JP6482268B2 - 粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、粘着シートに関する。
近年、様々な分野において、使用される部材に難燃性が要求されている。高い難燃性が要求される分野としては、例えば、電子機器、電子部品、航空機、および原子力発電所などが挙げられる。難燃性は、部材に要求されるだけでなく、部材同士を固定する粘着テープや部材に貼付される粘着ラベル等の粘着シートにも要求されている。難燃性の指標としては、UL94規格のVTM基準が挙げられる。
例えば、特許文献1には、UL94規格のVTM−0に適合する粘着シートとして、(メタ)アクリル系ポリマーと、複数種類の難燃剤と、架橋剤と、芳香族系粘着付与樹脂と、が所定比で配合された粘着剤組成物を、ポリイミドフィルムの表面に塗布し、塗膜を加熱乾燥して得た難燃性粘着テープが記載されている。
このように、従来、粘着剤に配合する難燃剤の種類を工夫したり、配合量を増やしたりすることで、粘着剤の最大発熱速度を小さくして、難燃性を向上させる試みがなされている。
一方、特許文献2には、特定の難燃性フィルムの表面に、難燃性を付与していない、或いは付与していても難燃性フィルムよりも低い難燃性を有する粘着剤をスジ塗り塗布して得た難燃性フィルム粘着テープが記載されている。
特開2013−18944号公報 特開2008−50423号公報
特許文献1の難燃性粘着テープでは、粘着剤組成物に複数種類の特定の難燃剤を多量に配合し、最大発熱速度を小さくする必要がある。特許文献2の難燃性フィルム粘着テープでは、難燃性を付与していない粘着剤を用いているが、粘着剤をスジ塗り塗布しなければ難燃性が低下している。
本発明の目的は、高い最大発熱速度を示す粘着剤がスジ塗り等の特殊な形状で塗布されていなくても、UL94規格のVTM基準に適合する難燃性を有する粘着シートを提供することである。
本発明の一態様に係る粘着シートは、基材と、粘着剤が含まれている粘着剤層と、を有し、前記基材は、UL94規格に準ずる試験においてVTM−0に適合する難燃性を有し、前記基材のMD方向の50℃から60℃の間における平均線膨張係数は、0.45×10−5/K以上10.0×10−5/K以下であり、前記基材のMD方向の引張破断伸度が230%未満であり、50mm×50mm×0.16mmのサイズに加工した前記粘着剤のマルチカロリーメータによって測定される最大発熱速度が25W/cm以上である。
本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記基材は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、およびポリカーボネート樹脂からなる群から選択される少なくともいずれかで構成されることが好ましい。
本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記粘着剤は、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、およびゴム系粘着剤からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことが好ましい。
本発明の一態様に係る粘着シートにおいて、前記粘着剤に難燃剤が含まれていないことが好ましい。
本発明の一態様によれば、スジ塗り等の特殊な形状で粘着剤が塗布されていなくても、UL94規格のVTM基準に適合する難燃性を有する粘着シートが提供される。
本発明の一実施形態に係る粘着シートの断面図である。
(粘着シート)
図1(A)に示されているように、本実施形態に係る粘着シート1は、基材10と、粘着剤が含まれている粘着剤層20と、を有する。本実施形態に係る粘着シート1は、基材10の第一の面11に粘着剤層20を有する。
(基材)
基材10は、UL94規格に準ずる試験においてVTM−0に適合する難燃性を有する。本明細書において、「UL94規格に準ずる試験においてVTM−0に適合」とは、アンダーラボラトリーズ社発行のプラスチック材料の難燃性試験規格UL94の薄手材料垂直燃焼試験方法に準ずる試験において、VTMランクがVTM−0と判定されることをいう。また、本明細書において、「UL94規格のVTM基準に適合」とは、VTMランクが、VTM−0、VTM−1、またはVTM−2と判定されることをいう。さらに、本明細書において、「MD方向」とは、基材10を与える原反の長手方向(原反の製造時の送り方向)に平行な方向を示す語として用いており、以下についても同様である。
さらに、本実施形態に係る粘着シート1において、基材10のMD方向の50℃から60℃の間における平均線膨張係数は、0.45×10−5/K以上10.0×10−5/K以下である。基材10のMD方向の50℃から60℃の間における平均線膨張係数は、0.6×10−5/K以上5×10−5/K以下であることが好ましく、1×10−5/K以上3×10−5/K以下であることがより好ましい。平均線膨張係数が、0.45×10−5/K以上であれば、粘着シート1の難燃性を向上させることができる。また、平均線膨張係数が10.0×10−5/K以下であれば、基材10のラベル基材としての寸法安定性が向上する。
例えば、燃焼し易い粘着剤が塗布された粘着シートにおいて、基材がポリイミドのように平均線膨張係数が小さい材料の場合、基材に熱が加わっても伸び難く、VTM試験時に燃焼が標線まで素早く到達してしまう。本実施形態に係る上述の平均線膨張係数の範囲であれば、熱が加わることによって基材が伸び、燃焼が標線に到達する前に基材が溶融して落下する。
基材10の平均線膨張係数は、熱機械分析(TMA:Thermomechanical Analysis)によって測定することができる。例えば、後述する実施例に記載の方法によって、平均線膨張係数を測定することができる。なお、平均線膨張係数の測定方法は、実施例に記載の方法に限定されない。
さらに、本実施形態に係る粘着シート1において、基材10のMD方向の引張破断伸度が230%未満である。基材10のMD方向の引張破断伸度は、200%未満であることが好ましく、180%未満であることがより好ましい。引張破断伸度が230%未満であれば、粘着シート1の印字ラベルや印刷ラベルとしての適性が向上する。基材10のMD方向の引張破断伸度は、ラベル基材として、三次元曲面への貼付適性の観点から、50%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、100%以上であることが更に好ましい。
基材10の引張破断伸度は、引張試験器を用いて測定することができる。例えば、後述する実施例に記載の方法によって、引張破断伸度を測定することができる。なお、引張破断伸度の測定方法は、実施例に記載の方法に限定されない。
基材10の材質は、前述のVTMランク、平均線膨張係数、および引張破断伸度の条件を満たせば、特に限定されない。
基材10は、樹脂製であることが好ましい。樹脂製基材としては、例えば、難燃性を有する樹脂(以下、難燃性樹脂という場合がある。)で構成される基材、難燃剤を含む樹脂で構成される基材、並びに難燃性樹脂または難燃剤を含む樹脂で構成されるコーティング層によって芯材の表面がコートされた基材などが挙げられる。
難燃性を有する樹脂としては、例えば、ポリエーテルイミド樹脂およびポリフェニレンエーテルイミド樹脂等のポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、並びにポリエーテルエーテルケトン樹脂等が挙げられる。
難燃剤を含む樹脂で構成される樹脂製基材において、難燃剤を含有させる樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、エポキシ樹脂、ポリスチレン−ポリカーボネートアロイ樹脂、ポリスチレン−ABSアロイ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、並びにポリエーテルエーテルケトン樹脂等が挙げられる。
樹脂製基材を構成する樹脂は、粘着シート1の製造コストの観点から、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、およびポリカーボネート樹脂からなる群から選択される少なくともいずれかであることが好ましい。
難燃剤を含む樹脂で構成される樹脂製基材において、樹脂に含有させる難燃剤としては、例えば、有機系難燃剤や、無機系難燃剤が挙げられる。有機系難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系化合物、メラミン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、およびグアニジン系化合物等が挙げられる。無機系難燃剤としては、例えば、アンチモン系化合物、および金属水酸化物等が挙げられる。上記難燃剤は、単独で樹脂に含有されていてもよいし、2種以上組み合わせて樹脂に含有されていてもよい。
なお、環境対応の観点から、ハロゲン系難燃剤を含有しない基材10を粘着シート1に用いることが好ましい。
前述のコーティング層を備える樹脂製基材における芯材としては、例えば、合成樹脂製のシートおよびフィルム、上質紙および含浸紙等の紙、金属箔、織布、並びに不織布等が挙げられる。これらの芯材は、その表面に前述の難燃性樹脂や難燃剤を含む樹脂で構成されるコーティング層を有することが好ましい。
基材10は、プラスチック材料の難燃性試験規格UL94の薄手材料垂直燃焼試験方法に準ずる試験において、バーナーの炎に接した時に溶融して落下する材質であることが好ましい。このような材質を有する基材10を粘着シート1に用いることで、前述のVTM基準に適合する難燃性を向上させることができる。
基材10は、第一の面11とは反対側に第二の面12を有する(図1(A)参照)。
基材10は、印字ラベルや印刷ラベルとしての適性を向上させるため、第二の面12に印字用コート層や印刷用コート層を有することが好ましい。
印字用コート層および印刷用コート層は、コート剤を含有し、好ましくはアクリル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンポリエステル系樹脂およびエポキシ系樹脂の少なくともいずれかを含有する。コート剤は、印字性や印刷性の向上を目的として、前述の樹脂を2種以上含んでいることが好ましい。また、コート剤は、印字性や耐熱性の向上を目的として、例えば、炭化ケイ素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、および酸化ジルコニウムなどの粉末、銀粉、金粉、並びに鉄粉などからなる群から選択される1種以上の粉体を含有していてもよい。このようなコート剤は、トナー、熱転写印字用リボンおよび印刷用インキとの密着性に優れている。
基材10は、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜、難燃剤以外の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、着色材料、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、およびブロッキング防止剤などが挙げられる。着色材料としては、例えば、二酸化チタン、およびカーボンブラック等が挙げられる。
基材10の厚さは、粘着シート1の用途に応じて適宜決定される。基材10の厚さは、材質によって好ましい範囲が異なる場合もあるが、通常は1μm以上200μm以下であり、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上80μm以下であることがより好ましい。基材10の厚さが前述の範囲内であれば、UL94規格に準ずる試験において粘着シート1を燃焼させた際に、燃焼が試験片の標線を超えてしまうことを防止できる。また、基材10の厚さが前述の範囲内であれば、粘着シート1の印字ラベルや印刷ラベルとしての印字適性が向上する。
(粘着剤層)
本実施形態に係る粘着シート1の粘着剤層20は、最大発熱速度が25W/cm以上である粘着剤を含む。粘着剤の最大発熱速度は、100W/cm以下であることが好ましい。また、粘着剤の最大発熱速度は、30W/cm以上100W/cm以下であることが好ましく、30W/cm以上50W/cm以下であることがより好ましく、30W/cm以上40W/cm以下であることがさらに好ましい。粘着剤の最大発熱速度が25W/cm以上であれば、VTM−0に適合する難燃性を有する基材10を備える粘着シート1において、UL94規格のVTM基準に適合する難燃性を付与することができる。粘着剤の最大発熱速度が100W/cm以下であれば、UL94規格に準ずる試験において粘着シート1を燃焼させた際に、炎が大きくなり過ぎて、燃焼が試験片の標線を超えてしまうことを防止できる。
本明細書において、粘着剤の最大発熱速度は、50mm×50mm×0.16mmのサイズに加工された粘着剤の試験片についてマルチカロリーメータを用いて測定することで得られる。マルチカロリーメータを用いた最大発熱速度の測定方法としては、例えば、後述する実施例に記載の方法が挙げられる。なお、最大発熱速度の測定方法は、実施例に記載の方法に限定されない。
粘着剤層20を構成する粘着剤は、前述の最大発熱速度の条件を満たせば、特に限定されない。例えば、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系、シリコーン系粘着剤、およびポリビニルエーテル系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、粘着剤層20を構成する粘着剤は、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、およびゴム系粘着剤からなる群から選択される少なくともいずれかであることが好ましく、アクリル系粘着剤であることがより好ましい。
アクリル系粘着剤としては、例えば、直鎖のアルキル基または分岐鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含む重合体、および環状構造を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含むアクリル系重合体等が挙げられる。ここで「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の双方を示す語として用いており、他の類似用語についても同様である。
前述のアクリル系重合体が共重合体である場合、共重合の形態としては、特に限定されない。アクリル系共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、またはグラフト共重合体のいずれであってもよい。
これらの中でも、本実施形態で用いるアクリル系粘着剤としては、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1’)(以下、「単量体成分(a1’)」ともいう)に由来する構成単位(a1)、および官能基含有モノマー(a2’)(以下、「単量体成分(a2’)」ともいう)に由来する構成単位(a2)を含むアクリル系共重合体が好ましい。
なお、当該アクリル系共重合体は、単量体成分(a1’)および単量体成分(a2’)以外のその他の単量体成分(a3’)に由来する構成単位(a3)をさらに含んでいてもよい。
単量体成分(a1’)が有するアルキル基の炭素数としては、粘着特性の向上の観点から、好ましくは1〜12、より好ましくは4〜8、更に好ましくは4〜6である。単量体成分(a1’)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、およびステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体成分(a1’)の中でも、ブチル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、ブチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
構成単位(a1)の含有量は、上記アクリル系共重合体の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは50質量%以上99.5質量%以下、より好ましくは55質量%以上99質量%以下、更に好ましくは60質量%以上97質量%以下、より更に好ましくは65質量%以上95質量%以下である。
単量体成分(a2’)としては、例えば、ヒドロキシ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミノ基含有物モノマー、シアノ基含有モノマー、ケト基含有モノマー、およびアルコキシシリル基含有モノマー等が挙げられる。これらの単量体成分(a2’)の中でも、ヒドロキシ基含有モノマーとカルボキシ基含有モノマーが好ましい。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、および4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、およびイタコン酸等が挙げられ、(メタ)アクリル酸が好ましい。
構成単位(a2)の含有量は、上記アクリル系共重合体の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは0.1質量%以上50質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上40質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以上30質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以上20質量%以下である。
単量体成分(a3’)としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン等の環状構造を有する(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、アクリロニトリル、およびスチレン等が挙げられる。
構成単位(a3)の含有量は、アクリル系共重合体の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは0質量%以上40質量%以下、より好ましくは0質量%以上30質量%以下、更に好ましくは0質量%以上25質量%以下、より更に好ましくは0質量%以上20質量%以下である。
なお、上述の単量体成分(a1’)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、上述の単量体成分(a2’)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、上述の単量体成分(a3’)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着剤層20を構成する粘着剤には、更に架橋剤を含有してもよい。
特に、粘着剤として、上述のアクリル系粘着剤(特に、上述の官能基を有するアクリル系粘着剤)を用いる場合には、形成される粘着剤層の粘着力を向上させる観点から、架橋剤を含有することが好ましい。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アミン系架橋剤、およびアミノ樹脂系架橋剤等が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、粘着力を向上させる観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、およびリジンイソシアネート等の多価イソシアネート化合物が挙げられる。
また、多価イソシアネート化合物は、上記化合物のトリメチロールプロパンアダクト型変性体、水と反応させたビュウレット型変性体、またはイソシアヌレート環を含むイソシアヌレート型変性体であってもよい。
粘着剤中の架橋剤の含有量は、アクリル系粘着剤の場合は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上15質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上10質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上5質量部以下である。またウレタン系粘着剤の場合は、ウレタン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上40質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上30質量部以下、更に好ましくは0.1質量部以上25質量部以下である。
粘着剤層20を構成する粘着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分が含まれていてもよい。粘着剤に含まれ得るその他の成分としては、例えば、有機溶媒、難燃剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤、および濡れ性調整剤などが挙げられる。なお、粘着剤層20を構成する粘着剤は、難燃剤を含有しないことが好ましい。粘着剤層20に難燃剤が含まれていなければ、環境対応の観点、および粘着シート1の粘着力の観点からも好ましい。ここでいう「難燃剤」とは、基材10について述べた際に示した難燃剤と同じである。また、「難燃剤を含有しない」とは、粘着剤が、難燃剤を実質的に含有しないことを意味する。
粘着剤層20の厚さは、粘着シート1の用途に応じて適宜決定される。例えば、難燃性、および粘着性を両立させる観点から、基材10の第一の面11に形成された粘着剤層20の厚さt(図1(A)参照)は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上40μm以下であることがより好ましい。
(粘着シートの製造方法)
粘着シート1の製造方法は、特に限定されない。
例えば、粘着シート1は、次のような工程を経て製造される。まず、基材10の第一の面11の上に粘着剤を塗布し、塗膜を形成する。次に、この塗膜を乾燥させて、粘着剤層20を形成する。
また、粘着シート1の別の製造方法としては、次のような工程を経て製造される。まず、剥離シートの上に粘着剤を塗布し、塗膜を形成する。次に、塗膜を乾燥させて、粘着剤層20を形成し、この粘着剤層20に基材10の第一の面11を貼り合わせる。その後、剥離シートを剥がせば、粘着シート1が得られる。
粘着剤を塗布して粘着剤層20を形成する場合、有機溶媒で粘着剤を希釈してコーティング液を調製して用いることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、およびメチルエチルケトン等が挙げられる。コーティング液を塗布する方法は、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、およびグラビアコート法等が挙げられる。粘着剤は、基材10にスジ状に塗布されていなくてもよい。また、粘着剤は、基材10にベタ塗りされていてもよい。
有機溶媒や低沸点成分が粘着剤層20に残留することを防ぐため、コーティング液を基材10や剥離シートに塗布した後、塗膜を加熱して乾燥させることが好ましい。また、粘着剤に架橋剤が配合されている場合には、架橋反応を進行させて粘着性を発現させるためにも、塗膜を加熱することが好ましい。
本実施形態に係る粘着シート1は、高い最大発熱速度を示す粘着剤がスジ塗り等の特殊な形状で塗布されていなくても、UL94規格のVTM基準に適合する難燃性を有する。
従来、粘着シートに難燃性を付与する場合、難燃剤として用いる化合物の構造を工夫したり、難燃剤を多量に配合したり、複数種類の難燃剤を配合したりして、粘着剤の最大発熱速度をできるだけ低くさせている(例えば、20W/cm以下)。一方で、本実施形態の粘着剤層20に含まれる粘着剤は、最大発熱速度が25W/cm以上であり、従来の難燃性の粘着シートに用いる粘着剤と比べると、高い最大発熱速度を有する粘着剤である。粘着シート1は、高い最大発熱速度を有する粘着剤を含む粘着剤層20と、前述のVTMランク、平均線膨張係数、および引張破断伸度の条件を満たす基材10とを組み合わせたことで、UL94規格のVTM基準に適合する難燃性を発現する。しかも、粘着シート1は、印字ラベルや印刷ラベルとしての適性も備えており、難燃性が要求される部材等に貼付される難燃性粘着ラベルとしても好適である。さらに、粘着シート1によれば、粘着剤に特殊な難燃剤を配合したり、多量に難燃剤を配合したり、複数種類の難燃剤を配合したりしなくとも、難燃性を発現させることができる。
〔実施形態の変形〕
本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良等は、本発明に含まれる。なお、以下の説明では、前記実施形態で説明した部材等と同一であれば、同一符号を付してその説明を省略または簡略する。
例えば、粘着剤層の上に剥離シートが積層されている粘着シートであってもよい。
図1(B)には、前記実施形態に係る粘着シート1の粘着剤層20の上に剥離シート30が積層された粘着シート1Aが示されている。
剥離シート30としては、特に限定されない。例えば、取り扱い易さの観点から、剥離シート30は、剥離基材と、剥離基材の上に剥離剤が塗布されて形成された剥離剤層とを備えることが好ましい。また、剥離シート30は、剥離基材の片面のみに剥離剤層を備えていてもよいし、剥離基材の両面に剥離剤層を備えていてもよい。剥離基材としては、例えば、紙基材、この紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、並びにプラスチックフィルム等が挙げられる。紙基材としては、グラシン紙、コート紙、およびキャストコート紙等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、並びにポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等が挙げられる。剥離剤としては、例えば、オレフィン系樹脂、ゴム系エラストマー(例えば、ブタジエン系樹脂、イソプレン系樹脂等)、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、およびシリコーン系樹脂等が挙げられる。
剥離シート30の厚さは、特に限定されない。通常、20μm以上200μm以下であり、25μm以上150μm以下であることが好ましい。
剥離剤層の厚さは、特に限定されない。剥離剤を含む溶液を塗布して剥離剤層を形成する場合、剥離剤層の厚さは、0.01μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.03μm以上1.0μm以下であることがより好ましい。
剥離基材としてプラスチックフィルムを用いる場合、当該プラスチックフィルムの厚さは、3μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましい。
例えば、粘着シートは、基材の両面に粘着剤層を有していてもよい。
図1(C)には、基材10の第一の面11および第二の面12にそれぞれ第一の粘着剤層21および第二の粘着剤層22を有する粘着シート1Bが示されている。第一の粘着剤層21および第二の粘着剤層22の少なくともいずれかが、前記実施形態で説明した粘着剤層20と同様の粘着剤を含んでいればよく、いずれもが当該粘着剤を含んでいることが好ましい。第一の粘着剤層21に含まれる粘着剤と、第二の粘着剤層22に含まれる粘着剤とは、同一でも異なっていてもよい。
粘着シート1Bにおいて、基材10の第一の面11に形成された第一の粘着剤層21の厚さt21、および第二の粘着剤層22の厚さt22(図1(C)参照)は、それぞれ独立に、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上40μm以下であることがより好ましい。また粘着シート1Bにおいて、第一の粘着剤層21の厚さt21、と第二の粘着剤層22の厚さt22の合計値(粘着剤層の総厚さ)は、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上80μm以下であることがより好ましい。
粘着シート1Bは、第一の粘着剤層21および第二の粘着剤層22のそれぞれを覆う剥離シート30を備えていてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に何ら限定されない。
〔評価方法〕
基材、粘着剤、および粘着シートの評価は、以下に示す方法に従って行った。
(平均線膨張係数)
平均線膨張係数の測定には、Bruker AXS株式会社製の測定装置(商品名:TMA−4000SA)を用いた。平均線膨張係数の測定は、下記の条件で行った。
・測定温度範囲:25℃から100℃まで
・昇温速度 :2℃/分
・荷重 :2g
・試験片サイズ:幅4.5mm×長さ15mm
基材のMD方向の50℃から60℃の間における平均線膨張係数は、50℃から51℃までの線膨張係数を測定し、さらに、同様にして51℃から1℃間隔で平均線膨張係数を測定し、計10個の平均線膨張係数の平均値を算出した。平均線膨張係数の単位は、K−1とした。
(引張破断伸度)
引張破断伸度の測定には、株式会社エー・アンド・デイ製の万能材料試験機(製品名:テンシロン RTG−1225)を用いた。基材のMD方向の引張破断伸度の測定は、下記の条件で行った。
・チャック間距離:50mm
・引張速度 :200mm/分
・試験片サイズ :幅15mm×長さ100mm
(最大発熱速度)
最大発熱速度の測定には、株式会社東洋精機製作所製のマルチカロリーメータ(製品名:MCM−2)を用いた。具体的には、マルチカロリーメータが備えるコーンカロリーメータ試験装置を利用した。最大発熱速度の測定は、下記の条件で行った。
・輻射量 :50kW
・加熱方法 :スパーク着火方式
・試験片サイズ:50mm×50mmの積層体
・構成 :アルミ箔(厚さ20μm)/粘着剤層(厚さ0.16mm)
最大発熱速度の測定に用いた試験片は、次のような手順で作製した。まず、剥離フィルム上に形成された厚さ20μmの粘着剤層に、別の剥離フィルム上の厚さ20μmの粘着剤層を積層させ、40μmの粘着剤層を得た。一方の剥離フィルムを剥離し、さらに別の剥離フィルム上の厚さ20μmの粘着剤層をさらに積層させるという操作を同様に繰り返し、合計厚さ160μmの粘着剤層を剥離フィルムの上に形成した。粘着剤層に厚さ20μmのアルミ箔を貼り合わせて、剥離フィルム/粘着剤層/アルミ箔、という構成体を得た。この構成体を、50mm×50mmの大きさに切り出した。測定時には剥離フィルムを剥がし、試験片とした。この試験片をコーンカロリーメータ試験装置のチャンバー内の所定箇所に置いた。この際、試験片の粘着剤層をコーンヒータと対向させた。前記条件で試験片を燃焼させ、最大発熱速度を測定した。最大発熱速度の単位は、W/cmとした。
(難燃性試験)
アンダーラボラトリーズ社発行のプラスチック材料の難燃性試験規格UL94の薄手材料垂直燃焼試験方法に準ずる試験を行い、VTMランクを判定した。評価に用いた基材および粘着シートの試験片のサイズは50mm×200mmとした。試験片は、筒状に丸めて試験を行った。粘着シートについては、粘着剤層を外側に向けて筒状に丸めた場合、および基材を外側に向けて筒状に丸めた場合の両者について試験を行った。両者のいずれでもVTMランクに適合する場合に、そのレベルで合格と判定した。また両者で差異があった場合は、VTMランクが低く判定された方のVTMランクを表示した。
なお、VTMランクの判定基準は下記の通りである。
・VTM−0
サンプルの燃焼時間が10秒以内であり、かつ燃焼物又は落下物による脱脂綿の着火が起こらず、更に標線(サンプル下端より125mmの位置)までの燃焼が認められない。
・VTM−1
サンプルの燃焼時間が30秒以内であり、かつ燃焼物又は落下物による脱脂綿の着火が起こらず、更に標線までの燃焼が認められない。
・VTM−2
サンプルの燃焼時間が30秒以内であり、かつ標線までの燃焼が認められない。
評価結果を表1に示す。なお、表1におけるVTMランクの表示は以下の基準に従う。
「VTM−0」:VTM−0に適合した。
「VTM−1」:VTM−0に適合せずVTM−1に適合した。
「VTM−2」:VTM−0ならびにVTM−1に適合せずVTM−2に適合した。
「規格外」 :VTM−0、VTM−1およびVTM−2のいずれにも適合しなかった。
また、基材については、難燃性試験においてバーナーの炎に接した時に溶融して落下するか否かについても確認した。
〔粘着シートの作製〕
(実施例1)
表面にシリコーン処理が施された剥離シート(リンテック株式会社製、製品名:SP−8LK)の剥離処理面に、アクリル系粘着剤(リンテック株式会社製、製品名:PA−T1)を、乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmとなるように塗布し、塗膜を90℃で1分間乾燥させた。乾燥後、基材として難燃性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン株式会社製、製品名:テトロンUF−25、厚さ:25μm)を粘着剤層に貼り合わせ、剥離シート付きの粘着シートを作製した。
(実施例2)
実施例2の粘着シートは、実施例1における基材を、難燃性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン株式会社製、製品名:テトロンUF−50、厚さ:50μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
(実施例3)
実施例3の粘着シートは、実施例1における基材を、難燃性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン株式会社製、製品名:テトロンUF−38、厚さ:38μm)に変更したこと、並びに粘着剤をアクリル系粘着剤(リンテック株式会社製、製品名:P−1069)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
(実施例4)
実施例4の粘着シートは、実施例3における粘着剤をアクリル系粘着剤(リンテック株式会社製、製品名:M−4)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして作製した。
(実施例5)
実施例5の粘着シートは、実施例1における基材を、難燃性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン株式会社製、製品名:テトロンUF−38、厚さ:38μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
(実施例6)
実施例6の粘着シートは、実施例3における粘着剤を下記アクリル系粘着剤A1に変更したこと以外は、実施例3と同様にして作製した。
アクリル系粘着剤A1は、以下のように調製した。下記(A)成分としての(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部と、(B)成分としての難燃剤30質量部と、(C)成分としての架橋剤3.6質量部と、を用いて粘着剤を調製した。
・(A)成分について
窒素雰囲気下において、容器内に、単量体成分(a1’)としてのn−ブチルアクリレート(BA)80質量部と、単量体成分(a2’)としての2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)2質量部と、単量体成分(a3’)としてのアクリロイルモルフォリン(ACMO)18質量部と、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.3質量部と、溶媒としての酢酸エチル150質量部とを、収容した。次いで、60℃、および8時間の条件で重合させ、重量平均分子量60万の(メタ)アクリル酸エステル共重合体溶液を得た。次いで、得られた(メタ)アクリル酸エステル共重合体溶液に、固形分が35質量%となるまで、溶液を撹拌しながら酢酸エチルを加えて希釈し、(A)成分としての(メタ)アクリル酸エステル共重合体が、酢酸エチルに溶解した固形分35質量%の溶液を得た。なお、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(以下、GPC法と略記する。)にて測定した。すなわち、まず、ポリスチレンを用いて検量線を作成した。以降、重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算値で表す。次いで、(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の測定対象の濃度が1質量%のテトラヒドロフラン(THF)溶液を準備し、東ソー株式会社製のGELPER MEATION CHROMATOGRAPH HLC−8020(TSKGELGMHXL、TSKGEL GMHXL、TSKGEL G2000HXLからなる3連カラム)にて、40℃、THF溶媒、および1ml/分の条件にて重量平均分子量を測定した。そして、ガードカラムとして、東ソー株式会社製のTSK GUARD COLUMNを使用した。
・(B)成分について
得られた(A)成分としての(メタ)アクリル酸エステル共重合体溶液(固形分35質量%)100質量部に対して、(B)成分としての液状芳香族リン酸エステルの一種であるビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(ADEKA(株)製、FP−600、固形分100質量%)を10.5質量部添加した。すなわち、(A)成分としての(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、(B)成分としてのビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)30質量部を添加した。
・(C)成分について
さらに、得られた(A)成分としての(メタ)アクリル酸エステル共重合体溶液(固形分35質量%)100質量部に対して、(C)成分としてのキシレンジイソシアナート系架橋剤(綜研化学(株)製、TD−75、固形分75質量%)を、上述した(B)成分の添加と同時に、溶媒を含む量として1.68質量部添加し、均一に混合し、アクリル系粘着剤A1のコーティング液を得た。すなわち、(A)成分としての(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、(C)成分としてのキシレンジイソシアナート系架橋剤を固形分として3.6質量部添加した。
(実施例7)
実施例7の粘着シートは、実施例1における基材を、難燃性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(杭州大華塑業有限公司社製、製品名:608W36、厚さ:36μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
(実施例8)
実施例8の粘着シートは、実施例1における基材を、難燃性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂株式会社製、製品名:ダイアホイル N300E50、厚さ:50μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
(実施例9)
実施例9の粘着シートは、実施例1における基材を、難燃性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂株式会社製、製品名:ダイアホイル N400E50、厚さ:50μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
(実施例10)
実施例10の粘着シートは、実施例1における基材を、難燃性を有するポリエチレンテレフタレート積層フィルム(三菱樹脂株式会社製、製品名:ダイアラミー、厚さ:50μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
(実施例11)
実施例11の粘着シートは、実施例1における粘着剤をゴム系粘着剤B1に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
ゴム系粘着剤B1は、以下のように調製した。BASF株式会社製のポリイソブチレン系樹脂(製品名「オパノールB50」、重量平均分子量34万)を100質量部(固形分比)、BASF株式会社製のポリイソブチレン系樹脂(製品名「オパノールB30」、重量平均分子量20万)を10質量部(固形分比)、および荒川化学工業社製の粘着付与樹脂(製品名「アルコンP−125」、水素化石油樹脂、軟化点125℃)を20質量部(固形分比)配合して、ゴム系粘着剤B1を得た。ゴム系粘着剤B1をトルエンで溶解して、固形分濃度20質量%のゴム系粘着剤B1のコーティング液を調製した。
(実施例12)
実施例12の粘着シートは、実施例1における粘着剤をウレタン系粘着剤C1に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
ウレタン系粘着剤C1は、以下のように調製した。大日精化工業株式会社製のウレタン系樹脂(製品名「レザロイド LU−2830HV」)を100質量部(固形分比)、および日本ポリウレタン工業株式会社製のTDI系架橋剤(製品名「コロネートL」)を22.5質量部(固形分比)、配合してウレタン系粘着剤C1を得た。
(比較例1)
比較例1の粘着シートは、実施例1における粘着剤をアクリル系粘着剤A2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
アクリル系粘着剤A2は、実施例6のアクリル系粘着剤A1の調製における(B)成分の配合量を変更し、(A)成分としての(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、(B)成分としてのビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)110質量部を添加して、調製した。
(比較例2)
比較例2の粘着シートは、実施例2における粘着剤を前記アクリル系粘着剤A2に変更したこと以外は、実施例2と同様にして作製した。
(比較例3)
比較例3の粘着シートは、実施例1における基材を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、製品名:ルミラーE20、厚さ:50μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
(比較例4)
比較例4の粘着シートは、比較例3における粘着剤を前記アクリル系粘着剤A2に変更したこと以外は、比較例3と同様にして作製した。
(比較例5)
比較例5の粘着シートは、実施例1における基材を、難燃性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(杭州大華塑業有限公司社製、製品名:606B25、厚さ:25μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
(比較例6)
比較例6の粘着シートは、実施例2における粘着剤を、アクリル系粘着剤A3に変更したこと以外は、実施例2と同様にして作製した。
アクリル系粘着剤A3は、実施例6のアクリル系粘着剤A1の調製における(B)成分の配合量を変更し、(A)成分としての(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、(B)成分としてのビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)40質量部を添加して、調製した。
(比較例7)
比較例7の粘着シートは、実施例1における基材を、ポリイミドフィルム(東レデュポン株式会社製、製品名:カプトン100H、厚さ:25μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
(比較例8)
比較例8の粘着シートは、実施例1における基材を、ポリイミドフィルム(東レデュポン株式会社製、製品名:カプトン200H、厚さ:50μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
Figure 0006482268
実施例1〜12の粘着シートは、粘着剤層を外側に向けた場合および基材を外側に向けた場合の両者において、UL94規格のVTM基準に適合するVTM−2ランクの難燃性を示した。比較例1〜8の粘着シートは、UL94規格のVTM基準に適合せず、いずれも規格外となった。
本発明は、粘着シートに利用できる。
1,1A,1B…粘着シート、10…基材、20…粘着剤層。

Claims (4)

  1. 基材と、粘着剤が含まれている粘着剤層と、を有し、
    前記基材は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、およびポリカーボネート樹脂からなる群から選択される少なくともいずれかで構成され、
    前記基材は、UL94規格に準ずる試験においてVTM−0に適合する難燃性を有し、
    前記基材のMD方向の50℃から60℃の間における平均線膨張係数は、0.45×10−5/K以上10.0×10−5/K以下であり、
    前記基材のMD方向の引張破断伸度が230%未満であり、
    前記基材の厚さが、5μm以上、100μm以下であり、
    前記粘着剤層の厚さが、10μm以上、40μm以下であり、
    50mm×50mm×0.16mmのサイズに加工した前記粘着剤のマルチカロリーメータによって測定される最大発熱速度が25W/cm以上である、粘着シート。
  2. 前記粘着剤は、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、およびゴム系粘着剤からなる群から選択される少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記粘着剤に難燃剤が含まれていない、請求項1または請求項に記載の粘着シート。
  4. 難燃性粘着ラベルである、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の粘着シート。
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