JPWO2014103328A1 - 熱伝導性粘着シートの製造方法及び熱伝導性粘着シート - Google Patents
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Abstract
本発明の熱伝導性粘着シートの製造方法は、(I)フッ素樹脂と、体積割合として40%以上90%以下の熱伝導性フィラーとを含有する熱伝導性シートを形成する工程と、(II)前記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面にスパッタエッチング処理を施した後、前記熱伝導性シートのスパッタエッチング処理面に粘着剤層を形成する工程と、を含む。本発明の熱伝導性粘着シートは、フッ素樹脂と体積割合として40%以上90%以下の熱伝導性フィラーとを含有する熱伝導性シートと、前記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面に設けられた粘着剤層とを含み、前記熱伝導性フィラーは、前記粘着剤層が設けられている前記熱伝導性シートの前記表面に露出した熱伝導性フィラーを含んでおり、前記表面において前記熱伝導性フィラーが露出している面積割合が50%以上である。
Description
本発明は、熱伝導性シートの少なくとも片面に粘着剤層を有する熱伝導性粘着シートの製造方法と、熱伝導性シートの少なくとも片面に粘着剤層を有する熱伝導性粘着シートとに関する。
近年、電子機器の小型化や性能向上、及び、電気自動車などに用いるためのモーターの高出力化などが求められている。このような高性能且つ高出力の電子機器やモーターでは、電気抵抗や摩擦により発熱量が増大する傾向がある。これらの熱の蓄積は周辺の電子機器や樹脂パーツなどの不具合につながる場合があるため、これらの熱を除去するための方法が検討されている。
このような高温の部材から放熱する方法としては、一般に熱伝導率の高い部材(放熱部材)を密着させて分散冷却する方法、ファンなどで空気循環を促進する空冷法、液体を循環させる水冷法などが、適宜用途に合わせて用いられている。なかでも、可動部を有さず且つ設置空間を小さくすることができる密着型の放熱部材による放熱方法が、多く用いられている。このような放熱部材としては種々のものが知られているが、中でも樹脂マトリクス中に熱伝導性フィラーを分散させたシート状のものがある。特にモーターなどの車両用途では、その周辺部材において油脂類が多く用いられるため、放熱部材には高い耐油性が求められる。そのため、耐熱性と耐油性とを兼ね備えたフッ素樹脂を樹脂マトリクスに用いた放熱部材が知られている(例えば、特許文献1または2参照)。
このような放熱部材を、例えば車両用モーターの放熱に使用する場合、使用時の振動などでもずれることなく、その位置を固定しておくことのできる技術が必要となる。従来はこのような要求に対して、熱伝導性のグリースなどを対象物と放熱部材との間に適用して密着させる方法がとられてきた。しかしこのような方法ではグリースと放熱部材及び対象物との接着力が十分ではなく、位置ずれなどが生じやすい。一方で、このようなグリースを用いると、このグリース自体が熱伝導の抵抗要素となる場合があり、トータルとしての熱伝導率が低くなってしまうという課題もあった。
そこで、本発明は、熱伝導性フィラー及びフッ素樹脂を含む熱伝導性シートの少なくとも一方の表面に粘着剤層が設けられた熱伝導性粘着シートであって、良好な接着力を有するとともに、高い熱伝導性能を有する熱伝導性粘着シートの製造方法と、そのような熱伝導性粘着シートとを提供することを目的とする。
本発明は、
(I)フッ素樹脂と、体積割合として40%以上90%以下の熱伝導性フィラーとを含有する熱伝導性シートを形成する工程と、
(II)前記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面にスパッタエッチング処理を施した後、前記熱伝導性シートのスパッタエッチング処理面に粘着剤層を形成する工程と、
を含む、熱伝導性粘着シートの製造方法を提供する。
(I)フッ素樹脂と、体積割合として40%以上90%以下の熱伝導性フィラーとを含有する熱伝導性シートを形成する工程と、
(II)前記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面にスパッタエッチング処理を施した後、前記熱伝導性シートのスパッタエッチング処理面に粘着剤層を形成する工程と、
を含む、熱伝導性粘着シートの製造方法を提供する。
本発明は、また、
前記本発明の製造方法により得られた熱伝導性粘着シートを提供する。
前記本発明の製造方法により得られた熱伝導性粘着シートを提供する。
本発明は、また、
フッ素樹脂と、体積割合として40%以上90%以下の熱伝導性フィラーとを含有する熱伝導性シートと、
前記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面に設けられた粘着剤層と、
を含み、
前記熱伝導性フィラーは、前記粘着剤層が設けられている前記熱伝導性シートの前記表面に露出した熱伝導性フィラーを含んでおり、前記表面において前記熱伝導性フィラーが露出している面積割合が50%以上である、
熱伝導性粘着シートを提供する。
フッ素樹脂と、体積割合として40%以上90%以下の熱伝導性フィラーとを含有する熱伝導性シートと、
前記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面に設けられた粘着剤層と、
を含み、
前記熱伝導性フィラーは、前記粘着剤層が設けられている前記熱伝導性シートの前記表面に露出した熱伝導性フィラーを含んでおり、前記表面において前記熱伝導性フィラーが露出している面積割合が50%以上である、
熱伝導性粘着シートを提供する。
本発明によれば、良好な接着力を有するとともに、熱伝導性に優れた熱伝導性粘着シートを提供できる。この熱伝導性粘着シートは、車両用モーター及び電子機器など用の、位置ずれの生じにくい放熱部材として用いることができる。
本発明の熱伝導性粘着シートの製造方法及び本発明の熱伝導粘着シートの実施形態について、以下に説明する。なお、以下の記載は本発明を限定するものではない。
本実施形態の熱伝導性粘着シートの製造方法は、
(I)フッ素樹脂と、体積割合として40%以上90%以下の熱伝導性フィラーとを含有する熱伝導性シートを形成する工程と、
(II)前記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面にスパッタエッチング処理を施した後、前記熱伝導性シートのスパッタエッチング処理面に粘着剤層を形成する工程と、
を含む。
(I)フッ素樹脂と、体積割合として40%以上90%以下の熱伝導性フィラーとを含有する熱伝導性シートを形成する工程と、
(II)前記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面にスパッタエッチング処理を施した後、前記熱伝導性シートのスパッタエッチング処理面に粘着剤層を形成する工程と、
を含む。
熱伝導性粘着シートには、熱伝導性能(熱伝導率)と接着性能(接着力)とが求められる。熱伝導率は、1W/mK以上が好ましい。接着力は、例えば銅箔との90度ピール試験において、0.3N/20mm以上であれば、位置ずれが生じにくい熱伝導性粘着シートとなる。接着力は、1N/20mm以上であることが好ましい。そこで、本発明者らは、これらの性能を満たす熱伝導性粘着シートを提供するための製造方法について検討を行った。
まず、本実施形態の製造方法において用いられる熱伝導性フィラー及びフッ素樹脂について説明する。
熱伝導性フィラーは、十分な熱伝導性を有するとともに、フッ素樹脂と混合してシート形成が可能なものであればよく、特に限定されるものではない。熱伝導性フィラー単体での熱伝導率が例えば1W/mK以上、好ましくは100W/mK以上のもので、例えば200W/mK以下程度のものを、熱伝導性フィラーとして好適に用いることができる。
熱伝導性フィラーの導電性能については、用途応じて適宜決定できる。絶縁性材料としては、体積抵抗率が例えば1010〜1017Ω・cm程度、好ましくは1014Ω・cm以上のものを用いることができ、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ケイ素及び酸化マグネシウムからなる群から選択されるいずれか1種類または複数種類を組み合わせて用いることができる。このような絶縁性材料からなる熱伝導性フィラーを含む熱伝導性粘着シートは、電子機器内部、ハイブリッド車用のモーター、発電機など高電圧の場所に使用することができる。また、導電性材料としては、体積抵抗率が106Ω・cm以下のものが好ましく用いられ、例えば、グラファイト、カーボンブラック、カーボン繊維、金属繊維(アルミ繊維、銅繊維など)及び金属粒子(金、銀、銅、パラジウム、白金など)からなる群から選択されるいずれか1種類または複数種類を組み合わせて用いることができる。本発明では、特に粘着剤層による確実な固定が求められる、電子機器内部や電気部品などの用途で必要となる絶縁性材料を用いることが好ましい。また、中でも、高い放熱性能を有する一方で、粘着剤層の形成を困難にする窒化ホウ素を用いた形態において、本発明が有用である。
熱伝導性フィラーの形状は、特には限定されず、球状及び非球状のフィラーを用いることができる。なかでも、圧延処理によって面方向に整列させることで熱伝導異方性を付与することができることから、平板状及び鱗片状の熱伝導性フィラーを用いることが好ましい。また、同様の理由から、熱伝導性フィラー自体が熱伝導異方性を有している方が好ましい。また、熱伝導性シートの厚さ方向の熱伝導率を向上させるために、市販の凝集形状の熱伝導性フィラーを用いてもよい。
熱伝導性フィラーの粒径は、特には限定されず、0.2〜500μm程度であって、フッ素樹脂のマトリクスから脱落しないことが必要である。ここでの粒径とは、レーザ回折・散乱式粒子径・粒度分布測定装置(例 日機装株式会社製「マイクロトラック」)によって測定される値のことである。
熱伝導性フィラーの含有割合(体積割合)は、熱伝導性シートの体積に対して40%以上であり、60%以上とすることが好ましい。熱伝導性フィラーの含有割合が高いほど熱伝導性能が高くなるため、熱伝導性フィラーの含有量はできるだけ多いことが好ましい。一方で、熱伝導性フィラーの含有割合が多くなりすぎると、価格が高くなるとともに、加工及び粘着剤層の形成がより困難になる傾向がある。そのため、熱伝導性シートにおける熱伝導性フィラーの体積割合は90%以下であり、85%以下とすることが好ましい。熱伝導性フィラーの体積割合は、断面写真からの測定や、各材料の仕込み量、密度及び熱伝導性シートの気孔率などをもとに換算することができる。ここでの熱伝導性フィラーの体積割合とは、各材料の仕込み量、各材料の密度及び熱伝導性シートの気孔率を用いて求められる値である。
フッ素樹脂は、必要とされる耐熱性、耐油性及び耐候性を有するものであれば、特には限定されるものではないが、中でもポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むことが好ましい。PTFEを用いることで熱伝導性フィラーをより高い含有率で混合することが可能となる。PTFE以外のフッ素樹脂としては、溶融性フッ素樹脂を好ましく用いることができる。この溶融性フッ素樹脂を用いることで、フッ素樹脂と熱伝導性フィラーとを含む材料をシート化することがより容易となる。この溶融性フッ素樹脂としては、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)及び四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)が好ましく、これらを適宜組み合わせて使用してもよい。
フッ素樹脂の含有率は、熱伝導性フィラーの使用量に応じて適宜調整されるが、熱伝導性シートの全質量に対して5〜50%程度であることが好ましい。また、PTFEと溶融性フッ素樹脂とを組み合わせて用いる場合、フッ素樹脂の全質量に対する溶融性フッ素樹脂の割合は、5〜70%程度が好ましく、より好ましくは10%以上50%以下である。
熱伝導性フィラー及びフッ素樹脂を含む熱伝導性シートの厚さは、ハンドリング性の点から、0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましい。また、熱伝導性シートの厚さは、熱伝導性の観点から3mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましい。
次に、熱伝導性フィラー及びフッ素樹脂を含む熱伝導性シートの製造方法の一例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、フッ素樹脂、熱伝導性フィラー及び成形助剤を混合し、ペースト状の混合物を作製した後、押出成形及びロール成形などによりシート状に成形する。このシート状成形体の厚さは0.5〜5mm程度である。この混合の際にはPTFEの繊維化を抑制するべく、混合時の回転数を小さく、混合時間を短くすることが好ましい。成形助剤としては、デカンやドデカンなどの飽和炭化水素を用いることが好ましく、混合物の全質量に対して例えば20〜55%用いればよい。
次に、このシート状成形体を複数枚準備して積層し、圧延して圧延積層シートを得る。用いるシート状成形体の枚数は2枚以上あればよく、最終的な厚さや必要性能に応じて適宜決定すればよい。また、この圧延積層シートを切断し、さらに積層して圧延する作業を複数回繰り返してもよい。すなわち、圧延積層シートが切断されたものを圧延シート状成形体として用い、当該圧延シート状成形体を2層以上重ねた状態でさらに圧延処理してもよい。この圧延処理工程の繰り返し回数も、求められる特性(ハンドリング性や放熱性)、価格などの要素により適宜決定できるが、好ましい繰り返し回数としては2〜12回程度である。これにより、ハンドリング性や熱伝導性に優れた熱伝導性シートとすることができる。これに加えて、さらに、シート強度を向上させることができるとともに、熱伝導性フィラーをフッ素樹脂マトリクスにより強固に固定することができるため、熱伝導性フィラーの配合率が高く、可とう性の高いシートを得ることができる。圧延処理工程を複数回繰り返す場合には、圧延積層シート(圧延シート状成形体)を積層する際に圧延方向を90度回すことが好ましい。これによりシートの全体強度がより強固となる。
この圧延積層シートの最終的な構成層数は2〜5000層程度であり、十分なシート強度を得るためには4層以上とすることが好ましく、必要以上に厚くならないためには1500層以下とすることが好ましい。これにより、最終的に0.05〜3mm程度の圧延積層シートとすることが好ましい。後述のように、この圧延積層シートから成形助剤を除去することによって、熱伝導性シートが形成される。したがって、この方法により、2〜5000の構成層が積層されることによって形成された熱伝導性シートが得られる。なお、各構成層はシート状成形体が圧延されて極薄化されることによって形成されたものであり、すなわち各構成層は熱伝導性フィラーとフッ素樹脂とを含んでいる。
このような圧延積層シートとし、圧延して極薄化した複数のシート状成形体を密着積層することで、各層に分散した熱伝導性フィラー同士の距離が近くなり、従来の熱伝導性シートよりも熱伝導性を高めることができるものと考えられる。
さらに、前記圧延積層シートから成形助剤を除去して熱伝導性シートを得る。このとき得られる熱伝導性シートは、多孔性シートでも無孔性シートでもよく、必要特性に応じて適宜設計すればよい。成形助剤としては、熱伝導性フィラーとフッ素樹脂との混合物をシート状に成形することのできる化合物を必要に応じて適宜使用すればよいが、通常炭素数8〜20程度の油脂類を混合することで成形が容易になることが分かっている。成形助剤を除去する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜使用すればよいが、一般にシートを加熱して乾燥除去する方法が用いられる。
前記熱伝導性シートに対して、さらに加圧成形処理を施してもよい。加圧成形は、例えば、温度320〜400℃、圧力0.05〜50MPaで、1〜15分間プレスすることにより行うことができる。特に多孔性シートの場合、これにより、加圧成形前の熱伝導性シートの50〜80%の気孔率を、40%以下程度まで下げることができる。これにより熱伝導性フィラー同士がより密に存在するようになるため、熱伝導率をさらに高めた熱伝導性シートを得ることができる。
本実施形態の製造方法では、次に、熱伝導性シートの少なくとも片面(少なくとも一方の表面)に対してスパッタエッチング処理を行い、その後、熱伝導性シートのスパッタエッチング処理面に粘着剤層を形成する(工程(II))。
スパッタエッチング処理は一般に、ガスに由来するエネルギー粒子を対象物の一方の表面に衝突させて、対象物の一方の表面に存在する分子または原子を放出させる方法である。具体的には、まず熱伝導性シートをチャンバ内に配置し、次いでチャンバ内を減圧状態とした後、チャンバ内に雰囲気ガスを導入しながら高周波電圧を印加することによって、熱伝導性シートの表面をエッチングする。
このときに用いる雰囲気ガスとしては、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン及びクリプトンなどの希ガス、窒素、並びに、酸素などが挙げられる。スパッタエッチングにおいて高周波電圧の周波数は、例えば、1〜100MHz、好ましくは、5〜50MHzである。また、チャンバ内の圧力は、例えば0.05〜200Pa、好ましくは1〜100Paである。スパッタエッチングのエネルギー(処理時間と電力との積)は、例えば1〜1000J/cm2、好ましくは2〜200J/cm2である。
本発明者らは、フッ素樹脂と、40〜90vol%もの高割合の熱伝導性フィラーとを有する熱伝導性シートの表面に対してスパッタエッチング処理を施すことで、熱伝導性フィラーが熱伝導性シートの表面に露出し、これが粘着剤層形成及び熱伝導性能に顕著な効果をもたらすことを見出した。熱伝導性フィラーが熱伝導性シートの表面に露出する割合が高くなるほど熱伝導性を高めることができる。そのため、熱伝導性シートの表面において熱伝導性フィラーが露出している面積割合が50%以上、好ましくは70%以上となるように、スパッタエッチング処理が実施される。ここで、熱伝導性シートの表面において熱伝導性フィラーが露出している面積割合とは、熱伝導性シートの表面において、SEM画像等により確認される熱伝導性フィラーの露出部分の面積を用いて求めることができる。
次に、この熱伝導性シートのスパッタエッチング処理面に粘着剤層を形成する。粘着剤層の形成方法は、特に限定されるものではなく、熱伝導性シートの粘着剤層形成面(スパッタエッチング処理面)に粘着剤層の材料(粘着剤組成物)を直接塗布した後に硬化する方法(塗布法)、ホットメルト系接着剤で粘着剤層を形成した後、加熱プレスして粘着剤層を薄層化する方法(加熱プレス法)、剥離ライナー上に薄層の粘着剤層を形成した後、熱伝導性シートの粘着剤層形成面に転写する方法(転写法)など、公知の方法を用いることができる。中でも厚さ0.1〜8μm程度の薄層の粘着剤層を形成できるとともに、粘着剤の種類に対する制約が少ないことから、転写法を用いることが好ましい。すなわち、熱伝導性シートの表面以外の場所で硬化形成された粘着剤層を、熱伝導性シートのスパッタエッチング処理面に転写形成することによって、粘着剤層を熱伝導性シートの表面上に形成することが好ましい。この方法を用いて薄層の粘着剤層を形成することで、より高い熱伝導性を得ることができる。
前記転写法により粘着剤層を形成する方法の一例を示す。まず、所望の剥離性能を有する剥離処理を施した樹脂フィルム(剥離ライナー)を準備し、その剥離処理表面に粘着剤組成物を塗布する。この粘着剤組成物に必要な硬化処理を行うことで剥離ライナー上に粘着剤層が形成される。例えば、前記粘着剤組成物としてシリコーン系粘着剤を用いる場合には、130℃以上の加熱を1〜10分間程度行うことが好ましい。この剥離ライナー上の粘着剤層を、熱伝導性シートのスパッタエッチング処理面と貼り合わせ、加圧した後、剥離ライナーを剥離することで、熱伝導性粘着シートとすることができる。
前記粘着剤層の材料としては、各種粘着剤や熱硬化系接着剤などで、必要とする耐熱性能及び熱伝導性能を有するものであれば、特に限定することなく用いることができる。また、粘着剤層中に各種熱伝導性フィラーを混合して熱伝導性を高めた粘着剤を用いてもよい。
粘着剤層を形成する粘着剤としては、アクリル系、オレフィン系、シリコーン系、天然ゴム系及び合成ゴム系などが挙げられる。電子機器における半導体付近での使用用途では、シロキサン由来のアウトガスが発生しにくいアクリル系及びオレフィン系粘着剤を用いることが好ましい。また耐熱性の観点からは、シリコーン樹脂を主原料とする粘着剤を用いることが好ましい。なお、「シリコーン樹脂を主原料とする粘着剤」とは、シリコーン樹脂を60質量%以上(好ましくは80質量%以上)含む粘着剤のことである。シリコーン樹脂を主原料とする粘着剤としては、過酸化物架橋(硬化)型シリコーン系粘着剤及び付加反応型シリコーン系粘着剤などの公知のシリコーン系粘着剤を用いることができる。なかでも薄層にした場合の厚み精度が高く、且つ転写法での粘着剤層形成が容易なため、付加反応型シリコーン系粘着剤を用いることが好ましい。また、特にシリコーン系粘着剤で形成された粘着剤層(シリコーン系粘着剤層)は、他の樹脂系粘着剤層と比べて一般に投錨力が低くなる傾向がある。本発明の製造方法によれば、このようなシリコーン系粘着剤層でも投錨破壊を生じにくくすることができるため、シリコーン系粘着剤層を用いる場合に本発明の効果がより顕著に現れる。
付加反応型シリコーン系粘着剤としては、例えば、シリコーンゴムとシリコーンレジンとを含有し、さらに必要に応じて架橋剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、帯電防止剤及び着色剤(顔料、染料など)などの添加剤などを含有するものなどが挙げられる。
前記シリコーンゴムとしては、シリコーン系のゴム成分であれば特に制限されないが、フェニル基を有しているオルガノポリシロキサン(特に、メチルフェニルシロキサンを主な構成単位としているオルガノポリシロキサン)を含むシリコーンゴムを好ましく用いることができる。このようなシリコーンゴムにおけるオルガノポリシロキサンには、必要に応じて、ビニル基等の各種官能基が導入されていてもよい。
前記シリコーンレジンとしては、シリコーン系粘着剤に使用されているシリコーン系のレジンであれば特に制限されないが、例えば、構成単位「R3SiO1/2」からなる単位、構成単位「SiO2」からなる単位、構成単位「RSiO3/2」からなる単位、および構成単位「R2SiO」からなる単位からなる群より選択される少なくともいずれか1種の単位を有する(共)重合体からなるオルガノポリシロキサンを含むシリコーンレジンなどが挙げられる。なお、前記構成単位におけるRは、炭化水素基またはヒドロキシル基を示す。
粘着剤層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば0.1μm以上20μm以下程度である。粘着剤層の厚さを0.1μm以上20μm以下程度の範囲内とすることにより、接着性及び熱伝導性に優れた熱伝導性粘着シートとすることができる。このとき、粘着剤層を薄くすればするほど熱伝導性粘着シートとしての熱伝導性能が高くなるため、粘着剤層の厚さは16μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましい。一方で粘着剤層が薄すぎると接着力が十分に得られない場合があるため、粘着剤層の厚さは0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、3μm以上がさらに好ましい。
次に、本実施形態の熱伝導性粘着シートについて説明する。本実施形態の熱伝導粘着シートは、熱伝導性シートと、前記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面に設けられた粘着剤層とを含んでいる。前記熱伝導性シートは、フッ素樹脂と、体積割合として40%以上90%以下の熱伝導性フィラーとを含有する。前記熱伝導性フィラーには、前記粘着剤層が設けられている前記熱伝導性シートの表面に露出している熱伝導性フィラーが含まれている。前記熱伝導性シートの表面において、前記熱伝導性フィラーが露出している面積割合は50%以上である。
本実施形態の熱伝導性粘着シートは、上述の本実施形態の製造方法によって製造することが可能であるが、他の製造方法によって製造することも可能である。例えば、熱伝導性シートの表面において熱伝導性フィラーが露出している面積割合が50%以上となるように、熱伝導性フィラーを熱伝導性シートの表面に露出させるための手法は、スパッタエッチング処理に限定されず、例えば公知の表面切削処理及びアルカリ処理などを用いることも可能である。
本発明の熱伝導性粘着シートの別の形態として、本実施形態の製造方法によって得られた熱伝導性粘着シートを挙げることもできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
窒化ホウ素粉末(電気化学工業株式会社製、品番「SGPS」)と、PTFE粉末(ダイキン工業株式会社製、品番「F104U」)を、質量比85:15の割合で混合した。この混合物100質量部に対して成形助剤としてのアイソパー(エクソンモービル社製「アイソパーM」)60質量部をさらに加えて混練することによってペースト状混合物を得た。このペースト状混合物を圧延ロールで挟持した状態で圧延することによって、厚み3mmのシート状成形体を2枚作製した。次にこの2枚のシート状成形体を重ねて圧延することによって、積層数が2である第1の圧延積層シート(圧延シート状成形体)を形成した。さらに、第1の圧延積層シートを切断して2つに分け、それらを重ね合わせて圧延することによって、積層数が4である第2の圧延積層シート(圧延シート状成形体)を作製した。この切断、重ね合わせ、圧延という一連の工程を、圧延方向を90度変更しながら5回繰り返すことで、最終的に、厚みが約0.6mmの圧延積層シートを得た。
窒化ホウ素粉末(電気化学工業株式会社製、品番「SGPS」)と、PTFE粉末(ダイキン工業株式会社製、品番「F104U」)を、質量比85:15の割合で混合した。この混合物100質量部に対して成形助剤としてのアイソパー(エクソンモービル社製「アイソパーM」)60質量部をさらに加えて混練することによってペースト状混合物を得た。このペースト状混合物を圧延ロールで挟持した状態で圧延することによって、厚み3mmのシート状成形体を2枚作製した。次にこの2枚のシート状成形体を重ねて圧延することによって、積層数が2である第1の圧延積層シート(圧延シート状成形体)を形成した。さらに、第1の圧延積層シートを切断して2つに分け、それらを重ね合わせて圧延することによって、積層数が4である第2の圧延積層シート(圧延シート状成形体)を作製した。この切断、重ね合わせ、圧延という一連の工程を、圧延方向を90度変更しながら5回繰り返すことで、最終的に、厚みが約0.6mmの圧延積層シートを得た。
得られた圧延積層シートを150℃で20分間加熱して、成形助剤を除去した。次いで380℃、10MPaで、5分間プレスして、厚さ約0.3mm、気孔率20%、窒化ホウ素の含有体積割合が68vol%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートの一方の表面に対して、アルゴンガス雰囲気下で15J/cm2のエネルギー量によるスパッタエッチング処理を行った。このときの熱伝導性シートの表面SEM画像(5000倍)を図1に示す。なお、本実施例では、PTFE及び窒化ホウ素の仕込み量(窒化ホウ素:PTFE=85:15(質量比))と、PTFE及び窒化ホウ素の密度(窒化ホウ素の密度:2.14g/cm3、PTFEの密度:2.20g/cm3)と、熱伝導性シートの気孔率(20%)とを用い、以下の式に沿って熱伝導性シートにおける窒化ホウ素の含有体積割合を求めた。
窒化ホウ素の体積=(窒化ホウ素の仕込み量)/(窒化ホウ素の密度)
PTFEの体積=(PTFEの仕込み量)/(PTFEの密度)
熱伝導性シートの気孔率(%)=(1−実測密度/真密度)×100
窒化ホウ素の体積割合(vol%)
=(100−(熱伝導性シートの気孔率))×(窒化ホウ素の体積)/{(窒化ホウ素の体積)+(PTFEの体積)}
窒化ホウ素の体積=(窒化ホウ素の仕込み量)/(窒化ホウ素の密度)
PTFEの体積=(PTFEの仕込み量)/(PTFEの密度)
熱伝導性シートの気孔率(%)=(1−実測密度/真密度)×100
窒化ホウ素の体積割合(vol%)
=(100−(熱伝導性シートの気孔率))×(窒化ホウ素の体積)/{(窒化ホウ素の体積)+(PTFEの体積)}
また、熱伝導性シートの表面において熱伝導性フィラーが露出している面積割合を、SEM画像により確認される、熱伝導性シートの表面における熱伝導性フィラーの露出部分の面積を用いて求めた。その結果、本実施例の熱伝導性シートの表面において熱伝導性フィラーが露出している面積割合は85%であった。
次に、付加反応型シリコーン系粘着剤(SD4585PSA:東レ・ダウコーニング株式会社製)100重量部に対して、白金系硬化触媒(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製)0.9重量部を混合し、シリコーン系粘着剤組成物を調製した。このシリコーン系粘着剤組成物を、フッ化シリコーン系離型剤で表面処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの処理面上に、乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布した後、150℃で3分間加熱することで、PETフィルム上に粘着剤層を形成した。この粘着剤層と、熱伝導性シートのスパッタエッチング処理面とを貼り合わせ、ハンドローラーを用いて十分に圧着した。その後、PETフィルムを剥離することで粘着剤層を熱伝導性シートに転写し、熱伝導性粘着シートとした。
実施例2
粘着剤層を転写する際に、粘着剤層が5μmである市販の両面粘着テープ(No.5600:日東電工社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして熱伝導性粘着シートを作製した。
粘着剤層を転写する際に、粘着剤層が5μmである市販の両面粘着テープ(No.5600:日東電工社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして熱伝導性粘着シートを作製した。
比較例1
熱伝導性シートへのスパッタエッチング処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして熱伝導性粘着シートを作製した。粘着剤層が転写される前の熱伝導性シートの表面SEM画像を図2に示す。また、実施例1と同様にして、熱伝導性シートの表面において熱伝導性フィラーが露出している面積割合を求めたところ、20%であった。
熱伝導性シートへのスパッタエッチング処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして熱伝導性粘着シートを作製した。粘着剤層が転写される前の熱伝導性シートの表面SEM画像を図2に示す。また、実施例1と同様にして、熱伝導性シートの表面において熱伝導性フィラーが露出している面積割合を求めたところ、20%であった。
比較例2
熱伝導性シートへのスパッタエッチング処理を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にして熱伝導性粘着シートを作製した。
熱伝導性シートへのスパッタエッチング処理を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にして熱伝導性粘着シートを作製した。
実施例及び比較例で得られた熱伝導性粘着シートについて、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
(接着力測定)
得られた熱伝導性粘着シートを幅20mm、長さ70mmの大きさに切断して、銅箔(厚さ35μm、古川電工株式会社製「GTS−MP」)上に2kg重のゴムローラを1往復させる方法で圧着させ、23℃の雰囲気下で引張試験機(株式会社島津製作所製「オートグラフ」)を使用して90度ピール試験(剥離速度300mm/分)を実施してそのときの剥離力を求めた。
得られた熱伝導性粘着シートを幅20mm、長さ70mmの大きさに切断して、銅箔(厚さ35μm、古川電工株式会社製「GTS−MP」)上に2kg重のゴムローラを1往復させる方法で圧着させ、23℃の雰囲気下で引張試験機(株式会社島津製作所製「オートグラフ」)を使用して90度ピール試験(剥離速度300mm/分)を実施してそのときの剥離力を求めた。
(有効熱伝導率測定方法)
熱伝導率の測定は、図3A及び3Bに示す熱抵抗測定装置10を用いて行った。熱抵抗測定装置10は、上部に発熱体(ヒーターブロック)11と下部に放熱体(冷却水が内部を循環するように構成された冷却ベース板)12を有しており、発熱体11および放熱体12はそれぞれ一辺が20mmの立方体に形成されたアルミニウム製のロッド13を有している。一対のロッド13の側部には、発熱体11および放熱体12を貫通する一対の圧力調整用ネジ14が備えられている。圧力調整用ネジ14と発熱体11の間には、ロードセル15が備えられており、これにより圧力が測定される。放熱体12側のロッド13内部には、接触式変位計17のプローブ16が設置されている。プローブ16の上端部は、試料がロッド13間に配置されていないときには、上側のロッド13の下面に接触した状態になっており、上下のロッド13間の間隔(試料の厚さ)を測定可能に構成されている。発熱体11および上下のロッド13の背面側には、温度センサー18が取り付けられている。具体的には、発熱体11の1箇所と、各ロッド13の上下方向に等間隔で5箇所に、温度センサー18が取り付けられている。
熱伝導率の測定は、図3A及び3Bに示す熱抵抗測定装置10を用いて行った。熱抵抗測定装置10は、上部に発熱体(ヒーターブロック)11と下部に放熱体(冷却水が内部を循環するように構成された冷却ベース板)12を有しており、発熱体11および放熱体12はそれぞれ一辺が20mmの立方体に形成されたアルミニウム製のロッド13を有している。一対のロッド13の側部には、発熱体11および放熱体12を貫通する一対の圧力調整用ネジ14が備えられている。圧力調整用ネジ14と発熱体11の間には、ロードセル15が備えられており、これにより圧力が測定される。放熱体12側のロッド13内部には、接触式変位計17のプローブ16が設置されている。プローブ16の上端部は、試料がロッド13間に配置されていないときには、上側のロッド13の下面に接触した状態になっており、上下のロッド13間の間隔(試料の厚さ)を測定可能に構成されている。発熱体11および上下のロッド13の背面側には、温度センサー18が取り付けられている。具体的には、発熱体11の1箇所と、各ロッド13の上下方向に等間隔で5箇所に、温度センサー18が取り付けられている。
測定はまず、得られた熱伝導性粘着シートを20mm×20mmの大きさに切断して試料20とし、一対のロッド13で上下から挟み込んだ。次に、圧力調整用ネジ14を締めこんで、試料20に圧力を加え、発熱体11の温度を120℃に設定するとともに、放熱体12に20℃の冷却水を循環させた。そして、発熱体11および上下のロッド13の温度が安定した後、上下のロッド13の温度を各温度センサー18で測定し、上下のロッド13の熱伝導率(W/mK)と温度勾配から、試料20を通過する熱流束を算出するとともに、上下のロッド13と試料20との界面の温度を算出した。その後、これらの結果を用いて当該圧力における熱抵抗(cm2・K/W)を熱伝導率方程式(フーリエの法則)により算出した。なお、試料20に100Nの圧力を加えた場合について熱抵抗を求め、有効熱伝導率を算出した。
R=ΔT/Q
λ=L/R
Q:単位面積あたりの熱流束
ΔT:温度勾配
L:試料の厚み
λ:熱伝導率
R:熱抵抗
R=ΔT/Q
λ=L/R
Q:単位面積あたりの熱流束
ΔT:温度勾配
L:試料の厚み
λ:熱伝導率
R:熱抵抗
表1に示すように、本発明によれば、十分な接着力を有するとともに、熱伝導率の高い熱伝導性粘着シートを得ることができる。
本発明の熱伝導性粘着シートは、車両モーター表面など高温やオイルによる腐食劣化の生じやすい環境下、電子機器など長期安定性の求められる環境下での放熱部材として用いることができる。
Claims (8)
- (I)フッ素樹脂と、体積割合として40%以上90%以下の熱伝導性フィラーとを含有する熱伝導性シートを形成する工程と、
(II)前記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面にスパッタエッチング処理を施した後、前記熱伝導性シートのスパッタエッチング処理面に粘着剤層を形成する工程と、
を含む、熱伝導性粘着シートの製造方法。 - 前記工程(II)において、前記熱伝導性シートの前記表面以外の場所で硬化形成された前記粘着剤層を、前記熱伝導性シートの前記スパッタエッチング処理面に転写形成する、
請求項1に記載の熱伝導性粘着シートの製造方法。 - 前記熱伝導性フィラーが、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ケイ素及び酸化マグネシウムからなる群から選択される少なくともいずれか一種である、
請求項1に記載の熱伝導性粘着シートの製造方法。 - 前記工程(I)において、前記熱伝導性フィラー及び前記フッ素樹脂を含有するシート状成形体を圧延処理して圧延シート状成形体を形成し、前記圧延シート状成形体を2層以上重ねた状態でさらに圧延処理することで前記熱伝導性シートを形成する、
請求項1に記載の熱伝導性粘着シートの製造方法。 - 前記工程(I)において、前記圧延シート状成形体を2層以上重ねた状態での圧延処理を2〜12回繰り返す、
請求項4に記載の熱伝導性粘着シートの製造方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により得られた熱伝導性粘着シート。
- フッ素樹脂と、体積割合として40%以上90%以下の熱伝導性フィラーとを含有する熱伝導性シートと、
前記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面に設けられた粘着剤層と、
を含み、
前記熱伝導性フィラーは、前記粘着剤層が設けられている前記熱伝導性シートの前記表面に露出した熱伝導性フィラーを含んでおり、前記表面において前記熱伝導性フィラーが露出している面積割合が50%以上である、
熱伝導性粘着シート。 - 前記粘着剤層の厚さが0.1〜20μmである、
請求項7記載の熱伝導性粘着シート。
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