JPWO2014069036A1 - 鞍乗り型車両のフレーム構造 - Google Patents

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Abstract

鞍乗り型車両のフレーム構造において、フレームの機能を向上させながら軽量化を図ることができるようにする。前輪を操舵自在に軸支するヘッドパイプ11と、ヘッドパイプ11の後部から下方に延出するダウンフレーム12と、ダウンフレーム12の下部から後方に延出するロアフレーム13,13とを備えた鞍乗り型車両のフレーム構造において、ダウンフレーム12は、パイプ材で構成され、前記ロアフレーム13,13は、左右一対で設けられるとともに、それぞれ上下2分割構造の板材で閉断面を構成し、ロアフレーム13,13は、ダウンフレーム12との連結部から車幅方向に延出した後に後方に屈曲する屈曲部64,64を有する。

Description

本発明は、ヘッドパイプと、ヘッドパイプの後部から下方に延出するダウンフレームと、ダウンフレームの下部から後方に延出するロアフレームとを備えた鞍乗り型車両のフレーム構造に関する。
従来、鞍乗り型車両のフレーム構造において、ヘッドパイプを支持するレッグシールドやロアフレーム等によって構成されるフレームを、板材を複数組み合わせることで形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭61−287883号公報
ところで、上記従来の鞍乗り型車両のフレーム構造では、車体骨格となるフレームを全て板材で構成しており、一般によく用いられるパイプ材を使用していない。鞍乗り型車両のフレーム構造では、その部位によって、求められる要求特性が異なっているため、板材及びパイプ材の利点を生かしたフレーム構造にすることによって、フレームの機能を向上させながら軽量化を図ることが望まれる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両のフレーム構造において、フレームの機能を向上させながら軽量化を図ることができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、前輪(2)を操舵自在に軸支するヘッドパイプ(11)と、前記ヘッドパイプ(11)の後部から下方に延出するダウンフレーム(12)と、前記ダウンフレーム(12)の下部から後方に延出するロアフレーム(13)とを備えた鞍乗り型車両のフレーム構造において、前記ダウンフレーム(12)は、パイプ材で構成され、前記ロアフレーム(13)は、左右一対で設けられるとともに、それぞれ上下2分割構造の板材で閉断面を構成し、前記ロアフレーム(13)は、前記ダウンフレーム(12)との連結部から車幅方向に延出した後に後方に屈曲する屈曲部(64)を有することを特徴とする。
本発明によれば、パイプ材でダウンフレームを構成することでダウンフレームの接続箇所を低減しながらダウンフレームに必要な剛性・強度を確保できるとともに、ロアフレームは上下2分割構造の板材で閉断面を構成するようにしたため、屈曲部の断面積や形状を最適化して屈曲部に作用する応力を分散できるとともに軽量化も図ることができる。このため、フレームに必要な強度・剛性を確保しながら、軽量化を図ることができる。
また、本発明は、前記ロアフレーム(13)は、上側のロアアッパフレーム(70)と下側のロアダウンフレーム(71)とを有して2分割構造とされ、前記ロアフレーム(13)の形状変化は、前記ロアアッパフレーム(70)が前記ロアダウンフレーム(71)よりも大となるように形成されることを特徴とする。
本発明によれば、ロアフレームの形状変化は、ロアアッパフレームがロアダウンフレームよりも大となるように形成されるため、ダウンフレームからの入力荷重を、ロアアッパフレームを介して緩やかに伝達することができ、応力集中を回避して、強度・剛性の最適化を図ることができる。
また、本発明は、前記ロアアッパフレーム(70)の上面は、前記ダウンフレーム(12)側で漸次上方に位置するように形成されることを特徴とする。
本発明によれば、ロアダウンフレームをダウンフレームの支持の支点と見ると、ロアアッパフレームが荷重の入力点であるヘッドパイプに近い位置で接続されるとともに、ロアアッパフレームの断面形状は緩やかに変化することになり、ヘッドパイプからの入力荷重によって応力集中が生じることを抑制できる。このため、ロアフレームの後部側にも荷重を分散でき、軽量化を図ることができる。
さらに、本発明は、前記ロアフレーム(13)は、前記屈曲部(64)の後方に、前後方向に延びる直線部(65)を備え、前記屈曲部(64)と前記直線部(65)との境界位置(X)で断面積が最小となるように構成されることを特徴とする。
本発明によれば、剛性が高い直線部と屈曲部との境界位置で剛性が急に大きくなることがなく、ロアフレームの全体としての剛性特性を緩やかにでき、さらに軽量化を図ることができる。
また、本発明は、前記ロアアッパフレーム(70)は、前記屈曲部(64)の後方における高さ(H1)が、前記ロアダウンフレームの高さ(H2)よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、形状変化の大きなロアアッパフレームであっても、成形性を確保でき、生産性を向上できる。
また、本発明は、前記ロアアッパフレーム(70)は、外側から前記ロアダウンフレーム(71)に重ねられて、前記ロアアッパフレーム(70)の下縁で前記ロアダウンフレーム(71)と相互に溶接固定されることを特徴とする。
本発明によれば、溶接部をロアフレームの高さ方向の中間部に設けて溶接部に加わる応力集中を抑制できる。このため、さらに軽量化を図ることができる。
また、本発明は、左右一対の前記ロアフレーム(13)は、前記ダウンフレーム(12)の下部を上面視で半円状に囲むようにそれぞれ溶接されるとともに、前記ダウンフレーム(12)の前方及び後方において、左右一対の前記ロアフレーム(13)の前端における前連結部(82)及び後連結部(83)がそれぞれ当接して溶接されることを特徴とする。
本発明によれば、ダウンフレームの下部を半円状に囲むことで溶接長を長くできるとともに、前連結部及び後連結部の溶接によって溶接強度を向上することができる。また、ダウンフレームの下部をロアフレームで囲むことで、ダウンフレームの下部の剛性を向上できる。
さらに、本発明は、前記前連結部(82)及び/または前記後連結部(83)の左右一対の前記ロアフレーム(13)同士の当接部の間に、所定の大きさの切り欠き(75)を設け、前記切り欠き(75)を介して前記ロアフレーム(13)が前記ダウンフレーム(12)に溶接されることを特徴とする。
本発明によれば、切り欠きを介して左右のロアフレーム及びダウンフレームを溶接でき、接合強度を向上できる。
本発明に係る鞍乗り型車両のフレーム構造では、フレームに必要な強度・剛性を確保しながら、軽量化を図ることができる。
また、ダウンフレームからの入力荷重を、ロアアッパフレームを介して緩やかに伝達することができ、応力集中を回避して、強度・剛性の最適化を図ることができる。
また、ヘッドパイプからの入力荷重によって応力集中が生じることを抑制でき、ロアフレームの後部側にも荷重を分散できるため、軽量化を図ることができる。
さらに、剛性が高い直線部と屈曲部との境界位置で剛性が急に大きくなることがなく、ロアフレームの全体としての剛性特性を緩やかにでき、さらに軽量化を図ることができる。
また、形状変化の大きなロアアッパフレームであっても、成形性を確保でき、生産性を向上できる。
また、溶接部をロアフレームの高さ方向の中間部に設けて溶接部に加わる応力集中を抑制でき、さらに軽量化を図ることができる。
また、ダウンフレームの下部を半円状に囲むことで溶接長を長くできるとともに、前連結部及び後連結部の溶接によって溶接強度を向上することができる。また、ダウンフレームの下部の剛性を向上できる。
さらに、切り欠きを介して左右のロアフレーム及びダウンフレームを溶接でき、接合強度を向上できる。
本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。 車体フレームの左側面図である。 車体フレームの斜視図である。 車体フレームの前部を上方から見た平面図である。 車体フレームの下部を前方から見た図である。 図4のVI−VI断面図である。 ロアアッパフレームの斜視図である。 懸架部近傍を後方側から見た斜視図である。 懸架部を後方から見た図である。 左側の懸架部を車幅方向外側から見た側面図である。 左側の懸架部を車幅方向内側から見た側面図である。 上半体の左側面図である。 下内側部材の左側面図である。 懸架部近傍を側方から見た場合における断面図である。 図14のXV−XV断面図である。 第2の実施の形態における車体フレームの左側面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係るフレーム構造を備えた自動二輪車について図面を参照して説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LEは車体左方を示している。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。
自動二輪車1(鞍乗り型車両)は、シート10に着座した乗員が足を載せる低床のステップフロア52を有するスクータ型車両であり、車体フレームFの前方に前輪2を有し、駆動輪である後輪3は、車両後部に配置されるユニットスイングエンジンU(ユニットスイングパワーユニット)に軸支されている。車体フレームFは、樹脂製の車体カバーCによって覆われている。
図2は、車体フレームFの左側面図である。図3は、車体フレームFの斜視図である。図4は、車体フレームFの前部を上方から見た平面図である。
図1〜図4に示すように、車体フレームFは、金属製のパイプや板材を溶接によって複数連結して形成されており、前部に設けられるヘッドパイプ11と、ヘッドパイプ11の後部から後下方に延出するダウンフレーム12と、ダウンフレーム12の下部から車幅方向に延出した後、屈曲して後方に延びる左右一対のロアフレーム13,13と、ロアフレーム13,13の後端に連結される左右一対の懸架部14,14と、懸架部14,14の後端から後上方へ車両後部まで延出する左右一対のリアフレーム15,15とを備える。
車体フレームFには、左右のフレームを連結するクロスフレームとして、ロアフレーム13,13の後部間を連結するクロスメンバ16と、クロスメンバ16の上方でリアフレーム15,15の前部間を連結する中間クロスメンバ17と、リアフレーム15,15の前後の中間部間を連結する後部クロスメンバ18と、リアフレーム15,15の後端間を連結する後端クロスメンバ19とを備える。
ヘッドパイプ11は、補強板20によって後部の下部がダウンフレーム12の上部に連結されて補強される。
リアフレーム15,15において中間クロスメンバ17の後方には、後下方に延びる左右一対のステップステー21,21が設けられている。
ロアフレーム13,13の上面の前部及び後部には、車幅方向の外側へ上方に突出するステー22,22が設けられている。ロアフレーム13,13の上方には、前後のステー22,22間に掛け渡されるパイプ状のステップフレーム(不図示)が配置される。
左側のロアフレーム13の後部には、サイドスタンド39が取り付けられる。
図1に示すように、前輪2を操向する操舵系は、ヘッドパイプ11に回動自在に軸支されるステアリングシャフト(不図示)と、このステアリングシャフトの上部に連結されるハンドル25と、ステアリングシャフトの下端に連結される左右一対のフロントフォーク26,26とを有している。前輪2は、フロントフォーク26,26の下端に軸支され、ハンドル25による操作によって操向される。
ユニットスイングエンジンUは、エンジンEと、ベルト式の無段変速機構(不図示)が収容された伝動ケースMとが一体化されたユニットスイング式であり、後輪3を支持するスイングアームとしての機能も有している。ユニットスイングエンジンUは、その前部に連結されるリンク部材27を介して間接的に懸架部14,14に連結されており、リンク部材27に設けられるピボット軸28を中心にして上下に揺動自在である。
エンジンEは、水冷式の4サイクル単気筒エンジンであり、シリンダ軸線29が略水平に前方へ延びるように配置されている。エンジンEは、ユニットスイングエンジンUの前部に配置されるクランクケース30の前面に、シリンダ31及びシリンダヘッド32を結合して構成されている。
伝動ケースMは、クランクケース30の後部から後輪3の左側方を通って後方に延びている。後輪3は、伝動ケースMの後部に設けられる車軸3aに支持されている。エンジンEの出力は、上記無段変速機構を介して後輪3に伝達される。
伝動ケースMの後端と左側のリアフレーム15との間には、前傾して配置されるリアクッション部材33が掛け渡されている。
伝動ケースMの上面には、外気を吸い込むエアクリーナボックス34が設けられている。エアクリーナボックス34は、シリンダヘッド32の上面の吸気ポートに接続されたスロットルボディ35に接続されている。
シリンダヘッド32の下面の排気ポートに接続された排気管36は、エンジンEの下方を通って後方に延び、後輪3の右側方に設けられたマフラー37に接続される。
エンジンE用の燃料を貯留する燃料タンク40は、ダウンフレーム12の後方において、ロアフレーム13,13間且つクロスメンバ16の前方に配置されている。燃料タンク40は、前面がダウンフレーム12に沿うとともに、底面がロアフレーム13,13に沿うように配置され、後面は前上がりに傾斜している。
物品が収納される収納ボックス41は、リアフレーム15,15間に配置されて燃料タンク40の後部の近傍から伝動ケースMの上方まで延びている。収納ボックス41は、中間クロスメンバ17、後部クロスメンバ18及びリアフレーム15,15の上面に設けられた複数のステー38に連結される。収納ボックス41の上面は、その全長に亘ってリアフレーム15,15の上方で開口しており、この開口部は、乗員用のシート10によって開閉自在に塞がれている。シート10は、運転者が着座する前部シート10aと、前部シート10aよりも一段高く形成されて同乗者が着座する後部シート10bとを有している。
収納ボックス41の後方においてリアフレーム15,15の後部には、グラブレール42が固定されている。
車体カバーCは、ヘッドパイプ11及びダウンフレーム12を前方及び側方から覆うフロントカバー45と、ヘッドパイプ11を後方から覆う上部インナーカバー46と、上部インナーカバー46の下部に連続して設けられて燃料タンク40を上方から覆う下部インナーカバー47と、収納ボックス41及びリアフレーム15,15を側方から覆うリアカバー48と、フロントカバー45及びリアカバー48の下方に連続して配置され、燃料タンク40及びリアフレーム15,15の前部を側方から覆うミドルカバー49と、車体フレームFの下部を下方及び側方から覆うロアカバー50とを備える。フロントカバー45の上部には、後上方に延びるスクリーン44が設けられている。
下部インナーカバー47、フロントカバー45の後部及びミドルカバー49は、シート10に着座した運転者の両足の間で上方に膨出するセンタートンネル部51を形成しており、センタートンネル部51の下縁から車幅方向外側に延出された左右一対のステップフロア52に運転者は足を載せる。ステップフロア52は、上記ステップフレームによって下方から支持される。ステップフロア52はユニットスイングエンジンUの近傍まで後方に延びており、ステップフロア52の後端には、同乗者が足を載せるタンデムステップ52aが設けられる。各タンデムステップ52aは、ステップステー21,21(図2)によって支持される。
前輪2は、フロントフェンダ53によって上方から覆われる。後輪3は、リヤフェンダ54によって上方から覆われる。
以下、自動二輪車1のフレーム構造について詳述する。
図2〜図4に示すように、ダウンフレーム12は、パイプ状のフレームであり、ヘッドパイプ11に結合されて略一定の径で上下の中間部まで下方に延びる上パイプ部60と、上パイプ部60から拡径しながら下方に延びるテーパー部61と、上パイプ部60よりも大径に形成され、テーパー部61からダウンフレーム12の下端まで略同一径で延びる大径部62とを有している。
大径部62は、車幅方向に長い長円状の断面形状を有しており、その外周部は、断面が半円状となる左右一対の曲面部62a,62aと、曲面部62a,62aを前面側及び後面側で左右に連結する平坦面62b,62bとを有している。
ダウンフレーム12は直線状であるため、テーパー部61及び大径部62等の断面変化がある構成であってもパイプ材を加工することで容易に成形でき、断面を変化させることによって所望の強度及び剛性を得ることができる。すなわち、ロアフレーム13,13が結合されるダウンフレーム12の下部は、大径部62にすることで強度及び剛性が確保されている。
各ロアフレーム13は、ダウンフレーム12の大径部62に連結される前端結合部63と、前端結合部63から車幅方向外側に延出した後に、後方に屈曲する屈曲部64と、屈曲部64からロアフレーム13の後端まで略水平に前後方向に直線的に延びる直線部65と、直線部65の後端で懸架部14に結合される後端結合部66とを有している。
後端結合部66には、懸架部14が結合され、懸架部14の後端にはリアフレーム15が結合され、リアフレーム15は、懸架部14によって後上方を指向した向きで固定され、後上方に延びる。ロアフレーム13、懸架部14及びリアフレーム15を一体のフレームとして見ると、このフレームは、懸架部14で後上方に屈曲している。すなわち、懸架部14は、車体フレームFを屈曲させる屈曲部である。ここで、懸架部14は、ロアフレーム13とリアフレーム15との間に設けられているが、ロアフレーム13の後端に設けられているとも言える。
左側(一側)のリアフレーム15の後部には、リアクッション部材33の上端が連結される取り付け部15bが設けられている。右側(他側)にはリアクッション部材は配置されない。
図5は、車体フレームFの下部を前方から見た図である。図6は、図4のVI−VI断面図である。
ロアフレーム13,13は、上下に2分割されており、上半分を構成するロアアッパフレーム70と、下半分を構成するロアダウンフレーム71とを結合することで形成されている。ロアアッパフレーム70は、下方に開放する樋状に形成されており、ロアダウンフレーム71は、上方に開放する樋状に形成されている。ロアアッパフレーム70とロアダウンフレーム71とを結合させることで、各ロアフレーム13は中空のパイプ状に構成される。ロアアッパフレーム70及びロアダウンフレーム71は、金型を用いたプレス加工で板材を成形して製造されるため、パイプ材を成形する場合に比して形状の自由度が高く、プレス加工されたロアアッパフレーム70及びロアダウンフレーム71を結合させることで、屈曲部64を備えた形状であったとしても、断面形状を連続的に変化させたパイプ形状を容易に形成することができる。
図7は、ロアアッパフレーム70の斜視図である。
図4及び図7に示すように、ロアフレーム13の屈曲部64は、ダウンフレーム12の大径部62に近くなるほど幅広になるように形状を連続的に変化させて形成されている。すなわち、ロアアッパフレーム70及びロアダウンフレーム71は、前端結合部63側ほど幅広に形成されている。
また、図4〜図7に示すように、ロアアッパフレーム70の上面は、車幅方向の外側から大径部62側に近くなるに連れて漸次高くなる膨出部72を有している。さらに、膨出部72における大径部62側の端には、ロアアッパフレーム70の幅方向の中央部が上方に膨出した山形膨出部72aが形成されている。
一方、ロアダウンフレーム71の底面側は、高さが漸次変化する等の複雑な形状は有しておらず、略平坦に大径部62側へ延出されている。すなわち、ロアアッパフレーム70の上面側の加工度は、ロアダウンフレーム71の底面側の加工度よりも高くなっている。
図6は、屈曲部64と直線部65との境界位置Xでの断面であり、境界位置Xよりも後方の部分では、ロアアッパフレーム70の高さH1(プレス加工の深さ)は、ロアダウンフレーム71の高さH2(プレス加工の深さ)よりも低く形成されている。また、境界位置Xよりも前方の部分においても、ロアアッパフレーム70の高さH1はロアダウンフレーム71の高さH2よりも低くなっている。すなわち、ロアアッパフレーム70は、ロアダウンフレーム71よりもプレス成形の際の深さが浅く設定されている。このように、ロアアッパフレーム70の深さを浅くすることで、膨出部72や山形膨出部72aを有していて形状変化度が高いロアアッパフレーム70であっても、プレス成形の際の成形性を良好にすることができ、生産性を向上できる。
図6に示すように、ロアアッパフレーム70の樋形状の左右の下縁部の内側には、この下縁部を外側に膨出させた係合段部73,73が形成されている。係合段部73,73は、前端結合部63及び後端結合部66を除くロアアッパフレーム70の全長に亘って設けられる。
ロアアッパフレーム70は、係合段部73,73がロアダウンフレーム71の左右の上縁部に外側から係合するように設けられ、この状態で、係合段部73,73の先端部を、係合段部73に沿って形成される溶接ビード74によってロアダウンフレーム71に隅肉溶接することで、ロアアッパフレーム70とロアダウンフレーム71とが接合される。これにより、閉断面を有するパイプ状のロアフレーム13がそれぞれ形成される。
このように、高さが低い方のロアアッパフレーム70をロアダウンフレーム71に外側から重ね、ロアアッパフレーム70の下縁で溶接するため、プレス加工の深さを浅くしたロアアッパフレーム70であっても、溶接ビード74を下方側に寄せてロアフレーム13の上下方向の中央寄りに設けることができ、溶接ビード74に加わる応力集中を抑制できる。
図5及び図6に示すように、ロアフレーム13の前端結合部63は、開放端となっており、このパイプ状部材の開放端が大径部62に嵌合して溶接されることで、ロアフレーム13がダウンフレーム12に固定される。
詳細には、前端結合部63は、大径部62の外周部に沿うように上面視(図4)で半円状に切り欠かれて形成されており、曲面部62aに沿うように形成される上部当接部80及び下部当接部81と、前端結合部63の先端において、大径部62の曲面部62a及び前面側の平坦面62bに沿って延びる前連結部82と、曲面部62a及び後面側の平坦面62bに沿って延びる後連結部83とを有する。
上部当接部80は、ロアアッパフレーム70の前端の山形膨出部72aに形成され、下部当接部81はロアダウンフレーム71の前端に形成される。前連結部82及び後連結部83は、ロアアッパフレーム70及びロアダウンフレーム71の前端に形成された舌部70a,71aが合わさることでそれぞれ形成される。舌部70a,71aは、溶接ビード74によって接合される。
各ロアフレーム13は、前端結合部63を大径部62に側方から嵌合させた状態で、山形膨出部72a、下部当接部81、並びに、前連結部82の上縁及び下縁に沿って設けられる溶接ビード84(図5)によってダウンフレーム12に溶接される。このように、山形膨出部72aに沿って溶接するため、溶接ビード84を長くでき、接合強度を向上できる。
左右のロアフレーム13,13の各前連結部82及び各後連結部83は、図5及び図6に示すように、正面視及び後面視において、ダウンフレーム12の軸線Lに重なる位置で互いに当接し、先端の当接面82a,82a及び当接面83a,83aに形成される溶接ビード85(図5)によって溶接される。後面側の後連結部83は、前面側の前連結部82よりも上方にオフセットして設けられている。当接面82a,82a及び当接面83a,83aを当接させて溶接するため、前端結合部63の近傍の強度及び剛性を向上できる。また、大径部62を前端結合部63で全周から囲うため、大径部62の強度及び剛性を向上できる。
当接面82a,82a及び当接面83a,83aの上下の中間部には、所定の大きさの切り欠き75がそれぞれ形成されている。切り欠き75には、フィラーワイヤー等のフィラー(不図示)が設けられ、前連結部82及び後連結部83は、フィラーと共に切り欠き75に設けられる溶接ビード86によって溶接されることで、互いに溶接されるとともに、ダウンフレーム12の前面にも溶接される。このため、接合強度を向上できる。切り欠き75の所定の大きさは、上記フィラーを設けることができ、十分な溶接強度が得られる大きさに設定される。
ダウンフレーム12及びロアフレーム13の組立ての際には、まず、ロアアッパフレーム70とロアダウンフレーム71とを溶接ビード74によって溶接することで、ロアフレーム13,13が形成される。次に、ダウンフレーム12にロアフレーム13,13が嵌合され、上下にそれぞれ形成される溶接ビード84が溶接され、続いて、溶接ビード85が溶接され、最後に、上記フィラーと共に切り欠き75が溶接ビード86によって溶接される。
各ステー22は、ロアアッパフレーム70のプレス成形後に溶接される。
自動二輪車1の走行時においては、前輪2側には、路面の凹凸や加減速によって、ヘッドパイプ11の軸方向を向く力R(図2)が大きく働き、一方、車幅方向に働く力は力Rよりも小さい傾向にある。ダウンフレーム12は、車幅方向の中央に設けられているとともに、前輪2側に接続されているため、車幅方向に働く力よりも力Rを効率良く受けることができるように設定される。詳細には、ダウンフレーム12は、ロアフレーム13,13の前端結合部63,63を支点に支持されるため、支点に近い下部の強度及び剛性を高くすることが有効であり、本第1の実施の形態では、テーパー部61及び大径部62を設けることで、強度及び剛性を確保している。ダウンフレーム12は、力Rに起因した上下及び前後方向の力を受けることができれば良いため、テーパー部61及び大径部62のような単純な形状にすることで、要求される強度・剛性を得られる。このため、パイプ材を成形加工するだけで、要求特性を満たす最適形状を得られる。
ロアフレーム13の屈曲部64は、車幅方向の外側に位置するとともに、屈曲した部分であるため、力が作用する方向は複雑である。このため、屈曲部64において要求される強度・剛性を得られる断面の最適形状は、複雑なものとなり、パイプ材を加工して上記最適形状と同等の特性を得ようとする場合、板厚が厚くなってしまい、重量が増加してしまう。
第1の実施の形態では、ロアフレーム13を上下2分割構造とし、屈曲部64の断面積や形状を最適化した形状のロアアッパフレーム70及びロアダウンフレーム71を個別にプレス加工で成形し、その後、溶接して閉断面のパイプ状に形成したため、最適形状のロアフレーム13を容易に形成できる。最適形状とすることで、小さい板厚でも強度・剛性を確保できるため、軽量化を図ることができる。そして、このロアフレーム13,13とダウンフレーム12とを結合させる構成とすることで、最適形状のフレーム構造を容易に形成することができる。
また、ロアアッパフレーム70の上面は、大径部62側に近くなるに連れて漸次高くなる膨出部72を有しており、膨出部72によって、ロアアッパフレーム70のダウンフレーム12に対する結合位置を高くしてダウンフレーム12の支持強度を向上できるとともに、ダウンフレーム12からの入力荷重を緩やかに伝達することができる。このため、応力集中を回避して、強度・剛性の最適化を図ることができる。
また、図6に示すように、ロアフレーム13の直線部65の断面形状は、上下に長い長円状に形成されている。このため、力Rに対し剛性が高く、乗り心地が良い。
また、ロアフレーム13の断面積は、屈曲部64と直線部65との境界位置X(図4)で最小になっており、後方側に行くに連れて漸次大きくなっている。このため、剛性が高い直線部65と屈曲部64との境界位置Xで剛性が急に大きくなることがなく、ロアフレーム13の全体としての剛性特性を緩やかにできる。
次いで、懸架部14,14近傍の構成について説明する。
図8は、懸架部14,14近傍を後方側から見た斜視図である。ここで、図8では、後述する溶接ビードの図示が省略されている。
図8に示すように、懸架部14,14の後面には、後下方に延出する板状の延出部90,90がそれぞれ形成されており、リンク部材27は、左右の延出部90,90間に支持される。
リンク部材27は、延出部90,90間に設けられて車幅方向に延びる連結軸91と、連結軸91の後面から後方に延びる一対のアーム部92,92と、アーム部92,92の後端に固定されて連結軸91と平行に延びるピボット支持部93と、連結軸91の前面から前方に延びるストッパ94とを備える。
延出部90,90には、延出部90,90を車幅方向に貫通する軸(不図示)が設けられ、リンク部材27は、上記軸に連結軸91が軸支されることで上記軸を中心に揺動可能に支持される。ストッパ94は、クロスメンバ16の上方まで延び、ストッパ94の下面に設けられる弾性部材(不図示)を介してクロスメンバ16の上面に当接する。すなわち、リンク部材27の回動は、ストッパ94によって規制されており、リンク部材27は、実質的に、上記弾性部材が弾性変形する分だけ僅かに回動可能である。
ユニットスイングエンジンUは、ピボット支持部93に挿通されるピボット軸28(図1)によって軸支され、ピボット軸28を中心に揺動可能である。
図9は、懸架部14,14を後方から見た図である。図10は、左側の懸架部14を車幅方向外側から見た側面図である。図11は、左側の懸架部14を車幅方向内側から見た側面図である。左右の懸架部14は略左右対称に形成されているため、ここでは、主として左側の懸架部14を参照して説明する。
図8〜図11に示すように、懸架部14は、ロアフレーム13の後端結合部66に結合される前部結合部95と、前部結合部95から後方へ延びた後、屈曲して後上方に延びる懸架部屈曲部96と、リアフレーム15の前端15aに結合される後部結合部97と、上記延出部90とを有している。
前部結合部95の前端には、側面視で半円状に開口するパイプ嵌合部98が形成されている。パイプ嵌合部98は、クロスメンバ16の後半部に後方から嵌合してクロスメンバ16に溶接固定される。また、ロアフレーム13の後端結合部66の後端には、側面視で半円状に開口するパイプ嵌合部67が形成されており、クロスメンバ16は、前半部がパイプ嵌合部67に嵌合した状態でパイプ嵌合部67に溶接固定される。
懸架部屈曲部96には、懸架部屈曲部96を車幅方向に貫通するパイプ支持孔99が形成されている。パイプ支持孔99には、サイドスタンド39を車体フレームFに固定するボルト(不図示)が挿通される円筒状のカラー100a(クロス部材)が溶接固定される。また、左側のロアフレーム13の後部には、ロアフレーム13を車幅方向に貫通するパイプ支持孔101が形成されており、パイプ支持孔101には、カラー100bがロアフレーム13を車幅方向に貫通した状態で溶接固定される。サイドスタンド39は、一対のカラー100a,100bに挿通される上記ボルトによって固定される。カラー100a,100bは、懸架部屈曲部96及びロアフレーム13の左右の壁部をそれぞれ連結するクロスメンバとして作用するため、懸架部屈曲部96及びロアフレーム13の強度及び剛性を向上できる。
後部結合部97の前後の中央部には、上下に延びる切り欠き部102,102が形成されている。切り欠き部102,102は、車幅方向の外側面側及び内側面側に設けられている。
各延出部90は、後面視においてリアフレーム15の軸線K(図9)に重なる位置でリアフレーム15の車幅方向の略中央に配置される延出部上部110と、延出部上部110の下端から車幅方向内側に屈曲されて下方に延びる延出部屈曲部111と、軸線Kよりも間隔Wだけ車幅方向の内側に位置し、延出部屈曲部111の下端から軸線Kに沿って延びる延出部下部112とを有している。
延出部下部112には、円弧状に後方に突出する支持部112a(図11)が形成されており、支持部112aには、リンク部材27の連結軸91を軸支する上記ボルトが挿通される孔90aが形成される。ユニットスイングエンジンUは、リンク部材27を介し、左右の延出部90,90の支持部112a,112a間に支持される。延出部下部112,112は、クロスメンバ16よりも下方まで延出している。
懸架部14は、屈曲したパイプ状に形成されており、周方向に3分割された板材を結合させて製造される。詳細には、懸架部14は、懸架部14の上面を構成し、下方に開放する樋状の上半体103と、車幅方向に分割され、懸架部14の下面を構成する下外側部材104及び下内側部材105とを有する。
上半体103、下外側部材104及び下内側部材105は、金型を用いたプレス加工で板材を成形して製造されるため、パイプ材を成形する場合に比して形状の自由度が高く、プレス品を結合させることで、懸架部屈曲部96を備えた形状であったとしても、所望の断面形状を有するパイプ状部材を容易に形成できる。
図12は、上半体103の左側面図である。図13は、下内側部材105の左側面図である。図14は、懸架部14近傍を側方から見た場合における断面図である。
図8〜図14を参照し、上半体103は、樋形状に形成されており、曲面状の上面部103aと、上面部103aから下方に延びる左右一対の外側壁部103b及び内側壁部103cとを有している。上半体103は、側面視において、その樋形状の開放側とは反対に反るように屈曲されている。上半体103の前端には、前部結合部95が形成されている。前部結合部95は、前面視では半円状に形成されており、後端結合部66の上部の外周面に外側から重なって嵌合する前部重なり部95a(図14)を有する。また、パイプ嵌合部98の上半部は、前部重なり部95aの下方に形成されている。
上半体103の上端には、後部結合部97の前半部を構成する後部重なり部97aが形成されている。後部重なり部97aは、リアフレーム15の前端15aの前面の外周面に外側から重なる。後部重なり部97aは、車幅方向の外側に位置する上端部97dが内側の部分よりも高い位置まで延出している。切り欠き部102は、後部重なり部97aの後縁を切り欠いて形成されている。
上半体103の外側壁部103b及び内側壁部103cの下縁部には、この下縁部を外側に膨出させた係合段部106,106(図12)が形成されている。係合段部106,106は、パイプ嵌合部98と切り欠き部102との間に延在している。
パイプ支持孔99は、外側壁部103b及び内側壁部103cを貫通して設けられている。
下内側部材105(図13)は、パイプ状の懸架部14の下面側における車幅方向の内側部分を構成する内側曲面部115と、延出部90の内側面を構成する内側延出部116とを有する。
内側曲面部115における懸架部14の軸方向視の断面形状は、略円形のパイプ形状の一部を構成するように曲面状に形成されている。内側曲面部115の上端には、後部結合部97の後部を構成する後部重なり部97bが形成されている。下内側部材105は、後部重なり部97bからリアフレーム15の後面部に沿って上方に延びる上部延出部117を有する。
内側曲面部115の前縁には、上半体103の内側壁部103cの係合段部106に係合して溶接される係合縁部115aが形成されている。
下内側部材105の前端には、パイプ嵌合部98が、内側曲面部115及び内側延出部116に跨って形成されている。すなわち、車幅方向内側のパイプ嵌合部98の上部は内側曲面部115の前端に設けられ、パイプ嵌合部98の下部は内側延出部116の前端に設けられる。
内側延出部116の延出部屈曲部111に対応する部分には、後方に突出する突出片118が形成されている。内側曲面部115の後縁において突出片118の上方には、下外側部材104に溶接される溶接部119が設けられている。また、内側延出部116の後縁において突出片118の下方には、下外側部材104に溶接される溶接部120が設けられている。一方、突出片118は、下外側部材104に溶接されず、近傍の溶接部119,120の溶接によって固定されている。
また、下内側部材105の後縁及び下縁において溶接部120とパイプ嵌合部98との部分も、下外側部材104に対して溶接されない非溶接部121(図11)である。
下外側部材104(図10)は、パイプ状の懸架部14の下面側における車幅方向の外側部分を構成する外側曲面部125と、延出部90の外側面を構成する外側延出部126とを有する。
外側曲面部125における懸架部14の軸方向視の断面形状は、略円形のパイプ形状の一部を構成するように曲面状に形成されている。内側曲面部115の上端には、後部結合部97の後部を構成する後部重なり部97cが形成されている。
外側曲面部125の前縁には、上半体103の外側壁部103bの係合段部106に係合して溶接される係合縁部125aが形成されている。
内側延出部116の突出片118(図11)は外側延出部126に溶接されない。延出部屈曲部111は、屈曲している部分であり、プレス成形の精度によっては、内側延出部116と外側延出部126とを適正に当接させることが難しい。このため、本第1の形態では、延出部屈曲部111において、内側延出部116と外側延出部126とは溶接せずに隙間を設けて配置する構成とし、この部分には、溶接しない箇所を示す目印として突出片118を設けた。このため、溶接作業がし易い。接合強度は、溶接部119,120によって十分に確保されている。
下外側部材104の前端には、パイプ嵌合部98(図10)が、外側曲面部125及び外側延出部126に跨って形成されている。すなわち、車幅方向外側のパイプ嵌合部98の上部は外側曲面部125の前端に設けられ、パイプ嵌合部98の下部は外側延出部126の前端に設けられる。
延出部90は、外側延出部126と内側延出部116とを接合することで形成される。外側延出部126は、側面視において全体に亘って内側延出部116よりも大きく形成されており、内側延出部116を外側から覆っている。
各懸架部14は、溶接部119,120に形成される溶接ビード128(図11)によって下外側部材104と下内側部材105とを接合するとともに、係合段部106,106に沿って形成される溶接ビード129,129によって、係合縁部115a,125aを係合段部106,106に接合することでパイプ状に形成される。
次いで、各懸架部14は、後部結合部97に各リアフレーム15の前端15aが挿入され、この状態で溶接されることで、リアフレーム15に接合される。詳細には、懸架部14は、上半体103の後部重なり部97aの上部の縁部に沿う溶接ビード130と、下内側部材105の後部重なり部97b及び上部延出部117に沿う溶接ビード131と、下外側部材104の後部重なり部97cの縁部に沿う溶接ビード132(図10)とによってリアフレーム15に接合される。これにより、懸架部14とリアフレーム15とが一体に接合された小組体133が形成される。
なお、ここでは、懸架部14をパイプ状に形成した後に懸架部14をリアフレーム15に溶接するものとして説明したが、これに限らず、リアフレーム15の前端15aを囲うように上半体103、下外側部材104及び下内側部材105をセットし、その後、溶接ビード129,129を形成する工程で溶接ビード130,131,132を形成しても良い。
溶接ビード130,131,132は、外側及び内側の切り欠き部102,102の縁部にも形成されており、切り欠き部102,102を設けない構成に比して、溶接長が長くなっている。このため、接合強度を向上できる。また、切り欠き部102,102を設けることで、溶接ビード130,131,132の近傍の部分を溶接部に沿うように変形させ易くなるため、溶接部の密着性を向上でき、接合強度を向上できる。
ロアフレーム13,13の後端のパイプ嵌合部67には、クロスメンバ16が溶接ビード134(図10)によって予め接合される。
小組体133は、懸架部14の前端のパイプ嵌合部98をクロスメンバ16に後方から付き当てるようにしてロアフレーム13の後端結合部66に嵌合され、前部重なり部95aの前縁に沿って形成される溶接ビード135と、パイプ嵌合部98の周縁部に沿って形成される溶接ビード136とによって、ロアフレーム13,13及びクロスメンバ16に溶接される。このように、懸架部14をロアフレーム13だけでなくクロスメンバ16にも溶接することで、溶接長を長くでき、接合強度を向上できる。さらに、溶接ビード136の一部は、内側曲面部115の前端に設けられて車幅方向に延びるため、溶接長を長くでき、接合強度を向上できる。また、クロスメンバ16に懸架部14を付き当てることで、溶接位置を正確に位置決めできるため、組立て性が良い。
図10及び図15に示すように、ロアフレーム13の後部では、ロアアッパフレーム70の後部下縁76に係合段部73は形成されていないが、後部下縁76はロアダウンフレーム71の上縁に当接し、溶接ビード74によってロアダウンフレーム71に接合されている。上半体103は、前部結合部95において、ロアアッパフレーム70の後部下縁76を跨って下方まで延びてロアフレーム13を覆っている。このため、ロアアッパフレーム70とロアダウンフレーム71との接合強度を向上できる。
また、複数の異なる車種で車体フレームを共通化したい場合、例えば、ヘッドパイプ11、ダウンフレーム12及びロアフレーム13,13までを共通とし、小組体133の部分のフレームを車種に合わせて形状等を変更することで、容易に異なる車種のフレームを構成できる。
図15は、図14のXV−XV断面図である。
図14及び図15に示すように、懸架部14は、ロアフレーム13及びリアフレーム15とは別部材であるとともに、異なる閉断面構造を有するパイプ状に形成されており、ロアフレーム13及びリアフレーム15を連結している。懸架部14は、前端の前部重なり部95aにおいてロアフレーム13に外側から重なり、後端の後部重なり部97a,97b,97cにおいて外側からリアフレーム15に重なり、前部重なり部95aと後端の後部重なり部97a,97b,97cとの間の区間では、ロアフレーム13及びリアフレーム15に重なっていない。すなわち、車体フレームFは、懸架部14内にロアフレーム13及びリアフレーム15が通過しない構造になっている。
懸架部14は、ロアフレーム13とロアフレーム13に対して方向を変えて延びるリアフレーム15とを連結する屈曲した連結部であり、ロアフレーム13とリアフレーム15との間で荷重をスムーズに伝達できる強度・剛性を有することが要求される。また、懸架部14は、リンク部材27を介してユニットスイングエンジンUを懸架する部分であるため、ユニットスイングエンジンUを適正に支持可能な強度・剛性を有することが要求される。すなわち、懸架部14は、上記連結部として及びユニットスイングエンジンUの支持部としての両方の観点からの強度・剛性を満足する最適形状を有することが要求される。
第1の実施の形態では、懸架部14を、3分割構造とし、上記要求を満たすように断面積や形状を最適化した形状の上半体103、下外側部材104及び下内側部材105を個別にプレス加工で成形し、その後、溶接して閉断面のパイプ状とし、懸架部14内にはロアフレーム13及びリアフレーム15が通過させないように懸架部14を溶接するため、最適な形状の懸架部14を容易に設けることができるとともに、ロアフレーム13及びロアフレーム13についても懸架部14の要求特性に左右されずに最適形状にすることができる。このため、車体フレームFの板厚を厚くする必要が無く、軽量化を図ることができる。
また、懸架部14は、前面側が一枚の上半体103で構成されるとともに、後面側にリブ状の延出部90有するため、力Rに対して剛性が高く、乗り心地を向上できる。
また、前部重なり部95a及び後部重なり部97a,97b,97cでは、懸架部14がロアフレーム13及びリアフレーム15に重なって2重管構造になっているため、強度・剛性が高い。
図9に示すように、延出部90,90の延出部上部110は、リアフレーム15の軸線Kに重なることで、リアフレーム15の幅方向の中心に設けられているため、ユニットスイングエンジンU側からの荷重をリアフレーム15に効率良く伝達でき、荷重を効果的に受けることができる。
延出部90,90の延出部下部112,112は、リアフレーム15の軸線Kよりも車幅方向の内側に寄せて設けられている。これにより、延出部下部112,112に支持される連結軸91を短くして連結軸91の剛性を向上できるため、ユニットスイングエンジンUの支持剛性を向上できる。延出部下部112,112は、リアフレーム15の軸線Kよりも内側に寄せられているが、延出部下部112,112は、前端がクロスメンバ16に結合されることで十分な剛性が確保されている。
また、図11に示すように、延出部90の支持部112aの周囲の一部には、非溶接部121が設けられているため、連結軸91を支持部112a,112a間に組み付ける際に、溶接ビードが邪魔になることがない。このため、組立て性が良い。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、ヘッドパイプ11の後部から下方に延出するダウンフレーム12は、パイプ材で構成され、ロアフレーム13,13は、左右一対で設けられるとともに、それぞれ上下2分割構造の板材で閉断面を構成し、ロアフレーム13,13は、ダウンフレーム12との連結部である前端結合部63から車幅方向に延出した後に後方に屈曲する屈曲部64を有しており、パイプ材でダウンフレーム12を構成することでダウンフレーム12の接続箇所を低減しながらダウンフレーム12に必要な剛性・強度を確保できるとともに、ロアフレーム13は上下2分割構造の板材で閉断面を構成するようにしたため、屈曲部64の断面積や形状を最適化して屈曲部64に作用する応力を分散できるとともに軽量化も図ることができる。このため、フレームに必要な強度・剛性を確保しながら、軽量化を図ることができる。
また、ロアフレーム13,13は、上側のロアアッパフレーム70と下側のロアダウンフレーム71とを有して2分割構造とされ、ロアフレーム13,13の形状変化は、ロアアッパフレーム70がロアダウンフレーム71よりも大となるように形成されるため、ダウンフレーム12からの入力荷重を、ロアアッパフレーム70を介して緩やかに伝達することができ、応力集中を回避して、強度・剛性の最適化を図ることができる。
また、ロアアッパフレーム70の上面は、ダウンフレーム12側で漸次上方に位置するように形成される膨出部72を有するため、ロアダウンフレーム71をダウンフレーム12の支持の支点と見ると、ロアアッパフレーム70が荷重の入力点であるヘッドパイプ11に近い位置で接続されるとともに、ロアアッパフレーム70の断面形状は緩やかに変化することになり、ヘッドパイプ11からの入力荷重によって応力集中が生じることを抑制できる。このため、ロアフレーム13,13の後部側にも荷重を分散でき、板厚を厚くする必要がないため、軽量化を図ることができる。
さらに、ロアフレーム13,13は、屈曲部64の後方に、前後方向に延びる直線部65を備え、屈曲部64と直線部65との境界位置Xで断面積が最小となるように構成されるため、剛性が高い直線部65と屈曲部64との境界位置Xで剛性が急に大きくなることがなく、ロアフレーム13,13の全体としての剛性特性を緩やかにでき、さらに軽量化を図ることができる。
また、ロアアッパフレーム70は、屈曲部64の後方における高さが、ロアダウンフレーム71の高さよりも小さいため、形状変化の大きなロアアッパフレーム70であっても、プレス成形の際の成形性を確保でき、生産性を向上できる。
また、ロアアッパフレーム70は、外側から係合段部73,73がロアダウンフレーム71に重ねられて、ロアアッパフレーム70の下縁でロアダウンフレーム71と相互に溶接固定されるため、溶接ビード74をロアフレーム13,13の高さ方向の中間部寄りに設けて溶接ビード74に加わる応力集中を抑制できる。このため、さらに軽量化を図ることができる。
また、左右一対のロアフレーム13,13の前端結合部63は、ダウンフレーム12の下部の大径部62を上面視で半円状に囲むようにそれぞれ溶接されるとともに、ダウンフレーム12の前方及び後方において、左右一対のロアフレーム13,13の前端における前連結部82及び後連結部83が左右の各当接面82a,83aでそれぞれ当接して溶接されるため、大径部62を半円状に囲むことで溶接ビード84の溶接長を長くできるとともに、前連結部82及び後連結部83の溶接によって溶接強度を向上することができる。また、大径部62を前端結合部63で囲むことで、ダウンフレーム12の下部の剛性を向上できる。
さらに、前連結部82及び後連結部83のロアフレーム13,13同士の当接面82a,82a間及び当接面83a,83a間に、所定の大きさの切り欠き75を設け、切り欠き75を介してロアフレーム13,13がダウンフレーム12に溶接されるため、切り欠き75を介して左右のロアフレーム13,13及びダウンフレーム12を溶接でき、接合強度を向上できる。
また、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、ロアフレーム13,13とリアフレーム15,15との間に設けられる懸架部14,14は、ロアフレーム13,13及びリアフレーム15,15とは異なる閉断面構造で形成されるとともに、懸架部14,14の内部にロアフレーム13,13及びリアフレーム15,15が通過しない構造であり、懸架部14,14の前部結合部95及び後部結合部97で、ロアフレーム13,13及びリアフレーム15,15と連結されるため、懸架部14,14に必要な強度・剛性を最適化して懸架部14,14を設けることができるとともに、ロアフレーム13,13及びリアフレーム15,15についても懸架部14,14の要求特性に左右されずに最適形状とすることができ、懸架部14,14、ロアフレーム13,13及びリアフレーム15,15の強度・剛性を相互に最適化できるため、軽量化を図ることができる。
また、懸架部14,14は、ロアフレーム13,13とリアフレーム15,15との間に設けられるとともに、屈曲部を形成するため、ロアフレーム13,13及びリアフレーム15,15は、それぞれの要求特性に従って最適形状にすることができ、懸架部14,14については、ロアフレーム13,13とリアフレーム15,15との間の荷重伝達をするフレームとしての荷重伝達の強度・剛性を確保しながら、ユニットスイングエンジンUからの荷重の入力も考慮した最適形状を実現でき、さらに軽量化を図ることができる。
また、左右一対のロアフレーム13,13の後端を連結するクロスメンバ16が設けられ、懸架部14,14は、ロアフレーム13,13だけでなくクロスメンバ16にも連結されるため、連結部の面積を拡大でき、接合強度を向上できる。
また、懸架部14,14は、下方に開放する上半体103と、上半体103の下側に連結され、車幅方向に分割される下外側部材104及び下内側部材105との3分割構造で閉断面を形成し、下外側部材104及び下内側部材105のそれぞれから下方に延出する外側延出部126と内側延出部116とを重ね合わせた延出部90にユニットスイングエンジンUの支持部112aを形成したため、懸架部14,14に加わる荷重を上半体103によって効果的に受けることができるとともに、外側延出部126と内側延出部116とを重ね合わせた延出部90に支持部112aを形成することで、支持部112aの支持剛性及び強度を高めることができる。
さらに、延出部90は、リアフレーム15,15における車幅方向の略中央に形成される延出部上部110と、延出部上部110より車幅方向内側に設けられる延出部下部112とを有し、ユニットスイングエンジンUの支持部112aは、延出部下部112に設けられるため、支持部112aからの荷重を延出部上部110によってリアフレーム15,15の幅方向の略中央で均一に荷重を受けてリアフレーム15,15側に伝達できるとともに、左右の延出部下部112,112間の間隔は短くして、この間隔に設けられる連結軸91の強度及び剛性を向上させることができる。
また、外側延出部126及び内側延出部116の周縁は相互に溶接されるとともに、支持部112aの周囲の一部には、非溶接部121が設けられたため、非溶接部121では溶接ビードが邪魔にならず、連結軸91の組付け性を向上できる。
また、懸架部14,14とリアフレーム15,15との接合部において、懸架部14,14側に切り欠き部102,102が設けられているため、懸架部14,14とリアフレーム15,15との密着性を向上できるとともに、溶接長も長くできるため、接合強度を向上できる。
また、左側のリアフレーム15にユニットスイングエンジンUを支持するリアクッション部材33の取り付け部15bが設けられ、取り付け部15bが設けられた側の懸架部14に、懸架部14の閉断面内を貫通するカラー100aが配置され、取り付け部15bが設けられる側の懸架部14の剛性をカラー100aによって向上できるため、荷重の伝達経路の剛性を高めることができ、乗り心地を向上できる。
なお、上記第1の実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記第1の実施の形態に限定されるものではない。
上記第1の実施の形態では、切り欠き75は、前連結部82及び後連結部83に設けられるものとして説明したが、切り欠き75を前連結部82及び後連結部83のいずれか一方のみに設ける構成としても良い。すなわち、切り欠き75は、前連結部82及び/または後連結部83に設ければ良い。
また、上記第1の実施の形態では、ユニットスイングエンジンUは、その前部に連結されるリンク部材27を介して間接的に懸架部14,14に連結されるものとして説明したが、これに限らず、ユニットスイングエンジンUは、リンク部材27を介さずに、直接に延出部90,90に軸支される構成であっても良い。
[第2の実施の形態]
以下、図16を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、懸架部14は、ロアフレーム13とリアフレーム15との間に設けられているものとして説明したが、本第2の実施の形態は、懸架部214がリアフレーム215の途中に設けられる点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図16は、第2の実施の形態における車体フレームF1の左側面図である。
自動二輪車1は、車体フレームF1を備え、車体フレームF1は、ヘッドパイプ11と、ダウンフレーム12と、ダウンフレーム12の下部から車幅方向に延出した後、屈曲して後方に延びる左右一対のロアフレーム213,213と、ロアフレーム213,213の後部に設けられ、左右のロアフレーム213,213を連結するセンタークロスフレーム216と、センタークロスフレーム216から後上方へ車両後部まで延出する左右一対のリアフレーム215,215と、各リアフレーム215,215の途中に設けられる懸架部214,214を備える。ロアフレーム213,213及びリアフレーム215,215はパイプ状のフレームである。
車体フレームF1には、左右のフレームを連結するクロスフレームとして、センタークロスフレーム216と、センタークロスフレーム216の上方でリアフレーム215,15の前部間を連結する中間クロスメンバ217と、リアフレーム215,215の前後の中間部間を連結する後部クロスメンバ(不図示)と、リアフレーム215,215の後端間を連結する後端クロスメンバ219とを備える。
各リアフレーム215は、センタークロスフレーム216の後部に結合される前側リアフレーム215aと、懸架部214を介して前側リアフレーム215aに結合される後側リアフレーム215bとを備える。
各懸架部214は、パイプ状に形成されており、上記第1の実施の形態と同様に、周方向に3分割されている。詳細には、懸架部214は、下方に開放する樋状の上半体203と、車幅方向に分割され、懸架部214の下面を構成する下外側部材204及び下内側部材(不図示)とを有する。各懸架部214の下面には、後下方に延出する板状の延出部290が設けられている。上半体203、下外側部材204及び上記下内側部材は、プレス成形によって個別に形成される。
懸架部214,214は、延出部290,290に連結されるリンク機構(不図示)を介してユニットスイングエンジンUを懸架する。なお、ユニットスイングエンジンUは、上記リンク機構を介さずに、直接に延出部290,290に軸支されても良い。
懸架部214は、前側リアフレーム215a及び後側リアフレーム215bとは別部材であるとともに、リアフレーム215とは異なる閉断面構造を有するパイプ状に形成されており、前側リアフレーム215aと後側リアフレーム215bとを連結している。
懸架部214は、前端の前部重なり部214aにおいて前側リアフレーム215aの後端に外側から重なり、後端の後部重なり部214bにおいて外側から後側リアフレーム215bの前端に重なり、前部重なり部214aと後部重なり部214bとの間の区間では、リアフレーム215に重なっていない。すなわち、車体フレームF1は、懸架部214内にリアフレーム215が通過しない構造になっている。
リアフレーム215,215の途中に設けられる懸架部214,214は、リアフレーム215,215とは異なる閉断面構造で形成されるとともに、懸架部214,214の内部にリアフレーム215,215が通過しない構造であり、懸架部214,214の前部重なり部214a及び後部重なり部214bで、リアフレーム215,215と連結されるため、懸架部214,214に必要な強度・剛性を最適化して懸架部214,214を設けることができるとともに、リアフレーム215,215についても懸架部214,214の要求特性に左右されずに最適形状とすることができ、懸架部214,214及びリアフレーム215,215の強度・剛性を相互に最適化できるため、軽量化を図ることができる。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
2 前輪
11 ヘッドパイプ
12 ダウンフレーム
13,13 ロアフレーム
64 屈曲部
65 直線部
70 ロアアッパフレーム
71 ロアダウンフレーム
75 切り欠き
82 前連結部
83 後連結部
H1 高さ
H2 高さ
X 境界位置
上記目的を達成するため、本発明は、前輪(2)を操舵自在に軸支するヘッドパイプ(11)と、前記ヘッドパイプ(11)の後部から下方に延出するダウンフレーム(12)と、前記ダウンフレーム(12)の下部から後方に延出するロアフレーム(13)とを備えた鞍乗り型車両のフレーム構造において、前記ダウンフレーム(12)は、パイプ材で構成され、前記ロアフレーム(13)は、左右一対で設けられるとともに、それぞれ上下2分割構造の板材で閉断面を構成し、前記ロアフレーム(13)は、前記ダウンフレーム(12)との連結部から車幅方向に延出した後に後方に屈曲する屈曲部(64)を有し、前記ロアフレーム(13)は、上側のロアアッパフレーム(70)と下側のロアダウンフレーム(71)とを有して2分割構造とされ、前記ロアフレーム(13)の形状変化は、前記ロアアッパフレーム(70)が前記ロアダウンフレーム(71)よりも大となるように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、パイプ材でダウンフレームを構成することでダウンフレームの接続箇所を低減しながらダウンフレームに必要な剛性・強度を確保できるとともに、ロアフレームは上下2分割構造の板材で閉断面を構成するようにしたため、屈曲部の断面積や形状を最適化して屈曲部に作用する応力を分散できるとともに軽量化も図ることができる。このため、フレームに必要な強度・剛性を確保しながら、軽量化を図ることができる。また、ロアフレームの形状変化は、ロアアッパフレームがロアダウンフレームよりも大となるように形成されるため、ダウンフレームからの入力荷重を、ロアアッパフレームを介して緩やかに伝達することができ、応力集中を回避して、強度・剛性の最適化を図ることができる。
た、本発明は、前記ロアアッパフレーム(70)の上面は、前記ダウンフレーム(12)側で漸次上方に位置するように形成されることを特徴とする。
本発明によれば、ロアダウンフレームをダウンフレームの支持の支点と見ると、ロアアッパフレームが荷重の入力点であるヘッドパイプに近い位置で接続されるとともに、ロアアッパフレームの断面形状は緩やかに変化することになり、ヘッドパイプからの入力荷重によって応力集中が生じることを抑制できる。このため、ロアフレームの後部側にも荷重を分散でき、軽量化を図ることができる。
また、本発明は、前記ロアアッパフレーム(70)は、外側から前記ロアダウンフレーム(71)に重ねられて、前記ロアアッパフレーム(70)の下縁で前記ロアダウンフレーム(71)と相互に溶接固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、溶接部をロアフレームの高さ方向の中間部に設けて溶接部に加わる応力集中を抑制できる。このため、さらに軽量化を図ることができる。
また、本発明は、左右一対の前記ロアフレーム(13)は、前記ダウンフレーム(12)の下部を上面視で半円状に囲むようにそれぞれ溶接されているとともに、前記ダウンフレーム(12)の前方及び後方において、左右一対の前記ロアフレーム(13)の前端における前連結部(82)及び後連結部(83)がそれぞれ当接して溶接されていることを特徴とする。
本発明によれば、ダウンフレームの下部を半円状に囲むことで溶接長を長くできるとともに、前連結部及び後連結部の溶接によって溶接強度を向上することができる。また、ダウンフレームの下部をロアフレームで囲むことで、ダウンフレームの下部の剛性を向上できる。
さらに、本発明は、前記前連結部(82)及び/または前記後連結部(83)の左右一対の前記ロアフレーム(13)同士の当接部の間に、所定の大きさの切り欠き(75)を設け、前記切り欠き(75)を介して前記ロアフレーム(13)が前記ダウンフレーム(12)に溶接されていることを特徴とする。
本発明によれば、切り欠きを介して左右のロアフレーム及びダウンフレームを溶接でき、接合強度を向上できる。

Claims (8)

  1. 前輪(2)を操舵自在に軸支するヘッドパイプ(11)と、前記ヘッドパイプ(11)の後部から下方に延出するダウンフレーム(12)と、前記ダウンフレーム(12)の下部から後方に延出するロアフレーム(13)とを備えた鞍乗り型車両のフレーム構造において、
    前記ダウンフレーム(12)は、パイプ材で構成され、
    前記ロアフレーム(13)は、左右一対で設けられるとともに、それぞれ上下2分割構造の板材で閉断面を構成し、前記ロアフレーム(13)は、前記ダウンフレーム(12)との連結部から車幅方向に延出した後に後方に屈曲する屈曲部(64)を有することを特徴とする鞍乗り型車両のフレーム構造。
  2. 前記ロアフレーム(13)は、上側のロアアッパフレーム(70)と下側のロアダウンフレーム(71)とを有して2分割構造とされ、前記ロアフレーム(13)の形状変化は、前記ロアアッパフレーム(70)が前記ロアダウンフレーム(71)よりも大となるように形成されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両のフレーム構造。
  3. 前記ロアアッパフレーム(70)の上面は、前記ダウンフレーム(12)側で漸次上方に位置するように形成されることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両のフレーム構造。
  4. 前記ロアフレーム(13)は、前記屈曲部(64)の後方に、前後方向に延びる直線部(65)を備え、前記屈曲部(64)と前記直線部(65)との境界位置(X)で断面積が最小となるように構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鞍乗り型車両のフレーム構造。
  5. 前記ロアアッパフレーム(70)は、前記屈曲部(64)の後方における高さ(H1)が、前記ロアダウンフレームの高さ(H2)よりも小さいことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の鞍乗り型車両のフレーム構造。
  6. 前記ロアアッパフレーム(70)は、外側から前記ロアダウンフレーム(71)に重ねられて、前記ロアアッパフレーム(70)の下縁で前記ロアダウンフレーム(71)と相互に溶接固定されることを特徴とする請求項5記載の鞍乗り型車両のフレーム構造。
  7. 左右一対の前記ロアフレーム(13)は、前記ダウンフレーム(12)の下部を上面視で半円状に囲むようにそれぞれ溶接されるとともに、前記ダウンフレーム(12)の前方及び後方において、左右一対の前記ロアフレーム(13)の前端における前連結部(82)及び後連結部(83)がそれぞれ当接して溶接されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の鞍乗り型車両のフレーム構造。
  8. 前記前連結部(82)及び/または前記後連結部(83)の左右一対の前記ロアフレーム(13)同士の当接部の間に、所定の大きさの切り欠き(75)を設け、前記切り欠き(75)を介して前記ロアフレーム(13)が前記ダウンフレーム(12)に溶接されることを特徴とする請求項7記載の鞍乗り型車両のフレーム構造。
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