JPWO2014050961A1 - 照明器具部品用ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、当初、これらの熱可塑性ポリエステル樹脂を用いると、長期間使用やランプの熱容量が大きい場合やランプと部品が近接している場合、部品からの熱分解物や配合物が昇華して照明器具のガラス面やリフレクターが曇るという問題があった。
この問題を解決するために、カルボジイミド化合物を配合して熱分解物や昇華性物質などを捕捉する方法(特許文献1)や、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンナフタレート樹脂とのアロイにエポキシ基含有物質を含有させることで、ポリエステル樹脂組成物における揮発性物質の発生を低減する方法(特許文献2)などが知られている。
これらの方法によれば、かなりの改善効果が認められるが、照明器具のLED光源や使用環境等によっては、180℃を超える温度環境下に曝される場合があり、このような場合、低フォギング性は十分とは言えず、より優れた低フォギング性が求められ、さらにはランプ部の装着が容易なスナップフィット性も求められるようになり、より高度な機能性の樹脂組成物の出現が望まれている。また、特許文献1の方法では、結晶化速度が低下する傾向があり、成形条件によっては、成形品表面に皺が発生するなどの成形不良が問題となる場合があった。
[2] 前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)が、末端カルボン酸基が10eq/t以下のポリエチレンテレフタレートを少なくとも25質量%含むポリエチレンテレフタレート樹脂である[1]に記載の照明器具部品用ポリエステル樹脂組成物。
[3] 前記ポリエステルエラストマ(B)が、ポリエーテルエステルブロック共重合体、ポリエステルエステルブロック共重合体、ポリカーボネートエステルブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種であり、その含有量が0.5〜10質量%である[1]又は[2]に記載の照明器具部品用ポリエステル樹脂組成物。
[4] 前記無機系結晶化促進剤(D)が、タルクである[1]〜[3]のいずれかに記載の照明器具部品用ポリエステル樹脂組成物。
[5] 前記有機系結晶化促進剤(C)が、ポリアルキレングリコールジベンゾエートである[1]〜[4]のいずれかに記載の照明器具部品用ポリエステル樹脂組成物。
[6] ポリエステル樹脂組成物のペレットを180℃、20時間加熱するフォギング試験によるヘイズ値が10以下であり、かつ該樹脂組成物の降温結晶化温度(Tc2)が210℃以上、昇温結晶化温度(Tc1)が120℃以下である[1]〜[5]のいずれかに記載の照明器具部品用ポリエステル樹脂組成物。
本発明に用いるポリエチレンテレフタレート樹脂(A)とは、少なくとも80モル%、好ましくは90モル%以上がテレフタル酸からなるジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体成分と、少なくとも80モル%、好ましくは90モル%以上がエチレングリコールであるグリコール成分とをエステル化反応またはエステル交換反応させ、次いで重縮合反応させて、又はこれと固相重合反応が組み合わされて得られる重合体である。
ジカルボン酸成分として20モル%以下の範囲でテレフタル酸と併用できるジカルボン酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ナフタレン−1,4−もしくは2,6−ジカルボン酸等が挙げられる。また、グリコール成分として20モル%以下の範囲でエチレングリコールと併用できるグリコールとしては、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のグリコールを挙げることができる。これらの重合体は単独で用いても2種以上混合しても良い。
ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)は、フェノールとテトラクロルエタンの6/4質量比混合溶媒中で、30℃で測定した固有粘度が、好ましくは0.3dl/g以上、特に好ましくは0.5dl/g以上のもので、溶融重縮合反応、又はこれと固相重合反応の組み合わされた方法で製造される。
ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)は、酸価が異なる複数のポリエチレンテレフタレートを併用しても良い。その場合、ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)全体として末端カルボン酸基が25eq/t以下であれば、必ずしも末端カルボン酸基が25eq/t以下のポリエチレンテレフタレートだけを用いる必要はない。酸価が異なる複数のポリエチレンテレフタレートを併用する場合のポリエチレンテレフタレート樹脂(A)の酸価は、各々のポリエチレンテレフタレートの酸価から加重平均で算出する。
酸価が異なる複数のポリエチレンテレフタレートを併用する場合、ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)は、末端カルボン酸基が10eq/t以下の低酸価のポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。末端カルボン酸基が7eq/t以下の低酸価のポリエチレンテレフタレートを含むことがより好ましい
末端カルボン酸基が10eq/t以下の低酸価ポリエチレンテレフタレートの量は、ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)中、25質量%以上であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上である。25質量%未満では低酸価ポリエチレンテレフタレート使用による揮発性のポリエチレンテレフタレート分解物の抑制効果が不十分であり、それによりフォギングが悪化する恐れがある。ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)中の末端カルボン酸基が10eq/t以下の低酸価ポリエチレンテレフタレート以外は、末端カルボン酸基が40eq/t以下のポリエチレンテレフタレートであることが好ましく、末端カルボン酸基が15eq/t以上30eq/t以下のポリエチレンテレフタレートであることがより好ましい。
必要により本発明に用いるポリエステルエラストマ(B)とは、高融点結晶性重合体セグメント(a)と低融点重合体セグメント(b)からなるブロック共重合体である。ポリエステルエラストマ(B)の高融点結晶性重合体セグメント(a)は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから形成されるポリエステルであり、好ましくはテレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレートであるが、この他に、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体などのジカルボン酸成分と、分子量300以下のジオール、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−クオーターフェニルなどの芳香族ジオールなどから誘導されるポリエステル、あるいはこれらのジカルボン酸成分およびジオール成分を2種以上併用した共重合ポリエステルであっても良い。また、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲で共重合することも可能である。
これらの脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルおよび/または脂肪族ポリカーボネートのなかで、得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性からポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールのエチレンオキシド付加物、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが好ましい。また、これらの低融点重合体セグメントの数平均分子量としては、共重合された状態において300〜6000程度であることが好ましく、800〜3000がより好ましく、1000〜2500がさらに好ましい。
本発明に用いるポリエステルエラストマ(B)における低融点重合体セグメント(b)の共重合量は、好ましくは10〜80質量%、更に好ましくは15〜75質量%である。
ポリエステルエラストマ(B)は、ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)に配合すると、比較的よく相溶化して組成物のTc1を下げる効果があるため、高融点結晶性重合体セグメント成分が結晶核となり、結晶化を促進する効果があることが理解できる。これは、アクリルゴムなどの他のエラストマでは認められない効果である。また、低融点重合体セグメント成分は組成物に靭性付与効果をもたらすことができる。したがって、前記のような効果が期待できないポリエステルエラストマ(B)以外のエラストマは、本発明の効果を損なわない範囲で含有することは可能であるが、そのようなエラストマの含有量は、ポリエステルエラストマ(B)の含有量より少なくしておく必要がある。
ポリエステルエラストマ(B)は、具体的にはペルプレン(東洋紡績社、登録商標)、ハイトレル(東レ・デュポン社、登録商標)などから市販されているものを使用することができる。
有機系結晶化促進剤(C)としては、アルカリ金属塩を含有しないものである。アルカリ金属塩を含有すると、高温加熱成形時にポリエステル系樹脂の分子切断が起こりやすく、低フォギング性の達成が困難になるためである。アルカリ金属塩を含有しない有機系結晶化促進剤(C)としては、エステル化合物であることが好ましく、ポリエステル鎖又はポリアルキレングリコール鎖を含むエステル化合物であることがより好ましい。
かかるエステル化合物の分子量は、500〜20000が好ましく、1000〜10000がより好ましい。好ましくは、末端がフェニル基やメチル基などの分子で封鎖したエステル化合物である。さらに好ましくは、300℃での揮発減量が1質量%以下であり、特に好ましくは300℃での揮発減量が0.6質量%以下のものである。
ポリエチレングリコール系のエステル化合物の場合、ポリエチレングリコールの分子量は100〜1000の範囲が結晶化促進効果と揮発成分量の少なさの面から好ましい。
芳香族一塩基酸としては、安息香酸、ナフタレンモノカルボン酸類及びそのエステル形成性誘導体が挙げられるが、これらは、ポリエステルやポリアルキレングリコールなどの末端封鎖に用いられる。
好ましいエステル化合物としては、ポリアルキレングリコールジベンゾエートが挙げられる。
無機系結晶化促進剤(D)としては、タルク、マイカ、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレー、アルミナ、ケイソウ土、酸化チタンなどを例示することができるが、少量で結晶化促進効果が発現できる点でタルクが好ましい。
かかる無機系結晶化促進剤の平均粒子径は10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。また、配合量は、全組成物に対し0.05〜8質量%であり、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜4質量%である。0.05質量%未満であると、結晶化促進効果が十分でなく、一方、8質量%を超えると、スナップフィット性が低下する恐れがある。
本発明に用いるポリカルボジイミド化合物(E)は、一分子内に−N=C=N−の構造を2つ以上有する化合物であり、ジイソシアネート化合物の脱二酸化炭素反応により作製される公知のものを使用できる(米国特許第2941956号、特公昭47−3279号公報、J.Org.Chem.,28,2069〜2075(1963)、Chemical Review 1981、Vol.81,No.4,619〜621参照)。
以上の観点から、脂肪酸エステル分解物の捕捉速度が速く、高分子量体であるポリカルボジイミドが最も好ましく、特に取り扱いやすさの点から数平均分子量が500〜10000でカルボジイミド基量が100〜10000当量/トンであるものが好ましい。
本発明において、高耐熱性、高剛性を発現させるためには、無機繊維強化剤(F)を配合する。無機繊維強化剤(F)としては、ガラス繊維、カーボン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素チタン酸カリウム繊維、金属繊維などの無機繊維などを挙げることができる。これらの無機繊維強化剤(F)は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、ガラス繊維を特に好適に用いることができる。ガラス繊維の断面の形状は円形、長方形、長円形、楕円、繭型など特に限定されない。ガラス繊維の平均繊維径に特に制限はないが、2〜50μmであることが好ましく、3〜30μmであることがより好ましく、5〜20μmであることが特に好ましい。また、平均繊維長にも特に制限はないが、0.1〜20mmであることが好ましく、1〜10mmであることがより好ましい。
Tc2が210℃未満であると、離型性が悪く、固化速度が遅くなり成形品表面に皺が発生しやすくなる傾向がある。Tc1が120℃を超えると離型性が悪くなる傾向がある。Tc2とTc1との差は、大きいほど結晶化速度が速いことを示すが、90〜105℃が好ましい。Tc2とTc1との差が、105℃を超えると、無機繊維強化剤を多量に含有する場合、成形品表面の平滑性が劣るようになる傾向があり、90℃未満では成形性が劣るようになる傾向がある。
このため、本発明の樹脂組成物は、各配合物の成形性や物性に関するマイナス要因が緩和され、成形性に優れ、200℃を超える高温耐熱性を有し、180℃の高温環境に曝されても照明器具のガラス面やリフレクターの曇りが抑制できる(低フォギング性)のみならず、ランプ部の装着が容易なスナップフィット性に優れる特性を発現できると考えられる。
(2)曲げたわみ率:ISO−178に準じて測定した。
(3)熱変形温度 HDT(1.8MPa):ISO−75−1、75−2に準じて測定した。
(4)昇温結晶化温度(Tc1:℃)、降温結晶化温度(Tc2:℃):エスアイアイナノテクノロジー社製DSC6220を用い、窒素気流下で20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し、この昇温時に得られたサーモグラム曲線の発熱ピークのピークトップ温度(℃)をTc1とし、300℃で5分間保持した後、20℃/分の速度にて50℃まで降温させたことにより得られたサーモグラム曲線の発熱ピークのピークトップ温度(℃)をTc2とした。なお、DSCの測定試料は、50℃の金型温度で成形した100×100×2mmの平板の中央部付近から切り出した。
(6)還元粘度:充分乾燥したポリエステル樹脂0.02gをフェノール/テトラクロロエタン(質量比6/4)の混合溶媒10mlに溶解し、ウベローゼ粘度計にて30℃で測定した。
(7)酸価(末端カルボン酸基の数):ベンジルアルコールとクロロホルムの1:1質量比混合溶媒100ml中で、ポリエステル樹脂0.5gを完全に溶解させた後、0.02N KOH−エタノール混合溶液を用いて滴定したときの滴定値より算出した。
・ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET1):RF−548(東洋紡績社製)、酸価6eq/t、固有粘度0.72dl/g
・ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET2):RE−530(東洋紡績社製)、酸価28eq/t、固有粘度0.63dl/g
・ポリエステルエラストマ1(EL1):ペルプレンP150B(ポリエーテルエステルブロック共重合体)(東洋紡績社製)、酸価54eq/t、還元粘度1.53dl/g
・ポリエステルエラストマ2(EL2):ペルプレンP70B(ポリエーテルエステルブロック共重合体)(東洋紡績社製)、酸価45eq/t、還元粘度1.88dl/g
・ポリエステルエラストマ3(EL3):ペルプレンS1001(ポリエステルエステルブロック共重合体)(東洋紡績社製)、酸価55eq/t、還元粘度1.45dl/g
・アクリルゴム(EL4):WK−402(住友化学社製)
・ポリエチレングリコールジベンゾエート(有機1):KRM4004(分子量400)(三洋化成工業社製)
・12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム(有機2):NS6(日東化成工業社製)
・タルク(無機1):KCM7500(粒径5.8μm)(林化成社製)
・ポリカルボジイミド1:カルボジライトLA−1(末端イソシアネートポリカルボジイミド)(日清紡社製)
・ポリカルボジイミド2:カルボジライトHMV−15CA(末端失活ポリカルボジイミド)(日清紡社製)
・ガラス繊維(GF):CS−3J941S(平均繊維径11μm、平均繊維長3mm)(日東紡社製)
直径60mm、高さ80mm、厚み2.5mmのガラス円筒の下にアルミフォイルを敷き、この円筒中のアルミフォイル上に10gのペレットを乗せ、円筒の上部に厚み1mmのガラス板(無色、透明ガラス:ヘイズ 0.2%)を乗せ、アルミフォイルの下からホットプレートで180℃に加熱し、20時間後にガラス板の表面に付着した曇りについてヘーズメータ(日本電色工業社製、NDH5000)を用いて測定した。
(10)成形性
電動射出成形機EC−100N(東芝成形機械製)を使用して、シリンダー温度275℃、金型温度120℃、射出8秒、冷却20秒、100×100×2mmt金型で成形時に下記の指標で判断した。
○:離型皺無し、 ×離型皺あり
事前調査で、曲げたわみ率(%)とスナップフィット性との関係を調査したところ、曲げたわみ率(%)が2.2%あれば、スナップフィット性有との知見を得たので、曲げたわみ率(%)で判定した。
○:曲げたわみ率2.2%以上
△:曲げたわみ率2.2%未満2.0%以上
×:曲げたわみ率2.0%未満
上記各原料を表1に記載の比率で、さらに、上記組成物100質量部に対してそれぞれ離型剤としてトリグリセリンベヘン酸エステル0.4質量部を配合して、二軸スクリュー式押出機にて、混練・ペレット化した。このポリエステル樹脂組成物のペレットを用いて、上記の評価を行った。
比較例1は、酸価の高いポリエステルのため、フォギング性が悪い。比較例2、3は、それぞれ有機系結晶化促進剤または無機結晶化促進剤を含有しないため、成形性が悪い。比較例3の樹脂組成物から成形された成形品表面の写真(図2)から、皺が発生していることが分かる。比較例4は、有機系結晶化促進剤がナトリウムを含有するため、フォギングが発生しやすくなり、スナップフィット性も劣る。比較例5は、低酸価のポリエステルを用いてもポリカルボジイミドを含有しないため、フォギング性が劣る。比較例6は、エラストマがアクリルゴムであるため、組成物の相溶性も不良で、耐熱性、成形性も劣る。比較例7は、タルクとガラス繊維の配合のみであるので、フォギングが著しく、成形性が悪く、スナップフィット性も全くない。
Claims (6)
- 末端カルボン酸基が25eq/t以下のポリエチレンテレフタレート樹脂(A)35〜80質量%、ポリエステルエラストマ(B)0〜10質量%、アルカリ金属塩を含有しない有機系結晶化促進剤(C)0.05〜3質量%、無機系結晶化促進剤(D)0.05〜8質量%、ポリカルボジイミド化合物(E)0.05〜5質量%、及び無機繊維強化剤(F)5〜60質量%を含有し、ポリエステルエラストマ(B)以外のエラストマを含む場合は、該エラストマの含有量はポリエステルエラストマ(B)より少ないことを特徴とする照明器具部品用ポリエステル樹脂組成物。
- 前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)が、末端カルボン酸基が10eq/t以下のポリエチレンテレフタレートを少なくとも25質量%含むポリエチレンテレフタレート樹脂である請求項1に記載の照明器具部品用ポリエステル樹脂組成物。
- 前記ポリエステルエラストマ(B)が、ポリエーテルエステルブロック共重合体、ポリエステルエステルブロック共重合体、ポリカーボネートエステルブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種であり、その含有量が0.5〜10質量%である請求項1又は2に記載の照明器具部品用ポリエステル樹脂組成物。
- 前記無機系結晶化促進剤(D)が、タルクである請求項1〜3のいずれかに記載の照明器具部品用ポリエステル樹脂組成物。
- 前記有機系結晶化促進剤(C)が、ポリアルキレングリコールジベンゾエートである請求項1〜4のいずれかに記載の照明器具部品用ポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂組成物のペレットを180℃、20時間加熱するフォギング試験によるヘイズ値が10以下であり、かつ該樹脂組成物の降温結晶化温度(Tc2)が210℃以上、昇温結晶化温度(Tc1)が120℃以下である請求項1〜5のいずれかに記載の照明器具部品用ポリエステル樹脂組成物。
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