JP3994156B2 - 金属ナノワイヤ製造法及び金属ナノワイヤ製造用前駆体 - Google Patents

金属ナノワイヤ製造法及び金属ナノワイヤ製造用前駆体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属ナノワイヤ製造用前駆体及び金属ナノワイヤ製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ナノメートルスケールの細線(以下、金属ナノワイヤという)を製造する技術としてはメソポーラスシリカやカーボンナノチューブ等の化合物をテンプレートに用い、その骨格構造内に金属ナノワイヤを形成させる方法が報告されている(非特許文献1及び2)。
【0003】
また、電子線照射や紫外線照射などで金属ナノワイヤや金属パーティクルを形成させる方法などがある(特許文献1)。しかし、この方法では金属ワイヤは金属イオン担持体の表面に形成されるだけであり、生成する金属ワイヤの長さや直径をナノメートルのオーダーで制御するのは容易ではなかった。また、この方法では、金属ナノワイヤを基板表面上に形成させることはできたが基板表面外に金属ナノワイヤを形成させることは困難であった。そのため物理的な分離法、例えば遠心分離法などによって金属ナノワイヤを担持体から分離する必要があった。その他の金属ナノワイヤの製造法として基板上の有機分子膜に探針による電圧パルスを加え連鎖重合反応を起こさせ金属ナノワイヤを形成させる方法などがある。
【0004】
【非特許文献1】
S. Liu et al, Journal of Colloid and Interface Science 225, 254-256 (2000)
【非特許文献2】
M. H. Huang et al, Chemical Communications 2000, 1063-1064
【特許文献1】
特開2002−67000号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、金属ナノワイヤを任意の方向に連続的に任意の長さに形成させる製造方法を提供することである。
特に本発明の目的は、所望の直径の金属ナノワイヤを連続的に形成させることができる金属ナノワイヤの製造方法を提供することである。
さらに本発明の目的は上記の金属ナノワイヤを連続的に形成するのに用いる原材料として好適な、金属ナノワイヤ製造用前駆体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような従来の金属ナノワイヤの製造についての問題点を解決すべく鋭意研究した結果、高いイオン導電性を有する無機化合物にあらかじめ金、白金、銀、銅及びパラジウムから選ばれる少なくとも1種類の金属イオンを担持させ、その表面に配置したプローブを電圧制御あるいは電流制御しながら立体的に移動させることにより、プローブ軌道に沿った金属ナノワイヤが前駆体表面の外に形成することを見出した。本発明はこの知見に基づきなされるに至ったものである。
【0007】
すなわち本発明は、
(1)3次元網目構造を有するナトリウム超イオン導電体化合物又は層状構造を有するβ−アルミナの超イオン導電体の骨格構造を有する化合物に金、白金、銀、銅及びパラジウムから選ばれる少なくとも1種の金属イオンを担持させてなる金属ナノワイヤ製造用前駆体化合物の表面にプローブの先端部から印加電圧又は電流を作用させプローブ先端部で金属ナノワイヤをひき出し、該金属ナノワイヤを連続的に形成することを特徴とする金属ナノワイヤの製造方法、
(2)プローブへの印加電圧とプローブの移動速度との少なくとも一方を制御して所定の直径の金属ナノワイヤを得ることを特徴とする(1)項記載の金属ナノワイヤの製造方法、
(3)前記プローブを前記金属ナノワイヤ製造用前駆体の表面から離して立体的に移動させプローブ軌道に追随して金属ナノワイヤを形成させることを特徴とする(1)又は(2)項記載の金属ナノワイヤの製造方法、
(4)1×10 −5 Ω −1 ・cm −1 以上のイオン導電性を有する化合物に金、白金、銀、銅及びパラジウムから選ばれる少なくとも1種類の金属イオンを担持してなる金属ナノワイヤ製造用前駆体であって、その表面にプローブの先端部から印加電圧又は電流を作用させプローブ先端部で金属ナノワイヤをひき出し、該金属ナノワイヤを連続的に形成する金属ナノワイヤ製造用前駆体、
(5)下記一般式(1)で示される化合物からなる(4)項記載の金属ナノワイヤ製造用前駆体、
(1+b−pa)/qSi3−b12 (1)
(Mは金、白金、銀、銅及びパラジウムから選ばれる少なくとも1種の金属イオンであり、Aはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、水素イオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、Bは4価から選ばれる少なくとも1種の金属イオン、あるいは3価及び5価からそれぞれ選ばれる2種の金属イオンであり、a及びbはいずれも正数であり、aはa>0を満たす数であり、bは0≦b≦3を満たす数であり、pはMの価数であり、qはAの価数であり、a、b及びpはpa−b≦1を満たす数である。)
(6)下記一般式(2)で示される化合物からなる(4)項記載の金属ナノワイヤ製造用前駆体
(9−pa−3b)/q(PO (2)
(Mは金、白金、銀、銅及びパラジウムから選ばれる少なくとも1種の金属イオンであり、Aはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、水素イオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、Bは3価から選ばれる少なくとも1種の金属イオンであり、a及びbはいずれも正数であり、aは0<a<9を満たす数であり、bは0<b<3を満たす数であり、pはMの価数であり、qはAの価数であり、a、b及びpはpa+3b≦9を満たす数である。)、及び
(7)下記一般式(3)で示される化合物からなる(4)項記載の金属ナノワイヤ製造用前駆体
(2−pa)O nAl (3)
(Mは金、白金、銀、銅及びパラジウムから選ばれる少なくとも1種の金属イオンであり、Aはアルカリ金属イオン、水素イオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、aは正数であり、aは0<a<2を満たす数であり、pはMの価数であり、a及びpは0<pa≦2を満たす数であり、nは正数であり5≦n≦17を満たす数である。)
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明は、内部に担持した金属イオンが移動しやすいイオンチャンネルを持つ化合物を金属ナノワイヤ製造用前駆体として用いる。その前駆体表面に走査型プローブ顕微鏡等のプローブを用いて電子を局所的に供給し内部の金属イオンをプローブ先端まで引き寄せイオンを還元させる。プローブ先端に電子を供給したままプローブを任意の方向に移動することにより、プローブ先端で金属イオンの還元反応が連続的に起こり、金属ナノワイヤとなって結晶成長するものである。そのため、金属ナノワイヤが製造する限り特に限定されないが、前駆体内に担持する金属イオンは酸化還元電位の比較的大きな金、白金、銀、銅、パラジウムが好ましく、特に好ましいのは銀イオン、銅(I)イオン、銅(II)イオン、パラジウムイオンである。前駆体内に担持する金属イオンとしては、酸化還元電位が、好ましくは0.3V以上のもの、より好ましくは0.5V以上のものである。
【0009】
本発明における電子を前駆体の局所的表面に供給する方法としては、走査型トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡などのプローブを用いる方法が好ましい。そのプローブと前駆体の間を電圧制御あるいは電流制御することにより、プローブの先端が電子の供給源となり、前駆体の局所的な表面に電子を供給することができる。
【0010】
本発明の金属ナノワイヤの製造方法の好ましい実施態様を模式図として示す図1(a)、(b)に従って説明すると、図1(a)において1は前駆体、2は走査形電子顕微鏡のプローブ(カンチレバー等)であり、2aがプローブの先端部の突起であり、突起2aが前駆体1の表面上の一点1aに接触する(接触するのが好ましいが、電子が突起と前駆体との間に十分流れれば接触は必ずしも必要ではない)。図中3は前駆体1中の金属イオンを模式的に示す。
【0011】
図1(a)において電圧を印加することにより、図1(b)に示すようにプローブ2の突起2aに前駆体中から金属イオン3が集合し、電子が供給され還元された金属粒子4となる。3に付した矢印はイオンが移動する方向を示す。このように突起2aに金属粒子を付着したとき徐々にプローブ2を前駆体1からひき離すことにより図1(b)で示すように金属粒子4の集合物よりなる金属ワイヤ5が形成される。図示しないが、カンチレバーよりなるプローブ2は装置によって保持され、電気的に接続されている。
プローブによる電流の制御はプローブ先端から前駆体へ供給する電子の量を制御することにより行うことができる。
【0012】
金属ナノワイヤの位置及び長さはプローブの位置及び移動距離にそれぞれ一致する。
金属ナノワイヤの太さは、プローブの移動速度とプローブに印加する電圧の少なくとも一方を変化させることで制御できる。プローブの移動速度が一定の場合、印加電圧が高いほど金属ナノワイヤの直径は太くなる。また、プローブへの印加電圧が一定の場合、移動速度が早いほど金属ナノワイヤの直径は細くなる。金属ナノワイヤの太さは前駆体の種類によって異なり金属ナノワイヤが製造される限り特に限定されないが、好ましくは、1〜100nm、より好ましくは10〜50nmである。プローブの移動速度は毎秒0.1〜20000nm、プローブに印加する電圧は0.01〜500Vである。電流で制御する場合は好ましくは30pA〜1μA、より好ましくは30pA〜100pAである。
【0013】
また、金属ナノワイヤを効率的に製造するための条件は、金属ナノワイヤが製造できる限り特に限定されないが、好ましくは、8×10-2Pa以下の真空雰囲気であることが好ましい。また、前駆体の温度を約100〜500℃にすることが好ましい。
【0014】
本発明における金属ナノワイヤ製造用前駆体の結晶構造(高い導電性を有する)は、3次元網目構造を有するナトリウム超イオン導電体型化合物などや、層状構造を有するβ型アルミナなどの超イオン導電体の骨格構造を有する化合物である。
本発明の金属ナノワイヤ製造用前駆体において、高いイオン導電性を有するとは、イオン導電性が1×10−5Ω−1・cm−1以上であることをいい、イオン導電性は、好ましくは1×10−2Ω−1・cm−1以上である。
本発明における金属ナノワイヤ製造用前駆体は、特に限定されるものではないが、予め調製した金、白金、銀、銅、パラジウムから選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含有する水溶液または溶融塩に、所定のナトリウム超イオン導電体型化合物またはβ型アルミナなどの粉末に接触させて得られる。
【0015】
特に限定されるものではないが、ナトリウム超イオン導電体型化合物を合成する方法には、固相法があり、例えば以下のようにして容易に得ることができる。
ナトリウム超イオン導電体型化合物を固相法により合成する場合、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンを含有する化合物、ケイ素を含有する化合物、3〜5価の金属イオンになりうる金属元素を含有する化合物及びリン酸を含有する化合物を適当な混合比で混合し、これを例えば500〜1300℃で焼成することにより得られる。
【0016】
固相法によるナトリウム超イオン導電体型化合物の製造において、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンを含有する化合物としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、硝酸塩、窒化物等が例示される。好ましくは炭酸塩、炭酸水素塩及び硝酸塩であり、より好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、及び硝酸ナトリウムである。
【0017】
固相法によるナトリウム超イオン導電体型化合物の製造において、ケイ素を含有する化合物としては、二酸化ケイ素、ケイ酸塩等が例示される。好ましくは二酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウムであり、コロイダルシリカであり、より好ましくは二酸化ケイ素である。
固相法によるナトリウム超イオン導電体型化合物の製造において、3〜5価の金属イオンになりうる金属元素を含有する化合物としては、3〜5価の金属酸化物、金属水酸化物、硝酸塩、炭酸塩等が例示される。好ましくは酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化錫、含水酸化ジルコニウム、含水酸化チタン、酸化ニオブ、酸化クロム、硝酸鉄、硝酸クロム等であり、より好ましくは酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化チタン、硝酸鉄である。
【0018】
固相法によるナトリウム超イオン導電体型化合物の製造において、リン酸を含有する化合物としては、リン酸塩、リン酸水素塩等が例示される。好ましくはリン酸ナトリウム、リン酸鉄、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、リン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素二アンモニウム等であり、より好ましくはリン酸ナトリウム、リン酸鉄、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、リン酸水素二アンモニウムである。
β型アルミナは合成品、天然品(鉱産品)を使用することができる。特に限定されるものではないが、β型アルミナの合成品を合成する方法には固相法があり、例えば以下のようにして容易に得ることができる。
β型アルミナを固相法により合成する場合、ナトリウムを含有する化合物及びアルミニウムを含有する化合物を混合し、1100℃以上で焼成して得られる。
【0019】
固相法によるβ型アルミナの製造において、ナトリウムを含有する化合物としては、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム等が例示される。好ましくは炭酸ナトリウムである。
固相法によるβ型アルミナの製造において、アルミニウムを含有する化合物としては、酸化アルミニウム、塩化アルミニウム等が例示される。好ましくは酸化アルミニウムである。
【0020】
金属ナノワイヤ製造用前駆体は、固相法、湿式法等により得られた所定のナトリウム超イオン導電体型化合物またはβ型アルミナを、所定の濃度、例えば0.1〜3規定に調整した金、白金、銀、銅、パラジウムから選ばれる少なくとも1種類の金属イオンを含有する水溶液に、室温〜200℃の温度条件で、1〜7日間浸漬することにより得ることができる。また、別の金属ナノワイヤ製造用前駆体の合成方法としては、固相法、湿式法等により得られた所定のナトリウム超イオン導電体型化合物またはβ型アルミナを、金、銀、銅、パラジウムから選ばれる少なくとも1種類の金属イオンを含有する化合物の溶融塩の中で浸とうすることにより得ることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明の金属ナノワイヤの製造法によれば、金属ナノワイヤを長さに制限なく連続的に製造することができ、その伸長させる方向も自由である。さらに本発明方法によれば、製造条件の制御により、目的の直径を有する金属ナノワイヤを効率良く(連続的に生産性良く)製造することができる。特に本発明によれば長さ数十ミクロン以上の金属ナノワイヤを容易に製造できるため、電子デバイスのナノメートルスケールでの配線などを高効率的かつ経済的に行うことができる。本発明の金属ナノワイヤ製造用前駆体は上記のような金属ナノワイヤの製造に用いるのに好適である。
【0022】
【実施例】
以下本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0023】
実施例1
リン酸水素ジルコニウム水和物(Zr(HPO4)2 H2O)を250℃で4時間加熱処理し結晶水を取り除いた。その処理物(Zr(HPO4)2)と二酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化ケイ素(SiO2)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)をそれぞれモル比3:5:6:5で混合した。その混合物1kgをアルミナるつぼに入れ、電気炉内で室温から700℃まで6時間、700℃から1200℃まで10時間で昇温し、1200℃で20時間保持してNa2.5Zr2Si1.5P1.5O12を得た。得られた化合物3gと0.1Nの塩化銅(CuCl2)溶液0.3リットルをテフロン(登録商標、ポリテトラフルオロエチレン)内筒耐圧容器の中に封入した後、150℃で3日間浸とうしてCu1.12Na0.26Zr2Si1.5P1.5O12を得た。
【0024】
実施例2
硝酸ナトリウム(NaNO3)、硝酸鉄(Fe(NO3)3 9H2O)、リン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4)をそれぞれモル比3:2:3で蒸留水中で溶解し完全に混合するまでスターラーで攪拌した後、110℃で3日間乾燥させた。その生成物を乳鉢及び遊星ボールミルで粉砕後、電気炉内で室温から400℃まで2時間昇温し、400℃で1時間保持した。引き続き400℃から850℃まで2時間で昇温し、850℃で5時間保持してNa3Fe2(PO4)3を得た。得られた化合物100gを0.1Nの硝酸銀(AgNO3)溶液10リットル中に添加し室温で1日間浸とうしてAg3Fe2(PO4)3を得た。
【0025】
実施例3
市販のβ型アルミナ(1.2Na2O 11Al2O3)10gと硝酸銀(AgNO3)200gをアルミナるつぼに入れ、室温から硝酸銀が溶解する230℃まで15分間で昇温し、230℃で24時間保持した。自然放冷後、混合物を取り出した。これを蒸留水で十分に水洗しβ型アルミナ内に担持されてなかった余分な化合物を取り除いた後、70℃で2日間乾燥させて1.2Ag1.94Na0.06O 11Al2O3を得た。
【0026】
実施例4
実施例2で得られた試料を用いて走査形プローブ顕微鏡により装置としては図1(a)、(b)に示すものを用い、以下の方法で直径15nm、長さ12μmの金属ナノワイヤを得た。粉末試料を走査形プローブ顕微鏡の加熱試料ホルダ上に固定し、試料室の気圧を4×10-2Paに減圧した。試料を300℃で加熱し、走査形プローブ顕微鏡のカンチレバー2にマイナス150ボルトの電圧を印加しながら、試料1上の1点1aから任意の方向に毎秒1μmの速度で移動させたところ、プローブ先端の軌道に追随した金属ナノワイヤ5が成長した。得られた金属ナノワイヤの凹凸像を図2に示す。図中の白いひも状物が金属ナノワイヤである。
【0027】
実施例5
プローブを毎秒2μmの速度で移動させた以外は、実施例4と全く同様にして金属ナノワイヤを成長させたところ、直径10nmの金属ワイヤを連続的に得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は金属ナノワイヤ形成を説明する模式図であり、(a)は金属ナノワイヤ形成開始時、(b)は金属ナノワイヤ形成中の状態を示す。
【図2】実施例4で得られた金属ナノワイヤを示す走査プローブ顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 金属ナノワイヤ製造用前駆体
2 プローブ
2a 突起
3 金属イオン
4 金属
5 金属ナノワイヤ

Claims (7)

  1. 3次元網目構造を有するナトリウム超イオン導電体化合物又は層状構造を有するβ−アルミナの超イオン導電体の骨格構造を有する化合物に金、白金、銀、銅及びパラジウムから選ばれる少なくとも1種の金属イオンを担持させてなる金属ナノワイヤ製造用前駆体化合物の表面にプローブの先端部から印加電圧又は電流を作用させプローブ先端部で金属ナノワイヤをひき出し、該金属ナノワイヤを連続的に形成することを特徴とする金属ナノワイヤの製造方法。
  2. プローブへの印加電圧とプローブの移動速度との少なくとも一方を制御して所定の直径の金属ナノワイヤを得ることを特徴とする請求項1記載の金属ナノワイヤの製造方法。
  3. 前記プローブを前記金属ナノワイヤ製造用前駆体の表面から離して立体的に移動させプローブ軌道に追随して金属ナノワイヤを形成させることを特徴とする請求項1又は2記載の金属ナノワイヤの製造方法。
  4. 1×10 −5 Ω −1 ・cm −1 以上のイオン導電性を有する化合物に金、白金、銀、銅及びパラジウムから選ばれる少なくとも1種類の金属イオンを担持してなる金属ナノワイヤ製造用前駆体であって、その表面にプローブの先端部から印加電圧又は電流を作用させプローブ先端部で金属ナノワイヤをひき出し、該金属ナノワイヤを連続的に形成する金属ナノワイヤ製造用前駆体。
  5. 下記一般式(1)で示される化合物からなる請求項4記載の金属ナノワイヤ製造用前駆体。
    (1+b−pa)/qSi3−b12 (1)
    (Mは金、白金、銀、銅及びパラジウムから選ばれる少なくとも1種の金属イオンであり、Aはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、水素イオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、Bは4価から選ばれる少なくとも1種の金属イオン、あるいは3価及び5価からそれぞれ選ばれる2種の金属イオンであり、a及びbはいずれも正数であり、aはa>0を満たす数であり、bは0≦b≦3を満たす数であり、pはMの価数であり、qはAの価数であり、a、b及びpはpa−b≦1を満たす数である。)
  6. 下記一般式(2)で示される化合物からなる請求項4記載の金属ナノワイヤ製造用前駆体。
    (9−pa−3b)/q(PO (2)
    (Mは金、白金、銀、銅及びパラジウムから選ばれる少なくとも1種の金属イオンであり、Aはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、水素イオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、Bは3価から選ばれる少なくとも1種の金属イオンであり、a及びbはいずれも正数であり、aは0<a<9を満たす数であり、bは0<b<3を満たす数であり、pはMの価数であり、qはAの価数であり、a、b及びpはpa+3b≦9を満たす数である。)
  7. 下記一般式(3)で示される化合物からなる請求項4記載の金属ナノワイヤ製造用前駆体。
    (2−pa)O nAl (3)
    (Mは金、白金、銀、銅及びパラジウムから選ばれる少なくとも1種の金属イオンであり、Aはアルカリ金属イオン、水素イオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、aは正数であり、aは0<a<2を満たす数であり、pはMの価数であり、a及びpは0<pa≦2を満たす数であり、nは正数であり5≦n≦17を満たす数である。)
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