JPWO2015029415A1 - 光発電デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

少なくとも一つの光電変換素子を備える有機系光電変換モジュール基板を2層以上積層し接続して、前記有機系光電変換モジュール基板の面積の20〜80%を前記光電変換素子部とする。

Description

本発明は、有機系光電変換モジュール基板を2層以上積層し接続してなる光発電デバイスおよびその製造方法に関するものである。
従来、太陽光エネルギーなどの光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換モジュールとして、太陽電池(セル)を光電変換素子として用いた光電変換モジュールが知られている。そして、太陽電池としては、シリコン(Si)系の太陽電池などが用いられている。
ここで、近年では、Si系の太陽電池等に変わる太陽電池として、色素増感太陽電池や有機薄膜太陽電池といった有機系太陽電池が注目されている。
なかでも、色素増感太陽電池は、Si系の太陽電池等に比べて軽量化が期待でき、広い照度範囲で安定して発電できることや、大掛かりな設備を必要とすることなく、比較的安価な材料を用いて製造し得ることから、特に注目を集めている。
この色素増感太陽電池は、通常、図1に示すような、光電極10、電解質層20および対向電極30がこの順に並んでなる構造を有する。そして、色素増感太陽電池は、光電極10中の増感色素が光を受けて励起されると、増感色素の電子が取り出され、取り出された電子が、光電極10から出て、外部の回路40を通って対向電極30に移動し、さらに電解質層20に移動するという仕組みとなっている。
なお、図1中、符号10aが光電極基板、10bが多孔質半導体微粒子層、10cが増感色素層、10dおよび30aが支持体、10eおよび30cが導電膜、30bが触媒層である。
しかしながら、色素増感太陽電池は、Si系の太陽電池等と比較して、光電変換効率が低く、発電効率に劣る。そのため、複数の色素増感太陽電池を互いに接続して発電量を向上させることが行われている。
このような技術として、例えば、特許文献1および2には、色素増感太陽電池を複数積層し、積層方向に隣接する色素増感太陽電池同士を互いに電気的に接続した垂直積層型の色素増感太陽電池モジュールが開示されている。
特開2008−130547号公報 特開2013−098005号公報
しかしながら、特許文献1および2に開示される垂直積層型の色素増感太陽電池モジュールでは、光電変換素子である色素増感太陽電池セルが互いに重なり合っており、該セルの光透過率は概して低いため、光は一方のセルを通過すると他方のセルには充分届かない。従って、当該他方のセルでは充分な光電変換が行われず、前記モジュールでは光電変換に寄与するセルの実効面積が小さくなることから、発電量を向上させるという点において更なる改善の余地があった。
本発明は、上記の問題を解決するために開発されたものであって、高い発電量を有する光発電デバイスを提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、かかる光発電デバイスの効率的な製造方法を提供することにある。
さて、発明者らは、高い発電量を有する光発電デバイスを開発すべく、鋭意検討を行った。
その結果、有機系光電変換モジュール基板を2層以上積層して発電量を高めるに当たり、各有機系光電変換モジュール基板の面積の20〜80%を光電変換素子部とし、上部モジュール基板を透過してきた光を下方のモジュール基板で捕捉して光電変換し得るように接続することによって、発電量が高まるとの知見を得た。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.少なくとも一つの光電変換素子を備える有機系光電変換モジュール基板を2層以上積層し接続してなり、
前記有機系光電変換モジュール基板の面積の20〜80%が前記光電変換素子部であることを特徴とする光発電デバイス。
2.前記有機系光電変換モジュール基板が、開口部をさらに備え、
積層方向に互いに隣接する有機系光電変換モジュール基板間で、積層方向一方側に位置する有機系光電変換モジュール基板の開口部の少なくとも一部と、積層方向他方側に位置する有機系光電変換モジュール基板の光電変換素子部の少なくとも一部とが、積層方向に重なり合うことを特徴とする前記1記載の光発電デバイス。
3.透明基材上に、互いに接続された有機系光電変換モジュール基板単位を2以上形成した後、隣接する単位間で折り返して両単位を重ねる工程を有し、前記単位が、少なくとも一つの光電変換素子を備え、かつ該単位の面積の20〜80%が前記光電変換素子部である、光発電デバイスの製造方法。
4.前記単位が、開口部をさらに備え、隣接する単位間で折り返して両単位を重ねた際、積層方向に互いに隣接する単位間で、積層方向一方側に位置する単位の開口部の少なくとも一部と、積層方向他方側に位置する単位の光電変換素子部の少なくとも一部とが、積層方向に重なり合うように、隣接する各単位が開口部と光電変換素子部とを備える、前記3記載の光発電デバイスの製造方法。
本発明によれば、高い発電量を有する光発電デバイスを得ることができる。
従来の色素増感太陽電池の一例の概略構成を示す図である。 本発明の光発電デバイスの例を示す断面図である。 本発明の光発電デバイスを構成する有機系光電変換モジュール基板の上面図である。 本発明の光発電デバイスの製造方法の一例を示す工程図である。
以下、本発明を具体的に説明する。まず、本発明の光発電デバイスの構造等について説明する。
<光発電デバイス>
本発明の光発電デバイスは、少なくとも1つの光電変換素子を備える有機系光電変換モジュール基板を2層以上積層し、電気的に接続してなるものである。
本発明の光発電デバイスの例を示す断面図を図2に示す。図2に示すように、本発明の光発電デバイスにおいて、有機系光電変換モジュール基板の積層形態としては、通常、集電配線の位置により、3態様が存在する。図2に示すように、集電配線は、通常、有機系光電変換モジュール基板の上下基材の一方にのみ接した状態で存在するが、両基材に接していてもよく、その場合、集電配線の位置による違いは無くなり、有機系光電変換モジュール基板の積層形態は1態様となる。
なお、図2中、符号50が光発電デバイス、50aが側壁部、60が有機系光電変換モジュール基板、60aが基材、60bが光電変換素子、60cが集電配線、60dが開口部である。
図2に示すように、通常、光電変換素子が配置されていない基板領域が開口部(集電配線部を含む。)となる。開口部は空洞であってもよいが、通常、後述するような透明樹脂で封止されているのが好ましい。このような開口部では、光電変換素子が配置された領域よりも光透過性が高くなるため、積層方向に互いに隣接する有機系光電変換モジュール基板間で、積層方向一方側に位置する有機系光電変換モジュール基板の開口部の少なくとも一部と、積層方向他方側に位置する有機系光電変換モジュール基板の光電変換素子の少なくとも一部とが、積層方向に重なり合うようにして積層することが好ましい。
これによって、照射された光を下方のモジュール基板にまで効率よく到達させることが可能となり、光電変換に寄与する光電変換素子の実効面積を高めて、発電量を向上させることができる。
例えば、積層方向に互いに隣接する有機系光電変換モジュール基板間で、積層方向一方側に位置する有機系光電変換モジュール基板の開口部の少なくとも一部と、積層方向他方側に位置する有機系光電変換モジュール基板の光電変換素子の少なくとも一部とが、積層方向に重なり合うようにして、上部モジュール基板とその下方のモジュール基板における光電変換素子同士の重複領域を、その下方のモジュール基板における光電変換素子の面積の、好ましくは0〜50%、より好ましくは0〜30%とすれば、光電変換に寄与する光電変換素子の実効面積を充分高めることができ、高い発電量が得られるようになる。特に、上部モジュール基板とその下方のモジュール基板における光電変換素子同士が一部重複している場合、上部モジュール基板の開口部から斜めに入射した光を下方のモジュール基板の光電変換素子で捕捉することができ好適である。
なお、有機系光電変換モジュール基板を3層(光が照射される方向から、順にそれぞれ第1層、第2層、第3層とする)積層する場合、第1層と第2層の関係では、第1層が上部モジュール基板、第2層が下方のモジュール基板となり、第2層と第3層の関係では、第2層が上部モジュール基板、第3層が下方のモジュール基板となる。また、有機系光電変換モジュール基板を4層以上の場合も同様である。
ここに、有機系光電変換モジュール基板の積層数は、発電量と製造コストとの最適化の観点から、2〜5層程度とすることが好ましい。
また、各有機系光電変換モジュール基板の間隔a(上部モジュール基板と下方のモジュール基板との距離、図2参照)は、入射した光を下方のモジュール基板で効率よく取り込む観点から、好ましくは10nm〜5mmの範囲、より好ましくは100nm〜3mmの範囲とすることが好ましい。
次に、本発明の光発電デバイスで用いる有機系光電変換モジュール基板について説明する。
<有機系光電変換モジュール基板>
本発明の光発電デバイスを構成する有機系光電変換モジュール基板は、少なくとも一つの光電変換素子を備えるものである。
このような有機系光電変換モジュール基板は、例えば、図3に示すように、支持体としての基材上に複数の光電変換素子を並設し、各光電変換素子を集電配線により直列または並列に電気的に相互接続することで構成される(一部配線は図示せず)。そして、通常、光電変換素子が設置されていない基板領域が、開口部(集電配線部を含む。)となる。
前記基材としては、有機系光電変換モジュール基板の光電変換素子や開口部の光透過性を高める観点から、透明基材を用いることが好ましい。このような透明基材としては、例えば、後述の透明樹脂からなる透明樹脂基材やガラス基材などが挙げられる。ここに、本発明でいう「透明」とは、光透過率:70%以上(好ましくは80%以上)を意味するものとする。光透過率はJIS K7361−1に従って測定した全光線透過率をいう。
なお、透明基材の厚みは、光透過性と強度とのバランスの観点から、0.01〜10mmの範囲とすることが好適である。
そして、本発明では、この有機系光電変換モジュール基板が以下のような特性を有するところに大きな特徴の1つがある。
有機系光電変換モジュール基板の面積の20〜80%が光電変換素子部
本発明で用いる有機系光電変換モジュール基板は、モジュール基板1層あたりの発電量を確保すると共に、上部モジュール基板の光透過性を高め、下方のモジュール基板に入射する光量を充分に確保して光電変換に寄与する光電変換素子の実効面積を大きくし、もってデバイスの発電量を向上させる観点から、有機系光電変換モジュール基板の面積の20〜80%を光電変換素子部とする必要がある。デバイス性能を確保し、かつ光電変換素子や集電配線の形成を容易化して製造コストの低減を図る観点からは、好ましくは35〜65%、より好ましくは40〜60%である。
ここに、有機系光電変換モジュール基板の面積を光電変換素子部が占める割合は、上部モジュール基板と下方のモジュール基板とで必ずしも同じにする必要はない。
次に、上記した有機系光電変換モジュール基板に配置する光電変換素子について説明する。
<光電変換素子>
有機系光電変換モジュール基板に配置する光電変換素子には、公知の色素増感太陽電池や有機薄膜太陽電池をいずれも使用することができる。ただし、製造容易性やコストなどを考慮すると、色素増感太陽電池を使用することがより有利である。
以下、本発明で使用することができる色素増感太陽電池の一例について説明する。
<色素増感太陽電池>
前掲図1に示したように、色素増感太陽電池は、通常、光電極(透明電極)10、電解質層20、対向電極30がこの順に並んでなる構造を有する。
・光電極
このうち、光電極10は、光電極基板10aと、その上に形成された多孔質半導体微粒子層10bと、この多孔質半導体微粒子層の表面に増感色素が吸着されて形成された増感色素層10cとからなる。
光電極基板10aは、多孔質半導体微粒子層10b等を担持する役割と、集電体としての役割を担うものである。
光電極基板10aとしては、例えば、支持体10dになる透明樹脂基材やガラス基材の上に、インジウム−スズ酸化物(ITO)やインジウム−亜鉛酸化物(IZO)等の複合金属酸化物からなる導電膜10eを積層してなるものが挙げられる。なお、特に限定されるものではないが、本発明の光発電デバイスを構成する有機系光電変換モジュール基板の基材が、通常、支持体10dとして機能することになる。
ここに、このような透明樹脂としては、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、透明ポリイミド(PI)等の合成樹脂が挙げられる。
また、多孔質半導体微粒子層10bは、半導体微粒子を含有する多孔質状の層である。多孔質状の層であることで、増感色素の吸着量が増え、変換効率が高い色素増感太陽電池が得られやすくなる。
半導体微粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物の粒子が挙げられる。
多孔質半導体微粒子層は、プレス法、水熱分解法、泳動電着法、バインダーフリーコーティング法等の公知の方法により形成することができる。
増感色素層10cは、光によって励起されて多孔質半導体微粒子層10bに電子を渡し得る化合物(増感色素)が、多孔質半導体微粒子層10bの表面に吸着されてなる層である。なお、用いられる増感色素は、本発明の光電変換素子を形成する色素増感太陽電池間において、同じでもよいし、または相異なっていてもよい。
増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、キサンテン色素、スクワリリウム色素、ポリメチン色素、クマリン色素、リボフラビン色素、ペリレン色素等の有機色素;鉄、銅、ルテニウム等の金属のフタロシアニン錯体やポルフィリン錯体等の金属錯体色素;等が挙げられる。
増感色素層10cは、例えば、増感色素の溶液中に多孔質半導体微粒子層10bを浸漬する方法や、増感色素の溶液を多孔質半導体微粒子層10b上に塗布する方法等の公知の方法により形成することができる。
なお、光電極は、図1に示すものに限定されず、光を受けることで、外部の回路40に電子を放出し得る電極であればよい。
・電解質層
電解質層20は、光電極10と対向電極30とを分離するとともに、電荷移動を効率よく行わせるための層である。
電解質層20は、通常、支持電解質、酸化還元対(酸化還元反応において可逆的に酸化体および還元体の形で相互に変換しうる一対の化学種)、溶媒等を含有する。
支持電解質としては、リチウムイオン、イミダゾリウムイオン、4級アンモニウムイオン等の陽イオンを含む塩が挙げられる。
また、酸化還元対としては、酸化された増感色素を還元し得るものであれば、よく、塩素化合物−塩素、ヨウ素化合物−ヨウ素、臭素化合物−臭素、タリウムイオン(III)−タリウムイオン(I)、ルテニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、コバルトイオン(III)−コバルトイオン(II)、バナジウムイオン(III)−バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物−フェロシアン化物、キノン−ヒドロキノン、フマル酸−コハク酸等が挙げられる。
溶媒としては、太陽電池の電解質層の形成用溶媒であるアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド、炭酸プロピレン等が挙げられる。
電解質層20は、その構成成分を含有する溶液(電解液)を光電極10上に塗布したり、光電極10と対向電極30を有するセルを作製し、その隙間に電解液を注入することで形成することができる。
・対向電極
対向電極30は、例えば、支持体30a上に導電膜30cを形成し、該導電膜30c上に触媒層30bを形成したものである。
この支持体30aおよび導電膜30cとしては、例えば、前述した光電極基板10aと同様のものが挙げられる。また、触媒層30bは、任意に設けられ、対向電極から電解質層に電子を渡すときの触媒として機能するものであり、通常、白金薄膜によって形成される。また、本発明の光発電デバイスを構成する有機系光電変換モジュール基板の基材が、この支持体30aとして機能する場合もある。
なお、触媒層30bが導電性を有する場合、導電膜30cは必ずしも必要ではないが、より良好な通電を確保する観点からは、導電膜30cを設けることが好ましい。
以上、本発明で使用できる色素増感太陽電池の一例について説明したが、本発明では、上記した対向電極の触媒層にカーボンナノチューブまたは金属ナノ粒子担持型カーボンナノチューブを、また、光電極および対向電極の導電膜に、カーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブと金属ナノ構造体とを含有する導電体を適用することが極めて有利である。
というのは、従来の白金薄膜やインジウム−スズ酸化物(ITO)等の複合金属酸化物を適用する場合に比べて、触媒活性や導電性を高めることができ、ひいては電池としての発電効率も高められ、有機系光電変換モジュール基板において開口部を大きく設けることなどができ、しかも、電池の製造をロールツーロール方式により行えるなど生産性を大きく改善することもでき、デバイスの発電量を向上させると共に、製造容易性を高め、製造コストの低減を図ることができるからである。
以下、上記のカーボンナノチューブおよび金属ナノ粒子担持型カーボンナノチューブ、ならびにカーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブおよび金属ナノ構造体を含有する導電体について説明する。
(1)カーボンナノチューブおよび金属ナノ粒子担持型カーボンナノチューブ
対向電極の触媒層には、通常、白金薄膜が使用されるが、これに変わる材料として、カーボンナノチューブ、特に平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が0.60>3σ/Av>0.20(好ましくは0.60>3σ/Av>0.50)を満たすカーボンナノチューブ(以下、カーボンナノチューブ(A)ともいう)や、このカーボンナノチューブ(A)にさらに金属ナノ粒子を担持させたものを適用することが好ましい。
というのは、白金薄膜に比べて製造コストを大幅に低減できるとともに、かような触媒層はカーボンナノチューブを分散させた分散液を塗布・乾燥して形成でき、またその塗布性は良好で、かつ加工性の精度も大幅に向上し、ロールツーロールでの高速塗布・加工フィルムの製造も容易となるので、量産化の上でも極めて有利となるからである。
また、従来の白金薄膜を使用する場合に比べて、触媒活性を高めることができ、ひいては電池としての発電効率も高められるので、開口部を大きく設ける等して、製造性とのバランスをとりながら、モジュール基板の光透過性を高められるからである。
なお、ここでいう「カーボンナノチューブ(A)」とは、それを構成する所定のカーボンナノチューブの集合の総称であり、「直径」とは当該所定のカーボンナノチューブの外径を意味する。また、平均直径(Av)および直径の標準偏差(σ)は、透過型電子顕微鏡での観察下に、無作為に選択されたカーボンナノチューブ100本の直径を測定した際の平均値および標準偏差として求められる(後述する平均長さも、同様の方法で長さの測定を行い、その平均値として求められる。)。本発明において、カーボンナノチューブ(A)としては、前述のようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
ここに、上記したカーボンナノチューブ(A)の平均直径(Av)は、優れた触媒活性を得る観点から、0.5nm以上、15nm以下が好ましく、1nm以上、10nm以下がより好ましい。
また、カーボンナノチューブ(A)の平均長さは、好ましくは0.1μm〜1cm、より好ましくは0.1μm〜1mmである。カーボンナノチューブ(A)の平均長さが上記範囲内であることで、カーボンナノチューブの配向性が高まり薄膜形成を容易に行うことができ、高活性の触媒層を形成し易くなる。
さらに、カーボンナノチューブ(A)の比表面積は、好ましくは100〜2500m2/g、より好ましくは400〜1600m2/gである。カーボンナノチューブ(A)の比表面積が上記範囲内であることで、高活性の触媒層を形成し易くなる。
なお、カーボンナノチューブ(A)の比表面積は、窒素ガス吸着法により求めることができる。
カーボンナノチューブ(A)を構成するカーボンナノチューブは、単層のものであっても、多層のものであってもよいが、触媒層の活性を向上させる観点から、単層から5層のものが好ましく、単層のものがより好ましい。
カーボンナノチューブ(A)を構成するカーボンナノチューブは、表面にカルボキシル基等の官能基が導入されたものであってもよい。官能基の導入は、過酸化水素や硝酸等を用いる公知の酸化処理法により行うことができる。
更に、カーボンナノチューブ(A)を構成するカーボンナノチューブは、複数の微小孔を有することが好ましい。カーボンナノチューブは、中でも、孔径が2nmよりも小さいマイクロ孔を有するのが好ましく、その存在量は、下記の方法で求めたマイクロ孔容積で、好ましくは0.4mL/g以上、より好ましくは0.43mL/g以上、更に好ましくは0.45mL/g以上であり、上限としては、通常、0.65mL/g程度である。カーボンナノチューブが上記のようなマイクロ孔を有することは、触媒活性を向上させる観点から好ましい。なお、マイクロ孔容積は、例えば、カーボンナノチューブの調製方法および調製条件を適宜変更することで調整することができる。
ここで、「マイクロ孔容積(Vp)」は、カーボンナノチューブの液体窒素温度(77K)での窒素吸脱着等温線を測定し、相対圧P/P0=0.19における窒素吸着量をVとして、式(I):Vp=(V/22414)×(M/ρ)より、算出することができる。なお、Pは吸着平衡時の測定圧力、P0は測定時の液体窒素の飽和蒸気圧であり、 式(I)中、Mは吸着質(窒素)の分子量28.010、ρは吸着質(窒素)の77Kにおける密度0.808g/cm3である。マイクロ孔容積は、例えば、「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を使用して容易に求めることができる。
なお、以上の特性を有するカーボンナノチューブ(A)は、例えば、表面にカーボンナノチューブ製造用触媒層(以下、「CNT製造用触媒層」ということがある。)を有する基材(以下、「CNT製造用基材」ということがある。)上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりカーボンナノチューブを合成する際に、系内に微量の酸化剤を存在させることで、CNT製造用触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)において、基材表面への触媒層の形成をウェットプロセスにより行うことで、効率的に製造することができる(このスーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブについて、以下、SGCNTということがある。)。
また、このカーボンナノチューブ(A)に金属ナノ粒子を担持してもよく、その場合、触媒効果の向上が期待される。
この金属ナノ粒子としては、周期律表第6族〜第14族の金属のナノ粒子が挙げられる。
周期律表第6族〜第14族の金属としては、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Sn、Sb、W、Re、Ir、Pt、Au、Pb等が挙げられる。なかでも、汎用性の高い酸化還元触媒が得られることから、Fe、Co、Ni、Ag、W、Ru、Pt、Au、Pdが好ましい。
上記金属は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、触媒効果の向上の観点から、金属ナノ粒子の平均粒径は好ましくは0.5〜15nmであり、粒径の標準偏差は好ましくは1.5nm以下である。
さらに、金属ナノ粒子の担持量は特に限定されないが、カーボンナノチューブ(A)100質量部あたり、1質量部以上が好ましい。金属ナノ粒子の担持量が1質量部以上であることで、より優れた触媒活性が得られる。金属ナノ粒子の担持量は多ければ多いほど触媒活性は高くなると考えられるが、カーボンナノチューブ(A)の担持能や経済性を考慮すれば、金属ナノ粒子の担持量の上限は、カーボンナノチューブ(A)100質量部あたり、通常、30,000質量部以下とすることが好ましい。
なお、金属ナノ粒子をカーボンナノチューブに担持させる方法は特に限定されず、例えば、カーボンナノチューブ(A)の存在下で、金属前駆体を還元して金属ナノ粒子を生成させる公知の方法を利用して、金属ナノ粒子をカーボンナノチューブに担持させることができる。
具体的には、水、カーボンナノチューブ(A)、及び分散剤を含有する分散液を調製し、次いで金属前駆体を添加後、溶媒を留去し、さらに水素気流下に加熱して金属前駆体を還元することで、生成した金属ナノ粒子がカーボンナノチューブ(A)に担持されてなる金属ナノ粒子担持体を効率よく得ることができる。
なお、対向電極の触媒層を形成するには、例えば、カーボンナノチューブ(A)を含有する分散液を調製し、この分散液を支持体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させればよい。
分散液の調製に用いる溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2イミダゾリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含イオウ系溶媒;等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散液は、さらに、結着剤、導電助剤、分散剤、界面活性剤等を含有してもよい。これらは公知のものを適宜使用すればよい。
分散液は、例えば、カーボンナノチューブ(A)、及び、必要に応じて、その他の成分を溶媒中で混合し、カーボンナノチューブを分散させることで得ることができる。
混合処理や分散処理は、例えば、ナノマイザー、アルティマイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノミル、スパイクミル、DCPミル、バスケットミル、ペイントコンディショナー、高速攪拌装置等を用いる方法を利用すればよい。
さらに、基材上への分散液の塗布には、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等を採用すればよい。
加えて、塗膜の乾燥には、熱風乾燥法、熱ロール乾燥法、赤外線照射法等を採用すればよい。乾燥温度は特に限定されないが、通常、室温〜200℃、乾燥時間は特に限定されないが、通常、0.1〜150分である。
また、分散液中のカーボンナノチューブ(A)の含有量は、特に限定されないが、分散液全体中、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。
(2)カーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブおよび金属ナノ構造体を含有する導電体
光電極および対向電極の導電膜としては、インジウム−スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)等の複合金属酸化物等からなるものが、一般的に用いられるが、これに代わるものとして、上記したカーボンナノチューブ(A)またはカーボンナノチューブ(A)および金属ナノ構造体を含有する導電体(以下、導電体層(I)ともいう)を採用することが好ましい。
というのは、このような導電膜は、カーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブと金属ナノ構造体とを分散させた分散液を塗布・乾燥して形成でき、その塗布性は良好で、かつ加工性の精度も大幅に向上し、ロールツーロールでの高速塗布・加工フィルムの製造も容易となるので、量産化の上でも極めて有利となるからである。
また、従来のインジウム−スズ酸化物(ITO)等の複合金属酸化物を適用する場合に比べて、導電性を高めることができ、ひいては電池としての発電効率も高められるので、開口部を大きく設ける等して、製造性とのバランスをとりながら、モジュール基板の光透過性を高められるからである。
ここに、上記した金属ナノ構造体は、金属又は金属化合物からなる微小構造体であり、ここでは導電体として用いられる。
金属ナノ構造体を構成する金属や金属化合物としては、導電性を有するものであれば特に限定されない。例えば、銅、銀、白金、金等の金属;酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物;アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等の金属複合酸化物;等が挙げられる。
これらの中でも、優れた導電性および透明性が得られやすいことから、銀または白金が好ましい。
また、金属ナノ構造体としては、金属ナノ粒子、金属ナノワイヤ、金属ナノロッド、金属ナノシート等が挙げられる。
このうち、金属ナノ粒子は、ナノメートルスケールの平均粒子径を有する粒子状構造体である。金属ナノ粒子の平均粒子径(一次粒子の平均粒子径)は、特に限定されないが、好ましくは10〜300nmである。平均粒子径が上記範囲内であることで、導電性および透明性に優れる導電膜が得られ易くなる。
なお、金属ナノ粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択された100個の金属ナノ粒子の粒子径を測定することで、算出することができる。また、以下に説明する他の金属ナノ構造体の大きさも、同様の方法により求めることができる。
金属ナノ粒子は、例えば、有機錯体を多価アルコールで還元することで金属ナノ粒子を合成するポリオール法、還元剤を含む逆ミセル溶液と、金属塩を含む逆ミセル溶液を混合することで金属ナノ粒子を合成する逆ミセル法等の公知の方法を用いて得ることができる。
また、金属ナノワイヤは、ナノメートルスケールの平均直径を有し、アスペクト比(長さ/直径)が、10以上の線状の構造体である。金属ナノワイヤの平均直径は、特に限定されないが、好ましくは10〜300nmである。また、金属ナノワイヤの平均長さは、特に限定されないが、好ましくは3μm以上である。
平均直径と平均長さが上記範囲内であることで、導電性および透明性に優れる導電膜が得られ易くなる。
金属ナノワイヤは、例えば、前駆体表面にプローブの先端部から印加電圧又は電流を作用させ、プローブ先端部で金属ナノワイヤを引き出し、該金属ナノワイヤを連続的に形成する方法(特開2004−223693号公報)や、金属複合化ペプチド脂質からなるナノファイバを還元する方法(特開2002−266007号公報)等の公知の方法を用いて得ることができる。
金属ナノロッドは、ナノメートルスケールの平均直径を有し、アスペクト比(長さ/直径)が、1以上10未満の円柱状構造体である。ナノロッドの平均直径は、特に限定されないが、好ましくは10〜300nmである。また、ナノロッドの平均長さは、特に限定されないが、好ましくは10〜3000nmである。
平均直径と平均長さが上記範囲内であることで、導電性および透明性に優れる導電膜が得られ易くなる。
金属ナノロッドは、例えば、電解法、化学還元法、光還元法等の公知の方法を用いて得ることができる。
金属ナノシートは、ナノメートルスケールの厚みを有するシート状構造体である。金属ナノシートの厚みは、特に限定されないが、好ましくは1〜10nmである。また、金属ナノシートの大きさは、特に限定されないが、好ましくは一辺の長さが0.1〜10μmである。厚みや一辺の長さが上記範囲内であることで、導電性および透明性に優れる導電膜が得られ易くなる。
金属ナノシートは、層状化合物を剥離する方法、化学的気相成長法、水熱法等の公知の方法を用いて得ることができる。
これらの中でも、優れた導電性および透明性が得られやすいことから、金属ナノワイヤを用いることが好ましい。
なお、金属ナノ構造体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、上記した導電体層(I)中の金属ナノ構造体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは、0.0001〜0.05mg/cm2である。
さらに、導電体層(I)中のカーボンナノチューブ(A)の含有量は、好ましくは1.0×10-6〜30mg/cm2である。
金属ナノ構造体とカーボンナノチューブ(A)の含有量を上記範囲内とすることで、導電性および透明性が一層向上する。
導電体層(I)の厚みは特に限定されないが、通常、100nm〜1mmである。導電体層の厚みを上記範囲内とすれば、良好な導電性および透明性が得られる。
なお、導電体層(I)は、導電性および透明性に影響を及ぼさない範囲において、結着剤、導電助剤、分散剤、界面活性剤等のその他の成分を含有してもよい。
また、各電極の支持体と前記導電層との間にさらに、前記した金属ナノ構造体を含有する導電体層(導電体層(II)ともいう)を設けてもよい。
この導電体層(II)中の金属ナノ構造体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.0001〜0.2mg/cm2である。金属ナノ構造体の含有量を上記範囲内とすることで、導電性および透明性が一層向上する。
また、導電体層(II)の厚みは特に限定されないが、通常、30nm〜1mmである。導電体層(II)の厚みを上記範囲内とすることで、良好な導電性および透明性が得られる。
導電体層(II)は、導電性および透明性に影響を及ぼさない範囲において、金属ナノ構造体以外に、その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、導電体層(I)中のその他の成分として示したものと同様のものが挙げられる。
さらに、導電性および透明性に影響を及ぼさない範囲において、ハードコート層、ガスバリア層、粘着剤層等のその他の層を有してもよい。これらの層は、従来公知の方法により形成することができる。
なお、上記した導電体層(I)は、例えば、金属ナノ構造体およびカーボンナノチューブ(A)を含有する分散液を調製し、この分散液を基材である支持体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させて導電体層を形成することで得ることができる。
ここに、分散液の調整は、前記した触媒層の形成の際と同様にして行えばよい。また、塗布・乾燥についても、前記した触媒層の形成の際と同様にして行えばよい。
上述したように、本発明に光発電デバイスにおいては、色素増感太陽電池の対向電極の触媒層にカーボンナノチューブまたは金属ナノ粒子担持型カーボンナノチューブを、また光電極および対向電極の導電膜に、カーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブおよび金属ナノ構造体を含有する導電体を適用することで、製造コストを大幅に低減できるとともに、かような触媒層および導電膜は、カーボンナノチューブを分散させた分散液を塗布・乾燥して形成でき、その塗布性は良好で、かつ加工性の精度も大幅に向上し、ロールツーロールでの高速塗布・加工フィルムの製造も容易となるので、量産化の上でも極めて有利となる。
また、従来の白金薄膜やインジウム−スズ酸化物(ITO)を使用する場合に比べて、触媒活性および導電性を高めることができ、ひいては電池としての発電効率も高められるので、開口部を大きく設ける等して、製造性とのバランスをとりながら、モジュール基板の光透過性を高められるからである。
[光発電デバイスの製造方法]
次に、本発明の光発電デバイスの製造方法について説明する。
本発明の光発電デバイスは、特に限定されるものではないが、例えば、上記したような光電変換素子を、得られる有機系光電変換モジュール基板の面積を該素子が所定の割合で占めるように、一定の間隔で透明基材上に並設し、これらの光電変換素子を集電配線により電気的に相互接続して有機系光電変換モジュール基板を形成し、その形成した有機系光電変換モジュール基板を2層以上積層し、電気的に接続することで製造することができる。なお、光電変換素子の形成や集電配線のパターニング等については、公知の方法に従えばよい。
中でも、歩留まりが向上すると共に、例えば、光電変換素子の形成にカーボンンナノチューブを用いればロールツーロール方式での製造も可能であり、製造コストを低減することができ、安定かつ効率的に本発明の光発電デバイスを製造可能であることから、透明基材上に、互いに電気的に接続された有機系光電変換モジュール基板の単位を2以上形成した後、隣接する単位間で折り返して両単位を重ね、有機系光電変換モジュール基板を2層以上積層する工程を有する方法が特に好適である。その場合、隣接する各単位が、隣接する単位間で折り返して両単位を重ねた際、積層方向に互いに隣接する単位間で、積層方向一方側に位置する単位の開口部の少なくとも一部と、積層方向他方側に位置する単位の光電変換素子部の少なくとも一部とが、積層方向に重なり合うように、開口部と光電変換素子部とを備えるのが好ましい。なお、透明基材上への有機系光電変換モジュール基板単位の形成は、上記した有機系光電変換モジュール基板の形成方法に準じて行うことができる。また、有機系光電変換モジュール基板単位は、各単位で透明基材に対する集電配線の位置が同じになるように並設され形成されても、一単位ごと透明基材に対する集電配線の位置が相異なるように並設され形成されても、またはそれらの混合型で形成されてもよい。
図4は、前記した特に好適な本発明の光発電デバイスの製造方法の一例を示す工程図である。図4の態様では、図3に示すのと同じ有機系光電変換モジュール基板を1単位として透明基材上に当該基板が2単位形成され〔(a)〕、隣接する単位間で折り返して両単位を重ね、有機系光電変換モジュール基板を2層積層することにより〔(b)〕、積層方向に互いに隣接する有機系光電変換モジュール基板間で、積層方向一方側に位置する有機系光電変換モジュール基板の開口部の一部と、積層方向他方側に位置する有機系光電変換モジュール基板の光電変換素子部の一部とが、積層方向に重なり合った本発明の光発電デバイスが製造されている〔(c)〕。なお、(b)に示したのとは逆の方向に、有機系光電変換モジュール基板の単位を重ねてもよい。
実施例1
透明基材上に、互いに電気的に接続された有機系光電変換モジュール基板単位を2つ形成した後、隣接する単位間で折り返して両単位を重ね、有機系光電変換モジュール基板を2層積層してなる光発電デバイスを得た。なお、各基板単位では、モジュール基板面積における光電変換素子部の割合が50%となるように色素増感太陽電池を4つ並設し、これを直列に接続した。また、色素増感太陽電池の面積は、いずれも同じとした。
ここに、色素増感太陽電池の対向電極の触媒層は、国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法により調製したSGCNT(3σ/Av=0.58(Av:平均直径、σ:直径の標準偏差)、平均直径(Av)が3.3nm、直径分布(3σ)が1.9nmであり、比表面積が804m2/g、平均長さが500μm、マイクロ孔容積:0.44mL/gであり、主に単層CNTから構成されるカーボンナノチューブ)で形成し、また光電極および対向電極の導電膜を同じカーボンナノチューブを含有する導電体とした。それら以外の構成については、従来の色素増感太陽電池と同様とした。
実施例2
透明基材上に有機系光電変換モジュール基板単位を3つ形成し、各基板単位では、モジュール基板面積における光電変換素子部の割合が35%となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、有機系光電変換モジュール基板を3層積層してなる光発電デバイスを得た。
比較例1
対向電極の触媒層を白金薄膜とし、光電極および対向電極の導電膜をインジウムスズ酸化物(ITO)とし、それら以外の構成については実施例1と同様とした色素増感太陽電池を、モジュール基板面積における光電変換素子部の割合が75%となるようにして有機系光電変換モジュール基板を形成し、当該基板1層からなる光発電デバイスを得た。
Figure 2015029415
かくして得られた光発電デバイスについて、その発電量と製造性および加工性を以下のようにして評価した。
[発電量の評価]
上記のようにして得られた光発電デバイスをソースメータ(2400型ソースメータ、Keithley社製)に接続し、照度:10,000luxの環境下での発電量を測定した。測定結果を表2に示す。
なお、ここでは、比較例1におけるデバイス単位面積あたりの発電量(および電圧)の値を基準とし、これに対する比として表している。
[製造性および加工性の評価]
また、製造性および加工性について、光発電デバイスの製造工程における(a)パターニング、(b)電極の貼り合せ、(c)モジュール基板の組み立ての際の難易度を、それぞれ以下のように3段階で評価した。評価結果を表2に併記する。
◎:通常の制御を行えば、欠陥等なく、短時間で実施できる。
○:通常の制御を行えば、欠陥等なく、実施できる。
△:精密な制御を行えば、欠陥等なく、実施できる。
Figure 2015029415
表2より、実施例1および2では、基準となる比較例1に対して、1.8倍もの発電量が得られており、デバイスの発電量が大きく向上していることがわかる。また、デバイス製造時における製造性および加工性も極めて良好であった。
10 光電極
10a 光電極基板
10b 多孔質半導体微粒子層
10c 増感色素層
10d 支持体
10e 導電膜
20 電解質層
30 対向電極
30a 支持体
30b 触媒層
30c 導電膜
40 外部の回路
50 光発電デバイス
50a 側壁部
60 有機系光電変換モジュール基板
60a 基材
60b 光電変換素子
60c 集電配線
60d 開口部

Claims (4)

  1. 少なくとも一つの光電変換素子を備える有機系光電変換モジュール基板を2層以上積層し接続してなり、
    前記有機系光電変換モジュール基板の面積の20〜80%が前記光電変換素子部であることを特徴とする光発電デバイス。
  2. 前記有機系光電変換モジュール基板が、開口部をさらに備え、
    積層方向に互いに隣接する有機系光電変換モジュール基板間で、積層方向一方側に位置する有機系光電変換モジュール基板の開口部の少なくとも一部と、積層方向他方側に位置する有機系光電変換モジュール基板の光電変換素子部の少なくとも一部とが、積層方向に重なり合うことを特徴とする請求項1記載の光発電デバイス。
  3. 透明基材上に、互いに接続された有機系光電変換モジュール基板単位を2以上形成した後、隣接する単位間で折り返して両単位を重ね、有機系光電変換モジュール基板を2層以上積層する工程を有し、前記単位が、少なくとも一つの光電変換素子を備え、かつ該単位の面積の20〜80%が前記光電変換素子部である、光発電デバイスの製造方法。
  4. 前記単位が、開口部をさらに備え、隣接する単位間で折り返して両単位を重ねた際、積層方向に互いに隣接する単位間で、積層方向一方側に位置する単位の開口部の少なくとも一部と、積層方向他方側に位置する単位の光電変換素子部の少なくとも一部とが、積層方向に重なり合うように、隣接する各単位が開口部と光電変換素子部とを備える、請求項3記載の光発電デバイスの製造方法。
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