JPWO2014188535A1 - 電力変換器および風力発電システム - Google Patents

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Abstract

電力変換器(3)に於いて、DCチョッパ回路(33)を構成するスイッチング素子の数に依らず、これらスイッチング素子の故障を検出することを課題とする。この課題を解決するため、電力変換器(3)は、直流コンデンサC1およびDCチョッパ回路(33)が接続された直流回路(32)と、直流回路(32)の一方に接続された回転子側コンバータ(31)と、直流回路(32)の他方に接続された系統側コンバータ(34)と、直流コンデンサC1に電荷を初充電する初充電回路(36)と、直流コンデンサC1の初充電時または放電時にDCチョッパ回路(33)に係る電気的な量である電圧または電流を計測して、このDCチョッパ回路(33)の故障を検出する制御回路(39)とを備えている。

Description

本発明は、故障検出機能を備えた電力変換器、および、この電力変換器を備える風力発電システムに関するものである。
近年、地球環境の温暖化防止の環境活動や、化石燃料の枯渇に伴い、再生可能な自然エネルギを利用した風力発電システムが注目され、その設置台数が増加している。この風力発電システムは、気象や気候の変動によって風車の回転速度が変動するため、発電する電力が変動し、かつ、発電した電圧や電流の周波数が変動する。そのため、風力発電システムは、電力系統と連系するための電力変換器を備えている。この電力変換器は、いったん交流を直流に変換し、その直流を電力系統と連系するように直流に変換するものである。電力変換器の直流回路には、過大な電力が突発的に供給された時に、直流回路の電荷を放電して熱に変換し、電圧の上昇を抑制するDCチョッパ回路が接続されている。このDCチョッパ回路は、例えば半導体スイッチング素子と抵抗とが直列接続されたものである。
このDCチョッパ回路を構成する半導体スイッチング素子が破損して開放状態となったならば、電力変換器は、直流回路の電圧上昇を抑制することができず、過電圧によって破損する虞がある。このような場合に備えて、DCチョッパ回路は、複数のスイッチング素子を並列接続した構成のものが多い。更に、複数のスイッチング素子のうちいずれかが故障したならば、その故障を迅速に検出して、風力発電システムを停止することが望ましい。
特許文献1の課題には、「1つのゲート駆動回路によって駆動する半導体スイッチング素子を並列接続した素子のうち少なくとも1つの素子に故障が発生した時にこれを検出し、被害拡大を防ぐことができるチョッパ回路の故障検出装置を提供するものである。」と記載され、その解決手段には、「電力変換装置の主回路に接続され、複数のIGBT素子11〜14を並列接続したチョッパ回路3において、素子11〜14のオン・オフを制御するゲート信号を発生するゲート制御部20と、ゲート信号を並列接続した全てのIGBT素子11〜14に与えるゲート駆動回路30と、前記素子11〜14のオン・オフ状態をゲート−エミッタ間電圧の大きさと基準電圧を比較し、ゲート−エミッタ間電圧の大きさが基準電圧より大きい時にオン状態と判別し、それ以外の時はオフ状態と判別する比較回路45と、フィードバック信号の有無により故障と判別する第1の故障判別部26とを備えたものである。」と記載されている。
特許文献1の段落0021には、IGBT素子の故障検出方法として、「ゲート制御部20の第1の故障判別部26では、オンゲート指令信号を与えた結果として各IGBT素子11〜14がオン状態であるフィードバック信号を受信することになり、この状態を正常と判別する。」と記載されている。
特許文献1の段落0028には、IGBT素子の故障検出方法として、「IGBT素子11〜14にオフゲート信号を与えた場合に、このコレクタ−エミッタ間と並列に接続した電圧検出回路15で、ゲート制御部20よりオフゲート指令を与えたにも関わらず該電圧検出回路15の電圧値がゼロあるいはこれに近い値を示すならば、該IGBT素子のうち少なくとも1つの素子が短絡故障を発生している状態であり、これを第2の故障判別部18でオフ状態にならない故障と判別して、適切な保護動作を行う。」と記載されている。
特開2009−011043号公報
特許文献1に記載の技術によれば、半導体スイッチング素子の故障を検出するためには、ゲート−エミッタ間の電圧およびコレクタ−エミッタ間の電圧を検出する回路を複数追加する必要がある。そのため、半導体スイッチング素子の数を増加させた場合に、監視すべきフィードバック信号が増え、ゲート駆動回路も複数となり、DCチョッパ回路および電力変換器が大型化すると共にコストアップしてしまう虞がある。
そこで、本発明は、DCチョッパ回路を構成するスイッチング素子の数に依らず、これらスイッチング素子の故障を検出することを可能とする電力変換器、および、この電力変換装置を備える風力発電システムを提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明の電力変換器は、コンデンサおよびDCチョッパ回路が接続された直流回路と、前記直流回路の一方に接続された第1のコンバータと、前記直流回路の他方に接続された第2のコンバータと、前記コンデンサに電荷を充電する充電回路と、制御回路とを備えている。この制御回路は、コンデンサの充電時または放電時にDCチョッパ回路に係る電気的な量を計測して、このDCチョッパ回路の故障を検出するものである。
これにより、DCチョッパ回路を構成するスイッチング素子の数を増加させても、故障検出のための素子や回路を新たに追加せずともよいので、DCチョッパ回路および電力変換器の小型化とコストダウンとが可能となる。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、DCチョッパ回路を構成するスイッチング素子の数に依らず、これらスイッチング素子の故障を検出することが可能となる。
第1の実施形態に於ける二次励磁風力発電用電力変換器を示す図である。 第1の実施形態に於ける直流回路の等価回路を示す図である。 第1の実施形態の初充電時に於けるコンデンサ電圧波形を示す図である。 第1の実施形態に於ける初充電処理と運転中処理とを示すフローチャートである。 第1の実施形態の放電時に於けるコンデンサ電圧波形を示す図である。 第1の実施形態に於ける放電処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態に於ける初充電処理と運転中処理とを示すフローチャートである。 第2の実施形態に於ける放電処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態に於ける二次励磁風力発電用電力変換器を示す図である。 第3の実施形態の初充電時に於けるDCチョッパ回路の電流波形を示す図である。 第3の実施形態に於ける初充電処理と運転中処理とを示すフローチャートである。 第3の実施形態の放電時に於けるDCチョッパ回路の電流波形を示す図である。 第3の実施形態に於ける放電処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態に於ける放電処理を示すフローチャートである。
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に於ける風力発電システム1に用いられている二次励磁風力発電用の電力変換器3の概略の構成を示す図である。
風力発電システム1は、発電部2と、発電部2に接続された電力変換器3と、電力変換器3を電力系統5に連系する変圧器4とを備えている。
発電部2は、風車を構成するブレード21と、ブレード21に機械的に接続されたロータ22と、ロータ22によって駆動される二次励磁発電機23とを備えている。二次励磁発電機23は、固定子231と回転子232とを備えている。
発電部2は、ブレード21が風力を受けて、ロータ22と二次励磁発電機23の回転子232とを回転駆動して、風力を交流電力に変換するものである。
電力変換器3は、固定子配線379を介して固定子231と電気的に接続され、回転子配線319を介して、二次励磁発電機23の回転子232と電気的に接続される。電力変換器3は、システム配線389と変圧器4とにより、図示しない電力系統5に電気的に接続される。
電力変換器3は、二次励磁発電機23の回転子232の巻線をすべり周波数(系統周波数と回転周波数の差)で交流励磁することで、この回転子232の励磁により固定子231に発生する電圧を系統周波数と同じ周波数にすることができる。電力変換器3は、回転子232の励磁周波数(すべり周波数)を可変にすることで、風車(ブレード21)の回転速度を可変にすることができ、電力変換器3の容量を二次励磁発電機23の容量に比べて小さくすることができる。
電力変換器3は、インダクタL1と、回転子側コンバータ31と、直流回路32と、DCチョッパ回路33と、直流コンデンサC1と、系統側コンバータ34と、フィルタ回路35と、初充電回路36と、電磁接触器37と、遮断器38と、これらを統括して制御する制御回路39とを備えている。電力変換器3は更に、各部に流れる電流を計測する電流センサ311,351,372,381と、各部に印加された電圧を計測する電圧センサ321,364,371と、内部温度を計測する温度センサ394とを備えている。
回転子配線319には、直列に接続されたインダクタL1と電流センサ311とが設置され、回転子側コンバータ31の交流側に接続されている。回転子側コンバータ31の直流側は、直流回路32の正極32Hと負極32Lとに接続されている。
回転子側コンバータ31と系統側コンバータ34とは、制御回路39に制御されて、直流電力と交流電力とを相互に変換するものである。第1のコンバータである回転子側コンバータ31は、主に二次励磁発電機23から供給された交流電力を直流電力に変換する。
直流回路32の正極32Hと負極32Lとの間には、DCチョッパ回路33と、直流コンデンサC1と、電圧センサ321とが接続されている。DCチョッパ回路33は、抵抗r1とスイッチング素子Q1の直列接続と、抵抗r2とスイッチング素子Q2の直列接続と、抵抗r3とスイッチング素子Q3の直列接続と、抵抗r4とスイッチング素子Q4の直列接続とが並列に接続されて構成されている。直流回路32の正極32Hと負極32Lとは、系統側コンバータ34の直流側に接続されている。ここで、各抵抗r1〜r4の抵抗値をr[Ω]とする。スイッチング素子Q1〜Q4は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。しかし、スイッチング素子Q1〜Q4は、IGBTに限られず、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、GTO(Gate Turn-Off thyristor)などの他の半導体スイッチング素子であってもよい。
系統側コンバータ34の交流側は、系統配線369に接続されている。第2のコンバータである系統側コンバータ34は、主に直流回路32から供給された直流電力を交流電力に変換する。
系統配線369には、直列に接続されたフィルタ回路35と電流センサ351と初充電回路36とが設置され、ノードND1を介して固定子配線379とシステム配線389とに接続されている。電圧センサ364は、系統配線369上の電力系統5に近い部分に接続されている。
初充電回路36(充電回路)は、抵抗器362および電磁接触器363の直列接続回路と、電磁接触器361とが並列に接続されて構成されている。初充電回路36は、直流回路32の直流コンデンサC1を初充電するものである。初充電回路36は、最初に電磁接触器363をオンして抵抗器362を介して電流を流し、その電流が収束したのちに電磁接触器361をオンすることにより、電磁接触器361に大電流が流れないようにすると共に、この初充電回路36の運転時の抵抗値を低く保っている。よって、電磁接触器361,363には、定格電流の小さいものが使用可能である。
固定子配線379には、直列に接続された電磁接触器37と電流センサ372とが設置され、ノードND1を介してシステム配線389と系統配線369とに接続されている。電圧センサ371は、固定子配線379上の最も電力系統5側に接続されている。
システム配線389には、直列に接続された電流センサ381と遮断器38とが設置されている。システム配線389の一方は、ノードND1を介して固定子配線379と系統配線369とに接続され、システム配線389の他方は、変圧器4を介して電力系統5に接続されて連系している。
制御回路39は、初充電処理部391と、放電処理部392と、記憶部393とを備えている。記憶部393は、温度補正データ3931と、経年変化補正データ3932とを格納している。
制御回路39には、各電流センサ311,351,372,381のセンサ出力と、各電圧センサ321,364,371のセンサ出力と、温度センサ394のセンサ出力とが接続されている。制御回路39の出力側には、回転子側コンバータ31と、DCチョッパ回路33と、系統側コンバータ34と、初充電回路36と、電磁接触器37と、遮断器38とが接続され、これらを制御可能である。制御回路39は、例えば、DCチョッパ回路33の各スイッチング素子Q1〜Q4にHレベル信号を出力して、これらをオンする。制御回路39は更に、DCチョッパ回路33の各スイッチング素子Q1〜Q4にLレベル信号を出力して、これらをオフする。
制御回路39の初充電処理部391は、この風力発電システム1の起動の際に、初充電回路36により、直流回路32の直流コンデンサC1を充電する。この充電動作により、直流回路32には、所定の電圧が予め印加される。これにより、風力発電システム1は、運転開始時に、直流回路32に大電流が流れ込むことを防ぐことができる。初充電処理は、後記する図4で詳細に説明する。
制御回路39はその後、系統側コンバータ34により、直流回路32の電圧が目標値となるように制御する。制御回路39は、回転子側コンバータ31により、二次励磁発電機23の回転速度に応じて固定子配線379への出力電圧周波数が系統周波数と一致するように、回転子配線319に電流が流れるように制御する。
風力発電システム1の運転中に、発電部2から回転子側コンバータ31を介して過電流が直流回路32に流れ込んで動作可能範囲を超えたならば、制御回路39の放電処理部392は、DCチョッパ回路33を動作させて放電し、電力変換器3を保護する。この放電処理は、後記する図6で詳細に説明する。
温度補正データ3931は、温度と直流コンデンサC1の容量との関係を示す補正データである。経年変化補正データ3932は、運転時間の累計と直流コンデンサC1の容量との関係を示す補正データである。制御回路39の初充電処理部391は、これらの補正データを用いて、直流コンデンサC1の容量の温度変化や経年変化を推定し、故障検出レベルや時定数理論値などを補正する。
図2(a),(b)は、第1の実施形態に於ける直流回路32の等価回路6c,6dを示す図である。
図2(a)は、初充電時に於ける直流回路32の等価回路6cを示す回路図である。
この等価回路6cは、電圧Eを供給する電源Vdと、直列に接続されたスイッチ61および抵抗62と、直流コンデンサC1と、直列に接続された抵抗r1およびスイッチング素子Q1と、直列に接続された抵抗r2およびスイッチング素子Q2と、直列に接続された抵抗r3およびスイッチング素子Q3と、直列に接続された抵抗r4およびスイッチング素子Q4とを備えている。直流コンデンサC1は、直列に接続されたスイッチ61および抵抗62を介して電源Vdの正極と負極との間に接続されている。スイッチ61は、初充電回路36に相当する。抵抗62は、系統側コンバータ34とフィルタ回路35の抵抗値に相当する。電源Vdは、系統側コンバータ34が供給する直流電力に相当する。
更に直流コンデンサC1は、直列に接続された抵抗r1〜r4およびスイッチング素子Q1〜Q4に対して並列に接続されている。直流コンデンサC1の一端と他端との間には、コンデンサ電圧Vcが印加されている。直列に接続された抵抗r1〜r4およびスイッチング素子Q1〜Q4には、電流Idが流れる。
各スイッチング素子Q1〜Q4は、正常状態ならばオフであり、短絡故障状態ならばオンである。この図では、スイッチング素子Q1が短絡故障している場合を示している。
例えば、スイッチング素子Q1〜Q4のうちn個が短絡故障していたならば、初充電時の時定数τcは以下のように算出される。
E 電源Vdが供給する電圧[V]
c 抵抗62の抵抗値[Ω]
1 直流コンデンサC1の容量[F]
r 抵抗r1〜r4の各抵抗値[Ω]
Figure 2014188535
初充電時のコンデンサ電圧Vcは、以下のように算出される。
Figure 2014188535
初充電時の電流Idは、以下のように算出される。
Figure 2014188535
図2(b)は、放電時に於ける直流回路32の等価回路6dを示す回路図である。
この等価回路6dは、図2(a)に示す等価回路6cから、電源Vdと、直列に接続されたスイッチ61および抵抗62とを取り除いた構成である。
各スイッチング素子Q1〜Q4は、正常状態ならばオンであり、開放故障状態ならばオフである。この図では、スイッチング素子Q4が開放故障している場合を示している。
例えば、スイッチング素子Q1〜Q4のうちn個が開放故障していたならば、放電時の時定数τdは以下のように算出される。
Figure 2014188535
放電時のコンデンサ電圧Vcは、以下のように算出される。
Figure 2014188535
放電時の電流Idは、以下のように算出される。
Figure 2014188535
図3は、第1の実施形態の初充電時に於けるコンデンサ電圧Vcの波形を示す図である。
縦軸は、電圧センサ321が測定したコンデンサ電圧Vcを示している。横軸は、時間tを示している。凡例に示すように、黒い正方形マーカは、正常動作の場合の電圧波形を示している。黒い菱形マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち1個が短絡故障した場合の電圧波形を示している。黒い三角形マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち2個が短絡故障した場合の電圧波形を示している。×印マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち3個が短絡故障した場合の電圧波形を示している。白い菱形マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち4個が短絡故障した場合の電圧波形を示している。
正常動作の場合、初充電回路36は、フィルタ回路35および系統側コンバータ34を介して直流コンデンサC1を充電する。このとき、コンデンサ電圧Vcは、ステップ応答して電圧Viに収束する。時間τa(τa=t1)は、時定数の理論値である。初充電処理部391は、電圧センサ321によりコンデンサ電圧Vcを計測する。このときのコンデンサ電圧Vcは、電圧Viの0.632倍である。電圧V1は、故障検出レベルである。
スイッチング素子Q1〜Q4のうち1〜4個が短絡故障した場合、同様に初充電回路36は、直流コンデンサC1を充電する。コンデンサ電圧Vcは、ステップ応答すると共に、短絡故障したスイッチング素子の数に応じて、正常動作時よりも低い値に収束する。初充電回路36の電磁接触器361,363が溶着した場合も、スイッチング素子Q1〜Q4のうち1〜4個が短絡故障した場合と同様である。
図4(a),(b)は、第1の実施形態に於ける初充電処理と運転中処理とを示すフローチャートである。
図4(a)は、初充電処理を示すフローチャートである。
制御回路39の初充電処理部391は、初充電回路36により、この風力発電システム1を運転するにあたり、以下に示す初充電処理を開始する。
処理S10に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、DCチョッパ回路33のスイッチング素子Q1〜Q4が全てオフ状態になるように制御する。但し、スイッチング素子Q1〜Q4のいずれかが短絡故障しているならば、そのスイッチング素子は、導通したままである。
処理S11に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、初充電回路36による初充電を開始する。このときの時間tは、0である。
処理S12に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、電圧センサ321により、時間t1に於けるコンデンサ電圧Vcを計測する。コンデンサ電圧Vcは、直流回路32およびDCチョッパ回路33に印加されている電圧であり、よって、DCチョッパ回路33に係る電気的な量である。
処理S13に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、計測したコンデンサ電圧Vcを故障検出レベルである電圧V1(図3参照)と比較し、適正範囲であるか否かを判断する。適正範囲は、例えば電圧V1以上かつ電圧Vi未満である。初充電処理部391は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、正常と判断して処理S14を行い、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、短絡故障していると判断して処理S17を行う。
処理S14に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、放電の時定数を算出する。初充電処理部391は、時間t1に於けるコンデンサ電圧Vcから直流コンデンサC1の容量を算出し、それにスイッチング素子Q1〜Q4を全てオンしたときのDCチョッパ回路33の抵抗値を乗算して、放電の時定数の理論値を算出する。
処理S15に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、放電の時定数の理論値を運転環境に基づいて補正する。ここで運転環境とは、例えば温度や運転時間の累計のことをいう。初充電処理部391は、温度センサ394で計測した温度情報と温度補正データ3931とに基づき、直流コンデンサC1の容量を温度補正し、運転時間の累計と経年変化補正データ3932とに基づき、直流コンデンサC1の容量の経年変化を補正する。更に初充電処理部391は、補正した直流コンデンサC1の容量に基づき、放電の時定数の理論値を算出する。
処理S16に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、放電時の故障検出レベルを算出する。放電時の故障検出レベルとは、例えば電圧V2(図5参照)であり、コンデンサ電圧Vcが適正範囲でないと判断する電圧レベルのことをいう。初充電処理部391は、例えば、放電時の時定数に基づいて、時間t2に於ける正常動作時のコンデンサ電圧Vcの理論値を算出し、各素子や各回路の公差を加味して、放電時の故障検出レベルである電圧V2(図5参照)を算出する。算出した放電時の故障検出レベルは、放電処理部392に設定される。
処理S16が終了すると、初充電処理部391は、図4(a)に示す初充電処理を終了する。これにより、風力発電システム1は、運転を開始することができる。
処理S17に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、短絡故障を検出する。短絡故障とは、DCチョッパ回路33のスイッチング素子Q1〜Q4のいずれか1つ以上が制御信号に依らずに短絡状態であることや、初充電回路36の電磁接触器361,363が溶着などにより短絡状態のままであることをいう。
処理S18に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、遮断器38で遮断することにより、電力変換器3を電力系統5から遮断する。
処理S19に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、電磁接触器37をオフし、図4(a)に示す初充電処理を異常終了する。
この初充電処理により、制御回路39の初充電処理部391は、短絡故障の有無を判断すると共に、放電の時定数の理論値を算出する。よって、放電時に於いて放電処理部392は、直流コンデンサC1の個体ごとの容量のばらつきや、運転環境による容量の変化に依らず、DCチョッパ回路33の開放故障の有無を正確に検出することができる。
図4(b)は、運転中処理を示すフローチャートである。
制御回路39は、例えばタイマ割り込みによって、以下に示す運転中処理を、風力発電システム1の運転中に繰り返し行う。これにより、運転環境による直流コンデンサC1の容量変化を推測し、放電時の故障検出レベルを補正することができる。
処理S20に於いて、前記した処理S15と同様に、制御回路39は、放電の時定数の理論値を、運転環境に基づいて補正する。
処理S21に於いて、前記した処理S16と同様に、制御回路39は、放電時の故障検出レベルを算出して設定する。処理S21が終了すると、制御回路39は、図4(b)に示す運転中処理を終了する。
この運転中処理により、制御回路39は、運転時間または温度の影響による放電時の故障の検出精度の低下を防ぐことができる。
図5は、第1の実施形態の放電時に於けるコンデンサ電圧Vcの波形を示す図である。
縦軸は、電圧センサ321が測定したコンデンサ電圧Vcを示している。横軸は、時間tを示している。凡例に示すように、黒い正方形マーカは、正常動作の場合の電圧波形を示している。黒い菱形マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち1個が開放故障した場合の電圧波形を示している。黒い三角形マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち2個が開放故障した場合の電圧波形を示している。×印マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち3個が開放故障した場合の電圧波形を示している。白い菱形マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち4個が開放故障した場合の電圧波形を示している。
正常動作の場合、DCチョッパ回路33は、直流コンデンサC1に蓄積された電荷を4個の並列抵抗によって放電する。コンデンサ電圧Vcは、次第に減少する。コンデンサ電圧Vcは、放電開始時に於いて電圧Vtである。コンデンサ電圧Vcが放電開始時の電圧Vtの0.368倍に減少するのは、時定数τ0が経過したときである。この時定数τ0は、以下の式(7)によって導出される。
Figure 2014188535
図3に示すように、正常動作の場合と、スイッチング素子Q1〜Q4のいずれかが開放故障した場合とでは、時間t2(t2=時定数τ0)に於けるコンデンサ電圧Vcが異なる。実測したコンデンサ電圧Vcと、故障検出レベルである電圧V2とを比較することにより、DCチョッパ回路33の開放故障の有無を判断することができる。
スイッチング素子Q1〜Q4のうち1個が開放故障した場合、DCチョッパ回路33は、直流コンデンサC1に蓄積された電荷を3個の並列抵抗によって放電する。コンデンサ電圧Vcは、次第に減少する。コンデンサ電圧Vcは、放電開始時に於いて電圧Vtである。コンデンサ電圧Vcが放電開始時の電圧Vtの0.368倍に減少するのは、時定数τ1が経過したときである。この時定数τ1は、以下の式(8)によって導出される。
Figure 2014188535
スイッチング素子Q1〜Q4のうち2個が開放故障した場合、DCチョッパ回路33は、直流コンデンサC1の電荷を2個の並列抵抗によって放電する。コンデンサ電圧Vcは、次第に減少する。コンデンサ電圧Vcは、放電開始時に於いて電圧Vtである。コンデンサ電圧Vcが放電開始時の電圧Vtの0.368倍に減少するのは、時定数τ2が経過したときである。この時定数τ2は、以下の式(9)によって導出される。
Figure 2014188535
スイッチング素子Q1〜Q4のうち3個が開放故障した場合、DCチョッパ回路33は、直流コンデンサC1に蓄積された電荷を1個の抵抗によって放電し、コンデンサ電圧Vcは次第に減少する。コンデンサ電圧Vcは、放電開始時に於いて電圧Vtである。コンデンサ電圧Vcが放電開始時の電圧Vtの0.368倍に減少するのは、時定数τ3が経過したときである。この時定数τ3は、以下の式(10)によって導出される。
Figure 2014188535
スイッチング素子Q1〜Q4のうち4個全てが開放故障した場合、DCチョッパ回路33は、直流コンデンサC1に蓄積された電荷を放電できない。コンデンサ電圧Vcは、所定値である電圧Vtを維持する。このとき、時定数は無限大となる。
このように、正常動作の場合と、スイッチング素子Q1〜Q4のいずれかが開放故障した場合とでは、時定数τが異なる。実測した時定数τと、時定数τ0(理論値)とを比較し、誤差の範囲であるか否かを判断することにより、DCチョッパ回路33の開放故障の有無を判断することができる。
図6は、第1の実施形態に於ける放電処理を示すフローチャートである。
制御回路39の放電処理部392は、例えば、直流回路32の電圧が所定値を超えたとき、この直流回路32の保護のために、以下に示す放電処理を開始する。放電処理部392には、初充電処理の処理S16(図4(a)参照)や、運転中処理の処理S21(図4(b)参照)で算出された放電時の故障検出レベルが設定されている。
処理S30に於いて、制御回路39の放電処理部392は、コンデンサ電圧Vcを計測する。このときの時間tは、0である。
処理S31に於いて、制御回路39の放電処理部392は、DCチョッパ回路33のスイッチング素子Q1〜Q4が全てオン状態になるように制御する。これにより、直流コンデンサC1に蓄積されている電荷がDCチョッパ回路33を介して放電される。但し、スイッチング素子Q1〜Q4のいずれかが開放故障しているならば、そのスイッチング素子は、非導通のままである。
処理S32に於いて、制御回路39の放電処理部392は、時間t2に於けるコンデンサ電圧Vcを計測する。
処理S33に於いて、制御回路39の放電処理部392は、計測したコンデンサ電圧Vcを故障検出レベルである電圧V2(図5参照)と比較して、適正範囲であるか否かを判断する。適正範囲は、例えば電圧V2以下かつ0[V]以上である。放電処理部392は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、図6に示す放電処理を終了し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、処理S34を行う。
処理S34に於いて、制御回路39の放電処理部392は、DCチョッパ回路33の開放故障を検出する。DCチョッパ回路33の開放故障とは、スイッチング素子Q1〜Q4のいずれか1つ以上が、制御信号に依らず開放状態であることをいう。
処理S35に於いて、制御回路39の放電処理部392は、遮断器38で遮断することにより、電力変換器3を電力系統5から遮断する。
処理S36に於いて、制御回路39の放電処理部392は、電磁接触器37をオフし、図6に示す放電処理を異常終了する。
(第1の実施形態の効果)
以上説明した第1の実施形態では、次の(A)〜(C)のような効果がある。
(A) 制御回路39は、電力変換器3に実装されている電圧センサ321の情報によって、DCチョッパ回路33の故障の有無を判断する。これにより、DCチョッパ回路33の複数のスイッチング素子Q1〜Q4に対して、故障検出のための素子や回路を新たに追加する必要がないので、電力変換器3の故障検出に係る部分の小型化と簡素化とが可能である。
(B) 制御回路39は、電力変換器3の初充電時に測定したコンデンサ電圧Vcから、直流コンデンサC1の容量、放電の時定数τの理論値、および、放電時の故障検出レベルを算出する。これにより制御回路39は、直流コンデンサC1の容量のばらつきや容量の変化に依らず、放電時の故障検出レベルを正しく設定できるので、開放故障の検出精度を向上させることができる。
(C) 制御回路39は、運転時間および温度を常時計測し、直流コンデンサC1の容量の変化を推定して放電時の故障検出レベルを補正する。これにより、制御回路39は、運転時間または温度の影響による放電時の故障の検出精度の低下を防ぐことができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の風力発電システム1は、第1の実施形態とは異なり、コンデンサ電圧Vcの実測値から時定数を算出して、時定数の理論値と比較するものである。それ以外は、第1の実施形態の風力発電システム1と同様である。
図7(a),(b)は、第2の実施形態に於ける初充電処理と運転中処理とを示すフローチャートである。
図7(a)は、初充電処理を示すフローチャートである。
制御回路39の初充電処理部391は、初充電回路36により、この風力発電システム1を運転するにあたり、以下に示す初充電処理を開始する。
処理S40に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、時間t=0に於けるコンデンサ電圧Vcを計測する。
処理S41〜S43は、前記した図4(a)の処理S10〜S12と同様である。
処理S44に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、充電の時定数を算出する。
処理S45に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、算出した充電の時定数を充電の時定数の理論値と比較し、適正範囲であるか否かを判断する。充電の時定数の理論値は、例えば図3に示す時定数τaのことをいう。適正範囲とは、例えば、各素子や各回路の公差による充電の時定数の誤差範囲のことをいう。初充電処理部391は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、正常と判断して処理S46を行い、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、短絡故障していると判断して処理S48を行う。
処理S46に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、図4の処理S14と同様に、放電の時定数を算出する。初充電処理部391は、充電の時定数から直流コンデンサC1の容量を算出し、それにスイッチング素子Q1〜Q4を全てオンしたときのDCチョッパ回路33の抵抗値を乗算して、放電の時定数の理論値を算出する。
処理S47に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、図4の処理S15と同様に、放電の時定数の理論値の運転環境に基づいて補正し、図7(a)に示す初充電処理を終了する。ここで運転環境とは、例えば温度や運転時間の累計などのことをいう。これにより、風力発電システム1は、運転を開始することができる。
処理S48〜S50は、前記した図4(a)の処理S17〜S19と同様な故障検出時の処理である。処理S50が終了すると、制御回路39の初充電処理部391は、図7(a)に示す初充電処理を異常終了する。
この初充電処理により、制御回路39の初充電処理部391は、充電時の電圧の時定数と、充電の時定数の理論値とを比較して、DCチョッパ回路33の短絡故障の有無を判断する。充電の時定数は、直流コンデンサC1の容量、DCチョッパ回路33の抵抗値、系統側コンバータ34の内部抵抗などで決定される値であり、コンデンサ電圧Vcの初期値に依らない。これにより、制御回路39は、常に好適な精度でDCチョッパ回路33の短絡故障を検出することができる。
更に、制御回路39の初充電処理部391は、放電の時定数の理論値を算出する。よって、直流コンデンサC1の容量が変化した場合でも、DCチョッパ回路33の開放故障を正確に検出することができる。
図7(b)は、運転中処理を示すフローチャートである。
制御回路39は、例えばタイマ割り込みによって、以下に示す運転中処理を、風力発電システム1の運転中に繰り返し行う。これにより、運転環境による直流コンデンサC1の容量変化を推測し、放電時の故障検出レベルを補正することができる。
処理S60は、前記した処理S47と同様に、放電の時定数の理論値を、運転環境に基づいて補正するものである。処理S60が終了すると、制御回路39は、図7(b)に示す運転中処理を終了する。
図8は、第2の実施形態に於ける放電処理を示すフローチャートである。
制御回路39の放電処理部392は、例えば、直流回路32の電圧が所定値を超えたとき、この直流回路32の保護のために、以下に示す放電処理を開始する。放電処理部392には、初充電処理の処理S46,S47(図7(a)参照)で算出(補正)され、運転中処理の処理S60(図7(b)参照)で補正された放電の時定数の理論値が設定されている。
処理S70〜S72は、前記した図6の処理S30〜S32と同様である。
処理S73に於いて、制御回路39の放電処理部392は、放電の時定数の実測値を算出する。図5に示したように、スイッチング素子Q1〜Q4のいずれか1つ以上が開放故障の場合、放電が遅くなり、よって放電の時定数は適正範囲よりも長くなる。そのため、開放故障の有無を判断することができる。
処理S74に於いて、制御回路39の放電処理部392は、放電の時定数の実測値を放電の時定数の理論値と比較し、適正範囲であるか否かを判断する。放電の時定数の理論値は、例えば図5に示す時定数τ0のことをいう。適正範囲とは、例えば、各素子や各回路の公差による放電の時定数の誤差範囲のことをいう。放電処理部392は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、図8に示す放電処理を終了し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、処理S75を行う。
処理S75〜S77は、前記した図6の処理S34〜S36と同様な故障検出時の処理である。処理S77が終了すると、放電処理部392は、図8に示す放電処理を異常終了する。
(第2の実施形態の効果)
以上説明した第2の実施形態では、次の(D)〜(G)のような効果がある。
(D) 制御回路39は、充電時の電圧の時定数と、充電の時定数の理論値とを比較して、DCチョッパ回路33の短絡故障の有無を判断する。充電の時定数は、直流コンデンサC1の容量、DCチョッパ回路33の抵抗値、系統側コンバータ34の内部抵抗などで決定される値であり、コンデンサ電圧Vcの初期値に依らない。これにより、制御回路39は、常に好適な精度でDCチョッパ回路33の短絡故障の有無を判断することができる。
(E) 制御回路39は、放電時に測定した電圧の時定数と、放電の時定数の理論値とを比較して、DCチョッパ回路33の開放故障の有無を判断する。放電の時定数は、直流コンデンサC1の容量とDCチョッパ回路33の抵抗値とで決定され、コンデンサ電圧Vcの初期値に依らない。これにより、制御回路39は、常に好適な精度でDCチョッパ回路33の開放故障の有無を判断することができる。
(F) 制御回路39は、初充電時に測定した電圧から、直流コンデンサC1の実際の容量を算出し、更に放電の時定数の理論値を算出する。これにより制御回路39は、直流コンデンサC1の個体ごとの容量のばらつきや、運転環境による容量の変化に依らず、放電の時定数の理論値を正しく設定し、常に好適な精度でDCチョッパ回路33の開放故障の有無を判断することができる。
(G) 制御回路39は、運転時間および温度を常時計測し、直流コンデンサC1の容量の変化を推定して放電の時定数を補正する。これにより、制御回路39は、運転時間または温度の影響による故障の検出精度の低下を防ぐことができる。
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態に於ける風力発電システム1に用いられている二次励磁風力発電用の電力変換器3Bの概略の構成を示す図である。
第3の実施形態の電力変換器3Bは、第1の実施形態の電力変換器3とは異なり、DCチョッパ回路33に流れる電流を測定する電流センサ322を備えている。第3の実施形態の電力変換器3Bは、電圧センサ321を備えていない。記憶部393Bは、第1の実施形態の温度補正データ3931と、経年変化補正データ3932とを格納していない。
それ以外の構成は、第1の実施形態の電力変換器3と同様である。
第3の実施形態の電力変換器3Bは、電流センサ322によってDCチョッパ回路33に流れる電流を測定して故障検出している。これにより、電力変換器3Bは、初充電時と放電時に故障を検出すると共に、運転中に発生した短絡故障を検出することができる。
図10は、第3の実施形態の初充電時に於けるDCチョッパ回路33の電流波形を示す図である。
縦軸は、電流センサ322が測定した電流Idを示している。横軸は、時間tを示している。凡例に示すように、黒い正方形マーカは、正常動作の場合の電流波形を示している。黒い菱形マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち1個が短絡故障した場合の電流波形を示している。黒い三角形マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち2個が短絡故障した場合の電流波形を示している。×印マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち3個が短絡故障した場合の電流波形を示している。白い菱形マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち4個が短絡故障した場合の電流波形を示している。
DCチョッパ回路33に流れる電流Idは、正常動作時には0[A]であり、スイッチング素子Q1〜Q4のうち1〜4個が短絡故障した場合には、その故障数に応じた値に収束する。電流Idは、コンデンサ電圧VcをDCチョッパ回路33の抵抗値で除算して算出することができる。
時間t3は、スイッチング素子Q1〜Q4のいずれかが短絡故障した場合の時定数よりも長く設定している。これにより、過渡応答が充分に収束したあとの電流値を計測しているので、確実に短絡故障の有無を判断することができる。電流I3は、短絡故障の故障検出レベルであり、例えば、スイッチング素子Q1〜Q4のうち1個が短絡故障した場合、時間t3にて流れる電流値に、0.5を掛けたものである。これにより、制御回路39は、ノイズの影響を抑止して、更に正確に短絡故障を検出することができる。
図11は、第3の実施形態に於ける初充電処理と運転中処理を示すフローチャートである。
図11(a)は、初充電処理を示すフローチャートである。
制御回路39の初充電処理部391は、初充電回路36により、この風力発電システム1の運転するにあたり、以下に示す初充電処理を開始する。
処理S80に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、DCチョッパ回路33のスイッチング素子Q1〜Q4が全てオフ状態になるように制御する。但し、スイッチング素子Q1〜Q4のいずれかが短絡故障しているならば、そのスイッチング素子は、導通ししたままである。
処理S81に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、初充電回路36による初充電を開始する。このときの時間tは、0である。
処理S82に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、電流センサ322により時間t3に於けるDCチョッパ回路33の電流Idを計測する。電流Idは、DCチョッパ回路33に係る電気的な量である。
処理S83に於いて、制御回路39の初充電処理部391は、計測した電流Idを故障検出レベルである電流I3(図10参照)と比較し、適正範囲であるか否かを判断する。適正範囲とは、例えば電流I3以下かつ0[A]以上である。初充電処理部391は、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、短絡故障していると判断して処理S84を行い、当該判断条件が成立したならば(Yes)、正常と判断して図11(a)に示す初充電処理を終了する。初充電処理の終了により、風力発電システム1は、運転を開始することができる。
処理S84〜S86は、図4(a)に示す処理S17〜S19と同様な故障検出時の処理である。処理S86を終了すると、制御回路39の初充電処理部391は、図11(a)に示す初充電処理を異常終了する。
この初充電処理により、制御回路39の初充電処理部391は、短絡故障の有無を判断することができる。
図11(b)は、運転中処理を示すフローチャートである。
制御回路39は、例えばタイマ割り込みによって、以下に示す運転中処理を、風力発電システム1の運転中に繰り返し行う。これにより、運転環境による直流コンデンサC1の容量変化を推測し、放電時の故障検出レベルを補正することができる。
処理S20〜S21は、前記した図4(b)に示す処理S20〜S21と同様である。これにより、制御回路39は、直流コンデンサC1の容量の変化を推定して、予め設定された放電時の故障検出レベルを運転時間および温度に併せて補正し、これらの影響による故障の検出精度の低下を防いでいる。
処理S22に於いて、制御回路39は、処理S82と同様に、DCチョッパ回路33の電流Idを計測する。
処理S23に於いて、制御回路39は、処理S83と同様に、計測した電流Idを故障検出レベルと比較し、適正範囲であるか否かを判断する。制御回路39は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、正常と判断して図11(b)に示す運転中処理を終了し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、短絡故障していると判断して処理S24を行う。
処理S24〜S26は、図4(a)に示す処理S17〜S19と同様な故障検出時の処理である。処理S26を終了すると、制御回路39は、図11(b)に示す運転中処理を異常終了する。
この運転中処理により、制御回路39は、運転時にもDCチョッパ回路33のスイッチング素子Q1〜Q4のいずれかが短絡故障したときに、その故障をすぐさま検知することができる。
図12は、第2の実施形態の放電時に於けるDCチョッパ回路33の電流波形を示す図である。
縦軸は、電流センサ322が測定した電流Idを示している。横軸は、時間tを示している。凡例に示すように、黒い正方形マーカは、正常動作の場合の電流波形を示している。黒い菱形マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち1個が開放故障した場合の電流波形を示している。黒い三角形マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち2個が開放故障した場合の電流波形を示している。×印マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち3個が開放故障した場合の電流波形を示している。白い菱形マーカは、スイッチング素子Q1〜Q4のうち4個が開放故障した場合の電流波形を示している。
正常動作の場合、DCチョッパ回路33は、直流コンデンサC1に蓄積された電荷を4個の並列抵抗によって放電する。電流Idは、次第に減少する。電流Idは、放電開始時に於いて(4E/r)である。電流Idが放電開始時の0.368倍に減少するのは、時定数τ0が経過したときである。時定数τ0は、前記した式(7)によって導出される。
スイッチング素子Q1〜Q4のうち1個が開放故障した場合、DCチョッパ回路33は、直流コンデンサC1に蓄積された電荷を3個の並列抵抗によって放電する。電流Idは、次第に減少する。電流Idは、放電開始時に於いて(3E/r)である。電流Idが放電開始時の0.368倍に減少するのは、時定数τ1が経過したときである。時定数τ1は、前記した式(8)によって導出される。
スイッチング素子Q1〜Q4のうち2個が開放故障した場合、DCチョッパ回路33は、直流コンデンサC1に蓄積された電荷を2個の並列抵抗によって放電する。電流Idは、次第に減少する。電流Idは、放電開始時に於いて(2E/r)である。電流Idが放電開始時の0.368倍に減少するのは、時定数τ2が経過したときである。時定数τ2は、前記した式(9)によって導出される。
スイッチング素子Q1〜Q4のうち3個が開放故障した場合、DCチョッパ回路33は、直流コンデンサC1に蓄積された電荷を1個の並列抵抗によって放電する。電流Idは、次第に減少する。電流Idは、放電開始時に於いて(E/r)である。電流Idが放電開始時の0.368倍に減少するのは、時定数τ3が経過したときである。時定数τ3は、前記した式(10)によって導出される。
スイッチング素子Q1〜Q4のうち4個が開放故障した場合、DCチョッパ回路33は、直流コンデンサC1に蓄積された電荷を放電できない。電流Idは、時間に依らず0[A]である。このとき、時定数は無限大である。
このように、正常動作の場合と、スイッチング素子Q1〜Q4のいずれかが開放故障した場合とでは、時定数τが異なる。実測した時定数τと、時定数τ0(理論値)とを比較し、誤差の範囲であるか否かを判断することにより、DCチョッパ回路33の開放故障を検出することができる。
図13は、第3の実施形態に於ける放電処理を示すフローチャートである。
制御回路39の放電処理部392は、例えば、直流回路32の電圧が所定値を超えたとき、この直流回路32の保護のために、以下に示す放電処理を開始。放電処理部392には、放電時の故障検出レベルが予め設定されている。
処理S90に於いて、制御回路39の放電処理部392は、DCチョッパ回路33のスイッチング素子Q1〜Q4が全てオン状態になるように制御する。これにより、直流コンデンサC1に蓄積されている電荷が放電される。但し、スイッチング素子Q1〜Q4のいずれかが開放故障しているならば、そのスイッチング素子は、非導通のままである。
処理S91に於いて、制御回路39の放電処理部392は、時間t4に於けるDCチョッパ回路33に流れる電流Idを計測する。ここで時間t4は、放電開始後に電流Idが安定する時間である。このように、放電開始直後の鋭いパルスを避けて、電流Idが安定してから計測しているので、正しく故障の有無を判断することができる。
処理S92に於いて、制御回路39の放電処理部392は、計測した電流Idを故障検出レベルである電流I4(図12参照)と比較し、適正範囲であるか否かを判断する。適正範囲は、例えば電流I4以上かつ電流(4E/r)未満である。放電処理部392は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、図13に示す放電処理を終了し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、処理S93を行う。
処理S93〜S95は、図6に示す処理S34〜S36と同様な故障検出時の処理である。処理S95が終了すると、制御回路39の放電処理部392は、図13に示す放電処理を異常終了する。
(第3の実施形態の効果)
以上説明した第3の実施形態では、次の(H)〜(J)のような効果がある。
(H) 制御回路39は、電流センサ322が測定した電流情報によって、DCチョッパ回路33の短絡故障の有無を判断する。これにより、初充電時に加えて運転時にもスイッチング素子Q1〜Q4の短絡故障をすぐさま検知することができる。
(I) 制御回路39は、放電開始時に於けるDCチョッパ回路33の電流に基づき、開放故障の有無を判断する。これにより制御回路39は、迅速に故障の有無を判断して、風力発電システム1を異常停止させることができる。
(J) 制御回路39は、運転時間および温度を常時計測し、直流コンデンサC1の容量の変化を推定して放電時の故障検出レベルを補正する。これにより、制御回路39は、運転時間または温度の影響による故障の検出精度の低下を防ぐことができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態の風力発電システム1は、第3の実施形態とは異なり、放電時に測定した電流Idの実測値から放電の時定数を算出して、放電の時定数の理論値と比較するものである。それ以外は、第3の実施形態の風力発電システム1と同様である。
図14は、第4の実施形態に於ける放電処理を示すフローチャートである。
制御回路39の放電処理部392は、例えば、直流回路32の電圧が所定値を超えたとき、この直流回路32の保護のために、以下に示す放電処理を開始する。放電処理部392には、放電の時定数の理論値が予め設定されている。
処理S100に於いて、制御回路39の放電処理部392は、処理S90(図13参照
と同様に、DCチョッパ回路33のスイッチング素子Q1〜Q4が全てオン状態になるように制御する。これにより、直流コンデンサC1に蓄積されている電荷が放電される。但し、スイッチング素子Q1〜Q4のいずれかが開放故障しているならば、そのスイッチング素子は、非導通のままである。
処理S101に於いて、制御回路39の放電処理部392は、処理S91(図13参照
と同様に、時間t4に於けるDCチョッパ回路33に流れる電流Idを計測する。ここで時間t4は、放電開始後に電流Idが安定する時間である。このように、放電開始直後の鋭いパルスを避けて、電流Idが安定してから計測しているので、正しく故障の有無を判断することができる。
処理S102に於いて、制御回路39の放電処理部392は、時間t5に於けるDCチョッパ回路33に流れる電流Idを計測する。このように、時間t4と時間t5に於いて、電流Idをそれぞれ計測しているので、電流Idの初期値に依らず、放電の時定数を算出することができる。
処理S103に於いて、制御回路39の放電処理部392は、放電の時定数の実測値を算出する。図12に示したように、スイッチング素子Q1〜Q4のいずれか1つ以上が開放故障している場合、放電が遅くなり、よって放電の時定数は適正範囲よりも長くなる。そのため、開放故障を検出することが可能となる。
処理S104に於いて、制御回路39の放電処理部392は、放電の時定数の実測値を放電の時定数の理論値と比較し、適正範囲であるか否かを判断する。放電の時定数の理論値は、例えば図12に示す時定数τ0のことをいう。適正範囲とは、例えば、各素子や各回路の公差による放電の時定数の誤差範囲のことをいう。放電処理部392は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、図14に示す放電処理を終了し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、処理S105を行う。
処理S105〜S107は、図6に示す処理S34〜S36と同様な故障検出時の処理である。処理S107が終了すると、制御回路39の放電処理部392は、図13に示す放電処理を異常終了する。
(第4の実施形態の効果)
以上説明した第4の実施形態では、次の(K),(L)のような効果がある。
(K) 制御回路39は、放電時に測定した電流の時定数と、放電の時定数の理論値とを比較して、DCチョッパ回路33の開放故障の有無を判断する。放電の時定数は、直流コンデンサC1の容量と、DCチョッパ回路33の抵抗値とで決定され、コンデンサ電圧Vcに依らない。これにより、制御回路39は、常に好適な精度でDCチョッパ回路33の開放故障を検出することができる。
(L) 制御回路39は、運転時間および温度を常時計測し、直流コンデンサC1の容量の変化を推定して放電の時定数の理論値を補正する。これにより、制御回路39は、運転時間または温度の影響による故障の検出精度の低下を防ぐことができる。
(変形例)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
上記の各構成、機能、処理部などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路などのハードウェアで実現してもよい。上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、フラッシュメモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に置くことができる。
各実施形態に於いて、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本発明の変形例として、例えば、次の(a)〜(j)のようなものがある。
(a) 電力変換器3,3Bは、永久磁石同期発電機に適用されていてもよく、電力変換器3,3Bの第1のコンバータが、この永久磁石同期発電機の固定子に電気的に接続されていてもよい。
(b) 電力変換器3,3Bは、風力発電システム1に限定されず、発電機によって駆動力を電力に変換する他の発電システムにも適用可能である。他の発電システムとは、例えば地熱発電、太陽熱発電、氷熱発電、氷雪熱発電、地中熱発電、海洋温度差発電、海流(潮流)発電、潮力発電、波力発電、水力発電、火力発電、原子力発電などである。
(c) 第1〜第4の実施形態のDCチョッパ回路33は、直列接続された抵抗とスイッチング素子とが、4個並列に接続されている。しかし、これに限られず、並列接続の個数は、1以上の任意個数であればよく、好ましくは2以上の任意個数であればよい。
(d) 制御回路39は、電圧センサ321によりコンデンサ電圧Vcの変化を検知し、更に電流センサ322によりDCチョッパ回路33に流れる電流Idの変化を検知してもよい。これにより、制御回路39は、電圧または電流(電気的な量)のうち、初充電時と放電時それぞれに適したものを測定して、スイッチング素子の短絡故障や開放故障の有無を判断できる。
(e) 制御回路39は、放電時に測定した電気的な量から直流コンデンサC1の容量を算出して初充電時に於ける故障検出レベルを補正してもよい。これにより、制御回路39は、次回の初充電時に於いて、更に正確に故障を検出することが可能となる。
(f) 制御回路39は、初充電時に測定した電気的な量から直流コンデンサC1の容量を算出して、次回の初充電の時定数の理論値を補正してもよい。これにより、制御回路39は、次回の初充電時に於いて、更に正確に故障を検出することが可能となる。
(g) 制御回路39は、放電時に測定した電気的な量から直流コンデンサC1の容量を算出して次回の初充電の時定数の理論値を補正してもよい。これにより、制御回路39は、次回の初充電時に於いて、更に正確に故障を検出することが可能となる。
(h) 制御回路39は、初充電時に、回転子側コンバータ31の電力変換動作を停止させてもよい。これにより、制御回路39は、電力系統5や発電部2による外乱を抑止できるので、更に正確に故障を検出することが可能となると共に、初充電時に測定した電気的な量から直流コンデンサC1の容量を正確に算出することができる。
(i) 制御回路39は、放電処理の際に、回転子側コンバータ31と系統側コンバータ34の電力変換動作を停止させてもよい。これにより、制御回路39は、電力系統5や発電部2による外乱を抑止できるので、更に正確に故障を検出することが可能となる。
(j) 制御回路39は、放電処理の際に、コンデンサ電圧Vcの正常動作時の理論値と1個のスイッチング素子が開放故障したときの理論値との差が最大となる時間に於いて。コンデンサ電圧Vcを計測し、放電時の故障検出レベルと比較してもよい。これにより、制御回路39は、ノイズの影響を抑止して、更に正確に開放故障を検出することが可能となる。
1 風力発電システム
2 発電部
21 ブレード
22 ロータ
23 二次励磁発電機
231 固定子
232 回転子
3,3B 電力変換器
31 回転子側コンバータ (第1のコンバータ)
311,321,364,371 電圧センサ
322,351,372,381 電流センサ
32,32H,32L 直流回路
C1 直流コンデンサ
r1〜r4 抵抗
Q1〜Q4 スイッチング素子
32 直流回路
33 DCチョッパ回路
34 系統側コンバータ (第2のコンバータ)
35 フィルタ回路
36 初充電回路 (充電回路)
37 電磁接触器
38 遮断器
39 制御回路
391 初充電処理部
392 放電処理部
393,393B 記憶部
3931 温度補正データ
3932 経年変化補正データ
394 温度センサ
4 変圧器
5 電力系統

Claims (15)

  1. コンデンサおよびDCチョッパ回路を備える直流回路と、
    前記直流回路の一方に接続される第1のコンバータと、
    前記直流回路の他方に接続される第2のコンバータと、
    前記コンデンサに電荷を充電する充電回路と、
    前記コンデンサの充電時または放電時に前記DCチョッパ回路に係る電気的な量を計測して、当該DCチョッパ回路の故障を検出する制御回路と、
    を備えることを特徴とする電力変換器。
  2. 前記制御回路は、
    前記コンデンサの充電開始後の所定時間に計測した前記DCチョッパ回路に係る電気的な量と、充電時故障検出レベルとを比較して、短絡故障を検出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器。
  3. 前記制御回路は、
    前記コンデンサの充電開始後の前記DCチョッパ回路に係る電気的な量の変化に基づき充電の時定数を算出し、充電の時定数理論値と比較して、短絡故障を検出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器。
  4. 前記制御回路は、
    前記コンデンサの放電開始後の所定時間に計測した前記DCチョッパ回路に係る電気的な量と放電時故障検出レベルとを比較して、前記DCチョッパ回路の開放故障を検出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器。
  5. 前記制御回路は、
    前記コンデンサの充電時に短絡故障を検出しなかったならば、前記DCチョッパ回路に係る電気的な量に基づき、前記放電時故障検出レベルを算出して自身に設定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の電力変換器。
  6. 前記制御回路は更に、
    運転時間による前記コンデンサの容量変化を推定して、前記放電時故障検出レベルを補正する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の電力変換器。
  7. 前記制御回路には、温度を計測するセンサが接続されており、前記センサが計測した温度による前記コンデンサの容量変化を推定して、前記放電時故障検出レベルを補正する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の電力変換器。
  8. 前記制御回路は、
    前記コンデンサの放電後の前記DCチョッパ回路に係る電気的な量の変化に基づき放電の時定数を算出し、放電の時定数理論値と比較して、前記DCチョッパ回路の開放故障を検出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器。
  9. 前記制御回路は、
    前記コンデンサの充電時に短絡故障を検出しなかったならば、前記DCチョッパ回路に係る電気的な量の変化に基づき前記放電の時定数理論値を算出して自身に設定する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換器。
  10. 前記制御回路は更に、
    運転時間による前記コンデンサの容量変化を推定して、前記放電の時定数理論値を補正する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換器。
  11. 前記制御回路には、温度を計測するセンサが接続されており、前記センサが計測した温度による前記コンデンサの容量変化を推定して、前記放電の時定数理論値を補正する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換器。
  12. 前記DCチョッパ回路に係る電気的な量は、前記DCチョッパ回路に印加される電圧である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器。
  13. 前記DCチョッパ回路に係る電気的な量は、前記DCチョッパ回路に流れる電流である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換器。
  14. 電力変換器と、
    ブレードと、
    前記ブレードに機械的に接続されるロータと、
    前記ロータによって駆動される二次励磁発電機と、
    を備えており、
    前記電力変換器は、
    コンデンサおよびDCチョッパ回路を備える直流回路と、
    前記直流回路の一方に接続される第1のコンバータと、
    前記直流回路の他方に接続される第2のコンバータと、
    前記コンデンサに電荷を充電する充電回路と、
    前記コンデンサの充電時または放電時に前記DCチョッパ回路に係る電気的な量を計測して、当該DCチョッパ回路の故障を検出する制御回路と、
    を含んで構成され、
    前記第1のコンバータには、前記二次励磁発電機の回転子が電気的に接続される、
    ことを特徴とする風力発電システム。
  15. 電力変換器と、
    ブレードと、
    前記ブレードに機械的に接続されるロータと、
    前記ロータによって駆動される永久磁石同期発電機と、
    を備えており、
    前記電力変換器は、
    コンデンサおよびDCチョッパ回路を備える直流回路と、
    前記直流回路の一方に接続される第1のコンバータと、
    前記直流回路の他方に接続される第2のコンバータと、
    前記コンデンサに電荷を充電する充電回路と、
    前記コンデンサの充電時または放電時に前記DCチョッパ回路に係る電気的な量を計測して、当該DCチョッパ回路の故障を検出する制御回路と、
    を含んで構成され、
    前記第1のコンバータには、前記永久磁石同期発電機の固定子が電気的に接続される、
    ことを特徴とする風力発電システム。
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