JPWO2014027531A1 - 履帯 - Google Patents

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JPWO2014027531A1
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寛 兼澤
寛 兼澤
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幸彦 杉山
正行 海老澤
正行 海老澤
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雄二 村山
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奨 竹内
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Abstract

履帯(13)を構成するトラックリンク(14)を、リンクベース(15)と、リンクベース(15)の前端および後端に設けられた前接続ボス(16)および後接続ボス(18)と、リンクベース(15)の上,下方向の一側に形成された駆動輪当接面(21)と、リンクベース(15)の上,下方向の他側に形成された接地面(25)とにより構成する。リンクベース(15)には、前,後方向の中央部に位置して左,右方向に貫通する貫通孔(26)を設ける。

Description

本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等のクローラ式車両に用いられる履帯に関する。
一般に、油圧ショベル、油圧クレーン等のクローラ式車両は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に設けられた作業装置とにより構成されている。
ここで、例えば大型のクローラ式車両の下部走行体は、センタフレームと該センタフレームの左,右両側で前,後方向に延びたサイドフレームとを有するトラックフレームと、該トラックフレームの各サイドフレームの長さ方向の一側に設けられた駆動輪と、各サイドフレームの長さ方向の他側に設けられた遊動輪と、駆動輪と遊動輪とに巻回して設けられた履帯と、サイドフレームの下面に設けられ駆動輪と遊動輪との間で履帯を案内する下ローラとにより構成されている。
履帯は、多数のトラックリンクを連結ピンを用いて順次連結することにより構成されている。下部走行体の走行時には、駆動輪を回転駆動することにより、該駆動輪と遊動輪との間で履帯を周回動作させる。
このような大型のクローラ式車両の履帯を構成する各トラックリンクは、車両の全重量が作用するので、高強度の鋼材等で形成されている。この場合、各トラックリンクは、その軽量化を図るために、その内部を中空なボックス構造として形成している。特に大きな荷重が直接負荷されるローラの転動面(踏み面)の下側には、厚肉の補強リブが設けられている(特許文献1)。
特開平10−86864号公報
ここで、上述した特許文献1によるトラックリンクは、鋳造手段を用いて中空のボックス構造に成形することにより、薄肉でも強度を向上させることができ、かつ軽量化が可能である。しかし、特許文献1によるトラックリンクは、中空のボックス構造の内部に補強リブが設けられているため、このトラックリンクを鋳造成形するときに、鋳型における中子が複雑な形状となり、この中子の製作工数が増大するという問題がある。しかも、中子が複雑な形状を有しているので、トラックリンクの鋳造後に中子の鋳砂を排除する作業に手間を有するという問題がある。さらに、鋳型への注湯時に中子が浮き上がる可能性があり、これにより、肉厚のバラつき等が起こり、各トラックリンクの寸法にバラつきが生じるという問題がある。
一方、ローラの転動面(踏み面)の下側には、補強リブを設けているが、この補強リブは、厚肉であることから鋳造時に冷却速度が遅い。これにより引け巣等の鋳巣が生じる可能性があり所望の強度を得るのが困難であるという問題がある。
さらに、大型の履帯を構成するトラックリンクは、その1個、1個の重量が数百kgにもおよび、そのため各トラックリンクの移動、運搬には、フォークリフトやクレーン等の運搬作業機械を用いなければならない。これに対し、例えばフォークリフトの爪(フォーク)をトラックリンクの内部に差込んでトラックリンクを移動、運搬しようとした場合には、トラックリンクの内部に設けられた補強リブとフォークリフトの爪とが干渉してしまい、フォークリフトの爪をトラックリンクの内部に挿入することができない。このため、ワイヤロープやフックをトラックリンクに取付けてからクレーン等を用いてトラックリンクを吊上げて運搬しなければならず、トラックリンクを移動、運搬するときの作業が非効率的であるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、履帯を構成するトラックリンクの製造作業の簡素化および作業性の向上を図ると共に、耐久性、信頼性等を向上できるようにした履帯を提供することにある。
(1).本発明は、多数のトラックリンクを前,後方向に順次連結することにより構成され、車体の駆動輪と遊動輪との間に巻回される履帯に適用される。
上述した課題を解決するために、本発明が採用する構成の特徴は、前記トラックリンクは、左,右方向の幅寸法が前,後方向の長さ寸法および上,下方向の高さ寸法よりも大きな立体形状をなすリンクベースと、該リンクベースの前端と後端にそれぞれ設けられ隣合うトラックリンクにそれぞれ接続される前接続ボスおよび後接続ボスと、前記リンクベースの上,下方向の一側に形成され前記駆動輪に当接する駆動輪当接面と、前記リンクベースの上,下方向の他側に形成され地面に接する接地面とからなり、前記リンクベースには、該リンクベースの前,後方向の中央部に位置して左,右方向に貫通する貫通孔を設ける構成としたことにある。
この構成によれば、トラックリンクの製造時に中子が充填される貫通孔をリンクベースの左,右方向に貫通させて設けたので、リンクベースの内部には駆動輪当接面と接地面との間を接続する補強リブが設けられていない。このため、トラックリンクの鋳造後に中子の鋳砂を、貫通孔を通じて簡単かつ確実に排除することができる。これにより、トラックリンクの製造工数を低減することができる。
しかも、リンクベースの内部に補強リブが設けられていないので、貫通孔には、フォークリフトの爪を挿入することができる。従って、フォークリフトを用いて簡単にトラックリンクを移動、運搬することができ、トラックリンク(履帯)の製造作業や交換作業の作業性を向上させることができる。
(2).本発明によると、前記リンクベースには、前記貫通孔の左,右方向の両端に位置して、前記駆動輪当接面に向けて開口したU字状の凹溝を設ける構成としたことにある。
この構成によれば、トラックリンクの左,右方向の両端は、実質的に油圧ショベルの重量が負荷されないので、トラックリンクの左,右方向の両端をU字状の凹溝として形成することができる。これにより、トラックリンクの軽量化を図ることができる。この場合に、リンクベースの左,右方向の両端側と駆動輪当接面側とが凹溝によって開口することにより、中子の鋳砂を迅速に排除することができる。しかも、フォークリフトの爪を貫通孔に挿入するときに、凹溝によってフォークリフトの爪を案内することができ、フォークリフトの爪を貫通孔に挿入する作業を容易に行うことができる。
(3).本発明によると、前記凹溝は、前記接地面の一部を形成する底面と、該底面を挟んで前,後方向で間隔をもって対面する前,後の壁面とにより形成する構成としたことにある。これにより、フォークリフトの爪を貫通孔に挿入するときに、フォークリフトの爪の先端を前,後の壁面の間に位置させることにより、フォークリフトの爪の先端を位置決めすることができる。この結果、貫通孔にフォークリフトの爪を挿入する作業を容易に行うことができる。
(4).本発明によると、前記貫通孔の内周面は、前記リンクベースの左,右方向の全域に亘って一様な横断面形状に形成する構成としたことにある。
この構成によれば、貫通孔に充填される中子の形状を簡素化することができ、中子の製作が容易となる。加えて、トラックリンクの鋳造後に中子の鋳砂を排除することを簡単に行うことができ、トラックリンクの製造工数を低減することができる。
(5).本発明によると、前記貫通孔の内周面は、前記接地面側に位置する円形の円周面部と、前記駆動輪当接面側に位置する平坦な平坦面部とにより、横断面を略半月状に形成する構成としたことにある。
この構成によれば、貫通孔の内周面の駆動輪当接面側を平坦な平坦面部とすることにより、フォークリフトの爪を貫通孔に挿入したときに、爪の上面と平坦面部とを当接させることができる。これにより、安定してトラックリンクを移動、運搬させることができる。しかも、平坦面部から駆動輪当接面までの厚さ寸法を大きく(厚肉に)することができるので、トラックリンクの強度を高めることができる。
(6).本発明によると、前記リンクベースの駆動輪当接面には、該駆動輪当接面から突出し前記駆動輪に係合する係合突起と、前記駆動輪に当接する踏み面とを設け、前記リンクベースは、前記踏み面に対応する部位の厚さ寸法を前記係合突起に対応する部位の厚さ寸法よりも厚肉に形成する構成としたことにある。
この構成によれば、駆動輪や下ローラ等が当接することにより大きな荷重が負荷される踏み面の厚さ寸法を厚肉に形成し、負荷される荷重が小さい係合突起の厚さ寸法を薄肉に形成することにより、トラックリンクの高強度化と軽量化を同時に図ることができる。この場合、踏み面の厚さ寸法を厚肉に形成しても、貫通孔はトラックリンクの左,右方向で直線状に貫通しているので、トラックリンクの鋳造後に中子の鋳砂を簡単かつ確実に排除することができる。これにより、高強度化と軽量化とを両立できるトラックリンクを効率よく製造することができる。
本発明の第1の実施の形態による履帯を備えた超大型の油圧ショベルを示す正面図である。 図1中の下部走行体を拡大して示す正面図である。 駆動輪とトラックリンクを図2中の矢示III−III方向からみた拡大断面図である。 上ローラ、下ローラ、トラックリンク等を図2中の矢示IV−IV方向からみた拡大断面図である。 履帯を構成するトラックリンクの一部を分解して示す外観斜視図である。 トラックリンクの単体を駆動輪当接面側からみた平面図である。 トラックリンクを図6中の矢示VII−VII方向からみた側面図である。 トラックリンクを図6中の矢示VIII−VIII方向からみた断面図である。 トラックリンクをフォークリフトで運搬する状態を示す一部が断面の正面図である。 本発明の第2の実施の形態によるトラックリンクを示す斜視図である。 トラックリンクを図10中の矢示XI−XI方向からみた断面図である。 トラックリンクを図10中の矢示XII−XII方向からみた断面図である。 本発明の第3の実施の形態によるトラックリンクを駆動輪と共に示す図3と同様位置の拡大断面図である。 本発明の第4の実施の形態によるトラックリンクを駆動輪と共に示す図3と同様位置の拡大断面図である。 トラックリンクを単体で示す斜視図である。 本発明の変形例によるトラックリンクを単体で示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態に係る履帯として、油圧ショベルの履帯を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図9は本発明の第1の実施の形態を示している。
図1において、1は建設機械としての超大型の油圧ショベルを示している。この油圧ショベル1は、後述する下部走行体5と、該下部走行体5と共に車体を構成し旋回輪2を介して下部走行体5に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行う作業装置4とを含んで構成されている。
クローラ式の下部走行体5は、凹凸のある地面、泥濘地等を安定して走行するためのものである。下部走行体5は、後述のトラックフレーム6、下ローラ9、上ローラ10、駆動輪11、遊動輪12、履帯13を含んで構成されている。
トラックフレーム6は、左,右方向の中央部に位置するセンタフレーム7と、該センタフレーム7の左,右方向両側に設けられ前,後方向に延びた後述のサイドフレーム8とにより構成されている。センタフレーム7の中央には、旋回装置を構成する旋回輪2が取付けられ、該旋回輪2を介して上部旋回体3が搭載される。
左,右のサイドフレーム8(右側のみ図示)は、センタフレーム7と共にトラックフレーム6を構成するものである。このサイドフレーム8は、油圧ショベル1の前,後方向に延びるように配置され、センタフレーム7の各脚部7Aの先端に取付けられている。サイドフレーム8は、例えば鋼板を溶接することにより前,後方向に延びる角筒状の製缶構造物として形成されている。
下ローラ9は、サイドフレーム8の下面側に複数個設けられている。図2に示すように、各下ローラ9は、前,後方向に所定の間隔をもって配置されている。各下ローラ9は、後述する駆動輪11と遊動輪12との間に位置して後述する履帯13(トラックリンク14)の駆動輪当接面21上で転動しつつ、履帯13を上側から地面に押付けるように周回方向に案内するものである。
上ローラ10は、サイドフレーム8の上面側に複数個設けられている。図2に示すように、各上ローラ10は、例えば前,後方向に所定の間隔をもって配置されている。各上ローラ10は、後述する駆動輪11と遊動輪12との間で履帯13(トラックリンク14)を下側から支持して周回方向に案内するものである。
駆動輪11は、サイドフレーム8の長さ方向の一側に設けられている。この駆動輪11は、油圧モータ(図示せず)を介してサイドフレーム8に取付けられ、該油圧モータによって履帯13を周回駆動するものである。ここで、図3に示すように、駆動輪11は、短尺な筒体11Aと、該筒体11Aの外周側に軸方向に間隔をもって設けられた2枚の円板11Bと、該各円板11B間の外周側で周方向に所定の間隔をもって配置され、該各円板11Bを全周にわたって梯子状に連結した複数の連結部11C(図3に1本のみ図示)とから形成されている。隣合う連結部11Cの間には、凹陥部11Dが設けられている。前記筒体11Aの内周側は、油圧モータの出力軸(図示せず)が結合されるスプライン穴11Eとなっている。
ここで、駆動輪11の各凹陥部11Dは、後述する各トラックリンク14の係合突起22に係合する(噛合う)。駆動輪11を構成する各円板11Bの外周面は当接面11Fとなっている。この当接面11Fは、各トラックリンク14に設けられた後述の左踏み面23Aおよび右踏み面23Bに当接するものである。
一方、遊動輪12は、各サイドフレーム8の長さ方向の他側に設けられている。この遊動輪12は、履帯張り調整機構(図示せず)によって後述の履帯13の張りを調整するもので、サイドフレーム8の長さ方向の他側に向け付勢されている。
次に、第1の実施の形態に適用される履帯13について説明する。
即ち、13は駆動輪11と遊動輪12とに巻回して設けられた履帯(クローラ)を示している。図2および図5に示すように、履帯13は、後述する多数のトラックリンク14を前,後方向に順次連結することにより無限軌道として構成されている。
14は履帯13を構成するトラックリンクを示している。このトラックリンク14は、その内部が中空な中空ボックス構造として構成され、例えば鋳造手段により一体形成されるものである。トラックリンク14は、後述するリンクベース15と、前接続ボス16と、後接続ボス18と、駆動輪当接面21と、接地面25とにより構成されている。
図6および図7に示すように、リンクベース15は、トラックリンク14の本体部を構成するもので、このリンクベース15は、左,右方向の幅寸法Aが前,後方向の長さ寸法Bおよび上,下方向の高さ寸法Cよりも大きな立体形状をなしている。リンクベース15には、後述する貫通孔26と、左凹溝27と、右凹溝28とが設けられている。
前接続ボス16は、リンクベース15の前端に設けられている。この前接続ボス16は、各トラックリンク14を連結するときに、隣合う前側のトラックリンク14に接続される部分である。図5に示すように、前接続ボス16は、リンクベース15の左側で前端から突出する左前接続ボス16Aと、リンクベース15の右側で前端から突出する右前接続ボス16Bと、左前接続ボス16Aと右前接続ボス16Bとの間に位置しリンクベース15の中央よりもやや左側で前端から突出する中央前接続ボス16Cとにより構成されている。中央前接続ボス16Cの上面16C1は、後述する左踏み面23Aと連続している。各前接続ボス16A,16B,16Cには、それぞれ左,右方向に貫通するピン孔17Aが同心上に設けられている。
一方、後接続ボス18は、リンクベース15の後端に設けられている。この後接続ボス18は、各トラックリンク14を連結するときに、隣合う後側のトラックリンク14に接続される部分である。図5に示すように、後接続ボス18は、リンクベース15の左側で後端から突出する左後接続ボス18Aと、リンクベース15の右側で後端から突出する右後接続ボス18Bと、左後接続ボス18Aと右後接続ボス18Bとの間に位置しリンクベース15の中央よりもやや右側で後端から突出する中央後接続ボス18Cとにより構成されている。中央後接続ボス18Cの上面18C1は、後述する右踏み面23Bと連続している。各後接続ボス18A,18B,18Cには、それぞれ左,右方向に貫通するピン孔17Bが同心上に設けられている。
図5に示すように、各トラックリンク14は、前側のトラックリンク14の左後接続ボス18Aを後側のトラックリンク14の左前接続ボス16Aと中央前接続ボス16Cとの間に挿入する。前側のトラックリンク14の右後接続ボス18Bと中央後接続ボス18Cとの間には、後側のトラックリンク14の右前接続ボス16Bを挿入する。この状態で、各ピン孔17A,17Bに連結ピン19を挿嵌し、抜止めボルト20を取付ける。これにより、各トラックリンク14を無端状(環状)に連結し、履帯13を構成している。
駆動輪当接面21は、リンクベース15の上,下方向の一側に形成されている。この駆動輪当接面21は、多数のトラックリンク14を無端状(環状)に連結したときに各トラックリンク14の内周側となり、駆動輪11に当接する面である。駆動輪当接面21には、後述の係合突起22、左踏み面23Aおよび右踏み面23B、左規制突起24Aおよび右規制突起24Bが設けられている。
係合突起22は、駆動輪当接面21に設けられている。この係合突起22は、矩形状の突起体として駆動輪当接面21の左,右方向の中央部に位置し、該駆動輪当接面21から突出して設けられている。図3に示すように、トラックリンク14の係合突起22は、駆動輪11の凹陥部11Dに係合(噛合)する。これにより、駆動輪11は、滑りを生じることなく履帯13に対して回転力を確実に伝えることができる。
左踏み面23Aは、係合突起22の左側に位置して駆動輪当接面21に設けられている。この左踏み面23Aは、中央前接続ボス16Cの上面16C1と連続する平坦面として形成され、駆動輪11および/または遊動輪12が当接するものである。具体的には、左踏み面23Aは、トラックリンク14が駆動輪11と係合しているときに、駆動輪11の当接面11Fに当接する。一方、左踏み面23Aは、トラックリンク14が遊動輪12と係合しているときに、遊動輪12の外周側に当接する。さらに、左踏み面23Aには、下ローラ9および上ローラ10も当接する。
一方、右踏み面23Bは、係合突起22の右側に位置して駆動輪当接面21に設けられている。この右踏み面23Bは、中央後接続ボス18Cの上面18C1と連続する平坦面として形成され、駆動輪11および/または遊動輪12が当接するものである。具体的には、右踏み面23Bは、トラックリンク14が駆動輪11と係合しているときに、駆動輪11の当接面11Fに当接する。一方、右踏み面23Bは、トラックリンク14が遊動輪12と係合しているときに、遊動輪12の外周側に当接する。さらに、右踏み面23Bには、下ローラ9および上ローラ10も当接する。
左規制突起24Aは、左踏み面23Aよりもさらに左,右方向の左側に位置して駆動輪当接面21に設けられている。この左規制突起24Aは、その上面24A1が水平方向に平坦な矩形状の突起体からなっている。左規制突起24Aは、駆動輪当接面21から上方に向けて突出し、左踏み面23Aの左側で前,後方向に延びるようにして設けられている。従って、駆動輪11が左踏み面23A上で左方向にずれようとしたときに、駆動輪11の円板11Bの外周縁が左規制突起24Aに接触することにより、駆動輪11の位置ずれを規制することができる。
一方、右規制突起24Bは、右踏み面23Bよりもさらに左,右方向の右側に位置して駆動輪当接面21に設けられている。この右規制突起24Bも左規制突起24Aと同様に、その上面24B1が水平方向に平坦な矩形状の突起体からなっている。右規制突起24Bは、駆動輪当接面21から上方に向けて突出し、右踏み面23Bの右側で前,後方向に延びるようにして設けられている。従って、駆動輪11が右踏み面23B上で右方向にずれようとしたときに、駆動輪11の円板11Bの外周縁が右規制突起24Bに接触することにより、駆動輪11の位置ずれを規制することができる。
25はリンクベース15の上,下方向の他側に形成された接地面を示している。この接地面25は、駆動輪当接面21に対して上,下方向の反対側に位置し、多数のトラックリンク14を無端状(環状)に連結したときに各トラックリンク14の外周側となり、地面に接する面である。図7および図8に示すように、接地面25には、左,右方向に延びる3本の滑り止め25A,25B,25Cが前,後方向に並列して設けられている。接地面25の左,右方向の左端側は、後述する左凹溝27の底面27Aが接地面25の一部として形成されている。接地面25の左,右方向の右端側は、後述する右凹溝28の底面28Aが接地面25の一部として形成されている。
次に、トラックリンク14のリンクベース15に設けられた貫通孔26について説明する。
即ち、26はリンクベース15の前,後方向の中央部に設けられた貫通孔を示している。この貫通孔26は、トラックリンク14を製造するときに中子が充填されるものである。貫通孔26は、その横断面が円形な中空孔として形成され、リンクベース15の左,右方向に貫通するものである。具体的には、図5ないし図7に示すように、貫通孔26の一側(左端)の左開口端26Aは、リンクベース15の左端に位置する後述の左凹溝27の内側壁面27Dに開口している。貫通孔26の他側(右端)の右開口端26Bは、リンクベース15の右端に位置する後述の右凹溝28の内側壁面28Dに開口している。各開口端26A,26Bは、共に同形状の円形状に形成され、その内径寸法は、後述するフォークリフト31の爪32を挿入することができる大きさとなっている。
貫通孔26の内周面26Cは、左開口端26Aと右開口端26Bとを一直線状に結ぶように、トラックリンク14の左,右方向の全域に亘って一様な横断面形状、即ち、円形な中空孔として形成されている。これにより、トラックリンク14(リンクベース15)は、駆動輪当接面21と接地面25との間に補強用のリブが設けられていない中空構造の筒状体として構成されている。
27は貫通孔26の左端に位置してリンクベース15に設けられた左凹溝を示している。この左凹溝27は、接地面25の一部を形成する底面27Aと、該底面27Aを挟んで前,後方向で間隔をもって対面する前壁面27Bと後壁面27Cとにより構成されている。これにより、図7に示すように、左凹溝27は、駆動輪当接面21に向けて開口したU字状の溝として形成されている。前壁面27Bと後壁面27Cとの間を接続する内側壁面27Dは、リンクベース15の前,後方向で傾斜して形成されている。内側壁面27Dには、貫通孔26の左開口端26Aが開口している。
一方、28は貫通孔26の右端に位置してリンクベース15に設けられた右凹溝を示している。この右凹溝28は、接地面25の一部を形成する底面28Aと、該底面28Aを挟んで前,後方向で間隔をもって対面する前壁面28Bと後壁面28Cとにより形成されている。これにより、右凹溝28は、駆動輪当接面21に向けて開口したU字状の溝として形成されている。前壁面28Bと後壁面28Cとの間を接続する内側壁面28Dは、リンクベース15の前,後方向で傾斜して形成されている。内側壁面28Dには、貫通孔26の右開口端26Bが開口している。
第1の実施の形態による油圧ショベル1の履帯13は上述の如き構成を有するもので、次に、履帯13を構成するトラックリンク14の製造作業について述べる。
トラックリンク14は鋳造物である。このため、トラックリンク14の鋳型は、トラックリンク14を構成するリンクベース15、前接続ボス16、後接続ボス18、駆動輪当接面21、係合突起22、接地面25、左凹溝27、右凹溝28等の外形形状に対応する上型および下型と、リンクベース15の内部形状に対応する中子とにより構成されている。
ここで、第1の実施の形態によるトラックリンク14は、リンクベース15の内部に駆動輪当接面21と接地面25との間を接続する補強リブを設けることなく、リンクベース15の左,右方向の全域に亘って一様な横断面形状を有する貫通孔26が形成されている。このため、貫通孔26に対応した一様な円柱状の中子を製作することができ、中子の形状が簡素化した分、中子の製作工数を低減することができる。
次に、製作された中子を上型と下型の間に配置し、この鋳型内に溶解した金属材料を流し込み(注湯し)、徐々に冷却して固化させることによりトラックリンク14を成形することができる。
トラックリンク14を成形した後には、鋳型からトラックリンク14を抜取ると共に、貫通孔26に充填された中子を取り除く。この場合、第1の実施の形態によるトラックリンク14のリンクベース15は、その内部に補強リブを設けていないので中子の形状を簡素化することができる。しかも、リンクベース15の左,右方向の両端側には、リンクベース15の左端部と駆動輪当接面21側とに貫通孔26の左開口端26Aが開口する左凹溝27と、リンクベース15の右端部と駆動輪当接面21側とに貫通孔26の右開口端26Bが開口する右凹溝28とが設けられている。このため、貫通孔26内に充填された中子をつき崩すことにより、中子の鋳砂を左凹溝27に開口した左開口端26A、右凹溝28に開口した右開口端26Bを通じて迅速かつ容易に外部に排出することができる。鋳造されたトラックリンク14には、必要に応じて焼き入れを行うことにより、強度の高いトラックリンク14を製造することができる。
このようにして製造されたトラックリンク14は、リンクベース15の貫通孔26内に上,下方向に延びる補強リブが設けられていない。これにより、例えば図9に示すように、トラックリンク14を移動、運搬するときには、フォークリフト31の爪32を貫通孔26の各開口端26A,26Bのいずれか一方側から挿入して持上げ、運搬等を行うことができる。この場合に、貫通孔26の両端には凹溝27,28が設けられているため、この凹溝27,28によってフォークリフトの爪を案内することができ、フォークリフトの爪を貫通孔26に挿入する作業を容易に行うことができる。
例えば図2の状態で、右側のサイドフレーム8に周回して連結された複数のトラックリンク14のうち、1個のトラックリンク14が破損したときには、例えばフォークリフト31の爪32を破損したトラックリンク14の前,後に隣合うトラックリンク14の貫通孔26内に挿入し、破損したトラックリンク14を挟む2個のトラックリンク14を支持する。この状態で破損したトラックリンク14の前接続ボス16と後接続ボス18から連結ピン19を抜取ることにより、破損したトラックリンク14のみを取外すことができる。次いで、新たなトラックリンク14を、フォークリフト31によって支持した前,後のトラックリンク14の間に配置して、前接続ボス16と後接続ボス18とを連結ピン19を介して前,後に隣合うトラックリンク14に連結させる。これにより、遊動輪12を前,後方向に移動させることなく簡単にトラックリンク14の交換作業を行うことができる。
かくして、第1の実施の形態によれば、トラックリンク14を構成するリンクベース15の前,後方向の中央部に左,右方向に貫通する貫通孔26を設け、この貫通孔26を、リンクベース15の左,右方向の全域に亘って一様な横断面形状(円形状)に形成している。これにより、トラックリンク14を鋳造するに際して、貫通孔26に充填される中子の形状を簡素化することができ、中子の製作が容易となる。加えて、トラックリンク14の貫通孔26内に中子の鋳砂を排除するときに障害となる補強リブ等を設けていないので、中子の鋳砂を排除することを簡単かつ確実に行うことができる。これにより、トラックリンク14の製造工数を低減することができると共に、トラックリンク14の信頼性を向上させることができる。
さらに、実質的に油圧ショベル1の重量が負荷されないトラックリンク14の左,右方向の両端には、駆動輪当接面21に向けて開口したU字状の左凹溝27,右凹溝28を設けたので、トラックリンク14の軽量化を図ることができる。
しかも、リンクベース15の貫通孔26には、フォークリフト31等の爪32を挿入することができる。このため、フォークリフト31を用いて簡単にトラックリンク14を移動、運搬することができ、トラックリンク14(履帯13)の製造作業性や交換作業性を向上させることができる。
一方、フォークリフト31の爪32を貫通孔26に挿入するときは、フォークリフト31の爪32を凹溝27,28によって案内することができる。具体的に述べると、フォークリフト31の爪32の先端を、凹溝27(28)の前,後の壁面27B,27C(28B,28C)の間に位置させることにより、フォークリフト31の爪32の先端を位置決めすることができる。これにより、フォークリフト31の爪32を貫通孔26に挿入する作業を容易に行うことができる。
次に、図10ないし図12は、第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、リンクベースに設けられた貫通孔の内周面のうち、駆動輪当接面側の内周面を水平な平坦面として形成したことにある。なお、第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
41は履帯13を構成するトラックリンクを示している。このトラックリンク41は、その内部が中空な中空ボックス構造として構成され、例えば鋳造手段により一体形成されるものである。トラックリンク41は、リンクベース15と、前接続ボス16と、後接続ボス18と、駆動輪当接面21と、接地面25とにより構成される。しかし、第2の実施の形態では、後述する貫通孔42の横断面形状を略半月状に形成した点で第1の実施の形態によるトラックリンク14とは異なっている。
42はリンクベース15に設けられた第2の実施の形態による貫通孔を示している。この貫通孔42は、リンクベース15の前,後方向の中央部に位置して左,右方向に貫通している。ここで、貫通孔42の内周面42Aは、接地面25側に位置する円形の円周面部42A1と、駆動輪当接面21側に位置し該駆動輪当接面21に対して平行な平坦面部42A2とにより、略半月状の横断面形状に形成されている。図10ないし図12に示すように、貫通孔42の一側(左端)の左開口端42Bは、リンクベース15の左端に位置する左凹溝27の内側壁面27Dに開口している。貫通孔42の他側(右端)の右開口端42Cは、リンクベース15の右端に位置する右凹溝28の内側壁面28Dに開口している。貫通孔42は、左開口端42Bと右開口端42Cとを一直線状に結ぶように、トラックリンク41(リンクベース15)の左,右方向の全域に亘って一様な略半月状の断面形状に形成されている。これにより、トラックリンク41(リンクベース15)は、駆動輪当接面21と接地面25との間を中空とする中空構造の筒状体として構成されている。図12に示すように、貫通孔42の平坦面部42A2の幅寸法Dは、図9に示すフォークリフト31の爪32の幅寸法よりも大きく設定され、フォークリフト31の爪32を貫通孔42内に挿入したときに、貫通孔42の平坦面部42A2が爪32の上面に安定した状態で載置されるようになっている。
かくして、第2の実施の形態によれば、トラックリンク41を構成するリンクベース15に、左,右方向の全域に亘って一様な略半月状の断面形状を有する貫通孔42を設け、この貫通孔42の内周面42Aのうち、駆動輪当接面21側を、水平な平坦面部42A2として形成している。このため、例えばフォークリフト31の爪32を貫通孔42に挿入したときに、爪32の上面を平坦面部42A2に当接させることができるので、安定してトラックリンク41を移動、運搬させることができる。
しかも、貫通孔42の内周面42Aのうち駆動輪当接面21側を平坦面部42A2とすることにより、平坦面部42A2から駆動輪当接面21までの厚さ寸法を大きく(厚肉に)することができるので、トラックリンク41の強度を高めることができる。
次に、図13は、第3の実施の形態を示している。第3の実施の形態の特徴は、リンクベースの駆動輪当接面に設けられた踏み面に対応する部位の厚さ寸法を、係合突起に対応する部位の厚さ寸法よりも厚肉に形成したことにある。なお、第3の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
51は履帯13を構成するトラックリンクを示している。このトラックリンク51は、その内部が中空な中空ボックス構造として構成され、例えば鋳造手段により一体形成されるものである。トラックリンク51は、リンクベース15と、前接続ボス16と、後接続ボス18と、駆動輪当接面21と、接地面25とにより構成される。しかし、第3の実施の形態では、後述する貫通孔52と駆動輪当接面21との間の厚さ寸法を適宜変化させた点で第1の実施の形態によるトラックリンク14とは異なっている。
52はリンクベース15に設けられた第3の実施の形態による貫通孔を示している。この貫通孔52は、リンクベース15の前,後方向の中央部に位置して左,右方向に貫通するものである。貫通孔52の一側(左端)の左開口端52Aは、リンクベース15の左端に位置する左凹溝27の内側壁面27Dに開口している。貫通孔52の他側(右端)の右開口端52Bは、リンクベース15の右端に位置する右凹溝28の内側壁面28Dに開口している。
ここで、貫通孔52は、左,右方向において一様な横断面形状を有するものではなく、貫通孔52の左,右方向における各位置で、その内周面52Cと駆動輪当接面21との厚さ寸法が変化するように形成されている。具体的には、リンクベース15の厚さ寸法のうち、駆動輪当接面21に設けられた左踏み面23Aおよび右踏み面23Bに対応する部位の厚さ寸法をEとし、駆動輪当接面21に設けられた係合突起22に対応する部位の厚さ寸法をFとすると、厚さ寸法Eは、厚さ寸法Fよりも大きく形成されている(E>F)。即ち、リンクベース15は、左踏み面23Aおよび右踏み面23Bに対応する部位の厚さ寸法Eが、係合突起22に対応する部位の厚さ寸法Fよりも厚肉に形成されている。これにより、貫通孔52の内周面52Cのうち駆動輪当接面21側は、左開口端52Aと右開口端52Bとの間で、上,下方向に段差をもって形成されている。
かくして、第3の実施の形態によれば、トラックリンク51のリンクベース15のうち、駆動輪11や下ローラ9等が当接することにより大きな荷重が負荷される左踏み面23Aおよび右踏み面23Bに対応する部位は、厚さ寸法Eを有する厚肉部として形成している。一方、各踏み面23A,23Bに比べて大きな荷重が負荷されない係合突起22に対応する部位は、厚さ寸法Fを有する薄肉部として形成している。これにより、トラックリンク51の高強度化と軽量化を同時に図ることができる。
しかも、左踏み面23Aおよび右踏み面23Bに対応する部位を、厚さ寸法Eを有する厚肉部として形成しても、この厚肉部は接地面25には接続されていない。従って、貫通孔52は直線状で左,右方向に貫通しており、これにより、トラックリンク51の鋳造後には、貫通孔52に充填された中子の鋳砂を簡単かつ確実に排除することができる。
次に、図14および図15は、第4の実施の形態を示している。第4の実施の形態の特徴は、トラックリンクの駆動輪当接面の左,右方向の中央部に踏み面を設け、該踏み面の左,右方向の両側に一対の係合突起を設ける。さらに、トラックリンクには、左,右方向に直線状に貫通する貫通孔を設けたことにある。なお、第4の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
61は各サイドフレーム8の長さ方向の一側に設けられた駆動輪を示している。この駆動輪61は、第1の実施の形態に用いた駆動輪11に代えて第4の実施の形態に用いたものである。ここで、図14に示すように、駆動輪61は、短尺な内筒61Aと外筒61Bとを有し、内筒61Aの内周側は、油圧モータの出力軸(図示せず)が結合されるスプライン穴61Cとなっている。
外筒61Bの軸方向の両端縁には、外筒61Bから軸方向に突出する多数個の噛合部61Dが、周方向に等間隔で列設されている。隣合う噛合部61D間は、後述する各トラックリンク62の左係合突起69Aおよび右係合突起69Bが係合する。
さらに、外筒61Bの外周面は、当接面61Eとなり、この当接面61Eには、各トラックリンク62に設けられた後述の踏み面68が当接する。
62は履帯13を構成する第4の実施の形態によるトラックリンクを示している。このトラックリンク62は、その内部が中空な中空ボックス構造として構成され、例えば鋳造手段により一体形成されるものである。トラックリンク62は、後述するリンクベース63と、前接続ボス64と、後接続ボス66と、駆動輪当接面67と、接地面70とにより構成されている。
リンクベース63は、トラックリンク62の本体部を構成するもので、このリンクベース63は、左,右方向の幅寸法が前,後方向の長さ寸法および上,下方向の高さ寸法よりも大きな立体形状をなしている。リンクベース63には、後述する貫通孔71と、左凹溝72と、右凹溝73とが設けられている。
前接続ボス64は、リンクベース63の前端に設けられている。この前接続ボス64は、各トラックリンク62を連結するときに、隣合う前側のトラックリンク62に接続される部分である。図15に示すように、前接続ボス64は、リンクベース63の左側で前端から突出する左前接続ボス64Aと、リンクベース63の右側で前端から突出する右前接続ボス64Bとにより構成されている。各前接続ボス64A,64Bには、それぞれ左,右方向に貫通するピン孔65Aが同心上に設けられている。
一方、後接続ボス66は、リンクベース63の後端に設けられている。この後接続ボス66は、各トラックリンク62を連結するときに、隣合う後側のトラックリンク62に接続される部分である。図15に示すように、後接続ボス66は、リンクベース63の左側で後端から突出する左後接続ボス66Aと、リンクベース63の右側で後端から突出する右後接続ボス66Bと、左後接続ボス66Aと右後接続ボス66Bとの間に位置しリンクベース63の中央で後端から突出する中央後接続ボス66Cとにより構成されている。中央後接続ボス66Cの上面66C1は、後述する踏み面68と連続する構成となっている。各後接続ボス66A,66B,66Cには、それぞれ左,右方向に貫通するピン孔65Bが同心上に設けられている。
各トラックリンク62は、前側のトラックリンク62の左後接続ボス66Aと中央後接続ボス66Cとの間に後側のトラックリンク62の左前接続ボス64Aを挿入する。前側のトラックリンク62の右後接続ボス66Bと中央後接続ボス66Cとの間に後側のトラックリンク62の右前接続ボス64Bを挿入する。この状態で、各ピン孔65A,65Bに連結ピン(図示せず)を挿嵌し、抜止めボルト(図示せず)を取付ける。これにより、各トラックリンク62を無端状(環状)に連結し、履帯13を構成している。
駆動輪当接面67は、リンクベース63の上,下方向一側に形成されている。この駆動輪当接面67は、環状に連結されたトラックリンク62の内周側となり、駆動輪61に当接する面である。この駆動輪当接面67には、後述の踏み面68、左係合突起69Aおよび右係合突起69Bが設けられている。
踏み面68は、駆動輪当接面67の左,右方向の中央部に設けられている。この踏み面68は、中央後接続ボス66Cの上面66C1と連続しており、駆動輪61および/または遊動輪12が当接するものである。具体的には、踏み面68は、トラックリンク62が駆動輪61と係合しているときには駆動輪61の当接面61Eと当接する。一方、踏み面68は、トラックリンク62が遊動輪12と係合しているときには遊動輪12の外周側と当接するものである。さらに、踏み面68には、下ローラ9と上ローラ10も当接する。
69Aおよび69Bは駆動輪当接面67から突出する一対の係合突起を示している。左係合突起69Aは、矩形状の突起体として踏み面68の左側に突出して設けられている。一方、右係合突起69Bは、矩形状の突起体として踏み面68の右側に突出して設けられている。図14に示すように、トラックリンク62の各係合突起69A,69Bは、駆動輪61の各噛合部61D間に係合する。これにより、駆動輪61は、滑りを生じることなく履帯13に対して回転力を確実に伝えることができる。
接地面70は、リンクベース63の上,下方向他側に形成されている。この接地面70は、駆動輪当接面67に対して上,下方向の反対側に位置し、多数のトラックリンク62を環状に連結したときに各トラックリンク62の外周側となり、地面に接する面である。接地面70の左,右方向の左端側は、後述する左凹溝72の底面72Aが接地面70の一部として形成され、接地面70の左,右方向の右端側は、後述する右凹溝73の底面73Aが接地面70の一部として形成されている。
次に、トラックリンク62のリンクベース63に設けられた貫通孔71について説明する。
即ち、71はリンクベース63の前,後方向の中央部に設けられた貫通孔を示している。この貫通孔71は、トラックリンク62を製造するときに中子が充填されるものである。貫通孔71は、その横断面が円形な中空孔として形成され、リンクベース63の左,右方向に貫通するものである。具体的には、図14および図15に示すように、貫通孔71の一側(左端)の左開口端71Aは、リンクベース63の左端に位置する後述の左凹溝72の内側壁面72Dに開口している。貫通孔71の他側(右端)の右開口端71Bは、リンクベース63の右端に位置する後述の右凹溝73の内側壁面73Dに開口している。各開口端71A,71Bは、共に同形状の円形状に形成され、その内径寸法は、フォークリフト31の爪32を挿入することができる大きさとなっている。
貫通孔71の内周面71Cは、左開口端71Aと右開口端71Bとを一直線状に結ぶように、トラックリンク62の左,右方向の全域に亘って一様な横断面形状、即ち、円形な中空孔として形成されている。これにより、トラックリンク62(リンクベース63)は、駆動輪当接面67と接地面70との間に補強リブが設けられていない中空構造の筒状体として構成されている。
72は貫通孔71の左端に位置してリンクベース63に設けられた左凹溝を示している。この左凹溝72は、接地面70の一部を形成する底面72Aと、該底面72Aを挟んで前,後方向で間隔をもって対面する前壁面72Bと後壁面72Cとにより構成されている。これにより、左凹溝72は、駆動輪当接面67に向けて開口したU字状の溝として形成されている。前壁面72Bと後壁面72Cとの間を接続する内側壁面72Dには、貫通孔71の左開口端71Aが開口している。
一方、73は貫通孔71の右端に位置してリンクベース63に設けられた右凹溝を示している。この右凹溝73は、接地面70の一部を形成する底面73Aと、該底面73Aを挟んで前,後方向で間隔をもって対面する前壁面73Bと後壁面73Cとにより形成されている。これにより、右凹溝73は、駆動輪当接面67に向けて開口したU字状の溝として形成されている。前壁面73Bと後壁面73Cとの間を接続する内側壁面73Dには、貫通孔71の右開口端71Bが開口している。
かくして、第4の実施の形態によれば、一対(2個)の係合突起69A,69Bを有するトラックリンク62においても、リンクベース63に、その左,右方向の全域に亘って一様な横断面形状(円形状)を有する貫通孔71を設けている。このため、貫通孔71に充填される中子の形状を簡素化することができ、中子の製作が容易となる。加えて、トラックリンク62の貫通孔71内に中子の鋳砂を排除するときに障害となる補強リブ等を設けていないので、中子の鋳砂を排除することを簡単かつ確実に行うことができる。これにより、トラックリンク62の製造工数を低減することができると共に、トラックリンク62の信頼性を向上させることができる。
さらに、実質的に油圧ショベル1の重量が負荷されないトラックリンク62の左,右方向の両端には、駆動輪当接面67に向けて開口したU字状の左凹溝72,右凹溝73を設けたのでトラックリンク62の軽量化を図ることができる。
しかも、リンクベース63の貫通孔71には、フォークリフト31等の爪32を挿入することができる。このため、フォークリフト31を用いて簡単にトラックリンク62を移動、運搬することができ、トラックリンク62(履帯13)の製造作業性や交換作業性を向上させることができる。
一方、フォークリフト31の爪32を貫通孔71に挿入するときは、フォークリフト31の爪32を凹溝72,73によって案内することができる。具体的に述べると、フォークリフト31の爪32の先端を、凹溝72(73)の前,後の壁面72B,72C(73B,73C)の間に位置させることにより、フォークリフト31の爪32を貫通孔71に挿入する作業を容易に行うことができる。
なお、上述した第1の実施の形態では、トラックリンク14の左端側に設けられる左凹溝27を、底面27Aと、底面27Aの前端縁から立上がる前壁面27Bと、底面27Aの後端縁から立上る後壁面27CとでU字状に形成し、右端側に設けられる右凹溝28を、底面28Aと、底面28Aの前端縁から立上る前壁面28Bと、底面28Aの後端縁から立上る後壁面28CとでU字状に形成した場合を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図16に示す変形例によるトラックリンク81のように、左凹溝82と右凹溝83とを、底面84と、底面84の前端縁よりも後側にずらした位置から立上る前壁面85と、底面84の後端縁よりも前側にずらした位置から立上る後壁面86とにより構成してもよい。このことは、第2ないし第4の実施の形態についても同様である。
上述した第4の実施の形態では、トラックリンク62の左,右方向に貫通する横断面が円形状の貫通孔71を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば第2の実施の形態による平坦面部42A2を有する貫通孔42のように、横断面を略半月状に形成した貫通孔を設けてもよい。このことは、第1の変形例についても同様である。
上述した第4の実施の形態では、トラックリンク62の左,右方向の全域に亘って一様な横断面形状(円形状)の貫通孔71を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば第3の実施の形態による貫通孔52のように、踏み面68に対応する部位の厚さ寸法が、左係合突起69A、右係合突起69Bに対応する部位の厚さ寸法よりも厚肉となるような貫通孔を設けてもよい。このことは、第1の変形例についても同様である。
上述した各実施の形態では、超大型の油圧ショベル1に設けられた履帯13を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、下部走行体に履帯を備えた作業車両、例えば油圧クレーン等にも広く適用することができる。
1 油圧ショベル(建設機械)
11,61 駆動輪
12 遊動輪
13 履帯
14,41,51,62,81 トラックリンク
15,63 リンクベース
16,64 前接続ボス(接続部)
18,66 後接続ボス(接続部)
21,67 駆動輪当接面
22 係合突起
23A 左踏み面
23B 右踏み面
24A 左規制突起
24B 右規制突起
25,70 接地面
26,42,52,71 貫通孔
27,72,82 左凹溝
27A,28A,72A,73A,84 底面
27B,28B,72B,73B,85 前壁面
27C,28C,72C,73C,86 後壁面
28,73,83 右凹溝
42A1 円周面部
42A2 平坦面部
68 踏み面
69A 左係合突起
69B 右係合突起
発明は、多数のトラックリンクを前,後方向に順次連結、車体の駆動輪と遊動輪との間に巻回されることにより構成され、前記トラックリンクは、左,右方向の幅寸法が前,後方向の長さ寸法および上,下方向の高さ寸法よりも大きな立体形状をなすリンクベースと、該リンクベースの前端と後端にそれぞれ設けられ隣合うトラックリンクにそれぞれ接続される前接続ボスおよび後接続ボスと、前記リンクベースの上,下方向の一側に形成され前記駆動輪に当接する駆動輪当接面と、前記リンクベースの上,下方向の他側に形成され地面に接する接地面と、前記リンクベースに設けられ、該リンクベースの前,後方向の中央部に位置して左,右方向に貫通する貫通孔とにより構成される履帯に適用される。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記貫通孔の内周面は、前記接地面側に位置する円形の円周面部と、前記駆動輪当接面側に位置する平坦な平坦面部とにより、横断面を略半月状に形成したことにある。
しかも、リンクベースの内部に補強リブが設けられていないので、貫通孔には、フォークリフトの爪を挿入することができる。従って、フォークリフトを用いて簡単にトラックリンクを移動、運搬することができ、トラックリンク(履帯)の製造作業や交換作業の作業性を向上させることができる。
更に、貫通孔の内周面の駆動輪当接面側を平坦な平坦面部とすることにより、フォークリフトの爪を貫通孔に挿入したときに、爪の上面と平坦面部とを当接させることができる。これにより、安定してトラックリンクを移動、運搬させることができる。しかも、平坦面部から駆動輪当接面までの厚さ寸法を大きく(厚肉に)することができるので、トラックリンクの強度を高めることができる。
請求項2の発明は、前記貫通孔の内周面は、前記リンクベースの左,右方向の全域に亘って一様な横断面形状に形成する構成としたことにある。
一方、請求項3の発明は、前記リンクベースの駆動輪当接面には、該駆動輪当接面から突出し前記駆動輪に係合する係合突起と、前記駆動輪に当接する踏み面とを設け、前記リンクベースは、前記踏み面に対応する部位の厚さ寸法を前記係合突起に対応する部位の厚さ寸法よりも厚肉に形成する構成としたことにある。
本発明の第1の参考例による履帯を備えた超大型の油圧ショベルを示す正面図である。 図1中の下部走行体を拡大して示す正面図である。 駆動輪とトラックリンクを図2中の矢示III−III方向からみた拡大断面図である。 上ローラ、下ローラ、トラックリンク等を図2中の矢示IV−IV方向からみた拡大断面図である。 履帯を構成するトラックリンクの一部を分解して示す外観斜視図である。 トラックリンクの単体を駆動輪当接面側からみた平面図である。 トラックリンクを図6中の矢示VII−VII方向からみた側面図である。 トラックリンクを図6中の矢示VIII−VIII方向からみた断面図である。 トラックリンクをフォークリフトで運搬する状態を示す一部が断面の正面図である。 本発明の第の実施の形態によるトラックリンクを示す斜視図である。 トラックリンクを図10中の矢示XI−XI方向からみた断面図である。 トラックリンクを図10中の矢示XII−XII方向からみた断面図である。 本発明の第の実施の形態によるトラックリンクを駆動輪と共に示す図3と同様位置の拡大断面図である。 本発明の第参考例によるトラックリンクを駆動輪と共に示す図3と同様位置の拡大断面図である。 トラックリンクを単体で示す斜視図である。 本発明の第3の参考例によるトラックリンクを単体で示す斜視図である。
図1ないし図9は本発明の第1の参考例の形態を示している。
次に、第1の参考例に適用される履帯13について説明する。
第1の参考例による油圧ショベル1の履帯13は上述の如き構成を有するもので、次に、履帯13を構成するトラックリンク14の製造作業について述べる。
ここで、第1の参考例によるトラックリンク14は、リンクベース15の内部に駆動輪当接面21と接地面25との間を接続する補強リブを設けることなく、リンクベース15の左,右方向の全域に亘って一様な横断面形状を有する貫通孔26が形成されている。このため、貫通孔26に対応した一様な円柱状の中子を製作することができ、中子の形状が簡素化した分、中子の製作工数を低減することができる。
トラックリンク14を成形した後には、鋳型からトラックリンク14を抜取ると共に、貫通孔26に充填された中子を取り除く。この場合、第1の参考例によるトラックリンク14のリンクベース15は、その内部に補強リブを設けていないので中子の形状を簡素化することができる。しかも、リンクベース15の左,右方向の両端側には、リンクベース15の左端部と駆動輪当接面21側とに貫通孔26の左開口端26Aが開口する左凹溝27と、リンクベース15の右端部と駆動輪当接面21側とに貫通孔26の右開口端26Bが開口する右凹溝28とが設けられている。このため、貫通孔26内に充填された中子をつき崩すことにより、中子の鋳砂を左凹溝27に開口した左開口端26A、右凹溝28に開口した右開口端26Bを通じて迅速かつ容易に外部に排出することができる。鋳造されたトラックリンク14には、必要に応じて焼き入れを行うことにより、強度の高いトラックリンク14を製造することができる。
かくして、第1の参考例によれば、トラックリンク14を構成するリンクベース15の前,後方向の中央部に左,右方向に貫通する貫通孔26を設け、この貫通孔26を、リンクベース15の左,右方向の全域に亘って一様な横断面形状(円形状)に形成している。これにより、トラックリンク14を鋳造するに際して、貫通孔26に充填される中子の形状を簡素化することができ、中子の製作が容易となる。加えて、トラックリンク14の貫通孔26内に中子の鋳砂を排除するときに障害となる補強リブ等を設けていないので、中子の鋳砂を排除することを簡単かつ確実に行うことができる。これにより、トラックリンク14の製造工数を低減することができると共に、トラックリンク14の信頼性を向上させることができる。
次に、図10ないし図12は、本発明のの実施の形態を示している。第の実施の形態の特徴は、リンクベースに設けられた貫通孔の内周面のうち、駆動輪当接面側の内周面を水平な平坦面として形成したことにある。なお、第の実施の形態では、上述した第1の参考例と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
41は履帯13を構成するトラックリンクを示している。このトラックリンク41は、その内部が中空な中空ボックス構造として構成され、例えば鋳造手段により一体形成されるものである。トラックリンク41は、リンクベース15と、前接続ボス16と、後接続ボス18と、駆動輪当接面21と、接地面25とにより構成される。しかし、第の実施の形態では、後述する貫通孔42の横断面形状を略半月状に形成した点で第1の参考例によるトラックリンク14とは異なっている。
42はリンクベース15に設けられた第の実施の形態による貫通孔を示している。この貫通孔42は、リンクベース15の前,後方向の中央部に位置して左,右方向に貫通している。ここで、貫通孔42の内周面42Aは、接地面25側に位置する円形の円周面部42A1と、駆動輪当接面21側に位置し該駆動輪当接面21に対して平行な平坦面部42A2とにより、略半月状の横断面形状に形成されている。図10ないし図12に示すように、貫通孔42の一側(左端)の左開口端42Bは、リンクベース15の左端に位置する左凹溝27の内側壁面27Dに開口している。貫通孔42の他側(右端)の右開口端42Cは、リンクベース15の右端に位置する右凹溝28の内側壁面28Dに開口している。貫通孔42は、左開口端42Bと右開口端42Cとを一直線状に結ぶように、トラックリンク41(リンクベース15)の左,右方向の全域に亘って一様な略半月状の断面形状に形成されている。これにより、トラックリンク41(リンクベース15)は、駆動輪当接面21と接地面25との間を中空とする中空構造の筒状体として構成されている。図12に示すように、貫通孔42の平坦面部42A2の幅寸法Dは、図9に示すフォークリフト31の爪32の幅寸法よりも大きく設定され、フォークリフト31の爪32を貫通孔42内に挿入したときに、貫通孔42の平坦面部42A2が爪32の上面に安定した状態で載置されるようになっている。
かくして、第の実施の形態によれば、トラックリンク41を構成するリンクベース15に、左,右方向の全域に亘って一様な略半月状の断面形状を有する貫通孔42を設け、この貫通孔42の内周面42Aのうち、駆動輪当接面21側を、水平な平坦面部42A2として形成している。このため、例えばフォークリフト31の爪32を貫通孔42に挿入したときに、爪32の上面を平坦面部42A2に当接させることができるので、安定してトラックリンク41を移動、運搬させることができる。
次に、図13は、第の実施の形態を示している。第の実施の形態の特徴は、リンクベースの駆動輪当接面に設けられた踏み面に対応する部位の厚さ寸法を、係合突起に対応する部位の厚さ寸法よりも厚肉に形成したことにある。なお、第の実施の形態では、上述した第1の参考例と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
51は履帯13を構成するトラックリンクを示している。このトラックリンク51は、その内部が中空な中空ボックス構造として構成され、例えば鋳造手段により一体形成されるものである。トラックリンク51は、リンクベース15と、前接続ボス16と、後接続ボス18と、駆動輪当接面21と、接地面25とにより構成される。しかし、第の実施の形態では、後述する貫通孔52と駆動輪当接面21との間の厚さ寸法を適宜変化させた点で第1の参考例によるトラックリンク14とは異なっている。
52はリンクベース15に設けられた第の実施の形態による貫通孔を示している。この貫通孔52は、リンクベース15の前,後方向の中央部に位置して左,右方向に貫通するものである。貫通孔52の一側(左端)の左開口端52Aは、リンクベース15の左端に位置する左凹溝27の内側壁面27Dに開口している。貫通孔52の他側(右端)の右開口端52Bは、リンクベース15の右端に位置する右凹溝28の内側壁面28Dに開口している。
かくして、第の実施の形態によれば、トラックリンク51のリンクベース15のうち、駆動輪11や下ローラ9等が当接することにより大きな荷重が負荷される左踏み面23Aおよび右踏み面23Bに対応する部位は、厚さ寸法Eを有する厚肉部として形成している。一方、各踏み面23A,23Bに比べて大きな荷重が負荷されない係合突起22に対応する部位は、厚さ寸法Fを有する薄肉部として形成している。これにより、トラックリンク51の高強度化と軽量化を同時に図ることができる。
次に、図14および図15は、第参考例を示している。第参考例の特徴は、トラックリンクの駆動輪当接面の左,右方向の中央部に踏み面を設け、該踏み面の左,右方向の両側に一対の係合突起を設ける。さらに、トラックリンクには、左,右方向に直線状に貫通する貫通孔を設けたことにある。なお、第参考例では、上述した第1の参考例と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
61は各サイドフレーム8の長さ方向の一側に設けられた駆動輪を示している。この駆動輪61は、第1の参考例に用いた駆動輪11に代えて第参考例に用いたものである。ここで、図14に示すように、駆動輪61は、短尺な内筒61Aと外筒61Bとを有し、内筒61Aの内周側は、油圧モータの出力軸(図示せず)が結合されるスプライン穴61Cとなっている。
62は履帯13を構成する第参考例によるトラックリンクを示している。このトラックリンク62は、その内部が中空な中空ボックス構造として構成され、例えば鋳造手段により一体形成されるものである。トラックリンク62は、後述するリンクベース63と、前接続ボス64と、後接続ボス66と、駆動輪当接面67と、接地面70とにより構成されている。
かくして、第参考例によれば、一対(2個)の係合突起69A,69Bを有するトラックリンク62においても、リンクベース63に、その左,右方向の全域に亘って一様な横断面形状(円形状)を有する貫通孔71を設けている。このため、貫通孔71に充填される中子の形状を簡素化することができ、中子の製作が容易となる。加えて、トラックリンク62の貫通孔71内に中子の鋳砂を排除するときに障害となる補強リブ等を設けていないので、中子の鋳砂を排除することを簡単かつ確実に行うことができる。これにより、トラックリンク62の製造工数を低減することができると共に、トラックリンク62の信頼性を向上させることができる。
なお、上述した第1の参考例では、トラックリンク14の左端側に設けられる左凹溝27を、底面27Aと、底面27Aの前端縁から立上がる前壁面27Bと、底面27Aの後端縁から立上る後壁面27CとでU字状に形成し、右端側に設けられる右凹溝28を、底面28Aと、底面28Aの前端縁から立上る前壁面28Bと、底面28Aの後端縁から立上る後壁面28CとでU字状に形成した場合を例に挙げて説明している。しかし、これに限らず、例えば図16に示す第3の参考例によるトラックリンク81のように、左凹溝82と右凹溝83とを、底面84と、底面84の前端縁よりも後側にずらした位置から立上る前壁面85と、底面84の後端縁よりも前側にずらした位置から立上る後壁面86とにより構成してもよい。このことは、本発明の1およびの実施の形態についても同様である。
上述した第参考例では、トラックリンク62の左,右方向に貫通する横断面が円形状の貫通孔71を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば第の実施の形態による平坦面部42A2を有する貫通孔42のように、横断面を略半月状に形成した貫通孔を設けてもよい。このことは、第参考例についても同様である。
上述した第参考例では、トラックリンク62の左,右方向の全域に亘って一様な横断面形状(円形状)の貫通孔71を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば第の実施の形態による貫通孔52のように、踏み面68に対応する部位の厚さ寸法が、左係合突起69A、右係合突起69Bに対応する部位の厚さ寸法よりも厚肉となるような貫通孔を設けてもよい。このことは、第参考例についても同様である。
上述した各参考例および各実施の形態では、超大型の油圧ショベル1に設けられた履帯13を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、下部走行体に履帯を備えた作業車両、例えば油圧クレーン等にも広く適用することができる。

Claims (6)

  1. 多数のトラックリンク(14,41,51,62,81)を前,後方向に順次連結することにより構成され、車体(3,5)の駆動輪(11,61)と遊動輪(12)との間に巻回される履帯において、
    前記トラックリンク(14,41,51,62,81)は、
    左,右方向の幅寸法(A)が前,後方向の長さ寸法(B)および上,下方向の高さ寸法(C)よりも大きな立体形状をなすリンクベース(15,63)と、
    該リンクベース(15,63)の前端と後端にそれぞれ設けられ隣合うトラックリンクにそれぞれ接続される前接続ボス(16,64)および後接続ボス(18,66)と、
    前記リンクベース(15,63)の上,下方向の一側に形成され前記駆動輪(11,61)に当接する駆動輪当接面(21,67)と、
    前記リンクベース(15,63)の上,下方向の他側に形成され地面に接する接地面(25,70)とからなり、
    前記リンクベース(15,63)には、該リンクベース(15,63)の前,後方向の中央部に位置して左,右方向に貫通する貫通孔(26,42,52,71)を設ける構成としたことを特徴とする履帯。
  2. 前記リンクベース(15,63)には、前記貫通孔(26,42,52,71)の左,右方向の両端に位置して、前記駆動輪当接面(21,67)に向けて開口したU字状の凹溝(27,28,72,73,82,83)を設ける構成としてなる請求項1に記載の履帯。
  3. 前記凹溝(27,28,72,73,82,83)は、前記接地面(25,70)の一部を形成する底面(27A,28A,72A,73A,84)と、該底面(27A,28A,72A,73A,84)を挟んで前,後方向で間隔をもって対面する前,後の壁面(27B,27C,28B,28C,72B,72C,73B,73C,85,86)とにより形成する構成としてなる請求項2に記載の履帯。
  4. 前記貫通孔(26,42,52,71)の内周面は、前記リンクベース(15,63)の左,右方向の全域に亘って一様な横断面形状に形成する構成としてなる請求項1に記載の履帯。
  5. 前記貫通孔(42)の内周面は、前記接地面側に位置する円形の円周面部(42A1)と、前記駆動輪当接面(21)側に位置する平坦な平坦面部(42A2)とにより、横断面を略半月状に形成する構成としてなる請求項1に記載の履帯。
  6. 前記リンクベース(15,63)の駆動輪当接面(21,67)には、該駆動輪当接面(21,67)から突出し前記駆動輪(11,61)に係合する係合突起(22,69A,69B)と、前記駆動輪(11,61)に当接する踏み面(23A,23B,68)とを設け、
    前記リンクベース(15,63)は、前記踏み面(23A,23B,68)に対応する部位の厚さ寸法(E)を前記係合突起(22,69A,69B)に対応する部位の厚さ寸法(F)よりも厚肉に形成する構成としてなる請求項1に記載の履帯。
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