JPWO2014203896A1 - Memsセンサ用モジュール、振動駆動モジュール及びmemsセンサ - Google Patents

Memsセンサ用モジュール、振動駆動モジュール及びmemsセンサ Download PDF

Info

Publication number
JPWO2014203896A1
JPWO2014203896A1 JP2015522934A JP2015522934A JPWO2014203896A1 JP WO2014203896 A1 JPWO2014203896 A1 JP WO2014203896A1 JP 2015522934 A JP2015522934 A JP 2015522934A JP 2015522934 A JP2015522934 A JP 2015522934A JP WO2014203896 A1 JPWO2014203896 A1 JP WO2014203896A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
movable electrode
vibration
convex portions
electrode
fixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015522934A
Other languages
English (en)
Inventor
威 岡見
威 岡見
信昭 ▲辻▼
信昭 ▲辻▼
秀和 小野
秀和 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Publication of JPWO2014203896A1 publication Critical patent/JPWO2014203896A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
    • G01C19/5705Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces using masses driven in reciprocating rotary motion about an axis
    • G01C19/5712Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces using masses driven in reciprocating rotary motion about an axis the devices involving a micromechanical structure
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
    • G01C19/5719Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces using planar vibrating masses driven in a translation vibration along an axis
    • G01C19/5733Structural details or topology
    • G01C19/574Structural details or topology the devices having two sensing masses in anti-phase motion
    • G01C19/5747Structural details or topology the devices having two sensing masses in anti-phase motion each sensing mass being connected to a driving mass, e.g. driving frames
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B81MICROSTRUCTURAL TECHNOLOGY
    • B81BMICROSTRUCTURAL DEVICES OR SYSTEMS, e.g. MICROMECHANICAL DEVICES
    • B81B3/00Devices comprising flexible or deformable elements, e.g. comprising elastic tongues or membranes
    • B81B3/0035Constitution or structural means for controlling the movement of the flexible or deformable elements
    • B81B3/0037For increasing stroke, i.e. achieve large displacement of actuated parts
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N1/00Electrostatic generators or motors using a solid moving electrostatic charge carrier
    • H02N1/002Electrostatic motors
    • H02N1/006Electrostatic motors of the gap-closing type
    • H02N1/008Laterally driven motors, e.g. of the comb-drive type
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B81MICROSTRUCTURAL TECHNOLOGY
    • B81BMICROSTRUCTURAL DEVICES OR SYSTEMS, e.g. MICROMECHANICAL DEVICES
    • B81B2201/00Specific applications of microelectromechanical systems
    • B81B2201/02Sensors
    • B81B2201/0285Vibration sensors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B81MICROSTRUCTURAL TECHNOLOGY
    • B81BMICROSTRUCTURAL DEVICES OR SYSTEMS, e.g. MICROMECHANICAL DEVICES
    • B81B2203/00Basic microelectromechanical structures
    • B81B2203/01Suspended structures, i.e. structures allowing a movement
    • B81B2203/0136Comb structures
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B81MICROSTRUCTURAL TECHNOLOGY
    • B81BMICROSTRUCTURAL DEVICES OR SYSTEMS, e.g. MICROMECHANICAL DEVICES
    • B81B2203/00Basic microelectromechanical structures
    • B81B2203/01Suspended structures, i.e. structures allowing a movement
    • B81B2203/019Suspended structures, i.e. structures allowing a movement characterized by their profile

Abstract

本発明のMEMSセンサ用モジュール、殊に振動駆動モジュールは、振動可能に支持され、振動方向に延在する可動電極と、この可動電極と略平行に配設され、前記振動方向に延在する固定電極と、前記可動電極の前記固定電極に対向する対向壁面上に前記振動方向に並設される複数の凸部と、前記固定電極の前記可動電極に対向する対向壁面上に前記可動電極の凸部と対向する複数の凸部とを有する。

Description

本発明は、MEMSセンサ用モジュール、振動駆動モジュール及びMEMSセンサに関する。
本願は、2013年6月19日に、日本に出願された特願2013−128966号および特願2013−129004号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)と呼ばれる半導体製造技術を利用して形成した微細な機械要素を有する装置が開発されており、被測定体の角速度を検出するジャイロセンサや加速度センサとして実現されている。
例えば、上述のジャイロセンサは、X−Y方向に延在する基板上にX方向に振動可能に支持される振動駆動モジュール、この振動駆動モジュールに接続される移動体、この移動体にY方向に弾性変位可能に支持されY方向の変位量を検出する静電容量変化検出モジュール等を備えている。
このようなジャイロセンサは、振動駆動モジュールによって移動体及び移動体に支持されている静電容量変化検出モジュールの可動電極をX方向に常時往復移動させておき、ジャイロセンサがX−Y平面に垂直なZ方向の軸を中心に回転したときに可動電極に作用するコリオリ力を可動電極のY方向の変位として検出する。静電容量変化検出モジュールの可動電極は、ジャイロセンサの向きの変化により作用するコリオリ力だけでなく、ジャイロセンサのY方向の速度変化によっても変位する。そこで、2つの静電容量変化検出モジュールの可動電極の変位の差分をとることでジャイロセンサに加えられたY方向の加速度を相殺し、ジャイロセンサのX−Y平面上の向きの変化のみを検出する。
このようなMEMSセンサに用いられる振動駆動モジュールにおいて、可動電極及び固定電極に、振動方向に互い違いに突出する突出部を設け、可動電極の櫛歯状電極を固定電極の櫛歯状電極間に交互に配置することで、駆動力を得、振幅および駆動力を増大させる技術が知られている(例えば特開2013−96952号公報参照)。
従来の振動駆動モジュールにおいて、可動電極を固定電極側に引き寄せるためには、電極間に存在する空気を電極の外側に排出又は電極間で圧縮する必要がある。このような空気の抵抗は微細なMEMSにおいては駆動力及び振幅を制限する大きな要因である。MEMSセンサに駆動力及び振幅が不十分な振動駆動モジュールを用いると、角速度の十分な検出精度が得られないおそれがある。
また、可動電極と固定電極との間の静電気力を用いて振動を発生する従来の振動駆動モジュールでは、可動電極が移動すると固定電極と可動電極との位置関係が変化する。このため、従来の振動駆動モジュールは、可動電極の位置に応じて駆動力が変化するという問題がある。
特開2013−96952号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、高性能なMEMSセンサ用モジュール、特に、駆動力及び振幅が大きい振動駆動モジュール及びこれを用いたMEMSセンサを提供することを目的とする。
また、本発明は、安定性の良いMEMSセンサ用モジュール、特に、駆動力の変化が小さい振動駆動モジュール及びこれを用いたMEMSセンサを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のMEMSセンサ用モジュールは、振動可能に支持され、振動方向に延在する可動電極と、前記可動電極と略平行に配設され、前記振動方向に延在する固定電極と、前記可動電極の前記固定電極に対向する対向壁面上に前記振動方向に並設される複数の凸部と、前記固定電極の前記可動電極に対向する対向壁面上に前記可動電極の凸部と対向する複数の凸部とを有する。
このMEMSセンサ用モジュールは、前記可動電極および固定電極間への電圧の印加によって前記振動方向への振動を発生する振動駆動モジュールであってもよい。また、前記固定電極の凸部が、対向する前記可動電極の凸部に対して、前記振動の中心線に関して対称に前記振動方向にシフトしていてもよい。
この振動駆動モジュールでは、可動電極の凸部と固定電極の凸部とが振動方向にシフト(位置ずれ)しているので、両者の間に作用する静電気力が振動方向の成分を含む。これにより、可動電極がその中心軸に直交する方形断面の長さ方向に移動するので、この移動によって可動電極の凸部と固定電極の凸部との間の距離が大きく変化せず、可動電極と固定電極との間の空気を可動電極と固定電極との間から押し出す必要がない。従って、この振動駆動モジュールは、可動電極移動時の空気抵抗が小さいので、駆動力及び振幅を大きくできる。
上記振動駆動モジュールにおいて、上記可動電極の凸部の対向面又は上記固定電極の凸部の対向面が振動方向に対して傾斜していてもよい。
この振動駆動モジュールでは、可動電極の凸部の対向面又は固定電極の凸部の対向面が振動方向に対して傾斜しているので、可動電極が振動方向に移動すると可動電極の凸部の対向面と上記固定電極の凸部の対向面との間の実効距離(静電ギャップ)が変化する。この振動駆動モジュールは、この静電ギャップの変化を用いて上記可動電極の凸部の対向面と上記固定電極の凸部の対向面との振動方向のずれに起因する振動方向の吸引力成分の変化を補充できる。このため、この振動駆動モジュールは、可動電極の変位に対する駆動力の変化を小さくできる。
以上のように、上記振動駆動モジュールは、可動電極の空気抵抗が小さく動作時の駆動力及び振幅が大きい。このため、この振動駆動モジュールを用いたMEMSセンサは高精度である。
また、上記振動駆動モジュールは、可動電極の変位に対する駆動力の変化が小さい。このため、この振動駆動モジュールを用いたMEMSセンサは高精度である。
本発明の第1の実施形態の振動駆動モジュールを示す模式的平面図である。 図1の振動駆動モジュールのA−A線における断面図である。 本発明の第1の実施形態の振動駆動モジュールを用いたジャイロセンサを示す模式的平面図である。 本発明の第2の実施形態の振動駆動モジュールを示す模式的平面図である。 図4の振動駆動モジュールのA−A線における断面図である。 図4の振動駆動モジュールの振動中心にある可動電極の凸部と固定電極の凸部との位置関係を拡大して示す模式的平面図である。 図4の振動駆動モジュールの変位した可動電極の凸部と固定電極の凸部との位置関係を拡大して示す模式的平面図である。 実施例2の振動駆動モジュールの可動電極の変位量と駆動力との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態の振動駆動モジュールを用いたジャイロセンサを示す模式的平面図である。
<第1の実施形態>
以下、図面を参照しつつ本発明の第1の実施形態の振動駆動モジュールを詳説する。
[振動駆動モジュール]
図1及び図2の振動駆動モジュールは、X−Y方向に延在する基板1の上に形成されており、Y方向に並んで一体に形成されている3つの振動駆動ユニット2と、この振動駆動ユニット2のX方向両側に接続されている2つの弾性体3とを備える。
<基板>
基板1は、振動駆動ユニット2及び弾性体3を支持するベースであると共に、振動駆動ユニット2に電圧を印可するための電気回路が形成される。
基板1の材質としては、例えばシリコンを使用できる。
<振動駆動ユニット>
各振動駆動ユニット2は、X−Y平面に対して直交したZ軸方向の高さを有し、X方向に長手方向を有する長方形枠状の可動電極4と、可動電極4内で振動中心線Cに関してその長手方向に対称に配設された一対の第1及び第2の固定電極5fおよび5sとを備える。この振動駆動ユニット2は、可動電極4と固定電極5fおよび5sとの間へ電圧を印加することにより、可動電極4のX方向への振動を生じさせる。
(可動電極)
可動電極4は、3組の対向する長手方向(長辺方向)の内壁を有する。これらの長手方向の内壁には、振動方向(X方向)に振動中心線Cに関して対称となるよう配設され、Z軸と略平行な複数の凸部6fおよび6sが形成されている。凸部6fは第1の固定電極5fに対向し、凸部6sは第2の固定電極5sに対向する。可動電極4は、基板1との間に隙間を有するように一体に形成され、一対の弾性体3によって支持されている。
このように、可動電極4の凸部は、長方形枠状の一対の長辺方向の内壁に対称に形成されている。したがって、両面に凸部を設けた固定電極を可動電極の内壁の内側に配設することで、固定電極の両面に発生する静電気力の合力によって可動電極を振動させることができる。
可動電極4の凸部6fおよび6sの振動方向の平均長さの下限としては、1μmが好ましく、4μmがより好ましい。可動電極4の凸部6fおよび6sの振動方向の平均長さが上記下限値未満の場合、振動方向に強い静電気力を発生できる範囲が狭く、駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、可動電極4の凸部6fおよび6sの振動方向の平均長さの上限としては、20μmが好ましく、15μmがより好ましい。上記可動電極4の凸部6fおよび6sの振動方向の平均長さが上記上限値を超える場合、面積効率が低下するので振動駆動モジュールの駆動力が不十分になったり、振動駆動モジュールが不必要に大型化するおそれがある。
可動電極4の凸部6fおよび6sの振動方向の間隔(隙間)の下限としては、凸部6fおよび6sの振動方向の平均長さの1/2が好ましく、凸部6fおよび6sの振動方向の平均長さの3/4がより好ましい。可動電極4の凸部6fおよび6sの振動方向の間隔が上記下限値未満の場合、隣接する凸部6fおよび6sが互いに干渉して振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、上記可動電極4の凸部6fおよび6sの振動方向の間隔の上限としては、凸部6fおよび6sの振動方向の平均長さの2倍が好ましく、凸部6fおよび6sの振動方向の平均長さの3/2がより好ましい。上記可動電極4の凸部6fおよび6sの振動方向の間隔が上記上限値を超える場合、面積効率が低下するので振動駆動モジュールの駆動力が不十分になったり、振動駆動モジュールが不必要に大型化するおそれがある。
上記可動電極4の凸部6fおよび6sの平均突出長さ(Y方向の長さ)の下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。可動電極4の凸部6fおよび6sの平均突出長さが上記下限値未満の場合、可動電極4の凸部6fおよび6sの間の凹部が固定電極5fおよび5sとの間に電界を形成し、凸部6fおよび6sが形成する電界に干渉することによって、振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、可動電極4の凸部6fおよび6sの平均突出長さの上限としては、20μmが好ましく10μmがより好ましい。上記可動電極4の凸部6fおよび6sの平均突出長さが上記上限値を超える場合、振動駆動モジュールがY方向に不必要に大型化するおそれがある。
可動電極4の材質としては、例えばシリコンを使用できる。
(固定電極)
第1および第2の固定電極5fおよび5sは、基板1上に固定形成されている。また、固定電極5fおよび5sは、それぞれ、その両面に可動電極4の凸部6fおよび6sに対向するように形成された複数の凸部7fおよび7sを有する。凸部7fおよび7sの間は、可動電極4から離間した薄板状に形成されている。固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sは、可動電極4の長手方向の内壁に平行な面に対してY軸方向に突出している。凸部7fおよび7sは、振動中心線Cに関して対称に形成され、さらに、可動電極4の凸部6fおよび6sに対し、それぞれ振動方向振動中心C側に一定量シフトするように形成されている。
上記固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sの振動方向の平均長さの下限としては、1μmが好ましく、4μmがより好ましい。上記固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sの振動方向の平均長さが上記下限値未満の場合、振動方向に強い静電気力を発生できる範囲が狭く、駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、上記固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sの振動方向の平均長さの上限としては、20μmが好ましく、10μmがより好ましい。上記固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sの振動方向の平均長さが上記上限値を超える場合、面積効率が低下するので振動駆動モジュールの駆動力が不十分になったり振動駆動モジュールが不必要に大型化するおそれがある。
上記のとおり、可動電極の凸部及び上記固定電極の凸部の振動方向の平均長さとしては1μm以上20μm以下が好ましい。可動電極の凸部及び固定電極の凸部がこのような振動方向の平均長さを有することで、隣接する凸部との干渉を避けつつ凸部を高密度に配設でき、振動駆動モジュールの駆動力を増大でき、振動駆動モジュールを小型化できる。
固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sの振動方向の間隔(隙間)の下限としては、凸部7fおよび7sの振動方向の平均長さの1/2が好ましく、凸部7fおよび7sの振動方向の平均長さの3/4がより好ましい。固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sの振動方向の間隔が上記下限値未満の場合、隣接する凸部7fおよび7sが互いに干渉して振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sの振動方向の間隔の上限としては、凸部7fおよび7sの振動方向の平均長さの2倍が好ましく、凸部7fおよび7sの振動方向の平均長さの3/2がより好ましい。固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sの振動方向の間隔が上記上限値を超える場合、面積効率が低下するので振動駆動モジュールの駆動力が不十分になったり振動駆動モジュールが不必要に大型化するおそれがある。
固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sの平均突出長さ(Y方向の長さ)の下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sの平均突出長さが上記下限値未満の場合、固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sの間の凹部が可動電極4との間に電界を形成し、凸部7fおよび7sが形成する電界に干渉することによって、振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sの平均突出長さの上限としては、20μmが好ましく、10μmがより好ましい。固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sの平均突出長さが上記上限値を超える場合、振動駆動モジュールがY方向に不必要に大型化するおそれがある。
可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの振動方向の平均重複長さL1の下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの振動方向の平均重複長さL1が上記下限値未満の場合、可動電極4の振動時に可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとが離間して振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの振動方向の平均重複長さL1の上限としては、10μmが好ましく、8μmがより好ましい。可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの振動方向の平均重複長さL1が上記上限値を超える場合、振動駆動モジュールが振動方向に不必要に大型化するおそれがある。
上記のとおり、可動電極の凸部と固定電極の凸部との振動方向の平均重複長さとしては1μm以上10μm以下が好ましい。可動電極の凸部と固定電極の凸部との振動方向の平均重複長さが上記下限値未満である場合、可動電極が固定電極から離間する方向に移動したときに固定電極から離れ過ぎて十分な静電気力を発揮できず、駆動力が不十分になるおそれがある。一方、可動電極の凸部と固定電極の凸部との振動方向の平均重複長さが上記上限値を超える場合、両電極の間に形成される電界の向きの振動方向成分が相対的に小さくなるため、駆動力が不十分になるおそれがある。
可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの振動方向の平均非重複長さL2の下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの振動方向の平均非重複長さL2が上記下限値未満の場合、可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの間の静電気力の振動方向の成分が小さくなり、振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの振動方向の平均非重複長さL2の上限としては、10μmが好ましく、8μmがより好ましい。可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの振動方向の平均非重複長さL2が上記上限値を超える場合、実質的に可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの間の距離が大きくなり、十分な静電気力を発揮できず、振動駆動モジュールの駆動力が不十分になる恐れがあると共に、振動駆動モジュールが振動方向に不必要に大型化するおそれがある。
なお、可動電極の凸部と固定電極の凸部との振動方向の平均非重複長さとは、すべての可動電極の凸部の非重複部分の長さとすべての固定電極の凸部の非重複部分の長さとの平均値として算出される。
上記のとおり、可動電極の凸部と上記固定電極の凸部との振動方向の平均非重複長さとしては1μm以上10μm以下が好ましい。可動電極の凸部と固定電極の凸部との振動方向の平均非重複長さが上記下限値未満である場合、両電極の間に形成される電界の向きの振動方向成分が相対的に小さくなり、駆動力が不十分になるおそれがある。一方、可動電極の凸部と固定電極の凸部との振動方向の平均非重複長さが上記上限値を超える場合、実施的に電極間の距離が大きくなり、十分な静電気力を発揮できず、駆動力が不十分になる恐れがある。
可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの対向方向(Y方向)の平均距離の下限としては、0.1μmが好ましく、1μmがより好ましい。可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの対向方向の平均距離が上記下限値未満の場合、空気の粘性に起因して可動電極4の振動に伴う空気のせん断抵抗が大きくなり、振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの対向方向の平均距離の上限としては、10μmが好ましく、5μmがより好ましい。可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sとの対向方向の平均距離が上記上限値を超える場合、可動電極4の凸部6fおよび6sと固定電極5の凸部7fおよび7sとの間の静電気力が弱くなり、振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。
固定電極5fおよび5sの材質としても、例えばシリコンを使用できる。
<弾性体>
弾性体3は、X−Y平面視略V字状に形成され、一端が振動駆動ユニット2の可動電極4に接続され、他端が基板1に固設された固定壁8に固定されている。弾性体3は、基板1との間に隙間を空けて固定壁8に支持されている。これにより、弾性体3は、可動電極4をその弾性変形範囲内でX方向に振動可能に支持している。
弾性体3の材質としても、例えばシリコンを使用できる。
第1および第2の固定電極5fおよび5sと可動電極4との間に電圧を印加すると、第1および第2の固定電極5fおよび5sと可動電極4との間に静電気力が発生する。この静電気力は、固定電極5fおよび5sの凸部7fおよび7sと可動電極4の凸部6fおよび6s間に集中する。
可動電極4のX方向への振動は、次のようにして行われる。まず、第1の固定電極5fと可動電極4との間に第1の駆動電圧を与えることによって、対向する固定電極5fの凸部7fと可動電極4の凸部6fとの間に静電気による吸引力が発生する。したがって、固定電極4は、図1における左方向(負のX方向)に移動する。次に第1の固定電極5fに与える第1の駆動電圧を停止し、第2の固定電極5sと可動電極4との間に第2の駆動電圧を与える。すると、対向する凸部7fと凸部6fとの間の吸引力が弱まり、弾性体3の復帰力により可動電極4が図1における右方向に移動する。さらに、第2の駆動電圧により、対向する固定電極5sの凸部7sと可動電極4の凸部6sとの間に静電気による吸引力が発生する。したがって、固定電極4は、図1における右方向(正のX方向)にさらに移動する。次に第2の固定電極5sに与える第2の駆動電圧を停止し、再び第1の固定電極5fと可動電極4との間に第1の駆動電圧を与えることによって、可動電極は再び図1における左方向(負のX方向)に移動する。このような第1および第2の駆動電圧の印加を予め定められた周期で繰り返すことによって可動電極4をX方向に振動させることができる。
<振動駆動ユニットの製造方法>
振動駆動ユニット2は、犠牲層を介して2枚のシリコン基板を積層する工程と、一方のシリコン層をエッチングして、可動電極4、弾性体3及び固定電極5fおよび5sの平面形状を形成する工程と、エッチングにより犠牲層を除去して可動電極4及び弾性体3を他方のシリコン層から分離する工程とを備える製造方法により製造され得る。
<利点>
上記振動駆動モジュールが備える振動駆動ユニット2は、可動電極4が振動方向に延在しているため、可動電極4と固定電極5fおよび5sとの間の空気を排出又は圧縮する必要がない。これにより、可動電極4が振動時に大きな空気抵抗を受けないので、この振動駆動モジュールは駆動力及び振幅が大きく、エネルギー効率も優れる。
<第1の実施形態の変形例>
振動駆動モジュールは、上記第1の実施形態に限定されるものではない。上記第1の実施形態では振動駆動モジュールが3つの振動駆動ユニットを備える構成としたが、振動駆動ユニットの数及び配列は任意に変更でき、振動駆動ユニットの数を1つとしてもよい。また、上記第1の実施形態では、固定電極の凸部を可動電極の凸部に対して振動中心線C側にシフトしているが、逆側(振動方向外側)にシフトしてもよい。この場合、電圧を印可する固定電極と可動電極の移動方向との関係が上記第1の実施形態とは逆になる。
[ジャイロセンサ]
次に、図3を参照して、上記第1の振動駆動モジュールを使用したジャイロセンサ(MEMSセンサ)の実施形態を説明する。
図3のジャイロセンサは、X−Y方向に延在する基板1と、並んで形成された2つの静電容量変化検出モジュール10と、この静電容量変化検出モジュール10のY方向両側にそれぞれ配設された二対(合計4つ)の第1の実施形態の振動駆動モジュール20とを有する。
<振動駆動モジュール>
振動駆動モジュール20の構成は図1の振動駆動モジュールと同一であるため、重複する説明を省略する。各対の振動駆動モジュール20は、静電容量変化検出モジュール10を取り囲むように形成された方形枠状の移動体11を支持し、同期して振動を発生することで、移動体11をX方向に振動させる。
<静電容量変化検出モジュール>
静電容量変化検出モジュール10は、4つの駆動ばね12によって移動体11に対してY方向に移動可能に取り付けられる。静電容量変化検出モジュール10は、Y方向に並んで一体に形成された3連枠状の検出用可動電極13と、基板1上に固定形成された検出用固定電極14とを有する。
このジャイロセンサは、振動駆動モジュール20によって静電容量変化検出モジュール10の検出用可動電極13をX方向に常時往復移動させておく。この状態で、ジャイロセンサがX−Y平面に垂直なZ方向の軸を中心に回転したときに検出用可動電極13に作用するコリオリ力を、検出用可動電極13のY方向の変位により生じる検出用可動電極13と検出用固定電極14との間の静電容量の変化として検出し、このジャイロセンサの向きの変化に変換する。
静電容量変化検出モジュール10の検出用可動電極13は、ジャイロセンサの向きの変化によるコリオリ力だけでなく、このジャイロセンサのY方向の速度変化による慣性力によってもY方向に変位する。そこで、このジャイロセンサは、2つの静電容量変化検出モジュール10の検出用可動電極13の変位の差分をとることで、このジャイロセンサに加えられたY方向の加速度を相殺し、2つの静電容量変化検出モジュール10の中間を通るZ方向の軸を中心にしたこのジャイロセンサの回転により生じるコリオリ力のみを検出する。
このジャイロセンサは、例えばシリコン製の基板1上に、フォトリソグラフィー、材料の積層、エッチング等の公知の半導体製造技術を用いて、振動駆動モジュール20及び静電容量変化検出モジュール10の構成要素を形成することにより製造され得る。
<利点>
上記ジャイロセンサは、振動駆動モジュール20を備えるため、可動電極4が振動時に大きな空気抵抗を受けないので、検出用可動電極13のX方向の振幅が大きい。このため検出用可動電極13に作用するコリオリ力が大きくなり、精度よく角速度を検出することができる。
従って、第1の実施形態の振動駆動モジュールを備えるMEMSセンサは、この振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が十分に大きいので検出精度に優れる。
<本実施形態の変形>
本発明のジャイロセンサは上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、検出用可動電極をY方向に挟み込むように配置した2つの振動駆動ユニットを用いて検出用可動電極を振動させたが、検出用可動電極をX方向に振動させられる配置であれば、振動駆動モジュールをどのように配置してもよい。
また、上記ジャイロセンサにおいて、静電容量変化検出モジュールの構造は、上記実施形態に限定されない。たとえば、静電容量変化検出モジュールとして、上記第1の実施形態の振動駆動モジュール20と同様な構造を採用することもできる。すなわち、静電容量変化検出モジュールの検出用可動電極13の形状を、複数の凸部が形成された可動電極4と同様な形状としてもよい。また、静電容量変化検出モジュールの検出用固定電極14の形状を、複数の凸部が形成された第1および第2の固定電極5fおよび5sと同様な形状としてもよい。この場合、検出用固定電極の複数の凸部と、検出用可動電極の凸部とは対向させて配置するが、これらの位置関係は、振動駆動モジュール20の凸部7fおよび7sと、凸部6fおよび6sと同様な位置関係である。
静電容量変化検出モジュールをこのような構造とした場合にも、ジャイロセンサが、X−Y平面に垂直なZ方向の軸を中心に回転したときに2つの静電容量変化検出モジュールの検出用可動電極に作用するコリオリ力を、検出用可動電極のY方向の変位により生じる検出用可動電極と検出用固定電極との間の静電容量の変化として検出し、上記と同様に、このジャイロセンサの向きの変化に変換することができる。
以下、実施例1によって本発明の第1の実施形態の振動駆動モジュールをさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例1に限定されるものではない。
(実施例1)
上述の構成からなる第1の実施形態の振動駆動モジュールの実施例1について、空気抵抗をコンピュータを用いたシミュレーションにより解析した。シミュレーションに用いたモデルにおいて、本実施例1の可動電極及び固定電極は、Y方向に突出する合計20個(一方側の駆動用に10個)の凸部を有する。可動電極の凸部は、Y方向の突出長さが5μm、X方向の長さが5μmであり、可動電極の隣接する凸部のX方向の間隔が5μmである。一方、固定電極の凸部は、Y方向の突出長さが4μm、X方向の長さが5μmであり、固定電極の隣接する凸部のX方向の間隔が5μmである。可動電極の凸部と固定電極の凸部との振動中心における振動方向の重複長さ(平均重複長さ)は2.5μmであり、可動電極の凸部と固定電極の凸部との対向面間距離(ギャップ)は1.5μmである。
(比較例)
また、上記実施例1と比較するために、特許文献1の図1に記載されたような櫛歯状の固定および可動電極を用いた従来の構成の振動駆動モジュールについても、空気抵抗をコンピュータを用いたシミュレーションにより解析した。シミュレーションに用いた比較例のモデルにおいて、可動電極は、Y−Z平面上に延在する板状の本体の両面にそれぞれ12本(両面合計で24本)の固定電極に向かってX方向に突出する櫛歯部を有する。各固定電極は、それぞれY−Z平面上に延在する板状の本体から可動電極に向かってX方向に突出する13本の櫛歯部を有する。可動電極の櫛歯部は、Y方向の幅が2μmで、振動方向(X方向)の長さが9μmである。固定電極の櫛歯部は、Y方向の幅が3μmで、X方向の長さが9μmである。可動電極の櫛歯部と固定電極の櫛歯部との対向面間距離(ギャップ)は1.5μmである。振動方向中心において、各櫛歯部の先端と可動電極又は固定電極の本体との距離は5μmである。
(シミュレーション結果)
以上の実施例1及び比較例のモデルを用い、可動電極をX方向に1.3μm移動させる際に各可動電極に作用する空気抵抗の値をシミュレーションによって算出した結果、比較例の空気抵抗が1.8×10−7Ns/mであるのに対して、実施例1の空気抵抗は8.3×10−9Ns/mであった。つまり、本願発明の振動駆動モジュールの空気抵抗は、従来の振動駆動モジュールの空気抵抗の約1/21であり、極めて低抵抗である。このため、振動駆動モジュールは、一定の静電エネルギーによって駆動する場合、発生できる有効な駆動力(静電気力から空気抵抗を差し引いた値)が従来の構成よりも大きく、結果として振幅が大きくなる。
次に、図4〜図8を参照して、本発明の第2の実施形態による振動駆動モジュールを詳説する。
[振動駆動モジュール]
図4及び図5の振動駆動モジュールは、X−Y方向に延在する基板21の上に形成されている。この振動駆動モジュールは、Y方向に並んで一体に形成されている3つの振動駆動ユニット22と、この振動駆動ユニット22のX方向両側に接続されている2つの弾性体23とを備える。
<基板>
基板21は、振動駆動ユニット22及び弾性体23を支持するベースであると共に、振動駆動ユニット22に電圧を印可するための電気回路が形成される。
基板21の材質としては、例えばシリコンを使用できる。
<振動駆動ユニット>
各振動駆動ユニット22は、X方向に延在し、Y方向に対向し合う平板状の一対の可動電極24と、可動電極24の間にX方向に振動中心線Cに関して左右対称に配設され、それぞれX方向に延在する平板状の一対の第1および第2の固定電極25fおよび25sとを備える。隣接する振動駆動ユニット22の可動電極24は、一枚の板状に一体に形成されている。さらに、3つの振動駆動ユニット22の可動電極24は、両端がY方向に延在する接続部によって互いに接続されている。このように一体に接続された可動電極24は、弾性体23により、基板21との間に隙間を空けて支持されており、弾性体23の弾性変形の範囲内においてX方向に振動可能である。このような構成の振動駆動ユニット22は、可動電極24と固定電極25fおよび25sとの間への電圧の印加により可動電極24のX方向への振動を生じさせる。
(可動電極)
可動電極24は、固定電極25fおよび25sに対向する面に、振動方向に直角なY方向に突出するよう配設された複数の凸部26fおよび26sを有する。これら凸部26fおよび26sは、方形枠状の可動電極24の内壁にX方向に並設して形成されている。これらの凸部26fおよび26sは、第1および第2の固定電極25fおよび25sの両内壁にそれぞれ3つずつ対向するように中心線Cに関して左右対称に配置されている。
図6に示すように、各凸部26fおよび26sの固定電極25fおよび25sに対向する対向面26aは、可動電極24の振動中心線Cに近い側縁のY方向の突出長さが、他方の側縁のY方向の突出長さより小さい。すなわち、対向面26aは,振動方向(X方向)に対して角度αを有するように傾斜している。これにより、可動電極24の凸部26fおよび26sの対向面26aの法線は、対向する固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの中央側に傾斜している。
上記のとおり、第2の実施形態においては、可動電極24の凸部の対向面及び固定電極25fおよび25sの凸部の対向面の双方が振動方向に対して傾斜している。この構成により、可動電極24の変位に対する振動駆動モジュールの駆動力の変化をより小さくすることができる。
可動電極24の凸部26fおよび26sの対向面26aの振動方向に対する傾斜角αの下限としては、0.1度が好ましく、0.5度がより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sの対向面26aの振動方向に対する傾斜角αが上記下限値未満の場合、静電気力の調整機能が不十分となり、可動電極24の変位による駆動力の変化を十分に抑制できないおそれがある。可動電極24の凸部26fおよび26sの対向面26aの振動方向に対する傾斜角αの上限としては、15度が好ましく、10度がより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sの対向面26aの振動方向に対する傾斜角αが上記上限値を超える場合、固定電極25fおよび25sとの間の静電ギャップの変化が過大となり、却って可動電極24の変位による駆動力の変化が大きくなるおそれがある。また、傾斜角αが上記上限値を超える場合、凸部26fおよび26sが固定電極25fおよび25sに干渉して可動電極24の可動範囲が制限されるおそれがある。
上記のとおり、可動電極の凸部の対向面又は固定電極の凸部の対向面の振動方向に対する傾斜角としては0.1度以上15度以下が好ましい。傾斜角を上記範囲とすることで、可動電極の変位に対する振動駆動モジュールの駆動力の変化を十分に小さくできる。
可動電極24の凸部26fおよび26sの振動方向(X方向)の平均長さの下限としては、1μmが好ましく、4μmがより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sの振動方向の平均長さが上記下限値未満の場合、振動方向に強い静電気力を発生できる範囲が狭く、駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、可動電極24の凸部26fおよび26sの振動方向の平均長さの上限としては、20μmが好ましく、15μmがより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sの振動方向の平均長さが上記上限値を超える場合、面積効率が低下するので振動駆動モジュールの駆動力が不十分になったり、振動駆動モジュールが不必要に大型化するおそれがある。
可動電極24の凸部26fおよび26sの振動方向の間隔(隙間)の下限としては、凸部26fおよび26sの振動方向の平均長さの1/2が好ましく、凸部26fおよび26sの振動方向の平均長さの3/4がより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sの振動方向の間隔が上記下限値未満の場合、隣接する凸部26fおよび26sが互いに干渉して振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、可動電極24の凸部26fおよび26sの振動方向の間隔の上限としては、凸部26fおよび26sの振動方向の平均長さの2倍が好ましく、凸部26fおよび26sの振動方向の平均長さの3/2がより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sの振動方向の間隔が上記上限値を超える場合、面積効率が低下するので振動駆動モジュールの駆動力が不十分になったり振動駆動モジュールが不必要に大型化するおそれがある。
可動電極24の凸部26fおよび26sの平均突出長さ(Y方向の長さ)の下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sの平均突出長さが上記下限値未満の場合、可動電極24の凸部26fおよび26sの間の凹部においても固定電極25fおよび25sとの間に電界が形成され、凸部26fおよび26sが形成する電界に干渉することによって、振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、可動電極24の凸部26fおよび26sの平均突出高さの上限としては、20μmが好ましく10μmがより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sの平均突出高さが上記上限値を超える場合、振動駆動モジュールがY方向に不必要に大型化するおそれがある。
可動電極24の材質としては、例えばシリコンを使用できる。
(固定電極)
第1および第2の固定電極25fおよび25sは、基板21上に固定して形成されている。また、固定電極25fおよび25sは、可動電極24に対向する両面に、それぞれ可動電極24の凸部26fおよび26sに対向するように配設された3つ(両面合計で6つ)の凸部27fおよび27sを有する。これらの凸部27fおよび27sは、それぞれ第1および第2の固定電極25fおよび25sのZ軸方向に立設されY軸方向に延伸する側壁に併設して形成されている。これら固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sは、可動電極24の凸部26fおよび26sに対して、可動電極24の振動中心線Cに関してして対称に、それぞれ振動中心線C側に一定量だけシフトするように形成されている。
このように、固定電極の凸部が、対向する可動電極の凸部に対して振動方向にシフトしており、傾斜している可動電極の凸部の対向面又は固定電極の凸部の対向面の法線が、対向する固定電極の凸部又は可動電極の凸部の中心側に傾斜している。このように構成すれば、固定電極の凸部と可動電極の凸部との中心間距離が小さくなって振動方向に対する静電気力の作用方向の傾斜が大きくなるのにつれて、対向面間のギャップが小さくなって静電気力が大きくなる。これにより、静電気力の振動方向の成分の変化を十分に抑制できる。
また、図6に示すように、各凸部27fおよび27sの可動電極24の凸部26fおよび26sに面する対向面27aは、可動電極24の振動中心線Cに近い側縁のY方向の突出長さが、他方の側縁のY方向の突出長さより長く、振動方向(X方向)に対して角度αを有するように傾斜している。つまり、可動電極24の凸部26fおよび26sの対向面26aと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの対向面27aとは互いに平行である。これにより、可動電極24の凸部26fおよび26sの対向面26aの法線は、対向する固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの中心側に傾斜している。
上記のとおり、可動電極の凸部の対向面26aと上記固定電極の凸部の対向面27aとは平行であるとよい。このように構成すれば、凸部の対向面における電荷の偏在を抑制して効率よく静電気力を発生させられる。なお、平行とは±0.1度以下の傾斜を有するものを含む。
固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの対向面27aの振動方向に対する傾斜角αの下限としては、0.1度が好ましく、0.5度がより好ましい。固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの対向面27aの振動方向に対する傾斜角αが上記下限値未満の場合、静電気力の調整機能が不十分となり、可動電極24の変位による駆動力の変化を十分に抑制できないおそれがある。固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの対向面27aの振動方向に対する傾斜角αの上限としては、15度が好ましく、10度がより好ましい。固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの対向面27aの振動方向に対する傾斜角αが上記上限値を超える場合、可動電極24の凸部26fおよび26sの対向面26aとの間のギャップの変化が過大となり、却って可動電極24の変位による駆動力の変化が大きくなるおそれがある。この傾斜角αが上記上限値を超える場合、凸部27fおよび27sが可動電極24の凸部26fおよび26sに干渉して可動電極24の可動範囲が制限されるおそれがある。
固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの振動方向の平均長さの下限としては、1μmが好ましく、4μmがより好ましい。固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの振動方向の平均長さが上記下限値未満の場合、振動方向に強い静電気力を発生できる範囲が狭く、駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの振動方向の平均長さの上限としては、20μmが好ましく、10μmがより好ましい。固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの振動方向の平均長さが上記上限値を超える場合、面積効率が低下するので振動駆動モジュールの駆動力が不十分になったり振動駆動モジュールが不必要に大型化するおそれがある。
固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの振動方向の間隔(隙間)の下限としては、凸部27fおよび27sの振動方向の平均長さの1/2が好ましく、凸部27fおよび27sの振動方向の平均長さの3/4がより好ましい。固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの振動方向の間隔が上記下限値未満の場合、隣接する凸部27fおよび27sが互いに干渉して振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの振動方向の間隔の上限としては、凸部27fおよび27sの振動方向の平均長さの2倍が好ましく、凸部27fおよび27sの振動方向の平均長さの3/2がより好ましい。固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの振動方向の間隔が上記上限値を超える場合、面積効率が低下するので振動駆動モジュールの駆動力が不十分になったり振動駆動モジュールが不必要に大型化するおそれがある。
固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの平均突出長さ(Y方向の長さ)の下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの平均突出長さが上記下限値未満の場合、固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの間の凹部が可動電極24との間に電界を形成し、凸部27fおよび27sが形成する電界に干渉することによって、振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの平均突出長さの上限としては、20μmが好ましく、10μmがより好ましい。固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの平均突出高さが上記上限値を超える場合、振動駆動モジュールがY方向に不必要に大型化するおそれがある。
可動電極24の凸部26fおよび26sと上記固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの振動方向の平均重複長さの下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの振動方向の平均重複長さが上記下限値未満の場合、可動電極24の振動時に可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとが離間して振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの振動方向の平均重複長さの上限としては、10μmが好ましく、8μmがより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの振動方向の平均重複長さが上記上限値を超える場合、振動駆動モジュールが振動方向に不必要に大型化するおそれがある。
可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの振動方向の平均非重複長さの下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの振動方向の平均非重複長さが上記下限値未満の場合、可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの間の静電気力の振動方向の成分が小さくなり、振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの振動方向の平均非重複長さの上限としては、10μmが好ましく、8μmがより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの振動方向の平均非重複長さが上記上限値を超える場合、実質的に可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの間の距離が大きくなり、十分な静電気力を発揮できず、振動駆動モジュールの駆動力が不十分になる恐れがあると共に、振動駆動モジュールが振動方向に不必要に大型化するおそれがある。
可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの対向方向(Y方向)の平均距離の下限としては、0.1μmが好ましく、1μmがより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの対向方向の平均距離が上記下限値未満の場合、空気の粘性に起因して可動電極24の振動に伴う空気のせん断抵抗が大きくなり、振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。一方、可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの対向方向の平均距離の上限としては、10μmが好ましく、5μmがより好ましい。可動電極24の凸部26fおよび26sと上記固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの対向方向の平均距離が上記上限値を超える場合、可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの間の静電気力が弱くなり、振動駆動モジュールの駆動力及び振幅が不十分になるおそれがある。
固定電極25fおよび25sの材質としても、例えばシリコンを使用できる。
<弾性体>
弾性体23は、X−Y平面視略V字状に形成され、一端が振動駆動ユニット2の可動電極24に接続され、他端が基板21に不動に設けた固定壁28に固定されている。弾性体23は、基板21との間に隙間を空けて固定壁28に支持されている。これにより、弾性体23は、可動電極24をその弾性変形範囲内でX方向に振動可能に支持している。
弾性体23の材質としても、例えばシリコンを使用できる。
可動電極24をX方向に振動させるための駆動方法は、第1の実施形態と同様である。
<振動駆動ユニットの製造方法>
振動駆動ユニット22は、犠牲層を介して2枚のシリコン基板を積層する工程と、一方のシリコン層をエッチングして、可動電極24、弾性体23及び固定電極25fおよび25sの平面形状を形成する工程と、エッチングにより犠牲層を除去して可動電極24及び弾性体23を他方のシリコン層から分離する工程とを備える製造方法により製造され得る。
<作用>
図6及び図7を参照しつつ、振動駆動モジュールにおける上記可動電極24の凸部26fおよび26s及び上記固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの作用を説明する。
図6に示すように、可動電極24が振動中心Cに位置するとき、つまり、可動電極24と固定電極25fおよび25sとの間に電圧を印可していないときの配置において、可動電極24と固定電極25fおよび25sとの間に電圧を印可すると、可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとが引き合うような静電気力が発生する。静電気力は、可動電極24の凸部26fおよび26sの対向面26aと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの対向面27aとの距離dが大きいほど小さくなる。また、可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの間に作用する静電気力の方向は、可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの振動方向のずれ(シフト)に応じて傾斜し、静電気力における振動方向(X方向)の成分の割合は、可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの振動方向の重複長さが小さいほど(非重複長さが長いほど)大きくなる。
図7に示すように、このような静電気力によって可動電極24が電圧を印可されている固定電極25fおよび25sの側にX方向に移動すると、可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの振動方向の重複長さが大きくなる(非重複長さが小さくなる)ため、静電気力における振動方向の成分の割合が減少する。しかしながら、可動電極24の凸部26fおよび26sの対向面26a及び固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの対向面27aがX方向に角度αの傾斜を有しているため、可動電極24が固定電極25fおよび25s側へ振動方向に移動すると可動電極24の凸部26fおよび26sの対向面26aと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの対向面27aとの距離dが小さくなる。これにより、可動電極24と固定電極25fおよび25sとの間の静電気力は大きくなる。つまり、可動電極24のX方向の移動による静電気力におけるX方向の成分割合の変化が静電気力全体の大きさの変化によって補充されることで、可動電極24と固定電極25fおよび25sとの間X方向の静電気力の変化が抑制される。
このように、この振動駆動モジュールでは、可動電極24の凸部26fおよび26sが振動方向に固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sに接近すると可動電極24の凸部26fおよび26sの対向面26aと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sの対向面27aとの間の静電ギャップが減少し、可動電極24の凸部26fおよび26sと固定電極25fおよび25sの凸部27fおよび27sとの間に発生する静電気力の振動方向成分の大きさの変化を抑制するので、可動電極24の変位に対する駆動力の変化が小さい。
<第2の実施形態の変形例>
本発明の振動駆動モジュールは、上記第2の実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では振動駆動モジュールが3つの振動駆動ユニットを備える構成としたが、振動駆動ユニットの数及び配列は任意に変更でき、振動駆動ユニットの数を1つとしてもよい。また、上記第2の実施形態では、固定電極の凸部を可動電極の凸部に対して振動方向に振動中心C側にシフトしているが、振動方向外側にシフトしてもよい。この場合、電圧を印可する固定電極と可動電極の移動方向との関係が上記実施形態とは逆になる。
[ジャイロセンサ]
次に、図9を参照して、第2の実施形態の振動駆動モジュールを使用したジャイロセンサ(MEMSセンサ)の実施形態を説明する。
図9のジャイロセンサは、X−Y方向に延在する基板21と、並んで形成された2つの静電容量変化検出モジュール210と、この静電容量変化検出モジュール210のY方向両側にそれぞれ配設された二対(合計4つ)の第2の実施形態の振動駆動モジュール220とを有する。
<振動駆動モジュール>
振動駆動モジュール220の構成は図4の振動駆動モジュールと同一であるため、重複する説明を省略する。各対の振動駆動モジュール220は、静電容量変化検出モジュール210を取り囲むように形成された方形枠状の移動体211を支持し、同期して振動を発生することで、移動体211をX方向に振動させる。
<静電容量変化検出モジュール>
静電容量変化検出モジュール210は、4つの駆動ばね212によって移動体211に対してY方向に移動可能に取り付けられる。静電容量変化検出モジュール210は、Y方向に並んで一体に形成された3連枠状の検出用可動電極213と、基板21上に固定形成された検出用固定電極214とを有する。
このジャイロセンサは、振動駆動モジュール220によって静電容量変化検出モジュール210の検出用可動電極213をX方向に常時往復移動させておく。この状態で、ジャイロセンサがX−Y平面に垂直なZ方向の軸を中心に回転したときに検出用可動電極213に作用するコリオリ力を、検出用可動電極213のY方向の変位により生じる検出用可動電極213と検出用固定電極214との間の静電容量の変化として検出し、このジャイロセンサの向きの変化に変換する。
静電容量変化検出モジュール210の検出用可動電極213は、ジャイロセンサの向きの変化によるコリオリ力だけでなく、このジャイロセンサのY方向の速度変化による慣性力によってもY方向に変位する。そこで、このジャイロセンサは、2つの静電容量変化検出モジュール210の検出用可動電極213の変位の差分をとることで、このジャイロセンサに加えられたY方向の加速度を相殺し、2つの静電容量変化検出モジュール210の中間を通るZ方向の軸を中心にしたこのジャイロセンサの回転により生じるコリオリ力のみを検出する。
このジャイロセンサは、例えばシリコン製の基板21上に、フォトリソグラフィー、材料の積層、エッチング等の公知の半導体製造技術を用いて、振動駆動モジュール220及び静電容量変化検出モジュール210の構成要素を形成することにより製造され得る。
<利点>
上記ジャイロセンサは、振動駆動モジュール220を備えるため、検出用可動電極213を一定の速度でX方向に振動させられる。このため検出用可動電極213に作用するコリオリ力と基板21の角速度との相関性が高く、精度よく角速度を検出できる。
従って、第2の実施形態の振動駆動モジュールを備えるMEMSセンサは、この振動駆動モジュールの駆動力の変化が小さいので検出精度に優れる。
<本実施形態の変形>
本発明のジャイロセンサは上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、検出用可動電極をY方向に挟み込むように配置した2つの振動駆動ユニットを用いて検出用可動電極を振動させたが、検出用可動電極をX方向に振動させられる配置であれば、振動駆動モジュールをどのように配置してもよい。固定電極は、凸部の間で分割して形成してもよい。
また、上記第2の実施形態では、可動電極の凸部の対向面と固定電極の凸部の対向面とが振動方向に対して同じ角度で傾斜しているが、両者が異なる角度で傾斜してもよく、一方のみが振動方向に対して傾斜してもよい。可動電極の凸部の対向面の傾斜角と固定電極の凸部の対向面の傾斜角との差は20度以下が好ましい。
また、上記ジャイロセンサにおいて、静電容量変化検出モジュールの構造は、上記実施形態に限定されない。たとえば、静電容量変化検出モジュールとして、上記第2の実施形態の振動駆動モジュール220と同様な構造を採用することもできる。すなわち、静電容量変化検出モジュールの検出用可動電極213の形状を、複数の凸部が形成された可動電極24と同様な形状としてもよい。また、静電容量変化検出モジュールの検出用固定電極214の形状を、複数の凸部が形成された第1および第2の固定電極25fおよび25sと同様な形状としてもよい。この場合、検出用固定電極の複数の凸部と、検出用可動電極の凸部とは対向させて配置するが、これらの位置関係は、振動駆動モジュール220の凸部27fおよび27sと、凸部26fおよび26sと同様な位置関係である。
静電容量変化検出モジュールをこのような構造とした場合にも、ジャイロセンサが、X−Y平面に垂直なZ方向の軸を中心に回転したときに2つの静電容量変化検出モジュールの検出用可動電極に作用するコリオリ力を、検出用可動電極のY方向の変位により生じる検出用可動電極と検出用固定電極との間の静電容量の変化として検出し、上記と同様に、このジャイロセンサの向きの変化に変換することができる。
以下、実施例2によって本発明の第2の実施形態の振動駆動モジュールをさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例2に限定されるものではない。
上述の構成からなる第2の実施形態の振動駆動モジュールの実施例2について、可動電極と固定電極との間に作用する振動方向の静電気力をコンピュータを用いたシミュレーションにより解析した。
シミュレーションに用いたモデルにおいて、可動電極の凸部は、Y方向の突出高さが5μm、X方向(振動方向)の長さが5μmであり、可動電極の隣接する凸部のX方向の間隔が5μmである。一方、固定電極の凸部は、Y方向の突出高さが4μm、X方向の長さが5μmであり、固定電極の隣接する凸部のX方向の設間隔が5μmである。可動電極の凸部と固定電極の凸部との振動中心における振動方向の重複長さは2.5μmであり、可動電極が振動中心に位置するときの可動電極の凸部の対向面の中心と固定電極の凸部の対向面の中心とのY方向の距離は1.5μmである。可動電極の凸部の対向面のX方向に対する傾斜角と固定電極の凸部の対向面のX方向に対する傾斜角とは同じ値とした。そして、上記条件を共通とし、可動電極の凸部の対向面及び固定電極の凸部の対向面のX方向に対する傾斜角が異なる複数のモデルを作成した。
(シミュレーション結果)
上記複数のモデルについて、それぞれ、可動電極を振動中心からX方向に変位させたときに可動電極と固定電極との間に作用する振動方向の静電気力の値をシミュレーションした結果、可動電極の変位と振動方向の静電気力との関係が、図8に示すように凸部の対向面のX方向の傾斜角に応じて変化することが分かった。
シミュレーションから得られた可動電極の変位量当たりの静電気力の変化率(図8のグラフの傾き)を、表1に示す。
Figure 2014203896
この結果から、可動電極の凸部の対向面及び固定電極の凸部の対向面のX方向に対する傾斜角を適切に選択すれば、可動電極が変位しても可動電極と固定電極との間に作用する振動方向の静電気力を常に一定に保てることが確認された。
以上説明したように、本発明の振動駆動モジュールは、駆動力及び振幅が大きい。さらに本発明の振動駆動モジュールは、駆動力の変化が小さい。そのため、この振動駆動モジュールを用いたMEMSセンサは精度が高くジャイロセンサとして携帯端末等に好適に用いることができる。
1 基板
2 振動駆動ユニット
3 弾性体
4 可動電極
5fおよび5s 固定電極
6fおよび6s、6a 凸部
7fおよび7s、7a 凸部
8 固定壁
10 静電容量変化検出モジュール
11 移動体
12 駆動ばね
13 検出用可動電極
14 検出用固定電極
20 振動駆動モジュール
C 振動中心
P 中心軸
21 基板
22 振動駆動ユニット
23 弾性体
24 可動電極
25fおよび25s 固定電極
26fおよび26s 凸部
26a 対向面
27fおよび27s 凸部
27a 対向面
28 固定壁
210 静電容量変化検出モジュール
211 移動体
212 駆動ばね
213 検出用可動電極
214 検出用固定電極
220 振動駆動モジュール

Claims (13)

  1. 振動可能に支持され、振動方向に延在する可動電極と、
    前記可動電極と略平行に配設され、前記振動方向に延在する固定電極と、
    前記可動電極の前記固定電極に対向する対向壁面上に前記振動方向に並設される複数の凸部と、
    前記固定電極の前記可動電極に対向する対向壁面上に前記可動電極の凸部と対向する複数の凸部と、
    を有するMEMS(Micro Electro Mechanical System)センサ用モジュール。
  2. 前記MEMSセンサ用モジュールは、前記可動電極および固定電極間への電圧の印加によって前記振動方向への振動を発生する振動駆動モジュールである請求項1に記載のMEMSセンサ用モジュール。
  3. 前記固定電極の凸部が、対向する前記可動電極の凸部に対して、前記振動の中心線に関して対称に前記振動方向にシフトしている請求項1または2に記載のMEMSセンサ用モジュール。
  4. 前記可動電極は、前記固定電極の前記振動方向の両面に対向する一対の対向壁面を有し、前記一対の対向壁面に前記凸部が前記振動方向に関して対称に形成されている請求項1から3のいずれか1項に記載のMEMSセンサ用モジュール。
  5. 前記可動電極の凸部と前記固定電極の凸部との振動方向の平均重複長さが1μm以上10μm以下である請求項1から4のいずれか1項に記載のMEMSセンサ用モジュール。
  6. 前記可動電極の凸部と前記固定電極の凸部との振動方向の平均非重複長さが1μm以上10μm以下である請求項1から5のいずれか1項に記載のMEMSセンサ用モジュール。
  7. 前記可動電極の凸部及び前記固定電極の凸部の振動方向の平均長さが1μm以上20μm以下である請求項1から6のいずれか1項に記載のMEMSセンサ用モジュール。
  8. 前記可動電極の凸部の対向面又は前記固定電極の凸部の対向面が前記振動方向に対して傾斜している請求項1から7のいずれか1項に記載のMEMSセンサ用モジュール。
  9. 前記可動電極の凸部の対向面及び前記固定電極の凸部の対向面の双方が前記振動方向に対して傾斜している請求項8に記載のMEMSセンサ用モジュール。
  10. 前記可動電極の凸部の対向面又は前記固定電極の凸部の対向面の前記振動方向に対する傾斜角が0.1度以上15度以下である請求項8または9に記載のMEMSセンサ用モジュール。
  11. 前記固定電極の凸部が、対向する可動電極の凸部に対して前記振動方向にシフトしており、
    傾斜している前記可動電極の凸部の対向面又は前記固定電極の凸部の対向面の法線が、対向する前記固定電極の凸部又は前記可動電極の凸部の中心側に傾斜している請求項8から10のいずれか1項に記載のMEMSセンサ用モジュール。
  12. 前記可動電極の凸部の対向面と前記固定電極の凸部の対向面とが平行である請求項8から11のいずれか1項に記載のMEMSセンサ用モジュール。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載のMEMSセンサ用モジュールを備えるMEMSセンサ。
JP2015522934A 2013-06-19 2014-06-17 Memsセンサ用モジュール、振動駆動モジュール及びmemsセンサ Pending JPWO2014203896A1 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013129004 2013-06-19
JP2013128966 2013-06-19
JP2013128966 2013-06-19
JP2013129004 2013-06-19
PCT/JP2014/066040 WO2014203896A1 (ja) 2013-06-19 2014-06-17 Memsセンサ用モジュール、振動駆動モジュール及びmemsセンサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2014203896A1 true JPWO2014203896A1 (ja) 2017-02-23

Family

ID=52104628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015522934A Pending JPWO2014203896A1 (ja) 2013-06-19 2014-06-17 Memsセンサ用モジュール、振動駆動モジュール及びmemsセンサ

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20160097642A1 (ja)
JP (1) JPWO2014203896A1 (ja)
CN (1) CN105452809A (ja)
WO (1) WO2014203896A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6390423B2 (ja) * 2014-12-26 2018-09-19 オムロン株式会社 音響センサおよび音響センサの製造方法
JP6597099B2 (ja) * 2015-09-15 2019-10-30 セイコーエプソン株式会社 物理量センサー、電子機器および移動体
JP6812830B2 (ja) * 2017-02-20 2021-01-13 セイコーエプソン株式会社 ジャイロセンサー、電子機器、および移動体
US20180252526A1 (en) * 2017-03-06 2018-09-06 Nxp Usa, Inc. Mems device with in-plane quadrature compensation
JP2019148477A (ja) 2018-02-27 2019-09-05 セイコーエプソン株式会社 角速度センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器、および移動体
JP7036273B2 (ja) * 2018-02-27 2022-03-15 セイコーエプソン株式会社 角速度センサー、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器、および移動体
JP2023128270A (ja) * 2022-03-03 2023-09-14 株式会社東芝 センサ
US20230332890A1 (en) * 2022-04-18 2023-10-19 Analog Devices, Inc. Quadrature trim vertical electrodes for yaw axis coriolis vibratory gyroscope
CN115077508A (zh) * 2022-07-19 2022-09-20 苏州米洛微纳电子科技有限公司 一种mems器件及其形成方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11237247A (ja) * 1998-02-19 1999-08-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 角速度センサ及びその製造方法
JPH11257970A (ja) * 1998-03-16 1999-09-24 Murata Mfg Co Ltd 角速度センサ
JP2004170260A (ja) * 2002-11-20 2004-06-17 Denso Corp 容量式加速度センサ
JP2004233088A (ja) * 2003-01-28 2004-08-19 Murata Mfg Co Ltd 静電可動機構、共振型装置および角速度センサ
JP2006105698A (ja) * 2004-10-01 2006-04-20 Star Micronics Co Ltd 加速度角速度複合センサ

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5786303B2 (ja) * 2009-12-10 2015-09-30 セイコーエプソン株式会社 振動片、振動子、物理量センサー、及び電子機器

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11237247A (ja) * 1998-02-19 1999-08-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 角速度センサ及びその製造方法
JPH11257970A (ja) * 1998-03-16 1999-09-24 Murata Mfg Co Ltd 角速度センサ
JP2004170260A (ja) * 2002-11-20 2004-06-17 Denso Corp 容量式加速度センサ
JP2004233088A (ja) * 2003-01-28 2004-08-19 Murata Mfg Co Ltd 静電可動機構、共振型装置および角速度センサ
JP2006105698A (ja) * 2004-10-01 2006-04-20 Star Micronics Co Ltd 加速度角速度複合センサ

Also Published As

Publication number Publication date
US20160097642A1 (en) 2016-04-07
CN105452809A (zh) 2016-03-30
WO2014203896A1 (ja) 2014-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014203896A1 (ja) Memsセンサ用モジュール、振動駆動モジュール及びmemsセンサ
EP2846132B1 (en) Multiple sense axis MEMS gyroscope having a single drive mode
TWI748157B (zh) 一種mems加速度計
JP5822177B2 (ja) ジャイロセンサー、電子機器
CN203705471U (zh) 一种z轴加速度计
JP6372566B2 (ja) 改善された直交補償
US20120160029A1 (en) Acceleration sensor
CN109798886B (zh) 一种陀螺仪结构
WO2016119418A1 (zh) 一种加速度计中的z轴结构
JP2012141299A (ja) 面内容量型mems加速度計
JP4905574B2 (ja) 可動部分を備えている積層構造体
JP2012163507A (ja) 加速度センサ
US20160101975A1 (en) Resonance Frequency Adjustment Module
CN116907466B (zh) 微机电三轴陀螺仪和电子设备
CN107782297B (zh) 一种三轴mems陀螺仪
CN106871887B (zh) 振动模组以及陀螺仪
CN101834065B (zh) 一种可调节微机械器件弹性系数的变面积电容结构
JP2009222475A (ja) 複合センサ
TW594016B (en) Z-axis solid state gyroscope and three-axis inertial measurement apparatus
JP2015004546A (ja) 静電容量変化検出モジュール及びmemsセンサ
JP2011108989A (ja) 可変キャパシタ
WO2020203011A1 (ja) 角速度センサ
CN102798387A (zh) 一种soi基巨压阻效应微陀螺
JP2012242240A (ja) ジャイロセンサー、電子機器
WO2015194480A1 (ja) 振動駆動モジュール及びmemsセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170307