JPWO2014050421A1 - 配線パターンの形成方法および配線パターン形成物 - Google Patents

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Abstract

第1、第2および第3の工程を順に実施し、第1の工程が、絶縁性基板(100)の第一の面(101)の非配線部(104)に、レジスト層(200)を積層する工程であり、第2の工程が、配線部(103)と前記レジスト層(200)の少なくとも一部の上に導電性薄膜層(300)を積層する工程であり、第3の工程が、フラッシュランプ(400)から可視光帯域のフラッシュ光(401)を、前記絶縁性基板(100)の第二の面(102)から前記レジスト層(200)の第二の面(202)に照射して、前記レジスト層(200)を消失させ、配線部(103)に導電性薄膜層(300)よりなる配線パターンを形成する工程であることを特徴とする配線パターンの形成方法および配線パターン形成物。エッチング液やレジスト剥離液などの化学物質を使用するなどの煩雑な工程を必要とせず、環境側面および経済側面において有効な新しい配線パターンの形成方法を提供する。

Description

本発明は、配線パターンの形成方法に関し、特にエッチングの難しい貴金属配線板、プリント配線板として有用な、配線パターンの形成方法および配線パターン形成物に関する。
従来より、絶縁性基板の表面に金属パターンによる配線を形成した金属配線基板が、電子部品や半導体素子に広く用いられている。従来の配線パターン形成方法としては、例えば、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法、リフトオフ法などが用いられている(特許文献1〜6)。
サブトラクティブ法とは、絶縁性を有する基板本体の上に形成された金属箔上にフォトレジスト層を形成した積層板を用意する。この積層板のレジスト層に所望の導体パターンを配置して、その上から紫外線を露光し、現像して導体パターン以外のレジスト層を除去した後、エッチング液を用いてレジスト層によってマスクされた導体パターンを残して導体層の一部を除去し、最後に導体パターン上のレジスト層を剥離することによって配線パターンを得るものである(特許文献1〜3)。
一方セミアディティブ法では、絶縁樹脂上に厚さ0.3〜3μm程度の薄い下地金属層を無電解めっきにより形成し、下地金属層上にフォトレジスト層を形成した後に、回路パターンとは逆の回路パターンが描画された露光板を介して紫外線露光することによって、配線回路を形成すべき部分の下地金属層が露出し、回路形成しない部分ではフォトレジスト皮膜によって被覆されたレジストパターンを形成する。給電層上に形成されたフォトレジストパターンを型として下地金属層に電流を印加し、配線回路となる部分を電解めっき法により形成する。続いてフォトレジストパターンを除去して下地金属層をエッチング除去することで配線パターンを得るものである(特許文献4)。
また絶縁基板上にPt、Au、Pd等の貴金属およびこれらの合金等のエッチングの難しい金属で導電回路を形成する場合、予め、回路パターンのネガティブ型レジスト膜を形成し、次に真空蒸着法やスパッタリング法により、前記金属層を形成し、レジスト膜を溶剤除去する、いわゆるリフトオフ法により配線パターンを得る方法が知られている(特許文献5、6)。
ところで、電気化学的バイオセンサーに用いられる作用極および対極等の電極は、例えば、血液中のグルコース濃度を測定する血糖値測定装置は、血液中のグルコース成分とGOD(グルコースオキシダーゼ)やGDH(グルコースデヒドロゲナーゼ)等の酵素が反応し、その反応によって電子伝達体(メディエーター)を酸化させ、発生する電流値を読み取ることにより血液中のグルコース濃度を測定している。このとき用いられる電極は、電子伝達体を酸化する際にそれ自身が酸化されない導電性材料を用いなければならないという制約がある。そのため、パラジウム、金、白金、カーボン等の導電性材料から選ばなければならない。パラジウム、金、白金等の貴金属を用いる場合、レーザーでトリミングする方法が開示されている(特許文献7)。
これらの配線パターン形成方法は、エッチング液やレジスト剥離液などの化学物質を使用するなどの煩雑な工程を必要であったり、レーザー照射装置等の高価な装置を導入しなければならず、環境側面および経済側面において、より有効な手段が求められている。
特開2004−063575号公報 特開2004−172236号公報 特開2005−136339号公報 特開2009−176770号公報 特開平8−274448号公報 特開2000−286536号公報 国際公開第2002/008743号
本発明者らは、従来技術の背景に鑑み前記の問題に対して調査し、環境側面および経済側面において有効な新しい配線パターンの形成方法および配線パターン形成物を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の配線パターンの形成方法は、第1の工程、第2の工程および第3の工程を順に実施する配線パターンの形成方法であって、
第1の工程が、絶縁性基板(100)の第一の面(101)の非配線部(104)にレジスト層(200)を積層する工程であり、
第2の工程が、配線部(103)と前記レジスト層(200)の少なくとも一部の上に導電性薄膜層(300)を積層する工程であり、
第3の工程が、フラッシュランプ(400)から可視光帯域のフラッシュ光(401)を、前記絶縁性基板(100)の第二の面(102)から少なくとも前記レジスト層(200)の第二の面(202)に照射して、前記レジスト層(200)を消失させ、配線部(103)に導電性薄膜層(300)よりなる配線パターンを形成する工程であることを特徴とする。
かかる配線パターンの形成方法の好ましい態様は、下記(1)〜(11)の通りである。
(1)前記絶縁性基板(100)の全光線透過率が20%以上であること
(2)前記レジスト層(200)がカーボンを含有すること
(3)前記レジスト層(200)が有機溶剤を含有すること
(4)前記有機溶剤の沸点が200℃以下であること
(5)前記レジスト層(200)が、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷およびフォトリソグラフィからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む方法で形成されたこと
(6)前記レジスト層(200)を形成後、配線部(103)のレジスト層を、レーザーアブレーション法により除去されて形成されたこと
(7)前記導電性薄膜層(300)が、カーボン系以外の導電性材料であること
(8)前記導電性薄膜層(300)の厚さが、1nm以上20μm以下であること
(9)前記導電性薄膜層(300)が、スパッタリング法および/または蒸着法で積層されたこと
(10)前記可視光帯域のフラッシュ光(401)の照射により、前記レジスト層(200)の少なくとも一部が気化すること
(11)前記可視光帯域のフラッシュ光(401)の照射エネルギーが、0.1J/cm以上100J/cm以下であること
また、本発明では、上記配線パターンの形成方法により形成された配線パターン形成物や配線パターン形成物を用いたバイオセンサーチップも提供する。
本発明によれば、従来技術の背景に鑑み、環境側面および経済側面において有効な新しい配線パターン形成方法および配線パターン形成物を提供することができる。
本発明の配線パターン形成方法の第1の工程を示す断面図である。 本発明の配線パターン形成方法の第2の工程を示す断面図である。 本発明の配線パターン形成方法の第3の工程を示す断面図である。 本発明の配線パターン形成方法により得られた配線回路を示す断面図である。 本発明の配線パターン形成方法の第1の工程を示す断面図である。 本発明の配線パターン形成方法により得られた配線回路を示す断面図である。 本発明の配線パターン形成方法の第1の工程におけるレジスト層の非配線部をレーザーアブレーション法により除去する工程を示す模式図である。 本発明のフラッシュ光のスペクトルの一例を示す図である。 本発明の配線のネガティブパターンの一例を示す図である。 本発明の配線パターン形成物より形成したバイオセンサーの一例を示す図である。 本発明の配線のネガティブパターンの一例を示す図である。 本発明の配線パターン形成物より形成したRFIDの一例を示す図である。
本発明の配線パターンの形成方法は、
第1の工程が、絶縁性基板の第一の面の非配線部(104)にレジスト層(200)を積層する工程であり、
第2の工程が、配線部(103)と前記レジスト層(200)の少なくとも一部の上に導電性薄膜層(300)を積層する工程であり、
第3の工程が、フラッシュランプ(400)から可視光帯域のフラッシュ光(401)を、前記絶縁性基板の第二の面(102)から少なくとも前記レジスト層の第二の面(202)に照射して、前記レジスト層(200)を消失し、配線部(103)に導電性薄膜層(300)よりなる配線パターンを形成する工程であることを特徴とする配線パターンの形成方法である。
絶縁性基板(100)は、透明であることが好ましい。本明細書で言う透明とは、前記絶縁性基板の第二の面(102)より入射する可視光帯域のフラッシュ光(401)が、第一の面(101)に到達し、レジスト層(200)の少なくとも一部が消失する程度であればよい。具体的には、JIS K7375(2008年)で測定される前記絶縁性基板(100)の全光線透過率が、20%以上が好ましく、30%以上であるとさらに可視光帯域のフラッシュ光(401)の強度が減衰することなく、前記レジスト層(200)に効率良く到達し、前記レジスト層(200)の少なくとも一部を消失することができるのでより好ましい。絶縁性基板(100)の全光線透過率が20%より小さい場合、可視光帯域のフラッシュ光(401)の強度が減衰し、レジスト層(200)に可視光帯域のフラッシュ光(401)が効率良く到達することが難しく、前記レジスト層(200)を消失させることができない場合がある。前記絶縁性基板(100)の全光線透過率の上限は、特に制限するものではなく、限りなく100%に近いものであっても特に問題はない。
絶縁性基板(100)は、例えばガラスまたはプラスチックフィルムよりなる。ガラスまたはプラスチックフィルムの材質としては、本発明の特性を損なわない程度であれば、公知のものを使用することができる。例えば、プラスチックフィルムの材質としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−ρ−フェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アセテート系、ポリ乳酸系、フッ素系、シリコーン系が挙げられる。また、これらの共重合体やブレンド物やさらに架橋した化合物を用いることもできる。
さらに、前述の全光線透過率を損なわない範囲であれば、複数のフィルムの積層体であってもよく、図5を参照して、例えば、絶縁性積層基板(105)を構成する第一の基板(106)として、1μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、絶縁性積層基板(105)を構成する第二の基板(107)としてポリ二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(107a)と、30μmの粘着剤層(107b)が付いた38μmの粘着剤層付き二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼付した絶縁性積層基板(105)を絶縁性基板(100)として使用することができる。また、絶縁性積層基板(105)を絶縁性基板(100)とし、第1の工程から第3の工程を終了後、前記粘着剤付き二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(107)を剥離することにより、1μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに導電性パターン(301)を形成した配線パターン形成物を得ることもできる。
前記絶縁性基板(100)の厚さは、特に制限するものではないが、10μm以上、5mm以下であることが好ましい。厚さが10μm未満であると、絶縁性基板が、割れてしまったり、シワが入ったり、破断し易くなり、取り扱いが困難になる場合がある。厚さが5mmを超えると、前述の全光線透過率が低下して、可視光帯域のフラッシュ光(401)の強度が絶縁性基板(100)の第二の面(102)から絶縁性基板(100)の第一の面(101)に到達するまでに減衰し、レジスト層(200)の一部を消失することができなくなる場合がある。前記絶縁性基板(100)の厚さが、10μm以上、5mm以下であると、取り扱いやすく、また全光線透過率が低下することもないので好ましい。
レジスト層(200)は、絶縁性基板(100)の第二の面(102)から第一の面(101)を通じて照射される可視光帯域のフラッシュ光(401)により消失、すなわち、可視光帯域のフラッシュ光(401)により少なくとも一部が気化する材料が含まれていればよい。具体的には、可視光帯域のフラッシュ光(401)が、レジスト層(200)に照射されると、瞬間的に温度が400度以上に達し、その温度により、前記レジスト層(200)の一部が気化する。このことにより、前記レジスト層(200)およびその上に積層された導電性薄膜層の除去される部分(302)が、絶縁性基板(100)の第一の面(101)から剥がされ、前記絶縁性基板(100)上に導電性薄膜層(300)の配線パターンとなる部分(301)が残ることで配線パターンを得ることができる。
可視光帯域のフラッシュ光(401)により少なくとも一部が気化するレジスト層(200)の材料としては、例えば、可視光帯域のフラッシュ光(401)を照射することで、[式1]の反応により酸化され、気化するカーボン(C)を含有するものが挙げられる。
[式1]
C +O → CO(気体)
カーボンとしては、特に限定するものではないが、例えば、黒鉛、フラーレン、ダイヤモンド、カーボン繊維、カーボンナノチューブ、グラッシーカーボン、活性炭、カーボンブラック等が挙げられる。
前記カーボンの大きさは、特に規定するものではないが、レジスト層(200)中に含まれるカーボンの表面積が大きければ多いほど、フラッシュランプ(400)から照射される可視光帯域のフラッシュ光(401)のエネルギーによって、[式1]の反応が生じやすくなる。従って、適宜必要なカーボンの種類や含有量を選択すればよい。例えば、黒鉛が採用される場合、100nm以下の一次粒子径のものを少なくとも5質量%以上含有していることが好ましく、より好ましくは、10質量%以上であり、さらに好ましくは、15質量%以上である。
前記カーボンを含有するレジスト層(200)としては、例えば、カーボンとバインダー樹脂と有機溶剤の混合液を公知の方法で塗布、または印刷することにより得ることができる。この場合のカーボンの含有量は、特に限定するものではないが、レジスト層(200)100質量部に対し、1質量部以上99質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、3質量部以上90質量部以下である。カーボンの含有量が1質量部より少ないと、可視光帯域のフラッシュ光(401)でレジスト層(200)中に含まれるカーボンが[式1]の反応により気化して二酸化炭素の気体になっても前記レジスト層(200)およびその上に積層された導電性薄膜層(300)の除去される部分(302)が絶縁性基板(100)の第一の面(101)から剥がれないことがあり、所望の配線パターンが得られない場合がある。99質量部より多いと、バインダー樹脂の含有率が小さくなるため、絶縁性基板(100)とレジスト層(200)の密着性が悪くなり、第2の工程以降の工程において支障を及ぼす可能性がある。カーボンの含有量が、1質量部以上99質量部以下であると、絶縁性基板(100)とレジスト層(200)の密着性を損ねることなく、且つ、可視光帯域のフラッシュ光(401)でレジスト層(200)中に含まれるカーボンが[式1]の反応により気化して二酸化炭素の気体になって前記レジスト層(200)およびその上に積層された導電性薄膜層(300)の除去される部分(302)を絶縁性基板(100)の第一の面(101)から剥がすことができ、所望の配線パターンを得ることができる。
レジスト層(200)を形成する別の方法としては、カーボンを少なくとも含むレジスト層を構成する材料をスパッタリング法や蒸着法等の公知の方法により均一なレジスト層を形成する方法を用いることができる。この場合のレジスト層(200)100質量部中に含有するカーボンの含有率は、100質量部であっても絶縁性基板(100)とレジスト層(200)の密着性が悪くなることはなく、第2の工程以降の工程において支障を及ぼすこともない。
次いで、所望の配線パターンを得るために、配線部(103)上のレジスト層(200)をレーザー発信装置(500)より発信されるレーザービーム(501)で除去する、いわゆるレーザーアブレーション法により除去を行なう方法を用いることができる。
また、本発明の第1の工程は、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷およびフォトリソグラフからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む方法により配線のネガティブパターンを前記カーボンとバインダー樹脂と有機溶剤の混合液で印刷し、乾燥させ、黒鉛とバインダー樹脂よりなるレジスト層(200)を形成する方法も用いることができる。
可視光帯域のフラッシュ光(401)の照射により少なくとも一部が気化するレジスト層(200)の他の材料としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル等の有機溶剤が挙げられる。
有機溶剤の種類について、特に制限するものではないが、沸点が40℃以上、200℃以下であることが好ましい。より好ましくは、80℃以上、150℃以下である。有機溶剤の沸点が、40℃より低いと、可視光帯域のフラッシュ光(401)を照射する前の段階において、前記レジスト層(200)中に含まれる有機溶剤が徐々に大気中に放出してしまう場合がある。有機溶剤の沸点が200℃より高いと、可視光帯域のフラッシュ光(401)を照射する強度を過剰に大きくする必要があり、それにより、絶縁性基板(100)が損傷する場合がある。有機溶剤の沸点が40℃以上、200℃以下であれば、可視光帯域のフラッシュ光(401)を照射する前の段階において、前記レジスト層(200)中に含まれる有機溶剤が徐々に大気中に放出することなく、且つ、可視光帯域のフラッシュ光(401)を照射する強度を過剰に大きくする必要がないため、絶縁性基板(100)を損傷することがないため好ましい。
有機溶剤をレジスト層(200)に含有させる方法としては、例えば、硫化ゴム、ポリエステル、ポリアクリル酸共重合体等のバインダー樹脂を前記有機溶剤に溶解した液を所望の粘度に調整し、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷等の公知の方法でパターン印刷し、乾燥する方法が挙げられる。また別の方法としては、シリカ等の平均粒径が0.01〜10μm程度の多孔質粒子に前記有機溶剤に十分浸漬させた、いわゆる有機溶剤をカプセル状に包含した粒子と、前記バインダー樹脂と、前記有機溶剤とを含有する液を所望の粘度に調整し、公知の方法で配線のネガティブパターンを塗布し、乾燥することにより得ることができる。
多孔質粒子としては、例えば多孔質シリカを挙げることができる。特に限定するものではないが、多孔質シリカの細孔の平均細孔径は、好ましくは1〜10nm、より好ましくは2〜5nmであり、多孔質シリカの比表面積は、好ましくは400〜1,500m/g、より好ましくは600〜1,200m/gである。多孔質シリカの細孔の平均細孔径が1〜10nm、および/または、多孔質シリカの比表面積が400〜1,500m/gであると、有機溶剤を粒子中に十分包含することができる。
レジスト層(200)における有機溶剤の含有量は、特に限定するものではないが、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、0.05質量%以上5質量%以下であり、さらに好ましくは、0.1質量%以上3質量%以下である。
有機溶剤の含有量が0.01質量%より少ないと、可視光帯域のフラッシュ光(401)でレジスト層(200)中に含まれる前記有機溶剤が気化しても前記レジスト層(200)およびその上に積層された導電性薄膜層(300)の除去される部分(302)が絶縁性基板(100)の第一の面(101)から剥がれず、所望の配線パターンが得られない場合がある。有機溶剤の含有量が10質量%より大きいと、気化による絶縁性基板(100)へのダメージが大きくなったり、レジスト層(200)と絶縁性基板(100)との密着性が低下したりする場合がある。
有機溶剤の含有量が、0.01質量%以上10質量%以下であると、可視光帯域のフラッシュ光(401)でレジスト層(200)中に含まれる前記有機溶剤が気化して、前記レジスト層(200)およびその上に積層された導電性薄膜層(300)の除去される部分(302)が絶縁性基板(100)の第一の面(101)から剥がすことができ、絶縁性基板(100)へのダメージもほとんどなく、レジスト層(200)と絶縁性基板(100)との密着性を十分保つことができる。
レジスト層(200)の厚さは、特に制限するものではないが、1nm以上20μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、10nm以上15μm以下である。厚さが1nmより小さいと、レジスト層(200)自体にピンホールが発生し、導電性薄膜層(300)をこの上に積層する第2の工程で、前記レジスト層(200)自体のピンホールを通じて導電性薄膜層(300)が所望の部分以外の導電性基板(100)に付着する場合がある。厚さが20μmより大きい場合、微細な配線のネガティブパターンを描くことが困難となる場合がある。レジスト層(200)の厚さが、10nm以上20μm以下であると、レジスト自体にピンホールが発生することなく、また、微細な配線のネガティブパターンを描くことができるため好ましい。
導電性薄膜層(300)は、可視光帯域のフラッシュ光(401)が照射されてもダメージを受けにくい導電性材料であればよい。具体的には、カーボン系以外の導電性材料であればよく、通常、金属、合金、導電性ポリマー等が挙げられる。
導電性薄膜層(300)にカーボン系の導電性材料を用いた場合、可視光帯域のフラッシュ光(401)により、レジスト層(200)だけでなく、カーボン系導電材料よりなる導電性薄膜層(300)自身も気化、消失してしまう場合がある。導電性材料のなかでも好ましい材料は、金属であり、特にエッチングされにくい金、白金、パラジウム等の導電性材料や透明導電性ポリマーで導電性回路を形成する場合、本発明が有効である。
導電性薄膜層(300)の厚さは、特に限定するものではないが、1nm以上20μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、10nm以上12μm以下である。導電性薄膜層(300)の厚さが、1nmより小さいと、導電性回路の抵抗値が大きくなる場合がある。20μmより大きいと、可視光帯域のフラッシュ光(401)でレジスト層(200)を消失する際、導電性薄膜層(300)の除去される部分(302)と導電性薄膜層(300)の配線パターン部となる部分(301)がつながったままの状態で残ってしまったり、つながったままの状態で剥がれてしまったりする場合がある。導電性薄膜層(300)の厚さが、1nm以上20μm以下であることにより、導電性回路の抵抗値が大きくなりすぎず、且つ、可視光帯域のフラッシュ光(401)でレジスト層(200)を消失する際、導電性薄膜層(300)の除去される部分(302)と導電性薄膜層(300)の配線パターン部となる部分(301)がつながったままの状態で残ってしまったり、つながったままの状態で剥がれてしまったりすることがなく、所望の配線パターンを得ることができるので好ましい。
導電性薄膜層(300)は、スパッタリング法および/または蒸着法で積層することができる。
蒸着法としては、例えば、物理気相蒸着法(PVD)、プラズマ化学気相蒸着法(PACVD)、化学蒸着法(CVD)、電子ビーム物理蒸着法(EBPVD)および/または有機金属気相蒸着法(MOCVD)を含むが、これらに限定されない。これらの技術は周知であり、絶縁性基板(100)に金属または導電性材料の均一で薄い被覆を選択的に設けるために使用可能である。
フラッシュランプ(400)は、キセノンフラッシュランプであることが好ましい。
キセノンフラッシュランプは、内部にキセノンが封入され、その両端部に電源ユニットのコンデンサーに接続された陽極および陰極が配接された棒状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備えている。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気が両端電極間の放電によってガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって可視光帯域200nm〜800nmの広帯域のスペクトルをもつフラッシュ光が放出される。図8は、キセノンフラッシュランプより照射されるフラッシュ光のスペクトルの一例である。このようなキセノンフラッシュランプにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが1マイクロ秒ないし100ミリ秒という極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有している。すなわち本発明においては、絶縁性基板(100)の第二の面(102)を通過して、レジスト層(200)を高速に加熱することができる。しかも、絶縁性基板(100)をほとんど温度上昇させずに処理することができるため好ましい。
可視光帯域のフラッシュ光(401)を照射する際の1回の照射エネルギーは、前記レジスト層(200)の一部を気化するのに十分であればよく、特に限定するものではない。すなわち、絶縁性基板(100)の材質および全光線透過率や、レジスト層(200)の材質、厚さ、およびパターン形状(面積)、光源と照射対象物の距離、可視光帯域のフラッシュ光(401)のランプの本数等種々の状態により適宜選ばれるものであるが、0.1J/cm以上100J/cm2以下の範囲であることが好ましく、0.5J/cm以上50J/cm以下の範囲であることがより好ましい。照射エネルギーが0.1J/cmより小さいと、前記レジスト層(200)の一部を気化するのに不十分であり、絶縁性基板(100)から剥がれない場合がある。100J/cmより大きいと、前記レジスト層(200)が必要以上に加熱されてしまったり、絶縁性基板(100)や導電性薄膜層(300)が高温に加熱され、ダメージを受けたりしてしまう場合がある。照射エネルギーが、0.1J/cm以上100J/cm以下であると、前記レジスト層(200)の一部を気化するのに十分であるため好ましい。
フラッシュランプ(400)と絶縁性基板(100)の第二の面(102)の距離は、特に限定するものではないが、10mm以上1,000mm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは、100mm以上800mm以下である。フラッシュランプ(400)と絶縁性基板(100)の第二の面(102)の距離が10mm未満であると、可視光帯域のフラッシュ光(401)の照射範囲が小さくなったり、フラッシュランプ(400)自体に蓄積された熱が絶縁性基板(100)の第二の面(102)に伝播し、熱的損傷を受けたりする場合がある。1,000mmより大きいと、可視光帯域のフラッシュ光(401)により、レジスト層(200)を高速に加熱することができなくなる場合がある。フラッシュランプ(400)と絶縁性基板(100)の第二の面(102)の距離が、10mm以上1,00mm以下の範囲であると、絶縁性基板(100)の第二の面(102)に熱的損傷を受けることなく、またレジスト層(200)を高速に加熱することができる。
可視光帯域のフラッシュ光(401)は、同一領域に1回または複数回照射される。通常、1回の照射で前記レジスト層(200)の一部を気化させればよく、配線パターンが微細であったり、複雑なパターンを描いていたりする場合は、1回の照射エネルギーを下げて複数回照射することにより、所望の配線パターンを得ることができる。
可視光帯域のフラッシュ光(401)を同一領域に複数回照射する場合、照射する間隔は、100Hz以下が好ましい。より好ましくは、1Hz以上50Hz以下である。
可視光帯域のフラッシュ光(401)の同一領域に対する総照射時間は、10マイクロ秒以50ミリ秒以下が好ましい。より好ましくは、50マイクロ秒以上20ミリ秒であり、さらに好ましくは、100マイクロ秒以上5ミリ秒以下である。10マイクロ秒より短いと、前記レジスト層(200)の一部を気化するのに不十分であり、絶縁性基板(100)から剥がれない場合がある。50ミリ秒より長いと、前記レジスト層(200)が必要以上に加熱されてしまったり、絶縁性基板(100)や導電性薄膜層(300)が高温に加熱され、ダメージを受けてしまったりする場合がある。可視光帯域のフラッシュ光(401)の1回の照射時間が、10マイクロ秒以上50ミリ秒以下であると、前記レジスト層(200)の一部を気化するのに十分であり、絶縁性基板(100)や導電性薄膜層(300)が高温に加熱され、ダメージを受けることもないため好ましい。
第3の工程において、可視光帯域のフラッシュ光(401)照射後、気化および剥離したレジスト層(200)の残渣が発生する場合がある。この場合、公知の方法で除去すればよく、例えば、吸引等の空気により除去する方法や、粘着ロール等で除去することができる。
なお、本発明に従って作成した配線パターン形成物は、フレキシブルプリント配線板、特にエッチングの難しいAu、Pt、Pd等の貴金属配線板に好適に用いることができる。
本発明で得られた配線パターン形成物はバイオセンサーチップの電極として用いることができる。本発明の配線パターン形成方法によれば、従来技術のようなレジストやエッチング液を用いることなくバイオセンサーチップを作成することができるため、環境面で有利な効果がある。また、電極にパラジウム、金、白金等の貴金属を用いた場合であっても、従来技術のようなレーザー設備が不要であるため、製造装置を大掛かりなものとすることなく安価にバイオセンサーチップを作成することができる。
次に、具体的実施例を示して、本発明の配線パターンの形成方法について具体的に説明する。
(実施例1)
(1)第1の工程
絶縁性基板(100)として、全光線透過率(JIS K7105(2008))93%のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム“ルミラー”(登録商標)(タイプU34)50μm(東レ(株)製)を用意した。
次いで、グラフェンよりなるカーボン板をターゲット材料とし、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いて、第一の面(101)に厚さ10nmの均一なカーボン膜を作成した。
次にYAGレーザー発信装置(500)を用いて、前記カーボン薄膜にレーザービーム(501)を照射し、絶縁性基板(100)上の配線部(103)上のカーボン膜をレーザーアブレーション法で線状に除去し、線幅10μm、線間20μm、線長10mmの平行な線を10本描画し、配線のネガティブパターンを描画したレジスト層(200)を得た。
(2)第2の工程
前記第1の工程で得られた絶縁性基板(100)の第一の面(101)に、Pdをターゲット材料として、DCマグネトロンスパッタリング法により厚さ20nmのPd薄膜からなる導電性薄膜層(300)を積層した。
(3)第3の工程
キセノンパルス照射装置Sinteron2000(Xenon社製)を用いて、照射時間500マイクロ秒、可視光帯域のフラッシュ光(401)を前記第2の工程で得られた絶縁性基板(100)の第二の面(102)側に、1回照射を行ない、3.7J/cmの照射エネルギーを与え、カーボン膜よりなるレジスト層(200)を消失させた。
前記(1)〜(3)により、配線部(300)がPdよりなる配線パターン形成物を得ることができた。配線パターン形成物では、絶縁性基板(100)の第一の面(101)に厚さ20nm、線幅10μm、線間20μm、線長10mmのPdよりなる導電パターンが、欠損することなく、また、隣り合う他の導電パターンと短絡することなく、10本得ることができた。
(実施例2)
(1)第1の工程
絶縁性積層基板を構成する第一の基板(106)としてポリイミド(PI)フィルム“カプトン”(登録商標)(タイプ25H)12.5μm(東レ・デュポン(株)製)を用意し、絶縁性積層基板(105)を構成する第二の基板(107)として粘着剤付きポリエステルフィルム“E−MASK”(登録商標)(タイプRP301)59μm(日東電工(株)製)を用意し、PIフィルムと貼り合わせを行ない、絶縁性積層基板(105)を作成した。このときの全光線透過率は、28%であった。
次いで多孔質シリカ(サンスフィアH−31:AGCエスアイテック(株)製、平均粒径3μm、比表面積800m/g、細孔直径5nm)を15質量部と、バインダー樹脂(“バイロン”(登録商標)GK250:東洋紡(株)製、非晶性ポリエステル樹脂)を15質量部と、メチルエチルケトンを35質量部とトルエンを35質量部用いて十分に攪拌し、レジスト用塗料を作成した。
さらに、グラビア印刷法により線幅80μm、線間100μm、線長さ30mmの配線のネガティブ型パターンを前記絶縁性積層基板(106)のPIフィルム側に印刷し、120℃で60秒間乾燥し、厚さ5μmである配線のネガティブパターンを描画したレジスト層(200)を形成した。この材料をガスクロマトグラフィーのヘッドスペーサ法によりレジスト層中のメチルエチルケトンおよびトルエンの総含有量を測定したところ、0.6質量%であった。
(2)第2の工程
前記第1の工程で得られた絶縁性積層基板(105)の第一の面(101)側より、Ptをターゲット材料として、スパッタリング法により厚さ80nmのPt薄膜からなる導電性薄膜層(300)を積層した。
(3)第3の工程
キセノンパルス照射装置Sinteron8000(Xenon社製)を用いて、照射時間1,000マイクロ秒の可視光帯域のフラッシュ光を前記第2の工程で得られた絶縁性積層基板(105)の第二の面(102)に、1.8Hzで6回照射を行ない、75J/cmの照射エネルギーを与え、レジスト層(200)を消失させた。
次いで、絶縁性積層基板(105)を構成する第2の基板(107)を剥離し、線幅80μm、線間100μm、線長さ30mmの配線パターンを有する厚さ12.5μmのPIフィルムを得た。
上記の配線パターン形成方法により、配線パターン形成物を得ることができた。
(実施例3)
(1)第1の工程
絶縁性基板(100)として、全光線透過率(JIS K7105(2008))81%のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム“ルミラー”(登録商標)(タイプS10)188μm(東レ(株)製)を用意した。
次いで、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体(大日精化工業(株)製NB500)を12.6質量部と、カーボンブラック(東海カーボン(株)製“トーカブラック”(登録商標)#7400)を11.4質量部と、シクロヘキサノンを38質量部と、酢酸エチルを19質量部用いて十分に攪拌し、レジスト用塗料を作成した。
さらにスクリーン印刷法により、図9に示す導電配線のネガティブパターンを前記絶縁性積層基板(100)の第一の面(101)に印刷し、150℃で120秒間乾燥し、厚さ8μmである配線のネガティブパターンを描画したレジスト層(200)を形成した。この材料をガスクロマトグラフィーのヘッドスペーサ法によりレジスト層中のシクロヘキサノンおよび酢酸エチルの総含有量を測定したところ、1.1質量%であった。
(2)第2の工程
前記第1の工程で得られた絶縁性基板(100)の第一の面(101)に、Auをターゲット材料として、DCマグネトロンスパッタリング法により厚さ50nmのAu薄膜からなる導電性薄膜層(300)を積層した。
(3)第3の工程
キセノンパルス照射装置PulseForge1200(NovaCentrix社製)を用いて、照射時間500マイクロ秒、可視光帯域のフラッシュ光(401)を前記第2の工程で得られた絶縁性基板(100)の第二の面(102)側に、照射間隔1,000マイクロ秒で連続して5回照射を行ない、6.7J/cm2の照射エネルギーを与え、カーボンブラックを含む膜よりなるレジスト層(200)を消失させ、Auよりなる酵素電池用電極回路を作製した。
(4)酵素電池の作製
次いで、作用極(601)と対極(602)の両方覆うように電子メディエーター(フェリシアン化カリウム)層(605)を形成し、その上にグルコースオキシダーゼ(GOD)よりなる酵素層(606)を積層した。次に作用極(601)および対極(602)の2つの電極(603)および(604)に電流計接続し、酵素電池(600)を作製した。続いて、酵素層(606)の上に37℃の200mMブドウ糖水溶液を滴下したところ、1.8mAの電流が流れることが確認できた。
(実施例4)
(1)第1の工程
実施例3と同様、スクリーン印刷法により、図11に示す導電配線のネガティブパターンを前記絶縁性積層基板(100)の第一の面(101)に印刷し、150℃で120秒間乾燥し、厚さ8μmである配線のネガティブパターンを描画したレジスト層(200)を形成した。この材料をガスクロマトグラフィーのヘッドスペーサ法によりレジスト層中のシクロヘキサノンおよび酢酸エチルの総含有量を測定したところ、2.5質量%であった。
(2)第2の工程
前記第1の工程で得られた絶縁性基板(100)の第一の面(101)に、Alを材料として、蒸着法により厚さ1.1μmのAl薄膜からなる導電性薄膜層(300)を積層した。
(3)第3の工程
キセノンパルス照射装置PulseForge1200(NovaCentrix社製)を用いて、照射時間250マイクロ秒、可視光帯域のフラッシュ光(401)を前記第2の工程で得られた絶縁性基板(100)の第二の面(102)側に、照射間隔500マイクロ秒で連続して10回照射を行ない、7.9J/cmの照射エネルギーを与え、カーボンブラックを含む膜よりなるレジスト層(200)を消失させAlよりなるRFIDアンテナ回路(700)を作製した。
(4)RFIDの作成
次いで、Alien社製GEN2準拠IC“Higgs”を搭載したストラップ(インターポーサー)の電極部分をRFIDアンテナ回路(700)の端子部(701、702)に導電性ペーストを介して接合し、RFIDタグを完成した。
得られたRFIDタグを、オムロン株式会社製リーダライタ(型式:V750−BA50C04−JP)とオムロン株式会社製アンテナ(型式:V750−HS01CA−JP)を用いて通信特性を確認したところ、通信できることが確認できた。
実施例1から4における配線パターンの形成方法では、通常エッチング工程やレジスト工程で用いられる有機溶剤や酸、アルカリ溶液を使用しないため、残渣の処理が不要であり、環境側面および経済側面に優れるものであった。
また実施例3に示すとおり、酵素電池やグルコースセンサ等の酸化されにくい導電性材料として貴金属を用いた電極回路などの電子回路として高価なレーザー照射装置等を使用せず、作製できることが判った。
以上のように本発明の原理を組み入れた例示的実施の形態を開示したが、本発明は開示された実施の形態に限定されるものではない。むしろ、本適用は、この一般的原理を使用した本発明のあらゆる変形、用途または適合に及ぶことが意図されている。さらに、本適用は、本発明が関連する技術において既知の又は慣行の範囲内にあって、また請求項の限定の範囲内において、本開示から逸脱するものにも及ぶことが意図されている。
本発明による配線パターンの形成方法により得られた配線パターン形成物は、導電回路の作成に利用可能である。
100 絶縁性基板
101 絶縁性基板の第一の面
102 絶縁性基板の第二の面
103 配線部
104 非配線部
105 絶縁性積層基板
106 絶縁性積層基板を構成する第一の基板
107 絶縁性積層基板を構成する第二の基板
107a PETフィルム基材
107b 粘着剤層
200 レジスト層
201 レジスト層の第一の面
202 レジスト層の第二の面
300 導電性薄膜層
301 導電性薄膜層の配線パターン部となる部分
302 導電性薄膜層の除去される部分
400 フラッシュランプ
401 可視光帯域のフラッシュ光
500 レーザー発信装置
501 レーザービーム
600 酵素電池
601 作用極
602 対極
603、604 電極
605 電子メディエーター層
606 酵素層
700 RFIDタグ
701、702 端子
703 ストラップ
800 配線パターン部

Claims (14)

  1. 第1の工程、第2の工程および第3の工程を順に実施する配線パターンの形成方法であって、
    第1の工程が、絶縁性基板の第一の面の非配線部にレジスト層を積層する工程であり、
    第2の工程が、配線部と前記レジスト層の少なくとも一部の上に導電性薄膜層を積層する工程であり、
    第3の工程が、フラッシュランプから可視光帯域のフラッシュ光を、前記絶縁性基板の第二の面から少なくとも前記レジスト層の第二の面に照射して、前記レジスト層を消失させ、配線部に導電性薄膜層よりなる配線パターンを形成する工程であることを特徴とする配線パターンの形成方法。
  2. 前記絶縁性基板の全光線透過率が20%以上である、請求項1に記載の配線パターンの形成方法。
  3. 前記レジスト層がカーボンを含有する、請求項1または2に記載の配線パターンの形成方法。
  4. 前記レジスト層が、有機溶剤を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の配線パターンの形成方法。
  5. 前記有機溶剤の沸点が200℃以下である、請求項4に記載の配線パターンの形成方法。
  6. 前記レジスト層が、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷およびフォトリソグラフィからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む方法で形成される、請求項1〜5のいずれかに記載の配線パターンの形成方法。
  7. 前記レジスト層を形成した後に、配線部のレジスト層がレーザーアブレーション法により除去される、請求項1〜6のいずれかに記載の配線パターンの形成方法。
  8. 前記導電性薄膜層がカーボン系以外の導電性材料である、請求項1〜7のいずれかに記載の配線パターンの形成方法。
  9. 前記導電性薄膜層の厚さが1nm以上20μm以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の配線パターンの形成方法。
  10. 前記導電性薄膜層がスパッタリング法および/または蒸着法で積層される、請求項1〜9のいずれかに記載の配線パターンの形成方法。
  11. 前記可視光帯域のフラッシュ光の照射により、前記レジスト層の少なくとも一部が気化する、請求項1〜10のいずれかに記載の配線パターンの形成方法。
  12. 前記可視光帯域のフラッシュ光の照射エネルギーが、0.1J/cm以上100J/cm以下である、請求項1〜11のいずれかに記載の配線パターンの形成方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の配線パターンの形成方法により形成された配線パターン形成物。
  14. 請求項13に記載の配線パターン形成物を用いてなるバイオセンサーチップ。
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