JP6079790B2 - 電力ネットワークシステムの運用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の電力セルを相互に非同期接続することで構成される電力ネットワークシステムに関し、より具体的には、この電力ネットワークシステムを運用する方法に関する。
電力供給システムを構築するにあたっては、電力送電網をさらに安定的に拡張していくことはもちろん、今後は大量の自然エネルギーを導入できるシステムにすることも大事な課題となってきている。そこで、新たな電力網としてデジタルグリッド(登録商標)という電力ネットワークシステムが提案されている(特許文献1:特許4783453号、非特許文献1:デジタルグリッドコンソーシアムのウェブサイト参照、http://www.digitalgrid.org/index.php/jp/)。デジタルグリッド(登録商標)とは、電力網を小規模なセルに細分化し、それらを非同期に相互接続した電力ネットワークシステムである。各電力セルは、小さなものとしては一つの家やビル、商業施設であり、大きなものとしては県や市町村といった規模になる。各電力セルは、その中に負荷を有することはもちろん、発電設備や電力貯蔵設備を有する場合もある。発電設備としては、太陽光発電や風力発電、地熱発電などの自然エネルギーを利用する発電設備が例として挙げられる。
各電力セルの内部で自由に発電したり、さらに、電力セル間でスムースに電力を融通し合うようにしたりするため、電力セル同士は非同期で接続されている。(すなわち、複数の電力セルが相互に接続されているとしても、それぞれの電力セルで使用される電力の電圧、位相および周波数は他の電力セルとは非同期である。)
図33に電力ネットワークシステム10の例を示す。図33において、基幹系統11は大規模発電所12からの基幹電力を送電する。そして、複数の電力セル21−24が配置されている。各電力セル21−24は、家31やビル32などの負荷や、発電設備33、34や、電力貯蔵設備35、を有している。
発電設備としては、太陽光発電パネル33や風力発電機34などが例として挙げられる。
電力貯蔵設備とは蓄電池34などのことである。
本明細書では、発電設備と電力貯蔵設備とを総称して、分散型電源ということがある。
さらに、各電力セル21−24は、他の電力セルや基幹系統11と接続されるための接続口(接続ポート)となる電力ルータ41−44を備えている。
電力ルータ41−44は複数のレグ(LEG)を有している。(紙幅の都合上、図33中ではレグの符号を省略した。電力ルータ41−44に付属している白丸が各レグの接続端子であると解釈してほしい。)
ここで、レグとは、接続端子と電力変換部とを有しており、各レグにはアドレスが付されている。なお、レグによる電力変換とは、交流から直流へまたは直流から交流への変換や、電力の電圧、周波数、位相を変化させることをいう。
すべての電力ルータ41−44は通信網51によって管理サーバ50に繋がっており、管理サーバ50によってすべての電力ルータ41−44は統合的に運用制御される。例えば、管理サーバ50から各電力ルータ41−44に対し、各レグに付されたアドレスを用いてレグごとに電力の送電または受電を指示する。これにより、電力ルータ41−44を介し、電力セル間での電力融通が行われる。
電力セル間での電力融通が実現することにより、例えば、一つの発電設備33、34や一つの電力貯蔵設備35を複数の電力セルで共有することができるようになる。電力セル間で互いに余剰電力を融通し合うようになれば、設備コストを大幅に削減しながらも電力需給バランスを安定的に保つことができるようになる。
特許4783453号
デジタルグリッドコンソーシアムのウェブサイト(http://www.digitalgrid.org/index.php/jp/)
電力セル間で電力融通ができることの利点の一つとして、停電時の対応が挙げられる。停電で基幹系統がダウンした場合であっても、電力セル間で余剰電力を融通し合うことにより大規模な停電に陥ることを回避できると期待される。しかしながら、非常時に隣の電力セルから必ず電力融通を受けられるとは限らない。大半の電力セルに余剰電力が生じるほど発電設備や電力貯蔵設備を設置するというのはコストの点で現実的ではないので、隣の電力セルが必ず余剰電力を持っているとは全く限らないのである。したがって、電力ネットワークに新たに電力セルを設ける場合にあっては、停電時にはどの電力セルから電力融通を受けられるかを適切に見込み、どの電力セルに繋げばよいかを考えておく必要がある。
本発明の目的は、電力ネットワークに新たに電力セルを設けるにあたって、電力変換レグの運転モードをどうすればよいかという問題を解決する指針与えることにある。
電力ネットワークシステムの運用方法は、
外部の電力系統に非同期に接続するための電力ルータを有する電力セルを複数具備し、これら複数の電力セルを接続してなる電力ネットワークシステムの運用方法であって、
前記電力ルータは、
所定の定格に電圧が維持される直流母線と、
一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を双方向に変換する機能を有する電力変換レグと、を備え、
前記電力変換レグは、
前記直流母線の電圧が定格から下がった場合、不足分の電力を接続相手から補填し、前記直流母線の電圧が定格から上がった場合、過剰分の電力を接続相手に送出するマスターモードと、
指定された電力を接続相手に送電するか、または、指定された電力を接続相手から受電する指定電力送受電モードと、
指定された振幅・周波数の電圧を自ら作り出し、接続相手との間で送受電する自立モードと、
のいずれかの運転モードで運転制御されるものであり、
第1電力ルータの第1電力変換レグと、第2電力ルータの第2電力変換レグと、が接続されている場合、
幹系統からの電力供給があるときは、
前記第1電力ルータの前記第1電力変換レグの運転モードを前記自立モードとし、
前記第2電力ルータの前記第2電力変換レグの運転モードを前記指定電力送受電モードとし、
前記第1電力ルータおよび前記第2電力ルータが前記基幹系統からの電力供給が受けられないときに、前記第1電力ルータの前記第1電力変換レグから前記第2電力ルータの前記第2電力変換レグに送電することで電力を融通するときは、
前記第1電力ルータの前記第1電力変換レグの運転モードを前記自立モードとし、
前記第2電力ルータの前記第2電力変換レグの運転モードを前記マスターモードとする
ことを特徴とする。
レグの運転モードを適切に設定することによって、停電時対応が迅速に行えるようになり、電力セルが停電に陥る事態を極力回避できるようになる。
電力ルータの概略構成を示す図。 電力ルータの内部構成を詳しく示す図。 電力ルータを基幹系統、負荷および各種分散電源に接続した一例を示す図。 電力ルータ同士の接続において、可能な組み合わせの例を示す図。 電力ルータ同士の接続において、可能な組み合わせの例を示す図。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図。 ACスルーレグを利用した接続例を示す図。 電力ルータ同士の接続において、組み合わせのパターンをまとめた図。 4つの電力ルータを相互に接続した場合の一例を挙げる。 複数の電力ルータをバス接続した様子の一例を示す図。 電力ルータ間に基幹系統が介在した接続形態の一例を示す図。 例1として第1の課題を詳しく説明するための図。 例1として第1の課題を詳しく説明するための図。 例1として第1の課題を詳しく説明するための図。 例1として第1の課題を詳しく説明するための図。 例1として第1の課題を詳しく説明するための図。 例2として第1の課題を詳しく説明するための図。 例2として第1の課題を詳しく説明するための図。 例2として第1の課題を詳しく説明するための図。 例2として第1の課題を詳しく説明するための図。 第2の課題を詳しく説明するための図。 第2の課題を詳しく説明するための図。 第2の課題を詳しく説明するための図。 本実施形態の全体処理手順を示すフローチャート。 準備工程の詳細手順を示すフローチャート。 既存電力ネットワークの情報テーブルの例を示す図。 新規電力セルの情報テーブルの例を示す図。 総合情報テーブルの例を示す図。 接続相手選定工程の手順を示すフローチャート。 接続相手選定工程の手順を示すフローチャート。 接続相手選定工程の手順を示すフローチャート。 レグ運転モード設定工程の手順を示すフローチャート。 電力ネットワークシステムのシステム概要を説明するための図。
(電力ルータおよび電力ネットワークシステムの説明)
本発明は、電力セル間で電力を効率よく融通し、電力ネットワークシステムを最適に運用できるようにするためのものであるが、そのための前提として電力ルータを用いた電力ネットワークシステムの存在がある。しかし、電力ルータおよび電力ルータを用いた電力ネットワークシステムが未だ公知の技術ではないので、まず、電力ルータおよび電力ルータを用いた電力ネットワークシステムを説明しておく。
図1は、電力ルータ100の概略構成を示す図である。また、図2は、電力ルータ100の内部構成をやや詳しく示す図である。電力ルータ100は、概略、直流母線101と、複数のレグ110−160と、制御部190と、を備えている。
電力ルータ100は直流母線101を有し、この直流母線101に複数のレグ110−160が並列に接続されている。直流母線101は直流電力を流すためのものであり、直流母線101の電圧が所定の一定を保つようにコントロールされる。(直流母線101の電圧がどのようにして一定に保たれるのかは後述する。)各レグ110−160を介して電力ルータ100は外部に繋がるのであるが、外部とやり取りする電力を一旦総て直流に変換して直流母線101にのせる。このように一旦直流を介することにより、周波数や電圧、位相の違いが無関係になり、電力セル同士を非同期で接続することができるようになる。ここでは、直流母線101は、図2に示すように、平滑コンデンサー102を有する並列型であるとする。直流母線101には電圧センサ103が接続されており、この電圧センサ103によって検出された直流母線101の電圧値は制御部190に送られる。
次に、レグ110−160について説明する。複数のレグ110−160が直流母線に対して並列に設けられている。図1においては、6つのレグ110−160を示した。六つのレグ110−160を、図1に示すように、第1レグ110、第2レグ120・・・第6レグ160とする。なお、図1では、紙幅の都合上、第1レグ110はレグ1と示し、第2レグ120はレグ2のように示している。また、図2においては、第3レグ130と第4レグ140とを省略している。
第1レグ110から第5レグ150は同じ構成であるのに対し、第6レグ160は電力変換部を有していないという点で第1から第5レグ110−150と異なっている。まずは、第1レグ110から第5レグ150の構成について説明する。第1レグ110から第5レグ150は同じ構成であるので、代表して第1レグ110の構成を説明する。第1レグ110は、電力変換部111と、電流センサ112と、開閉器113と、電圧センサ114と、接続端子115と、を備えている。電力変換部111は、交流電力を直流電力に、あるいは、直流電力を交流電力に変換する。直流母線101には直流電力が流れているので、電力変換部111は、直流母線101の直流電力を定められた周波数および電圧の交流電力に変換して、接続端子115から外部に流す。あるいは、電力変換部111は、接続端子115から流入する交流電力を直流電力に変換して、直流母線101に流す。
電力変換部111は、インバータ回路の構成をとっており、すなわち、サイリスタ111Tと帰還ダイオード111Dとで構成される逆並列回路111Pを三相ブリッジ接続したものである。(すなわち、一のインバータ回路に対して6個の逆並列回路111Pが設けられる。)ここでは、三相交流を使用しているので三相インバータ回路としたが、場合によっては単相インバータ回路としてもよい。二つの逆並列回路111Pの間のノードから引き出され、前記ノードと接続端子とを結ぶ配線を支線BLと称することにする。(三相交流であるので、一のレグは三つの支線BLを有する。)
電力の向きや交流電力の周波数等は制御部190によって制御される。すなわち、サイリスタ111Tのスイッチングは、制御部190によって制御される。制御部190による運転制御は後述する。
電力変換部111と接続端子115との間には開閉器113が配設されている。この開閉器113の開閉によって、支線BLが開閉され、すなわち、外部と直流母線101とが遮断されたり、接続されたりする。また、支線BLの電圧は電圧センサ114によって検出され、支線BLを流れる電流の電流値は電流センサ112で検出される。開閉器113の開閉動作は制御部190によって制御され、電圧センサ114および電流センサ112による検出値は制御部190に出力される。
上記説明では、電力変換部をインバータ回路とし、レグの接続相手は交流を使用するとしたが、レグの接続相手が蓄電池35のような直流を使用するものである場合もある。(例えば図1中の第3レグ130は蓄電池35に接続している。)この場合の電力変換とは、DC−DC変換ということになる。したがって、電力変換部にインバータ回路とコンバータ回路とを並列に設け、接続相手が交流か直流かに応じてインバータ回路とコンバータ回路と使い分けるようにしてもよい。あるいは、電力変換部がDC−DC変換部であるDC−DC変換専用のレグを設けるようにしてもよい。すべてのレグのなかにインバータ回路とコンバータ回路とを並列に設けるよりは、AC−DC変換専用のレグとDC−DC変換専用のレグとを併せ持つ電力ルータとする方がサイズやコスト面で有利な点も多々ある。
第1レグ110から第5レグ150の構成は以上の通りである。
次に、第6レグ160について説明する。第6レグ160には、電力変換部がなく、すなわち、第6レグ160の接続端子165は、直流母線101に繋がっているわけではない。第6レグ160は、第5レグ150の支線BLに接続されているのである。第6レグ160の内部配線についても、支線BLと称することとする。第6レグ160の支線BLは、第5レグ150に対し、第5レグ150の接続端子155と開閉器153との間に接続されている。
第6レグ160は、開閉器163と、電圧センサ164と、電流センサ162と、接続端子165と、を備える。第6レグ160の支線BLは、開閉器163を介して、第5レグ150の支線BLに繋がっている。すなわち、第6レグ160の接続端子165が第5レグ150の接続端子155に接続されている。第6レグ160の接続端子165と第5レグ150の接続端子155との間には開閉器163があるだけで、第6レグ160は電力変換器を持たないので、第6レグ160の接続端子165と第5レグ150の接続端子155との間では何等の変換も受けずに電力が導通することになる。そこで、第6レグ160のように電力変換器を持たないレグのことをACスルーレグと称することがある。
電流センサ162および電圧センサ164は、支線BLの電流値および電圧値を検出し、制御部190に出力する。開閉器163の開閉動作は制御部190で制御される。
(レグの運転モードについて)
第1レグ110から第5レグ150は電力変換器111−151を有しており、電力変換器内のサイリスタは制御部190によってそのスイッチング動作を制御されるものであることは既に述べた。ここで、電力ルータ100は、電力ネットワーク10のノードにあって、基幹系統11、負荷30、分散型電源および電力セルなどを互いに結びつける重要な役割を持つ。このとき、各レグ110−160の接続端子115−165がそれぞれ基幹系統11や負荷30、分散型電源、他の電力セルの電力ルータに接続されるわけである。本発明者らは、接続相手によって各レグ110−160の役割は異なるものであり、各レグ110−160が役割に応じた適切な運転を行わなければ電力ルータが成り立たないことに気付いた。本発明者らは、レグの構造自体は同じであるが、接続相手によってレグの運転の仕方を変えるようにした。
レグの運転の仕方を、運転モードと称する。
本発明者らは、レグの運転モードとして3種類を用意しておき、接続相手によってモードを切り換えるようにした。
レグの運転モードとしては、
マスターモードと、
自立モードと、
指定電力送受電モードと、がある。
以下、順番に説明する。
(マスターモード)
マスターモードとは、系統など安定した電力供給源に接続される場合の運転モードであり、直流母線101の電圧を維持するための運転モードである。図1では、第1レグ110の接続端子115が基幹系統11に接続されている例を示している。図1の場合、第1レグ110は、マスターモードとして運転制御され、直流母線101の電圧を維持する役目を担うことになる。直流母線101には他の多くのレグ120−150が接続されているところ、レグ120−150から直流母線101に電力が流入することもあれば、レグ120−150から電力が流出することもある。マスターモードとなるレグ110は、直流母線101から電力が流出して直流母線101の電圧が定格から下がった場合、流出で不足した電力分を接続相手(ここでは基幹系統11)から補てんする。または、直流母線101に電力が流入して直流母線101の電圧が定格から上がった場合、流入で過剰になった電力分を接続相手(ここでは基幹系統11)に逃がす。このようにして、マスターモードとなるレグ110は、直流母線101の電圧を維持するのである。したがって、一の電力ルータにおいて、少なくとも一つのレグはマスターモードとして運転されなければならない。さもなくば、直流母線101の電圧が一定に維持されなくなるからである。逆に、一の電力ルータにおいて二つ以上のレグがマスターモードで運転されてもよいが、やはり、マスターモードのレグは一つの電力ルータには一つであった方がよい。また、マスターモードとなるレグは、基幹系統の他、例えば、自励式インバータを搭載する分散型電源(蓄電池も含む)に接続してもよい。ただし、他励式インバータを搭載する分散型電源とマスターモードとなるレグとは接続できない。
以下の説明において、マスターモードで運転されるレグのことを、マスターレグということがある。
マスターレグの運転制御について説明する。
マスターレグを起動させる際には次のようにする。
まず、開閉器113を開(遮断)状態にしておく。この状態で接続端子115を接続相手に繋ぐ。ここでは、接続相手は基幹系統11である。
電圧センサ114によって接続先の系統の電圧を測定し、PLL(Phase−Locked−Loop)などを用いて系統の電圧の振幅、周波数および位相を求める。その後、求めた振幅、周波数および位相の電圧が電力変換部111から出力されるように、電力変換部111の出力を調整する。すなわち、サイリスタ111Tのオン/オフパターンを決定する。この出力が安定するようになったら、開閉器113を投入し、電力変換部111と系統11とを接続する。この時点では、電力変換部111の出力と系統11の電圧とが同期しているため、電流は流れない。
マスターレグを運用する時の運転制御を説明する。
直流母線101の電圧を電圧センサ103によって測定する。直流母線101の電圧が所定の定格母線電圧を上回っていたら、マスターレグ110から系統に向けて送電が行われるように、電力変換部111を制御する。(電力変換部111から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整して、マスターレグ110を介して直流母線101から系統11に向けて送電が行われるようにする。)なお、直流母線101の定格電圧は、予め設定によって定められているものである。
一方、直流母線101の電圧が所定の定格母線電圧より下回っていたら、このマスターレグ110が系統11から受電できるように、電力変換部111を制御する。(電力変換部111から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整して、マスターレグ110を介して系統11から直流母線101に送電が行われるようにする。)このようなマスターレグの運転が行われることにより、直流母線101の電圧が予め定められた定格を維持できるようになることが理解されるであろう。
(自立モード)
自立モードとは、管理サーバ50から指定された振幅・周波数の電圧を自ら作り出し、接続相手との間で送受電する運転モードである。例えば負荷30などの電力を消費するものに向けて電力を供給するための運転モードとなる。あるいは、接続相手から送電されてくる電力をそのまま受け取るための運転モードとなる。図1では、第2レグ120の接続端子125が負荷30に接続されている例を示している。第2レグ120が自立モードとして運転制御され、負荷30に電力を供給することになる。また、第4レグ140や第5レグ150のように他の電力ルータと接続される場合に、他の電力ルータから要求される電力分を送電するためのモードとして第4レグ140や第5レグ150を自立モードで運転する場合もある。または、第4レグ140や第5レグ150のように他の電力ルータと接続される場合に、他の電力ルータから送電されてくる電力を受電するためのモードとして第4レグ140や第5レグ150を自立モードで運転する場合もある。また、図に示していないが、負荷30に代えて、第2レグを発電設備に接続する場合も第2レグを自立モードで運転することもできる。ただし、この場合には発電設備に他励式インバータを搭載するようにする。電力ルータ同士を接続する場合の運転モードについては後述する。
自立モードで運転されるレグを自立レグと称することにする。一つの電力ルータにおいて、自立レグは複数あってもよい。
自立レグの運転制御について説明する。まず開閉器123を開(遮断)にしておく。接続端子125を負荷30に接続する。管理サーバ50から電力ルータ100に対し、負荷30に供給すべき電力(電圧)の振幅および周波数が指示される。そこで、制御部190は、指示された振幅および周波数の電力(電圧)が電力変換部121から負荷30に向けて出力されるようにする。(すなわち、サイリスタ121Tのオン/オフパターンを決定する。)この出力が安定するようになったら、開閉器123を投入し、電力変換部121と負荷30とを接続する。あとは、負荷30で電力が消費されれば、その分の電力が自立レグ120から負荷30に流れ出すようになる。
(指定電力送受電モード)
指定電力送受電モードとは、指定によって定められた分の電力をやり取りするための運転モードである。すなわち、接続相手に指定電力を送電する場合と、接続相手から指定電力を受電する場合と、がある。図1では、第4レグ140および第5レグ150が他の電力ルータと接続されている。このような場合に、決まった分の電力を一方から他方へ融通するようなことが行われる。または、第3レグ130は蓄電池35に接続されている。このような場合に、決まった分の電力を蓄電池35に向けて送電して、蓄電池35を充電するというようなことが行われる。また、自励式インバータを搭載する分散型電源(蓄電池も含む)と指定電力送受電レグとを接続してもよい。ただし、他励式インバータを搭載する分散型電源と指定電力送受電レグとは接続できない。
指定電力送受電モードで運転されるレグを指定電力送受電レグと称する。一つの電力ルータにおいて、指定電力送受電レグは複数あってもよい。
指定電力送受電レグの運転制御について説明する。起動時の制御についてはマスターレグと基本的に同じであるので、割愛する。
指定電力送受電レグを運用する時の運転制御を説明する。
(説明には、第5レグ150に付した符号を使用する。)
電圧センサ154によって接続相手の系統の電圧を測定し、PLL(Phase−Locked−Loop)などを用いて接続相手の電圧の周波数・位相を求める。管理サーバ50から指定された有効電力値および無効電力値と、接続相手の電圧の周波数および位相と、に基づいて、電力変換器151が入出力する電流の目標値を求める。電流センサ152によって電流の現在値を測定する。目標値と現在値との差分に相当する電流が追加で出力されるように、電力変換器151を調整する。(電力変換部151から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整して、指定電力送受電レグと接続相手との間で所望の電力が流れるようにする。)
以上の説明により、同じ構成である第1レグから第5レグが運転制御の仕方によって3パターンの役割を果たせることが理解されるであろう。
(接続制約)
運転モードの違いによってレグの働きが違ってくるので、接続相手の選択と運転モードの選択との間には自ずと制約が発生する。すなわち、接続相手が決まれば選択できる運転モードが決まり、逆に、運転モードが決まれば選択できる接続相手が決まる。(接続相手が変われば、それに合わせてレグの運転モードを変更する必要がある。)
可能な接続組み合わせのパターンを説明する。
以後の説明にあたって、図中の表記を図3のように簡略化する。
すなわち、マスターレグをMで表す。
自立レグをSで表す。
指定電力送受電レグをDで表す。
ACスルーレグをACで表す。
また、必要に応じてレグの肩に「#1」のように番号を付してレグを区別することがある。
また、図3以降では、図面ごとに系統立てた符号を付すが、必ずしも図面を跨がって同じ要素に同じ符号を付しているわけではない。
例えば、図3の符号200と図4Aの符号200とが全く同じものを指しているわけではない。
図3に示した接続組み合わせはいずれも可能な接続である。第1レグ210がマスターレグとして基幹系統11に接続されている。これは既に説明した通りである。第2レグ220が自立レグとして負荷30に接続されている。これも既に説明した通りである。第3レグ230および第4レグ240が指定電力送受電レグとして蓄電池35に接続されている。これも既に説明した通りである。
第5レグ250はACスルーレグである。ACスルーレグ250が他の電力ルータ300の指定電力送受電レグと繋がり、ACスルーレグ250は第4レグ240の接続端子245を介して蓄電池35に繋がっている。ACスルーレグ250は電力変換部を持たないのであるから、この接続関係は、他の電力ルータ300の指定電力送受電レグが蓄電池35に直接に繋がっていることと等価になる。このような接続が許されることは理解されるであろう。
第6レグ260は、指定電力送受電レグとして基幹系統11に繋がっている。第6レグ260を介して基幹系統11から決まった電力を受電するとすれば、このような接続が許容されるのは理解されるであろう。なお、第1レグ210がマスターレグとなっていることの関係でいうと、第6レグ260による受電電力が直流母線201の定格維持に足りなければ、マスターレグ210は、基幹系統11から必要な電力を受電することになる。逆に、第6レグ260による受電電力が直流母線201の定格維持に必要な量を超過してしまった場合、マスターレグ210は、過剰な電力を基幹系統11に逃がすことになる。
次に、電力ルータ同士を接続する場合を説明する。電力ルータ同士を接続するということは、一の電力ルータのレグと他の電力ルータのレグとを接続するということである。レグ同士を接続する場合、組み合わせられる運転モードには制約がある。
図4Aおよび図4Bに示す接続の組み合わせはいずれも可能な組み合わせの例である。図4Aにおいては、第1電力ルータ100のマスターレグ110と第2電力ルータ200の自立レグ210とが接続されている。詳しく説明しないが、第2電力ルータ200のマスターレグ220は、基幹系統11に繋がり、これにより第2電力ルータ200の直流母線201の電圧が定格に維持されるものとする。
図4Aにおいて、第1電力ルータ100から負荷30に対して電力供給を行うと、直流母線101の電圧が下がることになる。マスターレグ110は、直流母線101の電圧を維持するように接続相手から電力を調達する。すなわち、マスターレグ110は、足りない分の電力を第2電力ルータ200の自立レグ210から引き込むことになる。第2電力ルータ200の自立レグ210は、接続相手(ここではマスターレグ110)から要求される分の電力を送出する。第2電力ルータ200の直流母線201では、自立レグ210から電力を送出した分だけ電圧が下がることになるが、これはマスターレグ220によって基幹系統11から補てんされる。このようにして、第1電力ルータ100は、必要な分を電力を第2電力ルータ200から融通してもらえる。
このように、第1電力ルータ100のマスターレグ110と第2電力ルータ200の自立レグ210とを接続したとしても、マスターレグ110と自立レグ210とで役割が整合しているので、どちらの動作にも不都合は生じない。したがって、図4Aのようにマスターレグと自立レグとを接続してもよいことがわかる。
図4Bにおいては、第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310と第4電力ルータ400の自立レグ410とが接続されている。詳しく説明しないが、第3電力ルータ300のマスターレグ320と第4電力ルータ400のマスターレグ420とはそれぞれ基幹系統11に繋がっており、これにより、第3電力ルータ300および第4電力ルータ400のそれぞれの直流母線301、401は定格の電圧を維持するものとする。
ここで、管理サーバ50からの指示によって第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310は指定の電力を受電するように指示されているものとする。指定電力送受電レグ310が第4電力ルータ400の自立レグ410から指定の電力を引き込むようにする。第4電力ルータ400の自立レグ410は、接続相手(ここでは指定電力送受電レグ310)から要求される分の電力を送出する。第4電力ルータ400の直流母線401では、自立レグ410から送出した電力分だけ電圧が下がることになるが、これはマスターレグ420によって基幹系統11から補てんされる。
このように、第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310と第4電力ルータ400の自立レグ410とを接続したとしても、指定電力送受電レグ310と自立レグ410とで役割が整合するので、どちらの動作にも不都合は生じない。したがって、図4Bのように指定電力送受電レグと自立レグとを接続してもよいことがわかる。
なお、第3電力ルータ300が第4電力ルータ400から電力を融通してもらう場合を例に説明したが、逆に、第3電力ルータ300から第4電力ルータ400に向けて電力を融通する場合でも同じように不都合が無いことは理解されるであろう。
このようにして、第3電力ルータ300と第4電力ルータ400との間で指定電力を融通し合うことができるわけである。
電力変換部を有するレグ同士を直接に接続する場合には、図4Aと図4Bとに挙げた2パターンだけが許される。すなわち、マスターレグと自立レグとを接続する場合と、指定電力送受電レグと自立レグとを接続する場合と、だけが許される。
次に、互いに接続できない組み合わせを挙げる。
図5Aから図5Dは、互いに接続してはいけないパターンである。
図5A、図5B、図5Cを見てわかるように、同じ運転モードのレグ同士を接続してはいけない。
例えば、図5Aの場合、マスターレグ同士を接続している。
マスターレグは、運転動作の説明で前述したように、接続相手の電圧、周波数および位相に同期した電力を作り出す処理をはじめに行う。
ここで、接続相手もマスターレグである場合、お互いに相手の電圧および周波数に同期しようとするが、マスターレグは電圧および周波数を自立的に確立しないため、このような同期処理は成功し得ない。
従って、マスターレグ同士を接続できないのである。
またさらに、次のような理由もある。
マスターレグは、直流母線の電圧を維持するために接続相手から電力を引き込まなければならない。(あるいは、直流母線の電圧を維持するために、過剰な電力は接続相手に逃がさなければならない。)マスターレグ同士が接続されてしまっては、互いに接続相手の要求を満たすことはできない。(仮にマスターレグ同士を接続してしまうと、両方の電力ルータで直流母線の電圧を維持できなくなる。すると、それぞれの電力セル内で停電などの不具合が発生するかもしれない。)このように、マスターレグ同士では互いの役割が衝突してしまうので(整合しないので)、マスターレグ同士を接続してはいけない。
図5Bでは、指定電力送受電レグ同士を接続しているが、これも成り立たないことは理解できるであろう。
前記マスターレグと同じことであるが、運転動作の説明で前述したように、指定電力送受電レグも接続相手の電圧、周波数および位相に同期した電力を作り出す処理をはじめに行う。
ここで、接続相手も指定電力送受電レグである場合、お互いに相手の電圧および周波数に同期しようとするが、指定電力送受電レグは電圧および周波数を自立的に確立しないため、このような同期処理は成功し得ない。
従って、指定電力送受電レグ同士を接続できないのである。
またさらに、次のような理由もある。
仮に、一方の指定電力送受電レグ510が送電すべき指定送電電力と、他方の指定電力送受電レグ610が受電すべき指定受電電力と、を一致させたとしても、このような指定電力送受電レグ同士を接続してはいけない。例えば、一方の指定電力送受電レグ510が指定送電電力を送電しようとして電力変換部を調整するとする。(例えば、接続相手よりも所定値だけ出力電圧を高くする。)その一方、他方の指定電力送受電レグ610が指定受電電力を受電しようと電力変換部を調整する。(例えば、接続相手よりも所定値だけ出力電圧が低くなるようにする。)同時にこのような調整動作が両方の指定電力送受電レグ510、610で行われてしまっては、互いに制御不能に陥ってしまうことは理解されるであろう。
図5Cでは、自立レグ同士を接続しているが、このような接続はしてはいけない。
自立レグは自ら電圧・周波数を作り出すものである。
仮に自立レグ同士を繋いだ状態で2つの自立レグが作り出す電圧、周波数および位相のいずれかが少しでも乖離すると、2つの自立レグの間に意図しない電力が流れてしまうことになる。
2つの自立レグが作り出す電圧、周波数および位相を完全に一致させ続けるというのは無理なのであり、したがって、自立レグ同士を接続していけない。
図5Dにおいては、マスターレグと指定電力送受電レグとを接続している。
これまでの説明から、これも成り立たないことは理解できるであろう。マスターレグ510が直流母線501の電圧を維持するように接続相手に対して電力を送受電しようとしても、指定電力送受電レグ610はマスターレグ510の要求に応じて送受電しない。したがって、マスターレグ510は直流母線501の電圧を維持できない。また、指定電力送受電レグ610が接続相手(510)に指定電力を送受電しようとしても、マスターレグ510は指定電力送受電レグ610の要求に応じて送受電しない。したがって、指定電力送受電レグ610は接続相手(ここではマスターレグ510)に指定電力を送受電することはできない。
ここまでは、電力変換部を有するレグ同士を接続する場合を考えたが、ACスルーレグを考慮にいれると、図6Aから図6Dのパターンも可能である。ACスルーレグとは、電力変換部を有していないことから、単なるバイパスである。したがって、図6Aや図6Bのように、第1電力ルータ100のマスターレグ110が第2電力ルータ200のACスルーレグ250を介して基幹系統11に繋がるというのは、マスターレグ110が基幹系統11に直結していることと本質的に変わりがない。同じように、図6Cや図6Dのように、第1電力ルータ100の指定電力送受電レグ110が第2電力ルータ200のACスルーレグ250を介して基幹系統11に繋がるというのは、指定電力送受電レグ110が基幹系統11に直結していることと本質的に変わりがない。
それでも、ACスルーというのは設けておくと便利である。例えば、図7のように、第1電力ルータ100から基幹系統11までの距離が非常に長く、第1電力ルータ100を基幹系統11に接続するためにはいくつかの電力ルータ200、300を経由しなければならないという場合が考えられる。仮にACスルーレグが無いとすると、図4Aで示したように、一または複数の自立レグを経由しなければならなくなる。電力変換部をもつレグを経由すると、交流電力から直流電力への変換および直流電力から交流電力への変換を経由することになる。電力変換にはやはり数%とはいえどもエネルギーロスが発生するので、単に基幹系統に接続するためだけに複数回の電力変換を必要とするのは効率が悪い。したがって、電力ルータに電力変換部を有さないACスルーレグを設けておくことには意味があるのである。
ここまでに説明したことを図8にまとめた。また、図9に、4つの電力ルータ100−400を相互に接続した場合の一例を挙げる。いずれの接続関係もこれまでの説明中に登場したので、一つ一つの接続先を細かく説明することはしないが、いずれも許容される接続関係であることは理解されるであろう。
ここで、電力ルータと接続相手とを繋ぐ接続線について補足しておく。
電力ルータ同士を繋ぐ接続線を送電線と称するとすると、送電線は基幹系統の一部となっていてもよいし、基幹系統から切り離されていてもよい。
(図9においては、基幹系統の一部となっている送電線に71Aの符号を付し、基幹系統から切り離された送電線に71Bの符号を付した。)すなわち、基幹系統に対して複数の電力ルータが接続されていてもよい。このように基幹系統を介して二以上の電力ルータを接続することにより、複数の電力ルータ間で基幹系統を介した電力融通が可能となり、融通される電力の過不足を基幹系統で補填するようにもできる。その一方、基幹系統を介さないで二以上の電力ルータ同士を接続してもよい。また、電力ルータと負荷(または分散型電源)とを繋ぐ接続線を配電線72と称するとすると、配電線72は基幹系統11から切り離されたものである。すなわち、電力ルータと負荷(または分散型電源)とを繋ぐ配電線72は基幹系統11に繋がらない。
また、図10に図示するように、電力ルータ100−400をバス接続のようにして接続するようにしてもよい。各レグの運転モードについては説明を省略するが、電力融通の方向とこれまでに説明した接続制約とを考慮して適切に各レグの運転モードを選択しなければならないことはもちろんである。なお、図10において、基幹系統11を、蓄電池や発電設備などの分散型電源に代えてもよいことはもちろんである。すなわち、複数の電力ルータを分散型電源にバス接続してもよい。
また、図11に示す例は、二つの電力ルータ100、200を基幹系統11に接続した接続形態の一例である。図11において、基幹系統11を分散型電源に代えてもよい。
これまで説明したように、電力ルータの接続相手としては、基幹系統、蓄電池や発電設備を含む分散型電源、および、他の電力ルータが挙げられるところ、本明細書および特許請求の範囲においてこれらを電力系統と称する。
電力ルータにより、電力セル同士を非同期に相互接続した電力ネットワークシステムを構築することができる。そして、本実施形態に説明した接続制約に従うことによって、互いの役割が矛盾しないようにレグ同士を接続していくことができる。これにより、電力ネットワークシステムを拡張し、また、全体を安定的に運用することができるようになる。
(本発明の課題)
本発明によって実現したいことを順を追って説明する。
(例1)
例1を図12から図16を参照して説明する。
まず、図12をご覧頂きたい。
図12において、第1電力セル1と第2電力セル2とがすでに既存の電力セルとして存在しているとする。
第1電力セル1においては、第1電力ルータ100に負荷30と蓄電池35とが接続されているとする。
第1電力ルータ100は、基幹系統11から電力を引き込んで、負荷30や蓄電池35に電力を供給する。
一方、第2電力セル2においては、第2電力ルータ200に負荷30が接続されているとする。
第2電力ルータ200は、基幹系統11から電力を引き込んで、負荷30に電力を供給する。
ここで、基幹系統11がダウンした場合の備えとして、第1電力ルータ100と第2電力ルータ200とを互いに接続しておき、一方(第1電力ルータ100)から他方(第2電力ルータ200)へ電力を融通できるようにしてあるものとする。
さて、ここで、第3電力セル3を新規に設けたいとする。
第3電力セル3において、第3電力ルータ300に負荷30が接続されている。
なお、第3電力セル3は、蓄電池を持たないとする。
第3電力ルータ300をまずは基幹系統11に接続する。そして次に、基幹系統11がダウンした場合の備えとして、第3電力ルータ300を第1電力ルータ100と第2電力ルータ200とのいずれに繋いでおくのがよいかという問題になる。
第2電力ルータ200の方が距離的に近いという利点があったと仮定し、この利点を重視して第3電力ルータ300を第2電力ルータ200の方に接続したとする。
この状態を図13に示す。
ここで、基幹系統11がダウンしたとする。
この場合、図14に示すように、第1電力セル1の蓄電池35に貯められている電力を第2電力セル2および第3電力セル3に融通することになる。確かに、第2電力セル2はもちろん第3電力セル3にも蓄電池35の電力を融通することはできる。
しかしながら、第1電力ルータ100から第3電力ルータ300に至るには第2電力ルータ200を経由しなければならない。すなわち、第1電力ルータ100から第3電力ルータ300に至るまでの送電が2ホップになる。すると、送電距離が長くなるということが第1の問題になる。さらに、電力ルータ同士を非同期で相互接続するため、電力ルータは送受電にあたって電力変換を行っている。(交流から直流へ、直流から交流へ電力変換を行う。)したがって、第2電力ルータ200を経由するとなると、第2電力ルータ200による電力変換で電力変換ロスが余計に生じることになる。
このように考えてみると、図15のように、第3電力ルータ300は、第1電力ルータ100に繋いでおく方がよいとも考えられる。こうすれば、基幹系統11がダウンした場合、第1電力セル1の蓄電池35から第2電力ルータ200にも第3電力ルータ300にも効率よく送電することができる(図16参照)。ただ、送電効率だけを考えれば第3電力ルータ300と第1電力ルータ100とを直接繋ぐ方が良いが、第3電力ルータ300と第1電力ルータ100との間に送電線を配線するのに膨大なコストが掛かるようでは本末転倒である。
(例2)
次に例2を考える(図17から図20)。
例2は、例1とは2点で異なるとする。第1点は、新規の電力セルである第3電力セル3が蓄電池35を備えている点である。第2点は、第1電力セル1の蓄電池35は出力が小さく、基幹系統11がダウンしているときに、この蓄電池35では第1電力セル1と第2電力セル2とを支えきれないとする。
図17において、第3電力セル3の第3電力ルータ300には負荷30と蓄電池35とが接続されている。この状況において、第1電力セル1と第3電力セル3とを接続したとする。この状態を図18に示す。ここで、基幹系統11がダウンしたとする(図19参照)。この場合、第2電力セル2は蓄電池を持たないので、すぐにでも第1電力セルから電力を融通してほしいとなるが、第1電力セル1の蓄電池35の電力は第1電力セル1の需要をまかなうのに大半が使われてしまうと、第1電力セル1から第2電力セル2に向けて電力融通するというわけにはいかなくなる。すると、第2電力セル2はダウンしてしまうことになる。
また、第3電力セルの蓄電池35から第1電力セルを経由して第2電力セルに電力融通することも可能であるが、そうすると送電が2ホップになり、先の(例1)と同じ問題が発生してしまう。
これに対し、図20に示すように、新規の第3電力セル3を第2電力セル2の方に接続しておけば、基幹系統11がダウンしたときに第3電力セル3から第2電力セル2に向けて迅速に電力融通できる。したがって、新規に設ける電力セルに蓄電池がある場合には、蓄電池がない電力セルの方に繋ぐことが望ましいということになる。ただし、この場合も配線の設備コストや送電ロスなどのコスト要因とトレードオフになる。
このように、新規に電力セルを設けるにあたって、この新規電力セルを既存の電力セルのうちのどれに接続しておくのがよいかという問題は安定した電力ネットワークシステムを構築するうえで解決すべき問題である。
これが第1の課題である。
さらに、第2の課題がある。
電力ルータ同士を接続するにあたっては単に配線が繋がっていればよいというものではなくて、正常運転ができるように制約を守った接続をしなければならない。具体的には、電力ルータの各レグには運転モードが設定されるのであり、運転モードによってレグの動作は異なる。
新規に電力ルータ同士を接続するにあたってはレグの運転モードの組み合わせを考えなければならない。レグの運転モード同士の接続制約については前述したところ、基幹系統がダウンした際に電力ルータ間でスムースな電力融通が実現されるように電力ルータ同士を接続しておかなければならないのである。本発明者らは、新規に電力セルを設けるにあたって、新規電力セルと既存電力セルとを接続する場合には、あらかじめ停電時の対応を考えたうえで各レグの運転モードを設定しておかなければならないことに気がついた。さもなくば、配線自体は繋がっていたとしても正常な運転ができないために電力融通が行えず、結局は電力システムの維持ができなくなってしまうのである。
第2の課題をもう少し詳しく説明する。
図21をご覧頂きたい。
図21において、第1電力セル1および第2電力セル2が既存の電力セルであり、第3電力セル3を新規に設けたいとする。
なお、第1電力セル1は、第1電力ルータ100と、負荷30と、蓄電池35と、を有している。第2電力セル2は、第2電力ルータ200と、負荷30と、を有している。そして、新規の第3電力セル3は、第3電力ルータ300と、負荷30と、を有している。
第1電力ルータ100、第2電力ルータ200および第3電力ルータ300のマスターレグ110、210、310がそれぞれ基幹系統11に接続されている。また、第1電力ルータ100の自立レグ120と第2電力ルータ200の指定電力送受電レグ220とが接続されている。第1電力ルータ100の指定電力送受電レグ150が蓄電池35に接続されている。第1電力ルータ100、第2電力ルータ200および第3電力ルータ300の自立レグ130、230、320がそれぞれ負荷30に接続されている。ここで、第1電力ルータ100と第3電力ルータ300とを接続するにあたって、第1電力ルータ100の指定電力送受電レグ140と第3電力ルータ300の自立レグ330とを接続したとする。この接続関係が許容される組み合わせであることは、これまでに説明した通りである。
さて、基幹系統11がダウンしてしまったとする(図22参照)。
基幹系統11がダウンしても、第1電力セル1の蓄電池35の電力を第2電力セル2と第3電力セル3に融通することで電力システム全体としては維持できるようにしたい。そのため、基幹系統11のダウンが検知された場合には、次のような運転切り換えを行う。(切り換えた状態を図22に示した。)
(なお、基幹系統11のダウンをどのように検知するのか、各電力ルータに対してどのように運転の切り換えを指示するのか、という点については様々な態様が考えられるであろう。
電力ルータごとにマスターレグの接続相手(ここでは基幹系統)から供給される電力量をモニタできるようにしておき、マスターレグの接続相手がダウンした場合には、予め決められた手順で各レグの運転モードを切り換えるようにしてもよい。あるいは、基幹系統11がダウンした場合には、管理サーバから各電力ルータにレグの運転モードの切り換え指示が出されるようにしてもよい。)
まず、第1電力ルータ100に注目すると、第5レグ150は蓄電池35に繋がっており、その運転モードは指定電力送受電モードである。第1電力ルータ100は、蓄電池35の電力を用いて直流母線の電圧を維持したいのであるから、第5レグ150の運転モードを指定電力送受電モードからマスターモードに切り換える。第2電力ルータ200においては、第1電力ルータ100から電力を融通してもらいたいので、第2レグ220の運転モードを指定電力送受電モードからマスターモードに切り換える。第3電力ルータ300においては、第1電力ルータ100から電力を融通してもらいたいので、第3レグ330の運転モードを自立モードからマスターモードに切り換える。要するに、余剰電力を持っている相手に繋がっているレグをマスターレグにするということである。
しかし、このように各レグの運転モードが切り替わったとしても、電力融通が正常に行えるとは限らない。第1電力ルータ100と第2電力ルータ200との関係では、第1電力ルータ100から第2電力ルータ200に向けて正常な電力融通が行えるのは確かである。
第2電力ルータ200の第2レグ220が繋がっている相手は、第1電力ルータ100の第2レグ120であり、第1電力ルータ100の第2レグ120は自立モードで運転されている。したがって、第2電力ルータ200の第2レグ220が必要とする分だけ第1電力ルータ100の第2レグ120は電力を送電できる。
一方、第1電力ルータ100と第3電力ルータ300との間では、このままでは正常な電力融通を行うことができない。第3電力ルータ300の第3レグ330がマスターレグであるが、このマスターレグ330の接続相手は第1電力ルータ100の第4ルータ140であり、この第1電力ルータ100の第4ルータ140は指定電力送受電レグである。この接続は、前述のように、許容できない組み合わせである。したがって、第3電力ルータ300が第1電力ルータ100からの電力融通で動作を継続しようとしても、このままでは第1電力ルータ100から電力融通を受けられないのである。
なお、図22の状態において、さらに、第1電力ルータの第4レグ140の運転モードを指定電力送受電モードから自立モードに運転切り換えさせるという考え方もあり得る。しかし、第1電力ルータと第3電力ルータとの両方でレグの運転モードを切り換えるというのは停電に備えた対応策としては望ましくない。第1電力ルータ100の第4レグ140の運転モードを指定電力送受電モードから自立モードに切り換え、さらに、第3電力ルータ300の第3レグ330の運転モードを自立モードからマスターモードに切り換える、という作業には時間を要し、停電に対して迅速に対応するということができない可能性が高いからである。
したがって、停電時の対応を考えておくならば、図23に示すように、第1電力ルータ100の第4レグ140と第3電力ルータの第3レグ330とを繋ぐにあたって、第1電力ルータ100の第4レグ140を自立レグにしておかなければならないということである。
ここまで説明してきたように、新規に電力セルを新設するとして、新規の電力セルを既存の電力セルのうちのどれに繋ぐべきかということに加えて、基幹系統がダウンした際に電力ルータ間でスムースな電力融通が実現されるように電力ルータ同士を接続しておかなければならない。すなわち、レグの運転モードについても十分に考慮しておかなければならない。
これが第2の課題である。
本発明者らは鋭意研究の末、新規電力セルを設けるにあたり、諸事情を総合的に考慮しつつ、最適な接続先を選定する方法の開発に成功した。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を説明する。
図24は、本実施形態の全体処理手順を示すフローチャートである。
本実施形態は、準備工程ST100と、接続相手選定工程ST200と、レグ運転モード設定工程ST300と、を有する。
すなわち、準備工程ST100で必要な情報を用意しておき、この情報を基に、接続相手の選定を行う(ST200)。
さらに、接続相手が決まったのち、レグの運転モードを設定する(ST300)。
各工程を詳しく説明する。
準備工程ST100の詳細手順を図25のフローチャートに示す。
まず、第1準備工程ST110として、既存の電力ネットワークシステムの情報テーブルを更新する。
既存電力ネットワークの情報テーブルの例を図26に示す。
既存電力ネットワークの情報テーブルは、すでに設置されている電力セルの情報をまとめたものである。
ここには、電力セルごとにID番号が付され、電力セルごとに、需要電力、供給電力、余剰電力、および、場所などの情報がまとめられている。
需要電力とは、その電力セル内の負荷が消費する電力で、単位ワット[W]で表される。
例えば、電力セルに存在する世帯や工場、商業ビルごとに契約ワット数が定められているところ、それらの総計を需要電力としてもよい。
あるいは、停電時(基幹系統のダウン時)であっても最低限必要とされる電力としてもよい。
例えば、病院が絶対に必要とする電力や、ライフラインを維持するために必要な電力などを見積もって総計し、これを需要電力としてもよい。
供給電力とは、その電力セル内の分散型電源が出力できる電力値である。
例えば、電力セル内には、発電設備や蓄電設備が設けられているところ、それらの最大出力の総計を供給電力としてもよい。
要は、停電時(基幹系統のダウン時)であってもその電力セルの分散型電源が供給できる電力値である。
自然エネルギーを利用するような発電設備の場合、例えば、設計上の最大出力を用いてもよいし、過去の実績から供給可能電力を見積もってもよいであろう。
余剰電力とは、停電時(基幹系統のダウン時)にその電力セルで余剰となる電力である。
典型的には、供給電力から需要電力を引いた値を用いればよい。
余剰電力が正の値となる場合、停電時(基幹系統のダウン時)でもその電力セルは電力が余っていることを意味する。
一方、余剰電力が負の値となる場合には、停電時(基幹系統のダウン時)、その電力セルは電力が足りないことを意味する。
次に、第2準備工程ST120として、新規電力セルの情報テーブルを作成する。
新規電力セルの情報テーブルを図27に示す。
新規電力セルの情報テーブルにおいても、ID番号とともに、需要電力、供給電力、余剰電力、および、場所などの情報がまとめられる。
さらに、第3準備工程ST130として、総合情報テーブルを作成する(図28参照)。
総合情報テーブルは、既存電力ネットワークの情報テーブル(図26)と新規電力セルの情報テーブル(図27)とを統合したものであって、さらに、コストおよび送電効率を加えたものである。
コストとは、新規電力セルを既存電力セルに接続すると仮定した場合に想定される設置費用および運用費用の合計であり、既存電力セルごとに算出される。
設置費用には、例えば、工事作業費や設備品費などが含まれる。
例えば、地理的に離れていたり、山、谷あるいは海を越えてケーブルを設置したりするとなると、工事作業費も設備品費も押し上げられる。
運用費用には、メンテナンス料や託送料金が含まれる。
送電効率は、送電によって失われる電力を考慮した送電効率を意味する。
例えば、送電によって5%の電力が失われた場合、送電効率は0.95である。
送電距離が長くなれば送電効率は低下する。
(また、送電電圧によっても送電効率が変化することがある。)
このように総合情報テーブルを作成できたところで準備工程ST100は終了となり、次に接続相手選定工程ST200を実行する。
接続相手選定工程ST200を図29から図31のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、新規電力セルと既存電力ネットワークとの間に停電時対応を考慮した依存関係を構築するかどうかの判断を行う(ST201)。
すなわち、新規電力セルの余剰電力が0である場合、この新規電力セルは他の電力セルに電力を融通することができないし、また、他の電力セルから融通してもらう必要もない。
または、電力システムの運用者側の判断により、停電時(基幹系統のダウン時)に新規電力セルと既存電力ネットワークとの間に依存関係を構築したくない、という場合もあり得る。
新規電力セルと既存電力ネットワークとの間に停電時対応を考慮した依存関係を構築しない場合(ST201:YES)、新規電力セルの接続相手としては既存電力セルのうちでコストが最小のものとする(ST202)。
一方、新規電力セルと既存電力ネットワークとの間に停電時対応を考慮した依存関係を構築する場合(ST201:NO)、新規電力セルの余剰電力が正であるか負であるかによってフローが分岐する。
まず、新規電力セルの余剰電力が正である場合(ST203:YES)、「第1条件群」を満たす既存電力セルを探索する。
ここで、「第1条件群」は、
[既存電力セルの余剰電力]<0・・・(条件式11)、かつ、
[新規電力セルの余剰電力]×(送電効率)+[既存電力セルの余剰電力]≧0・・・(条件式12)、かつ、
[コスト]≦(所定のコスト上限値)・・・(条件式13)
で表される。
新規電力セルの余剰電力が正であるということは、停電時に他の電力セルに電力を融通する余裕があるということである。
したがって、このような新規電力セルの接続相手としては、停電時に電力が不足する既存電力セルであることが好ましい。
したがって、条件式11が必要になる。
また、自分自身の余剰分と接続相手のマイナス分とを合算したときにマイナスになってはいけない。
自分自身の余剰分と接続相手のマイナス分とを合算したときにマイナスになってしまうと、停電時に両方ともダウンしてしまうことになる。
また、この際には、送電効率も考慮に入れる必要がある。
したがって、条件式12が必要になる。
さらに、仮に条件式1および条件式2を満たす既存電力セルがあったとしても、この既存電力セルと当該新規電力セルとを接続するのにコストが掛かり過ぎては意味がない。
例えば、ケーブルを設置するコストが新規分散型電源の設置コストを超えるようでは、電力融通のためにわざわざ長距離ケーブルを引くというのはナンセンスである。
したがって、条件式13が必要になる。
第1条件群を満たす既存電力セルが1つ以上ある場合(ST205:YES)、それらのなかでコストが最小のものを当該新規電力セルの接続相手として選定する(ST206)。
そして、第1更新処理を実行する(ST207)。
第1更新処理とは、次のように余剰電力を更新することである。
当該新規電力セルの接続相手を既存電力セルYとする。
[更新後の新規電力セルの余剰電力]:[更新前の新規電力セルの余剰電力]+[更新前の既存電力セルYの余剰電力]÷(送電効率)
[更新後の既存電力セルYの余剰電力]:0
更新後の新規電力セルの余剰電力は、既存電力セルYのマイナス分を融通してもなお余っている電力を表している。
更新後の既存電力セルYの余剰電力は、一律に0にすることとしている。
ここで、既存電力セルYと新規電力セルとを接続するのであるから、新規電力セルが持っている分散型電源の電力を更新後の既存電力セルYの余剰電力に含めてしまってもよいという考え方もある。
言い換えると、更新後の既存電力セルYの余剰電力を0ではなくプラス値にし、そのプラス値の分だけ更新後の新規電力セルの余剰電力を減らしてもよい、ということである。
更新後の既存電力セルYの余剰電力をプラスにするということは、既存電力セルYを介して新規電力セルの余剰電力を他の電力セルに融通できるということを意味する。
本発明では、このような考え方を明確に除外するわけではないが、このような電力の"又貸し"は電力効率の点で望ましくはなく、また、条件式の計算が複雑になってくる恐れもあるため好ましくはなく、本実施形態としては、更新後の既存電力セルYの余剰電力を一律に0にすることとした。
更新処理1を行った後(ST207)、さらに第1条件群を満たす既存電力セルがあるか探索し(ST204)、第1条件群を満たす既存電力セルがなくなるまでST204からST207を繰り返す。
このようにして、余剰電力が正である新規電力セルを設置するにあたり、適切な接続相手が選定されることになる。
ST205において、第1条件群を満たす既存電力セルが無い場合(ST205:NO)、第1条件群を満たす既存電力セルが一つも無かったかどうかで処理が分岐する。
第1条件群を満たす既存電力セルが一つも無ければ(ST208:YES)、これは、当該新規電力セルと依存関係を作る既存電力セルがないということであるから、ST202に戻って、コストが最小のものを接続相手として選定して、処理は終了する。
第1条件群を満たす既存電力セルが一つ以上あり、ST204からST207のループを一回以上回っていれば(ST208:NO)、そのまま処理は終了となる。
ここで、図30では、更新処理1を行った後(ST207)、さらに、第1条件群を満たす既存電力セルがなくなるまでST204からST207を繰り返す場合を説明したが、ST204からST207をループせずに、新規電力セルの接続相手が一つ決定されたところで終了するようにしてもよい。
次に、新規電力セルの余剰電力が負である場合(ST203:NO)の処理を説明する。
新規電力セルの余剰電力が負である場合(ST203:NO)、「条件群2」を満たす既存電力セルを探索する。
ここで、「第2条件群」は、
[新規電力セルの余剰電力]+[既存電力セルの余剰電力]×(送電効率)≧0・・・(条件式21)、かつ、
[コスト]≦(所定のコスト上限値)・・・(条件式22)
で表される。
新規電力セルの余剰電力が負であるということは、新規電力セルは停電時に他の電力セルから電力の融通を受けたいということである。
したがって、このような新規電力セルの接続相手としては、停電時に余剰電力を持ち、さらに、自分自身の余剰分と接続相手(新規電力セル)のマイナス分とを合算したときにマイナスにならない既存電力セルとすることが好ましい。
したがって、条件式21が必要となる。
(なお、条件式21が満たされれば、[既存電力セルの余剰電力]<0が当然に成立することは理解できるであろう。)
さらに、条件式13と同じ理由で、仮に条件式21を満たす既存電力セルがあったとしても、この既存電力セルと新規電力セルとを接続するのにコストが掛かり過ぎては意味がないので、条件式22が必要になる。
第2条件群を満たす既存電力セルが1つ以上ある場合(ST210:YES)、それらのなかでコストが最小のものを当該新規電力セルの接続相手として選定する(ST211)。
そして、第2更新処理を実行する(ST212)。
第2更新処理とは、次のように余剰電力を更新することである。
当該新規電力セルの接続相手を既存電力セルZとする。
[更新後の新規電力セルの余剰電力]:0
[更新後の既存電力セルZの余剰電力]:[更新前の既存電力セルZの余剰電力]+[更新前の新規電力セルの余剰電力]÷(送電効率)
第2更新処理を行った後、処理は終了する。
このようにして、余剰電力が負である新規電力セルを設置するにあたり、適切な接続相手が選定されることになる。
ST210において、第2条件群を満たす既存電力セルが無い場合(ST210:NO)、当該新規電力セルと依存関係を作る既存電力セルがないということになり、ST202に戻って、コストが最小のものを接続相手として選定して、処理は終了する。
これで、接続相手選定工程ST200は終了となり、次に、レグ運転モード設定工程ST300に移行する。
レグ運転モード設定工程ST300の手順を示すフローチャートを図32に示す。
ここまでの処理により、新規電力セルに繋ぐ接続相手(一つ以上の既存電力セル)が決まっている。
レグ運転モード設定工程ST300においては、新規電力セルと既存電力セルとの間で停電時の電力融通をするかどうかを判断する(ST310)。
新規電力セルに接続される既存電力セルが前記ST202で選定されていた場合、新規電力セルと既存電力セルとの間で停電時の電力融通をしないと判断する。一方、新規電力セルに接続される既存電力セルが前記ST206またはST211で選定されていた場合、新規電力セルと既存電力セルとの間で停電時の電力融通をすると判断する。
新規電力セルと既存電力セルとの間で停電時の電力融通をしない場合(ST310:NO)、第1レグ運転設定ルールに従って各レグの運転モードを設定する。
第1レグ運転設定ルールとは、次のようなレグ運転ルールである。
電力セルXと電力セルYとを接続することが決定されているとする。
(すなわち、電力セルXの電力ルータXRと、電力セルYの電力ルータYRと、を接続するということである。より具体的には、電力ルータXRのレグXRLと電力ルータYRのレグYRLとを接続するということである。)
(電力セルXと電力セルYとでどちらが新規電力セルでどちらが既存電力セルであるかを区別する必要はない。)
そして、基幹系統がダウンしていないときには、電力セルXから電力セルYに向けて電力融通をするとする。
このとき、電力ルータXRのレグXRLおよび電力ルータYRのレグYRLの運転モードを次のようにする。
「基幹系統がダウンしていないときには、電力ルータXRのレグXRLの運転モードを指定電力送受電モードとし、電力ルータYRのレグYRLの運転モードを自立モードとする。
そして、基幹系統がダウンして停電になったときには、電力ルータXRのレグXRLおよび電力ルータYRのレグYRLの運転を停止させる。
ただし、電力ルータXRおよび電力ルータYRにおいて、分散型電源に繋がっているレグがあれば、基幹系統の停電時には分散型電源に繋がっているレグの運転モードをマスターモードに変更する。」
要は、電力の送電側を指定電力送受電モードとし、受電側を自立モードとする、ということである。
また、基幹系統の停電時には電力融通をしないのであるから、基幹系統の停電時にはレグの運転を止める、ということである。
なお、第1レグ運転設定ルールにおいて、電力の送電側を指定電力送受電モードとし、受電側を自立モードとする、としたのは、この方が送電効率が良いからである。
電力の送電側を自立モードとし、受電側を指定電力送受電モードとしても運転は可能であり、このような運転モードの設定が本発明から除外されるわけではない。
一方、新規電力セルと既存電力セルとの間で停電時の電力融通をする場合(ST310:YES)、第2レグ運転設定ルールに従って各レグの運転モードを設定する。
第2レグ運転設定ルールとは、次のようなレグ運転ルールである。
電力セルJと電力セルKとを接続することが決定されているとする。
(すなわち、電力セルJの電力ルータJRと、電力セルKの電力ルータKRと、を接続するということである。
より具体的には、電力ルータJRのレグJRLと電力ルータKRのレグKRLとを接続するということである。)
(電力セルJと電力セルKとでどちらが新規電力セルでどちらが既存電力セルであるかを区別する必要はない。)
そして、基幹系統が停電したときには、電力セルJから電力セルKに向けて電力融通をするとする。
このとき、電力ルータJRのレグJRLおよび電力ルータKRのレグKRLの運転モードを次のようにする。
「電力ルータJRのレグJRLの運転モードを自立モードとする。
電力ルータKRのレグKRLの運転モードについては、基幹系統が停電していないときには、指定電力送受電モードとする。
基幹系統が停電したときには、電力ルータKRのレグKRLの運転モードを指定電力送受電モードからマスターモードに変更する。
(基幹系統が停電したときでも、電力ルータJRのレグJRLの運転モードは自立モードのままでよい。
電力ルータJRにおいて、分散型電源に繋がっているレグがあれば、基幹系統の停電時には分散型電源に繋がっているレグの運転モードをマスターモードにする。)」
第2レグ運転設定ルールに従って各レグの運転モードを設定すれば、停電時の対応が迅速に行える。
すなわち、基幹系統がダウンしたとしても、受電側の電力ルータ(電力ルータKR)においてのみ、レグKRLの運転モードを指定電力送受電モードからマスターモードに変更するだけでよい。
(送電側ではレグの運転モードを変更しなくてもよい。)
したがって、電力セルKが余剰電力を持たないとしても、基幹系統が停電したときには、電力セルJから融通してもらう電力で電力ルータKの直流母線の電圧を定格に維持でき、電力セルKが停電に陥ってしまうという事態を回避できるようになる。
以上の処理によって、新規電力セルを設けるにあたり、適切な接続相手を選定できる。
これにより、仮に基幹系統がダウンしたとしても電力セル間での電力融通を適切に実行でき、電力ネットワークの全体あるいは広範囲で大規模な停電に陥ってしまうような事態を回避することができるようになる。
また、停電時には電力セル間で電力融通を行えるようにしているのであるから、すべての電力セルに蓄電池や発電設備などの分散型電源設備を設けるなどの過剰な設備投資も必要なくなる。
そして、レグの運転モードを適切に設定することによって、停電時対応が迅速に行えるようになり、電力セルが停電に陥る事態を極力回避できるようになる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
上記ST206において、コストが最小のものを新規電力セルの接続相手として選定したが、第1条件群を満たす既存電力セルのなかで需要電力が最も大きいものを新規電力セルの接続相手としてもよい。
あるいは、第1条件群を満たす既存電力セルのなかで余剰電力の絶対値が最も大きいものを新規電力セルの接続相手としてもよい。
既存電力ネットワークの情報テーブル、新規電力セルの情報テーブルおよび総合情報テーブルを作成したり記憶したりする機能は、管理サーバ50に設けておくのがシステム設計上最も効率的であると考えられるが、管理サーバ50以外のコンピュータを用いて、前記のテーブルを作成、記憶させるようにしてもよい。
図25から図32で説明した処理フローの各工程は、人(オペレータ)が決められたマニュアルにしたがって計算、判断してもよく、もちろん、予め電力ネットワークシステムの運用プログラムなどを組んでおいて、上記に説明した各工程が自動的にコンピュータによって実行されるようにしてもよい。
前記電力ネットワークシステムの運用プログラムはコンピュータ読み取り可能な不揮発性記録媒体に記録された状態で配布されてもよく、有線または無線でダウンロードできるようにしておいてコンピュータにインストールするようにしてもよい。
蓄電池を発電設備等を含む分散型電源に読み替えてもよい。
上記説明では、すべての電力セルは基幹系統に繋がっており、電力セルは、通常時は基幹系統から電力をもらうこととした。そして、基幹系統がダウンした状態を停電と称していた。
通常時に基幹系統から電力をもらうのではなく、通常時でも複数の電力セルが(大きな)分散型電源から電力をもらうような場合も考えられ、そのような場合に停電とは、この電力供給元である(大きな)分散型電源がダウンしたことを意味する。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2013年1月15日に出願された日本出願特願2013−004770を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10・・・電力ネットワークシステム、11・・・基幹系統、12・・・大規模発電所、21・・・電力セル、30・・・負荷、31・・・家、32・・・ビル、33・・・太陽光発電パネル、34・・・風力発電機、35・・・電力貯蔵設備(蓄電池)、41・・・電力ルータ、50・・・管理サーバ、51・・・通信網、100・・・電力ルータ、101・・・直流母線、102・・・平滑コンデンサー、103・・・電圧センサ、110・・・レグ、111・・・電力変換部、111D・・・帰還ダイオード、111P・・・逆並列回路、111T・・・サイリスタ、112・・・電流センサ、113・・・開閉器、114・・・電圧センサ、115・・・接続端子。

Claims (4)

  1. 外部の電力系統に非同期に接続するための電力ルータを有する電力セルを複数具備し、これら複数の電力セルを接続してなる電力ネットワークシステムの運用方法であって、
    前記電力ルータは、
    所定の定格に電圧が維持される直流母線と、
    一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を双方向に変換する機能を有する電力変換レグと、を備え、
    前記電力変換レグは、
    前記直流母線の電圧が定格から下がった場合、不足分の電力を接続相手から補填し、前記直流母線の電圧が定格から上がった場合、過剰分の電力を接続相手に送出するマスターモードと、
    指定された電力を接続相手に送電するか、または、指定された電力を接続相手から受電する指定電力送受電モードと、
    指定された振幅・周波数の電圧を自ら作り出し、接続相手との間で送受電する自立モードと、
    のいずれかの運転モードで運転制御されるものであり、
    第1電力ルータの第1電力変換レグと、第2電力ルータの第2電力変換レグと、が接続されている場合、
    基幹系統からの電力供給があるときは、
    前記第1電力ルータの前記第1電力変換レグの運転モードを前記自立モードとし、
    前記第2電力ルータの前記第2電力変換レグの運転モードを前記指定電力送受電モードとし、
    前記第1電力ルータおよび前記第2電力ルータが前記基幹系統からの電力供給が受けられないときに、前記第1電力ルータの前記第1電力変換レグから前記第2電力ルータの前記第2電力変換レグに送電することで電力を融通するときは、
    前記第1電力ルータの前記第1電力変換レグの運転モードを前記自立モードとし、
    前記第2電力ルータの前記第2電力変換レグの運転モードを前記マスターモードとする
    ことを特徴とする電力ネットワークシステムの運用方法。
  2. 前記第1電力ルータの前記第1電力変換レグ以外の電力変換レグが分散型電源と接続し、前記第2電力ルータの前記第2電力変換レグ以外の電力変換レグが負荷と接続している、
    請求項1に記載の電力ネットワークシステムの運用方法。
  3. 前記第1電力ルータの前記分散型電源と接続する電力変換レグを前記マスターモードで運転させる、
    請求項2に記載の電力ネットワークシステムの運用方法。
  4. 前記第1電力ルータの前記第1電力変換レグ以外の電力変換レグが分散型電源と接続せず、前記基幹系統から電力の供給を受けられない場合、
    前記第1電力変換レグ及び第2電力変換レグの運転を停止させ、
    前記第1電力ルータから前記第2電力ルータへの電力供給を停止させる、
    請求項1に記載の電力ネットワークシステムの運用方法。
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