JP2016127724A - 電力ルータ及び電力ネットワークシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】電力ルータの製造コスト増大と巨大化を抑えつつ、電力ルータの耐障害性を高めること。
【解決手段】電力ルータ600は、電力変換部111、121、131及び141、接続端子T1〜T3、制御部61及び切替回路62を有する。接続端子T1〜T3は、電力変換部111、121及び131のそれぞれに対応し、かつ、外部の接続先と接続する。切替回路62は、電力変換部141を、接続端子T1〜T3のいずれかと接続可能に構成される。制御部61は、切替回路62の接続関係を制御する。
【選択図】図14

Description

本発明は、電力ルータ及び電力ネットワークシステムに関する。
電力供給システムを構築するにあたっては、電力送電網をさらに安定的に拡張していくことはもちろん、今後は大量の自然エネルギーを導入できるシステムにすることも大事な課題となってきている。そこで、新たな電力網としてデジタルグリッド(登録商標)という電力ネットワークシステムが提案されている(特許文献1及び2)。
デジタルグリッド(登録商標)とは、電力網を小規模なセルに細分化し、それらを非同期に相互接続した電力ネットワークシステムである。各電力セルは、小さなものとしては一つの家やビル、商業施設であり、大きなものとしては県や市町村といった規模になる。各電力セルは、その中に負荷を有することはもちろん、発電設備や電力貯蔵設備を有する場合もある。発電設備としては、太陽光発電や風力発電、地熱発電などの自然エネルギーを利用する発電設備が例として挙げられる。
各電力セルの内部で自由に発電したり、さらに、電力セル間でスムースに電力を融通し合うようにしたりするため、電力セル同士は非同期で接続されている。すなわち、複数の電力セルが相互に接続されているとしても、それぞれの電力セルで使用される電力の電圧、位相および周波数は他の電力セルとは非同期である。
図21は、電力ネットワークシステム810の例を示す図である。図21において、基幹系統811は大規模発電所812からの基幹電力を送電する。そして、複数の電力セル821〜824が配置されている。各電力セル821〜824は、家831やビル832などの負荷や、発電設備(例えば太陽光発電パネル833、風力発電機834)や、電力貯蔵設備(例えば蓄電池835)、を有している。
なお、本明細書では、発電設備と電力貯蔵設備とを総称して、分散型電源ということがある。
さらに、各電力セル821〜824は、他の電力セルや基幹系統811と接続されるための接続口(接続ポート)となる電力ルータ841〜844を備えている。電力ルータ841〜844は複数のレグ(LEG)を有している。(紙幅の都合上、図21中ではレグの符号を省略した。電力ルータ841〜844に付属している白丸が各レグの接続端子であると解釈してほしい。)
ここで、レグとは、接続端子と電力変換部とを有しており、各レグにはアドレスが付されている。なお、レグによる電力変換とは、交流から直流へまたは直流から交流への変換や、電力の電圧、周波数、位相を変化させることをいう。
すべての電力ルータ841〜844は通信網860によって管理サーバ850に繋がっており、管理サーバ850によってすべての電力ルータ841〜844は統合的に運用制御される。例えば、管理サーバ850から各電力ルータ841〜844に対し、レグごとに電力の送電または受電を指示する。これにより、電力ルータ841〜844を介し、電力セル間での電力融通が行われる。
電力セル間での電力融通が実現することにより、例えば、一つの発電設備(例えば太陽光発電パネル833、風力発電機834)や一つの電力貯蔵設備(例えば蓄電池835)を複数の電力セルで共有することができるようになる。電力セル間で互いに余剰電力を融通し合うようになれば、設備コストを大幅に削減しながらも電力需給バランスを安定的に保つことができるようになる。
特許4783453号公報 特開2011−182641号公報
電力ルータによって複数の電力セルを非同期に接続できればその利点は非常に大きいものであるので、早期に電力ルータを実用化することが期待されている。
しかし、実際に電力ルータを実用化するとなると、これまでの送配電設備にはない特有の課題がある。現在主流の送配電設備は、電圧、位相および周波数が完全に同期している電力系統を前提としているから、電圧あるいは位相、周波数が異なる電力系統同士を接続する電力ルータには新たな課題に対する配慮が必要である。
この電力ルータは外部と電力を融通するための複数のレグを持ち、役割に応じた運転モードで動作する。ここで、電力ルータのレグが故障すると、そのレグが本来果たすべき役割が果たせなくなる。そのため、レグを冗長化(例えばレグを二重化する方法でレグが故障した場合のバックアップを用意する)することで、電力ルータの耐障害性を向上させる必要がある。冗長化する方法として、電力ルータが備える全てのレグを冗長化する方法が考えられるが、この場合、電力ルータが備えるレグ数が2倍になるため、電力ルータの製造コストの増加や、装置の大型化が課題になる。そこでこの課題の対策として、冗長化用のレグを最小限用意し、事前に重要なレグのみ冗長化する方法が考えられる。しかし、レグの運転モードや、接続先の種類や状況の変化に応じて、重要なレグが変化するため、事前に重要なレグを決定できないという課題がある。
本発明は上記の事情に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、電力ルータの製造コスト増大と巨大化を抑えつつ、電力ルータの耐障害性を高めることである。
本発明の一態様である電力ルータは、双方向に電力を変換する1又は複数の第1の電力変換部と、双方向に電力を変換する1又は複数の第2の電力変換部と、前記1又は複数の第1の電力変換部のそれぞれに対応し、かつ、外部の接続先と接続する1又は複数の接続端子と、前記1又は複数の第2の電力変換部のそれぞれを、前記1又は複数の接続端子のいずれかに接続可能に構成された切替回路と、前記切替回路の接続関係を制御する制御部と、を備えるものである。
本発明の一態様である電力ネットワークシステムは、電力を送受電する電力ルータと、前記電力ルータを制御する管理サーバと、を備え、前記電力ルータは、双方向に電力を変換する1又は複数の第1の電力変換部と、双方向に電力を変換する1又は複数の第2の電力変換部と、外部の接続先と接続する1又は複数の接続端子と、前記1又は複数の第2の電力変換部のそれぞれを、前記1又は複数の接続端子のいずれかに接続可能に構成された切替回路と、前記切替回路の接続関係を制御する制御部と、を備えるものである。
本発明によれば、電力ルータの製造コスト増大と巨大化を抑えつつ、電力ルータの耐障害性を高めることができる。
実施の形態1にかかる電力ネットワークシステム1000の概略構成を示すブロック図である。 レグの内部構造の例を表示した電力ルータ101のブロック図である。 レグの内部構造をより詳しく表示した電力ルータ101のブロック図である。 ACスルーレグ60を有する電力ルータ170の構成例を示すブロック図である。 制御部19の構成とレグとの関係を模式的に示すブロック図である。 設定情報データベースを示す図である。 電力ルータを基幹系統、負荷および各種分散電源に接続した一例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、可能な組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、可能な組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 第1電力ルータ100から基幹系統1035までの間が長い場合の例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、組み合わせのパターンをまとめた図である。 4つの電力ルータを相互に接続した場合の一例を挙げる。 管理サーバ1010の構成を表示した電力ネットワークシステム1000の概略構成を示すブロック図である。 実施の形態1にかかる電力ルータ600の構成を模式的に示すブロック図である。 実施の形態1にかかる電力ルータ600が組み込まれた電力ネットワークシステム1001の概略構成を示すブロック図である。 制御部61の構成を模式的に示すブロック図である。 冗長レグ識別情報データベースを示す図である。 スイッチ切り替え情報データベースを示す図である。 実施の形態1にかかる電力ルータ600の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1にかかる電力ルータ600の動作を示すフローチャートである。 SW1をオン、スイッチSW2及びSW3をオフにした場合の電力ネットワークシステム1001を示す図である。 実施の形態2にかかる電力ネットワークシステム2000の概略構成を示すブロック図である。 制御部65の構成を模式的に示す図である。 電力ネットワークシステム810の例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
実施の形態1
実施の形態1にかかる電力ネットワークシステム1000について説明する。図1は、実施の形態1にかかる電力ネットワークシステム1000の概略構成を示すブロック図である。電力ネットワークシステム1000は、管理サーバ1010及び複数の電力ルータを有する。本実施の形態では、電力ネットワークシステム1000が、管理サーバ1010、電力ルータ101及び102、伝送線1200を有する例について説明する。電力ルータ101及び102は、上述の電力ルータ841〜844(図21)の具体例である。なお、以下では、管理サーバを管理手段とも称する。
電力ネットワークシステム1000及び以降の実施の形態で説明する電力ネットワークシステムは、電力ルータ間の送電損失を電力の制御により補正する構成を有する。一般に、伝送線を介して電力を伝送する場合、伝送経路の長さや経路の相違により、送電損失が生じる。そのため、送電側からある電力で送電しても、受電側が受電する電力は送電側の出力電力よりも低下する。よって、電力ネットワークシステム1000及び以降の実施の形態で説明する電力ネットワークシステムでは、受電側が受電する電力が適正値になるように、送電側の出力電力を制御する機能を有する。
電力ルータ101は、概略、直流母線15、通信バス16、レグ11、レグ12、レグ13及びレグ14及び制御部19を有する。なお、図中では、紙幅の都合上、レグ11、レグ12、レグ13及びレグ14は、それぞれ接続端子115、125、135及び145を介して、外部と接続される。
直流母線15には、レグ11〜レグ14が並列に接続されている。直流母線15は直流電力を流すためのものである。制御部19は、通信バス16を介してレグ11〜レグ14の動作状態(外部への送電動作、外部への受電動作など)を制御することにより、直流母線15の母線電圧V15を所定の一定値に維持する。つまり、電力ルータ101はレグ11〜レグ14を介して外部と繋がるのであるが、外部とやり取りする電力を一旦総て直流に変換して直流母線15にのせる。このように一旦直流を介することにより、周波数や電圧、位相が異なる場合でも、電力セル同士を非同期で接続することができる。
電力ルータ101の構成について詳細に説明する。図2は、レグの内部構造の例を表示した電力ルータ101のブロック図である。レグ11〜レグ14は同様の構成を有するが、図面の簡略化のため、図2ではレグ11及びレグ12の内部構造を表示し、レグ13及びレグ14の内部構造の表示を省略している。
レグ11〜レグ14は、直流母線15に対して並列に設けられている。上述のように、レグ11〜レグ14は同様の構成を有する。なお、本実施の形態では、電力ルータ101が4つのレグを有する例について説明するが、これはあくまで一例に過ぎない。電力ルータには、2以上の任意の個数のレグを設けることが可能である。本実施の形態ではレグ11〜レグ14は同様の構成を有するが、電力ルータが有する2以上のレグは、同様の構成でもよいし、異なる構成でもよい。なお、以下では、レグを電力変換レグとも称する。
図2に示すように、レグ11は、電力変換部111、電流センサ112、開閉器113、電圧センサ114及び接続端子115を有する。電力変換部111は、接続端子115を介して、伝送線1200と接続される。電力変換部111は、交流電力を直流電力に、あるいは、直流電力を交流電力に変換する。直流母線15には直流電力が流れているので、つまり、電力変換部111は、直流母線15の直流電力を定められた周波数及び電圧の交流電力に変換して、接続端子115から外部に流す。あるいは、電力変換部111は、接続端子115から流入する交流電力を直流電力に変換して、直流母線15に流す。
レグの構成について詳細に説明する。図3は、レグの内部構造をより詳しく表示した電力ルータ101のブロック図である。レグ11〜レグ14は同様の構成を有するが、図面の簡略化のため、図3ではレグ11の内部構造を表示し、レグ12の内部構造、レグ13及びレグ14、通信バス16の表示を省略している。
電力変換部111は、インバータ回路の構成を有する。具体的には、図3に示すように、電力変換部111は、トランジスタQ1〜Q6及びダイオードD1〜D6を有する。トランジスタQ1〜Q3の一端は、高電位側電源線に接続される。トランジスタQ1〜Q3の他端は、それぞれトランジスタQ4〜Q6の一端と接続される。トランジスタQ4〜Q6の他端は、低電位側電源線に接続される。トランジスタQ1〜Q6の高電位側端子には、それぞれダイオードD1〜D6のカソードが接続される。トランジスタQ1〜Q6の低電位側端子には、それぞれダイオードD1〜D6のアノードが接続される。
トランジスタQ1とトランジスタQ4との間のノード、トランジスタQ2とトランジスタQ5との間のノード、トランジスタQ3とトランジスタQ6との間のノードのそれぞれからは、たとえば制御部19がトランジスタQ1〜Q6のオン/オフのタイミングを適宜制御することで、3相交流の各相が出力される。
以上のように、電力変換部111では、トランジスタとダイオードとで構成される6つの逆並列回路を3相ブリッジ接続した構成を有している。トランジスタQ1とトランジスタQ4との間のノード、トランジスタQ2とトランジスタQ5との間のノード、トランジスタQ3とトランジスタQ6との間のノードから引き出され、このノードと接続端子とを結ぶ配線を支線BLと称することにする。三相交流であるので、この場合、一のレグは三つの支線BLを有する。
ここでは、三相交流を使用しているので三相インバータ回路としたが、場合によっては単相インバータ回路としてもよい。また、トランジスタQ1〜Q6は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの、各種の自励式電力変換素子を用いることができる。
開閉器113は、電力変換部111と接続端子115との間に配設される。この開閉器113の開閉によって、支線BLが開閉される。これにより、外部と直流母線15とが遮断され、又は、接続される。電流センサ112及び電圧センサ114は、通信バス16を介して検出値を制御部19に出力する。
上記説明では、電力変換部をインバータ回路とし、レグの接続相手は交流を使用するとしたが、レグの接続相手が蓄電池のような直流を使用するものである場合もある(例えば、図1中のレグ13は蓄電池1032に接続している)。この場合の電力変換とは、DC−DC変換ということになる。
従って、電力変換部にインバータ回路とコンバータ回路とを並列に設け、接続相手が交流か直流かに応じてインバータ回路とコンバータ回路と使い分けるようにしてもよい。あるいは、電力変換部がDC−DC変換部であるDC−DC変換専用のレグを設けるようにしてもよい。
なお、すべてのレグのなかにインバータ回路とコンバータ回路とを並列に設けるよりは、AC−DC変換専用のレグとDC−DC変換専用のレグとを併せ持つ電力ルータとする方がサイズやコスト面で有利な点も多々ある。
図2に示すように、レグ12は、電力変換部121、電流センサ122、開閉器123、電圧センサ124及び接続端子125を有する。電力変換部121は、接続端子125を介して、例えば負荷1031と接続される。レグ12の電力変換部121、電流センサ122、開閉器123及び電圧センサ124は、それぞれレグ11の電力変換部111、電流センサ112、開閉器113及び電圧センサ114に対応する。電力変換部121と接続される接続端子125は、電力変換部111と接続される接続端子115に対応する。電力変換部121は、上述の電力変換部111と同様であるので、説明を省略する。
レグ13は、電力変換部131、電流センサ132、開閉器133、電圧センサ134及び接続端子135を有する。電力変換部131は、接続端子135を介して、例えば蓄電池1032と接続される。レグ13の電力変換部131、電流センサ132、開閉器133及び電圧センサ134は、それぞれレグ11の電力変換部111、電流センサ112、開閉器113及び電圧センサ114に対応する。電力変換部131と接続される接続端子135は、電力変換部111と接続される接続端子115に対応する。電力変換部131は、上述の電力変換部111と同様であるので、説明を省略する。
レグ14は、電力変換部141、電流センサ142、開閉器143、電圧センサ144及び接続端子145を有する。電力変換部141は、接続端子145を介して、例えば基幹系統1035と接続される。レグ14の電力変換部141、電流センサ142、開閉器143及び電圧センサ144は、それぞれレグ11の電力変換部111、電流センサ112、開閉器113及び電圧センサ114に対応する。電力変換部141と接続される接続端子145は、電力変換部111と接続される接続端子115に対応する。電力変換部141は、上述の電力変換部111と同様であるので、説明を省略する。
制御部19は、通信網1100を介して、外部の管理サーバ1010からの設定情報51を受ける。設定情報51は、電力ルータ101の各レグの動作を指示するための情報を含む。また、制御部19は、通信網1100を介して、電力ルータ101の運転状況を示す情報52を、管理サーバ1010に出力することができる。なお、各レグへの動作を指示するための情報とは、例えば、運転モードや、その運転モードに応じた運転パラメータである。なお運転パラメータとは、電圧や、電流や、送電又は受電する電力や、周波数などが含まれる。制御部19は、管理サーバ1010から受け取る設定情報51に基づいて、レグ11〜レグ14を制御する。具体的には、電圧センサ17の測定値を監視することで、直流母線15の母線電圧V15を所定の電圧に維持するようにレグ11〜レグ14のいずれかを制御したり、電流センサ112、123、133、143や電流センサ112、122、132、142の測定値を監視することで、所定の電流、電圧、電力、周波数、等、接続先との接続状態(オン/オフ)等を制御する。すなわち、制御部19は、通信バス16を介して、トランジスタQ1〜Q6のスイッチングと、開閉器113、123、133及び143の開閉とを制御する。
なお、上述では、レグは電力変換部を有するものとして説明したが、電力変換部を有しないレグを設けることも可能である。ここでは、仮に、電力変換部を有しないレグをAC(Alternating Current)スルーレグ60と称する。図4は、ACスルーレグ60を有する電力ルータ170の構成例を示すブロック図である。電力ルータ170は、電力ルータ101にACスルーレグ60を追加した構成を有するものとして説明する。なお、図面の簡略化のため、図4では、レグ13を省略している。
ACスルーレグ60は、電流センサ162、開閉器163、電圧センサ164及び接続端子165を有する。ACスルーレグ60の接続端子165を介して、例えば他の電力セルと接続される。ACスルーレグ60の支線BLは、開閉器163を介して、電力変換部を有する他のレグの支線BLに繋がっている。すなわち、ACスルーレグ60の接続端子165は、電力変換部を有する他のレグの接続端子に接続されている。図4では、例として、ACスルーレグ60の接続端子165は、レグ14の接続端子145に接続される場合を示している。ACスルーレグ60の接続端子165とレグ14の接続端子145との間には開閉器163があるだけで、ACスルーレグ60は電力変換器を有しない。そのため、ACスルーレグ60の接続端子165とレグ14の接続端子145との間では、何等の変換も受けずに電力が導通することになる。そのため、電力変換器を有しないレグを、ACスルーレグと称するのである。
図5Aは、制御部19の構成とレグとの関係を模式的に示すブロック図である。図5Aでは、制御部19がレグ11を制御する場合を示している。制御部19は、記憶部191、設定受信部192、動作決定部193及びレグ制御部194を有する。
記憶部191は、設定受信部192から設定情報51を受け取り、設定情報データベース196(図中では#1DBと表記)に記録する。図5Bは、設定情報データベース196を示す図である。設定情報51は、レグの識別子と、レグの運転モードや運転モードに応じた動作パラメータ(電圧値、電流値、電力値、周波数等の情報)とを、関連付けた情報である。ここで、レグの識別子とは、例えばIPアドレス、URL、URIなど、レグ11〜レグ14のそれぞれを特定するための情報である。運転モードについては後述する。また、記憶部191は、設定情報の要求を受けると、動作決定部193に記憶する設定情報を返す。この記憶部191は、例えばフラッシュメモリなどの各種の記憶部により実現することが可能である。
設定受信部192は、管理サーバ1010から前述の設定情報51を受け取る。設定受信部192は、管理サーバ1010から受け取った設定情報51を記憶部191に記録する。動作決定部193は、記憶部191の設定情報データベース196の更新を監視する。具体的には、動作決定部193は、定期的に記憶部191に設定情報を要求し、変更の有無を確認する、あるいは、記憶部191から設定情報データベース196の更新通知を受ける、という方法が考えられるが、これに限るものではない。さらに動作決定部193は、記憶部191が更新されたときに、記憶部191から設定情報51を取得する。さらに動作決定部193は、設定情報を基に、レグの識別子と運転モードと運転モードに応じた動作パラメータを、レグ制御部194に渡す。
レグ制御部194は、動作決定部193から前述の設定情報51を受け取る。さらに、レグ制御部194は、受け取った設定情報51を基に制御信号を生成し、レグの識別子から特定されるレグの電力変換部に、生成した制御信号SCONを出力する。設定情報51として、レグの識別子としてレグ11が、運転モードとしてマスターモードが、運転モードに応じた動作パラメータとして電圧値と周波数が、含まれる場合、レグ11の電力変換部111に、マスターモードで、且つ指定の動作パラメータで動作することを指示する制御信号SCONを出力する。さらに、レグ制御部194は、開閉制御信号SIG1をレグ11の開閉器(ここでは開閉器113)に出力する。
さらにレグ制御部194は、電圧センサ17で検出された母線電圧V15の値と、レグ11の電流センサ112の検出値Irと、電圧センサ114での検出値Vrと、を読み取る。また、レグ制御部194は、アナログ信号である読み取り結果をデジタル信号に変換する。
続いて、電力ルータ101のレグの運転モードについて説明する。本実施の形態では、設定情報51に各レグの運転モード指定が含まれる。
まず、運転モードについて説明する。レグ11〜14は電力変換部111、121、131及び141を有しており、電力変換部内のトランジスタは制御部19によってそのスイッチング動作を制御されるものであることは既に述べた。
ここで、電力ルータ101は、電力ネットワークシステム1000のノードにあって、基幹系統1035、負荷1031、分散型電源および電力セルなどを互いに結びつける重要な役割を持つ。このとき、レグ11〜レグ14の接続端子115、125、135及び145がそれぞれ基幹系統1035や負荷1031、分散型電源、他の電力セルの電力ルータに接続されるわけである。本発明者らは、接続相手によってレグ11〜レグ14の役割は異なるものであり、レグ11〜レグ14が役割に応じた適切な運転を行わなければ電力ルータが成り立たないことに気付いた。本発明者らは、レグの構造自体は同じであるが、接続相手によってレグの運転の仕方を変えるようにした。
レグの運転の仕方を、運転モードと称する。
本発明者らは、レグの運転モードとして3種類を用意しておき、接続相手によってモードを切り換えるようにした。
レグの運転モードとしては、
マスターモード(Moster)と、
自立モード(Stand Alone)と、
指定電力送受電モード(Grid Connect)と、がある。
以下、順番に説明する。
(マスターモード)
マスターモードとは、安定した電力供給源に接続し、直流母線15の電圧を維持する運転モードである。接続する電力供給源は、交流(AC)電源であってもよいし直流(AC)電源であってもよい。
図1では、レグ14の接続端子145が基幹系統1035に接続されている例を示している。図1の場合、レグ14は、マスターモードとして運転制御され、直流母線15の母線電圧V15を維持する役目を担うことになる。直流母線15には他のレグ11〜レグ13が接続されているところ、レグ11〜レグ13から直流母線15に電力が流入することもあれば、レグ11〜レグ13から電力が流出することもある。マスターモードとなるレグ14は、直流母線15から電力が流出して直流母線15の母線電圧V15が定格から下がった場合、流出で不足した電力分を接続相手(ここでは基幹系統1035)から補てんする。または、直流母線15に電力が流入して直流母線15の母線電圧V15が定格から上がった場合、流入で過剰になった電力分を接続相手(ここでは基幹系統1035)に逃がす。このようにして、マスターモードとなるレグ14は、直流母線15の母線電圧V15を維持するのである。
したがって、一つの電力ルータにおいて、少なくとも一つのレグはマスターモードとして運転されなければならない。さもなくば、直流母線15の母線電圧V15が一定に維持されなくなるからである。 また、マスターモードとなるレグは、基幹系統の他、例えば、自励式インバータを搭載する分散型電源(蓄電池も含む)に接続してもよい。ただし、他励式インバータを搭載する分散型電源とマスターモードとなるレグとは接続できない。
以下の説明において、マスターモードで運転されるレグのことを、マスターレグということがある。
マスターレグの運転制御について説明する。
マスターレグを起動させる際には次のようにする。
まず、開閉器143を開(遮断)状態にしておく。この状態で接続端子145を接続相手に繋ぐ。ここでは、接続相手は基幹系統1035である。
電圧センサ144によって接続先の系統の電圧を測定し、PLL(Phase−Locked−Loop)などを用いて系統の電圧の振幅、周波数および位相を求める。その後、求めた振幅、周波数および位相の電圧が電力変換部141から出力されるように、電力変換部141の出力を調整する。すなわち、トランジスタQ1〜Q6のオン/オフパターンを決定する。この出力が安定するようになったら、開閉器143を投入し、電力変換部141と基幹系統1035とを接続する。この時点では、電力変換部141の出力と基幹系統1035の電圧とが同期しているため、電流は流れない。
マスターレグを運用する時の運転制御を説明する。
直流母線15の母線電圧V15を電圧センサ17によって測定する。直流母線15の母線電圧V15が所定の定格母線電圧を上回っていたら、マスターレグ(レグ14)から系統に向けて送電が行われるように、電力変換部141を制御する。(電力変換部111から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整して、マスターレグ(レグ14)を介して直流母線15から基幹系統1035に向けて送電が行われるようにする。)なお、直流母線15の定格電圧は、予め設定によって定められているものである。
一方、直流母線15の母線電圧V15が所定の定格母線電圧より下回っていたら、このマスターレグ(レグ14)が基幹系統1035から受電できるように、電力変換部141を制御する。(電力変換部141から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整して、マスターレグ(レグ14)を介して基幹系統1035から直流母線15に送電が行われるようにする。)このようなマスターレグの運転が行われることにより、直流母線15の母線電圧V15が予め定められた定格を維持できるようになることが理解されるであろう。
(自立モード)
指定された電圧と周波数を作り出し、接続先に供給する運転モードである。さらに指定された電圧と周波数を作り出し、接続先から電力を受電することもできる。自立モードで運転するレグは、管理サーバ50から指定された周波数・電圧の電力を自ら作り出し、接続先との間で電力を送受電する。さらに指定された振幅・周波数の電力を自ら作り出し、接続先との間で送受電してもよい。
例えば負荷1031などの電力を消費するものに向けて電力を供給するための運転モードとなる。あるいは、接続相手から送電されてくる電力をそのまま受け取るための運転モードとなる。
図1では、レグ12の接続端子125が負荷1031に接続されている例を示している。レグ12が自立モードとして運転制御され、負荷1031に電力を供給することになる。
また、レグが他の電力ルータと接続される場合に、他の電力ルータから要求される電力分を送電するためのモードとしてレグを自立モードで運転する場合もある。
または、レグが他の電力ルータと接続される場合に、他の電力ルータから送電されてくる電力を受電するためのモードとしてレグを自立モードで運転する場合もある。
また、図に示していないが、負荷1031に代えて、レグ12を発電設備に接続する場合もレグ12を自立モードで運転することもできる。ただし、この場合には発電設備に他励式インバータを搭載するようにする。
電力ルータ同士を接続する場合の運転モードについては後述する。
自立モードで運転されるレグを自立レグと称することにする。一つの電力ルータにおいて、自立レグは複数あってもよい。
自立レグの運転制御について説明する。
まず開閉器123を開(遮断)にしておく。接続端子125を負荷1031に接続する。管理サーバ1010から電力ルータ101に対し、負荷1031に供給すべき電力の振幅および周波数が指示される。そこで、制御部19は、指示された振幅および周波数の電力が電力変換部121から負荷1031に向けて出力されるようにする。(すなわち、トランジスタQ1〜Q6のオン/オフパターンを決定する。)この出力が安定するようになったら、開閉器123を投入し、電力変換部121と負荷1031とを接続する。あとは、負荷1031で電力が消費されれば、その分の電力が自立レグ(レグ12)から負荷1031に流れ出すようになる。
(指定電力送受電モード)
指定電力送受電モードとは、指定によって定められた分の電力をやり取りするための運転モードである。換言すれば、指定電力送受電モードとは指令された有効電力を送受する。または指定された無効電力を発生させる。すなわち、接続相手に指定電力を送電する場合と、接続相手から指定電力を受電する場合と、がある。
レグが他の電力ルータのレグと接続されている場合には、決まった分の電力を一方から他方へ融通するようなことが行われる。
または、レグ13は蓄電池1032に接続されている。
このような場合に、決まった分の電力を蓄電池1032に向けて送電して、蓄電池1032を充電するというようなことが行われる。
また、自励式インバータを搭載する分散型電源(蓄電池も含む)と指定電力送受電レグとを接続してもよい。ただし、他励式インバータを搭載する分散型電源と指定電力送受電レグとは接続できない。
指定電力送受電モードで運転されるレグを指定電力送受電レグと称する。一つの電力ルータにおいて、指定電力送受電レグは複数あってもよい。
指定電力送受電レグの運転制御について説明する。起動時の制御についてはマスターレグと基本的に同じであるので、割愛する。
指定電力送受電レグを運用する時の運転制御を説明する。図1では、レグ11が、伝送線1200を介して、自立モードで運転される電力ルータ102のレグ21との間で、指定電力を送受電する。電力ルータ101のレグ11では、電圧センサ114によって接続相手側の電圧を測定し、PLL(Phase−Locked−Loop)などを用いて接続相手の電圧の周波数・位相を求める。管理サーバ1010から指定された有効電力値および無効電力値と、接続相手の電圧の周波数および位相と、に基づいて、電力変換部111が入出力する電流の目標値を求める。電流センサ112によって電流の現在値を測定する。目標値と現在値との差分に相当する電流が追加で出力されるように、電力変換部111を調整する。(電力変換部111から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整して、指定電力送受電レグと接続相手との間で所望の電力が流れるようにする。)
以上の説明により、同じ構成であるレグ11〜レグ14が運転制御の仕方によって3パターンの役割を果たせることが理解されるであろう。
電力ルータ101は、設定情報51に含まれる運転モードやその運転モードに応じた動作パラメータを参照することにより、各レグを上述の3つの運転モードで運転させることができる。これにより、電力ルータ101は、各レグを役割に応じて適切に運転させることができる。
次いで、電力ルータ間の接続制約について説明する。運転モードの違いによってレグの働きが違ってくるので、接続相手の選択と運転モードの選択との間には自ずと制約が発生する。すなわち、接続相手が決まれば選択できる運転モードが決まり、逆に、運転モードが決まれば選択できる接続相手が決まる。(接続相手が変われば、それに合わせてレグの運転モードを変更する必要がある。)
可能な接続組み合わせのパターンを説明する。
以後の説明にあたって、図中の表記を図6のように簡略化する。
すなわち、マスターレグをMで表す。
自立レグをSで表す。
指定電力送受電レグをDで表す。
ACスルーレグをACで表す。
また、必要に応じてレグの肩に「#1」のように番号を付してレグを区別することがある。
また、図6〜12では、図面ごとに系統立てた符号を付すが、必ずしも図面を跨がって同じ要素に同じ符号を付しているわけではない。
例えば、図6の符号200と図4Aの符号200とが全く同じものを指しているわけではない。
図6に示した接続組み合わせはいずれも可能な接続である。第1レグ210がマスターレグとして基幹系統1035に接続されている。これは既に説明した通りである。第2レグ220が自立レグとして負荷1031に接続されている。これも既に説明した通りである。第3レグ230および第4レグ240が指定電力送受電レグとして蓄電池1032に接続されている。これも既に説明した通りである。
第5レグ250はACスルーレグである。ACスルーレグ250が他の電力ルータ300の指定電力送受電レグと繋がり、ACスルーレグ250は第4レグ240の接続端子245を介して蓄電池1032に繋がっている。ACスルーレグ250は電力変換部を持たないのであるから、この接続関係は、他の電力ルータ300の指定電力送受電レグが蓄電池1032に直接に繋がっていることと等価になる。このような接続が許されることは理解されるであろう。
第6レグ260は、指定電力送受電レグとして基幹系統1035に繋がっている。第6レグ260を介して基幹系統1035から決まった電力を受電するとすれば、このような接続が許容されるのは理解されるであろう。なお、第1レグ210がマスターレグとなっていることの関係でいうと、第6レグ260による受電電力が直流母線M201の定格維持に足りなければ、マスターレグ210は、基幹系統1035から必要な電力を受電することになる。逆に、第6レグ260による受電電力が直流母線M201の定格維持に必要な量を超過してしまった場合、マスターレグ210は、過剰な電力を基幹系統1035に逃がすことになる。
次に、電力ルータ同士を接続する場合を説明する。電力ルータ同士を接続するということは、一の電力ルータのレグと他の電力ルータのレグとを接続するということである。レグ同士を接続する場合、組み合わせられる運転モードには制約がある。
図7Aおよび図7Bに示す接続の組み合わせはいずれも可能な組み合わせの例である。図7Aにおいては、第1電力ルータ100のマスターレグ110と第2電力ルータ200の自立レグ210とが接続されている。詳しく説明しないが、第2電力ルータ200のマスターレグ220は、基幹系統1035に繋がり、これにより第2電力ルータ200の直流母線M201の電圧が定格に維持されるものとする。
図7Aにおいて、第1電力ルータ100から負荷1031に対して電力供給を行うと、直流母線M101の電圧が下がることになる。マスターレグ110は、直流母線M101の電圧を維持するように接続相手から電力を調達する。すなわち、マスターレグ110は、足りない分の電力を第2電力ルータ200の自立レグ210から引き込むことになる。第2電力ルータ200の自立レグ210は、接続相手(ここではマスターレグ110)から要求される分の電力を送出する。第2電力ルータ200の直流母線M201では、自立レグ210から電力を送出した分だけ電圧が下がることになるが、これはマスターレグ220によって基幹系統1035から補てんされる。このようにして、第1電力ルータ100は、必要な分の電力を第2電力ルータ200から融通してもらえる。
このように、第1電力ルータ100のマスターレグ110と第2電力ルータ200の自立レグ210とを接続したとしても、マスターレグ110と自立レグ210とで役割が整合しているので、どちらの動作にも不都合は生じない。したがって、図7Aのようにマスターレグと自立レグとを接続してもよいことがわかる。
図7Bにおいては、第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310と第4電力ルータ400の自立レグ410とが接続されている。詳しく説明しないが、第3電力ルータ300のマスターレグ320と第4電力ルータ400のマスターレグ420とはそれぞれ基幹系統1035に繋がっており、これにより、第3電力ルータ300および第4電力ルータ400のそれぞれの直流母線M301、M401は定格の電圧を維持するものとする。
ここで、管理サーバ1010からの指示によって第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310は指定の電力を受電するように指示されているものとする。指定電力送受電レグ310が第4電力ルータ400の自立レグ410から指定の電力を引き込むようにする。第4電力ルータ400の自立レグ410は、接続相手(ここでは指定電力送受電レグ310)から要求される分の電力を送出する。第4電力ルータ400の直流母線M401では、自立レグ410から送出した電力分だけ電圧が下がることになるが、これはマスターレグ420によって基幹系統1035から補てんされる。
このように、第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310と第4電力ルータ400の自立レグ410とを接続したとしても、指定電力送受電レグ310と自立レグ410とで役割が整合するので、どちらの動作にも不都合は生じない。したがって、図7Bのように指定電力送受電レグと自立レグとを接続してもよいことがわかる。
なお、第3電力ルータ300が第4電力ルータ400から電力を融通してもらう場合を例に説明したが、逆に、第3電力ルータ300から第4電力ルータ400に向けて電力を融通する場合でも同じように不都合が無いことは理解されるであろう。
このようにして、第3電力ルータ300と第4電力ルータ400との間で指定電力を融通し合うことができるわけである。
電力変換部を有するレグ同士を直接に接続する場合には、図7Aと図7Bとに挙げた2パターンだけが許される。すなわち、マスターレグと自立レグとを接続する場合と、指定電力送受電レグと自立レグとを接続する場合と、だけが許される。
次に、互いに接続できない組み合わせを挙げる。
図8Aから図8Dは、互いに接続してはいけないパターンである。
図8A、図8B、図8Cを見てわかるように、同じ運転モードのレグ同士を接続してはいけない。
例えば、図8Aの場合、マスターレグ同士を接続している。
マスターレグは、運転動作の説明で前述したように、接続相手の電圧、周波数および位相に同期した電力を作り出す処理をはじめに行う。
ここで、接続相手もマスターレグである場合、お互いに相手の電圧および周波数に同期しようとするが、マスターレグは電圧および周波数を自立的に確立しないため、このような同期処理は成功し得ない。
従って、マスターレグ同士を接続できないのである。
またさらに、次のような理由もある。
マスターレグは、直流母線の電圧を維持するために接続相手から電力を引き込まなければならない。(あるいは、直流母線の電圧を維持するために、過剰な電力は接続相手に逃がさなければならない。)マスターレグ同士が接続されてしまっては、互いに接続相手の要求を満たすことはできない。(仮にマスターレグ同士を接続してしまうと、両方の電力ルータで直流母線の電圧を維持できなくなる。すると、それぞれの電力セル内で停電などの不具合が発生するかもしれない。)このように、マスターレグ同士では互いの役割が衝突してしまうので(整合しないので)、マスターレグ同士を接続してはいけない。
図8Bでは、指定電力送受電レグ同士を接続しているが、これも成り立たないことは理解できるであろう。
前記マスターレグと同じことであるが、運転動作の説明で前述したように、指定電力送受電レグも接続相手の電圧、周波数および位相に同期した電力を作り出す処理をはじめに行う。
ここで、接続相手も指定電力送受電レグである場合、お互いに相手の電圧および周波数に同期しようとするが、指定電力送受電レグは電圧および周波数を自立的に確立しないため、このような同期処理は成功し得ない。
従って、指定電力送受電レグ同士を接続できないのである。
またさらに、次のような理由もある。
仮に、一方の指定電力送受電レグ510が送電すべき指定送電電力と、他方の指定電力送受電レグ610が受電すべき指定受電電力と、を一致させたとしても、このような指定電力送受電レグ同士を接続してはいけない。例えば、一方の指定電力送受電レグ510が指定送電電力を送電しようとして電力変換部を調整するとする。(例えば、接続相手よりも所定値だけ出力電圧を高くする。)その一方、他方の指定電力送受電レグ610が指定受電電力を受電しようと電力変換部を調整する。(例えば、接続相手よりも所定値だけ出力電圧が低くなるようにする。)同時にこのような調整動作が両方の指定電力送受電レグ510、610で行われてしまっては、互いに制御不能に陥ってしまうことは理解されるであろう。
図8Cでは、自立レグ同士を接続しているが、このような接続はしてはいけない。
自立レグは自ら電圧・周波数を作り出すものである。
仮に自立レグ同士を繋いだ状態で2つの自立レグが作り出す電圧、周波数および位相のいずれかが少しでも乖離すると、2つの自立レグの間に意図しない電力が流れてしまうことになる。
2つの自立レグが作り出す電圧、周波数および位相を完全に一致させ続けるというのは無理なのであり、したがって、自立レグ同士を接続していけない。
図8Dにおいては、マスターレグと指定電力送受電レグとを接続している。
これまでの説明から、これも成り立たないことは理解できるであろう。マスターレグ510が直流母線M501の電圧を維持するように接続相手に対して電力を送受電しようとしても、指定電力送受電レグ610はマスターレグ510の要求に応じて送受電しない。したがって、マスターレグ510は直流母線M501の電圧を維持できない。また、指定電力送受電レグ610が接続相手(510)に指定電力を送受電しようとしても、マスターレグ510は指定電力送受電レグ610の要求に応じて送受電しない。したがって、指定電力送受電レグ610は接続相手(ここではマスターレグ510)に指定電力を送受電することはできない。
ここまでは、電力変換部を有するレグ同士を接続する場合を考えたが、ACスルーレグを考慮にいれると、図9Aから図9Dのパターンも可能である。ACスルーレグとは、電力変換部を有していないことから、単なるバイパスである。したがって、図9Aや図9Bのように、第1電力ルータ100のマスターレグ110が第2電力ルータ200のACスルーレグ250を介して基幹系統1035に繋がるというのは、マスターレグ110が基幹系統1035に直結していることと本質的に変わりがない。同じように、図9Cや図9Dのように、第1電力ルータ100の指定電力送受電レグ110が第2電力ルータ200のACスルーレグ250を介して基幹系統1035に繋がるというのは、指定電力送受電レグ110が基幹系統1035に直結していることと本質的に変わりがない。
それでも、ACスルーというのは設けておくと便利である。例えば、図10のように、第1電力ルータ100から基幹系統1035までの距離が非常に長く、第1電力ルータ100を基幹系統1035に接続するためにはいくつかの電力ルータ200、300を経由しなければならないという場合が考えられる。仮にACスルーレグが無いとすると、図7Aで示したように、一または複数の自立レグを経由しなければならなくなる。電力変換部をもつレグを経由すると、交流電力から直流電力への変換および直流電力から交流電力への変換を経由することになる。電力変換にはやはり数%とはいえどもエネルギーロスが発生するので、単に基幹系統に接続するためだけに複数回の電力変換を必要とするのは効率が悪い。したがって、電力ルータに電力変換部を有さないACスルーレグを設けておくことには意味があるのである。
ここまでに説明したことを図11にまとめた。また、図12に、4つの電力ルータ100、200、300及び400を相互に接続した場合の一例を挙げる。図12においては、基幹系統の一部となっている送電線に71Aの符号を付し、基幹系統から切り離された送電線に71Bの符号を付した。また、電力ルータと負荷(または分散型電源)とを繋ぐ接続線を配電線72と称するとすると、配電線72は基幹系統1035から切り離されたものである。すなわち、電力ルータと負荷(または分散型電源)とを繋ぐ配電線72は基幹系統1035に繋がらない。また、符号1035A〜1035Cは、基幹系統を示す。いずれの接続関係もこれまでの説明中に登場したので、一つ一つの接続先を細かく説明することはしないが、いずれも許容される接続関係であることは理解されるであろう。
続いて、図1に戻り、電力ルータ102について説明する。電力ルータ102は、電力ルータ101と同様の構成を有する。電力ルータ102は、概略、直流母線15、通信バス16、レグ21、レグ22、レグ23、レグ24及び制御部19を有する。なお、図中では、なお、レグ21、レグ22、レグ23及びレグ24は、それぞれ電力ルータ101のレグ11、レグ12、レグ13及びレグ14と同様の構成を有する。レグ21、レグ22、レグ23及びレグ24は、それぞれ接続端子215、225、235、245を介して、外部と接続される。また、電力ルータ102でも、各運転モードについては、電力ルータ101と同様であるので、説明を省略する。
本実施の形態では、電力ルータ101のレグ11と電力ルータ102のレグ21とが、伝送線1200により接続される。レグ22は、接続端子225を介して、負荷1033と接続される。レグ23は、接続端子235を介して、蓄電池1034と接続される。レグ24は、接続端子245を介して、基幹系統1035と接続される。よって、レグ24は、マスターレグとして動作する。
続いて、管理サーバ1010について説明する。図13は、管理サーバ1010の構成を表示した電力ネットワークシステム1000の概略構成を示すブロック図である。管理サーバ1010は、例えばコンピュータなどのハードウェアとして構成することが可能である。管理サーバ1010は、記憶装置1012を有する。記憶装置1012は、電力ルータの制御に必要な情報が格納される。
以下、本実施の形態にかかる電力ルータの動作について具体的に説明する。上述のように、電力ルータには通常複数のレグが設けられる。図14は、実施の形態1にかかる電力ルータ600の構成を模式的に示すブロック図である。図15は、実施の形態1にかかる電力ルータ600が組み込まれた電力ネットワークシステム1001の概略構成を示すブロック図である。図14では、本実施の形態にかかる電力ルータ600の構造機能を理解するために必要な構成要素のみを表示しており、残余の構成要素の表示を省略している。
電力ルータ600は、レグ11〜14、制御部61、直流母線15、接続端子T1〜T3、切替回路62を有する。なお、レグ11〜13は非冗長レグ、レグ14は冗長レグと称する。ここで、非冗長レグとは、電力ルータ600が動作する際に、優先的に使用されるレグを指す。一方、冗長レグとは、非冗長レグのバックアップ用として使用されるレグであり、非冗長レグが故障していないときは、使用されない。また、レグ11〜13を、第1のレグとも称し、レグ14を第2のレグとも称する。
制御部61は、通信網1100を介して、外部の管理サーバ1010から電力ルータ600の設定情報51を受け取る。また、図15では、レグ11の接続端子T1と基幹系統1035とが、レグ12の接続端子T2と負荷1031とが、レグ13の接続端子T3と蓄電池1032とが、それぞれ接続される。また、制御部61は、切替回路62を介してレグ14とレグ11〜13に対応する接続端子T1〜T3とを接続可能に構成される。図中では、切替回路62のスイッチSW1〜SW3がOFFであるため、レグ14はレグ11〜13に対応する接続端子T1〜T3のいずれにも接続されていない。今後、レグ14を冗長レグと称する。なお、以下では、レグ14をレグ11〜13に対応する接続端子T1〜T3のいずれかに接続することを、単に、レグ14をレグ11〜13に接続するとも称するものとする。
レグ11〜13は、制御部61により制御され、外部と送受電を行う。しかし、レグ11〜13は、運転中に故障が発生し、送受電を継続することができない場合がある。この場合、故障したレグによる送受電は中断してしまうため、電力ルータ600は、管理サーバ1010の指令通りの運転状態を保つことができなくなってしまう。そこで、電力ルータ600は、バックアップ用の冗長レグであるレグ14を有している。冗長レグであるレグ14をレグ11〜13のいずれかのバックアップとして用いることで、レグの故障を補償する。
制御部61について説明する。図16Aは、制御部61の構成を模式的に示すブロック図である。以降では、図5を用いて説明した制御部19との差分のみ記載する。制御部61は、制御部19の動作決定部193を動作決定部601に置換し、切替制御部602を追加した構成を有する。
記憶部191は、重要度決定ポリシデータベース63(図中では#PIと表記)に重要度決定ポリシを記憶する。ここで、例えば、重要度決定ポリシとして、次のポリシ1〜ポリシ11が挙げられる。なお、ポリシ1〜11に示す重要度決定ポリシは例示であり、これらに限定されるものではない。
ポリシ1(レグの運転モード)
上記の通り、マスターレグの重要度が最も高く、指定電力送受電レグの重要度が次に高く、自立レグの重要度が最も低いものとする。
ポリシ2(接続先の信頼性)
指定電力送受電レグが複数ある場合、接続される電源の信頼性に応じて重要度を決定する。例えば、接続される電源の信頼性が高いものほど、重要度を高く設定する。信頼性の高い電源は例えば蓄電池であり、信頼性の低い電源は例えば太陽光発電などの自然エネルギーを用いた発電設備である。
ポリシ3(レグの稼働状態)
正常に動作するレグよりも、故障したレグの重要度を高く設定する。
ポリシ4(負荷への電力供給の接続維持の必要性)
自立レグが複数ある場合、接続される負荷への送電を維持する必要性に応じて、重要度を決定する。例えば、接続される負荷への送電を維持する必要性が高いものほど、重要度を高く設定する。例えば、負荷の利用頻度などに応じて、必要性を決定できる。
ポリシ5(レグの定格)
複数のマスターレグが存在し、かつ、異なる定格のマスターレグが存在する場合、定格の大きなものほど重要度を高く設定する。これにより、故障した際に最も大きな影響を及ぼす定格の大きなマスターレグをバックアップし、故障時の影響を防止できる。なお、このケースはマスターレグに限らず、指定電力送受電レグ又は自立レグについても同様に適用できる。
ポリシ6(レグの累積稼働時間)
複数のマスターレグが存在し、かつ、それぞれの累積稼働時間が異なる場合、累積稼働時間の長いものほど重要度を高く設定する。これにより、故障の発生確率が高いと考え得る累積稼働時間の長いマスターレグをバックアップし、故障時の影響を防止できる。なお、このケースはマスターレグに限らず、指定電力送受電レグ又は自立レグについても同様に適用できる。
ポリシ7(レグの故障率)
複数のマスターレグが存在し、かつ、それぞれの故障率が異なる場合、故障率の高いものほど重要度を高く設定する。これにより、故障率が高いマスターレグをバックアップし、故障時の影響を防止できる。なお、このケースはマスターレグに限らず、指定電力送受電レグ又は自立レグについても同様に適用できる。
ポリシ8(レグの定期交換期限)
複数のマスターレグが存在し、かつ、それぞれの定期交換期限が異なる場合、定期交換期限が近いものほど重要度を高く設定する。これにより、故障の発生確率が高いと考え得る定期交換期限が近いマスターレグをバックアップし、故障時の影響を防止できる。なお、このケースはマスターレグに限らず、指定電力送受電レグ又は自立レグについても同様に適用できる。
ポリシ9(レグの運転モードと接続維持の必要性)
レグが複数ある場合、レグの運転モードと接続先の状況とを考慮して重要度を設定する、例えば、接続を維持する必要性が低い電源と接続される指定電力送受電レグよりも、接続を維持する必要性が高い負荷と接続される自立レグの重要度を高くする。これにより、運転モードが異なるレグと接続相手が送電を行うか受電を行うかにかかわらず、重要度を設定できる。
ポリシ10(レグの運転モードと故障率)
レグが複数ある場合、レグの運転モード、接続先の状況及びレグの故障率を考慮して重要度を設定する、例えば、接続を維持する必要性が低い電源と接続される指定電力送受電レグよりも、故障率の高い自立レグの重要度を高くする。これにより、故障率の高い自立レグを確実にバックアップすることができる。
ポリシ11(マスターレグの重要度)
複数のマスターレグが存在する場合、マスターレグを第1グループと第2グループとに分ける。第1グループに属するマスターレグは、接続を維持する必要性の高い接続相手と接続されている。第2グループに属するマスターレグは、接続を維持する必要性の低い接続相手と接続されている。更に、接続を維持する必要性の高い指定電力送受電レグが存在する。この場合、第1グループに属するマスターレグの重要度を高くする。接続を維持する必要性の高い指定電力送受電レグの重要度を、第1グループに属するマスターレグの次に高く設定する。そして、第2グループに属するマスターレグの重要度を、指定電力送受電レグよりも低く設定する。
さらに記憶部191は、動作決定部601から重要度決定ポリシの要求を受け取ると、動作決定部601に、重要度決定ポリシを返す。
さらに記憶部191は、冗長レグ識別情報データベース197(#2DB)に、冗長レグ識別情報を記憶する。冗長レグ識別情報とは、前述のレグの識別子と冗長レグ判定フラグとの関連情報であり、あるレグが冗長レグか否かを示す。図16Bは、冗長レグ識別情報データベース197(#2DB)を示す表である。図16Bでは、例えば、レグの識別子「レグ11」と冗長レグ判定フラグ「非冗長レグ」とが関連付けて記憶されている。これは、レグ11が非冗長レグであることを示す。また、レグの識別子「レグ14」と冗長レグ判定フラグ「冗長レグ」とが関連付けて記憶されている。これは、レグ14が冗長レグであることを示す。
さらに記憶部191は、動作決定部601から冗長レグ判定フラグの要求を受け取ると、動作決定部601に、冗長レグ識別情報を返す。
さらに記憶部191は、スイッチ切り替え情報データベース198(図中では#3DBと表記)に、スイッチ切り替え情報を記憶する。スイッチ切り替え情報とは、前述の非冗長レグの識別子と冗長レグのスイッチ番号の関連情報であり、どのスイッチをオンすれば、冗長レグとどの非冗長レグ(レグ11〜13に対応する接続端子T1〜T3のいずれか)とを並列に接続できるかを示す。図16Cは、スイッチ切り替え情報データベース198を示す表である。図16Cでは、例えば、レグの識別子「レグ11」とスイッチ番号「SW1」とが関連付けて記憶されている。これは、スイッチSW1をオンにすると、レグ11と冗長レグであるレグ14とが並列に接続される(すなわち、レグ14とレグ11に対応する接続端子T1とが接続される)ことを示す。同様に、スイッチSW2をオンにすると、レグ12と冗長レグであるレグ14とが並列に接続され(すなわち、レグ14とレグ12に対応する接続端子T2とが接続される)、スイッチSW3をオンにすると、レグ13と冗長レグであるレグ14とが並列に接続される(すなわち、レグ14とレグ13に対応する接続端子T3とが接続される)ことを示す。
さらに記憶部191は、動作決定部601からスイッチ切り替え情報の要求を受け取ると、動作決定部601にスイッチ切り替え情報を返す。
さらに動作決定部601は、記憶部191に前述の冗長レグ識別情報を要求し、冗長レグ識別情報を受け取る。この情報により、動作決定部601は、レグ11〜13が非冗長レグであり、レグ14が冗長レグであること把握する。
さらに動作決定部601は、記憶部191から前述の重要度決定ポリシを要求し、前述の重要度決定ポリシを受け取る。
さらに動作決定部601は、記憶部191に前述のスイッチ切り替え情報を要求し、スイッチ切り替え情報を受け取る。この情報により、動作決定部601は、図16Cに示すように、冗長レグのスイッチをONにすれば、冗長レグをどの非冗長レグ(レグ11〜13に対応する接続端子T1〜T3のいずれか)に接続できるかどうかを把握する。
さらに動作決定部601は、設定情報と重要度決定ポリシと、に基づいて、非冗長レグであるレグ11〜13のうち、最も重要度の高いレグを決定する。ここで、動作決定部601は、ポリシ1〜11のいずれかを、又は、全部あるいは一部を重畳的に適用する(すなわち、積論理をとる)ことが可能である。ポリシ1〜11からレグの重要度を決定するための、入力情報として前述の設定情報が用いられる。ここでは、設定情報としてレグ11〜13の運転モードとその運転モードに応じた動作パラメータが、それに該当する。重要度の決定方法については後述する。
さらに動作決定部601は、スイッチ切り替え情報を基に、冗長レグを最も重要度の高い非冗長レグに接続するために、オンにすべきスイッチ番号を決定し、最も重要度の高い非冗長レグが複数ある場合は、最も重要度の高いレグとしてランダムあるいはレグに識別子の番号の若い順に選択することが考えられるが、これに限定するものではない。切替制御部602に、スイッチ番号(SW1〜SW3)のON/OFFを示す情報を渡す。例えば、SW1をON、SW2とSW3をOFFにすることを示す情報が、その例として挙げられる。
さらに動作決定部601は、レグ制御部194に、冗長レグと非冗長レグと、の接続関係を示す情報を渡す。この接続関係を示す情報とは、非冗長レグの識別子と冗長レグの識別子の関連情報であり、この情報をもとにレグ制御部194は、冗長レグがどの非冗長レグと並列に接続しているかを把握する。
切替制御部602は、動作決定部601からスイッチ番号(SW1〜SW3)のON/OFFを示す情報を受け取る。
さらに切替制御部602は、動作決定部601から受け取ったスイッチ番号(SW1〜SW3)のON/OFFを示す情報に基づいて、切替回路に指示を出すことで(図15では、制御信号CONと記載する制御信号を出す。ここで制御信号CONは、スイッチ番号とONあるいはOFFを示す情報である。)、各スイッチのON/OFFを切り替える。
さらにレグ制御部194は、動作決定部601から、前述の非冗長レグと冗長レグの接続関係に関する情報を受け取る。この情報を基にレグ制御部194は、動作決定部601から受け取った、非冗長レグの識別子と運転モードと運転モードに応じた動作パラメータと、非冗長レグと冗長レグの接続関係(冗長レグがレグ11〜13に対応する接続端子T1〜T3のいずれに接続されているか)を把握する。
さらにレグ制御部194は、非冗長レグの識別子と運転モードと運転モードに応じた動作パラメータに基づいて、レグを動作させる。
レグ制御部194は、レグからの読み取り値である電圧や電流により、レグが故障したと判断した場合そのレグを停止し、非冗長レグと冗長レグの接続関係に関する情報を基に、故障したレグと接続する冗長レグの有無を確認し、冗長レグが存在する場合は、故障したレグと同様の運転モードと運転モードに応じた動作パラメータに基づいて、冗長レグを動作させる。
図14に戻り説明する。切替回路62は、接続端子T1〜T3と冗長レグであるレグ14との間に挿入される。切替回路62は、制御部61からの制御信号CONに従い、各スイッチ(SW1〜SW3)をオンあるいはオフにする。
例えば、切替回路62は、スイッチSW1〜SW3を有する。スイッチSW1は、冗長レグであるレグ14と接続端子T1との間に接続される。スイッチSW2は、冗長レグであるレグ14と接続端子T2との間に接続される。スイッチSW3は、冗長レグであるレグ14と接続端子T3との間に接続される。図14及び図15では、スイッチSW1〜SW3を表示する都合上、冗長レグであるレグ14をレグ11〜13よりも大きく表示しているが、これは現実にレグ14がレグ11〜13よりも大きいことを意味するものではない。これは、以降の図面においても同様である。
制御部61は、レグ11が最も重要度が高い場合には、制御信号CONにより、スイッチSW1をオン、スイッチSW2及びSW3をオフにする。制御部61は、レグ12が最も重要度が高い場合には、制御信号CONにより、スイッチSW2をオン、スイッチSW1及びSW3をオフにする。制御部61は、レグ13が最も重要度が高い場合には、制御信号CONにより、スイッチSW3をオン、スイッチSW1及びSW2をオフにする。
続いて、電力ルータ600の動作について具体的に説明する。図17Aは、実施の形態1にかかる電力ルータ600の動作を示すフローチャートである。
ステップS1:設定情報を受信
設定受信部192は、管理サーバ1010から、設定情報51を受け取り、設定情報データベース196を更新する。ここで受け取る設定情報51は図5Bの通りであり、レグの識別子と各レグの設定の関連情報として、例えば、レグ1にはマスターモード、電圧値が設定されている。
ステップS2:非冗長レグの重要度決定
動作決定部601は、設定情報データベースを監視し、そのデータベースの更新に応じて、冗長レグ識別情報と、設定情報と、重要度決定ポリシと、を記憶部191から取得し、それらの情報に基づいて、レグ11〜13の重要度を決定する。ここでは、重要度決定ポリシとしてポリシ1が記憶される場合を例に示す。まず、冗長レグ識別情報から、冗長レグと非冗長レグと、を把握する。ここでは、レグ14が冗長レグに、レグ11、12、13が非冗長レグに、それぞれ該当する。さらに、設定情報から非冗長レグの設定を把握する。ここでは、レグ11がマスターレグ、レグ12が自立レグ、レグ13が指定電力送受電レグ、として設定されている。さらに、重要度決定ポリシ(ポリシ1)から非冗長レグの重要度を決定する。ポリシ1は前述の通り、レグの運転モードに従って重要度を決めることが規定され、重要度の高い順に、マスターレグ、指定電力送受電レグ、自立レグである。そのため、マスターレグであるレグ11の重要度が最も高くなり、その次に指定電力送受電レグであるレグ13の重要度が高く、自立レグであるレグ12が最も重要度が低くなる。
ステップS3:冗長レグの切り替え決定
動作決定部601は、最も重要度の高い非冗長レグに冗長レグを接続するために、冗長レグの識別子とスイッチ切り替え情報とに基づいてスイッチのオン/オフを決定する。ここでは、非冗長レグとしてレグ11が最も重要度が高いため、このレグ11に冗長レグであるレグ14を並列に接続する(レグ14を接続端子T1に接続する)ことが決定され、スイッチSW1がオン、その他のスイッチSW2及びSW3がオフとなる。
ステップS4:冗長レグの接続
切替制御部602は、動作決定部601からスイッチ番号(SW1〜SW3)とオン/オフを示す情報とを受け取り、その情報に従い切替回路62を制御する。
ここでは、スイッチSW1をオンに、スイッチSW2、SW3をオフにするよう、切替回路62を制御する。図18は、SW1をオンに、スイッチSW2とSW3とをオフにした場合の電力ネットワークシステム1001を示す図である。
ステップS5:非冗長レグ動作開始
レグ制御部194は、動作決定部601から設定情報51と、冗長レグと非冗長レグの接続関係と、を受け取り、レグを個別に制御する。ここでは、レグ11をマスターレグとして、レグ12を自立レグとして、レグ13を指定電力送受電レグとして、動作させる。
次いで、非冗長レグが故障した場合の動作について説明する。図17Bは、実施の形態1にかかる電力ルータ600の動作を示すフローチャートである。
ステップS6:非冗長レグの故障検出
レグ制御部194は、非冗長レグが故障した場合、故障の発生を検出する(図18の例では、レグ11)。
ステップS7:非冗長レグ停止
レグ制御部194は、故障した非冗長レグ(図18の例では、レグ11)の運転を停止する。
ステップS8:故障した非冗長レグと冗長レグの接続確認
レグ制御部194は、動作決定部601から受け取った冗長レグと非冗長レグとの接続関係に基づいて、非冗長レグ(図18の例では、レグ11)に冗長レグが接続されている(レグ11に対応する接続端子T1にレグ14が接続されている)かどうかを判定する。非冗長レグの接続端子に冗長レグが接続されている場合は、ステップS9に進み、冗長レグが接続されていない場合は、処理を終了する。ここでは、非冗長レグであるレグ11には、冗長レグであるレグ14が接続されている(レグ11に対応する接続端子T1にレグ14が接続されている)ため、ステップS9に進む。
ステップS9:冗長レグを非冗長レグと同じ設定情報で運転
レグ制御部194は、故障した冗長レグと同じ運転モード及びその運転モードに応じた動作パラメータで、冗長レグを動作させる。ここでは、故障したレグ11の運転モードであるマスターモードと、運転パラメータである電圧値で、冗長レグ(レグ14)を動作させる。
以上、図17Bに示す動作により、故障した非冗長レグを冗長レグでバックアップすることが実現できる。
なお、制御部61は、ステップS1〜S5やステップS6〜S9の結果を、管理サーバ1010に通知してもよい。ここで通知とは、例えば、次のような通知である。1つは、ステップS1〜S4の結果に基づいて、レグ11〜13を設定情報に基づいた動作が成功あるいは失敗したことや、レグ11に冗長レグとしてレグ14を接続した(レグ11に対応する接続端子T1にレグ14を接続した)こと、を示す情報の通知である。2つは、ステップS5〜S8の結果に基づいて、レグ11が故障し停止させたこと、レグ11の代わりにレグ14を動作させたことを示す情報である。
なお、重要度を決定するために用いる設定情報51を用いる方法を例として挙げたが、これに限らない。その他の情報として様々なレグの特性や状態が挙げられる。これらの情報として具体的には、レグの稼働状況(正常運転、故障中など)、レグの接続先(電源供給源、負荷、他の電力ルータなど)の状況、レグの仕様(定格、損失)、レグの連続稼働時間、レグの累積融通電力、レグの故障率、レグの定期交換時期などが含まれる。また、例えば、レグの接続先の状況としては、接続先である電源の電源供給の安定性や持続性(電源の容量としてもよい)、接続先の利用状況や利用頻度(接続先の電力需要など)、接続先の種類(系統、バッテリ、太陽光発電などの自然エネルギー発電手段など)が含まれる。
冗長レグ識別情報データベース197、スイッチ切り替え情報データベース198、重要度決定ポリシデータベース63に、それぞれ、冗長レグ識別情報、スイッチ切り替え情報、重要度決定ポリシを記憶するとしたが、これらの情報は、管理サーバ1010から通知される、としても良い。同様に、上述の重要度を決定するためのその他の情報、も管理サーバ1010から通知される、としても良い。
動作決定部193は、記憶部191の設定情報データベース196の更新を監視するとしたが、その他データベースの更新を監視する、としても良い。その他データベースとしては、冗長レグ識別情報データベース197や、スイッチ切り替え情報データベース198、重要度決定ポリシデータベース63、がそれに該当する。ここで、さらに、実施の形態1にかかる電力ルータ600の動作を示すフローチャート(図17A)において、制御部61は、設定情報を受信することで動作を開始する、としたが、その他情報(冗長レグ識別情報や、スイッチ切り替え情報、重要度決定ポリシ、前述の重要度を決定するためのその他の情報)を管理サーバから受信することで動作を開始する、としても良い。
以上、本構成によれば、電力ルータの製造コスト増大と巨大化を抑えつつ、電力ルータの耐障害性を高めることができる。なぜなら、電力ルータに設けられた重要度の高いレグを、冗長レグによりバックアップすることができるので、電力ルータの重要な機能を継続できるためである。これにより、冗長レグが接続された重要度の高いレグが故障した場合でも、故障したレグが担っていた送受電を冗長レグによって継続することができる。
実施の形態2
実施の形態2にかかる電力ネットワークシステム2000について説明する。図19は、実施の形態2にかかる電力ネットワークシステム2000の概略構成を示すブロック図である。電力ネットワークシステム2000は、電力ネットワークシステム1001の管理サーバ1010及び電力ルータ600を、それぞれ管理サーバ1020及び電力ルータ700に置換した構成を有する。以下では、実施の形態1との差分のみ記載する。
管理サーバ1020は、管理サーバ1010に動作決定部601と、記憶部2001を追加した構成を有する。記憶部2001は、設定情報データベース196、冗長レグ識別情報データベース197、スイッチ切り替え情報データベース198、重要度決定ポリシデータベース63が格納される。
動作決定部601は、記憶部2001から、設定情報と、冗長レグ識別情報と、スイッチ切り替え情報と、重要度決定ポリシと、を受け取る。図19では、図面の簡略化のため、設定情報と、冗長レグ識別情報と、スイッチ切り替え情報と、重要度決定ポリシと、を含む情報を情報INFと表示している。また、動作決定部601は、設定情報と、冗長レグ識別情報と、スイッチ切り替え情報と、重要度決定ポリシと、に基づいて、スイッチ番号のオン/オフを示す情報と、非冗長レグと冗長レグの接続関係に関する情報と、を決定するが、実施の形態1と同様の手順であるため、記載を省略する。さらに動作決定部601は、設定情報51、スイッチ番号(SW1〜SW3)のオン/オフを示す情報53と、非冗長レグと冗長レグの接続関係に関する情報54と、を電力ルータ700に渡す。
電力ルータ700は、電力ルータ600の制御部61を制御部65に置換した構成を有する。
制御部65について説明する。図20は、制御部65の構成を模式的に示す図である。制御部65は、制御部61から記憶部191と、動作決定部601と、を除いた構成を有する。設定受信部192は、管理サーバから設定情報51、スイッチ番号(SW1〜SW3)のオン/オフを示す情報53と、非冗長レグと冗長レグの接続関係に関する情報54と、を受け取る。また、設定受信部192は、スイッチ番号(SW1〜SW3)のオン/オフを示す情報53を切替制御部602に渡す。さらに、設定受信部192は、設定情報51と、非冗長レグと冗長レグの接続関係に関する情報54と、をレグ制御部194に渡す。切替制御部602と、レグ制御部194は、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
続いて、図19における電力ネットワークシステムの動作について具体的に説明する。
ステップS1a:非冗長レグの重要度の決定
管理サーバ1020は、実施の形態1におけるステップS2の制御部61と同様の動作であるため説明を省略する。ここでは、マスターモードであるレグ11の重要度が最も高くなり、その次に指定電力送受電モードであるレグ13の重要度が高く、自立モードであるレグ12が最も重要度が低くなる。なお、管理サーバ1020は、管理サーバのオペレータや管理サーバ上のアプリケーションからの指示に従い、電力ルータ700の設定を開始する。
ステップS2a:非冗長レグと冗長レグの接続関係を決定
管理サーバ1020は、冗長レグ識別情報と、スイッチ切り替え情報に基づいて、ステップS2で決定した最も重要度の高い非冗長レグに、冗長レグを並列に接続することを決定(非冗長レグと冗長レグの接続関係に関する情報を決定する)する。ここでは、非冗長レグのうち最も重要度の高いレグ11に、冗長レグを並列に接続することを決定する。
ステップS3a:電力ルータの設定
管理サーバ1020は、設定情報、スイッチ番号(SW1〜SW3)のオン/オフを示す情報と、非冗長レグと冗長レグの接続関係に関する情報と、を電力ルータ700に渡す。
ステップS4a:冗長レグの接続切り替え
制御部65は、実施の形態1におけるステップS3の制御部61と同様の動作であるため、説明を省略する。
ステップS5a:非冗長レグの動作開始
制御部65は、実施の形態1におけるステップS4の制御部61と同様の動作であるため、説明を省略する。
次いで、非冗長レグが故障した場合の動作については、実施の形態1におけるステップS5〜S8と同様の動作であるため説明を省略する。
以上、本構成によれば、重要度決定部を管理サーバに置いた場合でも、重要度決定部を制御部に含んだ場合と同様の作用効果を奏する電力ネットワークシステムを構築することができる
その他の実施の形態
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、例えば、上述の実施の形態では、制御部19をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、制御部19をコンピュータにより構成し、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。また、レグの電力変換部に制御装置を組み込み、制御装置を例えば動的再構成ロジック(FPGA:Field Programmable Gate Array)とする。そしてFPGAの制御プログラムをレグのモードに適応した内容に変更して動作させる。これによりレグの種類、動作に応じてFPGAを書き換えることでその動作モードに応じた制御が可能となるためハードウェア容量やコストが削減できる。
上述の実施の形態では、レグ11がマスターレグ、レグ12が指定電力送受電レグ、レグ13が自立レグであるとしたが、これは例示に過ぎない。レグ11〜13は、適宜任意の運手モードとすることができる。
上述の実施の形態では、電力ルータが第1のレグとしてレグ11〜13を有する例について説明したが、これは例示に過ぎない。第1のレグの個数は、1以上の任意の個数とすることができる。また、電力ルータが第2のレグとして冗長レグであるレグ14を有する例について説明したが、これは例示に過ぎない。第2のレグの個数は、1以上の任意の個数とすることができる。この場合、図16Cに示すスイッチ切り替え情報データベース198は、冗長レグごとにスイッチ切り替え情報を記憶する。例えば、冗長レグが2つ(第1冗長レグ、第2冗長レグ)ある場合、第1冗長レグに関連するスイッチはSW1、SW2、SW3であり、それらスイッチはそれぞれレグ11、レグ12、レグ13と接続するためのスイッチであることを示す情報を記憶する。さらに、第2冗長レグに関連するスイッチはSW4、SW5、SW6であり、それらスイッチはそれぞれレグ11、レグ12、レグ13と接続するためのスイッチであることを示す情報を記憶する。上述の実施の形態では、第2のレグ(冗長レグ)が1つである例について説明したが、第2のレグは複数としてもよい。この場合、複数の第2のレグのそれぞれが、複数の異なる第1のレグをバックアップすることができる。なお、第1のレグと第2のレグとは、必ずしも1対1に対応している必要はなく、2個以上の第2のレグで1つの第1のレグをバックアップすることを妨げるものではない。
上述の実施の形態では、レグ11が故障するものとして説明したが、これは例示に過ぎない。故障するレグは、1又は複数の第1のレグのいずれであってもよい。また、故障するレグは1つに限らず、複数であってもよい。この場合、複数の故障したレグのそれぞれの重要度を決定し、重要度の高い順に優先的に、第2のレグを割り当てることも可能である。
図17に示す電力ルータの動作は、電力ルータの設定情報受信時に行われると説明したが、これは例示に過ぎない。例えば、起動時や、定期的なタイミングや、レグの動作状態に変化があったとき、などの任意のタイミングで実行可能である。レグの動作状態の変化は、制御部のレグ制御部がレグからの読み取り値を監視することで実現できる。レグ制御部が、動作決定部に読み取り値を通知し、動作決定部が、設定情報と前述の読み取り値も考慮に入れて、非冗長レグの重要度を決定する、としても良い。
上述の実施の形態では、重要度の他に、第1のレグと第2のレグの仕様を比較して、第2のレグで第1のレグを代替できるかを判断してもよい。例えば、第1のレグの定格が第2のレグの定格よりも大きい場合、第2のレグで第1のレグをバックアップしても、能力不足に陥る恐れが有る。この場合、制御部は、第2のレグによるバックアップを実行しないと判断してもよい。
上述の実施の形態では、第2のレグ(冗長レグ)が1つである例について説明したが、第2のレグは複数としてもよい。この場合、複数の第2のレグのそれぞれが、複数の異なる第1のレグをバックアップすることができる。なお、第1のレグと第2のレグとは、必ずしも1対1に対応している必要はなく、2個以上の第2のレグで1つの第1のレグをバックアップすることを妨げるものではない。
実施の形態2では、1つの電力ルータを扱ったが、1つ以上の電力ルータを扱うことができる。以下では、実施の形態2との差分のみ記載する。管理サーバ1020は、設定情報と、冗長レグ識別情報と、スイッチ切り替え情報と、重要度決定ポリシと、を電力ルータごとに持つ。ここで、電力ルータ700と、さらに電力ルータ701を扱う場合を想定する。まず、動作決定部601は、記憶部2001から、電力ルータ700に関連する、設定情報と、冗長レグ識別情報と、スイッチ切り替え情報と、重要度決定ポリシとを取得する。さらに動作決定部601は、これらの情報を基に、ステップS1a〜S3aと同様の動作を取る。以降、電力ルータ700は、実施の形態2におけるステップS4a以降と同様の動作を取る。次に、動作決定部601は、記憶部2001から、電力ルータ701に関連する、設定情報と、冗長レグ識別情報と、スイッチ切り替え情報と、重要度決定ポリシとを取得する。さらに動作決定部601は、これらの情報を基に、ステップS1a〜S3aと同様の動作を取る。ただし、ステップS3aにおける、電力ルータは電力ルータ701となる。以降、電力ルータ701は、実施の形態2におけるステップS4a以降と同様の動作を取る。
BL 支線
D1〜D6 ダイオード
INF 情報
Q1〜Q6 トランジスタ
SCON 制御信号
SIG1 開閉制御信号
SW1〜SW3 スイッチ
15 母線電圧
Vr 検出値
11〜14、21〜24 レグ
15、M101、M201、M301、M401、M501、M601 直流母線
16 通信バス
17 電圧センサ
19 制御部
51 設定情報
52 情報
53 スイッチ番号(SW1〜SW3)のオン/オフを示す情報
54 非冗長レグと冗長レグの接続関係に関する情報
60 スルーレグ
61、65 制御部
62 切替回路
63 重要度決定ポリシデータベース
64 重要度を決定するための情報
67 重要度の決定結果
71A、71B 送電線
72 配電線
100、101、102、170、200、300、400、600、700、841〜844 電力ルータ
821〜824 電力セル
111、121、131、141 電力変換部
112、122、132、142、162 電流センサ
113、223、133、143、163 開閉器
114、224、134、144、164 電圧センサ
115、125、135、145、165、215、225、235、245 接続端子
191 記憶部
192 設定受信部
193、601 動作決定部
194 レグ制御部
195 センサ値読み取り部
196 設定情報データベース
197 冗長レグ識別情報データベース
198 スイッチ切り替え情報データベース
110、210、220、320、420、560 マスターレグ
210、410 自立レグ
250 ACスルーレグ
602 切替制御部
610 指定電力送受電レグ
810、1000、2000 電力ネットワークシステム
811、1035、1035A〜1035C 基幹系統
812 大規模発電所
831 家
832 ビル
833 太陽光発電パネル
834 風力発電機
835、1032、1034 蓄電池
850、1010、1020 管理サーバ
860、1100 通信網
1012 記憶装置
1031、1033 負荷
1200、1201〜1203、1211〜1213 伝送線
1300 通信線

Claims (10)

  1. 双方向に電力を変換する1又は複数の第1の電力変換部と、
    双方向に電力を変換する1又は複数の第2の電力変換部と、
    前記1又は複数の第1の電力変換部のそれぞれに対応し、かつ、外部の接続先と接続する1又は複数の接続端子と、
    前記1又は複数の第2の電力変換部のそれぞれを、前記1又は複数の接続端子のいずれかに接続可能に構成された切替回路と、
    前記切替回路の接続関係を制御する制御部と、を備える、
    電力ルータ。
  2. 前記切替回路は、前記制御部からの指令に応じて、
    前記1又は複数の第2の電力変換部のそれぞれを、前記第1の電力変換部が接続される接続端子に接続する、
    請求項1に記載の電力ルータ。
  3. 前記制御部は、
    対応する前記第1の電力変換部が送受電を行っている場合、前記第2の電力変換部に送受電を行わせず、
    対応する前記第1の電力変換部が送受電を行えない場合、前記第2の電力変換部に送受電を行わせることで、対応する前記第1の電力変換部をバックアップさせる、
    請求項2に記載の電力ルータ。
  4. 前記制御部は、
    前記1又は複数の第1の電力変換部のそれぞれの重要度を決定し、
    決定した重要度に応じて、前記1又は複数の第1の電力変換部から、送受電を行えない場合にバックアップの対象となるものを決定し、
    前記1又は複数の第2の電力変換部から、バックアップの対象となる前記第1の電力変換部のバックアップを行うものを決定し、
    前記切替回路は、決定されたバックアップを行う前記第2の電力変換部のそれぞれを、バックアップの対象となる前記第1の電力変換部のうちで対応するものが接続される接続端子に接続する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電力ルータ。
  5. 前記第2の電力変換部が複数である場合、前記制御部は、
    前記1又は複数の第1の電力変換部から、送受電を行えない場合にバックアップの対象となるものを、重要度が高い順に決定する、
    請求項4に記載の電力ルータ。
  6. 前記制御部は、前記1又は複数の第1の電力変換部のそれぞれの重要度を決定するための重要度決定ポリシに基づいて、前記1又は複数の第1の電力変換部のそれぞれの重要度を決定する、
    請求項4又は5に記載の電力ルータ。
  7. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電力ルータと、
    前記1又は複数の第1の電力変換部のそれぞれの重要度を決定する管理サーバと、を備え、
    前記制御部は、前記管理サーバが決定した前記1又は複数の第1の電力変換部のそれぞれの重要度に応じて、前記1又は複数の第1の電力変換部から、送受電を行えない場合にバックアップの対象となるものを決定し、
    前記1又は複数の第2の電力変換部から、バックアップの対象となる前記第1の電力変換部のバックアップを行うものを決定し、
    前記切替回路は、決定されたバックアップを行う前記第2の電力変換部のそれぞれを、バックアップの対象となる前記第1の電力変換部のうちで対応するものが接続される接続端子に接続する、
    電力ネットワークシステム。
  8. 前記第2の電力変換部が複数である場合、前記制御部は、
    前記1又は複数の第1の電力変換部から、送受電を行えない場合にバックアップの対象となるものを、重要度が高い順に決定する、
    請求項7に記載の電力ネットワークシステム。
  9. 前記制御部は、前記1又は複数の第1の電力変換部のそれぞれの重要度を決定するための重要度決定ポリシに基づいて、前記1又は複数の第1の電力変換部のそれぞれの重要度を決定する、
    請求項7又は8に記載の電力ネットワークシステム。
  10. 電力を送受電する電力ルータと、
    前記電力ルータを制御する管理サーバと、を備え、
    前記電力ルータは、
    双方向に電力を変換する1又は複数の第1の電力変換部と、
    双方向に電力を変換する1又は複数の第2の電力変換部と、
    外部の接続先と接続する1又は複数の接続端子と、
    前記1又は複数の第2の電力変換部のそれぞれを、前記1又は複数の接続端子のいずれかに接続可能に構成された切替回路と、
    前記切替回路の接続関係を制御する制御部と、を備える、
    電力ネットワークシステム。
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