JP2019002074A - 電気接点部材、めっき付き端子、端子付き電線、及びワイヤーハーネス - Google Patents

電気接点部材、めっき付き端子、端子付き電線、及びワイヤーハーネス Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性及び電気接点信頼性に優れた電気接点部材を提供する。【解決手段】導電性母材(2)と、導電性母材(2)上に設けられたAg−Sn合金めっき層(7)と、を有し、Ag−Sn合金めっき層(7)が、最表層から順に、Sn濃度が5〜38at%であり、かつ、ビッカース硬度が100Hv以上300Hv未満の第1のAg−Sn合金めっき層(9)と、ビッカース硬度が第1のAg−Sn合金めっき層よりも大きい第2のAg−Sn合金めっき層(8)とを有する、電気接点部材(1)である。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のワイヤーハーネスなどに用いられる電気接点部材、めっき付き端子、端子付き電線、及びワイヤーハーネスに関する。
近年、ハイブリッド自動車や電気自動車の需要が高まっている。従来のガソリン自動車とは異なり、ハイブリッド自動車や電気自動車は高出力モーターが使用され、その配線や端子には高電流が流れるため発熱量は大きくなる。そのため、従来、ガソリン自動車で用いられてきた、端子のめっきである錫めっきでは耐熱を満足しない恐れがあることから、発熱量が小さい(電気抵抗率が小さい)銀めっきが使用されている。さらにハイブリッド自動車や電気自動車で使用される充電コネクタは、繰り返し挿抜して使用されることから耐摩耗性を向上させた硬質Agめっきが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、硬質Agめっきであってもビッカース硬度は140Hv程度であり、繰り返し挿抜に耐えるためにはめっきを厚くする必要があるため、めっき時間増による生産性の低下やめっきコスト上昇といった問題が生じる。更に、従来の硬質Agめっきでは、高温環境下に晒されるとめっき硬度が低下し、耐摩耗性が低下してしまう。
上記問題を解決するために、例えば特許文献2では硬質Agめっきよりも高硬度なAg−Snめっきを施した後、電気接点信頼性を確保する(表面の接触抵抗を小さくする)ため、Agめっきを施しためっき部材が開示されている。
特開2009−79250号公報 特開2016−152187号公報
しかしながら、特許文献2に記載のめっき構成では繰り返し挿抜により摩耗することでAgめっき層が消失してしまうため電気接点信頼性を確保することができないおそれがあった。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、耐摩耗性及び電気接点信頼性に優れた電気接点部材、該電気接点部材からなるめっき付き端子、該めっき付き端子を備える端子付き電線、及び該端子付き電線を備えるワイヤーハーネスを提供することにある。
本発明の第1の態様に係る電気接点部材は、導電性母材と、導電性母材上に設けられたAg−Sn合金めっき層と、を有し、
Ag−Sn合金めっき層が、最表層から順に、Sn濃度が5〜38at%であり、かつ、ビッカース硬度が100Hv以上300Hv未満の第1のAg−Sn合金めっき層と、ビッカース硬度が第1のAg−Sn合金めっき層よりも大きい第2のAg−Sn合金めっき層とを有する。
本発明の第2の態様に係る電気接点部材は、第1の態様の電気接点部材に関し、導電性母材と第2のAg−Sn合金めっき層との間に、Ni層又はNi合金層を有する。
本発明の第3の態様に係る電気接点部材は、第1又は第2の態様の電気接点部材に関し、第1のAg−Sn合金めっき層における接触抵抗が第2のAg−Sn合金めっき層における接触抵抗よりも小さい。
本発明の第4の態様に係るめっき付き端子は、第1乃至第3のいずれかの態様の電気接点部材からなる。
本発明の第5の態様に係る端子付き電線は、第1の態様のめっき付き端子を備える。
本発明の第6の態様に係るワイヤーハーネスは、第1の態様の端子付き電線を備える。
本発明によれば、耐摩耗性及び電気接点信頼性に優れた電気接点部材、該電気接点部材からなるめっき付き端子、該めっき付き端子を備える端子付き電線、及び該端子付き電線を備えるワイヤーハーネスを提供することができる。
本発明の電気接点部材の層構成を示す模式図である。 電線を端子で圧着する前の本実施形態に係る端子付き電線の一例を示す斜視図である。 電線を端子で圧着した後の本実施形態に係る端子付き電線の一例を示す斜視図である。 図3のA−A線における断面図である。 本実施形態に係るワイヤーハーネスの一例を示す斜視図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る電気接点部材について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
<電気接点部材>
本実施形態の電気接点部材は、導電性母材と、導電性母材上に設けられたAg−Sn合金めっき層とを有する電気接点部材である。そして、Ag−Sn合金めっき層が、最表層から順に、第1のAg−Sn合金めっき層と、第2のAg−Sn合金めっき層とを有する。第1のAg−Sn合金めっき層は、Sn濃度が5〜38at%であり、かつ、ビッカース硬度が100Hv以上300Hv未満のAg−Sn合金めっき層である。また、第2のAg−Sn合金めっき層は、ビッカース硬度が第1のAg−Sn合金めっき層よりも大きい。
ビッカース硬度は、日本工業規格JIS Z2244:2009(ビッカース硬さ試験−試験方法)に従って測定することができる。また、試験温度は25℃、試験力は5gfとして測定することができる。
本実施形態の電気接点部材の層構成の一例を図1に示す。図1に示す電気接点部材1は、導電性母材2上に、Ni層4と、Agストライクめっき層6と、Ag−Sn合金めっき層7とがこの順に形成されている。Ag−Sn合金めっき層7は、最表層にはビッカース硬度が100Hv以上300Hv未満の第1のAg−Sn合金めっき層9が形成されている。その下にはビッカース硬度が第1のAg−Sn合金めっき層よりも大きい第2のAg−Sn合金めっき層8が形成されている。つまり、最表層である第1のAg−Sn合金めっき層9の下層に、最表層よりも硬度が大きい第2のAg−Sn合金めっき層8を有することで、接点部の接触面積は小さくなり、かつ、最表面に下層より硬度が小さいめっき層を有するため、変形応力は小さくなる。従って、最表層の摩擦係数を低減することができ、更なる耐摩耗性の向上を図ることができる。また、摺動回数が増加し最表層が摩耗した場合でも、その下層の第2のAg−Sn合金めっき層8が最表層よりも硬度が大きく、かつ、接触抵抗が第1のAg−Sn合金めっき層と同程度であるため耐摩耗性及び電気接続信頼性を確保することができる。
以下に、各層について順次説明する。
[導電性母材]
導電性母材は、Cu、Cu合金、Al、Al合金、Mg、Mg合金、Fe、及びFe合金からなる群より選択される少なくとも1種を含有する材料からなり、用途に応じた形状に加工される。
[第1のAg−Sn合金めっき層]
第1のAg−Sn合金めっき層は、Sn濃度が5〜38at%であり、かつ、ビッカース硬度が100Hv以上300Hv未満であり、第2のAg−Sn合金めっき層上に接した状態で形成され、最表面に位置する。第1のAg−Sn合金めっき層のビッカース硬度は100Hv以上300Hv未満であるが、100Hv未満であると、耐摩耗性を確保できなくなる。また、300Hv以上であると、第2のAg−Sn層との硬度の差が小さくなり、2層による耐摩耗性向上効果が得られない懸念がある。第1のAg−Sn合金めっき層のビッカース硬度は、190〜300Hvであることが好ましく、220〜260Hvであることがより好ましい。
一方、第1のAg−Sn合金めっき層は、Sn濃度が5〜38at%であるが、5at%未満では硬度を高くすることができず、38at%を超えても硬度を高くすることができない。第1のAg−Sn合金めっき層のSn濃度は、10〜25at%であることが好ましい。
第1のAg−Sn合金めっき層の厚みは、0.1〜30μmとすることが好ましく、1.0〜10μmとすることがより好ましい。
[第2のAg−Sn合金めっき層]
第2のAg−Sn合金めっき層は、ビッカース硬度が第1のAg−Sn合金めっき層よりも大きく、導電性母材上に、直接又は別の層を介して形成される。第2のAg−Sn合金めっき層のビッカース硬度が第1のAg−Sn合金めっき層よりも小さいと、耐摩耗性を確保することができない。第2のAg−Sn合金めっき層及び第1のAg−Sn合金めっき層のビッカース硬度の差は、50Hvであることが好ましく、100Hvであることがより好ましい。また、第2のAg−Sn合金めっき層のビッカース硬度は、200〜400Hvであることが好ましく、260〜320Hvであることがより好ましい。ビッカース硬度が400Hvを超えると、端子加工の際にめっき割れの原因となることがある。
一方、第2のAg−Sn合金めっき層は、第1のAg−Sn合金めっき層よりもビッカース硬度が大きいという観点からSn濃度は18〜31at%であることが好ましい。
第2のAg−Sn合金めっき層の厚みは、1.0〜30μmとすることが好ましく、5.0〜20μmとすることがより好ましい。
以上の第1及び第2のAg−Sn合金めっき層は、電気接点信頼性を確保するため、第1のAg−Sn合金めっき層における接触抵抗は、第2のAg−Sn合金めっき層における接触抵抗よりも小さいことが好ましい。
[Ni層/Ni合金層]
Ni層は、必要に応じて設けられる層である。図1においてはNi層4を示しているが、Ni層に代えNi合金層としてもよい。図1に示す実施形態においては、Ni層4は、導電性母材2とAgストライクめっき層6との間に配置されている。この場合、Ni層4は、Agストライクめっき層6の下地層として機能し、Agストライクめっき層6への導電性母材を構成する元素の拡散を抑制し、接触信頼性や耐熱性を改善することができる。Ni層4の厚みは、0.1〜3.0μmが好ましく、0.1〜1.0μmがより好ましい。なお、Ni層4に代えて又はNi層4に加えて、用途に応じて他の層を追加してもよい。
[Agストライクめっき層]
Agストライクめっき層は、Ni層と同様に、必要に応じて設けられる層である。図1に示す実施形態においては、Agストライクめっき層6は、Ni層4と第2のAg−Sn合金めっき層8との間に配置されている。そして、本実施形態の電気接点部材1においては、Agストライクめっき層6は、第2のAg−Sn合金めっき層8の下地層として機能し、導電性母材2又はNi層4に対する第2のAg−Sn合金めっき層8の密着性を改善することができる。Agストライクめっき層6の厚みは、0.1〜1.5μmが好ましく、0.1〜1.0μmがより好ましい。なお、Agストライクめっき層6に代えて又はAgストライクめっき層6に加えて、用途に応じて他の層を追加してもよい。
<電気接点部材の製造方法>
本実施形態の電気接点部材の製造方法は、以上の本実施形態の電気接点部材を製造する製造方法である。そして、第1のAg−Sn合金めっき層と、第2のAg−Sn合金めっき層とを、AgイオンとSnイオンとを含む一のめっき浴を用い、電流密度を制御しながら連続的に電解めっきして形成する工程を含む。ここで、上記「連続的に」とは、第2のAg−Sn合金めっき層を形成後、そのまま連続して第1のAg−Sn合金めっき層を形成することのみを意味するのではない。第2のAg−Sn合金めっき層を形成後、休止時間を経て第1のAg−Sn合金めっき層を形成することをも含む。すなわち、一のめっき浴を変更することなく、電流密度を制御することにより、第1のAg−Sn合金めっき層と、第2のAg−Sn合金めっき層とを形成する。従って、第1のAg−Sn合金めっき層と、第2のAg−Sn合金めっき層とを形成するに際し、それぞれのめっき浴を別々に準備する必要がないため製造効率の向上を図ることができる。別言すると、2層のめっき層を形成するにもかかわらず、一のめっき浴のみを準備すればよいため製造効率に資する。
本実施形態の電気接点部材を製造するにあたり、まず、導電性母材を準備し、必要に応じて、Ni層、Agストライクめっき層などを形成した後、第2のAg−Sn合金めっき層と、第1のAg−Sn合金めっき層とをこの順に形成する。
第1のAg−Sn合金めっき層、及び第2のAg−Sn合金めっき層は、例えば、銀めっき浴に錫塩を混合して銀錫合金めっき浴を調製し、この銀錫合金めっき浴に導電性母材を浸漬してめっきすることで形成することができる。めっきは、定電流電解であると膜厚の制御が容易であるため好ましい
第1及び第2のAg−Sn合金めっき層の形成に用いられる銀錫めっき浴は、例えば銀塩、錫塩、電導度塩、光沢剤などを含むことができる。銀塩に用いられる材料としては、例えばシアン化銀、ヨウ化銀、酸化銀、硫酸銀、硝酸銀、塩化銀などが挙げられる。また、電導度塩としては、例えばシアン化カリウム、シアン化ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヨウ化カリウム、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。光沢剤としては、例えばアンチモン、セレン、テルルなどの金属光沢剤、ベンゼンスルホン酸、メルカプタンなどの有機光沢剤が挙げられる。
銀錫めっき浴の錫塩に用いられる材料としては、例えば、メタンスルホン酸第一錫等の有機スルホン酸第一錫、ピロリン酸第一錫、塩化第一錫、硫酸第一錫、酢酸第一錫、スルファミン酸第一錫、グルコン酸第一錫、酒石酸第一錫、酸化第一錫、ホウフッ化第一錫、コハク酸第一錫、乳酸第一錫、クエン酸第一錫、リン酸第一錫、ヨウ化第一錫、ギ酸第一錫、ケイフッ化第一錫などの第一錫塩、錫酸ナトリウム、錫酸カリウムなどの第二錫塩が挙げられる。
本実施形態の電気接点部材の製造方法においては、第1及び第2のAg−Sn合金めっき層を形成するにあたり、一の銀錫めっき浴を用いて、電流密度を制御しながら連続的に電解めっきする。すなわち、所定の電流密度で第2のAg−Sn合金めっき層を形成し、既述の好ましい厚み範囲内の所望の厚みに形成されたときに、第1のAg−Sn合金めっき層を形成するための電流密度に変更して電解めっきする。そして、第1のAg−Sn合金めっき層が既述の好ましい厚み範囲内の所望の厚みに形成されたときに電解めっきを終了する。
第2のAg−Sn合金めっき層を形成する際の電流密度は、0.1〜20A/dmであることが好ましく、1.0〜5.0A/dmであることがより好ましい。また、第2のAg−Sn合金めっき層を形成後、第1のAg−Sn合金めっき層を形成する際の電流密度は、0.1〜20A/dmであることが好ましく、1.0〜10A/dmであることがより好ましい。第1及び第2のAg−Sn合金めっき層を電解めっきする場合のめっき浴温度は、0〜60℃であることが好ましく、20〜40℃であることがより好ましい。めっき浴温度をこのような範囲とすることにより、第1及び第2のAg−Sn合金めっき層を錯体効果で効果的に形成することができる。また、第2のAg−Sn合金めっき層を形成後、第1のAg−Sn合金めっき層を形成するまでに休止時間を設ける場合、当該休止時間としては、1〜60分とすることが好ましい。
以上のように、本実施形態の製造方法においては、第1及び第2のAg−Sn合金めっき層の形成が一連のめっき工程で完結することから、プロセスコストを増加させることなく形成することができる。
次いで、Ni層、Agストライクめっき層を設ける場合、その形成方法について以下に説明する。
Ni層を形成する方法は特に限定されないが、導電性母材をニッケルめっき浴に投入し、公知のめっき方法によりめっきすることができる。
ニッケルめっき浴は、例えばニッケル塩、pH緩衝剤、光沢剤などを含むことができる。ニッケル塩に用いられる材料としては、例えば硫酸ニッケル、塩化ニッケル、スルファミン酸ニッケルなどが挙げられる。また、pH緩衝剤としては、例えばホウ酸、クエン酸、酢酸ニッケルなどが挙げられる。光沢剤としては、例えばスルファン酸塩、サッカリン、スルホンアミド、スルフィン酸、ナフタレン、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、酢酸ニッケルなどが挙げられる。
Ni層を電解めっきする場合の電流密度は、2.0〜15.0A/dmであることが好ましく、2.0〜10.0A/dmであることがより好ましい。Ni層を電解めっきする場合のめっき浴温度は、45〜65℃であることが好ましい。めっき浴温度をこのような範囲とすることにより、高い電流密度でニッケルめっきができるため好ましい。
一方、Agストライクめっき層を形成する方法は特に限定されないが、導電性母材又は導電性母材にNi層を形成したものをAgストライクめっき浴に投入し、公知のめっき方法によりめっきすることができる。
Agストライクめっき浴は、例えば銀塩、電導度塩、光沢剤などを含むことができる。銀塩に用いられる材料としては、例えばシアン化銀、ヨウ化銀、酸化銀、硫酸銀、硝酸銀、塩化銀などが挙げられる。また、電導度塩としては、例えばシアン化カリウム、シアン化ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヨウ化カリウム、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。光沢剤としては、例えばアンチモン、セレン、テルルなどの金属光沢剤、ベンゼンスルホン酸、メルカプタンなどが挙げられる。
Agストライクめっき層を電解めっきする場合の電流密度は、1.6A/dm以上であることが好ましく、2.0A/dm以上であることがより好ましい。電流密度の上限は、生産性、めっき浴組成、イオン濃度、被めっき物の形状など様々な因子を考慮した上で設定される。Agストライクめっき層を電解めっきする場合のめっき浴温度は、20〜30℃であることが好ましい。めっき浴温度をこのような範囲とすることにより、ヤケが生じるおそれを低減することができるため好ましい。
<めっき付き端子>
本実施形態のめっき付き端子は、以上の電気接点部材からなる。そのため、本実施形態のめっき付き端子は、従来の銀又は銀合金でめっきした端子と比較して、耐摩耗性も高く、表面の接触抵抗が低く、電気接点信頼性が高い。本実施形態のめっき付き端子は、端子付き電線に用いられるものであり、その一例を以下の端子付き電線において示す。
<端子付き電線>
本実施形態の端子付電線は、上記本実施形態のめっき付き端子を備える。以下、図面を参照して説明する。図2〜図4に示すように、本実施形態の端子付き電線20は端子(めっき付き端子)10を備える。具体的には、本実施形態の端子付き電線20は、導体31及び導体31を覆う電線被覆材32を有する電線30と、電線30の導体31に接続され端子用めっき材から形成された端子10とを備える。端子10は、既述の本実施形態のめっき付き端子であり、導電性母材の表面に、少なくとも第2のAg−Sn合金めっき層及び第1のAg−Sn合金めっき層が形成されてなる。なお、図2は電線を端子で圧着する前の状態を示し、図3は電線を端子で圧着した後の状態を示す。また、図4は、図3のA−A線に沿った断面図を示す。
図2に示す端子10はメス型の圧着端子である。端子10は、図示しない相手方端子に対して接続される電気接続部11を有する。電気接続部11は、ボックス状の形体をしており、相手方端子に係合するバネ片を内蔵している。さらに、端子10のうち、電気接続部11と反対側には、電線30の端末部に対して加締めることにより接続される電線接続部12が設けられる。電気接続部11と電線接続部12とは繋ぎ部13を介して接続される。なお、電気接続部11、電線接続部12及び繋ぎ部13は、同一材料からなり一体となって端子10を構成しているが、便宜的に部位ごとに名称を付与している。
電線接続部12は、電線30の導体31を加締める導体圧着部14と、電線30の電線被覆材32を加締める被覆材加締部15とを備える。
導体圧着部14は、電線30の端末部の電線被覆材32を除去して露出させた導体31と直接接触するものであり、底板部16と一対の導体加締片17とを有する。一対の導体加締片17は、底板部16の両側縁から上方に延設される。一対の導体加締片17は、電線30の導体31を包み込むように内側に曲げられることで、導体31を底板部16の上面に密着した状態となるように加締めることができるようになっている。導体圧着部14は、この底板部16と一対の導体加締片17とにより、断面視略U字状に形成されている。
被覆材加締部15は、電線30の端末部の電線被覆材32と直接接触するものであり、底板部18と一対の被覆材加締片19とを有する。一対の被覆材加締片19は、底板部18の両側縁から上方に延設される。一対の被覆材加締片19は、電線被覆材32の付いた部分を包み込むように内側に曲げられることで、電線被覆材32を底板部18の上面に密着した状態で加締めることができるようになっている。被覆材加締部15は、この底板部18と一対の被覆材加締片19とにより、断面視略U字状に形成されている。なお、導体圧着部14の底板部16から被覆材加締部15の底板部18までは、共通の底板部として連続して形成されている。
電線30は、導体31及び導体31を覆う電線被覆材32を有する。導体31の材料としては、導電性が高い金属を使用することができる。導体31の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金等を用いることができる。なお、近年、電線の軽量化が求められている。そのため、導体31は軽量なアルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好ましい。
導体31を覆う電線被覆材32の材料としては、電気絶縁性を確保できる樹脂を使用することができる。電線被覆材32の材料としては、例えばオレフィン系の樹脂を用いることができる。具体的には、電線被覆材32の材料として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン共重合体及びプロピレン共重合体からなる群より選択される少なくとも一種を主成分とすることができる。また、電線被覆材32の材料として、ポリ塩化ビニル(PVC)を主成分とすることもできる。これらのなかでも、柔軟性や耐久性が高いことから、電線被覆材32の材料はポリプロピレン又はポリ塩化ビニルを主成分として含むことが好ましい。なお、ここでの主成分とは、電線被覆材全体の50質量%以上の成分をいう。
端子10と電線30との接続は、例えば、以下のようにして行うことができる。はじめに、図2に示すように、電線30の端末部を端子10の電線接続部12に挿入する。これにより、導体圧着部14の底板部16の上面に電線30の導体31を載置すると共に、被覆材加締部15の底板部18の上面に電線30の電線被覆材32の付いた部分を載置する。次に、電線接続部12と電線30の端末部を押圧することにより、導体圧着部14及び被覆材加締部15を変形させる。具体的には、導体圧着部14の一対の導体加締片17を、導体31を包み込むように内側に曲げることで、導体31を底板部16の上面に密着した状態となるように加締める。さらに、被覆材加締部15の一対の被覆材加締片19を、電線被覆材32の付いた部分を包み込むように内側に曲げることで、電線被覆材32を底板部18の上面に密着した状態となるように加締める。こうすることにより、図3及び図4に示すように、端子10と電線30とを圧着して接続することができる。
本実施形態の端子付き電線20は、既述の本実施形態のめっき付き端子、すなわち端子10を備える。そのため、本実施形態の端子付き電線20は、従来の銀又は銀合金めっきをした端子と比較して、端子10部分の耐摩耗性が高く、接触抵抗の増加を最小限に抑えることができる。そのため、本実施形態の端子付き電線20は、ハイブリッド自動車や電気自動車などのような場所においても好適に用いることができる。
<ワイヤーハーネス>
本実施形態のワイヤーハーネスは、既述の本実施形態の端子付き電線を備える。具体的には、本実施形態のワイヤーハーネスは、図5に示すように、コネクタ50と、端子付き電線20とを備える。
図5においてコネクタ50の背面側には、図示しない相手方端子が装着される複数個の図示しない相手方端子装着部が設けられる。図5においてコネクタ50の正面側には、端子付き電線20の端子10が装着される複数個のキャビティ51が設けられる。各キャビティ51には、端子付き電線20の端子10が装着されるように、略矩形状の開口部が設けられる。さらに、各キャビティ51の開口部は、端子付き電線20の端子10の断面よりも若干大きく形成される。コネクタ50のキャビティ51に端子付き電線20の端子10が装着されると、電線30はコネクタ50の背面側より引き出される。
本実施形態のワイヤーハーネス40は端子付き電線20を備える。そのため、本実施形態のワイヤーハーネス40は、従来の銀又は銀合金めっきをした端子と比較して、端子10部分の耐摩耗性が高く、接触抵抗の増加を最小限に抑えることができる。そのため、本実施形態のワイヤーハーネス40は、ハイブリッド自動車や電気自動車などのような場所においても好適に用いることができる。
以下、本発明を具体例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[参考例1〜12、参考比較例1〜3]
導電性母材にはC−1020材を使用し、めっき浴はAgイオン濃度が5質量%、Snイオン濃度が2質量%含有される合金めっき浴を使用した。被めっき材たる導電性母材の前処理後、Agストライクめっき層、Ag−Sn合金めっき層の順にめっきを施した。なお、Ag−Sn合金めっきの形成条件(電流密度、めっき時間)は表1及び表2の通りである。めっき時間はめっき厚さが5μmになるように調整した。なお、表1及び表2において、皮膜組成の「Ag−26Sn」などの表記は、Sn濃度が26at%であることを意味する。
(評価)
(1)皮膜の組成
Ag−Sn合金めっき層の組成は、得られた試験サンプルを走査型電子顕微鏡(SEM)−エネルギー分散型X線分光法(EDX)で分析して確認した。分析結果を表1及び表2に示す。
(2)ビッカース硬度
25℃下において、微小硬度計(株式会社島津製作所製、DUH-211)を使用し、荷重は3gfで測定した。測定結果を表1及び表2に示す。
(3)接触抵抗
電気接点シミュレータ(株式会社山崎精機研究所製)を使用し、接触荷重2N時の値を接触抵抗値とした。結果を表1及び表2に示す。
(4)耐摩耗性
耐摩耗性の評価は摺動試験にて実施した。摺動試験は摺動試験機(株式会社山崎精機研究所製、CRS-B1050)を使用した。摺動距離は5mmで摺動速度は3mm/s、荷重は2Nの低荷重にて実施した。なお、インデント形状は、R=1mmである。耐摩耗性の判定は、生産性・コストを考慮した上で摺動回数200回後の摩耗深さが5μm以下の場合を○とし、5μmを超えた場合を×として評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 2019002074
Figure 2019002074
表1及び表2より、電流密度を異ならせることにより、組成、ビッカース硬度及び接触抵抗が異なるAg−Sn合金めっき層が形成されたことが分かる。
[実施例1〜6]
各実施例において、表3に示すように、参考例1〜12のいずれかと同様にして第1のAg−Sn合金めっき層と第2のAg−Sn合金めっき層とを形成した。次いで、上述の耐摩耗性の試験を行い評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2019002074
表3から以下のことが分かる。まず、ビッカース硬度が第1のAg−Sn合金めっき層よりも大きい第2のAg−Sn合金めっき層を所定の電流密度で形成する。そして、その後、その電流密度を変更することにより、Sn濃度が5〜38at%であり、かつ、ビッカース硬度が100Hv以上300Hv未満の第1のAg−Sn合金めっき層を形成することができる。ひいては、耐摩耗性及び電気接点信頼性に優れた電気接点部材が得られる。
以上、本発明を実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 電気接点部材
2 導電性母材
4 Ni層
6 Agストライクめっき層
8 第2のAg−Sn合金めっき層
9 第1のAg−Sn合金めっき層

Claims (6)

  1. 導電性母材と、前記導電性母材上に設けられたAg−Sn合金めっき層と、を有し、
    前記Ag−Sn合金めっき層が、最表層から順に、Sn濃度が5〜38at%であり、かつ、ビッカース硬度が100Hv以上300Hv未満の第1のAg−Sn合金めっき層と、ビッカース硬度が前記第1のAg−Sn合金めっき層よりも大きい第2のAg−Sn合金めっき層とを有する、電気接点部材。
  2. 前記導電性母材と前記第2のAg−Sn合金めっき層との間に、Ni層又はNi合金層を有する、請求項1に記載の電気接点部材。
  3. 前記第1のAg−Sn合金めっき層における接触抵抗が前記第2のAg−Sn合金めっき層における接触抵抗よりも小さい、請求項1又は2に記載の電気接点部材。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気接点部材からなるめっき付き端子。
  5. 請求項4に記載のめっき付き端子を備える端子付き電線。
  6. 請求項5に記載の端子付き電線を備えるワイヤーハーネス。
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