JPWO2014196576A1 - キャリア付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器、樹脂層、キャリア付銅箔の製造方法、及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

キャリア付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器、樹脂層、キャリア付銅箔の製造方法、及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

キャリア付銅箔の他の諸特性を劣化させることなく、キャリア付銅箔の極薄銅層の表面粗度を高めることなく、極薄銅層と樹脂基材との接着強度を高め、引き剥がし強度を大きくすることができるキャリア付銅箔及びその製造方法を提供する。キャリア、中間層、極薄銅層および粗化処理層をこの順に備えたキャリア付銅箔であって、前記粗化処理層は、平均直径の平均値が0.05〜1.3μm、平均長さの平均値が0.3〜3.0μmであり、前記平均直径の最大値と最小値との差を前記平均直径の平均値で除した値A{A=粗化粒子の平均直径の最大値と最小値との差(μm)/粗化粒子の平均直径の平均値(μm)}が0.6以下である粗化粒子からなる粗化処理層であるキャリア付銅箔。

Description

本発明は、キャリア付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器、樹脂層、キャリア付銅箔の製造方法、及びプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板は、銅箔に絶縁基板を接着させて銅張積層板とした後に、エッチングにより銅箔面に導体パターンを形成するという工程を経て製造されるのが一般的である。近年の電子機器の小型化、高性能化ニーズの増大に伴い搭載部品の高密度実装化や信号の高周波化が進展し、プリント配線板に対して導体パターンの微細化(ファインピッチ化)や高周波対応等が求められている。
ファインピッチ化に対応して、最近では厚さ9μm以下、更には厚さ5μm以下の銅箔が要求されているが、このような極薄の銅箔は機械的強度が低くプリント配線板の製造時に破れたり、皺が発生しやすいので、厚みのある金属箔をキャリアとして利用し、これに剥離層を介して極薄銅層を電着させたキャリア付銅箔が登場している。極薄銅層の表面を絶縁基板に貼り合わせて熱圧着後に、キャリアを剥離層を介して剥離するというのがキャリア付銅箔の一般的な使用方法である。
ここで、樹脂との接着面となるキャリア付銅箔の極薄銅層の表面に対しては、主として、極薄銅層と樹脂基材との剥離強度が十分であること、そしてその剥離強度が高温加熱、湿式処理、半田付け、薬品処理等の後でも十分に保持されていることが要求される。
極薄銅層と樹脂基材との間の剥離強度を高める方法としては、一般的に、表面のプロファイル(凹凸、粗さ)を大きくした極薄銅層の上に多量の粗化粒子を付着させる方法が代表的である。
しかしながら、プリント配線板の中でも特に微細な回路パターンを形成する必要のある半導体パッケージ基板に、このようなプロファイル(凹凸、粗さ)の大きい極薄銅層を使用すると、回路エッチング時に不要な銅粒子が残ってしまい、回路パターン間の絶縁不良等の問題が発生する。
このため、半導体パッケージ基板をはじめとする微細回路用途のキャリア付銅箔としては、極薄銅層の表面に粗化処理を施さないキャリア付銅箔を用いることが試みられている。このような粗化処理を施さない極薄銅層と樹脂との密着性(剥離強度)は、その低いプロファイル(凹凸、粗度、粗さ)の影響で一般的なキャリア付銅箔と比較すると低下する傾向がある(特許文献1)。
WO2004/005588号
そのため、キャリア付銅箔について更なる改善が求められている。本発明は、キャリア付銅箔の他の諸特性を劣化させることなく、キャリア付銅箔の極薄銅層の表面粗度を高めることなく、極薄銅層と樹脂基材との接着強度を高め、引き剥がし強度を大きくすることができるキャリア付銅箔及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねたところ、キャリア付銅箔の極薄銅層表面に平均直径の平均値、平均長さの平均値、及び、平均直径の最大値と最小値との差を平均直径の平均値で除した値をそれぞれ制御した粗化粒子からなる粗化処理層を形成することが極めて効果的であることを見出した。
本発明は上記知見を基礎として完成したものであり、一側面において、キャリア、中間層、極薄銅層および粗化処理層をこの順に備えたキャリア付銅箔であって、前記粗化処理層は、平均直径の平均値が0.05〜1.3μm、平均長さの平均値が0.3〜3.0μmであり、前記平均直径の最大値と最小値との差を前記平均直径の平均値で除した値A{A=粗化粒子の平均直径の最大値と最小値との差(μm)/粗化粒子の平均直径の平均値(μm)}が0.6以下である粗化粒子からなる粗化処理層であるキャリア付銅箔である。
本発明のキャリア付銅箔は一実施形態において、前記粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径との比の平均値Bが1.4以上である。
本発明のキャリア付銅箔は別の一実施形態において、前記粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径との比の平均値Bが20以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化粒子の平均長さの最大値と最小値との差を前記粗化粒子の平均長さの平均値で除した値C{C=粗化粒子の平均長さの最大値と最小値との差(μm)/粗化粒子の平均長さの平均値(μm)}が0.5以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径の比の最大値と最小値との差を、前記粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径との比の平均値Bで除した値D{D=粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径の比の最大値と前記比の最小値との差/B}が0.4以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化処理層上に樹脂層を備える。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の上に樹脂層を備える。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記樹脂層が接着用樹脂である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記樹脂層がプライマーである。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記樹脂層が半硬化状態の樹脂である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記樹脂層がブロック共重合ポリイミド樹脂層またはブロック共重合ポリイミド樹脂とポリマレイミド化合物を含有する樹脂層である。
本発明は別の一側面において、キャリア、中間層、極薄銅層および粗化処理層をこの順に備えたキャリア付銅箔であって、前記粗化処理層上に樹脂層を積層した後、前記キャリアおよび前記中間層を前記極薄銅層から剥離し、その後前記極薄銅層をエッチングにより除去した場合に、前記粗化処理層上に積層した樹脂層の前記粗化処理層上に積層された側の表面において、前記粗化処理層の表面の凹凸が転写された凹凸を有する樹脂層表面の穴の占める面積の総和の平均値が20%以上であり、穴の占める面積の総和の最大値と穴の占める面積の総和の最小値との差を穴の占める面積の総和の平均値で除した値Eが0.6以下であるキャリア付銅箔である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化処理層上に樹脂層を積層した後、前記キャリアおよび前記中間層を前記極薄銅層から剥離し、その後前記極薄銅層をエッチングにより除去した場合に、前記粗化処理層上に積層した樹脂層の前記粗化処理層上に積層された側の表面において、前記粗化処理層の表面の凹凸が転写された凹凸を有する樹脂層表面の穴の占める面積の総和の平均値が20%以上であり、穴の占める面積の総和の最大値と穴の占める面積の総和の最小値との差を穴の占める面積の総和の平均値で除した値Eが0.6以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化処理層を有する面の表面の十点平均粗さRzが0.15μm以上3.0μm以下である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記キャリアの両方の面に、前記中間層、前記極薄銅層および前記粗化処理層をこの順に備える。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記キャリアの一方の面に、前記中間層、前記極薄銅層および前記粗化処理層をこの順に備え、かつ、前記キャリアの他方の面に粗化処理層を有する。
本発明は更に別の一側面において、本発明の前記粗化処理層の表面の凹凸が転写された凹凸を有する樹脂層表面の穴の占める面積の総和の平均値が20%以上であり、穴の占める面積の総和の最大値と穴の占める面積の総和の最小値との差を穴の占める面積の総和の平均値で除した値Eが0.6以下である樹脂層である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔を用いて製造したプリント配線板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のプリント配線板を用いた電子機器である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔、又は、本発明の樹脂層を用いて製造した銅張積層板である。
本発明は更に別の一側面において、キャリア、中間層、極薄銅層および粗化処理層をこの順に備えたキャリア付銅箔の製造方法であって、前記極薄銅層の表面に、タングステンイオン及び/又はヒ素イオンと、アルキルサルフェート系陰イオン界面活性剤とを含有する硫酸及び硫酸銅からなる電解浴を用いて銅の粗化粒子からなる粗化処理層を形成するキャリア付銅箔の製造方法である。
本発明のキャリア付銅箔の製造方法は一実施形態において、前記電解浴は、前記界面活性剤を2〜100mg/l含有する。
本発明のキャリア付銅箔の製造方法は別の一実施形態において、前記粗化処理層上に、硫酸及び硫酸銅からなる電解浴を用いてかぶせメッキ処理層を形成する。
本発明のキャリア付銅箔の製造方法は更に別の一実施形態において、前記かぶせメッキ処理層上に、亜鉛、ニッケル、銅及びリンから選択した少なくとも一種類以上の元素を含有する耐熱及び/又は防錆層を形成する。
本発明のキャリア付銅箔の製造方法は更に別の一実施形態において、前記耐熱及び/又は防錆層上にクロメート処理層を形成する。
本発明のキャリア付銅箔の製造方法は更に別の一実施形態において、前記クロメート処理層上にシランカップリング処理層を形成する。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、
その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に回路を形成する工程、
前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に樹脂層を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアを剥離させる工程、及び、
前記キャリアを剥離させた後に、前記極薄銅層を除去することで、前記極薄銅層側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明によれば、キャリア付銅箔の他の諸特性を劣化させることなく、キャリア付銅箔の極薄銅層の表面粗度を高めることなく、極薄銅層と樹脂基材との接着強度を高め、引き剥がし強度を大きくすることができるキャリア付銅箔及びその製造方法を提供することができる。本発明のキャリア付銅箔は、近年プリント配線板の微細配線化及び高周波化が進む半導体パッケージ基板等の、微細配線形成用のキャリア付銅箔として極めて有効である。
本発明における粗化粒子の直径及び長さの概念図である。 実施例の粗化粒子の平均直径及び平均長さの評価における粗化処理層断面のFIB-SIM写真の参考図である。 樹脂表面の外観写真の例である。 回路パターンの幅方向の横断面の模式図と、該模式図を用いたエッチングファクターの計算方法の概略である。
<キャリア>
本発明のキャリア付銅箔のキャリアには銅箔、アルミ箔、アルミ合金箔または鉄合金、ステンレス、ニッケル、ニッケル合金等の箔を用いることができる。なお、キャリア上への中間層の積層し易さを考慮すると、キャリアは銅箔であることが好ましい。キャリアに用いられる銅箔は典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で提供される。一般的には、電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。銅箔の材料としてはタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。なお、本明細書において用語「銅箔」を単独で用いたときには銅合金箔も含むものとする。
本発明に用いることのできるキャリアの厚さについても特に制限はないが、キャリアとしての役目を果たす上で適した厚さに適宜調節すればよく、例えば12μm以上とすることができる。但し、厚すぎると生産コストが高くなるので一般には35μm以下とするのが好ましい。従って、キャリアの厚みは典型的には12〜70μmであり、より典型的には18〜35μmである。
なお、当該キャリアの極薄銅層を設ける側の表面とは反対側表面に、粗化処理層を設けてもよい。当該粗化処理層は公知の方法を用いて設けてもよく、後述の粗化処理により設けてもよい。キャリアの極薄銅層を設ける側の表面とは反対側表面に粗化処理層を設けることは、キャリアを当該粗化処理層を有する表面側から樹脂基板などの支持体に積層する際、キャリアと樹脂基板が剥離し難くなるという利点を有する。なお、キャリアと粗化処理層との間には他の層を設けてもよい。
<中間層>
キャリアの上には中間層を設ける。キャリアと中間層との間には他の層を設けてもよい。本発明のキャリア付銅箔の中間層はCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、またはこれらの合金、またはこれらの水和物、またはこれらの酸化物、あるいは有機物の何れか一種以上を含む層で形成することが好ましい。中間層は複数の層であっても良い。例えば、中間層はキャリア側からCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Alの元素群の内何れか一種の元素からなる単一金属層、あるいはCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Alの元素群から選択された一種以上の元素からなる合金層、その次にCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Alの元素群から選択された一種以上の元素の水和物または酸化物からなる層から構成される。また、例えば中間層はNi及びCrの2層で構成されることが可能である。Ni層はキャリアとの界面に、Cr層は極薄銅層との界面にそれぞれ接するようにして積層する。中間層のCrの付着量を10〜100μg/dm2、Niの付着量を1000〜40000μg/dm2と設定することができる。
<極薄銅層>
中間層の上には極薄銅層を設ける。中間層と極薄銅層との間には他の層を設けてもよい。本発明のキャリア付銅箔の極薄銅層は、硫酸銅、ピロリン酸銅、スルファミン酸銅、シアン化銅等の電解浴を利用した電気めっきにより形成することができ、一般的な電解銅箔で使用され、高電流密度での銅箔形成が可能であることから硫酸銅浴が好ましい。極薄銅層の厚みは特に制限はないが、一般的にはキャリアよりも薄く、例えば12μm以下である。典型的には0.1〜12μmであり、より典型的には0.5〜12μmであり、更に典型的には2〜5μmである。極薄銅層はキャリアの両面に設けても良い。また、キャリアの両方の面に、中間層、極薄銅層および前記粗化処理層をこの順に備えてもよい。
<粗化処理層>
極薄銅層の表面には粗化処理層が形成されている。極薄銅層と粗化処理層との間には他の層を設けてもよい。粗化処理層は、平均直径の平均値が0.05〜1.3μm、平均長さの平均値が0.3〜3.0μmである粗化粒子で構成されている。粗化粒子の「平均直径の平均値」とは、粗化処理層表面において、複数箇所をそれぞれ観察し、各箇所における粗化粒子の平均直径を測定し、当該複数の平均直径からその平均を算出して得られた値を示す。粗化粒子の「平均長さの平均値」とは、粗化処理層断面において、複数箇所をそれぞれ観察し、各箇所における粗化粒子の平均長さを測定し、当該複数の平均長さからその平均を算出して得られた値を示す。ここで、粗化粒子の「長さ」とは、粗化処理層断面において観察される粗化粒子の凹凸の高さを示す。また、本発明における粗化粒子の直径及び長さの概念図を図1に示す。
粗化処理層を構成する粗化粒子の平均直径の平均値が0.05μm以上であるため、ピール強度の平均値が向上するという効果を有する。また、粗化粒子の平均直径の平均値が1.3μm以下であるため、エッチングファクターが向上するという効果を有する。さらに、粗化処理層を構成する粗化粒子の平均長さの平均値が0.3μm以上であるため、ピール強度の平均値が向上するという効果を有する。また、粗化粒子の平均長さの平均値が3.0μm以下であるため、エッチングファクターが向上するという効果を有する。本発明の粗化処理層を構成する粗化粒子の平均直径の平均値は、好ましくは0.08μm以上1.2μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上1.0μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上0.8μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上0.7μm以下であり、より好ましくは0.15μm以上0.6μm以下である。また、本発明の粗化処理層を構成する粗化粒子の平均長さの平均値は、好ましくは0.4μm以上2.8μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上2.6μm以下であり、より好ましくは0.6μm以上2.3μm以下であり、より好ましくは0.7μm以上2.0μm以下であり、より好ましくは0.8μm以上1.8μm以下である。
本発明のキャリア付銅箔の粗化処理層を構成する粗化粒子は、平均直径の最大値と最小値との差を平均直径の平均値で除した値A{A=粗化粒子の平均直径の最大値と最小値との差(μm)/粗化粒子の平均直径の平均値(μm)}が0.6以下である。このような構成によれば、ピール強度の平均値のばらつきが小さいという効果を有する。当該値Aの上限は、好ましくは0.55以下であり、より好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.45以下であり、より好ましくは0.4以下である。当該値Aの下限は特に設ける必要がないが、典型的には0.001以上、あるいは0.01以上、あるいは0.05以上である。
本発明のキャリア付銅箔は、粗化粒子の平均長さと粗化粒子の平均直径との比の平均値Bが1.4以上であるのが好ましい。このような構成によれば、ピール強度の平均値が向上するという効果を有する。当該比Bは、より好ましくは20以下である。このような構成によれば、エッチングファクターが向上するという効果を有する。当該比Bは、更により好ましくは1.6以上15以下であり、更により好ましくは1.6以上15以下であり、更により好ましくは2.0以上10以下であり、更により好ましくは2.2以上7以下であり、更により好ましくは2.4以上5以下である。
本発明のキャリア付銅箔は、粗化処理層において、粗化粒子の平均長さの最大値と最小値との差を粗化粒子の平均長さの平均値で序した値C{C=粗化粒子の平均長さの最大値と最小値との差(μm)/粗化粒子の平均長さの平均値(μm)}が0.5以下であるのが好ましい。このような構成によれば、エッチングファクターのばらつき(標準偏差)が小さくなるという効果を有する。当該値Cは、より好ましくは0.48以下であり、より好ましくは0.45以下であり、更により好ましくは0.4以下である。当該値Cの下限は特に設ける必要がないが、典型的には0.001以上、あるいは0.01以上、あるいは0.05以上である。
本発明のキャリア付銅箔は、粗化処理層において、粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径の比の最大値と前記比の最小値との差を、前記粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径との比の平均値Bで除した値D{D=粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径の比の最大値と前記比の最小値との差/B}が0.4以下であるのが好ましい。このような構成によれば、エッチングファクターのばらつきが小さくなるという効果を有する。当該値Dは、より好ましくは0.38以下であり、更により好ましくは0.35以下であり、更により好ましくは0.3以下である。当該値Dの下限は特に設ける必要がないが、典型的には0.001以上、あるいは0.01以上、あるいは0.05以上である。
本発明のキャリア付銅箔は、極薄銅層表面に粗化処理層を有し、粗化処理層上に樹脂層を積層した後、キャリアおよび中間層を極薄銅層から剥離し、その後極薄銅層をエッチングにより除去した場合に、粗化処理層上に積層した樹脂層の粗化処理層上に積層された側の表面において、粗化処理層の表面の凹凸が転写された凹凸を有する樹脂層表面の穴の占める面積の総和の平均値が20%以上であり、穴の占める面積の総和の最大値と穴の占める面積の総和の最小値との差を穴の占める面積の総和の平均値で除した値Eが0.6以下であるのが好ましい。このような構成によれば、エッチングファクターのばらつきが小さくなるという効果を有する。また、樹脂と極薄銅層との剥離強度が向上し、剥離強度のばらつきが小さくなるという効果を有する。当該粗化処理層の表面の凹凸が転写された凹凸を有する樹脂層表面の穴の占める面積の総和の平均値は、より好ましくは25%以上であり、更に好ましくは30%以上であり、更により好ましくは35%以上であり、更により好ましくは40%以上であり、更により好ましくは45%以上であり、更により好ましくは50%以上である。当該平均値の上限は特に設ける必要がないが、典型的には99%以下、あるいは97%以下、あるいは96%以下である。また、当該値Eは、より好ましくは0.55以下であり、更により好ましくは0.50以下であり、更により好ましくは0.45以下であり、更により好ましくは0.40以下である。当該値Eの下限は特に設ける必要がないが、典型的には0.001以上、あるいは0.01以上、あるいは0.05以上である。
また、本発明のキャリア付銅箔は、粗化処理層を有する面の表面粗さRz(十点平均粗さ(JIS B0601 1994))が0.15μm以上3.0μm以下であることが好ましい。表面粗さRzが0.15μmより小さくなると剥離強度が極端に劣化する場合がある。表面粗さRzが3.0μmより大きい場合、エッチングファクターが大きくなる場合がある。表面粗さRzは0.2μm以上2.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.35μm以上1.5μm以下であることが好ましく、0.4μm以上1.3μm以下であることが好ましく、0.4μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.45μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
本発明のキャリア付銅箔は、キャリアの一方の面に、中間層、極薄銅層および粗化処理層をこの順に備え、かつ、キャリアの他方の面に粗化処理層を有する構成としてもよい。
<キャリア付銅箔>
キャリア付銅箔は、上述のキャリアと、キャリア上に形成された中間層と、中間層の上に積層された極薄銅層と、極薄銅層上に形成された粗化処理層とを備える。キャリア付銅箔自体の使用方法は当業者に周知であるが、例えば極薄銅層の表面を紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、液晶ポリマー(LCP)フィルム、フッ素樹脂フィルム等の絶縁基板に貼り合わせて熱圧着後にキャリアを剥がし、絶縁基板に接着した極薄銅層表面の配線を設けない部分にメッキレジストを設けた後に、めっきにより配線を設け、その後メッキレジストを除去した後に、エッチングにより配線を設けない部分の極薄銅箔を除去することで、最終的にプリント配線板を製造することができる。本発明に係るキャリア付銅箔の場合、剥離箇所は主としてキャリアと中間層の界面または中間層と極薄銅層の界面である。また、中間層が複数の層からなる場合には、当該複数の層の界面で剥離する場合がある。
<キャリア付銅箔の製造方法>
本発明のキャリア付銅箔の製造方法では、極薄銅層の表面に、アルキルサルフェート系陰イオン界面活性剤を含有する硫酸及び硫酸銅からなる電解浴を用いて、銅の粗化粒子からなる粗化処理層を形成する。界面活性剤はめっきの添加剤として工業的に広く使用されている。しかしながら、キャリア付銅箔の極薄銅層の粗化処理に用いる電解液において、界面活性剤を添加した例はなく、更にはこれにより接着強度を高めようとした技術はいまだかつて例がない。本願発明で使用するアルキルサルフェート系陰イオン界面活性剤は、キャリア付銅箔に対して著しい剥離強度の向上を付与することが確認できている。このアルキルサルフェート系陰イオン界面活性剤の効果は、明確に理論付けることは現在のところできないが、本界面活性剤の親水基が、電解液中のCuイオンに何らかの形で配位するか、界面活性剤分子が被電着面の特定部位に吸着することにより粗化粒子電着形態が変化するものと考えられる。この結果、凹凸を持った極薄銅層の被電着面の凸部への電流集中が抑制され、通常粗化粒子が電着し難い凹部(一次粒子の谷部)にも、均一に電着するようになるほか、極薄銅層の被電着と電着された粗化粒子の密着性が向上すると考えられる。この結果、極薄銅層とプリント配線板用樹脂基材などの樹脂基材との間の剥離強度が向上する。また、極薄銅層の粗化処理層を有する表面を樹脂基材に積層した後に、当該極薄銅層をエッチングにより全て除去した場合、樹脂基材に転写される粗化粒子の凹凸による穴の面積率の平均値が適切な値となる。その結果、当該粗化粒子の凹凸が転写された樹脂基材表面に無電解めっき層や電解めっき層を設けた場合、樹脂基材と無電解めっき層および/または電解めっき層との密着力が向上する。
前記界面活性剤の濃度は、2〜100mg/lであるのが好ましい。この範囲よりも高い濃度でも同様の効果が発現するが、界面活性剤の添加による電解液の発泡が顕著となって実操業が困難になる。この範囲よりも低い濃度では、粗化処理粒子の平均直径のばらつきが大きくなる場合がある。また、粗化処理電解浴に、前記界面活性剤に加えてタングステンイオン及び/又はヒ素イオンを粗化処理電解浴に添加することによって、粗化粒子の平均直径を小さくすることができ、その結果として、銅箔と樹脂基材の間の密着性(剥離強度)を高めることができる。このようにして、極薄銅層と樹脂の密着性(剥離強度)を高めたキャリア付銅箔を得ることができる。また、樹脂にキャリア付銅箔の粗化処理層の凹凸を転写することにより、樹脂と無電解めっきや電解めっきとの密着力を向上することができるキャリア付銅箔を得ることができる。
本発明の典型的な粗化処理条件は、次の通りである。
(液組成1)
Cu:5〜30g/L(硫酸銅五水和物として添加、以下同様)
2SO4:10〜200g/L
ドデシル硫酸ナトリウム:2〜100mg/l
なお、本発明に用いられる表面処理又はめっき等に用いられる処理液の残部は特に明記しない限り水である。
(電気めっき条件)
温度:60〜70℃
電流密度:21〜39A/dm2(浴の限界電流密度以上であること)
粗化処理時間:1〜20秒
通電量:21〜600As/dm2
めっき液線流速:1.5〜3.0m/s
なお、本願では粗化処理におけるめっき液の線流速を従来よりも高くすること、めっき液温度を従来よりも高くすること、電流密度と粗化処理時間を所定の範囲とすることにより、粗化粒子の粒径や長さのバラツキが従来よりも小さいキャリア付銅箔を製造することに成功した。この理由は明らかではないが、上記条件とすることによりCuイオンの物質移動速度が向上したことが一つの要因と考えられる。
前記液組成1に加えて、以下のAs成分及びW成分のいずれかまたは両方を添加する。
(選択的液組成2)
As:350〜2000mg/l
W(タングステン酸塩で添加):1〜10mg/l
さらに、粗化処理層上に、粗化粒子の脱落防止とピール強度向上のために硫酸・硫酸銅からなる電解浴でかぶせメッキ処理を行う。さらにこの上に、亜鉛、ニッケル、銅及びリンから選択した少なくとも一種以上の元素を含有する耐熱・防錆層を形成することができる。また、耐熱・防錆層上にクロメート処理層、さらにはクロメート処理層上にシランカップリング処理層を形成することができる。本発明と組み合わせるかぶせメッキ処理、耐熱・防錆処理、クロメート処理、シランカップリング剤としては、従来の耐熱・防錆層を使用することが可能である。
かぶせメッキ処理の処理条件は以下の通りである。ない、めっき液は、特に制限されるものではなく公知のめっき液を使用できる。具体例を以下に示す。
(液組成)
Cu:70〜100g/l(硫酸銅5水和物として添加)
2SO4:50〜150g/l
(液温)
50〜70℃
(電流条件)
電流密度:12〜37A/dm2(浴の限界電流密度以下であること)
めっき時間:2〜20秒
めっき液線流速:1.5〜3.0m/s
なお、本願ではかぶせメッキ処理におけるめっき液の線流速を従来よりも高くすること、めっき液温度を従来よりも高くすること、Cu濃度を従来よりも高くすること、電流密度と粗化処理時間を所定の範囲とすることにより、粗化粒子の粒径や長さのバラツキが従来よりも小さいキャリア付銅箔を製造することに成功した。この理由は明らかではないが、上記条件とすることによりCuイオンの物質移動速度が向上したことが一つの要因と考えられる。
粗化処理層の表面に設けられる耐熱・防錆層としては、特に制限されるものではなく、公知の処理を使用できる。
例えば粗化処理層の表面にニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体またはニッケル、コバルト、銅、亜鉛の群から選択される一種以上の元素を含む合金等で耐熱層または防錆層を形成しても良く、更にその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理を施してもよい。
さらにその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理を施してもよい。すなわち、粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成してもよい。
なお、上述の耐熱層、防錆層、クロメート処理層、シランカップリング処理層はそれぞれ複数の層で形成されてもよい(例えば2層以上、3層以上など)。
例えば、プリント配線板用銅箔に対して、従来使用されてきた耐熱層または防錆層として黄銅被覆層を使用することができる。具体例を以下に示す。
(液組成)
NaOH:40〜200g/l
NaCN:70〜250g/l
CuCN:50〜200g/l
Zn(CN)2:2〜100g/l
As23:0.01〜1g/l
(液温)
40〜90℃
(電流条件)
電流密度:1〜50A/dm2
めっき時間:1〜20秒
クロメート処理層は、電解クロメート処理層又は浸漬クロメート処理層を用いることができる。このクロメート処理層は、Cr量が25〜150μg/dm2であることが望ましい。Cr量が25μg/dm2未満では、防錆層効果が生じない可能性がある。また、Cr量が150μg/dm2を超えると効果が飽和してしまう可能性がある。また、クロメート処理層にはZn等のCr以外の元素が含まれても良い。クロメート処理層を形成するための条件の例を、以下に記載する。しかしながら、この条件に限定される必要はなく、すでに公知のクロメート処理はいずれも使用できる。この防錆処理は、耐酸性に影響を与える因子の一つであり、クロメート処理により耐酸性はより向上する。
(浸漬クロメート処理)
2Cr27:1〜5g/l、pH:2.5〜5.5、温度:25〜60℃、時間:0.5〜8秒
(電解クロム・亜鉛処理)
2Cr27(Na2Cr27或いはCrO3):2〜10g/l、ZnOH又はZnSO4・7H2O:0.05〜10g/l、pH:2.5〜5.5、浴温:20〜80℃、電流密度:0.05〜5A/dm2、時間:0.1〜10秒
本発明のキャリア付銅箔に使用するシランカップリング剤としては、通常銅箔に使用されている任意のシランカップリング剤を使用することができ、特に制限はない。例えば、シランカップリング剤処理としては、0.2%エポキシシラン水溶液を銅箔粗化面にスプレー後、乾燥させて行ってもよい。シランカップリング剤の選択は任意であるが、極薄銅層と積層する樹脂基材との親和性を考慮した選択が望ましい。
キャリア付銅箔は、極薄銅層上に形成された粗化処理層上に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層およびシランカップリング処理層からなる群のから選択された層を一つ以上備えても良い。また、前記粗化処理層上に樹脂層を備えてもよい。
また、前記粗化処理層上に、耐熱層、防錆層を備えてもよく、前記耐熱層、防錆層上にクロメート処理層を備えてもよく、前記クロメート処理層上にシランカップリング処理層を備えても良い。また、前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の上に樹脂層を備えてもよい。
前記樹脂層は接着剤であってもよく、接着用の半硬化状態(Bステージ状態)の絶縁樹脂層であってもよい。半硬化状態(Bステージ状態)とは、その表面に指で触れても粘着感はなく、該絶縁樹脂層を重ね合わせて保管することができ、更に加熱処理を受けると硬化反応が起こる状態のことを含む。
また、前記樹脂層はプライマーであってもよい。本発明において「プライマー」とは、無電解銅メッキ層と樹脂基材とを特別強固に接着させることができる樹脂層を示す。また、前記樹脂層がブロック共重合ポリイミド樹脂層またはブロック共重合ポリイミド樹脂とポリマレイミド化合物を含有する樹脂層であってもよい。
例えば、ブロック共重合ポリイミドは、下記に示す一般式(1):一般式(2)=3:2であり、数平均分子量:70000、重量平均分子量:150000である。
Figure 2014196576
また、例えばポリマレイミド化合物としてはビス(4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-H、ケイ・アイ化成)が挙げられる。
また前記樹脂層は熱硬化性樹脂を含んでもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。また、前記樹脂層は熱可塑性樹脂を含んでもよい。その種類は格別限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、多官能性シアン酸エステル化合物、マレイミド化合物、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂などを含む樹脂を好適なものとしてあげることができる。
前記樹脂層は公知の樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体(無機化合物及び/または有機化合物を含む誘電体、金属酸化物を含む誘電体等どのような誘電体を用いてもよい)、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等を含んでよい。また、前記樹脂層は例えば国際公開番号WO2008/004399号、国際公開番号WO2008/053878、国際公開番号WO2009/084533、特開平11−5828号、特開平11−140281号、特許第3184485号、国際公開番号WO97/02728、特許第3676375号、特開2000−43188号、特許第3612594号、特開2002−179772号、特開2002−359444号、特開2003−304068号、特許第3992225、特開2003−249739号、特許第4136509号、特開2004−82687号、特許第4025177号、特開2004−349654号、特許第4286060号、特開2005−262506号、特許第4570070号、特開2005−53218号、特許第3949676号、特許第4178415号、国際公開番号WO2004/005588、特開2006−257153号、特開2007−326923号、特開2008−111169号、特許第5024930号、国際公開番号WO2006/028207、特許第4828427号、特開2009−67029号、国際公開番号WO2006/134868、特許第5046927号、特開2009−173017号、国際公開番号WO2007/105635、特許第5180815号、国際公開番号WO2008/114858、国際公開番号WO2009/008471、特開2011−14727号、国際公開番号WO2009/001850、国際公開番号WO2009/145179、国際公開番号WO2011/068157、特開2013−19056号に記載されている物質(樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等)および/または樹脂層の形成方法、形成装置を用いて形成してもよい。
これらの樹脂を例えばメチルエチルケトン(MEK)、トルエンなどの溶剤に溶解して樹脂液とし、これを前記極薄銅層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいは前記クロメート処理層、あるいは前記シランカップリング処理層の上に、例えばロールコータ法などによって塗布し、ついで必要に応じて加熱乾燥して溶剤を除去しBステージ状態にする。乾燥には例えば熱風乾燥炉を用いればよく、乾燥温度は100〜250℃、好ましくは130〜200℃であればよい。
前記樹脂層を備えたキャリア付銅箔(樹脂付きキャリア付銅箔)は、その樹脂層を基材に重ね合わせたのち全体を熱圧着して該樹脂層を熱硬化せしめ、ついでキャリアを剥離して極薄銅層を表出せしめ(当然に表出するのは該極薄銅層の中間層側の表面である)、そこに所定の配線パターンを形成するという態様で使用される。
この樹脂付きキャリア付銅箔を使用すると、多層プリント配線基板の製造時におけるプリプレグ材の使用枚数を減らすことができる。しかも、樹脂層の厚みを層間絶縁が確保できるような厚みにしたり、プリプレグ材を全く使用していなくても銅張り積層板を製造することができる。またこのとき、基材の表面に絶縁樹脂をアンダーコートして表面の平滑性を更に改善することもできる。
なお、プリプレグ材を使用しない場合には、プリプレグ材の材料コストが節約され、また積層工程も簡略になるので経済的に有利となり、しかも、プリプレグ材の厚み分だけ製造される多層プリント配線基板の厚みは薄くなり、1層の厚みが100μm以下である極薄の多層プリント配線基板を製造することができるという利点がある。
この樹脂層の厚みは0.1〜80μmであることが好ましい。
樹脂層の厚みが0.1μmより薄くなると、接着力が低下し、プリプレグ材を介在させることなくこの樹脂付きキャリア付銅箔を内層材を備えた基材に積層したときに、内層材の回路との間の層間絶縁を確保することが困難になる場合がある。
一方、樹脂層の厚みを80μmより厚くすると、1回の塗布工程で目的厚みの樹脂層を形成することが困難となり、余分な材料費と工数がかかるため経済的に不利となる。更には、形成された樹脂層はその可撓性が劣るので、ハンドリング時にクラックなどが発生しやすくなり、また内層材との熱圧着時に過剰な樹脂流れが起こって円滑な積層が困難になる場合がある。
更に、この樹脂付きキャリア付銅箔のもう一つの製品形態としては、前記極薄銅層の粗化処理層上、あるいは粗化処理層上の前記耐熱層、防錆層、あるいは前記クロメート処理層、あるいは前記シランカップリング処理層の上に樹脂層で被覆し、半硬化状態とした後、ついでキャリアを剥離して、キャリアが存在しない樹脂付き銅箔の形で製造することも可能である。
<プリント配線板及び銅張積層板>
キャリア付銅箔を極薄銅層側から絶縁樹脂板に貼り付けて熱圧着させ、キャリアを剥がすことで銅張積層板を作製することができる。また、その後、極薄銅層部分をエッチングすることにより、プリント配線板の銅回路を形成することができる。ここで用いる絶縁樹脂板はプリント配線板に適用可能な特性を有するものであれば特に制限を受けないが、例えば、リジッドPWB用に紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂等を使用し、FPC用にポリエステルフィルムやポリイミドフィルム等を使用する事ができる。このようにして作製したプリント配線板、銅張積層板は、搭載部品の高密度実装が要求される各種電子部品に搭載することができる。
<プリント配線板の製造方法>
プリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを極薄銅層側が絶縁基板と対向するように積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、その後、セミアディティブ法、モディファイドセミアディティブ法、パートリーアディティブ法及びサブトラクティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含む。絶縁基板は内層回路入りのものとすることも可能である。
本発明において、セミアディティブ法とは、絶縁基板又は銅箔シード層上に薄い無電解めっきを行い、パターンを形成後、電気めっき及びエッチングを用いて導体パターンを形成する方法を指す。
従って、セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、前記めっきレジストを除去する工程、前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、を含む。
セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、前記極薄銅層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂の表面について無電解めっき層を設ける工程、前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、前記めっきレジストを除去する工程、前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄銅層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、を含む。
本発明において、モディファイドセミアディティブ法とは、絶縁層上に金属箔を積層し、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより回路形成部の銅厚付けを行った後、レジストを除去し、前記回路形成部以外の金属箔を(フラッシュ)エッチングで除去することにより、絶縁層上に回路を形成する方法を指す。
従って、モディファイドセミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層表面にめっきレジストを設ける工程、前記めっきレジストを設けた後に、電解めっきにより回路を形成する工程、前記めっきレジストを除去する工程、前記めっきレジストを除去することにより露出した極薄銅層をフラッシュエッチングにより除去する工程、を含む。
また、前記樹脂層上に回路を形成する工程が、前記樹脂層上に別のキャリア付銅箔を極薄銅層側から貼り合わせ、前記樹脂層に貼り合わせたキャリア付銅箔を用いて前記回路を形成する工程であってもよい。また、前記樹脂層上に貼り合わせる別のキャリア付銅箔が、本発明のキャリア付銅箔であってもよい。また、前記樹脂層上に回路を形成する工程が、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって行われてもよい。また、前記表面に回路を形成するキャリア付銅箔が、当該キャリア付銅箔のキャリアの表面に基板または樹脂層を有してもよい。
モディファイドセミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層の上にめっきレジストを設ける工程、前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、前記めっきレジストを除去する工程、前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄銅層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、を含む。
本発明において、パートリーアディティブ法とは、導体層を設けてなる基板、必要に応じてスルーホールやバイアホール用の孔を穿けてなる基板上に触媒核を付与し、エッチングして導体回路を形成し、必要に応じてソルダレジストまたはメッキレジストを設けた後に、前記導体回路上、スルーホールやバイアホールなどに無電解めっき処理によって厚付けを行うことにより、プリント配線板を製造する方法を指す。
従って、パートリーアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について触媒核を付与する工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層表面にエッチングレジストを設ける工程、前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、前記極薄銅層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、前記エッチングレジストを除去する工程、前記極薄銅層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して露出した前記絶縁基板表面に、ソルダレジストまたはメッキレジストを設ける工程、前記ソルダレジストまたはメッキレジストが設けられていない領域に無電解めっき層を設ける工程、を含む。
本発明において、サブトラクティブ法とは、銅張積層板上の銅箔の不要部分を、エッチングなどによって、選択的に除去して、導体パターンを形成する方法を指す。
従って、サブトラクティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、前記無電解めっき層の表面に、電解めっき層を設ける工程、前記電解めっき層または/および前記極薄銅層の表面にエッチングレジストを設ける工程、前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、前記極薄銅層および前記無電解めっき層および前記電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、前記エッチングレジストを除去する工程、を含む。
サブトラクティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、前記無電解めっき層の表面にマスクを形成する工程、マスクが形成されいない前記無電解めっき層の表面に電解めっき層を設ける工程、前記電解めっき層または/および前記極薄銅層の表面にエッチングレジストを設ける工程、前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、前記極薄銅層および前記無電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、前記エッチングレジストを除去する工程、を含む。
スルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、及びその後のデスミア工程は行わなくてもよい。
ここで、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例を詳細に説明する。
工程1:まず、表面に粗化処理層が形成された極薄銅層を有するキャリア付銅箔(1層目)を準備する。
工程2:次に、極薄銅層の粗化処理層上にレジストを塗布し、露光・現像を行い、レジストを所定の形状にエッチングする。
工程3:次に、回路用のメッキを形成した後、レジストを除去することで、所定の形状の回路メッキを形成する。
工程4:次に、回路メッキを覆うように(回路メッキが埋没するように)極薄銅層上に埋め込み樹脂を設けて樹脂層を積層し、続いて別のキャリア付銅箔(2層目)を極薄銅層側から接着させる。
工程5:次に、2層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。なお、2層目にはキャリアを有さない銅箔を用いてもよい。
工程6:次に、2層目の極薄銅層または銅箔および樹脂層の所定位置にレーザー穴あけを行い、回路メッキを露出させてブラインドビアを形成する。
工程7:次に、ブラインドビアに銅を埋め込みビアフィルを形成する。
工程8:次に、ビアフィル上に、上記工程2及び3のようにして回路メッキを形成する。
工程9:次に、1層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。
工程10:次に、フラッシュエッチングにより両表面の極薄銅層(2層目に銅箔を設けた場合には銅箔)を除去し、樹脂層内の回路メッキの表面を露出させる。
工程11:次に、樹脂層内の回路メッキ上にバンプを形成し、当該はんだ上に銅ピラーを形成する。このようにして本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板を作製する。
上記別のキャリア付銅箔(2層目)は、本発明のキャリア付銅箔を用いてもよく、従来のキャリア付銅箔を用いてもよく、さらに通常の銅箔を用いてもよい。また、工程8における2層目の回路上に、さらに回路を1層或いは複数層形成してもよく、それらの回路形成をセミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって行ってもよい。
上述のようなプリント配線板の製造方法によれば、回路メッキが樹脂層に埋め込まれた構成となっているため、例えば工程10のようなフラッシュエッチングによる極薄銅層の除去の際に、回路メッキが樹脂層によって保護され、その形状が保たれ、これにより微細回路の形成が容易となる。また、回路メッキが樹脂層によって保護されるため、耐マイグレーション性が向上し、回路の配線の導通が良好に抑制される。このため、微細回路の形成が容易となる。また、工程10及び工程11に示すようにフラッシュエッチングによって極薄銅層を除去したとき、回路メッキの露出面が樹脂層から凹んだ形状となるため、当該回路メッキ上にバンプが、さらにその上に銅ピラーがそれぞれ形成しやすくなり、製造効率が向上する。
なお、埋め込み樹脂(レジン)には公知の樹脂、プリプレグを用いることができる。例えば、BT(ビスマレイミドトリアジン)レジンやBTレジンを含浸させたガラス布であるプリプレグ、味の素ファインテクノ株式会社製ABFフィルムやABFを用いることができる。また、前記埋め込み樹脂(レジン)には本明細書に記載の樹脂層および/または樹脂および/またはプリプレグを使用することができる。
また、前記一層目に用いられるキャリア付銅箔は、当該キャリア付銅箔の表面に基板または樹脂層を有してもよい。当該基板または樹脂層を有することで一層目に用いられるキャリア付銅箔は支持され、しわが入りにくくなるため、生産性が向上するという利点がある。なお、前記基板または樹脂層には、前記一層目に用いられるキャリア付銅箔を支持する効果するものであれば、全ての基板または樹脂層を用いることが出来る。例えば前記基板または樹脂層として本願明細書に記載のキャリア、プリプレグ、樹脂層や公知のキャリア、プリプレグ、樹脂層、金属板、金属箔、無機化合物の板、無機化合物の箔、有機化合物の板、有機化合物の箔を用いることができる。
更に、プリント配線板に電子部品類を搭載することで、プリント回路板が完成する。本発明において、「プリント配線板」にはこのように電子部品類が搭載されたプリント配線板およびプリント回路板およびプリント基板も含まれることとする。
また、当該プリント配線板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント回路板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント基板を用いて電子機器を作製してもよい。
次に、実施例及び比較例について説明する。なお、本実施例は好適な一例を示すもので、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。したがって、本発明の技術思想に含まれる変形、他の実施例又は態様は、全て本発明に含まれる。
1.キャリア付銅箔の作製
キャリアとして、厚さ35μmの長尺の電解銅箔(JX日鉱日石金属社製JTC)を用意した。この銅箔のシャイニー面に対して、以下の条件でロール・トウ・ロール型の連続めっきラインで電気めっきすることにより、4000μm/dm2の付着量のNi層を形成した。
・Niめっき
硫酸ニッケル:250〜300g/l
塩化ニッケル:35〜45g/l
酢酸ニッケル:10〜20g/l
ホウ酸:15〜30g/l
光沢剤:サッカリン、ブチンジオール等
ドデシル硫酸ナトリウム:30〜100ppm
pH:4〜6
浴温:50〜70℃
電流密度:3〜15A/dm2
水洗及び酸洗後、引き続き、ロール・トウ・ロール型の連続めっきライン上で、Ni層の上に11μg/dm2の付着量のCr層を以下の条件で電解クロメート処理することにより付着させた。
・電解クロメート処理
液組成:重クロム酸カリウム1〜10g/l、亜鉛0〜5g/l
pH:3〜4
液温:50〜60℃
電流密度:0.1〜2.6A/dm2
クーロン量:0.5〜30As/dm2
引き続き、ロール・トウ・ロール型の連続めっきライン上で、Cr層の上に厚み1〜12μmの極薄銅層を以下の条件で電気めっきすることにより形成し、キャリア付銅箔を製造した。
・極薄銅層
銅濃度:30〜120g/l
2SO4濃度:20〜120g/l
電解液温度:20〜80℃
電流密度:10〜100A/dm2
上記方法により得られたキャリア付銅箔の極薄銅層表面に対し、粗化処理等の表面処理として、表1〜2に示す液組成及びめっき条件にて、第1めっき及び第2めっきを行った。なお、実施例1〜10、比較例1〜3については粗化処理層の表面に以下の処理を記載の順に行った。
・防錆処理
Zn:0を超え〜20g/L
Ni:0を超え〜5g/L
pH:2.5〜4.5
液温:30〜50℃
電流密度Dk :0を超え〜1.7A/dm2
時間:1秒
Zn付着量:5〜250μg/dm2
Ni付着量:5〜300μg/dm2
・クロメート処理
2Cr27
(Na2Cr27或いはCrO3):2〜10g/L
NaOH或いはKOH:10〜50g/L
ZnO或いはZnSO4・7H2O:0.05〜10g/L
pH:7〜13
浴温:20〜80℃
電流密度 0.05〜5A/dm2
時間:5〜30秒
Cr付着量:10〜150μg/dm2
・シランカップリング処理
ビニルトリエトキシシラン水溶液
(ビニルトリエトキシシラン濃度:0.1〜1.4wt%)
pH:4〜5
浴温:25〜60℃
浸漬時間:5〜30秒
なお、実施例11〜16、比較例4〜7については粗化処理層の表面に以下の処理を記載の順に行った。
・防錆処理
(液組成)
NaOH:40〜200g/L
NaCN:70〜250g/L
CuCN:50〜200g/L
Zn(CN)2:2〜100g/L
As23:0.01〜1g/L
(液温)
40〜90℃
(電流条件)
電流密度:1〜50A/dm2
めっき時間:1〜20秒
・クロメート処理
2Cr27(Na2Cr27或いはCrO3):2〜10g/L
NaOH又はKOH:10〜50g/L
ZnOH又はZnSO4・7H2O:0.05〜10g/L
pH:7〜13
浴温:20〜80℃
電流密度:0.05〜5A/dm2
時間:5〜30秒
・シランカップリング処理
0.1vol%〜0.3vol%の3‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン水溶液をスプレー塗布した後、100〜200℃の空気中で0.1〜10秒間乾燥・加熱する。
なお、実施例17〜23、比較例8〜12については粗化処理層の表面に以下の処理を記載の順に行った。
・防錆処理
液組成:ニッケル5〜20g/L、コバルト1〜8g/L
pH:2〜3
液温:40〜60℃
電流密度:5〜20A/dm2
クーロン量:10〜20As/dm2
・クロメート処理
液組成:重クロム酸カリウム1〜10g/L、亜鉛0〜5g/L
pH:3〜4
液温:50〜60℃
電流密度:0〜2A/dm2(浸漬クロメート処理のため無電解での実施も可能)
クーロン量:0〜2As/dm2(浸漬クロメート処理のため無電解での実施も可能)
・シランカップリング処理
ジアミノシラン水溶液の塗布(ジアミノシラン濃度:0.1〜0.5wt%)
2.キャリア付銅箔の各種評価
上記のようにして得られたキャリア付銅箔について、以下の方法で各種の評価を実施した。処理条件及び評価結果を表1〜4に示す。
<表面粗さRz>
株式会社小阪研究所製接触粗さ計SP−11を使用してJIS B0601−1994に準拠して十点平均粗さを粗化処理層を有するキャリア付銅箔の表面について任意の5箇所測定し、その算術平均値を表面粗さRzとした。なお、耐熱層、防錆層、クロメート処理層、シランカップリング処理層を有するキャリア付銅箔についてはシランカップリング処理層を設けたのちの粗化処理層を有する表面について表面粗さRzを測定した。
<粗化粒子の平均直径及び平均長さ>
粗化処理層断面において、任意に5視野(長さ(図2の横方向においての長さ)15μm)選択し、SII社製高性能集束イオンビーム装置(SMI3050)を用いて、FIB-SIM写真を撮影し、各粗化粒子の写真の横方向(銅箔表面と平行方向)と平行に直線を引いた場合に(図2に参考例を示す)、各粒子(粗化粒子)を横切る最大長さを、各粒子の直径とした。そして、各視野における粒子の直径の平均値を求め、当該平均値を各視野における粗化粒子の平均直径とした。また、写真の縦方向(板厚方向と平行の方向)と平行に直線を引いた場合に、各粒子を横切る最大長さを、各粒子の長さとした。そして、各視野における粒子の長さの平均値を求め、当該平均値を各視野における粗化粒子の平均長さとした。各視野における粗化粒子の平均直径及び平均長さをそれぞれ測定した。続いて、各視野における平均直径及び平均長さの合計を5(視野の数)で割ることで、粗化粒子の平均直径の平均値及び平均長さの平均値をそれぞれ算出した。また、5視野の中で最も大きい粗化粒子の平均直径を粗化粒子の平均直径の最大値とした。5視野の中で最も小さい粗化粒子の平均直径を粗化粒子の平均直径の最小値とした。また、5視野の中で最も大きい粗化粒子の長さを粗化粒子の平均長さの最大値とした。5視野の中で最も小さい粗化粒子の平均直径を粗化粒子の平均直径の最小値とした。また、これらの測定値から、粗化粒子の平均直径の最大値と最小値とを求め、それらの差を平均直径の平均値で除した値Aを求めた。また、各視野において粗化粒子の平均長さと粗化粒子の平均直径との比を求めた。5視野の中で、粗化粒子の平均長さと粗化粒子の平均直径との比の最も大きい値を、粗化粒子の平均長さと粗化粒子の平均直径との比の最大値とした。また、5視野の中で、粗化粒子の平均長さと粗化粒子の平均直径との比の最も小さい値を、粗化粒子の平均長さと粗化粒子の平均直径との比の最小値とした。そして、各視野の粗化粒子の平均長さと粗化粒子の平均直径との比を合計した値を5で割った値(粗化粒子の平均長さと粗化粒子の平均直径との比の平均値)Bを求めた。また、粗化粒子の平均長さの最大値と最小値との差を粗化粒子の平均長さの平均値で除した値Cを求めた。また、粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径の比の最大値と当該比の最小値との差を、前記粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径との比の平均値Bで除した値Dを求めた。
<穴の面積の総和>
実施例および比較例のキャリア付銅箔を用い、樹脂に三菱ガス化学株式会社製GHPL-830MBTを用いて、銅箔の粗化処理されている面側に樹脂を積層した。樹脂を積層した銅層をエッチングにより除去した樹脂(レプリカ)表面の任意の5視野(1視野の面積を縦15μm×横15μm=225μm2とした。)についてSEM写真を撮影した。そして、各視野毎にキャリア付銅箔の粗化処理されている面が転写された凹凸を有する樹脂表面の穴の占める面積率の総和(%)(=1つの視野における穴の面積の総和(μm2)/一つの視野の観察視野の面積(μm2)×100)を算出した。そして、5視野における樹脂表面の穴の占める面積率の総和の最大の値を、穴の占める面積の総和の最大値とした。また、5視野における樹脂表面の穴の占める面積率の総和の最小の値を穴の占める面積の総和の最小値、5視野の樹脂表面の穴の占める面積率の算術平均値を樹脂表面の穴の占める面積の総和の平均値とした。また、穴の占める面積の総和の最大値と穴の占める面積の総和の最小値との差を穴の占める面積の総和の平均値で除した値Eを算出した。そして、樹脂表面の穴の占める面積の総和の平均値が20%以上の場合、良好であるとした。また、穴の占める面積の総和の最大値と穴の占める面積の総和の最小値との差を穴の占める面積の総和の平均値で除した値Eが0.6以下の場合、良好であると判断した。図3に当該樹脂表面の外観写真の例を示す。
<剥離強度>
キャリア付銅箔の極薄銅層側を絶縁基板(三菱ガス化学株式会社製 BT(Bismaleimide−Triazine)レジン)上に貼り合わせて、大気中、20kgf/cm2、220℃×2時間の条件下で圧着を行った後、キャリアを剥がし、極薄銅層表面に銅メッキを行い、極薄銅層と銅メッキの合計厚みを15μmとした。剥離強度は、ロードセルにてBTレジン側を引っ張り、90°剥離法(JIS C 6471 8.1)に準拠して測定した。なお、剥離強度は各実施例、各比較例について5サンプル測定した。そして、各実施例、各比較例について5サンプルについて、剥離強度の最大値、最小値、平均値を求めた。そして、各実施例、各比較例について剥離強度の最大値と最小値の差を剥離強度の平均値で除した値も算出した。なお、剥離強度測定時の回路幅は10mmとした。なお、剥離強度は0.5kN/m以上であれば良好とした。剥離強度の最大値と最小値の差を剥離強度の平均値で除した値が0.4以下であれば良好とした。
<エッチング性>
キャリア付銅箔をポリイミド基板に貼り付けて220℃で2時間加熱圧着し、その後、極薄銅層をキャリアから剥がした。続いて、ポリイミド基板上の極薄銅層表面に、感光性レジストを塗布した後、露光工程により50本のL/S=5μm/5μm幅の回路を印刷し、銅層の不要部分を除去するエッチング処理を以下のスプレーエッチング条件にて行った。
(スプレーエッチング条件)
エッチング液:塩化第二鉄水溶液(ボーメ度:40度)
液温:60℃
スプレー圧:2.0MPa
エッチングを続け、回路トップ幅が4μmになるまでの時間を測定し、さらにそのときの回路ボトム幅(底辺Xの長さ)及びエッチングファクターを評価した。エッチングファクターは、末広がりにエッチングされた場合(ダレが発生した場合)、回路が垂直にエッチングされたと仮定した場合の、銅箔上面からの垂線と樹脂基板との交点からのダレの長さの距離をaとした場合において、このaと銅箔の厚さbとの比:b/aを示すものであり、この数値が大きいほど、傾斜角は大きくなり、エッチング残渣が残らず、ダレが小さくなることを意味する。図4に、回路パターンの幅方向の横断面の模式図と、該模式図を用いたエッチングファクターの計算方法の概略とを示す。回路ボトム幅Xは回路上方からのSEM観察により測定し、エッチングファクター(EF=b/a)を算出した。b(μm)は極薄銅層の厚み(μm)とした。なお、a=(X(μm)−4(μm))/2で計算した。エッチングファクターは回路中の12点を測定し、平均値をとったものを示す。これにより、エッチング性の良否を簡単に判定できる。また、12点のエッチングファクターの標準偏差も算出することで、エッチングにより形成した回路の直線性の良し悪しを判定することができる。
本発明では、エッチングファクターが5以上をエッチング性:○、2.5以上5未満をエッチング性:△、2.5未満或いは算出不可または回路形成不可をエッチング性:×、剥離不可をエッチング性:−と評価した。また、エッチングファクターの標準偏差は小さいほど回路の直線性が良好であると云える。エッチングファクターの標準偏差が0.5未満を直線性:○、0.5〜1.0未満を直線性:△、1.0以上を直線性:×と判断した。
Figure 2014196576
Figure 2014196576
Figure 2014196576
Figure 2014196576
(評価結果)
実施例1〜29はいずれも、極薄銅層の表面に、平均直径の平均値が0.05〜1.3μm、平均長さの平均値が0.3〜3.0μmであり、平均直径の最大値と最小値との差を前記平均直径の平均値で除した値A{A=粗化粒子の平均直径の最大値と最小値との差(μm)/粗化粒子の平均直径の平均値(μm)}が0.6以下である粗化粒子からなる粗化処理層が形成されており、エッチング性及び剥離強度が良好であった。
比較例1〜12、14、17はいずれも値Aが0.6超であり、エッチング性が不良であった。
比較例13、15、16はいずれも平均直径の平均値が1.3μm超であり、エッチング性が不良であった。

Claims (30)

  1. キャリア、中間層、極薄銅層および粗化処理層をこの順に備えたキャリア付銅箔であって、
    前記粗化処理層は、平均直径の平均値が0.05〜1.3μm、平均長さの平均値が0.3〜3.0μmであり、前記平均直径の最大値と最小値との差を前記平均直径の平均値で除した値A{A=粗化粒子の平均直径の最大値と最小値との差(μm)/粗化粒子の平均直径の平均値(μm)}が0.6以下である粗化粒子からなる粗化処理層であるキャリア付銅箔。
  2. 前記粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径との比の平均値Bが1.4以上である請求項1に記載のキャリア付銅箔。
  3. 前記粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径との比の平均値Bが20以下である請求項1又は2に記載のキャリア付銅箔。
  4. 前記粗化粒子の平均長さの最大値と最小値との差を前記粗化粒子の平均長さの平均値で除した値C{C=粗化粒子の平均長さの最大値と最小値との差(μm)/粗化粒子の平均長さの平均値(μm)}が0.5以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  5. 前記粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径の比の最大値と最小値との差を、前記粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径との比の平均値Bで除した値D{D=粗化粒子の平均長さと前記粗化粒子の平均直径の比の最大値と前記比の最小値との差/B}が0.4以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  6. 前記粗化処理層上に樹脂層を備える請求項1〜5のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  7. 前記粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  8. 前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の上に樹脂層を備える請求項7に記載のキャリア付銅箔。
  9. 前記樹脂層が接着用樹脂である請求項6又は8に記載のキャリア付銅箔。
  10. 前記樹脂層がプライマーである請求項9に記載のキャリア付銅箔。
  11. 前記樹脂層が半硬化状態の樹脂である請求項6、8〜10のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  12. 前記樹脂層がブロック共重合ポリイミド樹脂層またはブロック共重合ポリイミド樹脂とポリマレイミド化合物を含有する樹脂層である請求項6、8〜11のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  13. キャリア、中間層、極薄銅層および粗化処理層をこの順に備えたキャリア付銅箔であって、
    前記粗化処理層上に樹脂層を積層した後、前記キャリアおよび前記中間層を前記極薄銅層から剥離し、その後前記極薄銅層をエッチングにより除去した場合に、前記粗化処理層上に積層した樹脂層の前記粗化処理層上に積層された側の表面において、前記粗化処理層の表面の凹凸が転写された凹凸を有する樹脂層表面の穴の占める面積の総和の平均値が20%以上であり、穴の占める面積の総和の最大値と穴の占める面積の総和の最小値との差を穴の占める面積の総和の平均値で除した値Eが0.6以下であるキャリア付銅箔。
  14. 前記粗化処理層上に樹脂層を積層した後、前記キャリアおよび前記中間層を前記極薄銅層から剥離し、その後前記極薄銅層をエッチングにより除去した場合に、前記粗化処理層上に積層した樹脂層の前記粗化処理層上に積層された側の表面において、前記粗化処理層の表面の凹凸が転写された凹凸を有する樹脂層表面の穴の占める面積の総和の平均値が20%以上であり、穴の占める面積の総和の最大値と穴の占める面積の総和の最小値との差を穴の占める面積の総和の平均値で除した値Eが0.6以下である請求項1〜12のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  15. 前記粗化処理層を有する面の表面の十点平均粗さRzが0.15μm以上3.0μm以下である請求項1〜14のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  16. 前記キャリアの両方の面に、前記中間層、前記極薄銅層および前記粗化処理層をこの順に備える請求項1〜15のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  17. 前記キャリアの一方の面に、前記中間層、前記極薄銅層および前記粗化処理層をこの順に備え、かつ、前記キャリアの他方の面に粗化処理層を有する請求項1〜15のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  18. 請求項13〜17のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の前記粗化処理層の表面の凹凸が転写された凹凸を有する樹脂層表面の穴の占める面積の総和の平均値が20%以上であり、穴の占める面積の総和の最大値と穴の占める面積の総和の最小値との差を穴の占める面積の総和の平均値で除した値Eが0.6以下である樹脂層。
  19. キャリア、中間層、極薄銅層および粗化処理層をこの順に備えたキャリア付銅箔であって、
    前記粗化処理層上に樹脂層を積層した後、前記キャリアおよび前記中間層を前記極薄銅層から剥離し、その後前記極薄銅層をエッチングにより除去した場合に、前記粗化処理層の表面の凹凸が転写された凹凸を有する樹脂層表面の穴の占める面積の総和の平均値が20%以上であり、穴の占める面積の総和の最大値と穴の占める面積の総和の最小値との差を穴の占める面積の総和の平均値で除した値Eが0.6以下である樹脂層。
  20. 請求項1〜17のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔、又は、請求項18又は19に記載の樹脂層を用いて製造したプリント配線板。
  21. 請求項20に記載のプリント配線板を用いた電子機器。
  22. 請求項1〜17のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔、又は、請求項18又は19に記載の樹脂層を用いて製造した銅張積層板。
  23. キャリア、中間層、極薄銅層および粗化処理層をこの順に備えたキャリア付銅箔の製造方法であって、
    前記極薄銅層の表面に、タングステンイオン及び/又はヒ素イオンと、アルキルサルフェート系陰イオン界面活性剤とを含有する硫酸及び硫酸銅からなる電解浴を用いて銅の粗化粒子からなる粗化処理層を形成するキャリア付銅箔の製造方法。
  24. 前記電解浴は、前記界面活性剤を2〜100mg/l含有する請求項23に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
  25. 前記粗化処理層上に、硫酸及び硫酸銅からなる電解浴を用いてかぶせメッキ処理層を形成する請求項23又は24に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
  26. 前記かぶせメッキ処理層上に、亜鉛、ニッケル、銅及びリンから選択した少なくとも一種類以上の元素を含有する耐熱及び/又は防錆層を形成する請求項25に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
  27. 前記耐熱及び/又は防錆層上にクロメート処理層を形成する請求項26に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
  28. 前記クロメート処理層上にシランカップリング処理層を形成する請求項27に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
  29. 請求項1〜17のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
    前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、
    前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、
    その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法。
  30. 請求項1〜17のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に回路を形成する工程、
    前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に樹脂層を形成する工程、
    前記樹脂層上に回路を形成する工程、
    前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアを剥離させる工程、及び、
    前記キャリアを剥離させた後に、前記極薄銅層を除去することで、前記極薄銅層側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
    を含むプリント配線板の製造方法。
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