JPWO2014199837A1 - 接触端子構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動接触端子に適用した場合、オンオフ操作を繰り返しても接触抵抗が増大しにくい耐久性に優れた接触端子構造を提供する。【課題を解決するための手段】基体の表面に第一のメッキ層が形成され、該第一のメッキ層の表面に最外層として第二のメッキ層が形成されてなり、前記第一のメッキ層が銀錫合金からなり、前記第二のメッキ層が銀、または銀を主成分とする合金からなり、前記第一のメッキ層の硬度が前記第二のメッキ層の硬度より大きいことを特徴とする接触端子構造であり、また、前記第一のメッキ層のビッカース硬度が250〜400であり、前記第二のメッキ層のビッカース硬度が80〜200である接触端子構造である。

Description

本発明は、リレー(例えば、電気自動車のパワーリレー)、スイッチ、コネクタ、ブレーカーなどの電気部品の接触端子における接触端子構造に関するものである。とくには、可動接触端子における接触端子構造に関するものである。
一般に、プラグを差し込んで電気的な接続を可能にするコンセント、ジャック、コネクタ、リレー等における接触端子、あるいはスライドスイッチ端子は、電気伝導度を高くし、接触抵抗を少なくすることが重要である。
このような電気接続性にすぐれた接触端子を得るために接触端子材を含むその構造の改良がなされてきた。
例えば、引用文献1には、フレッティング現象に対処した、第1接点部のメッキ厚と相手の第2接点部のメッキ厚とが互いに異なるコンタクトが開示されている。
また、引用文献2には、導電材として優れた電気特性を発揮するとともに低い摩擦力で挿抜することができる端子として、端子部に銀−Sn合金被覆部が形成されているコネクタ用接続端子が開示されている。
さらに、引用文献3には、ステンレス鋼からなる素材の表面に、Niからなる下地層が形成され、その上にCuからなる中間層が形成され、その上に銀からなる表層が形成された銀めっき材が、めっきの接触抵抗の上昇を抑制することができる、コネクタ、スイッチ、リレーなどの接点や端子部品の材料として有用な安価な銀めっき材として開示されている。
引用文献4には、端子接点部の表面に銀と錫の合金からなるメッキ層が形成され、該合金の錫の含有比率が5〜30重量%であるコネクタ構造が、接触抵抗が低くかつ耐久性に優れるものであるとして開示されている。
しかし、オンオフ操作の繰り返しによって、接触抵抗が増大する。これは、接触端子に用いられている接触端子材の摩耗によるところが大きい。接触端子材の硬度を上げると摩耗は少なくなるが、そのような材料は一般には電気伝導度が低いので接触端子材としては不適である。
特開2012−124112号公報 特開2011−198683号公報 特開2012−119308号公報 特開2012−226994号公報
本発明は、可動接触端子に適用した場合、オンオフ操作を繰り返しても接触抵抗が増大しにくい耐久性に優れた接触端子構造を提供することを目的とする。
本発明の接触端子構造は、基体の表面に第一のメッキ層が形成され、該第一のメッキ層の表面に第二のメッキ層が形成されてなり、前記第一のメッキ層が銀錫合金からなり、前記第二のメッキ層が銀、または銀を主成分とする合金からなり、前記第一のメッキ層の硬度が前記第二のメッキ層の硬度より大きいことを特徴とするものである。この硬度の違いによって、第二のメッキ層が第一のメッキ層よりも柔らかくなっている。
この接触端子構造は、前記第一のメッキ層のビッカース硬度が250〜400であり、前記第二のメッキ層のビッカース硬度が80〜200である。
また接触端子構造は、前記第一のメッキ層の厚さをP、前記第二のメッキ層の厚さをQとすると、Q/(P+Q)が0.07〜0.4である。
さらに接触端子構造は、より好ましくはQ/(P+Q)が0.15〜0.25であるのが良い。
本発明の接触端子構造を接触端子に適用した場合、第一のメッキ層が第二のメッキ層よりも硬度を大きくすることにより、オンオフ操作を繰り返しても接触抵抗が増大しにくく、耐久性に優れている。
本発明の接触端子構造におけるメッキ構造を示す模式図である。 接触抵抗値の測定方法を示す模式図である。 接触端子構造の摺動サイクル数と接触抵抗関係を示すチャートである。 接触端子構造の摺動サイクル数と接触抵抗関係を示すチャートである。 摩耗についての考察を示す図であり、(a)は柔らかい金属のみの模式図であり、(b)は硬い金属のみの模式図であり、(c)は硬い金属の上に柔らかい金属を積層した模式図である。
本発明の接触端子構造について図面を用いて説明する。本発明の接触端子構造は、スイッチ接点やコネクタなど、オンオフを繰り返す端子に適用するものである。本発明の接触端子構造は、雄型および雌型のいずれの端子にも適用できるものである。
本発明の接触端子構造1は図1に示すように、金属からなる基体2、基体2の表面上の第一のメッキ層4、第一のメッキ層4の表面上の第二のメッキ層6を有する。基体2の表面上に第一のメッキ層4と第二のメッキ層6が順番に積層されている。
基体2は、雄型端子、雌型端子またはその両方の形を形成するものである。基体2は銅または銅合金を主成分とする金属からなることが導電性やコストのうえで好ましい。金属端子として使用できるのであれば、基体2の金属を他の金属に変更しても良い。基体2の表面は、第一のメッキ層4を積層するために、ニッケルメッキなどの下地処理がなされる場合がある。
第一のメッキ層4は銀錫合金からなる。第二のメッキ層6は銀、または銀を主成分とする合金からなる。第一のメッキ層4の硬度が第二のメッキ層6の硬度より大きい。メッキ層の硬度はその層を構成する金属の硬度をいう。
かかる本発明の構成により、接触端子構造1が摩擦されたときに、固体潤滑の機構により摩擦が行われる。第二のメッキ層6が固体潤滑剤としての機能をはたすことになる。これにより、摩擦抵抗が小さく抑えられるとともに摩擦による摩耗が少なくなる。
第一のメッキ層4の銀錫合金における銀と錫の組成比は、第一のメッキ層4を形成する銀錫合金のビッカース硬度(Hv(kgf/mm))が250〜400になる範囲で選択されることが好ましい。
第一のメッキ層4のビッカース硬度が250〜400であると、第二のメッキ層6のビッカース硬度は80〜200であることが好ましい。第二のメッキ層6は第一のメッキ層4よりも柔らかい。
上記のビッカース硬度にすることで、第一のメッキ層4のビッカース硬度が250未満の場合に比べ繰り返し摺動による自身の摩耗が小さく、耐久性が良好である。第一のメッキ層4のビッカース硬度が400を超えた高い値の場合に比べ繰り返し摺動が増加したときの摩耗が小さく好ましい。
第二のメッキ層6のビッカース硬度が80〜200であると、第一のメッキ層4のビッカース硬度が250〜400の場合、第二のメッキ層6のビッカース硬度が80未満の場合に比べ、繰り返し摺動による自身の摩耗が小さく、接触抵抗が繰り返し摺動により急激に上昇せず好ましい。第二のメッキ層6のビッカース硬度が200を超えた高い値である場合に比べ、繰り返し摺動による相手の摩耗が小さく、接触抵抗値も低くなり好ましい。
第一のメッキ層4を構成する銀錫合金における銀錫の組成比はメッキ浴の銀塩と錫塩の比率を所定の値にすることにより設定することができる。そのため、メッキ浴の銀塩と錫塩の比率を段階的に変えて各種のメッキ層を形成し、それぞれの組成におけるメッキ層を構成する銀錫合金の硬度を測定することにより、ビッカース硬度が250〜400になる第一のメッキ層4を形成することのできるメッキ浴の銀塩と錫塩の比率を求めることができる。
第二のメッキ層6の銀合金は銀以外の成分を含むことができる。この場合の銀以外の成分の組成比は、この銀合金のビッカース硬度(kgf/mm)が80〜200になる範囲で選択されることが好ましい。この銀合金に含まれる銀以外の成分としては、セレン、アンチモン、から選択される1種以上が挙げられる。これらは光沢剤の成分として用いられるという点で好ましい。
第二のメッキ層6の銀合金における銀と銀以外の金属の組成比はメッキ浴の銀塩と銀以外の金属の塩の比率で設定することができる。メッキ浴の銀塩と銀以外の金属の比率を段階的に変えて各種のメッキ層を形成し、それぞれの組成におけるメッキ層を構成する金属の硬度を測定することにより、ビッカース硬度が80〜200になる第二のメッキ層6を形成することのできるメッキ浴の銀塩と銀以外の金属の比率を求めることができる。
第二のメッキ層6は1または複数種の光沢剤が配合されたメッキ浴を用いてメッキ層を形成することによっても得ることができる。この場合も、メッキ浴中の光沢剤の含有比率を段階的に変えて、あるいは光沢剤の種類を変えて各種のメッキ層を形成し、それぞれの組成におけるメッキ層を構成する金属の硬度を測定することにより、ビッカース硬度が80〜200の範囲の中の所定の硬度になる第二のメッキ層6を形成することのできるメッキ浴中の光沢剤の含有比率を求めることができる。光沢剤はセレンやアンチモンを含有するもの(例えば、(シルバーグロー3KBP(メルテックス社製))を含むことが好ましい。
第一のメッキ層4と第二のメッキ層6は基体2の表面全体に形成される。また、メッキレジストを利用して、部分的なメッキであっても良い。たとえば、基体2の一面mにメッキを行い、他面nはメッキレジストでメッキされないようにする。また、ストライプ状のメッキになるようにしても良い。
第一のメッキ層4の厚さは0.4〜50μmであることが好ましい。厚みが50μmより厚くなりすぎると、メッキ層4を形成するための時間がかかりすぎる。厚みが0.4μmよりも薄くなると、後述するような内側層としての効果が生じなくなる。
第二のメッキ層6の厚さは0.04〜6μmであることが好ましい。厚みが6μmより厚くなりすぎると、メッキ層6を形成するための時間がかかりすぎる。厚みが0.04μmよりも薄くなると、耐久性などの問題が生じる。
第一のメッキ層4及び第二のメッキ層6の厚さは、本発明の接触端子構造1が適用される接触端子類の使用時の接圧によって適切に設定されるべきであり、一般には接圧の大きいものほどこれらの厚さは厚く設定されることが好ましい。
また、上記のメッキ層4、6の厚みの範囲内において、第一のメッキ層4の厚さをP、第二のメッキ層6の厚さをQとすると、Q/(P+Q)が0.07〜0.4であることが、オンオフ操作を繰り返しても接触抵抗が増大しにくい耐久性に優れた接触端子構造1を得るうえで好ましい。Q/(P+Q)が0.15〜0.25であることが、オンオフ操作を繰り返しても接触抵抗が増大しにくい耐久性に優れた接触端子構造1を得るうえでさらに好ましい。
本発明の接触端子構造1を可動接触端子に適用した場合、オンオフ操作を繰り返しても接触抵抗が増大しにくい。接触抵抗が低く維持されることにより、摩擦力も低く保たれ、摩耗量を増大させない。基体2および各メッキ層4、6は導電性に優れた材料を使用しているため、導電性を損なうことはない。
以下に本発明について実験例を交えて詳述する。
接触抵抗値の測定
図2に示すように、プローブ10の先端部をプレート12の上面に当接させた。プローブ10からプレート12へ荷重Wを掛け、プレート12を左右に搖動(往復運動)させた。その時のプレート12とプローブ10との間の接触抵抗値を、抵抗値測定計器14を用いて測定した。不図示の記録計を用い、搖動回数とともに変化していく接触抵抗値を、搖動回数を横軸、接触抵抗値を縦軸として2次元チャートに連続的に記録した。
実験例において、プレート12として下地の表面に1または2層のメッキ層からなる各種のメッキ構造が形成された接触端子構造を用いた。プローブ10としては下地の表面に相手のプレート12と同じメッキ構造が形成された接触端子構造を用いた。
プレート12はメッキの最外層を上面として左右に振幅10mm、速度30mm/secで搖動させた。プレート12の搖動により、プローブ10の先端部がプレート12に接しながらプレート12に対して相対的に摺動する。プローブ10にかかる荷重Wは30gf、300gfの2種類とした。プローブ10は先端部が1.5mmRの半球形であり、メッキの最外層が先端部の表面層を形成している。
試料
下地(基体2)
プレート12の基体:Niメッキされた銅板
プローブ10の基体:銅
メッキ構造:上層(第二のメッキ層6)、下層(第一のメッキ層4)からなるメッキ構造の、各層の硬度、層厚を変えた各種のメッキ構造について下記測定項目について測定を行った。(いずれかの層の膜厚が0のケースはメッキ構造を構成するメッキ層が1層のみのケースである)
上層(第二のメッキ層6)の硬度は、80、180の2水準とした。
下層(第一のメッキ層4)の硬度は250、330の2水準とした。
メッキ層の形成に用いたメッキ浴
表1に、第二のメッキ層6の硬度に応じたメッキ浴の組成を示す。この組成に基づくメッキ浴を用い、常法によりメッキを行った。光沢剤は2種を所定の硬度が得られるように添加量をそれぞれ1〜20mL/Lの範囲で調整した。
Figure 2014199837
表2に、第一のメッキ層4のメッキ浴の組成の一例を示す。この組成に基づくメッキ浴を用い常法によりメッキを行い、第一のメッキ層4として錫の組成比率が13重量%の銀錫層が得られた。この場合の第一のメッキ層4の硬度は250である。
Figure 2014199837
測定項目
摺動6000サイクル時の接触抵抗値
接触抵抗値が急激に上昇するサイクル数
測定結果
表3〜5に測定結果を示す。この結果は本願発明の効果を裏付けるものであった。表3〜5において、◎は接触端子構造として極めて優れた性能を有する、○は接触端子構造としてとくに優れた性能を有する、△は接触端子構造として優れた性能を有する、×は接触端子構造としての性能が不充分である、をそれぞれ表す。
Figure 2014199837
Figure 2014199837
Figure 2014199837
表3、4から、メッキ構造が第二のメッキ層6の1層のみである場合や、第一のメッキ層4の1層のみである場合は、摺動6000サイクル時の接触抵抗値が高く、かつ接触抵抗値が急激に上昇するサイクル数が小さいので、接触端子構造としての使用は好ましくないことがわかる。
また、表3、4では、第一のメッキ層4の厚さをP、第二のメッキ層6の厚さをQとすると、Q/(P+Q)が0.1、0.2、0.3のとき、摺動6000サイクル時の接触抵抗値が著しく低く、かつ接触抵抗値が急激に上昇するサイクル数が著しく大きいとの結果が得られた。さらに、Q/(P+Q)が0.2のとき、摺動6000サイクル時の接触抵抗値が表4中では最も低いとの結果が得られた。
図3、図4に測定で得られた代表的なチャートを示す。図3は荷重W:30gf、メッキ構造:第一のメッキ層4(硬度:330)のみの1層構造の場合の摺動サイクルを横軸、接触抵抗値を縦軸とした2次元チャートである。図4は、荷重W:30gf、メッキ構造:第一のメッキ層4(硬度:330、厚さ0.8μm)、第2のメッキ層6(硬度:180、厚さ0.2μm)の2層構造の場合(本発明の実施例)の摺動サイクルを横軸、接触抵抗値を縦軸とした2次元チャートである。図3においては、接触抵抗値が摺動サイクルの4000サイクル付近で急激に増加するのに対して、図4においては、接触抵抗値は摺動サイクルの6000サイクル付近まではほとんど増加しない。
次に、挿抜試験器を使用して、メッキの皮膜特性を評価した。雌型端子を固定し、雌型端子に対して雄型端子を挿し抜きした。摺動は、水平方向であり、ストロークは14mmであり、1回の挿し抜きは6秒でおこなった。挿し抜きの回数は10000〜25000回にした。膜厚測定は、SII社製SFT−3200を使用した。硬度測定は、マイクロビッカース硬度計(Akashi社製Hardness tester MKV-G2)を使用し、荷重は10gfであった。
表6に挿抜による削れ量の結果を示す。本願は、銀錫合金から成る第一のメッキ層4が硬度340Hv、銀からなる第二のメッキ層6が硬度190Hvであった。比較のために、銀錫合金のみのメッキ層を有する端子を2種類(Ag-Sn 1、Ag-Sn 2)準備した。Ag-Sn 1は硬度が270Hvであった。また、Ag-Sn 2は硬度が340Hvであった。Ag-Sn 1とAg-Sn 2は、上述した特許文献4である。さらに、銀のみのメッキ層を有する端子を準備した。硬度は190Hvであった。
各種の端子は4個準備し、それぞれ膜厚を測定後、挿し抜きし、削れた量を測定した。その結果を表6に示す。本願は、挿し抜き回数が増えても削れにくく、25000回でも4.9μmであった。他の端子は各回数で本願よりも削れ量が大きく、25000回になると、いずれも10μm以上になった。このことより、本願は削れにくいことが分かった。
Figure 2014199837
残皮膜厚さについて測定した。表6と同様に、各種の端子は4個準備し、それぞれ膜厚を測定後、挿し抜きし、残った皮膜の厚みを測定した。その結果を表7に示す。本願は、25000回になっても皮膜が15.1μmであった。他の端子は、25000回になると10μm以下になっており、本願と大きな差になっている。このことより、本願は端子の挿し抜き回数が増えても、皮膜が残り、端子として長期の使用に耐えうるものである。
Figure 2014199837
挿入力、引き抜き力および接触抵抗の増加率を測定した。挿抜回数は25000回であり、挿抜開始時と終了時に測定した。表8にその結果を示す。本願は、挿入力および引き抜力が軽く、接触抵抗の増加率も低い。本願は、挿し抜きが容易であり、長期の使用に耐えうることが分かる。
Figure 2014199837
本願の接触端子構造1を有する雄型端子と雌型端子の第二のメッキ層6の銀の残存量を測定した。表9にその結果を示す。全体として削れていっても、一部の銀が残るため、皮膜が削れにくい。
Figure 2014199837
端子の皮膜に対する摩耗は凝着摩耗である。金属は凝着性が強いが、せん断力を小さくすれば低摩擦力になる。せん断による摩擦力は、接触面積とせん断応力(単位面積あたりのせん断力)の積になり、摩耗量は摩擦力に依存する。低摩擦力になれば、摩耗量が減少する。
硬い球面と塑性接触する金属の摩耗について考察することにより、上記のような実験結果になった理由を説明する。
図5(a)のように、柔らかい金属層6’に対して先端が球面のプローブ10を荷重Wの力で押しつける。プローブ10と金属層6’の接触面積はA1である。金属層6’のせん断応力をS1とする。また、図5(b)のように、硬い金属層4’に対して先端が球面のプローブ10を荷重Wの力で押しつける。プローブ10と金属層4’の接触面積はA2である。金属層4’のせん断応力をS2とする。接触面積はA1>A2であり、せん断応力はS1<S2である。図5(a)の場合のせん断による摩擦力をF1、図5(b)の場合のせん断による摩擦力をF2とすると、F1=A1S1、F2=A2S2になる。接触面積とせん断応力の関係から、両摩擦力F1、F2に大きな違いが出ない。
本願のように硬い金属層4’の上に柔らかい金属層6’を積層した構造の場合について説明する。図5(c)のように、硬い金属層4’と柔らかい金属層6’の積層構造に対して先端が球面のプローブ10を荷重Wの力で押しつける。硬い金属層4’は、本願の第1のメッキ層4であり、柔らかい金属層6’は本願の第二のメッキ層6である。プローブ10と金属層6’の接触面積はA3である。この場合、硬い金属層4’で柔らかい金属層6’を支えることになるため、A1>A2=A3となる。図5(c)の場合のせん断応力をS3とする。凝着によって、せん断応力は、S1=S3<S2となる。図5(c)の場合のせん断による摩擦力F3はF3=A3S3=A2S1となる。接触面積およびせん断応力の両方が小さくなり、F3<F1、F2となる。
したがって、本願は、荷重Wは硬い金属層4’で支えられ、凝着摩耗によるせん断は柔らかい金属層6’に依存し、摩擦力は小さくなる。摩擦力が小さくなるため、摩耗量が小さくなる。
摩耗や接触抵抗の増大は、単に表面層だけが影響するのではなく、表面層に接して表面層の内側に位置する金属層との組み合わせが大きな要因となる。一方、銀錫合金を表面層とする接触端子構造は接触抵抗が比較的低く耐久性もあるので接触端子の素材としての優れた性能を有している。
本願においては、第一のメッキ層4である銀錫合金層の表面に上述のようにさらに第二のメッキ層6を形成することにより、さらに接触抵抗と耐久性のうえで性能が高められる。また、この第二のメッキ層6のビッカース硬度がその下層である第一のメッキ層4の硬度より小さく、すなわち第二のメッキ層6が第一のメッキ層4より柔らかいときに上述したように、優れた性能が発揮されることもわかった。
本発明の接触端子構造は、リレー(例えば、信号伝送用リレー、電気自動車のパワーリレーなど)、スイッチ、コネクタ(例えば、信号伝送用コネクタ、一般電源用コネクタ、電気自動車の充電コネクタなど)、ブレーカーなどの電気部品の接触端子に好適に適用できる。
1:接触端子構造
2:基体
4:第一のメッキ層
4’:硬い金属層
6:第二のメッキ層
6’:柔らかい金属層
10:プローブ
12:プレート
本発明の接触端子構造は、基体の表面上に形成され、銀錫合金からなる第一のメッキ層と、前記第一のメッキ層の表面上に形成され、銀を主成分とし、セレン、アンチモンから選択される一種以上の成分を含む合金からなる第二のメッキ層と、よりなる接触端子構造であって、前記第二のメッキ層は、前記第一のメッキ層よりも柔らかく、かつビッカース硬度が180であり、前記第一のメッキ層の厚みをP、前記第二のメッキ層の厚みをQとすると、Q/(P+Q)=0.07〜0.4の範囲にあり、前記第一のメッキ層の上に前記第二のメッキ層を施したプレートに対して、押圧するプローブを、荷重300gf、摺動回数6000サイクルで摺動させたとき、前記第一のメッキ層と前記第二のメッキ層の削れ深さが1.5〜3μmであることを特徴とする。
この接触端子構造は、基体の表面上に形成され、銀錫合金からなる第一のメッキ層と、前記第一のメッキ層の表面上に形成され、銀を主成分とし、セレン、アンチモンから選択される一種以上の成分を含む合金からなる第二のメッキ層と、よりなる接触端子構造であって、前記第二のメッキ層は、前記第一のメッキ層よりも柔らかく、かつビッカース硬度が180であり、前記第一のメッキ層の厚みをP、前記第二のメッキ層の厚みをQとすると、Q/(P+Q)=0.07〜0.4の範囲にあり、前記第一のメッキ層の上に前記第二のメッキ層を施したプレートに対して、押圧するプローブを、荷重30gf、摺動回数6000サイクルで摺動させたとき、前記第一のメッキ層と前記第二のメッキ層の削れ深さが0.15〜0.32μmであることを特徴とする。

Claims (4)

  1. 基体の表面上に形成され、銀錫合金からなる第一のメッキ層と、
    前記第一のメッキ層の表面上に形成され、銀または銀を主成分とする合金からなり、第一のメッキ層よりも柔らかい第二のメッキ層と、
    を備えた接触端子構造。
  2. 前記第一のメッキ層のビッカース硬度が250〜400であり、前記第二のメッキ層のビッカース硬度が80〜200である請求項1の接触端子構造。
  3. 前記第一のメッキ層の厚さをP、前記第二のメッキ層の厚さをQとすると、Q/(P+Q)が0.07〜0.4である請求項1または2の接触端子構造。
  4. 前記第一のメッキ層の厚さをP、前記第二のメッキ層の厚さをQとすると、Q/(P+Q)が0.15〜0.25である請求項1または2の接触端子構造。
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