JP2016068114A - 鋳造物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 通気性鋳型のキャビティ全体の体積よりも小さく、所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を重力注湯し、注湯された溶湯が所望のキャビティ部分に充填される前に、湯口部からガスを送気して所望のキャビティ部分に溶湯を充填して凝固させる鋳造物品の製造方法において、ガスの供給により達成された溶湯の充填状態を容易に維持できる鋳造物品の製造方法を提供すること。【解決手段】 溶湯充填工程の完了後もガスの送気を継続し、送気したガスで、ガスが接触している溶湯部分を、製品部内に充填された金属溶湯よりも優先的に冷却して凝固または半凝固させる冷却工程を有し、前記冷却工程では、湯道部に一方端が開口した排気路を通じて送気されたガスを通気性鋳型外に排気する。【選択図】 図1

Description

本発明は、通気性鋳型に鋳造して所望の物品を得る鋳造物品の製造方法に関するものである。
重力注湯における鋳造物品の製造には、通気性鋳型(以下、鋳型という場合もある。)である砂粒子を用いて造型された鋳型、いわゆる砂型が最も一般的に用いられている。このような通気性鋳型を使用すれば、特定形状のキャビティに金属溶湯が充填される際に、残留する気体(一般には空気)がキャビティ表面から押し出されることになり、キャビティ全体に金属溶湯(以下、溶湯ともいう)が回り、キャビティと実質同一の鋳物を得ることができる。鋳型のキャビティは、一般に湯口部、湯道部、押湯部および製品部を有しており、この順で溶湯が供給され、製品部を満たすだけの溶湯ヘッド高さを湯口部に形成して注湯が終了する。
こうして凝固した鋳造物品は、湯口部、湯道部、押湯部および製品部が鋳物として連結した形態となっている。ここで、押湯部は製品の健全化のために設定されるキャビティであり不要な部分とはいえないが、湯口部や湯道部は製品部までの溶湯の経路に過ぎず、本来全く不要な部分である。従って、湯口部や湯道部に溶湯が充填された状態で凝固させる限り、注入歩留りの大幅な改善を図ることはできない。また、不要な部分が連結した鋳物であると、後工程である製品部の分離工程において製品部と不要な部分との仕分け作業に相当な工数を要し、生産効率の低下をきたす。従い、重力注湯において、鋳物として湯口部や湯道部の存在は大きな問題である。
上記のような問題を解決する画期的な手法が、特許文献1および特許文献2に提案されている。その手法とは、通気性鋳型のキャビティのうちの一部である所望のキャビティ部分に金属溶湯を充填するため、通気性鋳型のキャビティ(以下、鋳型キャビティという場合もある。)全体の体積よりも小さく、所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を重力注湯し、注湯された溶湯が所望のキャビティ部分に充填される前に、湯口部からガス(圧縮ガス)を送気して所望のキャビティ部分に溶湯を充填して凝固させるものである。この手法(以下、特許文献1および特許文献2に共通して開示された手法を、加圧鋳造法という場合がある。)によれば、溶湯ヘッド高さによって必要であった圧力が、圧縮ガスによって補填されるため、湯口部はもちろん、湯道部の溶湯も、ほぼ不要とすることが可能になると期待されている。
本発明者らは、特許文献1および特許文献2に記載された加圧鋳造法を実現化するために実験を行った。その結果、ガスで加圧されて充填した溶湯は、ガスの供給の停止とともに逆流してしまうため、正常な鋳造物品を得るためには、溶湯全体を凝固させる必要はないが、少なくともガスが接触している溶湯部分が凝固するまでの間ガスの供給を継続する必要があることが分かった。しかしながら、このような方法では、ガスが接触している溶湯部分が凝固し、溶湯が逆流しなくなるようになるまでには時間がかかるため、製造タクトを短くする必要性から、溶湯の逆流を防止し、充填状態を維持できるような付加手段が有効である。
特許文献1および特許文献2は、このような付加手段としてガスが接触している溶湯部分に冷却ガスを供給して凝固を促進したり、機械的に遮断したり、耐火物粒子を詰め込んだり、金属を導入して融解潜熱による凝固を促進したりする例を開示している。いずれも有効な手段であるが、例えば冷却ガスを送気する方法では、単に冷却ガスを送気するだけでは、鋳物の大きさによっては冷却ガスの熱容量が十分でなく、所望の時間内に凝固させることが難しい場合がある。また、湯道の上方に、上型面に開口する凹部を設け、この凹部から遮蔽板を貫入させて機械的に溶湯を遮断する例も開示されている。しかしながら、この方法の場合、遮蔽板を鋳型毎に準備する必要があり、コスト増が懸念される。従って、より簡便で、十分な効果を発揮できる上記付加手段が望まれている。
特開2007−075862号公報 特開2010−269345号公報
従って本発明の目的は、加圧鋳造法を適用した鋳造物品の製造方法において、ガスの供給により達成された溶湯の充填状態を容易に維持できる鋳造物品の製造方法を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、金属溶湯を通気性鋳型に注湯して鋳造物品を得る鋳造物品の製造方法において、所望のキャビティ部分に溶湯を充填するために供給したガスが接触している溶湯部分を、従来技術に対し流量を増加させたガスで冷却することにより、速やかに溶湯を凝固させることができ、容易に溶湯の充填状態を維持できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明に係る一つの態様は、金属溶湯を通気性鋳型に重力注湯して鋳造物品を得る鋳造物品の製造方法であって、前記通気性鋳型のキャビティは、湯口部、湯道部および製品部を少なくとも有し、前記製品部を含む所望のキャビティ部分に金属溶湯を充填するため、前記通気性鋳型のキャビティ全体の体積よりも小さく、前記所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を前記湯口部から注湯する溶湯供給工程と、前記溶湯供給工程で注湯された溶湯が前記所望のキャビティ部分に充填される前に、前記湯口部からガスを送気して前記所望のキャビティ部分に前記注湯された溶湯を充填する溶湯充填工程と、前記溶湯充填工程の完了後もガスの送気を継続し、送気したガスで、前記ガスが接触している溶湯部分を、前記製品部内に充填された金属溶湯よりも優先的に冷却して凝固または半凝固させる冷却工程と、を有し、前記冷却工程では、前記湯道部に一方端が開口した排気路を通じて送気されたガスを通気性鋳型外に排気する鋳造物品の製造方法である。
前記溶湯充填工程が完了するまでは前記排気路を閉じ、前記冷却工程で前記排気路を開くことが好ましい。
前記排気路の開閉を栓部材で行うことが好ましい。
前記溶湯流路は、前記湯口部から前記製品部の方向に伸びる第1湯道と、前記第1湯道の前記製品側端部に、下方に伸びるように形成された第2湯道を備え、前記排気路の一方端の開口は、前記第2湯道の天井面に開口しており、前記溶湯供給工程では、前記製品部を満たすとともに前記第2湯道の少なくとも一部を満たす体積に相当する量の金属溶湯を供給することが好ましい。
本発明によれば、加圧鋳造法の冷却工程において、湯道部に一方が開口した排気路を通じガスを外部に排気し、湯道部を流れるガスの流量を増加させることにより、送気されるガスが接触している溶湯部分の冷却が促進され、当該溶湯部分の抜熱が速やかに進行する。その結果、注湯後の溶湯の充填状態を容易に維持できるため、製造タクトの短縮にとって有効な技術となる。
本発明に係る第1実施形態の鋳造物品の製造方法を説明する図である。 本発明に係る第2実施形態の鋳造物品の製造方法を説明する図である。 本発明に係る第3実施形態の鋳造物品の製造方法を説明する図である。
本発明の一つの態様は、金属溶湯を通気性鋳型に重力注湯して鋳造物品を得る鋳造物品の製造方法であって、前記通気性鋳型のキャビティは、湯口部、湯道部および製品部を少なくとも有し、前記製品部を含む所望のキャビティ部分に金属溶湯を充填するため、前記通気性鋳型のキャビティ全体の体積よりも小さく、前記所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を前記湯口部から注湯する溶湯供給工程と、前記溶湯供給工程で注湯された溶湯が前記所望のキャビティ部分に充填される前に、前記湯口部からガスを送気して前記所望のキャビティ部分に前記注湯された溶湯を充填する溶湯充填工程と、前記溶湯充填工程の完了後もガスの送気を継続し、送気したガスで、前記ガスが接触している溶湯部分を、前記製品部内に充填された金属溶湯よりも優先的に冷却して凝固または半凝固させる冷却工程と、を有し、前記冷却工程では、前記湯道部に一方端が開口した排気路を通じて送気されたガスを通気性鋳型外に排気する鋳造物品の製造方法である。前記通気性鋳型のキャビティには、必要に応じて押湯部を形成することができる。その場合、前記所望のキャビティ部分は前記製品部および押湯部を含む。
ここで、「ガスが接触している溶湯部分」とは、鋳型キャビティ内に注湯された溶湯において、湯口部から送気されたガスが接触している溶湯の表面およびその近傍部分であり、さらに具体的には、送気されたガスで所望のキャビティ部分に充填された溶湯のうち、鋳型の外部から供給された水分で冷却され凝固することにより、所望のキャビティ部分に充填された溶湯が湯口部方向(ガスの流れとは逆方向)に流動(逆流)しない程度の栓状となる部分のことをいう。この部分は、送気されたガスで所望のキャビティ部分に充填された溶湯の後端部に相当するので、以下「ガスが接触している溶湯部分」を「溶湯後端部」という場合がある。
以下、本発明の基本技術について説明する。本発明は、特許文献1および特許文献2が提案する、ガスを適用する加圧鋳造法を用いた鋳造物品の製造方法を基本技術とするものであり、これらの特許文献に開示される技術に適用される。ただし、これらの特許文献の開示範囲に限定されるものではない。
通気性鋳型とは生砂型、シェル型、自硬性型その他の砂粒子を用いて造型された、通常いずれの箇所でもまんべんなく一定の範囲で通気性のある鋳型が一般的であるが、前記砂粒子の代わりにセラミックス粒子や金属粒子を用いて造型された鋳型も適用できる。石膏などのほとんど通気性のない材料によっても、通気性材料を混在させる、または部分的に通気性材料を用いて十分な通気性をもたせるように造型することによって通気性鋳型として使用可能である。また金型のように全く通気性のない材料を用いた鋳型であっても、ベントホール等その他の通気孔を設けて通気性をもたせた場合には通気性鋳型として使用可能である。
本発明に係る溶湯供給工程では、鋳型キャビティの全体の体積よりも小さく、前記製品部を含む所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を重力注湯する。
このように注湯する溶湯の体積を制限するのは、鋳型キャビティ体積をすべて充填する量を注湯することは、注入歩留りの向上に寄与しないためである。従来の通気性鋳型を用いた重力注湯による鋳造法では、製品部だけでなく、一般に製品部以外の全キャビティにも溶湯を充填して凝固させることが健全な製品を得るために不可欠であることから、注入歩留りは高々70%程度に留まって、それ以上に大幅な向上は見込めなかった。これに対して本発明の基本技術を用いれば、原理的には注入歩留りをほぼ100%にできる可能性がある。
注湯するだけで所望のキャビティ部分に溶湯が充填してしまうキャビティ構成では、充填のためにガスを送気する必要はないが、本発明のように前記製品部(必要に応じて、湯道部)を含む所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を注湯する場合には、その溶湯充填工程において、注湯された溶湯が所望のキャビティ部分に充填される前に、湯口部からガスを送気して所望のキャビティ部分に溶湯を充填させることが必要である。
溶湯を充填するために送気するガスはコスト面からは空気を使用してもよく、溶湯の酸化防止という面からは非酸化性ガス、例えば、アルゴン、窒素、二酸化炭素等を使用してもよい。送気するガスの流束は、ファン、ブロワ等による旋風を用いてもよいが、溶湯を均一に加圧することのできる点でコンプレッサー等を用いるのが好ましい。さらに、溶湯後端部の冷却能を高めるため、送気するガスに水分、好ましくはミスト状の水分を付加してもよい。
上記溶湯充填工程の後の冷却工程では、溶湯充填工程の完了後もガスの送気が継続され、送気されたガスで、溶湯後端部(ガスが接触している溶湯部分)が、製品部内に充填された金属溶湯よりも優先的に冷却され凝固または半凝固(固相線を超え、液相線未満の温度で固液共存の状態)する。この冷却工程により、製品部(必要に応じ押湯部)に充填された金属溶湯の逆流が抑制され、注湯後の溶湯の充填状態が維持される。
ここで、本発明に係る冷却工程では、湯道部に一方が開口した排気路から送気されたガスが通気性鋳型外に排気される。このように送気されたガスが流れる湯道部に連通した排気路を通じてガスを通気性鋳型外へ排気することにより、湯道部を流れるガスの流量が増加し、当該ガスによる溶湯後端部の冷却能が高まり、もって溶湯後端部の凝固が促進され、注湯後の溶湯の充填状態を容易に維持できる。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態の鋳造方法について、図を用いて説明する。図1(a)〜図1(c)は、第1の実施形態の製造工程の一例を工程毎に示す。なお、以下説明する第1の実施形態の製造方法の各構成要素は、第1の実施形態のみに限定されず、本発明の作用効果を奏する限り、以下説明する他の実施形態(第2および第3の実施形態)の構成要素に適宜組み合わせて実施することが可能である。同様に、以下に述べる各実施形態(第2および第3の実施形態)で説明する構成要素も、それ以外の実施形態の構成要素に適宜組み合わせて実施することが可能である。
第1実施形態10の鋳型10aは、生砂型を使用した通気性鋳型であり、図1に示すように、上枠10bおよび下枠10cに型合わせされて定盤10dの上に配置される。鋳型キャビティ10eは、湯口部10f、湯道部10g、押湯部10h、および製品部10iから構成され、このうち前記製品部10i、押湯部10hおよび湯道部10gの一部である左端部(製品部側端部)10Lが所望のキャビティ部分10jを構成する。なお本実施の形態においては、押湯部10hが設けられているが、不要の場合は設けなくてもよい。
上記湯道部10gの左端部10Lは、図1(c)に示すように、ガス接触部(送気されたガスGが接触している溶湯部分M1のキャビティ)である。すなわち、ガス接触部10Lには、送気されたガスGで所望のキャビティ部分10jに溶湯Mが充填されたときに、ガスGと接触する溶湯部分M1が存在している。
そして、図1に示すように、本形態の鋳造方法で使用される鋳型10aには、ガス接触部(湯道部)10Lに一方端10nが開口し、他方端が鋳型10の外に開口した、貫通孔状の排気路10mが形成されている。
排気路10mについて、さらに詳細に説明する。本形態の排気路10mは、ガス接触部10Lに下方端(一方端)10nが開口するよう、上枠10b内の鋳型10a(生砂型)に下方に向け直接削孔された貫通孔である。すなわち、排気路10mは、内周面に生砂型が露出した貫通孔であり、鋳型10aの上面に上方端(他方端)が開口し、下方端(一方端)である開口10nが、ガス接触部10Lに通じるように配置されている。
上記のとおり本実施形態の排気路10mは、鋳型10aに直接形成された略円柱形状の有底孔であるが、その形態はこれに限定されない。例えば、無機質または金属質の管状部材を鋳型10aに配置して排気路としてもよい。しかしながら、鋳型10aをドリル等で直接削孔して、鋳型10aに直接排気路10mを形成するのがコストの面で工業生産上望ましい。なお、鋳型10aが生砂型であり、前記鋳型10aに削孔して直接排気路10mを形成する場合には、排気路10mの強度を保ちハンドリング時における損傷を抑制するため、排気路10mの内周面及に例えば塗型コートなどを施してもよい。さらに、排気路10mは、ガス接触部10Lの上方に配置される必要はなく、一方端10nがガス接触部(湯道部)10Lに開口するよう形成されていればよい。
図1において符号12は、上記排気路10mに嵌着される略円柱形状の栓部材12であり、栓部材12は、図示しない移動手段で昇降する。なお、ガスGで押されて湯道部10gを流動する溶湯Mの流動性を阻害しないように、栓部材12の底面は、湯道部10gの内周面に対し突起や凹みができるだけ生じないようにすることが好ましい。具体的には、栓部材12を排気路10mに装入した際に、その底面と湯道部10gの内周面とがほぼ同一面を構成しているのが望ましい。
以下、上記構成の鋳型10aを使用した鋳造物品の製造方法について説明する。
図1(a)に示すように、製品部10iを含む所望のキャビティ部分10jに溶湯Mを充填するため、鋳型10aのキャビティ全体の体積よりも小さく、所望のキャビティ部分10jとほぼ等しい体積の溶湯Mを、注湯取鍋11から、湯口部10fを通じ注湯する(溶湯供給工程)。この際、排気路10mには栓部材12が装入されており、排気路10mは閉じられた状態となっている。
次いで、図1(b)に示すように、ガスGを吐出可能な吐出装置のノズル13を湯口部10fに挿入し、溶湯Mの凝固が開始する前に、ノズル13からガスGを鋳型キャビティ10g内に送気する(ガスGの流れを複数の矢印線で示す)。この操作により、ガスGが溶湯Mと接触している溶湯部分M1が、ガスGによる風圧を受けて所望のキャビティ部分10jの方向に押されて、所望のキャビティ部分10jへ溶湯Mの充填が進行する(溶湯充填工程)。この溶湯充填工程においても、栓部材12による排気路10mの閉状態は維持されている。
次いで、図1(c)に示すように、溶湯充填工程が完了し、所望のキャビティ部分10j(製品部10i、押湯部10hおよびガス接触部10L)が溶湯Mで充填された後もガスGの送気を継続し、送気したガスGで、ガス接触部10Lに存在する溶湯後端部(ガスが接触している溶湯部分)M1を、製品部10i内に充填された溶湯Mよりも優先的に冷却して凝固または半凝固させる(冷却工程)。
ここで上記冷却工程では、図1(c)に示すように、排気路10mに装入された栓部材12を上昇させ、排気路10mを開の状態とする。排気路10mを開の状態とすることにより、湯道部10gを流れるガスGは、一方端10nの開口を介し当該湯道部10gと連通した排気路10mへ流れ込み、次いで他方端の開口から鋳型10aの外へ排気される。これにより、湯道部10gを流れるガスの流量が増加し、溶湯後端部M1の冷却が促進され、凝固が急速に進行し、所望のキャビティ部分10jに充填された溶湯Mの逆流を抑えることができる。
[第2の実施形態]
本発明に係る第2の実施形態の製造方法について、図2を参照しつつ説明する。ここで、図2(a)は第2実施形態の溶湯充填工程、図2(b)は第2実施形態の冷却工程を説明するための図である。
第2実施形態20で使用される鋳型は、図2に示すように、上記第1実施形態10の鋳型10aと同様であるが、本実施形態20では、栓部材を使用しない、つまり排気路10mの開閉動作を行わない点で第1実施形態10とは相違している。すなわち、本発明において、排気路の開閉動作および栓部材の使用は必須の条件ではなく、例えば下記のように構成することにより本発明を実施することができる。
図2に示すように、第2実施形態の鋳型10aの排気路10mの上方開口部には、ノズル22の円管部22aが挿入されている。このノズル22は不図示のバルブに接続されており、バルブの切替えにより、その下方端(一方端)からガスの送気と大気開放の2つの動作を行えるよう構成されている。
このようなノズル22を使用した第2実施形態20の製造方法は、第1実施形態の製造方法と基本的に同様である。すなわち、上記した第1実施形態と同様に溶湯供給工程を行い、次いで図2(a)に示す溶湯充填工程を行う。第2実施形態の溶湯充填工程では、ノズル13を湯口部10fに挿入し、溶湯Mの凝固が開始する前に、ガスGを鋳型キャビティ10g内に送気するとともに、ノズル22から排気路10mを通じて所定圧力のガスG1を所定流量で送気する。そして、ノズル13から送気されるガスGとノズル22から送気されるガスG1の圧力や流量を、双方のガスが溶湯Mに及ぼす押し付け力がバランスするように適宜調整する。これにより、排気路10mへの溶湯Mの侵入やガスGおよびG1への溶湯Mへの混入を抑制することができる。なお、排気路10mの上方端の開口からのガス漏れを抑制するためには、前記開口を塞ぐ、例えばフランジ状の遮蔽部22bをノズル22に設けておくのが望ましい。
次いで、図2(b)に示す冷却工程を行い、溶湯後端部M1を、製品部10i内に充填された溶湯Mよりも優先的に冷却して凝固または半凝固させる。ここで、第2実施形態の冷却工程では、不図示のバルブを切替え、ノズル22を大気開放の状態とする。これにより、溶湯充填工程が完了後も送気が継続されて湯道部10gを流れるガスGは、一方端10nの開口を介し当該湯道部10gと連通した排気路10mへ流れ込み、次いでノズル22を通じて鋳型10aの外へ排気される。その結果、湯道部10gを流れるガスの流量が増加し、溶湯後端部M1の冷却が促進される。
[第3の実施形態]
本発明に係る製造方法の中でより好ましいと考えられる、第3の実施形態の製造方法について、図3を参照しつつ説明する。ここで、図3(a)は第3実施形態の溶湯充填工程を説明する図、図3(b)は第3実施形態の冷却工程を説明する図、図3(c)は図3(b)のA部拡大図である。
第3実施形態30の製造方法で使用される鋳型30aは、第1および第2実施形態の鋳型と基本的に同様に構成されているが、図3(c)に示すように、湯道部30gは、湯口部10fから製品部10iの方向に伸びる第1湯道30oと、第1湯道30oの製品部10i側の端部に、下方に伸びるように形成された第2湯道30pを備え、排気路10mの一方端10nの開口は、第1湯道30oの天井面に開口している。なお、本実施形態では、第2湯道30pは、その下方端部から製品部10iに向かい横方向に伸びる第3湯道30rで製品部10iと間接的に連結されているが、第3湯道30rの態様はこれに限定されず、さらに例えば製品部10iの方向に傾斜した第2湯道30pを形成して、第2湯道30pと製品部10iとを直接的に連結していてもよい。また、図3に示すように、第3実施形態の鋳型30aは、押湯部のない構成であり、製品部10iおよびガス接触部(第2湯道30pおよび第3湯道30r)30Lが所望のキャビティ30jとなっている。
このような鋳型30aを使用した第3実施形態30の製造方法について、以下説明する。まず、溶湯供給工程では、排気路10mに栓部材12が装入され、排気路10mが閉じられた状態で、製品部10iを満たすとともに第2湯道30pの少なくとも一部を満たす体積に相当する量の溶湯Mを供給する。本実施形態の場合には、製品部10iの体積および第2湯道30pの少なくとも一部を満たす体積に加え、第3湯道30rの体積に相当する量の溶湯Mを供給する。なお、理由は冷却工程の項で説明するが、冷却工程において、図3(c)においてクロスハッチングで示す領域、具体的には第1湯道30oと第2湯道30pとが交差する領域に、排気路10mの下方端10nの開口に連通する空間30sが第2湯道30pに形成されるよう、溶湯Mの注湯量を調整することが望ましい。
溶湯供給工程の後、図3(a)に示す溶湯充填工程を行う。第2実施形態の溶湯充填工程では、上記した排気路10mの閉状態を維持したまま、ガスGを吐出するノズル13を湯口部10fに挿入し、溶湯Mの凝固が開始する前に、ガスGを鋳型キャビティ10g内に送気する。すると、ガスGが溶湯Mと接触している溶湯部分M1が、ガスGによる風圧を受けて所望のキャビティ部分10jの方向に押されて、所望のキャビティ部分10jへ溶湯Mが充填される。
次いで、図3(b)および図3(c)に示すように、溶湯充填工程が完了し、所望のキャビティ部分30jが溶湯Mで充填された後もガスGの送気を継続し、送気したガスGで、ガス接触部30Lに存在する溶湯後端部M1を、製品部10i内に充填された溶湯Mよりも優先的に冷却して凝固または半凝固させる(冷却工程)。
上記冷却工程では、第1実施形態と同様に、排気路10mに装入された栓部材12を上昇させ、排気路10mを開の状態とする。排気路10mを開の状態とすることにより、湯道部10gを流れるガスGは、一方端10nの開口を介し当該湯道部10gと連通した排気路10mへ流れ込み、次いで他方端の開口から鋳型10aの外へ排気される。これにより、湯道部10gを流れるガスの流量が増加し、溶湯後端部M1の冷却が促進され、凝固が急速に進行し、所望のキャビティ部分10jに充填された溶湯Mの逆流を抑えることができる。なお、湯道部30gから排気路10mへ向かうガスを円滑に流すためには、上記したように、排気路10mの下方端10nの開口に連通する空間30sが形成されることが望ましい。
このように第2湯道30pを設けた第3実施形態30は、第1実施形態10に対して次のような利点がある。すなわち、第1実施形態10の場合には、溶湯充填工程が完了した後、横方向に形成されたガス接触部(湯道部)10Lに溶湯後端部M1は存在している。このため、送気されたガスGは横方向に溶湯後端部M1を押しつつ冷却せざるをえない。この状態の中で、製品部10iに充填された溶湯Mのヘッド圧が溶湯後端部M1に作用すると溶湯後端部M1が逆流しやすくなり、その結果、ガスGで冷却すべき溶湯後端部M1の後端面が傾斜して面積が広くなり、溶湯後端部M1の冷却能が低下するおそれがある。
一方で、第3実施形態30の場合には、溶湯充填工程が完了した後、縦方向に形成された第2湯道30pの中に溶湯後端部M1は存在している。その結果、送気されたガスGは、第2湯道30pに存在する溶湯後端部M1を、図3(c)で矢印Bで示すように下方向に押しつつ冷却することができる。このように、製品部10iに充填された溶湯Mのヘッド圧が作用する方向である上方向(矢印C)と対抗するよう、ガスGは、溶湯後端部M1を下方向に押すので、ガスGによる押付力が溶湯後端部M1に効果的に作用し、溶湯後端部M1の逆流が抑制される。これにより、上記したような溶湯後端部M1の後端面の傾斜による面積拡大が防止され、ガスGによる溶湯後端部M1の冷却が促進される。なお、同様な理由から、図3(c)においてクロスハッチングで示す領域30sには溶湯Mが充填されないよう、溶湯供給工程における溶湯Mの注湯量を調整することが望ましい。これにより、溶湯後端部M1の逆流が生じた場合でも、その後端面の面積拡大を抑制することができる。
10a(30a) 通気性鋳型
10b 上枠
10c 下枠
10d 定盤
10e(30e) 通気性鋳型のキャビティ
10f 湯口部
10g(30g) 湯道部
10h 押湯部
10i 製品部
10j(30j) 所望のキャビティ部分
10L ガスが接触している溶湯部分のキャビティ
10m 排気路
30o 第1湯道
30p 第2湯道
30r 第3湯道
11 注湯取鍋
12 栓部材
13(22) ノズル
M 金属溶湯
M1 ガスが溶湯と接触している溶湯部分
G(G1) ガス

Claims (4)

  1. 金属溶湯を通気性鋳型に重力注湯して鋳造物品を得る鋳造物品の製造方法であって、 前記通気性鋳型のキャビティは、湯口部、湯道部及び製品部を少なくとも有し、前記製品部を含む所望のキャビティ部分に金属溶湯を充填するため、前記通気性鋳型のキャビティ全体の体積よりも小さく、前記所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を前記湯口部から注湯する溶湯供給工程と、前記溶湯供給工程で注湯された溶湯が前記所望のキャビティ部分に充填される前に、前記湯口部からガスを送気して前記所望のキャビティ部分に前記注湯された溶湯を充填する溶湯充填工程と、前記溶湯充填工程の完了後もガスの送気を継続し、送気したガスで、前記ガスが接触している溶湯部分を、前記製品部内に充填された金属溶湯よりも優先的に冷却して凝固または半凝固させる冷却工程と、を有し、前記冷却工程では、前記湯道部に一方端が開口した排気路を通じて送気されたガスを通気性鋳型外に排気する鋳造物品の製造方法。
  2. 前記溶湯充填工程が完了するまでは前記排気路を閉じ、前記冷却工程で前記排気路を開く請求項1に記載の鋳造物品の製造方法。
  3. 前記排気路の開閉を栓部材で行う請求項2に記載の鋳造物品の製造方法。
  4. 前記湯道部は、前記湯口部から前記製品部の方向に伸びる第1湯道と、前記第1湯道の前記製品部側端部に、下方に伸びるように形成された第2湯道を備え、前記排気路の一方端の開口は、前記第1湯道の天井面に開口しており、前記溶湯供給工程では、前記製品部を満たすとともに前記第2湯道の少なくとも一部を満たす体積に相当する量の金属溶湯を供給する請求項1乃至3のいずれかに記載の鋳造物品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107159845A (zh) * 2017-07-20 2017-09-15 河北工业大学 一种消除zg35阀门铸件缺陷的铸造系统及其设计方法

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