JPWO2014157725A1 - 発熱組成物及びそれを用いた使い捨てカイロ - Google Patents

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Abstract

被酸化性金属粉の酸化反応をスムーズに進行させることによって良好な昇温特性(発熱立上り特性)を達成させ、発熱温度の長期間の持続性(発熱持続性)等の発熱性能が良好で、製造が容易で、使用時に嵩張ることがなく、使い勝手がよく、経済性にも優れた発熱組成物と、それを使用した使い捨てカイロの提供をすることを課題とする。被酸化性金属粉末、無機電解質、水、炭素成分および保水剤を含有し、空気の存在下で発熱する発熱組成物であって、前記炭素成分は、平均粒径10〜100nmの導電性炭素物質で、その含有量は、発熱組成物1g当たりの発熱有効表面積が0.8m2以上で、かつ前記発熱組成物全体に対して、7質量%以下の量で用いる。

Description

この発明は、空気の存在下で発熱する発熱組成物と、それを用いた使い捨てカイロに関するものである。
より具体的には、昇温特性および発熱持続性等の温度特性ないし発熱性能において優れた発熱組成物と、この発熱組成物を用いた使い捨てカイロに関するものである。
金属の酸化熱を利用して発熱する、使い捨てカイロが知られている。
この使い捨てカイロは、鉄粉等の被酸化性金属粉末、反応助剤としての無機電解質、水、活性炭等の炭素成分及び保水剤等を主成分とする発熱組成物を、通気性を有する内袋に収納し、さらに、この内袋を非通気性の包材からなる外袋に密封包装してなるもので、使用時に、前記内袋を外袋から取出して用いるものである。
かかる使い捨てカイロにあっては、外袋から取出した後、速やかに昇温することが製品価値を高めるため、特に昇温特性ないし発熱立上り特性の優れた、使い捨てカイロの提供が求められる。
その際、使い捨てカイロの温度特性ないし発熱性能は、内袋の通気度によって左右されるが、空気(酸素)との反応性も、使い捨てカイロの温度特性ないし発熱性能に大きな影響を与えている。
例えば、特許第3341020号公報(特許文献1)では、鉄粉表面が、導電性グラファイト、カーボンブラック、黒鉛及び活性炭からなる群から選択される0.3〜3.0重量%の導電性炭素質物質で部分的に被覆された活性鉄粉が開示され、これを用いて使い捨てカイロを構成することが提案されている。
この特許文献1に記載されている活性鉄粉は、鉄粉表面に、導電性炭素質物質の薄膜を局部的に一定量形成させることによって、地鉄と導電材料の間に形成される局部電池によって、酸化反応を促進させるものである。
特許第3341020号公報
使い捨てカイロを含め、発熱組成物は、昇温特性ないし発熱立上り特性において優れているものが求められる一方、さらに、例えば、発熱温度の持続性など、他の発熱性能においても優れていることが望まれる。
同時に、発熱組成物、特に使い捨てカイロ等の使い捨て製品では、より安価であることも望まれる。
しかしながら、特許文献1に記載されている活性鉄粉を、使い捨てカイロの原料に用いた場合、使い捨てカイロの発熱立上り特性は良好であるものの、長時間保温状態を持続すること等、他の発熱性能においては必ずしも十分ではない。
したがって、前記活性鉄粉に被覆される炭素成分に加えて、さらに炭素成分を単独で加える必要がある(特許文献1の実施例2参照)ので、炭素成分の使用量が増え、さらに製造コストが上がるおそれもある。
さらに、特許文献1に記載に記載されている活性鉄粉は、その表面が特定の導電性炭素質物質で部分的に被覆されたものである。
そのため煩雑な製造工程を必要とし、特に使い捨てカイロの原料として使用する場合には、高価であるという欠点もある。
したがって、発熱性能を維持しつつ、安価で経済性に優れ、製造時に充填し易い使い捨てカイロとするため、使用時に嵩張らず、使い勝手がいい発熱組成物が望まれている。
この発明はかかる現状に鑑み、昇温特性および発熱持続性等の温度特性、ないし発熱性能が良好で、製造が容易であって、経済性にも優れた発熱組成物について鋭意検討を行った。
その結果、被酸化性金属粉末、無機電解質、水、炭素成分及び保水剤を含有する発熱組成物において、炭素成分として、特定の平均粒径を有する導電性炭素物質を選択するとともに、当該炭素成分の発熱有効表面積が一定以上となる量を含有させること、かつ前記炭素成分の含有量が、発熱組成物全体に対して一定量以下となる量で含有させることによって、発熱組成物の昇温特性、および発熱温度の長期間の持続性等の発熱特性ないし発熱性能が良好なものとなることを見出した。
この発明はかかる現状に鑑み、被酸化性金属粉の酸化反応をスムーズに進行させることによって良好な昇温特性(発熱立上り特性)を達成させ、発熱温度の長期間の持続性(発熱持続性)等の温度特性ないし発熱性能が良好で、製造が容易で、使用時に嵩張ることがなく、使い勝手がよく、経済性にも優れた発熱組成物と、それを使用した使い捨てカイロの提供を目的とするものである。
前記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、被酸化性金属粉末と、無機電解質と、水と、炭素成分と、保水剤を含有し、空気の存在下で発熱する発熱組成物であって、
前記炭素成分は、平均粒径10〜100nmの導電性炭素物質で、前記炭素成分の含有量は、前記発熱組成物1g当たりの発熱有効表面積が0.8m以上で、かつ前記発熱組成物全体に対して、7質量%以下の量であることを特徴とする発熱組成物である。
この発明の請求項2に記載の発明は、請求項1における発熱組成物において、前記導電性炭素物質は、カーボンブラック又はグラファイトであることを特徴とするものである。
さらに、この発明の請求項3に記載の発明は、被酸化性金属粉末と、無機電解質と、水と、炭素成分と、保水剤を含有し、空気の存在下で発熱する発熱組成物であって、
前記炭素成分は、平均粒径10〜100nmの導電性炭素物質であって、その含有量が、前記発熱組成物1g当たりの発熱有効表面積が0.8m以上で、かつ前記発熱組成物全体に対して7質量%以下の量である発熱組成物を、少なくとも一部に通気性を有する袋体に収納したことを特徴とする使い捨てカイロである。
この発明にかかる発熱組成物は、特定の平均粒径を有する導電性炭素物質を炭素成分として使用しているので、被酸化性金属粉末と炭素成分(導電性炭素物質)が接触し易く、被酸化性金属粉末の酸化反応がスムーズに進行され、発熱温度が長く持続し、良好な発熱性能を得ることができる。
特に、この発明においては、前記炭素成分を、発熱有効表面積が活性炭よりも大きくなるものを使用することによって、被酸化性金属粉末と炭素成分(導電性炭素物質)とが接触し易く、発熱の立上りまでの時間を短縮することができる。
その結果、従来の活性炭を用いた場合と同等の発熱性能を得るために必要な炭素成分の使用量を減らすことが可能となるので、必要な発熱組成物の量が少なくなって、嵩張ることがないので、使い勝手が向上し、製造コスト面において安価で、経済性にも優れるという利点もある。
さらに、この発明の発熱組成物は、製造の際、導電性炭素質物質の被覆等の特別な加工を必須とせず、この発熱組成物を構成する成分を単に混合するだけで得られるので、容易に使い捨てカイロを製造することができる。
得た使い捨てカイロは、使用時に嵩張らないので使い勝手がよく、発熱温度が持続する等、優れた発熱性能を有し、経済性に優れたものである。
被酸化性金属粉末として鉄粉を用いた場合の発熱のメカニズムを示す模式図である。 各種平均粒径を有する炭素成分の発熱性能を示すグラフである。 炭素成分の発熱有効表面積と発熱立上り時間との関係を示すグラフである。
以下、この発明の発熱組成物及びそれを用いた使い捨てカイロの実施の形態を、具体的に説明する。
この発明の発熱組成物は、被酸化性金属粉末と、無機電解質と、水と、炭素成分と、保水剤を含有し、空気の存在下で発熱するものであって、特に使い捨てカイロに有用なものである。
かかる発熱組成物の、被酸化性金属粉末として鉄粉を用いた場合の、発熱のメカニズムを説明する。
図1に示すように、電子が鉄粉から炭素成分へ流れて、炭素成分の表面で酸素の還元が行われている。
炭素成分の不存在下で反応が進行する場合には、鉄粉の表面で酸素の還元が起こっていると考えられ、この酸素の還元反応の速度が遅いため、発熱がわずかしか起こらない。
一方、炭素成分が存在する場合には、炭素成分が酸素の還元反応を起こす電池の正極と同様の役割をすることから、触媒的に反応を促進していると考えられる。
このように、炭素成分は、被酸化性金属粉末の酸化反応において、反応をスムーズに進行させるために重要な役割を担っている。
この酸化反応のメカニズムにおいては、被酸化性金属粉末端子と炭素成分の間で、電子の授受を行われるため、被酸化性金属粉末端子と炭素成分とは十分に接していなければならず、炭素成分は導電性の高いものが望まれる。
そのため、この発明においては、電子の流れ易さを考慮して、炭素成分として、導電性炭素物質を使用するものである。
このような導電性炭素物質として、カーボンブラック、グラファイト等が挙げることができる。
前記発熱(酸化反応)のメカニズムによれば、被酸化性金属粉末粒子と炭素成分の間で電子の授受を行うため、被酸化性金属粉末粒子と炭素成分が充分に接している必要があることが分かる。
したがって、この発明においては、被酸化性金属粉末と良好な接触状態を形成させるため、炭素成分の平均粒径を10〜100nm、より好ましくは平均粒径19〜78nmの炭素成分を用いる。
前記炭素成分として、被酸化性金属粉末粒子に対し相対的に小さい粒子、具体的には、平均粒径が10〜100nmであるものを用いることで、炭素成分の表面の略全てを、通電に使用できる発熱有効表面とすることが可能となっている。
かかる炭素成分において、平均粒径が100nmを超える場合には、被酸化性金属粉末粒子と炭素成分の接触状態が悪く、被酸化性金属粉末粒子と接している炭素成分の表面の一部分しか通電に使用できない。
さらに、発熱有効表面積が小さくなるばかりか、酸化反応をスムーズに進行させるために、より多くの炭素成分が必要になることから、製造コストが増え、全体の量が増えるので嵩張り、使用感の面から好ましくない。
一方、炭素成分の平均粒径が10nm未満の場合には、製造時の粉末の飛散や通気性袋体からの漏れ等の懸念があるため、好ましくない。
なお、上記平均粒径は一次粒子径であり、例えば電子顕微鏡観察により20粒子以上の粒子径を測定し、その平均により得られる。
この発明においては、前記特定の範囲内にある平均粒径を有するものに限定して使用しているため、被酸化性金属粉末の酸化を効率良くスムーズに行うことができる。
したがって、被酸化性金属粉末表面を導電性炭素物質で被覆する等の特別の加工を必須とせず、従来用いられていた活性炭等の炭素物質の代わりに、前記特定の導電性炭素物質を他の成分と混合するだけで、目的とする発熱組成物を容易に製造できる。
前記導電性炭素物質の含有量は、発熱組成物全体の7質量%以下、通常には0.1〜7質量%、より好ましくは0.9〜5質量%である。
この含有量が0.1質量%未満では、発熱組成物として充分な発熱性能を得ることができない傾向にある。
逆に7質量%を超えて含有しても、酸化反応がそれ以上促進されることはないので、不経済となる傾向にある。
さらに、前記導電性炭素物質は、その比表面積が、20〜140m/gのものを使用する。比表面積はBET法により得られる。
この発明の発熱組成物においては、前記導電性炭素物質として、発熱組成物1g当たりの発熱有効表面積が0.8m以上、より好ましくは0.8〜4.3mを使用する。
この発熱有効表面積が4.3mを超える量で含有しても、酸化反応がそれ以上促進されることはないので、不経済となる傾向にある。
なお、この発明において、「発熱有効表面積」とは、炭素成分が被酸化性金属粉末と接触することが可能な表面積を言い、下記式により求めることができる。
発熱有効表面積(m/g)=炭素成分の比表面積(m/g)×発熱組成物中の導電性炭素物質の含有量(g)/発熱組成物の総重量(g)
前記炭素成分については、純度90%以上のものを選択することが好ましい。
この場合には、従来用いられていた活性炭よりも使用量を減らすことができ、発熱組成物の量を少なくできるので、充填が容易で、使用時に嵩張らず使い勝手が良く、経済性にも優れる。
前記炭素成分については、その細孔の有無も、発熱有効表面積の大小に影響を与える。
従来、使い捨てカイロに炭素成分として使用される活性炭は、ミクロ孔、メソ孔、マクロ孔の大きさの異なる3種類の細孔を多数有する。
これらの細孔、特にミクロ孔及びメソ孔は、被酸化性金属粉末との接触、すなわち、通電に関与できない。
そのため、活性炭については、比表面積は大きいが、通電に使用できる表面はごく一部である。
したがって、活性炭について発熱有効表面積を求める場合には、上記式から導出される値に、活性炭の表面におけるマクロ孔の比率を乗ずる必要がある。
よって、前記炭素成分としては、細孔を有さないか、もしくは、できる限り細孔の少ないものを選択することが、炭素成分の表面の略全てを、通電に使用できる発熱有効表面とすることができることから好ましい。
この発明において使用される被酸化性金属粉末については、空気中の酸素と容易に反応し、この反応の際に発熱する金属粉末であればよく、特に制限はない。
例えば、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉、いもの鉄粉等が挙げられる。
また、前記鉄粉として、活性鉄粉、例えば、特許第3341020号公報に記載されている活性鉄粉を、少量用いることもできる。
発熱組成物中における被酸化性金属粉末の含有量は、通常30質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上であり、また通常80質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。
この発明において使用される無機電解質については、これを、電解質溶液の形態で発熱組成物に添加することができる。
このような電解質溶液としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の水溶液が挙げられる。
発熱組成物中における無機電解質の含有量は、通常0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、また通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
この発明において使用される保水剤としては、例えば、シリカ、バーミキュライト、吸水性ポリマー、木粉等が挙げられる。
前記吸水性ポリマーとしては、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸塩架橋物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、架橋ポリアルキレンオキシド、水溶性セルロースエーテル、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ソーダ、ペクチン、アクリルスルホン酸系高分子物質、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
発熱組成物中における保水剤の含有量は、通常2質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また通常30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
この発明の発熱組成物には、この発明の効果を阻害しない範囲で、上記成分以外の他の成分を適宜添加することができる。
このような成分としては、例えば、水素発生抑制剤や、香料、消臭剤が挙げられる。
なお、発熱組成物に含有される水は、蒸留水、水道水ともに使用することができ、発熱組成物中における含有量は、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
この発明の発熱組成物は、従来の使い捨てカイロと同様、少なくとも一部に通気性を有する内袋に収納し、さらに、この内袋を非通気性の包材からなる外袋に密封包装し、使用時に内袋を外袋から取出して用いることもできる。
前記通気性袋体ないし内袋として、例えば、ナイロン不織布と多孔質ポリエチレンを積層して形成した通気性シート体によって構成された通気性袋体や、最外層にナイロンを用い、その内側にポリエチレンフィルムを積層し、さらにその内側に熱融着性の良い直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなるフィルムを積層して形成されたシート体により構成した通気性袋体を用いることができるが、これらに限定されない。
例えば、通気性フィルム、紙、不織布、織布等で構成することができる。
前記通気性フィルムとしては、フィルム化できるものであって、延伸及び/又は可溶性充填剤の抽出、あるいは極細針による穿孔等の方法により、通気性を発現できるものであれば、特に限定されるものではない。
このような通気性フィルムとして、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、塩酸ゴム等が挙げられる。
これらのうち、ポリオレフィン系樹脂製のものが延伸等により、均質な通気性フィルムが得られるので好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等のホモポリマー、又はコポリマーあるいはこれらのブレンドポリマーを挙げることができる。
なかでも、特にポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が、上記の観点から好ましい。
さらに、通気性袋体の一方の面に粘着層を設けてもよい。
このような粘着層を形成するのに用いることができる粘着剤としては、下着や皮膚との接着性が良好なものであれば、特に限定されるものではない。
具体的には、例えば、ビニル系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン(ネオプレン)系粘着剤、アクリル系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、スチレンゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、テルペン樹脂、あるいは水溶性ロジン等の粘着剤で形成された層が挙げられる。
なお、粘着層を設ける場合には、使用前に粘着層が汚損するのを防止するため、剥離紙で被覆することが好ましい。
前記非通気性の包材からなる袋体(外袋)を構成する材料として、例えば、透明蒸着PETフィルム、二軸延伸ポリプロピレンプラスポリエチレンフィルムラミネートフィルムや、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ナイロン、金属蒸着フィルム、金属酸化物の蒸着フィルム、金属泊ラミネートフィルム、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合物、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物)系フィルムの単独フィルム、又は他のフィルムとの貼り合せフィルムとポリエチレン、ポリプロピレン等の熱融着性フィルムとを貼り合せた複合フィルムや多層フィルムを使用することができる。
これらのフィルムは、例えば、熱融着性フィルムの面が、互いに内側となるようにして重ね合わせ、周辺を加熱融着して袋体に成形される。
以下、具体的な実施例によって、この発明の発熱組成物をより詳細に説明する。
なお、この発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜5及び比較例1>
1)製造方法
下記表1に示される炭素成分を使用して、下記表2に示される処方に基づき発熱組成物を調製した。
<評価例1>
上記実施例1〜5および比較例1において得られた発熱組成物について、下記方法により発熱立上り時間を測定した。その結果を、表4及び図2に示す。
<測定方法>
上記実施例1〜5および比較例1において得られた発熱組成物を、それぞれナイロン不織布とポリエチレンフィルムを積層して針孔をあけて形成した通気性シート体により構成した93mm×55mmの通気性袋体に封入した。
これをさらに、透明蒸着PETフィルムにより形成した非通気性外袋に密封して、使い捨てカイロを製造した。
カイロをあらかじめ測定室(温度25℃)に放置し、室温に馴染ませておいた。
その後、カイロを開封し、発熱を開始させた。
カイロをタオル(パイル生地、綿100%)で包み、カイロの表面温度を測定し、この温度が40℃に達するまでの時間を発熱立上り時間とした。
<結 果>
実施例1〜5において得られたこの発明の発熱組成物は、いずれも炭素成分として活性炭を含む発熱組成物である比較例1において得られた発熱組成物と、同等以上の発熱立上り特性を有することが分かる。
したがって、この発明では、平均粒径10〜100nmの導電性炭素物質を選択することにより、良好な発熱立上り特性が得られることが明らかである。
<評価例2>
上記実施例1〜5及び比較例1において得られた発熱組成物について、上記評価例1における測定方法にしたがって、カイロの表面温度を測定し、発熱開始から16時間までの最高温度、および40℃以上で発熱している間の平均温度を求めた。その結果を、表5に示す。
<結 果>
実施例1〜5において得られたこの発明の発熱組成物は、いずれも炭素成分として活性炭を含む発熱組成物である、比較例1において得られた発熱組成物と、同等以上の発熱性能を有することが分かる。
したがって、この発明では、平均粒径10〜100nmの導電性炭素物質を選択することにより、優れた発熱性能が得られることが明らかである。
<評価例3>
上記実施例1及び比較例1における発熱組成物の組成において、実施例1におけるカーボンブラック、比較例1における活性炭の配合割合を変化させることによって、発熱組成物19g当たりの炭素成分の表面積を変化させて、上記評価例1における測定方法と同様の方法により、発熱立上り時間(T)の測定を行った。
その結果を、表6及び図3に示す。
<結 果>
実施例1において得られたこの発明の発熱組成物は、いずれも炭素成分として活性炭を含む発熱組成物である比較例1において得られた発熱組成物よりも優れた発熱立上り特性を有することが分かる。
したがって、この発明の優れた発熱立上り特性は、発熱有効表面積を、組成物1g当たり0.8m以上、かつ組成物全体に対して7質量%以下の範囲に特定したことによるものであることは明らかである。
<評価例4>
上記実施例1及び比較例1における発熱組成物の組成において、実施例1におけるカーボンブラック、比較例1における活性炭の配合割合を変化させることにより、発熱組成物19g当たりの発熱有効表面積を変化させて、上記評価例1における測定方法にしたがって、カイロの表面温度を測定し、発熱開始から16時間までの最高温度、および40℃以上で発熱している間の平均温度を求めた。その結果を表7に示す。
<結 果>
実施例1において得られたこの発明の発熱組成物は、いずれも炭素成分として活性炭を含む発熱組成物である比較例1において得られた発熱組成物よりも優れた発熱性能を有することが分かる。
したがって、この発明の優れた発熱性能は、発熱有効表面積を、組成物1g当たり0.8m以上、かつ組成物全体に対して7質量%以下の範囲に特定したことによるものであることは明らかである。
この発明の発熱組成物は、発熱立上り特性及び発熱温度の長期間の持続性(発熱持続性)等の発熱性能が良好であって、製造が容易で、経済性にも優れているので、使い捨てカイロ等の発熱体ないし発熱具を提供することができるので、きわめて有益である。

Claims (3)

  1. 被酸化性金属粉末と、無機電解質と、水と、炭素成分と、保水剤を含有し、空気の存在下で発熱する発熱組成物であって、
    前記炭素成分は、平均粒径10〜100nmの導電性炭素物質で、前記炭素成分の含有量は、前記発熱組成物1g当たりの発熱有効表面積が0.8m以上で、かつ前記発熱組成物全体に対して、7質量%以下の量であることを特徴とする発熱組成物。
  2. 前記導電性炭素物質は、カーボンブラック又はグラファイトであることを特徴とする請求項1における発熱組成物。
  3. 被酸化性金属粉末と、無機電解質と、水と、炭素成分と、保水剤を含有し、空気の存在下で発熱する発熱組成物であって、
    前記炭素成分は、平均粒径10〜100nmの導電性炭素物質であって、その含有量が、前記発熱組成物1g当たりの発熱有効表面積が0.8m以上で、かつ前記発熱組成物全体に対して7質量%以下の量である発熱組成物を、少なくとも一部に通気性を有する袋体に収納したことを特徴とする使い捨てカイロ。
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