JPWO2015016352A6 - 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents
接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2015016352A6 JPWO2015016352A6 JP2015529629A JP2015529629A JPWO2015016352A6 JP WO2015016352 A6 JPWO2015016352 A6 JP WO2015016352A6 JP 2015529629 A JP2015529629 A JP 2015529629A JP 2015529629 A JP2015529629 A JP 2015529629A JP WO2015016352 A6 JPWO2015016352 A6 JP WO2015016352A6
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive
- group
- acrylic polymer
- molecular weight
- adhesive composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
十分な接着強度で接合でき、特に半導体装置において高いパッケージ信頼性を達成できる接着剤組成物および該接着剤組成物からなる接着剤層を有する接着シートならびに該接着シートを用いた半導体装置の製造方法を提供する。
本発明に係る接着剤組成物は、有機テルル含有化合物を重合開始剤として用いるリビングラジカル重合法により、アクリル系モノマーを重合して得られる重量平均分子量(Mw)が35万以上のアクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)および熱硬化剤(C)を含むことを特徴としている。
本発明に係る接着剤組成物は、有機テルル含有化合物を重合開始剤として用いるリビングラジカル重合法により、アクリル系モノマーを重合して得られる重量平均分子量(Mw)が35万以上のアクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)および熱硬化剤(C)を含むことを特徴としている。
Description
本発明は、半導体素子(半導体チップ)を有機基板やリードフレームにダイボンディングする工程およびシリコンウエハ等をダイシングし且つ半導体チップを有機基板やリードフレームにダイボンディングする工程で使用するのに特に適した接着剤組成物および該接着剤組成物からなる接着剤層を有する接着シートならびに該接着シートを用いた半導体装置の製造方法に関する。
シリコン、ガリウムヒ素などの半導体ウエハは大径の状態で製造され、このウエハは素子小片(半導体チップ)に切断分離(ダイシング)された後に次の工程であるマウント工程に移されている。この際、半導体ウエハは予め接着シートに貼着された状態でダイシング、洗浄、乾燥、エキスパンディング、ピックアップの各工程が加えられた後、次工程のボンディング工程に移送される。
これらの工程の中でピックアップ工程とボンディング工程のプロセスを簡略化するために、ウエハ固定機能とダイ接着機能とを同時に兼ね備えたダイシング・ダイボンディング用接着シートが種々提案されている(特許文献1等)。上記特許文献1に開示されている接着シートは、いわゆるダイレクトダイボンディングを可能にし、ダイ接着用接着剤の塗布工程を省略できるようになる。
ところで、近年の半導体装置に対する要求物性は非常に厳しいものとなっている。例えば、電子部品の接続においては、パッケージ全体が半田融点以上の高温下に曝される表面実装法(リフロー)が行われている。さらに、近年では鉛を含まない半田への移行により、実装温度は260℃程度まで上昇している。このため、実装時に半導体パッケージ内部で発生する応力が従来よりも大きくなり、接着界面における剥離やパッケージクラックといった不具合を生じる可能性が高まっている。
特許文献1には、ダイシング後の接着剤層同士の癒着の防止を主眼とした重量平均分子量(Mw)が90万以上であり分子量分布(Mw/Mn)が7以下であるアクリル重合体、エポキシ系樹脂および熱硬化剤を含有することを特徴とする接着剤組成物が提案されている。
特許文献1: 特開2009−292888号公報
本発明者らは、高いパッケージ信頼性を達成するという課題の解決手段としても、重合法の面からアクリル重合体の分子量分布を制御することに着目した。上記特許文献1の接着剤組成物は、重量平均分子量Mwを大きくすることで、相対的に低分子量成分の含有量を低減し、そのことにより低分子量成分に起因する接着剤の可塑化を防ぎ、接着剤層同士の癒着を防止している。しかし、特許文献1の実施例に開示される接着剤に用いられているアクリル重合体の分子量分布は4前後と比較的高いため、低分子量成分の含有量を十分に低減するためには重量平均分子量を100万以上の大きなものにせざるを得ない。
このようにアクリル重合体の重量平均分子量が高い場合、近年のより微細化したチップ表面の凹凸に追従せず、接着強度の低下要因となる懸念がある。また、重量平均分子量が高いアクリル系重合体を用いる必要があるため、接着剤の設計の自由度が狭められる。
本発明は、十分な接着強度で接合でき、特に半導体装置において高いパッケージ信頼性を達成できる接着剤組成物および該接着剤組成物からなる接着剤層を有する接着シートならびに該接着シートを用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決する本発明は、以下の要旨を含む。
(1)有機テルル含有化合物を重合開始剤として用いるリビングラジカル重合法により、アクリル系モノマーを重合して得られる重量平均分子量(Mw)が35万以上のアクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)および熱硬化剤(C)を含む接着剤組成物。
(2)さらに架橋剤(D)を含有し、アクリル重合体(A)が該架橋剤と反応する官能基を有する(1)に記載の接着剤組成物。
(3)架橋剤(D)がイソシネート基を含有し、アクリル重合体(A)が水酸基を含有する(2)に記載の接着剤組成物。
(4)アクリル重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が90万以下である(1)〜(3)の何れかに記載の接着剤組成物。
(5)アクリル重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)が3以下である(1)〜(4)の何れかに記載の接着剤組成物。
(6)上記(1)〜(5)の何れかに記載の接着剤組成物からなる単層接着フィルム。
(7)上記(1)〜(5)の何れかに記載の接着剤組成物からなる接着剤層が、支持体上に形成されてなる接着シート。
(8)上記(7)に記載の接着シートの接着剤層に半導体ウエハを貼付し、前記半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、前記半導体チップに接着剤層を固着残存させて支持体から剥離し、前記半導体チップをダイパッド部上または他の半導体チップ上に前記接着剤層を介して接着する工程を含む半導体装置の製造方法。
半導体チップを固定する際に、本発明に係る接着シートを用いることで、十分な接着強度で接合することができ、過酷な環境下においても、高いパッケージ信頼性を示す半導体装置を得ることができる。
以下、本発明の接着剤組成物、接着シートおよび該シートを用いた半導体装置の製造方法についてさらに具体的に説明する。
(接着剤組成物)
本発明に係る接着剤組成物は、アクリル重合体(A)(以下「(A)成分」とも言う。他の成分についても同様である。)、エポキシ系樹脂(B)(以下「化合物(B)」または「(B)成分」とも言う。)、熱硬化剤(C)を必須成分として含み、各種物性を改良するため、必要に応じ他の成分を含んでいても良い。以下、これら各成分について具体的に説明する。
本発明に係る接着剤組成物は、アクリル重合体(A)(以下「(A)成分」とも言う。他の成分についても同様である。)、エポキシ系樹脂(B)(以下「化合物(B)」または「(B)成分」とも言う。)、熱硬化剤(C)を必須成分として含み、各種物性を改良するため、必要に応じ他の成分を含んでいても良い。以下、これら各成分について具体的に説明する。
(A)アクリル重合体
アクリル重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は35万以上であり、好ましくは200万未満であり、より好ましくは40万〜180万であり、さらに好ましくは60万〜150万であり、特に好ましくは60万〜90万である。アクリル重合体の重量平均分子量が低過ぎると、接着剤層の低分子量成分の流動性に起因して、パッケージ信頼性を損なうことがある。また、アクリル重合体の重量平均分子量が高過ぎると基板やチップ表面の凹凸へ接着剤層が追従できないことがありボイドなどの発生要因になる。アクリル重合体の重量平均分子量を上記範囲とすることで、アクリル重合体は適度な柔軟性を有し、表面平滑性が高い被着体表面に対する接着剤層の貼付性が向上して、チップと基板、あるいはチップとチップとを強固に接着することができる。また、低分子量成分に起因するパッケージ信頼性の低下を防止できる。さらに、本発明のアクリル重合体(A)は、後述するとおり分子量分布を小さくすることで、重量平均分子量を過大な範囲とすることなく、低分子量成分の含有量を十分に低減することができる。
アクリル重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は35万以上であり、好ましくは200万未満であり、より好ましくは40万〜180万であり、さらに好ましくは60万〜150万であり、特に好ましくは60万〜90万である。アクリル重合体の重量平均分子量が低過ぎると、接着剤層の低分子量成分の流動性に起因して、パッケージ信頼性を損なうことがある。また、アクリル重合体の重量平均分子量が高過ぎると基板やチップ表面の凹凸へ接着剤層が追従できないことがありボイドなどの発生要因になる。アクリル重合体の重量平均分子量を上記範囲とすることで、アクリル重合体は適度な柔軟性を有し、表面平滑性が高い被着体表面に対する接着剤層の貼付性が向上して、チップと基板、あるいはチップとチップとを強固に接着することができる。また、低分子量成分に起因するパッケージ信頼性の低下を防止できる。さらに、本発明のアクリル重合体(A)は、後述するとおり分子量分布を小さくすることで、重量平均分子量を過大な範囲とすることなく、低分子量成分の含有量を十分に低減することができる。
アクリル重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は3以下であることが好ましく、より好ましくは2以下であり、さらに好ましくは1.7以下であり、特に好ましくは1.5以下である。分子量分布が3以下であるアクリル重合体は、重量平均分子量が高くても、分子量分布が狭いことから、流動性の高い低分子量成分の含有量が少なく、この低分子量成分がパッケージ信頼性の低下させることを回避できる傾向がある。分子量分布の下限値は、各成分の相溶性という観点からは1.2程度である。
なお、アクリル重合体(A)の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)の値は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法(GPC)法(ポリスチレン標準)により、後述する実施例での測定条件下で測定される場合の値である。また、後述する架橋剤(D)を用いる場合、アクリル重合体(A)の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、架橋剤(D)との反応前の値である。
アクリル重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−10℃以上50℃以下、さらに好ましくは0℃以上40℃以下、特に好ましくは0℃以上30℃以下の範囲にある。ガラス転移温度が低過ぎると接着剤層と支持体との剥離力が大きくなってチップのピックアップ不良が起こることがあり、高過ぎるとウエハを固定するための接着剤層の接着力が不十分となるおそれがある。
このアクリル重合体(A)を構成するモノマーとしては、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルモノマーあるいはその誘導体が含まれる。(メタ)アクリル酸エステルモノマーあるいはその誘導体としては、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられ、環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル、例えば(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イミドアクリレート等が挙げられ、水酸基を有するアクリル酸エステル、例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、例えばグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられ、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、例えばモノエチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。アクリル重合体(A)には、このほか、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー、ビニルアルコール、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸エステル以外の水酸基を有するモノマー、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等が共重合されていてもよい。
接着剤組成物が後述する架橋剤(D)を含有する場合には、アクリル重合体は水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の架橋剤(D)と反応する官能基を有することが好ましく、アクリル重合体(A)を構成するモノマーとして上述の水酸基を有するアクリル酸エステル、モノエチルアミノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等を選択することでアクリル重合体に架橋剤(D)と反応する官能基を導入することができる。特に水酸基を有しているアクリル重合体(A)が、水酸基をアクリル重合体(A)に導入することが容易であり、エポキシ系樹脂(B)との相溶性が良く、また架橋剤を用いて架橋構造を導入することが容易になるため好ましい。また複数種のアクリル重合体を組み合わせて用いてもよい。
アクリル重合体(A)を構成するモノマーとして、架橋剤(D)と反応する官能基を有するモノマーを用いることによりアクリル重合体(A)に架橋剤(D)と反応する官能基を導入する場合、架橋剤(D)と反応する官能基を有するモノマーの質量の、アクリル重合体(A)を構成するモノマー全質量中の割合は1〜20質量%程度が好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。
上記のようなアクリル重合体(A)は、前記アクリル系モノマーを重合開始剤として有機テルル化合物を用いるリビングラジカル重合する方法(以下、「TERP重合法」と記載することがある)により得られるものである。リビングラジカル重合法を採用することにより、アクリル重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)を調整することが容易となり、本発明の接着剤組成物を用いた半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、TERP重合法を採用することにより、分子量の制御性が向上する。特に、高分子量の重合体を得ることに適している。
このようなリビングラジカル重合開始剤としての、テルル含有化合物としては下記のものが好ましく用いられる。
[式中、R1は、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。R2及びR3は、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。R4は、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。]
R1で示される基は、具体的には次の通りである。炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を挙げることができる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、より好ましくはメチル基又はエチル基が良い。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等、置換アリール基としては置換基を有しているフェニル基、置換基を有しているナフチル基等、芳香族へテロ環基としてはピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。上記置換基を有しているアリール基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、−COR5で示されるカルボニル含有基(R5=炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アリーロキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。好ましいアリール基としては、フェニル基、トリフルオロメチル置換フェニル基が良い。また、これら置換基は、1個又は2個置換しているのが良く、パラ位若しくはオルト位が好ましい。
R2及びR3で示される各基は、具体的には次の通りである。炭素数1〜8のアルキル基としては、上記R1で示したアルキル基と同様のものを挙げることができる。
R4で示される各基は、具体的には次の通りである。アリール基、置換アリール基、芳香族へテロ環基としては上記R1で示した基と同様のものを挙げることができる。アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。オキシカルボニル基としては、−COOR6(R6=H、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基)で示される基が好ましく、例えばカルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等を挙げることができる。好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が良い。
R4で示される各基としては、アリール基、置換アリール基、オキシカルボニル基が良い。好ましいアリール基としては、フェニル基が良い。好ましい置換アリール基としては、ハロゲン原子置換フェニル基、トリフルオロメチル置換フェニル基が良い。また、これら置換基は、ハロゲン原子の場合は、1〜5個置換しているのが良い。アルコキシ基やトリフルオロメチル基の場合は、1個又は2個置換しているのが良く、1個置換の場合は、パラ位若しくはオルト位が好ましく、2個置換の場合は、メタ位が好ましい。好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が良い。
好ましい一般式(1)で示されるテルル含有化合物としては、R1が、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2及びR3が、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R4が、アリール基、置換アリール基、オキシカルボニル基で示される化合物が良い。特に好ましくは、R1が、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2及びR3が、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R4が、フェニル基、置換フェニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が良い。
一般式(1)で示されるテルル含有化合物は、具体的には次の通りである。テルル含有化合物としては、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−クロロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン[1−(1−メチルテラニル−エチル)−4−トリフルオロメチルベンゼン]、1−(1−メチルテラニル−エチル)−3,5−ビス−トリフルオロメチルベンゼン、1,2,3,4,5−ペンタフルオロ−6−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−アミノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−シアノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−(メチルテラニル−メチル)ピリジン、2−(1−メチルテラニル−エチル)ピリジン、2−(2−メチルテラニル−プロピル)ピリジン、2−メチル−2−メチルテラニル−プロパナール、3−メチル−3−メチルテラニル−2−ブタノン、2−メチルテラニル−エタン酸メチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−エタン酸エチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸エチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル[エチル−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート]、2−(n−ブチルテラニル)−2−メチルプロピオン酸エチル[エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート]、2−メチルテラニルアセトニトリル、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル、(フェニルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−フェニルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−フェニルテラニル−プロピル)ベンゼン等を挙げることができる。
また上記において、メチルテラニル、1−メチルテラニル、2−メチルテラニルの部分がそれぞれエチルテラニル、1−エチルテラニル、2−エチルテラニル、ブチルテラニル、1−ブチルテラニル、2−ブチルテラニルと変更した化合物も全て含まれる。好ましくは、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン[1−(1−メチルテラニル−エチル)−4−トリフルオロメチルベンゼン]、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル[エチル−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート]、2−(n−ブチルテラニル)−2−メチルプロピオン酸エチル[エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート]、1−(1−メチルテラニル−エチル)−3,5−ビス−トリフルオロメチルベンゼン、1,2,3,4,5−ペンタフルオロ−6−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル、(エチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−エチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−エチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−エチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−エチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−エチルテラニルプロピオニトリル、(n−ブチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−n−ブチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−n−ブチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−n−ブチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−n−ブチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−n−ブチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−n−ブチルテラニルプロピオニトリルが良い。
これらの一般式(1)で表されるテルル含有化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。一般式(1)で表されるテルル含有化合物として、たとえばエチル−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネートを採用する場合、その合成方法としては、特開2011−74380号公報に開示されている方法で得ることができる。
重合工程においては、上記のテルル含有化合物に加え、重合促進剤としてアゾ系重合開始剤を添加してもよい。アゾ系重合開始剤としては、通常のラジカル重合に用いる開始剤であれば特に限定されないが、例示するなら2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、1,1'−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチルアミド)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2'−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2'−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。上記アゾ系重合開始剤を使用する場合、重合開始剤として用いた式(1)のテルル含有化合物1molに対して好ましくは0.01〜100mol、より好ましくは0.1〜100mol、さらに好ましくは0.1〜5molの割合で使用されることが望ましい。
アクリル重合体(A)を、リビングラジカル重合によって形成する方法は、たとえば次の通りである。不活性ガスで置換した容器で、前述した単量体の混合物と一般式(1)で示されるリビングラジカル重合開始剤及び所望によりアゾ系重合開始剤を混合する。この時、不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等を挙げることができる。好ましくは、アルゴン、窒素が良い。特に好ましくは、窒素が良い。単量体と一般式(1)で示されるリビングラジカル重合開始剤の使用量は、目的とするアクリル重合体(A)の分子量あるいは分子量分布により適宜調節すればよい。好ましい使用量としては、概ね各単量体の分子量に仕込み割合を乗じて得た値の総和を目的とするアクリル重合体(A)の重量平均分子量(Mw)で割った値(使用量の単位はモル数)であり、場合によりその値の0.3〜3倍程度の量を使用する。
重合は、通常、無溶媒で行うが、ラジカル重合で一般に使用される有機溶媒を使用しても構わない。使用できる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、トリフルオロメチルベンゼン等が挙げられる。また、水性溶媒も使用でき、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。溶媒の使用量としては適宜調節すればよいが、例えば、単量体1gに対して、溶媒を0.01〜100ml、好ましくは、0.05〜10ml、特に好ましくは0.05〜0.5mlが良い。
次に、上記混合物を撹拌する。反応温度、反応時間は、得られるアクリル重合体(A)の分子量あるいは分子量分布により適宜調節すればよいが、通常、60〜150℃で、5〜100時間撹拌する。好ましくは、80〜120℃で、10〜30時間撹拌するのが良い。重合は、通常、常圧で行われるが、加圧あるいは減圧しても構わない。反応終了後、常法により使用溶媒や残存モノマーを減圧下除去したり、沈殿ろ過、再沈殿したり、あるいはカラム分離等をして目的のアクリル重合体(A)を必要に応じて精製する。反応処理については、目的物に支障がなければどのような処理方法でも行うことができる。
例えば、 アクリル重合体(A)において、その中に含まれる重量平均分子量Mw5万以下の低分子量成分の割合を0.1質量%以下とするには、下記の分別法を採用することができる。まず、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、もしくはペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭素数5〜10の脂肪族炭化水素、好ましくはメタノールもしくはヘキサン100質量部中に、アクリル重合体(A)を、固形分として1〜30質量部程度の割合で加え、室温でかきまぜて沈殿を形成させる。次いで、この沈殿物をデカンテーションなどの方法で固液分離したのち、前記低級アルコールもしくは炭素数5〜10の脂肪族炭化水素で洗浄後使用する。この分別法により、アクリル重合体(A)中の分子量Mw5万以下の低分子量成分の割合を0.1質量%以下とすることができる。
例えば、 アクリル重合体(A)において、その中に含まれる重量平均分子量Mw5万以下の低分子量成分の割合を0.1質量%以下とするには、下記の分別法を採用することができる。まず、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、もしくはペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭素数5〜10の脂肪族炭化水素、好ましくはメタノールもしくはヘキサン100質量部中に、アクリル重合体(A)を、固形分として1〜30質量部程度の割合で加え、室温でかきまぜて沈殿を形成させる。次いで、この沈殿物をデカンテーションなどの方法で固液分離したのち、前記低級アルコールもしくは炭素数5〜10の脂肪族炭化水素で洗浄後使用する。この分別法により、アクリル重合体(A)中の分子量Mw5万以下の低分子量成分の割合を0.1質量%以下とすることができる。
このリビングラジカル重合法においては、アクリル重合体(A)を構成する各単量体の混合物を使用することにより、ランダム共重合体のアクリル重合体(A)を得ることができる。該ランダム共重合体は、単量体の種類に関係なく、反応させる単量体の比率(モル比)通りの共重合体を得ることができる。テルル含有化合物を重合開始剤とすることで、分子量制御及び分子量分布制御を非常に温和な条件下で行うことができる。アクリル重合体(A)の分子量は、反応時間、テルル含有化合物の量により調整可能である。具体的には、分子量を増加させるためには、単量体に対するテルル含有化合物の配合割合を低減し、重合時間を増加させればよい。しかし、これでは分子量の大きいアクリル重合体(A)を得るには長時間を要することになる。そこで、重合時間の低減を図るには、重合温度を高くしたり、前記アゾ系重合開始剤を添加することにより達成することができる。しかしながら、重合温度が高すぎたり、アゾ系重合開始剤の添加量が多すぎると、アクリル重合体(A)の分子量分布を増大させることとなるので、それとの調整が必要である。
接着剤組成物の全体の質量中に占めるアクリル重合体(A)の配合割合は、35〜90質量%であることが好ましく、40〜85質量%であることがより好ましく、45〜80質量%であることがさらに好ましい。アクリル重合体(A)の配合量を上記のように制限することで、接着剤組成物の硬化前における弾性が高められ、接着剤層を硬化せずにワイヤーボンディングを行う半導体装置の製造方法においてボンディング時の衝撃により接着剤層の変形が生じにくくなり、不具合の発生が抑制される傾向がある。また、このように接着剤組成物中におけるアクリル重合体(A)の占める割合が多い場合には、重量平均分子量(Mw)が35万以上であり、分子量分布(Mw/Mn)が3以下であるアクリル重合体(A)を用いることによる本発明のパッケージ信頼性向上の効果がより顕著となる。
(B)エポキシ系熱硬化性樹脂
エポキシ系熱硬化性樹脂(B)としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ系熱硬化性樹脂(B)としては、具体的には、多官能系エポキシ樹脂や、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ系熱硬化性樹脂(B)としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ系熱硬化性樹脂(B)としては、具体的には、多官能系エポキシ樹脂や、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
接着剤組成物には、アクリル重合体(A)100質量部に対して、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)が、好ましくは1〜100質量部含まれ、より好ましくは3〜70質量部含まれ、特に好ましくは5〜50質量部含まれる。エポキシ系熱硬化性樹脂(B)の含有量がこのような範囲にあることで、十分な接着性を維持するとともに、接着剤層の弾性が維持され、硬化前の状態であっても、ワイヤーボンディング工程におけるボンディング時の衝撃により接着剤層の変形が生じにくくなり、不具合の発生が抑制される傾向がある。
(C)熱硬化剤
熱硬化剤(C)は、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)に対する硬化剤として機能する。好ましい熱硬化剤(C)としては、1分子中にエポキシ基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。その官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基および酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基、酸無水物などが挙げられ、さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。
熱硬化剤(C)は、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)に対する硬化剤として機能する。好ましい熱硬化剤(C)としては、1分子中にエポキシ基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。その官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基および酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基、酸無水物などが挙げられ、さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。
フェノール系硬化剤の具体的な例としては、多官能系フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、アラルキルフェノール樹脂が挙げられる。アミン系硬化剤の具体的な例としては、DICY(ジシアンジアミド)が挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
接着剤組成物における熱硬化剤(C)の含有量は、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)100質量部に対して、0.1〜500質量部であることが好ましく、1〜200質量部であることがより好ましい。熱硬化剤(C)の含有量が少ないと硬化不足で接着性が得られないことがあり、過剰であると接着剤層の吸湿率が高まりパッケージ信頼性を低下させることがある。
(D)架橋剤
接着剤組成物には、架橋剤(D)を添加することが好ましい。架橋剤(D)としては有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物などが挙げられる。架橋構造の導入により、本発明の接着剤組成物を用いた半導体装置の信頼性が向上する。リビングラジカル重合はフリーラジカル重合と比較して活性点での反応が非常に緩やかであるという特徴を有する。すなわち、フリーラジカル重合では、活性点での反応が非常に早いために反応性の高い単量体から重合し、その後、反応性の低い単量体が重合するものと考えられている。一方、リビングラジカル重合では、活性点での反応が緩やかであるため、単量体の反応性の影響を受けずに均等に重合が進行し、均等な組成になるものと考えられる。かかるリビングラジカル重合の特徴の結果として、架橋剤(D)と反応する官能基を有する単量体を用いた場合に、得られたアクリル重合体(A)中に、架橋剤(D)と反応する官能基を有する単量体が重合体中に取り込まれず、架橋剤(D)と反応する官能基を実質的に有さないアクリル重合体(A)の分子が発生する確率が低減する。これにより、低分子量のアクリル重合体(A)の分子が存在したとしても、架橋剤との反応により三次元網目構造に取り込まれる可能性が高く、三次元網目構造に取り込まれずに残存した低分子量の重合体がパッケージ信頼性を損なう可能性も低減されると考えられる。
接着剤組成物には、架橋剤(D)を添加することが好ましい。架橋剤(D)としては有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物などが挙げられる。架橋構造の導入により、本発明の接着剤組成物を用いた半導体装置の信頼性が向上する。リビングラジカル重合はフリーラジカル重合と比較して活性点での反応が非常に緩やかであるという特徴を有する。すなわち、フリーラジカル重合では、活性点での反応が非常に早いために反応性の高い単量体から重合し、その後、反応性の低い単量体が重合するものと考えられている。一方、リビングラジカル重合では、活性点での反応が緩やかであるため、単量体の反応性の影響を受けずに均等に重合が進行し、均等な組成になるものと考えられる。かかるリビングラジカル重合の特徴の結果として、架橋剤(D)と反応する官能基を有する単量体を用いた場合に、得られたアクリル重合体(A)中に、架橋剤(D)と反応する官能基を有する単量体が重合体中に取り込まれず、架橋剤(D)と反応する官能基を実質的に有さないアクリル重合体(A)の分子が発生する確率が低減する。これにより、低分子量のアクリル重合体(A)の分子が存在したとしても、架橋剤との反応により三次元網目構造に取り込まれる可能性が高く、三次元網目構造に取り込まれずに残存した低分子量の重合体がパッケージ信頼性を損なう可能性も低減されると考えられる。
上記有機多価イソシアネート化合物としては、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物、脂環族多価イソシアネート化合物およびこれらの有機多価イソシアネート化合物の三量体、ならびにこれら有機多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等を挙げることができる。
有機多価イソシアネート化合物としては、たとえば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、リジンイソシアネート、およびこれらのポリオールへのアダクト体が挙げられる。
イソシアネート系の架橋剤を用いる場合、アクリル重合体(A)は、架橋剤と反応する官能基として、水酸基を有することが好ましい。架橋剤がイソシアネート基を有し、アクリル重合体(A)が水酸基を有すると、イソシアネート基と水酸基の反応により架橋剤とアクリル重合体(A)との結合が容易に形成され、接着剤に架橋構造を簡便に導入することができる。
上記有機多価イミン化合物としては、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートおよびN,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等を挙げることができる。
有機多価イミン化合物を架橋剤として用いた場合には、アクリル重合体(A)が架橋剤と反応する官能基としてカルボキシル基を有していることが好ましく、これによりアクリル重合体と架橋剤の間に結合を生じ、接着剤に架橋構造が導入される。
架橋剤(D)を用いる場合、架橋剤(D)はアクリル重合体(A)100質量部に対して通常0.01〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部の比率で用いられる。
その他の成分
接着剤組成物は、上記成分に加えて下記成分を含むことができる。
接着剤組成物は、上記成分に加えて下記成分を含むことができる。
(E)硬化促進剤
硬化促進剤(E)は、接着剤組成物の硬化速度を調整するために用いられる。硬化促進剤(E)は、特に、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)と熱硬化剤(C)とを併用する場合に好ましく用いられる。
硬化促進剤(E)は、接着剤組成物の硬化速度を調整するために用いられる。硬化促進剤(E)は、特に、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)と熱硬化剤(C)とを併用する場合に好ましく用いられる。
好ましい硬化促進剤としては、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
硬化促進剤(E)を用いる場合、硬化促進剤(E)は、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)および熱硬化剤(C)の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部の量で含まれる。硬化促進剤(E)を上記範囲の量で含有することにより、高温度高湿度下に曝されても優れた接着特性を有し、厳しいリフロー条件に曝された場合であっても高いパッケージ信頼性を達成することができる。硬化促進剤(E)の含有量が少ないと硬化不足で十分な接着特性が得られず、過剰であると高い極性をもつ硬化促進剤は高温度高湿度下で接着剤層中を接着界面側に移動し、偏析することによりパッケージの信頼性を低下させることが懸念される。
(F)エネルギー線重合性化合物
接着剤組成物には、エネルギー線重合性化合物が配合されていてもよい。エネルギー線重合性化合物(F)は、エネルギー線重合性基を含み、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する。このようなエネルギー線重合性化合物(F)として具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレートおよびイタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物が挙げられる。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有し、通常は、重量平均分子量が100〜30000、好ましくは300〜10000程度である。エネルギー線重合性化合物(F)を用いる場合、その配合量は、特に限定はされないが、接着剤組成物の固形分全量100質量%中、1〜50質量%程度の割合で用いることが好ましい。
接着剤組成物には、エネルギー線重合性化合物が配合されていてもよい。エネルギー線重合性化合物(F)は、エネルギー線重合性基を含み、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する。このようなエネルギー線重合性化合物(F)として具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレートおよびイタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物が挙げられる。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有し、通常は、重量平均分子量が100〜30000、好ましくは300〜10000程度である。エネルギー線重合性化合物(F)を用いる場合、その配合量は、特に限定はされないが、接着剤組成物の固形分全量100質量%中、1〜50質量%程度の割合で用いることが好ましい。
(G)光重合開始剤
接着剤組成物が、前述したエネルギー線重合性化合物(F)を含有する場合には、その使用に際して、紫外線等のエネルギー線を照射して、エネルギー線重合性化合物を硬化させる。この際、接着剤層中に光重合開始剤(G)を含有させることで、重合硬化時間ならびに光線照射量を少なくすることができる。
接着剤組成物が、前述したエネルギー線重合性化合物(F)を含有する場合には、その使用に際して、紫外線等のエネルギー線を照射して、エネルギー線重合性化合物を硬化させる。この際、接着剤層中に光重合開始剤(G)を含有させることで、重合硬化時間ならびに光線照射量を少なくすることができる。
このような光重合開始剤(G)として具体的には、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサンソン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、1,2−ジフェニルメタン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドおよびβ−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。光重合開始剤(G)は1種類単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤(G)を用いる場合、その配合割合は、エネルギー線重合性化合物(F)100質量部に対して0.1〜10質量部含まれることが好ましく、1〜5質量部含まれることがより好ましい。0.1質量部未満であると光重合の不足で満足なピックアップ性が得られないことがあり、10質量部を超えると光重合に寄与しない残留物が生成し、接着剤層の硬化性が不十分となることがある。
(H)カップリング剤
カップリング剤(H)は、有機化合物と結合しうる基と、無機化合物と反応しうる基を有する化合物であり、かかるカップリング剤を接着剤層の被着体に対する接着性、密着性を向上させるために用いてもよい。また、カップリング剤(H)を使用することで、接着剤層を硬化して得られる硬化物の耐熱性を損なうことなく、その耐水性を向上することができる。
カップリング剤(H)は、有機化合物と結合しうる基と、無機化合物と反応しうる基を有する化合物であり、かかるカップリング剤を接着剤層の被着体に対する接着性、密着性を向上させるために用いてもよい。また、カップリング剤(H)を使用することで、接着剤層を硬化して得られる硬化物の耐熱性を損なうことなく、その耐水性を向上することができる。
カップリング剤(H)の有機化合物と結合しうる基としては、上記アクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)などが有する官能基と反応する基であることが好ましい。カップリング剤(H)としては、シランカップリング剤が望ましい。このようなカップリング剤としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートメチルメチルジブトキシシラン、イソシアネートメチルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
カップリング剤(H)を用いる場合、カップリング剤は、アクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)、および熱硬化剤(C)の合計100質量部に対して、通常0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部、より好ましくは0.3〜5質量部の割合で含まれる。カップリング剤(H)の含有量が0.1質量部未満だと上記の効果が得られない可能性があり、20質量部を超えるとアウトガスの原因となる可能性がある。
(I)無機充填材
無機充填材(I)を接着剤組成物に配合することにより、接着剤層の熱膨張係数を調整することが可能となり、半導体チップや金属または有機基板に対して硬化後の接着剤層の熱膨張係数を最適化することでパッケージ信頼性を向上させることができる。また、接着剤層の硬化後の吸湿率を低減させることも可能となる。
無機充填材(I)を接着剤組成物に配合することにより、接着剤層の熱膨張係数を調整することが可能となり、半導体チップや金属または有機基板に対して硬化後の接着剤層の熱膨張係数を最適化することでパッケージ信頼性を向上させることができる。また、接着剤層の硬化後の吸湿率を低減させることも可能となる。
好ましい無機充填材としては、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素等の粉末、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維およびガラス繊維等が挙げられる。これらのなかでも、シリカフィラーが好ましい。上記無機充填材(I)は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。無機充填材(I)を用いる場合、その含有量は、接着剤組成物の全固形分100質量部に対して、通常0〜80質量%の範囲で調整が可能である。
(J)汎用添加剤
接着剤組成物には、上記の他に、必要に応じて各種添加剤が配合されてもよい。各種添加剤としては、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、顔料、染料、ゲッタリング剤などが挙げられる。
接着剤組成物には、上記の他に、必要に応じて各種添加剤が配合されてもよい。各種添加剤としては、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、顔料、染料、ゲッタリング剤などが挙げられる。
上記のような各成分からなる接着剤組成物からなる接着剤層は、感圧接着性と加熱硬化性とを有し、未硬化状態では各種被着体を一時的に保持する機能を有する。そして熱硬化を経て最終的には耐衝撃性の高い硬化物を与えることができ、せん断強度にも優れ、厳しい高温度高湿度条件下においても十分な接着特性を保持し得る。
接着剤層は、上記の接着剤組成物を製膜してなる単層の接着シートであっても良いが、好ましくは上記接着剤組成物からなる接着剤層が支持体上に剥離可能に形成されてなる接着シートである。
(接着シート)
以下、接着剤層が支持体上に剥離可能に形成されてなる接着シートを例にとり、接着剤組成物の好適態様および使用態様について説明する。接着剤層が支持体上に剥離可能に形成されてなる接着シートの使用に際して、接着剤層をウエハ、チップ等の被着体に接着し、支持体を剥離して、接着剤層を被着体に転写する。本発明に係る接着シートの形状は、テープ状、ラベル状などあらゆる形状をとり得る。
以下、接着剤層が支持体上に剥離可能に形成されてなる接着シートを例にとり、接着剤組成物の好適態様および使用態様について説明する。接着剤層が支持体上に剥離可能に形成されてなる接着シートの使用に際して、接着剤層をウエハ、チップ等の被着体に接着し、支持体を剥離して、接着剤層を被着体に転写する。本発明に係る接着シートの形状は、テープ状、ラベル状などあらゆる形状をとり得る。
接着シートの支持体としては、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムなどのフィルムが用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。さらにこれらの積層フィルムであってもよい。また、これらを着色したフィルムを用いることができる。支持体の有する紫外線、可視光等の放射線の透過性は、その用途に応じて適当な程度のものが選択される。
本発明に係る接着シートは、各種の被着体に貼付され、被着体に所要の加工を施した後、接着剤層は、被着体に固着残存させて支持体から剥離される。すなわち、接着剤層を、支持体から被着体に転写する工程を含むプロセスに使用される。このため、支持体が粘着処理されていない場合は、支持体の接着剤層に接する面の表面張力は、好ましくは40mN/m以下、さらに好ましくは37mN/m以下、特に好ましくは35mN/m以下である。下限値は通常25mN/m程度である。このような表面張力が低い支持体は、材質を適宜に選択して得ることが可能であるし、また支持体の表面に剥離剤を塗布して剥離処理を施すことで得ることもできる。
支持体の剥離処理に用いられる剥離剤としては、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系などが用いられるが、特にアルキッド系、シリコーン系、フッ素系の剥離剤が耐熱性を有するので好ましい。
上記の剥離剤を用いて支持体の表面を剥離処理するためには、剥離剤をそのまま無溶剤で、または溶剤希釈やエマルション化して、グラビアコーター、メイヤーバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーターなどにより塗布して、常温もしくは加熱または電子線硬化させたり、ウェットラミネーションやドライラミネーション、熱溶融ラミネーション、溶融押出ラミネーション、共押出加工などで積層体を形成すればよい。
支持体は、粘着剤層を備える粘着シートであってもよい。粘着シートは、上記のような樹脂フィルム上に粘着剤層を有し、粘着剤層上に、前記接着剤層が剥離可能に積層される。したがって、粘着シートの粘着剤層は、再剥離性を有する公知の粘着剤から構成することができ、紫外線硬化型、加熱発泡型、水膨潤型、弱粘型等の粘着剤を選択することで、接着剤層の剥離を容易とすることができる。
また、接着シートは、支持体および接着剤層が、予め被着体(半導体ウエハ等)と同形状またはウエハ形状よりも大きい同心円状に型抜きされてなる形状であってもよい。特に、支持体および接着剤層からなる積層体が、長尺の支持体上に保持された形態であることが好ましい。
支持体の厚さは、通常は10〜500μm、好ましくは15〜300μm、特に好ましくは20〜250μm程度である。支持体が粘着シートである場合には、通常支持体の厚さにおいて1〜50μm程度の厚さを粘着剤からなる層が占める。また、接着剤層の厚みは、通常は2〜500μm、好ましくは6〜300μm、特に好ましくは10〜150μm程度である。
接着シートには、使用前に接着剤層や粘着シートの粘着剤、以下に述べる治具への固定用の粘着剤層等を保護するために、接着剤層の上面に剥離フィルムを積層しておいてもよい。該剥離フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリプロピレンフィルムなどのプラスチック材料にシリコーン樹脂などの剥離剤が塗布されているものが使用される。また、接着シートの表面外周部には、リングフレームなどの他の治具を固定するために別途粘着剤層や粘着テープが設けられていてもよい。
接着シートの製造方法は、特に限定はされず、支持体上に、接着剤組成物を塗布乾燥し、接着剤層を形成することで製造してもよく、また接着剤層を上述の接着剤層を保護するための剥離フィルム上に設け、これを上記支持体に転写することで製造してもよい。
次に本発明に係る接着シートの利用方法について、該接着シートを半導体装置の製造に適用した場合を例にとって説明する。
(半導体装置の製造方法)
本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記接着シートの接着剤層に半導体ウエハを貼着し、該半導体ウエハおよび接着剤層をダイシングして半導体チップとし、該半導体チップ裏面に接着剤層を固着残存させて支持体から剥離し、該半導体チップを有機基板やリードフレームのダイパッド部上、またはチップを積層する場合に別の半導体チップ上に接着剤層を介して載置する工程を含む。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記接着シートの接着剤層に半導体ウエハを貼着し、該半導体ウエハおよび接着剤層をダイシングして半導体チップとし、該半導体チップ裏面に接着剤層を固着残存させて支持体から剥離し、該半導体チップを有機基板やリードフレームのダイパッド部上、またはチップを積層する場合に別の半導体チップ上に接着剤層を介して載置する工程を含む。
以下、本発明に係る半導体装置の製造方法について詳述する。
本発明に係る半導体装置の製造方法においては、まず、表面に回路が形成され、裏面が研削された半導体ウエハを準備する。
本発明に係る半導体装置の製造方法においては、まず、表面に回路が形成され、裏面が研削された半導体ウエハを準備する。
半導体ウエハはシリコンウエハであってもよく、またガリウム・砒素などの化合物半導体ウエハであってもよい。ウエハ表面への回路の形成はエッチング法、リフトオフ法などの従来より汎用されている方法を含む様々な方法により行うことができる。次いで、半導体ウエハの回路面の反対面(裏面)を研削する。研削法は特に限定はされず、グラインダーなどを用いた公知の手段で研削してもよい。裏面研削時には、表面の回路を保護するために回路面に、表面保護シートと呼ばれる粘着シートを貼付する。裏面研削は、ウエハの回路面側(すなわち表面保護シート側)をチャックテーブル等により固定し、回路が形成されていない裏面側をグラインダーにより研削する。ウエハの研削後の厚みは特に限定はされないが、通常は20〜500μm程度である。
次いで、リングフレームおよび半導体ウエハの裏面側を本発明に係る接着シートの接着剤層上に載置し、軽く押圧し、場合によって熱を加えて接着剤層を軟化させながら半導体ウエハを固定する。次いで、接着剤層にエネルギー線重合性化合物(F)が配合されている場合には、接着剤層に支持体側からエネルギー線を照射し、エネルギー線重合性化合物(F)を硬化し、接着剤層の凝集力を上げ、接着剤層と支持体との間の接着力を低下させてもよい。照射されるエネルギー線としては、紫外線(UV)または電子線(EB)等が挙げられ、好ましくは紫外線が用いられる。次いで、ダイシングソーなどの切断手段を用いて、上記の半導体ウエハおよび接着剤層を切断し半導体チップを得る。この際の切断深さは、半導体ウエハの厚みと、接着剤層の厚みとの合計およびダイシングソーの磨耗分を加味した深さにし、接着剤層もチップと同サイズに切断する。なお、エネルギー線照射は、半導体ウエハの貼付後、半導体チップの剥離(ピックアップ)前のいずれの段階で行ってもよく、たとえばダイシングの後に行ってもよく、また下記のエキスパンド工程の後に行ってもよい。さらにエネルギー線照射を複数回に分けて行ってもよい。
次いで必要に応じ、接着シートのエキスパンドを行うと、半導体チップ間隔が拡張し、半導体チップのピックアップをさらに容易に行えるようになる。この際、接着剤層と支持体との間にずれが発生することになり、接着剤層と支持体との間の接着力が減少し、半導体チップのピックアップ性が向上する。このようにして半導体チップのピックアップを行うと、切断された接着剤層を半導体チップ裏面に固着残存させて支持体から剥離することができる。
次いで接着剤層を介して半導体チップを、チップ搭載部であるリードフレームのダイパッド上または別の半導体チップ(下段チップ)表面に載置する。チップ搭載部は、接着剤層の密着性を向上させるために、半導体チップを載置する前に加熱するか載置直後に加熱される。加熱温度は、通常は80〜200℃、好ましくは100〜180℃であり、加熱時間は、通常は0.1秒〜5分、好ましくは0.5秒〜3分である。また、載置に際しての加圧の圧力は、通常1kPa〜200MPaである。
半導体チップをチップ搭載部に載置した後、後述するような樹脂封止での加熱を利用した接着剤層の本硬化を待たず、樹脂封止前に加熱を行うことにより接着剤層を本硬化させてもよい。この際の加熱条件は、上記加熱温度の範囲であって、加熱時間は通常1〜180分、好ましくは10〜120分である。
また、載置後の加熱処理は行わずに仮接着状態としておき、パッケージ製造において通常行われる樹脂封止での加熱を利用して接着剤層を硬化させてもよい。このような工程を経ることで、接着剤層が硬化し、半導体チップとチップ搭載部とを強固に接着することができる。接着剤層はダイボンド条件下では流動化しているため、チップ搭載部の凹凸にも十分に埋め込まれ、ボイドの発生を防止できパッケージの信頼性が高くなる。この場合、接着剤層を介してチップ搭載部に搭載された半導体チップは、接着剤層が硬化前の状態でワイヤーボンディング工程を経ることとなる。このようなプロセスを採用した場合、ワイヤーボンディングにおける加熱により、接着剤層の熱硬化に寄与する成分の反応が一部進行し、半導体装置におけるパッケージ信頼性の低下が懸念される。しかしながら、本発明の接着剤組成物を用いることで、接着剤層のチップへの接着性が向上し、パッケージ信頼性が維持される傾向がある。
本発明の接着剤組成物および接着シートは、上記のような使用方法の他、半導体化合物、ガラス、セラミックス、金属などの接着に使用することもできる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、<GPC測定>および<耐IRリフロー性評価>は次のように行った。
<GPC測定>
各例で使用するアクリル重合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnを測定し、また測定値から分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
測定装置:東ソー社製の高速GPC装置「HLC−8120GPC」に、高速カラム「TSK gurd column HXL−H」、「TSK Gel GMHXL」、「TSK Gel G2000 HXL」(以上、全て東ソー社製)をこの順序で連結して測定した。
カラム温度:40℃、送液速度:1.0mL/分、検出器:示差屈折率計
各例で使用するアクリル重合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnを測定し、また測定値から分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
測定装置:東ソー社製の高速GPC装置「HLC−8120GPC」に、高速カラム「TSK gurd column HXL−H」、「TSK Gel GMHXL」、「TSK Gel G2000 HXL」(以上、全て東ソー社製)をこの順序で連結して測定した。
カラム温度:40℃、送液速度:1.0mL/分、検出器:示差屈折率計
<耐IRリフロー性評価>
(半導体チップの製造)
ドライポリッシュ仕上げシリコンウエハ(150mm径, 厚さ75μm)の研磨面に、実施例および比較例の接着シートの貼付をテープマウンター(リンテック社製, Adwill
RAD2500)により行い、ウエハダイシング用リングフレームに固定した。次いで、ダイシング装置(株式会社ディスコ製, DFD651)を使用して8mm×8mmのチップサイズにダイシングした。ダイシングの際の切り込み量は、支持体を20μm切り込むようにした。
(半導体チップの製造)
ドライポリッシュ仕上げシリコンウエハ(150mm径, 厚さ75μm)の研磨面に、実施例および比較例の接着シートの貼付をテープマウンター(リンテック社製, Adwill
RAD2500)により行い、ウエハダイシング用リングフレームに固定した。次いで、ダイシング装置(株式会社ディスコ製, DFD651)を使用して8mm×8mmのチップサイズにダイシングした。ダイシングの際の切り込み量は、支持体を20μm切り込むようにした。
(半導体パッケージの製造)
基板として銅箔張り積層板(三菱ガス化学株式会社製CCL-HL830)の銅箔(18μm厚)に回路パターンが形成され、パターン上にソルダーレジスト(太陽インキ製PSR-4000 AUS303)を有している基板を用いた(株式会社ちの技研製LN001E−001 PCB(Au)AUS303)。上記で得た接着シート上のチップを接着剤層とともに支持体から取り上げ、基板上に、接着剤層を介して120℃, 250gf, 0.5秒間の条件で圧着し、さらにチップの上に接着剤を介して同条件で圧着を行った。モールド樹脂(京セラケミカル株式会社製KE-1100AS3)で封止厚400μmになるように封止し (封止装置 アピックヤマダ株式会社製MPC-06M TriAl Press)、175℃5時間で樹脂を硬化させた。ついで、封止された基板をダイシングテープ(リンテック株式会社製Adwill D-510T)に貼付して、ダイシング装置(株式会社ディスコ製, DFD651)を使用して8mm×8mmサイズにダイシングすることで信頼性評価用の半導体パッケージを得た。
基板として銅箔張り積層板(三菱ガス化学株式会社製CCL-HL830)の銅箔(18μm厚)に回路パターンが形成され、パターン上にソルダーレジスト(太陽インキ製PSR-4000 AUS303)を有している基板を用いた(株式会社ちの技研製LN001E−001 PCB(Au)AUS303)。上記で得た接着シート上のチップを接着剤層とともに支持体から取り上げ、基板上に、接着剤層を介して120℃, 250gf, 0.5秒間の条件で圧着し、さらにチップの上に接着剤を介して同条件で圧着を行った。モールド樹脂(京セラケミカル株式会社製KE-1100AS3)で封止厚400μmになるように封止し (封止装置 アピックヤマダ株式会社製MPC-06M TriAl Press)、175℃5時間で樹脂を硬化させた。ついで、封止された基板をダイシングテープ(リンテック株式会社製Adwill D-510T)に貼付して、ダイシング装置(株式会社ディスコ製, DFD651)を使用して8mm×8mmサイズにダイシングすることで信頼性評価用の半導体パッケージを得た。
(半導体パッケージ表面実装性の評価)
得られた半導体パッケージを85℃,60%RH条件下に168時間放置し、吸湿させた後、最高温度260℃加熱時間1分間のIRリフロー(リフロー炉:相模理工製WL-15-20DNX型)を3回行なった際に接合部の浮き・剥がれの有無、パッケージクラック発生の有無を走査型超音波探傷装置(日立建機ファインテック株式会社製Hye-Focus)および断面観察により評価した。基板/半導体チップ接合部に0.5mm以上の剥離を観察した場合を「不良」と判断して、パッケージを27個試験に投入し剥離が発生しなかった良品の個数を数えた。
得られた半導体パッケージを85℃,60%RH条件下に168時間放置し、吸湿させた後、最高温度260℃加熱時間1分間のIRリフロー(リフロー炉:相模理工製WL-15-20DNX型)を3回行なった際に接合部の浮き・剥がれの有無、パッケージクラック発生の有無を走査型超音波探傷装置(日立建機ファインテック株式会社製Hye-Focus)および断面観察により評価した。基板/半導体チップ接合部に0.5mm以上の剥離を観察した場合を「不良」と判断して、パッケージを27個試験に投入し剥離が発生しなかった良品の個数を数えた。
<TERP法によるアクリル重合体の合成例>
単量体としてメチルアクリレート(MA、東京化成(株)製)と2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA、東京化成(株)製)とを、質量比95:5の割合で用い、以下のとおり重合を行い、MA/HEAのランダム共重合体からなるアクリル重合体(A−1)を製造した。まず、アルゴン置換したグローブボックス内で、エチル―2―メチル―2―n―ブチルテラニル―プロピオネート37.7μL、メチルアクリレート(同上)133g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(同上)7.0g及び2,2’−アゾビス(イソブチルニトリル)(AIBN、大塚化学(株)製)8.1mgを60℃で20時間反応させた。
単量体としてメチルアクリレート(MA、東京化成(株)製)と2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA、東京化成(株)製)とを、質量比95:5の割合で用い、以下のとおり重合を行い、MA/HEAのランダム共重合体からなるアクリル重合体(A−1)を製造した。まず、アルゴン置換したグローブボックス内で、エチル―2―メチル―2―n―ブチルテラニル―プロピオネート37.7μL、メチルアクリレート(同上)133g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(同上)7.0g及び2,2’−アゾビス(イソブチルニトリル)(AIBN、大塚化学(株)製)8.1mgを60℃で20時間反応させた。
反応終了後、反応器をグローブボックスから取り出し、酢酸エチル500mlに溶解した後、そのポリマー溶液を活性アルミナ[和光純薬工業株式会社製]で作製したカラムに通した。ポリマー溶液の粘度が10,000mPa・s(25℃)となるように酢酸エチルを添加した。得られたポリマーの固形分は17.3質量%であった。また、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート及びAIBNの添加量、並びに重合時間を調整する以外はアクリル重合体(A−1)と同様にしてリビングラジカル重合により、アクリル重合体(A−2),(A−3),および(A−5)を製造した。
<接着剤組成物>
接着剤組成物を構成する各成分を下記に示す。
(A)アクリル重合体:
(A−1)〜(A−3)上記の合成例により製造した、表2に示す重量平均分子量および分子量分布を示すアクリル重合体
(A−4)単量体の種類および質量割合が(A−1)と同じで、フリーラジカル重合法にて作製した表2に示す重量平均分子量および分子量分布を示すアクリル重合体
(A−5)上記のTERP法による合成例により製造した、表2に示す重量平均分子量および分子量分布を示すアクリル重合体
(A−6),(A−7)単量体の種類および質量割合が(A−1)と同じで、フリーラジカル重合法にて作製した表2に示す重量平均分子量および分子量分布を示すアクリル重合体
(B)エポキシ系熱硬化性化合物;ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製エピコート828、エポキシ当量189g/eq)
(C)熱硬化剤;ノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子株式会社製ショウノールBRG-556、フェノール性水酸基当量104g/eq)
(D)架橋剤;芳香族性ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製コロネートL)
(E)硬化促進剤;イミダゾール(四国化成工業株式会社製キュアゾール2PHZ)
(H)カップリング剤;シランカップリング剤(三菱化学株式会社製MKCシリケートMSEP2)
(I-1)無機充填剤;日産化学社製 シリカゾルMEK-ST
(I-2)無機充填剤;日産化学社製 MEK-AC-4101
接着剤組成物を構成する各成分を下記に示す。
(A)アクリル重合体:
(A−1)〜(A−3)上記の合成例により製造した、表2に示す重量平均分子量および分子量分布を示すアクリル重合体
(A−4)単量体の種類および質量割合が(A−1)と同じで、フリーラジカル重合法にて作製した表2に示す重量平均分子量および分子量分布を示すアクリル重合体
(A−5)上記のTERP法による合成例により製造した、表2に示す重量平均分子量および分子量分布を示すアクリル重合体
(A−6),(A−7)単量体の種類および質量割合が(A−1)と同じで、フリーラジカル重合法にて作製した表2に示す重量平均分子量および分子量分布を示すアクリル重合体
(B)エポキシ系熱硬化性化合物;ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製エピコート828、エポキシ当量189g/eq)
(C)熱硬化剤;ノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子株式会社製ショウノールBRG-556、フェノール性水酸基当量104g/eq)
(D)架橋剤;芳香族性ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製コロネートL)
(E)硬化促進剤;イミダゾール(四国化成工業株式会社製キュアゾール2PHZ)
(H)カップリング剤;シランカップリング剤(三菱化学株式会社製MKCシリケートMSEP2)
(I-1)無機充填剤;日産化学社製 シリカゾルMEK-ST
(I-2)無機充填剤;日産化学社製 MEK-AC-4101
Claims (8)
- 有機テルル含有化合物を重合開始剤として用いるリビングラジカル重合法により、アクリル系モノマーを重合して得られる重量平均分子量(Mw)が35万以上のアクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)および熱硬化剤(C)を含む接着剤組成物。
- さらに架橋剤(D)を含有し、アクリル重合体(A)が該架橋剤と反応する官能基を有する請求項1に記載の接着剤組成物。
- 架橋剤(D)がイソシネート基を含有し、アクリル重合体(A)が水酸基を含有する請求項2に記載の接着剤組成物。
- アクリル重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が90万以下である請求項1〜3の何れかに記載の接着剤組成物。
- アクリル重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)が3以下である請求項1〜4の何れかに記載の接着剤組成物。
- 請求項1〜5の何れかに記載の接着剤組成物からなる単層接着フィルム。
- 請求項1〜5の何れかに記載の接着剤組成物からなる接着剤層が、支持体上に形成されてなる接着シート。
- 請求項7に記載の接着シートの接着剤層に半導体ウエハを貼付し、前記半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、前記半導体チップに接着剤層を固着残存させて支持体から剥離し、前記半導体チップをダイパッド部上または他の半導体チップ上に前記接着剤層を介して接着する工程を含む半導体装置の製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013161694 | 2013-08-02 | ||
JP2013161694 | 2013-08-02 | ||
PCT/JP2014/070364 WO2015016352A1 (ja) | 2013-08-02 | 2014-08-01 | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2015016352A6 true JPWO2015016352A6 (ja) | 2017-03-02 |
JPWO2015016352A1 JPWO2015016352A1 (ja) | 2017-03-02 |
JP6340004B2 JP6340004B2 (ja) | 2018-06-06 |
Family
ID=52431875
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015529629A Active JP6340004B2 (ja) | 2013-08-02 | 2014-08-01 | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US10131824B2 (ja) |
JP (1) | JP6340004B2 (ja) |
KR (2) | KR102255547B1 (ja) |
CN (1) | CN105358647B (ja) |
SG (1) | SG11201600430WA (ja) |
TW (1) | TWI654267B (ja) |
WO (1) | WO2015016352A1 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI572886B (zh) * | 2015-09-02 | 2017-03-01 | 巴川製紙所股份有限公司 | 保護膜、膜積層體及偏光板 |
JP2017090718A (ja) * | 2015-11-11 | 2017-05-25 | 旭化成株式会社 | ペリクル |
JP6725674B2 (ja) * | 2016-09-30 | 2020-07-22 | 日東電工株式会社 | 光学用粘着剤層、光学用粘着剤層の製造方法、粘着剤層付光学フィルム、及び、画像表示装置 |
JP6813031B2 (ja) * | 2016-12-22 | 2021-01-13 | 日本ゼオン株式会社 | アクリルゴム、アクリルゴム組成物、アクリルゴム架橋物、及びアクリルゴムの製造方法 |
JP6963024B2 (ja) * | 2017-10-27 | 2021-11-05 | リンテック株式会社 | 保護膜形成用フィルム、保護膜形成用複合シート、及び半導体チップの製造方法 |
WO2019150433A1 (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | 日立化成株式会社 | 熱硬化性樹脂組成物、フィルム状接着剤、接着シート、及び半導体装置の製造方法 |
JP2022033064A (ja) * | 2018-12-19 | 2022-02-28 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | フィルム状接着剤、接着シート、並びに半導体装置及びその製造方法 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3572653B2 (ja) * | 1994-02-03 | 2004-10-06 | 住友電気工業株式会社 | フレキシブル印刷配線板用接着剤組成物 |
TWI299748B (en) | 2000-02-15 | 2008-08-11 | Hitachi Chemical Co Ltd | Adhesive composition, its manufacturing method, and adhesive film, substrate for carrying a semiconductor device and semiconductor device using such adhesive composition |
CN101421312B (zh) * | 2006-04-14 | 2011-02-09 | 大塚化学株式会社 | 树脂组合物和耐热性压敏粘合剂 |
JP5213313B2 (ja) * | 2006-05-23 | 2013-06-19 | リンテック株式会社 | 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法 |
JP5083556B2 (ja) * | 2007-06-21 | 2012-11-28 | 東亞合成株式会社 | リビングラジカル重合開始剤及び重合体の製造方法 |
JP5500787B2 (ja) * | 2008-06-03 | 2014-05-21 | リンテック株式会社 | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 |
JP5627961B2 (ja) * | 2009-09-07 | 2014-11-19 | リンテック株式会社 | 保護フィルム及び保護フィルムの製造方法 |
CN104483721B (zh) * | 2011-12-02 | 2016-09-07 | 夏普株式会社 | 层叠体 |
SG11201509299SA (en) * | 2013-05-28 | 2015-12-30 | Lintec Corp | Adhesive composition, adhesive sheet, and production method ofsemiconductor device |
-
2014
- 2014-08-01 US US14/906,284 patent/US10131824B2/en active Active
- 2014-08-01 SG SG11201600430WA patent/SG11201600430WA/en unknown
- 2014-08-01 WO PCT/JP2014/070364 patent/WO2015016352A1/ja active Application Filing
- 2014-08-01 JP JP2015529629A patent/JP6340004B2/ja active Active
- 2014-08-01 KR KR1020167002602A patent/KR102255547B1/ko active IP Right Grant
- 2014-08-01 TW TW103126350A patent/TWI654267B/zh active
- 2014-08-01 KR KR1020217014613A patent/KR102346224B1/ko active IP Right Grant
- 2014-08-01 CN CN201480037865.3A patent/CN105358647B/zh active Active
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6340004B2 (ja) | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
KR101492629B1 (ko) | 점접착제 조성물, 점접착 시트 및 반도체장치의 제조방법 | |
JP5917215B2 (ja) | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JPWO2015016352A6 (ja) | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
TWI669363B (zh) | Reagent composition, adhesive sheet, and method of manufacturing semiconductor device | |
JP5774322B2 (ja) | 半導体用接着剤組成物、半導体用接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP5005258B2 (ja) | 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP6833083B2 (ja) | フィルム状接着剤、接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
KR101483308B1 (ko) | 점접착제 조성물, 점접착 시트 및 반도체장치의 제조방법 | |
JP2012167174A (ja) | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP2008231366A (ja) | 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP5237647B2 (ja) | 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP5005325B2 (ja) | 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP5662810B2 (ja) | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP5513734B2 (ja) | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
WO2013157567A1 (ja) | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP5414256B2 (ja) | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP2010189484A (ja) | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP5234594B2 (ja) | 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP5500787B2 (ja) | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP5426831B2 (ja) | 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP2009227892A (ja) | 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
JP5877858B2 (ja) | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 |