JP7084217B2 - 電気接点部材、めっき付き端子、端子付き電線、及びワイヤーハーネス - Google Patents
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Ag-Sn合金めっき層が、最表層から順に、Sn濃度が5~38at%であり、かつ、ビッカース硬度が100Hv以上300Hv未満の第1のAg-Sn合金めっき層と、ビッカース硬度が第1のAg-Sn合金めっき層よりも大きい第2のAg-Sn合金めっき層とを有する。
本実施形態の電気接点部材は、導電性母材と、導電性母材上に設けられたAg-Sn合金めっき層とを有する電気接点部材である。そして、Ag-Sn合金めっき層が、最表層から順に、第1のAg-Sn合金めっき層と、第2のAg-Sn合金めっき層とを有する。第1のAg-Sn合金めっき層は、Sn濃度が5~38at%であり、かつ、ビッカース硬度が100Hv以上300Hv未満のAg-Sn合金めっき層である。また、第2のAg-Sn合金めっき層は、ビッカース硬度が第1のAg-Sn合金めっき層よりも大きい。
以下に、各層について順次説明する。
導電性母材は、Cu、Cu合金、Al、Al合金、Mg、Mg合金、Fe、及びFe合金からなる群より選択される少なくとも1種を含有する材料からなり、用途に応じた形状に加工される。
第1のAg-Sn合金めっき層は、Sn濃度が5~38at%であり、かつ、ビッカース硬度が100Hv以上300Hv未満であり、第2のAg-Sn合金めっき層上に接した状態で形成され、最表面に位置する。第1のAg-Sn合金めっき層のビッカース硬度は100Hv以上300Hv未満であるが、100Hv未満であると、耐摩耗性を確保できなくなる。また、300Hv以上であると、第2のAg-Sn層との硬度の差が小さくなり、2層による耐摩耗性向上効果が得られない懸念がある。第1のAg-Sn合金めっき層のビッカース硬度は、190~300Hvであることが好ましく、220~260Hvであることがより好ましい。
第2のAg-Sn合金めっき層は、ビッカース硬度が第1のAg-Sn合金めっき層よりも大きく、導電性母材上に、直接又は別の層を介して形成される。第2のAg-Sn合金めっき層のビッカース硬度が第1のAg-Sn合金めっき層よりも小さいと、耐摩耗性を確保することができない。第2のAg-Sn合金めっき層及び第1のAg-Sn合金めっき層のビッカース硬度の差は、50Hvであることが好ましく、100Hvであることがより好ましい。また、第2のAg-Sn合金めっき層のビッカース硬度は、200~400Hvであることが好ましく、260~320Hvであることがより好ましい。ビッカース硬度が400Hvを超えると、端子加工の際にめっき割れの原因となることがある。
Ni層は、必要に応じて設けられる層である。図1においてはNi層4を示しているが、Ni層に代えNi合金層としてもよい。図1に示す実施形態においては、Ni層4は、導電性母材2とAgストライクめっき層6との間に配置されている。この場合、Ni層4は、Agストライクめっき層6の下地層として機能し、Agストライクめっき層6への導電性母材を構成する元素の拡散を抑制し、接触信頼性や耐熱性を改善することができる。Ni層4の厚みは、0.1~3.0μmが好ましく、0.1~1.0μmがより好ましい。なお、Ni層4に代えて又はNi層4に加えて、用途に応じて他の層を追加してもよい。
Agストライクめっき層は、Ni層と同様に、必要に応じて設けられる層である。図1に示す実施形態においては、Agストライクめっき層6は、Ni層4と第2のAg-Sn合金めっき層8との間に配置されている。そして、本実施形態の電気接点部材1においては、Agストライクめっき層6は、第2のAg-Sn合金めっき層8の下地層として機能し、導電性母材2又はNi層4に対する第2のAg-Sn合金めっき層8の密着性を改善することができる。Agストライクめっき層6の厚みは、0.1~1.5μmが好ましく、0.1~1.0μmがより好ましい。なお、Agストライクめっき層6に代えて又はAgストライクめっき層6に加えて、用途に応じて他の層を追加してもよい。
本実施形態の電気接点部材の製造方法は、以上の本実施形態の電気接点部材を製造する製造方法である。そして、第1のAg-Sn合金めっき層と、第2のAg-Sn合金めっき層とを、AgイオンとSnイオンとを含む一のめっき浴を用い、電流密度を制御しながら連続的に電解めっきして形成する工程を含む。ここで、上記「連続的に」とは、第2のAg-Sn合金めっき層を形成後、そのまま連続して第1のAg-Sn合金めっき層を形成することのみを意味するのではない。第2のAg-Sn合金めっき層を形成後、休止時間を経て第1のAg-Sn合金めっき層を形成することをも含む。すなわち、一のめっき浴を変更することなく、電流密度を制御することにより、第1のAg-Sn合金めっき層と、第2のAg-Sn合金めっき層とを形成する。従って、第1のAg-Sn合金めっき層と、第2のAg-Sn合金めっき層とを形成するに際し、それぞれのめっき浴を別々に準備する必要がないため製造効率の向上を図ることができる。別言すると、2層のめっき層を形成するにもかかわらず、一のめっき浴のみを準備すればよいため製造効率に資する。
本実施形態のめっき付き端子は、以上の電気接点部材からなる。そのため、本実施形態のめっき付き端子は、従来の銀又は銀合金でめっきした端子と比較して、耐摩耗性も高く、表面の接触抵抗が低く、電気接点信頼性が高い。本実施形態のめっき付き端子は、端子付き電線に用いられるものであり、その一例を以下の端子付き電線において示す。
本実施形態の端子付電線は、上記本実施形態のめっき付き端子を備える。以下、図面を参照して説明する。図2~図4に示すように、本実施形態の端子付き電線20は端子(めっき付き端子)10を備える。具体的には、本実施形態の端子付き電線20は、導体31及び導体31を覆う電線被覆材32を有する電線30と、電線30の導体31に接続され端子用めっき材から形成された端子10とを備える。端子10は、既述の本実施形態のめっき付き端子であり、導電性母材の表面に、少なくとも第2のAg-Sn合金めっき層及び第1のAg-Sn合金めっき層が形成されてなる。なお、図2は電線を端子で圧着する前の状態を示し、図3は電線を端子で圧着した後の状態を示す。また、図4は、図3のA-A線に沿った断面図を示す。
本実施形態のワイヤーハーネスは、既述の本実施形態の端子付き電線を備える。具体的には、本実施形態のワイヤーハーネスは、図5に示すように、コネクタ50と、端子付き電線20とを備える。
導電性母材にはC-1020材を使用し、めっき浴はAgイオン濃度が5質量%、Snイオン濃度が2質量%含有される合金めっき浴を使用した。被めっき材たる導電性母材の前処理後、Agストライクめっき層、Ag-Sn合金めっき層の順にめっきを施した。なお、Ag-Sn合金めっきの形成条件(電流密度、めっき時間)は表1及び表2の通りである。めっき時間はめっき厚さが5μmになるように調整した。なお、表1及び表2において、皮膜組成の「Ag-26Sn」などの表記は、Sn濃度が26at%であることを意味する。
(1)皮膜の組成
Ag-Sn合金めっき層の組成は、得られた試験サンプルを走査型電子顕微鏡(SEM)-エネルギー分散型X線分光法(EDX)で分析して確認した。分析結果を表1及び表2に示す。
(2)ビッカース硬度
25℃下において、微小硬度計(株式会社島津製作所製、DUH-211)を使用し、荷重は3gfで測定した。測定結果を表1及び表2に示す。
(3)接触抵抗
電気接点シミュレータ(株式会社山崎精機研究所製)を使用し、接触荷重2N時の値を接触抵抗値とした。結果を表1及び表2に示す。
(4)耐摩耗性
耐摩耗性の評価は摺動試験にて実施した。摺動試験は摺動試験機(株式会社山崎精機研究所製、CRS-B1050)を使用した。摺動距離は5mmで摺動速度は3mm/s、荷重は2Nの低荷重にて実施した。なお、インデント形状は、R=1mmである。耐摩耗性の判定は、生産性・コストを考慮した上で摺動回数200回後の摩耗深さが5μm以下の場合を○とし、5μmを超えた場合を×として評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
各実施例において、表3に示すように、参考例1~12のいずれかと同様にして第1のAg-Sn合金めっき層と第2のAg-Sn合金めっき層とを形成した。次いで、上述の耐摩耗性の試験を行い評価した。評価結果を表3に示す。
2 導電性母材
4 Ni層
6 Agストライクめっき層
8 第2のAg-Sn合金めっき層
9 第1のAg-Sn合金めっき層
Claims (6)
- 導電性母材と、前記導電性母材上に設けられたAg-Sn合金めっき層と、を有し、
前記Ag-Sn合金めっき層が、最表層から順に、Sn濃度が5~38at%であり、かつ、ビッカース硬度が100Hv以上300Hv未満の第1のAg-Sn合金めっき層と、ビッカース硬度が前記第1のAg-Sn合金めっき層よりも大きい第2のAg-Sn合金めっき層とを有する、電気接点部材。 - 前記導電性母材と前記第2のAg-Sn合金めっき層との間に、Ni層又はNi合金層を有する、請求項1に記載の電気接点部材。
- 前記第1のAg-Sn合金めっき層における接触抵抗が前記第2のAg-Sn合金めっき層における接触抵抗よりも小さい、請求項1又は2に記載の電気接点部材。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気接点部材からなるめっき付き端子。
- 請求項4に記載のめっき付き端子を備える端子付き電線。
- 請求項5に記載の端子付き電線を備えるワイヤーハーネス。
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