれらの混合物、さらに好ましくはビニル樹脂、ポリエステル及びこれらの混合物である。
被覆用樹脂のうち、好ましい樹脂、すなわち、ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂及びポリエステルについて説明するが、他の樹脂についても同様にして使用できる。
ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーである。
重合には、公知の重合触媒等が使用できる。
重合には、公知の重合触媒等が使用できる。
ビニルモノマーとしては、下記(1)〜(10)等が使用できる。
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素:炭素数2〜24のアルケン(例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン及び炭素数3〜24のα−オレフィン等);炭素数4〜12のアルカジエン(例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)。
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素:炭素数2〜24のアルケン(例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン及び炭素数3〜24のα−オレフィン等);炭素数4〜12のアルカジエン(例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)。
(1−2)脂環式ビニル炭化水素:炭素数6〜15のモノ−又はジ−シクロアルケン(例えばシクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等)、炭素数5〜12のモノ−又はジ−シクロアルカジエン[例えば、(ジ)シクロペンタジエン等];及びテルペン(例えばピネン及びリモネン等)及びインデン等。
(1−3)芳香族ビニル炭化水素:スチレン;スチレンのハイドロカルビル(炭素数1〜24の、アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体(例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン等);及びビニルナフタレン等。
(2)カルボキシル基又は酸無水物基含有ビニルモノマー及びそれらの塩:
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸[例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等];炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸又はその無水物[例えば、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸及びメサコン酸等];及び炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜24)エステル(例えば、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノオクタデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル及びシトラコン酸モノエイコシルエステル等)等。
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸[例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等];炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸又はその無水物[例えば、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸及びメサコン酸等];及び炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜24)エステル(例えば、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノオクタデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル及びシトラコン酸モノエイコシルエステル等)等。
カルボキシル基含有ビニルモノマーの塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩又は4級アンモニウム塩が挙げられる。アミン塩としては、アミン化合物であれば特に限定されないが、例えば、1級アミン塩(エチルアミン塩、ブチルアミン塩、オクチルアミン塩等)、2級アミン塩(ジエチルアミン塩、ジブチルアミン塩等)、3級アミン塩(トリエチルアミン塩、トリブチルアミン塩等)が挙げられる。4級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム塩、トリエチルラウリルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、トリブチルラウリルアンモニウム塩等が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーの塩の具体例としては、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、マレイン酸モノナトリウム、マレイン酸ジナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、マレイン酸モノカリウム、アクリル酸リチウム、アクリル酸セシウム、アクリル酸アンモニウム、アクリル酸カルシウム及びアクリル酸アルミニウム等が挙げられる。
(3)スルホ基含有ビニルモノマー及びそれらの塩:
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸[例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸及びメチルビニルスルホン酸等];スチレンスルホン酸及びこのアルキル(炭素数2〜24)誘導体(例えばα−メチルスチレンスルホン酸等);炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート[例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等];炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド[例えば、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等];アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(例えば、プロピルアリルスルホコハク酸、ブチルアリルスルホコハク酸、2−エチルヘキシル−アリルスルホコハク酸等);ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[例えば、ポリ(n=5〜15)オキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステル、ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等];ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル及びこれらの塩等が挙げられる。
なお、塩としては、「(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩」で示した対イオン等が用いられる。
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸[例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸及びメチルビニルスルホン酸等];スチレンスルホン酸及びこのアルキル(炭素数2〜24)誘導体(例えばα−メチルスチレンスルホン酸等);炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート[例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等];炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド[例えば、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等];アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(例えば、プロピルアリルスルホコハク酸、ブチルアリルスルホコハク酸、2−エチルヘキシル−アリルスルホコハク酸等);ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[例えば、ポリ(n=5〜15)オキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステル、ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等];ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル及びこれらの塩等が挙げられる。
なお、塩としては、「(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩」で示した対イオン等が用いられる。
(4)ホスホノ基含有ビニルモノマー及びその塩:
(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル(アルキル基の炭素数1〜24)[例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等]、(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)。
(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル(アルキル基の炭素数1〜24)[例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等]、(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)。
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、ショ糖アリルエーテル等。
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、ショ糖アリルエーテル等。
(6)含窒素ビニルモノマー:
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4ービニルピリジン、2ービニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩等。
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4ービニルピリジン、2ービニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩等。
(6−2)アミド基含有ビニルモノマー:
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチルN−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等。
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチルN−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等。
(6−3)炭素数3〜10のニトリル基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及びシアノアクリレート等。
(6−4)4級アンモニウムカチオンからなる基を含有するビニルモノマー:
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの。例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチルアリルアンモニウムクロライド等)。
(6−5)炭素数8〜12のニトロ基含有ビニルモノマー:ニトロスチレン等。
(6−4)4級アンモニウムカチオンからなる基を含有するビニルモノマー:
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの。例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチルアリルアンモニウムクロライド等)。
(6−5)炭素数8〜12のニトロ基含有ビニルモノマー:ニトロスチレン等。
(7)炭素数6〜18のエポキシ基含有ビニルモノマー:
グリシジル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
グリシジル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)炭素数2〜16のハロゲン含有ビニルモノマー:
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン:
(9−1)炭素数4〜16のビニルエステル:
酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分岐鎖又は脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分岐鎖又は脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等)等、ポリオキシアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリオキシエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等。
(9−1)炭素数4〜16のビニルエステル:
酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分岐鎖又は脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分岐鎖又は脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等)等、ポリオキシアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリオキシエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等。
(9−2)炭素数3〜16のビニル(チオ)エーテル:
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン等。
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン等。
(9−3)炭素数4〜12のビニルケトン(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルフェニルケトン等)。
(9−4)炭素数2〜16のビニルスルホン(例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン及びジビニルスルホキサイド等)等。
(9−4)炭素数2〜16のビニルスルホン(例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン及びジビニルスルホキサイド等)等。
(10)その他のビニルモノマー:
イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
これらのビニルモノマーのうち、ビニル炭化水素、カルボキシル基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、スルホン酸基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、ヒドロキシル基含有ビニルモノマー、含窒素ビニルモノマーが好ましく、より好ましくは、ビニル炭化水素、カルボキシル基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、スルホン酸基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、さらに好ましくは芳香族ビニル系炭化水素、カルボキシル基含有ビニルモノマー及びそれらの塩、スルホン酸基含有ビニルモノマー及びそれらの塩である。
ビニル樹脂のうち、ビニルモノマーを単独重合したポリマーとしては、(9)のモノマーを単独重合したポリマーが好ましく、(9−1)のモノマーを単独重合したポリマーがより好ましく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)がさらに好ましい。
また、ビニル樹脂のうち、ビニルモノマーを共重合したポリマー(ビニルモノマーの共重合体)としては、上記(1)〜(10)の任意のモノマー同士を、2種又はそれ以上で、任意の割合で共重合したポリマーが用いられ、例えばスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びスチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル−ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル及びその塩の共重合体等が挙げられる。これらのなかでは、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル−ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル塩の共重合体が好ましく、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−ポリオキシエチレンモノメタクリレートの硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体がより好ましい。
また、ビニル樹脂のうち、ビニルモノマーを共重合したポリマー(ビニルモノマーの共重合体)としては、上記(1)〜(10)の任意のモノマー同士を、2種又はそれ以上で、任意の割合で共重合したポリマーが用いられ、例えばスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びスチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル−ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル及びその塩の共重合体等が挙げられる。これらのなかでは、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル−ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル塩の共重合体が好ましく、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−ポリオキシエチレンモノメタクリレートの硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体がより好ましい。
ポリエステルとしては、ポリオールと、ポリカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜4)エステルとの重縮合物等が使用できる。
重縮合反応には、公知の重縮合触媒等が使用できる。
重縮合反応には、公知の重縮合触媒等が使用できる。
ポリオールとしては、ジオール(11)及び3〜6価又はそれ以上のポリオール(12)が用いられる。
ポリカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、ジカルボン酸(13)、3〜4価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)、これらの酸無水物及びこれらの低級アルキルエステルが用いられる。
ポリカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、ジカルボン酸(13)、3〜4価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)、これらの酸無水物及びこれらの低級アルキルエステルが用いられる。
ジオール(11)としては、炭素数4〜30のアルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール及び2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等);分子量50〜10000のアルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール及びポリオキシテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜24の脂環式ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等);炭素数15〜30のビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等);及び炭素数12〜24のポリフェノール(例えば、カテコール、ハイドロキノン及びレゾルシン等);分子量100〜10000の上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する。)[エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等(以下、EO、PO、BOと略記する。)]付加物(付加モル数2〜100)(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールのEO10モル付加物等);上記ビスフェノールのAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜100)(例えば、ビスフェノールA・EO2モル付加物、ビスフェノールA・EO4モル付加物、ビスフェノールA・PO2モル付加物、ビスフェノールA・PO3モル付加物、ビスフェノールA・PO4モル付加物等);重量平均分子量100〜5000のポリラクトンジオール(例えば、ポリε−カプロラクトンジオール等);重量平均分子量1000〜20000のポリブタジエンジオール等が挙げられる。
これらのうち、アルキレングリコール、ビスフェノールのEO付加物及びこれらの混合物が好ましく、より好ましくはビスフェノールのEO付加物、及びこれとアルキレングリコールとの混合物である。
これらのうち、アルキレングリコール、ビスフェノールのEO付加物及びこれらの混合物が好ましく、より好ましくはビスフェノールのEO付加物、及びこれとアルキレングリコールとの混合物である。
3〜6価又はそれ以上のポリオール(12)としては、3〜8価又はそれ以上、炭素数3〜8の脂肪族多価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトール等);炭素数25〜50のトリスフェノール(例えば、トリスフェノールPA等);重合度3〜50のノボラック樹脂(例えば、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等);炭素数6〜30のポリフェノール(例えば、ピロガロール、フロログルシノール及び1,2,4−ベンゼントリオール等);上記トリスフェノールのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド付加物(付加モル数2〜100)(例えば、トリスフェノールPA・EO2モル付加物、トリスフェノールPA・EO4モル付加物、トリスフェノールPA・PO2モル付加物、トリスフェノールA・PO3モル付加物、トリスフェノールPA・PO4モル付加物等);上記ノボラック樹脂のアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド付加物(付加モル数2〜100)(フェノールノボラックPO2モル付加物、フェノールノボラックEO4モル付加物);上記ポリフェノールのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド付加物(付加モル数2〜100)(ピロガロールEO4モル付加物);及び重合度20〜2000のアクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマー(例えばスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合物等]等が挙げられる。
これらのうち、脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂のEO付加物が好ましく、さらに好ましくはノボラック樹脂のEO付加物である。
これらのうち、脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂のEO付加物が好ましく、さらに好ましくはノボラック樹脂のEO付加物である。
ジカルボン酸(13)としては、炭素数4〜32のアルカンジカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデセニルコハク酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸及びオクタデカンジカルボン酸等);炭素数4〜32のアルケンジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸及びメサコン酸等);炭素数8〜40の分岐アルケンジカルボン酸[例えば、ダイマー酸、アルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸等)];炭素数12〜40の分岐アルカンジカルボン酸[例えば、アルキルコハク酸(デシルコハク酸、ドデシルコハク酸、オクタデシルコハク酸等)];炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。
これらのうち、アルケンジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸が好ましく、より好ましくは芳香族ジカルボン酸である。
これらのうち、アルケンジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸が好ましく、より好ましくは芳香族ジカルボン酸である。
3〜4価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(例えば、トリメリット酸及びピロメリット酸等)等が挙げられる。
なお、ジカルボン酸(13)又は3〜4価若しくはそれ以上のポリカルボン酸(14)の酸無水物としては、コハク酸無水物、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物等が挙げられる。これらの低級アルキルエステルとしては、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等が挙げられる。
ポリエステルとしては、ジオール、3〜6価又はそれ以上のポリオール、ジカルボン酸、3〜4価又はそれ以上のポリカルボン酸及びこれらの混合物を任意の割合で使用できる。水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、2/1〜1/1が好ましく、より好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
また、ポリエステル中のエステル基当量(エステル基1当量あたりの分子量)は、50〜2000が好ましく、より好ましくは60〜1000、さらに好ましくは70〜500である。
また、ポリエステル中のエステル基当量(エステル基1当量あたりの分子量)は、50〜2000が好ましく、より好ましくは60〜1000、さらに好ましくは70〜500である。
ポリウレタンとしては、ポリイソシアネート(15)と活性水素含有化合物(β1)[例えば、水、ジオール(11)、3〜6価又はそれ以上のポリオール(12)、ジカルボン酸(13)、3〜4価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)及びポリチオール(17)等]との重付加物等が使用できる。
重付加反応には、公知の重付加反応触媒等が使用できる。
重付加反応には、公知の重付加反応触媒等が使用できる。
ポリイソシアネート(15)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物等が用いられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリールポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート及びこれらの混合物等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート及びこれらの混合物等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート及びこれらの混合物等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)及びこれらの混合物等が挙げられる。
ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及び/又はオキサゾリドン基を含有する変性物等が用いられ、例えば、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI及びこれらの混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との混合物]等が挙げられる。
これらのうち、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートが好ましく、より好ましくはTDI、MDI、HDI、水添MDI及びIPDIである。
ポリアミン(16)としては、炭素数2〜18の脂肪族ポリアミン及び芳香族ポリアミン(炭素数6〜20)等が使用できる。
炭素数2〜18の脂肪族ポリアミンとしては、(16−A−1)脂肪族ポリアミン、(16−A−2)これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体、(16−A−3)脂環式又は複素環含有脂肪族ポリアミン及び(16−A−4)芳香環含有脂肪族アミン(炭素数8〜15)等が用いられる。
(16−A−1)脂肪族ポリアミンとしては、炭素数2〜12のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)及びポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン[ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等]等が挙げられる。
(16−A−2)これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体としては、ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン及びメチルイミノビスプロピルアミン等が挙げられる。
(16−A−2)これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体としては、ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン及びメチルイミノビスプロピルアミン等が挙げられる。
(16−A−3)脂環式又は複素環含有脂肪族ポリアミンとしては、炭素数4〜15の脂環式ポリアミン{1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)及び3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}及び炭素数4〜15の複素環式ポリアミン[ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4−ビス−(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等]等が挙げられる。
(16−A−4)芳香環含有脂肪族アミン(炭素数8〜15)としては、キシリレンジアミン及びテトラクロル−p−キシリレンジアミン等が挙げられる。
芳香族ポリアミン(炭素数6〜20)としては、(16−B−1)非置換芳香族ポリアミン、(16−B−2)核置換アルキル基(メチル、エチル、n−又はi−プロピル及びブチル等の炭素数1〜4のアルキル基)を有する芳香族ポリアミン、(16−B−3)核置換電子吸引基(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びフッ素原子等のハロゲン;メトキシ及びエトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ポリアミン及び(16−B−4)2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン等が使用できる。
(16−B−1)非置換芳香族ポリアミンとしては、1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリアミン、ナフチレンジアミン及びこれらの混合物等が挙げられる。
(16−B−2)核置換アルキル基(メチル、エチル、n−又はi−プロピル及びブチル等の炭素数1〜4のアルキル基)を有する芳香族ポリアミンとしては、例えば、2,4−又は2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’−テトライソプロピルベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジイソプロピル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン及びこれらの混合物等が挙げられる。
(16−B−3)核置換電子吸引基(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びフッ素原子等のハロゲン;メトキシ及びエトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ポリアミンとしては、例えば、メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4’−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−フルオロアニリン)及び4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等が挙げられる。
(16−B−4)2級アミノ基を有する芳香族ポリアミンとしては、上記(16−B−1)〜(16−B−3)の芳香族ポリアミンの−NH2の一部又は全部が−NH−R’(R’はアルキル基、例えば、メチル及びエチル等の炭素数1〜4の低級アルキル基)で置き換ったもの[例えば、4,4’−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等]、ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等、ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリオキシアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等が挙げられる。
ポリチオール(17)としては、炭素数2〜24のジチオール及び3〜6価又はそれ以上、炭素数5〜30のポリチオール等が使用できる。
ジチオールとしては、例えば、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
ポリチオールとしては、例えば、カプキュア3800(ジャパンエポキシレジン社製)、ポリビニルチオール等が挙げられる。
ジチオールとしては、例えば、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
ポリチオールとしては、例えば、カプキュア3800(ジャパンエポキシレジン社製)、ポリビニルチオール等が挙げられる。
活性水素含有化合物(β1)のうち、水、ジオール(11)、ポリオール(12)、ジカルボン酸(13)及びポリアミン(16)が好ましく、より好ましくは水、ジオール(11)、ポリオール(12)及びポリアミン(16)、さらに好ましくはジオール(11)、ポリオール(12)及びポリアミン(16)である。
エポキシ樹脂としては、ポリエポキシド(18)の開環重合物、ポリエポキシド(18)と活性水素含有化合物(β1)との重付加物及びポリエポキシド(18)とジカルボン酸(13)又は3〜4価若しくはそれ以上のポリカルボン酸(14)の酸無水物との硬化物等が使用できる。
開環重合反応、重付加反応及び硬化反応には、公知の触媒等が使用できる。
開環重合反応、重付加反応及び硬化反応には、公知の触媒等が使用できる。
ポリエポキシド(18)としては、分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば、特に限定されないが、硬化物の機械的性質の観点等から、分子中にエポキシ基を2〜6個有するものが好ましい。
ポリエポキシド(18)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、65〜1000が好ましい。上限は、より好ましくは500、さらに好ましくは300であり、下限は、より好ましくは70、さらに好ましくは90である。エポキシ当量がこの範囲を超えると、架橋構造がルーズになりやすく硬化物の耐水性、耐薬品性及び機械的強度等の物性が悪くなりやすい傾向があり、一方、エポキシ当量がこの範囲未満のものは入手(合成を含む)しにくい傾向がある。
ポリエポキシド(18)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、65〜1000が好ましい。上限は、より好ましくは500、さらに好ましくは300であり、下限は、より好ましくは70、さらに好ましくは90である。エポキシ当量がこの範囲を超えると、架橋構造がルーズになりやすく硬化物の耐水性、耐薬品性及び機械的強度等の物性が悪くなりやすい傾向があり、一方、エポキシ当量がこの範囲未満のものは入手(合成を含む)しにくい傾向がある。
ポリエポキシド(18)としては、芳香族ポリエポキシド、複素環含有ポリエポキシド、脂環族ポリエポキシド及び脂肪族ポリエポキシド等が用いられる。
芳香族ポリエポキシドとしては、多価フェノールグリシジルエーテル、多価フェノールグリシジルエステル、グリシジル芳香族ポリアミン及びアミノフェノールのグリシジル化物等が用いられる。
多価フェノールグリシジルエーテルとしては、例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、p−グリシジルフェニルジメチルトリールビスフェノールAグリシジルエーテル、トリスメチル−tert−ブチル−ブチルヒドロキシメタントリグリシジルエーテル、9,9’−ビス(4−ヒドキシフェニル)フロオレンジグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾールグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)フェニルグリシジルエーテル、ビス(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、フェノール又はクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、リモネンフェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド、又はホルムアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル及びレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価フェノールグリシジルエステルとしては、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル及びテレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
グリシジル芳香族ポリアミンとしては、例えば、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン及びN,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。
さらに、エポキシドとして、p−アミノフェノールのトリグリシジル体、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物及びビスフェノールAのAO(EO又はPO2〜20モル)付加物のジグリシジルエーテル体(例えば、ビスフェノールAのEO4モル付加物のジグリシジルエーテル体等)等も使用できる。
複素環ポリエポキシドとしては、トリスグリシジルメラミン等が挙げられる。
脂環族ポリエポキシドとしては、例えば、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエール、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン、ダイマー酸ジグリシジルエステル及び芳香族ポリエポキシドの核水添化物(例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテルの水添加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの水添加物等)等が挙げられる。
脂肪族ポリエポキシドとしては、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル、多価脂肪酸のポリグリシジルエステル、及びグリシジル脂肪族アミン等が用いられる。
脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリオキシエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル及びポリグリセロールンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価脂肪酸のポリグリシジルエステルとしては、例えば、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート及びジグリシジルピメレート等が挙げられる。
グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルエチレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族ポリエポキシドには、ジグリシジルエーテル及びグリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含まれる。
これらのうち、好ましいのは、脂肪族系ポリエポキシ化合物及び芳香族系ポリエポキシ化合物である。これらのポリエポキシドは、2種以上併用しても差し支えない。
被覆用樹脂の粒子を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、被覆用樹脂の前駆体(モノマー等)を水性媒体中で反応させて被覆用樹脂の粒子を含有する水性分散液を製造し、該水性分散液を固液分離(必要に応じて水等を加えて固液分離を繰り返す)した後、乾燥して水性媒体を除去することによって被覆用樹脂の粒子を得ることができる。
被覆用樹脂の前駆体を水性媒体中で反応させる方法としては、以下の(1)及び(2)が挙げられる。
(1)ビニル樹脂の場合において、モノマーを出発原料として、重合触媒存在下で懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法又は分散重合法等の重合反応により、樹脂粒子の水性分散液を製造する方法。
(2)ポリエステル、ポリウレタン及びエポキシ樹脂等の重付加樹脂あるいは縮合樹脂の場合において、樹脂の前駆体又は該前駆体の溶剤溶液を適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤(前駆体と反応し得る官能基を分子中に少なくとも2個有する化合物)を加えたりして硬化させて樹脂粒子の水性分散液を製造する方法。
(1)ビニル樹脂の場合において、モノマーを出発原料として、重合触媒存在下で懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法又は分散重合法等の重合反応により、樹脂粒子の水性分散液を製造する方法。
(2)ポリエステル、ポリウレタン及びエポキシ樹脂等の重付加樹脂あるいは縮合樹脂の場合において、樹脂の前駆体又は該前駆体の溶剤溶液を適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤(前駆体と反応し得る官能基を分子中に少なくとも2個有する化合物)を加えたりして硬化させて樹脂粒子の水性分散液を製造する方法。
水性媒体を除去する方法としては、以下の(1)〜(3)及びこれらの組合せの方法等が適用できる。
(1)水性分散液を減圧下又は常圧下で乾燥する方法。
(2)遠心分離機、スパクラフィルター及び/又はフィルタープレス等により固液分離し、得られた固体を乾燥する方法。
(3)水性分散液を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)。
上記(1)及び(2)の方法において、乾燥機としては、流動層式乾燥機、減圧乾燥機及び循風乾燥機等公知の設備を用いて行うことができる。
また、必要に応じ、風力分級器又はふるい等を用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。
(1)水性分散液を減圧下又は常圧下で乾燥する方法。
(2)遠心分離機、スパクラフィルター及び/又はフィルタープレス等により固液分離し、得られた固体を乾燥する方法。
(3)水性分散液を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)。
上記(1)及び(2)の方法において、乾燥機としては、流動層式乾燥機、減圧乾燥機及び循風乾燥機等公知の設備を用いて行うことができる。
また、必要に応じ、風力分級器又はふるい等を用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。
被覆用樹脂の数平均分子量(以下Mnと略記)、ガラス転移温度(以下Tgと略記)、融点及び溶解度パラメータ(以下SP値と略記)は、好ましい範囲に適宜調整すればよい。
例えば、被覆用樹脂のMnは、15,000〜1,000,000が好ましく、より好ましくは30,000〜500,000、さらに好ましくは40,000〜100,000である。
なお、上記及び以下においてMn及び重量平均分子量(以下Mwと略記)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。例えば、ビニル樹脂の場合、以下の条件で測定することができる。
装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
標準物質:ポリスチレン
検出器:RI
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
なお、上記及び以下においてMn及び重量平均分子量(以下Mwと略記)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。例えば、ビニル樹脂の場合、以下の条件で測定することができる。
装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
標準物質:ポリスチレン
検出器:RI
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
被覆用樹脂が融点を有する場合、被覆用樹脂の融点は0〜250℃が好ましく、より好ましくは35〜200℃、さらに好ましくは40〜180℃である。
なお、上記及び以下において融点は、DSC(示差走査熱量測定、昇温速度20℃/分)により測定されるものである。
なお、上記及び以下において融点は、DSC(示差走査熱量測定、昇温速度20℃/分)により測定されるものである。
被覆用樹脂のTgは−60〜100℃が好ましく、より好ましくは0〜90℃、さらに好ましくは20〜80℃、特に好ましくは40〜70℃である。
なお、上記及び以下においてTgは、DSC(ASTM D3418−82に規定の方法)から求められる。
なお、上記及び以下においてTgは、DSC(ASTM D3418−82に規定の方法)から求められる。
被覆用樹脂のSP値は、7〜18(cal/cm3)1/2が好ましく、より好ましくは8〜16(cal/cm3)1/2、さらに好ましくは9〜14(cal/cm3)1/2である。
なお、上記及び以下においてSP値は、Fedors法によって計算される。SP値は、次式で表せる。
SP値(δ)=(ΔH/V)1/2
但し、式中、ΔHはモル蒸発熱(cal)を、Vはモル体積(cm3)を表す。
また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱の合計(ΔH)とモル体積の合計(V)を用いることができる。
SP値は、この数値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(相溶性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
なお、上記及び以下においてSP値は、Fedors法によって計算される。SP値は、次式で表せる。
SP値(δ)=(ΔH/V)1/2
但し、式中、ΔHはモル蒸発熱(cal)を、Vはモル体積(cm3)を表す。
また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱の合計(ΔH)とモル体積の合計(V)を用いることができる。
SP値は、この数値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(相溶性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
被覆用樹脂の体積平均粒子径は、被覆性、結着性等の観点から、0.01〜2.0μmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5μm、さらに好ましくは0.08〜0.3μmである。かつ、粒子の均一性の観点から、粒子径0.5μm以下の樹脂粒子が90体積%以上であることが好ましく、より好ましくは95体積%以上である。
なお、本明細書中において、「被覆用樹脂の平均粒子径D2」とは、被覆用樹脂の体積平均粒子径を意味する。体積平均粒子径は、フロー式粒子画像解析装置(シスメックス社製:FPIA−3000)で同時に測定、解析することができる。
なお、本明細書中において、「被覆用樹脂の平均粒子径D2」とは、被覆用樹脂の体積平均粒子径を意味する。体積平均粒子径は、フロー式粒子画像解析装置(シスメックス社製:FPIA−3000)で同時に測定、解析することができる。
また、被覆用樹脂をリチウムイオン電池活物質に均一に被覆させる観点から、被覆用樹脂の平均粒子径D2(μm)のリチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D2/D1)は、1/5以下であり、1/10以下であることが好ましく、1/50以下であることがより好ましく、1/80以下であることがさらに好ましい。なお、D2/D1は、1/10,000以上であってもよい。
被覆用樹脂の重量の割合は、リチウムイオン電池活物質の重量に対して、0.05〜10重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましく、0.8〜5重量%であることがさらに好ましく、1〜3重量%であることが特に好ましい。
導電助剤(X)としては、導電性を有する材料から選択される。
具体的には、金属[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電助剤(X)は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物を用いてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、金、銅、チタン及びこれらの混合物であり、さらに好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、特に好ましくはカーボンである。またこれらの導電助剤(X)としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料[上記した(X)のうち金属のもの]をめっき等でコーティングしたものでもよい。
具体的には、金属[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電助剤(X)は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物を用いてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、金、銅、チタン及びこれらの混合物であり、さらに好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、特に好ましくはカーボンである。またこれらの導電助剤(X)としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料[上記した(X)のうち金属のもの]をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電助剤(X)の形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物として実用化されている形態であってもよい。
導電助剤(X)の平均粒子径D3は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01〜10μmであることが好ましい。
なお、本明細書中において、「導電助剤の粒子径」とは、導電助剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「導電助剤の平均粒子径D3」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
なお、本明細書中において、「導電助剤の粒子径」とは、導電助剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「導電助剤の平均粒子径D3」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
また、導電助剤をリチウムイオン電池活物質に均一に被覆させる観点から、導電助剤の平均粒子径D3(μm)のリチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D3/D1)は、1/10以下であり、1/50以下であることが好ましく、1/80以下であることがより好ましい。なお、D3/D1は、1/10,000以上であってもよい。
導電助剤の重量の割合は、リチウムイオン電池活物質の重量に対して0.5〜15重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましく、0.8〜5重量%であることがさらに好ましく、1〜4重量%であることが特に好ましい。
上述のとおり、本発明の製造方法では、リチウムイオン電池活物質に対して被覆用樹脂及び導電助剤の両方を機械的に被覆処理することを特徴としている。そして、具体的には、被覆用樹脂の重量と導電助剤の重量との比(被覆用樹脂/導電助剤)が好ましくは1/10〜10/1、より好ましくは1/5〜5/1、さらに好ましくは1/2〜4/1となるように、被覆用樹脂及び導電助剤を装置内に入れるのがよい。
以上の工程により、リチウムイオン電池活物質の表面の少なくとも一部が被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆されてなるリチウムイオン電池用被覆活物質を製造することができる。
本発明の製造方法により製造されたリチウムイオン電池用被覆活物質の体積平均粒子径は、1〜80μmが好ましく、より好ましくは1.5〜40μm、さらに好ましくは2〜30μm、特に好ましくは5〜25μmである。
本明細書において、リチウムイオン電池用被覆活物質の体積平均粒子径は、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。マイクロトラック法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法である。なお、体積平均粒子径の測定には、日機装(株)製のマイクロトラック等を用いることができる。
上記リチウムイオン電池用被覆活物質を用いて、リチウムイオン電池用の電極を得ることができる。
さらに、上記リチウムイオン電池用被覆活物質を含む電極を用いて、双極型リチウムイオン電池等のリチウムイオン電池を得ることができる。
さらに、上記リチウムイオン電池用被覆活物質を含む電極を用いて、双極型リチウムイオン電池等のリチウムイオン電池を得ることができる。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部、%は重量%を意味する。
<製造例1>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸EO付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業(株)製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400rpmで15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
この乳濁液を加熱して75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液を30部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸EO10モル付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。水性分散液中のビニル樹脂粒子は、体積平均粒子径(平均粒子径D2)が1.3μm、数平均粒子径が0.9μm、Tgが57℃であった。
上記水性分散液100部を遠心分離し、さらに水60部を加えて遠心分離して固液分離する工程を2回繰り返した後、35℃で1時間乾燥してビニル系樹脂粒子を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸EO付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業(株)製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400rpmで15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
この乳濁液を加熱して75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液を30部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸EO10モル付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。水性分散液中のビニル樹脂粒子は、体積平均粒子径(平均粒子径D2)が1.3μm、数平均粒子径が0.9μm、Tgが57℃であった。
上記水性分散液100部を遠心分離し、さらに水60部を加えて遠心分離して固液分離する工程を2回繰り返した後、35℃で1時間乾燥してビニル系樹脂粒子を得た。
下記例では、被覆用樹脂として以下の樹脂を使用した。
樹脂(A):ガンツパールPM−010[ポリメチルメタクリレート(PMMA)粉末、平均粒子径D2:0.1μm<カタログ値>、ガンツ化成(株)製]
樹脂(B):ガンツパールPM−030S[ポリメチルメタクリレート(PMMA)粉末、平均粒子径D2:0.3μm<カタログ値>、ガンツ化成(株)製]
樹脂(C):製造例1で得たビニル系樹脂粒子(平均粒子径D2:1.3μm)
樹脂(D):タフチックFH−S008[ポリメチルメタクリレート(PMMA)粉末、平均粒子径D2:8μm<カタログ値>、東洋紡績(株)製]
樹脂(A):ガンツパールPM−010[ポリメチルメタクリレート(PMMA)粉末、平均粒子径D2:0.1μm<カタログ値>、ガンツ化成(株)製]
樹脂(B):ガンツパールPM−030S[ポリメチルメタクリレート(PMMA)粉末、平均粒子径D2:0.3μm<カタログ値>、ガンツ化成(株)製]
樹脂(C):製造例1で得たビニル系樹脂粒子(平均粒子径D2:1.3μm)
樹脂(D):タフチックFH−S008[ポリメチルメタクリレート(PMMA)粉末、平均粒子径D2:8μm<カタログ値>、東洋紡績(株)製]
<実施例1>
活物質としてLiCoO2粉末[平均粒子径D1:12μm、日本化学工業(株)製、CELLSEED C−10N]96部、被覆用樹脂として樹脂(A)2部、導電助剤としてアセチレンブラック[平均粒子径D3:0.04μm、電気化学工業(株)製、デンカブラック粉状品]2部をハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製NHS−0、以下同じ)に投入した。その後、15,000rpmで3分間ハイブリダイゼーション処理を行い、被覆活物質を得た。
マイクロトラック[日機装(株)製9320−X100、以下同じ。]を用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、18μmであった。
この被覆活物質を用いて、下記方法により電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を行った。その結果を表1に示した。
活物質としてLiCoO2粉末[平均粒子径D1:12μm、日本化学工業(株)製、CELLSEED C−10N]96部、被覆用樹脂として樹脂(A)2部、導電助剤としてアセチレンブラック[平均粒子径D3:0.04μm、電気化学工業(株)製、デンカブラック粉状品]2部をハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製NHS−0、以下同じ)に投入した。その後、15,000rpmで3分間ハイブリダイゼーション処理を行い、被覆活物質を得た。
マイクロトラック[日機装(株)製9320−X100、以下同じ。]を用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、18μmであった。
この被覆活物質を用いて、下記方法により電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を行った。その結果を表1に示した。
<実施例2〜4>
活物質、被覆用樹脂、導電助剤の割合を、表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様にして被覆活物質を作製した。
マイクロトラックを用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、それぞれ、19μm、18μm、20μmであった。
これらの被覆活物質を用いて、下記方法により電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を行った。その結果を表1に示した。
活物質、被覆用樹脂、導電助剤の割合を、表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様にして被覆活物質を作製した。
マイクロトラックを用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、それぞれ、19μm、18μm、20μmであった。
これらの被覆活物質を用いて、下記方法により電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を行った。その結果を表1に示した。
<実施例5〜6>
樹脂(A)に代えて、樹脂(B)及び樹脂(C)をそれぞれ用いた他は実施例1と同様にして被覆活物質を作製した。
マイクロトラックを用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、それぞれ21μm、23μmであった。
これらの被覆活物質を用いて、下記方法により電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を行った。その結果を表1に示した。
樹脂(A)に代えて、樹脂(B)及び樹脂(C)をそれぞれ用いた他は実施例1と同様にして被覆活物質を作製した。
マイクロトラックを用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、それぞれ21μm、23μmであった。
これらの被覆活物質を用いて、下記方法により電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を行った。その結果を表1に示した。
<比較例1>
被覆用樹脂を用いず、活物質としてLiCoO2粉末[平均粒子径D1:10μm、日本化学工業(株)製、CELLSEED C−10N]98部、導電助剤としてアセチレンブラック[平均粒子径D3:0.04μm、電気化学工業(株)製、デンカブラック粉状品]2部をハイブリダイゼーションシステムに投入した。その後、15,000rpmで3分間ハイブリダイゼーション処理を行い、被覆活物質を得た。
マイクロトラックを用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、13μmであった。
この被覆活物質を用いて、下記方法により電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を行った。その結果を表1に示した。
被覆用樹脂を用いず、活物質としてLiCoO2粉末[平均粒子径D1:10μm、日本化学工業(株)製、CELLSEED C−10N]98部、導電助剤としてアセチレンブラック[平均粒子径D3:0.04μm、電気化学工業(株)製、デンカブラック粉状品]2部をハイブリダイゼーションシステムに投入した。その後、15,000rpmで3分間ハイブリダイゼーション処理を行い、被覆活物質を得た。
マイクロトラックを用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、13μmであった。
この被覆活物質を用いて、下記方法により電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を行った。その結果を表1に示した。
<比較例2>
樹脂(A)に代えて、樹脂(D)を用いた他は実施例1と同様にして被覆活物質を作製した。
マイクロトラックを用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、43μmであった。
この被覆活物質を用いて、下記方法により電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を行った。その結果を表1に示した。
樹脂(A)に代えて、樹脂(D)を用いた他は実施例1と同様にして被覆活物質を作製した。
マイクロトラックを用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、43μmであった。
この被覆活物質を用いて、下記方法により電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を行った。その結果を表1に示した。
<比較例3>
被覆用樹脂及び導電助剤を使用せず、被覆活物質を作製しなかった。
被覆していない活物質(LiCoO2粉末)を用いて、下記方法により電子伝導性の評価を行った。その結果を表1に示した。
被覆用樹脂及び導電助剤を使用せず、被覆活物質を作製しなかった。
被覆していない活物質(LiCoO2粉末)を用いて、下記方法により電子伝導性の評価を行った。その結果を表1に示した。
[電子伝導性の評価]
電子伝導性の指標として、活物質間の直流抵抗を測定した。なお、以下の説明において、「活物質」とは、実施例1〜6及び比較例1〜2で得た被覆活物質、又は、比較例3で用いた活物質である。
内径が15mm、高さが30mmであるポリプロピレン製円筒の内部に、活物質を30mg入れ、50回タップした。活物質をさらにSUS316製円筒で挟み、100kNの圧力をかけた。円筒を外し、電気化学測定装置(ソーラトロン社製1280C)を使用して、円柱塊状に成形した活物質の上下の抵抗値を測定した。
電子伝導性の指標として、活物質間の直流抵抗を測定した。なお、以下の説明において、「活物質」とは、実施例1〜6及び比較例1〜2で得た被覆活物質、又は、比較例3で用いた活物質である。
内径が15mm、高さが30mmであるポリプロピレン製円筒の内部に、活物質を30mg入れ、50回タップした。活物質をさらにSUS316製円筒で挟み、100kNの圧力をかけた。円筒を外し、電気化学測定装置(ソーラトロン社製1280C)を使用して、円柱塊状に成形した活物質の上下の抵抗値を測定した。
[電子顕微鏡による観察]
走査型電子顕微鏡(SEM、日立ハイテクノロジーズ社製S−4800)を使用して、実施例1〜6及び比較例1〜2で得た被覆活物質の粒子の状態を観察した。
走査型電子顕微鏡(SEM、日立ハイテクノロジーズ社製S−4800)を使用して、実施例1〜6及び比較例1〜2で得た被覆活物質の粒子の状態を観察した。
表1に示された結果から、リチウムイオン電池活物質の表面を被覆用樹脂及び導電助剤で被覆することにより、活物質間の直流抵抗を低下させることができ、電子伝導性を向上させることができることがわかる。特に、本発明の製造方法でリチウムイオン電池用被覆活物質を製造することにより、被覆用樹脂及び導電助剤をリチウムイオン電池活物質の表面に均一に被覆させることができ、電子伝導性をより向上させることがわかる。
本発明により得られるリチウムイオン電池用被覆活物質は、特に、携帯電話、パーソナルコンピューター及びハイブリッド自動車、電気自動車用に用いられる双極型二次電池用及びリチウムイオン二次電池用等の活物質として有用である。
Claims (8)
- リチウムイオン電池活物質の表面の少なくとも一部が被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆されてなるリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法であって、
前記リチウムイオン電池活物質に対して前記被覆用樹脂及び前記導電助剤を機械的に被覆処理する工程を含み、
前記被覆用樹脂の平均粒子径D2(μm)の前記リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D2/D1)が1/5以下であり、前記導電助剤の平均粒子径D3(μm)の前記リチウムイオン電池活物質の平均粒子径D1(μm)に対する比率(D3/D1)が1/10以下であることを特徴とするリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。 - 前記リチウムイオン電池用被覆活物質の体積平均粒子径が1〜80μmである請求項1に記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
- 前記被覆用樹脂及び前記導電助剤を機械的に被覆処理する方法が、ハイブリダイゼーション法、メカノフュージョン法又はメカニカルミリング法である請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
- 前記リチウムイオン電池活物質の重量に対する前記被覆用樹脂の重量の割合が0.05〜10重量%である請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
- 前記リチウムイオン電池活物質の重量に対する前記導電助剤の重量の割合が0.5〜15重量%である請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
- 前記リチウムイオン電池活物質の平均粒子径は1〜50μmである請求項1〜5のいずれかに記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
- 前記機械的に被覆処理する工程では、前記リチウムイオン電池活物質、前記被覆用樹脂及び前記導電助剤を一括で混合する請求項1〜6のいずれかに記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
- 前記機械的に被覆処理する工程では、前記リチウムイオン電池活物質を、前記被覆用樹脂及び前記導電助剤を混合したもので処理する請求項1〜6のいずれかに記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013193177 | 2013-09-18 | ||
JP2013193177 | 2013-09-18 | ||
PCT/JP2014/074311 WO2015041186A1 (ja) | 2013-09-18 | 2014-09-12 | リチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2015041186A1 true JPWO2015041186A1 (ja) | 2017-03-02 |
Family
ID=52688836
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015537909A Pending JPWO2015041186A1 (ja) | 2013-09-18 | 2014-09-12 | リチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPWO2015041186A1 (ja) |
WO (1) | WO2015041186A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6851728B2 (ja) * | 2015-04-30 | 2021-03-31 | 三洋化成工業株式会社 | 二次電池用被覆活物質の製造方法、それを含むリチウムイオン電池用電極及びそれを用いた非水電解質二次電池 |
JP7322865B2 (ja) * | 2020-11-24 | 2023-08-08 | 株式会社豊田中央研究所 | 複合粒子、電極、蓄電デバイス、複合粒子の製造方法及び電極の製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002373643A (ja) * | 2001-06-14 | 2002-12-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | リチウム二次電池 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011048967A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Nec Energy Devices Ltd | 積層型二次電池および製造方法 |
-
2014
- 2014-09-12 WO PCT/JP2014/074311 patent/WO2015041186A1/ja active Application Filing
- 2014-09-12 JP JP2015537909A patent/JPWO2015041186A1/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002373643A (ja) * | 2001-06-14 | 2002-12-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | リチウム二次電池 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2015041186A1 (ja) | 2015-03-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5044331B2 (ja) | 樹脂粒子の製造法 | |
US9280074B2 (en) | Toner binder and resin particle | |
KR101242874B1 (ko) | 수지 입자 및 그 제조 방법 | |
JP4531076B2 (ja) | 電子写真トナーの母粒子用樹脂粒子の製造方法 | |
JP6121855B2 (ja) | 樹脂粒子の製造方法 | |
JP2006321830A (ja) | 樹脂粒子及びその製造法 | |
JP2007277511A (ja) | 樹脂粒子の製造方法 | |
JP2009030002A (ja) | 樹脂粒子の製造方法 | |
JP5208819B2 (ja) | 樹脂粒子の製造方法 | |
WO2015041184A1 (ja) | リチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法 | |
JP6121712B2 (ja) | 樹脂粒子及び樹脂粒子の製造方法 | |
JP2006307195A (ja) | 樹脂粒子 | |
JPWO2015041186A1 (ja) | リチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法 | |
JP2007031603A (ja) | 樹脂粒子の製造法 | |
US20140234769A1 (en) | Liquid developer | |
JP2012012481A (ja) | 樹脂粒子の製造方法、樹脂粒子、および電子写真トナー | |
JP6203184B2 (ja) | 樹脂粒子及びその製造方法 | |
JP4504937B2 (ja) | トナーバインダー | |
JP2010155943A (ja) | 樹脂粒子の製造方法 | |
WO2015087987A1 (ja) | 粒子の製造方法、粒子及び分散体 | |
JP6689686B2 (ja) | 樹脂粒子の製造方法 | |
JP2013155210A (ja) | コアシェル型樹脂粒子及びその製造方法 | |
JP2013087166A (ja) | 樹脂粒子の製造方法、樹脂粒子及び電子写真用トナー | |
JP2009030000A (ja) | 非水性樹脂分散液の製造方法 | |
JP6588277B2 (ja) | 樹脂粒子の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170829 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181002 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181121 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20190423 |