JP6425401B2 - 高周波回路用銅箔、高周波回路用銅張積層板、高周波回路用プリント配線板、高周波回路用キャリア付銅箔、電子機器、及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents
高周波回路用銅箔、高周波回路用銅張積層板、高周波回路用プリント配線板、高周波回路用キャリア付銅箔、電子機器、及びプリント配線板の製造方法 Download PDFInfo
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Description
(A)Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層、及び、
(B)クロメート層
のいずれか一方、又は、両方が形成されている。
(A)Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層、及び、
(B)クロメート層
のいずれか一方、又は、両方と、
シランカップリング層と
がこの順で形成されている。
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、
その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法である。
前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に樹脂層を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアを剥離させる工程、及び、
前記キャリアを剥離させた後に、前記極薄銅層を除去することで、前記極薄銅層側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
を含むプリント配線板の製造方法である。
銅箔基材の材料としてはプリント配線板の導体パターンとして通常使用されるタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。なお、本明細書において用語「銅箔」を単独で用いたときには銅合金箔も含むものとする。
なお、銅箔基材の板厚は特に限定する必要は無いが、例えば1〜1000μm、あるいは1〜500μm、あるいは1〜300μm、あるいは3〜100μm、あるいは5〜70μm、あるいは6〜35μm、あるいは9〜18μmである。
また、本発明は別の側面において、キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、前記極薄銅層が本発明の高周波回路用銅箔であるキャリア付銅箔である。すなわち、本発明には別の側面においてキャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔を銅箔基材として用いることができる。本発明においてキャリア付銅箔を使用する場合、極薄銅層表面に以下の粗化処理層等の表面処理層を設ける。なお、キャリア付銅箔の別の実施の形態については後述する。
本発明においては、こうした前処理及び仕上げ処理をも含め、銅箔粗化と関連する公知の処理を必要に応じて含め、「粗化処理」と云っている。
このような高電流密度で処理された場合には、初期電着における粒子の核生成が抑制されるため、粒子先端に新たな粒子の核が形成されるため、次第に樹枝状に、細く長く粒子が成長することになる。
したがって、これを防止するために、電流密度を下げて電気メッキすると、鋭い立ち上がりがなくなり、粒子が増加し、丸みを帯びた形状の粒子が成長する。このような状況下においても、粉落ちはやや改善されるが、十分なピール強度が得られず、本発明の目的を達成するためには十分でない。
これによって、処理中の「こすれ」による剥離、剥離粉によるロールの汚れ、剥離粉によるエッチング残渣が無くなり、すなわち粉落ちと言われる現象と処理ムラを抑制することができ、ピール強度を高め、かつ耐熱性を向上させることのできる銅箔を得ることができる。
このようにして形成された一次粒子層及び二次粒子層の接着強度0.80kg/cm以上、さらには接着強度0.90kg/cm以上を達成することができる。
このような表面積比の制限と調整については、銅箔の粗化処理面が個々の粗化粒子の集合体である粒子層から形成されており、粒子層を粒子の成長制御よりもマクロな範囲で制御することで、ゆらぎの無い、すなわち安定したピール強度の向上と安定した粉落ち現象を防止できる効果を有する。また、個々の粗化粒子サイズを制御しても、微細な粗化粒子が高さ方向に積み重なってしまった場合は粉落ちが発生してしまう。よって三次元的な粗化粒子構成となる表面積比の制限と調整が重要となる。
レーザー顕微鏡による測定法は、株式会社キーエンス製レーザーマイクロスコープVK8500を用いて粗化処理面の100×100μm相当面積、実データでは9924.4μm2における範囲の三次元表面積を測定して、三次元表面積÷二次元表面積=表面積比とする手法により設定を行う。
(A)Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層、及び、(B)クロメート層のいずれか一方、又は、両方が形成されていてもよい。
また、二次粒子層上に、(A)Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層、及び、(B)クロメート層のいずれか一方、又は、両方と、シランカップリング層とがこの順で形成されていてもよい。
さらに、二次粒子層上に、Ni−Zn合金層、及び、クロメート層のいずれか一方、又は、両方が形成されていてもよい。
さらに、二次粒子層上に、Ni−Zn合金層、及び、クロメート層のいずれか一方、又は、両方と、シランカップリング層とがこの順で形成されていてもよい。
このような構成によれば、ピール強度を維持したまま、高周波伝送特性を向上させることが可能である。
伝送損失が小さい場合、高周波で信号伝送を行う際の、信号の減衰が抑制されるため、高周波で信号の伝送を行う回路において、安定した信号の伝送を行うことができる。そのため、伝送損失の値が小さい方が、高周波で信号の伝送を行う回路用途に用いることに適するため好ましい。表面処理銅箔を、市販の液晶ポリマー樹脂(株式会社クラレ製Vecstar CTZ−50μm)と貼り合わせた後、エッチングで特性インピーダンスが50Ωのとなるようマイクロストリップ線路を形成し、HP社製のネットワークアナライザーHP8720Cを用いて透過係数を測定し、周波数20GHzおよび周波数40GHzでの伝送損失を求めた場合に、周波数20GHzにおける伝送損失が、5.0dB/10cm未満が好ましく、4.1dB/10cm未満がより好ましく、3.7dB/10cm未満が更により好ましい。
なお、液晶ポリマー(LCP)フィルムやフッ素樹脂フィルムは誘電正接が小さいため、液晶ポリマー(LCP)フィルムやフッ素樹脂フィルムと本発明に係る表面処理銅箔とを用いた銅張積層板、プリント配線板、プリント回路板は高周波回路(高周波で信号の伝送を行う回路)用途に適する。また、本発明に係る表面処理銅箔は表面粗さRzが小さく、光沢度が高いため表面が平滑であり、高周波回路用途にも適する。
また、当該プリント配線板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント回路板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント基板を用いて電子機器を作製してもよい。
銅の一次粒子のメッキ条件の一例を挙げると、下記の通りである。
なお、このメッキ条件はあくまで好適な例を示すものであり、銅の一次粒子は銅箔上に形成される平均粒子径が粉落ち防止の役割を担うものである。したがって、平均粒子径が本発明の範囲に入るものであれば、下記に表示する以外のメッキ条件であることは何ら妨げるものではない。本発明はこれらを包含するものである。
液組成 :銅10〜20g/L、硫酸50〜100g/L
液温 :25〜50℃
電流密度 :1〜58A/dm2
クーロン量:4〜81As/dm2
なお、上記と同様に、このメッキ条件はあくまで好適な例を示すものであり、二次粒子は一次粒子の上に形成されるものであり、平均粒子径が粉落ち防止の役割を担うものである。したがって、平均粒子径が本発明の範囲に入るものであれば、下記に表示する以外のメッキ条件であることは何ら妨げるものではない。本発明はこれらを包含するものである。
液組成 :銅10〜20g/L、ニッケル5〜15g/L、コバルト5〜15g/L
pH :2〜3
液温 :30〜50℃
電流密度 :24〜50A/dm2
クーロン量:34〜48As/dm2
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :ニッケル5〜20g/L、コバルト1〜8g/L
pH :2〜3
液温 :40〜60℃
電流密度 :5〜20A/dm2
クーロン量:10〜20As/dm2
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :ニッケル2〜30g/L、亜鉛2〜30g/L
pH :3〜4
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :ニッケル2〜30g/L、銅2〜30g/L
pH :3〜4
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :硫酸Ni六水和物:45〜55g/dm3、モリブデン酸ナトリウム二水和物:50〜70g/dm3、クエン酸ナトリウム:80〜100g/dm3
液温 :20〜40℃
電流密度 :1〜4A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :ニッケル2〜30g/L、錫2〜30g/L
pH :1.5〜4.5
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :ニッケル30〜70g/L、リン0.2〜1.2g/L
pH :1.5〜2.5
液温 :30〜40℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :ニッケル2〜30g/L、W0.01〜5g/L
pH :3〜4
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
Ni:65〜85mass%、Cr:15〜35mass%の組成のスパッタリングターゲットを用いてニッケルクロム合金メッキ層を形成した。
ターゲット:Ni:65〜85mass%、Cr:15〜35mass%
装置:株式会社アルバック製のスパッタ装置
出力:DC50W
アルゴン圧力:0.2Pa
本発明は、さらに次の防錆層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。下記においては、浸漬クロメート処理の条件を示したが、電解クロメート処理でも良い。
液組成 :重クロム酸カリウム1〜10g/L、亜鉛0〜5g/L
pH :3〜4
液温 :50〜60℃
電流密度 :0〜2A/dm2(0A/dm2は浸漬クロメート処理の場合である。)
クーロン量:0〜2As/dm2(0As/dm2は浸漬クロメート処理の場合である。)
一例として、ジアミノシラン水溶液の塗布を挙げることができる。
なお、耐熱層等の金属層、メッキ層がスパッタリング等の乾式メッキにより設けられている場合、および、耐熱層等の金属層、メッキ層が湿式メッキにより設けられている場合であって、耐熱層等の金属層、メッキ層が正常メッキ(平滑メッキ、すなわち、限界電流密度未満の電流密度で行うメッキ)で有る場合、当該金属層、メッキ層は銅箔の表面の形状に影響を及ぼさない。
限界電流密度は、金属濃度、pH、給液速度、極間距離、メッキ液温度によって変化するが、本発明では正常メッキ(メッキされた金属が層状に析出している状態)と粗化メッキ(焼けメッキ、メッキされた金属が結晶状(球状や針状や樹氷状等)に析出している状態、凹凸がある。)との境界の電流密度を限界電流密度と定義し、ハルセル試験にて正常メッキとなる限界(焼けメッキとなる直前)の電流密度(目視判断)を限界電流密度とする。
具体的には、金属濃度、pH、メッキ液温度をメッキの製造条件に設定し、ハルセル試験を行う。そして、当該メッキ液組成、メッキ液温度における金属層形成状態(メッキされた金属が層状に析出しているか結晶状に形成しているか)を調査する。そして、株式会社山本鍍金試験器製の電流密度早見表に基づいて、テストピースの正常メッキと粗化メッキの境界が存在する箇所のテストピースの位置から、当該境界の位置における電流密度を求める。そして、当該境界の位置における電流密度を限界電流密度と規定する。これにより、当該メッキ液組成、メッキ液温度での限界電流密度が分かる。一般的には極間距離が短いと、限界電流密度が高くなる傾向にある。
ハルセル試験の方法は例えば「メッキ実務読本」 丸山 清 著 日刊工業新聞社 1983年6月30日の157ページから160ページに記載されている。
なお、限界電流密度未満でメッキ処理を行うために、メッキ処理の際の電流密度を20A/dm2以下とすることが好ましく、10A/dm2以下とすることが好ましく、8A/dm2以下とすることが好ましい。
また、クロメート層、シランカップリング層は、その厚みが極端に薄いため、銅箔の表面の形状に影響を及ぼさない。
Co付着量が100μg/dm2未満では、耐熱性が悪くなり、またエッチング性も悪くなる。Co付着量が3000μg/dm2を超えると、磁性の影響を考慮せねばならない場合には好ましくなく、エッチングシミが生じ、また、耐酸性及び耐薬品性の悪化が考慮され得る。
以上から、銅−コバルト−ニッケル合金メッキの付着量は、10〜30mg/dm2銅−100〜3000μg/dm2コバルト−50〜500μg/dm2ニッケルであることが望ましいと言える。この3元系合金層の各付着量はあくまで、望ましい条件であり、この量を超える範囲を否定するものではない。
一般に、回路を形成する場合には、下記の実施例の中で説明するようなアルカリ性エッチング液及び塩化銅系エッチング液を用いて行われる。このエッチング液及びエッチング条件は、汎用性のあるものであるが、この条件に限定されることはなく、任意に選択できることは理解されるべきことである。
このコバルト−ニッケル合金メッキ層は、コバルトの付着量が200〜3000μg/dm2であり、かつコバルトの比率が60〜66質量%とするのが望ましい。この処理は広い意味で一種の防錆処理とみることができる。
このコバルト−ニッケル合金メッキ層は、銅箔と基板の接着強度を実質的に低下させない程度に行なう必要がある。コバルト付着量が200μg/dm2未満では、耐熱剥離強度が低下し、耐酸化性及び耐薬品性が悪くなり、また処理表面が赤っぽくなってしまうので好ましくない。
また、コバルト付着量が3000μg/dm2を超えると、磁性の影響を考慮せねばならない場合には好ましくなく、エッチングシミが生じ、また、耐酸性及び耐薬品性の悪化が考慮される。好ましいコバルト付着量は400〜2500μg/dm2である。
後述するように、ソフトエッチングの染み込み発生の直接の大きな原因は、亜鉛−ニッケル合金メッキ層からなる耐熱防錆層であるが、コバルトもソフトエッチングの際の染み発生の原因になることもあるので、上記に調整することが、より望ましいとする条件である。
一方、ニッケル付着量が少ない場合には、耐熱剥離強度が低下し、耐酸化性及び耐薬品性が低下する。また、ニッケル付着量が多すぎる場合には、アルカリエッチング性が悪くなるので、上記コバルト含有量とのバランスで決めることが望ましい。
回路の製造工程で行われる処理が一段と高温となり、また製品となった後の機器使用中の熱発生がある。例えば、樹脂に銅箔を熱圧着で接合する、いわゆる二層材では、接合の際に300℃以上の熱を受ける。このような状況の中でも、銅箔と樹脂基材との間での接合力の低下を防止することが必要であり、この亜鉛−ニッケル合金メッキは有効である。
上記の通り、前記亜鉛−ニッケル合金メッキ層の総量を150〜500μg/dm2とすると共に、当該合金層中のニッケル比率の下限値を16質量%に、上限値を40質量%とし、かつニッケルの含有量を50μg/dm2以上とすることが、耐熱防錆層という役割を備えると共に、ソフトエッチングの際に使用するエッチング剤の染み込みを抑制し、腐食に回路の接合強度の弱体化を防止することができるという効果を有する。
また、合金層中のニッケル比率の下限値が16質量%未満では、ソフトエッチングの際の染み込み量が9μmを超えるので、好ましくない。ニッケル比率の上限値40質量%については、亜鉛−ニッケル合金メッキ層を形成できる技術上の限界値である。
コバルトの合計付着量が300μg/dm2未満では、耐熱性及び耐薬品性が低下し、コバルトの合計付着量が4000μg/dm2を超えると、エッチングシミが生じることがあり、また伝送損失が大きくなる場合がある。また、ニッケルの合計付着量が100μg/dm2未満では、耐熱性及び耐薬品性が低下する場合がある。ニッケルの合計付着量が1500μg/dm2を超えると、エッチング残が生じる場合があり、また、伝送損失が大きくなる場合がある。
好ましくは、コバルトの合計付着量は300〜3500μg/dm2、より好ましくは300〜3000μg/dm2、より好ましくは300〜2500μg/dm2、より好ましくは300〜2000μg/dm2であり、ニッケルの合計付着量は好ましくは100〜1000μg/dm2、より好ましくは100〜900μg/dm2である。上記の条件を満たせば、特にこの段落に記載する条件に制限される必要はない。
メッキ浴としては、代表的には、K2Cr2O7、Na2Cr2O7等の重クロム酸塩やCrO3等の少なくとも一種と、水溶性亜鉛塩、例えばZnO、ZnSO4・7H2Oなど少なくとも一種と、水酸化アルカリとの混合水溶液が用いられる。代表的なメッキ浴組成と電解条件例は次の通りである。
ソフトエッチング液には、H2SO4:10wt%、H2O2:2wt%の水溶液が使用できる。処理時間と温度は任意に調節できる。
アルカリエッチング液としては、例えば、NH4OH:6モル/リットル、NH4Cl:5モル/リットル、CuCl2:2モル/リットル(温度50℃)等の液が知られている。
処理面が黒に近い程、光の吸収が良いため、位置決めの精度が高くなる。更には、基板を作製する際、銅箔とフィルムとを熱を加えながらキュワリングして接着させることが多い。このとき、遠赤外線、赤外線等の長波を用いることにより加熱する場合、処理面の色調が黒い方が、加熱効率が良くなる。
塗布方法は、シランカップリング剤溶液のスプレーによる吹付け、コーターでの塗布、浸漬、流しかけ等いずれでもよい。例えば、特公昭60−15654号は、銅箔の粗面側にクロメート処理を施した後シランカップリング剤処理を行なうことによって銅箔と樹脂基板との接着力を改善することを記載している。詳細はこれを参照されたい。この後、必要なら、銅箔の延性を改善する目的で焼鈍処理を施すこともある。
本発明の別の実施の形態であるキャリア付銅箔は、キャリアの一方の面、又は、両方の面に、中間層、極薄銅層をこの順に有する。そして、前記極薄銅層が前述の本発明の一つの実施の形態である高周波回路用銅箔である。
本発明に用いることのできるキャリアは典型的には金属箔または樹脂フィルムであり、例えば銅箔、銅合金箔、ニッケル箔、ニッケル合金箔、鉄箔、鉄合金箔、ステンレス箔、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、絶縁樹脂フィルム(例えばポリイミドフィルム、液晶ポリマー(LCP)フィルム、ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、フッ素樹脂フィルム等)の形態で提供される。
本発明に用いることのできるキャリアとしては銅箔を使用することが好ましい。銅箔は電気伝導度が高いため、その後の中間層、極薄銅層の形成が容易となるからである。キャリアは典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で提供される。一般的には、電解銅箔は硫酸銅メッキ浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。銅箔の材料としてはタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。
なお、キャリアの極薄銅層を設ける側の表面とは反対側の表面に粗化処理層を設けてもよい。当該粗化処理層を公知の方法を用いて設けてもよく、上述の粗化処理により設けてもよい。キャリアの極薄銅層を設ける側の表面とは反対側の表面に粗化処理層を設けることは、キャリアを当該粗化処理層を有する表面側から樹脂基板などの支持体に積層する際、キャリアと樹脂基板が剥離しにくくなるという利点を有する。
キャリア上には中間層を設ける。キャリアと中間層との間に他の層を設けてもよい。本発明で用いる中間層は、キャリア付銅箔が絶縁基板への積層工程前にはキャリアから極薄銅層が剥離し難い一方で、絶縁基板への積層工程後にはキャリアから極薄銅層が剥離可能となるような構成であれば特に限定されない。例えば、本発明のキャリア付銅箔の中間層はCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Zn、これらの合金、これらの水和物、これらの酸化物、有機物からなる群から選択される一種又は二種以上を含んでも良い。また、中間層は複数の層であっても良い。
また、例えば、中間層はキャリア側からCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種の元素からなる単一金属層、或いは、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素からなる合金層を形成し、その上にCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素の水和物または酸化物、あるいは有機物からなる層、あるいはCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種の元素からなる単一金属層、或いは、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素からなる合金層を形成することで構成することができる。
また、例えば、中間層は、キャリア上に、ニッケル、ニッケル−リン合金又はニッケル−コバルト合金と、クロムとがこの順で積層されて構成することができる。ニッケルと銅との接着力はクロムと銅の接着力よりも高いので、極薄銅層を剥離する際に、極薄銅層とクロムとの界面で剥離するようになる。また、中間層のニッケルにはキャリアから銅成分が極薄銅層へと拡散していくのを防ぐバリア効果が期待される。中間層におけるニッケルの付着量は好ましくは100μg/dm2以上40000μg/dm2以下、より好ましくは100μg/dm2以上4000μg/dm2以下、より好ましくは100μg/dm2以上2500μg/dm2以下、より好ましくは100μg/dm2以上1000μg/dm2未満であり、中間層におけるクロムの付着量は5μg/dm2以上100μg/dm2以下であることが好ましい。
中間層の上には極薄銅層を設ける。中間層と極薄銅層との間には他の層を設けてもよい。極薄銅層は、硫酸銅、ピロリン酸銅、スルファミン酸銅、シアン化銅等の電解浴を利用した電気メッキにより形成することができ、一般的な電解銅箔で使用され、高電流密度での銅箔形成が可能であることから硫酸銅浴が好ましい。極薄銅層の厚みは特に制限はないが、一般的にはキャリアよりも薄く、例えば12μm以下である。典型的には0.5〜12μmであり、より典型的には1〜5μm、更に典型的には1.5〜5μm、更に典型的には2〜5μmである。なお、キャリアの両面に極薄銅層を設けてもよい。
本発明の高周波回路用銅箔(高周波回路用銅箔がキャリア付銅箔の極薄銅層である場合も含む)の二次粒子層の表面に樹脂層を形成してもよい。また、樹脂層は、それぞれ高周波回路用銅箔の二次粒子層上に形成された、Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層の表面に形成してもよく、クロメート層の表面に形成してもよく、シランカップリング層の表面に形成してもよく、Ni−Zn合金層の表面に形成してもよい。また、樹脂層は、高周波回路用銅箔の最表面に形成されているのがより好ましい。また、前記キャリア付銅箔は前記粗化処理層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいはクロメート(処理)層、あるいはシランカップリング(処理)層の上に樹脂層を備えても良い。前記樹脂層は絶縁樹脂層であってもよい。
また、前記樹脂層を備えたキャリア付銅箔(樹脂付きキャリア付銅箔)は、その樹脂層を基材に重ね合わせたのち全体を熱圧着して該樹脂層を熱硬化せしめ、ついでキャリアを剥離して極薄銅層を表出せしめ(当然に表出するのは該極薄銅層の中間層側の表面である)、そこに所定の配線パターンを形成するという態様で使用される。
まず、図5−Aに示すように、表面に粗化処理層が形成された極薄銅層を有するキャリア付銅箔(1層目)を準備する。
次に、図5−Bに示すように、極薄銅層の粗化処理層上にレジストを塗布し、露光・現像を行い、レジストを所定の形状にエッチングする。
次に、図5−Cに示すように、回路用のメッキを形成した後、レジストを除去することで、所定の形状の回路メッキを形成する。
次に、図6−Dに示すように、回路メッキを覆うように(回路メッキが埋没するように)極薄銅層上に埋め込み樹脂を設けて樹脂層を積層し、続いて別のキャリア付銅箔(2層目)を極薄銅層側から接着させる。
次に、図6−Eに示すように、2層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。
次に、図6−Fに示すように、樹脂層の所定位置にレーザー穴あけを行い、回路メッキを露出させてブラインドビアを形成する。
次に、図7−Gに示すように、ブラインドビアに銅を埋め込みビアフィルを形成する。
次に、図7−Hに示すように、ビアフィル上に、上記図5−B及び図5−Cのようにして回路メッキを形成する。
次に、図7−Iに示すように、1層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。
次に、図8−Jに示すように、フラッシュエッチングにより両表面の極薄銅層を除去し、樹脂層内の回路メッキの表面を露出させる。
次に、図8−Kに示すように、樹脂層内の回路メッキ上にバンプを形成し、当該はんだ上に銅ピラーを形成する。このようにして本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板を作製する。
また、実施例9〜12の原箔には以下の方法により製造したキャリア付銅箔を用いた。
実施例9〜11は、厚さ18μmの電解銅箔(JX日鉱日石金属製 JTC箔)をキャリアとして準備し、実施例12については上述の厚さ18μmの標準圧延銅箔TPCをキャリアとして準備した。そして下記条件で、キャリアの表面に中間層を形成し、中間層の表面に極薄銅層を形成した。なお、キャリアが電解銅箔の場合には光沢面(S面)に中間層を形成した。
<中間層>
(1)Ni層(Niメッキ)
キャリアに対して、以下の条件でロール・トウ・ロール型の連続メッキラインで電気メッキすることにより1000μg/dm2の付着量のNi層を形成した。具体的なメッキ条件を以下に記す。
硫酸ニッケル:270〜280g/L
塩化ニッケル:35〜45g/L
酢酸ニッケル:10〜20g/L
ホウ酸:30〜40g/L
光沢剤:サッカリン、ブチンジオール等
ドデシル硫酸ナトリウム:55〜75ppm
pH:4〜6
浴温:55〜65℃
電流密度:10A/dm2
(2)Cr層(電解クロメート処理)
次に、(1)にて形成したNi層表面を水洗及び酸洗後、引き続き、ロール・トウ・ロール型の連続メッキライン上でNi層の上に11μg/dm2の付着量のCr層を以下の条件で電解クロメート処理することにより付着させた。
重クロム酸カリウム1〜10g/L、亜鉛0g/L
pH:7〜10
液温:40〜60℃
電流密度:2A/dm2
<極薄銅層>
次に、(2)にて形成したCr層表面を水洗及び酸洗後、引き続き、ロール・トウ・ロール型の連続メッキライン上で、Cr層の上に厚み1.5μmの極薄銅層を以下の条件で電気メッキすることにより形成し、キャリア付銅箔を作製した。
銅濃度:90〜110g/L
硫酸濃度:90〜110g/L
塩化物イオン濃度:50〜90ppm
レベリング剤1(ビス(3スルホプロピル)ジスルフィド):10〜30ppm
レベリング剤2(アミン化合物):10〜30ppm
なお、レベリング剤2として下記のアミン化合物を用いた。
電解液温度:50〜80℃
電流密度:100A/dm2
電解液線速:1.5〜5m/sec
<中間層>
(1)Ni−Mo層(ニッケルモリブデン合金メッキ)
キャリアに対して、以下の条件でロール・トウ・ロール型の連続メッキラインで電気メッキすることにより3000μg/dm2の付着量のNi-Mo層を形成した。具体的なメッキ条件を以下に記す。
(液組成)硫酸Ni六水和物:50g/dm3、モリブデン酸ナトリウム二水和物:60g/dm3、クエン酸ナトリウム:90g/dm3
(液温)30℃
(電流密度)1〜4A/dm2
(通電時間)3〜25秒
<極薄銅層>
(1)で形成したNi-Mo層の上に極薄銅層を形成した。極薄銅層の厚みを2μmとした以外は実施例9と同様の条件で極薄銅層を形成した。
<中間層>
(1)Ni層(Niメッキ)
実施例9と同じ条件でNi層を形成した。
(2)有機物層(有機物層形成処理)
次に、(1)にて形成したNi層表面を水洗及び酸洗後、引き続き、下記の条件でNi層表面に対して濃度1〜30g/Lのカルボキシベンゾトリアゾール(CBTA)を含む、液温40℃、pH5の水溶液を、20〜120秒間シャワーリングして噴霧することにより有機物層を形成した。
<極薄銅層>
(2)で形成した有機物層の上に極薄銅層を形成した。極薄銅層の厚みを3μmとした以外は実施例9と同様の条件で極薄銅層を形成した。
<中間層>
(1)Co-Mo層(コバルトモリブデン合金メッキ)
キャリアに対して、以下の条件でロール・トウ・ロール型の連続メッキラインで電気メッキすることにより4000μg/dm2の付着量のCo-Mo層を形成した。具体的なメッキ条件を以下に記す。
(液組成)硫酸Co:50g/dm3、モリブデン酸ナトリウム二水和物:60g/dm3、クエン酸ナトリウム:90g/dm3
(液温)30℃
(電流密度)1〜4A/dm2
(通電時間)3〜25秒
<極薄銅層>
(1)で形成したCo-Mo層の上に極薄銅層を形成した。極薄銅層の厚みを実施例9は5μmとした以外は実施例9と同様の条件で極薄銅層を形成した。
圧延銅箔(実施例1〜8、13〜17)またはキャリア付銅箔の極薄銅層表面(実施例9〜12)に、下記に示す条件範囲で、一次粒子層(Cu)、二次粒子層(銅−コバルト−ニッケル合金メッキ)形成した。
使用した浴組成及びメッキ条件は、次の通りである。
(A)一次粒子層の形成(Cuメッキ)
液組成 :銅15g/L、硫酸75g/L
液温 :25〜30℃
電流密度 :1〜70A/dm2
クーロン量:2〜90As/dm2
(B)二次粒子層の形成(Cu−Co−Ni合金メッキ)
液組成 :銅15g/L、ニッケル8g/L、コバルト8g/L
pH :2
液温 :40℃
電流密度 :10〜50A/dm2
クーロン量:10〜80As/dm2
比較例において、使用した浴組成及びメッキ条件は、次の通りである。
[浴組成及びメッキ条件]
(A)一次粒子層の形成(銅メッキ)
液組成 :銅15g/L、硫酸75g/L
液温 :25〜35℃
電流密度 :1〜70A/dm2
クーロン量:2〜90As/dm2
(B)二次粒子層の形成(Cu−Co−Ni合金メッキ条件)
液組成 :銅15g/L、ニッケル8g/L、コバルト8g/L
pH :2
液温 :40℃
電流密度 :20〜50A/dm2
クーロン量:30〜80As/dm2
一次粒子層及び二次粒子層の形成後、一部の実施例及び比較例については、以下の条件による表面処理層を行った。
(実施例3、4、10、11、比較例1〜5)
・Co−Niメッキ:コバルトニッケル合金メッキ
液組成 :ニッケル5〜20g/L、コバルト1〜8g/L
pH :2〜3
液温 :40〜60℃
電流密度 :5〜20A/dm2
クーロン量:10〜20As/dm2
・Ni−Znメッキ:ニッケル亜鉛合金メッキ
液組成 :ニッケル2〜30g/L、亜鉛2〜30g/L
pH :3〜4
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
なお、実施例5及び12については、Ni−Znメッキ後に、電解クロメート処理並びにジアミノシランを用いたシランカップリング処理を行った。
・Ni‐Cuメッキ:ニッケル銅合金メッキ
液組成 :ニッケル2〜30g/L、銅2〜30g/L
pH :3〜4
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
・Ni−Moメッキ:ニッケルモリブデン合金メッキ
液組成 :硫酸Ni六水和物:45〜55g/dm3、モリブデン酸ナトリウム二水和物:50〜70g/dm3、クエン酸ナトリウム:80〜100g/dm3
液温 :20〜40℃
電流密度 :1〜4A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
なお、実施例13については、Ni−Moメッキ後に、電解クロメート処理を行った。
・Ni−Snメッキ:ニッケル錫合金メッキ
液組成 :ニッケル2〜30g/L、錫2〜30g/L
pH :1.5〜4.5
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
なお、実施例14については、Ni−Snメッキ後に、ジアミノシランを用いたシランカップリング処理を行った。
・Ni−Pメッキ:ニッケルリン合金メッキ
液組成 :ニッケル30〜70g/L、リン0.2〜1.2g/L
pH :1.5〜2.5
液温 :30〜40℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
・Ni−Wメッキ:ニッケルタングステン合金メッキ
液組成 :ニッケル2〜30g/L、W0.01〜5g/L
pH :3〜4
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
なお、実施例16については、Ni−Wメッキ後に、電解クロメート処理並びにジアミノシランを用いたシランカップリング処理を行った。
・Ni−Crメッキ:ニッケルクロム合金メッキ
Ni:80mass%、Cr:20mass%の組成のスパッタリングターゲットを用いてニッケルクロム合金メッキ層を形成した。
ターゲット:Ni:80mass%、Cr:20mass%
装置:株式会社アルバック製のスパッタ装置
出力:DC50W
アルゴン圧力:0.2Pa
粗化処理面の一次粒子および二次粒子の平均粒子径は、株式会社日立ハイテクノロジーズ製S4700(走査型電子顕微鏡)を用いて、30000倍の倍率で粒子観察および写真撮影を行い、得られた写真に基づいて各一次粒子および二次粒子についてそれぞれ粒子径を測定した。そして、当該得られた各一次粒子および二次粒子の粒子径の算術平均値を一次粒子の平均粒子径および二次粒子の平均粒子径の値とした。なお、走査型電子顕微鏡写真の粒子の上に直線を引いた場合に、粒子を横切る直線の長さが最も長い部分の粒子の長さをその粒子の粒径とした。なお測定視野の大きさは1視野当たり面積13.44μm2(=4.2μm×3.2μm)とし、1視野について測定した。なお、走査型電子顕微鏡写真で観察した際に、重なって見える粒子であって銅箔側(下方)に存在する粒子、および、重なっていない粒子を一次粒子とし、重なって見える粒子であって他の粒子の上に存在する粒子を二次粒子と判定した。粉落ち特性は銅箔の粗化処理面上に透明なメンディングテープを貼り付け、このテープを剥がした際にテープ粘着面に付着する脱落粗化粒子により、テープが変色する様子から粉落ち特性を評価した。すなわちテープの変色が無い、または僅かな場合は粉落ちOKとして、テープが灰色に変色する場合は粉落ちNGとした。常態ピール強度は銅箔粗化処理面と表1に記載の樹脂基板を熱プレスにて貼り合わせて銅張積層板を作製し、一般的な塩化銅回路エッチング液を使用して10mm回路を作製し、10mm回路銅箔を基板から剥いて、90°方向に引っ張りながら常態ピール強度を測定した。
18μm厚の各サンプルについて、表1に記載の樹脂基板(LCP:液晶ポリマー樹脂(株式会社クラレ製Vecstar CTZ−50μm)、ポリイミド:カネカ製 厚み50μm、フッ素樹脂 厚み50μm:デュポン製)と貼り合わせた後、エッチングで特性インピーダンスが50Ωのとなるようマイクロストリップ線路を形成し、HP社製のネットワークアナライザーHP8720Cを用いて透過係数を測定し、周波数20GHzおよび周波数40GHzでの伝送損失を求めた。なお、実施例9〜12については、キャリア付銅箔の極薄銅層側の表面を表1に記載の樹脂基板と貼り合わせた後、キャリアを剥離した後、銅メッキをして、極薄銅層と銅メッキとの合計厚みを18μmとした後に、上記と同様の伝送損失の測定を行った。周波数20GHzにおける伝送損失の評価として、3.7dB/10cm未満を◎、3.7dB/10cm以上且つ4.1dB/10cm未満を○、4.1dB/10cm以上且つ5.0dB/10cm未満を△、5.0dB/10cm以上を×とした。
なお、表1の一次粒子電流条件欄に電流条件、クーロン量が2つ記載されている例は、左に記載されている条件でメッキを行った後に、右に記載されている条件で更にメッキを行ったことを意味する。例えば、実施例1の一次粒子電流条件欄には「(65A/dm2、80As/dm2)+(20A/dm2、30As/dm2)」と記載されているが、これは一次粒子を形成する電流密度を65A/dm2、クーロン量を80As/dm2でメッキを行った後に、更に一次粒子を形成する電流密度を20A/dm2、クーロン量を30As/dm2としてメッキを行ったことを示す。
実施例1は、一次粒子を形成する電流密度を65A/dm2と20A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と30As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を28A/dm2とし、クーロン量を20As/dm2とした場合である。
なお、一次粒子を形成する電流密度とクーロン量が2段階になっているが、通常一次粒子を形成する場合には、2段階の電気メッキが必要となる。すなわち、第1段階の核粒子形成のメッキ条件と第2段階の核粒子の成長の電気メッキである。
最初のメッキ条件は、第1段階の核形成粒子形成のための電気メッキ条件であり、次のメッキ条件は、第2段階の核粒子の成長のための電気メッキ条件である。以下の実施例及び比較例についても同様なので、説明は省略する。
この結果、粉落ちが少なく、常態ピール強度が1.16kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
なお、耐熱劣化率は以下の式で求めた。
耐熱劣化率(%)=(常態ピール強度(kg/cm)−180℃48時間加熱後のピール強度(kg/cm))/常態ピール強度(kg/cm)×100
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.40μmで、二次粒子の平均粒子径が0.15μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20978μm2となった。一方、同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.11となり、本発明の条件を満たしていた。
この結果、粉落ちがなく、常態ピール強度が1.08kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.30μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の三次元表面積は21010μm2となった。一方、同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.12となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちは無かった。常態ピール強度が0.92kg/cmと高く、また、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.35μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20847μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.10となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.94kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.30μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20738μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.09となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.94kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.25μmで、二次粒子はほとんど被せ(正常)メッキ状態(粒径は0.1μm未満)となり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20112μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.03となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.81kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.35μmで、二次粒子は被せ(正常)メッキ状態(粒径は0.1μm未満)および平均粒子径0.15μmの2段階構成となり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20975μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.11となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.83kg/cmであり、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.15μmで、二次粒子の平均粒子径が0.15μmであり、粒子形成後の表面積20345μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.05となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちは発生しなかった。また、常態ピール強度は0.71kg/cmであり、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)は35%であった。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.41μmで、二次粒子の平均粒子径が0.16μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は21177μm2となった。一方、同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.13となり、本発明の条件を満たしていた。
この結果、粉落ちがなく、常態ピール強度が1.09kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.31μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の三次元表面積は21208μm2となった。一方、同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.14となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちは無かった。常態ピール強度が0.93kg/cmと高く、また、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.35μmで、二次粒子の平均粒子径が0.26μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は21010μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.12となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.95kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.30μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20978μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.11となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.94kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.30μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の三次元表面積は21008μm2となった。一方、同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.12となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちは無かった。常態ピール強度が0.93kg/cmと高く、また、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.30μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の三次元表面積は21009μm2となった。一方、同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.12となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちは無かった。常態ピール強度が0.92kg/cmと高く、また、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.35μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20848μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.10となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.94kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.30μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20737μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.09となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.94kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.25μmで、二次粒子はほとんど被せ(正常)メッキ状態(粒径は0.1μm未満)となり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20108μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.03となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.81kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
比較例1は、一次粒子を形成する電流密度を63A/dm2と10A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と30As/dm2とした場合で、二次粒子は形成しなかった場合である。この結果、一次粒子の平均粒子径が0.50μmとなり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20804μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.10となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちはなく常態ピール強度が1.38kg/cmと高く実施例レベルであった。しかし耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が60%と著しく悪かった。全体的な高周波回路用銅箔としての評価は、不良であった。
この結果、二次粒子の平均粒子径が0.30μmとなり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の三次元表面積は21834μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.20となり、本発明の条件を満たしていなかった。
粗化粒子の粉落ちが多量に発生した。常態ピール強度が1.25kg/cmと実施例レベルであり、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいと実施例レベルであった。上記の通り、粉落ちが多量に発生するという問題があるため、全体的な高周波回路用銅箔としての総合評価は、不良であった。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.35μmで、二次粒子の平均粒子径が0.60μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の三次元表面積は21797μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.20となり、本発明の条件を満たしていなかった。粉落ちが多量に発生した。常態ピール強度が1.42kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいと実施例レベルであったが、粉落ちが多量に発生した。全体的な高周波回路用銅箔としての評価は、不良であった。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.35μmで、二次粒子の平均粒子径が0.40μmであり、粒子形成後の表面積22448μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.26となり、本発明の条件を満たしていなかった。
常態ピール強度が1.37kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいと実施例レベルであったが、粉落ちが多量に発生した。全体的な印高周波回路用銅箔としての評価は、不良であった。
常態ピール強度が1.35kg/cmであり、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいと実施例レベルであったが、粉落ちが発生した。全体的な高周波回路用銅箔としての評価は、不良であった。
また、一次粒子層の平均粒径を0.25〜0.45μm、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金からなる二次粒子層の平均粒子径を0.35μm以下とするのが、上記の効果を達成する上で、さらに有効である。
なお、耐熱処理層にCoが含まれる場合、伝送損失が大きくなる傾向があった。
Claims (21)
- 銅箔の表面に、銅の一次粒子層を形成した後、該一次粒子層の上に、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金の二次粒子層を形成した銅箔であって、粗化処理面の一定領域のレーザー顕微鏡による二次元表面積に対する三次元表面積の比が2.0以上2.2未満である高周波回路用銅箔。
- 前記銅の一次粒子層の平均粒子径が0.25〜0.45μmであり、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金からなる二次粒子層の平均粒子径が0.35μm以下である請求項1に記載の高周波回路用銅箔。
- 前記一次粒子層及び二次粒子層が、電気メッキ層である請求項1又は2に記載の高周波回路用銅箔。
- 前記二次粒子が、前記一次粒子の上に成長した1又は複数個の樹枝状の粒子または前記一次粒子の上に成長した正常メッキ層である請求項1〜3のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
- 前記一次粒子層及び二次粒子層の接着強度が0.80kg/cm以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
- 前記一次粒子層及び二次粒子層の接着強度が0.90kg/cm以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
- 前記二次粒子層上に、
(A)Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層、及び、
(B)クロメート層
のいずれか一方、又は、両方が形成された請求項1〜6のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。 - 前記二次粒子層上に、
(A)Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層、及び、
(B)クロメート層
のいずれか一方、又は、両方と、
シランカップリング層と
がこの順で形成された請求項1〜7のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。 - 前記二次粒子層上に、
Ni−Zn合金層、及び、クロメート層のいずれか一方、又は、両方が形成された請求項1〜8のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。 - 前記二次粒子層上に、
Ni−Zn合金層、及び、クロメート層のいずれか一方、又は、両方と、
シランカップリング層と
がこの順で形成された請求項1〜9のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。 - 前記二次粒子層の表面に樹脂層を備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
- さらに樹脂層を備える請求項7〜10のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
- キャリアの一方の面、又は、両方の面に、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、前記極薄銅層が請求項1〜12のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔であるキャリア付銅箔。
- 前記キャリアの一方の面に前記中間層、前記極薄銅層をこの順に有し、前記キャリアの他方の面に粗化処理層を有する請求項13に記載のキャリア付銅箔。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の銅箔を用いた高周波回路用銅張積層板。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の銅箔を用いた高周波回路用プリント配線板。
- 前記銅箔とポリイミド、液晶ポリマーまたはフッ素樹脂とを積層した請求項15に記載の高周波回路用銅張積層板。
- ポリイミド、液晶ポリマーまたはフッ素樹脂のいずれかを用いた請求項16に記載の高周波回路用プリント配線板。
- 請求項16又は18に記載のプリント配線板を用いた電子機器。
- 請求項13又は14に記載のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、
その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法。 - 請求項13又は14に記載のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に回路を形成する工程、
前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に樹脂層を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアを剥離させる工程、及び、
前記キャリアを剥離させた後に、前記極薄銅層を除去することで、前記極薄銅層側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
を含むプリント配線板の製造方法。
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