JPWO2014038355A1 - シートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】緊急時においてはジャミングの発生を防ぎ、通常時においてはウェビングの引出性に影響を与えないシートベルト装置【解決手段】車両の乗員を座席に拘束するシートベルト装置100は、帯状のウェビング104と、車室内の壁部に取り付けられてウェビング104が挿通されるスルーアンカ108と、を備える。スルーアンカ108は、ウェビング104が挿通される挿通孔118を有す。挿通孔118の下縁128は、ウェビング104の使用時においてウェビング104が接触し摺動する部分であり、この下縁128はさらに、ウェビング104の幅方向に交互に並べられてウェビング104に対してそれぞれ異なる摩擦係数を有する複数の第1摺動部130aおよび第2摺動部130bを有することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、ウェビングを使用して乗員を座席に拘束するシートベルト装置に関するものである。
車両の座席にはシートベルト装置が設置されている。シートベルト装置は、車両に急停止や衝突などによって大きな減速度が作用した際に、慣性力による乗員の前方への飛出しを防ぐための安全装置である。シートベルト装置は、帯状のウェビングを利用して乗員を座席に拘束する。ウェビングは根元側が座席横に設置されたリトラクタに収納されていて、先端側がこのリトラクタから上方へ引き出されて車室内壁部のスルーアンカに通されている。そして、スルーアンカを通ったウェビングは下方へ折り返され、着脱用のタングプレートを通したうえでフロア付近のアンカプレートに固定されている。
現在のシートベルト装置には、その安全性能が落ちないよう様々な工夫がなされている。例えば、ウェビングが急激に引っ張られた際などに、ウェビングがスルーアンカの挿通孔内で横滑りして端に片寄ってしまう「ジャミング」と呼ばれる現象がある。このようなジャミングが起こると、ウェビングの引出性が低下してしまう。そこで、例えば特許文献1では、スルーアンカ(特許文献1内ではガイドアンカと称されている)の挿通孔内の下縁に、幾筋もの「突条」と呼ばれる凸形状の部位が設けられている。この突条はウェビングが強く引っ張られてスルーアンカが傾いた際などにウェビングの縁に接触する構成となっていて、これによってウェビングの幅方向の移動を阻んでジャミングを防止している。
特開2003−89345号公報
上述したように、ジャミングは、緊急時においてウェビングが急激に引っ張られた場合、例えば、プリテンショナ(巻取装置)やエネルギ吸収機構(ウェビングによる急激な拘束を緩和する機構)が作動した場合などに起こり得る現象である。そのため、ジャミングの防止策は緊急時のみに発動し、通常時においてはウェビングを引き出す際の性能(引出性)になるべく影響を与えないような構成が望ましい。
本発明はこのような課題に鑑み、緊急時においてはジャミングの発生を防ぎ、通常時においてはウェビングの引出性に影響を与えないシートベルト装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるシートベルト装置の代表的な構成は、車両の乗員を座席に拘束するシートベルト装置であって、帯状のウェビングと、車室内の壁部に取り付けられてウェビングが挿通されるスルーアンカと、を備え、スルーアンカは、ウェビングが挿通される挿通孔を有し、挿通孔の下縁は、ウェビングの使用時においてウェビングが接触し摺動する部分であり、下縁はさらに、ウェビングの幅方向に交互に並べられて、ウェビングに対してそれぞれ異なる摩擦係数を有する複数の摺動部を有することを特徴とする。
例えば、上記の摺動部のうちの一つとして、スルーアンカの下縁上にウェビングに対する摩擦係数の低い部位を複数設ける。その際、摺動部はウェビングの伸びる方向に沿って設ける。これによれば、ウェビングに、長手方向への引出性は阻害せず、幅方向への移動には抵抗を生じさせるなどの設定が可能になる。なお、上記の「摩擦係数」には動摩擦係数および静止摩擦係数のいずれの定数をも含む。そして、「摩擦係数が異なる」とは、動摩擦係数同士または静止摩擦係数同士で比較するとその値が異なっているという意味である。
上記の複数の摺動部は、第1摺動部と、第1摺動部よりもウェビングに対する摩擦係数が小さい第2摺動部とを含み、第1摺動部および第2摺動部はそれぞれ、下縁部上において、ウェビングの摺動方向に沿って伸びるよう設けられていてもよい。この構成によれば、ウェビングの引出性をより向上させることが可能になる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるシートベルト装置の他の代表的な構成は、車両の乗員を座席に拘束するシートベルト装置であって、帯状のウェビングと、車室内の壁部に取り付けられてウェビングが挿通されるスルーアンカと、緊急時にウェビングを引き締めるプリテンショナと、を備え、スルーアンカは、ウェビングが挿通される挿通孔を有し、挿通孔の下縁は、ウェビングの使用時においてウェビングが摺動する、第1摺動部と、第1摺動部よりもウェビングに対する摩擦係数が小さい第2摺動部とを含み、第2摺動部は、第1摺動部上に設けられた被膜であって、プリテンショナの作動時におけるウェビングによって加えられる力により除去されて第1摺動部を露出させることを特徴とする。
上記のウェビングは、通常時においては、ウェビングに対する摩擦係数の小さい第2摺動部上を摺動する。そして、緊急時においては、第2摺動部が除去されてその下の摩擦係数の大きい第1摺動部を摺動する。すなわち、上記構成によれば、通常時にはウェビングの引出性を優先し、緊急時にはウェビングの横滑りを抑えてジャミングを防止することが可能になっている。なお、本願においてウェビングとの摩擦によって除去される事象には、ウェビングが摺動することにより削り取られる事象を含む。
上記課題を解決するために、本発明にかかるシートベルト装置の他の代表的な構成は、車両の乗員を座席に拘束するシートベルト装置であって、帯状のウェビングと、車室内の壁部に取り付けられてウェビングが挿通されるスルーアンカと、緊急時にウェビングの急激な拘束を緩和するエネルギ吸収機構と、を備え、スルーアンカは、ウェビングが挿通される挿通孔を有し、挿通孔の下縁は、ウェビングの使用時においてウェビングが摺動する、第1摺動部と、第1摺動部よりもウェビングに対する摩擦係数が小さい第2摺動部とを含み、第2摺動部は、第1摺動部上に設けられた被膜であって、エネルギ吸収機構の作動時におけるウェビングによって加えられる力により除去されて第1摺動部を露出させることを特徴とする。この構成によっても、ウェビングは、通常時においては摩擦系数の小さい第2摺動部上を摺動し、緊急時においては第2摺動部を除去してその下の摩擦係数の大きい大摺動部上を摺動することが可能になる。
上記の第1摺動部は、ウェビングの幅方向に沿って設置され、ウェビングの摺動方向へ伸びる複数の凹凸を有し、第2摺動部は、少なくとも第1摺動部の凸部の上端面の上に設けられていてもよい。この構成によれば、まず、複数の凹凸がウェビングの幅方向に並んでいることで、これが干渉するためにウェビングは幅方向への移動が制限される。そして、これら凹凸は摺動方向へ伸びているため、ウェビングのガイドとなってその引出性を向上させることができる。さらには、これら凹凸、特に凸部の上端面に第2摺動部の被膜を形成しておくと、ウェビングの引出性をより向上させることができる。
上記の第2摺動部は、二酸化チタンを含んでいてもよい。その他、フッ素樹脂または二硫化モリブデン、またさらには金属メッキ(例えばニッケルメッキ、銅メッキ、クロムメッキ等)を含んでいてもよく、これらの構成によって、ウェビングに対する摩擦係数の小さい第2摺動部を好適に実現することが可能になる。
本発明によれば、緊急時においてはジャミングの発生を防ぎ、通常時においてはウェビングの引出性に影響を与えないシートベルト装置を提供可能である。
本発明の実施形態にかかるシートベルト装置を例示した図である。 図1のスルーアンカを詳細に例示する図である。 図2のスルーアンカの第1変形例した図である。 図2のスルーアンカの第2変形例である。
100 …シートベルト装置、102 …座席、104 …ウェビング、104a …通常時のウェビング、106 …リトラクタ、108 …スルーアンカ、110 …アンカプレート、112 …タングプレート、114 …バックル、116 …センタピラー、118 …挿通孔、120 …ボルト、122 …樹脂皮膜、126 …インサート金具、128 …挿通孔の下縁、130a …第1摺動部、130b …第2摺動部、200 …第1変形例のスルーアンカ、202 …挿通孔の下縁、204a …第1摺動部、204b …第2摺動部、300 …第2変形例のスルーアンカ、302 …下縁、304 …第1摺動部、304a …凹部、304b …凸部、305 …上端面
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施形態にかかるシートベルト装置100を例示した図である。図1に例示しているように、シートベルト装置100は、座席102に備えられた安全装置であって、帯状のウェビング104を使用して乗員を座席102に拘束する。なお、シートベルト装置100は、車両緊急時にウェビング104を急速に巻き取るプリテンショナ(図示省略)を備えている。また、ウェビング104の急激な拘束を緩和するエネルギ吸収機構(EA機構)も必要に応じて備える。
ウェビング104は、根元側がリトラクタ106に巻き取られていて、先端側は上方のスルーアンカ108を通って下方へ折り返されてアンカプレート110に固定されている。スルーアンカ108とアンカプレート110との間にはタングプレート112が備えられていて、このタングプレート112を乗員がバックル114に挿し込むことで装着状態となる。
スルーアンカ108は車室内の壁部の一部であるセンタピラー116に取り付けられている。スルーアンカ108には挿通孔118が設けられていて、この挿通孔118にウェビング104が通されている。スルーアンカ108はボルト120によってセンタピラー116に取り付けられていて、ボルト120を中心にして車両前後方向に回転するように動くことができる。
当該シートベルト装置100では、ジャミング(スルーアンカ108の挿通孔118内でウェビング104が片寄る現象)の発生が防止できるよう、スルーアンカ108を主として独自の構成が備えられている。
図2は、図1のスルーアンカ108を詳細に例示する図である。図2(a)は、スルーアンカ108の斜視図である。スルーアンカ108は、例えばPA、POM、ABS、PP等の材質に代表される樹脂皮膜122でほぼ全体が覆われている。スルーアンカ108のうち、ボルト120(図1参照)を通すボルト孔124の付近からは、樹脂皮膜122の内部のインサート金具126が一部確認できる。インサート金具126は、例えば打ち抜き加工により形成された金属板であり、上部にはボルト孔124が形成され、下部にはウェビング104を挿通する挿通孔118が形成されている。樹脂皮膜122は、このインサート金具126にモールド成形され、一体化している。
スルーアンカ108は、挿通孔118の下縁128に、摺動部(第1摺動部130aおよび第2摺動部130b)を有している。これら下縁128および各摺動部は、リトラクタ106からウェビング104(図1参照)を引き出す際、およびウェビング104がリトラクタ106に巻き取られる際など、ウェビング104の使用時にこれが接触して摺動する部分である。図2(c)は、図2(a)の概略的なX−X断面図である。図2(c)に例示するように、本実施形態では、第1摺動部130aおよび第2摺動部130bは、挿通孔118の長手方向における中央から両端かけての2箇所にて、交互に複数配列されている。
第1摺動部130aと第2摺動部130bは、ウェビング104に対してそれぞれ異なる摩擦係数を有している。まず、第1摺動部130aは、本実施形態ではスルーアンカ108の樹脂皮膜122を利用した部位であって、その摩擦係数は樹脂皮膜122の材質に応じて、やや大きいものとなっている。一方、第2摺動部130bは、第1摺動部130aに比べてウェビング104に対する摩擦係数が小さい構成となっている。なお、ここで言う摩擦係数には、動摩擦係数(さらにはすべり摩擦係数やころがり摩擦係数)および静止摩擦係数のいずれの定数をも含む。そして、第1摺動部130aと第2摺動部130bの摩擦係数の比較は、動摩擦係数同士または静止摩擦係数同士で行う。
第2摺動部130bの材質としては、二酸化チタンを含んだ樹脂材料を挙げることができる。その他にも、フッ素樹脂や、二硫化モリブデンを含んだ樹脂材料などでもよい。さらには、金属メッキ(例えば、ニッケルメッキ、銅メッキ、クロムメッキ等)を施すことでも実現可能である。なお、これら第1摺動部130aと第2摺動部130bは、二色成型によって同時に形成可能である。
図2(b)は、図2(a)の下縁128を上方から見た図である。図2(b)では、リトラクタ106からウェビング104を引き出す際、またはリトラクタ106にウェビング104が巻き取られる際の、すなわち乗員に装着されていない状態におけるウェビング104aを仮想線で例示している。この未装着状態におけるウェビング104の摺動方向は、白矢印にて例示する、下縁128の長手方向に直交した引出しおよび巻取り方向となる。
一方、乗員に装着された状態のウェビング104を実線で例示する。多くの場合、乗員の着座位置はスルーアンカ108よりも車両前方にあるため、スルーアンカ108から乗員に向かうウェビング104は、下縁128に対して斜めに接触する。すなわち、装着状態におけるウェビング104の摺動方向は、黒矢印にて例示する斜め方向となる。
ウェビング104の装着状態において、緊急時にウェビング104に乗員から荷重がかけられたり、または不図示のプリテンショナやエネルギ吸収機構(EA機構)が作動したりすると、ウェビング104は急激にリトラクタ106から引き出される。すると、例えばウェビング104は挿通孔118の内の車両前方側の端へと横滑りして移動してしまい、ジャミングが発生するおそれがある。そこで本実施形態では、下縁128にその長手方向に沿って、言い換えるとウェビング104の幅方向に沿って、第1摺動部130aおよび第2摺動部130bが交互になるよう並べている。
第1摺動部130aおよび第2摺動部130bは、装着時のウェビング104の摺動方向に沿って、下縁128上において斜めに伸びるよう設けられている。急激に引き出されたウェビング104は下縁128との間に強い摩擦力を生じさせるが、その際、摩擦係数の低い第2摺動部130bに沿うことでこれに案内されるため、摺動方向へと円滑に引き出すことが可能になっている。そして、ウェビング104が仮に幅方向へと移動しようとした場合は、摩擦係数の高い第1摺動部130aが複数並んでいてこれらが抵抗となるため、その移動が制限される。したがって、ウェビング104は挿通孔118内の端に片寄ることがなく、これによってジャミングの発生が防止される。
これらのように、本実施形態の構成によれば、ウェビング104の引出性を向上させつつ、ジャミングの発生を防止することができる。この構成であれば、緊急時以外の通常の使用状態においては、ウェビング104の引出性等になんら影響を与えることがないため、好適である。
(第1変形例)
図3は、図2のスルーアンカ108の第1変形例である。このスルーアンカ200もまた、ジャミングが防止できるよう、独自の構成を備えている。
図3のスルーアンカ200の挿通孔118の下縁202は、図2(a)の下縁128とは異なり、第1摺動部204a(図3(b)参照)の上のほぼ全面を第2摺動部204bが覆った構成となっている。これら第1摺動部204aおよび第2摺動部204bは、ウェビング104に対してそれぞれ異なる摩擦係数(動摩擦係数および静止摩擦係数)を有する部位である。
図3(b)は、図3(a)の下縁202の長手方向における概略的な縦断面図である。この断面図は、図3(a)のA−A断面に対応している。まず、第1摺動部204aは、スルーアンカ200の樹脂皮膜122を利用した部位であって、その材質はPA、POM、ABS、PP等で構成されている。第1摺動部204aのウェビング104に対する摩擦係数は、樹脂皮膜122の材質に応じて、やや大きいものとなっている。
一方、第2摺動部204bは、ウェビング104に対する摩擦係数が第1摺動部204aよりも小さい低摩擦材料で構成された、第1摺動部204aを覆う薄い被膜として設けられている。その低摩擦材料としては、二酸化チタンを含んだ樹脂材料、フッ素樹脂、二硫化モリブデンを含んだ樹脂材料、さらには金属メッキなどを例示することができる。この第2摺動部204bが第1摺動部204aを覆っていることで、ウェビング104は、通常の使用状況においては、摩擦係数の小さい第2摺動部204bのみに接し、円滑な引出しおよび巻取りが可能になっている。
図3(b)は、図3(a)のウェビング104が急激に引き出された状態を例示する図である。図3(b)に例示するように、緊急時において、ウェビング104に乗員から荷重がかけられたり、ウェビング104がプリテンショナまたはエネルギ吸収機構などによって急激に引き出されたりすると、ウェビング104と第2摺動部204bとの間に強い力が加わり、摩擦力等が生じる。すると、この大きな力や摩擦等によって第2摺動部204bは削り取られまたは除去され、第2摺動部204bよりも摩擦係数の大きい第1摺動部204aが露出する。したがって、ウェビング104aは挿通孔118内における移動が起こりにくくなり、ジャミングの発生が防止される。
以上のように、スルーアンカ200は、通常時にはウェビング104の引出性を優先し、緊急時にはウェビング104の移動を抑えてジャミングを防止することが可能になっている。特に、緊急時において初めて第1摺動部204aが露出するため、通常においてはウェビング104の引出性になんら影響を与えることがなく、好適である。
(第2変形例)
図4は、図2のスルーアンカ200の第2変形例である。このスルーアンカ300は、主に、第1摺動部302の形状の点において、前述の各スルーアンカと構成が異なっている。
図4(a)はスルーアンカ300の斜視図である。このスルーアンカ300の挿通孔118の下縁302には、長手方向の中央から両端側にかけて、細かな凹凸が交互に並んでいる。図4(b)は、図4(a)のスルーアンカ300の下縁302付近における長手方向の概略的な縦断面図である。この断面図は、図4(a)のB−B断面に対応している。第1摺動部304は、スルーアンカ300の樹脂皮膜122を利用した部位であって、凹部304aおよび凸部304bが多数設けられている。また、この第1摺動部304は、その摩擦係数が樹脂皮膜122の材質に応じてやや大きいものとなっている。第2摺動部204bは、この第1摺動部304の上に、薄い被膜として設けられている。この第1摺動部304の摩擦係数(動摩擦係数または静止摩擦係数)は、第2摺動部204よりも大きい。
このスルーアンカ300の構成によっても、通常時には、ウェビング104は第2摺動部204aに接していて、円滑な引出しおよび巻取りが可能になっている。そして、図4(c)に例示するように、緊急時において、ウェビング104が急激に引き出されると、大きな力が第2摺動部204bに加わり、摩擦等によって凸部304bの上端面305の上にある第2摺動部204bは削り取られまたは除去され、ウェビング104に対する摩擦係数(動摩擦係数または静止摩擦係数)が第2摺動部204bよりも高い第1摺動部304が露出する。これによって、ウェビング104の移動が抑えられる。また、特に下縁302の長手方向、すなわちウェビング104の幅方向に凸部304bが並んでいることで、この凸部304bが干渉するためにウェビング104の幅方向への移動が防がれる。これらによって、挿通孔118内の端へウェビング104が横滑りして片寄ることが防がれ、ジャミングが防止される。
ここで、図4(a)に例示したように、凹部304aおよび凸部304bは、図2(b)を参照して説明した、乗員の装着時におけるウェビング104の摺動方向に沿って伸びるよう設けられている。従って、これら凹部304aおよび凸部304bは、ウェビング104の摺動方向への移動には干渉せずに幅方向への移動時のみに干渉する。すなわち、ガイドの役目をする。これら、第1摺動部304および第2摺動部204bの構成によって、スルーアンカ300は、通常時にはウェビング104の引出性を優先し、緊急時にはジャミングを防止することが可能になっている。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、以上に述べた実施形態は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施または遂行できる。特に本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
したがって、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、ウェビングを使用して乗員を座席に拘束するシートベルト装置に利用することができる。

Claims (9)

  1. 車両の乗員を座席に拘束するシートベルト装置であって、
    帯状のウェビングと、
    車室内の壁部に取り付けられて前記ウェビングが挿通されるスルーアンカと、
    を備え、
    前記スルーアンカは、前記ウェビングが挿通される挿通孔を有し、
    前記挿通孔の下縁は、前記ウェビングの使用時において該ウェビングが接触し摺動する部分であり、
    前記下縁はさらに、前記ウェビングの幅方向に交互に並べられて、該ウェビングに対してそれぞれ異なる摩擦係数を有する複数の摺動部を有することを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記複数の摺動部は、第1摺動部と、該第1摺動部よりも前記ウェビングに対する摩擦係数が小さい第2摺動部とを含み、
    前記第1摺動部および第2摺動部はそれぞれ、前記下縁部上において、前記ウェビングの摺動方向に沿って伸びるよう設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  3. 車両の乗員を座席に拘束するシートベルト装置であって、
    帯状のウェビングと、
    車室内の壁部に取り付けられて前記ウェビングが挿通されるスルーアンカと、
    緊急時に前記ウェビングを引き締めるプリテンショナと、を備え、
    前記スルーアンカは、前記ウェビングが挿通される挿通孔を有し、
    前記挿通孔の下縁は、前記ウェビングの使用時において該ウェビングが摺動する、第1摺動部と、該第1摺動部よりも前記ウェビングに対する摩擦係数が小さい第2摺動部とを含み、
    前記第2摺動部は、前記第1摺動部上に設けられた被膜であって、前記プリテンショナの作動時における前記ウェビングによって加えられる力により除去されて第1摺動部を露出させることを特徴とするシートベルト装置。
  4. 車両の乗員を座席に拘束するシートベルト装置であって、
    帯状のウェビングと、
    車室内の壁部に取り付けられて前記ウェビングが挿通されるスルーアンカと、
    緊急時に前記ウェビングの急激な拘束を緩和するエネルギ吸収機構と、を備え、
    前記スルーアンカは、前記ウェビングが挿通される挿通孔を有し、
    前記挿通孔の下縁は、前記ウェビングの使用時において該ウェビングが摺動する、第1摺動部と、該第1摺動部よりも前記ウェビングに対する摩擦係数が小さい第2摺動部とを含み、
    前記第2摺動部は、前記第1摺動部上に設けられた被膜であって、前記エネルギ吸収機構の作動時における前記ウェビングによって加えられる力により除去されて第1摺動部を露出させることを特徴とするシートベルト装置。
  5. 前記第1摺動部は、前記ウェビングの幅方向に沿って設置され、ウェビングの摺動方向へ伸びる複数の凹凸を有し、
    前記第2摺動部は、少なくとも前記第1摺動部の凸部の上端面の上に設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載のシートベルト装置。
  6. 前記第2摺動部は、二酸化チタンを含んでいることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のシートベルト装置。
  7. 前記第2摺動部は、フッ素樹脂を含んでいることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のシートベルト装置。
  8. 前記第2摺動部は、二硫化モリブデンを含んでいることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のシートベルト装置。
  9. 前記第2摺動部は、金属メッキを含んでいることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のシートベルト装置。
JP2014534266A 2012-09-06 2013-08-09 シートベルト装置 Active JP5829756B2 (ja)

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