JP2015226365A - 電力ネットワークシステム、電力制御方法、電力ルータ、制御装置および制御プログラム - Google Patents

電力ネットワークシステム、電力制御方法、電力ルータ、制御装置および制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 制御装置との通信が不通になった電力ルータを、他の電力ルータや電力セルから安全に切り離すことが可能な電力ネットワークシステム等を提供する。【解決手段】電力ネットワークシステムは、外部の電力系統に非同期に接続する電力ルータを含む電力セルと、電力セルの1または複数を制御する第2の制御装置を備え、第2の制御装置は、自装置と電力ルータとの間の通信の異常を検出すると、その異常が検出された電力ルータと、当該電力ルータに接続される他の電力ルータと、の間の送受電を停止するように制御し、電力ルータに含まれる第1の制御装置は、当該電力ルータと第2の制御装置との通信の異常を検出すると、他の電力ルータに接続されている電力変換レグの送受電を停止するように制御する。【選択図】 図1

Description

本発明は、電力ネットワークシステム、電力制御方法、電力ルータ、制御装置および制御プログラムに関し、特に、複数の電力セルを管理する技術に関する。
電力供給システムを構築するにあたって、電力送電網をさらに安定的に拡張していくことはもちろん、大量の自然エネルギーを導入できるシステムを構築することも重要な課題となっている。そこで、新たな電力網として、特許文献1および非特許文献1に開示されるように、デジタルグリッド(登録商標)と呼ばれる電力ネットワークシステムが提案されている。デジタルグリッドとは、電力網を小規模なセルに細分化し、それらセルを非同期に相互接続した電力ネットワークシステムである。細分化された電力セルは、小さなものとしては一つの家やビル、商業施設を含む規模であり、大きなものとしては県や市町村を含む規模である。電力セルは、その中に負荷を有することはもちろん、発電設備や電力貯蔵設備を有する場合もある。発電設備としては、太陽光発電や風力発電、地熱発電などの自然エネルギーを利用する発電設備が例として挙げられる。
各電力セルの内部で自由に発電し、さらに、電力セル間でスムースに電力を融通し合うようにするため、電力セル同士は非同期で接続されている。すなわち、複数の電力セルが相互に接続されているとしても、それぞれの電力セルで使用される電力の電圧、位相および周波数は、他の電力セルとは非同期である。図28は、電力ネットワークシステム10の例を示す図である。図28において、基幹系統11は大規模発電所12からの基幹電力を送電する。そして、複数の電力セル21−24が配置されている。電力セル21−24は、家31またはビル32などの負荷、発電設備33、34、または電力貯蔵設備35を有している。発電設備として、太陽光発電パネル33や風力発電機34などが例として挙げられる。電力貯蔵設備とは、蓄電池35等である。本明細書では、発電設備と電力貯蔵設備とを総称して、「分散型電源」ということがある。
さらに、電力セル21−24は、他の電力セルまたは基幹系統11と接続されるための接続口(接続ポート)となる電力ルータ41−44を備える。電力ルータ41−44は、複数のレグ(LEG)を有する。図28では、レグの符号は省略され、電力ルータ41−44に付属する白丸が、各レグの接続端子を示す。ここで、レグは、接続端子と電力変換部とを有しており、各レグにはアドレスが付されている。なお、レグによる電力変換とは、交流から直流へまたは直流から交流への変換、または、電力の電圧、周波数、位相を変化させることをいう。
電力ルータ41−44は、通信網51によって管理サーバ50に繋がっており、管理サーバ50によって統合的に運用制御される。例えば、管理サーバ50は、電力ルータ41−44に対し、各レグに付されたアドレスを用いてレグごとに電力の送電または受電を指示する。これにより、電力ルータ41−44を介し、電力セル間での電力融通が行われる。
電力セル間での電力融通が実現することにより、例えば、一つの発電設備33、34や一つの電力貯蔵設備35を複数の電力セルで共有することができるようになる。電力セル間で互いに余剰電力を融通し合うようになれば、設備コストを大幅に削減しながらも電力需給バランスを安定的に保つことができるようになる。
特許第4783453号公報 国際公開第WO2014/020951号
デジタルグリッドコンソーシアム、[平成26年5月13日検索]、インターネット<URL:http://www.digitalgrid.org/>
上述のように、管理サーバ50と、その配下の電力ルータ41−44は、通信網51を介して互いに通信する。その通信が障害などによって不通になった場合、管理サーバ50は電力ルータ41−44のうち1または複数を制御・監視できなくなる。電力ルータを制御も監視もせずに放置することは、重大な事故を引き起こす恐れがある。したがって、通信できなくなった電力ルータを、他の電力ルータや電力セルから安全に切り離すことが望ましい。この安全な切り離しは、通信できなくなった電力ルータのレグのうち、他の電力ルータや電力セルに接続されているレグを停止させることで達成される。
しかしながら、管理サーバ50は、通信できなくなった電力ルータのレグを、通信網51を介して直接的に停止させることはできない。なぜなら、その電力ルータとの通信が途絶しているからである。また、通信できなくなった電力ルータが自己判断によりレグを停止する方法が考えられるが、その方法は採用されるべきでない。その理由は、通信できなくなった電力ルータからの送電に依存する他の電力ルータや電力セルが存在する可能性があり、その依存関係を考慮せずにレグを停止してしまうと連鎖停電が引き起こされる恐れがあるからである。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、制御装置(管理サーバ)との通信が不通になった電力ルータを、他の電力ルータや電力セルから安全に切り離すことが可能な電力ネットワークシステム、電力ルータ、制御装置及び制御プログラムを提供することを主要な目的とする。
本発明の第1の電力ネットワークシステムは、外部の電力系統に非同期に接続する電力ルータを含む電力セルを備え、前記電力ルータは、所定の定格電圧に維持される直流母線と、一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として、他の電力ルータ、電力系統、分散型電源、負荷のいずれかの接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、前記複数の電力変換レグを制御する第1の制御装置とを備え、前記電力ネットワークシステムは、前記電力セルの1または複数を制御する第2の制御装置をさらに備え、前記第2の制御装置は、自装置と前記電力ルータとの間の通信の異常を検出すると、その異常が検出された電力ルータと、当該電力ルータに接続される他の電力ルータと、の間の送受電を停止するように制御し、前記電力ルータに含まれる前記第1の制御装置は、当該電力ルータと前記第2の制御装置との通信の異常を検出すると、前記他の電力ルータに接続されている前記電力変換レグの送受電を停止するように制御する。
本発明の第1の電力制御方法は、外部の電力系統に非同期に接続する電力ルータを含む電力セルを備えた電力ネットワークシステムにおける電力制御方法であって、前記電力ルータは、所定の定格電圧に維持される直流母線と、一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として、他の電力ルータ、電力系統、分散型電源、負荷のいずれかの接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、前記複数の電力変換レグを制御する第1の制御装置とを備え、前記電力ネットワークシステムは、前記電力セルの1または複数を制御する第2の制御装置をさらに備え、前記第2の制御装置は、自装置と前記電力ルータとの間の通信の異常を検出すると、その異常が検出された電力ルータと、当該電力ルータに接続される他の電力ルータと、の間の送受電を停止するように制御し、前記電力ルータに含まれる前記第1の制御装置は、当該電力ルータと前記第2の制御装置との通信の異常を検出すると、前記他の電力ルータに接続されている前記電力変換レグの送受電を停止するように制御する。
本発明の第1の電力ルータは、電力セルを外部の電力系統に非同期に接続する電力ルータであって、所定の定格電圧に維持される直流母線と、一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として、他の電力ルータ、電力系統、分散型電源、負荷のいずれかの接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、前記複数の電力変換レグを制御する第1の制御装置とを備え、前記電力セルの1または複数を制御する第2の制御装置との通信の異常を検出すると、前記他の電力ルータに接続されている前記電力変換レグの送受電を停止するように制御する。
本発明の第1の制御装置は、所定の定格電圧に維持される直流母線と、一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として、他の電力ルータ、電力系統、分散型電源、負荷のいずれかの接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、前記複数の電力変換レグを制御する第1の制御装置とを備えた電力ルータを有する電力セルの1または複数を制御する制御装置であって、自装置と前記電力ルータとの間の通信の異常を検出すると、その異常が検出された電力ルータと、当該電力ルータに接続される他の電力ルータと、の間の送受電を停止するように制御する。
なお同目的は、上記の各構成を有する制御装置または電力ルータを、コンピュータによって実現するコンピュータ・プログラム、およびそのコンピュータ・プログラムが格納されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体によっても達成される。
本願発明によれば、制御装置(管理サーバ)との通信が不通になった電力ルータを、他の電力ルータや電力セルから安全に切り離すことができるという効果が得られる。
本発明の第1の実施の形態にかかる電力ルータの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる電力ルータの内部構成を示すブロック図である。 電力ルータを基幹系統、負荷および各種分散型電源に接続した一例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、可能な組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、可能な組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを利用した接続例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、組み合わせのパターンをまとめた図である。 4つの電力ルータを相互に接続した場合の一例を挙げる。 複数の電力ルータをバス接続した形態の一例を示す図である。 電力ルータ間に基幹系統が介在した接続形態の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力ネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかる管理サーバの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1にかかる電力ルータの制御部の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1にかかる電力ネットワークシステムにおける正常時の状態の例を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力ネットワークシステムにおける管理サーバによる処理後の状態の例を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力ネットワークシステムにおける電力ルータの制御部による処理後の状態の例を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかるトポロジ情報テーブルの例を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかるトポロジ情報テーブルにおいてレコードが削除された例を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる接続相手テーブルの例を示す図である。 電力ネットワークシステムのシステム概要を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる電力ネットワークシステムの構成を示す図である。 本発明の各実施形態に係る管理サーバのハードウェア構成を例示する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
第1の実施形態
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。尚、以下における「接続相手」は、レグの接続先を指す。
まず、本発明の第1の実施の形態係る電力ルータの構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態係る電力ルータ100の概略構成を示す図である。また、図2は、電力ルータ100の内部構成をやや詳しく示す図である。電力ルータ100は、概略、直流母線101と、複数のレグ110−160と、制御部190と、を備える。
直流母線101には、複数のレグ110−160が並列に接続されている。直流母線101は、直流電力を流す線であり、直流母線101の電圧が所定の一定を保つようにコントロールされる。直流母線101の電圧がどのように一定に保たれるかは、後述される。
電力ルータ100は、レグ110−160を介して外部に繋がる。このとき、電力ルータ100は、外部とやり取りする電力を一旦総て直流に変換して直流母線101にのせる。このように一旦直流を介することにより、周波数や電圧、位相の違いが無関係になるので、電力セル同士を非同期で接続することができるようになる。ここでは、直流母線101は、図2に示すように、平滑コンデンサ102を有する並列型であるとする。直流母線101には電圧センサ103が接続されており、この電圧センサ103によって検出された直流母線101の電圧値は、制御部190に送られる。また、制御部190は、通信バス104を介してレグ110−160の動作状態(外部への送電動作、外部への受電動作など)を制御することにより、直流母線101の電圧を所定の一定値に維持する。
次に、レグ110−160について説明する。複数のレグ110−160が直流母線に対して並列に設けられている。図1では、6つのレグ110−160が示される。6つのレグ110−160を、図1に示すように、第1レグ110、第2レグ120・・・第6レグ160とする。なお、図1では、第1レグ110はレグ1と示され、第2レグ120はレグ2と示される。また、図2においては、第3レグ130と第4レグ140と第6レグ160は、省略される。
第1レグ110から第5レグ150は同じ構成であるのに対し、第6レグ160は、電力変換部を有していないという点において、第1から第5レグ110−150と異なる。まず、第1レグ110から第5レグ150の構成について説明する。第1レグ110から第5レグ150は同じ構成であるので、代表して第1レグ110の構成を説明する。第1レグ110は、電力変換部111と、電流センサ112と、開閉器113と、電圧センサ114と、接続端子115と、を備えている。電力変換部111は、交流電力を直流電力に、あるいは、直流電力を交流電力に変換する。直流母線101には直流電力が流れているので、電力変換部111は、直流母線101を流れる直流電力を、定められた周波数および電圧の交流電力に変換して、その交流電力を接続端子115から外部に流す。あるいは、電力変換部111は、接続端子115から流入する交流電力を直流電力に変換して、その直流電力を直流母線101に流す。
電力変換部111は、インバータ回路の構成を有する。具体的には、図2に示すように、電力変換部111は、トランジスタQ1〜Q6及びダイオードD1〜D6を有する。トランジスタQ1〜Q3の一端は、高電位側電源線に接続される。トランジスタQ1〜Q3の他端は、それぞれトランジスタQ4〜Q6の一端と接続される。トランジスタQ4〜Q6の他端は、低電位側電源線に接続される。トランジスタQ1〜Q6の高電位側端子には、それぞれダイオードD1〜D6のカソードが接続される。トランジスタQ1〜Q6の低電位側端子には、それぞれダイオードD1〜D6のアノードが接続される。
トランジスタQ1とトランジスタQ4との間のノード、トランジスタQ2とトランジスタQ5との間のノード、トランジスタQ3とトランジスタQ6との間のノードのそれぞれからは、たとえばトランジスタQ1〜Q6のオン/オフのタイミングを適宜制御することで、3相交流の各相が出力される。
以上のように、電力変換部111は、トランジスタとダイオードとで構成される6つの逆並列回路を3相ブリッジ接続した構成を有している。トランジスタQ1とトランジスタQ4との間のノード、トランジスタQ2とトランジスタQ5との間のノード、トランジスタQ3とトランジスタQ6との間のノードから引き出され、これらのノードと接続端子とを結ぶ配線を支線BLと称する。三相交流であるので、一のレグは三つの支線BLを有する。
ここでは、三相交流を使用しているので三相インバータ回路としたが、場合によっては単相インバータ回路としてもよい。また、トランジスタQ1〜Q6は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの、各種の能動式電力変換素子を用いることができる。
電力の向きや交流電力の周波数等は、制御部190によって制御される。すなわち、トランジスタQ1〜Q6のスイッチングは、制御部190によって制御される。制御部190による運転制御は、後述される。
電力変換部111と接続端子115との間に、開閉器113が配設される。この開閉器113の開閉によって、支線BLが開閉され、すなわち、外部と直流母線101とが遮断されたり、接続されたりする。また、支線BLの電圧は、電圧センサ114によって検出され、支線BLを流れる電流の電流値は、電流センサ112によって検出される。開閉器113の開閉動作は、制御部190によって制御され、電圧センサ114および電流センサ112による検出値は、制御部190に出力される。
上記説明では、電力変換部はインバータ回路の構成を有し、レグの接続相手は交流を使用すると仮定した。しかしながら、レグの接続相手が直流を使用する(蓄電池35のような)接続相手である場合もある。例えば、図1における第3レグ130は、蓄電池35に接続される。この場合の電力変換は、DC−DC変換である。したがって、電力変換部にインバータ回路とコンバータ回路とが並列に設けられると共に、接続相手が交流を使用するか直流を使用するかに応じて、インバータ回路とコンバータ回路とが使い分けられるようにしてもよい。あるいは、電力変換部がDC−DC変換部であるDC−DC変換専用のレグが設けられてもよい。すべてのレグのなかにインバータ回路とコンバータ回路とが並列に設けられた電力ルータより、AC−DC変換専用のレグとDC−DC変換専用のレグとを併せ持つ電力ルータの方が、サイズやコスト面で有利である。
第1レグ110から第5レグ150の構成は以上の通りである。
次に、第6レグ160について説明する。第6レグ160は、電力変換部を持たない、すなわち、第6レグ160の接続端子165は、直流母線101に繋がっていない。第6レグ160は、第5レグ150の支線BLに接続されている。第6レグ160の内部配線も、「支線BL」と称する。第6レグ160の支線BLは、第5レグ150に対し、第5レグ150の接続端子155と開閉器153との間に接続されている。
第6レグ160は、開閉器163と、電圧センサ164と、電流センサ162と、接続端子165と、を備える。第6レグ160の支線BLは、開閉器163を介して、第5レグ150の支線BLに繋がっている。すなわち、第6レグ160の接続端子165は、第5レグ150の接続端子155に接続されている。第6レグ160の接続端子165と第5レグ150の接続端子155との間には開閉器163が設けられるのみで、第6レグ160は、電力変換部を持たない。したがって、第6レグ160の接続端子165と第5レグ150の接続端子155との間では、何等の変換も受けずに電力が導通される。そこで、第6レグ160のように、電力変換部を持たないレグを、「ACスルーレグ」と称することがある。
電流センサ162および電圧センサ164は、支線BLの電流値および電圧値を検出すると共に、それらを制御部190に出力する。開閉器163の開閉動作は、制御部190により制御される。
(レグの運転モードについて)
第1レグ110から第5レグ150は、電力変換部111乃至151を有しており、上述のように、電力変換部内のトランジスタQ1〜Q6は、制御部190によってそのスイッチング動作を制御される。ここで、電力ルータ100は、電力ネットワークシステム10のノードにあって、基幹系統11、負荷30、分散型電源および電力セルなどを互いに結びつける重要な役割を持つ。このとき、各レグ110乃至160の接続端子115乃至165は、それぞれ基幹系統11、負荷30、蓄電池35などの分散型電源、他の電力セルに含まれる電力ルータに、接続される。接続相手によって各レグ110乃至160の役割は異なるので、各レグ110乃至160が役割に応じた適切な運転を行わなければ、電力ルータは成り立たない。そこで、本実施形態では、レグの構造自体は同じであるが、接続相手によってレグの運転の仕方を変えることを説明する。
レグの運転の仕方を、「運転モード」と称する。本実施形態では、レグの運転モードとして3種類が用意され、接続相手に応じてモードが切り換えられる。レグの運転モードとしては、マスターモードと、自立モードと、指定電力送受電モードと、がある。以下、順番に説明する。
(マスターモード)
マスターモードとは、レグが、系統など安定した電力供給源に接続される場合の運転モードであり、直流母線101の電圧を維持するための運転モードである。図1は、第1レグ110の接続端子115が基幹系統11に接続される例を示す。図1に示す場合、第1レグ110は、マスターモードとして運転するように制御され、直流母線101の電圧を維持する役目を担う。直流母線101には他の多くのレグ120乃至150が接続されており、レグ120乃至150から直流母線101に電力が流入することもあれば、直流母線101からレグ120乃至150に電力が流出することもある。マスターモードとなるレグ110は、直流母線101からレグ120乃至150に電力が流出することにより直流母線101の電圧が定格から下がった場合に、その流出により不足した電力分を、接続相手(ここでは基幹系統11)から補てんする。または、直流母線101にレグ120乃至150から電力が流入することにより直流母線101の電圧が定格から上がった場合、その流入により過剰になった電力分を、接続相手(ここでは基幹系統11)に逃がす。このような動作により、マスターモードとなるレグ110は、直流母線101の電圧を維持する。
したがって、一の電力ルータにおいて、少なくとも一つのレグはマスターモードとして運転されなければならない。そうでなければ、直流母線101の電圧は、一定に維持されないからである。逆に、一の電力ルータにおいて二つ以上のレグがマスターモードで運転されてもよいが、やはり、マスターモードのレグは一つの電力ルータには一つであった方がよい。また、マスターモードとなるレグは、基幹系統の他、例えば、自励式インバータを搭載する分散型電源(蓄電池も含む)に接続されてもよい。ただし、他励式インバータを搭載する分散型電源と、マスターモードとなるレグとは、接続できない。
以下の説明において、マスターモードで運転されるレグを、「マスターレグ」と称することがある。
マスターレグの制御について説明する。マスターレグは、起動される際に次のように制御される。まず、制御部190は、開閉器113を開(遮断)状態にする。この状態で、接続端子115は接続相手に繋がれる。ここでは、接続相手は基幹系統11である。電圧センサ114は、接続先の系統の電圧を測定し、PLL(Phase−Locked−Loop)などを用いることにより系統の電圧の振幅、周波数および位相を求め、検出値を制御部190に出力する。その後、求められた振幅、周波数および位相の電圧が電力変換部111から出力されるように、制御部190は、電力変換部111の交流出力を調整する。すなわち、制御部190は、トランジスタQ1〜Q6のオン/オフパターンを決定する。制御部190は、上記電力変換部111の出力を監視し、その出力が安定したことを検出すると、開閉器113を投入することにより、電力変換部111と基幹系統11とを接続する。この時点では、電力変換部111の出力と基幹系統11の電圧とが同期しているので、電流は流れない。
次に、マスターレグを運用する際の制御について説明する。電圧センサ103は、直流母線101の電圧を測定する。直流母線101の電圧が所定の定格母線電圧を上回っていたら、制御部109は、マスターレグ110から系統に向けて送電が行われるように、電力変換部111を制御する。すなわち、制御部109は、電力変換部111から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整することにより、マスターレグ110を介して直流母線101から基幹系統11に向けて送電が行われるように制御する。なお、直流母線101の定格電圧は、予め設定によって定められている。
一方、直流母線101の電圧が所定の定格母線電圧より下回っていたら、制御部109は、このマスターレグ110が基幹系統11から受電できるように、電力変換部111を制御する。すなわち、制御部109は、電力変換部111から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整することにより、マスターレグ110を介して基幹系統11から直流母線101に送電が行われるように制御する。このようなマスターレグの運転が行われることにより、直流母線101の電圧が予め定められた定格を維持できる。
(自立モード)
自立モードとは、管理サーバ50から指定された振幅・周波数の電圧を自ら作り出すと共に、その電圧を接続相手との間で送受電する運転モードである。例えば、負荷30など電力を消費する接続相手に向けて電力を供給する運転モードである。あるいは、接続相手から送電される電力をそのまま受け取る運転モードである。図1には、第2レグ120の接続端子125が負荷30に接続されている例を示す。図1に示す例では、第2レグ120は、自立モードとして運転するように制御されると共に、負荷30に電力を供給する。また、第4レグ140や第5レグ150のように、レグが他の電力ルータと接続される場合に、他の電力ルータから要求される電力分を送電するモードとして、これら第4レグ140や第5レグ150を自立モードで運転する場合もある。または、第4レグ140や第5レグ150のように、レグが他の電力ルータと接続される場合に、他の電力ルータから送電されてくる電力を受電するモードとして、これら第4レグ140や第5レグ150を自立モードで運転する場合もある。また、図示していないが、負荷30に代えて、第2レグが発電設備に接続される場合も、第2レグを自立モードで運転することもできる。ただし、この場合、発電設備に他励式インバータを搭載させる。電力ルータ同士を接続する場合の運転モードについては、後述する。
自立モードで運転されるレグを、「自立レグ」と称する。一つの電力ルータにおいて、自立レグは複数あってもよい。
自立レグの運転制御について説明する。まず、制御部190は、開閉器123を開(遮断)にする。この状態で、接続端子125は負荷30に接続される。管理サーバ50から電力ルータ100に対し、負荷30に供給すべき電力(電圧)の振幅および周波数が指示される。そこで、制御部190は、指示された振幅および周波数の電力(電圧)が電力変換部121から負荷30に向けて出力されるように制御する。すなわち、制御部190は、トランジスタQ1〜Q6のオン/オフパターンを決定する。この出力が安定するようになったら、制御部190は、開閉器123を投入することにより、電力変換部121と負荷30とを接続する。その後、負荷30で電力が消費されると、その分の電力が自立レグ120から負荷30に流れ出す。
(指定電力送受電モード)
指定電力送受電モードとは、指定によって定められた分の電力をやり取りするための運転モードである。すなわち、接続相手に指定電力を送電する場合と、接続相手から指定電力を受電する場合と、がある。図1では、第4レグ140および第5レグ150は、他の電力ルータと接続されている。このような場合、指定電力送受電モードで運転するレグは、決まった分の電力を一方から他方へ融通する。また、第3レグ130は、蓄電池35に接続されている。このような場合、指定電力送受電モードで運転するレグは、決まった分の電力を蓄電池35に向けて送電すると共に、蓄電池35を充電する。また、自励式インバータを搭載する分散型電源(蓄電池も含む)と、指定電力送受電レグとが接続されてもよい。ただし、他励式インバータを搭載する分散型電源と、指定電力送受電レグとは、接続できない。
指定電力送受電モードで運転されるレグを、「指定電力送受電レグ」と称する。一つの電力ルータにおいて、指定電力送受電レグは複数あってもよい。
指定電力送受電レグの制御について説明する。起動される際の制御については、マスターレグと基本的に同じであるので、その説明を省略する。
指定電力送受電レグを運用する際の制御について説明する。説明には、図1において第5レグ150に付された符号が使用される。電圧センサ154は、接続相手の系統の電圧を測定し、PLL(Phase−Locked−Loop)などを用いて接続相手の電圧の周波数・位相を求める。管理サーバ50から指定された有効電力値および無効電力値と、接続相手の電圧の周波数および位相と、に基づいて、制御部190は、電力変換部151が入出力する電流の目標値を求める。電流センサ152は、電流の現在値を測定する。目標値と現在値との差分に相当する電流が追加で出力されるように、制御部190は、電力変換部151を調整する。すなわち、制御部190は、電力変換部151から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整することにより、指定電力送受電レグと接続相手との間で所望の電力が流れるように制御する。
以上のように、同じ構成である第1レグから第5レグは、運転制御の仕方によって3パターンの役割を果たすことができる。
(接続制約)
運転モードの違いによってレグの働きが違ってくるので、接続相手の選択と運転モードの選択との間には自ずと制約が発生する。すなわち、接続相手が決まれば選択できる運転モードが決められ、逆に、運転モードが決まれば選択できる接続相手が決められる。また、接続相手が変われば、それに合わせてレグの運転モードを変更する必要が生じる。以下に、可能な接続組み合わせのパターンを説明する。
以後の説明にあたって、図中の表記を図3のように簡略化する。すなわち、マスターレグを”M”で表す。自立レグを”S”で表す。指定電力送受電レグを”D”で表す。ACスルーレグを”AC”で表す。また、必要に応じてレグの肩に「#1」のように番号を付すことにより、レグを区別することがある。また、図3以降では、図面ごとに系統立てた符号を付すが、必ずしも図面を跨がって同じ要素に同じ符号が付されているわけではない。例えば、図3の符号200と図4の符号200とは、全く同じものを指しているわけではない。
図3に示した接続組み合わせは、いずれも可能な接続である。第1レグ210は、マスターレグとして基幹系統11に接続されている。これは既に説明した通りである。第2レグ220は、自立レグとして負荷30に接続されている。これも既に説明した通りである。第3レグ230および第4レグ240は、指定電力送受電レグとして蓄電池35に接続されている。これも既に説明した通りである。
第5レグ250は、ACスルーレグである。ACスルーレグ250は、他の電力ルータ300が有する指定電力送受電レグと繋がる。また、ACスルーレグ250は、第4レグ240の接続端子245を介して蓄電池35に繋がっている。ACスルーレグ250は、電力変換部を持たないので、この接続関係は、他の電力ルータ300の指定電力送受電レグが蓄電池35に直接に繋がっていることと等価になる。
第6レグ260は、指定電力送受電レグとして基幹系統11に繋がっている。電力ルータ200は、第6レグ260を介して基幹系統11から決まった電力を受電するとすれば、このような接続は許容される。なお、第1レグ210がマスターレグとなっているので、第6レグ260による受電電力が直流母線201の定格維持に足りなければ、マスターレグ210は、基幹系統11から必要な電力を受電する。逆に、第6レグ260による受電電力が直流母線201の定格維持に必要な量を超過してしまった場合、マスターレグ210は、過剰な電力を基幹系統11に逃がす。
次に、電力ルータ同士を接続する場合を説明する。電力ルータ同士を接続するということは、一の電力ルータのレグと他の電力ルータのレグとを接続するということである。レグ同士を接続する場合、組み合わせられる運転モードには制約がある。
図4および図5に示す接続の組み合わせは、いずれも可能な組み合わせの例である。図4においては、第1電力ルータ100のマスターレグ110と第2電力ルータ200の自立レグ210とが接続されている。詳しく説明しないが、第2電力ルータ200のマスターレグ220は、基幹系統11に繋がり、これにより第2電力ルータ200の直流母線201の電圧が定格に維持される。
図4において、第1電力ルータ100から負荷30に対して電力供給を行うと、直流母線101の電圧が下がる。マスターレグ110は、直流母線101の電圧を維持するように接続相手から電力を調達する。すなわち、マスターレグ110は、足りない分の電力を第2電力ルータ200の自立レグ210から引き込む。第2電力ルータ200の自立レグ210は、接続相手(ここではマスターレグ110)から要求される分の電力を送出する。第2電力ルータ200の直流母線201では、自立レグ210から電力を送出した分だけ電圧が下がるが、これはマスターレグ220によって基幹系統11から補てんされる。このようにして、第1電力ルータ100は、必要な分の電力を、第2電力ルータ200から融通してもらえる。
このように、第1電力ルータ100のマスターレグ110と第2電力ルータ200の自立レグ210とを接続したとしても、マスターレグ110と自立レグ210とで役割が整合しているので、どちらの動作にも不都合は生じない。したがって、図4のように、マスターレグと自立レグとを接続してもよいことがわかる。
図5においては、第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310と、第4電力ルータ400の自立レグ410とが、接続されている。詳しく説明しないが、第3電力ルータ300のマスターレグ320と、第4電力ルータ400のマスターレグ420とは、それぞれ基幹系統11に繋がっており、これにより、第3電力ルータ300および第4電力ルータ400のそれぞれの直流母線301、401は、定格の電圧を維持する。
ここで、管理サーバ50からの指示によって、第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310は、指定の電力を受電するように指示されていると仮定する。指定電力送受電レグ310は、第4電力ルータ400の自立レグ410から、指定の電力を引き込む。第4電力ルータ400の自立レグ410は、接続相手(ここでは指定電力送受電レグ310)から要求される分の電力を送出する。第4電力ルータ400の直流母線401では、自立レグ410から送出した電力分だけ電圧が下がるが、これはマスターレグ420によって基幹系統11から補てんされる。
このように、第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310と、第4電力ルータ400の自立レグ410とを接続したとしても、指定電力送受電レグ310と自立レグ410とで役割が整合するので、どちらの動作にも不都合は生じない。したがって、図5のように指定電力送受電レグと自立レグとを接続してもよいことがわかる。
なお、第3電力ルータ300が第4電力ルータ400から電力を融通してもらう場合を例に説明したが、逆に、第3電力ルータ300から第4電力ルータ400に向けて電力を融通する場合でも、同じように不都合が無い。
このようにして、第3電力ルータ300と第4電力ルータ400との間で、指定電力を融通し合うことができる。
電力変換部を有するレグ同士を直接に接続する場合には、図4と図5とに挙げた2パターンだけが許される。すなわち、マスターレグと自立レグとを接続する場合と、指定電力送受電レグと自立レグとを接続する場合と、だけが許される。
次に、互いに接続できない組み合わせを挙げる。図6乃至図9は、互いに接続できないパターンを示す図である。図6、図7、図8を見てわかるように、同じ運転モードのレグ同士は互いに接続できない。例えば、図6の場合、マスターレグ510及び610同士が接続される。マスターレグは、上述したように、接続相手の電圧、周波数および位相に同期した電力を作り出す処理をはじめに行う。ここで、接続相手もマスターレグである場合、互いに相手の電圧および周波数に同期しようとするが、マスターレグは、電圧および周波数を自立的に確立しないので、このような同期処理は成功し得ない。従って、マスターレグ同士は互いに接続できない。またさらに、次のような理由もある。マスターレグは、直流母線の電圧を維持するために、接続相手から電力を引き込まなければならない。あるいは、マスターレグは、直流母線の電圧を維持するために、過剰な電力は接続相手に逃がさなければならない。マスターレグ同士が接続されてしまうと、互いに接続相手の要求を満たすことはできない。仮に、マスターレグ同士が接続されると、両方の電力ルータで直流母線の電圧を維持できなくなる。すると、それぞれの電力セル内で停電などの不具合が発生する虞がある。このように、マスターレグ同士では互いの役割が衝突してしまうので(すなわち、整合しないので)、マスターレグ同士は、互いに接続できない。
図7は、指定電力送受電レグ同士が接続されることを示すが、これも成り立たない。上述したマスターレグと同様に、上述したように、指定電力送受電レグも接続相手の電圧、周波数および位相に同期した電力を作り出す処理をはじめに行う。ここで、接続相手も指定電力送受電レグである場合、互いに相手の電圧および周波数に同期しようとするが、指定電力送受電レグは電圧および周波数を自立的に確立しないので、このような同期処理は成功し得ない。従って、指定電力送受電レグ同士は、互いに接続できない。またさらに、次のような理由もある。仮に、一方の指定電力送受電レグ510が送電すべき指定送電電力と、他方の指定電力送受電レグ610が受電すべき指定受電電力と、を一致させたとしても、このような指定電力送受電レグ同士は接続されてはいけない。例えば、一方の指定電力送受電レグ510は、指定送電電力を送電しようとして電力変換部を調整すると仮定する。例えば、一方の指定電力送受電レグ510は、接続相手よりも所定値だけ出力電圧が高くなるように調整する。その一方、他方の指定電力送受電レグ610は、指定受電電力を受電しようと電力変換部を調整する。例えば、他方の指定電力送受電レグ610は、接続相手よりも所定値だけ出力電圧が低くなるように調整する。同時にこのような調整動作が両方の指定電力送受電レグ510、610で行われてしまうと、互いに制御不能に陥ってしまう。
図8は、自立レグ同士が接続されることを示すが、このように接続されてはいけない。自立レグは、自ら電圧、周波数を作り出す。仮に、自立レグ同士を繋いだ状態で2つの自立レグが作り出す電圧、周波数および位相のいずれかが少しでも乖離すると、2つの自立レグの間に意図しない電力が流れてしまう。2つの自立レグが作り出す電圧、周波数および位相を完全に一致させ続けるのは不可能であるので、自立レグ同士は、接続されてはいけない。
図9は、マスターレグと指定電力送受電レグとが接続されることを示す。これまでの説明から、これも成り立たない。マスターレグ510が直流母線501の電圧を維持するように接続相手に対して電力を送受電しようとしても、指定電力送受電レグ610は、マスターレグ510の要求に応じて送受電しない。したがって、マスターレグ510は、直流母線501の電圧を維持できない。また、指定電力送受電レグ610が接続相手(510)に指定電力を送受電しようとしても、マスターレグ510は、指定電力送受電レグ610の要求に応じて送受電しない。したがって、指定電力送受電レグ610は、接続相手(ここではマスターレグ510)に指定電力を送受電することはできない。
ここまで、電力変換部を有するレグ同士が接続される場合を考えたが、ACスルーレグを考慮にいれると、図10から図13に示すパターンも可能である。ACスルーレグは、電力変換部を有していないので、単なるバイパスである。したがって、図10および図13に示すように、第1電力ルータ100のマスターレグ110が第2電力ルータ200のACスルーレグ250を介して基幹系統11に繋がることは、マスターレグ110が基幹系統11に直結していることと、本質的に同じである。同じように、図12および図13に示すように、第1電力ルータ100の指定電力送受電レグ110が第2電力ルータ200のACスルーレグ250を介して基幹系統11に繋がることは、指定電力送受電レグ110が基幹系統11に直結していることと、本質的に同じである。
それでも、ACスルーレグを設けることは、以下の利点を有する。例えば、図14に示すように、第1電力ルータ100から基幹系統11までの距離が非常に長く、第1電力ルータ100を基幹系統11に接続するためにいくつかの電力ルータ200、300を経由しなければならない場合が考えられる。仮に、ACスルーレグが無いとすると、図4に示したように、第1電力ルータ100は、一または複数の自立レグを経由しなければならない。第1電力ルータ100は、電力変換部をもつレグを経由すると、交流電力から直流電力への変換、および直流電力から交流電力への変換を経由する。電力変換には、数%といえどもエネルギーロスが発生する。したがって、単に基幹系統に接続するためだけに複数回の電力変換を必要とすることは、効率の悪化を招く。したがって、電力ルータに電力変換部を有さないACスルーレグを設けておくことは、有益である。
図15は、以上の説明のまとめを示す図である。また、図16は、4つの電力ルータ100乃至400を相互に接続した場合の一例を示す図である。図16に示す接続関係は、上述した通りであり、いずれも許容される接続関係である。
ここで、電力ルータと接続相手とを繋ぐ接続線について補足する。電力ルータ同士を繋ぐ接続線を、「送電線」と称する。送電線は、基幹系統の一部となっていてもよいし、基幹系統から切り離されていてもよい。図16では、基幹系統の一部となっている送電線に、符号「71A」が付され、基幹系統から切り離された送電線に、符号「71B」が付される。すなわち、基幹系統に対して、複数の電力ルータが接続されてよい。このように、基幹系統を介して二以上の電力ルータが接続されることにより、複数の電力ルータ間で基幹系統を介した電力融通が可能となり、融通される電力の過不足を基幹系統により補填するように構成できる。その一方、基幹系統を介さず、二以上の電力ルータ同士が接続されてもよい。また、電力ルータと負荷(または分散型電源)とを繋ぐ接続線を、「配電線72」と称するとすると、配電線72は、基幹系統11から切り離されたものである。すなわち、電力ルータと負荷(または分散型電源)とを繋ぐ配電線72は、基幹系統11に繋がらない。
また、図17に示すように、電力ルータ100乃至400は、バス接続のように接続されてもよい。各レグの運転モードについては、説明を省略するが、電力融通の方向とこれまでに説明した接続制約とを考慮して、適切に各レグの運転モードを選択しなければならないことはもちろんである。なお、図17において、基幹系統11を、蓄電池や発電設備などの分散型電源に代えてもよいことはもちろんである。すなわち、複数の電力ルータが、分散型電源にバス接続されてもよい。
また、図18は、二つの電力ルータ100、200が基幹系統11に接続された接続形態の一例を示す図である。図18において、基幹系統11は、分散型電源に代えられてもよい。
上記説明したように、電力ルータの接続相手には、基幹系統、負荷、蓄電池および発電設備を含む分散型電源、および、他の電力ルータがあり、本実施形態では、これらを「電力系統」と称する場合がある。
電力ルータにより、電力セル同士を非同期に相互接続した電力ネットワークシステムを構築することができる。そして、本実施形態に説明した接続制約に従うことによって、互いの役割が矛盾しないようにレグ同士を接続することができる。これにより、電力ネットワークシステムを拡張し、また、全体を安定的に運用することができるようになる。
ここで、上述のように構築した電力ネットワークシステムに生じ得る問題について説明する。図28に示したように、電力ルータ41乃至44は、通信網51を介して管理サーバ50と通信する。その通信が障害などによって不通になった場合、管理サーバ50は電力ルータ41−44のうち1または複数を制御・監視できなくなる。電力ルータを制御も監視もせずに放置することは、重大な事故を引き起こす恐れがある。したがって、通信できなくなった電力ルータを、他の電力ルータや電力セルから安全に切り離すことが望ましい。この安全な切り離しは、通信できなくなった電力ルータのレグのうち、他の電力ルータや電力セルに接続されているレグを停止させることで達成される。
しかしながら、管理サーバ50は、通信できなくなった電力ルータのレグを、通信網51を介して直接的に停止させることはできない。なぜなら、その電力ルータとの通信が途絶しているからである。また、通信できなくなった電力ルータが自己判断によりレグを停止する方法が考えられるが、その方法は採用されるべきでない。その理由は、通信できなくなった電力ルータからの送電に依存する他の電力ルータや電力セルが存在する可能性があり、その依存関係を考慮せずにレグを停止してしまうと、連鎖停電が引き起こされる恐れがあるからである。
そこで、本実施形態では、管理サーバ50との通信が不通になった電力ルータを、他の電力ルータや電力セルから安全に切り離すことを考える。以下に、この切り離し動作について説明する。
図19は、本発明の実施の形態1に係る電力ネットワークシステム10Aの構成を示す図である。図19に示すように、電力ネットワークシステム10Aは、管理サーバ50および複数の電力ルータ100を備える。管理サーバ50は、通信網51を介して電力ルータ100と通信すると共に、電力ルータ100を制御する。図19に示す複数の電力ルータ100は、それぞれ図1に示した電力ルータと同一構成を有する。
管理サーバ50は、制御部810、通信部811およびトポロジ情報テーブル(接続相手情報)820を備える。制御部810は、管理サーバ50全体の動作を制御する。通信部811は、通信網51を介して、電力ルータ100等と通信する。トポロジ情報テーブル820は、電力ネットワークシステム10Aが備える全ての電力ルータに含まれるレグそれぞれについて、接続相手を記したテーブルである。
図25は、トポロジ情報テーブル820の一例を示す図である。図25に示すように、トポロジ情報テーブル820は、電力ネットワークシステム10Aが備える全ての電力ルータに含まれるレグ毎のレコードを有する。各レコードは、「電力ルータの識別子」、「レグの番号」、「接続相手」を示す情報を含む。
「電力ルータの識別子」は、管理サーバ50が制御する全ての電力ルータをそれぞれ示す識別情報である。「レグの番号」は、電力ルータに含まれる全てのレグをそれぞれ示す番号である。「接続相手」は、レグに接続される相手の種類を示す。ここでは、基幹系統、電力ルータ、負荷、分散型電源のいずれかである。
ここで、「接続相手」が電力ルータであるレコードは、さらに「接続相手である電力ルータの識別子」と、「接続相手におけるレグの番号」を示す情報を含む。「接続相手である電力ルータの識別子」は、「電力ルータの識別子」で識別される電力ルータの接続相手である電力ルータを示す識別情報である。「接続相手におけるレグの番号」は、「接続相手である電力ルータの識別子」で識別される電力ルータのレグのうち、「レグの番号」で識別されるレグと接続するレグ、の番号である。管理サーバ50は、トポロジ情報テーブル820を参照することにより、いずれのレグとレグとが接続されているか、および、あるレグの先に何が接続されているかを把握することができる。
トポロジ情報テーブル820は、人手により作成されてもよい。あるいは、トポロジ情報テーブル820は、LLDP(Link Layer Discovery Protocol)などの近隣探索プロトコルを用いて自動的に作成されてもよい。
図19に示す電力ルータ100に含まれる制御部190は、接続相手テーブル821を有する。接続相手テーブル821は、その電力ルータ100のレグそれぞれについて接続相手を記したテーブルである。図27は、接続相手テーブル821の一例を示す図である。接続相手テーブル821は、トポロジ情報テーブル820に含まれる情報の一部を含むテーブルである。
次に、本発明の実施の形態1に係る電力ネットワークシステム10Aの動作について説明する。
図20は、本発明の実施の形態1に係る管理サーバ50の動作を説明するフローチャートである。図22は、図19に示した電力ネットワークシステム10Aの具体的な構成例を示す図である。図20および図22を参照して、管理サーバ50の動作について説明する。
管理サーバ50は、制御部810において、まず、レグの運転モードを決定する(ステップS100)。例えば、制御部810は、上記に挙げられた特許文献2に記載される方法を用いて、各レグの運転モードを決定することができる。以下、この方法について説明する。
特許文献2は、各電力セルの供給電力量の合計と需要電力量の合計の差、およびコスト情報に基づいて、合計コストが最小になるように、電力セル間で送電する電力を決定する方法を開示する。制御部810は、特許文献2に記載の方法を用いて、電力セル間で送電する電力の大きさと向きを計算する。特許文献2に記載の方法は、計算の際に電力セル間の送電線の送電容量の情報を必要とし、電力セル“i”と電力セル“j”を結ぶ送電線の送電容量をC(i,j)で表す(特許文献2の段落0040)。制御部810は、トポロジ情報テーブル820を参照し、レグ“X”とレグ“Y”が接続されていなければ、C(i,j)をあらかじめ0に設定しておく(特許文献2に記載の方法によれば、送電線の送電容量を0にすると、その送電線に電力は流れない)。ここで、“i”は、レグ“X”が属する電力セルの番号、“j”は、レグ“Y”が属する電力セルの番号である。管理サーバ50は、この設定により、接続されていないレグ間に電力の流れを発生させる計算結果が生じないように制御する。その後、制御部810は、計算した大きさと向きの電力が実際に流れるように、各レグの運転モードを決定する。この際、制御部810は、上述したレグ間の接続制約が満たされるように制御する。また、制御部810は、送受電しないレグの運転モードを“停止”にする。
続いて、制御部810は、電力ルータ100に、運転指示と、接続相手テーブルとを、通信部811を介して送信する(ステップS101)。すなわち、制御部810は、ステップS100で決定された各レグの運転モードに従って電力ルータ100が運転するように、通信網51を介して電力ルータ100に運転指示を送信する。さらに、制御部810は、トポロジ情報テーブル820に基づいて、接続相手テーブル821を電力ルータ100毎に作成すると共に、その接続相手テーブル821を電力ルータ100に、通信網51を介して送信する。例えば、識別子が“R”である電力ルータ100に送信される接続相手テーブル821は、トポロジ情報テーブル820のうち「電力ルータの識別子」が“R”であるレコードの集合である。図27に示すテーブルは、図25に示すトポロジ情報テーブル820に基づいて作成される、図22に示す電力ルータ801向けの接続相手テーブル821である。
制御部810は、通信部811を介して、電力ルータ100との間の通信の異常の有無を判定し(ステップS102)、異常が検出されると(ステップS102においてYes)、処理をステップS103に進める。通信が異常かどうかを判定する方法としては、例えば、次のようなものがある。
すなわち、管理サーバ50は、死活監視のためのエコーを電力ルータ100のそれぞれに定期的に送信する。管理サーバ50は、一定時間内に電力ルータ100からエコーバックを受信できなければ、その電力ルータ100との間の通信が異常になった(もしくは電力ルータ100の制御部190が故障した)と判断する。また、管理サーバ50は、TCP(Transmission Control Protocol)のような信頼性の高い通信プロトコルを使用して電力ルータ100と通信している場合、通信プロトコルから通知されるタイムアウトや切断の発生に基づいて、通信が異常になったと判断してもよい。
続いて、制御部810は、電力ネットワークシステム10Aから不通電力ルータを除外する(ステップS103)。すなわち、制御部810は、通信が異常になった電力ルータ100(以後、「不通電力ルータ」とも呼ぶ)と他の電力ルータ100との間の接続関係を示すレコードを、トポロジ情報テーブル820から削除する。具体的には、不通電力ルータの識別子が“R”であるとき、トポロジ情報テーブル820のうち、「電力ルータの識別子」が“R”であって、かつ「接続相手」が“電力ルータ”であるレコード、および、「接続相手である電力ルータの識別子」が“R”であるレコードを削除する。
制御部810は、ステップS103の処理完了後、ステップS100とステップS101を順に再実行する。この時点では、不通電力ルータと他の電力ルータ100との間の接続は、トポロジ情報テーブル820にもはや存在しない。従って、制御部810は、ステップS100の処理の結果、不通電力ルータのレグに(物理的に)接続されている電力ルータ100のレグの運転モードを“停止”にする。
また、制御部810は、ステップS101において、不通電力ルータに、運転指示と接続相手テーブル821とを送信しない。送信しない理由は、不通電力ルータとの間の通信が異常であるからである。
次に、電力ルータ100に含まれる制御部190の動作について説明する。図21は、電力ルータ100に含まれる制御部190の動作を説明するフローチャートである。図21を参照して、制御部190の動作について説明する。
制御部190は、管理サーバ50との間の通信の異常の有無を判定し(ステップS200)、異常が検出されると(ステップS200においてYes)、処理をステップS201に進める。通信が異常かどうかを判定する方法としては、上記図20に示したステップ102における方法と同様であるので、その説明を省略する。
制御部190は、電力ルータ100が備えるレグの各々について、ステップS202からステップS209までを繰り返し実行する。ループカウンタ“J”は、電力ルータ100が備えるレグの番号を示し、ステップS201で“1”に初期化される。
制御部190は、管理サーバ50から受信した接続相手テーブル821を参照し、レグの接続相手が電力ルータであるか否かを判定する(ステップS202)。すなわち、制御部190は、管理サーバ50から受信した接続相手テーブル821を参照し、“J”番目のレグの接続相手が“電力ルータ”であれば処理をステップS203に進め、接続相手が“電力ルータ”でなければ処理をステップS209に進める。
制御部190は、“J”番目のレグの運転モードがマスターモードであればステップS204に処理を進め、運転モードが指定電力送受電モードまたは自立モードであればステップS207に処理を進め、運転モードが“停止”であればステップS209に処理を進める(ステップS203)。
ステップS203において“J”番目のレグの運転モードがマスターモードである場合、制御部190は、電力ルータ100が備えるレグのうち、マスターモードで運転しているレグが、“J”番目のレグ以外に存在しているかどうかを判定する(ステップS204)。マスターモードで運転しているレグが他に存在していれば、制御部190は、処理をステップS208に進める。一方、そのようなレグが存在していなければ、制御部190は、処理をステップS205に進める。
制御部190は、“J”番目のレグ以外のレグをマスターレグにする(ステップS205)。ここで、マスターレグにすべきレグは、安定した電力系統に接続されているレグであることが望ましい。ステップS205の後、制御部190は、処理をステップS208に進める。
ステップS204およびステップS205は、ステップS208の処理によって“J”番目のレグが停止したとき、電力ルータ100にマスターレグが1つも存在しなくなる事態を回避するための処理である。
ステップS203において“J”番目のレグの運転モードが指定電力送受電モードまたは自立モードである場合、制御部190は、接続相手との間で送受電しているか判定する(ステップS207)。制御部190は、“J”番目のレグの接続端子115における電力が所定の電力以下になるまで待つ。制御部190は、接続端子115における電力を、電流センサ112と電圧センサ114の測定値に基づいて求める。制御部190は、接続端子115における電力が所定の電力以下になったら、処理をステップS208に進める。“J”番目のレグの接続相手の消費電力または供給電力が瞬間的に低下することによる誤判定を防止するため、制御部190は、接続端子115における電力が所定の電力以下である状態が、所定の期間継続したことを契機に、処理をステップS208に進めてもよい。
制御部190は、“J”番目のレグの運転を停止させる(ステップS208)。ステップS208の処理後、制御部190は、処理をステップS209に進める。
制御部190は、ループカウンタ“J”をインクリメントする(ステップS209)。続いて、制御部190は、電力ルータ100が備えるレグの個数よりも“J”が大きければループから抜け、“J”がレグの個数以下であればステップS202に戻る。ループから抜けたら、制御部190は、処理を終了する。
以上、管理サーバ50と制御部190の動作を個別に述べた。実際には、管理サーバ50と電力ルータ100は、(結果的に)連携して動作する。不通電力ルータ(すなわち、管理サーバ50との通信が異常となった電力ルータ100)は、やがて、電力ネットワークシステム10Aから切り離され、独立した電力セルを構成する。以下、具体例を用いて、管理サーバ50と電力ルータ100とが連携して動作する流れを説明する。
図22は、本実施形態に係る電力ネットワークシステム10Aの構成を示す図である。図22は、管理サーバ50と電力ルータ801乃至804との間の通信が正常である初期状態を示す。なお、図の煩雑化を防ぐため、管理サーバ50と電力ルータ801乃至804との間の通信回線は、図22から省かれている。また、停止しているレグを“Z”で示す。図25は、図22に示す構成に関するトポロジ情報テーブル820である。
図22に示す電力ネットワークシステム10Aでは、以下に示す電力が流れている。すなわち、
・電力ルータ801の1番目のレグに繋がる基幹系統から、電力ルータ801の3番目のレグに繋がる負荷に向かう電力の流れ
・電力ルータ801の1番目のレグに繋がる基幹系統から、電力ルータ802の1番目のレグに繋がる負荷に向かう電力の流れ
・電力ルータ801の1番目のレグに繋がる基幹系統から、電力ルータ804の4番目のレグに繋がる負荷に向かう電力の流れ
・電力ルータ804の1番目のレグに繋がる分散型電源から、電力ルータ804の4番目のレグに繋がる負荷に向かう電力の流れ
が、それぞれ電力ネットワークシステム10Aにおいて流れている。
管理サーバ50の動作について、図20に示すフローチャートを用いて説明する。
管理サーバ50は、トポロジ情報テーブル820に基づいて接続相手テーブル821を作成すると共に、それを電力ルータ801乃至804のそれぞれに送信する(ステップS101)。図27は、管理サーバ50が電力ルータ801に送信する接続相手テーブル821を示す。
ここで、管理サーバ50と電力ルータ801の間の通信が異常になったと仮定する。つまり、電力ルータ801は、不通電力ルータであると仮定する。通信が異常になると、図20に示すステップS102の判定が真となり、管理サーバ50はステップS103を実行する。
すなわち、管理サーバ50は、不通電力ルータと他の電力ルータ802乃至804との間の接続関係を示すレコードを、トポロジ情報テーブル820から削除する(ステップS103)。図26は、上記削除が実施されたトポロジ情報テーブル820を示す図である。図26では、理解を容易にするため、削除されたレコードを斜線で示す。
管理サーバ50は、ステップS103の処理完了後、ステップS100とステップS101を順に再実行する。この時点では、不通電力ルータと他の電力ルータ802乃至804との接続関係を示すレコードは、トポロジ情報テーブル820に存在しない。そこで、管理サーバ50は、不通電力ルータを経由しない電力の流れを計算すると共に、各レグの運転モードを決定する。その結果、管理サーバ50は、不通電力ルータに繋がっている電力ルータ802の3番目のレグと、電力ルータ804の2番目のレグの運転モードを、図23に示すように、それぞれ“停止”にする。また、管理サーバ50は、不通電力ルータの2番目のレグと4番目のレグの運転モードを“停止”にしようと試みる。しかし、管理サーバ50は、通信が途絶している不通電力ルータに運転指示を送信できないので、不通電力ルータの2番目のレグと4番目のレグの運転を、管理サーバ50が直接的に停止させることはできない。
ステップS101の処理完了時点における電力の流れを、図23に示す。
ステップS101の処理完了時点で、電力ネットワークシステム10Aにおいて、以下に示す電力が流れている。すなわち、
・電力ルータ801の1番目のレグに繋がる基幹系統から、電力ルータ801の3番目のレグに繋がる負荷に向かう電力の流れ
・電力ルータ803の2番目のレグに繋がる基幹系統から、電力ルータ802の1番目のレグに繋がる負荷に向かう電力の流れ
・電力ルータ803の2番目のレグに繋がる基幹系統から、電力ルータ804の4番目のレグに繋がる負荷に向かう電力の流れ
・電力ルータ804の1番目のレグに繋がる分散型電源から、電力ルータ804の4番目のレグに繋がる負荷に向かう電力の流れ
が、それぞれ電力ネットワークシステム10Aにおいて流れている。
上記管理サーバ50の動作中、不通電力ルータが備える制御部190は、管理サーバ50と独立に動作している。制御部190の動作について、図21に示すフローチャートを用いて説明する。管理サーバ50との通信が異常になると、図21に示すステップS200の判定が真となり、制御部190は、ステップS201乃至ステップS209を実行する。すなわち、制御部190は、図27に示す接続相手テーブル821を参照し、レグの接続相手が電力ルータであるか否かを判定する。接続相手テーブル821に示すように、2番目のレグと4番目のレグの接続相手が“電力ルータ”であり、それら以外のレグの接続相手は“電力ルータ”ではない。つまり、ステップS202の条件を満たすレグは、2番目のレグと4番目のレグである。そこで、制御部190は、2番目のレグと4番目のレグについて、ステップS203乃至ステップS208を実行する。
まず、2番目のレグについて説明する。図23を参照すると、不通電力ルータの2番目のレグの運転モードは、自立モードである。そこで、制御部190は、処理をステップS207に進める。制御部190は、ステップS207において、2番目のレグの接続端子115における電力が所定の電力以下になるまで待つ。2番目のレグの接続相手は、電力ルータ802の3番目のレグである。先に述べた通り、この時点では、電力ルータ802の3番目のレグの運転モードは“停止”になっている。すなわち、電力ルータ802の3番目のレグは送受電していないので、不通電力ルータの2番目のレグの接続端子115における電力はほぼゼロになる。したがって、制御部190は、処理をステップS208に進める。制御部190は、ステップS208において、2番目のレグの運転を停止させる。
次に、4番目のレグについて説明する。図23を参照すると、不通電力ルータの4番目のレグの運転モードは、指定電力送受電モードである。そこで、制御部190は、処理をステップS207に進める。制御部190は、ステップS207において、4番目のレグの接続端子115における電力が所定の電力以下になるまで待つ。4番目のレグの接続相手は、電力ルータ804の2番目のレグである。先に述べた通り、この時点では、電力ルータ804の2番目のレグの運転モードは“停止”になっている。従って、2番目のレグと同様に、制御部190は、処理をステップS208に進める。制御部190は、ステップS208において、4番目のレグの運転を停止させる。
制御部190の処理完了時点における電力の流れを、図24に示す。
図24に示すように、管理サーバ50および不通電力ルータが備える制御部190の処理の結果、不通電力ルータのレグのうち、他の電力ルータ100に繋がっているレグの運転は停止する。つまり、不通電力ルータは、他の電力ルータ100や電力セルとの送受電を停止する。ただし、不通電力ルータの全てのレグが停止するわけではない。本実施形態では、不通電力ルータの1番目のレグに繋がる基幹系統から、3番目のレグに繋がる負荷に向かう電力の流れは継続するので、不通電力ルータが属する電力セルは、停電しない。
以上のように、本実施形態によれば、電力ルータ100を制御する管理サーバ50は、電力ネットワークシステム10Aが備える全ての電力ルータに含まれるレグそれぞれについて、接続相手を記したトポロジ情報テーブル820を備える。管理サーバ50は、電力ルータ100との通信の異常を検出すると、異常が検出された電力ルータ100に接続される他の電力ルータ100のレグを、トポロジ情報テーブル820に基づいて判別する。そして、管理サーバ50は、そのレグの運転モードを”停止”にする。一方、電力ルータ100が備える制御部190は、管理サーバ50との通信の異常を検出すると、他の電力ルータ100に接続されるレグの運転を停止させる。
上記構成を採用することにより、本実施形態によれば、管理サーバ50との通信の異常が検出された電力ルータ100を、他の電力ルータや電力セルから安全に切り離すことができるという効果が得られる。
第2の実施形態
図29は、本発明の第2の実施の形態に係る電力ネットワークシステム900の構成を示す図である。図29に示すように、電力ネットワークシステム900は、外部の電力系統に非同期に接続する電力ルータ901を含む電力セル950を備える。
電力ルータ901は、所定の定格電圧に維持される直流母線911と、一方の接続端が直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として、他の電力ルータ、電力系統、分散型電源、負荷のいずれかの接続相手に接続され、一方の接続端と他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグ912と、複数の電力変換レグ912を制御する第1の制御装置913とを備える。
電力ネットワークシステム900は、電力セル950の1または複数を制御する第2の制御装置960をさらに備える。第2の制御装置960は、自装置と前記電力ルータとの間の通信の異常を検出すると、その異常が検出された電力ルータと、当該電力ルータに接続される他の電力ルータと、の間の送受電を停止するように制御する。
電力ルータ910に含まれる第1の制御装置913は、当該電力ルータ910と第2の制御装置960との通信の異常を検出すると、他の電力ルータに接続されている電力変換レグ912の送受電を停止するように制御する。
電力変換レグ912は、上記第1の実施形態におけるレグ110乃至160に相当し、第1の制御装置913は、同じく制御部190に相当する。第2の制御装置960は、同じく管理サーバ50に相当する。
上記構成を採用することにより、本第2の実施形態によれば、第2の制御装置960との通信の異常が検出された電力ルータ910を、他の電力ルータや電力セルから安全に切り離すことができるという効果が得られる。
なお、図19に示した管理サーバの各部は、図30に例示するハードウェア資源において実現される。すなわち、図30に示す構成は、図19に示した管理サーバにおける、制御部810および通信部811は、メモリ16に記憶されたコンピュータ・プログラムおよび各種データをメモリ16において実行するCPU(Central Processing Unit)15によって構成される。なお、情報処理装置およびその各機能ブロックのハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
また、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、任意の処理を、CPUにコンピュータ・プログラムを実行させることにより実現することも可能である。
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
10 電力ネットワークシステム
11 基幹系統
12 大規模発電所
21 電力セル
22 電力セル
23 電力セル
24 電力セル
30 負荷
31 家
32 ビル
33 太陽光発電パネル
34 風力発電機
35 電力貯蔵設備(蓄電池)
41 電力ルータ
42 電力ルータ
43 電力ルータ
44 電力ルータ
50 管理サーバ
51 通信網
100 電力ルータ
101 直流母線
102 平滑コンデンサ
103 電圧センサ
104 通信バス
110 レグ
111 電力変換部
112 電流センサ
113 開閉器
114 電圧センサ
115 接続端子
120 レグ
121 電力変換部
122 電流センサ
123 開閉器
124 電圧センサ
125 接続端子
130 レグ
135 接続端子
140 レグ
145 接続端子
150 レグ
151 電力変換部
152 電流センサ
153 開閉器
154 電圧センサ
155 接続端子
160 レグ
162 電流センサ
163 開閉器
164 電圧センサ
165 接続端子
190 制御部
200 第2電力ルータ
201 直流母線
210 第1レグ(自立レグ)
220 第2レグ(マスターレグ)
230 第3レグ
240 第4レグ
245 接続端子
250 第5レグ
260 第6レグ
300 第3電力ルータ
301 直流母線
310 指定電力送受電レグ
320 マスターレグ
350 ACスルーレグ
360 マスターレグ
400 第4電力ルータ
401 直流母線
410 自立レグ
420 マスターレグ
500 第5電力ルータ
501 直流母線
510 レグ
600 第6電力ルータ
601 直流母線
610 レグ
71A 送電線
71B 送電線
72 配電線
BL 支線
10A 電力ネットワークシステム
801、802、803、804 電力ルータ
810 制御部
811 通信部
820 トポロジ情報テーブル
821 接続相手テーブル

Claims (10)

  1. 外部の電力系統に非同期に接続する電力ルータを含む電力セルを備えた電力ネットワークシステムであって、
    前記電力ルータは、
    所定の定格電圧に維持される直流母線と、
    一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として、他の電力ルータ、電力系統、分散型電源、負荷のいずれかの接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、
    前記複数の電力変換レグを制御する第1の制御装置とを備え、
    前記電力ネットワークシステムは、
    前記電力セルの1または複数を制御する第2の制御装置をさらに備え、
    前記第2の制御装置は、
    自装置と前記電力ルータとの間の通信の異常を検出すると、その異常が検出された電力ルータと、当該電力ルータに接続される他の電力ルータと、の間の送受電を停止するように制御し、
    前記電力ルータに含まれる前記第1の制御装置は、
    当該電力ルータと前記第2の制御装置との通信の異常を検出すると、前記他の電力ルータに接続されている前記電力変換レグの送受電を停止するように制御する
    電力ネットワークシステム。
  2. 前記第2の制御装置は、
    前記制御する電力セルに含まれる前記電力ルータが備える前記電力変換レグのそれぞれの接続相手を記した接続相手情報を備え、
    前記接続相手情報に基づいて、前記通信の異常を検出した電力ルータに接続される、前記他の電力ルータにおける前記電力変換レグを特定すると共に、その電力変換レグに関する前記接続相手情報を削除する
    請求項1記載の電力ネットワークシステム。
  3. 前記電力ルータが備える前記第1の制御装置は、
    当該電力ルータと前記第2の制御装置との通信の異常を検出すると、当該電力ルータが備える前記電力変換レグのうち、前記第2の制御装置から指定された大きさの電力を接続相手に送電または接続相手から受電しており、かつ接続相手が前記他の電力ルータである前記電力変換レグが、当該他の電力ルータとの間で送受電する電力が所定の電力以下であるか否かを判定し、所定の電力以下であれば当該電力変換レグを停止するように制御する
    請求項1または請求項2記載の電力ネットワークシステム。
  4. 前記電力ルータが備える前記第1の制御装置は、
    当該電力ルータと前記第2の制御装置との通信の異常を検出すると、当該電力ルータが備える前記電力変換レグのうち、前記第2の制御装置から指定された振幅および周波数の電圧を作り出して接続相手との間で送受電しており、かつ接続相手が前記他の電力ルータである前記電力変換レグが、当該他の電力ルータとの間で送受電する電力が所定の電力以下であるか否かを判定し、所定の電力以下であれば当該電力変換レグを停止するように制御する
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の電力ネットワークシステム。
  5. 前記電力ルータが備える前記第1の制御装置は、
    当該電力ルータと前記第2の制御装置との通信の異常を検出すると、当該電力ルータが備える前記電力変換レグのうち、前記直流母線を前記所定の定格電圧に維持するマスターモードで送受電し、かつ接続相手が前記他の電力ルータである前記電力変換レグ以外の前記電力変換レグを、前記マスターモードで送受電するように制御すると共に、前記接続相手が前記他の電力ルータである前記電力変換レグを停止する
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の電力ネットワークシステム。
  6. 前記電力ルータが備える前記第1の制御装置は、
    前記第2の制御装置が制御する電力セルに含まれる前記電力ルータが備える前記電力変換レグのそれぞれの接続相手を記した接続相手情報を取得し、当該接続相手情報に基づいて、当該電力ルータが備える前記電力変換レグの接続相手が前記他の電力ルータであるか否かを判定する
    請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の電力ネットワークシステム。
  7. 外部の電力系統に非同期に接続する電力ルータを含む電力セルを備えた電力ネットワークシステムにおける電力制御方法であって、
    前記電力ルータは、
    所定の定格電圧に維持される直流母線と、
    一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として、他の電力ルータ、電力系統、分散型電源、負荷のいずれかの接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、
    前記複数の電力変換レグを制御する第1の制御装置とを備え、
    前記電力ネットワークシステムは、
    前記電力セルの1または複数を制御する第2の制御装置をさらに備え、
    前記第2の制御装置は、
    自装置と前記電力ルータとの間の通信の異常を検出すると、その異常が検出された電力ルータと、当該電力ルータに接続される他の電力ルータと、の間の送受電を停止するように制御し、
    前記電力ルータに含まれる前記第1の制御装置は、
    当該電力ルータと前記第2の制御装置との通信の異常を検出すると、前記他の電力ルータに接続されている前記電力変換レグの送受電を停止するように制御する
    電力制御方法。
  8. 電力セルを外部の電力系統に非同期に接続する電力ルータであって、
    所定の定格電圧に維持される直流母線と、
    一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として、他の電力ルータ、電力系統、分散型電源、負荷のいずれかの接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、
    前記複数の電力変換レグを制御する第1の制御装置とを備え、
    前記電力セルの1または複数を制御する第2の制御装置との通信の異常を検出すると、前記他の電力ルータに接続されている前記電力変換レグの送受電を停止するように制御する
    電力ルータ。
  9. 所定の定格電圧に維持される直流母線と、一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として、他の電力ルータ、電力系統、分散型電源、負荷のいずれかの接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、前記複数の電力変換レグを制御する第1の制御装置とを備えた電力ルータを有する電力セルの1または複数を制御する制御装置であって、
    自装置と前記電力ルータとの間の通信の異常を検出すると、その異常が検出された電力ルータと当該電力ルータに接続される他の電力ルータとの間の送受電を停止するように制御する
    制御装置。
  10. 所定の定格電圧に維持される直流母線と、
    一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として、他の電力ルータ、電力系統、分散型電源、負荷のいずれかの接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、
    前記複数の電力変換レグを制御する第1の制御装置とを備え、電力セルを外部の電力系統に非同期に接続する電力ルータに、
    前記電力セルの1または複数を制御する第2の制御装置との通信の異常を検出すると、前記他の電力ルータに接続されている前記電力変換レグの送受電を停止するように制御する処理を
    実行させる制御プログラム。
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