JPWO2014175107A1 - 燃料電池用触媒ならびに当該燃料電池用触媒を用いる電極触媒層、膜電極接合体および燃料電池 - Google Patents

燃料電池用触媒ならびに当該燃料電池用触媒を用いる電極触媒層、膜電極接合体および燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス輸送性に優れる触媒を提供する。【解決手段】触媒金属および担体からなる触媒であって、前記触媒は半径が1nm以上5nm未満の空孔を有し、該空孔の空孔容積は0.8cc/g担体以上であり、かつ前記触媒金属の比表面積は30m2/g担体以下である、触媒。【選択図】図2

Description

本発明は、触媒、特に燃料電池(PEFC)に用いられる電極触媒、ならびに当該触媒を用いる電極触媒層、膜電極接合体および燃料電池に関するものである。
プロトン伝導性固体高分子膜を用いた固体高分子形燃料電池は、例えば、固体酸化物形燃料電池や溶融炭酸塩形燃料電池など、他のタイプの燃料電池と比較して低温で作動する。このため、固体高分子形燃料電池は、定置用電源や、自動車などの移動体用動力源として期待されており、その実用も開始されている。
このような固体高分子形燃料電池には、一般的に、Pt(白金)やPt合金に代表される高価な金属触媒が用いられており、このような燃料電池の高価格要因となっている。このため、貴金属触媒の使用量を低減して、燃料電池の低コスト化が可能な技術の開発が求められている。
固体高分子形燃料電池において用いられる触媒は、一般に、カーボンブラック等の担体上に触媒金属が担持された形態をとる。例えば、特許文献1には、直径25〜70Å(2.5〜7nm)の細孔の占める容積が、全細孔容積の25%以上である炭素微粉末と、当該炭素微粉末上に高分散された貴金属粒子からなる触媒が開示されている。また、特許文献1には、触媒を構成する炭素微粉末の比表面積が800m/g以上であると好ましいことが記載されている。
特開平6−196171号公報
しかしながら、本発明者らは、特許文献1に開示された触媒は、ガスの輸送抵抗が増大し(ガス輸送性が不足し)、触媒活性が低下するという問題点を見出した。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、ガス輸送性に優れる触媒を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、ガス輸送性に優れる触媒を備えた電極触媒層、膜電極接合体及び燃料電池を提供することである。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の値以上の空孔容積を有し、かつ、担持される触媒金属の比表面積が特定の値以下である触媒が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一実施形態に係る固体高分子形燃料電池の基本構成を示す概略断面図である。 本発明の触媒の形状・構造を示す概略断面説明図である。 本発明の一実施形態に係る触媒層における触媒および電解質の関係を示す模式図である。
本実施形態の触媒(本明細書中では、「電極触媒」とも称する)は、触媒担体(本明細書中では、「担体」とも称する)および前記触媒担体に担持される触媒金属からなる。ここで、触媒は、半径が1nm以上5nm未満の空孔を有し、当該空孔の空孔容積は0.8cc/g担体以上であり、かつ、触媒金属の比表面積は30m/g担体以下である。上記構成を有する触媒によれば、触媒の空孔内が水で満たされることが抑制された上で、反応ガスの輸送に寄与する空孔が十分に確保される。その結果、ガス輸送性に優れた触媒を提供することができる。なお、本明細書中では、半径1nm以上5nm未満の空孔を「メソ孔」とも称する。
上述の特許文献1の技術では、全空孔容積に対し、適当な大きさの空孔容積を特定の割合以上とすることにより、触媒金属は、凝集することなく高分散な状態で担持される。そして、かような触媒金属は微粒子状態(直径1〜3nmである粒子の状態)で担持され、有効反応表面積が増大するため、触媒活性が向上する。
しかしながら、上記の通り、本発明者らが鋭意検討した結果、特許文献1の触媒は、ガス輸送性が十分ではないという新たな問題点を見出した。この問題点に関し、本発明者らは、ガス輸送性が十分でないことを説明するメカニズムとして、以下のように考察した。
特許文献1に開示された触媒では、微細な触媒金属を担持し、触媒金属の有効反応表面積(比表面積)を大きくするために、空孔容積、すなわち、比表面積の大きな担体を用いている。
しかしながら、上記のように多くの空孔を有する触媒は、メソ孔内に触媒が分散した状態で格納されるため、反応ガスの輸送経路が長くなり、ガスの輸送抵抗が増大する。そして、空孔内に高分散な状態で触媒金属が担持され、触媒金属の有効反応表面積を増大させた触媒においては、触媒反応により生成した水が親水性である触媒金属表面に吸着する。その結果、触媒の空孔内が水で満たされてしまい、空孔内の水によって反応ガスの輸送が阻害され、反応ガスの輸送抵抗が増大してしまうと考察される。すなわち、上記特許文献1に記載の触媒では、触媒金属を微粒子状態として担持させることにより、触媒活性が向上する一方で、触媒金属の表面積が大きいことに起因して、ガス輸送性が低下する。その結果、十分な触媒活性を引き出せずに、特に高負荷条件では触媒性能が低下してしまう。
これに対し、本実施形態の触媒は、半径が1nm以上5nm未満の空孔を有し、当該空孔の空孔容積は0.8cc/g担体以上であり、かつ触媒金属の比表面積は30m/g担体以下である。かような構成とすることにより、ガス輸送に有効なメソ孔の容積が十分確保され、さらに、触媒金属の比表面積を小さくすることで、触媒金属が担持されたメソ孔内に保持される水の量を減らすことができる。ゆえに、メソ孔内が水で満たされることが抑制されるため、メソ孔内の触媒金属に酸素等のガスを効率よく輸送することができる。すなわち、触媒におけるガス輸送抵抗を低減することができる。その結果、本実施形態の触媒は、触媒反応が促進され、高い触媒活性を発揮することができる。このため、本実施形態の触媒を用いた触媒層を有する膜電極接合体および燃料電池は、発電性能に優れる。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の触媒の一実施形態、並びにこれを使用した触媒層、膜電極接合体(MEA)および燃料電池の一実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態のみには制限されない。なお、各図面は説明の便宜上誇張されて表現されており、各図面における各構成要素の寸法比率が実際とは異なる場合がある。また、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」及び「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
[燃料電池]
燃料電池は、膜電極接合体(MEA)と、燃料ガスが流れる燃料ガス流路を有するアノード側セパレータと酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路を有するカソード側セパレータとからなる一対のセパレータとを有する。本形態の燃料電池は、耐久性に優れ、かつ高い発電性能を発揮できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る固体高分子形燃料電池(PEFC)1の基本構成を示す概略図である。PEFC1は、まず、固体高分子電解質膜2と、これを挟持する一対の触媒層(アノード触媒層3aおよびカソード触媒層3c)とを有する。そして、固体高分子電解質膜2と触媒層(3a、3c)との積層体はさらに、一対のガス拡散層(GDL)(アノードガス拡散層4aおよびカソードガス拡散層4c)により挟持されている。このように、固体高分子電解質膜2、一対の触媒層(3a、3c)および一対のガス拡散層(4a、4c)は、積層された状態で膜電極接合体(MEA)10を構成する。
PEFC1において、MEA10はさらに、一対のセパレータ(アノードセパレータ5aおよびカソードセパレータ5c)により挟持されている。図1において、セパレータ(5a、5c)は、図示したMEA10の両端に位置するように図示されている。ただし、複数のMEAが積層されてなる燃料電池スタックでは、セパレータは、隣接するPEFC(図示せず)のためのセパレータとしても用いられるのが一般的である。換言すれば、燃料電池スタックにおいてMEAは、セパレータを介して順次積層されることにより、スタックを構成することとなる。なお、実際の燃料電池スタックにおいては、セパレータ(5a、5c)と固体高分子電解質膜2との間や、PEFC1とこれと隣接する他のPEFCとの間にガスシール部が配置されるが、図1ではこれらの記載を省略する。
セパレータ(5a、5c)は、例えば、厚さ0.5mm以下の薄板にプレス処理を施すことで図1に示すような凹凸状の形状に成形することにより得られる。セパレータ(5a、5c)のMEA側から見た凸部はMEA10と接触している。これにより、MEA10との電気的な接続が確保される。また、セパレータ(5a、5c)のMEA側から見た凹部(セパレータの有する凹凸状の形状に起因して生じるセパレータとMEAとの間の空間)は、PEFC1の運転時にガスを流通させるためのガス流路として機能する。具体的には、アノードセパレータ5aのガス流路6aには燃料ガス(例えば、水素など)を流通させ、カソードセパレータ5cのガス流路6cには酸化剤ガス(例えば、空気など)を流通させる。
一方、セパレータ(5a、5c)のMEA側とは反対の側から見た凹部は、PEFC1の運転時にPEFCを冷却するための冷媒(例えば、水)を流通させるための冷媒流路7とされる。さらに、セパレータには通常、マニホールド(図示せず)が設けられる。このマニホールドは、スタックを構成した際に各セルを連結するための連結手段として機能する。かような構成とすることで、燃料電池スタックの機械的強度が確保されうる。
なお、図1に示す実施形態においては、セパレータ(5a、5c)は凹凸状の形状に成形されている。ただし、セパレータは、かような凹凸状の形態のみに限定されるわけではなく、ガス流路および冷媒流路の機能を発揮できる限り、平板状、一部凹凸状などの任意の形態であってもよい。
上記のような、本発明のMEAを有する燃料電池は、優れた発電性能を発揮する。ここで、燃料電池の種類としては、特に限定されず、上記した説明中では高分子電解質形燃料電池を例に挙げて説明したが、この他にも、アルカリ型燃料電池、ダイレクトメタノール型燃料電池、マイクロ燃料電池などが挙げられる。なかでも小型かつ高密度・高出力化が可能であるから、高分子電解質形燃料電池(PEFC)が好ましく挙げられる。また、前記燃料電池は、搭載スペースが限定される車両などの移動体用電源の他、定置用電源などとして有用である。なかでも、比較的長時間の運転停止後に高い出力電圧が要求される自動車などの移動体用電源として用いられることが特に好ましい。
燃料電池を運転する際に用いられる燃料は特に限定されない。例えば、水素、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどが用いられうる。なかでも、高出力化が可能である点で、水素やメタノールが好ましく用いられる。
また、燃料電池の適用用途は特に限定されるものではないが、車両に適用することが好ましい。本発明の電解質膜−電極接合体は、発電性能および耐久性に優れ、小型化が実現可能である。このため、本発明の燃料電池は、車載性の点から、車両に該燃料電池を適用した場合、特に有利である。
以下、本形態の燃料電池を構成する部材について簡単に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の形態のみに制限されない。
[触媒(電極触媒)]
図2は、本発明の一実施形態に係る触媒の形状・構造を示す概略断面説明図である。図2に示されるように、本発明の触媒20は、触媒金属22および触媒担体23からなる。また、触媒20は、半径1nm以上5nm未満の空孔(メソ孔)24を有する。ここで、触媒金属22は、主としてメソ孔24の内部に担持される。また、触媒金属22は、少なくとも一部がメソ孔24の内部に担持されていればよく、一部が触媒担体23表面に担持されていてもよい。しかし、触媒層での電解質(電解質ポリマー、アイオノマー)と触媒金属の接触を防ぎ、触媒活性を向上させるという観点からは、実質的にすべての触媒金属22がメソ孔24の内部に担持されることが好ましい。触媒金属が電解質と接触すると、触媒金属表面の面積比活性が減少する。これに対し、上記構成により、電解質が触媒担体23のメソ孔24内に入り込まないようにすることができ、触媒金属22と電解質とが物理的に分離される。そして、水により三相界面を形成することができる結果、触媒活性が向上する。ここで、「実質的にすべての触媒金属」とは、十分な触媒活性を向上できる量であれば特に制限されない。「実質的にすべての触媒金属」は、全触媒金属において、好ましくは50重量%以上(上限:100重量%)、より好ましくは80重量%以上(上限:100重量%)の量で存在する。
本明細書において、「触媒金属がメソ孔の内部に担持される」ことは、担体への触媒金属の担持前後のメソ孔の容積の減少によって確認できる。詳細には、担体は、メソ孔を有し、当該メソ孔は一定の容積を有しているが、触媒金属がこの空孔に担持されると、空孔の容積は減少する。したがって、触媒金属担持前の触媒(担体)のメソ孔の容積と触媒金属担持後の触媒(担体)のメソ孔の容積の差[=(担持前の容積)−(担持後の容積)]が0を超える場合には、「触媒金属がメソ孔の内部に担持される」こととなる。
(触媒担体)
以下、触媒に含まれる担体について説明する。(触媒金属担持後の触媒の)半径1nm以上5nm未満の空孔(メソ孔)の空孔容積は0.8cc/g担体以上である。メソ孔の空孔容積は、好ましくは0.8〜3cc/g担体であり、特に好ましくは0.8〜2cc/g担体であることが好ましい。空孔容積が上記したような範囲にあれば、反応ガスの輸送に寄与する空孔が多く確保されるため、反応ガスの輸送抵抗を低減することができる。したがって、メソ孔内に格納される触媒金属の表面に反応ガスが速やかに輸送されるため、触媒金属が有効に利用される。さらに、メソ孔の容積が上記範囲にあれば、メソ孔内に触媒金属を格納(担持)でき、触媒層での電解質と触媒金属とを物理的に分離することができる(触媒金属と電解質との接触をより有効に抑制・防止できる)。このように、メソ孔内の触媒金属と、電解質との接触が抑制される上記態様であれば、担体表面に担持される触媒金属の量が多い時と比較して、触媒の活性をより有効に利用できる。なお、本明細書では、半径1nm以上5nm未満の空孔の空孔容積を単に「メソ孔の空孔容積」とも称する。
(触媒金属担持後の触媒の)BET比表面積[担体1gあたりの触媒のBET比表面積(m/g担体)]は、特に制限されないが、1000m/g担体以上であると好ましく、1500m/g担体以上であるとより好ましい。また、触媒のBET比表面積の上限は、特に制限されないが、3000m/g担体以下であると好ましく、1800m/g担体以下であるとより好ましい。上記したような比表面積であれば、十分なメソ孔を確保できると共に、触媒金属の粒子を分散性良く担持させることができる。ここでいう「触媒金属の粒子の分散性が良い」とは、触媒金属の粒子同士が互いに凝集することなく、それぞれの粒子が互いに離間した状態で担持された状態を示す。触媒金属の粒子が凝集し、塊状となっていると、塊状の触媒金属の近傍において、ガスの局所的な流束が大きくなり、ガスの輸送抵抗が大きくなる。一方、個々の触媒金属の粒子が分散した状態で担持されると、個々の粒子の近傍における局所的な流束は、上記態様と比較して小さくなる。したがって、反応ガスの輸送抵抗が低減され、触媒金属が有効に利用される。
なお、本明細書において、触媒の「BET比表面積(m/g担体)」は、窒素吸着法により測定される。詳細には、触媒粉末 約0.04〜0.07gを精秤し、試料管に封入する。この試料管を真空乾燥器で90℃×数時間予備乾燥し、測定用サンプルとする。秤量には、島津製作所株式会社製電子天秤(AW220)を用いる。なお、塗布シートの場合には、これの全重量から、同面積のテフロン(登録商標)(基材)重量を差し引いた塗布層の正味の重量約0.03〜0.04gを試料重量として用いる。次に、下記測定条件にて、BET比表面積を測定する。吸着・脱着等温線の吸着側において、相対圧(P/P0)約0.00〜0.45の範囲から、BETプロットを作成することで、その傾きと切片からBET比表面積を算出する。
「メソ孔の空孔の半径(nm)」は、窒素吸着法(DH法)により測定される空孔の半径を意味する。ここで、メソ孔の空孔半径の上限は、特に制限されないが、100nm以下である。
「メソ孔の空孔容積」は、触媒に存在する半径1nm以上5nm未満のメソ孔の総容積を意味し、担体1gあたりの容積(cc/g担体)で表される。「メソ孔の空孔容積(cc/g担体)」は、窒素吸着法(DH法)によって求めた微分細孔分布曲線の下部の面積(積分値)として算出される。
「微分細孔分布」とは、細孔径を横軸に、触媒中のその細孔径に相当する細孔容積を縦軸にプロットした分布曲線である。すなわち、窒素吸着法(DH法)により得られる触媒の空孔容積をVとし、空孔直径をDとした際の、差分空孔容積dVを空孔直径の対数差分d(logD)で割った値(dV/d(logD))を求める。そして、このdV/d(logD)を各区分の平均空孔直径に対してプロットすることにより微分細孔分布曲線が得られる。差分空孔容積dVとは、測定ポイント間の空孔容積の増加分をいう。
本明細書において、窒素吸着法(DH法)によるメソ孔の半径及び空孔容積の測定方法は、特に制限されず、例えば、「吸着の科学」(第2版 近藤精一、石川達雄、安部郁夫 共著、丸善株式会社)や「燃料電池の解析手法」(高須芳雄、吉武優、石原達己 編、化学同人)、D. Dollion, G. R. Heal : J. Appl. Chem., 14, 109 (1964)等の公知の文献に記載される方法が採用できる。本明細書では、窒素吸着法(DH法)によるメソ孔の半径及び空孔容積は、D. Dollion, G. R. Heal : J. Appl. Chem., 14, 109 (1964) に記載される方法によって、測定された値である。
上記したような特定の空孔容積を有する触媒の製造方法は、特に制限されないが、担体のメソ孔容積を上記したような空孔分布とすることが重要である。具体的には、メソ孔を有し、かつメソ孔の空孔容積が0.8cc/g担体以上である担体の製造方法としては、特開2010−208887号公報(米国特許出願公開第2011/318254号明細書、以下同様)、国際公開第2009/075264号(米国特許出願公開第2011/058308号明細書、以下同様)などの公報に記載される方法が好ましく使用される。
担体の材質は、上述した空孔容積を有する空孔(一次空孔)を担体の内部に形成することができ、かつ、触媒成分をメソ孔内部に分散状態で担持させるのに充分な比表面積と充分な電子伝導性とを有するものであれば特に制限されない。好ましくは、主成分がカーボンである。具体的には、カーボンブラック(ケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなど)、活性炭などからなるカーボン粒子が挙げられる。「主成分がカーボンである」とは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念であり、炭素原子以外の元素が含まれていてもよい。「実質的に炭素原子からなる」とは、2〜3重量%程度以下の不純物の混入が許容されうることを意味する。
より好ましくは、担体内部に所望の空孔領域を形成し易いことから、カーボンブラックを使用することが望ましく、特に好ましくは特開2010−208887号公報や国際公開第2009/075264号などの広報に記載される方法で製造された担体を使用する。
上記カーボン材料の他、Sn(錫)やTi(チタン)などの多孔質金属、さらには導電性金属酸化物なども担体として使用可能である。
担体のBET比表面積は、触媒成分を高分散担持させるのに充分な比表面積であればよい。担体のBET比表面積は、実質的に触媒のBET比表面積と同等である。担体のBET比表面積は、1000m/g以上であると好ましく、1500m/g以上であるとより好ましい。また、担体のBET比表面積の上限は、特に制限されないが、3000m/g担体以下であると好ましく、1800m/g担体以下であるとより好ましい。上記したような比表面積であれば、十分なメソ孔を確保できるため、ガス輸送に寄与するメソ孔を確保してガス輸送抵抗をより低くすることができると共に、メソ孔内に触媒金属の粒子を分散性良く格納(担持)できる。したがって、触媒金属粒子の近傍における局所的な流束が小さくなるため、反応ガスが速やかに輸送され、触媒金属が有効に利用される。
担体の平均粒径は20〜2000nmであることが好ましい。かような範囲であれば、担体に上記空孔構造を設けた場合であっても機械的強度が維持され、かつ、触媒層の厚みを適切な範囲で制御することができる。「担体の平均粒径」の値としては、特に言及のない限り、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。また、「粒子径」とは、粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離を意味するものとする。
なお、本発明においては、触媒内に上記したようなメソ孔の空孔分布を有するものである限り、必ずしも上記したような粒状の多孔質担体を用いる必要はない。
すなわち、担体として、非多孔質の導電性担体やガス拡散層を構成する炭素繊維から成る不織布やカーボンペーパー、カーボンクロスなども挙げられる。このとき、触媒をこれら非多孔質の導電性担体に担持したり、膜電極接合体のガス拡散層を構成する炭素繊維から成る不織布やカーボンペーパー、カーボンクロスなどに直接付着させたりすることも可能である。
本発明で使用できる触媒金属は、電気的化学反応の触媒作用をする機能を有する。アノード触媒層に用いられる触媒金属は、水素の酸化反応に触媒作用を有するものであれば特に制限はなく公知の触媒が同様にして使用できる。また、カソード触媒層に用いられる触媒金属もまた、酸素の還元反応に触媒作用を有するものであれば特に制限はなく公知の触媒が同様にして使用できる。具体的には、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、銅、銀、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属およびこれらの合金などから選択されうる。
これらのうち、触媒活性、一酸化炭素等に対する耐被毒性、耐熱性などを向上させるために、少なくとも白金を含むものが好ましく用いられる。すなわち、触媒金属は、白金であるまたは白金と白金以外の金属成分を含むことが好ましく、白金または白金含有合金であることがより好ましい。このような触媒金属は、高い活性を発揮できる。前記合金の組成は、合金化する金属の種類にもよるが、白金の含有量を30〜90原子%とし、白金と合金化する金属の含有量を10〜70原子%とするのがよい。なお、合金とは、一般に金属元素に1種以上の金属元素または非金属元素を加えたものであって、金属的性質をもっているものの総称である。合金の組織には、成分元素が別個の結晶となるいわば混合物である共晶合金、成分元素が完全に溶け合い固溶体となっているもの、成分元素が金属間化合物または金属と非金属との化合物を形成しているものなどがあり、本願ではいずれであってもよい。この際、アノード触媒層に用いられる触媒金属およびカソード触媒層に用いられる触媒金属は、上記の中から適宜選択されうる。本明細書では、特記しない限り、アノード触媒層用およびカソード触媒層用の触媒金属についての説明は、両者について同様の定義である。しかしながら、アノード触媒層およびカソード触媒層の触媒金属は同一である必要はなく、上記したような所望の作用を奏するように、適宜選択されうる。
本実施形態において、触媒金属(触媒成分)は、比表面積が30m/g担体以下である。触媒金属の比表面積は、好ましくは5〜30m/g担体であり、特に好ましくは10〜20m/g担体であることが好ましい。触媒金属の表面は親水性であり、触媒反応により生成する水が吸着しやすいため、触媒金属が格納されたメソ孔には、水が保持されやすくなる。メソ孔内に水が保持されると、ガスの輸送経路が狭くなり、かつ、水中の反応ガスの拡散速度は遅いため、ガスの輸送性が低下する。これに対し、触媒金属の比表面積を上記範囲のように比較的小さくすることにより、触媒金属の表面に吸着する水の量を減らすことができる。その結果、メソ孔内に水が保持されにくくなり、触媒中、さらには触媒層中の含水率を低くすることができる。したがって、反応ガスの輸送抵抗を低減させることができ、触媒金属が有効に利用される。なお、本発明における「触媒金属の比表面積」は、以下の実施例に記載の方法によって測定された値を採用する。
触媒金属の形状や大きさは、比表面積が上記範囲となるものであれば特に制限されず、公知の触媒成分と同様の形状および大きさが採用されうる。形状としては、例えば、粒状、鱗片状、層状などのものが使用できるが、好ましくは粒状である。この際、触媒金属(触媒金属粒子)の平均粒径は、特に制限されないが、3nmを超える大きさであると好ましい。より好ましくは3nm超〜30nm、特に好ましくは3nm超〜10nmである。触媒金属の平均粒径が3nmを超える大きさであれば、触媒金属の比表面積を小さくすることができる。その結果、上記のように、触媒金属表面に吸着する水の量を低減することができ、反応ガスの輸送に寄与するメソ孔を多く確保することができる。したがって、反応ガスの輸送抵抗をより低減できる。また、電位変化による溶出を防止し、経時的な性能低下をも抑制できる。このため、触媒活性をより向上させることができる。すなわち、触媒反応をより効率的に促進することができる。一方、触媒金属粒子の平均粒径が30nm以下であれば、担体のメソ孔内部に触媒金属を簡便な方法で担持することができ、触媒金属の電解質被覆率を低減することができる。なお、本発明における「触媒金属の平均粒径」は、以下の実施例に記載の方法によって測定された値を採用する。
また、触媒に対する触媒金属の割合(「触媒担持率」とも称する場合がある)は、触媒の全重量(担体と触媒金属の合計重量)に対し、担持された触媒金属の重量が占める割合である。当該触媒担持率は、40重量%以下であると好ましい。さらに触媒担持率は、30重量%以下であるとより好ましい。一方、触媒担持率の下限は、5重量%であると好ましく、20重量%であるとより好ましい。触媒担持率が上記範囲であれば、触媒金属の比表面積の小さい触媒を得ることができる。その結果、触媒金属表面に吸着する水の量を低減させることができ、反応ガスの輸送に寄与するメソ孔を多く確保することができる。したがって、反応ガスの輸送抵抗をより低減できるため、反応ガスが速やかに輸送される。そして、触媒金属が有効に利用される結果、触媒活性をより向上させることができる。すなわち、触媒反応をより効率的に促進することができる。また、本形態によれば、使用する触媒金属が比較的少量で良く、経済上な観点からも好ましい。なお、本発明における「触媒担持率」は、触媒金属を担持する前の担体と、触媒金属を担持させた後の触媒の重量を測定することにより求められる値である。
[触媒層]
上述したように、本実施形態の触媒は、ガス輸送抵抗を低減し、高い触媒活性を発揮できる。すなわち、本実施形態の触媒によれば、触媒反応を促進できる。したがって、本形態の触媒は、燃料電池用の電極触媒層に好適に使用できる。すなわち、本発明の一実施形態により、上記の触媒および電解質を含む、燃料電池用電極触媒層(「触媒層」とも称する場合がある)が提供される。当該触媒層においては、触媒金属の表面に対する反応ガスの輸送抵抗が低減される。
図3は、本発明の一実施形態に係る触媒層における触媒および電解質の関係を示す模式図である。図3に示されるように、本発明の触媒層内では、触媒は電解質26で被覆されているが、電解質26は、触媒(触媒担体23)のメソ孔24内には侵入しない。このため、触媒担体23表面の触媒金属22は電解質26と接触するが、メソ孔24内部に担持された触媒金属22は電解質26と非接触状態である。メソ孔内の触媒金属が、電解質と非接触状態で酸素ガスと水との三相界面を形成することにより、触媒金属の反応活性面積を確保できる。
本形態の触媒は、カソード触媒層またはアノード触媒層のいずれに存在してもいてもよいが、カソード触媒層で使用されることが好ましい。上述したように、本形態の触媒は、電解質と接触しなくても、水との三相界面を形成することによって、触媒を有効に利用できるが、カソード触媒層で水が形成するからである。
電解質は、特に制限されないが、イオン伝導性の高分子電解質であることが好ましい。上記高分子電解質は、燃料極側の触媒活物質周辺で発生したプロトンを伝達する役割を果たすことから、プロトン伝導性高分子とも呼ばれる。
当該高分子電解質は、特に限定されず従来公知の知見が適宜参照されうる。高分子電解質は、構成材料であるイオン交換樹脂の種類によって、フッ素系高分子電解質と炭化水素系高分子電解質とに大別される。
フッ素系高分子電解質を構成するイオン交換樹脂としては、例えば、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマー、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマー、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオリド−パーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマーなどが挙げられる。耐熱性、化学的安定性、耐久性、機械強度に優れるという観点からは、これらのフッ素系高分子電解質が好ましく用いられ、特に好ましくはパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマーから構成されるフッ素系高分子電解質が用いられる。
炭化水素系電解質として、具体的には、スルホン化ポリエーテルスルホン(S−PES)、スルホン化ポリアリールエーテルケトン、スルホン化ポリベンズイミダゾールアルキル、ホスホン化ポリベンズイミダゾールアルキル、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(S−PEEK)、スルホン化ポリフェニレン(S−PPP)などが挙げられる。原料が安価で製造工程が簡便であり、かつ材料の選択性が高いといった製造上の観点からは、これらの炭化水素系高分子電解質が好ましく用いられる。なお、上述したイオン交換樹脂は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、上述した材料のみに制限されず、その他の材料が用いられてもよい。
プロトンの伝達を担う高分子電解質においては、プロトンの伝導度が重要となる。ここで、高分子電解質のEWが大きすぎる場合には触媒層全体でのイオン伝導性が低下する。したがって、本形態の触媒層は、EWの小さい高分子電解質を含むことが好ましい。具体的には、本形態の触媒層は、好ましくはEWが1500g/eq.以下の高分子電解質を含み、より好ましくは1200g/eq.以下の高分子電解質を含み、特に好ましくは1000g/eq.以下の高分子電解質を含む。
一方、EWが小さすぎる場合には、親水性が高すぎて、水の円滑な移動が困難となる。かような観点から、高分子電解質のEWは600g/eq.以上であることが好ましい。なお、EW(Equivalent Weight)は、プロトン伝導性を有する交換基の当量重量を表している。当量重量は、イオン交換基1当量あたりのイオン交換膜の乾燥重量であり、「g/eq」の単位で表される。
また、触媒層は、EWが異なる2種類以上の高分子電解質を発電面内に含み、この際、高分子電解質のうち最もEWが低い高分子電解質が流路内ガスの相対湿度が90%以下の領域に用いることが好ましい。このような材料配置を採用することにより、電流密度領域によらず、抵抗値が小さくなって、電池性能の向上を図ることができる。流路内ガスの相対湿度が90%以下の領域に用いる高分子電解質、すなわちEWが最も低い高分子電解質のEWとしては、900g/eq.以下であることが望ましい。これにより、上述の効果がより確実、顕著なものとなる。
さらに、EWが最も低い高分子電解質を冷却水の入口と出口の平均温度よりも高い領域に用いることが望ましい。これによって、電流密度領域によらず、抵抗値が小さくなって、電池性能のさらなる向上を図ることができる。
さらには、燃料電池システムの抵抗値を小さくするとする観点から、EWが最も低い高分子電解質は、流路長に対して燃料ガス及び酸化剤ガスの少なくとも一方のガス供給口から3/5以内の範囲の領域に用いることが望ましい。
本形態の触媒層は、触媒と高分子電解質との間に、触媒と高分子電解質とをプロトン伝導可能な状態に連結しうる液体プロトン伝導材を含んでもよい。液体プロトン伝導材が導入されることによって、触媒と高分子電解質との間に、液体プロトン伝導材を介したプロトン輸送経路が確保され、発電に必要なプロトンを効率的に触媒表面へ輸送することが可能となる。これにより、触媒の利用効率が向上するため、発電性能を維持しながら触媒の使用量を低減することが可能となる。この液体プロトン伝導材は触媒と高分子電解質との間に介在していればよく、触媒層内の多孔質担体間の空孔(二次空孔)や多孔質担体内の空孔(メソ孔:一次空孔)内に配置されうる。
液体プロトン伝導材としては、イオン伝導性を有し、触媒と高分子電解質と間のプロトン輸送経路を形成する機能を発揮しうる限り、特に限定されることはない。具体的には水、プロトン性イオン液体、過塩素酸水溶液、硝酸水溶液、ギ酸水溶液、酢酸水溶液などを挙げることができる。
液体プロトン伝導材として水を使用する場合には、発電を開始する前に少量の液水か加湿ガスにより触媒層を湿らせることによって、触媒層内に液体プロトン伝導材としての水を導入することができる。また、燃料電池の作動時における電気化学反応によって生じた生成水を液体プロトン伝導材として利用することもできる。したがって、燃料電池の運転開始の状態においては、必ずしも液体プロトン伝導材が保持されている必要はない。例えば、触媒と電解質との表面距離を水分子を構成する酸素イオン径である0.28nm以上とすることが望ましい。このような距離を保持することによって、触媒と高分子電解質との非接触状態を保持しながら、触媒と高分子電解質の間(液体伝導材保持部)に水(液体プロトン伝導材)を介入させることができ、両者間の水によるプロトン輸送経路が確保されることになる。
イオン性液体など、水以外のものを液体プロトン伝導材として使用する場合には、触媒インク作製時に、イオン性液体と高分子電解質と触媒とを溶液中に分散させることが望ましいが、触媒を触媒層基材に塗布する際にイオン性液体を添加してもよい。
本発明の触媒では、触媒の高分子電解質と接触している総面積が、この触媒が液体伝導材保持部に露出している総面積よりも小さいものとなっている。
これら面積の比較は、例えば、上記液体伝導材保持部に液体プロトン伝導材を満たした状態で、触媒−高分子電解質界面と触媒−液体プロトン伝導材界面に形成される電気二重層の容量の大小関係を求めることによって行うことができる。すなわち、電気二重層容量は、電気化学的に有効な界面の面積に比例するため、触媒−電解質界面に形成される電気二重層容量が触媒−液体プロトン伝導材界面に形成される電気二重層容量より小さければ、触媒の電解質との接触面積が液体伝導材保持部への露出面積よりも小さいことになる。
ここで、触媒−電解質界面、触媒−液体プロトン伝導材界面にそれぞれ形成される電気二重層容量の測定方法、言い換えると、触媒−電解質間及び触媒−液体プロトン伝導材間の接触面積の大小関係(触媒の電解質との接触面積と液体伝導材保持部への露出面積の大小関係の判定方法)について説明する。
すなわち、本形態の触媒層においては、
(1)触媒−高分子電解質(C−S)
(2)触媒−液体プロトン伝導材(C−L)
(3)多孔質担体−高分子電解質(Cr−S)
(4)多孔質担体−液体プロトン伝導材(Cr−L)
の4種の界面が電気二重層容量(Cdl)として寄与し得る。
電気二重層容量は、上記したように、電気化学的に有効な界面の面積に正比例するため、CdlC−S(触媒−高分子電解質界面の電気二重層容量)及びCdlC−L(触媒−液体プロトン伝導材界面の電気二重層容量)を求めればよい。そして、電気二重層容量(Cdl)に対する上記4種の界面の寄与については、以下のようにして分離することができる。
まず、例えば100%RHのような高加湿条件、及び10%RH以下のような低加湿条件下において、電気二重層容量をそれぞれ計測する。なお、電気二重層容量の計測手法としては、サイクリックボルタンメトリーや電気化学インピーダンス分光法などを挙げることができる。これらの比較から、液体プロトン伝導材(この場合は「水」)の寄与、すなわち上記(2)及び(4)を分離することができる。
さらに触媒を失活させること、例えば、Ptを触媒として用いた場合には、測定対象の電極にCOガスを供給してCOをPt表面上に吸着させることによる触媒の失活によって、その電気二重層容量への寄与を分離することができる。このような状態で、前述のように高加湿及び低加湿条件における電気二重層容量を同様の手法で計測し、これらの比較から、触媒の寄与、つまり上記(1)及び(2)を分離することができる。
以上により、上記(1)〜(4)全ての寄与を分離することができ、触媒と高分子電解質及び液体プロトン伝導材両界面に形成される電気二重層容量を求めることができる。
すなわち、高加湿状態における測定値(A)が上記(1)〜(4)の全界面に形成される電気二重層容量、低加湿状態における測定値(B)が上記(1)及び(3)の界面に形成される電気二重層容量になる。また、触媒失活・高加湿状態における測定値(C)が上記(3)及び(4)の界面に形成される電気二重層容量、触媒失活・低加湿状態における測定値(D)が上記(3)の界面に形成される電気二重層容量になる。
したがって、AとCの差が(1)及び(2)の界面に形成される電気二重層容量、BとDの差が(1)の界面に形成される電気二重層容量ということになる。そして、これら値の差、(A−C)−(B−D)を算出すれば、(2)の界面に形成される電気二重層容量を求めることができる。なお、触媒の高分子電解質との接触面積や、伝導材保持部への露出面積については、上記の他には、例えば、TEM(透過型電子顕微鏡)トモグラフィなどによっても求めることができる。
触媒層には、必要に応じて、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などの撥水剤、界面活性剤などの分散剤、グリセリン、エチレングリコール(EG)、ポリビニルアルコール(PVA)、プロピレングリコール(PG)などの増粘剤、造孔剤等の添加剤が含まれていても構わない。
触媒層の厚み(乾燥膜厚)は、好ましくは0.05〜30μm、より好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは2〜15μmである。なお、上記厚みは、カソード触媒層およびアノード触媒層双方に適用される。しかし、カソード触媒層及びアノード触媒層の厚みは、同じであってもあるいは異なってもよい。
(触媒層の製造方法)
以下、触媒層を製造するための好ましい実施形態を記載するが、本発明の技術的範囲は下記の形態のみには限定されない。また、触媒層の各構成要素の材質などの諸条件については、上述した通りであるため、ここでは説明を省略する。
まず、担体(本明細書では、「多孔質担体」または「導電性多孔質担体」とも称する)を準備し、これを熱処理することにより空孔構造を制御する。具体的には、上記担体の製造方法で説明したように、作製すればよい。これにより、特定の空孔分布(メソ孔を有し、当該メソ孔の空孔容積が0.8cc/g担体以上である)を有する空孔が担体内に形成できる。また、熱処理により、担体の黒鉛化も同時に促進され、耐腐食性を向上させることができる。
当該熱処理の条件は材料に応じて異なり、所望の空孔構造が得られるように適宜決定される。一般に、加熱温度を高温とすると空孔分布のモード径は空孔直径大の方向にシフトする傾向がある。このような熱処理条件は、空孔構造を確認しつつ、材料に応じて決定すればよく、当業者であれば容易に決定することができるであろう。なお、従来から高温で担体を熱処理することにより黒鉛化する技術が知られているが、従来の熱処理では担体内の空孔のほとんどが塞がれており、触媒近傍のミクロな空孔構造(広くて浅い一次空孔)の制御は行われていなかった。
次いで、多孔質担体に触媒金属を担持させて、触媒粉末とする。多孔質担体への触媒金属の担持は公知の方法で行うことができる。例えば、含浸法、液相還元担持法、蒸発乾固法、コロイド吸着法、噴霧熱分解法、逆ミセル(マイクロエマルジョン法)などの公知の方法が使用できる。なお、触媒金属の平均粒径を所望の範囲とするために、触媒金属を担体に担持させた後、還元雰囲気下で加熱処理を行ってもよい。このとき、加熱処理温度は、300〜1200℃の範囲であると好ましく、500〜1150℃の範囲であるとより好ましく、700〜1000℃の範囲であると特に好ましい。また、還元雰囲気とは、触媒金属の粒成長に寄与するものであれば特に制限されないが、還元性ガスと不活性ガスとの混合雰囲気下で行うことが好ましい。還元性ガスは、特に制限されないが、水素(H)ガスが好ましい。また、不活性ガスは、特に制限されないが、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、及び窒素(N)などが使用できる。上記不活性ガスは、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合ガスの形態で使用されてもよい。また、加熱処理時間は、0.1〜2時間であると好ましく、0.5〜1.5時間であるとより好ましい。さらに、上記の方法により触媒粉末を得た後、当該触媒粉末について酸処理を行ってもよい。このとき、酸処理の方法は特に制限されない。例えば、硝酸等の酸性水溶液中に、触媒粉末を浸漬し、その後、触媒粉末を濾別し、乾燥をすることにより酸処理を行うことができる。このとき、触媒粉末の浸漬条件は特に制限されないが、50〜90℃で、1〜5時間程度酸性水溶液に浸漬すると好ましい。
続いて、触媒粉末、高分子電解質、および溶剤を含む触媒インクを作製する。溶剤としては、特に制限されず、触媒層を形成するのに使用される通常の溶媒が同様にして使用できる。具体的には、水道水、純水、イオン交換水、蒸留水等の水、シクロヘキサノール、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、及びtert−ブタノール等の炭素数1〜4の低級アルコール、プロピレングリコール、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。これらの他にも、酢酸ブチルアルコール、ジメチルエーテル、エチレングリコール、などが溶媒として用いられてもよい。これらの溶剤は、1種を単独で使用してもあるいは2種以上の混合液の状態で使用してもよい。
触媒インクを構成する溶剤の量は、電解質を完全に溶解できる量であれば特に制限されない。具体的には、触媒粉末および高分子電解質などを合わせた固形分の濃度が、電極触媒インク中、1〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%程度とするのが好ましい。
なお、撥水剤、分散剤、増粘剤、造孔剤等の添加剤を使用する場合には、触媒インクにこれらの添加剤を添加すればよい。この際、添加剤の添加量は、本発明の上記効果を妨げない程度の量であれば特に制限されない。例えば、添加剤の添加量は、それぞれ、電極触媒インクの全重量に対して、好ましくは5〜20重量%である。
次に、基材の表面に触媒インクを塗布する。基材への塗布方法は、特に制限されず、公知の方法を使用できる。具体的には、スプレー(スプレー塗布)法、ガリバー印刷法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法など、公知の方法を用いて行うことができる。
この際、触媒インクを塗布する基材としては、固体高分子電解質膜(電解質層)やガス拡散基材(ガス拡散層)を使用することができる。かような場合には、固体高分子電解質膜(電解質層)またはガス拡散基材(ガス拡散層)の表面に触媒層を形成した後、得られた積層体をそのまま膜電極接合体の製造に利用することができる。あるいは、基材としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)[テフロン(登録商標)]シート等の剥離可能な基材を使用し、基材上に触媒層を形成した後に基材から触媒層部分を剥離することにより、触媒層を得てもよい。
最後に、触媒インクの塗布層(膜)を、空気雰囲気下あるいは不活性ガス雰囲気下、室温〜150℃で、1〜60分間、乾燥する。これにより、触媒層が形成される。
[膜電極接合体]
本発明のさらなる実施形態によれば、上記燃料電池用電極触媒層を含む、燃料電池用膜電極接合体が提供される。すなわち、固体高分子電解質膜2、前記電解質膜の一方の側に配置されたカソード触媒層と、前記電解質膜の他方の側に配置されたアノード触媒層と、前記電解質膜2並びに前記アノード触媒層3a及び前記カソード触媒層3cを挟持する一対のガス拡散層(4a,4c)とを有する燃料電池用膜電極接合体が提供される。そしてこの膜電極接合体において、前記カソード触媒層およびアノード触媒層の少なくとも一方が上記に記載した実施形態の触媒層である。したがって、本実施形態における燃料電池用膜電極接合体においては、触媒金属の表面に反応ガスが輸送される際の輸送抵抗が低減される。
ただし、プロトン伝導性の向上および反応ガス(特にO)の輸送特性(ガス拡散性)の向上の必要性を考慮すると、少なくともカソード触媒層が上記に記載した実施形態の触媒層であることが好ましい。ただし、上記形態に係る触媒層は、アノード触媒層として用いてもよいし、カソード触媒層およびアノード触媒層双方として用いてもよいなど、特に制限されるものではない。
[燃料電池]
本発明のさらなる実施形態によれば、上記形態の膜電極接合体を有する燃料電池が提供される。すなわち、本発明の一実施形態は、上記形態の膜電極接合体を挟持する一対のアノードセパレータおよびカソードセパレータを有する燃料電池である。当該燃料電池においては、触媒金属の表面に対する反応ガスの輸送抵抗が低減される。
以下、図1を参照しつつ、上記実施形態の触媒層を用いたPEFC1の構成要素について説明する。ただし、本発明は触媒に特徴を有するものである。よって、燃料電池を構成する触媒層以外の部材の具体的な形態については、従来公知の知見を参照しつつ、適宜、改変が施されうる。
(電解質膜)
電解質膜は、例えば、図1に示す形態のように固体高分子電解質膜2から構成される。この固体高分子電解質膜2は、PEFC1の運転時にアノード触媒層3aで生成したプロトンを膜厚方向に沿ってカソード触媒層3cへと選択的に透過させる機能を有する。また、固体高分子電解質膜2は、アノード側に供給される燃料ガスとカソード側に供給される酸化剤ガスとを混合させないための隔壁としての機能をも有する。
固体高分子電解質膜2を構成する電解質材料としては特に限定されず従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、先に高分子電解質として説明したフッ素系高分子電解質や炭化水素系高分子電解質を用いることができる。この際、触媒層に用いた高分子電解質と必ずしも同じものを用いる必要はない。
電解質層の厚さは、得られる燃料電池の特性を考慮して適宜決定すればよく、特に制限されない。電解質層の厚さは、通常は5〜300μm程度である。電解質層の厚さがかような範囲内の値であると、製膜時の強度や使用時の耐久性及び使用時の出力特性のバランスが適切に制御されうる。
(ガス拡散層)
ガス拡散層(アノードガス拡散層4a、カソードガス拡散層4c)は、セパレータのガス流路(6a、6c)を介して供給されたガス(燃料ガスまたは酸化剤ガス)の触媒層(3a、3c)への拡散を促進する機能、および電子伝導パスとしての機能を有する。
ガス拡散層(4a、4c)の基材を構成する材料は特に限定されず、従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、炭素製の織物、紙状抄紙体、フェルト、不織布といった導電性および多孔質性を有するシート状材料が挙げられる。基材の厚さは、得られるガス拡散層の特性を考慮して適宜決定すればよいが、30〜500μm程度とすればよい。基材の厚さがかような範囲内の値であれば、機械的強度とガスおよび水などの拡散性とのバランスが適切に制御されうる。
ガス拡散層は、撥水性をより高めてフラッディング現象などを防止することを目的として、撥水剤を含むことが好ましい。撥水剤としては、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系の高分子材料、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。
また、撥水性をより向上させるために、ガス拡散層は、撥水剤を含むカーボン粒子の集合体からなるカーボン粒子層(マイクロポーラス層;MPL、図示せず)を基材の触媒層側に有するものであってもよい。
カーボン粒子層に含まれるカーボン粒子は特に限定されず、カーボンブラック、グラファイト、膨張黒鉛などの従来公知の材料が適宜採用されうる。なかでも、電子伝導性に優れ、比表面積が大きいことから、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが好ましく用いられうる。カーボン粒子の平均粒径は、10〜100nm程度とするのがよい。これにより、毛細管力による高い排水性が得られるとともに、触媒層との接触性も向上させることが可能となる。
カーボン粒子層に用いられる撥水剤としては、上述した撥水剤と同様のものが挙げられる。なかでも、撥水性、電極反応時の耐食性などに優れることから、フッ素系の高分子材料が好ましく用いられうる。
カーボン粒子層におけるカーボン粒子と撥水剤との混合比は、撥水性および電子伝導性のバランスを考慮して、重量比で90:10〜40:60(カーボン粒子:撥水剤)程度とするのがよい。なお、カーボン粒子層の厚さについても特に制限はなく、得られるガス拡散層の撥水性を考慮して適宜決定すればよい。
(膜電極接合体の製造方法)
膜電極接合体の作製方法としては、特に制限されず、従来公知の方法を使用できる。例えば、固体高分子電解質膜に触媒層をホットプレスで転写または塗布し、これを乾燥したものに、ガス拡散層を接合する方法や、ガス拡散層の微多孔質層側(微多孔質層を含まない場合には、基材層の片面に触媒層を予め塗布して乾燥することによりガス拡散電極(GDE)を2枚作製し、固体高分子電解質膜の両面にこのガス拡散電極をホットプレスで接合する方法を使用することができる。ホットプレス等の塗布、接合条件は、固体高分子電解質膜や触媒層内の高分子電解質の種類(パ−フルオロスルホン酸系や炭化水素系)によって適宜調整すればよい。
(セパレータ)
セパレータは、固体高分子形燃料電池などの燃料電池の単セルを複数個直列に接続して燃料電池スタックを構成する際に、各セルを電気的に直列に接続する機能を有する。また、セパレータは、燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却剤を互に分離する隔壁としての機能も有する。これらの流路を確保するため、上述したように、セパレータのそれぞれにはガス流路および冷却流路が設けられていることが好ましい。セパレータを構成する材料としては、緻密カーボングラファイト、炭素板などのカーボンや、ステンレスなどの金属など、従来公知の材料が適宜制限なく採用できる。セパレータの厚さやサイズ、設けられる各流路の形状やサイズなどは特に限定されず、得られる燃料電池の所望の出力特性などを考慮して適宜決定できる。
燃料電池の製造方法は、特に制限されることなく、燃料電池の分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。
さらに、燃料電池が所望する電圧を発揮できるように、セパレータを介して膜電極接合体を複数積層して直列に繋いだ構造の燃料電池スタックを形成してもよい。燃料電池の形状などは、特に限定されず、所望する電圧などの電池特性が得られるように適宜決定すればよい。
上述したPEFCや膜電極接合体は、発電性能および耐久性に優れる触媒層を用いている。したがって、当該PEFCや膜電極接合体は発電性能および耐久性に優れる。
本実施形態のPEFCやこれを用いた燃料電池スタックは、例えば、車両に駆動用電源として搭載されうる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
合成例1
以下により、平均空孔半径:6.1nm;メソ孔の空孔容積が0.95cc/g担体;およびBET比表面積が1300m/g担体である、担体aを調製した。具体的には、特開2010−208887号公報などに記載の方法により担体aを作製した。
合成例2
以下により、平均空孔半径:2.1nm;メソ孔の空孔容積が0.92cc/g担体;およびBET比表面積が1770m/g担体である、担体bを調製した。具体的には、国際公開第2009/75264号などに記載の方法により担体bを作製した。
合成例3
以下により、平均空孔半径:2.4nm;メソ孔の空孔容積が1.53cc/g担体;およびBET比表面積が1600m/g担体である、担体cを調製した。具体的には、特開2010−208887号公報などに記載の方法により担体cを作製した。
合成例4
以下により、平均空孔半径:2.4nm;メソ孔の空孔容積が1.62cc/g担体;およびBET比表面積が1600m/g担体である、担体dを調製した。具体的には、特開2010−208887号公報などに記載の方法により担体dを作製した。
実施例1
(a)触媒粉末の作製
上記合成例1で作製した担体aを用い、これに触媒金属として平均粒径3.4nmの白金(Pt)を担持率が30重量%となるように担持させて、触媒粉末Aを得た。すなわち、白金濃度4.6質量%のジニトロジアンミン白金硝酸溶液を1000g(白金含有量:46g)に担体Aを107g浸漬させ攪拌後、還元剤として100%エタノールを100ml添加した。この溶液を沸点で7時間、攪拌、混合し、白金を担体Aに担持させた。そして、濾過、乾燥することにより、担持率が30重量%の触媒粉末を得た。その後、水素雰囲気において、温度900℃で1時間保持し、触媒粉末Aを得た。
(b)膜電極接合体(MEA)の作製
上記のように作製した触媒粉末Aと、高分子電解質としてのアイオノマー分散液(Nafion(登録商標)D2020,EW=1100g/mol、DuPont社製)とをカーボン担体とアイオノマーの重量比が0.9となるよう混合した。さらに、溶媒としてn−プロパノール溶液(50%)を固形分率(Pt+カーボン担体+アイオノマー)が7重量%となるよう添加して、カソード触媒インクを調製した。
担体として、ケッチェンブラック(粒径:30〜60nm)を用い、これに触媒金属として平均粒径2.5nmの白金(Pt)を担持率が50重量%となるように担持させて、触媒粉末を得た。この触媒粉末と、高分子電解質としてのアイオノマー分散液(Nafion(登録商標)D2020,EW=1100g/mol、DuPont社製)とをカーボン担体とアイオノマーの重量比が0.9となるよう混合した。さらに、溶媒としてn−プロパノール溶液(50%)を固形分率(Pt+カーボン担体+アイオノマー)が7重量%となるよう添加して、アノード触媒インクを調製した。
次に、高分子電解質膜(Dupont社製、NAFION NR211、厚み:25μm)の両面の周囲にガスケット(帝人Dupont社製、テオネックス、厚み:25μm(接着層:10μm))を配置した。次いで、高分子電解質膜の片面の露出部に触媒インクをスプレー塗布法により、5cm×2cmのサイズに塗布した。スプレー塗布を行うステージを60℃に1分間保つことで触媒インクを乾燥し、電極触媒層を得た。このときの白金担持量は0.15mg/cmである。なお、当該測定(確認)には、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP)を用いた。次に、カソード触媒層と同様に電解質膜上にスプレー塗布および熱処理を行うことでアノード触媒層を形成し、本例の膜電極接合体(1)を得た。
(c)評価
上記のようにして作製した触媒粉末Aおよび膜電極接合体(1)について、メソ孔の空孔容積、触媒金属(白金)比表面積、触媒金属(白金)粒径、BET比表面積、含水率およびガス輸送抵抗を測定した。その結果を下記表1に示す。なお、メソ孔の空孔容積、BET比表面積の測定は、上述の方法により行い、これら以外の評価は、下記の通り行った。
(白金比表面積の測定)
上記のようにして作製したカソード触媒層について、サイクリックボルタンメトリーによる電気化学的有効表面積(ECA:Electrochemical surface area)を求めた。参照極には白金、対極には標準水素電極(RHE)を用いた。
(白金粒径の測定)
上記のようにして得られた触媒粉末Aについて、X線回折(XRD)における触媒金属成分の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径から、粒子径を求めた。
(含水率の測定)
含水率は、[含水率(vol%)]=[湿度90%における吸着水の体積]/[全空孔容積]として求めた。具体的には、以下の操作を行った。
触媒の含水量(吸着水の体積)として、水蒸気吸着等温線を測定し、湿度90%における、担体重量1g当たりの吸着水の体積(単位:cc/g担体)を代表値として用いた。水蒸気吸着等温線の計測は、まず、約0.05gの触媒をガラスセルに入れて、90℃で5時間減圧脱気することにより、前処理を行った。次に、以下の計測条件で測定を行った。
・計測条件
温度:80℃
計測時間:各相対湿度条件につき、重量が平衡状態に達してから500秒。
また、全空孔容積は、「メソ孔の空孔容積」と「ミクロ孔の空孔容積」との和により求めた。「メソ孔の空孔容積」は、上記で説明した方法により算出される。また、「ミクロ孔の空孔容積」とは、触媒に存在する半径1nm未満のミクロ孔の総容積を意味し、担体1gあたりの容積(cc/g担体)で表される。「ミクロ孔の空孔容積(cc/g担体)」は、窒素吸着法(MP法)によって求めた微分細孔分布曲線の下部の面積(積分値)として算出される。なお、窒素吸着法(MP法)によるミクロ孔の半径及び空孔容積の測定方法は、例えば、「吸着の科学」(第2版 近藤精一、石川達雄、安部郁夫 共著、丸善株式会社)、「燃料電池の解析手法」(高須芳雄、吉武優、石原達己 編、化学同人)、R. Sh. Mikhail, S. Brunauer, E. E. Bodor J.Colloid Interface Sci.,26, 45(1968)等の公知の文献に記載される方法が採用できる。本明細書では、窒素吸着法(MP法)によるミクロ孔の半径及び空孔容積は、R. Sh. Mikhail, S. Brunauer, E. E. Bodor J.Colloid Interface Sci.,26, 45(1968)に記載される方法によって、測定された値である。
(ガス輸送抵抗の測定)
上記の通り作製された膜電極接合体(1)について、T.Mashio et al. ECS Trans., 11, 529, (2007)に記載の方法に従って、ガス輸送抵抗評価を行った。結果を下記表1に示す。
すなわち、希釈酸素を用いて限界電流密度(A/cm)を計測する。この際、酸素分圧(kPa)に対する限界電流密度(A/cm)の傾きから、ガス輸送抵抗(s/m)を算出する。次いで、ガスの全圧を変化させて同様にガス輸送抵抗を算出する。ガス輸送抵抗はガスの全圧に比例し、ガスの全圧に依存する成分(分子拡散によるガス輸送抵抗)と、依存しない成分とに分離できる。このうち、前者は例えばガス拡散層などに存在する100nm以上の比較的大きな空孔における輸送抵抗成分であり、後者は触媒層などに存在する100nm未満の比較的小さな空孔における輸送抵抗成分である。このように、ガス輸送抵抗の全圧依存性を計測し、全圧に依存しない成分を抽出することで、触媒層内のガス輸送抵抗を得た。
実施例2
実施例1において、担体aの代わりに、上記合成例2で作製した担体bを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、触媒粉末Bを得た。このようにして得られた触媒粉末Bを用いて、実施例1と同様に、膜電極接合体(2)を作製した。得られた膜電極接合体(2)および触媒粉末Bについて、メソ孔の空孔容積、触媒金属(白金)比表面積、触媒金属(白金)粒径、BET比表面積、含水率およびガス輸送抵抗を測定した。その結果を下記表1に示す。
実施例3
実施例2において、触媒粉末Bをさらに酸処理したこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、触媒粉末Cを得た。なお、酸処理は、触媒粉末Bを、3.0mol/Lの硝酸水溶液中に、80℃で2時間浸漬させた後、濾過、乾燥することにより行った。このようにして得られた触媒粉末Cを用いて、実施例2と同様に、膜電極接合体(3)を作製した。得られた膜電極接合体(3)および触媒粉末Cについて、メソ孔の空孔容積、触媒金属(白金)比表面積、触媒金属(白金)粒径、BET比表面積、含水率およびガス輸送抵抗を測定した。その結果を下記表1に示す。
実施例4
実施例1において、担体aの代わりに、上記合成例3で作製した担体cを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、触媒粉末Dを得た。このようにして得られた触媒粉末Dを用いて、実施例1と同様に、膜電極接合体(4)を作製した。得られた膜電極接合体(4)および触媒粉末Dについて、メソ孔の空孔容積、触媒金属(白金)比表面積、触媒金属(白金)粒径、BET比表面積、含水率およびガス輸送抵抗を測定した。その結果を下記表1に示す。
実施例5
実施例1において、担体aの代わりに、上記合成例4で作製した担体dを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、触媒粉末Eを得た。このようにして得られた触媒粉末Eを用いて、実施例1と同様に、膜電極接合体(6)を作製した。得られた膜電極接合体(6)および触媒粉末Eについて、メソ孔の空孔容積、触媒金属(白金)比表面積、触媒金属(白金)粒径、BET比表面積、含水率およびガス輸送抵抗を測定した。その結果を下記表1に示す。
比較例1
ケッチェンブラックEC300J(ケッチェンブラックインターナショナル)を電気炉内にて窒素雰囲気下で、2000℃、1時間焼成した。当該操作により得られたグラファイト化ケッチェンブラック(担体e)(メソ孔の空孔容積が0.15cc/g担体;およびBET比表面積が150m/g担体)を用い、これに触媒金属として平均粒径2.3nmの白金(Pt)を担持率が50重量%となるように担持させて、比較触媒粉末Fを得た。すなわち、白金濃度4.6質量%のジニトロジアンミン白金硝酸溶液を1000g(白金含有量:46g)に担体eを46g浸漬させ攪拌後、還元剤として100%エタノールを100ml添加した。この溶液を沸点で7時間、攪拌、混合し、白金を担体eに担持させた。そして、濾過、乾燥することにより、担持率が50重量%の比較触媒粉末Fを得た。
このようにして得られた触媒粉末Fを用いて、実施例1と同様に、比較膜電極接合体(1)を作製した。得られた比較膜電極接合体(1)および触媒粉末Fについて、メソ孔の空孔容積、触媒金属(白金)比表面積、触媒金属(白金)粒径、BET比表面積、含水率およびガス輸送抵抗を測定した。その結果を下記表1に示す。
比較例2
比較例1において、担体eの代わりに、ケッチェンブラックEC300J(ケッチェンブラックインターナショナル)(担体f)(メソ孔の空孔容積が0.39cc/g担体;およびBET比表面積が790m/g担体)を担体として使用した以外は、比較例1と同様の操作を行い、比較触媒粉末Gを得た。このようにして得られた比較触媒粉末Gを用いて、実施例1と同様に、比較膜電極接合体(2)を作製した。得られた比較膜電極接合体(2)および比較触媒粉末Gについて、メソ孔の空孔容積、触媒金属(白金)比表面積、触媒金属(白金)粒径、BET比表面積、含水率およびガス輸送抵抗を測定した。その結果を下記表1に示す。
比較例3
比較例1において、上記合成例1で作製した担体aを使用した以外は、比較例1と同様の操作を行い、比較触媒粉末Hを得た。このようにして得られた比較触媒粉末Hを用いて、実施例1と同様に、比較膜電極接合体(3)を作製した。得られた比較膜電極接合体(3)および触媒粉末Hについて、メソ孔の空孔容積、触媒金属(白金)比表面積、触媒金属(白金)粒径、BET比表面積、含水率およびガス輸送抵抗を測定した。その結果を下記表1に示す。
比較例4
比較例1において、上記合成例3で作製した担体cを使用した以外は、比較例1と同様の操作を行い、比較触媒粉末Iを得た。このようにして得られた比較触媒粉末Iを用いて、実施例1と同様に、比較膜電極接合体(4)を作製した。得られた比較膜電極接合体(4)および触媒粉末Iについて、メソ孔の空孔容積、触媒金属(白金)比表面積、触媒金属(白金)粒径、BET比表面積、含水率およびガス輸送抵抗を測定した。その結果を下記表1に示す。
比較例5
比較例1において、上記担体fを使用し、白金を担持した後に水素雰囲気において、温度900℃で1時間保持した以外は、比較例1と同様の操作を行い、比較触媒粉末Jを得た。このようにして得られた比較触媒粉末Jを用いて、実施例1と同様に、比較膜電極接合体(5)を作製した。得られた比較膜電極接合体(5)および触媒粉末Jについて、メソ孔の空孔容積、触媒金属(白金)比表面積、触媒金属(白金)粒径、BET比表面積、含水率およびガス輸送抵抗を測定した。その結果を下記表1に示す。
上記表1から、メソ孔容積が0.8cc/g担体以上であり、かつ、白金比表面積が30m/g担体以下である本実施形態の触媒粉末A〜E(実施例1〜5)は、ガス輸送抵抗が9s/m以下であり、良好なガス輸送性を示した。また、同時に、本実施形態の触媒A〜E(実施例1〜5)の触媒の含水率も低くなっていることから、触媒A〜Eにおいては、触媒表面が相対的に撥水的となっていることが示されている。したがって、かような結果からも、本実施形態に係る触媒では、触媒金属の比表面積を比較的小さくすることにより、親水性である触媒金属表面に対する水の吸着量を低減させた結果、ガス輸送性が向上していると考察される。
また、比較例2と比較例5との対比により、触媒金属(白金)を担体に担持した後、還元雰囲気下で加熱処理することにより、触媒金属粒径を大きくすることができることが示されている。
さらに、本出願は、2013年4月25日に出願された日本特許出願番号2013−092940号に基づいており、その開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。
1…固体高分子形燃料電池(PEFC)、
2…固体高分子電解質膜、
3…触媒層、
3a…アノード触媒層、
3c…カソード触媒層、
4a…アノードガス拡散層、
4c…カソードガス拡散層、
5、…セパレータ、
5a…アノードセパレータ、
5c…カソードセパレータ、
6a…アノードガス流路、
6c…カソードガス流路、
7…冷媒流路、
10…膜電極接合体(MEA)、
20…触媒、
22…触媒金属、
23…触媒担体、
24…メソ孔、
26…電解質。

Claims (8)

  1. 触媒担体および前記触媒担体に担持される触媒金属からなる触媒であって、
    前記触媒は半径が1nm以上5nm未満の空孔を有し、
    該空孔の空孔容積は0.8cc/g担体以上であり、かつ
    前記触媒金属の比表面積は30m/g担体以下である、触媒。
  2. 前記触媒金属の平均粒径が3nmを超える、請求項1に記載の触媒。
  3. 前記触媒に対する前記触媒金属の割合が40重量%以下である、請求項1または2に記載の触媒。
  4. 比表面積が1500m/g担体以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒。
  5. 前記触媒金属は、白金であるまたは白金と白金以外の金属成分を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の触媒および電解質を含む、燃料電池用電極触媒層。
  7. 請求項6に記載の燃料電池用電極触媒層を含む、燃料電池用膜電極接合体。
  8. 請求項7に記載の燃料電池用膜電極接合体を含む燃料電池。
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