JPWO2014069461A1 - 難燃性粘着剤組成物及び難燃性粘着シート - Google Patents

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Abstract

ハロゲン化物を添加せずに難燃性を有し、かつ高温時においても粘着物性が維持される上、難燃性粘着剤組成物の均質塗工液の調製が容易な難燃剤を用いた難燃性粘着剤組成物を提供する。(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体と、(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤を含み、(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤の含有量が(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して20〜50質量部であり、かつ下記要件(1)及び(2)を満たすことを特徴とする難燃性粘着剤組成物である。(1)(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体が、重合する際の単量体成分として、(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜93質量%と(b)分子内にカルボキシル基を有するビニル化合物7〜30質量%を含む。(2)窒素雰囲気下における熱重量測定において、600℃における難燃性粘着剤組成物の質量保持率が20%以上である。

Description

本発明は、難燃性粘着剤組成物及び難燃性粘着シートに関する。さらに詳しくは、難燃性に優れるとともに、初期粘着性及び粘着性の経時安定性に優れた難燃性粘着剤組成物及び難燃性粘着シートに関する。
従来、電子部品等に管理用ラベルとして貼付される粘着シートは通常の粘着ラベルが使用されていた。近年、電子部品に対し難燃規格が要求されるようになり、それに伴いラベルにも難燃性が要求されつつある。
従来、電子部品等に使用される電気絶縁テープ等は、その安全性の基準として、UL94規格におけるVTM−0レベルの高い難燃性が求められている。
そこで、電気絶縁テープ等における粘着剤組成物の難燃性を向上させる方法として、一般に、粘着剤組成物に対し、難燃剤を含有させる方法が採られている。
また、かかる難燃剤としては、塩素や臭素等のハロゲン系化合物や、ハロゲン系化合物及び酸化アンチモンを併用したもの等が一般的であった。
しかしながら、ハロゲン系の難燃剤は、燃焼時にハロゲン系ガスが発生するため、人体に有害であるが故、使用しにくいという問題があった。
そこで、これらの問題を解決すべく、ハロゲン系化合物以外の難燃剤として、リン酸エステル系難燃剤を用いる方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、基材の少なくとも片面に、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤αとリン酸エステルβを含む粘着剤層が設けられてなる難燃性粘着テープであって、該粘着剤層中のベースポリマー100重量部に対してα+βが45〜250重量部、かつα/βが0.3〜3となるように配合された難燃性粘着テープが開示されている。
また、特許文献2には、少なくともカルボキシル基含有モノマー(a)を0.1〜15質量%用いてなるアクリル系ポリマー(A)と、イソシアネート系硬化剤(B)と、特定構造のホスフィン酸塩(C)とを含む難燃性粘着剤であって、ホスフィン酸塩(C)を、アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して30〜70質量部含有し、ホスフィン酸塩(C)の平均粒子径が0.1〜20μmである難燃性粘着剤が開示されている。
特開平11−323269号公報 特開2012−149183号公報
しかしながら、本発明者らは、特許文献1に開示された難燃性粘着シート等は、難燃性及び粘着性という相反特性のバランスをとることが難しいという問題があることに気付いた。即ち、難燃性を達成するために芳香族リン酸エステル系難燃剤や芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤を多量に添加すると、難燃剤の可塑化効果により高温時に可塑化し、粘着剤が軟化して粘着物性が低下する。
一方、特許文献2においては、難燃剤成分として用いるホスフィン酸塩が粒子状であるため、粒子状のホスフィン酸塩を多量に含むと難燃性粘着剤の塗工液を均一分散させることが困難である。また、該難燃剤を多く用いないと充分な難燃性が得られない等の問題点を有している。
本発明は、このような状況下になされたもので、ハロゲン化物を添加せずに難燃性を有し、かつ高温時においても粘着物性が維持される上、難燃性粘着剤組成物の均質塗工液の調製が容易な難燃剤を用いた難燃性粘着剤組成物、及びそれを用いた難燃性粘着シートを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を得た。
(メタ)アクリル酸エステル重合体と、難燃剤とを含む難燃性粘着剤組成物において、前記難燃剤が窒素含有リン酸塩系難燃剤を含むと共に、その含有量を特定の範囲とし、かつ前記(メタ)アクリル酸エステル重合体の単量体成分として、特定の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、分子内にカルボキシル基を有するビニル化合物、特にアクリル酸とを特定の割合で含むこと、及び600℃における質量保持率が20%以上である難燃性粘着剤組成物がその目的に適合し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[6]を提供するものである。
[1](A)(メタ)アクリル酸エステル重合体と、(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤を含み、(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤の含有量が(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して20〜50質量部であり、かつ下記要件(1)及び(2)を満たすことを特徴とする難燃性粘着剤組成物。
(1)(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体が、重合する際の単量体成分として、(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜93質量%と(b)分子内にカルボキシル基を有するビニル化合物7〜30質量%を含む。
(2)窒素雰囲気下における熱重量測定において、600℃における難燃性粘着剤組成物の質量保持率が20%以上である。
[2]さらに(C)架橋剤を含む、上記[1]に記載の難燃性粘着剤組成物。
[3](B)難燃剤がリン酸アンモニウム系難燃剤である、上記[1]又は[2]に記載の難燃性粘着剤組成物。
[4]基材の少なくとも一方の面に、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の難燃性粘着剤組成物を用いた粘着剤層が積層されたことを特徴とする難燃性粘着シート。
[5]粘着剤層の厚みが5〜30μmである、上記[4]に記載の難燃性粘着シート。
[6]基材が、UL94規格に準ずる試験においてVTM−0に適合する難燃性を有する、上記[4]又は[5]に記載の難燃性粘着シート。
本発明によれば、ハロゲン化物を添加せずに難燃性を有し、かつ高温時においても粘着物性が維持される上、難燃性粘着剤組成物の均質塗工液の調製が容易な難燃剤を用いた難燃性粘着剤組成物、及びそれを用いた難燃性粘着シートを提供することができる。
本発明の難燃性粘着シートの構成の一態様を示す難燃性粘着シートの断面模式図である。
[難燃性粘着剤組成物]
本発明の難燃性粘着剤組成物は、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体と、(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤を含み、(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤の含有量が(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して20〜50質量部であり、かつ下記要件(1)及び(2)を満たすことを特徴とする。
(1)(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体が、重合する際の単量体成分として、(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜93質量%と(b)分子内にカルボキシル基を有するビニル化合物7〜30質量%を含む。
(2)窒素雰囲気下における熱重量測定において、600℃における難燃性粘着剤組成物の質量保持率が20%以上である。
ここで、上記(2)の「窒素雰囲気下における熱重量測定において、600℃における難燃性粘着剤組成物の質量保持率が20%以上」とは、難燃性粘着剤組成物を窒素雰囲気下(窒素流量100ml/min)、昇温速度20℃/minの条件で600℃まで昇温して加熱した後の質量を「残存質量」、難燃性粘着剤組成物の加熱前の質量を「初期質量」とした場合に、下記式で表される質量保持率が20%以上であることをいう。
質量保持率(%)=(残存質量/初期質量)×100
難燃性と常温及び高温時の粘着物性とを両立する観点から、難燃性粘着剤組成物の質量保持率は、好ましくは21%以上、より好ましくは22%以上、さらに好ましくは24%以上である。当該質量保持率は、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
[(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体]
本発明の難燃性粘着剤組成物(以下、単に「粘着剤組成物」ともいう)においては、後述する(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤と共に、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体を含む。
なお、以下の記載において、例えば「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を意味し、他の類似用語も同様である。
(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体は、重合する際の単量体成分として、(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを70〜93質量%、及び(b)分子内にカルボキシル基を有するビニル化合物を7〜30質量%の割合で含む。
単量体成分(a)である、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。これらの中でも、粘着物性の安定性等の観点から、(メタ)アクリル酸ブチル、特にアクリル酸ブチルが好ましい。
なお、単量体成分(a)として、炭素数が13以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いた場合には、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体のガラス転移温度が高くなりすぎ、十分な粘着力が得られない。
一方、単量体成分(b)である分子内にカルボキシル基を有するビニル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸モノブチル等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの中では、(メタ)アクリル酸が好ましく、特にアクリル酸が好ましい。
(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体は、前述した単量体成分(a)を70〜93質量%、好ましくは75〜92質量%、及び単量体成分(b)を7〜30質量%、好ましくは8〜25質量%の割合で用い、従来公知の方法で共重合させることにより、得ることができる。共重合体の形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
なお、単量体成分(a)と単量体成分(b)の使用割合が上記範囲を逸脱すると、得られる粘着剤組成物の600℃における質量保持率を20%以上にすることが難しく、また所望の粘着物性が得られない。
また単量体成分(a)と単量体成分(b)以外にも、本発明の効果を損なわない程度でその他の単量体成分(c)を含んでいてもよい。その他の単量体成分(c)としては、単量体成分(a)と単量体成分(b)と共重合可能なビニル系モノマーであれば特に制限は無く、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙げられる。
(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体の重合の方法については特に制限は無く、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合のいずれであってもよいが、溶液重合と乳化重合が好ましい。
(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体の重量平均分子量は、好ましくは30万〜120万、より好ましくは40万〜80万、更に好ましくは50万〜70万である。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した標準ポリスチレン換算の値である。
[(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤]
本発明の粘着剤組成物においては、前述(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体と共に、(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤を含む。難燃剤として(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤を用いることにより、難燃性粘着剤組成物の均質塗工液の調製が容易となる。また、ハロゲン化物を添加せずに難燃性を有し、かつ高温時においても粘着物性が維持される難燃性粘着剤組成物を得ることができる。
上記窒素含有リン酸塩系難燃剤としては、リン酸アンモニウムやポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム系難燃剤が好ましく用いられる。
また、リン酸アンモニウム系以外の窒素含有リン酸塩系難燃剤としては、リン酸メラミン、リン酸ジメラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸エステルアミド、リン酸グアニジン等が挙げられる。これらの窒素含有リン酸塩化合物は、1種単独、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の難燃性粘着剤組成物においては、(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤の含有量は、前述した(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して、20〜50質量部である。この含有量が20質量部未満では難燃性能が不足し、一方50質量部を超えると常温ならびに高温下での粘着特性が低下する。当該含有量は、好ましくは25〜45質量部、より好ましくは28〜42質量部である。
本発明の難燃性粘着剤組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲において、(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤以外の難燃剤を用いてもよいが、当該含有量は、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して、好ましくは0〜35質量部、より好ましくは0〜28質量部、さらに好ましくは0〜14質量部、特に好ましくは0質量部である。
本発明の粘着剤組成物は、さらに(C)架橋剤を含むことができる。
[(C)架橋剤]
前述した(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体では、カルボキシル基含有ビニル化合物単位が架橋点として作用することができる。このような架橋点を持つ重合体の架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、金属キレート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を用いることができるが、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
このイソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等のポリイソシアネート化合物、及びこれらポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体、更にはこれらポリイソシアネート化合物と公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等とのアダクト体等が挙げられる。
これらのイソシアネート系架橋剤の中でも、粘着剤としての物性の観点から、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート及びこれらの変性体から選ばれる1種以上が好ましく、2,4−トリレンジイソシアネートの変性体が特に好ましい。
このイソシアネート系架橋剤は、当該(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して0.01〜10質量部の割合で用いることが好ましい。
(その他成分)
当該粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を配合することができる。その他の成分としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤及び濡れ性調整剤等が挙げられる。
次に、本発明の難燃性粘着シート(以下、単に「粘着シート」ともいう)について説明する。
[難燃性粘着シート]
本発明の難燃性粘着シートは、基材の少なくとも一方の面に、前述した本発明の難燃性粘着剤組成物を用いた粘着剤層が積層されてなることを特徴とする。
本発明の粘着シートの構成は、基材の片面又は両面に該粘着剤層を有していれば特に限定されない。
図1は、本発明の粘着シートの構成の一態様を示す図である。本発明の粘着シートの構成は、図1(a)のように、基材11の片面に粘着剤層12aを有する粘着シート1aに限らず、図1(b)のように、基材11の片面に形成された粘着剤層12aの上に、更に剥離シート13aが積層された粘着シート1bであってもよい。
また、本発明の粘着シートは、図1(c)のように、基材11の両面に粘着剤層12a、12bを有する粘着シート1cであってもよく、該粘着剤層12a、12bのそれぞれの上に、更に剥離シート13a、13bが積層された粘着シートであってもよい。なお、図1(c)において、剥離シート13a、13bの表示は省略する。
[基材]
本発明の粘着シートに用いられる基材は、UL94規格に準ずる試験においてVTM−0に適合する難燃性を有するものであることが好ましい。本発明において、「UL94規格に準ずる試験においてVTM−0に適合」とは、アンダーライターズラボラトリーズ社発行のプラスチック材料の難燃性試験規格UL94の薄手材料垂直燃焼試験方法に準ずる試験において、VTMランクがVTM−0と判定されるものであることをいう。
このような基材としては、樹脂単体で難燃性を有する樹脂からなる基材、難燃剤を含有させた樹脂からなる基材、上記樹脂がシートにコートまたはラミネートされてなる基材、及び金属箔等を用いることができる。本発明においては、樹脂製の基材を用いることが好ましい。
樹脂単体で難燃性を有する樹脂としては、ポリエーテルイミド樹脂やポリフェニレンエーテルイミド樹脂等のポリイミド樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等が挙げられる。
難燃剤を含有させた樹脂からなる基材に用いられる樹脂としては、上記樹脂単体で難燃性を有する樹脂のほか、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、EVA樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、エポキシ樹脂、ポリスチレン−ポリカーボネートアロイ樹脂、ポリスチレン−ABSアロイ樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
難燃剤としては、リン系難燃剤、シリコーン系化合物、メラミン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、グアニジン系化合物等の有機系難燃剤や、アンチモン系化合物、金属水酸化物等の無機系難燃剤が挙げられる。上記難燃剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、前記した樹脂単体で難燃性を有する樹脂や、難燃剤を含有させた樹脂がシートにコートまたはラミネートされてなる基材を用いてもよい。該シートとしては、例えば、シート状のプラスチック、含浸紙等の紙、織布、不織布等が挙げられる。
上記基材のうち、難燃性の観点から、ポリイミド樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、又はポリエーテルエーテルケトン樹脂からなる基材、又はこれらの樹脂が前記シートにコートされてなる基材であることが好ましい。
また、環境対応の観点から、ハロゲン系難燃剤を実質的に含有しない基材が好ましく、いずれの難燃剤も実質的に含有しない基材を用いることがより好ましい。
本発明の粘着シートに用いられる基材の具体的な製品例としては、ルミラーZV10(商品名、ポリエチレンテレフタレートフィルムにポリイミド樹脂をコートしたフィルム、東レ株式会社製)、トレリナ(商品名、ポリフェニレンサルファイド樹脂フィルム、東レ株式会社製)、ミクトロン(商品名、ポリアラミド樹脂フィルム、東レ株式会社製)、カプトン(商品名、ポリイミド樹脂フィルム、東レ・デュポン株式会社製)、スペリオUT(商品名、ポリエーテルイミド系樹脂フィルム、三菱樹脂株式会社製)、ダイアラミー(商品名、難燃剤含有ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、三菱樹脂株式会社製)等が挙げられる。
また、LAXRONポリカSDB−3(商品名、難燃剤含有ポリカーボネート樹脂フィルム、トキワ電気株式会社製)、サンロイドバリア(商品名、ポリフェニレンエーテル系樹脂フィルム、住友ベークライト株式会社製)、サンロイドエコシートポリカ(商品名、ノンハロゲン難燃剤含有ポリカーボネート樹脂フィルム、住友ベークライト株式会社製)、ウルテム(商品名、ポリエーテルイミド樹脂フィルム、旭硝子株式会社製)、レキサン(商品名、ポリカーボネート系樹脂シート、旭硝子株式会社製)、バロックス(商品名、ポリブチレンテレフタレート系樹脂フィルム、旭硝子株式会社製)、セフティーフィルム(商品名、ポリエチレン系樹脂フィルム、大井田工業株式会社製)等が挙げられる。なお、これらの製品例に限定されるわけではない。
基材の厚さは、粘着シートの用途に応じて適宜決定されるが、通常は1〜100μmであり、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜80μmである。
[粘着剤層]
本発明の粘着シートは、上記基材の少なくとも一方の面に前述した本発明の難燃性粘着剤組成物を用いて積層されてなる粘着剤層を有するものである。
本発明の粘着シートにおいて、難燃性及び粘着力の両立の観点から、該粘着剤層の片面あたりの厚みは5〜30μmであることが好ましく、10〜25μmであることがより好ましい。
なお、本発明において「粘着剤層の片面あたりの厚み」とは、基材の片面又は両面に設けられる粘着剤層のそれぞれの厚み(図1(a)〜(c)のZ1、Z2の各々)を示す。
[剥離シート]
本発明の粘着シートは、例えば図1(b)に示すように、粘着剤層の上に剥離シートが積層されたものであってもよい。
本発明の粘着シートに用いられる剥離シートとしては、特に制限がないが、取り扱い易さの観点から、シート基材上に剥離剤を塗布した剥離シートが好ましい。剥離シートは、シート基材の両面に剥離剤が塗布され剥離処理がされたものでもよく、シート基材の片面のみに剥離剤が塗布され剥離処理がされたものでもよい。
剥離シートに用いられるシート基材としては、例えば、グラシン紙、コート紙、キャストコート紙等の紙基材、これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、又はポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等のプラスチックフィルム等が挙げられる。
剥離剤としては、例えば、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
剥離シートの厚さは、特に制限はないが、通常20〜200μm、好ましくは25〜150μmである。
剥離シートにおける剥離剤からなる層の乾燥後の厚さとしては、特に限定されないが、剥離剤を溶液状態で塗布する場合は、好ましくは0.01〜2.0μm、より好ましくは0.03〜1.0μmである。剥離シートのシート基材としてプラスチックフィルムを用いる場合、該プラスチックフィルムの厚さは、好ましくは3〜50μm、より好ましくは5〜40μmである。
[粘着シートの製造方法]
本発明の粘着シートの製造方法は、特に限定されない。
図1(a)に示された粘着シート1aの製造方法としては、基材11上に、本発明の粘着剤組成物を塗布及び乾燥させて粘着剤層12aを形成して製造する方法や、剥離シート13a上に、本発明の粘着剤組成物を塗布及び乾燥させて粘着剤層12aとし、当該粘着剤層12aと基材11とを貼り合わせて、一旦粘着シート1bを得た後、剥離シートを除去して製造する方法等が挙げられる。
また、図1(b)に示された粘着シート1bの製造方法としては、上記粘着シート1aを製造した後、粘着剤層12a上に剥離シート13aを積層して製造する方法や、剥離シート13a上に、本発明の粘着剤組成物を塗布及び乾燥させて粘着剤層12aとし、当該粘着剤層12aと基材11とを貼り合わせて製造する方法等が挙げられる。
図1(c)に示された粘着シート1cの製造方法としては、基材11の片面上に、本発明の粘着剤組成物を塗布及び乾燥させて粘着剤層12aを形成した後、基材11の他方の面上に、同様にして、粘着剤層12bを形成して製造する方法や、剥離シート上に粘着剤層を設けたシートを2枚用意し、当該シートの粘着剤層と基材とを貼り合わせて、一旦粘着シート1bを得た後、剥離シートを除去して製造する方法等が挙げられる。
粘着剤組成物を塗布する際は、基材上に厚みの薄い粘着剤層を形成しやすくするために、該粘着剤組成物を溶媒で希釈して、適当な固形分濃度のコーティング液を調製し、これを塗布することが好ましい。
用いる溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンの有機溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒を配合して、適度な固形分濃度の粘着剤溶液とすることで、薄膜化した粘着剤層を形成することができる。粘着剤溶液の固形分濃度は、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜40質量%である。5質量%以上であれば、塗布するための粘度としては十分であり、60質量%以下であれば、粘着剤溶液が適度な粘度となり、該粘着剤溶液を塗布するに際して作業性が良好となる。
基材上又は剥離シート上に粘着剤層を形成する方法は、特に制限はなく、例えば、上記の有機溶媒を配合したコーティング液を公知の塗布方法により形成する方法が挙げられる。
塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ロールナイフコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等の公知の方法が挙げられる。
また、溶剤や低沸点成分の残留を防ぐと共に、架橋剤が配合されている場合には架橋(反応)を進行させて粘着性を発現するために、基材や剥離シートに塗布した後、加熱処理をすることが好ましい。
[粘着シートの物性]
以上のようにして作製される本発明の粘着シートは、以下の実施例記載の測定方法において、常温(23℃、50%RH(相対湿度))での粘着力が8N/25mm以上、高温(80℃)時粘着力が8N/25mm以上、及び難燃性がUL94規格でVTM−0であり、常温粘着力、高温(80℃)粘着力及び難燃性の全てを充分に満たすことができる。
次に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
以下の実施例の記載において示された重量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製「HLC−8020」を用いて、下記の条件で測定し、標準ポリスチレン換算にて求めた値である。
(測定条件)
カラム:「TSK gel GMHXL(×2)」「TSK gel G2000HXL」(いずれも東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
検出器:示差屈折計
また、実施例で得られた難燃性粘着シートの常温粘着力試験、高温(80℃)時粘着力試験、質量保持率及び難燃性評価は、以下に示す方法により行った。
(1)常温粘着力試験
基材として、両面にポリイミドをコーティングしたポリエステルフィルム(東レ株式会社製、商品名「ルミラーZV10#25」、厚み25μm)を用いたこと以外は、下記の実施例及び比較例と同様の方法で、粘着力試験用の粘着シートを作製した。
剥離シートを剥離し、23℃、50%RH環境下で、25mm×300mmにカットした上記粘着シートの試験片を被着体(SUS304鋼板♯360)に重さ2kgのゴムローラを用いて1往復させて試験片を貼付して、粘着力試験用サンプルとした。貼付24時間後、剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件にて引き剥がし法で粘着力を測定した。
(2)高温(80℃)時の粘着力試験
試験には前記(1)の常温粘着力試験で用いた粘着シートと同じものを用いた。
剥離シートを剥離し、23℃、50%RH環境下で、25mm×300mmにカットした上記粘着シートの試験片を被着体(SUS304鋼板♯360)に重さ2kgのゴムローラを用いて1往復させて試験片を貼付して、粘着力試験用サンプルとした。貼付24時間後、80℃環境下にて60分放置後、同環境下で剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件にて引き剥がし法で粘着力を測定した。
(3)質量保持率
基材に代えて、剥離シート(リンテック株式会社製、商品名「SP−PET381031」、剥離処理面にシリコーンがコーティングされたポリエステルフィルム、厚み38μm)を用い、実施例及び比較例と同様にして難燃性粘着剤層が2枚の剥離シートに挟持された形態の質量保持率試験用の粘着シートを作製した。
粘着シートを所定の大きさに切り出し、2枚の剥離シートを剥離して測定用サンプルとし、初期質量を測定した。その後、測定用サンプルを、熱分析装置(株式会社島津製作所製、商品名「DTG−60」)を用いて、窒素雰囲気下(窒素流量100ml/min)、昇温速度20℃/minの条件で600℃まで昇温して加熱を終了し、残存質量を測定した。
そして、下記式から、質量保持率(%)を求めた。
質量保持率(%)=(残存質量/初期質量)×100
(4)難燃性評価
作製した難燃性粘着シートの剥離シートを剥離し、アンダーライターズラボラトリーズ社発行のプラスチック材料の難燃性試験規格UL94の薄手材料垂直燃焼試験方法に準ずる試験を行い、VTMランクを判定した。評価に用いた難燃性粘着シートのサンプルサイズは50mm×200mmであり、粘着剤層を外側にして試験を行った。
なお、VTMランクの判定基準は下記の通りである。
VTM−0;サンプルの燃焼時間が10秒以内であり、かつ燃焼物又は落下物による脱脂綿の着火が起こらず、更に標線(サンプル下端より125mmの位置)までの燃焼が認められない。
VTM−1;サンプルの燃焼時間が30秒以内であり、かつ燃焼物又は落下物による脱脂綿の着火が起こらず、更に標線までの燃焼が認められない。
VTM−2;サンプルの燃焼時間が30秒以内であり、かつ標線までの燃焼が認められない。
なお、表2において、VTM−0に適合したものを「VTM−0」、VTM−0に適合せずVTM−1に適合したものを「VTM−1」、VTM−0及びVTM−1に適合せずVTM−2に適合したものを「VTM−2」、VTM−0とVTM−1とVTM−2のいずれにも適合しなかったものを「不合格」とした。
製造例1
(アクリル系共重合体溶液1の調製)
単量体成分として、アクリル酸ブチル90質量部、及びアクリル酸10質量部、溶剤として、酢酸エチル200質量部、重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を反応器に入れ混合した。4時間窒素ガスで脱気を行い、60℃まで徐々に昇温した後、24時間撹拌しながら重合反応を行い、重量平均分子量が65万のアクリル系共重合体1を含む酢酸エチル溶液(固形分濃度33質量%)を得た。
製造例2
(アクリル系共重合体溶液2の調製)
単量体成分として、アクリル酸ブチル80質量部、及びアクリル酸20質量部を用いたこと以外は、製造例1と同様に重合反応を行い、重量平均分子量が60万のアクリル系共重合体2を含む酢酸エチル溶液(固形分濃度33質量%)を得た。
製造例3
(アクリル系共重合体溶液3の調製)
単量体成分として、アクリル酸ブチル95質量部、及びアクリル酸5質量部を用いたこと以外は、製造例1と同様に重合反応を行い、重量平均分子量が60万のアクリル系共重合体3を含む酢酸エチル溶液(固形分濃度33質量%)を得た。
製造例4
(アクリル系共重合体溶液4の調製)
単量体成分として、アクリル酸ブチル48質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル48質量部及びアクリル酸4質量部を用いたこと以外は、製造例1と同様に重合反応を行い、重量平均分子量が60万のアクリル系共重合体4を含む酢酸エチル溶液(固形分濃度33質量%)を得た。
実施例1
(難燃性粘着シートの作製)
製造例1で得たアクリル系共重合体1を含む酢酸エチル溶液100質量部(固形分)と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン株式会社製、商品名「コロネートL」、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートの酢酸エチル溶液(固形分75質量%))2.3質量部(固形分)と、窒素含有リン酸塩系難燃剤(株式会社ADEKA製、商品名「アデカスタブFP−2200」)30質量部との混合物を、固形分濃度が10質量%となるように酢酸エチルで希釈し、粘着剤組成物の溶液を調製した。
この溶液を、剥離シートである、シリコーン処理された38μmポリエステルフィルム(リンテック株式会社製、商品名「SP−PET381031」)に、乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥した後に、基材である、両面にポリイミド樹脂がコートされたポリエステルフィルム(東レ株式会社製、商品名「ルミラーZV30#40」、厚み:47μm、UL94規格に準ずる試験においてVTM−0に適合)に転写し、23℃、50%RH環境下で7日間シーズニングを行い、難燃性粘着シートを作製した。
なお、難燃性粘着シートの各層の厚みならびに総厚みは、シート断面を電子顕微鏡(株式会社キーエンス製、商品名「VHX−1000」)で観測することで測定した。
実施例2〜5及び比較例1〜6
粘着剤組成を表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着シートを作製した。
表1における、主剤、難燃剤、架橋剤の詳細は、以下のとおりである。
BA:アクリル酸ブチル
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
AAc:アクリル酸
FP2200:アデカスタブFP2200(株式会社ADEKA製、窒素含有リン酸塩系難燃剤)
TBP:トリブチルホスフェート(大八化学工業株式会社製)
コロネートL:イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン株式会社製、商品名「コロネートL」、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートの酢酸エチル溶液(固形分75質量%))
実施例1〜5及び比較例1〜6で得られた難燃性粘着シートの常温粘着力(試験1)、高温(80℃)時粘着力(試験2)、質量保持率(試験3)、及び難燃性評価(UL94垂直燃焼性、試験4)の結果を表2に示す。
本発明の難燃性粘着剤組成物は、ハロゲン化物を添加せずに難燃性を有し、かつ高温時においても粘着物性が維持される上、難燃性粘着剤組成物の均質塗工液の調製が容易な難燃剤を用いた難燃性粘着剤組成物であって、この粘着剤組成物を用いることにより、優れた難燃性と、常温粘着力及び高温(80℃)時粘着力を有する難燃性粘着シートを提供することができる。
1a、1b、1c 難燃性粘着シート
11 基材
12a、12b 粘着剤層
13a 剥離シート

Claims (6)

  1. (A)(メタ)アクリル酸エステル重合体と、(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤を含み、(B)窒素含有リン酸塩系難燃剤の含有量が(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して20〜50質量部であり、かつ下記要件(1)及び(2)を満たすことを特徴とする難燃性粘着剤組成物。
    (1)(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体が、重合する際の単量体成分として、(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜93質量%と(b)分子内にカルボキシル基を有するビニル化合物7〜30質量%を含む。
    (2)窒素雰囲気下における熱重量測定において、600℃における難燃性粘着剤組成物の質量保持率が20%以上である。
  2. さらに(C)架橋剤を含む、請求項1に記載の難燃性粘着剤組成物。
  3. (B)難燃剤がリン酸アンモニウム系難燃剤である、請求項1又は2に記載の難燃性粘着剤組成物。
  4. 基材の少なくとも一方の面に、請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性粘着剤組成物を用いた粘着剤層が積層されたことを特徴とする難燃性粘着シート。
  5. 粘着剤層の厚みが5〜30μmである、請求項4に記載の難燃性粘着シート。
  6. 基材が、UL94規格に準ずる試験においてVTM−0に適合する難燃性を有する、請求項4又は5に記載の難燃性粘着シート。
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