JPWO2015015770A1 - 制御装置、電力管理システム及び蓄電装置管理方法 - Google Patents

制御装置、電力管理システム及び蓄電装置管理方法 Download PDF

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Abstract

蓄電装置が接続された場合の蓄電容量の内訳を正確に管理すること。制御装置(52C)は、複数の電力供給源(611〜613)から供給された電力が蓄電された蓄電装置(63)と、蓄電装置(63)と接続し得る複数の接続装置(621、622)とを、通信網(51)を介して制御する制御装置であって、蓄電装置(63)に蓄電された電力量である蓄電容量のうち各電力供給源(611〜613)のそれぞれから供給された電力量と供給元である電力供給源と蓄電装置(63)とを対応付けた内訳情報を取得し、蓄電装置(63)が複数の接続装置(621、622)のいずれかに接続された時に、取得された内訳情報のうち当該接続された蓄電装置(63)に対応する内訳情報を特定し、当該読み出した内訳情報を出力する。

Description

本発明は、制御装置、電力管理システム、蓄電装置管理方法及び蓄電装置管理プログラムに関し、特に、入出力電力を任意の値に制御可能であり、受電電力の電力供給源の内訳を識別可能な制御装置、電力管理システム、蓄電装置管理方法及び蓄電装置管理プログラムに関する。
電力供給システムを構築するにあたっては、電力送電網をさらに安定的に拡張していくことはもちろん、今後は大量の自然エネルギーを導入できるシステムにすることも大事な課題となってきている。そこで、新たな電力網としてデジタルグリッド(登録商標)という電力ネットワークシステムが提案されている(特許文献1:特許4783453号、非特許文献1:デジタルグリッドコンソーシアムのウェブサイト参照、http://www.digitalgrid.org/)。デジタルグリッド(登録商標)とは、電力網を小規模なセルに細分化し、それらを非同期に相互接続した電力ネットワークシステムである。各電力セルは、小さなものとしては一つの家やビル、商業施設であり、大きなものとしては県や市町村といった規模になる。各電力セルは、その中に負荷を有することはもちろん、発電設備や電力貯蔵設備を有する場合もある。発電設備としては、太陽光発電や風力発電、地熱発電などの自然エネルギーを利用する発電設備が例として挙げられる。
各電力セルの内部で自由に発電したり、さらに、電力セル間でスムースに電力を融通し合うようにしたりするため、電力セル同士は非同期で接続されている。(すなわち、複数の電力セルが相互に接続されているとしても、それぞれの電力セルで使用される電力の電圧、位相および周波数は他の電力セルとは非同期である。)
図52に電力ネットワークシステム10の例を示す。図52において、基幹系統11は大規模発電所12からの基幹電力を送電する。そして、複数の電力セル21−24が配置されている。各電力セル21−24は、家31やビル32などの負荷や、発電設備33、34や、電力貯蔵設備35、を有している。発電設備としては、太陽光発電パネル33や風力発電機34などが例として挙げられる。電力貯蔵設備とは蓄電池35などのことである。本明細書では、発電設備と電力貯蔵設備とを総称して、分散型電源ということがある。
さらに、各電力セル21−24は、他の電力セルや基幹系統11と接続されるための接続口(接続ポート)となる電力ルータ41−44を備えている。電力ルータ41−44は複数のレグ(LEG)を有している。(紙幅の都合上、図52中ではレグの符号を省略した。電力ルータ41−44に付属している白丸が各レグの接続端子であると解釈してほしい。)
ここで、レグとは、接続端子と電力変換部とを有しており、各レグにはアドレスが付されている。なお、レグによる電力変換とは、交流から直流へまたは直流から交流への変換や、電力の電圧、周波数、位相を変化させることをいう。
すべての電力ルータ41−44は通信網51によって管理サーバ50に繋がっており、管理サーバ50によってすべての電力ルータ41−44は統合的に運用制御される。例えば、管理サーバ50は各電力ルータ41−44に対し、各レグに付されたアドレスを用いてレグごとに電力の送電または受電を指示する。これにより、電力ルータ41−44を介し、電力セル間での電力融通が行われる。
電力セル間での電力融通が実現することにより、例えば、一つの発電設備33、34や一つの電力貯蔵設備35を複数の電力セルで共有することができるようになる。電力セル間で互いに余剰電力を融通し合うようになれば、設備コストを大幅に削減しながらも電力需給バランスを安定的に保つことができるようになる。
また、特許文献2には、複数の電力供給源から蓄電池に供給された蓄積電力量について、電力供給源ごとの内訳を管理する技術が開示されている。特に、特許文献2にかかる放出電力管理部は、蓄電池から出力部を介して電力が放出された場合に、蓄積電力量における電力供給源毎の割合で放出されたものとする。
特許第4783453号公報 特開2012−95397号公報
デジタルグリッドコンソーシアム、[平成25年6月11日検索]、インターネット<URL:http://www.digitalgrid.org/>
電力ルータによって複数の電力セルを非同期に接続できればその利点は非常に大きいものであるので、早期に電力ルータを実用化することが期待されている。
ところで、特許文献2では、蓄電池が電力供給源と接続された状態で電力が消費された場合について蓄積電力量(蓄電容量)を管理するものである。しかしながら、特許文献2では、電力管理装置から蓄電池が取り外された場合について考慮されていない。そのため、蓄電池が電力供給源から取り外され、電力供給源に再接続された場合の蓄積電力量の内訳を正確に管理することができないおそれがあるという問題点がある。
例えば、複数の接続箇所がある場合に、ある接続箇所に接続されて充電された蓄電池が、一旦取り外され、他の接続箇所に再接続された場合があり得る。この場合、蓄電池の蓄積電力量を新たな接続箇所へハンドオーバー(引き継ぎ)して管理する必要がある。また、取り外された間に蓄積電力が自然放電、消費又は充電される可能性がある。その場合、再接続された場合に蓄積電力量の内訳も何らかの基準で更新する必要がある。
尚、1乃至複数の蓄電池を含み、電力を蓄電する機能を有する蓄電装置においては、全体の蓄積電力量の内訳を正確に管理することがより重要である。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、蓄電装置が接続された場合の蓄電容量の内訳を正確に管理するための制御装置、電力管理システム、蓄電装置管理方法及び蓄電装置管理プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる制御装置は、
複数の電力供給源から供給された電力が蓄電された蓄電装置と、当該蓄電装置と接続し得る複数の接続装置とを、通信網を介して制御する制御装置であって、
前記蓄電装置に蓄電された電力量である蓄電容量のうち、前記電力供給源のそれぞれから供給された電力量と、当該電力量の供給元である電力供給源と、当該蓄電装置と、を対応付けた内訳情報を取得し、
前記蓄電装置が前記複数の接続装置のいずれかに接続された際に、前記取得された前記内訳情報のうち、当該接続された蓄電装置に対応する前記内訳情報を出力する
ことを特徴とする。
本発明の第2の態様にかかる電力管理システムは、
複数の電力供給源から供給された電力が蓄電された蓄電装置と、
当該蓄電装置と接続し得る複数の接続装置と、
前記蓄電装置と前記複数の接続装置とを、通信網を介して制御する制御装置と、
を備える電力管理システムであって、
前記制御装置は、
前記蓄電装置に蓄電された電力量の総量である蓄電容量のうち、前記電力供給源のそれぞれから供給された電力量と、当該電力量の供給元である電力供給源と、当該蓄電装置と、を対応付けた内訳情報を取得し、
前記蓄電装置が前記複数の接続装置のいずれかに接続された際に、前記取得された前記内訳情報のうち、当該接続された蓄電装置に対応する前記内訳情報を特定し、
当該特定した内訳情報を出力する。
本発明の第3の態様にかかる蓄電装置管理方法は、
複数の電力供給源から供給された電力が蓄電された蓄電装置と、当該蓄電装置と接続し得る複数の接続装置とを、通信網を介して制御する制御装置を用いた蓄電装置管理方法であって、
前記制御装置が、
前記蓄電装置に蓄電された電力量の総量である蓄電容量のうち前記電力供給源のそれぞれから供給された電力量と、当該電力量の供給元である電力供給源と、当該蓄電装置とを対応付けた内訳情報を取得し、
前記蓄電装置が前記複数の接続装置のいずれかに接続されたことを検出し、
前記取得された前記内訳情報のうち、当該接続された蓄電装置に対応する前記内訳情報を特定し、
当該特定した内訳情報を出力する。
本発明の第4の態様にかかる蓄電装置管理プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体は、
複数の電力供給源から供給された電力が蓄電された蓄電装置と、当該蓄電装置と接続し得る複数の接続装置とを、通信網を介して接続されたコンピュータに蓄電装置の管理処理を実行させる蓄電装置管理プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記蓄電装置に蓄電された電力量の総量である蓄電容量のうち、前記電力供給源のそれぞれから供給された電力量と、当該電力量の供給元である電力供給源と、当該蓄電装置とを対応付けた内訳情報を取得する処理と、
前記蓄電装置が前記複数の接続装置のいずれかに接続されたことを検出する処理と、
前記取得された前記内訳情報のうち、当該接続された蓄電装置に対応する前記内訳情報を特定する処理と、
当該特定した内訳情報を出力する処理と、
を前記コンピュータに実行させる。
本発明により、蓄電装置が接続された場合の蓄電容量の内訳を正確に管理するための制御装置、電力管理システム、蓄電装置管理方法及び蓄電装置管理プログラムを提供することができる。
本発明の各実施の形態にかかる電力ルータの概略構成を示すブロック図である。 本発明の各実施の形態にかかる電力ルータの内部構成を詳しく示すブロック図である。 電力ルータを基幹系統、負荷および各種分散型電源に接続した一例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、可能な組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、可能な組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを利用した接続例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、組み合わせのパターンをまとめた図である。 4つの電力ルータを相互に接続した場合の一例を挙げる。 複数の電力ルータをバス接続した様子の一例を示す図である。 電力ルータ間に基幹系統が介在した接続形態の一例を示す図である。 電力識別手法の例1にかかる電力ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。 電力識別手法の例1にかかる中央制御装置の構成を示すブロック図である。 電力識別手法の例1にかかる電力送電の例を示す図である。 電力識別手法の例1にかかる電力送電処理のシーケンス図である。 電力識別手法の例1にかかる入出力端子設定管理表の例を示す図である。 電力識別手法の例1にかかる送電経路情報の例を示す図である。 電力識別手法の例1にかかる測定タグの例を示す図である。 電力識別手法の例1にかかる電力タグの例を示す図である。 電力識別手法の例1にかかる電力タグ生成処理の流れを示すフローチャートである。 電力識別手法の例1にかかる電力情報の構成例を示す図である。 電力識別手法の例1にかかる電力情報生成処理の流れを示すフローチャートである。 電力識別手法の例2にかかる電力ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。 電力識別手法の例2にかかる中央制御装置の構成を示すブロック図である。 電力識別手法の例2にかかる入力電力と出力電力の対応付けの例を示す図である。 電力識別手法の例2にかかる入力電力と出力電力の対応付けの例を示す図である。 電力識別手法の例2にかかる電力融通の例を示す図である。 電力識別手法の例2にかかる送受電取引契約情報管理表の例を示す図である。 電力識別手法の例2にかかる入出力端子設定管理表の例を示す図である。 電力識別手法の例2にかかる送受電契約情報と入出力端子設定との対応表の例を示す図である。 電力識別手法の例2にかかる送電経路情報の例を示す図である。 電力識別手法の例2にかかる測定タグの例を示す図である。 電力識別手法の例2にかかる電力タグ生成処理の流れを示すフローチャートである。 電力識別手法の例2にかかる内訳情報の例を示す図である。 電力識別手法の例2にかかる内訳情報の算出例を示す図である。 電力識別手法の例2にかかる電力タグの例を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力管理システムの全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかる制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかる蓄電装置の蓄電容量の内訳情報のハンドオーバー処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2にかかる電力ネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2にかかるテーブルの関係を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる蓄電容量の内訳情報のハンドオーバー処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2にかかる蓄電容量の内訳情報の補正処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2にかかる蓄電容量の内訳情報の更新の例を示す図である。 電力ネットワークシステムのシステム概要を説明するための図である。
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
まず、本発明の各実施の形態に共通する電力ルータの構成について説明する。
図1は、電力ルータ100の概略構成を示す図である。
また、図2は、電力ルータ100の内部構成をやや詳しく示す図である。
電力ルータ100は、概略、直流母線101と、複数のレグ110−160と、制御部190と、を備えている。
電力ルータ100は直流母線101を有し、この直流母線101に複数のレグ110−160が並列に接続されている。直流母線101は直流電力を流すためのものであり、直流母線101の電圧が所定の一定を保つようにコントロールされる。
(直流母線101の電圧がどのようにして一定に保たれるのかは後述する。)
各レグ110−160を介して電力ルータ100は外部に繋がるのであるが、外部とやり取りする電力を一旦総て直流に変換して直流母線101にのせる。このように一旦直流を介することにより、周波数や電圧、位相の違いが無関係になり、電力セル同士を非同期で接続することができるようになる。ここでは、直流母線101は、図2に示すように、平滑コンデンサ102を有する並列型であるとする。直流母線101には電圧センサ103が接続されており、この電圧センサ103によって検出された直流母線101の電圧値は制御部190に送られる。
次に、レグ110−160について説明する。複数のレグ110−160が直流母線に対して並列に設けられている。図1においては、6つのレグ110−160を示した。6つのレグ110−160を、図1に示すように、第1レグ110、第2レグ120・・・第6レグ160とする。なお、図1では、紙幅の都合上、第1レグ110はレグ1と示し、第2レグ120はレグ2のように示している。また、図2においては、第3レグ130、第4レグ140、第5レグ150及び第6レグ160を省略している。
第1レグ110から第5レグ150は同じ構成であるのに対し、第6レグ160は電力変換部を有していないという点で第1から第5レグ110−150と異なっている。まずは、第1レグ110から第5レグ150の構成について説明する。第1レグ110から第5レグ150は同じ構成であるので、代表して第1レグ110の構成を説明する。第1レグ110は、電力変換部111と、電流センサ112と、開閉器113と、電圧センサ114と、接続端子115と、を備えている。電力変換部111は、交流電力を直流電力に、あるいは、直流電力を交流電力に変換する。直流母線101には直流電力が流れているので、電力変換部111は、直流母線101の直流電力を定められた周波数および電圧の交流電力に変換して、接続端子115から外部に流す。あるいは、電力変換部111は、接続端子115から流入する交流電力を直流電力に変換して、直流母線101に流す。
電力変換部111は、インバータ回路の構成を有する。具体的には、図2に示すように、電力変換部111は、トランジスタQ1〜Q6及びダイオードD1〜D6を有する。トランジスタQ1〜Q3の一端は、高電位側電源線に接続される。トランジスタQ1〜Q3の他端は、それぞれトランジスタQ4〜Q6の一端と接続される。トランジスタQ4〜Q6の他端は、低電位側電源線に接続される。トランジスタQ1〜Q6の高電位側端子には、それぞれダイオードD1〜D6のカソードが接続される。トランジスタQ1〜Q6の低電位側端子には、それぞれダイオードD1〜D6のアノードが接続される。
トランジスタQ1とトランジスタQ4との間のノード、トランジスタQ2とトランジスタQ5との間のノード、トランジスタQ3とトランジスタQ6との間のノードのそれぞれからは、たとえばトランジスタQ1〜Q6のオン/オフのタイミングを適宜制御することで、3相交流の各相が出力される。
以上のように、電力変換部111は、トランジスタとダイオードとで構成される6つの逆並列回路を3相ブリッジ接続した構成を有している。トランジスタQ1とトランジスタQ4との間のノード、トランジスタQ2とトランジスタQ5との間のノード、トランジスタQ3とトランジスタQ6との間のノードから引き出され、これらのノードと接続端子とを結ぶ配線を支線BLと称する。三相交流であるので、一のレグは三つの支線BLを有する。
ここでは、三相交流を使用しているので三相インバータ回路としたが、場合によっては単相インバータ回路としてもよい。また、トランジスタQ1〜Q6は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの、各種の能動式電力変換素子を用いることができる。
電力の向きや交流電力の周波数等は制御部190によって制御される。すなわち、トランジスタQ1〜Q6のスイッチングは、制御部190によって制御される。制御部190による運転制御は後述する。
電力変換部111と接続端子115との間には開閉器113が配設されている。この開閉器113の開閉によって、支線BLが開閉され、すなわち、外部と直流母線101とが遮断されたり、接続されたりする。また、支線BLの電圧は電圧センサ114によって検出され、支線BLを流れる電流の電流値は電流センサ112で検出される。開閉器113の開閉動作は制御部190によって制御され、電圧センサ114および電流センサ112による検出値は制御部190に出力される。
上記説明では、電力変換部をインバータ回路とし、レグの接続相手は交流を使用するとしたが、レグの接続相手が蓄電池35のような直流を使用するものである場合もある。(例えば図1中の第3レグ130は蓄電池35に接続している。)
この場合の電力変換とは、DC−DC変換ということになる。したがって、電力変換部にインバータ回路とコンバータ回路とを並列に設け、接続相手が交流か直流かに応じてインバータ回路とコンバータ回路と使い分けるようにしてもよい。あるいは、電力変換部がDC−DC変換部であるDC−DC変換専用のレグを設けるようにしてもよい。すべてのレグのなかにインバータ回路とコンバータ回路とを並列に設けるよりは、AC−DC変換専用のレグとDC−DC変換専用のレグとを併せ持つ電力ルータとする方がサイズやコスト面で有利な点も多々ある。
第1レグ110から第5レグ150の構成は以上の通りである。
次に、第6レグ160について説明する。第6レグ160には、電力変換部がなく、すなわち、第6レグ160の接続端子165は、直流母線101に繋がっているわけではない。第6レグ160は、第5レグ150の支線BLに接続されているのである。第6レグ160の内部配線についても、支線BLと称することとする。第6レグ160の支線BLは、第5レグ150に対し、第5レグ150の接続端子155と開閉器153との間に接続されている。
第6レグ160は、開閉器163と、電圧センサ164と、電流センサ162と、接続端子165と、を備える。第6レグ160の支線BLは、開閉器163を介して、第5レグ150の支線BLに繋がっている。すなわち、第6レグ160の接続端子165が第5レグ150の接続端子155に接続されている。第6レグ160の接続端子165と第5レグ150の接続端子155との間には開閉器163があるだけで、第6レグ160は電力変換器を持たないので、第6レグ160の接続端子165と第5レグ150の接続端子155との間では何等の変換も受けずに電力が導通することになる。そこで、第6レグ160のように電力変換器を持たないレグのことをACスルーレグと称することがある。
電流センサ162および電圧センサ164は、支線BLの電流値および電圧値を検出し、制御部190に出力する。開閉器163の開閉動作は制御部190で制御される。
(レグの運転モードについて)
第1レグ110から第5レグ150は電力変換器111−151を有しており、電力変換器内のトランジスタQ1〜Q6は制御部190によってそのスイッチング動作を制御されるものであることは既に述べた。
ここで、電力ルータ100は、電力ネットワーク10のノードにあって、基幹系統11、負荷30、分散型電源および電力セルなどを互いに結びつける重要な役割を持つ。このとき、各レグ110−160の接続端子115−165がそれぞれ基幹系統11や負荷30、分散型電源、他の電力セルの電力ルータに接続されるわけである。本発明者らは、接続相手によって各レグ110−160の役割は異なるものであり、各レグ110−160が役割に応じた適切な運転を行わなければ電力ルータが成り立たないことに気付いた。本発明者らは、レグの構造自体は同じであるが、接続相手によってレグの運転の仕方を変えるようにした。
レグの運転の仕方を、運転モードと称する。
本発明者らは、レグの運転モードとして3種類を用意しておき、接続相手によってモードを切り換えるようにした。
レグの運転モードとしては、
マスターモードと、
自立モードと、
指定電力送受電モードと、がある。
以下、順番に説明する。
(マスターモード)
マスターモードとは、系統など安定した電力供給源に接続される場合の運転モードであり、直流母線101の電圧を維持するための運転モードである。図1では、第1レグ110の接続端子115が基幹系統11に接続されている例を示している。図1の場合、第1レグ110は、マスターモードとして運転制御され、直流母線101の電圧を維持する役目を担うことになる。直流母線101には他の多くのレグ120−150が接続されているところ、レグ120−150から直流母線101に電力が流入することもあれば、レグ120−150から電力が流出することもある。マスターモードとなるレグ110は、直流母線101から電力が流出して直流母線101の電圧が定格から下がった場合、流出で不足した電力分を接続相手(ここでは基幹系統11)から補てんする。または、直流母線101に電力が流入して直流母線101の電圧が定格から上がった場合、流入で過剰になった電力分を接続相手(ここでは基幹系統11)に逃がす。このようにして、マスターモードとなるレグ110は、直流母線101の電圧を維持するのである。
したがって、一の電力ルータにおいて、少なくとも一つのレグはマスターモードとして運転されなければならない。さもなくば、直流母線101の電圧が一定に維持されなくなるからである。逆に、一の電力ルータにおいて二つ以上のレグがマスターモードで運転されてもよいが、やはり、マスターモードのレグは一つの電力ルータには一つであった方がよい。
また、マスターモードとなるレグは、基幹系統の他、例えば、自励式インバータを搭載する分散型電源(蓄電池も含む)に接続してもよい。ただし、他励式インバータを搭載する分散型電源とマスターモードとなるレグとは接続できない。
以下の説明において、マスターモードで運転されるレグのことを、マスターレグということがある。
マスターレグの運転制御について説明する。
マスターレグを起動させる際には次のようにする。
まず、開閉器113を開(遮断)状態にしておく。この状態で接続端子115を接続相手に繋ぐ。ここでは、接続相手は基幹系統11である。
電圧センサ114によって接続先の系統の電圧を測定し、PLL(Phase−Locked−Loop)などを用いて系統の電圧の振幅、周波数および位相を求める。その後、求めた振幅、周波数および位相の電圧が電力変換部111から出力されるように、電力変換部111の出力を調整する。すなわち、トランジスタQ1〜Q6のオン/オフパターンを決定する。この出力が安定するようになったら、開閉器113を投入し、電力変換部111と基幹系統11とを接続する。この時点では、電力変換部111の出力と基幹系統11の電圧とが同期しているため、電流は流れない。
マスターレグを運用する時の運転制御を説明する。
直流母線101の電圧を電圧センサ103によって測定する。直流母線101の電圧が所定の定格母線電圧を上回っていたら、マスターレグ110から系統に向けて送電が行われるように、電力変換部111を制御する。(電力変換部111から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整して、マスターレグ110を介して直流母線101から基幹系統11に向けて送電が行われるようにする。)なお、直流母線101の定格電圧は、予め設定によって定められているものである。
一方、直流母線101の電圧が所定の定格母線電圧より下回っていたら、このマスターレグ110が基幹系統11から受電できるように、電力変換部111を制御する。(電力変換部111から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整して、マスターレグ110を介して基幹系統11から直流母線101に送電が行われるようにする。)このようなマスターレグの運転が行われることにより、直流母線101の電圧が予め定められた定格を維持できるようになることが理解されるであろう。
(自立モード)
自立モードとは、管理サーバ50から指定された振幅・周波数の電圧を自ら作り出し、接続相手との間で送受電する運転モードである。
例えば負荷30などの電力を消費するものに向けて電力を供給するための運転モードとなる。あるいは、接続相手から送電されてくる電力をそのまま受け取るための運転モードとなる。
図1では、第2レグ120の接続端子125が負荷30に接続されている例を示している。第2レグ120が自立モードとして運転制御され、負荷30に電力を供給することになる。
また、第4レグ140や第5レグ150のように他の電力ルータと接続される場合に、他の電力ルータから要求される電力分を送電するためのモードとして第4レグ140や第5レグ150を自立モードで運転する場合もある。
または、第4レグ140や第5レグ150のように他の電力ルータと接続される場合に、他の電力ルータから送電されてくる電力を受電するためのモードとして第4レグ140や第5レグ150を自立モードで運転する場合もある。
また、図に示していないが、負荷30に代えて、第2レグを発電設備に接続する場合も第2レグを自立モードで運転することもできる。ただし、この場合には発電設備に他励式インバータを搭載するようにする。
電力ルータ同士を接続する場合の運転モードについては後述する。
自立モードで運転されるレグを自立レグと称することにする。一つの電力ルータにおいて、自立レグは複数あってもよい。
自立レグの運転制御について説明する。
まず開閉器123を開(遮断)にしておく。接続端子125を負荷30に接続する。管理サーバ50から電力ルータ100に対し、負荷30に供給すべき電力(電圧)の振幅および周波数が指示される。そこで、制御部190は、指示された振幅および周波数の電力(電圧)が電力変換部121から負荷30に向けて出力されるようにする。(すなわち、トランジスタQ1〜Q6のオン/オフパターンを決定する。)この出力が安定するようになったら、開閉器123を投入し、電力変換部121と負荷30とを接続する。あとは、負荷30で電力が消費されれば、その分の電力が自立レグ120から負荷30に流れ出すようになる。
(指定電力送受電モード)
指定電力送受電モードとは、指定によって定められた分の電力をやり取りするための運転モードである。すなわち、接続相手に指定電力を送電する場合と、接続相手から指定電力を受電する場合と、がある。
図1では、第4レグ140および第5レグ150が他の電力ルータと接続されている。
このような場合に、決まった分の電力を一方から他方へ融通するようなことが行われる。
または、第3レグ130は蓄電池35に接続されている。
このような場合に、決まった分の電力を蓄電池35に向けて送電して、蓄電池35を充電するというようなことが行われる。
また、自励式インバータを搭載する分散型電源(蓄電池も含む)と指定電力送受電レグとを接続してもよい。ただし、他励式インバータを搭載する分散型電源と指定電力送受電レグとは接続できない。
指定電力送受電モードで運転されるレグを指定電力送受電レグと称する。一つの電力ルータにおいて、指定電力送受電レグは複数あってもよい。
指定電力送受電レグの運転制御について説明する。起動時の制御についてはマスターレグと基本的に同じであるので、割愛する。
指定電力送受電レグを運用する時の運転制御を説明する。
(説明には、第5レグ150に付した符号を使用する。)
電圧センサ154によって接続相手の系統の電圧を測定し、PLL(Phase−Locked−Loop)などを用いて接続相手の電圧の周波数・位相を求める。管理サーバ50から指定された有効電力値および無効電力値と、接続相手の電圧の周波数および位相と、に基づいて、電力変換器151が入出力する電流の目標値を求める。電流センサ152によって電流の現在値を測定する。目標値と現在値との差分に相当する電流が追加で出力されるように、電力変換器151を調整する。(電力変換部151から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整して、指定電力送受電レグと接続相手との間で所望の電力が流れるようにする。)
以上の説明により、同じ構成である第1レグから第5レグが運転制御の仕方によって3パターンの役割を果たせることが理解されるであろう。
(接続制約)
運転モードの違いによってレグの働きが違ってくるので、接続相手の選択と運転モードの選択との間には自ずと制約が発生する。すなわち、接続相手が決まれば選択できる運転モードが決まり、逆に、運転モードが決まれば選択できる接続相手が決まる。(接続相手が変われば、それに合わせてレグの運転モードを変更する必要がある。)
可能な接続組み合わせのパターンを説明する。
以後の説明にあたって、図中の表記を図3のように簡略化する。
すなわち、マスターレグをMで表す。
自立レグをSで表す。
指定電力送受電レグをDで表す。
ACスルーレグをACで表す。
また、必要に応じてレグの肩に「#1」のように番号を付してレグを区別することがある。
また、図3以降では、図面ごとに系統立てた符号を付すが、必ずしも図面を跨がって同じ要素に同じ符号を付しているわけではない。
例えば、図3の符号200と図4の符号200とが全く同じものを指しているわけではない。
図3に示した接続組み合わせはいずれも可能な接続である。第1レグ210がマスターレグとして基幹系統11に接続されている。これは既に説明した通りである。
第2レグ220が自立レグとして負荷30に接続されている。これも既に説明した通りである。
第3レグ230および第4レグ240が指定電力送受電レグとして蓄電池35に接続されている。これも既に説明した通りである。
第5レグ250はACスルーレグである。ACスルーレグ250が他の電力ルータ300の指定電力送受電レグと繋がり、ACスルーレグ250は第4レグ240の接続端子245を介して蓄電池35に繋がっている。ACスルーレグ250は電力変換部を持たないのであるから、この接続関係は、他の電力ルータ300の指定電力送受電レグが蓄電池35に直接に繋がっていることと等価になる。このような接続が許されることは理解されるであろう。
第6レグ260は、指定電力送受電レグとして基幹系統11に繋がっている。第6レグ260を介して基幹系統11から決まった電力を受電するとすれば、このような接続が許容されるのは理解されるであろう。
なお、第1レグ210がマスターレグとなっていることの関係でいうと、第6レグ260による受電電力が直流母線201の定格維持に足りなければ、マスターレグ210は、基幹系統11から必要な電力を受電することになる。逆に、第6レグ260による受電電力が直流母線201の定格維持に必要な量を超過してしまった場合、マスターレグ210は、過剰な電力を基幹系統11に逃がすことになる。
次に、電力ルータ同士を接続する場合を説明する。電力ルータ同士を接続するということは、一の電力ルータのレグと他の電力ルータのレグとを接続するということである。レグ同士を接続する場合、組み合わせられる運転モードには制約がある。
図4および図5に示す接続の組み合わせはいずれも可能な組み合わせの例である。図4においては、第1電力ルータ100のマスターレグ110と第2電力ルータ200の自立レグ210とが接続されている。詳しく説明しないが、第2電力ルータ200のマスターレグ220は、基幹系統11に繋がり、これにより第2電力ルータ200の直流母線201の電圧が定格に維持されるものとする。
図4において、第1電力ルータ100から負荷30に対して電力供給を行うと、直流母線101の電圧が下がることになる。マスターレグ110は、直流母線101の電圧を維持するように接続相手から電力を調達する。すなわち、マスターレグ110は、足りない分の電力を第2電力ルータ200の自立レグ210から引き込むことになる。第2電力ルータ200の自立レグ210は、接続相手(ここではマスターレグ110)から要求される分の電力を送出する。第2電力ルータ200の直流母線201では、自立レグ210から電力を送出した分だけ電圧が下がることになるが、これはマスターレグ220によって基幹系統11から補てんされる。このようにして、第1電力ルータ100は、必要な分を電力を第2電力ルータ200から融通してもらえる。
このように、第1電力ルータ100のマスターレグ110と第2電力ルータ200の自立レグ210とを接続したとしても、マスターレグ110と自立レグ210とで役割が整合しているので、どちらの動作にも不都合は生じない。したがって、図4のようにマスターレグと自立レグとを接続してもよいことがわかる。
図5においては、第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310と第4電力ルータ400の自立レグ410とが接続されている。詳しく説明しないが、第3電力ルータ300のマスターレグ320と第4電力ルータ400のマスターレグ420とはそれぞれ基幹系統11に繋がっており、これにより、第3電力ルータ300および第4電力ルータ400のそれぞれの直流母線301、401は定格の電圧を維持するものとする。
ここで、管理サーバ50からの指示によって第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310は指定の電力を受電するように指示されているものとする。指定電力送受電レグ310が第4電力ルータ400の自立レグ410から指定の電力を引き込むようにする。第4電力ルータ400の自立レグ410は、接続相手(ここでは指定電力送受電レグ310)から要求される分の電力を送出する。第4電力ルータ400の直流母線401では、自立レグ410から送出した電力分だけ電圧が下がることになるが、これはマスターレグ420によって基幹系統11から補てんされる。
このように、第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310と第4電力ルータ400の自立レグ410とを接続したとしても、指定電力送受電レグ310と自立レグ410とで役割が整合するので、どちらの動作にも不都合は生じない。したがって、図5のように指定電力送受電レグと自立レグとを接続してもよいことがわかる。
なお、第3電力ルータ300が第4電力ルータ400から電力を融通してもらう場合を例に説明したが、逆に、第3電力ルータ300から第4電力ルータ400に向けて電力を融通する場合でも同じように不都合が無いことは理解されるであろう。
このようにして、第3電力ルータ300と第4電力ルータ400との間で指定電力を融通し合うことができるわけである。
電力変換部を有するレグ同士を直接に接続する場合には、図4と図5とに挙げた2パターンだけが許される。
すなわち、マスターレグと自立レグとを接続する場合と、指定電力送受電レグと自立レグとを接続する場合と、だけが許される。
次に、互いに接続できない組み合わせを挙げる。
図6から図9は、互いに接続してはいけないパターンである。
図6、図7、図8を見てわかるように、同じ運転モードのレグ同士を接続してはいけない。
例えば、図6の場合、マスターレグ同士を接続している。
マスターレグは、運転動作の説明で前述したように、接続相手の電圧、周波数および位相に同期した電力を作り出す処理をはじめに行う。
ここで、接続相手もマスターレグである場合、お互いに相手の電圧および周波数に同期しようとするが、マスターレグは電圧および周波数を自立的に確立しないため、このような同期処理は成功し得ない。
従って、マスターレグ同士を接続できないのである。
またさらに、次のような理由もある。
マスターレグは、直流母線の電圧を維持するために接続相手から電力を引き込まなければならない。(あるいは、直流母線の電圧を維持するために、過剰な電力は接続相手に逃がさなければならない。)マスターレグ同士が接続されてしまっては、互いに接続相手の要求を満たすことはできない。(仮にマスターレグ同士を接続してしまうと、両方の電力ルータで直流母線の電圧を維持できなくなる。すると、それぞれの電力セル内で停電などの不具合が発生するかもしれない。)このように、マスターレグ同士では互いの役割が衝突してしまうので(整合しないので)、マスターレグ同士を接続してはいけない。
図7では、指定電力送受電レグ同士を接続しているが、これも成り立たないことは理解できるであろう。
前記マスターレグと同じことであるが、運転動作の説明で前述したように、指定電力送受電レグも接続相手の電圧、周波数および位相に同期した電力を作り出す処理をはじめに行う。
ここで、接続相手も指定電力送受電レグである場合、お互いに相手の電圧および周波数に同期しようとするが、指定電力送受電レグは電圧および周波数を自立的に確立しないため、このような同期処理は成功し得ない。
従って、指定電力送受電レグ同士を接続できないのである。
またさらに、次のような理由もある。
仮に、一方の指定電力送受電レグ510が送電すべき指定送電電力と、他方の指定電力送受電レグ610が受電すべき指定受電電力と、を一致させたとしても、このような指定電力送受電レグ同士を接続してはいけない。例えば、一方の指定電力送受電レグ510が指定送電電力を送電しようとして電力変換部を調整するとする。(例えば、接続相手よりも所定値だけ出力電圧を高くする。)その一方、他方の指定電力送受電レグ610が指定受電電力を受電しようと電力変換部を調整する。(例えば、接続相手よりも所定値だけ出力電圧が低くなるようにする。)同時にこのような調整動作が両方の指定電力送受電レグ510、610で行われてしまっては、互いに制御不能に陥ってしまうことは理解されるであろう。
図8では、自立レグ同士を接続しているが、このような接続はしてはいけない。
自立レグは自ら電圧・周波数を作り出すものである。
仮に自立レグ同士を繋いだ状態で2つの自立レグが作り出す電圧、周波数および位相のいずれかが少しでも乖離すると、2つの自立レグの間に意図しない電力が流れてしまうことになる。
2つの自立レグが作り出す電圧、周波数および位相を完全に一致させ続けるというのは無理なのであり、したがって、自立レグ同士を接続していけない。
図9においては、マスターレグと指定電力送受電レグとを接続している。
これまでの説明から、これも成り立たないことは理解できるであろう。マスターレグ510が直流母線501の電圧を維持するように接続相手に対して電力を送受電しようとしても、指定電力送受電レグ610はマスターレグ510の要求に応じて送受電しない。したがって、マスターレグ510は直流母線501の電圧を維持できない。また、指定電力送受電レグ610が接続相手(510)に指定電力を送受電しようとしても、マスターレグ510は指定電力送受電レグ610の要求に応じて送受電しない。したがって、指定電力送受電レグ610は接続相手(ここではマスターレグ510)に指定電力を送受電することはできない。
ここまでは、電力変換部を有するレグ同士を接続する場合を考えたが、ACスルーレグを考慮にいれると、図10から図13のパターンも可能である。ACスルーレグとは、電力変換部を有していないことから、単なるバイパスである。したがって、図10や図13のように、第1電力ルータ100のマスターレグ110が第2電力ルータ200のACスルーレグ250を介して基幹系統11に繋がるというのは、マスターレグ110が基幹系統11に直結していることと本質的に変わりがない。同じように、図12や図13のように、第1電力ルータ100の指定電力送受電レグ110が第2電力ルータ200のACスルーレグ250を介して基幹系統11に繋がるというのは、指定電力送受電レグ110が基幹系統11に直結していることと本質的に変わりがない。
それでも、ACスルーというのは設けておくと便利である。例えば、図14のように、第1電力ルータ100から基幹系統11までの距離が非常に長く、第1電力ルータ100を基幹系統11に接続するためにはいくつかの電力ルータ200、300を経由しなければならないという場合が考えられる。
仮にACスルーレグが無いとすると、図4で示したように、一または複数の自立レグを経由しなければならなくなる。電力変換部をもつレグを経由すると、交流電力から直流電力への変換および直流電力から交流電力への変換を経由することになる。電力変換にはやはり数%とはいえどもエネルギーロスが発生するので、単に基幹系統に接続するためだけに複数回の電力変換を必要とするのは効率が悪い。
したがって、電力ルータに電力変換部を有さないACスルーレグを設けておくことには意味があるのである。
ここまでに説明したことを図15にまとめた。また、図16に、4つの電力ルータ100−400を相互に接続した場合の一例を挙げる。いずれの接続関係もこれまでの説明中に登場したので、一つ一つの接続先を細かく説明することはしないが、いずれも許容される接続関係であることは理解されるであろう。
ここで、電力ルータと接続相手とを繋ぐ接続線について補足しておく。
電力ルータ同士を繋ぐ接続線を送電線と称するとすると、送電線は基幹系統の一部となっていてもよいし、基幹系統から切り離されていてもよい。
(図16においては、基幹系統の一部となっている送電線に71Aの符号を付し、基幹系統から切り離された送電線に71Bの符号を付した。)
すなわち、基幹系統に対して複数の電力ルータが接続されていてもよい。このように基幹系統を介して二以上の電力ルータを接続することにより、複数の電力ルータ間で基幹系統を介した電力融通が可能となり、融通される電力の過不足を基幹系統で補填するようにもできる。その一方、基幹系統を介さないで二以上の電力ルータ同士を接続してもよい。
また、電力ルータと負荷(または分散電源)とを繋ぐ接続線を配電線72と称するとすると、配電線72は基幹系統11から切り離されたものである。すなわち、電力ルータと負荷(または分散電源)とを繋ぐ配電線72は基幹系統11に繋がらない。
また、図17に図示するように、電力ルータ100−400をバス接続のようにして接続するようにしてもよい。
各レグの運転モードについては説明を省略するが、電力融通の方向とこれまでに説明した接続制約とを考慮して適切に各レグの運転モードを選択しなければならないことはもちろんである。
なお、図17において、基幹系統11を、蓄電池や発電設備などの分散電源に代えてもよいことはもちろんである。すなわち、複数の電力ルータを分散電源にバス接続してもよい。
また、図18に示す例は、二つの電力ルータ100、200を基幹系統11に接続した接続形態の一例である。
図18において、基幹系統11を分散電源に代えてもよい。
これまで説明したように、電力ルータの接続相手としては、基幹系統、蓄電池や発電設備を含む分散電源、および、他の電力ルータが挙げられるところ、本明細書および特許請求の範囲においてこれらを電力系統と称する。
電力ルータにより、電力セル同士を非同期に相互接続した電力ネットワークシステムを構築することができる。そして、本実施形態に説明した接続制約に従うことによって、互いの役割が矛盾しないようにレグ同士を接続していくことができる。これにより、電力ネットワークシステムを拡張し、また、全体を安定的に運用することができるようになる。
このように、上述した電力ルータ100等を用いた電力ネットワークシステムでは、複数の電力供給源から供給された電力を各電力ルータ内の直流母線を介して混合することができる。そして、電力の供給先に対して、直流母線に接続するレグから電力を出力することができる。そのため、電力ルータ内で外部へ電力を出力するレグにおいて、受電する電力を単純に測定した場合には、混合された電力そのものが測定の対象となる。よって、測定値自体からは、各電力供給源から供給された電力の占める度合いを識別できない。そこで、以下では、複数の電力供給源から出力された電力が混合されて受電された場合であっても、電力供給源の内訳を識別するための電力ネットワークシステム、電力識別方法及び電力ルータ(以下、「電力識別手法」と称する)について説明する。
<電力識別手法の例1>
電力識別手法の例1では、複数の電力系統から供給された電力を、複数の電力ルータを経由して1カ所へ送電した場合における電力の内訳を識別する例を説明する。尚、電力識別手法の例1では、送電中の電力のロスを考慮しないものとする。また、以下では、上述した「レグ」を「入出力端子」又は「入出力端部」と呼ぶものとする。
図19は、電力識別手法の例1にかかる電力ネットワークシステム10Aの構成を示すブロック図である。電力ネットワークシステム10Aは、電力ルータ100Aと、電力ルータ200Aと、中央制御装置52とが通信網51を介して接続されている。電力ルータ100Aは、基幹系統11と、電力ルータ200Aとの間で送電可能に接続されている。また、電力ルータ200Aは、電力ルータ100Aと、蓄電池35と、負荷30との間で送電可能に接続されている。そのため、基幹系統11から負荷30へ電力を送電する場合、多段に接続された電力ルータ100A及び200Aを経由することとなる。電力ルータ100A及び200Aは、それぞれ異なる電力セル(不図示)に属しており、所属する電力セルを外部の電力系統に非同期に接続する。尚、基幹系統11、負荷30、蓄電池35及び通信網51は、上述したものと同等である。また、図19における電力ルータ100A又は200Aの接続先は、一例であって、これらに限定されない。
電力ルータ100Aは、直流母線101Aと、入出力端子110Aと、入出力端子120Aと、制御部190Aとを備える。入出力端子110Aは基幹系統11と接続され、入出力端子120Aは電力ルータ200Aの入出力端子210Aと接続される。また、電力ルータ200Aは、直流母線201Aと、入出力端子210Aと、入出力端子220Aと、入出力端子230Aと、制御部290Aとを備える。入出力端子210Aは入出力端子120Aと接続され、入出力端子220Aは蓄電池35と接続され、入出力端子230Aは負荷30と接続される。入出力端子110A、120A、210A、220A及び230Aは、それぞれ上述したレグに相当する構成を有していればよい。尚、電力識別手法の例1においては、入出力端子110A、210A及び220Aは、最低限、接続先から電力の入力を受け付け、直流母線101A又は201Aへ出力できるものであればよい。また、入出力端子120A及び230Aは、最低限、直流母線101A又は201Aから電力を受け付け、接続先へ出力できるものであればよい。直流母線101A及び201Aは、上記同様、所定の定格電圧に維持される。制御部190Aは、入出力端子110A及び120Aについて、運転モードを含めて各種制御を行う。同様に、制御部290Aは、入出力端子210A、220A及び230Aについて、運転モードを含めて各種制御を行う。尚、制御部190A及び290Aは、図1の制御部190の機能も有する。
図20は、電力識別手法の例1にかかる中央制御装置52の構成を示すブロック図である。中央制御装置52は、電力ルータ100A及び200B等を管理する情報処理装置である。中央制御装置52は、CPU(Central Processing Unit)521と、メモリ522と、通信部523と、ハードディスク524とを備える。
ハードディスク524は、不揮発性記憶装置である。ハードディスク524は、OS(不図示)、電力送電制御プログラム5241、入出力端子設定情報5242、送電経路情報5243、測定タグ5244及び電力タグ5245等を格納する。ここで、電力送電制御プログラム5241は、電力識別手法の例1にかかる電力タグ生成処理(例えば、後述する図27の処理)等が実装されたコンピュータプログラムである。
入出力端子設定情報5242は、ある送電元からある送電先へ所定の電力を送電する際の各入出力端子における入力又は出力の開始時間、終了時間及び有効電力等を予め設定した情報である。送電経路情報5243は、ある送電元からある送電先へ所定の電力を送電する際の各入出力端子の接続関係を定義した送電経路を設定した情報である。
測定タグ5244は、各入出力端子において測定された受電した電力についての測定値と、測定時間帯と、測定した入出力端部の識別情報とを含む情報である。測定タグ5244は、例えば、測定タグID,電力ルータID、入出力端子ID、入力/出力、測定の開始時刻、終了時刻、測定電力情報(例えば、電力[W]や電力量[kWh])等を含む。但し、これらに限定されない。
電力タグ5245は、測定タグに含まれる入出力端部に対する送電元に関する付加情報を当該測定タグに結合した情報である。電力タグ5245は、例えば、電力タグID,電力ルータID、入出力端子ID、入力/出力、日付、時間帯、送電元、内訳電力情報(例えば、電力[W]や電力量[kWh])等を含む。但し、これらに限定されない。そのため、電力タグ5245は、複数の送電元からの電力が混合されている場合には、同一の入出力端子で同一の時間帯であっても送電元ごとに生成される。
CPU521は、中央制御装置52における各種処理、メモリ522、通信部523及びハードディスク524へのアクセス等を制御する。通信部523は、電力ルータ100A及び200B等を含む外部との通信を行う。
中央制御装置52は、CPU521が、メモリ522又はハードディスク524に格納されたOS、電力送電制御プログラム5241等を読み込み、実行する。これにより、中央制御装置52は、電力タグの生成処理等を実現することができる。
ここで、以下では、電力ネットワークシステム10A内のある送電元からある送電先へ所定の電力を送電する場合における電力情報の生成について説明する。図21は、電力識別手法の例1にかかる電力送電の例を示す図である。すなわち、基幹系統11と蓄電池35とから電力を混合して負荷30へ電力を送電する場合である。具体的には、基幹系統11から電力ルータ100Aの入出力端子110Aへ”7kWh”の電力が入力され、入出力端子110Aから経路RT1を経由して入出力端子120A、入出力端子120Aから経路RT2を経由して入出力端子210A、入出力端子210Aから経路RT3を経由して入出力端子230Aへ”7kWh”の電力が送電される。また、蓄電池35から電力ルータ200Aの入出力端子220A、入出力端子220Aから経路RT4を経由して入出力端子230Aへ”3kWh”の電力が入力される。よって、結果的に、入出力端子230Aから負荷30へ”10kWh”の電力が送電される。
図22は、電力識別手法の例1にかかる電力送電処理のシーケンス図である。まず、中央制御装置52は、入出力端子の設定及び送電経路の決定を行う(S11)。例えば、中央制御装置52は、図21の電力の送電について、外部から要求を受け付ける。そして、中央制御装置52は、当該要求に応じて電力の送電を実現可能にするために、入出力端子の設定及び送電経路の決定を行う。
ここで、図23は、電力識別手法の例1にかかる入出力端子設定管理表の例を示す図である。中央制御装置52は、例えば図23に示すように設定ST1〜ST5を設定し、入出力端子設定情報5242としてハードディスク524に格納する。
また、図24は、電力識別手法の例1にかかる送電経路情報の例を示す図である。ここでは、電力ルータ内外を問わず、送電元と送電先となる入出力端子の識別情報を一対一で対応付けたものを一つの経路とした例である。例えば、経路RT3及びRT4は、送電先が共に入出力端子230Aであるため、入出力端子210A及び220Aからの電力が混合されて入出力端子230Aにおいて受電されることを示す。尚、送電経路情報の表現の仕方はこれに限定されない。中央制御装置52は、例えば図24に示すように経路RT1〜RT4を定義し、送電経路情報5243としてハードディスク524に格納する。
次に、中央制御装置52は、電力ルータ100A及び200Aに対して、送電設定及び電力の測定の指示を行う(S12A及びS12B)。すなわち、中央制御装置52は、通信網51を介して電力ルータ100A及び200Aに対して上記指示を送信する。これにより、電力ルータ100Aの制御部190A及び電力ルータ200Aの制御部290Aは、それぞれ、内部の入出力端子に対して電力の送電を行わせ、併せて、各入出力端子において受電される電力の測定を指示する。例えば、制御部190A及び290Aは、測定間隔を設定してもよい。
そして、各入出力端子は、受電した電力について測定する(S13A及びS13B)。尚、各入出力端子は、電力量を測定するが、電力量以外を測定しても構わない。その後、各入出力端子は、測定した測定値を電力ルータ内の制御部へ通知する。そして、各制御部は、通知された測定値と、測定時間帯と、当該測定した入出力端子の識別情報とを含む測定タグを生成し(S14A及びS14B)、中央制御装置52へ当該測定タグを送信する(S15A及びS15B)。図25は、電力識別手法の例1にかかる測定タグの例を示す図である。
その後、中央制御装置52は、送電経路上の各電力ルータの制御部から受信した測定タグに基づいて、当該電力送電における電力タグを生成する(S16)。すなわち、中央制御装置52は、受信した測定タグを用いて、測定タグに含まれる入出力端部に対する送電元に関する情報を含めた電力タグを電力情報として生成する。ここで、付加情報としては、例えば、送電元における電力の売電価格、CO排出係数、発電由来(原子力、火力、揚水、風力等)、電力送電に関する契約ID等の測定のみでは得ることができない情報が挙げられる。但し、付加情報はこれらに限定されない。図26は、電力識別手法の例1にかかる電力タグの例を示す図である。
図27は、電力識別手法の例1にかかる電力タグ生成処理の流れを示すフローチャートである。まず、中央制御装置52は、未選択の入出力端子が存在するか否かを判定する(S21)。つまり、中央制御装置52は、電力タグの生成対象の入出力端子が存在するか否かを判定する。具体的には、中央制御装置52は、ある電力送電における時間帯に、送電経路上の各入出力端子に対応する測定タグのうち未処理のものが存在するか否かを判定する。
未選択の入出力端子が存在する場合、中央制御装置52は、未選択の入出力端子を選択する(S22)。そして、中央制御装置52は、送電経路上の各電力ルータ内の各入出力端部において受電する電力の送電元を、入出力端子設定情報5242に基づいて特定する(S23)。このとき、当該入出力端子が受電する電力が混合されている場合には、複数の送電元が特定されることとなる。続いて、中央制御装置52は、特定された送電元ごとに測定タグを用いて電力タグを生成する(S24)。つまり、中央制御装置52は、当該測定タグに上述した付加情報を結合して電力タグを生成し、ハードディスク524に格納する。
その後、中央制御装置52は、未選択の入出力端子が存在する間、ステップS21〜S24の処理を繰り返す。ステップS21において、電力タグの生成対象の入出力端子が存在しなければ、当該処理を終了する。
このように、電力タグは、ある入出力端子において受電された電力の内訳を各電力タグにより識別することができる。例えば入出力端子230Aにおいて、測定タグMT5により全体で”10.0kWh”が受電されている(図25)。そしてその内訳として、”7.0kWh”が入出力端子210Aを送電元とするものであり、”3kWh”が入出力端子220Aを送電元とするものであること(図26)が識別できる。
尚、電力識別手法の例1では、電力タグ以外の電力情報を用いて、電力の内訳を識別することもできる。前提としてまず、複数の電力ルータのうち第1の電力ルータ(例えば、電力ルータ100A)内の一の入出力端部を第1の送電元(例えば、基幹系統11と接続された入出力端子110A)とし、第2の電力ルータ(例えば、電力ルータ200A)内の一の入出力端部を第2の送電元(例えば、入出力端子220A)とし、他の入出力端部を送電先(例えば、負荷30と接続された入出力端子230A)とし、当該第2の送電元及び当該送電先以外であって第1の送電元からの電力を受電する入出力端部を中間入出力端部(又は第1の入出力端部。例えば、入出力端子210A)とする。そして、送電先の入出力端部に対して、第1の入出力端部と、第2の送電元の入出力端部と、直流母線と、を介して所定の電力の送電が行われるものとする。尚、図19の例において、第2の送電元から送電される電力の供給源は、所定の電力の送電において、第1の送電元から送電される電力の過不足を調整するための補助的な電力供給源としてもよい。
このとき、送電先において受電された電力に関する電力情報として、少なくとも第1の送電元の識別情報と、中間入出力端部において所定の時間帯に受電された電力の測定値である中間測定値と、を含むものであればよい。ここで、第1の送電元の識別情報は、電力ネットワークシステム10A内の全ての電力ルータ内の各入出力端部を一意に識別するものである。例えば、第1の送電元の識別情報として、電力ルータID(例えば、電力ルータ100AのID)及びレグID(例えば、入出力端子110AのID)の組み合わせにより表現してもよい。尚、中間入出力端部とは、所定の電力を送電する際に経由する各電力ルータ内の入出力端部としてもよい。例えば、経路RT1〜RT5に定義された入出力端子である。併せて、中間入出力端部は、第1の送電元から送電され、かつ、第2の送電元からの電力と混合される前の電力を受電するものである。例えば、入出力端子120A又は入出力端子210Aが受電する電力は、第1の送電元である基幹系統11から送電された電力”7kWh”である。そして、第2の送電元である蓄電池35からの電力”3kWh”と混合される前の電力でもある。
図28は、電力識別手法の例1にかかる電力情報の構成例を示す図である。つまり、電力情報には、少なくとも送電元のID(例えば、上述した電力ルータID+レグID)と、中間入出力端部の所定の時間帯に測定された電力の中間測定値とが含まれればよい。尚、所定の時間帯が任意の時間帯であれば、電力情報に測定時間帯自体を含めることが望ましい。一方、所定の時間帯が予め定められたものである場合には、電力情報に測定時間帯自体を含めなくてもよい。図29は、電力識別手法の例1にかかる電力情報生成処理の流れを示すフローチャートである。まず、中間入出力端部は、自己において受電した電力を測定する(S31)。そして、例えば、中間入出力端部は、中央制御装置へ中間測定値を送信する。次に、中央制御装置は、送電経路情報に基づいて中間入出力端部の(第1の)送電元を特定する(S32)。その後、中央制御装置は、中間測定値及び特定された第1の送電元の識別情報とを含めて電力情報を生成する(S33)。
これにより、電力情報を確認することで、送電先において測定された測定値のうち少なくとも中間測定値に基づく電力が、(ここでは電力のロスを考慮していないため)複数の送電元のうち一部から送電されたものであることが識別できる。それ故、複数の送電元のうち他から送電された電力も含まれていることも識別できる。
さらに、中間入出力端部は、送電先を備える電力ルータ内の入出力端部であって、他の電力ルータから電力を受け付けるものであるとよい。例えば、入出力端子210Bであるとよい。これにより、中間測定値が、電力が混合される直前のものとなり識別の精度が高まる。
<電力識別手法の例2>
電力識別手法の例2では、電力識別手法の例1に改良を加え、送電中の電力のロスを考慮した場合にも電力の内訳を識別することができる。図30は、電力識別手法の例2にかかる電力ネットワークシステム10Bの構成を示すブロック図である。電力ネットワークシステム10Bは、電力ルータ100Bと、電力ルータ200Bと、中央制御装置52Bとが通信網51を介して接続されている。電力ルータ100Bは、基幹系統11と、太陽光発電パネル33と、電力ルータ200Bとの間で送電可能に接続されている。また、電力ルータ200Bは、電力ルータ100Bと、蓄電池35と、負荷30との間で送電可能に接続されている。尚、図30における電力ルータ100B又は200Bの接続先は、一例であって、これらに限定されない。
電力ルータ100Bは、直流母線101Bと、入出力端子110B、120B、130B及び140Bと、制御部190Bとを備える。入出力端子110Bは太陽光発電パネル33と接続され、入出力端子120Bは基幹系統11と接続され、入出力端子140Bは電力ルータ200Bの入出力端子210Bと接続される。尚、入出力端子130Bが外部と接続されていても構わない。
また、電力ルータ200Bは、直流母線201Bと、入出力端子210B、220B、230B及び240Bと、制御部290Bとを備える。入出力端子210Bは入出力端子140Bと接続され、入出力端子220Bは蓄電池35と接続され、入出力端子230Bは負荷30と接続される。尚、入出力端子240Bが外部と接続されていても構わない。
ここで、入出力端子120Bと入出力端子220Bとは、上述したマスターモードで運転制御されるものである。そのため、入出力端子120Bは、直流母線101Bを定格の電圧に維持するために、基幹系統11との間で電力の送受電を行う。同様に、入出力端子220Bは、蓄電池35との間で電力の送受電を行う。例えば、太陽光発電パネル33からの電力を電力ルータ100B及び200Bを経由して負荷30へ送電する場合、入出力端子110Bが、当初の取り決め(例えば、買電契約)通りに太陽光発電パネル33から電力を受電したとしても、途中経路での電力ロスに起因して、入出力端子140Bから出力される電力が不足する可能性がある。その場合、入出力端子120Bは、基幹系統11から不足分の電力を取得して直流母線101Bへ供給する。同様に、入出力端子220Bは、蓄電池35から不足分の電力を取得して直流母線201Bへ供給する。
そのため、太陽光発電パネル33が買電契約における購入対象の電力供給源である場合、基幹系統11及び蓄電池35は、補助的な電力供給源となり得る。つまり、基幹系統11及び蓄電池35は、直接的な購入対象ではないが、電力ロスの状況次第で結果的に電力を供給し、支払の対象となり得る。
その他、電力ルータ100B及び200Bの各構成は、図19の電力ルータ100A及び200Aと同等の機能を有するものとする。
図31は、電力識別手法の例2にかかる中央制御装置52Bの構成を示すブロック図である。中央制御装置52Bのハードディスク524は、図20に加えて、送受電取引契約情報5246及び対応関係管理情報5247をさらに格納する。ここで、送受電取引契約情報5246は、第1の送電元(例えば、太陽光発電パネル33に接続された入出力端子110B)から送電先(例えば、負荷30に接続された入出力端子230B)へ所定の電力を送電するための契約情報である。送受電取引契約情報5246は、例えば、契約ID、送電者ID、受電者ID,日付、時間帯、契約時間、取引電力量、価格、CO排出係数、発電由来等を含む。但し、これら全てを含む必要はなく、これら以外のものを含めても構わない。また、対応関係管理情報5247は、契約IDと設定IDとの対応付けを管理する表である。尚、送受電取引契約情報5246と入出力端子設定情報5242との対応付けの管理の仕方はこれに限定されない。
また、中央制御装置52Bは、図20の中央制御装置52の機能に加え、電力取引装置として機能してもよい。電力取引装置とは、例えば、電力の販売者と購入者との間の電力の取引契約を支援する情報システムである。尚、電力取引装置は、中央制御装置52Bとは独立したコンピュータにより実現されてもよく、その場合、通信網51又は中央制御52Bと接続する別の通信網に接続されるものとする。
さらに、中央制御装置52Bは、送受電取引契約情報5246に基づいて、各入出力端部の接続関係を定義して送電経路情報5243を設定する。尚、送電経路情報5243には、各入出力端部の接続関係までを含める必要はなく、少なくとも電力情報を生成するための入出端子の定義が規定されていればよい。
ここで、電力識別手法の例2にかかる電力ルータ100Bは、外部から複数の入出力端子を経由して電力が供給され、直流母線101Bを介して複数の入出力端子から外部へ電力が出力され得る。この場合、直流母線101Bから複数の入出力端子へどのように電力を分配するかについて、いくつかの実現方法がある。例えば、図32及び図33が挙げられる。
図32は、電力識別手法の例2にかかる入力電力と出力電力の対応付けの例を示す図である。ここでは、2端子それぞれから電力が供給されており、それらを別の2端子それぞれへ入力と同じ比率で電力を分配する場合を示す。また、図33は、電力識別手法の例2にかかる入力電力と出力電力の対応付けの例を示す図である。ここでも、2端子それぞれから電力が供給されており、供給元と出力先の端子を一対一で対応させて電力を分配する場合を示す。尚、電力ルータ200Bも同様であり、電力の分配の仕方もこれらに限定されない。
ここで、以下では、電力ネットワークシステム10B内のある送電元からある送電先へ所定の電力を送電する際に電力融通がされた場合おける電力情報の生成について説明する。図34は、電力識別手法の例2にかかる電力融通の例を示す図である。ここでは、電力の取引契約により太陽光発電パネル33からの電力”10kWh”を所定の時間帯において、負荷30へ送電するものとする。
例えば、上記の電力取引装置は、電力の販売者と購入者の間で締結された電力の取引契約に関する情報に基づいて中央制御装置52Bへ当該情報と電力の融通依頼を送信する。そして、中央制御装置52Bは、受信した情報を送受電取引契約情報5246としてハードディスク524に格納する。
図35は、電力識別手法の例2にかかる送受電取引契約情報管理表の例を示す図である。例えば、図35における契約C3が該当することとなる。尚、電力の取引契約は、図35のように複数なされるものであり、日付及び時間帯が重なっても構わないものとする。尚、送受電取引契約情報管理表が保持する情報はこれに限定されない。
この後、図22のシーケンスに従い、中央制御装置52Bは、入出力端子の設定及び送電経路の決定を行い(S11)、電力ルータ100B及び200Bに対して送電設定及び電力の測定の指示を行う(S12A及びS12B)。
ここで、図36は、電力識別手法の例2にかかる入出力端子設定管理表の例を示す図である。尚、入出力端子設定管理表には、図36以外に、有効/無効電力ランプレートなどの設定情報を保持しても構わない。ここで、中央制御装置52Bは、契約C3を直接的に実現するための設定ST1〜ST4を行うものとする。つまり、補助的な電力供給源である基幹系統11や蓄電池35に接続された入出力端子120Bや入出力端子220Bの設定はされていない。
また、図37は、電力識別手法の例2にかかる送受電契約情報と入出力端子設定との対応表の例を示す図である。ここでは、契約C3を対象に説明するため、設定ST1〜ST4のうち契約C3に対応付けられた設定ST1のみを例示している。系統又は電源が直接接続される入出力端子に対する設定のみ管理することで、全ての対応関係を管理する必要がなくデータ容量を効率的に利用できる。
また、中央制御装置52Bは、送電経路の決定においては、契約C3を実現するための補助的な電力の送電経路も含めて決定する。図38は、電力識別手法の例2にかかる送電経路情報の例を示す図である。例えば、経路RT2及びRT5が契約C3を実現するための補助的な電力の送電経路に該当する。
この後、実際に電力の送電が開始され、各入出力端子は、都度、電力を測定し(S13A及びS13B)、各制御部は、測定タグを生成し(S14A及びS14B)、中央制御装置52Bへ当該測定タグを送信する(S15A及びS15B)。その後、中央制御装置52Bは、電力タグの生成処理を行う(S16)。
但し、電力識別手法の例2では、図34に示したように、送電経路の各所において電力のロスが発生するものとする。以下、本例における電力融通の流れを説明する。
まず、入出力端子110Bは、設定ST1に基づき、太陽光発電パネル33から”10kWh”の電力を受電し、直流母線101Bへ出力し、入出力端子140Bは、設定ST2に基づき、直流母線101Bから”10kWh”の電力を受電しようとする。このとき、入出力端子110Bに関連した電力のロスが発生するため、実際には、入出力端子110Bから直流母線101Bへ”10kWh”の電力が出力されない。そのため、直流母線101Bの定格電圧を維持するため、入出力端子120Bが不足分の電力を基幹系統11から受電し、直流母線101Bに出力する。但し、入出力端子120Bや入出力端子140Bに関連した電力のロスも発生する。そのため、実際には、図34に示したような電力が測定されたものとする。そして、図39に示したような測定タグMT1〜MT3が生成される。図39は、電力識別手法の例2にかかる測定タグの例を示す図である。
続いて、入出力端子140Bから入出力端子210Bへの送電においてもロスが発生し、入出力端子210B、220B及び230Bのそれぞれに関連した電力のロスも発生する。そのため、図39に示したような測定タグMT4〜MT6が生成される。このように、図39の測定タグMT1〜MT6が生成され、中央制御装置52Bに保存されたことを前提として、電力識別手法の例2にかかる電力タグの生成処理を説明する。
図40は、電力識別手法の例2にかかる電力タグ生成処理の流れを示すフローチャートである。また、図41は、電力識別手法の例2にかかる内訳情報の例を示す図である。図42は、電力識別手法の例2にかかる内訳情報の算出例を示す図である。図43は、電力識別手法の例2にかかる電力タグの例を示す図である。以下では、電力タグ生成処理を説明する際に、適宜、図41、図42及び図43を参照する。
まず、中央制御装置52Bは、外部から電力ルータへの入力端子における内訳情報を生成する(S41)。すなわち、中央制御装置52Bは、複数の電力ルータ内の各入出力端部のうち、外部の電力系統からの電力を受電するものを選択する。例えば、中央制御装置52Bは、入出力端子110B、120B及び220Bを選択する。そして、中央制御装置52Bは、測定タグに基づいて、選択した入出力端部において受電した電力量と、当該受電した電力の送電元の識別情報とを含む第1の内訳情報を生成する。例えば、中央制御装置52Bは、測定タグMT1に基づいて、選択した入出力端子110Bにおいて受電した電力量”10.0kWh”と送電元である太陽光発電パネル33の識別情報を含む内訳情報を生成する(図41)。また、入出力端子120B及び220Bについても同様である。
次に、中央制御装置52Bは、未選択の電力ルータが存在するか否かを判定する(S42)。つまり、中央制御装置52Bは、内訳情報の生成対象の入出力端子が存在するか否かを判定する。具体的には、中央制御装置52Bは、入力される電力の内訳情報が全て生成済みの電力ルータのうち未処理のものが存在するか否かを判定する。
未選択の電力ルータが存在する場合、中央制御装置52Bは、未選択の電力ルータを選択する(S43)。ここでは、ステップS41において入出力端子110B及び120Bの内訳情報が生成済みのため、中央制御装置52Bは電力ルータ100Bを選択する。
中央制御装置52Bは、出力端子の内訳情報を生成する(S44)。すなわち、中央制御装置52Bは、測定タグに基づいて、選択した電力ルータから出力される電力量と、当該出力される電力の送電元の識別情報とを含む第2の内訳情報を生成する。例えば、まず、中央制御装置52Bは、選択された電力ルータ100Bにおける出力端子である入出力端子140Bを特定する。そして、中央制御装置52Bは、送電経路情報5243から入出力端子140Bの送電元が入出力端子110B及び120Bであることを特定する。そして、中央制御装置52Bは、以下の式(1)に基づいて、送電元ごとに内訳電力量を算出する。
内訳電力量 = 送電元の測定値 / 全送電元の測定値 × 送電先の測定値 ・・・(1)
例えば、中央制御装置52Bは、送電元である入出力端子110Bについて、測定タグMT1及びMT3を参照し、式(1)により内訳電力量”9.1kWh”を算出する(図42)。送電元である入出力端子120Bについても同様である。
続いて、中央制御装置52Bは、接続先の入力端子の内訳情報を生成する(S45)。すなわち、中央制御装置52Bは、選択した電力ルータと接続される他の電力ルータ内の入出力端部における測定タグを用いて、当該他の電力ルータにおける第1の内訳情報を生成する。これにより電力ロスを考慮した内訳情報を生成できる。例えば、中央制御装置52Bは、送電経路情報5243を参照し、入出力端子140Bの接続先である入出力端子210Bを特定する。ここで、入出力端子210Bは、上記選択した電力ルータ100Bと接続される他の電力ルータ200B内の入出力端子である。また、中央制御装置52Bは、送電経路情報5243を参照し、入出力端子210Bの送電元が入出力端子110B及び120Bであることを特定する。そして、中央制御装置52Bは、上記式(1)に基づいて、送電元ごとに内訳電力を算出する。
例えば、中央制御装置52Bは、送電元である入出力端子110Bについて、測定タグMT3及びMT4を参照し、式(1)により内訳電力”8.2kWh”を算出する(図42)。送電元である入出力端子120Bについても同様である。
その後、ステップS42へ戻り、未選択の電力ルータ200Bが存在するため、ステップS43へ進む。ここでは、ステップS41及びS45において入出力端子220B及び210Bの内訳情報が生成済みのため、中央制御装置52Bは電力ルータ200Bを選択する。
続いて、中央制御装置52Bは、選択された電力ルータ200Bにおける出力端子である入出力端子230Bを特定する。そして、中央制御装置52Bは、送電経路情報5243から入出力端子230Bの送電元が入出力端子110B、120B及び220Bであることを特定する。そこで、中央制御装置52Bは、送電元である入出力端子110Bについて、測定タグMT4及びMT6を参照し、式(1)により内訳電力”7.5kWh”を算出する(図42)。送電元である入出力端子120B及び220Bについても同様である。
入出力端子230Bの接続先の入力端子はなく(S45)、未選択の電力ルータも存在しないため(S42)、中央制御装置52Bは、電力タグを生成する(S46)。すなわち、中央制御装置52Bは、第1の内訳情報及び第2の内訳情報に基づいて電力タグを生成する。尚、電力タグは、ステップS41、S44及びS45において都度生成しても構わない。例えば、中央制御装置52Bは、図41及び図42の各内訳情報に基づいて図43に示す各電力タグPT1〜PT10を生成し、ハードディスク524に格納する。
このように、電力識別手法の例2にかかる測定タグ、電力タグを用いることにより、電力ネットワークシステム10B内を流れる電力に関する各種情報の管理が可能となる。例えば、測定時間、測定ポイント(電力ルータ及び入出力端子の位置)、計測値、付加情報等である。また、上述した内訳情報を用いても混合された電力の内訳を識別することが可能となる。そのため、中央制御装置52Bは、内訳情報をハードディスク524に格納しても構わない。
<電力識別手法の例3>
電力識別手法の例3は、上述した電力識別手法の例2に改良を加えたものである。すなわち、電力識別手法の例3にかかる中央制御装置は、中間入出力端部に関する異常が検出された場合、複数の電力ルータのうち当該異常が検出された入出力端部を用いずに送電先へ所定の電力と同等の電力を送電するための送電経路情報を再設定するものである。これにより、当初設定した送電経路通りに送電ができなくなっても迂回経路を経由して契約通りに電力を融通することができる。
また、電力識別手法の例3にかかる制御部は、測定タグのステータスを未確定として、中央制御装置へ当該測定タグを送信し、中央制御装置は、受信した測定タグに含まれる測定時間において、当該測定タグに対応する入出力端部に関する異常がない場合に、当該測定タグのステータスを確定として記憶装置に保存するものである。これにより、測定タグの信頼性を高めることができる。
また、電力ルータ内の制御部は、電力を測定した入出力端子について測定時間帯に異常を検出した場合、測定タグのステータス属性に例えば、「異常(C,T)」等と設定してもよい。ここで、「C」は異常の原因として例えば、「停止」「電力不足」等を設定するとよい。また、「T」は異常発生の時間帯として例えば「10:01:31−10:01:47」等を設定するとよい。これにより、測定タグが有効な時間帯を管理することができる。
さらに、中央制御装置が迂回経路である送電経路を再設定し、新たに電力が流れ始めた場合、当該迂回経路を形成する入出力端子から生成された測定タグのステータス属性に「復旧(T)」等と設定してもよい。ここで、「T」は迂回時の測定時間帯として例えば「10:01:58−10:10:00」等を設定するとよい。
尚、上述した電力識別手法の例1における第1の送電元と第2の送電元については、例えば、第1の送電元を電力の取引契約の対象とし、第2の送電元は補助的な電力供給源としても構わない。つまり、電力識別手法の例1では、電力ロスが無視できる場合に適用可能である。
さらに、電力識別手法の例1は、第2の送電元から電力が供給されなくても構わない。つまり、複数の電力ルータのうち一の電力ルータ内の一の入出力端部を第1の送電元とし、他の電力ルータ内の一の入出力端部を送電先とし、第1の送電元から送電先へ所定の電力の送電を行った際に、送電先において受電された電力に関する電力情報として、第1の送電元の識別情報と、所定の電力の送電経路中の電力ルータ内の入出力端部であって、当該第1の送電元及び当該送電先以外のものである中間入出力端部において受電された電力の測定値である中間測定値と、を含むようにしても構わない。
(本発明の課題)
ここで、以下に本発明の課題を説明する。
まず、本発明の前提としては、上述した電力ルータ等に限定されず、1乃至複数の蓄電池を含む蓄電装置に複数の電力供給源から供給された電力を混合して蓄電(充電)されており、蓄電された電力量の総量である蓄電容量(充電電力量)について、電力供給源ごとの電力量の内訳が予め管理されているものとする。これにより、電力の消費者は、充電電力量の内訳を参照して、電力量と供給元を指定して所望の電力を消費することが可能となる。尚、充電電力量の電力供給源ごとを識別するためには、上述した電力識別手法等を用いてもよい。
ここで、電力供給源ごとの内訳を有する蓄電容量が放電又はさらに充電された場合、どの内訳をどの程度増減させるかを考慮する必要がある。また、特に、自然放電や、蓄電装置が一旦取り外されて再接続された場合に、取り外された期間に充電又は放電された場合、単にその時点の蓄電装置の蓄電容量を計測しただけでは、取り外された期間中の内訳の変動が不明である。
そこで、本発明者らは鋭意研究の末、諸事情を総合的に考慮しつつ、蓄電装置の充電電力量の内訳の情報を接続先に応じてハンドオーバーする手法の開発に成功した。
<実施の形態1>
図44は、本発明の実施の形態1にかかる電力管理システム60の全体構成を示すブロック図である。電力管理システム60は、制御装置52Cと、接続装置621と、接続装置622とが通信網51を介して接続されている。接続装置621は、電力供給源611及び612と接続され、必要に応じて蓄電装置63と接続可能である。そして、接続装置621は、蓄電装置63が接続されている場合に、電力供給源611及び612のそれぞれから供給される電力を蓄電装置63に蓄電(充電)可能であり、蓄電装置63に蓄電された電力を消費のために放電することも可能である。また、接続装置622は、電力供給源612及び613と接続され、必要に応じて蓄電装置63と接続可能である。そして、接続装置622は、蓄電装置63が接続されている場合に、電力供給源612及び613のそれぞれから供給される電力を蓄電装置63に蓄電(充電)可能であり、蓄電装置63に蓄電された電力を消費のために放電することも可能である。
尚、接続装置621及び622は、必ずしも電力供給源611〜613が接続されている必要はない。少なくとも接続装置621及び622は、蓄電装置63と接続可能であり、接続された蓄電装置63に対して充電及び放電が可能であればよい。
蓄電装置63は、1以上の蓄電池と、各蓄電池の充電及び放電を制御する制御部(不図示)とを含むものである。各蓄電池には、複数の電力供給源から供給された電力が蓄電されている。例えば、蓄電装置63は、電気自動車等の移動体に含まれ、各蓄電池はそのバッテリーセルであるとよい。また、蓄電装置63は、電気自動車や家庭用蓄電システムなどの蓄電ユニットとして組み込まれる。尚、蓄電装置63はこれに限定されない。
制御装置52Cは、内訳情報610を保持している。内訳情報610とは、蓄電装置63の蓄電容量のうち各電力供給源(例えば、電力供給源611〜613)のそれぞれから供給された電力量と、当該電力量の供給元である電力供給源と、蓄電装置と、を対応付けたものである。また、制御装置52Cは、蓄電装置63が接続されている接続装置(例えば、接続装置621)から取り外され、いずれかの接続装置(例えば、接続装置621又は622)に再接続された際に、再接続された蓄電装置63に対応する内訳情報610を特定し、特定した内訳情報610を表示用に出力する。尚、蓄電装置63の「再接続」は、複数の接続装置のいずれかに再接続された時であればよい。但し、制御装置52Cが当該特定及び出力を行うのは、「再接続」に限定されない。少なくとも、蓄電装置63がいずれかの接続装置に接続された場合であればよい。
ここで、図44における制御装置52Cは、取り外し前の蓄電装置の蓄電容量の内訳情報を予め保持するものとする。但し、本発明の実施の形態1にかかる制御装置はこれに限定されない。本発明の実施の形態1にかかる制御装置は、少なくとも内訳情報610を取得すればよい。例えば、制御装置は、外部の接続装置から当該接続装置に接続されている蓄電装置、又は、過去に接続されていた蓄電装置における内訳情報を、接続時又は接続以前に取得するものであってもよい。
図45は、本発明の実施の形態1にかかる制御装置52Cの構成を示すブロック図である。制御装置52Cの構成のうち、CPU521、メモリ522及び通信部523は、上述したものと同等である。ハードディスク524には、プログラム641、内訳情報642及び接続先647が記録されている。そのため、制御装置52Cは、記憶装置524から内訳情報642を読み出すことにより、図44における内訳情報610を「取得」するものともいえる。プログラム641は、本発明の実施の形態1にかかる蓄電装置の蓄電容量の内訳情報のハンドオーバー処理等を含む蓄電装置の管理処理が実装されたコンピュータプログラムである。
内訳情報642は、蓄電装置ID643、電力供給源ID644、内訳電力量645、及び更新時刻646を含む。蓄電装置ID643は、蓄電装置63の識別情報である。電力供給源ID644は、電力供給源611〜613等の識別情報である。内訳電力量645は、蓄電装置63の蓄電容量のうち電力供給源ID645が示す供給源から供給された電力量を示す。更新時刻646は、内訳情報643が更新された時刻であり、少なくとも最終更新日時を含むものである。内訳情報642は、少なくとも1つの蓄電装置ID643当たりに、複数の電力供給源ID644単位に内訳電力量645が対応付けられているものである。接続先647は、蓄電装置63の接続先である接続装置の識別情報が設定される。そして、内訳電力量645当たりに、接続先647及び更新時刻646が対応付けられていればよい。
表示部525は、制御装置52Cにおける外部出力インタフェースの一つである。例えば、表示部525は、外部のディスプレイ等の表示装置と接続されている場合、表示装置に対して、表示用のデータを出力する。または、表示部525は、それ自体が表示手段であってもよい。いずれの場合も、表示部525は、CPU521がハードディスク524から読み出した内訳情報642を表示用に出力するものである。これにより、ユーザが目視にて再接続語の蓄電装置63の蓄電容量における供給源ごとの内訳を確認することができる。尚、制御装置52Cは、必ずしも内訳情報642を表示用に出力する必要はなく、少なくとも外部へ出力するものであればよい。
図46は、本発明の実施の形態1にかかる蓄電装置の蓄電容量の内訳情報のハンドオーバー処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、予め、蓄電装置63が接続装置621に接続されており、接続装置621を介して電力供給源611及び612のそれぞれから供給される電力が蓄電されているものとする。また、接続先647には接続装置621が設定されているものとする。
このとき、制御装置52Cは、接続装置621に接続されている蓄電装置63の内訳情報610を記憶装置524へ格納する(S101)。その後、蓄電装置63が接続装置621から取り外されて、蓄電装置63が移動し、蓄電装置63が接続装置622と接続されたものとする。
そして、制御装置52Cは、蓄電装置63の再接続を検出する(S102)。続いて、制御装置52Cは、再接続された蓄電装置63の内訳情報610を特定する(S103)。その後、制御装置52Cは、特定された内訳情報610を表示用に出力する(S104)。尚、このとき、制御装置52Cは、接続先647を接続装置621から接続装置622に更新し、内訳情報610と共に出力する。
このように、本発明の実施の形態1により、蓄電装置が複数の電力供給源から供給された電力を蓄電しており、蓄電容量の電力供給源ごとの内訳情報が予め記録されている状態において、蓄電装置が一旦取り外され蓄電装置が再接続された場合の蓄電容量の内訳を正確に管理することができる。
<実施の形態2>
本発明の実施の形態2では、実施の形態1における接続装置621及び622の一例として上述した電力ルータ含む電力ネットワークシステムに適用した場合について説明する。以下では、内訳情報の一例として電力タグを用いるものとするが、本発明の実施の形態2はこれに限定されない。
本発明の実施の形態2では、デジタルグリッドにおける蓄電装置の蓄電容量の内訳のハンドオーバーを実現するものである。特に、電力ルータに接続されている蓄電装置を取り外し、再度、他の電力ルータに接続した再に、以前に保持していた蓄電容量の内訳情報をハンドオーバーする仕組みを含む。また、ハンドオーバーの間に消費又は充電した電力量に基づいて蓄電容量の内訳を補正する仕組みを含む。
図47は、本発明の実施の形態2にかかる電力管理システム80の全体構成を示すブロック図である。電力管理システム80は、中央制御装置52D、電力ルータ81及び82が通信網51を介して接続されている。また、電力ルータ81は、レグ811により原子力発電831と、レグ812により火力発電832と、レグ813により太陽光発電833と、レグ814により電力網53とそれぞれ送電可能に接続されている。また、電力ルータ81は、直流母線810を介してレグ811〜815の間で送電可能である。電力ルータ82は、レグ821により電力網53と、レグ822により蓄電装置843と、レグ823により負荷841と、レグ824により基幹系統842とそれぞれ送電可能に接続されている。また、電力ルータ82は、直流母線820を介してレグ821〜824の間で送電可能である。
尚、電力ルータ81及び82のその他の構成は、上述した電力ルータ100等と同等であるものとする。また、電力ルータ81及び82に接続される電力供給源はこれに限定されない。そして、電力ルータ82に接続されるのは負荷でなくとも構わない。例えば、さらに外部の電力ルータ等と接続され、受電した電力が送電されるものであってもよい。
尚、図47では、元々、蓄電装置843が電力ルータ81のレグ815に接続されており、原子力発電831、火力発電832及び太陽光発電833のそれぞれから供給される電力が蓄電されているものとする。そして、蓄電装置843がレグ815から取り外されて電力ルータ82のレグ822に接続された状態を示している。
中央制御装置52Dは、図20に示した中央制御装置52と図45に示した制御装置52Cの構成を兼ね備えたものである。但し、内訳情報642と電力タグ5245については、図48に示すテーブルにより実現するものとする。図48は、本発明の実施の形態2にかかるテーブルの関係を示す図である。
充電電力量タグテーブル851は、蓄電装置ID、日付、時刻、充電タグIDを関連付けたテーブルである。ここで、充電タグIDは、蓄電装置ID、日付及び時刻の組み合わせを一意に識別するための情報である。充電タグIDは、蓄電装置ID、日付及び時刻の組み合わせにおける蓄電容量における電力量の内訳を参照するためのメタデータ群といえる。また、日付及び時刻は、上述した更新時刻646の一例である。
充電電力量内訳テーブル852は、充電タグID、発電機ID、電力量を関連付けたテーブルである。ここで、充電タグIDは、充電電力量タグテーブル851を参照する。発電機IDは、電力供給源ID644の一例であり、電力供給源を一意に識別するための情報である。また、発電機IDは、発電機情報テーブル855を参照する。電力量は、充電タグID及び発電機IDあたりに一つである。言い換えると、充電電力量内訳テーブル852における電力量は、ある(日付を含む)時刻における蓄電装置の蓄電容量のうち発電機ID単位で蓄電された電力量を示す。尚、蓄電装置IDと発電機IDには、例えば、ベンダIDと製造番号をシードとした乱数を用いることができる。すなわち、冗長性があり、シードが異なる場合には衝突しない値を用いてもよい。
蓄電装置接続管理テーブル853は、DGRID、LegID,蓄電装置ID、接続日時、最終接続日時を関連付けたテーブルである。ここで、DGRIDは電力ルータの識別情報、LegIDはレグの識別情報である。DGRID及びLegIDの組み合わせは、電力タグテーブル854を参照する。接続日時は、DGRID及びLegIDが示すレグに蓄電装置IDの示す蓄電装置が接続された日時を示す。最終接続日時は、LegIDが示すレグから蓄電装置が取り外された時点の日時を示す。尚、蓄電装置接続管理テーブル853は、接続管理テーブルの一例であり、少なくとも蓄電装置IDと当該蓄電装置の接続先の接続装置(例えば、電力ルータのレグ)との接続関係を管理するものであればよい。
電力タグテーブル854は、DGRID、LegID,日付、時刻、測定値、発電機IDを関連付けたテーブルである。ここで、電力タグテーブル854は、電力タグ5245の一例である。但し、電力タグテーブル854は、少なくとも所定の時間帯単位に、接続装置(例えば、電力ルータのレグ)に接続されている蓄電装置へ電力を供給した電力供給源と、当該電力供給源が供給した電力量とを含むものを電力タグとして管理するものであればよい。発電機IDは、発電機情報テーブル855を参照する。つまり、電力タグテーブル854は、レグに流れる電力とその由来となる発電機との関係を示すものである。
発電機情報テーブル855は、発電機ID、オーナID、発電機種別等を関連付けたテーブルである。発電機情報テーブル855は、発電機に関する付加情報を示すものである。付加情報としては、例えば、発電機の種類、COの排出係数等が挙げられるが、これらに限定されない。
図47に戻り説明する。中央制御装置52Dは、接続装置に接続されている蓄電装置における内訳情報に対応付けられた最新の更新時刻以後の時間帯の電力タグをハードディスク524から読み出し、当該読み出した電力タグに基づいて、当該最新の更新時刻に対応付けられた内訳情報の電力量を更新するものである。
さらに、中央制御装置52Dは、読み出した電力タグに含まれる電力供給源が最新の更新時刻に対応付けられた内訳情報に含まれる場合、当該電力タグに含まれる電力量を当該内訳情報の電力量に加算する。そして、中央制御装置52Dは、読み出した電力タグに含まれる電力供給源が最新の更新時刻に対応付けられた内訳情報に含まれない場合、当該電力タグに含まれる電力量を当該電力供給源から供給されたものとして内訳情報に追加することが望ましい。
さらにまた、中央制御装置52Dは、電力タグに基づいて蓄電装置から放電させる電力量及び前記電力供給源の指定を受け付ける。そして、中央制御装置52Dは、指定された電力供給源が最新の更新時刻に対応付けられた内訳情報に含まれる場合、当該指定された電力量を当該内訳情報の電力量から減算するとよい。
また、中央制御装置52Dは、接続装置に接続されている蓄電装置に対する所定時間内に充電又は放電された電力量及び対象の電力供給源を含む充放電情報を定期的に収集する。そして、中央制御装置52Dは、収集した時刻に対して直近の更新時刻に対応付けられた内訳情報を特定し、充放電情報に基づいて特定された内訳情報の電力量を更新してもよい。
また、中央制御装置52Dは、蓄電装置が接続される以前に接続されていた接続装置から取り外された時に当該蓄電装置が非接続である旨を蓄電装置接続管理テーブル853に設定する。そして、中央制御装置52Dは、蓄電装置が取り外し後に再接続された時に当該蓄電装置における非接続である旨を蓄電装置接続管理テーブル853から削除する。そして、中央制御装置52Dは、内訳情報と共に、蓄電装置接続管理テーブル853に基づいて再接続された蓄電装置の接続先を表示用に出力する。尚、中央制御装置52Dは、蓄電装置がレグに接続される度に、蓄電装置接続管理テーブル853にレコードを追加するとよい。この場合、中央制御装置52Dは、DGRID、LegID、蓄電装置ID及び接続日時に該当する値を設定して蓄電装置接続管理テーブル853に格納する。このとき、中央制御装置52Dは、最終接続日時に無効な値(ブランク等)を格納する。そのため、最終接続日時に日時が設定されていることは、蓄電装置が非接続である旨を示すともいえる。そして、中央制御装置52Dは、蓄電装置がレグから取り外された時に最終接続日時に有効な値(現在の日時等)を設定して蓄電装置接続管理テーブル853に格納する。そのため、蓄電装置接続管理テーブル853内に同じDGRID、LegID及び蓄電装置IDの組のレコードが複数存在する場合、接続日時が最も新しいレコードにおける最終接続日時により、蓄電装置が接続されているか否かを判別することができる。
また、中央制御装置52Dは、再接続された時に蓄電装置から読み取られた現在の蓄電容量と、蓄電装置が取り外される前に接続されていた時における内訳情報とを用いて、取り外されていた間に充電又は放電された電力量である充放電量を算出する。そして、中央制御装置52Dは、充放電量を所定の基準で各電力供給源に配分して、内訳情報の各電力量を補正する。その後、中央制御装置52Dは、補正後の内訳情報を出力することが望ましい。これにより、取り外し中に自然放電や蓄電容量の消費やさらなる充電がなされた場合であっても、より正確に蓄電容量の内訳情報を管理することができる。尚、中央制御装置52Dは、再接続時に限らず、少なくとも蓄電装置が接続された際に蓄電装置から読み取られた現在の蓄電容量と、蓄電装置が接続される以前に取得された内訳情報とを用いて、接続をされていない間における充放電量を算出すればよい。
さらに、中央制御装置52Dは、充放電量が取り外されていた間、つまり、蓄電装置が複数の接続装置のいずれとも接続されていない間に充電されたことを示す場合、新たな電力供給源から供給された電力としての内訳情報をハードディスク524へ格納するとよい。すなわち、ハンドオーバー中に充電されていた場合、発電機IDを“不明”等として既知の電力供給源とは区別することで、正確に管理されている内訳情報の正確さを維持できる。
図49は、本発明の実施の形態2にかかる蓄電容量の内訳情報のハンドオーバー処理の流れを示すフローチャートである。図49では、所定の単位時間(例えば、1時間等)ごとに実行される場合について説明する。
中央制御装置52Dは、蓄電装置ID単位にステップS201〜S208の処理を実行する(S200)。まず、中央制御装置52Dは、蓄電装置の充放電情報(電力タグ等)を取得する(S201)。すなわち、中央制御装置52Dは、処理対象の蓄電装置IDをキーとして蓄電装置接続管理テーブル853から最終接続日時が無効となっているDGRID及びLegIDの組を取得する。そして、中央制御装置52Dは、取得したDGRID及びLegIDの組と現在の日付及び時刻(が含まれる所定の時間帯)とをキーに、電力タグテーブル854内から該当する電力タグのレコードを取得する。このとき、蓄電装置の蓄電容量が複数の電力供給源からの電力を混合したものである場合、複数の電力タグのレコードが取得されることとなる。尚、所定の時間帯には、内訳情報の最新の更新時刻以降から現時点までの時間帯が指定される。また、内訳情報の最新の更新時刻以降に当該蓄電装置に対する放電の電力量及び放電対象の発電機IDの指定に基づき、蓄電装置から放電がされていた場合、当該指定を取得する。
次に、中央制御装置52Dは、新規な充電タグIDに対応するレコードを追加する(S202)。具体的にはまず、中央制御装置52Dは、蓄電装置ID、日付及び時刻に基づいて充電タグIDを生成する。そして、中央制御装置52Dは、処理対象の蓄電装置IDと、現在の日付及び時刻と、生成した充電タグIDとを含む新規のレコードを充電電力量タグテーブル851に追加する。併せて、中央制御装置52Dは、取得した電力タグに含まれる発電機IDと、生成した充電タグIDと、ブランクの値を設定した電力量とを含む新規のレコードを充電電力量内訳テーブル852に追加する。
続いて、中央制御装置52Dは、1単位時間前の電力量により、追加したレコードの電力量を更新する(S203)。具体的にはまず、中央制御装置52Dは、充電電力量タグテーブル851から処理対象の蓄電装置ID及び1単位時間前の日付及び時刻をキーとして充電タグIDを取得する。つまり、ステップS202で生成した充電タグIDに対応する1単位時間前の充電タグIDを特定する。そして、中央制御装置52Dは、特定した充電タグIDをキーとして充電電力量内訳テーブル852から該当するレコード群を取得する。このとき、1単位時間前の蓄電装置には、複数の内訳情報があるため、複数のレコードが取得される。その後、中央制御装置52Dは、ステップS202で充電電力量内訳テーブル852へ追加した各レコードに含まれる各電力量について、取得したレコード群に含まれる各電力量により更新する。つまり、充電電力量内訳テーブル852内の1単位時間前のレコードの電力量を用いて、ステップS202においてブランクを設定した各電力量を有効値に更新する。
そして、中央制御装置52Dは、充電又は放電のいずれが行われたかを判定する(S204)。例えば、中央制御装置52Dは、ステップS201で取得した電力タグが存在すれば、所定の時間帯に当該蓄電装置に充電が行われたと判定する。一方、上記の指定のように、システム上明示的な放電の指定があれば、所定の時間帯に当該蓄電装置に放電が行われたと判定する。または、取得したレコード群の電力量の合計値と、蓄電装置から取得されたSoC値に基づき蓄電容量を算出し、これらの差分により、充電又は放電のいずれかを判定してもよい。例えば、自然放電の場合に有効である。また、充電及び放電のいずれもが行われている場合には、以降のステップS206〜S208のそれぞれの処理を実行する。仮に充電された総電力量と放電された総電力量とが相殺されていたとしても、蓄電容量の内訳が変更された可能性があるからである。
ステップS204で充電が行われたと判定した場合、中央制御装置52Dは、電力タグの発電機IDが内訳情報に含まれるか否かを判定する(S205)。ステップS205でYESの場合、中央制御装置52Dは、該当発電機IDの内訳情報に充電量を加算する(S206)。また、ステップS205でNOの場合、中央制御装置52Dは、内訳情報に発電機IDと充電量を追加する(S207)。
また、ステップS204で放電が行われたと判定した場合、中央制御装置52Dは、所定の方法で内訳情報から放電量を減算する(S208)。所定の方法とは例えば、上記の指定がされている場合、中央制御装置52Dは、指定された発電機IDに対応する電力量から指定された消費電力量を減算する。また、上記の指定がない場合には、例えば、取得されたレコード群に含まれる各電力量の比率に応じて放電量を配分し、各レコード群における電力量から減算することが挙げられる。または、予め発電機IDに優先度等を設定しておき、優先度に従ったレコードの順番で放電量を電力量から減算することが挙げられる。例えば、原子力発電よりも太陽光発電に由来する電力量を優先して減算するなどが挙げられる。
このように、本発明の実施の形態2は、蓄電装置の蓄電容量の内訳情報の管理と、レグに流れる電力情報(電力タグ)の管理を分離するものである。それゆえ、接続されたレグに依存しない管理となり、蓄電容量の内訳情報をハンドオーバーすることができる。
また、中央制御装置52Dで管理する論理的な蓄電容量と実際に蓄電装置に充電されている物理的な蓄電容量のギャップを補正する手法について説明する。図50は、本発明の実施の形態2にかかる蓄電容量の内訳情報の補正処理の流れを示すフローチャートである。当該手法は、定期的な内訳情報の更新処理、つまり、上記図49のステップS204からS208に適用しても構わない。また、蓄電装置がレグに再接続された時にも適用できる。
まず、中央制御装置52Dは、接続された蓄電装置の実際の充電量を算出する(S211)。すなわち、中央制御装置52Dは、接続された蓄電装置から読み取られたSoC値に基づいて実際の蓄電容量を算出する。
次に、中央制御装置52Dは、接続された蓄電装置について、充電電力量タグテーブル851及び充電電力量内訳テーブル852に基づき論理的な充電量を算出する(S212)。例えば、上述したステップS201〜S203等により、電力タグ等及び直近の内訳情報を取得し、電力量を合計することで算出できる。
そして、中央制御装置52Dは、実際の充電量と論理的な充電量に差分があるか否かを判定する(S213)。差分があると判定した場合、中央制御装置52Dは、差分値を放電量として所定の方法で内訳情報から減算する(S214)。尚、所定の方法とは上記と同じでも構わない。ステップS213で差分がないと判定した場合、又は、ステップS214の後、当該処理を終了する。
このように、本発明の実施の形態2により、充電及び放電のロスや自然放電などのいかなる電力のロスであっても補正することができる。特に、ハンドオーバー間に消費又は充電された電力量を補正することができる。
図51は、本発明の実施の形態2にかかる蓄電容量の内訳情報の更新の例を示す図である。ここでは、2013年2月1日の14時の時点の内訳情報が管理されているものとする。そして、2013年2月1日の14時から15時の間に太陽光発電に由来する電力を2.0kWh消費したものとする。この場合、蓄電装置ID“ba1”、日付“2013年2月1日”、時刻“15:00”として充電タグIDtg2を発行する(S202)。そして、蓄電装置ID“ba1”、日付“2013年2月1日”、時刻“14:00”の充電タグIDtg1を取得し、充電タグIDtg1のレコード群を充電タグIDtg2としてコピーする(S203)。その後、放電された発電機ID(太陽光発電由来)に対応する電力量2.5kWhから消費電力2.0kWhを減算して、電力量0.5kWhとして更新する(S208)。
以上のことから、本発明の実施の形態2でも実施の形態1と同様に、蓄電装置が再接続された場合の蓄電容量の内訳を正確に管理することができる。さらに、取り外されてから再接続されるまでの間に蓄電容量が変動したとしても適切に補正することができる。また、定期的に内訳情報を更新することで、正確さを維持することができる。
尚、蓄電装置内の蓄電池を置き換えた場合にも、蓄電容量が変動したものとして上記のように蓄電容量の内訳を補正することで、同様に、蓄電池の置き換え後の蓄電容量の内訳を正確に管理することができる。
<その他の実施の形態>
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2013年8月1日に出願された日本出願特願2013−160435を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10 電力ネットワークシステム
10A 電力ネットワークシステム
10B 電力ネットワークシステム
11 基幹系統
12 大規模発電所
21 電力セル
22 電力セル
23 電力セル
24 電力セル
30 負荷
31 家
32 ビル
33 太陽光発電パネル
34 風力発電機
35 電力貯蔵設備(蓄電池)
41 電力ルータ
42 電力ルータ
43 電力ルータ
44 電力ルータ
50 管理サーバ
51 通信網
52 中央制御装置
52B 中央制御装置
52C 制御装置
52D 中央制御装置
521 CPU
522 メモリ
523 通信部
524 ハードディスク
5241 電力送電制御プログラム
5242 入出力端子設定情報
5243 送電経路情報
5244 測定タグ
5245 電力タグ
5246 送受電取引契約情報
5247 対応関係管理情報
525 表示部
53 電力網
100 (第1)電力ルータ
101 直流母線
102 平滑コンデンサ
103 電圧センサ
110 レグ
111 電力変換部
Q1〜Q6 トランジスタ
D1〜D6 ダイオード
112 電流センサ
113 開閉器
114 電圧センサ
115 接続端子
120 レグ
121 電力変換部
122 電流センサ
123 開閉器
124 電圧センサ
125 接続端子
130 レグ
135 接続端子
140 レグ
145 接続端子
150 レグ
151 電力変換部
152 電流センサ
153 開閉器
154 電圧センサ
155 接続端子
160 レグ
162 電流センサ
163 開閉器
164 電圧センサ
165 接続端子
190 制御部
200 第2電力ルータ
201 直流母線
210 第1レグ(自立レグ)
220 第2レグ(マスターレグ)
230 第3レグ
240 第4レグ
245 接続端子
250 第5レグ
260 第6レグ
300 第3電力ルータ
301 直流母線
310 指定電力送受電レグ
320 マスターレグ
400 第4電力ルータ
401 直流母線
410 自立レグ
420 マスターレグ
500 第5電力ルータ
501 直流母線
600 第6電力ルータ
601 直流母線
71A 送電線
71B 送電線
72 配電線
BL 支線
100A 電力ルータ
101A 直流母線
110A 入出力端子
120A 入出力端子
190A 制御部
200A 電力ルータ
201A 直流母線
210A 入出力端子
220A 入出力端子
230A 入出力端子
290A 制御部
100B 電力ルータ
101B 直流母線
110B 入出力端子
120B 入出力端子
130B 入出力端子
140B 入出力端子
190B 制御部
200B 電力ルータ
201B 直流母線
210B 入出力端子
220B 入出力端子
230B 入出力端子
240B 入出力端子
290B 制御部
C1〜C3 契約
ST1〜ST4 設定
RT1〜RT5 経路
MT1〜MT6 測定タグ
PT1〜PT10 電力タグ
60 電力管理システム
610 内訳情報
611 電力供給源
612 電力供給源
613 電力供給源
621 接続装置
622 接続装置
63 蓄電装置
641 プログラム
642 内訳情報
643 蓄電装置ID
644 電力供給源ID
645 内訳電力量
646 更新時刻
647 接続先
80 電力管理システム
81 電力ルータ
810 直流母線
811 レグ
812 レグ
813 レグ
814 レグ
815 レグ
82 電力ルータ
820 直流母線
821 レグ
822 レグ
823 レグ
824 レグ
831 原子力発電
832 火力発電
833 太陽光発電
841 負荷
842 基幹系統
843 蓄電装置
851 充電電力量タグテーブル
852 充電電力量内訳テーブル
853 蓄電装置接続管理テーブル
854 電力タグテーブル
855 発電機情報テーブル

Claims (14)

  1. 複数の電力供給源から供給された電力が蓄電された蓄電装置と、当該蓄電装置と接続し得る複数の接続装置とを、通信網を介して制御する制御装置であって、
    前記蓄電装置に蓄電された電力量である蓄電容量のうち、前記電力供給源のそれぞれから供給された電力量と、当該電力量の供給元である電力供給源と、当該蓄電装置と、を対応付けた内訳情報を取得し、
    前記蓄電装置が前記複数の接続装置のいずれかに接続された際に、前記取得された前記内訳情報のうち、当該接続された蓄電装置に対応する前記内訳情報を出力する
    ことを特徴とする制御装置。
  2. 前記接続された際に前記蓄電装置から読み取られた現在の蓄電容量と、当該蓄電装置が当該接続される以前に取得された前記内訳情報とを用いて、当該蓄電装置が前記接続をされていない間に充電又は放電された電力量である充放電量を算出し、
    前記充放電量を所定の基準で各電力供給源に配分して、前記内訳情報の各電力量を補正し、
    当該補正後の内訳情報を出力する
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制御装置は、
    前記蓄電装置と当該蓄電装置の接続先の接続装置とを管理する接続管理テーブルをさらに記憶する記憶装置をさらに有し、
    前記蓄電装置が前記接続される以前に接続されていた接続装置から取り外された際に当該蓄電装置が非接続である旨を前記接続管理テーブルに設定し、
    前記蓄電装置が前記取り外し後に前記接続された際に当該蓄電装置における前記非接続である旨を前記接続管理テーブルから削除し、
    前記取得された内訳情報と共に、前記接続管理テーブルに基づいて前記接続された蓄電装置の接続先を出力する
    請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記制御装置は、
    所定の時間帯単位に、前記接続装置に接続されている蓄電装置へ電力を供給した前記電力供給源と、当該電力供給源が供給した電力量とを含む電力タグを生成し、
    更新時刻ごとに複数の前記内訳情報を対応付け、
    前記接続装置に接続されている蓄電装置における前記内訳情報に対応付けられた最新の更新時刻以後の時間帯の前記電力タグを特定し、
    当該特定した電力タグに基づいて、当該最新の更新時刻に対応付けられた内訳情報の電力量を更新する
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. 前記特定した電力タグに含まれる電力供給源が前記最新の更新時刻に対応付けられた内訳情報に含まれる場合、当該電力タグに含まれる電力量を当該内訳情報の電力量に加算し、
    前記特定した電力タグに含まれる電力供給源が前記最新の更新時刻に対応付けられた内訳情報に含まれない場合、当該電力タグに含まれる電力量を当該電力供給源から供給されたものとして前記内訳情報に追加する
    請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記電力タグに基づいて前記蓄電装置から放電させる電力量及び前記電力供給源の指定を受け付け、
    当該指定された電力供給源が前記最新の更新時刻に対応付けられた内訳情報に含まれる場合、当該指定された電力量を当該内訳情報の電力量から減算する
    請求項4又は5に記載の制御装置。
  7. 前記制御装置は、
    更新時刻ごとに複数の前記内訳情報を対応付け、
    前記接続装置に接続されている蓄電装置に対する所定時間内に充電又は放電された電力量及び対象の電力供給源を含む充放電情報を定期的に収集し、
    前記収集した時刻に対して直近の更新時刻に対応付けられた前記内訳情報を特定し、
    前記充放電情報に基づいて、前記特定された内訳情報の電力量を更新する
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
  8. 前記複数の接続装置は、第1の接続装置と第2の接続装置とを含み、
    前記内訳情報は、前記蓄電装置が前記第1の接続装置に接続されていた際における蓄電容量に対する内訳情報であり、
    前記制御装置は、
    前記蓄電装置の接続先を前記第1の接続装置とし、
    前記制御装置は、
    前記蓄電装置が前記第1の接続装置から取り外され、前記第2の接続装置に接続された際に、
    前記蓄電装置に対応する前記内訳情報を特定し、
    当該特定された内訳情報と共に前記蓄電装置の接続先を前記第2の接続装置として出力する
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の制御装置。
  9. 前記充放電量が、前記蓄電装置が前記複数の接続装置のいずれとも接続されていない間に充電されたことを示す場合、新たな電力供給源から供給された電力としての前記内訳情報を生成する
    請求項2に記載の制御装置。
  10. 前記接続装置は、
    外部の電力系統に非同期に接続するための電力ルータであって、
    所定の定格電圧に維持される直流母線と、
    一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の入出力端部と、
    前記複数の入出力端部を制御する制御手段と、を備え、
    前記複数の電力供給源及び前記蓄電装置は、前記複数の入出力端部のそれぞれに接続される
    請求項1乃至9のいずれか1項に記載の制御装置。
  11. 前記制御装置は、
    前記蓄電装置が前記接続される以前に前記複数の接続装置のいずれかと接続されていた際に、前記内訳情報を取得し、
    前記蓄電装置が前記接続されていた接続装置から取り外され、前記複数の接続装置のいずれかに再接続された際に、前記取得された前記内訳情報のうち、当該再接続された蓄電装置に対応する前記内訳情報を出力する
    請求項1乃至10のいずれか1項に記載の制御装置。
  12. 複数の電力供給源から供給された電力が蓄電された蓄電装置と、
    当該蓄電装置と接続し得る複数の接続装置と、
    前記蓄電装置と前記複数の接続装置とを、通信網を介して制御する制御装置と、
    を備える電力管理システムであって、
    前記制御装置は、
    前記蓄電装置に蓄電された電力量の総量である蓄電容量のうち、前記電力供給源のそれぞれから供給された電力量と、当該電力量の供給元である電力供給源と、当該蓄電装置と、を対応付けた内訳情報を取得し、
    前記蓄電装置が前記複数の接続装置のいずれかに接続された際に、前記取得された前記内訳情報のうち、当該接続された蓄電装置に対応する前記内訳情報を特定し、
    当該特定した内訳情報を出力する
    電力管理システム。
  13. 複数の電力供給源から供給された電力が蓄電された蓄電装置と、当該蓄電装置と接続し得る複数の接続装置とを、通信網を介して制御する制御装置を用いた蓄電装置管理方法であって、
    前記制御装置が、
    前記蓄電装置に蓄電された電力量の総量である蓄電容量のうち前記電力供給源のそれぞれから供給された電力量と、当該電力量の供給元である電力供給源と、当該蓄電装置とを対応付けた内訳情報を取得し、
    前記蓄電装置が前記複数の接続装置のいずれかに接続されたことを検出し、
    前記取得された前記内訳情報のうち、当該接続された蓄電装置に対応する前記内訳情報を特定し、
    当該特定した内訳情報を出力する
    蓄電装置管理方法。
  14. 複数の電力供給源から供給された電力が蓄電された蓄電装置と、当該蓄電装置と接続し得る複数の接続装置とを、通信網を介して接続されたコンピュータに蓄電装置の管理処理を実行させる蓄電装置管理プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
    前記蓄電装置に蓄電された電力量の総量である蓄電容量のうち、前記電力供給源のそれぞれから供給された電力量と、当該電力量の供給元である電力供給源と、当該蓄電装置とを対応付けた内訳情報を取得する処理と、
    前記蓄電装置が前記複数の接続装置のいずれかに接続されたことを検出する処理と、
    前記取得された前記内訳情報のうち、当該接続された蓄電装置に対応する前記内訳情報を特定する処理と、
    当該特定した内訳情報を出力する処理と、
    を前記コンピュータに実行させる蓄電装置管理プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
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