JPWO2014087992A1 - グラフェンシート組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明の一態様は、グラフェンシート組成物において、グラフェンを主成分として30%以上100%未満の範囲で含み、超臨界流体中で黒鉛を処理して得られる。

Description

本発明は、グラフェンシート組成物、リチウムイオン二次電池用負極活物質、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、組電池、樹脂複合材料、グラフェンシート組成物の製造方法及びグラフェンシート組成物の製造装置に関する。
炭素材料として、グラフェンが注目されている。完全なグラフェンは、六角形セルの集合のみからなり、その電子移動度は、室温で15000cm−1−1と驚くほど高く、優れた熱的・化学的安定性、巨大な比表面積を有する等の特長から、次世代電子材料や蓄電用途等の多くの用途展開が期待されている。
しかしながら、六角形セルの集合の中に五角形や七角形のセルが存在すると、格子欠陥となり、グラフェンに期待される特性を十分引き出すことができない。このような観点から、六角形セルの集合のみからなる完全なグラフェンが求められている。
非特許文献1には、単原子層から約10層積層したグラフェンシートの製造方法として、エタノールやDME(ジメチルエーテル)の超臨界流体中で、グラファイトを1時間処理する方法が開示されている。
一方、蓄電用途のリチウムイオン二次電池は、高容量である上、小型・軽量化が可能であるため、携帯電話、ノート型パソコン等の携帯機器に搭載されている。そして、これらの携帯機器は、高性能・高機能化、用途拡大に伴って、リチウムイオン二次電池のさらなる高性能化が求められている。ここで、リチウムイオン二次電池の負極活物質として使用される炭素材料は、一般に黒鉛系炭素材料と非晶質系炭素材料に大別される。黒鉛系炭素材料は、非晶質系炭素材料と比較して、単位体積あたりのエネルギー密度が高いという利点がある。従って、コンパクトでありながら大きい充電放電容量が要求される携帯機器用のリチウムイオン二次電池においては、負極活物質として、黒鉛系炭素材料が一般に用いられている。
黒鉛は、放電容量の理論値が372mAh/gであるが、実際のリチウムイオン二次電池では、初回のリチウムイオンの挿入時に、SEI(solid electrolyte interface)被膜が形成されるため、放電容量が300mAh/g程度しか得られない。
特許文献1には、ヘキサベンゾコロネンを基本骨格とする炭素数18個以上144個以下のグラフェン化合物を負極活物質として用いるリチウムイオン二次電池が開示されている。
最近では、黒鉛に代わる材料として、放電容量が高い珪素、錫、アルミニウム、タングステン等のリチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な金属又はその合金系材料が負極活物質として使用されている。例えば、シリコンでは、放電容量の理論値が4199mAh/g、錫では、放電容量の理論値が994mAh/gである。
しかしながら、これらの金属・合金系の材料は、リチウムイオンの挿入時の体積変化率が大きく、例えば、シリコンが4.0倍、錫が3.6倍もあって、黒鉛の体積変化率1.1倍に対して非常に大きい。しかもこのような金属・合金系の材料は、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う大きな体積変化のため、繰り返しの吸蔵・放出により、金属・合金系材料と導電助剤との間、金属・合金系材料と集電体との界面等に剥離が生じたり、金属・合金系材料自体が破壊されたりする。このため、急激に放電容量が低下して、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が極めて悪いという問題がある。
そこで、黒鉛等の炭素材料とこれらの金属・合金系材料を混合すること、あるいはリチウムイオンを吸蔵・放出しない金属やカーボン等で被覆することが提案されている。
しかしながら、不可逆容量が大きく、サイクル安定性が乏しく、実用的な電池サイクル性能を満たすことができないという問題がある。
特許文献2には、ナノグラフェンプレートレットを主体とするリチウムイオン電池用負極複合化合物が開示されている。このとき、リチウムイオン電池用負極複合化合物は、a)リチウムイオンの吸収と脱離が可能なミクロンメータまたはナノメータの大きさを有する粒子または被覆と、b)ナノメータの大きさを有する複数のグラフェンプレートレットと備える。また、グラフェンプレートレットは、単層のグラフェンシートまたはグラフェンシートを重ねた層であって厚さが100nm以下である。さらに、少なくとも粒子または被覆は、少なくともグラフェンプレートレットの一つに物理的または化学的に結合されている。また、グラフェンプレートレットの量は2〜90質量%であり、粒子または被覆の量は98〜10質量%である。
特許文献3に、合成樹脂と、薄片化黒鉛とを含有する樹脂組成物が開示されている。このとき、薄片化黒鉛は、グラフェンシートの積層体であって、積層数が150層以下であり、且つ、アスペクト比が20以上である。
特開2009−151956号公報 特表2011−503804号公報 特開2012−77286号公報
平成21年度産業技術総合研究所年報,p.692
しかしながら、非特許文献1のグラフェンシートの製造方法は、バッチ式(回分式)であり、グラフェンを短時間で製造することが困難であるという問題がある。
また、非特許文献1のグラフェンシートは、グラフェンの含有量が少ないという問題がある。
さらに、特許文献1、2のリチウムイオン二次電池の放電容量及び急速充放電特性が不十分であるという問題がある。
また、特許文献3の樹脂組成物の導電性が不十分であるという問題がある。
本発明の一態様は、グラフェンを主成分として含有するグラフェンシート組成物を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、リチウムイオン二次電池の放電容量及び急速充放電特性を向上させることが可能なリチウムイオン二次電池用負極活物質を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、リチウムイオン二次電池の放電容量及び急速充放電特性を向上させることが可能な導電助剤を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、導電性に優れる樹脂複合材料を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、グラフェンを主成分として含有するグラフェンシート組成物を短時間で製造することが可能なグラフェンシート組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、グラフェンシート組成物を短時間で製造することが可能なグラフェンシート組成物の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、グラフェンシート組成物において、グラフェンを主成分として30%以上100%未満の範囲で含み、超臨界流体中で黒鉛を処理して得られる。
本発明の一態様は、リチウムイオン二次電池用負極活物質において、上記のグラフェンシート組成物を含む。
本発明の一態様は、リチウムイオン二次電池用負極活物質において、上記のグラフェンシート組成物と、リチウムイオンの吸蔵と脱離が可能な金属粒子を含む。
本発明の一態様は、導電助剤において、上記のグラフェンシート組成物を含む。
本発明の一態様は、樹脂複合材料において、合成樹脂と、上記のグラフェンシートを含む。
本発明の一態様は、グラフェンシート組成物の製造方法であって、(a)黒鉛を含む溶媒を超臨界処理場に供給する工程と、(b)該超臨界処理場に供給された溶媒を超臨界状態にする工程と、(c)該超臨界状態にした溶媒を非超臨界状態に戻す工程を有し、前記(a)〜(c)の工程では、前記溶媒の流れを連続フロー方式で行い、前記(a)〜(c)の工程を連続的及び/又は不連続的に複数回繰り返す。
本発明の一態様は、グラフェンシート組成物の製造装置において、(a)黒鉛を含む溶媒を超臨界処理場に供給する手段と、(b)該超臨界処理場に供給された溶媒を超臨界状態にする手段と、(c)該超臨界状態にした溶媒を非超臨界状態に戻す手段を有し、前記(a)〜(c)の手段は、前記溶媒の流れを連続フロー方式で行う。
即ち、本発明は、次の発明を提供する。
(1)グラフェンを主成分として30%以上100%未満の範囲で含み、
超臨界流体中で黒鉛を処理して得られることを特徴とするグラフェンシート組成物。
(2)7層以上のグラフェンシートを15%以下で含むことを特徴とする前項(1)に記載のグラフェンシート組成物。
(3)前項(1)に記載のグラフェンシート組成物を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質。
(4)前項(3)に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
(5)前項(4)に記載のリチウムイオン二次電池用負極を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
(6)前項(5)に記載のリチウムイオン二次電池を有することを特徴とする組電池。
(7)前項(1)に記載のグラフェンシート組成物と、リチウムイオンの吸蔵と脱離が可能な金属粒子を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質。
(8)前記金属粒子は、アルミニウム、シリコン及び錫からなる群より選択される一種以上を含むことを特徴とする前項(7)に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
(9)前項(7)に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
(10)前項(9)に記載のリチウムイオン二次電池用負極を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
(11)前項(10)に記載のリチウムイオン二次電池を有することを特徴とする組電池。
(12)前項(1)に記載のグラフェンシート組成物を含むことを特徴とする導電助剤。
(13)前項(12)に記載の導電助剤を含むことを特徴とする電極。
(14)前項(13)に記載の電極を有することを特徴とする電池。
(15)前項(1)に記載のグラフェンシート組成物と、合成樹脂を含むことを特徴とする樹脂複合材料。
(16)(a)黒鉛を含む溶媒を超臨界処理場に供給する工程と、
(b)該超臨界処理場に供給された溶媒を超臨界状態にする工程と、
(c)該超臨界状態にした溶媒を非超臨界状態に戻す工程を有し、
前記(a)〜(c)の工程では、前記溶媒の流れを連続フロー方式で行い、
前記(a)〜(c)の工程を連続的及び/又は不連続的に複数回繰り返すことを特徴とするグラフェンシート組成物の製造方法。
(17)前記(b)及び/又は(c)の工程は、振動を印加した状態で行われることを特徴とする前項(16)に記載のグラフェンシート組成物の製造方法。
(18)前記(a)〜(c)の工程を連続的及び/又は不連続的に繰り返す回数が10回以上100回以下であることを特徴とする前項(16)に記載のグラフェンシート組成物の製造方法。
(19)(a)黒鉛を含む溶媒を超臨界処理場に供給する手段と、
(b)該超臨界処理場に供給された溶媒を超臨界状態にする手段と、
(c)該超臨界状態にした溶媒を非超臨界状態に戻す手段を有し、
前記(a)〜(c)の手段は、前記溶媒の流れを連続フロー方式で行うことを特徴とするグラフェンシート組成物の製造装置。
(20)前記(b)及び/又は(c)の手段は、振動を印加する手段を有することを特徴とする前項(19)に記載のグラフェンシート組成物の製造装置。
本発明の一態様によれば、グラフェンを主成分として含有するグラフェンシート組成物を提供することができる。
本発明の一態様によれば、リチウムイオン二次電池の放電容量及び急速充放電特性を向上させることが可能なリチウムイオン二次電池用負極活物質を提供することができる。
本発明の一態様によれば、リチウムイオン二次電池の放電容量及び急速充放電特性を向上させることが可能な導電助剤を提供することができる。
本発明の一態様によれば、導電性に優れる樹脂複合材料を提供することができる。
本発明の一態様によれば、グラフェンを主成分として含有するグラフェンシート組成物を短時間で製造することが可能なグラフェンシート組成物の製造方法を提供することができる。
本発明の一態様によれば、グラフェンシート組成物を短時間で製造することが可能なグラフェンシート組成物の製造装置を提供することができる。
グラフェンシート組成物の製造方法の一例を概略的に示す図である。 グラフェンシート組成物の製造装置の一例を概略的に示す図である。 リチウムイオン二次電池の一例を示す斜視図である。 実施例3のグラフェンシート組成物のTEM写真の一例である。 実施例1〜4のグラフェンシート組成物の積層数の評価結果を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
(グラフェンシート組成物及びその製造方法、製造装置)
グラフェンシート組成物の製造方法は、(a)黒鉛を含む溶媒を超臨界処理場に供給する工程と、(b)超臨界処理場に供給された溶媒を超臨界状態にする工程と、(c)超臨界状態にした溶媒を非超臨界状態に戻す工程を有する。このとき、(a)〜(c)の工程では、溶媒の流れを連続フロー方式で行い、(a)〜(c)の工程を連続的又は/及び不連続的に複数回繰り返す。これにより、従来のバッチ方式で行う製造方法に比べて、グラフェンの含有量が多いグラフェンシート組成物を短時間で製造することができる。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、グラフェンがN層積層されている積層体をN層のグラフェンシートという。ただし、Nは、2〜20の整数である。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、グラフェン及び/又はN層のグラフェンシートを含む組成物をグラフェンシート組成物という。
また、非超臨界状態とは、例えば、常温常圧下又は常温において常圧よりも高い圧力下で液体又は気体となる状態を指すものとする。
このとき、(b)及び/又は(c)の工程は、振動を加えた状態で行われることが好ましい。
グラフェンシート組成物の製造方法では、(b)の工程により、超臨界流体中で、原料の黒鉛が部分的又は完全に剥離して、グラフェンシート組成物を生成させることができる。
また、グラフェンシート組成物の製造方法では、(a)〜(c)の工程を連続的又は/及び不連続的に複数回繰り返す。
なお、(a)〜(c)の工程を連続的に繰り返すとは、(a)〜(c)の工程を行った後に、続いて、次の(a)〜(c)の工程を行うことを意味する。一方、(a)〜(c)の工程を不連続的に繰り返すとは、(a)〜(c)の工程を行った後に、超臨界処理場から排出されたグラフェンシート組成物を含む溶媒(分散液)を一時的に貯留容器に導いた後、貯留容器から汲み出して、次の(a)〜(c)の工程を行うことを意味する。すなわち、(a)〜(c)の工程を不連続的に繰り返すとは、(a)〜(c)の工程を行った後、上記分散液を貯留容器に導く工程、貯留容器から上記分散液を汲み出して、次の(a)〜(c)の工程を繰り返して行うことをいう。また、(a)〜(c)の工程を行う前に、黒鉛を含む溶媒を貯留した原料タンクを、(a)〜(c)の工程を行った後に導く貯留容器に併用して、次の(a)〜(c)の工程を繰り返してもよい。
このように、グラフェンシート組成物の製造方法において、(b)の工程(高温高圧下の超臨界状態)から(c)の工程の、低温・低圧力下での非超臨界状態に短時間、繰り返し加圧・開放されることにより、従来の密閉容器内(バッチ式)で行う製造方法に比べて効果的にグラフェンシート組成物を生成させることができる。例えば、12回の繰り返し処理を16分程度で実施している実施例3では、例えば、420℃、12MPaの超臨界処理場から常温・常圧下で急激に開放するために、バッチ式に比べ、加熱・冷却の繰り返しを短時間かつ急激に行うことができる。その結果、黒鉛の剥離効果が高められる。ここで、バッチ式においては、約1時間/バッチ処理を12回行うと、120時間要する。
以下、各工程について、図1を用いて、詳しく説明する。
(工程S110)
まず、黒鉛を含む溶媒が準備される。
黒鉛としては、特に限定されないが、天然黒鉛、人造黒鉛等が挙げられる。
天然黒鉛は、その性状により、鱗片状黒鉛、鱗状黒鉛、土状黒鉛等に分類される。
人造黒鉛は、非酸化性雰囲気下において、石油系重質油、石炭系重質油、石油系コークス、石炭系コークス、ピッチ系炭素繊維を1500〜3200℃で焼成することにより製造することができる。このとき、ホウ素化合物等の黒鉛化触媒の存在下で焼成してもよい。
黒鉛の純度、結晶性等の特性は、特に限定されない。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、粒子の粒径は、一次粒径を意味する。
また、粒子の一次粒径dは、BET法で比表面積を測定した後、式
S=6/ρd
により換算して求めることができる。ここで、Sは、粒子の比表面積であり、ρは、粒子の密度である。
本明細書及び特許請求の範囲において、溶媒とは、超臨界流体にすることが可能な常温常圧下で液体又は気体であるものを意味する。
溶媒としては、特に限定されないが、水、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、炭化水素類、ジメチルスルホキシド、N,N'−ジメチルホルムアミド、N,N'−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等の液体、二酸化炭素、窒素、酸素、ヘリウム、アルゴン、アンモニア、亜酸化窒素、低級アルカン、アルケン等の気体が挙げられる。中でも、水、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、二酸化炭素が好ましい。
原料となる黒鉛の粒径(平均粒径)は、通常、0.1〜100μmであり、1〜50μmであることが好ましい。
黒鉛を含む溶媒中の黒鉛の濃度は、通常、0.1〜100mg/mLであり、1〜10mg/mLであることが好ましい。
次に、調製された黒鉛を含む溶媒は、黒鉛を超臨界処理するための超臨界処理場(例えば、反応管)に供給される。この際には、一旦、黒鉛を含む溶媒を原料タンクに保管しておき、原料タンクから、例えば、ポンプを用いて、黒鉛を含む溶媒を超臨界処理場に供給してもよい。
黒鉛を含む溶媒を超臨界処理場に供給する速度は、通常、1〜1000mL/minであり、5〜100mL/minであることが好ましい。
(工程S120)
次に、超臨界処理場において、溶媒が超臨界状態となる環境下で、黒鉛が超臨界処理される。
例えば、溶媒がエタノールである場合は、臨界温度が241℃であり、臨界圧力が6.1MPaである。このため、超臨界処理場は、温度が241℃以上であり、圧力が6.1MPa以上であり、例えば、温度が420℃、圧力が12MPaである。
溶媒がメタノールである場合は、同様にして、超臨界処理場は、温度が240℃以上であり、圧力が8.1MPa以上である。
溶媒が水である場合は、同様にして、超臨界処理場は、温度が374℃以上であり、圧力が22.1MPa以上である。
以上のように、用いる溶媒の臨界温度及び臨界圧力により、超臨界処理場の温度と圧力が設定される。
溶媒を超臨界状態に保持する時間、即ち、黒鉛が超臨界流体中に滞留する時間は、通常、0.5秒〜10分間である。
黒鉛を超臨界流体中で処理することにより、黒鉛の少なくとも一部は、層間の結合が切断され、層状に分離する。これにより、グラフェンを含むグラフェンシート組成物に剥離される。
このとき、必要に応じて、超臨界処理場に振動を印加してもよい。これにより、より多くのグラフェンを生成させることができる。
超臨界処理場に振動を印加する方法としては、特に限定されないが、機械的に超臨界処理場に振動を印加する方法、超音波により超臨界処理場に振動を印加する方法等が挙げられる。
超音波により超臨界処理場に振動を印加する方法では、超音波のキャビテーション効果、振動加速度の効果、直進流の効果等により、超臨界処理場に容易に振動を印加することができる。
(工程S130)
次に、超臨界状態にした溶媒が非超臨界状態に戻された後、グラフェンシート組成物を含む溶媒が超臨界処理場から排出される。
非超臨界状態は、通常、室温〜溶媒の沸点であり、大気圧である。
非超臨界状態においても、必要に応じて、振動を印加してもよい。これにより、より多くのグラフェンを生成させることができる。
非超臨界状態において、振動を印加する方法としては、特に限定されないが、超臨界処理場に振動を印加する方法と同じ方法を用いることができる。
次に、超臨界処理場から排出されたグラフェンシート組成物を含む溶媒(分散液)は、再度、連続的に超臨界処理場に供給され、2回目の超臨界処理が実施される。その後、超臨界状態にした溶媒が再度、非超臨界状態に戻された後、グラフェンシート組成物を含む溶媒が超臨界処理場から排出される。
(工程S140)
以降、(a)〜(c)の工程が繰り返される。
(a)〜(c)の工程を繰り返す回数は、通常、2回以上であり、10回以上であることが好ましく、30回以上であることがさらに好ましい。
このとき、所望のグラフェンシート組成物を製造するために、(a)〜(c)の工程を繰り返す回数が任意に設定される。(a)〜(c)の工程を繰り返す回数が極端に大きいと、グラフェンシート組成物の製造に要する時間が長くなり、製造コストが上昇する。このため、(a)〜(c)の工程を繰り返す回数は、100回以下であることが好ましい。
以上の工程により、グラフェンシート組成物を生成させることができる。
例えば、エタノールの流速を10ml/min、黒鉛の投入量を10mg/min、超臨界処理場の温度を420℃、超臨界処理場の圧力を12MPa、超臨界処理場に黒鉛が超臨界流体中に短時間で処理される条件で、(a)〜(c)の工程を12回繰り返すと、グラフェンシート組成物中のグラフェンの含有量は35%である。また、(a)〜(c)の工程を48回繰り返すと、グラフェンの含有量は90%以上である。
なお、グラフェンシート組成物中の各成分の含有量は、超臨界流体の種類、(a)の黒鉛を含む溶媒を熱処理場に供給する流速、黒鉛の投入量、超臨界処理場の温度、超臨界処理場の圧力、超臨界処理場に黒鉛が滞留する時間、貯留容器の使用の有無、貯留容器の貯留量等の条件により異なり、任意に設計される。
このように、グラフェンシート組成物の製造方法では、グラフェンを主成分として含むグラフェンシート組成物を生成させることができる。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、グラフェンシート組成物中のグラフェン又はN層のグラフェンシートの含有量[%]は、ラマン散乱分光法により測定して2D−Bandの位置から推定されるグラフェン及びグラフェンシートの総数に対するグラフェン又はN層のグラフェンシートの数の割合[%]を意味する(2D−Bandの位置測定等については、Chem.Eur.J.2010,16,p6488−6494参照)。
2D−Bandの位置が2685cm−1未満であれば、グラフェン、2685cm−1以上2695cm−1未満であれば、2〜3層のグラフェンシート、2695cm−1以上2705cm−1未満であれば、4〜6層のグラフェンシート、2705cm−1以上であれば、7層以上のグラフェンシートに対応させる。
例えば、グラフェンシート組成物を試料基板上に載せて、ラマン散乱分光スペクトルで30点の2D−Bandの位置を測定し、9点以上の2D−Bandの位置が2685cm−1未満である場合、グラフェンシート組成物中のグラフェンの含有量は30%以上である。
また、9点の2D−Bandの位置が2685cm−1以上2695cm−1未満である場合、グラフェンシート組成物中の2〜3層のグラフェンシートの含有量は30%である。
さらに、3点以下の2D−Bandの位置が2705cm−1を超える場合、グラフェンシート組成物中の7層以上のグラフェンシートの含有量は10%以下である。
なお、ラマン散乱分光法の測定点は、60点、100点等に増やしてもよい。
グラフェンシート組成物は、グラフェンを主成分として30%以上100%未満の範囲で含み、グラフェン以外の他の成分は2〜3層のグラフェンシート、4〜6層のグラフェンシート及び7層以上のグラフェンシートからなる群から選択される一種以上の成分をさらに含む。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、グラフェンを主成分として含むとは、グラフェンの含有量が2〜20層の各層のグラフェンシートの含有量よりも多いことを意味する。
ここで、グラフェンの含有量及び2〜20層の各層のグラフェンシートの含有量は、SPM(走査型プローブ顕微鏡)法を用いて、グラフェンシート組成物の任意の30箇所の厚さ[nm]を測定することにより求められる。
なお、グラフェンシート組成物の厚さの測定箇所は、60箇所、100箇所等に増やしてもよい。
グラフェン及びグラフェンシートのメジアン径(D50)は、原料の黒鉛の種類(結晶性、結晶子サイズ、粒子径等)に依存するが、通常、数μm〜数nmであり、1μm〜5nmであることが好ましく、200nm〜10nmであることがさらに好ましい。
なお、グラフェン及びグラフェンシートのメジアン径(D50)は、公知のレーザー回折法を用いて、測定することができる。
グラフェンシート組成物は、遠心分離による分離法や特定の分散媒中での浮遊密度分離法により、原料の黒鉛やグラフェンの積層数が20層を超える黒鉛剥離物を分離除去して精製することができる。
図2に、グラフェンシート組成物の製造装置の一例を概略的に示す。
グラフェンシート組成物の製造装置100は、原料部110、超臨界処理部150及び回収部180を備える。
原料部110は、グラフェンシート組成物の原料となる黒鉛を含む溶媒を保管する部分である。原料部110は、貯留容器115を備えており、貯留容器115内には、黒鉛が分散している溶媒120(分散液)が収容されている。
超臨界処理部150は、溶媒を超臨界状態にすることにより黒鉛を超臨界処理する部分である。超臨界処理部150は、耐熱耐圧性の超臨界処理器155を備える。また、超臨界処理部150は、振動手段160を有する。振動手段160は、超臨界処理器155に振動を印加するように構成される。ただし、振動手段160を省略してもよい。
原料部110と超臨界処理部150の間には、貯留容器115と超臨界処理器155を接続する配管125が設けられている。配管125には、ポンプ130が設置されている。
回収部180は、超臨界処理部150で超臨界処理された後のグラフェンシート組成物を含む溶媒を回収する部分である。回収部180は、容器185を備える。容器185内には、冷却用の液体が収容されていてもよい。
超臨界処理部150の出口側には、配管165が接続されており、配管165は、冷却槽168内を通るように構成されている。冷却槽168は、超臨界処理後のグラフェンシート組成物を含む溶媒の温度を、例えば、室温まで冷却させる。このとき、冷却槽168の直前又は直後に減圧弁が設置されている。
回収部180には、配管172が接続されている。冷却槽168を通過した配管165と配管172の間には、切り替えバルブ170が接続されている。切り替えバルブ170は、貯留容器115に接続された配管174とも接続されている。
切り替えバルブ170は、配管174を介した原料部110側と、配管172を介した回収部180側に切り替えることができる。ここで、排出されたグラフェンシート組成物を含有する溶媒を、配管174を介して、配管125に導いてポンプ130に繰り返して送る処理を繰り返すことにより、(a)〜(c)の工程を連続的に繰り返すことができる。
グラフェンシート組成物の製造装置100を用いて、グラフェンシート組成物を製造する場合、まず、ポンプ130により、貯留容器115内の黒鉛が分散している溶媒120が、超臨界処理器155に供給される。超臨界処理器155に供給される黒鉛が分散している溶媒120の流速は、例えば、10mL/minである。
超臨界処理器155は、溶媒が超臨界状態となるような温度及び圧力に設定されている。このため、超臨界処理器155内に供給された溶媒は、速やかに超臨界状態になる。超臨界状態の溶媒の作用により、黒鉛の少なくとも一部は、層間の結合が切断され、グラフェンを含むグラフェンシート組成物に剥離される。
この現象は、振動手段160による振動により助長される。
なお、黒鉛が分散している溶媒120の超臨界処理器155内の流速は、例えば、10mL/minである。
次に、超臨界処理後の溶媒は、非超臨界状態に戻り、グラフェンシート組成物を含む溶媒は、配管165を介して、超臨界処理器155から排出される。排出されたグラフェンシート組成物を含む溶媒は、配管165を通り、冷却槽168で室温まで急激に冷却される。
次に、排出されたグラフェンシート組成物を含む溶媒は、切り替えバルブ170により、配管174に流通され、貯留容器115に戻される。その後、前述の超臨界処理が再度繰り返され、(a)〜(c)の工程を不連続的に繰り返すことができる。超臨界処理を繰り返す度に、溶媒中に生成するグラフェンの含有量が増加する。
所望の回数だけ、超臨界処理が繰り返された後、超臨界処理器155から排出されたグラフェンシート組成物を含む溶媒は、切り替えバルブ170により、配管172の方に供給される。これにより、グラフェンシート組成物を含む溶媒は、配管172を介して、回収部180の容器185に回収される。
このような方法により、例えば、グラフェンを主成分として含むグラフェンシート組成物を製造することができる。
グラフェンシート組成物中のグラフェンの含有量は、通常、10%以上であり、30%以上100%未満であることが好ましい。
また、グラフェンシート組成物は、後述するリチウムイオン二次電池用負極活物質、導電助剤、樹脂複合材料に適用することを考慮すると、グラフェンを主成分として30%以上100%未満の範囲で含むことが好ましい。グラフェンシート組成物は、超臨界流体中で黒鉛を処理して得られる。
グラフェンシート組成物中のグラフェンの含有量は、50%以上100%未満であることがさらに好ましく、70%以上100%未満であることが特に好ましい。グラフェンシート組成物中のグラフェンの含有量が10%未満であると、グラフェンシート組成物においてグラフェンの特長が活かされない。
グラフェンシート組成物としては、例えば、主成分としてグラフェンを30%以上含み、さらに2〜3層のグラフェンシート、4〜6層のグラフェンシート、7層以上のグラフェンシートを含む材料を任意に選択することができる。
グラフェンシート組成物中の2〜3層のグラフェンシート、4〜6層のグラフェンシート及び/又は7層以上のグラフェンシートの含有量は、通常、70%以下であり、50%以下であることが好ましく、30%以下であることがさらに好ましい。
グラフェンシート組成物は、積層数が少ないグラフェンシートの含有量が多いことが好ましい。
グラフェンシート組成物中の7層以上のグラフェンシートの含有量は、通常、15%以下であり、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、0%であることが特に好ましい。グラフェンシート組成物中において、7層以上のグラフェンシートの含有量が15%を超えるとグラフェンの特長が活かされない。
なお、グラフェンシート組成物の製造装置100は、単なる一例に過ぎず、別の構成のグラフェンシート組成物の製造装置を用いて、グラフェンシート組成物を製造してもよい。
(リチウムイオン二次電池の第一の実施形態)
負極活物質は、グラフェンシート組成物を含み、グラフェンシート組成物は、主成分としてグラフェンを30%以上100%未満の範囲で含む。グラフェンシート組成物は、超臨界流体中で黒鉛を処理して得られる。
グラフェンシート組成物中のグラフェンの含有量は、50%以上100%未満であることが好ましく、70%以上100%未満であることがさらに好ましい。グラフェンシート組成物中のグラフェンの含有量が30%未満であると、低欠陥で高結晶性のグラフェンによる蓄電性能が得られず、リチウムイオン二次電池の放電容量及び急速充放電特性が低下する。
負極活物質は、所望の充放電容量や電池特性を得るために、必要に応じて、炭素材料をさらに含んでもよい。
炭素材料としては、特に限定されないが、人造黒鉛、熱分解黒鉛、膨張黒鉛、天然黒鉛、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛等の黒鉛材料、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、ガラス状炭素、非晶質炭素、低温焼成炭等の結晶未発達の炭素質材料等が挙げられる。
負極活物質中のグラフェンシート組成物の含有量は、通常、30質量%以上であり、50質量%以上があることが好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
また、負極活物質が炭素材料をさらに含む場合、負極活物質中の炭素材料の含有量は、通常、70質量%以下であり、50質量%以下であることが好ましい。
グラフェンシート組成物としては、例えば、主成分としてグラフェンを30%以上含み、さらに2〜3層のグラフェンシート、4〜6層のグラフェンシート、7層以上のグラフェンシートを含む材料を任意に選択することができる。
グラフェンシート組成物中の2〜3層のグラフェンシート、4〜6層のグラフェンシート及び/又は7層以上のグラフェンシートの含有量は、通常、70%以下であり、50%以下であることが好ましく、30%以下であることがさらに好ましい。
グラフェンシート組成物は、積層数が少ないグラフェンシートの含有量が多いことが好ましい。
グラフェンシート組成物中の7層以上のグラフェンシートの含有量は、通常、15%以下であり、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、0%であることが特に好ましい。グラフェンシート組成物中の7層以上のグラフェンシートの含有量が15%を超えると、負極活物質中のグラフェンの持つ、リチウムイオンとの高い吸蔵性・放出性が低下し、リチウムイオン二次電池の放電容量及び急速充放電特性が低下することがある。
グラフェンシート組成物は、前述のグラフェンシート組成物の製造方法により製造することができる。
前述のグラフェンシート組成物の製造方法により製造されているグラフェン及びグラフェンシート(グラフェンシート組成物)は、酸化黒鉛を経由せずに製造されているため、五角形や七角形のセルといった欠陥が少ない構造を有し、電気化学的安定性に優れる。
なお、グラフェンシート組成物は、グラフェンを30%以上100%未満の範囲で含むと共に、N層のグラフェンシートを含むため、負極活物質として、好ましく使用することができる。
リチウムイオン二次電池とは、例えば、正極と、電解液と、セパレータと、負極とを備え、円筒形、角形、コイン型、あるいはシート型等の種々の形状に加工される。
リチウムイオン二次電池を構成する負極は、集電体と、集電体を被覆する負極層を有する。
負極層は、負極活物質と、導電助材と、結着材を含む。
集電体としては、特に限定されないが、ニッケル箔、銅箔、ニッケルメッシュ、銅メッシュ等が挙げられる。
負極層は、例えば、負極活物質と、導電助材と、結着材と、溶媒を混練したペーストを、集電体に塗布した後、乾燥させることにより形成することができる。
溶媒としては、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、イソプロパノール、水等が挙げられる。
ここで、溶媒として水を使用する結着材を用いる場合は、増粘剤を併用することが好ましい。
溶媒の添加量は、ペーストが集電体に塗布しやすいような粘度となるように調整される。
ペーストの塗布方法としては、特に制限されない。
負極層の厚さは、通常、50〜200μmである。負極層の厚さが大きくなりすぎると、規格化された電池容器に負極シートを収容できなくなることがある。
負極層の厚さは、ペーストの塗布量により調整することができる。
また、負極層の厚さは、ペーストを乾燥させた後、加圧成形することにより調整することができる。
加圧成形する方法としては、ロール加圧法、プレス加圧法等が挙げられる。
加圧成形する際の圧力は、通常、約100〜約300MPa(1〜3ton/cm程度)である。
導電助剤は、負極に対して、導電性及び電極安定性(リチウムイオンの吸蔵と脱離における体積変化に対する緩衝作用)を付与することが可能であれば、特に限定されないが、気相法炭素繊維(例えば、VGCF(昭和電工社製))、導電性カーボン(例えば、デンカブラック(電気化学工業社製)、Super C65、Super C45、KS6L(以上、TIMCAL社製))等が挙げられる。
負極活物質に対する導電助剤の質量比は、通常、0.1〜1である。
結着材としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンターポリマー、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、イオン伝導率が大きい高分子化合物等が挙げられる。
イオン伝導率が大きい高分子化合物としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエピクロルヒドリン、ポリファスファゼン、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
負極活物質に対する結着材の質量比は、通常、0.005〜1である。
一方、リチウムイオン二次電池を構成する正極は、集電体と、集電体を被覆する正極層を有する。
集電体としては、特に限定されないが、ニッケル箔、鉄箔、ステンレス鋼箔、チタン箔、アルミニウム箔等が挙げられる。
正極層は、例えば、正極活物質と、導電助材と、結着材を含む。
正極活物質としては、特に限定されないが、LiMn、LiCoO、LiNiO、LiFeO、V、TiS、MoS等が挙げられる。
セパレータとしては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルム、それらを組み合わせたもの等が挙げられる。
また、セパレータとして、ポリマー電解質等を用いることもできる。
電解液は、例えば、非プロトン性溶媒に電解質を溶解させた溶液である。
非プロトン性溶媒としては、特に限定されないが、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ベンゾニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
電解質としては、リチウム塩であれば、特に限定されないが、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、Li(CFSON、LiCSO、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2y+1SO)(ただし、x、yは、自然数である。)、LiCl、LiI等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
電解液には、初回充電時に分解する物質を少量添加してもよい。
初回充電時に分解する物質としては、特に限定されないが、ビニレンカーボネート、ビフェニール、プロパンスルトン等が挙げられる。
電解液中の初回充電時に分解する物質の含有量は、通常、0.01〜5質量%である。
図3に、リチウムイオン二次電池の一例を示す。
リチウムイオン二次電池1は、円筒型と呼ばれるものであり、シート状の負極2と、シート状の正極3と、負極2と正極3の間に配置されたセパレータ4と、負極2、正極3及びセパレータ4に含浸している電解液と、円筒状の電池容器5と、電池容器5を封口する封口部材6を有する。リチウムイオン二次電池1は、負極2と正極3とセパレータ4が重ね合わされ、これらが巻回された状態で電池容器5に収納される。
リチウムイオン二次電池1を複数個接続して構成された電池は、特に、組電池と称される。組電池は、2個以上のリチウムイオン二次電池を直列及び/又は並列に接続することにより構成される。これにより、組電池の容量及び電圧を自由に調節することができる。
リチウムイオン二次電池は、ビル、家屋、テント等の住宅用電源、蛍光灯、LED、有機EL、街灯、屋内照明、信号機等の照明用電源、機械、農業機器、美容機材、可搬式工具、車両等の動力用電源、家電、電子機器、携帯電話等のモバイル情報端末用電源、風呂用品・トイレ用品等の衛生機材用電源、家具、玩具、装飾品、掲示板、クーラーボックス、屋外発電機などのアウトドア用電源、教材、造花、オブジェ、心臓ペースメーカー用の電源、ペルチェ素子を備えた加熱および冷却器用の電源等の種々の物品に搭載されて使用される。
(リチウムイオン二次電池の第二の実施形態)
リチウムイオン二次電池の第二の実施形態は、負極活物質以外は、リチウムイオン二次電池の第一の実施形態と同様の構成である。
負極活物質は、グラフェンシート組成物と、リチウムイオンの吸蔵と脱離が可能な金属粒子を含み、グラフェンシート組成物は、主成分としてグラフェンを30%以上100%未満の範囲で含む。グラフェンシート組成物は、超臨界流体中で黒鉛を処理して得られる。
グラフェンシート組成物中のグラフェンの含有量は、50%以上100%未満であることが好ましく、70%以上100%未満であることがさらに好ましい。グラフェンシート組成物中のグラフェンの含有量が30%未満であると、低欠陥で高結晶性のグラフェンによる蓄電性能及び金属粒子によるリチウムイオンの吸蔵と脱離における充放電過程の膨張収縮に伴う体積変化への応力緩和作用が得られず、リチウムイオン二次電池の放電容量及び急速充放電特性が低下する。すなわち、リチウムイオンの吸蔵と脱離が可能な金属粒子の大きな体積変化を複数のグラフェンで包接(又はサンドイッチ)する応力緩和効果を低減してしまい、充放電のサイクル過程で発生する大きな負極活物質の体積膨張・収縮による内部応力、歪み等を吸収できる効果を低減してしまう。
負極活物質は、所望の充放電容量や電池特性を得るために、グラフェンシート組成物と、リチウムイオンの吸蔵と脱離の可能な金属粒子を、任意の含有量で調整して用いることができる。
また、負極活物質は、所望の充放電容量や電池特性を得るために、必要に応じて、炭素材料をさらに含んでもよい。
炭素材料としては、特に限定されないが、人造黒鉛、熱分解黒鉛、膨張黒鉛、天然黒鉛、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛等の黒鉛材料、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、ガラス状炭素、非晶質炭素(カーボン)、低温焼成炭等の結晶未発達の炭素質材料等が挙げられる。
負極活物質中のグラフェンシート組成物の含有量は、通常、30質量%以上であり、50質量%以上があることが好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
負極活物質中の金属粒子の含有量は、通常、1〜70質量%であり、10〜70質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがさらに好ましい。
また、負極活物質が炭素材料をさらに含む場合、負極活物質中の炭素材料の含有量は、通常、70質量%以下であり、50質量%以下であることが好ましい。
グラフェンシート組成物としては、例えば、主成分としてグラフェンを30%以上含み、さらに2〜3層のグラフェンシート、4〜6層のグラフェンシート、7層以上のグラフェンシートを含む材料を任意に選択することができる。
グラフェンシート組成物中の2〜3層のグラフェンシート、4〜6層のグラフェンシート及び/又は7層以上のグラフェンシートの含有量は、通常、70%未満であり、50%未満であることが好ましく、30%未満であることがさらに好ましい。
グラフェンシート組成物は、積層数が少ないグラフェンシートの含有量が多いことが好ましい。
グラフェンシート組成物中の7層以上のグラフェンシートの含有量は、通常、15%以下であり、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、0%であることが特に好ましい。グラフェンシート組成物中の7層以上のグラフェンシートの含有量が15%を超えると、負極活物質中のグラフェンの持つ、リチウムイオンとの高い吸蔵性・放出性が低下し、リチウムイオン二次電池の放電容量及び急速充放電特性が低下することがある。
グラフェンシート組成物は、前述のグラフェンシート組成物の製造方法により製造することができる。
前述のグラフェンシート組成物の製造方法により製造されているグラフェン及びグラフェンシートは、酸化黒鉛を経由せずに製造されているため、五角形や七角形のセルといった欠陥が少ない構造を有し、電気化学的安定性に優れる。
なお、グラフェンシート組成物は、グラフェンを30%以上100%未満の範囲で含むと共に、N層のグラフェンシートを含むため、負極活物質として、好ましく使用することができる。
リチウムイオンの吸蔵と脱離が可能な金属粒子を構成する材料としては、リチウムイオンの吸蔵と脱離が可能な金属であれば、特に限定されないが、珪素(Si)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、珪素(Si)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)が好ましい。
リチウムイオンの吸蔵と脱離が可能な金属粒子は、金属元素を含む粒子であって、合金を含む。また、リチウムイオンの吸蔵と脱離が可能な金属粒子は、部分的に酸化物、窒化物、炭化物、リン化物、硫化物を含んでいてもよい。さらに、リチウムイオンの吸蔵と脱離が可能な金属粒子には、金属元素を含む固溶体、共晶混合物、金属間化合物も含まれる。
リチウムイオンの吸蔵と脱離が可能な金属粒子の粒径は、通常、0.01〜100μmであり、0.03〜10μmであることが好ましい。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、金属粒子の粒径は、一次粒径を意味する。
金属粒子としては、粒子状であれば、特に限定されないが、金属元素を含む材料の粉砕品、金属元素を含む球状粒子等が挙げられる。
グラフェンシート組成物に対するリチウムイオンの吸蔵と脱離が可能な金属粒子の質量比は、通常、0.01〜1であり、0.1〜1であることが好ましい。グラフェンシート組成物に対するリチウムイオンの吸蔵と脱離が可能な金属粒子の質量比が0.01未満であると、放電容量が高い金属粒子を添加する効果が発揮できなくなることがあり、1を超えると、リチウムイオンの吸蔵と脱離において大きな膨張・収縮に伴う体積変化や負極層内の歪、応力をグラフェンシート組成物が緩和することができなくなることがある。
(導電助剤)
導電助剤は、グラフェンシート組成物を含み、グラフェンシート組成物は、主成分としてグラフェンを30%以上100%未満の範囲で含む。グラフェンシート組成物は、超臨界流体中で黒鉛を処理して得られる。
グラフェンシート組成物中のグラフェンの含有量は、50%以上100%未満であることが好ましく、70%以上100%未満であることがさらに好ましい。グラフェンシート組成物中のグラフェンの含有量が30%未満であると、低欠陥で高結晶性のグラフェンによる導電性が得られず、リチウムイオン二次電池の放電容量及び急速充放電特性が低下する。
導電助剤は、所望の充放電容量や電池特性を得るために、必要に応じて、カーボンブラック等の公知の炭素材料をさらに含んでもよい。
導電助剤中のグラフェンシート組成物の含有量は、通常、30質量%以上であり、50質量%以上があることが好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
また、導電助剤がグラフェンシート組成物以外の他の炭素材料をさらに含む場合、導電助剤中の炭素材料の含有量は、通常、70質量%以下であり、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
グラフェンシート組成物としては、例えば、主成分としてグラフェンを30%以上含み、さらに2〜3層のグラフェンシート、4〜6層のグラフェンシート、7層以上のグラフェンシートを含む材料を任意に選択することができる。
グラフェンシート組成物中の2〜3層のグラフェンシート、4〜6層のグラフェンシート及び/又は7層以上のグラフェンシートの含有量は、通常、70%以下であり、50%以下であることが好ましく、30%以下であることがさらに好ましい。
グラフェンシート組成物は、積層数が少ないグラフェンシートの含有量が多いことが好ましい。
グラフェンシート組成物中の7層以上のグラフェンシートの含有量は、通常、15%以下であり、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、0%であることが特に好ましい。グラフェンシート組成物中の7層以上のグラフェンシートの含有量が15%を超えると、導電助剤中のグラフェンの持つ、導電性が低下し、リチウムイオン二次電池の負極に適用した場合に、放電容量及び急速充放電特性が低下することがある。
グラフェンシート組成物は、グラフェンを30%以上100%未満の範囲で含むと共に、N層のグラフェンシートを含むため、導電助剤として、好ましく使用することができる。
なお、導電助剤は、リチウムイオン二次電池等の電池の電極に適用することができる。
導電助剤をリチウムイオン二次電池の負極に適用する場合、負極活物質に対する導電助剤の質量比は、通常、0.1〜1である。
(樹脂複合材料)
樹脂複合材料は、グラフェンシート組成物と、合成樹脂を含み、グラフェンシート組成物は、主成分としてグラフェンを30%以上100%未満の範囲で含む。グラフェンシート組成物は、超臨界流体中で黒鉛を処理して得られる。
グラフェンシート組成物中のグラフェンの含有量は、50%以上100%未満であることが好ましく、70%以上100%未満であることがさらに好ましい。グラフェンシート組成物中のグラフェンの含有量が30%未満であると、低欠陥で高結晶性のグラフェンの高い導電性の寄与が得られず、樹脂複合材料の導電性が低下する。
樹脂複合材料中のグラフェンシート組成物の含有量は、通常、0.1〜95質量%であり、1〜70質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましい。樹脂複合材料中のグラフェンシート組成物の含有量が0.1質量%未満であると、樹脂複合材料の導電性や熱伝導性等が低くなり、実用上利用範囲が極端に限定される。
グラフェンシート組成物としては、主成分としてグラフェンを30%以上100%未満の範囲で含み、2〜3層のグラフェンシート、4〜6層のグラフェンシート、7層以上のグラフェンシートを含む材料を任意に選択することができる。
グラフェンシート組成物中の2〜3層のグラフェンシート、4〜6層のグラフェンシート及び/又は7層以上のグラフェンシートの含有量は、通常、70%以下であり、50%以下であることが好ましく、30%以下であることがさらに好ましい。
グラフェンシート組成物は、積層数が少ないグラフェンシートの含有量が多いことが好ましい。
グラフェンシート組成物中の7層以上のグラフェンシートの含有量は、通常、15%以下であり、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、0%であることが特に好ましい。グラフェンシート組成物中の7層以上のグラフェンシートの含有量が15%を超えると、樹脂複合材料の導電性が低下することがある。
グラフェンシート組成物は、前述のグラフェンシート組成物の製造方法により製造することができる。
前述のグラフェンシート組成物の製造方法により製造されているグラフェン及びグラフェンシートは、酸化黒鉛を経由せずに製造されているため、五角形や七角形のセルといった欠陥が少ない構造を有し、高い導電性を付与することができる。
なお、グラフェンシート組成物は、主成分としてグラフェンを30%以上100%未満の範囲で含むと共に、N層のグラフェンシートを含むため、樹脂複合材料に対する炭素材フィラーとして、好ましく使用することができる。
合成樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体等のポリオレフィン系樹脂、不飽和ジカルボン酸又はその無水物によりグラフト変性されたポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のグラフト変性ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル系樹脂、ポリビニリデンフルオライド等のフッ素系樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ABS樹脂が好ましい。
樹脂複合材料は、必要に応じて、軟化剤(可塑剤)、発泡剤、架橋剤、着色剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、紫外線防止剤、滑剤等の添加剤をさらに含んでいてもよい。
樹脂複合材料の製造方法としては、特に限定されないが、合成樹脂とグラフェンシート組成物を公知の汎用の混合機の中で均一に混合する方法等が挙げられる。
また、樹脂複合材料は、グラフェンシート組成物及び合成樹脂を含むマスターバッチを形成した後、混合機を用いて成形することにより製造してもよい。
混合機としては、特に限定されないが、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、プラストミル、ロール成形機等が挙げられる。
樹脂複合材料は、電磁波シールド用導電材、導電接続材、各種電子部品等のハウジング材、各種工業製品等に適用することができる。
また、樹脂複合材料は、導電性や熱伝導性の異方性が要求される各種工業製品等に使用することができる。例えば、バインダー樹脂、粘着剤・接着剤等の合成樹脂とグラフェンシート組成物を混合(混練)することにより、異方導電性シート、異方導電性フィルム、異方導電性塗料、異方導電性接着剤、異方導電性粘着剤、異方導電性ペースト、異方導電性インク等の異方導電材料として、使用することができる。異方導電材料は、一般的に、パーソナルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタンス、携帯電話、液晶テレビ等の電子機器に適用され、隣接する複数の基板を電気的に接続したり、半導体素子等の小型電子部品を基板に電気的に接着したりされる。また、異方導電材料は、相対向する基板や電極端子の間に挟み込んで、圧着することにより、異方性のある導電体や熱伝導体に適用される。
異方導電材料の製造方法としては、特に限定されないが、絶縁性のバインダー樹脂中や絶縁性の粘着剤・接着剤中に、グラフェンシート組成物を任意の濃度で添加し、均一に混合して分散させる方法等が挙げられる。
一例として、導電性異方シート、導電性異方フィルムの製造法を説明する。絶縁性のバインダー樹脂や絶縁性の粘着剤・接着剤を、加熱溶融ないし有機溶媒中に溶解させて、流動性を持たせた後、グラフェンシート組成物を投入し均一に混合し、流動性のあるうちに必要に応じてグラフェンシート組成物を配向させる。その後に、バインダー樹脂や粘着剤・接着剤を硬化させる。また、押し出し法により、異方性導電シートを製造することができ、カレンダー法、キャスト法により、異方性導電フィルムを製造することができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されない。なお、部は、質量部を意味する。
(実施例1)
連続フロー方式のグラフェンシート組成物の製造装置(図1参照)を用いて、以下の条件下で、グラフェンシート組成物を製造した。
まず、粒径が20μm以下の黒鉛(Aldrich社製)が超臨界流体用のエタノールに濃度1mg/mlで分散した黒鉛分散液を貯留容器115内に調製し、ポンプ130により、黒鉛分散液を10ml/minの流速で超臨界処理器155に供給した。超臨界処理器155内の超臨界条件は、420℃、12MPaとして、超臨界処理器155内の分散液の滞留時間(入口から導入され、出口から排出されるまでの時間)を約1.3分として液をフローした。超臨界処理器155には外部から超音波振動を印加した。超臨界処理器155から排出されたエタノール分散液は、配管165を介して、冷却槽168で室温大気圧まで冷却された後、ポンプ130を用いて、再度、同じ条件で超臨界処理器155に続けて供給した。このとき、排出されたエタノール分散液は、貯留タンク115内に所定量を貯留して、溶媒の超臨界処理器155への供給を不連続的に繰り返した。溶媒の超臨界処理器155への供給の繰り返し回数を3回とした。このとき、超臨界処理に要した時間は、4分間であった。
超臨界処理を行った分散液を容器185に送り、溶媒を溜去した後、真空乾燥させて、粉末状のグラフェンシート組成物を取得した。なお、溶媒を溜去する前に、所定の条件で遠心分離して原料の黒鉛やグラフェンの積層数が20層を超える黒鉛剥離物を分離除去した。グラフェンシート組成物は、グラフェンが未検出であり、2〜3層のグラフェンシートの含有量が15%であり、4〜6層のグラフェンシートの含有量が60%であり、7層以上のグラフェンシートの含有量が25%であった。
(実施例2)
超臨界処理回数を6回にした以外は、実施例1にして、粉末状のグラフェンシート組成物を取得した。このとき、超臨界処理に要した時間は、8分間であった。グラフェンシート組成物は、グラフェンが未検出であり、2〜3層のグラフェンシートの含有量が45%であり、4〜6層のグラフェンシートの含有量が35%であり、7層以上のグラフェンシートの含有量が20%であった。
(実施例3)
超臨界処理回数を12回にした以外は、実施例1と同様にして、粉末状のグラフェンシート組成物を取得した。このとき、超臨界処理に要した時間は、16分間であった。グラフェンシート組成物は、グラフェンの含有量が35%であり、2〜3層のグラフェンシートの含有量が30%であり、4〜6層のグラフェンシートの含有量が21%であり、7層以上のグラフェンシートの含有量が14%であった。
SPM(走査型プローブ顕微鏡)Agilent5500(東陽テクニカ社製)を用いて、グラフェンシート組成物の任意の30箇所の厚さ[nm]を測定したところ、グラフェンの含有量は、2〜20層の各層のグラフェンシートの含有量よりも多いことがわかった。
図4に、グラフェンシート組成物のTEM写真を示す。図4から、グラフェンの端面が観測された。
(実施例4)
超臨界処理回数を48回にした以外は、実施例1と同様にして、粉末状のグラフェンシート組成物を取得した。このとき、超臨界処理に要した時間は、62分間であった。グラフェンシート組成物は、グラフェンの含有量が90%であり、2〜3層のグラフェンシートの含有量が10%であり、4層以上のグラフェンシートが未検出であった。
SPM(走査型プローブ顕微鏡)Agilent5500(東陽テクニカ社製)を用いて、グラフェンシート組成物の任意の30箇所の厚さ[nm]を測定したところ、グラフェンの含有量は、それぞれ2層のグラフェンシートの含有量及び3層のグラフェンシートの含有量よりも多いことがわかった。
(グラフェンシート組成物の組成)
実施例1〜4のグラフェンシート組成物の組成を、励起波長が532nmのレーザーラマン分光光度計(XploRAラマン顕微鏡、HORIBA Jobin Yvon製)を用いて測定して2D−Bandの位置から推定した。このとき、測定基板上の測定点を30点とし、任意に選択した。
図5に、実施例1〜4のグラフェンシート組成物の組成の評価結果を示す。
(グラフェンシート組成物の粒度分布)
実施例1〜4で得られたグラフェンシート組成物の粒度分布を、レーザー回析装置Shimadzu SalD−700(島津製作所製)を用いて測定したところ、メジアン径(D50)が数十nm〜200nmの範囲にあるナノ粒子が観測された。
(リチウムイオン二次電池1−1の作製)
実施例3のグラフェンシート組成物を負極活物質として用い、以下の方法でリチウムイオン二次電池1−1を作製した。
まず、グラフェンシート組成物80部、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(市販品)10部及び導電助剤としてのカーボンブラック(市販品)10部を秤量して、これに適量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加え、攪拌混合し、負極用電極ペーストを調製した。
次に、ドクターブレード法により、厚さが20μmの銅箔上に負極用ペーストを約100μmの厚さで塗布した後、80℃で一晩真空乾燥させ、負極層を取得した。なお、負極層は、ハンドプレスにより、直径が15mmの円柱状に切り出して使用した。一方、厚さが0.5mmのリチウム箔を直径が15mmの円柱状に切り出して正極層を取得した。
セパレータとして、厚さが25μmのポリプロピレン製の多孔質フィルム(市販品)を準備した。また、エチレンカーボネート30体積%とメチルエチルカーボネート70体積%を混合した非プロトン性溶媒に、電解質としてのLiPFを1mol/dmの濃度で溶解させ、電解液を調製した。
負極層、電解液、正極層及びセパレータを用いて、直径が20mm、厚さが3.2mmの2032型コインセル形状のリチウムイオン二次電池1−1を作製した。
(リチウムイオン二次電池1−2の作製)
負極活物質として、粒径が20μm以下の黒鉛(Aldrich社製)を用いた以外は、リチウムイオン二次電池1−1の作製と同様にして、リチウムイオン二次電池1−2を作製した。
(リチウムイオン二次電池1−3の作製)
粒径が20μm以下の黒鉛(Aldrich社製)を、公知のHummers法(US Pat.No.2,798,878,July 9,1957)に従って、濃硫酸、硝酸ナトリウム及び過マンガン酸カリウムで酸化した後、得られた酸化黒鉛を約400℃の非酸化性雰囲気下で熱処理還元し、粉末状の酸化黒鉛の還元体を取得した。
負極活物質として、得られた酸化黒鉛の還元体を用いた以外は、リチウムイオン二次電池1−1の作製と同様にして、リチウムイオン二次電池1−3を作製した。
次に、リチウムイオン二次電池1−1〜1−3を用いて、25℃で充放電試験を行った。
(充放電試験)
充放電試験は、電池電位をレストポテンシャルから20mVまで、定電流で充電した後、定電流で1.5Vまで放電することにより実施した。
電流値は、公称容量値を372mAh/gとし、充放電の際にCレートが0.1Cになるように設定した。但し、0.1Cとは、公称容量値の容量を有するセルを定電流で充電した後、放電して、10時間で充放電が終了となる電流値のことである。電池の1サイクル目の放電容量(初期放電容量)を測定した。なお、Cレートとは、一般に電池の充放電の電流値を表し、Cレート=電流値(A)/容量(Ah)で表される。容量1Ahの電池を1Aで充放電すると1C、10Aで充放電すると10Cと表記するものである。
急速充放電特性に評価する為に、上記と同様に、Cレートを1C、2C、5Cとして、それぞれのCレートで電池の1サイクル目の放電容量(初期放電容量)を測定した。1C、2C、5Cの1サイクル目の放電容量を0.1Cの放電容量で除した値を、放電容量保持率として求めた。
表1に、リチウムイオン二次電池1−1〜1−3の充放電試験の評価結果を示す。
Figure 2014087992
表1から、リチウムイオン二次電池1−1は、初回放電容量及び放電容量保持率が優れることがわかる。
これに対して、リチウムイオン二次電池1−2は、負極活物質として、黒鉛が用いられているため、初回放電容量及び放電容量保持率が低下する。
また、リチウムイオン二次電池1−3は、負極活物質として、酸化黒鉛の還元体が用いられているため、初回放電容量及び放電容量保持率が低下する。ここで、酸化黒鉛の還元体は、熱処理還元しても酸素官能基の一部が残存し、また酸素官能基(水酸基、エポキシ基やカルボキシ基等)の脱離に伴い6面体構造以外の欠陥が多く残る構造であった為、充放電カーブにおける電位平坦領域の乏しいものであった。
(リチウムイオン二次電池2−1の作製)
実施例3のグラフェンシート組成物及び粒径が100nm以下のシリコン粒子(Aldrich社製)を負極活物質として用い、以下の方法でリチウムイオン二次電池2−1を作製した。
まず、グラフェンシート組成物72部、シリコン粒子8部、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(市販品)10部及び導電助剤としてのカーボンブラック(市販品)10部を秤量して、これに適量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加え、攪拌混合し、負極用電極ペーストを調製した。
得られた負極用電極ペーストを用いた以外は、リチウムイオン二次電池1−1と同様にして、リチウムイオン二次電池2−1を作製した。
(リチウムイオン二次電池2−2の作製)
実施例3のグラフェンシート組成物の代わりに、粒径が20μm以下の黒鉛(Aldrich社製)を用いた以外は、リチウムイオン二次電池2−1の作製と同様にして、リチウムイオン二次電池2−2を作製した。
(リチウムイオン二次電池2−3の作製)
粒径が20μm以下の黒鉛(Aldrich社製)を、公知のHummers法(US Pat.No.2,798,878,July 9,1957)に従って、濃硫酸、硝酸ナトリウム及び過マンガン酸カリウムで酸化した後、得られた酸化黒鉛を約400℃の非酸化性雰囲気下で熱処理還元し、粉末状の酸化黒鉛の還元体を取得した。
実施例3のグラフェンシート組成物の代わりに、得られた酸化黒鉛の還元体を用いた以外は、リチウムイオン二次電池2−1の作製と同様にして、リチウムイオン二次電池2−3を作製した。
次に、リチウムイオン二次電池2−1〜2−3を用いて、前述と同様にして、25℃で充放電試験を行った。
表2に、リチウムイオン二次電池2−1〜2−3の充放電試験の評価結果を示す。
Figure 2014087992
表2から、リチウムイオン二次電池2−1は、初回放電容量及び放電容量保持率が優れることがわかる。
これに対して、リチウムイオン二次電池2−2は、負極活物質として、黒鉛とシリコン粒子が用いられているため、初回放電容量及び放電容量保持率が低下する。
また、リチウムイオン二次電池2−3は、負極活物質として、酸化黒鉛の還元体とシリコン粒子が用いられているため、初回放電容量及び放電容量保持率が低下する。ここで、酸化黒鉛の還元体は、熱処理還元しても酸素官能基の一部が残存し、また酸素官能基(水酸基、エポキシ基やカルボキシ基等)の脱離に伴い6面体構造以外の欠陥が多く残る構造であった為、充放電カーブにおける電位平坦領域の乏しいものであった。
(リチウムイオン二次電池3−1の作製)
実施例3のグラフェンシート組成物を導電助剤として用い、以下の方法でリチウムイオン二次電池3−1を作製した。
まず、負極活物質としての粒径が20μm以下の黒鉛(Aldrich社製)72部及びシリコン粒子8部、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(市販品)10部及びグラフェンシート組成物10部を秤量して、これに適量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加え、攪拌混合し、負極用電極ペーストを調製した。
得られた負極用電極ペーストを用いた以外は、リチウムイオン二次電池1−1と同様にして、リチウムイオン二次電池3−1を作製した。
次に、リチウムイオン二次電池3−1を用いて、前述と同様にして、25℃で充放電試験を行った。その結果、リチウムイオン二次電池3−1の初回放電容量は、リチウムイオン二次電池2−2に対して、初回放電容量が同等であり、放電容量維持率は向上し、特に、2Cで約5%、5Cで約20%向上した。
(平板1の作製)
実施例3のグラフェンシート組成物を炭素材フィラーとして用い、以下の方法で平板1を作製した。
まず、合成樹脂としてのポリアセタール樹脂ジュラコンM90(ポリプラスチックス社製)に対して、グラフェンシート組成物を10質量%配合し、遊星式攪拌機を用いてドライブレンドした後、押出機を用いて溶融状態で混練させ、射出成形機で100mm×100mm×2mmの平板1を射出成形した。平板1から1mm幅に切り出し、4端針法により抵抗を測定したところ、1.2×10Ωであった。
(平板2の作製)
実施例3のグラフェンシート組成物の代わりに、粒径が20μm以下の黒鉛(Aldrich社製)を用いた以外は、平板1と同様にして、平板2を作製した。平板2から1mm幅に切り出し、4端針法により抵抗を測定したところ、5.0×10Ωであった。
(平板3の作製)
粒径が20μm以下の黒鉛(Aldrich社製)を、公知のHummers法(US Pat.No.2,798,878,July 9,1957)に従って、濃硫酸、硝酸ナトリウム及び過マンガン酸カリウムで酸化した後、得られた酸化黒鉛を約400℃の非酸化性雰囲気下で熱処理還元し、粉末状の酸化黒鉛の還元体を取得した。
実施例3のグラフェンシート組成物の代わりに、得られた酸化黒鉛の還元体を用いた以外は、平板1と同様にして、平板3を作製した。平板3から1mm幅に切り出し、4端針法により抵抗を測定したところ、5.7×10Ωであった。
表3に、平板1〜3の抵抗の評価結果を示す。
Figure 2014087992
表3から、平板1の導電性が優れることがわかる。
これに対して、平板2は、炭素材フィラーとして、黒鉛が用いられているため、導電性が低下する。
また、平板3は、炭素材フィラーとして、酸化黒鉛の還元体が用いられているため、導電性が低下する。ここで、酸化黒鉛の還元体は、熱処理還元しても酸素官能基の一部が残存し、また酸素官能基(水酸基、エポキシ基やカルボキシ基等)の脱離に伴い6面体構造以外の欠陥が多く残る構造であった為、充放電カーブにおける電位平坦性領域の乏しいものであった。
本国際出願は、2012年12月4日に出願された日本国特許出願2012−265833、2012−265834、2012−265835、2012−265836に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2012−265833、2012−265834、2012−265835、2012−265836の全内容を本国際出願に援用する。
100 グラフェンシート組成物の製造装置
110 原料部
115 貯留容器
120 黒鉛が分散している溶媒
125 配管
130 ポンプ
150 超臨界処理部
155 超臨界処理器
160 振動手段
165 配管
168 冷却槽
170 切り替えバルブ
172 配管
174 配管
180 回収部
185 容器

Claims (20)

  1. グラフェンを主成分として30%以上100%未満の範囲で含み、
    超臨界流体中で黒鉛を処理して得られることを特徴とするグラフェンシート組成物。
  2. 7層以上のグラフェンシートを15%以下で含むことを特徴とする請求項1に記載のグラフェンシート組成物。
  3. 請求項1に記載のグラフェンシート組成物を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  4. 請求項3に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
  5. 請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用負極を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  6. 請求項5に記載のリチウムイオン二次電池を有することを特徴とする組電池。
  7. 請求項1に記載のグラフェンシート組成物と、リチウムイオンの吸蔵と脱離が可能な金属粒子を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  8. 前記金属粒子は、アルミニウム、シリコン及び錫からなる群より選択される一種以上を含むことを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  9. 請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
  10. 請求項9に記載のリチウムイオン二次電池用負極を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  11. 請求項10に記載のリチウムイオン二次電池を有することを特徴とする組電池。
  12. 請求項1に記載のグラフェンシート組成物を含むことを特徴とする導電助剤。
  13. 請求項12に記載の導電助剤を含むことを特徴とする電極。
  14. 請求項13に記載の電極を有することを特徴とする電池。
  15. 請求項1に記載のグラフェンシート組成物と、合成樹脂を含むことを特徴とする樹脂複合材料。
  16. (a)黒鉛を含む溶媒を超臨界処理場に供給する工程と、
    (b)該超臨界処理場に供給された溶媒を超臨界状態にする工程と、
    (c)該超臨界状態にした溶媒を非超臨界状態に戻す工程を有し、
    前記(a)〜(c)の工程では、前記溶媒の流れを連続フロー方式で行い、
    前記(a)〜(c)の工程を連続的及び/又は不連続的に複数回繰り返すことを特徴とするグラフェンシート組成物の製造方法。
  17. 前記(b)及び/又は(c)の工程は、振動を印加した状態で行われることを特徴とする請求項16に記載のグラフェンシート組成物の製造方法。
  18. 前記(a)〜(c)の工程を連続的及び/又は不連続的に繰り返す回数が10回以上100回以下であることを特徴とする請求項16に記載のグラフェンシート組成物の製造方法。
  19. (a)黒鉛を含む溶媒を超臨界処理場に供給する手段と、
    (b)該超臨界処理場に供給された溶媒を超臨界状態にする手段と、
    (c)該超臨界状態にした溶媒を非超臨界状態に戻す手段を有し、
    前記(a)〜(c)の手段は、前記溶媒の流れを連続フロー方式で行うことを特徴とするグラフェンシート組成物の製造装置。
  20. 前記(b)及び/又は(c)の手段は、振動を印加する手段を有することを特徴とする請求項19に記載のグラフェンシート組成物の製造装置。
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