JPWO2015033931A1 - 溶融ガラス製造方法およびそれを用いた板ガラスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ガラス原料を溶解するための溶解槽を有する溶融ガラス製造装置を用いて溶融ガラスを製造する溶融ガラス製造方法であって、前記溶解槽は、該溶解槽の上部空間を加熱するためのバーナーを有し、該溶解槽底面近傍に、溶融ガラス流路の幅方向にわたって複数のバブラーを有し、前記複数のバブラーは、前記溶解槽の溶融ガラス流路の長さに対し所定の位置関係を満たすように配置されており、前記溶解槽での溶融ガラスの流れが、所定の条件で溶融ガラスを製造する、溶融ガラス製造方法に関する。

Description

本発明は、溶融ガラス製造方法およびそれを用いた板ガラスの製造方法に関する。より具体的には、均質性の高い高品質な無アルカリガラスを生産するための溶融ガラス製造方法およびそれを用いた板ガラスの製造方法に関する。
フラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス基板の製造には、実質的にアルカリ金属イオンを含まない無アルカリガラスを用いることが、ガラス基板の絶縁性を高めるために好ましい。また、無アルカリガラスは熱膨張係数が小さい点でもFPD用のガラス基板の製造に好ましい。
FPD用のガラス基板の製造においては、なお一層の高品質化、すなわち、均質性の高い高品質なガラス基板の製造が求められている。このためガラス原料を溶解して溶融ガラスを得る溶解槽(溶融炉)では溶融ガラスの均質性を高めるために様々な工夫がなされている。
特許文献1に記載の溶融炉では、横断敷居により溶融炉を上流帯域と下流帯域とに分け、各々の帯域で溶融ガラスの循環流(上流側循環流、下流側循環流)を形成させることにより、原料の溶解および溶融ガラスの均質化を行っている。より具体的には、上流帯域では上流側循環流を形成することによりガラス原料の溶解を行い、下流帯域では下流側循環流を形成することにより溶融ガラスの均質化を行う。特許文献1に記載の溶融炉では、上流側循環流および下流側循環流を制御するために、横断敷居の上流側にバブラーが設けられている。
特許文献2に記載の溶融炉(溶融タンク)は、特許文献1に記載の溶融炉における横断敷居に相当する構造は有していないが、少なくとも1列のバブラーと少なくとも2つの互いに向かい合ったバーナーを用いてガラスを溶融、清澄することについて記載されている。
しかしながら、特許文献1,2に記載の溶融炉は、高品質な無アルカリガラスを生産するのには必ずしも適していなかった。
ガラスの溶解温度の指標には、Tη、すなわち、ガラス粘度ηが10[dPa・S]となる温度が用いられるが、無アルカリガラスはTηが1500〜1760℃であり、通常のソーダライムガラス等のアルカリ含有ガラスに比べてTηが100℃以上高く、均質化が難しい。このため、特許文献1,2に記載のソーダライムガラス等の一般的な大量生産用等のレイアウトの溶融炉では十分均質化することができず、均質性に対する要求が特に厳しいガラス製品(FPD用のガラス基板等)の製造には必ずしも適していなかった。
また、上述したように、無アルカリガラスはソーダライムガラス等のアルカリ含有ガラスに比べてTηが高いため、溶融炉内における溶融ガラスの温度も必然的に高くなる。溶融ガラスの温度が高ければ、それに応じて溶融ガラスによる炉内構造物への侵食作用が強くなる。したがって、無アルカリガラスの場合、特許文献1に記載の溶融炉における横断敷居や特許文献2に記載の溶融炉における清澄台のような、溶融炉の底部に溶融ガラス流に影響を与える段差が存在すると、溶融ガラスによる段差の侵食、および、それによる不純物の発生が問題となる。
また、無アルカリガラスの場合、溶融炉内における溶融ガラスの温度が必然的に高くなるので、特許文献1のように下流帯域が長い構造や、特許文献2のように大型の溶融炉とすると、バーナーを用いて加熱する範囲が広くなることからエネルギー効率的に不利である。また、溶融ガラスによる侵食およびそれによる不純物の発生や、溶融ガラスの流速の変化も問題となる。
上記した問題点を解決するため、本願出願人は、特許文献3に記載の溶融ガラス製造装置を提案している。特許文献3に記載の溶融ガラス製造装置では、ガラス原料を溶解するための溶解槽10の底面近傍に設けるバブラー(第1,2のバブラー13,14)、および、溶解槽10の上部空間を加熱するバーナー15を特定の配置にすることにより、溶融ガラス流路の底部に特許文献1、2に記載されているような溶融ガラス流に影響を与える段差構造を設けることなしに、溶解槽10内での溶融ガラスの循環流(上流側循環流100、下流側循環流101)の形成を促進し、かつ、上流側循環流100の流速と下流側循環流101の流速とを所定の関係になるように制御することにより、均質性の高い高品質な無アルカリガラスを生産することができる(文中の符号はいずれも、特許文献3での記載通り)。
日本国特開平9−124323号公報 日本国特開平7−144923号公報 国際公開2011/036939号
上述したように、特許文献3に記載のガラス製造装置を用いることで、均質性の高い高品質な無アルカリガラスを生産することができる。
しかしながら、FPD用のガラス基板の仕様に関する要求は年々厳しくなるため、それに対応するため、製造されるガラスのさらなる均質化が望ましい。
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するため、均質性の高い高品質な無アルカリガラスを生産するのに適した溶融ガラス製造方法、および、それを用いた板ガラス製造方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、ガラス原料を溶解するための溶解槽を有する溶融ガラス製造装置を用いて溶融ガラスを製造する溶融ガラス製造方法であって、
前記溶解槽は、該溶解槽の上部空間を加熱するためのバーナーを有し、
該溶解槽底面近傍に、溶融ガラス流路の幅方向にわたって複数のバブラーを有し、
前記溶解槽の溶融ガラス流路の長さをLとするとき、前記溶融ガラス流路の上流端から前記複数のバブラーの列までの距離が0.4L〜0.55Lであり
前記溶解槽での溶融ガラスの流れが、下記(1)〜(3)を満たす条件で溶融ガラスを製造することを特徴とする溶融ガラス製造方法。
(1)前記複数のバブラーよりも上流側に形成される溶融ガラスの上流側循環流のうち、前記溶解槽の上流方向に移動する、溶融ガラスの表面付近の流れを、溶融ガラスの上流側表層流とし、前記溶解槽の幅方向における中央付近における、該上流側表層流の平均流速をV1Cとするとき、V1Cが0m/h超20m/h以下。
(2)前記複数のバブラーよりも下流側に形成される溶融ガラスの下流側循環流のうち、前記溶解槽の下流方向に移動する、溶融ガラスの表面付近の流れを、溶融ガラスの下流側表層流とし、前記溶解槽の幅方向における中央付近における、該下流側表層流の平均流速をV2Cとするとき、V2C=0.1〜30m/h。
(3)前記溶解槽の幅方向における側部付近における、前記下流側表層流の平均流速をV2Sとするとき、│(V2C−V2S)/V2C│=0〜0.5。
また、本発明は、本発明の溶融ガラス製造方法により得られた溶融ガラスを板ガラスに成形する板ガラス製造方法を提供する。
本発明の溶融ガラス製造方法は、均質性の高い高品質な無アルカリガラスを生産に好適である。
本発明の板ガラス製造方法は、均質性が高く、透明性が高い板ガラスを製造することができるため、FPD用の基板の製造に好適である。
図1は、本発明の溶融ガラス製造方法に用いる溶解槽の一実施形態の断面図である。 図2は、図1に示す溶解槽10Aの平面図である。但し、溶解槽10Aの上部壁面は省略されている。 図3は、本発明の溶融ガラス製造方法に用いる溶解槽の別の一実施形態の断面図である。 図4は、図3に示す溶解槽10Bの平面図である。但し、溶解槽10Bの上部壁面は省略されている。 図5は、(V2C−V2S)/V2Cが、0.05未満の場合と、0.5超の場合について、溶融ガラス中の泡数ごとの発生頻度を比較したグラフである。 図6は、(V2C−V2S)/V2Cが、0.1未満の場合と、0.5超の場合について、溶融ガラス中の泡数ごとの発生頻度を比較したグラフである。 図7は、(V2C−V2S)/V2Cが、0.3未満の場合と、0.5超の場合について、溶融ガラス中の泡数ごとの発生頻度を比較したグラフである。 図8は、(V2C−V2S)/V2Cが、0.5未満の場合と、0.5超の場合について、溶融ガラス中の泡数ごとの発生頻度を比較したグラフである。
以下、図面を参照して本発明について説明する。
図1は、本発明の溶融ガラス製造方法に用いる溶解槽の一実施形態の断面図であり、図2は、図1に示す溶解槽10Aの平面図である。但し、理解を容易にするため、溶解槽10Aの上部壁面は省略されている。
溶解槽10Aの上流側の端部にはガラス原料の投入口11が設けられている。投入口11から投入されたガラス原料は、バーナー15による加熱によって溶解して溶融ガラスGとなり、溶解槽10A内に保持される。溶解槽10Aの下流側の端部10eには、溶融ガラスGを次工程に払出すための払出し口12が設けられている。払出し口12は下流側の導管20と連通している。
図1、2に示す溶解槽10Aの底面近傍には、複数のバブラー13が設けられている。
バブラー13は、溶解槽10Aの幅方向、より具体的には、溶解槽10Aの溶融ガラス流路の幅方向、にわたって所定の間隔(ピッチ)を開けて配設されている。
なお、バブラー13の列方向における個々のバブラーのピッチの好適範囲については後述する。
図1、2に示す溶解槽10Aの両側面には、該溶解槽10A内に保持された溶融ガラスGよりも上方に位置するようにバーナー15が配置されている。バーナー15は、溶解槽10Aの長さ方向全体にわたって等間隔で設けられている。
図1、2に示す溶解槽10Aは、バブラー13を後述する特定の配置にすることにより、溶融ガラス流路の底部に特許文献1、2に記載されているような溶融ガラス流に影響を与える段差構造を設けることなしに、溶解槽10内での溶融ガラスGの循環流(上流側循環流100、下流側循環流101)の形成を促進することができる。
図1,2に示す溶解槽10Aは、溶融ガラス流路の底部に溶融ガラスによる侵食が問題となる段差構造を設ける必要がないため、Tηが1500〜1760℃であり、ソーダライムガラス等のアルカリ含有ガラスに比べて100℃以上高い無アルカリガラスの製造に好適である。
ηが1500〜1760℃となる無アルカリガラスの具体例としては、酸化物基準の質量百分率表示が下記組成となる無アルカリガラス組成1〜3が例示できる。
無アルカリガラス組成1
酸化物基準の質量百分率表示で、
SiO:50〜73%
Al:10.5〜24%
:0〜12%
MgO:0〜8%
CaO:0〜14.5%
SrO:0〜24%
BaO:0〜13.5%
MgO+CaO+SrO+BaO:8〜29.5%
ZrO:0〜5%
を含有する無アルカリガラス。
無アルカリガラス組成2
酸化物基準の質量百分率表示で、
SiO:58〜66%
Al:15〜22%
:5〜12%
MgO:0〜8%
CaO:0〜9%
SrO:3〜12.5%
BaO:0〜2%
MgO+CaO+SrO+BaO:9〜18%
を含有する無アルカリガラス。
無アルカリガラス組成2は、歪点が高く溶解性を考慮する場合に好適である。
無アルカリガラス組成3
酸化物基準の質量百分率表示で、
SiO: 54〜73%
Al: 10.5〜22.5%
: 0〜5.5%
MgO: 0〜8%
CaO: 0〜9%
SrO: 0〜16%
BaO: 0〜2.5%
MgO+CaO+SrO+BaO:8〜26 %
を含有する無アルカリガラス。
無アルカリガラス組成3は、特に高歪点を考慮する場合に好適である。
図1,2に示す溶解槽10Aは、該溶解槽10Aの溶融ガラス流路の長さをLとするとき、溶融ガラス流路の上流端から、バブラー13の列までの距離が、0.4L〜0.55Lである。
したがって、特許文献1,2に記載されているような従来の溶解槽(溶融炉)に比べて、溶解槽10Aの長さが短く、溶解槽における下流側循環流を形成する部位の長さも短い。
本実施形態の溶解槽10Aの溶融ガラス流路の長さLは、溶融ガラス流路の幅Wによって異なるが、10〜30mであり、好ましくは10〜25mであり、より好ましくは15〜22mである。
一方、溶融ガラス流路の幅Wは、5〜10mであり、好ましくは5.5〜9mであり、より好ましくは6.5〜8mである。
バブラー13において、バブラーの列方向における個々のバブラー間のピッチp、すなわち、溶解槽10Aの溶融ガラス流路の幅方向における個々のバブラー間の距離が、400〜700mmであることが好ましい。個々のバブラー間のピッチpが上記の範囲であれば、溶解槽10A内での溶融ガラスGの循環流(上流側循環流100、下流側循環流101)の形成を促進する効果に優れ、上流側循環流100の流速、および、下流側循環流101の流速を後述する特定の範囲に制御するうえで好ましく、かつ製造コストの観点でも優れている。
個々のバブラー間のピッチpが700mm超だと、個々のバブラー間の距離が広すぎるため、溶解槽10A内での溶融ガラスGの循環流(上流側循環流100、下流側循環流101)の形成を促進する効果が不十分となるおそれがあり、特に、溶融ガラス流路の幅方向において、部位によって、溶融ガラスGの循環流(上流側循環流100、下流側循環流101)の形成の促進に差が生じ、循環流の流速にムラが生じるおそれがあり、溶融ガラスGの均質化という点から好ましくない。また、上流側循環流100の流速、および、下流側循環流101の流速を後述する特定の範囲に制御するのが困難である。
一方、個々のバブラー間のピッチpを400mm未満としても、溶解槽10内での溶融ガラスGの循環流(上流側循環流100、下流側循環流101)の形成の促進にはもはや寄与せず、むしろ、費用対効果の観点では溶解槽10内に設けるバブラー13の数が過剰となり、溶融ガラスの製造コストの増加につながることから好ましくない。
なお、バブラー13から供給するガス16には、溶融ガラスG、および、バブラー13等の溶解槽10Aの構成要素に悪影響を及ぼさないものを用いることが好ましい。このようなガスの具体例としては、空気、窒素、酸素、ヘリウム、アルゴン等が例示される。バブラー13の材料として、白金または白金合金が用いられる場合、バブラー13から供給するガス16には、窒素、ヘリウム、および、アルゴンといった酸素を含まないガスを用いることが好ましい。これらの中でも窒素が特に好ましい。
本実施形態の溶融ガラス製造方法では、図1,2に示す溶解槽10Aでの溶融ガラスGの流れが、下記(1)〜(3)を満たす条件で溶融ガラスを製造する。
条件(1)
バブラー13よりも上流側に形成される溶融ガラスの上流側循環流100のうち、溶解槽10Aの上流方向に移動する、溶融ガラスの表面付近の流れを、溶融ガラスの上流側表層流102とし、溶解槽10Aの幅方向における中央付近における、該上流側表層流の平均流速をV1Cとするとき、V1Cが0m/h超20m/h以下。
1Cを上記範囲とする理由は、ガラス原料中の未溶解物や溶融ガラス表面での揮散等によってできる比重の軽い異質層(スカム層)の前進を抑え、溶融ガラスの均質化を促進するためである。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、V1Cは、例えば溶融ガラス表層の泡や未融解原料等をカメラで撮影することにより測定できる。
但し、後述するV2C,V2Sと同様の手順で測定してもよい。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、溶解槽10Aでの溶融ガラスの流路方向におけるV1Cの測定位置、すなわち、上流側表層流をカメラで撮影する位置は、溶融ガラス流路の上流端+500mm〜0.35Lの位置であることが好ましい。この理由は、溶融ガラスの表面付近を溶解槽10Aの上流方向に移動する上流側表層流のみを捉えるのに適しているからである。なお、前記V1Cの測定位置は、記載した範囲内での任意の位置を意味する(以下、本明細書において同様。)。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、V1Cは、バブラー13からのガス16の流量により調節できる。具体的には、バブラー13からのガス16の流量を増やすと、V1Cが増加し、ガス16の流量を減らすと、V1Cが減少する。
また、V1Cは、バブラー13の上方の雰囲気温度Tによっても調節できる。具体的には、バブラー13の上方の雰囲気温度Tを高くすると、V1Cが増加し、雰囲気温度Tを低くすると、V1Cが減少する。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、バブラー13からのガス16の平均流量Fが0.5〜20リットル/分であることが好ましく、0.7〜5リットル/分であることがより好ましく、0.9〜3リットル/分であることがさらに好ましい。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、バブラー13の上方の雰囲気温度T及び後述するTは1590〜1710℃であることが好ましく、1600〜1695℃であることがより好ましい。
本明細書における雰囲気温度Tは、たとえば、バブラー13の列よりも上流側に直近のバーナーと、該バーナーよりもさらに上流側に位置する直近のバーナーと、の中間位置で測定する。具体的な測定方法としては、たとえば、溶解槽の側面に設けられた観察用窓から、対面側の側面の溶解槽内壁面温度を放射温度計(例えば、CHINO IR−AH3SU(測定波長:0.65μm、ε=1.0))で測定する(以下の測定においても同様)。
1Cを調節する際の雰囲気温度Tは、バブラー13の列よりも上流側のバーナー15による加熱により調節できる。バーナー15での燃焼は、燃料を酸素ガスと混合して燃焼させたり、燃料を酸素ガスおよび空気と混合して燃焼させたりすることができる。これらの方法を用いることにより、溶融ガラスに水分を含有させることができる。溶解槽10Aから下流側の導管20へと送られた溶融ガラスの後工程において、溶融ガラス中の泡を減圧脱泡により脱泡する場合には、溶融ガラスが水分を含んでいることが好ましいことから、上記のような燃焼が好ましい。
条件(2)
(2)バブラー13よりも下流側に形成される溶融ガラスの下流側循環流101のうち、溶解槽10の下流方向に移動する溶融ガラスの表面付近の流れを、溶融ガラスの下流側表層流103とし、溶解槽10Aの幅方向における中央付近における、該下流側表層流103の平均流速をV2Cとするとき、V2C=0.1〜30m/h。
条件(3)
溶解槽10Aの幅方向における側部付近における、下流側表層流103の平均流速をV2Sとするとき、│(V2C−V2S)/V2C│=0〜0.5。
本願発明者らは、溶解槽10A内での溶融ガラスGの流れと、製造されるガラスの品質と、の関係について鋭意検討した結果、下流側循環流101のうち、溶融ガラスの表面付近を、溶解槽10Aの下流方向に移動する下流側表層流103の挙動が、製造されるガラスの品質に大きく影響することを見出した。本願発明者らが得た知見は以下の通り。
(a)下流側表層流103の流速が高いと、溶解槽10A内での溶融ガラスの滞留時間が短くなるため、製造されるガラスの品質が低下する。製造されるガラスの品質を向上させるためには、下流側表層流103の流速を低くして、溶解槽10A内での溶融ガラスの滞留時間を増加させる必要がある。
(b)製造後間もない段階の溶解槽10Aは、溶解槽10Aの側壁による断熱作用が十分発揮されるため、溶解槽10Aの幅方向における中央付近と、側部付近と、で、溶融ガラスの温度差はほとんどない。このため、溶解槽10Aの幅方向における中央付近と、側部付近と、で、下流側表層流103に流速差がつきにくい。
しかしながら、使用開始から時間が経過すると、溶解槽10Aの側壁が溶融ガラスにより侵食されて、その断熱作用が徐々に低下するため、溶解槽10Aの幅方向における中央付近と、側部付近と、で、溶融ガラスに温度差が生じるようになる。具体的には、溶解槽10Aの幅方向における中央付近に比べて、側部付近の溶融ガラスの温度が低くなる。この結果、溶解槽10Aの幅方向における中央付近と、側部付近と、で、下流側表層流103に流速差がつくようになる。具体的には、溶解槽10Aの幅方向における中央付近に比べて、側部付近の下流側表層流103の流速が低くなる。
溶解槽10Aの幅方向における中央付近と、側部付近と、で、下流側表層流103の流速の差が大きくなると、製造されるガラスの品質が低下する。
条件(2)において、V2Cが30m/h超だと、溶解槽10A内での溶融ガラスの滞留時間が短くなるため、製造されるガラスの品質が低下する。このため、30m/h以下とする。好ましくは15m/h以下、さらに好ましくは10m/h以下である。
但し、V2Cが0.1m/h未満だと、溶融ガラス表面からの揮散が増加し、製造されるガラスの品質が低下する。好ましくは1m/h以上、さらに好ましくは2m/h以上である。
条件(3)において、溶解槽10Aの幅方向における中央付近と、側部付近と、で、下流側表層流103の流速差がない場合は、│(V2C−V2S)/V2C│=0となる。これに対し、下流側表層流103の流速差が大きくなると、│(V2C−V2S)/V2C│の値が大きくなり、0.5超となると、製造されるガラスの品質が低下する。
なお、│(V2C−V2S)/V2C│と、(V2C−V2S)/V2Cの絶対値で規定しているのは、(V2C−V2S)/V2Cが負の数値になる場合、すなわち、溶解槽10の幅方向における中央付近に比べて、側部付近の下流側表層流103の流速が高くなる場合も許容されるからである。
好ましくは、│(V2C−V2S)/V2C│=0〜0.3、より好ましくは、│(V2C−V2S)/V2C│=0〜0.1、さらに好ましくは、│(V2C−V2S)/V2C│=0〜0.01である。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、V2CおよびV2Sは、下流側表層流をカメラで連続的に撮影し、この画像を用いて測定することができる。具体的には、カメラで撮影した画像に対して、背景差分処理することで動的領域を抽出し、これをオプティカルフロー処理し、さらに、幾何補正処理を施して、実空間(三次元)速度を求める。但し、この数値にはある程度ばらつきがあるため、指定した領域において測定された速度の分布より推定される期待値として、V2CおよびV2Sを求める。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、溶解槽10Aでの溶融ガラスの流路方向におけるV2CおよびV2Sの測定位置、すなわち、下流側表層流をカメラで撮影する位置は、溶融ガラス流路の上流端から0.6L〜L−500mmの位置であることが好ましい。この理由は、溶融ガラスの表面付近を溶解槽10の下流方向に移動する下流側表層流のみを捉えるのに適しているからである。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、溶解槽10Aの幅方向におけるV2Cの測定位置は、溶解槽10Aの溶融ガラス流路の幅をW(mm)とするとき、2/5W〜3/5Wの位置であることが好ましく、9/20W〜11/20Wの位置であることがより好ましい。
一方、溶解槽10Aの幅方向におけるV2Sの測定位置は、0〜1/4Wの位置であることが好ましい。ここで、0とは、溶解槽10の側壁近傍、具体的には、側壁から20mm以内の位置を指す。
なお、V1CをV2Cと同様の手順で測定する場合は、溶解槽10の幅方向におけるV1Cの測定位置は、2/5W〜3/5Wの位置であることが好ましく、9/20W〜11/20Wの位置であることがより好ましい。
本実施形態の溶融ガラス製造方法では、上記の手順でV2CおよびV2Sを測定するために、下流側表層流の画像をある程度の範囲で捉える必要がある。
2Cを測定する目的では、下流側表層流の画像を捉える範囲は、以下の範囲であることが好ましい。
溶融ガラスの流路方向:100mm〜3000mm、より好ましくは、200mm〜1000mm、さらに好ましくは、300mm〜500mm
溶解槽10Aの幅方向:W/75〜W/5、より好ましくは、W/30〜W/7、さらに好ましくは、W/16〜W/14
なお、V1CをV2Cと同様の手順で測定する場合は、上流側表層流の画像を捉える範囲は、上記と同様であることが好ましい。
2Sを測定する目的では、下流側表層流の画像を捉える範囲は、以下の範囲であることが好ましい。
溶融ガラスの流路方向:200mm〜3000mm、より好ましくは、300mm〜1500mm、さらに好ましくは、400mm〜900mm
溶解槽10の幅方向:W/30〜W/2、より好ましくは、W/10〜W/4、さらに好ましくは、W/7〜W/5
また、下流側表層流の画像を捉える範囲は、フレームの写りこみによる、激しい明度の変化を伴わない範囲であることが好ましい。
条件(2)におけるV2Cは、バブラー13からのガス16の流量により調節できる。具体的には、バブラー13からのガス16の流量を増やすと、V2Cが増加し、ガス16の流量を減らすと、V2Cが減少する。
また、V2Cは、バブラー13の上方の雰囲気温度Tによっても調節できる。具体的には、バブラー13の上方の雰囲気温度Tを高くすると、V2Cが増加し、雰囲気温度Tを低くすると、V2Cが減少する。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、バブラー13からのガス16の平均流量Fの好適範囲、および、バブラー13の上方の雰囲気温度Tの好適範囲については上述した通りである。
2Cを調節する際の雰囲気温度Tは、バブラー13の列と、該バブラーよりも下流側に直近のバーナーと、の中間位置で測定する。
2Cを調節する際の雰囲気温度Tは、バブラー13の列よりも下流側のバーナー15による加熱により調節できる。バーナー15での燃焼については、上述した通りである。
条件(3)におけるV2CとV2Sとの関係は、バブラー13の列よりも下流側のバーナー15による加熱により調節できる。
上述したように、V2CとV2Sとで差が生じるのは、溶解槽10Aの幅方向における中央付近と、側部付近と、で溶融ガラスに温度差が生じること、具体的には、溶解槽10Aの幅方向における中央付近に比べて、側部付近の溶融ガラスの温度が低くなるのが原因である。バブラー13の列よりも下流側のバーナー15による加熱により、側部付近の溶融ガラスの温度を上昇させて、溶解槽10Aの幅方向における中央付近と、側部付近と、の溶融ガラスの温度差を減らすことができる。これにより、V2CとV2Sとの差が減少し、|(V2C−V2S)/V2C|の値が小さくなる。
また、条件(3)におけるV2CとV2Sとの関係は、バブラー13からのガス16の流量によっても調節できる。具体的には、溶解槽10Aの幅方向における中央付近のバブラー13からのガス16の流量に対し、側部付近のバブラー13からのガス16の流量を大きくすることで、V2CとV2Sとの差が減少し、|(V2C−V2S)/V2C|の値が小さくなる。
なお、溶解槽10の幅方向における中央付近のバブラー13からのガス16の流量に対し、側部付近のバブラー13からのガス16の流量を大きくすることにより、(V2C−V2S)/V2Cを負の数値とすること、すなわち、溶解槽10の幅方向における中央付近に比べて、側部付近の下流側表層流103の流速が高くすることも可能である。
図3は、本発明の溶融ガラス製造方法に用いる溶解槽の別の一実施形態の断面図であり、図4は、図3に示す溶解槽の平面図である。
図3、4に示す溶解槽10Bでは、上述した溶解槽10Aの複数のバブラー13の代わりに、溶解槽10Bの溶融ガラス流路方向における位置が互いに異なる、複数の第1のバブラー13A、および、複数の第2のバブラー13Bが設けられている。第1のバブラー13Aは、第2のバブラー13Bよりも溶融ガラス流路の上流側に設けられており、第1のバブラー13Aの列と第2のバブラー13Bの列との間には所定の間隔が設けられている。
なお、第1のバブラー13A、および、第2のバブラー13Bの列方向における個々のバブラーのピッチについては、上述した溶解槽10Aのバブラー13について記載したのと同様である。第1のバブラー13Aの列と第2のバブラー13B列との距離の好適範囲については後述する。
図3、4に示す溶解槽10Bの両側面には、該溶解槽10B内に保持された溶融ガラスGよりも上方に位置するようにバーナー15が配置されている。バーナー15は、後述する例外部分を除いて、溶解槽10Bの長さ方向全体にわたって等間隔で設けられている。
図3、4に示す溶解槽10Bは、第1,2のバブラー13A,13B、および、バーナー15を後述する特定の配置にすることにより、溶融ガラス流路の底部に特許文献1、2に記載されているような溶融ガラス流に影響を与える段差構造を設けることなしに、溶解槽10B内での溶融ガラスGの循環流(上流側循環流100、下流側循環流101)の形成を促進できる点でより優れている。
したがって、図1,2に示す溶解槽10Aと同様に、Tηが1500〜1760℃であり、ソーダライムガラス等のアルカリ含有ガラスに比べて100℃以上高い無アルカリガラスの製造に好適である。
図3、4に示す溶解槽10Bは、該溶解槽10Bの溶融ガラス流路の長さをLとするとき、溶融ガラス流路の上流端から第1のバブラー13Aの列までの距離が、0.4L〜0.5Lであり、溶融ガラス流路の下流端から第2のバブラー13Bの列までの距離が0.45L〜0.55Lである。
したがって、溶解槽10Aと同様に、特許文献1,2に記載されているような従来の溶解槽(溶融炉)に比べて、溶解槽10Bの長さが短く、溶解槽における下流側循環流を形成する部位の長さも短い。
図3、4に示す溶解槽10Bにおいて、溶融ガラス流路の上流端から第1のバブラー13Aの列までの距離が0.43L〜0.46Lであることが好ましく、溶融ガラス流路の下流端から第2のバブラー13Bの列までの距離が0.47L〜0.54Lであることが好ましい。
図3、4に示す溶解槽10Bにおいて、第1のバブラー13Aの列と、第2のバブラー13Bの列との距離をLPとするとき、LPが500〜1000mmである。LPが、上記の範囲を満たしていると、溶解槽10B内での溶融ガラスGの循環流(上流側循環流100、下流側循環流101)の形成を促進する効果に優れ、かつ、上流側循環流100の流速、および、下流側循環流101の流速を後述する特定の範囲に制御できる。
Pが500mm未満だと、第1のバブラー13Aの列と、第2のバブラー13Bの列との距離が近すぎるため、溶解槽10B内での溶融ガラスGの循環流(上流側循環流100、下流側循環流101)の形成を促進する効果に乏しく、かつ、上流側循環流100の流速、および、下流側循環流101の流速を後述する特定の範囲に制御するのが困難である。
Pが1000mm超の場合も、第1のバブラー13Aの列と、第2のバブラー13Bの列との距離が広すぎるため、溶解槽10B内での溶融ガラスGの循環流(上流側循環流100、下流側循環流101)の形成を促進する効果に乏しく、かつ、上流側循環流100の流速、および、下流側循環流101の流速を後述する特定の範囲に制御するのが困難である。
溶解槽10Bにおいて、LPが600〜800mmであることが好ましい。
第1のバブラー13Aおよび第2のバブラー13Bにおいて、バブラーの列方向における個々のバブラー間のピッチpについては、溶解槽10Aのバブラー13について記載したのと同様である。
図3、4に示す溶解槽10Bにおける溶融ガラスの流路方向を軸とするとき、第1のバブラー13Aと第2のバブラー13Bとが同軸上に存在しないように配置されていることが好ましい。
図4に示す溶解槽10Bにおいて、第1のバブラー13Aと第2のバブラー13Bとが千鳥状に配置されており、第1のバブラー13Aの突出口と第2のバブラー13Bの突出口とが同軸上に存在しない。
このような配置にした場合、第1のバブラー13Aの突出口のいずれかが機能しなくなった場合であっても、下流側に千鳥状に配置された第2のバブラー13Bの突出口の存在により、溶解槽10B内での溶融ガラスGの循環流(上流側循環流100、下流側循環流101)の形成を促進する効果が損なわれることがない。
なお、第1のバブラー13Aおよび第2のバブラー13Bから供給するガス16A、16Bについては、溶解槽10Aのバブラー13から供給するガス16について記載したのと同様である。
図3、4に示す溶解槽10Bの両側面には、該溶解槽10Bの長さ方向全体にわたってバーナー15が等間隔で設けられている。但し、第2のバブラー13Bの上方にはバーナー15が設けられていない。これは、第2のバブラー13Bの上方の雰囲気温度Tを第1のバブラー13Aの上方の雰囲気温度Tよりも低くするためである。これにより、下流側循環流101の単位時間当たりの流量を上流側循環流100より低くできる。これは、主として、ガラス原料の溶融と清澄を目的とする上流側循環流100よりも、溶融ガラスの均質化を目的とする下流側循環流101のほうが、単位時間当たりの流量を低くすることが好ましいからである。
第2のバブラー13Bの上方の雰囲気温度Tを第1のバブラー13Aの上方の雰囲気温度Tよりも低くするためには、図4に示すように、第2のバブラー13Bの列と該列の下流側に直近のバーナー15nとをある程度離して配置する必要がある。このため、第2のバブラー13Bの列と該列の下流側に直近のバーナー15との距離LB2を800mm以上とする必要がある。
但し、第2のバブラー13Bの列と該列の下流側に直近のバーナー15nとを離しすぎると、第2のバブラー13Bの上方の雰囲気温度Tが低くなりすぎて、却って溶融ガラスの均質化が不十分になる等の問題が生じる。また、溶解槽10Bの下流側の端部10eに設けられた払出し口12から払出される溶融ガラスGの温度が低くなり、後工程において減圧脱泡を行う場合に脱泡し難くなる等の問題が生じる。このため、LB2を2500mm以下とする必要がある。
したがって、LB2=800〜2500mmである。なお、LB2=1000〜2000mmであることが好ましく、LB2=1000〜1600mmであることがより好ましい。
また、第2のバブラー13Bの上方の雰囲気温度Tを第1のバブラー13Aの上方の雰囲気温度Tよりも低くするためには、図4に示す溶解槽10Bでは、溶解槽10Bでの溶融ガラスの流路方向における、第1のバブラー13Aの列と該列の上流側に直近のバーナー15との距離LB1と、第2のバブラー13Bの列と該列の下流側に直近のバーナー15との距離LB2と、が、LB2>LB1の関係になることが必要である。すなわち、第1のバブラー13Aの上方にバーナー15が設けられているのに対して、第2のバブラー13Bの上方にはバーナー15が設けない。図4に示す溶解槽10Bでは、このような配置とすることによって、第2のバブラーの上方の雰囲気温度Tを第1のバブラーの上方の雰囲気温度Tよりも低くすることができる。
本実施形態において、LB2−LB1≧300mmであることが好ましく、LB2−LB1≧500mmであることがより好ましく、LB2−LB1≧800mmであることがさらに好ましい。
一方、図4に示す溶解槽10Bでは、第1のバブラー13Aの列の上方にバーナー15が設けられているが、LB2>LB1の関係を満たす限り、第1のバブラー13Aの列と該列の上流側に直近のバーナー15とをある程度離して配置してもよい。但し、第1のバブラー13Aの列と該列の上流側に直近のバーナー15とを離しすぎると、第1のバブラー13Aの上方の雰囲気温度が低くなりすぎて上流側循環流100が弱まり、ガラス原料の溶解が不十分になる、また、それにより、溶解槽10の下流域での溶融ガラスGの均質化が不十分になる等の問題が生じる。このため、LB1=2000mm以下とする必要がある。
したがって、LB1=0〜2000mmである。なお、LB1=500〜1500mmであることが好ましい。
なお、隣り合うバーナー15間のピッチについては、図2に示す溶解槽10Aについて記載したのと同様である。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、図3、4に示す溶解槽10Bでの溶融ガラスGの流れが、下記(1)〜(3)を満たす条件で溶融ガラスを製造する。
条件(1)
第1のバブラー13Aよりも上流側に形成される溶融ガラスの上流側循環流100のうち、溶解槽10Bの上流方向に移動する、溶融ガラスの表面付近の流れを、溶融ガラスの上流側表層流102とし、溶解槽10Bの幅方向における中央付近における、該上流側表層流の平均流速をV1Cとするとき、V1Cが0m/h超20m/h以下。
1Cを上記範囲とする理由は、ガラス原料中の未溶解物や溶融ガラス表面での揮散等によってできる比重の軽い異質層(スカム層)の前進を抑え、溶融ガラスの均質化を促進するためである。
1Cの測定方法、および、測定位置については、溶解槽10Aについて記載したのと同様である。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、V1Cは、第1のバブラー13Aからのガス16Aの流量により調節できる。具体的には、第1のバブラー13Aからのガス16Aの流量を増やすと、V1Cが増加し、ガス16Aの流量を減らすと、V1Cが減少する。
また、V1Cは、第1のバブラー13Aの上方の雰囲気温度Tによっても調節できる。具体的には、第1のバブラー13Aの上方の雰囲気温度Tを高くすると、V1Cが増加し、雰囲気温度Tを低くすると、V1Cが減少する。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、第1のバブラー13Aからのガス16Aの平均流量Fが0.5〜20リットル/分であることが好ましく、0.7〜5リットル/分であることがより好ましく、0.9〜3リットル/分であることがさらに好ましい。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、第1のバブラー13Aの上方の雰囲気温度Tは1590〜1710℃であることが好ましく、1600〜1695℃であることがより好ましい。
本明細書における雰囲気温度Tは、たとえば、第1のバブラー13Aの列よりも上流側に直近のバーナーと、該バーナーよりもさらに上流側に位置する直近のバーナーと、の中間位置で測定する。具体的な測定方法については、溶解槽10Aの雰囲気温度Tについて記載したのと同様である。
雰囲気温度Tは、第1のバブラー13Aの列よりも上流側のバーナー15による加熱により調節できる。バーナー15での燃焼については、溶解槽10Aについて記載したのと同様である。
条件(2)
(2)第2のバブラー13Bよりも下流側に形成される溶融ガラスの下流側循環流101のうち、溶解槽10Bの下流方向に移動する溶融ガラスの表面付近の流れを、溶融ガラスの下流側表層流103とし、溶解槽10Bの幅方向における中央付近における、該下流側表層流103の平均流速をV2Cとするとき、V2C=0.1〜30m/h。
条件(3)
溶解槽10Bの幅方向における側部付近における、下流側表層流103の平均流速をV2Sとするとき、|(V2C−V2S)/V2C|=0〜0.5。
条件(2)において、V2Cが30m/h超だと、溶解槽10B内での溶融ガラスの滞留時間が短くなるため、製造されるガラスの品質が低下する。このため、30m/h以下とする。好ましくは15m/h以下、さらに好ましくは10m/h以下である。
但し、V2Cが0.1m/h未満だと、溶融ガラス表面からの揮散が増加し、製造されるガラスの品質が低下する。好ましくは1m/h以上、さらに好ましくは2m/h以上である。
条件(3)において、溶解槽10Bの幅方向における中央付近と、側部付近と、で、下流側表層流103の流速差がない場合は、│(V2C−V2S)/V2C│=0となる。これに対し、下流側表層流103の流速差が大きくなると、│(V2C−V2S)/V2C│の値が大きくなり、0.5超となると、製造されるガラスの品質が低下する。
好ましくは、│(V2C−V2S)/V=0〜0.3、より好ましくは、│(V2C−V2S)/V2C│=0〜0.1、さらに好ましくは、│(V2C−V2S)/V2C│=0〜0.01である。
2CおよびV2Sの測定方法、および、測定位置については、溶解槽10Aについて記載したのと同様である。
条件(2)におけるV2Cは、第2のバブラー13Bからのガス16Bの流量により調節できる。具体的には、第2のバブラー13Bからのガス16Bの流量を増やすと、V2Cが増加し、ガス16Bの流量を減らすと、V2Cが減少する。
また、V2Cは、第2のバブラー13Bの上方の雰囲気温度Tによっても調節できる。具体的には、第2のバブラー13Bの上方の雰囲気温度Tを高くすると、V2Cが増加し、雰囲気温度Tを低くすると、V2Cが減少する。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、第2のバブラー13Bからのガス16Bの平均流量Fが0.3〜19.8リットル/分であることが好ましく、0.4〜4.8リットル/分であることがより好ましく、0.5〜2リットル/分であることがさらに好ましい。
本実施形態の溶融ガラス製造方法において、第2のバブラー13Bの上方の雰囲気温度Tは1590〜1710℃であることが好ましく、1600〜1695℃であることがより好ましい。
本明細書における雰囲気温度Tは、たとえば、第2のバブラー13Bの列と、該バブラーよりも下流側に直近のバーナーと、の中間位置で測定する。
雰囲気温度Tは、第2のバブラー13Bの列よりも下流側のバーナー15による加熱により調節できる。バーナー15での燃焼については、上述した通りである。
条件(3)におけるV2CとV2Sとの関係は、第2のバブラー13Bの列よりも下流側のバーナー15による加熱により調節できる。具体的には、第2のバブラー13Bの列よりも下流側のバーナー15による加熱により、側部付近の溶融ガラスの温度を上昇させて、溶解槽10Bの幅方向における中央付近と、側部付近と、の溶融ガラスの温度差を減らすことができる。これにより、V2CとV2Sとの差が減少し、|(V2C−V2S)/V2C|の値が小さくなる。
また、条件(3)におけるV2CとV2Sとの関係は、第2のバブラー13Bからのガス16Bの流量によっても調節できる。具体的には、溶解槽10Bの幅方向における中央付近の第2のバブラー13Bからのガス16Bの流量に対し、側部付近の第2のバブラー13Bからのガス16Bの流量を大きくすることで、V2CとV2Sとの差が減少し、|(V2C−V2S)/V2C|の値が小さくなる。
本発明の溶融ガラス製造方法に用いる溶解槽についてさらに記載する。
溶解槽10A、10Bの溶融ガラスGを接する部分の構成材料は、耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性に優れていることが求められることからZrO含有の耐火レンガが用いられるが、溶融ガラス流路をなす溶解槽10A、10Bの底面のうち、バブラー13、第1のバブラー13Aの列から上流側に0.1L〜0.3Lの部分には、質量%でZrOが85%以上97%以下で、残部がSiOを主体とするガラス質の熱溶融耐火物が用いることが好ましい。溶解槽を流通する溶融ガラスの温度は、下流側よりも上流側のほうが高く、また、溶解槽10Bの場合、第2のバブラー13Bからの流量よりも第1のバブラー13Aからの流量のほうが大きいため、耐火レンガが侵食されやすいからである。この場合、個々の熱溶融耐火物の厚さは50〜120mmであることが好ましく、熱溶融耐火物は2〜3個積層させることが好ましい。さらに、このようにして形成した熱溶融耐火物の層の外側に、他のZrO含有の耐火レンガを2〜5層積層させることができる。なお、溶解槽の溶融ガラスGと接する部分の全てを上記組成の熱溶融耐火物で構成することが好ましい。また、各耐火レンガをアルミナ・ジルコン質等のタンプ材を介して積層することができる。
次に、本発明の板ガラス製造方法について説明する。
本発明の板ガラス製造方法では、上記した本発明の溶融ガラス製造方法により得られた溶融ガラスを板ガラスに成形する。溶融ガラスを成形して板ガラスとする手段としては、フロート法、ダウンドロー法等の各種成形方法を用いることができる。Tηが1500〜1760℃のガラスの場合、フロート法が特に好ましい。
本発明の板ガラス製造方法において、上記した本発明の溶融ガラス製造方法により得られた溶融ガラスを板ガラスに成形する前に、該溶融ガラス中の泡を減圧脱泡により脱泡してもよい。
本発明の板ガラス製造方法では、本発明の溶融ガラス製造方法により得られた均質性が高い溶融ガラスを成形して板ガラスとするので、均質性が高く、透明性が高い板ガラスを得ることができる。
本発明の板ガラス製造装置では、様々な用途の板ガラスの製造に適用可能であるが、均質性が高く、透明性が高い板ガラスが得られることから、FPD用のガラス基板のように、均質性についての要求がきわめて厳しい用途の板ガラスの製造に適用することが特に好ましい。
図3、4に示す溶解槽10Bの投入口に所望の組成となるようにガラス原料を投入して、Tηが1500〜1760℃の無アルカリガラスを製造する。図3、4に示す溶解槽10Bの各部の寸法は以下の通り。
溶融ガラス流路の長さL:16〜25m
溶融ガラス流路の幅:5.5〜9m
溶融ガラス流路の上流端から第1のバブラー13Aの列までの距離
:0.43L〜0.46L
溶融ガラス流路の下流端から第2のバブラー13Bの列までの距離
:0.47L〜0.54L
第1のバブラー13Aの列と、第2のバブラー13Bの列との距離LP:600〜800mm
バブラーの列方向における個々のバブラー13A、13Bのピッチp:400〜700mm
溶解槽での溶融ガラスの流路方向における、第1のバブラー13Aの列と該列の上流側に直近のバーナー15との距離LB1:500〜1500mm
溶解槽での溶融ガラスの流路方向における、第2のバブラー13Bの列と該列の下流側に直近のバーナー15との距離LB2:1000〜2000mm
B2−LB1≧500mm
溶解槽での溶融ガラスの流路方向における、個々のバーナー間の距離
:800〜2400mm
溶解槽の幅方向における中央付近における上流側表層流V1Cを0m/h超20m/h以下に調整した。
また、溶解槽の幅方向における中央付近における下流側表層流の平均流速V2Cを、V2C=0.1〜30m/hに調整した。
溶解槽の幅方向における中央付近における下流側表層流の平均流速V2Cと、溶解槽の幅方向における側部付近における下流側表層流の平均流速V2Sと、の関係式(V2C−V2S)/V2Cが、(V2C−V2S)/V2C<0.05の場合と、(V2C−V2S)/V2C>0.5の場合について、溶融ガラス中の泡数と、測定データ数の比率と、の関係を図5に示した。図5の横軸は、溶融ガラス中の所定の泡数を1とした時の指数であり、縦軸は測定データ数の比率である。なお、溶融ガラス中の泡数は、溶解槽10の下流側の端部10eに設けられた払出し口12に連通する導管20に対して鉛直方向に連結されているドレイン管(図示せず)から、流下中の溶融ガラスをサンプルとして採取して測定した。具体的には、以下の通り。
電子カメラを備えた検査装置で、溶融ガラスを所定の撮像間隔(35msec)で間欠的に撮像し、撮像した画像を二値化処理して、溶融ガラス中の泡画像を白画像として検出した。検査装置に内蔵された演算部で、欠点画像である白画像の個数を欠点の個数として計数する。さらに泡の移動量を算出し、ドレイン管から流下する単位時間当たりの流量を算出することで、泡の個数は単位溶融ガラスの流下量当りの個数として算出した。
また、(V2C−V2S)/V2C<0.1の場合と、(V2C−V2S)/V2C>0.5の場合;(V2C−V2S)/V2C<0.3の場合と、(V2C−V2S)/V2C>0.5の場合;(V2C−V2S)/V2C<0.5の場合と、(V2C−V2S)/V2C>0.5の場合についても同様に評価した。結果を図6、図7、図8にそれぞれ示す。
これらの図から明らかなように、(V2C−V2S)/V2C>0.5の場合に比べて、(V2C−V2S)/V2C<0.5とすることで、溶融ガラス中の泡数を低減でき、(V2C−V2S)/V2C<0.5の範囲で、(V2C−V2S)/V2Cの値を適宜選択することで、溶融ガラス中の泡数をさらに低減できた。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2013年9月6日出願の日本特許出願2013−184705に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
10A、10B:溶解槽
10e:下流側の端部
11:投入口
12:払出し口
13:バブラー
13A:第1のバブラー
13B:第2のバブラー
15:バーナー
15n:第2のバブラーの列の下流側に直近のバーナー
16:バブラーからのガス
16A:第1のバブラーからのガス
16B:第2のバブラーからのガス
20:導管
100:上流側循環流
101:下流側循環流
102:上流側表層流
103:下流側表層流

Claims (5)

  1. ガラス原料を溶解するための溶解槽を有する溶融ガラス製造装置を用いて溶融ガラスを製造する溶融ガラス製造方法であって、
    前記溶解槽は、該溶解槽の上部空間を加熱するためのバーナーを有し、
    該溶解槽底面近傍に、溶融ガラス流路の幅方向にわたって複数のバブラーを有し、
    前記溶解槽の溶融ガラス流路の長さをLとするとき、前記溶融ガラス流路の上流端から前記複数のバブラーの列までの距離が0.4L〜0.55Lであり
    前記溶解槽での溶融ガラスの流れが、下記(1)〜(3)を満たす条件で溶融ガラスを製造することを特徴とする溶融ガラス製造方法。
    (1)前記複数のバブラーよりも上流側に形成される溶融ガラスの上流側循環流のうち、前記溶解槽の上流方向に移動する、溶融ガラスの表面付近の流れを、溶融ガラスの上流側表層流とし、前記溶解槽の幅方向における中央付近における、該上流側表層流の平均流速をV1Cとするとき、V1Cが0m/h超20m/h以下。
    (2)前記複数のバブラーよりも下流側に形成される溶融ガラスの下流側循環流のうち、前記溶解槽の下流方向に移動する、溶融ガラスの表面付近の流れを、溶融ガラスの下流側表層流とし、前記溶解槽の幅方向における中央付近における、該下流側表層流の平均流速をV2Cとするとき、V2C=0.1〜30m/h。
    (3)前記溶解槽の幅方向における側部付近における、前記下流側表層流の平均流速をV2Sとするとき、│(V2C−V2S)/V2C│=0〜0.5。
  2. 前記複数のバブラーが、前記溶解槽の溶融ガラス流路方向における位置が互いに異なる、複数の第1のバブラーと、複数の第2のバブラーと、で構成され、前記第2のバブラーは、前記第1のバブラーよりも溶融ガラス流路の下流側に位置し、
    前記溶融ガラス流路の上流端から前記第1のバブラーの列までの距離が0.4L〜0.5Lであり、前記溶融ガラス流路の下流端から前記第2のバブラーの列までの距離が0.45L〜0.55Lであり、前記第1のバブラーの列と、前記第2のバブラーの列との距離LPが500〜1000mmであり、
    前記溶解槽での溶融ガラスの流路方向における、前記第1のバブラーの列と該列の上流側に直近のバーナーとの距離LB1が0〜2000mmであり、
    前記溶解槽での溶融ガラスの流路方向における、前記第2のバブラーの列と該列の下流側に直近のバーナーとの距離LB2が800〜2500mmであり、
    かつ、LB2>LB1であり、
    前記溶解槽での溶融ガラスの流れが、下記(1)〜(3)を満たす条件で溶融ガラスを製造することを特徴とする請求項1に記載の溶融ガラス製造方法。
    (1)前記第1のバブラーよりも上流側に形成される溶融ガラスの上流側循環流のうち、前記溶解槽の上流方向に移動する、溶融ガラスの表面付近の流れを、溶融ガラスの上流側表層流とし、前記溶解槽の幅方向における中央付近における、該上流側表層流の平均流速をV1Cとするとき、V1Cが0m/h超20m/h以下。
    (2)前記第2のバブラーよりも下流側に形成される溶融ガラスの下流側循環流のうち、前記溶解槽の下流方向に移動する、溶融ガラスの表面付近の流れを、溶融ガラスの下流側表層流とし、前記溶解槽の幅方向における中央付近における、該下流側表層流の平均流速をV2Cとするとき、V2C=0.1〜30m/h。
    (3)前記溶解槽の幅方向における側部付近における、前記下流側表層流の平均流速をV2Sとするとき、│(V2C−V2S)/V2C│=0〜0.5。
  3. 前記V1Cは、前記溶融ガラス流路の上流端+500mm〜0.35Lの位置で測定され、
    前記V2CおよびV2Sは、前記溶融ガラス流路の上流端から0.6L〜L−500mmの位置で測定される、請求項1または2に記載の溶融ガラス製造方法。
  4. 前記溶解槽の溶融ガラス流路の幅をW(mm)とするとき、前記溶解槽の幅方向において、前記V1Cおよび前記V2Cが2/5W〜3/5Wの位置で測定され、前記V2Sが0〜1/4Wの位置で測定される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶融ガラス製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の溶融ガラス製造方法により得られた溶融ガラスを板ガラスに成形する板ガラス製造方法。
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