JP6425401B2 - 高周波回路用銅箔、高周波回路用銅張積層板、高周波回路用プリント配線板、高周波回路用キャリア付銅箔、電子機器、及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

高周波回路用銅箔、高周波回路用銅張積層板、高周波回路用プリント配線板、高周波回路用キャリア付銅箔、電子機器、及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高周波回路用銅箔、高周波回路用銅張積層板、高周波回路用プリント配線板、高周波回路用キャリア付銅箔、電子機器、及びプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板はここ半世紀に亘って大きな進展を遂げ、今日ではほぼすべての電子機器に使用されるまでに至っている。近年の電子機器の小型化、高性能化ニーズの増大に伴い搭載部品の高密度実装化や信号の高周波化が進展し、プリント配線板に対して優れた高周波対応が求められている。
高周波用基板には、出力信号の品質を確保するため、伝送損失の低減が求められている。伝送損失は、主に、樹脂(基板側)に起因する誘電体損失と、導体(銅箔側)に起因する導体損失からなっている。誘電体損失は、樹脂の誘電率及び誘電正接が小さくなるほど減少する。高周波信号において、導体損失は、周波数が高くなるほど電流は導体の表面しか流れなくなるという表皮効果によって電流が流れる断面積が減少し、抵抗が高くなることが主な原因となっている。
高周波用銅箔の伝送損失を低減させることを目的とした技術としては、例えば、特許文献1に、金属箔表面の片面又は両面に、銀又は銀合金属を被覆し、該銀又は銀合金被覆層の上に、銀又は銀合金以外の被覆層が前記銀又は銀合金被覆層の厚さより薄く施されている高周波回路用金属箔が開示されている。そして、これによれば、衛星通信で使用されるような超高周波領域においても表皮効果による損失を小さくした金属箔を提供することができると記載されている。
また、特許文献2には、圧延銅箔の再結晶焼鈍後の圧延面でのX線回折で求めた(200)面の積分強度(I(200))が、微粉末銅のX線回折で求めた(200)面の積分強度(I0(200))に対し、I(200)/I0(200)>40であり、該圧延面に電解メッキによる粗化処理を行った後の粗化処理面の算術平均粗さ(以下、Raとする)が0.02μm〜0.2μm、十点平均粗さ(以下、Rzとする)が0.1μm〜1.5μmであって、プリント回路基板用素材であることを特徴とする高周波回路用粗化処理圧延銅箔が開示されている。そして、これによれば、1GHzを超える高周波数下での使用が可能なプリント回路板を提供することができると記載されている。
さらに、特許文献3には、銅箔の表面の一部がコブ状突起からなる表面粗度が2μm〜4μmの凹凸面であることを特徴とする電解銅箔が開示されている。そして、これによれば、高周波伝送特性に優れた電解銅箔を提供することができると記載されている。
特許第4161304号公報 特許第4704025号公報 特開2004−244656号公報
導体(銅箔側)に起因する導体損失は、上述のように表皮効果によって抵抗が大きくなることに起因するが、この抵抗は、銅箔自体の抵抗のみならず、銅箔表面において樹脂基板との接着性を確保するために行われる粗化処理によって形成された表面処理層の抵抗の影響もあること、具体的には、銅箔表面の粗さが導体損失の主たる要因であり、粗さが小さいほど伝送損失が減少することが知られている。
本発明者らは、銅箔表面の粗さと伝送損失との関係についてさらに踏み込んだ検討を行ったところ、必ずしも銅箔表面の粗さが小さいほど伝送損失が減少するとは限らず、特に、銅箔表面の粗さがある程度まで小さくなると、伝送損失の減少と銅箔表面の粗さとの関係に顕著なバラツキが見られ、銅箔表面の粗さの制御のみでは伝送損失を良好に減少させることが困難となることを見出した。
また、銅箔表面の粗化処理としては、コバルト−ニッケル合金メッキ層の形成が知られているが、従来のコバルト−ニッケル合金メッキ層を形成した銅箔は、その表面に形成された銅−コバルト−ニッケル合金メッキからなる粗化粒子の形状が樹枝状であるために、この樹枝の上部又は根元から剥がれ落ち、一般に粉落ち現象と言われる問題を生じた。
この粉落ち現象は厄介な問題であり、銅−コバルト−ニッケル合金メッキの粗化処理層は、耐熱性に優れているという特徴を有しているにもかかわらず、外力により粒子が脱落し易く、処理中の「こすれ」による剥離、剥離粉によるロールの汚れ、剥離粉によるエッチング残渣が生ずるという問題を生じた。
そこで、本発明は、高周波回路基板に用いても伝送損失が良好に抑制されると共に、銅箔表面に形成された粗化粒子が当該表面から剥がれ落ちる現象、いわゆる「粉落ち」の発生が良好に抑制された高周波回路用銅箔を提供することを目的とする。
本発明者は、キャリア付銅箔の極薄銅層表面に所定の粗化粒子層を形成し、且つ、当該粗化粒子層の二次元表面積に対する三次元表面積の比を制御することが、高周波回路基板に用いたときの伝送損失の抑制、及び、銅箔表面における粉落ちの抑制に極めて効果的であることを見出した。
本発明は上記知見を基礎として完成したものであり、一側面において、銅箔の表面に、銅の一次粒子層を形成した後、該一次粒子層の上に、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金の二次粒子層を形成した銅箔であって、粗化処理面の一定領域のレーザー顕微鏡による二次元表面積に対する三次元表面積の比が2.0以上2.2未満である高周波回路用銅箔である。
本発明の高周波回路用銅箔は一実施形態において、前記銅の一次粒子層の平均粒子径が0.25〜0.45μmであり、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金からなる二次粒子層の平均粒子径が0.35μm以下である。
本発明の高周波回路用銅箔は別の一実施形態において、前記一次粒子層及び二次粒子層が、電気メッキ層である。
本発明の高周波回路用銅箔は更に別の一実施形態において、前記二次粒子が、前記一次粒子の上に成長した1又は複数個の樹枝状の粒子または前記一次粒子の上に成長した正常メッキ層である。
本発明の高周波回路用銅箔は更に別の一実施形態において、前記一次粒子層及び二次粒子層の接着強度が0.80kg/cm以上である。
本発明の高周波回路用銅箔は更に別の一実施形態において、前記一次粒子層及び二次粒子層の接着強度が0.90kg/cm以上である。
本発明の高周波回路用銅箔は更に別の一実施形態において、前記二次粒子層上に、
(A)Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層、及び、
(B)クロメート層
のいずれか一方、又は、両方が形成されている。
本発明の高周波回路用銅箔は更に別の一実施形態において、前記二次粒子層上に、
(A)Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層、及び、
(B)クロメート層
のいずれか一方、又は、両方と、
シランカップリング層と
がこの順で形成されている。
本発明の高周波回路用銅箔は更に別の一実施形態において、前記二次粒子層上に、Ni−Zn合金層、及び、クロメート層のいずれか一方、又は、両方が形成されている。
本発明の高周波回路用銅箔は更に別の一実施形態において、前記二次粒子層上に、Ni−Zn合金層、及び、クロメート層のいずれか一方、又は、両方と、シランカップリング層とがこの順で形成されている。
本発明の高周波回路用銅箔は更に別の一実施形態において、前記二次粒子層の表面に樹脂層を備える。
本発明の高周波回路用銅箔は更に別の一実施形態において、前記Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層、又は、前記クロメート層、又は、前記シランカップリング層、又は、前記Ni−Zn合金層の表面に樹脂層を備える。
本発明は別の一側面において、キャリアの一方の面、又は、両方の面に、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、前記極薄銅層が本発明の高周波回路用銅箔であるキャリア付銅箔である。
本発明のキャリア付銅箔は一実施形態において、前記キャリアの一方の面に前記中間層、前記極薄銅層をこの順に有し、前記キャリアの他方の面に粗化処理層を有する。
本発明は更に別の一側面において、本発明の銅箔を用いた高周波回路用銅張積層板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明の銅箔を用いた高周波回路用プリント配線板である。
本発明の高周波回路用銅張積層板は一実施形態において、前記銅箔とポリイミド、液晶ポリマーまたはフッ素樹脂とが積層されている。
本発明は更に別の一側面において、ポリイミド、液晶ポリマーまたはフッ素樹脂のいずれかを用いた本発明の高周波回路用プリント配線板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のプリント配線板を用いた電子機器である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、
その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に回路を形成する工程、
前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に樹脂層を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成する工程、
前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアを剥離させる工程、及び、
前記キャリアを剥離させた後に、前記極薄銅層を除去することで、前記極薄銅層側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明によれば、高周波回路基板に用いても伝送損失が良好に抑制されると共に、銅箔表面に形成された粗化粒子が当該表面から剥がれ落ちる現象、いわゆる「粉落ち」の発生が良好に抑制された高周波回路用銅箔を提供することができる。
従来の銅箔上に、銅−コバルト−ニッケル合金メッキからなる粗化処理を行った場合の粉落ちの様子を示す概念説明図である。 本発明の、銅箔上に予め一次粒子層を形成し、この一次粒子層の上に銅−コバルト−ニッケル合金メッキからなる二次粒子層を形成した粉落ちのない銅箔処理層の概念説明図である。 従来の銅箔上に、銅−コバルト−ニッケル合金メッキからなる粗化処理を行った場合の表面の顕微鏡写真である。 本発明の、銅箔上に予め一次粒子層を形成し、この一次粒子層の上に銅−コバルト−ニッケル合金メッキからなる二次粒子層を形成した粉落ちのない銅箔処理面の層の顕微鏡写真である。 A〜Cは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、回路メッキ・レジスト除去までの工程における配線板断面の模式図である。 D〜Fは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、樹脂及び2層目キャリア付銅箔積層からレーザー穴あけまでの工程における配線板断面の模式図である。 G〜Iは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、ビアフィル形成から1層目のキャリア剥離までの工程における配線板断面の模式図である。 J〜Kは、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例に係る、フラッシュエッチングからバンプ・銅ピラー形成までの工程における配線板断面の模式図である。
本発明に用いることのできる銅箔基材の形態に特に制限はなく、典型的には本発明において使用する銅箔は、電解銅箔或いは圧延銅箔いずれでも良い。一般的には、電解銅箔は硫酸銅メッキ浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。屈曲性が要求される用途には圧延銅箔を適用することが多い。
銅箔基材の材料としてはプリント配線板の導体パターンとして通常使用されるタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。なお、本明細書において用語「銅箔」を単独で用いたときには銅合金箔も含むものとする。
なお、銅箔基材の板厚は特に限定する必要は無いが、例えば1〜1000μm、あるいは1〜500μm、あるいは1〜300μm、あるいは3〜100μm、あるいは5〜70μm、あるいは6〜35μm、あるいは9〜18μmである。
また、本発明は別の側面において、キャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、前記極薄銅層が本発明の高周波回路用銅箔であるキャリア付銅箔である。すなわち、本発明には別の側面においてキャリア、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔を銅箔基材として用いることができる。本発明においてキャリア付銅箔を使用する場合、極薄銅層表面に以下の粗化処理層等の表面処理層を設ける。なお、キャリア付銅箔の別の実施の形態については後述する。
通常、銅箔の、樹脂基材と接着する面、即ち粗化面には積層後の銅箔の引き剥し強さを向上させることを目的として、脱脂後の銅箔の表面に、「ふしこぶ」状の電着を行なう粗化処理が施される。電解銅箔は製造時点で凹凸を有しているが、粗化処理により電解銅箔の凸部を増強して凹凸を一層大きくする。粗化前の前処理として通常の銅メッキ等が行われることがあり、粗化後の仕上げ処理として電着物の脱落を防止するために通常の銅メッキ等が行なわれることもある。
本発明においては、こうした前処理及び仕上げ処理をも含め、銅箔粗化と関連する公知の処理を必要に応じて含め、「粗化処理」と云っている。
この粗化処理を、銅−コバルト−ニッケル合金メッキにより行おうとするのである(以下の説明においては、銅−コバルト−ニッケル合金メッキの粗化処理を、前工程との差異を明確にするために、「二次粒子層」と呼称する。)が、上記の通り、単純に銅箔の上に銅−コバルト−ニッケル合金メッキ層を形成しただけでは、上記の通り粉落ち等の問題が発生する。
銅箔の上に銅−コバルト−ニッケル合金メッキ層を形成した銅箔の表面の顕微鏡写真を図3に示す。この図3に示すように、樹枝状に発達した微細な粒子を見ることができる。一般に、この図3に示す樹枝状に発達した微細な粒子は高電流密度で作製される。
このような高電流密度で処理された場合には、初期電着における粒子の核生成が抑制されるため、粒子先端に新たな粒子の核が形成されるため、次第に樹枝状に、細く長く粒子が成長することになる。
したがって、これを防止するために、電流密度を下げて電気メッキすると、鋭い立ち上がりがなくなり、粒子が増加し、丸みを帯びた形状の粒子が成長する。このような状況下においても、粉落ちはやや改善されるが、十分なピール強度が得られず、本発明の目的を達成するためには十分でない。
図3に示すような銅−コバルト−ニッケル合金メッキ層が形成された場合の、粉落ちの様子を、図1の概念説明図に示す。この粉落ちの原因は、上記の通り銅箔上に樹枝状に微細な粒子が生ずるためであるが、この樹枝状の粒子は、外力により樹枝の一部が折れ易く、又根元から脱落する。この微細な樹枝状の粒子は、処理中の「こすれ」による剥離、剥離粉によるロールの汚れ、剥離粉によるエッチング残渣が生ずる原因となる。
本発明においては、銅箔の表面に、事前に銅の一次粒子層を形成した後、該一次粒子層の上に、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金からなる二次粒子層を形成するものである。銅箔上に、この一次粒子及び二次粒子を形成した表面の顕微鏡写真を図4に示す(詳細は後述する)。
これによって、処理中の「こすれ」による剥離、剥離粉によるロールの汚れ、剥離粉によるエッチング残渣が無くなり、すなわち粉落ちと言われる現象と処理ムラを抑制することができ、ピール強度を高め、かつ耐熱性を向上させることのできる銅箔を得ることができる。
前記一次粒子層の平均粒子径を0.25〜0.45μm、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金からなる二次粒子層の平均粒子径を0.35μm以下とするのが、下記に示す実施例から明らかなように、粉落ちを防止する最適な条件である。前記一次粒子層の平均粒子径の下限は好ましくは0.27μm以上、好ましくは0.29μm以上、より好ましくは0.30μm以上、より好ましくは0.33μm以上である。前記一次粒子層の平均粒子径の上限は、好ましくは0.44μm以下、好ましくは0.43μm以下、好ましくは0.40μm以下、好ましくは0.39μm以下である。また、前記二次粒子層の平均粒子径の上限は好ましくは0.34μm以下、好ましくは0.33μm以下、好ましくは0.32μm以下、好ましくは0.31μm以下、好ましくは0.30μm以下、好ましくは0.28μm以下、好ましくは0.27μm以下である。また、二次粒子層の平均粒子径の下限は特に限定する必要はないが、例えば0.001μm以上、あるいは0.01μm以上、あるいは0.05μm以上、あるいは0.09μm以上、あるいは0.10μm以上、あるいは0.12μm以上、あるいは0.15μm以上である。
上記一次粒子層及び二次粒子層は、電気メッキ層により形成する。この二次粒子の特徴は、前記一次粒子の上に成長した1又は複数個の樹枝状の粒子である。または前記一次粒子の上に成長した正常メッキである。すなわち、本明細書において用語「二次粒子層」を用いた場合には、被せメッキ等の正常メッキ層も含まれるものとする。また、二次粒子層は粗化粒子により形成される層を一層以上有する層であってもよく、正常メッキ層を一層以上有する層であってもよく、粗化粒子により形成される層と正常メッキ層とをそれぞれ一層以上有する層であってもよい。
このようにして形成された一次粒子層及び二次粒子層の接着強度0.80kg/cm以上、さらには接着強度0.90kg/cm以上を達成することができる。
一次粒子層及び二次粒子層を形成した銅箔において、さらに重要なことは、粗化処理面の一定領域のレーザー顕微鏡による二次元表面積に対する三次元表面積の比を2.0以上2.2未満とすることである。なお、「レーザー顕微鏡による二次元表面積に対する三次元表面積の比」における「粗化処理面」とは、最終製品上の表面を意味し、一次粒子層及び二次粒子層を形成した側の最表面を意味する。また、二次粒子層上に、例えば、耐熱層、防錆層、シランカップリング処理層等の表面処理層が形成されているときは、当該表面処理層の最表面を意味する。なお、後述の「樹脂層」が形成されているときは、当該樹脂層を除いた銅箔の一次粒子層及び二次粒子層を形成した側の最表面を意味する。
このような表面積比の制限と調整については、銅箔の粗化処理面が個々の粗化粒子の集合体である粒子層から形成されており、粒子層を粒子の成長制御よりもマクロな範囲で制御することで、ゆらぎの無い、すなわち安定したピール強度の向上と安定した粉落ち現象を防止できる効果を有する。また、個々の粗化粒子サイズを制御しても、微細な粗化粒子が高さ方向に積み重なってしまった場合は粉落ちが発生してしまう。よって三次元的な粗化粒子構成となる表面積比の制限と調整が重要となる。
前記表面積比が2.0未満ではピール強度が不十分となる。レーザー顕微鏡を用いて標準圧延銅箔の粗化処理前の無粗化の状態での三次元表面粗さを測定した結果20043μm2であり、二次元表面積に対する三次元表面積比が2.02となったため、ピール強度確保のために少なくとも2.0以上が望ましいと言える。また2.20を超えると粉落ち現象が発生し易くなるので、上記の範囲とするのが望ましいと言える。なお、前記表面積比(二次元表面積に対する三次元表面積比)の上限は好ましくは2.19以下、好ましくは2.17以下、好ましくは2.15以下である。また、前記表面積比(二次元表面積に対する三次元表面積比)の下限は好ましくは2.02以上、好ましくは2.04以上、好ましくは2.05以上、好ましくは2.06以上である。
レーザー顕微鏡による測定法は、株式会社キーエンス製レーザーマイクロスコープVK8500を用いて粗化処理面の100×100μm相当面積、実データでは9924.4μm2における範囲の三次元表面積を測定して、三次元表面積÷二次元表面積=表面積比とする手法により設定を行う。
二次粒子層上に、
(A)Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層、及び、(B)クロメート層のいずれか一方、又は、両方が形成されていてもよい。
また、二次粒子層上に、(A)Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層、及び、(B)クロメート層のいずれか一方、又は、両方と、シランカップリング層とがこの順で形成されていてもよい。
さらに、二次粒子層上に、Ni−Zn合金層、及び、クロメート層のいずれか一方、又は、両方が形成されていてもよい。
さらに、二次粒子層上に、Ni−Zn合金層、及び、クロメート層のいずれか一方、又は、両方と、シランカップリング層とがこの順で形成されていてもよい。
このような構成によれば、ピール強度を維持したまま、高周波伝送特性を向上させることが可能である。
[伝送損失]
伝送損失が小さい場合、高周波で信号伝送を行う際の、信号の減衰が抑制されるため、高周波で信号の伝送を行う回路において、安定した信号の伝送を行うことができる。そのため、伝送損失の値が小さい方が、高周波で信号の伝送を行う回路用途に用いることに適するため好ましい。表面処理銅箔を、市販の液晶ポリマー樹脂(株式会社クラレ製Vecstar CTZ−50μm)と貼り合わせた後、エッチングで特性インピーダンスが50Ωのとなるようマイクロストリップ線路を形成し、HP社製のネットワークアナライザーHP8720Cを用いて透過係数を測定し、周波数20GHzおよび周波数40GHzでの伝送損失を求めた場合に、周波数20GHzにおける伝送損失が、5.0dB/10cm未満が好ましく、4.1dB/10cm未満がより好ましく、3.7dB/10cm未満が更により好ましい。
本発明の表面処理銅箔を、粗化処理面側から樹脂基板に貼り合わせて積層体を製造することができる。樹脂基板はプリント配線板等に適用可能な特性を有するものであれば特に制限を受けないが、例えば、リジッドPWB用に紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂等を使用し、FPC用にポリエステルフィルムやポリイミドフィルム、液晶ポリマー(LCP)フィルム、フッ素樹脂等を使用する事ができる。なお、液晶ポリマー(LCP)フィルムやフッ素樹脂フィルムを用いた場合、ポリイミドフィルムを用いた場合よりも、当該フィルムと表面処理銅箔とのピール強度が小さくなる傾向にある。よって、液晶ポリマー(LCP)フィルムやフッ素樹脂フィルムを用いた場合には、銅回路を形成後、銅回路をカバーレイで覆うことによって、当該フィルムと銅回路とが剥がれにくくし、ピール強度の低下による当該フィルムと銅回路との剥離を防止することができる。
なお、液晶ポリマー(LCP)フィルムやフッ素樹脂フィルムは誘電正接が小さいため、液晶ポリマー(LCP)フィルムやフッ素樹脂フィルムと本発明に係る表面処理銅箔とを用いた銅張積層板、プリント配線板、プリント回路板は高周波回路(高周波で信号の伝送を行う回路)用途に適する。また、本発明に係る表面処理銅箔は表面粗さRzが小さく、光沢度が高いため表面が平滑であり、高周波回路用途にも適する。
貼り合わせの方法は、リジッドPWB用の場合、ガラス布などの基材に樹脂を含浸させ、樹脂を半硬化状態まで硬化させたプリプレグを用意する。銅箔を被覆層の反対側の面からプリプレグに重ねて加熱加圧させることにより行うことができる。FPCの場合、ポリイミドフィルム等の基材に接着剤を介して、又は、接着剤を使用せずに高温高圧下で銅箔に積層接着して、又は、ポリイミド前駆体を塗布・乾燥・硬化等を行うことで積層板を製造することができる。
本発明の積層体は各種のプリント配線板(PWB)に使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、導体パターンの層数の観点からは片面PWB、両面PWB、多層PWB(3層以上)に適用可能であり、絶縁基板材料の種類の観点からはリジッドPWB、フレキシブルPWB(FPC)、リジッド・フレックスPWBに適用可能である。
更に、プリント配線板に電子部品類を搭載することで、プリント回路板が完成する。本発明において、「プリント配線板」にはこのように電子部品類が搭載されたプリント配線板およびプリント回路板およびプリント基板も含まれることとする。
また、当該プリント配線板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント回路板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント基板を用いて電子機器を作製してもよい。
(銅の一次粒子のメッキ条件)
銅の一次粒子のメッキ条件の一例を挙げると、下記の通りである。
なお、このメッキ条件はあくまで好適な例を示すものであり、銅の一次粒子は銅箔上に形成される平均粒子径が粉落ち防止の役割を担うものである。したがって、平均粒子径が本発明の範囲に入るものであれば、下記に表示する以外のメッキ条件であることは何ら妨げるものではない。本発明はこれらを包含するものである。
液組成 :銅10〜20g/L、硫酸50〜100g/L
液温 :25〜50℃
電流密度 :1〜58A/dm2
クーロン量:4〜81As/dm2
(二次粒子のメッキ条件)
なお、上記と同様に、このメッキ条件はあくまで好適な例を示すものであり、二次粒子は一次粒子の上に形成されるものであり、平均粒子径が粉落ち防止の役割を担うものである。したがって、平均粒子径が本発明の範囲に入るものであれば、下記に表示する以外のメッキ条件であることは何ら妨げるものではない。本発明はこれらを包含するものである。
液組成 :銅10〜20g/L、ニッケル5〜15g/L、コバルト5〜15g/L
pH :2〜3
液温 :30〜50℃
電流密度 :24〜50A/dm2
クーロン量:34〜48As/dm2
(耐熱層1を形成するメッキ条件)(Co−Niメッキ:コバルトニッケル合金メッキ)
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :ニッケル5〜20g/L、コバルト1〜8g/L
pH :2〜3
液温 :40〜60℃
電流密度 :5〜20A/dm2
クーロン量:10〜20As/dm2
(耐熱層2を形成するメッキ条件)(Ni−Znメッキ:ニッケル亜鉛合金メッキ)
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :ニッケル2〜30g/L、亜鉛2〜30g/L
pH :3〜4
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
(耐熱層3を形成するメッキ条件)(Ni‐Cuメッキ:ニッケル銅合金メッキ)
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :ニッケル2〜30g/L、銅2〜30g/L
pH :3〜4
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
(耐熱層4を形成するメッキ条件)(Ni−Moメッキ:ニッケルモリブデン合金メッキ)
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :硫酸Ni六水和物:45〜55g/dm3、モリブデン酸ナトリウム二水和物:50〜70g/dm3、クエン酸ナトリウム:80〜100g/dm3
液温 :20〜40℃
電流密度 :1〜4A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
(耐熱層5を形成するメッキ条件)(Ni−Snメッキ:ニッケル錫合金メッキ)
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :ニッケル2〜30g/L、錫2〜30g/L
pH :1.5〜4.5
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
(耐熱層6を形成するメッキ条件)(Ni−Pメッキ:ニッケルリン合金メッキ)
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :ニッケル30〜70g/L、リン0.2〜1.2g/L
pH :1.5〜2.5
液温 :30〜40℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
(耐熱層7を形成するメッキ条件)(Ni−Wメッキ:ニッケルタングステン合金メッキ)
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
液組成 :ニッケル2〜30g/L、W0.01〜5g/L
pH :3〜4
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
(耐熱層8を形成するメッキ条件)(Ni−Crメッキ:ニッケルクロム合金メッキ)
本発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。
Ni:65〜85mass%、Cr:15〜35mass%の組成のスパッタリングターゲットを用いてニッケルクロム合金メッキ層を形成した。
ターゲット:Ni:65〜85mass%、Cr:15〜35mass%
装置:株式会社アルバック製のスパッタ装置
出力:DC50W
アルゴン圧力:0.2Pa
(防錆層を形成するメッキ条件)
本発明は、さらに次の防錆層を形成することができる。このメッキ条件を下記に示す。下記においては、浸漬クロメート処理の条件を示したが、電解クロメート処理でも良い。
液組成 :重クロム酸カリウム1〜10g/L、亜鉛0〜5g/L
pH :3〜4
液温 :50〜60℃
電流密度 :0〜2A/dm2(0A/dm2は浸漬クロメート処理の場合である。)
クーロン量:0〜2As/dm2(0As/dm2は浸漬クロメート処理の場合である。)
(耐候性層(シランカップリング層)の種類)
一例として、ジアミノシラン水溶液の塗布を挙げることができる。
なお、耐熱層等の金属層、メッキ層がスパッタリング等の乾式メッキにより設けられている場合、および、耐熱層等の金属層、メッキ層が湿式メッキにより設けられている場合であって、耐熱層等の金属層、メッキ層が正常メッキ(平滑メッキ、すなわち、限界電流密度未満の電流密度で行うメッキ)で有る場合、当該金属層、メッキ層は銅箔の表面の形状に影響を及ぼさない。
限界電流密度は、金属濃度、pH、給液速度、極間距離、メッキ液温度によって変化するが、本発明では正常メッキ(メッキされた金属が層状に析出している状態)と粗化メッキ(焼けメッキ、メッキされた金属が結晶状(球状や針状や樹氷状等)に析出している状態、凹凸がある。)との境界の電流密度を限界電流密度と定義し、ハルセル試験にて正常メッキとなる限界(焼けメッキとなる直前)の電流密度(目視判断)を限界電流密度とする。
具体的には、金属濃度、pH、メッキ液温度をメッキの製造条件に設定し、ハルセル試験を行う。そして、当該メッキ液組成、メッキ液温度における金属層形成状態(メッキされた金属が層状に析出しているか結晶状に形成しているか)を調査する。そして、株式会社山本鍍金試験器製の電流密度早見表に基づいて、テストピースの正常メッキと粗化メッキの境界が存在する箇所のテストピースの位置から、当該境界の位置における電流密度を求める。そして、当該境界の位置における電流密度を限界電流密度と規定する。これにより、当該メッキ液組成、メッキ液温度での限界電流密度が分かる。一般的には極間距離が短いと、限界電流密度が高くなる傾向にある。
ハルセル試験の方法は例えば「メッキ実務読本」 丸山 清 著 日刊工業新聞社 1983年6月30日の157ページから160ページに記載されている。
なお、限界電流密度未満でメッキ処理を行うために、メッキ処理の際の電流密度を20A/dm2以下とすることが好ましく、10A/dm2以下とすることが好ましく、8A/dm2以下とすることが好ましい。
また、クロメート層、シランカップリング層は、その厚みが極端に薄いため、銅箔の表面の形状に影響を及ぼさない。
上記二次粒子としての銅−コバルト−ニッケル合金メッキは、電解メッキにより、付着量が10〜30mg/dm2銅−100〜3000μg/dm2コバルト−50〜500μg/dm2ニッケルの3元系合金層を形成することができる。
Co付着量が100μg/dm2未満では、耐熱性が悪くなり、またエッチング性も悪くなる。Co付着量が3000μg/dm2を超えると、磁性の影響を考慮せねばならない場合には好ましくなく、エッチングシミが生じ、また、耐酸性及び耐薬品性の悪化が考慮され得る。
Ni付着量が50μg/dm2未満であると、耐熱性が悪くなる。他方、Ni付着量が500μg/dm2を超えると、エッチング性が低下する。すなわち、エッチング残ができ、またエッチングできないというレベルではないが、ファインパターン化が難しくなる。好ましいCo付着量は500〜2000μg/dm2であり、そして好ましいニッケル付着量は50〜300μg/dm2である。
以上から、銅−コバルト−ニッケル合金メッキの付着量は、10〜30mg/dm2銅−100〜3000μg/dm2コバルト−50〜500μg/dm2ニッケルであることが望ましいと言える。この3元系合金層の各付着量はあくまで、望ましい条件であり、この量を超える範囲を否定するものではない。
ここで、エッチングシミとは、塩化銅でエッチングした場合、Coが溶解せずに残ってしまうことを意味し、そしてエッチング残とは塩化アンモニウムでアルカリエッチングした場合、Niが溶解せずに残ってしまうことを意味するものである。
一般に、回路を形成する場合には、下記の実施例の中で説明するようなアルカリ性エッチング液及び塩化銅系エッチング液を用いて行われる。このエッチング液及びエッチング条件は、汎用性のあるものであるが、この条件に限定されることはなく、任意に選択できることは理解されるべきことである。
本発明は上記の通り、二次粒子を形成した後(粗化処理後)、粗化面上にコバルト−ニッケル合金メッキ層を形成することができる。
このコバルト−ニッケル合金メッキ層は、コバルトの付着量が200〜3000μg/dm2であり、かつコバルトの比率が60〜66質量%とするのが望ましい。この処理は広い意味で一種の防錆処理とみることができる。
このコバルト−ニッケル合金メッキ層は、銅箔と基板の接着強度を実質的に低下させない程度に行なう必要がある。コバルト付着量が200μg/dm2未満では、耐熱剥離強度が低下し、耐酸化性及び耐薬品性が悪くなり、また処理表面が赤っぽくなってしまうので好ましくない。
また、コバルト付着量が3000μg/dm2を超えると、磁性の影響を考慮せねばならない場合には好ましくなく、エッチングシミが生じ、また、耐酸性及び耐薬品性の悪化が考慮される。好ましいコバルト付着量は400〜2500μg/dm2である。
また、コバルト付着量が多いと、ソフトエッチングの染み込み発生の原因となる場合がある。このことからコバルトの比率が60〜66質量%とするのが望ましいと言える。
後述するように、ソフトエッチングの染み込み発生の直接の大きな原因は、亜鉛−ニッケル合金メッキ層からなる耐熱防錆層であるが、コバルトもソフトエッチングの際の染み発生の原因になることもあるので、上記に調整することが、より望ましいとする条件である。
一方、ニッケル付着量が少ない場合には、耐熱剥離強度が低下し、耐酸化性及び耐薬品性が低下する。また、ニッケル付着量が多すぎる場合には、アルカリエッチング性が悪くなるので、上記コバルト含有量とのバランスで決めることが望ましい。
本発明は、コバルト−ニッケル合金メッキ上に更に、亜鉛−ニッケル合金メッキ層を形成することができる。亜鉛−ニッケル合金メッキ層の総量を150〜500μg/dm2とし、かつニッケルの比率を16〜40質量%とする。これは、耐熱防錆層という役割を有するものである。この条件も、あくまで好ましい条件であって、他の公知の亜鉛−ニッケル合金メッキを使用することができる。この亜鉛−ニッケル合金メッキは、本発明においては、好ましい付加的条件であることが理解されるであろう。
回路の製造工程で行われる処理が一段と高温となり、また製品となった後の機器使用中の熱発生がある。例えば、樹脂に銅箔を熱圧着で接合する、いわゆる二層材では、接合の際に300℃以上の熱を受ける。このような状況の中でも、銅箔と樹脂基材との間での接合力の低下を防止することが必要であり、この亜鉛−ニッケル合金メッキは有効である。
また、従来の技術では、樹脂に銅箔を熱圧着で接合した二層材における亜鉛−ニッケル合金メッキ層を備えた微小な回路では、ソフトエッチングの際に、回路のエッジ部に染み込みによる変色が発生する。ニッケルは、ソフトエッチングの際に使用するエッチング剤(H2SO4:10wt%、H22:2wt%のエッチング水溶液)の染み込みを抑制する効果がある。
上記の通り、前記亜鉛−ニッケル合金メッキ層の総量を150〜500μg/dm2とすると共に、当該合金層中のニッケル比率の下限値を16質量%に、上限値を40質量%とし、かつニッケルの含有量を50μg/dm2以上とすることが、耐熱防錆層という役割を備えると共に、ソフトエッチングの際に使用するエッチング剤の染み込みを抑制し、腐食に回路の接合強度の弱体化を防止することができるという効果を有する。
なお、亜鉛−ニッケル合金メッキ層の総量が150μg/dm2未満では、耐熱防錆力が低下して耐熱防錆層としての役割を担うことが難しくなり、同総量が500μg/dm2を超えると、耐塩酸性が悪くなる傾向がある。
また、合金層中のニッケル比率の下限値が16質量%未満では、ソフトエッチングの際の染み込み量が9μmを超えるので、好ましくない。ニッケル比率の上限値40質量%については、亜鉛−ニッケル合金メッキ層を形成できる技術上の限界値である。
上記の通り、本発明は、二次粒子層としての銅−コバルト−ニッケル合金メッキ層上に、必要に応じてコバルト−ニッケル合金メッキ層、さらには亜鉛−ニッケル合金メッキ層を順次形成することができる。これら層における合計量のコバルト付着量及びニッケル付着量を調節することもできる。コバルトの合計付着量が300〜4000μg/dm2、ニッケルの合計付着量が100〜1500μg/dm2とすることが望ましい。
コバルトの合計付着量が300μg/dm2未満では、耐熱性及び耐薬品性が低下し、コバルトの合計付着量が4000μg/dm2を超えると、エッチングシミが生じることがあり、また伝送損失が大きくなる場合がある。また、ニッケルの合計付着量が100μg/dm2未満では、耐熱性及び耐薬品性が低下する場合がある。ニッケルの合計付着量が1500μg/dm2を超えると、エッチング残が生じる場合があり、また、伝送損失が大きくなる場合がある。
好ましくは、コバルトの合計付着量は300〜3500μg/dm2、より好ましくは300〜3000μg/dm2、より好ましくは300〜2500μg/dm2、より好ましくは300〜2000μg/dm2であり、ニッケルの合計付着量は好ましくは100〜1000μg/dm2、より好ましくは100〜900μg/dm2である。上記の条件を満たせば、特にこの段落に記載する条件に制限される必要はない。
この後、必要に応じ、防錆処理が実施される。本発明において好ましい防錆処理は、クロム酸化物単独の皮膜処理或いはクロム酸化物と亜鉛/亜鉛酸化物との混合物皮膜処理である。クロム酸化物と亜鉛/亜鉛酸化物との混合物皮膜処理とは、亜鉛塩または酸化亜鉛とクロム酸塩とを含むメッキ浴を用いて電気メッキにより亜鉛または酸化亜鉛とクロム酸化物とより成る亜鉛−クロム基混合物の防錆層を被覆する処理である。
メッキ浴としては、代表的には、K2Cr27、Na2Cr27等の重クロム酸塩やCrO3等の少なくとも一種と、水溶性亜鉛塩、例えばZnO、ZnSO4・7H2Oなど少なくとも一種と、水酸化アルカリとの混合水溶液が用いられる。代表的なメッキ浴組成と電解条件例は次の通りである。
こうして得られた銅箔は、優れた耐熱性剥離強度、耐酸化性及び耐塩酸性を有する。また、CuCl2エッチング液で150μmピッチ回路巾以下の回路をエッチングでき、しかもアルカリエッチングも可能とする。また、ソフトエッチングの際の、回路エッジ部への染み込みを抑制できる。
ソフトエッチング液には、H2SO4:10wt%、H22:2wt%の水溶液が使用できる。処理時間と温度は任意に調節できる。
アルカリエッチング液としては、例えば、NH4OH:6モル/リットル、NH4Cl:5モル/リットル、CuCl2:2モル/リットル(温度50℃)等の液が知られている。
上記の全工程で得られた銅箔は、黒色〜灰色を有している。黒色〜灰色は、位置合わせ精度及び熱吸収率の高いことの点から、意味がある。例えば、リジッド基板及びフレキシブル基板を含め回路基板は、ICや抵抗、コンデンサ等の部品を自動工程で搭載していくが、その際センサーにより回路を読み取りながらチップマウントを行なっている。このとき、カプトンなどのフィルムを通して銅箔処理面での位置合わせを行なうことがある。また、スルーホール形成時の位置決めも同様である。
処理面が黒に近い程、光の吸収が良いため、位置決めの精度が高くなる。更には、基板を作製する際、銅箔とフィルムとを熱を加えながらキュワリングして接着させることが多い。このとき、遠赤外線、赤外線等の長波を用いることにより加熱する場合、処理面の色調が黒い方が、加熱効率が良くなる。
最後に、必要に応じ、銅箔と樹脂基板との接着力の改善を主目的として、防錆層上の少なくとも粗化面にシランカップリング剤を塗布するシラン処理が施される。このシラン処理に使用するシランカップリング剤としては、オレフィン系シラン、エポキシ系シラン、アクリル系シラン、アミノ系シラン、メルカプト系シランを挙げることができるが、これらを適宜選択して使用することができる。なお、樹脂として液晶ポリマーを用いる場合には、シランカップリング剤としてアミノ系シラン(アミノ基を有するシラン)を用いることが好ましい。また、シランカップリング剤としてジアミノシランを用いることより好ましい。
塗布方法は、シランカップリング剤溶液のスプレーによる吹付け、コーターでの塗布、浸漬、流しかけ等いずれでもよい。例えば、特公昭60−15654号は、銅箔の粗面側にクロメート処理を施した後シランカップリング剤処理を行なうことによって銅箔と樹脂基板との接着力を改善することを記載している。詳細はこれを参照されたい。この後、必要なら、銅箔の延性を改善する目的で焼鈍処理を施すこともある。
〔キャリア付銅箔〕
本発明の別の実施の形態であるキャリア付銅箔は、キャリアの一方の面、又は、両方の面に、中間層、極薄銅層をこの順に有する。そして、前記極薄銅層が前述の本発明の一つの実施の形態である高周波回路用銅箔である。
<キャリア>
本発明に用いることのできるキャリアは典型的には金属箔または樹脂フィルムであり、例えば銅箔、銅合金箔、ニッケル箔、ニッケル合金箔、鉄箔、鉄合金箔、ステンレス箔、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、絶縁樹脂フィルム(例えばポリイミドフィルム、液晶ポリマー(LCP)フィルム、ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、フッ素樹脂フィルム等)の形態で提供される。
本発明に用いることのできるキャリアとしては銅箔を使用することが好ましい。銅箔は電気伝導度が高いため、その後の中間層、極薄銅層の形成が容易となるからである。キャリアは典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で提供される。一般的には、電解銅箔は硫酸銅メッキ浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。銅箔の材料としてはタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。
本発明に用いることのできるキャリアの厚さについても特に制限はないが、キャリアとしての役目を果たす上で適した厚さに適宜調節すればよく、例えば5μm以上とすることができる。但し、厚すぎると生産コストが高くなるので一般には35μm以下とするのが好ましい。従って、キャリアの厚みは典型的には12〜70μmであり、より典型的には18〜35μmである。
なお、キャリアの極薄銅層を設ける側の表面とは反対側の表面に粗化処理層を設けてもよい。当該粗化処理層を公知の方法を用いて設けてもよく、上述の粗化処理により設けてもよい。キャリアの極薄銅層を設ける側の表面とは反対側の表面に粗化処理層を設けることは、キャリアを当該粗化処理層を有する表面側から樹脂基板などの支持体に積層する際、キャリアと樹脂基板が剥離しにくくなるという利点を有する。
<中間層>
キャリア上には中間層を設ける。キャリアと中間層との間に他の層を設けてもよい。本発明で用いる中間層は、キャリア付銅箔が絶縁基板への積層工程前にはキャリアから極薄銅層が剥離し難い一方で、絶縁基板への積層工程後にはキャリアから極薄銅層が剥離可能となるような構成であれば特に限定されない。例えば、本発明のキャリア付銅箔の中間層はCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Zn、これらの合金、これらの水和物、これらの酸化物、有機物からなる群から選択される一種又は二種以上を含んでも良い。また、中間層は複数の層であっても良い。
また、例えば、中間層はキャリア側からCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種の元素からなる単一金属層、或いは、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素からなる合金層を形成し、その上にCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素の水和物または酸化物、あるいは有機物からなる層、あるいはCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種の元素からなる単一金属層、或いは、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、Znで構成された元素群から選択された一種又は二種以上の元素からなる合金層を形成することで構成することができる。
中間層を片面にのみ設ける場合、キャリアの反対面にはNiメッキ層などの防錆層を設けることが好ましい。なお、中間層をクロメート処理や亜鉛クロメート処理やメッキ処理で設けた場合には、クロムや亜鉛など、付着した金属の一部は水和物や酸化物となっている場合があると考えられる。
また、例えば、中間層は、キャリア上に、ニッケル、ニッケル−リン合金又はニッケル−コバルト合金と、クロムとがこの順で積層されて構成することができる。ニッケルと銅との接着力はクロムと銅の接着力よりも高いので、極薄銅層を剥離する際に、極薄銅層とクロムとの界面で剥離するようになる。また、中間層のニッケルにはキャリアから銅成分が極薄銅層へと拡散していくのを防ぐバリア効果が期待される。中間層におけるニッケルの付着量は好ましくは100μg/dm2以上40000μg/dm2以下、より好ましくは100μg/dm2以上4000μg/dm2以下、より好ましくは100μg/dm2以上2500μg/dm2以下、より好ましくは100μg/dm2以上1000μg/dm2未満であり、中間層におけるクロムの付着量は5μg/dm2以上100μg/dm2以下であることが好ましい。
<極薄銅層>
中間層の上には極薄銅層を設ける。中間層と極薄銅層との間には他の層を設けてもよい。極薄銅層は、硫酸銅、ピロリン酸銅、スルファミン酸銅、シアン化銅等の電解浴を利用した電気メッキにより形成することができ、一般的な電解銅箔で使用され、高電流密度での銅箔形成が可能であることから硫酸銅浴が好ましい。極薄銅層の厚みは特に制限はないが、一般的にはキャリアよりも薄く、例えば12μm以下である。典型的には0.5〜12μmであり、より典型的には1〜5μm、更に典型的には1.5〜5μm、更に典型的には2〜5μmである。なお、キャリアの両面に極薄銅層を設けてもよい。
このようにして、キャリアと、キャリア上に積層された中間層と、中間層の上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔が製造される。キャリア付銅箔自体の使用方法は当業者に周知であるが、例えば極薄銅層の表面を紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の絶縁基板に貼り合わせて熱圧着後にキャリアを剥がして銅張積層板とし、絶縁基板に接着した極薄銅層を目的とする導体パターンにエッチングし、最終的にプリント配線板を製造することができる。
また、キャリアと、キャリア上に中間層が積層され、中間層の上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔は、前記極薄銅層上に粗化処理層を備えており、前記粗化処理層上に、耐熱層、防錆層、クロメート(処理)層およびシランカップリング(処理)層からなる群のから選択された層を一つ以上備えても良い。
〔樹脂層〕
本発明の高周波回路用銅箔(高周波回路用銅箔がキャリア付銅箔の極薄銅層である場合も含む)の二次粒子層の表面に樹脂層を形成してもよい。また、樹脂層は、それぞれ高周波回路用銅箔の二次粒子層上に形成された、Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層の表面に形成してもよく、クロメート層の表面に形成してもよく、シランカップリング層の表面に形成してもよく、Ni−Zn合金層の表面に形成してもよい。また、樹脂層は、高周波回路用銅箔の最表面に形成されているのがより好ましい。また、前記キャリア付銅箔は前記粗化処理層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいはクロメート(処理)層、あるいはシランカップリング(処理)層の上に樹脂層を備えても良い。前記樹脂層は絶縁樹脂層であってもよい。
前記樹脂層は接着剤であってもよく、接着用の半硬化状態(Bステージ状態)の絶縁樹脂層であってもよい。半硬化状態(Bステージ状態)とは、その表面に指で触れても粘着感はなく、該絶縁樹脂層を重ね合わせて保管することができ、更に加熱処理を受けると硬化反応が起こる状態のことを含む。
また前記樹脂層は熱硬化性樹脂を含んでもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。また、前記樹脂層は熱可塑性樹脂を含んでもよい。その種類は格別限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、多官能性シアン酸エステル化合物、マレイミド化合物、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂などを含む樹脂を好適なものとしてあげることができる。
前記樹脂層は公知の樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体(無機化合物及び/または有機化合物を含む誘電体、金属酸化物を含む誘電体等どのような誘電体を用いてもよい)、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等を含んでよい。また、前記樹脂層は例えば国際公開番号WO2008/004399、国際公開番号WO2008/053878、国際公開番号WO2009/084533、特開平11−5828号、特開平11−140281号、特許第3184485号、国際公開番号WO97/02728、特許第3676375号、特開2000−43188号、特許第3612594号、特開2002−179772号、特開2002−359444号、特開2003−304068号、特許第3992225号、特開2003−249739号、特許第4136509号、特開2004−82687号、特許第4025177号、特開2004−349654号、特許第4286060号、特開2005−262506号、特許第4570070号、特開2005−53218号、特許第3949676号、特許第4178415号、国際公開番号WO2004/005588、特開2006−257153号、特開2007−326923号、特開2008−111169号、特許第5024930号、国際公開番号WO2006/028207、特許第4828427号、特開2009−67029号、国際公開番号WO2006/134868、特許第5046927号、特開2009−173017号、国際公開番号WO2007/105635、特許第5180815号、国際公開番号WO2008/114858、国際公開番号WO2009/008471、特開2011−14727号、国際公開番号WO2009/001850、国際公開番号WO2009/145179、国際公開番号WO2011/068157、特開2013−19056号に記載されている物質(樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等)および/または樹脂層の形成方法、形成装置を用いて形成してもよい。
これらの樹脂を例えばメチルエチルケトン(MEK)、トルエンなどの溶剤に溶解して樹脂液とし、これを前記銅箔上又は極薄銅層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいは前記クロメート皮膜層、あるいは前記シランカップリング剤層の上に、例えばロールコータ法などによって塗布し、ついで必要に応じて加熱乾燥して溶剤を除去しBステージ状態にする。乾燥には例えば熱風乾燥炉を用いればよく、乾燥温度は100〜250℃、好ましくは130〜200℃であればよい。
前記樹脂層を備えた高周波回路用銅箔(樹脂付き高周波回路用銅箔)は、その樹脂層を基材に重ね合わせたのち全体を熱圧着して該樹脂層を熱硬化せしめ、ついで銅箔に所定の配線パターンを形成するという態様で使用される。
また、前記樹脂層を備えたキャリア付銅箔(樹脂付きキャリア付銅箔)は、その樹脂層を基材に重ね合わせたのち全体を熱圧着して該樹脂層を熱硬化せしめ、ついでキャリアを剥離して極薄銅層を表出せしめ(当然に表出するのは該極薄銅層の中間層側の表面である)、そこに所定の配線パターンを形成するという態様で使用される。
この樹脂付き高周波回路用銅箔または樹脂付きキャリア付銅箔を使用すると、多層プリント配線基板の製造時におけるプリプレグ材の使用枚数を減らすことができる。しかも、樹脂層の厚みを層間絶縁が確保できるような厚みにしたり、プリプレグ材を全く使用していなくても銅張り積層板を製造することができる。またこのとき、基材の表面に絶縁樹脂をアンダーコートして表面の平滑性を更に改善することもできる。
なお、プリプレグ材を使用しない場合には、プリプレグ材の材料コストが節約され、また積層工程も簡略になるので経済的に有利となり、しかも、プリプレグ材の厚み分だけ製造される多層プリント配線基板の厚みは薄くなり、1層の厚みが100μm以下である極薄の多層プリント配線基板を製造することができるという利点がある。
この樹脂層の厚みは0.1〜80μmであることが好ましい。
樹脂層の厚みが0.1μmより薄くなると、接着力が低下し、プリプレグ材を介在させることなくこの樹脂付きキャリア付銅箔を内層材を備えた基材に積層したときに、内層材の回路との間の層間絶縁を確保することが困難になる場合がある。
一方、樹脂層の厚みを80μmより厚くすると、1回の塗布工程で目的厚みの樹脂層を形成することが困難となり、余分な材料費と工数がかかるため経済的に不利となる。更には、形成された樹脂層はその可撓性が劣るので、ハンドリング時にクラックなどが発生しやすくなり、また内層材との熱圧着時に過剰な樹脂流れが起こって円滑な積層が困難になる場合がある。
なお、樹脂付きキャリア付銅箔のもう一つの製品形態としては、前記極薄銅層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいは前記クロメート層、あるいは前記シランカップリング層の上に樹脂層で被覆し、半硬化状態とした後、ついでキャリアを剥離して、キャリアが存在しない樹脂付き銅箔(極薄銅層)の形で製造することも可能である。
ここで、以下に、本発明に係るキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造工程の例を幾つか示す。
本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を極薄銅層側が絶縁基板と対向するように積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、その後、セミアディティブ法、モディファイドセミアディティブ法、パートリーアディティブ法及びサブトラクティブ法の何れかの方法によって、回路を形成する工程を含む。絶縁基板は内層回路入りのものとすることも可能である。
本発明において、セミアディティブ法とは、絶縁基板又は銅箔シード層上に薄い無電解メッキを行い、メッキレジストのパターンを形成後、電気メッキ、メッキレジストの除去及びエッチングを行うことにより導体パターンを形成することを含む方法を指す。
本発明において、モディファイドセミアディティブ法とは、絶縁層上に金属箔を積層し、メッキレジストにより非回路形成部を保護し、電解メッキにより回路形成部の銅厚付けを行った後、レジストを除去し、前記回路形成部以外の金属箔を(フラッシュ)エッチングで除去することにより、絶縁層上に回路を形成することを含む方法を指す。
本発明において、パートリーアディティブ法とは、導体層を設けてなる基板、必要に応じてスルーホールやバイアホール用の孔を穿けてなる基板上に触媒核を付与し、エッチングして導体回路を形成し、必要に応じてソルダレジストまたはメッキレジストを設けた後に、前記導体回路上、スルーホールやバイアホールなどに無電解メッキ処理によって厚付けを行うことを含む方法により、プリント配線板を製造する方法を指す。
本発明において、サブトラクティブ法とは、銅張積層板上の銅箔の不要部分を、エッチングなどによって、選択的に除去して、導体パターンを形成することを含む方法を指す。
なお、本発明において、セミアディティブ法、モディファイドセミアディティブ法、パートリーアディティブ法およびサブトラクティブ法として公知の方法を用いることができる。また、本発明において、上述のセミアディティブ法、モディファイドセミアディティブ法、パートリーアディティブ法およびサブトラクティブ法において、絶縁基板等にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設けてもよい。
ここで、本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造方法の具体例を、図面を用いて詳細に説明する。
まず、図5−Aに示すように、表面に粗化処理層が形成された極薄銅層を有するキャリア付銅箔(1層目)を準備する。
次に、図5−Bに示すように、極薄銅層の粗化処理層上にレジストを塗布し、露光・現像を行い、レジストを所定の形状にエッチングする。
次に、図5−Cに示すように、回路用のメッキを形成した後、レジストを除去することで、所定の形状の回路メッキを形成する。
次に、図6−Dに示すように、回路メッキを覆うように(回路メッキが埋没するように)極薄銅層上に埋め込み樹脂を設けて樹脂層を積層し、続いて別のキャリア付銅箔(2層目)を極薄銅層側から接着させる。
次に、図6−Eに示すように、2層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。
次に、図6−Fに示すように、樹脂層の所定位置にレーザー穴あけを行い、回路メッキを露出させてブラインドビアを形成する。
次に、図7−Gに示すように、ブラインドビアに銅を埋め込みビアフィルを形成する。
次に、図7−Hに示すように、ビアフィル上に、上記図5−B及び図5−Cのようにして回路メッキを形成する。
次に、図7−Iに示すように、1層目のキャリア付銅箔からキャリアを剥がす。
次に、図8−Jに示すように、フラッシュエッチングにより両表面の極薄銅層を除去し、樹脂層内の回路メッキの表面を露出させる。
次に、図8−Kに示すように、樹脂層内の回路メッキ上にバンプを形成し、当該はんだ上に銅ピラーを形成する。このようにして本発明のキャリア付銅箔を用いたプリント配線板を作製する。
上記別のキャリア付銅箔(2層目)は、本発明のキャリア付銅箔を用いてもよく、従来のキャリア付銅箔を用いてもよく、さらに通常の銅箔を用いてもよい。また、図7−Hに示される2層目の回路上に、さらに回路を1層或いは複数層形成してもよく、それらの回路形成をセミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって行ってもよい。
上述のようなプリント配線板の製造方法によれば、回路メッキが樹脂層に埋め込まれた構成となっているため、例えば図8−Jに示すようなフラッシュエッチングによる極薄銅層の除去の際に、回路メッキが樹脂層によって保護され、その形状が保たれ、これにより微細回路の形成が容易となる。また、回路メッキが樹脂層によって保護されるため、耐マイグレーション性が向上し、回路の配線の導通が良好に抑制される。このため、微細回路の形成が容易となる。また、図8−J及び図8−Kに示すようにフラッシュエッチングによって極薄銅層を除去したとき、回路メッキの露出面が樹脂層から凹んだ形状となるため、当該回路メッキ上にバンプが、さらにその上に銅ピラーがそれぞれ形成しやすくなり、製造効率が向上する。
なお、埋め込み樹脂(レジン)には公知の樹脂、プリプレグを用いることができる。例えば、BT(ビスマレイミドトリアジン)レジンやBTレジンを含浸させたガラス布であるプリプレグ、味の素ファインテクノ株式会社製ABFフィルムやABFを用いることができる。また、前記埋め込み樹脂(レジン)には本明細書に記載の樹脂層および/または樹脂および/またはプリプレグを使用することができる。
また、前記一層目に用いられるキャリア付銅箔は、当該キャリア付銅箔の表面に基板または樹脂層を有してもよい。当該基板または樹脂層を有することで一層目に用いられるキャリア付銅箔は支持され、しわが入りにくくなるため、生産性が向上するという利点がある。なお、前記基板または樹脂層には、前記一層目に用いられるキャリア付銅箔を支持する効果するものであれば、全ての基板または樹脂層を用いることが出来る。例えば前記基板または樹脂層として本願明細書に記載のキャリア、プリプレグ、樹脂層や公知のキャリア、プリプレグ、樹脂層、金属板、金属箔、無機化合物の板、無機化合物の箔、有機化合物の板、有機化合物の箔を用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例のみに制限されるものではない。すなわち、本発明に含まれる他の態様または変形を包含するものである。なお、以下の実施例1〜8、13〜17及び比較例1〜5の原箔には、標準圧延銅箔TPC(JIS H3100 C1100に規格されているタフピッチ銅、JX日鉱日石金属製)18μmを使用した。
また、実施例9〜12の原箔には以下の方法により製造したキャリア付銅箔を用いた。
実施例9〜11は、厚さ18μmの電解銅箔(JX日鉱日石金属製 JTC箔)をキャリアとして準備し、実施例12については上述の厚さ18μmの標準圧延銅箔TPCをキャリアとして準備した。そして下記条件で、キャリアの表面に中間層を形成し、中間層の表面に極薄銅層を形成した。なお、キャリアが電解銅箔の場合には光沢面(S面)に中間層を形成した。
・実施例9
<中間層>
(1)Ni層(Niメッキ)
キャリアに対して、以下の条件でロール・トウ・ロール型の連続メッキラインで電気メッキすることにより1000μg/dm2の付着量のNi層を形成した。具体的なメッキ条件を以下に記す。
硫酸ニッケル:270〜280g/L
塩化ニッケル:35〜45g/L
酢酸ニッケル:10〜20g/L
ホウ酸:30〜40g/L
光沢剤:サッカリン、ブチンジオール等
ドデシル硫酸ナトリウム:55〜75ppm
pH:4〜6
浴温:55〜65℃
電流密度:10A/dm2
(2)Cr層(電解クロメート処理)
次に、(1)にて形成したNi層表面を水洗及び酸洗後、引き続き、ロール・トウ・ロール型の連続メッキライン上でNi層の上に11μg/dm2の付着量のCr層を以下の条件で電解クロメート処理することにより付着させた。
重クロム酸カリウム1〜10g/L、亜鉛0g/L
pH:7〜10
液温:40〜60℃
電流密度:2A/dm2
<極薄銅層>
次に、(2)にて形成したCr層表面を水洗及び酸洗後、引き続き、ロール・トウ・ロール型の連続メッキライン上で、Cr層の上に厚み1.5μmの極薄銅層を以下の条件で電気メッキすることにより形成し、キャリア付銅箔を作製した。
銅濃度:90〜110g/L
硫酸濃度:90〜110g/L
塩化物イオン濃度:50〜90ppm
レベリング剤1(ビス(3スルホプロピル)ジスルフィド):10〜30ppm
レベリング剤2(アミン化合物):10〜30ppm
なお、レベリング剤2として下記のアミン化合物を用いた。
(上記化学式中、R1及びR2はヒドロキシアルキル基、エーテル基、アリール基、芳香族置換アルキル基、不飽和炭化水素基、アルキル基からなる一群から選ばれるものである。)
電解液温度:50〜80℃
電流密度:100A/dm2
電解液線速:1.5〜5m/sec
・実施例10
<中間層>
(1)Ni−Mo層(ニッケルモリブデン合金メッキ)
キャリアに対して、以下の条件でロール・トウ・ロール型の連続メッキラインで電気メッキすることにより3000μg/dm2の付着量のNi-Mo層を形成した。具体的なメッキ条件を以下に記す。
(液組成)硫酸Ni六水和物:50g/dm3、モリブデン酸ナトリウム二水和物:60g/dm3、クエン酸ナトリウム:90g/dm3
(液温)30℃
(電流密度)1〜4A/dm2
(通電時間)3〜25秒
<極薄銅層>
(1)で形成したNi-Mo層の上に極薄銅層を形成した。極薄銅層の厚みを2μmとした以外は実施例9と同様の条件で極薄銅層を形成した。
・実施例11
<中間層>
(1)Ni層(Niメッキ)
実施例9と同じ条件でNi層を形成した。
(2)有機物層(有機物層形成処理)
次に、(1)にて形成したNi層表面を水洗及び酸洗後、引き続き、下記の条件でNi層表面に対して濃度1〜30g/Lのカルボキシベンゾトリアゾール(CBTA)を含む、液温40℃、pH5の水溶液を、20〜120秒間シャワーリングして噴霧することにより有機物層を形成した。
<極薄銅層>
(2)で形成した有機物層の上に極薄銅層を形成した。極薄銅層の厚みを3μmとした以外は実施例9と同様の条件で極薄銅層を形成した。
・実施例12
<中間層>
(1)Co-Mo層(コバルトモリブデン合金メッキ)
キャリアに対して、以下の条件でロール・トウ・ロール型の連続メッキラインで電気メッキすることにより4000μg/dm2の付着量のCo-Mo層を形成した。具体的なメッキ条件を以下に記す。
(液組成)硫酸Co:50g/dm3、モリブデン酸ナトリウム二水和物:60g/dm3、クエン酸ナトリウム:90g/dm3
(液温)30℃
(電流密度)1〜4A/dm2
(通電時間)3〜25秒
<極薄銅層>
(1)で形成したCo-Mo層の上に極薄銅層を形成した。極薄銅層の厚みを実施例9は5μmとした以外は実施例9と同様の条件で極薄銅層を形成した。
(実施例1〜17)
圧延銅箔(実施例1〜8、13〜17)またはキャリア付銅箔の極薄銅層表面(実施例9〜12)に、下記に示す条件範囲で、一次粒子層(Cu)、二次粒子層(銅−コバルト−ニッケル合金メッキ)形成した。
使用した浴組成及びメッキ条件は、次の通りである。
[浴組成及びメッキ条件]
(A)一次粒子層の形成(Cuメッキ)
液組成 :銅15g/L、硫酸75g/L
液温 :25〜30℃
電流密度 :1〜70A/dm2
クーロン量:2〜90As/dm2
(B)二次粒子層の形成(Cu−Co−Ni合金メッキ)
液組成 :銅15g/L、ニッケル8g/L、コバルト8g/L
pH :2
液温 :40℃
電流密度 :10〜50A/dm2
クーロン量:10〜80As/dm2
上記の一次粒子層の形成(Cuメッキ)及び二次粒子層の形成(Cu−Co−Ni合金メッキ)の条件を調整して、粗化処理面の一定領域のレーザー顕微鏡による二次元表面積に対する三次元表面積の比が2.0以上2.2未満であるとなるようにした。表面積の測定は、上記レーザー顕微鏡による測定法を用いた。
(比較例1〜5)
比較例において、使用した浴組成及びメッキ条件は、次の通りである。
[浴組成及びメッキ条件]
(A)一次粒子層の形成(銅メッキ)
液組成 :銅15g/L、硫酸75g/L
液温 :25〜35℃
電流密度 :1〜70A/dm2
クーロン量:2〜90As/dm2
(B)二次粒子層の形成(Cu−Co−Ni合金メッキ条件)
液組成 :銅15g/L、ニッケル8g/L、コバルト8g/L
pH :2
液温 :40℃
電流密度 :20〜50A/dm2
クーロン量:30〜80As/dm2
<一次粒子層及び二次粒子層以外の表面処理層>
一次粒子層及び二次粒子層の形成後、一部の実施例及び比較例については、以下の条件による表面処理層を行った。
(実施例3、4、10、11、比較例1〜5)
・Co−Niメッキ:コバルトニッケル合金メッキ
液組成 :ニッケル5〜20g/L、コバルト1〜8g/L
pH :2〜3
液温 :40〜60℃
電流密度 :5〜20A/dm2
クーロン量:10〜20As/dm2
(実施例5、12)
・Ni−Znメッキ:ニッケル亜鉛合金メッキ
液組成 :ニッケル2〜30g/L、亜鉛2〜30g/L
pH :3〜4
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
なお、実施例5及び12については、Ni−Znメッキ後に、電解クロメート処理並びにジアミノシランを用いたシランカップリング処理を行った。
(実施例7)
・Ni‐Cuメッキ:ニッケル銅合金メッキ
液組成 :ニッケル2〜30g/L、銅2〜30g/L
pH :3〜4
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
(実施例13)
・Ni−Moメッキ:ニッケルモリブデン合金メッキ
液組成 :硫酸Ni六水和物:45〜55g/dm3、モリブデン酸ナトリウム二水和物:50〜70g/dm3、クエン酸ナトリウム:80〜100g/dm3
液温 :20〜40℃
電流密度 :1〜4A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
なお、実施例13については、Ni−Moメッキ後に、電解クロメート処理を行った。
(実施例14)
・Ni−Snメッキ:ニッケル錫合金メッキ
液組成 :ニッケル2〜30g/L、錫2〜30g/L
pH :1.5〜4.5
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
なお、実施例14については、Ni−Snメッキ後に、ジアミノシランを用いたシランカップリング処理を行った。
(実施例15)
・Ni−Pメッキ:ニッケルリン合金メッキ
液組成 :ニッケル30〜70g/L、リン0.2〜1.2g/L
pH :1.5〜2.5
液温 :30〜40℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
(実施例16)
・Ni−Wメッキ:ニッケルタングステン合金メッキ
液組成 :ニッケル2〜30g/L、W0.01〜5g/L
pH :3〜4
液温 :30〜50℃
電流密度 :1〜2A/dm2
クーロン量:1〜2As/dm2
なお、実施例16については、Ni−Wメッキ後に、電解クロメート処理並びにジアミノシランを用いたシランカップリング処理を行った。
(実施例17)
・Ni−Crメッキ:ニッケルクロム合金メッキ
Ni:80mass%、Cr:20mass%の組成のスパッタリングターゲットを用いてニッケルクロム合金メッキ層を形成した。
ターゲット:Ni:80mass%、Cr:20mass%
装置:株式会社アルバック製のスパッタ装置
出力:DC50W
アルゴン圧力:0.2Pa
上記実施例により形成した銅箔上の一次粒子層(Cuメッキ)及び二次粒子層(Cu−Co−Ni合金メッキ)を形成した場合の、一次粒子の平均粒子径、二次粒子の平均粒子径、粉落ち、ピール強度、耐熱性、粗化処理面の一定領域のレーザー顕微鏡による二次元表面積に対する三次元表面積の比を測定した結果を表1に示す。ここで、測定した「粗化処理面」は、一次粒子層及び二次粒子層を形成した側の最表面とした。なお、二次粒子層上に、Co−Niメッキ、Ni−Znメッキ、クロメート層、シランカップリング層等の、一次粒子層及び二次粒子層以外の表面処理層が形成されているものは、これらの層のうちの最表層の表面を粗化処理面として測定した(すなわち、銅箔の全ての表面処理層が形成された後の一次粒子層及び二次粒子層が存在する側の表面を測定した)。
粗化処理面の一次粒子および二次粒子の平均粒子径は、株式会社日立ハイテクノロジーズ製S4700(走査型電子顕微鏡)を用いて、30000倍の倍率で粒子観察および写真撮影を行い、得られた写真に基づいて各一次粒子および二次粒子についてそれぞれ粒子径を測定した。そして、当該得られた各一次粒子および二次粒子の粒子径の算術平均値を一次粒子の平均粒子径および二次粒子の平均粒子径の値とした。なお、走査型電子顕微鏡写真の粒子の上に直線を引いた場合に、粒子を横切る直線の長さが最も長い部分の粒子の長さをその粒子の粒径とした。なお測定視野の大きさは1視野当たり面積13.44μm2(=4.2μm×3.2μm)とし、1視野について測定した。なお、走査型電子顕微鏡写真で観察した際に、重なって見える粒子であって銅箔側(下方)に存在する粒子、および、重なっていない粒子を一次粒子とし、重なって見える粒子であって他の粒子の上に存在する粒子を二次粒子と判定した。粉落ち特性は銅箔の粗化処理面上に透明なメンディングテープを貼り付け、このテープを剥がした際にテープ粘着面に付着する脱落粗化粒子により、テープが変色する様子から粉落ち特性を評価した。すなわちテープの変色が無い、または僅かな場合は粉落ちOKとして、テープが灰色に変色する場合は粉落ちNGとした。常態ピール強度は銅箔粗化処理面と表1に記載の樹脂基板を熱プレスにて貼り合わせて銅張積層板を作製し、一般的な塩化銅回路エッチング液を使用して10mm回路を作製し、10mm回路銅箔を基板から剥いて、90°方向に引っ張りながら常態ピール強度を測定した。
(伝送損失の測定)
18μm厚の各サンプルについて、表1に記載の樹脂基板(LCP:液晶ポリマー樹脂(株式会社クラレ製Vecstar CTZ−50μm)、ポリイミド:カネカ製 厚み50μm、フッ素樹脂 厚み50μm:デュポン製)と貼り合わせた後、エッチングで特性インピーダンスが50Ωのとなるようマイクロストリップ線路を形成し、HP社製のネットワークアナライザーHP8720Cを用いて透過係数を測定し、周波数20GHzおよび周波数40GHzでの伝送損失を求めた。なお、実施例9〜12については、キャリア付銅箔の極薄銅層側の表面を表1に記載の樹脂基板と貼り合わせた後、キャリアを剥離した後、銅メッキをして、極薄銅層と銅メッキとの合計厚みを18μmとした後に、上記と同様の伝送損失の測定を行った。周波数20GHzにおける伝送損失の評価として、3.7dB/10cm未満を◎、3.7dB/10cm以上且つ4.1dB/10cm未満を○、4.1dB/10cm以上且つ5.0dB/10cm未満を△、5.0dB/10cm以上を×とした。
また、比較例として、同様の結果を表1に示す。
なお、表1の一次粒子電流条件欄に電流条件、クーロン量が2つ記載されている例は、左に記載されている条件でメッキを行った後に、右に記載されている条件で更にメッキを行ったことを意味する。例えば、実施例1の一次粒子電流条件欄には「(65A/dm2、80As/dm2)+(20A/dm2、30As/dm2)」と記載されているが、これは一次粒子を形成する電流密度を65A/dm2、クーロン量を80As/dm2でメッキを行った後に、更に一次粒子を形成する電流密度を20A/dm2、クーロン量を30As/dm2としてメッキを行ったことを示す。
表1から明らかなように、本発明の実施例の結果は、次の通りである。
実施例1は、一次粒子を形成する電流密度を65A/dm2と20A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と30As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を28A/dm2とし、クーロン量を20As/dm2とした場合である。
なお、一次粒子を形成する電流密度とクーロン量が2段階になっているが、通常一次粒子を形成する場合には、2段階の電気メッキが必要となる。すなわち、第1段階の核粒子形成のメッキ条件と第2段階の核粒子の成長の電気メッキである。
最初のメッキ条件は、第1段階の核形成粒子形成のための電気メッキ条件であり、次のメッキ条件は、第2段階の核粒子の成長のための電気メッキ条件である。以下の実施例及び比較例についても同様なので、説明は省略する。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.45μmで、二次粒子の平均粒子径が0.30μmであり、粒子形成後のレーザー顕微鏡による三次元表面積は21589μm2となった。一方、同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.18となり、本発明の条件を満たしていた。
この結果、粉落ちが少なく、常態ピール強度が1.16kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
なお、耐熱劣化率は以下の式で求めた。
耐熱劣化率(%)=(常態ピール強度(kg/cm)−180℃48時間加熱後のピール強度(kg/cm))/常態ピール強度(kg/cm)×100
実施例2は、一次粒子を形成する電流密度を65A/dm2と2A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と4As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を25A/dm2とし、クーロン量を15As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.40μmで、二次粒子の平均粒子径が0.15μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20978μm2となった。一方、同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.11となり、本発明の条件を満たしていた。
この結果、粉落ちがなく、常態ピール強度が1.08kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例3は、一次粒子を形成する電流密度を60A/dm2と10A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と20As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を25A/dm2とし、クーロン量を30As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.30μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の三次元表面積は21010μm2となった。一方、同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.12となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちは無かった。常態ピール強度が0.92kg/cmと高く、また、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例4は、一次粒子を形成する電流密度を55A/dm2と1A/dm2とし、クーロン量を75As/dm2と5As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を25A/dm2とし、クーロン量を30As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.35μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20847μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.10となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.94kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例5は、一次粒子を形成する電流密度を50A/dm2と5A/dm2とし、クーロン量を70As/dm2と10As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を25A/dm2とし、クーロン量を30As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.30μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20738μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.09となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.94kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例6は、一次粒子を形成する電流密度を50A/dm2と2A/dm2とし、クーロン量を70As/dm2と3As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を15A/dm2とし、クーロン量を30As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.25μmで、二次粒子はほとんど被せ(正常)メッキ状態(粒径は0.1μm未満)となり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20112μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.03となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.81kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例7は、一次粒子を形成する電流密度を60A/dm2と15A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と20As/dm2とした場合で、二次粒子(二次粒子層)を形成する電流密度を20A/dm2とし、クーロン量を60As/dm2として被せメッキ(正常メッキ)をした後に、さらに電流密度を20A/dm2とし、クーロン量20As/dm2として粒子を形成した場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.35μmで、二次粒子は被せ(正常)メッキ状態(粒径は0.1μm未満)および平均粒子径0.15μmの2段階構成となり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20975μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.11となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.83kg/cmであり、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例8は、一次粒子を形成する電流密度を40A/dm2と1A/dm2とし、クーロン量を40As/dm2と2As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を20A/dm2とし、クーロン量を20As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.15μmで、二次粒子の平均粒子径が0.15μmであり、粒子形成後の表面積20345μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.05となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちは発生しなかった。また、常態ピール強度は0.71kg/cmであり、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)は35%であった。
実施例9は、一次粒子を形成する電流密度を65A/dm2と2A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と4As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を25A/dm2とし、クーロン量を15As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.41μmで、二次粒子の平均粒子径が0.16μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は21177μm2となった。一方、同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.13となり、本発明の条件を満たしていた。
この結果、粉落ちがなく、常態ピール強度が1.09kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例10は、一次粒子を形成する電流密度を60A/dm2と10A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と20As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を25A/dm2とし、クーロン量を30As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.31μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の三次元表面積は21208μm2となった。一方、同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.14となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちは無かった。常態ピール強度が0.93kg/cmと高く、また、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例11は、一次粒子を形成する電流密度を55A/dm2と1A/dm2とし、クーロン量を75As/dm2と5As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を25A/dm2とし、クーロン量を30As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.35μmで、二次粒子の平均粒子径が0.26μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は21010μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.12となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.95kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例12は、一次粒子を形成する電流密度を50A/dm2と5A/dm2とし、クーロン量を70As/dm2と10As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を25A/dm2とし、クーロン量を30As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.30μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20978μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.11となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.94kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例13は、一次粒子を形成する電流密度を60A/dm2と10A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と20As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を25A/dm2とし、クーロン量を30As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.30μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の三次元表面積は21008μm2となった。一方、同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.12となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちは無かった。常態ピール強度が0.93kg/cmと高く、また、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例14は、一次粒子を形成する電流密度を60A/dm2と10A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と20As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を25A/dm2とし、クーロン量を30As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.30μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の三次元表面積は21009μm2となった。一方、同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.12となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちは無かった。常態ピール強度が0.92kg/cmと高く、また、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例15は、一次粒子を形成する電流密度を55A/dm2と1A/dm2とし、クーロン量を75As/dm2と5As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を25A/dm2とし、クーロン量を30As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.35μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20848μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.10となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.94kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例16は、一次粒子を形成する電流密度を50A/dm2と5A/dm2とし、クーロン量を70As/dm2と10As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を25A/dm2とし、クーロン量を30As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.30μmで、二次粒子の平均粒子径が0.25μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20737μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.09となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.94kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
実施例17は、一次粒子を形成する電流密度を50A/dm2と2A/dm2とし、クーロン量を70As/dm2と3As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を15A/dm2とし、クーロン量を30As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.25μmで、二次粒子はほとんど被せ(正常)メッキ状態(粒径は0.1μm未満)となり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20108μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.03となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちがなく、常態ピール強度が0.81kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいという特徴を備えていた。
これに対して、比較例は、次の結果となった。
比較例1は、一次粒子を形成する電流密度を63A/dm2と10A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と30As/dm2とした場合で、二次粒子は形成しなかった場合である。この結果、一次粒子の平均粒子径が0.50μmとなり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の表面積は20804μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.10となり、本発明の条件を満たしていた。
粉落ちはなく常態ピール強度が1.38kg/cmと高く実施例レベルであった。しかし耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が60%と著しく悪かった。全体的な高周波回路用銅箔としての評価は、不良であった。
比較例2は、一次粒子径が存在せず、二次粒子層のみの従来例を示すものである。すなわち、二次粒子を形成する電流密度を50A/dm2とし、クーロン量を30As/dm2とした場合である。
この結果、二次粒子の平均粒子径が0.30μmとなり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の三次元表面積は21834μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.20となり、本発明の条件を満たしていなかった。
粗化粒子の粉落ちが多量に発生した。常態ピール強度が1.25kg/cmと実施例レベルであり、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいと実施例レベルであった。上記の通り、粉落ちが多量に発生するという問題があるため、全体的な高周波回路用銅箔としての総合評価は、不良であった。
比較例3は、一次粒子を形成する電流密度を63A/dm2と1A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と2As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を28A/dm2とし、クーロン量を73As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.35μmで、二次粒子の平均粒子径が0.60μmであり、レーザー顕微鏡による粒子形成後の三次元表面積は21797μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.20となり、本発明の条件を満たしていなかった。粉落ちが多量に発生した。常態ピール強度が1.42kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいと実施例レベルであったが、粉落ちが多量に発生した。全体的な高周波回路用銅箔としての評価は、不良であった。
比較例4は、一次粒子を形成する電流密度を63A/dm2と1A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と2As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を31A/dm2とし、クーロン量を40As/dm2とした場合である。
この結果、一次粒子の平均粒子径が0.35μmで、二次粒子の平均粒子径が0.40μmであり、粒子形成後の表面積22448μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.26となり、本発明の条件を満たしていなかった。
常態ピール強度が1.37kg/cmと高く、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいと実施例レベルであったが、粉落ちが多量に発生した。全体的な印高周波回路用銅箔としての評価は、不良であった。
比較例5は、一次粒子を形成する電流密度を63A/dm2と10A/dm2とし、クーロン量を80As/dm2と30As/dm2とした場合で、二次粒子を形成する電流密度を31A/dm2とし、クーロン量を40As/dm2とした場合である。この結果、一次粒子の平均粒子径が0.50μmで、二次粒子の平均粒子径が0.40μmであり、粒子形成後の表面積22086μm2となった。同じ領域の二次元表面積は9924.4μm2である(これは100×100μm面積相当)ので、二次元表面積に対する三次元表面積の比は2.23となり、本発明の条件を満たしていなかった。
常態ピール強度が1.35kg/cmであり、耐熱性劣化率(常態ピール測定後に180℃48時間加熱後のピール強度を測定してその差を劣化率とした)が30%以下と小さいと実施例レベルであったが、粉落ちが発生した。全体的な高周波回路用銅箔としての評価は、不良であった。
上記実施例及び比較例の対比から明らかなように、銅箔(原箔)の表面に、銅の一次粒子層を形成した後、該一次粒子層の上に、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金からなる二次粒子層を形成した場合において、粗化処理面の一定領域のレーザー顕微鏡による二次元表面積に対する三次元表面積の比が2.0以上2.2未満であるとすることにより、粉落ちと言われる現象を、安定して抑制することができるという優れた効果を有し、さらにピール強度を高め、かつ高周波特性を向上させることができる。
また、一次粒子層の平均粒径を0.25〜0.45μm、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金からなる二次粒子層の平均粒子径を0.35μm以下とするのが、上記の効果を達成する上で、さらに有効である。
なお、耐熱処理層にCoが含まれる場合、伝送損失が大きくなる傾向があった。

Claims (21)

  1. 銅箔の表面に、銅の一次粒子層を形成した後、該一次粒子層の上に、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金の二次粒子層を形成した銅箔であって、粗化処理面の一定領域のレーザー顕微鏡による二次元表面積に対する三次元表面積の比が2.0以上2.2未満である高周波回路用銅箔。
  2. 前記銅の一次粒子層の平均粒子径が0.25〜0.45μmであり、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金からなる二次粒子層の平均粒子径が0.35μm以下である請求項1に記載の高周波回路用銅箔。
  3. 前記一次粒子層及び二次粒子層が、電気メッキ層である請求項1又は2に記載の高周波回路用銅箔。
  4. 前記二次粒子が、前記一次粒子の上に成長した1又は複数個の樹枝状の粒子または前記一次粒子の上に成長した正常メッキ層である請求項1〜3のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
  5. 前記一次粒子層及び二次粒子層の接着強度が0.80kg/cm以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
  6. 前記一次粒子層及び二次粒子層の接着強度が0.90kg/cm以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
  7. 前記二次粒子層上に、
    (A)Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層、及び、
    (B)クロメート層
    のいずれか一方、又は、両方が形成された請求項1〜6のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
  8. 前記二次粒子層上に、
    (A)Niと、Fe、Cr、Mo、Zn、Ta、Cu、Al、P、W、Mn、Sn、AsおよびTiからなる群から選択された一種以上の元素とからなる合金層、及び、
    (B)クロメート層
    のいずれか一方、又は、両方と、
    シランカップリング層と
    がこの順で形成された請求項1〜7のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
  9. 前記二次粒子層上に、
    Ni−Zn合金層、及び、クロメート層のいずれか一方、又は、両方が形成された請求項1〜8のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
  10. 前記二次粒子層上に、
    Ni−Zn合金層、及び、クロメート層のいずれか一方、又は、両方と、
    シランカップリング層と
    がこの順で形成された請求項1〜9のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
  11. 前記二次粒子層の表面に樹脂層を備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
  12. さらに樹脂層を備える請求項7〜10のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔。
  13. キャリアの一方の面、又は、両方の面に、中間層、極薄銅層をこの順に有するキャリア付銅箔であって、前記極薄銅層が請求項1〜12のいずれか一項に記載の高周波回路用銅箔であるキャリア付銅箔。
  14. 前記キャリアの一方の面に前記中間層、前記極薄銅層をこの順に有し、前記キャリアの他方の面に粗化処理層を有する請求項13に記載のキャリア付銅箔。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の銅箔を用いた高周波回路用銅張積層板。
  16. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の銅箔を用いた高周波回路用プリント配線板。
  17. 前記銅箔とポリイミド、液晶ポリマーまたはフッ素樹脂とを積層した請求項15に記載の高周波回路用銅張積層板。
  18. ポリイミド、液晶ポリマーまたはフッ素樹脂のいずれかを用いた請求項16に記載の高周波回路用プリント配線板。
  19. 請求項16又は18に記載のプリント配線板を用いた電子機器。
  20. 請求項13又は14に記載のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
    前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、
    前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、
    その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法。
  21. 請求項13又は14に記載のキャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に回路を形成する工程、
    前記回路が埋没するように前記キャリア付銅箔の前記極薄銅層側表面に樹脂層を形成する工程、
    前記樹脂層上に回路を形成する工程、
    前記樹脂層上に回路を形成した後に、前記キャリアを剥離させる工程、及び、
    前記キャリアを剥離させた後に、前記極薄銅層を除去することで、前記極薄銅層側表面に形成した、前記樹脂層に埋没している回路を露出させる工程
    を含むプリント配線板の製造方法。
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