JPWO2014133088A1 - 脂肪酸β−酸化経路改変株による共重合体ポリヒドロキシアルカン酸の製造法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、植物油を基本原料として、3−ヒドロキシヘキサン酸分率の高いポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)[P(3HB−co−3HHx)]を生産する方法を提供することを目的とする。本発明によれば、[P(3HB−co−3HHx)]生産能を付した組換えクプリアヴィダス・ネカトール株の染色体上の2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子の少なくとも1つ、又は3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の少なくとも1つを破壊等させることによって、該遺伝子の発現を抑制することによって、植物油を基本原料として、3−HHx酸分率の高いP(3HB−co−3HHx)を製造する方法を提供する。

Description

本発明は、植物油を基本原料として、微生物により分解可能であり、生体適合性にも優れた共重合ポリエステルの1つであるポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)を微生物により製造する方法に関する。
現代社会における必須材料である石油合成プラスチックは安価で加工しやすい反面、難分解性のため廃棄された際の処理が問題になっている。そこで、多くの微生物がエネルギー源として細胞内に蓄積するポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は石油ではなく、バイオマスを原料とし、かつ生分解性を有する環境低負荷型のプラスチック素材として期待されている。ポリ(3−ヒドロキシブタン酸)(本明細書中「P(3HB)」と略記する。)は多くの微生物が生合成する代表的なPHAであるが、P(3HB)は固くて脆いという物性のため実用化が困難である。
一方、アエロモナス・キャビエ(Aeromonas caviae)などによって植物油から合成されるポリ((R)−3−ヒドロキシブタン酸−co−(R)−3−ヒドロキシヘキサン酸)共重合体[P(3HB−co−3HHx)]は柔軟性に富む優れた物性を示す。さらに、本共重合体は、3HHx組成に応じて硬質ポリマーから軟質ポリマーまで応用可能な幅広い物性を示すため、多様の用途に向けた応用が期待できる(非特許文献1)。
これまで、アエロモナス・キャビエは、植物油を原料として、3HHx(ヒドロキシヘキサン酸)の分率が10〜20mol%であるP(3HB−co−3HHx)を合成することが知られている。しかしながら、その菌体内蓄積率は約15重量%と低く、実生産に適用することは困難であった(特許文献1、特許文献2、非特許文献1)。微生物ポリエステレの実用化のためには、多様な物性を実現する多様な組成の共重合体を効率よく生産する技術が必要である。これまでにも高3HHx分率のP(3HB−co−3HHx)を蓄積し、かつ増殖能の高い組換え株の作製方法が探索され、効率的P(3HB)生産菌である水素細菌クプリアヴィダス・ネカトール(Cupriavidus necator)染色体へのアエロモナス・キャビエ由来のPHAシンターゼ変異酵素遺伝子の染色体への導入、3HBモノマーの供給酵素であるβ−ケトチオラーゼ遺伝子又はアセトアセチル−CoA還元酵素の不活性化、脂肪酸β−酸化経路中の中間体である2−エノイル−CoAをR−3HA−CoAに変換するR−ヒドラターゼ遺伝子の導入による改変が開示されている(特許文献3、特許文献4、非特許文献2)。
一方、クプリアヴィダス・ネカトールの脂肪酸β−酸化経路についてはほとんど報告がないが、近年、MIT大学(米国)の研究グループにより、クプリアヴィダス・ネカトール染色体1上のH16 A0459−A0464及びH16 A1526−A1531の2つの領域を欠失させた株が植物油での増殖が著しく低下することが報告されている(非特許文献3)。しかしながら、この知見を基にしたPHA共重合体の生産や組成制御への展開を図った報告例はない。
特開平5−93049号公報 特開平7−265065号公報 特許第3062459号公報 国際公開WO2011/105379
Doi等、Macromoclecules,28:4822−4828(1995) Fukui等、Appl.Microbiol.Biotechnol.,49:333−336(1998) Brigham等、J.Bacteriol.,192:54545464(2010)
本発明者らは、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)(「P(3HB−co−3HHx)」)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス・ネカトール株において、脂肪酸β−酸化経路における2−エノイル−CoAの水和反応と、続く(S)−3−ヒドロキシアシル−CoAの脱水素反応を触媒する二機能酵素であるFadBの遺伝子を破壊することによって、P(3HB−co−3HHx)を生産する微生物を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、P(3HB−co−3HHx)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス・ネカトール株の染色体上の2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子又は3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を破壊することにより、植物油、及び/または脂肪酸を原料として高3HHx分率のP(3HB−co−3HHx)を高い蓄積率で製造する方法が提供される。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]ポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)を製造する方法であって、該方法は、
(a)ポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス・ネカトール(Cupriavidus necator)株を用意し;
(b)上記株の染色体上の2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子の少なくとも1つ、又は3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の少なくとも1つを完全に若しくは部分的に欠失させ、又は改変若しくは破壊させることによって、該遺伝子の発現を抑制し;及び
(c)炭素源として植物油を含有する培地で、該株を増殖させる
ことを含み、ここで、3−ヒドロキシヘキサン酸の分率が1〜20モル%であり、及び株内蓄積率が50〜90重量%であるポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)を製造する方法。
[2]前記組換えクプリアヴィダス・ネカトール株が、NSDG株、NSDGΔA株、MF01株、MF03株、又はMF03−J1株であることを特徴とする、上記[1]に記載の方法。
[3]前記2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子又は3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子が、fadB1(配列番号1)、fadB2(配列番号2)、及びfadB’(配列番号3)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、上記[1]及び[2]に記載の方法。
[4]前記遺伝子発現の抑制が遺伝子の破壊であることを特徴とする、上記[1]〜[3]に記載の方法。
[5]3−ヒドロキシヘキサン酸分率を向上させたポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)を生成する組換えクプリアヴィダス・ネカトール(Cupriavidus necator)株を作製する方法であって、該方法は、
(a)ポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス・ネカトール(Cupriavidus necator)株を用意し;
(b)上記株の染色体上の2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子の少なくとも1つ、又は3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の少なくとも1つを完全に若しくは部分的に欠失させ、又は改変若しくは破壊させるためのベクターを構築し;及び
(c)上記(a)の株に上記(b)で構築したベクターを導入し、相同性組換えによって上記遺伝子を破壊又は改変し、該遺伝子の機能を抑制する
ことを含む方法。
[6]前記組換えクプリアヴィダス・ネカトール株が、NSDG株、NSDGΔA株、MF01株、MF03株、又はMF03−J1株であることを特徴とする、上記[5]に記載の方法。
[7]前記2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子又は3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子が、fadB1(配列番号1)、fadB2(配列番号2)、及びfadB’(配列番号3)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、上記[5]及び[6]に記載の方法。
[8]前記遺伝子発現の抑制が遺伝子の破壊であることを特徴とする、上記[5]〜[7]に記載の方法。
ポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)[P(3HB−co−3HHx)]生産微生物の染色体上の2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子の少なくとも1つ、又は3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の少なくとも1つを完全に若しくは部分的に欠失させ、又は改変若しくは破壊させることによって、高い増殖能と高いPHA生産能を維持しつつ、3HHx分率の高いP(3HB−co−3HHx)を生産する株を製造することができる。
微生物におけるポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)の生合成の経路を示す。 クプリアヴィダス・ネカトール株に見出されたFadBホモログを示す。
以下、本発明の説明のために、好ましい実施形態に関して詳述する。
前述の通り、本発明は、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)を製造する方法であって、該方法は、
(a)ポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス・ネカトール株を用意し;
(b)上記株の染色体上の2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子の少なくとも1つ、又は3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の少なくとも1つを完全に若しくは部分的に欠失させ、又は改変若しくは破壊させることによって、該遺伝子の発現を抑制し;及び
(c)炭素源として植物油を含有する培地で、該株を増殖させる
ことを含み、ここで、3−ヒドロキシヘキサン酸の分率が1〜20モル%であり、及び株内蓄積率が50〜90重量%であるポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)を製造する方法を提供する。
(1)組換えクプリアヴィダス・ネカトール株
本発明の製造方法に使用される微生物としては、P(3HB−co−3HHx)生産能が付与された組換えクプリアヴィダス・ネカトール株が好ましい。ここで、「P(3HB−co−3HHx)生産能が付与された組換えクプリアヴィダス・ネカトール株」とは、P(3HB−co−3HHx)を生合成させることを目的として、クプリアヴィダス・ネカトール株が本来有しているPHAシンターゼを変異あるいは遺伝子破壊などにより欠損した株に、炭素数6の3HHx−CoAを基質とすることができる広基質特異性PHAシンターゼ(例えばアエロモナス・キャビエ株由来PHAシンターゼ又はその変異酵素の遺伝子)を導入された株、あるいは、クプリアヴィダス・ネカトール株が本来有しているPHAシンターゼ遺伝子が広基質特異性PHAシンターゼやその変異酵素の遺伝子に染色体上で置換された株を意味し、該株は、広基質特異性PHAシンターゼの作用によってクプリアヴィダス・ネカトール野生株が生合成できないP(3HB−co−3HHx)を合成する能力を有することを特徴とする。上記のP(3HB−co−3HHx)生産能が付与された組換えクプリアヴィダス・ネカトール株には、上記特徴を有する株であれば特に限定されないが、例えば、NSDG株、NSDGΔA株、MF01株、MF03株、及びMF03−J1株が挙げられる。ここで、「NSDG株」とは、水素細菌クプリアヴィダス・ネカトールの一種であるH16株の染色体にPHAシンターゼ変異酵素の遺伝子であるphaCNSDGが導入された形質転換体をいう(詳細には、特許文献4を参照されたい)。「NSDGΔA株」とは、前記のNSDG株において、β−ケトチオラーゼ遺伝子であるphaACnを欠失させた形質転換体をいう。一方、「MF01株」とは、前記NSDG株のphaACnを広基質特異性β−ケトチオラーゼ遺伝子bktBCnに置換した形質転換体をいう。「MF03株」とは、前記NSDG株のphaACnをアエロモナス・キャビエ由来の(R)−特異的エノイル−CoAヒドラターゼ(R−ヒドラターゼ)遺伝子(phaJAc)に置換した形質転換体をいう。また、「MF03−J1株」とは、前記NSDG株のphaA(β−ケトチオラーゼ遺伝子)をクプリアヴィダス・ネカトール由来のR−ヒドラターゼ遺伝子(phaJ1Cn)に置換した形質転換体をいう(詳細には、上記特許文献4を参照されたい)。上記5種のH16変異株は、クプリアヴィダス・ネカトールのPHAシンターゼ酵素をコードする遺伝子の配列情報を基にして、一般的な遺伝子工学的手法を用いて作製することができる。
(2)2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子及び3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子
本発明の製造方法に使用される「2−エノイル−CoAヒドラターゼ」とは、脂肪酸β−酸化経路中の中間体である2−エノイル−CoAから(S)−3−ヒドロキシアシル−CoAへの水和反応を触媒する酵素を指す。一方、本発明の製造方法に使用される「3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ」とは、脂肪酸β−酸化経路中の中間体である上記の(S)−3−ヒドロキシアシル−CoAから3−ケトアシル−CoAへの脱水素反応を触媒する酵素を指す。これらの酵素をコードする遺伝子は、クプリアヴィダス・ネカトール株において複数存在することが知られている。また、本発明によれば、P(3HB−co−3HHx)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス・ネカトール株における脂肪酸β−酸化経路中の2−エノイル−CoAから(S)−3−ヒドロキシアシル−CoAの生成(2−エノイル−CoAヒドラターゼによる)、続く3−ケトアシル−CoAの生成(3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼによる)経路を遮断して、(R)−ヒドラターゼ(PhaJ)による該2−エノイル−CoAから(R)−3HHx−CoA(P(3HB−co−3HHx)のモノマー)の生成を促進することができる(図1参照)。よって、本発明によれば、P(3HB−co−3HHx)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス・ネカトール株において、該株の染色体上の上記2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子の少なくとも1つ、又は上記3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の少なくとも1つを完全に若しくは部分的に欠失させ、又は改変若しくは破壊(以下、単に「破壊等」と称する場合がある)させることによって、該遺伝子の発現を抑制することにより、P(3HB−co−3HHx)生産能をさらに高めた組換えクプリアヴィダス・ネカトール株を作製することができる。したがって、上記の2つの遺伝子のうちのいずれか1つの遺伝子を破壊等することによって、所望のP(3HB−co−3HHx)生産能を高めた株が得られれば、いずれの遺伝子を破壊等の対象としてもよい。本発明によれば、上記2つの遺伝子の両方を完全に若しくは部分的に欠失させ、又は改変若しくは破壊させることによって、より好ましくは破壊させることによって目的とする株を作製することができる。なお、本発明の製造方法に使用される上記酵素をコードする核酸(遺伝子)は、一本鎖又は二本鎖型DNA、及びそのRNA相補体も含む。DNAには、例えば、天然由来のDNA、組換えDNA、化学合成したDNA、PCRによって増幅されたDNA、及びそれらの組み合わせが含まれる。本発明で使用される核酸としてはDNAが好ましい。周知の通り、コドンには縮重があり、1つのアミノ酸をコードする塩基配列が複数存在するアミノ酸もあるが、上記酵素をコードする核酸の塩基配列であれば、いずれの塩基配列を有する核酸も本発明の範囲に含まれる。
本発明によれば、上記2つの遺伝子に関して、限定されないが、例えば、2−エノイル−CoAの水和反応と、続く(S)−3−ヒドロキシアシル−CoAの脱水素反応を触媒する二機能酵素であるFadBをコードする遺伝子の両方を完全に若しくは部分的に欠失させ、又は改変若しくは破壊させることによって、所望のP(3HB−co−3HHx)生産能を高めた株を得ることができる。ここで、FadBの遺伝子は、クプリアヴィダス・ネカトール株の染色体において、H16 A1526(染色体1(NC 008313)の485753−488176:配列番号1)(本明細書中、「fadB1」とも称する)、H16 B0724(染色体2(NC 008314)の817223−819301:配列番号2)(本明細書中、「fadB2」とも称する)、及びH16 A0461(染色体1(NC 008313)の485753−488176:配列番号3)(本明細書中、「fadB’」とも称する)として同定されている(図2参照)。
(3)ベクターの構築及び組換え微生物の作製
本発明の製造方法に使用される組換え微生物は、上記した通り、P(3HB−co−3HHx)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス・ネカトール株の染色体上の2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子の少なくとも1つ、又は3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の少なくとも1つを完全に若しくは部分的に欠失させ、又は改変若しくは破壊させることによって得られる。ここで、本明細書において遺伝子の「欠失」とは、上記酵素をコードする遺伝子の塩基配列から1以上の塩基を除くことを意味し、これにより該酵素の活性の一部、好ましくは全部が失われることを意味する。なお、本発明における製造方法においては、上記酵素をコードする遺伝子の塩基配列を全て欠失されてもよい。また、本明細書において遺伝子の「改変」とは、上記酵素をコードする遺伝子の塩基配列において、塩基の欠損、置換又は不可を生じさせ、該酵素の活性を抑制するか、又は該酵素を不活性化することを意味する。一方、本明細書において遺伝子の「破壊」とは、上記酵素をコードする遺伝子の塩基配列内に、例えば、外来遺伝子を挿入させることによって該酵素をコードする遺伝子の機能を失わせることを意味する。ここで、本明細書において、対象とする酵素を機能させなくするという目的において使用する場合、「欠失」、「改変」及び「破壊」という用語は、厳密に区別することなく、同義的に用いられてもよい。
細胞の染色体上にある対象とする遺伝子の機能を失わせる方法としては、細胞内にベクターを導入する方法を用いることが一般的である。例えば、上記酵素をコードする遺伝子の破壊は、ゲノムDNAのフラグメントを内因性相同配列とともにベクターに配置し、染色体上の該遺伝子と該ベクターが相同組換えによって置換された場合に起こすことができる。一形態において、このような破壊は、完全な破壊であり、上記酵素の有意な発現はないことが好ましい。本発明によれば、微生物の染色体上の上記酵素をコードする遺伝子を欠失、改変又は破壊するために使用される構築されるベクターとしては、対象酵素をコードする遺伝子を相同性組換え用ベクターに組み込んだ遺伝子置換ベクターが提供される。ここで、ベクターに遺伝子を組み込む方法としては、例えば、Sambrook,J.ら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(3rd edition),Cold Spring Harbor Laboratory,1.1(2001)に記載の方法などが挙げられる。簡便には、市販のライゲーションキット(例えば、トーヨーボー社製等)を用いることもできる。
ベクターは、簡単には当該技術分野において入手可能な組換え用ベクター(例えば、プラスミドDNA等)に所望の遺伝子を常法により連結することによって調製することができる。遺伝子発現の破壊を目的としてベクターを使用する場合、所望の遺伝子の他に、染色体上に同時に組み込まれる選択マーカー(例えば、ネオマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子)等を導入しておくことが好ましい。本発明のP(3HB−co−3HHx)の製造方法に用いられるベクターとしては、微生物の染色体上の対象酵素をコードする遺伝子を外来の遺伝子(例えば、対象酵素をコードする遺伝子+抗生物質耐性遺伝子)によって置換することを目的として、限定されないが、相同性組換え用ベクターpK18mobsacB(Schaferら,Gene 145,69−73(1994))、pJQ200(Quandt,J.及びHynes,M.P.,“Versatile suicide vectors which allow direct selection for gene replacement in gram−negative bacteria”,Gene(1993)127:15−21を使用することができる。さらに、上記pK18mobascBが導入された株は、該ベクター上にsacBにコードされるレヴァンスクラーゼによって、スクロースを基質にして細胞内に毒性多糖が蓄積されるため、該株をスクロース添加培地中で培養することにより、対象酵素をコードする遺伝子が脱落した株を選択的に得ることができる。
当業者であれば、組換えベクターに適合するように制限末端を適宜選択することができ、さらに、所望のタンパク質を発現させるために、宿主細胞に適した組換えベクターを適宜選択することができる。このようなベクターは、本発明で使用する遺伝子が目的の宿主細胞の遺伝子と相同性組換えが起るように機能する領域(必要に応じて、自立複製起点、接合伝達領域、選択マーカー等)が適切に配列されており又は導入することにより、該核酸が適切に組換えられるように構築されている又は構築することが好ましい。
一般的に、組換えベクターの宿主細胞への導入(形質転換)は公知の方法を用いて行うことができる。例えば、細菌(大腸菌、Bacillus subtilis等)の場合は、例えばCohenらの方法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,69,2110(1972))、プロトプラスト法(Mol.Gen.Genet.,168,111(1979))やコンピテント法(J.Mol.Biol.,56,209(1971))、塩化カルシウム法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。また、ラルストニア属、アルカリゲネス属、シュードモナス属等に属する菌体への発現ベクターの導入では、接合伝達法を使用することができる(J.Bacteriol.,147,198(1981))。この接合伝達法は、簡単には、細胞同士の接触によって染色体ゲノム又はプラスミドを一方の細胞から他方の細胞に移行させる細胞の性質を利用したものであり、例えば、目的のDNAを担持する自己伝達性プラスミドが導入された供与菌と該プラスミドを有しない受容菌との接合に始まり、両菌体における橋の形成、該プラスミドの複製と移行、並びにDNA合成の完了と共に菌体の分離といった一連の工程によって遺伝子導入を可能にする手段である。本発明の製造方法に使用される宿主細胞としては、上述した通り、P(3HB−co−3HHx)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス・ネカトール株が好ましい。より好ましくは、NSDG株、NSDGΔA株、MF01株、MF03株、又はMF03−J1株である。なお、後述する実施例6及び7では、作製した遺伝子置換ベクター(pK18msΔfadB1、pK18msΔfadB2、又はpK18msΔfadB’)を上記の株に接合伝達法により導入し、ベクターが相同領域で単交差相同性組換えにより染色体に挿入された組換え株をカナマイシン耐性を指標に単離した。また、外来遺伝子が染色体上に導入される位置は、例えば対象酵素の遺伝子発現の破壊を目的とする場合、導入されたベクターによって外来遺伝子が対象酵素の遺伝子と相同性組換えによって置換されるような位置であれば特に限定されない。
(4)共重合ポリエステルの合成
ポリエステル合成は、上述したP(3HB−co−3HHx)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス・ネカトール株(例えば、NSDG株、NSDGΔA株、MF01株、MF03株、又はMF03−J1株)を植物油を含む所定の培地で培養し、培養細胞(例えば、菌体)内又は培養物(例えば、培地)中に共重合ポリエステルを生成及び蓄積させ、培養細胞又は培養物から目的とする共重合ポリエステルを採取することにより行われる。なお、本発明の製造方法に使用される形質転換体の培養法は、通常、宿主細胞の培養に使用される方法に従って行われる。
組換えクプリアヴィダス・ネカトール株を宿主とした場合の培地として、微生物が資化し得る植物油を添加し、窒素源、無機塩類、その他の有機栄養源のいずれかを制限した培地が挙げられる。典型的には、培地温度を25℃〜37℃の範囲にし、好気的に1〜10日培養することにより、共重合ポリエステルを菌体内に生成し蓄積させ、その後、回収・精製することによって所望の共重合ポリエステルを調製することができる。
本発明の製造方法で使用される形質転換体の親株であるクプリアヴィダス・ネカトールは、植物油を炭素源として成長し得る細菌として知られている。ここで、使用可能な植物油としては、一般的には、市販されている植物油を使用することができ、その供給源は特に限定されない。好ましくは、大豆油、コーン油、大豆油、サフラワー油、サンフラワー油、オリーブ油、ヤシ油、パーム油、ナタネ油、魚油、鯨油、豚油又は牛油などの天然油脂である。それらから得られる脂肪酸でもよい。また、本発明によれば、本発明の形質転換体は、親株のクプリアヴィダス・ネカトールと同様の培養条件で培養することができ、培地中の植物油の濃度は、0.1〜5%が好ましいが、当業者であれば適宜調整することができる。
また、必要であれば、培地中に窒素源や無機物を添加してもよい。窒素源としては、アンモニア、塩化 アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム 等のアンモニウム塩の他、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスティープリカー等が挙げられる。無機物としては、例えばリン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナ トリウム等が挙げられる。
培養は、通常、振とう培養が用いられ、好気的条件下で、25℃〜37℃で遺伝子発現誘導後少なくとも1日以上行うことが好ましい。抗生物質として、カナマイシン、アンピシリン等を培地に添加してもよい。また、必要であれば、遺伝子発現誘導剤として、アラビノース、インドールアクリル酸(IAA)、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)等を使用することができる。当業者であれば、所望の遺伝子発現のために可能な培養条件、遺伝子発現の誘導条件等を適宜選択できる。
(5)共重合ポリエステルの精製と構造解析
本発明において、共重合ポリエステルは、下記の通り精製することができる:培地から遠心分離によって形質転換体を回収し、蒸留水で洗浄後、乾燥又は凍結乾燥させる。その後、クロロホルムに乾燥した形質転換体を懸濁させ、室温で所定時間撹拌し、共重合ポリエステルを抽出する。抽出の段階で、必要であれば加熱してもよい。濾過によって残渣を除去し、上清にメタノールを加えて共重合ポリエステルを沈殿させ、沈殿物を濾過又は遠心分離によって、上清を除去し、乾燥させて精製した共重合ポリエステルを得ることができる。
得られた共重合ポリエステルが所望のものであることを確認するための手段は、限定されないが、NMR(核磁気共鳴)、ガスクロマトグラフィーを用いる方法を含む。本発明によれば、共重合ポリエステルのモノマーユニットの比、即ち、3−ヒドロキシブタン酸(3HB)と3−ヒドロキシヘキサン酸(3HHx)の比を遺伝子発現条件、培養条件等を変えることにより適宜調節することができる。本発明の製造方法によって得られる共重合ポリエステルの3HHx分率は、好ましくは1〜20モル%、より好ましくは1〜15モル%、さらにより好ましくは5〜12モル%である。用語「モル%」は、本明細書中で使用するとき、多成分系における各成分のモル数の和で、ある成分のモル数を割ったものをいう。また、3HHx分率は、P(3HB−co−3HHx)中の3HBのモノマーユニット数及び3HHxのモノマーユニット数をそれぞれ「a」及び「b」とした場合、b×100/(a+b)により算出することができる。後述する実施例7で示すように、本発明よって製造された共重合ポリエステルは、乾燥菌体重量あたり50〜90重量%、好ましくは70〜90重量%の割合で菌体に蓄積され、さらに、従来法によって製造された共重合ポリエステルと比較して、3HHx分率が約1mol%増加した。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1 使用した組換えクプリアヴィダス・ネカトール株
以下の実施例では、遺伝子組換え用の宿主として、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス・ネカトール株であるNSDG株、NSDGΔA株、MF01株、MF03株、及びMF03−J1株を用いた。「NSDG株」は、水素細菌クプリアヴィダス・ネカトールの一種であるH16株の染色体にPHAシンターゼ変異酵素の遺伝子であるphaCNSDGが導入された形質転換体であり、「NSDGΔA株」は、前記のNSDG株において、β−ケトチオラーゼ遺伝子であるphaACnを欠失させた形質転換体である。一方、「MF01株」は、前記NSDG株のphaACnを広基質特異性β−ケトチオラーゼ遺伝子bktBCnに置換した形質転換体であり、「MF03株」は、前記NSDG株のphaACnをアロエモナス・キャビエ由来のR−ヒドラターゼ遺伝子(phaJAc)に置換した形質転換体であり、及び「MF03−J1株」は、前記NSDG株のphaAをクプリアヴィダス・ネカトール由来のR−ヒドラターゼ遺伝子(phaJ1Cn)に置換した形質転換体である。いずれの株についても、特許文献4を参照し、一般的な遺伝子工学的手法を用いて作製した。
実施例2 クプリアヴィダス・ネカトールH16株におけるFadB遺伝子
2−エノイル−CoAの水和反応及び(S)−3−ヒドロキシアシル−CoAの脱水素反応を触媒する二機能酵素であるFadBをコードする遺伝子を破壊の対象とした。FadBの遺伝子は、クプリアヴィダス・ネカトール株の染色体において、H16 A1526(染色体1(NC 008313)の485753−488176:配列番号1)(本明細書中、「fadB1」とも称する)、H16 B0724(染色体2(NC 008314)の817223−819301:配列番号2)(本明細書中、「fadB2」とも称する)、及びH16 A0461(染色体1(NC 008313)の485753−488176:配列番号3)(本明細書中、「fadB’」とも称する)として同定されている(図2参照)。
実施例3 fadB1破壊用ベクターの作製
クプリアヴィダス・ネカトールH16株のゲノムDNA(NC 008313)を鋳型に、下記の配列1及び配列2のオリゴヌクレオチドをプライマーとしたPCR法によって、FadBをコードする遺伝子fadB1(配列番号1)とその上下流約1kbpを含む領域を増幅した。PCRはKODプラス(トーヨーボー社製)を用い、98℃で20秒、65℃で15秒、68℃で3分の反応を1サイクルとしてこれを30サイクル行った。増幅した断片はDNA精製キット(プロメガ社製)にて精製した。
配列1:CCCAAGCTTTCAGCGCGAACCAGTACTCGGC(配列番号4)(下線はHindIII制限酵素サイト)
配列2:TGCTCTAGAGACGAGCAGAAGCGGTTGACG(配列番号5)(下線はXbaI制限酵素サイト)
その後、T4キナーゼ(トーヨーボー社製)により5’−末端をリン酸化し、HincII切断及びアルカリホスファターゼ処理を施したpUC118(タカラバイオ社製)とをLigation High(トーヨーボー社製)により連結した。作製したプラスミドを鋳型に下記の配列3及び配列4のオリゴヌクレオチドをプライマーとしたインバースPCR法によって、fadB1の上流約1kbp、pUC118ベクター領域、fadB1の下流約1kbpを含む断片を増幅した。PCRはKODプラスを用い、98℃で20秒、65℃で15秒、68℃で3分の反応を1サイクルとしてこれを30サイクル行った。増幅した断片はDNA精製キットにて精製した。
配列3:GCTGGTTCCTTTGGTGTCAAAAGTTGTCTCG(配列番号6)
配列4:TACCGCCACATGGTTCAGCCTGGAGCTGAGAT(配列番号7)
その後、T4キナーゼにより5’−末端をリン酸化し、Ligation Highにより自己連結した。得られたベクターをHindIII及びXbaIで切断し、fadB1の上流領域と下流領域が連結された断片を単離した。この断片をHindIII及びXbaIで切断したpK18mobSacBと連結することにより、fadB1破壊ベクターpK18msΔfadB1を得た。
実施例4 fadB2破壊用ベクターの作製
クプリアヴィダス・ネカトールH16株のゲノムDNA(NC 008314)を鋳型に、下記の配列5及び配列6のオリゴヌクレオチドをプライマーとしたPCR法によって、FadBをコードする遺伝子fadB2(配列番号2)とその上下流約1kbpを含む領域を増幅した。PCRはKODプラスを用い、98℃で20秒、65℃で15秒、68℃で3分の反応を1サイクルとしてこれを30サイクル行った。増幅した断片はDNA精製キットにて精製した。
配列5:CGCGGATCCGTGCAGAACGTCAGCTTCAACT(配列番号8)(下線はBamHI制限酵素サイト)
配列6:CCGGAATTCCCAGAAGCGCTCGCCGTTCGCGCCCAACGT(配列番号9)(下線はBamHI制限酵素サイト)
その後、T4キナーゼにより5’−末端をリン酸化し、HincII切断及びアルカリホスファターゼ処理を施したpUC118とをLigation Highにより連結した。作製したプラスミドを鋳型に下記の配列7及び配列8のオリゴヌクレオチドをプライマーとしたインバースPCR法によって、fadB2の上流約1kbp、pUC118ベクター領域、fadB2の下流約1kbpを含む断片を増幅した。PCRはKODプラスを用い、98℃で20秒、65℃で15秒、68℃で3分の反応を1サイクルとしてこれを30サイクル行った。増幅した断片はDNA精製キットにて精製した。
配列7:GGATCGGTTCTCCTGGATTGAATCGGTGTG(配列番号10)
配列8:GGCAGCAAGGGCTGCCTCGGCCGGCCGGTGCCAT(配列番号11)
その後、T4キナーゼにより5’−末端をリン酸化し、Ligation Highにより自己連結した。得られたベクターをBamHIで切断し、fadB2の上流領域と下流領域が連結された断片を単離した。この断片をBamHIで切断し、アルカリホスファターゼ(トーヨーボー社製)で5’−末端を脱リン酸化したpK18mobSacBと連結することにより、fadB2破壊ベクターpK18msΔfadB2を得た。
実施例5 fadB’破壊用ベクターの作製
クプリアヴィダス・ネカトールH16株のゲノムDNA(NC 008313)を鋳型に、下記の配列9及び配列10のオリゴヌクレオチドをプライマーとしたPCR法によって、FadBをコードする遺伝子fadB’(配列番号3)とその上下流約1kbpを含む領域を増幅した。PCRはKODプラスを用い、98℃で20秒、65℃で15秒、68℃で3分の反応を1サイクルとしてこれを30サイクル行った。増幅した断片はDNA精製キットにて精製した。
配列9:CCCAAGCTTGCAGATCGACCGCGAGTTGTCG(配列番号12)(下線はHindIII制限酵素サイト)
配列10:CTAGTCTAGACAAAGGCCTCGTTCAGTTCGATC(配列番号13)(下線はXbaI制限酵素サイト)
その後、T4キナーゼにより5’−末端をリン酸化し、HincII及びアルカリホスファターゼ処理を施したpUC118とをLigation Highにより連結した。作製したプラスミドを鋳型に下記の配列11及び配列12のオリゴヌクレオチドをプライマーとしたインバースPCR法によって、fadB’の上流約1kbp、pUC118ベクター領域、fadB’の下流約1kbpを含む断片を増幅した。PCRはKODプラスを用い、98℃で20秒、65℃で15秒、68℃で3分の反応を1サイクルとしてこれを30サイクル行った。増幅した断片はDNA精製キットにて精製した。
配列11:GCTGGTTCCTTTGGTGTCAAAAGTTGTCTCG(配列番号14)
配列12:TACCGCCACATGGTTCAGCCTGGAGCTGAGAT(配列番号15)
その後、T4キナーゼにより5’−末端をリン酸化し、Ligation Highにより自己連結した。得られたベクターをHindIII及びXbaIで切断し、fadB1の上流領域と下流領域が連結された断片を単離した。この断片をHindIII及びXbaIで切断したpK18mobSacBと連結することにより、fadB’破壊ベクターpK18msΔfadB’を得た。
実施例6 相同性組換え株の作製
実施例2で得られたそれぞれのベクターを用いて、実施例1に記載の組換えクプリアヴィダス・ネカトール株を接合伝達により形質転換した。まず、塩化カルシウム法によって、各ベクターを大腸菌S17−1株に導入した。次に、この組換え大腸菌をLB培地(1%トリプトン、1%塩化ナトリウム、0.5%イーストエキス、pH7.2)3.0ml中で37℃終夜培養した。これと並行して、組換えクプリアヴィダス・ネカトール株をNR培地(1%魚肉エキス、1%ポリペプトン、0.2%イーストエキス)3.0ml中で30℃終夜培養した。その後、大腸菌の培養液0.2mlに対して、組換えクプリアヴィダス・ネカトール株の培養液0.1mlを混合し、30℃で6時間培養した。この菌体混合液を0.2mg/mlカナマイシンを添加したSimmons Citrate寒天培地(ディフコ社製)に塗布し、30℃で3日間培養した。組換え大腸菌のベクターが、クプリアヴィダス・ネカトールに伝達され相同性組換えにより染色体上に取り込まれた該菌体はカナマイシン耐性を示し、一方、組換え大腸菌はSimmons Citrate寒天培地では増殖不能であるため、上記培地上で増殖したコロニーは組換え大腸菌からpK18msΔfadB1が染色体に取り込まれたクプリアヴィダス・ネカトール形質転換体(ポップイン株)である。さらに、ポップイン株をNR培地で30℃終夜培養した後、10%スクロースを添加したNR培地に塗布し、30℃で3日間培養した。pK18mobsacB上のsacBにコードされるレヴァンスクラーゼはスクロースを基質にして細胞内に毒性多糖を蓄積する。このため、10%スクロース添加培地においてはプラスミド領域が脱離した株(ポップアウト株)のみが生育することができる。これらのコロニーの中から染色体上からfadB1、fadB2、又はfadB’が欠失したクローンをPCR法によって選抜し、これらをそれぞれクプリアヴィダス・ネカトール「NSDG−ΔfadB1株」、「NSDG−ΔfadB2株」、及び「NSDG−ΔfadB’株」と命名した。また、上記と同様の方法を用いて、fadB1及びfadB2、並びにfadB1及びfadB’を二重破壊した株を作製し、それぞれ「NSDG−ΔΔfadB1fadB2株」及び「NSDG−ΔΔfadB1fadB’株」と命名した。
実施例7 組換えクプリアヴィダス・ネカトール株による共重合ポリエステル合成
NR培地(前述)で前培養した組換えクプリアヴィダス・ネカトール株を100mlのMB培地(0.9%リン酸水素二ナトリウム12水和物、0.15%リン酸二水素カリウム、0.05%塩化アンモニウム、1%微量金属溶液)に植菌し、坂口フラスコ中、30℃で72時間振とう培養した。炭素源として1%大豆油を用いた。破壊ベクターを保持する組換え株においては、培地中に0.1mg/mlカナマイシンを添加した。培養終了後に遠心分離によって菌体を回収し、付着した油分を除くために70%エタノールで洗浄したのち、蒸留水で洗浄した。得られた菌体は凍結乾燥し、乾燥菌体重量(DCM)を測定した。
乾燥菌体10〜30mgに2mlの硫酸−メタノール混液(15:85)と2mlのクロロホルムを添加して密栓し、100℃で140分間加熱することにより、菌体内ポリエステル分解物のメチルエステルを得た。これに1mlの蒸留水を添加して激しく攪拌した。静置して二層に分離させた後、下層の有機層を取り出した。有機層0.5mlをキャピラリーガラスクロマトグラフィーにより分析した。ガスクロマトグラフは島津製作所製GC−17A、キャピラリーカラムはGLサイエンス社製InertCap−1(カラム長25m、カラム内径0.25mm、液膜厚0.4μm)を用いた。温度条件は、初発温度100℃から8℃/分の速度で昇温した。得られた結果を下記の表1及び2に示す。
Figure 2014133088
表1の結果に記載されるように、fadB1破壊株においては、大豆油から生合成されPHA生産量がわずかに低下したが、3HHx分率が2.0mol%から2.6mol%に増加した。一方、fadB’遺伝子破壊株においては、3HHx分率は3.2mol%に増加したが、PHA生産量が減少していた。fadB1−fadB’二重破壊株では菌体生育及びPHA生産量が減少していた。また、fadB1遺伝子破壊においては、PHA生産量が大きく減少することなく、共重合体中の3HHx分率を増加させる傾向が見られたことから、これまでに本発明者らによって作製した各種のクプリアヴィダス・ネカトール株(MF02株、MF03株、及びMF03−J1株;特許文献4参照)について、実施例6と同様にfadB1破壊を導入し、大豆油を炭素源としたPHA生産を検討した。その結果、いずれの株においてもPHA生産量の大きな減少なしに3HHx分率が約1mol%増加することを見出した(表2)。さらに、ポリマー中に取り込まれたモノマーユニットの量を計算したところ(表1及び2の最右段)、fadB1の破壊により確かに3HHxユニットの取り込み量が増加していることが示された。これは該遺伝子破壊による共重合組成変化は3HBユニットの減少による相対的なもののみではないことを示している。
Figure 2014133088
本実施例で得られた3HHx分率の向上は約1mol%であるが、本発明で用いた組換えクプリアヴィダス・ネカトール株のPHA生産率(乾燥菌体あたり)は80重量%以上と非常に高く、これほど高い蓄積率及び生産性を維持しつつ、3HHx分率を増加させることは通常、極めて困難である。従来では、種々の遺伝子操作により3HHx分率が増加する場合であっても、それは炭素数4の3HBユニットの分率低下による相対的な3HHx分率の増加であり、結果的にPHA生産量の減少を伴っている。本発明では高いレベルのPHA生産量を維持しつつ、3HH分率の増加に成功しており、工業化の観点からは非常に意義がある。

Claims (8)

  1. ポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)を製造する方法であって、該方法は、
    (a)ポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス・ネカトール(Cupriavidus necator)株を用意し;
    (b)上記株の染色体上の2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子の少なくとも1つ、又は3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の少なくとも1つを完全に若しくは部分的に欠失させ、又は改変若しくは破壊させることによって、該遺伝子の発現を抑制し;及び
    (c)炭素源として植物油を含有する培地で、該株を増殖させる
    ことを含み、ここで、3−ヒドロキシヘキサン酸の分率が1〜20モル%であり、及び株内蓄積率が50〜90重量%であるポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)を製造する方法。
  2. 前記組換えクプリアヴィダス・ネカトール株が、NSDG株、NSDGΔA株、MF01株、MF03株、又はMF03−J1株であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子又は3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子が、fadB1(配列番号1)、fadB2(配列番号2)、及びfadB’(配列番号3)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記遺伝子発現の抑制が遺伝子の破壊であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 3−ヒドロキシヘキサン酸分率を向上させたポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)を生成する組換えクプリアヴィダス・ネカトール(Cupriavidus necator)株を作製する方法であって、該方法は、
    (a)ポリ(3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)生産能を付与した組換えクプリアヴィダス・ネカトール(Cupriavidus necator)株を用意し;
    (b)上記株の染色体上の2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子の少なくとも1つ、又は3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の少なくとも1つを完全に若しくは部分的に欠失させ、又は改変若しくは破壊させるためのベクターを構築し;及び
    (c)上記(a)の株に上記(b)で構築したベクターを導入し、相同性組換えによって上記遺伝子を破壊又は改変し、該遺伝子の機能を抑制する
    ことを含む方法。
  6. 前記組換えクプリアヴィダス・ネカトール株が、NSDG株、NSDGΔA株、MF01株、MF03株、又はMF03−J1株であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記2−エノイル−CoAヒドラターゼをコードする遺伝子又は3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子が、fadB1(配列番号1)、fadB2(配列番号2)、及びfadB’(配列番号3)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記遺伝子発現の抑制が遺伝子の破壊であることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
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