JPWO2014203966A1 - 鋳造物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

金属溶湯を通気性鋳型(1)に重力注湯して鋳造物品を得る鋳造物品の製造方法であって、前記通気性鋳型のキャビティは、湯口部(6)、湯道部(7)及び製品部(9)を少なくとも有し、前記製品部を含む所望のキャビティ部分(10)に金属溶湯(12)を充填するため、前記所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を前記湯口部から注湯し、前記溶湯が前記所望のキャビティ部分に充填される前に、前記湯口部からガス(14)を送気して前記所望のキャビティ部分に前記注湯された溶湯を充填する工程を有し、前記ガスの送気と同時、送気の途中、又は送気の後に、前記ガスが接触している溶湯部分を、前記通気性鋳型の外部から供給した水分(16)で、直接的又は間接的に冷却して溶湯を凝固させる。

Description

本発明は、通気性鋳型に鋳造して所望の物品を得る鋳造物品の製造方法に関するものである。
重力注湯における鋳造物品の製造には、通気性鋳型である砂粒子を用いて造型された鋳型、いわゆる砂型が最も一般的に用いられている。このような通気性鋳型を使用すれば、特定形状のキャビティに溶湯が充填される際に、残留する気体(一般には空気)がキャビティ表面から押し出されることになり、キャビティ全体に金属溶湯(以下、溶湯ともいう)が回り、キャビティと実質同一の鋳物を得ることができる。鋳型のキャビティは、一般に湯口部、湯道部、押湯部及び製品部を有しており、この順で溶湯が供給され、製品部を満たすだけの溶湯ヘッド高さを湯口部に形成して注湯が終了する。
こうして凝固した鋳造物品は、湯口部、湯道部、押湯部及び製品部が鋳物として連結した形態となっている。ここで、押湯部は製品の健全化のために設定されるキャビティであり不要な部分とはいえないが、湯口部や湯道部は製品部までの溶湯の経路に過ぎず、本来全く不要な部分である。従って、湯口部や湯道部に溶湯が充填された状態で凝固させる限り、注入歩留りの大幅な改善を図ることはできない。また、不要な部分が連結した鋳物であると、後工程である製品部の分離工程において製品部と不要な部分との仕分け作業に相当な工数を要し、生産効率の低下をきたす。従い、重力注湯において、鋳物として湯口部や湯道部の存在は大きな問題である。
上記のような問題を解決する画期的な手法が、特開2007-75862号及び特開2010-269345号に提案されている。その手法とは、通気性鋳型のキャビティのうちの一部である所望のキャビティ部分に金属溶湯を充填するため、通気性鋳型のキャビティ(以下、鋳型キャビティという場合もある。)全体の体積よりも小さく、所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を重力注湯し、注湯された溶湯が所望のキャビティ部分に充填される前に、湯口部からガス(圧縮ガス)を送気して所望のキャビティ部分に溶湯を充填して凝固させるものである。この手法(以下、特開2007-75862号及び特開2010-269345号に共通して開示された手法を、加圧鋳造法という場合がある。)によれば、溶湯ヘッド高さによって必要であった圧力が、圧縮ガスによって補填されるため、湯口部はもちろん、湯道部の溶湯も、ほぼ不要とすることが可能になると期待されている。
本発明者らは、特開2007-75862号及び特開2010-269345号に記載された加圧鋳造法を実現化するために実験を行った。その結果、ガスで加圧されて充填した溶湯は、ガスの供給の停止とともに逆流してしまうため、正常な鋳造物品を得るためには、溶湯全体を凝固させる必要はないが、少なくともガスが接触している溶湯部分が凝固するまでの間ガスの供給を継続する必要があることが分かった。しかしながら、このような方法では、ガスが接触している溶湯部分が凝固し、溶湯が逆流しなくなるようになるまでには時間がかかるため、製造タクトを短くする必要性から、溶湯の逆流を防止し、充填状態を維持できるような付加手段が有効である。
特開2007-75862号及び特開2010-269345号は、このような付加手段としてガスが接触している溶湯部分に冷却ガスを供給して凝固を促進したり、機械的に遮断したり、耐火物粒子を詰め込んだり、金属を導入して融解潜熱による凝固を促進したりする例を開示している。いずれも有効な手段であるが、例えば冷却ガスを送気する方法では、鋳物の大きさによっては冷却ガスの熱容量が十分でなく、所望の時間内に凝固させることが難しい場合がある。また、湯道の上方に、上型面に開口する凹部を設け、この凹部から遮蔽板を貫入させて機械的に溶湯を遮断する例も開示されている。しかしながら、この方法の場合、遮蔽板を鋳型毎に準備する必要があり、コスト増が懸念される。従って、より簡便で、十分な効果を発揮できる上記付加手段が望まれている。
従って本発明の目的は、加圧鋳造法を適用した鋳造物品の製造方法において、ガスの供給により達成された溶湯の充填状態を容易に維持できる鋳造物品の製造方法を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、金属溶湯を通気性鋳型に注湯して鋳造物品を得る鋳造物品の製造方法において、所望のキャビティ部分に溶湯を充填するために供給したガスが接触している溶湯部分を水分で冷却することにより、速やかに溶湯を凝固させることができ、容易に溶湯の充填状態を維持できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、鋳造物品を製造する本発明の方法は、金属溶湯を通気性鋳型に重力注湯して鋳造物品を得る方法であって、前記通気性鋳型のキャビティは、湯口部、湯道部及び製品部を少なくとも有し、前記製品部を含む所望のキャビティ部分に金属溶湯を充填するため、前記通気性鋳型のキャビティ全体の体積よりも小さく、前記所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を前記湯口部から注湯し、注湯された溶湯が前記所望のキャビティ部分に充填される前に、前記湯口部からガスを送気して前記所望のキャビティ部分に前記注湯された溶湯を充填する工程を有し、前記ガスの送気と同時、送気の途中、又は送気の後に、前記ガスが接触している溶湯部分を、前記通気性鋳型の外部から供給した水分で、直接的又は間接的に冷却して溶湯を凝固させるものである。
前記ガスが接触している溶湯部分に水分を接触させて溶湯を凝固させるのが好ましい。
前記水分の供給は、ミストを含むガスを導入することによって行うのが好ましい。
前記製品部のキャビティは、前記製品部のキャビティへの溶湯の流入口よりも上方にも形成されているのが好ましい。
前記通気性鋳型のキャビティは、前記製品部と湯道部との間に配置され、かつ前記製品部とともに所望のキャビティを構成する押湯部を有し、前記押湯部のキャビティは、前記押湯部のキャビティへの溶湯の流入口よりも上方にも形成されているのが好ましい。
前記所望のキャビティ部分のうち前記ガスが接触している溶湯部分のキャビティに向け、前記湯口部とは異なる位置に形成された供給孔を通じて前記水分を供給するのが好ましい。
前記供給孔は有底孔であるのが好ましい。
前記供給孔の底面と前記ガスが接触している溶湯部分のキャビティとの間には、前記通気性鋳型の一部が介在しているのが好ましい。
前記供給孔の底面と前記ガスが接触している溶湯部分のキャビティとの間には、冷却片が介在しているのが好ましい。
前記供給孔の底面と前記ガスが接触している溶湯部分のキャビティとの間に介在している前記通気性鋳型の一部又は前記冷却片を、前記ガスが接触している溶湯部分に押し付けつつ前記水分で冷却して溶湯を凝固させるのが好ましい。
本発明によれば、加圧鋳造法において、送気されるガスが接触している溶湯部分を水分で冷却することにより抜熱を速やかに進行させることができ、注湯後の溶湯の充填状態を容易に維持できるため、製造タクトの短縮にとって有効な技術となる。
本発明の製造方法の第1実施形態において、溶湯を注湯した直後の状態を示す模式図である。 本発明の製造方法の第1実施形態において、ガス圧により所望のキャビティ部分へ溶湯を充填している状態を示す模式図である。 本発明の製造方法の第1実施形態において、充填した溶湯の後端部に水分を供給している状態を示す模式図である。 本発明の製造方法の第1実施形態において、供給した水分により溶湯を冷却している状態を示す模式図である。 本発明の製造方法で用いる鋳型キャビティの一例を示す模式図である。 本発明の製造方法で鋳造された、押湯部及び湯道部の一部の鋳造形態を示す写真である。 本発明の製造方法の第2実施形態において、水分を供給し溶湯を冷却している状態を示す模式図である。 本発明の製造方法の第3実施形態において、溶湯を注湯した直後の状態を示す模式図である。 本発明の製造方法の第3実施形態において、ガス圧により所望のキャビティ部分へ溶湯を充填している状態を示す模式図である。 本発明の製造方法の第3実施形態において、水分を供給し溶湯を冷却している状態を示す模式図である。 本発明の製造方法の第4実施形態において、水分を供給し溶湯を冷却している状態を示す模式図である。 本発明の製造方法の第5実施形態において、水分を供給し溶湯を冷却している状態を示す模式図である。 本発明の製造方法の第6実施形態において、水分を供給し溶湯を冷却している状態を示す模式図である。 本発明の製造方法の第7実施形態において、水分を供給し溶湯を冷却している状態を示す模式図である。 本発明の製造方法の第8実施形態において、水分を供給し溶湯を冷却している状態を示す模式図である。
本発明は、金属溶湯を通気性鋳型に重力注湯して鋳造物品を得る鋳造物品の製造方法であって、前記通気性鋳型のキャビティは、湯口部、湯道部及び製品部を少なくとも有し、前記製品部を含む所望のキャビティ部分に金属溶湯を充填するため、鋳型キャビティの全体の体積よりも小さく、前記所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を前記湯口部から注湯し、注湯された溶湯が前記所望のキャビティ部分に充填される前に、前記湯口部からガスを送気して前記所望のキャビティ部分に前記注湯された溶湯を充填する工程を有し、前記ガスの送気と同時、送気の途中、又は送気の後に、前記ガスが接触している溶湯部分を、前記通気性鋳型の外部から供給した水分で、直接的又は間接的に冷却して溶湯を凝固させるものである。前記通気性鋳型のキャビティには、必要に応じて押湯部を形成することができる。その場合、前記所望のキャビティ部分は前記製品部及び押湯部を含む。
なお、「ガスが接触している溶湯部分」とは、鋳型キャビティ内に注湯された溶湯において、湯口部から送気されたガスが接触している前記溶湯の表面及びその近傍部分であり、さらに具体的には、送気されたガスで所望のキャビティ部分に充填された溶湯のうち、鋳型の外部から供給された水分で冷却され凝固することにより、所望のキャビティ部分に充填された溶湯が湯口部方向(ガスの流れとは逆方向)に流動(逆流)しない程度の栓状となる部分のことをいう。この部分は、前記ガスで所望のキャビティ部分に充填された溶湯の後端部に相当する。
本発明の重要な特徴の一つは、前記ガスの送気と同時、送気の途中、又は送気の後で、前記ガスが接触している溶湯部分(溶湯後端部)を、通気性鋳型の外部から供給した水分で、直接的又は間接的に、製品部のキャビティ内に充填された金属溶湯よりも優先して冷却することにある。これにより本発明は以下の効果を得ることができる。
水は、他のガスや液体に比べて大きな比熱及び蒸発潜熱を有するため、これらを利用することにより高い冷却能力を発揮する。これにより、ガスが接触している溶湯部分、すなわち、溶湯後端部(湯口部側の端部)の凝固時間が短縮でき、送気開始から溶湯が逆流しなくなるまでの時間が短縮される。また、水分が水蒸気となると体積膨張を起こすため、ガスによる圧力を補う作用も得ることができる。本発明のように通気性鋳型では、水蒸気を速やかにキャビティ外に拡散できるため、新しい水分を供給することが可能であり、極めて効率よく冷却できる。このような水分による冷却能力をより発揮させるためには、前記ガスが接触している溶湯部分に水分を接触させて溶湯を凝固させるのが望ましい。このように、前記ガスが接触している溶湯部分に水分を接触させて、前記溶湯後端部を直接的に冷却することにより、前記溶湯後端部の抜熱を速やかに進行させることができる。
このような冷却能力の高さは、例えば生砂型、具体的にはケイ砂に粘結剤として粘土分を加え、水分等を与えて粘結力をもたせた砂型においては、特に湯道部等のケイ砂の熱による劣化を低減するのにも役立つ。また生砂型では、通常、凝固後の鋳物を抜型して取り除いた後の生砂を繰り返し使用するために、造型工程に生砂を再度搬送する期間に冷却のための水分を与えたり、生砂を再度混合し混練する際に粘結力を調整するため粘土分等とともに水分を与えたりするので、水分の適用はこうした調砂工程においても有害な異物にならず、製品の品質安定や製造コストの抑制に寄与するという大きな利点がある。なお、鋳型が生砂型の場合には、鋳型に注湯された溶湯は生砂型自体に含まれる水分でも冷却されうるが、本発明におけるガスが接触している溶湯部分を冷却する水分は、鋳型の外部から供給された水分であり、積極的に水分を供給する点でその由来が異なる。
本発明において、水分による冷却はガスの送気と同時、送気の途中、又は送気の後に行われる。いずれも高い冷却能力を適用できるという点で同様の効果を奏する。以下、好ましい適用形態について詳しく説明する。
水分による冷却をガスの送気と同時に行う方法は、注湯された溶湯が所望のキャビティ部分に充填される前に凝固して閉塞するといった不具合が起こらないような場合、例えば、特に大型の製品を太い湯道方案で製造する場合において、冷却能力を高める手法として好適である。
水分による冷却をガスの送気の後で行う方法は、ガスによりある程度凝固が進行することにより、送気を止めてから冷却するまでに溶湯が逆流するといった不具合が起こりにくいような場合、例えば、特に小型の製品を細い湯道方案で製造する場合において、溶湯の凝固をより確実にし、製造タクトをより短縮する手段として好適である。
水分による冷却をガスの送気の途中で行う方法は、初期はガスのみが供給されるため、溶湯は急激に凝固することなく加圧され、注湯された溶湯を所望のキャビティ部分に速やかに充填できるという利点がある。その後ガスの送気を継続しながら水分により冷却することにより速やかに凝固を開始できる。本発明においては、これらの点で、水分による冷却を、ガスの送気の途中で行う方法がより好ましい形態である。
水分による冷却をガス送気と同時、及び送気の途中で行う場合は、供給された水分が水蒸気となって体積膨張することによって増加する圧力が送気したガスの圧力に付加されてこれを補うため、所望のキャビティ部分への溶湯の充填を早め、また充填状態をより確実に維持できるといった効果がある。
本発明で適用する水分は、直接水流、シャワー状等の形態で供給すること可能であるが、突沸の防止、水分量のコントロール、ガスとの併用がしやすいといった利点から、ミスト状(以下、単にミストという)で供給するのが好ましい。
ミストの形成には、種々の方式を採用できる。例えば、微粒子を形成しやすいという点で二流体ノズルなどのスプレーノズルや、キャブレターや霧吹きで使用されるベンチュリ効果を利用した方式等が適用できる。ミストをガスの送気の途中から供給する場合は、ガスの配管の途中にスプレーノズル等を配置して、所定のタイミングで配管内にミストを発生させる。ガスの配管内でミストを発生させることにより、鋳型への接続は、ガスの配管口部だけとなり、注湯、ガスの供給、及びミストの供給を速やかに行うことが可能となる。このときミストの形成にベンチュリ効果を利用する方式を採用する場合は、単純な水配管をガスの配管に接続するだけで済み、構造が簡単になる。
以下、本発明の基本技術について説明する。本発明は、特開2007-75862号及び特開2010-269345号が提案する、ガスを適用する加圧鋳造法を用いた鋳造物品の製造方法を基本技術とするものであり、これらの特許文献に開示される技術に適用される。ただし、これらの特許文献の開示範囲に限定されるものではない。
通気性鋳型とは生砂型、シェル型、自硬性型その他の砂粒子を用いて造型された、通常いずれの箇所でもまんべんなく一定の範囲で通気性のある鋳型が一般的であるが、前記砂粒子の代わりにセラミックス粒子や金属粒子を用いて造型された鋳型も適用できる。石膏などのほとんど通気性のない材料によっても、通気性材料を混在させる、又は部分的に通気性材料を用いて十分な通気性をもたせるように造型することによって通気性鋳型として使用可能である。また金型のように全く通気性のない材料を用いた鋳型であっても、ベントホール等その他の通気孔を設けて通気性をもたせた場合には通気性鋳型として使用可能である。
本発明では、鋳型キャビティの全体の体積よりも小さく、前記製品部を含む所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を重力注湯する。
このように注湯する溶湯の体積を制限するのは、鋳型キャビティ体積をすべて充填する量を注湯することは、注入歩留りの向上に寄与しないためである。従来の通気性鋳型を用いた重力注湯による鋳造法では、製品部だけでなく、一般に製品部以外の全キャビティにも溶湯を充填して凝固させることが健全な製品を得るために不可欠であることから、注入歩留りは高々70%程度に留まって、それ以上に大幅な向上は見込めなかった。これに対して本発明の基本技術を用いれば、原理的には注入歩留りをほぼ100%にできる可能性がある。
注湯するだけで所望のキャビティ部分に溶湯が充填してしまうキャビティ構成では、充填のためにガスを送気する必要はないが、本発明のように前記製品部(必要に応じて、湯道部)を含む所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を注湯する場合、注湯された溶湯が所望のキャビティ部分に充填される前に、湯口部からガスを送気して所望のキャビティ部分に溶湯を充填して凝固させることが必要である。
溶湯を充填するために送気するガスはコスト面からは空気を使用してもよく、溶湯の酸化防止という面からは非酸化性ガス、例えば、アルゴン、窒素、二酸化炭素等を使用してもよい。送気するガスの流束は、ファン、ブロワ等による旋風を用いてもよいが、溶湯を均一に加圧することのできる点でコンプレッサー等を用いるのが好ましい。
本発明の基本技術は上記のとおりであるが、本発明の要部、すなわち、上記ガスが接触する溶湯部分に対しガス及び水分を供給する形態としては、以下の2点が挙げられる。
(1)ガス及び水分ともに同一経路(具体的には湯口部及び湯道部)を通じて供給する形態
(2)ガスは湯口部から供給し、水分は別の経路(具体的には湯口部と異なる位置に形成された供給孔)を通じ供給する形態
さらにこれらの各形態は、上記ガスが接触する溶湯部分の冷却形態としてさらに以下の2つの形態を含む。
(a)直接的に水分で冷却する形態
(b)間接的に水分で冷却する形態
以下、これらを組み合わせた形態について、第1〜第8の実施形態に基づき説明する。
ガス及び水分の供給方法と冷却方法との組み合わせのうち、ガス及び水分ともに同一経路を通じて供給し、ガスが接触する溶湯部分を直接的に水分で冷却する形態(形態(1)及び(a)の組み合わせ)の例を下記第1の実施形態に基づいて説明する。
さらに、ガス及び水分の供給方法と冷却方法との組み合わせのうち、ガス及び水分ともに同一経路を通じて供給し、ガスが接触する溶湯部分を間接的に水分で冷却する形態(形態(1)及び(b)の組み合わせ)の例を下記第2の実施形態に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
以下に、水分による冷却をガスの送気の途中に行う第1の実施形態の鋳造方法について、図を用いて説明する。図1(a)〜図1(d)は、第1の実施形態の製造工程の一例を工程毎に示す。なお、以下説明する第1の実施形態の製造方法の各構成要素は、第1の実施形態のみに限定されず、本発明の作用効果を奏する限り、以下説明する他の実施形態(第2〜第8の実施形態)の構成要素に適宜組み合わせて実施することが可能である。同様に、以下に述べる各実施形態(第2〜第8の実施形態)で説明する構成要素も、それ以外の実施形態の構成要素に適宜組み合わせて実施することが可能である。
鋳型1は、生砂型を使用した通気性鋳型であり、図1(a)〜図1(d)に示すように、上枠2及び下枠3に型合わせされて定盤4の上に配置される。鋳型キャビティ5は、湯口部6、湯道部7、押湯部8、及び製品部9から構成され、このうち前記製品部9及び押湯部8が所望のキャビティ部分10を構成する。なお本実施の形態においては、押湯部8が設けられているが、不要の場合は設けなくてもよい。
図1(a)は、所望のキャビティ部分10の体積とほぼ等しい体積の溶湯12を、注湯取鍋11から、鋳型1の湯口部6に注湯した直後の状態を示す(注湯工程)。
次いで、図1(b)に示すように、ガスと水分とをそれぞれ単独に又は同時に吐出可能な吐出装置13を湯口部6に挿入し、溶湯12の凝固が開始する前に、ガス14を吐出装置13から鋳型キャビティ5内に送気する(ガスの流れを複数の矢印線で示す)。この操作により、ガス14が溶湯12と接触している溶湯部分15が、ガス14による風圧を受けて所望のキャビティ部分10の方向に押されて、所望のキャビティ部分10へ溶湯12の充填が進行する(加圧工程)。
次いで、図1(c)に示すように、ガス14の送気の途中で、水分16(複数のドットで示す)を吐出装置13から供給する。水分16の形態は、ガス14の気流で運ばれやすくするために細かい粒子であるミストとするのが好ましい。このときの所望のキャビティ部分10が溶湯12で充填された後で、ガス14が溶湯12と接触している溶湯部分15に水分16が到達し接触するように、水分16の吐出装置13からの吐出時期を適宜調節する。この操作によって、ガス14が溶湯12と接触している溶湯部分15に水分16が到達するまでの期間においては、溶湯12は急激に凝固することなく加圧されるために、注湯された溶湯12を所望のキャビティ部分10に速やかに充填させることができる(水分供給工程)。
その後、図1(d)に示すように、吐出した水分16が、ガス14が溶湯12と接触している溶湯部分15に到達して、この溶湯部分15に水分16が接触して直接的に冷却することにより、前記溶湯部分15の冷却が促進され、凝固が急速に進行し、所望のキャビティ部分10に充填された溶湯12の逆流を抑えることができる(冷却工程)。
このように水分16を、ガス14の送気の途中で供給することによって、溶湯12の所望のキャビティ部分10への速やかな充填と、一旦充填された溶湯12がガスの送気の向きに対して逆流する不具合が起こらずに溶湯12の凝固をより確実にすることができる。
とりわけ、図1(a)に示すように、製品部9のキャビティが、前記製品部9のキャビティへの溶湯の流入口17aよりも上方にも形成されている場合、及び/又は押湯部8のキャビティが、前記押湯部8のキャビティへの溶湯の流入口17bよりも上方にも形成されている場合においては、重力の作用によって一旦製品部9のキャビティ又は押湯部8のキャビティに充填された溶湯が、流入口17a又は流入口17bから逆流しやすいので、本発明の効果がより発揮される。
図1(a)〜図1(d)に示す工程に従い、本発明を実際の球状黒鉛鋳鉄の鋳造物品の製造に適用した結果を図2及び図3に示す。鋳型キャビティは、図2に示すように、湯口部と(図示せず)、これに連結する湯道部18と、湯道部18に連結する押湯部19aと、押湯部19aに連結する押湯ネック部19bと、押湯ネック部19bに連結する製品部20とから構成されている。鋳型キャビティの一部である所望のキャビティ部分は、製品部20と、押湯部19aと、押湯ネック部19bと湯道部の一部18aであり、本発明を適用することによって、湯道部18において、ガスが接触していた溶湯部分21からは、湯口部(図示せず)側に溶湯が逆流しない状態となって、湯道部の一部18aが形成される。図3は、この押湯部19aと湯道部の一部18aの領域22の鋳造形態の写真を示す。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態は、ガスが接触している溶湯部分(溶湯後端部)に水分(ミスト)を接触させて、前記溶湯後端部を水分で直接的に冷却して溶湯を凝固させる形態であるが、前記溶湯後端部は、例えば充填物などを介して間接的に冷却されてもよい。その具体的な形態(第2の実施形態)について、図1(d)と同様に、溶湯の冷却工程の状態を示す図4を参照しつつ説明する。なお、図4においては、上記第1の実施形態と同様な構成要素については同一符号を付しており、詳細な説明は省略する(以下説明する他の実施形態について同じである。)
図4に示すように、第2の実施形態の鋳造方法は、溶湯12のうちガス14が接触している溶湯部分15、つまり溶湯12の湯口部側の端部の表面に接するように、鋳型キャビティ5に充填物39が配置されており、その充填物39に対して供給された水分16により、前記充填物39を介して上記溶湯部分15が間接的に冷却される点を除いて、第1の実施形態の鋳造方法と同様な構成である。この実施形態の場合には、前記溶湯後端部を、充填物39を介して水分16で間接的に冷却するという構成であるので、所望の冷却能力を発揮させるために供給すべき水分量の最適化など行う必要があるが、水分の直接的な溶湯への接触に伴い発生する可能性のある突沸を抑制できるという利点がある。
上記充填物39は、例えば、鋳型への溶湯12の注湯後のガス14の送気時に湯口部6から投入することにより、ガス14とともに流動させ、前記溶湯12の端部に接するように配置することができる。充填物39としては、高温の溶湯12に対する耐熱性を有していれば良く、鋳型砂、セラミックス等の無機質、金属質のものが好ましく用いられる。特に、熱伝導率の高い金属質の充填物39を冷却片として使用するのが望ましく、加えて溶湯12と同様な成分の充填物39を使用すれば製品に異成分が混入しないのでさらに望ましい。充填物39の形状は図示のような湯道部7の断面形状に合わせたブロック形状に限定されず、例えば、流動性の高い粒子を複数個、湯道部7に充填して充填物39を形成してもよい。
上記説明した第1及び第2の実施形態は、いずれも、ガスと水分を溶湯が流動する経路である湯口部及び湯道部を通じて供給する形態の鋳造物品の製造方法である。この形態の製造方法でも、ガスと接触している溶湯部分(溶湯後端部)を水分で冷却することができるが、例えば湯口部や湯道部が長い場合や屈曲が多く抵抗が大きい場合には、溶湯で加熱された湯道部等を流れる途中で水分が蒸発し、前記溶湯後端部に水分が到達し難いため、その冷却能力を十分に発揮できない場合もある。
本発明者らは鋭意検討し、所望のキャビティに溶湯を充填するためガスは湯口部から送気(供給)する必要があるが、水分は、ガスと別個の経路、具体的には送気されたガスが接触している溶湯部分のキャビティ(以下、このキャビティをガス接触部という場合がある。)に向け、湯口部とは異なる位置に形成された供給孔を通じて供給すると、供給中における水分の蒸発が抑制され、溶湯後端部に確実に水分を供給でき、前記溶湯後端部の冷却能力が高まるのでより好ましいことを知見した。
このように湯口部とは異なる位置に形成された供給孔を通じて水分を供給する方法を用いる場合には、湯口部及び湯道部を通じて水分を供給する方法を併用しても良いし、併用しなくても良い。それらの具体的な形態について、以下第3〜8の実施形態の製造方法に基づき説明する。
[第3の実施形態]
本発明に係る第3の実施形態の製造方法について、その製造方法を工程毎に示す図5(a)〜図5(c)を参照しつつ説明する。第3の実施形態は、前記形態(2)と前記形態(b)との組み合わせ、すなわち、ガスは湯口部から供給し、水分は別の経路(具体的には湯口部と異なる位置に形成された供給孔)を通じ供給し(形態(2))、この別の経路から供給した水により、溶湯後端部を間接的に冷却(形態(b))する形態である。もちろん、第1の実施形態及び第2の実施形態で示したように、湯口部からガスだけでなく水分も供給して、前記溶湯後端部を直接的又は間接的に水分で冷却する形態を併用してもよい(第4〜第7の実施形態についても同じ)。
本実施形態において、所望のキャビティ部分100とは、製品部9及び押湯部8に加え前記押湯部8に連なる湯道部7の左端部(湯口部6とは反対方向の端部)71の範囲までをいう。この湯道部7の左端部71は、図5(c)で示すように、ガス接触部(送気されたガス14が接触している溶湯部分15のキャビティ)である。すなわち、ガス接触部71には、送気されたガス14で所望のキャビティ部分100に溶湯12が充填されたときに、ガス14と接触する溶湯部分15が存在している。
図5(a)〜図5(c)に示すように、本形態の鋳造方法で使用される鋳型40は、ガス接触部71に向け、湯口部6とは異なる位置に形成され供給孔41を有する点を除いて、上記第1の実施形態の鋳造方法で使用された鋳型と同様の構成である。この鋳型40を使用した本実施形態の鋳造方法では、上記供給孔41から水分44を供給し、湯口部6から湯道部7を通じガス14を送気する。すなわち、水分44は、溶湯12が流動する経路(湯口部6〜湯道部7)を通じ供給されるガス14とは別個の経路(供給孔41)で供給される。
上記のように、本実施形態は、溶湯12を流動させるためのガス14は湯口部6を通じて供給し、ガス14が接触している溶湯部分15を冷却するための水分44は供給孔41を通じて供給する方法であるが、ガス14と併せて湯口部6からも水分を供給すれば、ガス14が接触している溶湯部分15の冷却能が高まるので好ましい。また、水分44と併せ供給孔41からガスを送気(供給)すれば、水分44を効率的に供給でき、ガス14が接触している溶湯部分15の冷却能が高まるので好ましい。なお、供給孔41からの水分の供給は、図5(c)に示すように、前記供給孔41の上端開口部から水分供給装置のノズル46を挿入して行うのが好ましい。前記水分供給装置としては周知の機器を使用すればよい。
水分44を供給する供給孔41について、さらに詳細に説明する。本形態の供給孔41は、底面45が形成されるよう上枠2内の鋳型40(生砂型)に下方に向け直接削孔された有底孔である。すなわち、前記供給孔41は、内周面及び底面に生砂型が露出した有底孔であり、鋳型40の上面に上方端(一方端)が開口し、下方端(他方端)である底面45がガス接触部71に臨むように配置されている。このように供給孔41を有底孔とし、ガス接触部71に臨むその底面45が前記ガス接触部71の表面と一定の距離隔たるように配置することにより、湯道部7を流動する溶湯12の流動性が阻害されず、湯口部6から送気されるガス14により押された溶湯12は所望のキャビティ部分100へ円滑に充填される。
上記のとおり本実施形態の供給孔41は、鋳型40に直接形成されたほぼ円柱形状の有底孔であるが、供給孔41の形態はこれに限定されない。例えば、無機質又は金属質の管状部材を鋳型40に配置して供給孔としてもよい。しかしながら、鋳型40をドリル等で直接削孔して、鋳型40に直接供給孔41を形成するのがコストの面で工業生産上望ましい。この場合には、供給孔41の底面45とガス接触部(溶湯後端部のキャビティ)71との間には、鋳型40の一部42が介在していることとなる。なお、鋳型40が生砂型であり、前記鋳型40に削孔して直接供給孔41を形成する場合には、前記供給孔41の強度を保ちハンドリング時における損傷を抑制するため、供給孔41の内周面及び底面などに例えば塗型コートなどを施してもよい。さらに、供給孔41は、ガス接触部71の上方に配置される必要はなく、ガス接触部71に向かい、その底面45がガス接触部71に臨む位置に配置されていればよい。
上記構成の鋳型40を使用した本形態の鋳造方法について説明する。図5(a)に示すように、所望のキャビティ部分の体積とほぼ等しい体積の溶湯12を注湯取鍋11から湯口部6を通じ鋳型キャビティ5に注湯する(注湯工程)。
次に、図5(b)に示すように、ガス14を吐出する吐出装置43を湯口部6に挿入し、溶湯12の凝固が開始する前に、複数の矢印線で示すガス14を吐出装置43から鋳型キャビティ5内に送気する。この操作により、ガス14と接触している溶湯部分15が、ガス14による風圧を受けて所望のキャビティ部分100への向きに押されて湯道部7を流動し、所望のキャビティ部分100への溶湯12の充填が進行する(加圧工程)。
次に、図5(c)に示すように、供給孔41に挿入されたノズル46から水分44を下方に吐出し、供給孔41を通じて水分44を供給し、ガス接触部71の溶湯部分15を水分44で冷却する。具体的には、供給孔41を通じその底面45に供給された水分44は、前記底面45とガス接触部71の間に介在している鋳型40の一部42に触れる(水分供給工程〜冷却工程)。
ここで、鋳型40の一部42は、ガス接触部71に存する溶湯12で加熱されている。このため鋳型40の一部42に触れた水分は蒸発し、前記鋳型40の一部42を介して、前記溶湯部分15が間接的に冷却される。生砂型である鋳型40の一部42は、鋳型40と同様に通気性があるため水分44の浸透性も高い。このため、水分の供給量などを適宜調整することにより、鋳型40の一部42に水分44を浸透させ、ガス14が接触している溶湯部分15に水分44を接触させることもできる。このように、供給孔41の底面45とガス接触部71との間に、通気性(水の浸透性)のある鋳型40の一部42を介在させると、間接的な冷却ばかりでなく直接的な冷却も行うことができ、ガス14が接触している溶湯部分15をより確実に冷却することができるので好ましい。
ガス14が接触している溶湯部分15を水分44で冷却する時期は、上記説明した第1の実施形態の鋳造方法の場合と基本的に同様である。すなわち、冷却する時期は、ガス14の送気と同時、送気の途中又は送気の後、つまりガス14の送気開始以降であればその時期は問われない。しかしながら、所望のキャビティ部分100に溶湯12が充填された後にもガス14の送気を継続しつつ水分44で冷却すれば、水分44による冷却に加えガス14による冷却も重畳して作用するので好ましい。さらに、水分44により冷却する時期は、ガス14が接触している溶湯部分15に水分16が接触するよりも早期に、所望のキャビティ部分100が溶湯12で充填されるように適宜調節するのが望ましい。このように水分44により冷却する時期を調節することによって、ガス14が接触している溶湯部分15に水分16が到達するまでの期間においては、溶湯12は急激に凝固することなく加圧されるために、注湯された溶湯12を所望のキャビティ部分100に速やかに充填させることができる。
本実施形態の製造方法によれば、ガス接触部71に向け、湯口部6とは異なる位置に形成された供給孔41を通じ水分44を供給することにより、ガス接触部71に存する溶湯部分15は、間接的に、及び好ましくは直接的に冷却され、凝固が急速に進行することで、所望のキャビティ部分100に充填された溶湯12の逆流を抑えることができる。
[第4の実施形態]
冷却能力の点で上記第3の実施形態のより好ましい形態である、本発明に係る第4の実施形態の製造方法について、図6を参照しつつ説明する。図6は、第4の実施形態における溶湯12の冷却工程の状態を示す。
第4の実施形態で使用される鋳型50は、図6に示すように、上記第3の実施形態の鋳型と基本的に同一である。すなわち、本実施形態で使用する鋳型50は、ガス接触部71に向かうように配置された第3の実施形態と同様な供給孔41(以下、本実施形態の説明の項において、第1の供給孔という場合がある。)に加えて、冷却能力のさらなる強化のため、前記供給孔41よりも右側(湯口部6の側)であって、第1の供給孔41と湯口部6の間にさらに2本の供給孔51a,51b(以下、各々、第2の供給孔51a及び第3の供給孔51bという場合がある。)が設けられている以外は、上記第3の実施形態の鋳型40と同様である。
上記第2及び第3の供給孔51a,51bは、具体的には、第1の供給孔41と同様な有底孔であり、その底面は、ガス接触部71の右側に連なる湯道部7に向かうように配置されている。第2及び第3の供給孔51a,51bには、水分供給装置のノズル56a,56bがそれぞれ挿入されており、前記ノズル56a,56bから水分54a,54bがそれぞれ供給される。なお、第1の供給孔41と湯口部6との間に設ける供給孔は2本ではなく、1本であってもよく、3本以上であってもよい。また、上記第3の実施形態の供給孔41と同様に、その形状や配置位置は、図示する形態に限定されない。
第4の実施形態の製造方法の工程は、基本的に上記第3の実施形態と同様であり、注湯工程〜冷却工程を有する。ここで、本実施形態の冷却工程でも、主体的には、第1の供給孔41を通じて供給された水分が、ガス接触部71に存在する溶湯部分15を冷却するが、第2及び第3の供給孔51a,51bを通じて供給された水分54a,54bも、副次的に前記溶湯部分15を冷却する。具体的には、第2及び第3の供給孔51a,51bを通じて供給された水分54a,54bは、湯道部7と第2及び第3の供給孔51a,51bの底部の間である鋳型の一部52a,52bを冷却するので、湯道部7を流れるガス14が間接的に冷却され、前記溶湯部分15の冷却が促進される。また、生砂型である鋳型50の一部52a,52bは、鋳型50と同様に通気性があるため水分54a,54bの浸透性も高い。このため、水分の供給量などを適宜調整することにより、鋳型50の一部52a,52bに浸透した水分54a,54bがガス14によって前記溶湯部分15に向け移動し、溶湯部分15に接触して冷却する。このように、第1の供給孔41に加え、第2及び第3の供給孔51a,51bを付加することにより、ガス14に接触している溶湯部分15を冷却するための水分量をさらに増加させることが可能となり、前記溶湯部分15に対する冷却能力を高めることができる。
本実施形態の製造方法によれば、ガス14が接触している溶湯部分15が存在する位置のバラツキにも対応することができる。すなわち、注湯工程で注湯取鍋から鋳型キャビティ5に注湯される溶湯の実際の注湯量には、目標注湯量に対する正負の量のバラツキが不可避に存在する。このため、目標注湯量に対し実際の注湯量が多い場合には、ガス14が接触している溶湯部分15が、右側(湯口部6の側)に移動することとなる。その結果、第1の供給孔41を通じて供給した水分44のみでは、ガス14が接触している溶湯部分15を適切に冷却することができなくなる可能性がある。本実施形態で使用する鋳型50は、上記のように第2及び第3の供給孔51a,51bを第1の供給孔41の右側に設けているので、ガス14が接触している溶湯部分15が右側に位置しても、第2又は第3の供給孔51a,51bを通じて供給した水分54で前記溶湯部分15を適切に冷却することが可能となる。
[第5の実施形態]
鋳型の型壊れ防止の点で上記第3の実施形態のより好ましい形態である、本発明に係る第5の実施形態の製造方法について、図7を参照しつつ説明する。図7は、第5の実施形態における溶湯12の冷却工程の状態を示す。
第5の実施形態で使用される鋳型60は、図7に示すように、上記第3の実施形態の鋳型と基本的に同一であり、鋳型60には、ガス接触部71に向かうように配置された有底孔である供給孔61が配置されている。ここで、本形態の供給孔61は、図示するように2段形状であり、鋳型60の上面に開口するよう形成された大径部67と大径部67の底面に開口するよう前記大径部67の下方に形成された小径部68とを有している。この小径部68は、大径部67の底面65とガス接触部71との間に介在する鋳型60の一部62の中に有底孔となるよう形成されている。なお、本形態の供給孔61へもノズルなどで水分44が供給されるが、例えば図示するように、上記小径部68に挿入可能な中空針状の挿入部69を先端に有するシリンジ状のノズル66を使用すれば、小径部68を通じ確実に水分を供給できるので好ましい。
前記供給孔61を有する鋳型60を使用する本実施形態の製造方法の工程は、基本的に上記第3の実施形態と同様であり、注湯工程〜冷却工程を有する。本形態の供給孔61は上記のように小径部68を通じて水分44を供給するので、前記小径部68が形成される鋳型60の一部62は、第3の実施形態で使用する前記鋳型の一部42(図5参照)よりも厚くでき、例えばハンドリング時や注湯工程〜充填工程における供給孔61の型壊れが抑制できる点で有利である。また、小径部68に挿入可能なシリンジ状のノズル66を採用しなくても、水分44自体の供給は、小径部68の上方に配置された大径部67から支障なく行うことができるので、冷却能力の点でも第3の実施形態と遜色がない。
なお、図7に示すように、ノズル66を昇降できるように構成しておき、その針状の挿入部69を、小径部68が予め形成されていない鋳型60の一部62に突き刺すことにより、水分44の供給開始時に同時に小径部68を形成するようにすると、上記した型壊れ抑制の効果をさらに高めることができる。この場合には、中空針状の挿入部69の中空孔を小径部68とみなすことができる。そして、所望のキャビティ100への溶湯12の充填工程が完了した後で前記挿入部69を突き刺すことで小径部68を形成し冷却を行う場合には、充填工程における湯道部7での溶湯12の流動性を考慮する必要性が低く、供給孔である小径部68は必ずしも有底孔である必要はない。つまり、上記挿入部69をガス接触部71の内周面を破るように突き刺し、ガス接触部71にも下方端が開口する貫通孔とすることで、前記中空孔(小径部)68を通じて供給された水分44で、ガス接触部71に存在する溶湯部分15を直接的に冷却できるので好ましい。
なお、図7に示す本実施形態の供給孔61は、より好ましい例として、大径部67と小径部68とがいずれも円柱形状でかつ同軸に配置されているが、図示する形態に限定されない。例えば、大径部67と小径部68の各々の軸が水平面内において相違するよう配置していてもよく、また双方の軸が交差するよう、例えば大径部67又は小径部68の少なくとも一方を傾斜した状態で配置してもよい。
[第6の実施形態]
ガスが接触している溶湯部分を間接的に水分で冷却する場合における冷却能力の点で上記第3の実施形態のより好ましい形態である、本発明に係る第6の実施形態の製造方法について、図8を参照しつつ説明する。図8は、第6の実施形態における溶湯12の冷却工程の状態を示す。
第6の実施形態で使用される鋳型70は、図8に示すように、ガス接触部71に向かうように配置された有底孔である供給孔73の底面75とガス接触部71との間に、前記鋳型70の材質よりも熱伝導率が大きい冷却片72が設けられている以外は第3の実施形態の鋳型と同様である。ここで、本実施形態における鋳型70は、供給孔71の下方端に接触するように冷却片72が配置されており、供給孔の底面75は、冷却片72の上面にもなっている。
この鋳型70を使用する第6の実施形態の製造方法の工程は、基本的に上記第3の実施形態と同様であり、注湯工程〜冷却工程を有する。ここで、図示するように、ガス接触部71に向かい形成された供給孔73を通じて供給された水分44が、ガス接触部71に存在する溶湯12で加熱されている冷却片72の上面75(供給孔73の底面)に触れると、前記水分44が蒸発することによって前記冷却片72が冷却され、ガス14が接触している溶湯部分15が間接的に冷却される。冷却片72は、鋳型70の材質よりも熱伝導率が大きいため、本実施形態は、前記鋳型の一部を間接的に冷却する実施の形態3の場合よりも、前記溶湯部分15に対する冷却能力を高めることができる。
本実施形態の鋳型70は、供給孔73の下方端に配置した冷却片72の上方及び/又は下方に鋳型70の一部を配置してもよい。つまり、供給孔73とガス接触部71との間には冷却片72とともに鋳型の一部が介在する状態としてもよい。また、冷却片72が湯道部7に露出する場合は、ガス14で押されて湯道部7を流動する溶湯12の流動性を阻害しないように、冷却片72の底面は、湯道部7の内周面に対し突起や凹みができるだけ生じないようにすることが好ましい。具体的には、冷却片72を鋳型70に配置した際に、冷却片72の底面と湯道部7の内周面とがほぼ同一面を構成しているのが望ましい。
冷却片72としては、熱伝導率の高い金属質の冷却片を使用するのが望ましく、溶湯12と同様な成分の冷却片72を使用すれば製品に異成分が混入しないのでさらに望ましい。冷却片72の構成は、図示するブロック状に限定されない。例えば平板状の冷却片を複数枚重ねたり、粒状の冷却片を鋳型70の中に密集あるいは分散するよう配置してもよいし、湯道断面を囲むリング状としてもよい。
[第7の実施形態]
上記第3の実施形態のより好ましい形態である、本発明に係る第7の実施形態の製造方法について、図9を参照しつつ説明する。図9は、第7の実施形態における溶湯12の冷却工程の状態を示す。本実施形態の製造方法は、冷却能力及び湯道部における溶湯の流動性の観点から上記第3〜第6の実施形態に比べ優れていると考えられる形態である。
第7の実施形態で使用される鋳型80は、図9に示すように、その供給孔41に挿入され、下方端から水分を吐出するノズル86が上下方向に昇降可能に構成されている以外、上記第3の実施形態の鋳型と同様である。この供給孔41に挿入されたノズル86を下方に移動させると、その下端部が、供給孔41とガス接触部71との間に介在している鋳型80の一部82を下方に押圧し、ガス接触部71に存在する溶湯部分15に押し付ける。すなわち、本形態のノズル86は、水分44を供給孔41へ吐出するとともに、供給孔41とガス接触部71との間に介在する鋳型80の一部82を下方に押し付ける押し付け部材としての機能を合わせもっている。このように鋳型80の一部82を下方に押し付けることによって、ガス14が接触している溶湯部分15と鋳型80の一部82と間の熱伝達が良好になるため、より冷却能力が高まって好ましい。なお、このようにノズル86に押し付け部材としての機能を兼用させず、水分を吐出するノズル86とは別に押し付け部材を設けてもよい。
前記鋳型80を使用した本実施形態の製造方法の工程は、基本的に第3の実施形態と同様であり、注湯工程〜冷却工程を有する。本実施形態では、冷却工程において、有底孔である供給孔41の底面45とガス接触部71との間に介在している鋳型80の一部82を、ガス14が接触している溶湯部分15に押し付けつつ、水分44で溶湯部分15を冷却して溶湯を凝固させる。なお、上記第6の実施形態で説明した冷却片を、供給孔41とガス接触部71との間に介在させておき、この冷却片をガスが接触している溶湯部分に押し付けつつ水分で溶湯部分15を冷却して溶湯を凝固させてもよい。
本実施形態においては、供給孔41は有底孔であるので、上記説明したようにガス14で押され湯道部7を流動する溶湯12の流動性を阻害せず、所望のキャビティ100へ溶湯12が円滑に充填される。加えて、供給孔41の底面45とガス接触部71との間に介在している鋳型80の一部82を、ガス14が接触している溶湯部分15に押し付けつつ水分で冷却するので、前記溶湯部分15から鋳型80の一部82又は冷却片への熱の伝達性が向上して冷却能力がさらに高まり、前記溶湯部分15の凝固をより促進させることができる。
上記した第3〜第7の実施形態の製造方法は、前記形態(1)及び(2)並びに(a)及び(b)のうち、ガスは湯口部から供給し、水分は別の経路(具体的には湯口部と異なる位置に形成された供給孔)を通じ供給する形態(2)と、 ガスが接触する溶湯部分を間接的に水分で冷却する形態(b)とを組み合わせた例である。以下、前記形態(2)と、ガスが接触する溶湯部分を直接的に水分で冷却する形態(a)とを組み合わせた第8の実施形態について説明する。
[第8の実施形態]
本発明に係る第8の実施形態の製造方法について、図10を参照しつつ説明する。図10は、第8の実施形態における溶湯12の冷却工程の状態を示す。
第8の実施形態で使用される鋳型90は、図10に示すように、供給孔91が貫通孔である以外、上記第3の実施形態の鋳型と同様である。すなわち、貫通孔である供給孔91は、鋳型90の上面に上方端が開口しているばかりでなく、その下方端もガス接触部71に開口している。
このような鋳型90を使用した本実施形態の製造方法は、上記した第3〜第7の実施形態と基本的に同様であり、注湯工程〜冷却工程を有する。本実施形態の冷却工程では、図10に示すように、ガス接触部71に開口した貫通孔である供給孔91を通じて供給された水分44は、前記ガス接触部71に存在する溶湯部分15に接触し、前記溶湯部分15を直接的に冷却する。本実施形態では、このように水分44により直接的に冷却するので冷却能力が高く、ガス14が接触している溶湯部分15は速やかに凝固する。
一方で、貫通孔である供給孔91は、溶湯12が流動するガス接触部(湯道部)71に開口しているので、送気されたガス14で押された溶湯12が、前記開口を通じ供給孔91に侵入する恐れもある。この場合、水平面内における供給孔91の断面積を小さくすることで溶湯12の侵入を抑制することも可能であるが、図10に示すように、上記第1及び第2の実施形態のノズル13と同様に、水分44だけでなく、ノズル96からガス95も送気(供給)できるように構成しておくことが好ましい。ガス95を供給する場合には、供給孔91の上方端の開口からのガス漏れを抑制するため前記開口を塞ぐための、例えばフランジ状の遮蔽部93をノズル96に設けておくのが望ましい。
このように水分に加えガスも供給可能なノズル96を設けた場合には、ノズル43から送気されたガス14によって溶湯12を充填する工程の際に、ノズル96からも供給孔91を通じて所定圧力のガス95を所定流量で送気し、ノズル43から送気されるガス14とノズル96から送気されるガスの圧力や流量を、双方のガスが溶湯12に及ぼす押し付け力がバランスするように適宜調整することにより、供給孔91への溶湯12の侵入やガス14及び95の溶湯12への混入を抑制することができる。
本発明者らは鋭意検討し、所望のキャビティ部分に溶湯を充填するためガスは湯口部から送気(供給)する必要があるが、水分は、ガスと別個の経路、具体的には送気されたガスが接触している溶湯部分のキャビティ(以下、このキャビティをガス接触部という場合がある。)に向け、湯口部とは異なる位置に形成された供給孔を通じて供給すると、供給中における水分の蒸発が抑制され、溶湯後端部に確実に水分を供給でき、前記溶湯後端部の冷却能力が高まるのでより好ましいことを知見した。
第6の実施形態で使用される鋳型70は、図8に示すように、ガス接触部71に向かうように配置された有底孔である供給孔73の底面75とガス接触部71との間に、前記鋳型70の材質よりも熱伝導率が大きい冷却片72が設けられている以外は第3の実施形態の鋳型と同様である。ここで、本実施形態における鋳型70は、供給孔73の下方端に接触するように冷却片72が配置されており、供給孔の底面75は、冷却片72の上面にもなっている。
本実施形態においては、供給孔41は有底孔であるので、上記説明したようにガス14で押され湯道部7を流動する溶湯12の流動性を阻害せず、所望のキャビティ部分100へ溶湯12が円滑に充填される。加えて、供給孔41の底面45とガス接触部71との間に介在している鋳型80の一部82を、ガス14が接触している溶湯部分15に押し付けつつ水分で冷却するので、前記溶湯部分15から鋳型80の一部82又は冷却片への熱の伝達性が向上して冷却能力がさらに高まり、前記溶湯部分15の凝固をより促進させることができる。

Claims (10)

  1. 金属溶湯を通気性鋳型に重力注湯して鋳造物品を得る鋳造物品の製造方法であって、前記通気性鋳型のキャビティは、湯口部、湯道部及び製品部を少なくとも有し、前記製品部を含む所望のキャビティ部分に金属溶湯を充填するため、前記通気性鋳型のキャビティ全体の体積よりも小さく、前記所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を前記湯口部から注湯し、注湯された溶湯が前記所望のキャビティ部分に充填される前に、前記湯口部からガスを送気して前記所望のキャビティ部分に前記注湯された溶湯を充填する工程を有し、前記ガスの送気と同時、送気の途中、又は送気の後に、前記ガスが接触している溶湯部分を、前記通気性鋳型の外部から供給した水分で、直接的又は間接的に冷却して溶湯を凝固させることを特徴とする鋳造物品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の鋳造物品の製造方法において、前記ガスが接触している溶湯部分に水分を接触させて溶湯を凝固させることを特徴とする鋳造物品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の鋳造物品の製造方法において、前記水分の供給を、ミストを含むガスを導入することによって行うことを特徴とする鋳造物品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の鋳造物品の製造方法において、前記製品部のキャビティは、前記製品部のキャビティへの溶湯の流入口よりも上方にも形成されていることを特徴とする鋳造物品の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の鋳造物品の製造方法において、前記通気性鋳型のキャビティは、前記製品部と湯道部との間に配置され、かつ前記製品部とともに所望のキャビティを構成する押湯部を有し、前記押湯部のキャビティは、前記押湯部のキャビティへの溶湯の流入口よりも上方にも形成されていることを特徴とする鋳造物品の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の鋳造物品の製造方法において、前記所望のキャビティ部分のうち前記ガスが接触している溶湯部分のキャビティに向け、前記湯口部とは異なる位置に形成された供給孔を通じて前記水分を供給することを特徴とする鋳造物品の製造方法。
  7. 請求項6に記載の鋳造物品の製造方法において、前記供給孔は有底孔であることを特徴とする鋳造物品の製造方法。
  8. 請求項7に記載の鋳造物品の製造方法において、前記供給孔の底面と前記ガスが接触している溶湯部分のキャビティとの間には、前記通気性鋳型の一部が介在していることを特徴とする鋳造物品の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載の鋳造物品の製造方法において、前記供給孔の底面と前記ガスが接触している溶湯部分のキャビティとの間には、冷却片が介在していることを特徴とする鋳造物品の製造方法。
  10. 請求項8又は9に記載の鋳造物品の製造方法において、前記供給孔の底面と前記ガスが接触している溶湯部分のキャビティとの間に介在している前記通気性鋳型の一部又は前記冷却片を、前記ガスが接触している溶湯部分に押し付けつつ前記水分で冷却して溶湯を凝固させることを特徴とする鋳造物品の製造方法。
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