JPWO2014010721A1 - 自己組織化ペプチド誘導体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

再生医療分野及び外科領域において有用である、前記自己組織化ペプチド誘導体を、経済的で大量に得られる効率的な製造方法を提供することを課題とする。(i)アミノ酸配列の共通ユニットを用いた収斂的な配列構築工程、及び(ii)一旦、2硫酸塩、4メタンスルホン酸塩又は4トリフルオロ酢酸(TFA)塩等の塩として単離した後に4塩酸塩へと塩交換する工程とを組み合わせた製造方法を提供する。

Description

本発明は、高強度なペプチドゲルを形成し得る自己組織化ペプチドの製造方法に関する。
再生医療分野及び外科領域において使用するゲルとして、自己組織化ペプチド誘導体から生成するペプチドゲルが有用であることが知られている(特許文献1)。最も好ましいアミノ酸配列と末端修飾型として、構造式:Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH、及びAc−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Leu−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH(式中、Acはアセチル基を表す。以下同じ。)で表わされるペプチド誘導体が開示されている。
前記自己組織化ペプチド誘導体、及びそのゲルの用途としては、例えば、細胞培養用基材;スキンケア用品、ヘアケア用品等の化粧品;じょくそう製剤、骨充填剤、美容形成用注入剤、眼科用手術補助剤、人工硝子体、人工水晶体、関節潤滑剤、点眼剤、DDS基材、止血剤等の医薬品;湿潤用保水剤;乾燥剤;コンタクトレンズ等の医療機器へのコーティング剤が挙げられる(特許文献1)。
ペプチドの合成方法としては、一般的に化学合成法、酵素合成法、及び遺伝子組み換え法が知られている。
酵素合成法は、温和な反応条件での合成が可能であること、副生成物が少ないこと等の利点を有する。酵素合成法としては、例えば、サーモリシン等のメタロペプチダーゼ、アミノアシル−tRNA合成酵素、アラニンリガーゼ、又は非リボソームペプチド合成酵素を用いる方法等が知られている。一方、従来の酵素合成法で使用されている酵素の中には、コストが高いものもあり、また、基質特異性に偏りがあるため、望み通りのペプチド設計とすることができない場合もある等、課題がある。
遺伝子組み換え法は、目的のペプチドをコードするヌクレオチド配列からなるDNAを調製して宿主細胞等に発現させる方法である。遺伝子を発現させてペプチドを合成するためのベクターとしては、対象とする細胞の種類によりプラスミドやバキュロウイルス等が用いられる。一方、遺伝子組み換え法では、産生されるペプチドは、DNAの導入されたベクターによって欲しいペプチドそのものではないことがある等の課題がある。
化学合成法は、化学的にアミノ酸を連結していく方法であり、一般的に液相法及び固相法による合成法が知られている。ペプチド固相合成法は、表面をアミノ基で修飾した直径0.1mm程度のポリスチレン高分子ゲルのビーズ等を固相として用い、ここから脱水反応によって1つずつアミノ酸鎖を伸長していく方法である。この合成法では、目的とするペプチド配列の合成終了後にペプチドを固相表面から切り出し、目的物質を得る。バクテリア中で合成させることが難しいリボソームペプチドの合成や、D体や重原子置換体等の非天然アミノ酸の導入、ペプチド及びタンパク質主鎖の修飾等も可能である。
しかしながら、前記ペプチド固相合成法では、各合成工程でアミノ酸を一つずつ繋げていくため効率が悪く、また、固相合成用担体が高価であり、試薬の使用量も多い等のことから経済的ではない。さらに、設備的にスケールアップが難しいという課題もある。
特許文献1で開示されている、構造式:Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH、及びAc−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Leu−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NHで表わされる前記ペプチド誘導体は、一般的な固相合成法を用いて製造されていたことから、前記ペプチド誘導体の低コスト、且つスケールアップが可能となる効率的な製造方法の開発が待たれていた。
なお、特許文献1で開示されているAc−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH及びAc−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Leu−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NHは、塩基性アミノ酸残基であるArgを4つと酸性アミノ酸残基であるAspを2つその配列中に有することから、種々の塩の態様を取り得る。一般に、塩の態様によりペプチド誘導体の機能、物性が異なる事は知られているが、前記ペプチド誘導体には水に溶解して高強度のペプチドゲルを形成し得る機能に加え、商業的製造に適した取り扱いの容易さや保存安定性と言った物性が求められており、これらを充足できる塩の態様を探索する課題もあった。
国際公開第WO2010/103887号パンフレット
再生医療分野及び外科領域において有用である、前記自己組織化ペプチド誘導体の、低コスト、且つスケールアップが可能となる効率的な製造方法を提供することが、本発明における最も重要な課題である。本発明の他の課題は、以下の記載から明らかになる。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、前記自己組織化ペプチド誘導体の種々の塩の中から、商業的な製造適性、取り扱いの容易さ、保管上の安定性等から、前記ペプチド誘導体の4塩酸塩が最適な形態であることを見出した。更に、(i)前記自己組織化ペプチド誘導体の式中、Arg−Leu−Asp−Leu−Argで示される同一のアミノ酸配列が二つ含まれていることに着目し、前記アミノ酸配列のペプチドを共通ユニットとして用いた収斂的な配列構築工程、及び(ii)一旦、2硫酸塩、4メタンスルホン酸塩又は4トリフルオロ酢酸(TFA)塩等の塩として単離した後に、4塩酸塩へと塩交換する工程とを組み合わせることにより、前記自己組織化ペプチド誘導体の効率的で堅牢な製造方法を見出した。さらに、本発明者等は、前記自己組織化ペプチド誘導体の2硫酸塩を形成させることにより、精製効率が向上することを見出した。本発明者等は、このような種々の新知見を得て、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。なお、なぜ前記ペプチド誘導体の2硫酸塩が好都合であるのか、詳しいメカニズムは不明であるが、析出時における不純物との分離が有利に進行するものと推察される。
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
[1]一般式(IX)
Figure 2014010721
で表されるペプチド誘導体2硫酸塩、又は
一般式(X)
Figure 2014010721
で表わされる、ペプチド誘導体2硫酸塩。
[2]一般式(I)
Figure 2014010721
(式中、保護基Aと保護基Cは塩基性条件下では安定で強酸性条件下において脱保護できるアルギニン側鎖の保護基であり、互いに同じであっても異なっていても良い。また式中、保護基Bは塩基性条件下では安定で強酸性条件下において脱保護できるアスパラギン酸側鎖の保護基である。さらに、N末端アルギニンのアミノ基及び/又はC末端アルギニンのカルボキシ基は修飾されていても良い。)
で表されるペプチド誘導体Iと、
一般式(II)
Figure 2014010721
(式中、N末端ロイシンのアミノ基及び/又はC末端ロイシンのカルボキシ基は修飾されていても良く、XはAla又はLeuである。)
で表されるペプチド誘導体IIとを、ビルディングブロックとして用い、これらを順次カップリングし、側鎖保護基を強酸で脱保護し、さらに末端の脱保護工程、修飾工程及び/又は塩交換工程を含んでもよい各工程よりなる、
一般式(VII)
Figure 2014010721
(式中、nは酸の価数に応じて(酸の価数)×nが4となる係数を意味する。)、
又は、
一般式(VIII)
Figure 2014010721
(式中、nは酸の価数に応じて(酸の価数)×nが4となる係数を意味する。)
で表されるペプチド誘導体の製造方法。
[3]前記ペプチド誘導体IのN末端がアセチル化されているペプチド誘導体Iaと、前記ペプチド誘導体IIのC末端がエステル基で保護されているペプチド誘導体IIaとをカップリングさせ、生じたペプチド誘導体IIIaのC末端を脱保護した後に、さらに前記ペプチド誘導体IのC末端がアミド基であるペプチド誘導体Ibとカップリングさせ、得られたペプチド誘導体IVaの側鎖保護基を脱保護する工程を含む前記[2]に記載の製造方法。
[4]前記ペプチド誘導体IのN末端がアセチル化されているペプチド誘導体Iaと、前記ペプチド誘導体IIのC末端がエステル基で保護されているペプチド誘導体IIaとをカップリングさせ、生じたペプチド誘導体IIIaのC末端を脱保護した後に、さらに前記ペプチド誘導体IのC末端がエステル基で保護されているペプチド誘導体Icとカップリングさせ、得られたペプチド誘導体IVbの側鎖保護基を脱保護した後にC末端エステル基をアミド基へと変換する工程を含む前記[2]に記載の製造方法。
[5]前記ペプチド誘導体IIaのC末端エステルがメチルエステルである前記[3]又は[4]に記載の製造方法。
[6]前記ペプチド誘導体IcのC末端エステルがメチルエステルである、前記[4]に記載の製造方法。
[7]一般式(V)
Figure 2014010721
(式中、保護基Aは前記と同意義を示し、N末端は修飾されている。)
で表されるペプチド誘導体Vと、
一般式(VI)
Figure 2014010721
(式中、保護基B、Cは前記と同意義を示し、C末端は修飾されている。)
で表されるペプチド誘導体VIとをカップリングさせ、そのカップリング体のN末端アルギニンのアミノ基及び/又はC末端アルギニンのカルボキシ基の脱保護を行う工程及び/又は修飾を行う工程を含んでいてもよい、前記ペプチド誘導体Iを得る工程を含む前記[3]〜[6]のいずれか1項に記載の製造方法。
[8]前記保護基A及び前記保護基Cが、Pbf(2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル)基である前記[3]〜[7]のいずれか1項に記載の製造方法。
[9]前記保護基Bが、t−ブチルエステルである前記[3]〜[8]のいずれか1項に記載の製造方法。
[10]前記ペプチド誘導体IのN末端がアセチル化されているペプチド誘導体Iaの調製において、ペプチド誘導体VのN末端がアセチル化されているペプチド誘導体Vaと、前記ペプチド誘導体VIのC末端がエステル基で保護されているペプチド誘導体VIaをカップリングさせ、その後C末端エステルを脱保護してペプチド誘導体Iaを得る工程;及び/又は、前記ペプチド誘導体VのN末端がアセチル基以外の保護基で保護されているペプチド誘導体Vbと、前記ペプチド誘導体VIaとのカップリング後に、N末端をアセチル基に変換、並びにC末端エステルを脱保護してペプチド誘導体Iaを得る工程を含む前記[7]〜[9]のいずれか1項に記載の製造方法。
[11]前記ペプチドVIaのC末端エステル基がメチルエステルである、前記[10]に記載の製造方法。
[12]前記ペプチド誘導体IのC末端がアミド化されているペプチド誘導体Ibの調製において、前記ペプチド誘導体VのN末端がアセチル基以外の保護基で保護されているペプチド誘導体Vbと、前記ペプチド誘導体VIのC末端がアミド化されているペプチド誘導体VIbとをカップリングさせ、その後N末端を脱保護してペプチド誘導体Ibを得る工程を含む、前記[7]〜[9]のいずれか1項に記載の製造方法。
[13]前記ペプチド誘導体IのC末端がエステル基で保護されたペプチド誘導体Icの調製において、前記ペプチド誘導体VのN末端がアセチル基以外の保護基で保護されているペプチド誘導体Vbと、前記ペプチド誘導体VIのC末端がエステル基で保護されたペプチド誘導体VIaとをカップリングさせ、その後N末端を脱保護してペプチド誘導体Icを得る工程を含む、前記[7]〜[9]のいずれか1項に記載の製造方法。
[14]一般式(VII)
Figure 2014010721
(式中、nは酸の価数に応じて(酸の価数)×nが4となる係数を意味する。但し、酸が塩酸である場合を除く。)
及び/又は、一般式(VIII)
Figure 2014010721
(式中、nは酸の価数に応じて(酸の価数)×nが4となる係数を意味する。但し、酸が塩酸である場合を除く。)
で表されるペプチド誘導体を、有機溶媒存在下塩酸で処理して、塩交換する工程を含む一般式(XI)
Figure 2014010721
又は一般式(XII)
Figure 2014010721
で表されるペプチド誘導体4塩酸塩の製造方法。
[15]前記有機溶媒が、THF(テトラヒドロフラン)である前記[14]に記載の製造方法。
[16]一般式(VII)及び/又は一般式(VIII)で表されるペプチド誘導体のn(酸)が、2硫酸である前記[2]〜[15]のいずれか1項に記載の製造方法。
なお、本発明における「修飾」とは、特に限定されないが、例えば、後述する保護基によるN末端及び/又はC末端の保護、N末端のアセチル化、及び/又はC末端のアミド化等の通常のペプチド分野で常用される化学変換が挙げられる。
本発明により、再生医療分野及び外科領域において有用である前記自己組織化ペプチド誘導体を、経済的で大量に且つ効率的に得ることができる。
本発明の好ましい実施態様は、一般式(I)で表されるペプチド誘導体Iと、一般式(II)で表されるペプチドIIをビルディングブロックとして用い、これらを順次カップリングによって結合させ、側鎖保護基を強酸で脱保護し、塩交換工程、末端の脱保護及び/又は修飾工程を含んでもよい各工程よりなる、一般式(VII)又は一般式(VIII)で表されるペプチド誘導体の製造方法である。
ここで、一般式(I)は、
Figure 2014010721
で表され、式中、保護基Aと保護基Cは、好ましくは塩基性条件下では安定で強酸性条件下において脱保護できるアルギニン側鎖の保護基であり、互いに同じであっても異なっていても良い。また式中、保護基Bは、好ましくは塩基性条件下では安定で強酸性条件下において脱保護できるアスパラギン酸側鎖の保護基である。前記塩基性条件としては、通常pH8〜11が好ましく、前記強酸性条件としては、通常pH1以下が好ましく、より好ましくはpH−1〜1である。さらに、N末端アルギニンのアミノ基及び/又はC末端アルギニンのカルボキシ基は修飾されていても良く、
一般式(II)は、
Figure 2014010721
(式中、N末端ロイシンのアミノ基及び/又はC末端ロイシンのカルボキシ基は修飾されていても良く、XはAla又はLeuである。)
で表され、
一般式(VII)は、
Figure 2014010721
(式中、nは酸の価数に応じて(酸の価数)×nが4となる係数である。)
で表され、及び、
一般式(VIII)は、
Figure 2014010721
(式中、nは酸の価数に応じて(酸の価数)×nが4となる係数である)
で表される。
前記一般式(VII)及び(VIII)における酸は、特に限定されず、無機酸又は有機酸のいずれであってもよい。無機酸としては、例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸等が挙げられ、有機酸としては、例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。これらの中でも、ペプチドの塩としての扱いやすさ、製造効率等の観点から、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸及びトリフルオロ酢酸が好ましい。
本発明のペプチド誘導体は種々の化学合成法でこれを合成することができるが、スケールアップの容易さ、経済性の観点から、好ましくは液相法である。
本発明において、「ペプチド」とは、アミノ酸がペプチド結合によって共に共有結合している化合物を意味する。ペプチドは、2つ、又はしばしばそれ以上のアミノ酸が結合してなる。また、ペプチド配列は慣習的に、式の左側がN末端、右側がC末端として表される。
本発明において、「アミノ酸」とは、少なくとも1つのNH基、及び少なくとも1つのカルボキシ基を含んでなる任意の化合物を意味する。本発明に用いるアミノ酸は、天然アミノ酸であってもよく、非天然アミノ酸であってもよい。低価格で入手可能であり、ペプチド合成が容易であることから、好ましくは天然アミノ酸を用いる。アミノ酸残基は、本明細書では、以下のとおり略号化されている:アルギニンは、Arg;ロイシンは、Leu;アスパラギン酸は、Asp;アラニンは、Alaをそれぞれ意味する。
本発明において、ペプチドの「N末端」とは、遊離アミノ基(−NH)を有するペプチド鎖の末端を意味する。この遊離アミノ基は修飾されていても良い。また、「C末端」とは、遊離カルボキシ基(−COOH)を有するペプチド鎖の端末を意味する。この遊離カルボキシ基は修飾されていても良い。
本発明において、「カップリング」とは、アミノ酸のカルボキシ基又は第1のペプチドのC末端と、他のアミノ酸のアミノ基又は第2のペプチドのN末端との間の反応を意味する。すなわち、カップリング時、2つのペプチド中間体断片同士、又は1つのペプチド中間体断片と反応性アミノ酸とが、一般に、適切な溶媒中、通常はカップリング反応を促進する追加試薬の存在下で結合する。前記追加試薬としては、例えば後述するカルボン酸活性化剤等が挙げられる。
本発明において、「ビルディングブロック」とは、ペプチド誘導体合成時のカップリング反応に用いる短鎖のペプチド誘導体を意味する。短鎖のペプチド誘導体を構成するアミノ酸の数は特に限定されず、2つ以上のアミノ酸が結合してなるペプチド誘導体であれば、ビルディングブロックとして好適に用いることができる。また、前記ビルディングブロックは、さらに短いペプチド誘導体同士をカップリングさせることによって合成することもでき、このとき用いられる短鎖のペプチド誘導体を、以下サブユニットともいう。
本発明の好ましい態様において、一般式(I)のペプチド誘導体Iと、一般式(II)のペプチド誘導体IIとをカップリングさせ、一般式(III)のペプチド誘導体IIIを得る。さらに、一般式(III)のペプチド誘導体と、一般式(I)のペプチド誘導体Iとをカップリングさせ、側鎖保護基を脱保護することで一般式(IV)のペプチド誘導体IVを合成する。
ここで、一般式(III)は、
Figure 2014010721
で表され、式中、保護基Aと保護基Cは、好ましくは塩基性条件下では安定で強酸性条件下において脱保護できるアルギニン側鎖の保護基であり、互いに同じであっても異なっていても良い。また式中、保護基Bは、好ましくは塩基性条件下では安定で強酸性条件下において脱保護できるアスパラギン酸側鎖の保護基である。前記塩基性条件としては、通常pH8〜11が好ましく、前記強酸性条件としては、通常pH1以下が好ましく、より好ましくはpH−1〜1である。XはAla又はLeuである。さらに、N末端アルギニンのアミノ基及び/又はC末端ロイシンのカルボキシ基は修飾されていても良い。
また、一般式(IV)は、
Figure 2014010721
で表され、式中、XはAla又はLeuである。
本発明の別の好ましい態様では、一般式(I)のペプチド誘導体の合成において、一般式(V)で表されるサブユニット、及び一般式(VI)で表されるサブユニットをカップリングさせて合成する工程を含む。
本発明において「保護基」とは、それが付加する原子(例えば、窒素又は酸素)又は官能基(例えば、アミノ基又はカルボキシ基)を、ペプチド合成及びその他の処理の間、望ましくない反応から保護するための、任意の種類の基である。保護基としては、N末端のアミノ基及び/又はC末端のカルボキシ基についての保護基、又は側鎖官能基についての保護基が挙げられる。
アミノ基の保護基について具体的に説明する。
本発明において、アミノ基の保護基は特に限定されず、例えばベンジルオキシカルボニル(Z)基、p−クロロベンジルオキシカルボニル基、p−ブロモベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、ベンズヒドリルオキシカルボニル基、2−(p−ビフェニリル)イソプロピルオキシカルボニル基、2−(3,5−ジメトキシフェニル)イソプロピルオキシカルボニル基、p−フェニルアゾベンジルオキシカルボニル基、トリフェニルホスホノエチルオキシカルボニル基又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)等のアラルキルオキシカルボニルタイプの置換基又は非置換基;t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、t−アミルオキシカルボニル基、ジイソプロピルメチルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、2−メチルスルホニルエチルオキシカルボニル基又は2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニルタイプの置換基又は非置換基;シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、アダマンチルオキシカルボニル基又はイソボルニルオキシカルボニル基等のシクロアルキルオキシカルボニルタイプの基、及びベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、メシチレンスルホニル基、メトキシトリメチルフェニルスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルフェニル基、4−ニトロベンゼンスルホニル基又は4−ニトロベンゼンスルフェニル基等のヘテロ原子を含有する基を挙げることができる。
前記のアミノ基の保護基の中で、カルボニル基、スルフェニル基又はスルホニル基を含有する基が好ましい。アリルオキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、ベンジルオキシカルボニル(Z)基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基、2−ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)基、2−ニトロベンゼンスルフェニル(Nps)基及び/又は置換誘導体がより好ましく、Boc基及び/又はFmoc基がさらに好ましい。
アミノ基の保護基の導入及び脱保護は、一般に行われている種々の方法により実施することができる。保護基の導入は、例えば、カルボベンゾキシルクロリド等の好適な酸ハロゲン化物、又はN−(フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)コハク酸イミド等の炭酸N−スクシンイミジルエステルとの反応により行うことができる。他方、アミノ基の脱保護は、例えば、水素化分解、希釈水酸化アンモニウムもしくは水酸化ナトリウム水溶液による処理、ナトリウムによる処理、ナトリウムアミドによる処理、ヒドラジンによる処理、又は酵素的加水分解等が挙げられる。
Boc基は、常法に従って導入及び脱保護することができる。例えば、ピリジン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム水溶液、又は炭酸ナトリウム水溶液等の塩基存在下、二炭酸ジ−tert-ブチル(BocO)を作用させることで導入することができる。脱保護は有機酸又は無機酸によって実施することができる。有機酸としては、例えば、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、p−トルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸等が挙げられ、無機酸としては、例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸等が挙げられる。脱保護は、好ましくは有機溶媒に溶解した無機酸、特にHClによって実施することが好ましい。
Fmoc基は、常法に従って導入及び脱保護することができる。例えば、ピリジン、トリエチルアミン、又は炭酸水素ナトリウム水溶液等の塩基存在下、クロロギ酸フルオレニルメチル(Fmoc−Cl)等の試薬を作用させることで導入できる。脱保護は、ピロリジン、ピペリジン、又はモルホリン等の二級アミンのDMF又はTHF溶液を加えることで行うことができる。
次に、カルボキシ基の保護について具体的に説明する。
カルボキシ基の保護は、一般に、エステル化(エステル基による保護)又はシリル化(シリル基による保護)等により実施することができる。エステル化は特に限定されないが、例えばメチルエステル、エチルエステル、tert−ブチルエステル(t−Bu)等の低級アルキルエステル、又はベンジルエステル、p−メトキシベンジルエステル、p−ニトロベンジルエステルアラルキルエステル等が挙げられる。シリル化は、特に限定されないが、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、i−プロピル−ジメチルシリル等のトリアルキルシリル等が挙げられる。本発明においては、好ましくはエステル化により保護する。より好ましくは、ペプチド誘導体のC末端のカルボキシ基の保護には、メチルエステルを、アスパラギン酸の側鎖のカルボキシ基の保護には、t−Buエステルを、それぞれ用いる。
エステル化は、常法に従って実施することができる。例えば、アルコール中で酸触媒あるいは縮合剤を用いてエステル化する方法を用いることができる。t−Buエステルは、tert−ブチルアルコール中で縮合剤を用いてエステル化することもでき、イソブテンと硫酸触媒で反応させることでも合成できる。また、例えばベンジルエステルは、カルボキシ基をセシウム塩として臭化ベンジルと反応させても導入できる。
カルボキシ基の脱保護は、一般的に、加水分解、ケン化、水素化分解又は酵素的加水分解等によって行うことができる。
本発明で用いられるアルギニンの側鎖の保護について説明する。
アルギニンの側鎖のグアニジノ基は求核性が強いため、電子求引基であるスルホニル基、ニトロ基、トシル基、カルボニル基等の適当な保護基により保護することができ、特にスルホニル基による保護が好ましい。スルホニル基としては、特に限定されないが、例えば、2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル(Pbf)基、p−トルエンスルホニル(p−Ts)基、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル(Mtr)基(M.Fujino et al., Chem.Pharm.Bull., 29,2825 (1981))、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(Pmc)基(R.Ramage at al., Tetrahedron Lett., 28, 2287 (1987))、2−メトキシベンゼンスルホニル基等を用いることができる。本発明においては、Pbf基を用いることが好ましい。
本発明において、「N末端のアセチル化」とは、N末端をアセチル基で修飾することをいい、「N末端のアセチル基への変換」とは、N末端のアミノ基を保護しているアセチル基以外の保護基を脱保護後、アセチル基で修飾することをいう。アセチル基は、常法に従い、導入することができる。例えば、テトラヒドロキシフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、クロロホルム、四塩化炭素、エーテル、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の有機溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、又は水酸化ナトリウム水溶液等の塩基存在下で塩化アセチル又は無水酢酸等のアセチル化試薬を作用させることで導入することができる。
本発明の好ましい態様において、ペプチドの合成及び/又はカップリングは、カルボン酸活性化剤の存在下で実施できる。
本発明において有用なカルボン酸活性化剤としては、カルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、ホスホニウム塩、ウロニウム塩、グアニジニウム塩、ハロゲン化アシル、アジド、対称酸無水物、混合酸無水物、又は活性エステルが挙げられる。このようなカルボン酸活性化剤は、カップリングステップ前に使用するか、又は遊離アミノ基を有するペプチド誘導体の導入前にインサイチュ(in situ)で使用することができる。
前記カルボン酸活性剤としては、特に限定されないが、具体的に例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(「WSC」とも称されるEDCI)等のカルボジイミド試薬;1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)又はそれらの誘導体等のカルボジイミダゾール試薬;(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウム(BOP)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、(7−アザベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyAOP)、ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)、クロロ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyCloP)等のホスホニウム塩類又はそれらの誘導体;o−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスフェート(HBTU)、o−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−ビス(テトラメチレン)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HAPyU)等のウロニウム塩類もしくはグアニジニウム塩類又はそれらの誘導体;イソブチルクロロホルメート(iBCF)、塩化ピバロイル(PivCl)、t−ブチルクロロホルメート(TBCF)、エチルクロロホルメート(ECF)等のハロゲン化アシル類又はそれらの誘導体;ペンタフルオロフェノール(PfP)、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)又はそれらの誘導体等のエステル化試薬;ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)又はその誘導体等のアジド化試薬が挙げられる。予め活性化したアミノ酸又はN−カルボン酸無水物形態、特にウレタン−N−カルボン酸無水物(UNCA)の形態もまた、カルボン酸活性化剤として用いることができる。
カルボン酸活性化剤は、好ましくは、カルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、ハロゲン化アシル、ホスホニウム塩、ウロニウム塩及びグアニジニウム塩からなる群から選択される1種以上、より好ましくは、カルボジイミドである。
カルボン酸活性化剤を用いる場合、カップリング反応は、一般に追加試薬として塩基の存在下で実施されることが多く、本発明の好ましい態様においても、カップリング反応は塩基の存在下で実施される。塩基は、N−メチルモルホリン(NMM)、ピリジン、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)等の第三級及び複素環式芳香族のアミンからなる群から選択される1種以上であることが好ましい。反応効率の観点から、より好ましくは、NMM及び/又はTEAである。
本発明の好ましい態様において、上記のペプチドカップリング反応は極性有機溶媒中で実施される。使用できる極性有機溶媒は、特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル(AcOEt)、ジクロロメタン(DCM)、ピリジン、クロロホルム、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。反応効率の観点から、より好ましくは、DMF及び/又はTHFである。
本発明において、カップリング反応は一般に−45℃以上〜+45℃以下の温度で実施することができる。反応の効率を高めるために、好ましくは−25℃以上〜+35℃以下、より好ましくは−5℃以上〜+25℃以下で実施する。
本発明の好ましい態様では、一般式(III)で表されるペプチド誘導体IIIの調製において、一般式(I)で表されるペプチド誘導体IのN末端がアセチル化されたペプチド誘導体Iaと、一般式(II)で表されるペプチド誘導体IIのC末端がエステル基で保護されたペプチド誘導体IIaとをカップリングさせてペプチド誘導体IIIaを合成した後、ペプチド誘導体IIIaのC末端を脱保護することにより、一般式(III)で表されるペプチド誘導体IIIを得る工程が含まれることが好ましい。ペプチド誘導体IIaのC末端のエステル基は特に限定されず、任意のエステル基を選択することができ、取り扱い易さ等の観点から、好ましくはメチルエステルである。
さらに、本発明の好ましい態様においては、一般式(IV)で表されるペプチド誘導体IVの調製において、一般式(III)で表されるペプチド誘導体IIIと、一般式(I)で表されるペプチド誘導体IのC末端がアミド化されたペプチド誘導体Ibとをカップリングさせてペプチド誘導体IVaを合成した後、ペプチド誘導体IVaの側鎖保護基を脱保護することにより、一般式(IV)で表されるペプチド誘導体IVを得る工程が含まれる。
本発明の別の好ましい態様においては、一般式(IV)で表されるペプチド誘導体IVの調製において、一般式(III)で表されるペプチド誘導体IIIと、一般式(I)で表されるペプチド誘導体IのC末端がエステル基で保護されたペプチド誘導体Icとをカップリングさせてペプチド誘導体IVbを合成した後、ペプチド誘導体IVbの側鎖保護基の脱保護及びC末端のアミド化を行うことにより、一般式(IV)で表されるペプチド誘導体IVを得る工程が含まれる。また、ペプチド誘導体IcのC末端のエステル基は特に限定されず、任意のエステル基を選択することができ、取り扱い易さ等の観点から、好ましくはメチルエステルである。
本発明の好ましい態様においては、一般式(I)で表されるペプチド誘導体IのN末端がアセチル化されたペプチド誘導体Iaの調製において、一般式(V)で表されるペプチド誘導体VのN末端がアセチル化されたペプチド誘導体Vaと、一般式(VI)で表されるペプチド誘導体VIのC末端がエステル基で保護されたペプチド誘導体VIaとをカップリングさせた後、得られたペプチド誘導体のC末端を脱保護することにより、前記ペプチド誘導体Iaを得る工程が含まれる。ペプチド誘導体VIaのC末端のエステル基は特に限定されず、任意のエステル基を選択することができ、取り扱い易さ等の観点から、好ましくはメチルエステルである。
本発明の別の好ましい態様においては、一般式(I)で表されるペプチド誘導体IのN末端がアセチル化されたペプチド誘導体Iaの調製において、一般式(V)で表されるペプチド誘導体VのN末端のアミノ基がアセチル基以外の保護基で保護されたペプチド誘導体Vbと、一般式(VI)で表されるペプチド誘導体VIのC末端がエステル基で保護されたペプチド誘導体VIaとをカップリングさせた後、得られたペプチド誘導体のN末端のアセチル基への変換(N末端の保護基の脱保護後アセチル化)及びC末端の脱保護をすることにより、前記ペプチド誘導体Iaを得る工程が含まれる。前記N末端のアセチル基以外の保護基は、保護基A、保護基B、保護基C及びエステル基(C末端の脱保護がN末端のアセチル基への変換後に行われる場合)に影響を与えずに脱保護できる保護基であれば特に限定されないが、好ましくはFmoc基、Boc基、ベンジルオキシカルボニル(Z)基、アリルオキシカルボニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)基、及び2−ニトロベンゼンスルフェニル(Nps)基からなる群から選択される1種以上、より好ましくはFmoc基及び/又はBoc基である。ペプチド誘導体VIaのC末端のエステル基は特に限定されず、任意のエステル基を選択することができ、取り扱い易さ等の観点から、好ましくはメチルエステルである。なお、カップリングさせた後、得られたペプチド誘導体のN末端のアセチル基へ変換及びC末端の脱保護させる順序は特に限定されず、N末端をアセチル基へ変換した後、C末端を脱保護しても良いし、C末端を脱保護した後、N末端をアセチル基へ変換しても良い。
本発明の好ましい態様においては、一般式(I)で表されるペプチド誘導体IのC末端がアミド基であるペプチド誘導体Ibの調製において、一般式(V)で表されるペプチド誘導体VのN末端がアセチル基以外の保護基で保護されたペプチド誘導体Vbと、一般式(VI)で表されるペプチド誘導体VIのC末端がアミド化されたペプチド誘導体VIbとをカップリングさせた後、得られたペプチド誘導体のN末端を脱保護することにより、前記ペプチド誘導体Ibを得る工程が含まれる。前記N末端のアセチル基以外の保護基は、保護基A、保護基B、保護基C及びアミド基に影響を与えずに脱保護できる保護基であれば、特に限定されないが、取り扱い易さ等の観点から、好ましくはFmoc基、Boc基、ベンジルオキシカルボニル(Z)基、アリルオキシカルボニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)基及び2−ニトロベンゼンスルフェニル(Nps)基からなる群から選択される1種以上、より好ましくはFmoc基及び/又はBoc基である。
本発明の別の好ましい態様においては、一般式(I)で表されるペプチド誘導体IのC末端がエステル基で保護されたペプチド誘導体Icの調製において、一般式(V)で表されるペプチド誘導体VのN末端のアミノ基がアセチル基以外の保護基で保護されたペプチド誘導体Vbと、一般式(VI)で表されるペプチド誘導体VIのC末端がエステル基で保護されたペプチド誘導体VIaとをカップリングさせた後、得られたペプチド誘導体のN末端を脱保護することにより、前記ペプチド誘導体Icを得る工程が含まれる。前記N末端のアセチル基以外の保護基は、保護基A、保護基B、保護基C及びエステル基に影響を与えずに脱保護できる保護基であれば特に限定されないが、取り扱い易さ等の観点から、好ましくはFmoc基、Boc基、ベンジルオキシカルボニル(Z)基、アリルオキシカルボニル基、2−ベンゼンスルホニル(Nosyl)基、及び2−ニトロベンゼンスルフェニル(Nps)基からなる群から選択される1種以上、より好ましくはFmoc基及び/又はBoc基である。ペプチド誘導体VIaのC末端のエステル基は特に限定されず、任意のエステル基を選択することができ、取り扱い易さ等の観点から、好ましくはメチルエステルである。
前記自己組織化ペプチド誘導体は、取り扱いの容易さ、保管上の安定性の高さ、及び水溶性である等の性質から、4塩酸塩が最適な形態であることが分かった。そのため、本発明の好ましい実施形態では、アミノ酸側鎖保護基の脱保護の後得られるペプチド誘導体の2硫酸塩、4TFA塩及び4メタンスルホン酸塩等の塩(一般式VII又はVIIIで示されるペプチド誘導体。但し、酸が塩酸である場合を除く。)を、塩交換して4塩酸塩とする工程を含むことが好ましい。
本発明の好ましい態様では、アミノ酸配列構築後の側鎖保護基の脱保護において、脱保護に用いる試薬の組み合わせ(基本はTFA+スカベンジャー(脱保護した保護基の捕捉剤))によって得られる塩(一般式VII又はVIIIで示されるペプチド誘導体)の形態が決まる。即ち、95vol%TFA水溶液である場合は、2硫酸塩;TFA/1,2−エタンジチオール/フェノール/トリイソプロピルシラン/チオアニソールである場合は、4TFA塩;TFA/メタンスルホン酸/トリイソプロピルシランである場合は、4メタンスルホン酸塩が、それぞれ得られる。これらの塩、特に2硫酸塩は溶媒に溶解し難く、一方で不純物は溶媒に溶解し易いために、高純度で反応生成物が取得される。なお、TFA水溶液を使用する場合は、75〜98vol%水溶液とすることが望ましい。またTFA/1,2−エタンジチオール/フェノール/トリイソプロピルシラン/チオアニソールを使用する場合は、重量比で(82〜90)/(2〜6)/(3〜12)/(2〜4)/(2〜4)とすることが望ましく、TFA/メタンスルホン酸/トリイソプロピルシランを使用する場合は、重量比で(87〜90)/(2〜6)/(5〜8)とすることが望ましい。又は、TFA/1,2−エタンジチオール/フェノール/トリイソプロピルシラン/チオアニソールを使用する場合は、TFA100重量部に対して、1,2−エタンジオールを2〜7重量部、フェノールを3〜15重量部、トリイソプロピルシランを2〜5重量部、チオアニソールを2〜5重量部とすることが好ましく、TFA/メタンスルホン酸/トリイソプロピルシランを使用する場合は、TFA100重量部に対して、メタンスルホン酸を2〜7重量部、トリイソプロピルシランを5〜10重量部とすることが望ましい。
塩交換の方法は、種々の方法を採用することができる。塩交換に供するペプチド誘導体に直接塩酸を加えて行うこともでき、また、塩交換に供するペプチド誘導体に、溶媒の共存下で、塩酸を作用させて行うこともできる。前記溶媒は、プロトン性極性溶媒、非プロトン性有機溶媒のいずれも用いることができる。プロトン性極性溶媒としては、特に限定されないが、水、第2級又は第3級アルコール、酢酸、ギ酸等が挙げられる。非プロトン性極性溶媒としては、特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジクロロメタン(DCM)、クロロホルム、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、エーテル等が挙げられる。
本発明の好ましい態様では、最終工程の前記塩交換反応において、単に塩酸と反応させるのではなく有機溶媒を共存させることで、4塩酸塩が効果的に得られる。用いる溶媒は、塩交換反応の効率の観点から、非プロトン性極性溶媒が好ましく、より好ましくはTHF(テトラヒドロフラン)である。有機溶媒を共存させる場合、塩酸/有機溶媒は重量比で80/20〜60/40とすることが望ましい。本態様で用いる塩酸の濃度は特に限定されず、任意の濃度とすることができ、例えば、0.05〜5Nであってもよい。
反応生成物は、例えば、抽出、結晶化、凍結乾燥、スプレー乾燥、沈降又はクロマトグラフィー(例えば、薄層又はカラム)等の精製方法によって単離、且つ精製することができる。沈降又は結晶化による単離及び精製が好ましい。一実施形態において、少なくとも1つの中間体ペプチド又は最終生成物が、沈降又は結晶化により単離され且つ精製される。本発明による方法の特に好ましい実施形態において、ほとんどの中間体及び最終生成物が、所望の場合は、沈降又は結晶化により単離され且つ精製される。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。なお、実施例及び参考例で使用される原料物は、公知方法又は公知方法に準じた方法により容易に製造できる。
なお、実施例及び参考例では、以下の略号を用いた:Acは、アセチル基;−OMeは、メチルエステル基;Ot−Buは、三級(tert−)ブチルエステル基;Pbfは、2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル基;MsOHは、メタンスルホン酸;TFAは、トリフルオロ酢酸;EDCは、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;NMMは、N−メチルモルホリン;TEAは、トリエチルアミン;MeOHは、メタノール;t−BuOHは、tert−ブチルアルコール;IPAは、イソプロピルアルコール;MTBEは、メチル−t−ブチルエーテル;THFは、テトラヒドロフラン;DMFは、N,N−ジメチルホルムアミド;CPMEは、シクロペンチルメチルエーテル;IPEは、イソプロピルエーテル;Fmocは、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル;Bocはt−ブチルオキシカルボニル;HOBtは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを、それぞれ意味する。
[実施例1]
一般式(IX)
Figure 2014010721
で表されるペプチド誘導体2硫酸塩の調製。
(1)ペプチド誘導体IIIa(X=Ala)
Figure 2014010721
の合成。
300mLの反応容器に、Cl・H −Leu−Ala−Leu−OMe(ペプチド誘導体IIa(X=Ala)の塩酸塩)2.69g(7.3mmol)とHOBt 1.05g(7.8mmol)を仕込み、THF(38.2mL)に懸濁させた。この懸濁液に、EDC・HCl 1.96g(10.2mmol)を加え、氷浴にて冷却しながらNMM2.52g(24.9mmol)を滴下した。Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OH(ペプチド誘導体Ia)7.65g(6mmol)をDMF(15.3mL)とTHF(22.9mL)の混合溶媒に溶解し、この溶液を先の反応懸濁液に氷浴にて冷却しながら滴下した。氷浴にて冷却しながら終夜撹拌し、0.5N塩酸(38mL)、THF(74mL)、MTBE(46mL)を加え、室温で分散した後、吸引ろ過、真空乾燥を行い、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Ala−Leu−OMe(ペプチド誘導体IIIa)8.39gを白色粉末として得た(Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OH(ペプチド誘導体Ia)からの収率88%)。
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ ppm: 0.7-0.9(m, 24 H); 1.19(d, J = 7.1 Hz, 3 H); 1.33(s, 9 H); 1.3-1.8(m, 32 H); 1.84(s, 3 H); 2.00(s, 6 H); 2.42(s, 6 H); 2.48(s, 6 H); 2.4-2.6(m, 1 H); 2.6-2.8(m, 1 H); 2.96(s, 4 H); 3.02(br. s, 4 H); 3.60(s, 3 H); 4.1-4.4(m, 7 H); 4.56(q, J = 7.3 Hz, 1 H); 6.39, 6.65(br. s×2, 6 H); 7.68(d, J = 7.8 Hz, 1 H); 7.78(d, J = 8.4 Hz, 1 H); 7.9-8.1(m, 4 H); 8.11(d, J = 7.5 Hz, 1 H); 8.27(d, J = 8.0 Hz, 1 H).
(2)ペプチド誘導体IIIaのC末端脱保護により
Figure 2014010721
を得る工程。
500mLの反応容器に、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Ala−Leu−OMe(ペプチド誘導体IIIa)7.93g(5mmol)、上水(71.4mL)、t−BuOH(238mL)を仕込んだ。室温にて1N 水酸化ナトリウム水溶液25mL(25mmol)を滴下した。室温で終夜撹拌した後、1N 塩酸(79.3mL)を滴下した。t−BuOHを減圧留去し、残渣にMTBE(123.1mL)、THF(79.3mL)、酢酸エチル(23.8mL)を加え、吸引ろ過を行った。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Ala−Leu−OH 7.48gを白色粉末として得た(収率94%)。
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ ppm: 0.7-0.9(m, 24 H); 1.19(d, J = 7.0 Hz, 3 H); 1.33(s, 9 H); 1.3-1.7(m, 32 H); 1.84(s, 3 H); 2.00(s, 6 H); 2.42(s, 6 H); 2.48(s, 6 H); 2.4-2.6(m, 1 H); 2.6-2.8(m, 1 H); 2.96(s, 4 H); 2.9-3.1(m, 4 H); 4.1-4.4(m, 7 H); 4.55(dd, J1 = 14.5 Hz, J2 = 7.9 Hz, 1 H); 6.42, 6.79(br. s×2, 6 H); 7.68(d, J = 8.1 Hz, 1 H); 7.80(d, J = 7.8 Hz, 1 H); 7.8-8.1(m, 5 H); 8.27(d, J = 7.9 Hz, 1 H).
(3)ペプチド誘導体IVa
Figure 2014010721
の合成。
100mLの反応容器に、Cl・H −Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NH(ペプチド誘導体Ibの塩酸塩)1.00g(0.791mmol)、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Ala−Leu−OH 1.51g(0.956mmol)、DMF(10mL)、HOBt 0.13g(0.96mmol)、EDC・HCl 0.30g(1.6mmol)、THF(18mL)を加え、氷浴にて冷却した。氷浴にて冷却、撹拌しながらTEA 0.33mL(2.4mmol)を添加した。氷浴にて冷却下、1週間撹拌した。0.5N塩酸(5mL)、上水(15mL)、MTBE(10mL)を添加し、室温下撹拌後静置、分液した。有機層を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Ala−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NH(ペプチド誘導体IVa)1.28gを白色粉末として得た(Cl・H −Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NH(ペプチド誘導体Ibの塩酸塩)からの収率58%)。
1H NMR(400 MHz、DMSO-d6)δ ppm: 0.7-0.9(m, 36 H); 1.23(d, J = 7.2 Hz, 3 H); 1.3-1.9(m, 76 H); 1.88(s, 3 H); 1.9-2.1(m, 12 H); 2.4-2.45(m, 12 H); 2.45-2.5(m, 12 H); 2.5-2.6(m, 2 H); 2.70(dd, J1 = 17.9 Hz, J2 = 6.9 Hz, 2 H); 2.9-3.0(m, 8 H); 3.02(br. s, 8 H); 4.0-4.3(m, 11 H); 4.4-4.6(m, 2 H); 6.43, 6.72(br. s×2, 12 H); 6.87(s, 1 H); 7.00(br. s, 1 H); 7.07(br. s, 1 H); 7.65(t, J = 7.4 Hz, 1 H); 7.7-7.9(m, 3 H); 7.82(d, J = 6.8 Hz, 2 H); 7.9-8.1(m, 3 H); 8.0-8.2(m, 2 H); 8.17(d, J = 7.2 Hz, 1 H)。MS(ESI)m/z: 1392.7([M+2H]2+).
(4)ペプチド誘導体IVa側鎖保護基の脱保護、及び
一般式(IX)
Figure 2014010721
で表されるペプチド誘導体2硫酸塩の調製。
500mLの反応容器に、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Ala−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NH(ペプチド誘導体IVa)7.19g(2.58mmol)を仕込み、TFA 52mL(0.67mol)、上水(2.7mL)を加えた。室温下 1.5時間撹拌し、減圧濃縮した。残渣(61.75g)を撹拌しながら、MTBE(217mL)を加えて固体を析出させた。吸引ろ過、真空乾燥を行い、Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH・2HSO 4.71gを類白色粉末として得た(収率98%)。
1H NMR(400 MHz、DMSO-d6)δ ppm: 0.8-0.9(m, 36 H); 1.19(d, J = 6.8 Hz, 3 H); 1.3-1.8(34 H); 1.87(s, 3 H); 2.4-2.6(m, 2 H); 2.6-2.8(m, 2 H); 3.09(d, J = 6.0 Hz, 8 H); 4.1-4.4(m, 11 H); 4.5-4.6(m, 2 H), 6.5-8.3(m, 31 H).
[実施例2]
一般式(VII)で表されるペプチド誘導体の4メタンスルホン酸塩
Figure 2014010721
の調製。
30mLの反応容器に、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Ala−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NH(ペプチド誘導体IVa)0.54g(0.19mmol)を仕込み、TFA 4.0mL(52mmol)、MsOH 0.10mL(1.3mmol)、トリイソプロピルシラン 0.20mL(0.97mmol)の混合物を加えた。室温下2.1時間撹拌し、減圧濃縮した。残渣(2.76g)を撹拌しながら、MTBE(14mL)を加えて固体を析出させた。吸引ろ過、乾燥を行い、Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH・4MsOH 0.46gを淡黄色粉末として得た(収率は定量的)。
1H NMR(400 MHz、DMSO-d6)δ ppm: 0.8-0.9(m, 36 H); 1.21(d, J = 6.8 Hz, 3 H); 1.3-1.8(34 H); 1.88(s, 3 H); 2.38(s, 12 H); 2.4-2.6(m, 2 H); 2.7-2.8(m, 2 H); 3.09(d, J = 5.6 Hz, 8 H); 4.1-4.6(m, 13 H); 4.5-4.6(m, 2 H), 6.6-8.3(m, 31 H).
[実施例3]
一般式(X)
Figure 2014010721
で表されるペプチド誘導体2硫酸塩の調製。
(1)ペプチド誘導体IIIa(X=Leu)
Figure 2014010721
の合成。
100mLの反応容器に、Cl・H+−Leu−Leu−Leu−OMe(ペプチド誘導体IIa(X=Leu)の塩酸塩)1.14g(2.79mmol)とHOBt 0.40g(3.0mmol)を仕込み、THF(5mL)に懸濁させた。この懸濁液に、EDC・HCl 0.75g(3.9mmol)を加え、氷浴にて冷却しながらNMM 1.04mL(9.46mmol)を滴下した。Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OH(ペプチド誘導体Ia)2.92g(2.29mmol)をDMF(8.2mL)とTHF(12.1mL)の混合溶媒に溶解し、この溶液を先の反応懸濁液に氷浴にて冷却しながら滴下した。室温に上げながら3日間撹拌した。0.5N 塩酸(19mL)、THF(19mL)を加えて、吸引ろ過、乾燥を行い、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Leu−Leu−OMe(ペプチド誘導体IIIa) 2.10gを淡黄色粉末として得た(収率46%)。
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ ppm: 0.8-1.0(m, 30 H); 1.37(s, 9 H); 1.44(s, 12 H); 1.2-1.8(m, 23 H); 1.88(s, 3 H); 2.04(s, 6 H); 2.46(s, 6 H); 2.57(s, 6 H); 2.4-2.6(m, 1 H); 2.71(dd, J1 = 16.2 Hz, J2 = 6.2 Hz, 1 H); 3.00(s, 4 H); 3.0-3.1(m, 4 H); 3.63(s, 3 H); 4.1-4.4(m, 7 H); 4.59(dd, J1 = 14.4 Hz, J2 = 7.6 Hz, 1 H); 6.42, 6.66(br. s×2, 6 H); 7.74(d, J = 8.4 Hz, 1 H); 7.81(d, J = 8.0 Hz, 1 H); 7.87(d, J = 8.8 Hz, 1 H); 7.96(d, J = 7.6 Hz, 1 H); 7.9-8.1(m, 2 H); 8.15(d, J = 7.6 Hz, 1 H); 8.32(d, J = 8.0 Hz, 1 H).
(2)ペプチド誘導体IVa(X=Leu)
Figure 2014010721
の合成。
50mLの反応容器に、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Leu−Leu−OMe(ペプチド誘導体IIIa) 1.20g(0.737mmol)のt−BuOH(10.3mL)溶液を仕込み、上水(8.5mL)を加えた。氷浴にて冷却しながら水酸化リチウム一水和物 45.76mg(1.090mmol)の上水(2.8mL)溶液を添加し、氷浴にて冷却しながら1週間撹拌した。上清をデカンテーションで除き、上水(14.3mL)、1N 塩酸(1.1mL)、t−BuOH(3mL)を加えて吸引ろ過、乾燥してAc−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Leu−Leu−OHの白色粉末を得た。これを50mL反応容器に仕込み、Cl・H −Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NH(ペプチド誘導体Ibの塩酸塩) 0.93g(0.73mmol)、DMF(8.3mL)、HOBt 97.82mg(0.7239mmol)、EDC・HCl 0.36g(1.9mmol)、THF(14.5mL)を加え氷浴にて冷却した。氷浴にて冷却、撹拌しながらTEA 0.37mL(2.7mmol)を添加した。氷浴にて冷却下、終夜撹拌した。0.5N 塩酸(3.6mL)、上水(10mL)、MTBE(7.2mL)を添加し、室温下撹拌後静置、分液した。有機層を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Leu−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NH(ペプチド誘導体IVa)0.65 gを類白色非晶質固体として得た(Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Leu−Leu−OMe(ペプチド誘導体IIIa)から2工程での収率31%)。
1H NMR(400 MHz、DMSO-d6)δ ppm: 0.7-0.9(m, 42 H); 1.3-1.8(m, 73 H); 1.88(s, 3 H); 1.9-2.1(m, 12 H); 2.4-2.5(m, 24 H); 2.6-2.8(m, 4 H); 2.9-3.0(m, 8 H); 2.9-3.1(br. s, 8 H); 4.0-4.8(m, 13 H); 6.40, 6.63(br. s×2, 12 H); 7.0-8.4(m, 15 H).
(3)ペプチド誘導体2硫酸塩
Figure 2014010721
の調製。
50mLの反応容器に、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Leu−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NH(ペプチド誘導体IVa)0.78g(0.28mmol)を仕込み、TFA 5.7mL(74mmol)、上水(0.29mL)を加えた。室温下 1.9時間撹拌後、MTBE(15mL)を加えて固体を析出させた。室温下 1.5時間撹拌後、吸引ろ過を行い、Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Leu−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH・2HSO 0.45gを類白色粉末として得た(収率86%)。
1H NMR(400 MHz、DMSO-d6)δ ppm: 0.8-1.0(m, 42 H); 1.3-1.8(37 H); 1.90(s, 3 H); 2.4-2.6(m, 2 H); 2.7-2.9(m, 2 H); 3.1-3.2(br. s, 8 H); 4.1-4.4(m, 11 H); 4.5-4.6(m, 2 H), 6.6-8.4(m, 31 H).
[実施例4]
一般式(IX)
Figure 2014010721
で表されるペプチド誘導体2硫酸塩の調製。
(1)ペプチド誘導体IVb
Figure 2014010721
の合成。
200mLの反応容器に、Cl・H −Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OMe(ペプチド誘導体Icの塩酸塩) 2.50g(1.9mmol)、HOBt 341mg(2.52mmol)を仕込み、THF(19.9mL)に懸濁させた。氷浴にて冷却し、EDC・HCl 1.42g(6.48mmol)を加え、NMM 1.39mL(12.6mmol)を滴下した。Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Ala−Leu−OH 2.83g(1.8mmol)をDMF(19.8mL)とTHF(19.8mL)の混合溶媒に溶解し、この溶液を先の反応懸濁液に氷浴にて冷却しながら滴下した。氷浴にて冷却しながら3日間撹拌し、0.5N 塩酸(56.6mL)、酢酸エチル(28.3mL)を加え分液した。この有機層を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製してAc−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Ala−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OMe(ペプチド誘導体IVb)2.81gを白色固体として得た(Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Ala−Leu−OHからの収率56%)。
1H NMR(400 MHz、DMSO-d6)δ ppm: 0.81-0.94(m, 36 H), 1.20(d, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.2-1.6(76 H); 1.85(s, 3 H); 2.00(s, 12 H); 2.42(s, 12 H); 2.47(s, 12 H); 2.5-2.7(m, 4 H); 2.95(s, 8 H), 3.01(br, 8 H), 3.58(s, 3 H); 4.1-4.4(m, 11 H); 4.52(m, 2 H).
(2)ペプチド誘導体IVb側鎖保護基の脱保護により
Figure 2014010721
を得る工程。
50mLの反応容器に、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Ala−Leu−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OMe(ペプチド誘導体IVb)2.80g(1.0mmol)を仕込み、水冷にてTFA40mL(0.52mol)、上水(2mL)を加えた。室温下1時間撹拌し、エバポレーターで濃縮した。濃縮残渣にMTBE(91mL)を加え、室温で終夜撹拌した。吸引ろ過し、真空乾燥を行ってAc−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−OMe・2HSO 2.16gを白色固体として得た(収率は定量的)。
1H NMR(400 MHz、DMSO-d6)δ ppm: 0.7-0.9(m, 36 H), 1.20(d, J = 5.0 Hz, 3 H); 1.3-1.7(m, 34 H); 1.88(s, 3 H); 2.4-2.7(m, 4 H); 3.10(d, J = 5.6 Hz, 8 H), 3.61(s, 3 H); 4.2-4.3(m, 11 H); 4.53(m, 2 H).
(3)C末端のアミド化により
Figure 2014010721
を得る工程。
50mLの反応容器に、Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−OMe・2HSO 2.13g(1.1mmol)を仕込み、水冷にて8N アンモニア/MeOH溶液42.6mL(341mmol)を加えた。室温にて1週間撹拌し、吸引ろ過し、ケーキをMeOH(8.5mL)で2回、MTBE(8.5mL)で1回洗浄し、真空乾燥を行い、Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH・2HSO 2.07gを白色固体として得た(収率は定量的)。
[実施例5]
塩交換反応による、ペプチド誘導体4塩酸塩
Figure 2014010721
の調製。
500mLの反応容器に、Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH・2HSO 4.71g(2.54mmol)を仕込み、0.5N 塩酸180mL(90mmol)、THF(300mL)を加え室温下15時間撹拌した後、上清(370mL)を除去し、THF(360mL)を加え撹拌、静置後上清を除去した。THF(100mL)、MTBE(263mL)を加えて室温下0.4時間撹拌後、吸引ろ過し、真空乾燥して、Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH・4HCl 3.15gを白色粉末として得た(収率69%)。
IR(KBr)ν cm-1: 3273(s); 2957(m); 1626(s); 1541(s).
[実施例6]
塩交換反応による、ペプチド誘導体4塩酸塩
Figure 2014010721
の調製。
50mLの反応容器に、Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Leu−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH・2HSO 0.41g(0.22mmol)を仕込み、0.5N 塩酸15mL(7.5mmol)、THF(10mL)を加え室温下19時間撹拌した後、上清(32mL)を除去し、THF(45mL)を加え撹拌、静置後上清を除去した。MTBE(8mL)を加えて室温下0.5時間撹拌後、吸引ろ過し、真空乾燥して、Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Leu−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH・4HCl 0.11gを白色粉末として得た(収率28%)。
1H NMR(400 MHz、DMSO-d6)δ ppm: 0.8-1.0(m, 42 H); 1.3-1.8(37 H); 1.89(s, 3 H); 2.4-2.6(m, 2 H); 2.75(dd, J1 = 16.6 Hz、J2 = 5.8 Hz、2 H); 3.0-3.1(m, 8 H); 4.1-4.4(m, 11 H); 4.4-4.6(m, 2 H), 6.6-8.4(m, 31 H).
[実施例7]
塩交換反応による、ペプチド誘導体4塩酸塩
Figure 2014010721
の調製。
10mLの反応容器に、Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH・4MsOH 0.17g(0.083mmol)を仕込み、0.5N塩酸6.9mL(3.5mmol)、THF(4.6mL)を加え室温下終夜撹拌した後、上清を除去し、THF(15mL)を加え撹拌、静置後上清を除去した。MTBE(5mL)を加えて室温下1.1時間撹拌後、吸引ろ過、真空乾燥を行って、Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH・4HCl 0.06gを白色固体として得た(収率40%)。
[実施例8]
塩交換反応による、ペプチド誘導体4塩酸塩
Figure 2014010721
の調製。
50mLの反応容器に、Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH・4TFA 0.18g(0.085mmol)を仕込み、0.3N 塩酸 12.4mL(3.72mmol)、THF(12mL)を加え室温下振とうした。遠心沈降を行い、上清を除去した。THF(9mL)を加え振とう、静置後上清を除去した。MTBE(4mL)を加えて振とう後、吸引ろ過し、真空乾燥を行って、Ac−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu−Ala−Leu−Arg−Leu−Asp−Leu−Arg−NH・4HCl0.07gを白色固体として得た(収率46%)。
[実施例9]
ペプチド誘導体Iaの合成。
(1)ペプチド誘導体Vb(N末端保護基はFmoc基)と、ペプチド誘導体VIaのカップリングにより、
Figure 2014010721
を得る工程。
200mLの反応容器にCl・H −Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OMe(ペプチド誘導体VIaの塩酸塩)8.26g(10.9mmol)、HOBt 1.47g(10.9mmol)を加え、THF(84.6mL)に懸濁させた。氷浴にて冷却し、EDC・HCl 2.40g(12.5mmol)を加えた。氷浴にて冷却しながらFmoc−Arg(Pbf)−Leu−OH(ペプチド誘導体Vb(N末端保護基はFmoc基))8.52g(10.9mmol)のTHF(9.2mL)溶液を滴下した後、NMM 2.75g(27.2mmol)のTHF(33mL)溶液を滴下した。氷浴にて冷却しながら終夜撹拌した後、酢酸エチル(59.2mL)と上水(42.3mL)を加え、分液した。有機層を5%重曹水(50.8mL)、1N 塩酸(50.8mL)、上水(50.8mL)の順で洗浄した。エバポレーターにて減圧濃縮後、真空ポンプでポンプアップし、Fmoc−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OMe 20.54gを白色固体として得た(収率は定量的)。
1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ ppm: 0.84(d, J = 6.2 Hz, 6 H); 0.88(d, J = 6.2 Hz, 6 H); 1.3-2.0(m, 35 H); 2.07(s, 6 H); 2.49(s, 3 H); 2.51(s, 3 H); 2.56(s, 3 H); 2.59(s, 3 H); 2.84(dd, J1 = 15.1 Hz, J2 = 4.2 Hz, 2 H); 2.91(s, 4 H); 3.1-3.3(br. s, 2 H); 3.32(br. s, 2 H); 3.71(s, 3 H); 4.0-4.2(m, 2 H); 4.2-4.4(m, 3 H); 4.4-4.6(m, 1 H); 4.5-4.7(m, 2 H); 6.14, 6.37(br. s×2, 6 H); 6.66(br. s, 1 H); 7.1-7.3(m, 1 H); 7.21(d, J = 7.8 Hz, 2 H); 7.36(t, J = 7.4 Hz, 2 H); 7.5-7.6(br. s, 2 H); 7.60(t, J = 6.7 Hz, 2 H); 7.6-7.8(br. s, 1 H); 7.73(d, J = 7.6 Hz, 2 H).
(2)N末端の脱保護により
Figure 2014010721
を得る工程。
200mLの反応容器に、Fmoc−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OMe 14.68g(10mmol)、THF(95.4mL)を仕込み、室温にてピペリジン 1.53g(18mmol、1.8eq.)を滴下した。反応溶液を室温で7時間撹拌し、MTBE(58.7mL)、AcOEt(14.7mL)、0.5N 塩酸(88mL)を加えた。分液した有機層を1N 塩酸(88mL)、上水(88mL)で順次洗浄した後、有機層をエバポレーターで濃縮した。残渣にMeOH(58.7mL)、上水(29.4mL)、MTBE(58.7mL)、n−ヘプタン(58.7mL)を加え、溶解させた後、分液した。下層をMTBE/ヘプタン(1/1(v/v))の混合溶液(117.4mL)で2回洗浄した後、減圧でMeOHを留去した。残渣に上水(29.4mL)、酢酸エチル(58.7mL)、食塩(2.0g)を加え分液した後、有機層を減圧濃縮し、Cl・H −Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OMe 12.66gを白色固体として得た(収率98%)。
1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ ppm: 0.84(m, 12 H); 1.38(s, 9 H); 1.45(s, 12 H); 1.6-2.4(m, 14 H); 2.07(s, 6 H); 2.47(s, 6 H); 2.54(s, 6 H); 2.7-2.9(m, 2 H); 2.94(s, 4 H); 3.1-3.4(m, 4 H); 3.68(s, 3 H); 4.0-4.7(m, 5 H); 6.50(br. s, 6 H); 7.6-9.4(m, 8 H).
(3)N末端のアセチル化により
Figure 2014010721
を得る工程。
100mLの反応容器に、Cl・H −Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OMe 8.97g(7mmol)、THF(63mL)を加え、氷浴にて冷却した。氷浴にて冷却しながら、無水酢酸1.07g(10.5mmol、1.5eq.)を加えた後、氷浴にて冷却しながらTEA1.77g(17.5mmol、2.5eq.)を滴下した。氷浴にて冷却しながら2時間撹拌し、酢酸エチル(36mL)、1N 塩酸(36mL)を加えた。分液した有機層を1N 塩酸(36mL)、5%重曹水(36mL)で順次洗浄した後、有機層を減圧濃縮し、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OMe8.46gを白色固体として得た(収率93%)。
1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ ppm: 0.85(d, J = 6.6 Hz, 3 H); 0.88(d, J = 6.4 Hz, 6 H); 0.93(d, 5.4 Hz, 3 H); 1.42(s, 9 H); 1.46(s, 12 H); 1.3-2.0(m, 14 H); 2.05(s, 3 H); 2.09(s, 6 H); 2.48(s, 3 H); 2.50(s, 3 H); 2.55(s, 3 H); 2.57(s, 3 H); 2.7-2.8(m, 1 H); 2.9-3.1(m, 1 H); 2.95(s, 4 H); 3.1-3.3(m, 3 H); 3.3-3.4(m, 1 H); 3.72(s, 3 H); 3.9-4.1(m, 1 H); 4.4-4.6(m, 2 H); 4.5-4.7(m, 2 H); 6.0-6.5(m, 6 H); 7.14(d, J = 8.7 Hz, 1 H); 7.4-7.5(m, 1 H); 7.5-7.7(m, 3 H).
(4)C末端の脱保護により、ペプチド誘導体Ia
Figure 2014010721
を得る工程。
500mLの反応容器に、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OMe 8.11g(6.3mmol)、t−BuOH(243.5mL)、上水(73.1mL)を加え、溶解させた。水浴で冷却しながら、1N 水酸化ナトリウム水溶液 9.45mL(9.45mmol、1.5eq.)を滴下した。氷浴で冷却しながら終夜撹拌し、1N 塩酸 10.4mL(10.4mmol;1.65eq.)を滴下した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチル(105.5mL)、上水(40.6mL)を加え、分液した。有機層を0.5%KHCO水溶液(81.2mL)、0.25%KHCO水溶液(81.2mL)、0.2N 塩酸(81.2mL)で順次洗浄した後、有機層を減圧濃縮し、Ac−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OH(ペプチド誘導体Ia)7.68gを白色固体として得た(収率95.6%)。
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ ppm: 0.82(d, J = 6.4 Hz, 6 H); 0.85(d, J = 6.6 Hz, 6 H); 1.33(s, 9 H); 1.41(s, 12 H); 1.3-1.5(m, 8 H); 1.5-1.7(m, 5 H); 1.6-1.9(m, 1 H); 1.84(s, 3 H); 2.00(s, 6 H); 2.42(s, 6 H); 2.48(s, 6 H); 2.4-2.6(m, 1 H); 2.68(dd, J1 = 15.8 Hz, J2 = 6.2 Hz, 1 H); 2.96(m, 4 H); 2.9-3.1(m, 4 H); 4.09(dd, J1 = 13.1 Hz, J2 = 7.6 Hz, 1 H); 4.1-4.4(m, 3 H); 4.55(dd, J1 = 14.6 Hz, J2 = 7.7 Hz, 1 H); 6.39, 6.5-6.9(br. s×2, 6 H); 7.63(d, J = 8.5 Hz, 1 H); 7.91(d, J = 8.0 Hz, 1 H); 7.98(d, J = 7.7 Hz, 1 H); 8.06(d, J = 7.4 Hz, 1 H); 8.26(m, 1 H).
[実施例10]
ペプチド誘導体Ibの合成。
(1)ペプチド誘導体Vb(N末端保護基はFmoc)と、ペプチド誘導体VIbとをカップリングさせ、
Figure 2014010721
を得る工程。
100mLの反応容器を用い、Cl・H −Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NH(ペプチド誘導体VIbの塩酸塩) 1.00g(1.41mmol)、DMF(2.1mL)、THF(1.5mL)、HOBt 0.20g(1.5mmol)、EDC・HCl 0.32g(1.7mmol)、TEA 0.24mL(1.7mmol)を仕込み氷浴で冷却した。氷浴にて冷却しながら、Fmoc−Arg(Pbf)−Leu−OH(ペプチド誘導体Vb(N末端保護基はFmoc基))1.04g(1.32mmol)のTHF(3mL)溶液を添加した。氷浴にて冷却しながら終夜撹拌した後、MTBE(15mL)、上水(15mL)を加えると固体が析出した。吸引ろ過を行い、乾燥して、Fmoc−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NH 1.77gを類白色粉末として得た(Fmoc−Arg(Pbf)−Leu−OH(ペプチド誘導体Vb(N末端保護基はFmoc基))からの収率86%)。
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ ppm: 0.7-0.9(m, 12 H); 1.32(s, 9 H); 1.3-1.8(m, 26 H); 2.00(s, 3 H); 2.00(s, 3 H); 2.42(s, 6 H); 2.5(s, 6 H); 2.5-2.6(m, 1 H); 2.6-2.7(m, 1 H); 2.94(s, 2 H); 2.95(s, 2 H); 3.0-3.1(m, 4 H); 4.00(m, 1 H); 4.13(dd, J1 = 13.6 Hz, J2 = 8.0 Hz, 1 H); 4.2-4.4(m, 5 H); 4.4-4.6(m, 1 H); 4.58(dd, J1 = 14.6 Hz, J2 = 7.8 Hz, 1 H) 6.42, 6.68(br. s×2, 6 H); 6.99(s, 1 H); 7.16(s, 3 H); 7.31(t, J = 7.5 Hz, 2 H); 7.41(t, J = 7.5 Hz, 2 H); 7.46(d, J = 8.4 Hz, 1 H); 7.7-7.8(m, 4 H); 7.8-7.9(m, 1 H); 7.88(d, J = 7.6 Hz, 2 H); 8.31(d, J = 7.6 Hz, 1 H).
(2)N末端の脱保護により、ペプチド誘導体Ibの塩酸塩
Figure 2014010721
を得る工程。
30mLの反応容器を用い、Fmoc−Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NH 0.97g(0.67mmol)にDMF(2.5mL)を加えて溶解した。ピペリジン 0.10mL(1.0mmol)を加え、室温下2.1時間撹拌した。MTBE(3mL)、酢酸エチル(7mL)、0.24N 塩酸(8.5mL)を加えると固体が析出した。室温下終夜撹拌後、吸引ろ過し、乾燥してCl・H −Arg(Pbf)−Leu−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NH(ペプチド誘導体Ibの塩酸塩)0.77gを淡黄色粉末として得た(収率91.2%)。
1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ ppm: 0.82(d, J = 6.4 Hz, 3 H); 0.8-0.9(m, 9 H); 1.33(s, 9 H); 1.3-1.6(m, 10 H), 1.41(s, 12 H); 1.6-1.8(m, 4 H); 2.01(s, 3 H); 2.01(s, 3 H); 2.42(s, 3 H); 2.43(s, 3 H); 2.48(s, 6 H); 2.4-2.6(m, 1 H); 2.6-2.8(m, 1 H); 2.96(s, 4 H); 3.0-3.1(m, 4 H); 3.79(br. s, 1 H); 4.14(dd, J1 = 13.6 Hz, J2 = 8.0 Hz, 1 H); 4.26(dd, J1 = 14.8 Hz, J2 = 7.6 Hz, 1 H); 4.3-4.5(m, 1 H); 4.61(dd, J1 = 14.4 Hz, J2 = 8.0 Hz, 1 H); 6.51, 6.86(br. s×2, 6 H); 7.00(s, 1 H); 7.21(s, 1 H)7.3-8.2(m, 5 H); 8.47(d, J = 8.0 Hz, 1 H); 8.55(d, J = 8.0 Hz, 1 H).
[参考例1]
ペプチド誘導体Vb
Figure 2014010721
の合成。
(1)
Figure 2014010721
の調製。
200mLの反応容器を用い、Fmoc−Arg(Pbf)−OH・0.5IPE 5.60g(8.0mmol)、Cl・H −Leu−Ot−Bu 1.88g(8.4mmol)、HOBt 1.08g(8.0mmol)を加え、THF(39.2mL)に懸濁させた。氷浴にて冷却した後、EDC・HCl 1.69g(8.8mmol)を加えた。氷浴にて冷却しながら30分撹拌した後、NMM 1.78g(17.6mmol)のTHF(5.6mL)溶液を滴下した。氷浴にて冷却しながら4時間撹拌した後、酢酸エチル(14mL)と9%食塩水(28mL)を加え、分液した。有機層を飽和重曹水(28mL)、5%重曹水(28mL)、0.5N 塩酸(28mL)、0.1N 塩酸(28mL)、上水(28mL)の順で洗浄した。エバポレーターにて減圧濃縮後、真空ポンプでポンプアップし、Fmoc−Arg(Pbf)−Leu−Ot−Bu 6.66gを白色固体として得た(収率は定量的)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3)δ ppm: 0.85(d, J = 6.8 Hz, 6 H); 1.42(m, 15 H); 1.54-1.97(m, 7 H); 2.07(s, 3 H); 2.51(s, 3 H); 2.59(s, 3 H) ; 2.91(s, 2 H); 3.31(br. s, 2 H); 4.14(m, 1 H); 4.31-4.38(m, 4 H); 5.95-6.30(br. s, 3 H); 7.23(m, 2 H); 7.33(t, J = 7.5 Hz, 2 H); 7.56(d, J = 7.4 Hz, 2 H); 7.72(d, J = 7.6 Hz, 2 H).
(2)C末端を脱保護し、ペプチド誘導体Vb(N末端保護基はFmoc基)
Figure 2014010721
を得る工程。
100mLの反応容器を用い、Fmoc−Arg(Pbf)−Leu−Ot−Bu 5.01g(6.0mmol)を仕込み、上水(3mL)、濃塩酸(3mL)を加え、80℃の油浴上で加熱、撹拌した。酢酸エチル(20mL)、上水(20mL)を加え分液した後、有機層を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製してFmoc−Arg(Pbf)−Leu−OH(ペプチド誘導体Vb(N末端保護基はFmoc基))4.79gを白色固体として得た(収率は定量的)。
1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ ppm: 0.87(d, J = 4.9 Hz, 6 H); 1.42(s, 6 H); 1.54-1.97(m, 7 H); 2.05(s, 3 H); 2.47(s, 3 H); 2.55(s, 3 H); 2.90(s, 2 H); 3.14-3.31(br. s, 2 H); 4.1-4.5(m, 5 H); 6.0 -6.6(br. s, 3 H); 7.22(m, 2 H); 7.34(t, J = 7.4 Hz, 2 H); 7.54(d, J = 7.4 Hz, 2 H); 7.71(d, J = 7.6 Hz, 2 H).
[参考例2]
ペプチド誘導体VIa
Figure 2014010721
の合成。
(1)
Figure 2014010721
の調製。
30mLの反応容器を用い、Boc−Arg(Pbf)−OH 2.11g(4.0mmol)に5.2% HCl/MeOH溶液 6.73g(9.6mmol)を添加した。反応溶液を室温で終夜撹拌した後、内温39〜42℃で5時間撹拌した。反応溶液をエバポレーターで濃縮、真空ポンプでポンプアップした。濃縮乾固物にMTBE(10mL)、上水(10mL)を加えて溶解し、分液した。水層をMTBE(10mL)で洗浄した後、炭酸ナトリウム 594mg(5.6mmol、1.4eq.)、酢酸エチル(40mL)を加え、分液した。有機層を10%炭酸カリウム水溶液(10mL)で3回洗浄した。有機層を濃縮し、析出した白色固体を綿栓ろ過にてろ別し、ろ液を濃縮した。H−Arg(Pbf)−OMe 1.53gを微黄色粘ちょう油状物として得た(収率71%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3)δ ppm: 1.46(s, 6 H); 1.62-1.85(m, 4 H); 2.09(s. 3 H); 2.53(s, 3 H); 2.58(s, 3 H); 2.95(s, 2 H); 3.19(m, 2 H); 3.50(m, 1 H); 3.83(s, 3 H); 6.0-6.15(m, 3 H).
(2)
Figure 2014010721
の調製。
100mLの反応容器を用い、THF(4mL)中、H−Arg(Pbf)−OMe 0.96g(2.17mmol)、HOBt 0.30g(2.2mmol、1.02eq.)、EDC・HCl 0.49g(2.6mmol、1.18eq.)、TEA 0.26g(2.6mmol、1.27eq.)を懸濁した。氷浴で冷却しながら、Boc−Leu−OH・HO 0.53g(2.1mmol)のTHF(4mL)溶液を添加した。氷浴で冷却しながら終夜撹拌した後、酢酸エチル(5mL)を加え内温2℃で析出結晶をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、Boc−Leu−Arg(Pbf)−OMe 1.43gを白色固体として得た(収率は定量的)。
1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ ppm: 0.93(d, J = 6.4 Hz, 3 H); 0.95(d, J = 6.4 Hz, 3 H); 1.42(s, 9 H); 1.46(s, 6 H); 1.4-1.8(m, 6 H); 1.8-2.0(m, 1 H); 2.09(s, 3 H); 2.53(s, 3 H); 2.59(s, 3 H); 2.95(s, 2 H); 3.1-3.3(br. s, 2 H); 3.74(s, 3 H); 4.0-4.2(m, 1 H); 4.55(dt, J1 = 8.3 Hz, J2 = 4.5 Hz, 1 H); 5.13(d, J = 6.8 Hz, 1 H); 6.06, 6.15(br. s×2, 3 H); 7.03(d. J = 8.0 Hz, 1 H).
(3)
Figure 2014010721
の調製。
30mLの反応容器を用い、Boc−Leu−Arg(Pbf)−OMe 1.20g(1.76mmol)に5.88% HCl/MeOH 2.19g(3.53mmol)を加え、内温41〜43℃で終夜撹拌後、室温下2日間撹拌した。減圧濃縮し、残渣にTHF(1mL)を加えて置換濃縮した後、THF(3mL)を加えて100mLの反応容器へ移送した。Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH 0.74g(1.8mmol、1.03eq.)、HOBt 0.24g(1.8mmol、1.02eq.)、EDC・HCl 0.39g(2.0mmol、1.16eq.)を順に加え、懸濁した。氷浴にて冷却しながらNMM 0.41mL(3.7mmol、2.13eq.)を添加した。氷浴にて冷却しながら終夜撹拌した後、酢酸エチル(6mL)を加え析出結晶をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。Fmoc−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OMe 1.28gを、白色固体として得た(Boc−Leu−Arg(Pbf)−OMeから2工程での収率99.9%)。
1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ ppm: 0.88(d, J = 5.6 Hz, 3 H); 0.93(d, J = 6.0 Hz, 3 H); 1.44(s, 9 H); 1.44(s, 6 H); 1.4-1.9(m, 7 H); 2.08(s, 3 H); 2.52(s, 3 H); 2.58(s, 3 H); 2.66(dd, J1 = 17.1 Hz, J2 = 4.9 Hz, 1 H); 2.88(dd, J1 = 17.1 Hz, J2 = 3.6 Hz, 1 H); 2.93(s, 2 H); 3.19(br. s, 2 H); 3.70(s, 3 H); 4.21(t, J = 6.6 Hz, 1 H); 4.43(d, J = 6.4 Hz, 1 H);4.4-4.5(br. s, 1 H); 4.57(dt, J1 = 8.5 Hz, J2 = 4.1 Hz, 1 H); 5.8, 6.10(br. s×2, 3 H); 6.0-6.2(br. s, 1 H); 6.8-6.9(m, 1 H); 7.31(t, J = 7.6 Hz, 1 H); 7.41(t, J = 7.6 Hz, 1 H); 7.57(d, J = 7.6 Hz, 1 H); 7.77(d, J = 7.6 Hz, 1 H).
(4)N末端を脱保護し、ペプチド誘導体VIaの塩酸塩
Figure 2014010721
を調製する工程。
50mLの反応容器を用い、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OMe 0.74g(1.09mmol)にTHF(1.6mL)を加え溶解した。ピペリジン 0.21mL(2.1mmol、1.94eq.)を加え、室温下終夜撹拌した。酢酸エチル(2mL)と上水(4mL)を加えると白色固体が析出した。析出結晶をろ別し、ろ液に酢酸エチル(3.5mL)を加え、撹拌後静置、分液した。淡黄色濁った有機層を0.5N 塩酸(1mL)、1N 塩酸(1mL)、1N 塩酸(2mL×2)の順で洗浄した。減圧濃縮し、Cl・H −Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−OMe(ペプチド誘導体VIaの塩酸塩)0.71gを淡黄色水アメ状残さとして得た(収率86%)。
1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ ppm: 0.90(d, J = 5.6 Hz, 3 H); 0.94(d, J = 6.0 Hz, 3 H); 1.45(s, 9 H); 1.47(s, 6 H); 1.6-1.9(m, 7 H); 2.10(s, 3 H); 2.49(s, 3 H); 2.55(s, 3 H); 2.97(s, 2 H); 3.06(dd, J1 = 19.0 Hz, J2 = 6.8 Hz, 1 H); 3.12(dd, J1 = 19.0 Hz, J2 = 6.4 Hz, 1 H); 3.27(br. s, 2 H); 3.70(s, 3 H); 4.3-4.5(m, 2 H);4.5-4.6(m, 1 H); 6.68(br. s, 3 H); 8.5-8.9(br. s, 1 H); 8.17(br. s, 1 H); 8.58(br. s, 3 H).
[参考例3]
ペプチド誘導体VIb
Figure 2014010721
の合成。
(1)
Figure 2014010721
の調製。
100mLの反応容器を用い、Boc−Leu−Arg(Pbf)−OMe 6.54g(10mmol)に8N NH/MeOH溶液 30mL(240mmol)を添加した。反応溶液を室温下2日間撹拌した後、減圧濃縮した。残渣にCPME(14.5mL)を加えて置換濃縮を行い、無色液状のBoc−Leu−Arg(Pbf)−NHのCPME溶液を得た。100mLの反応容器を用い、4M HCl/CPME溶液 10.4mL(41.6mmol)を仕込み、氷浴にて冷却しながら前記で合成したBoc−Leu−Arg(Pbf)−NHのCPME溶液を滴下した。室温下終夜撹拌し、吸引ろ過を行い、CPME(12.1mL×2)で洗い込んだ。40℃で温風乾燥し、Cl・H −Leu−Arg(Pbf)−NH 5.68gを白色粉末として得た(Boc−Leu−Arg(Pbf)−OMeから2工程での収率は定量的)。
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ ppm: 0.8-1.0(m, 6 H); 1.41(s, 6 H); 1.3-1.6(m, 5 H); 1.6-1.8(m, 2 H); 2.01(s, 3 H); 2.43(s, 3 H); 2.49(s, 3 H); 3.0-3.1(br. s, 2 H); 3.8-3.9(br. s, 1 H); 4.2-4.3(m, 1 H); 6.08, 6.54(br. s×2, 3 H); 7.06(s, 1 H); 7.52(s, 1 H); 8.2-8.4(m, 3 H); 8.6-8.7(m, 1 H).
(2)ペプチド誘導体VIb
Figure 2014010721
の調製。
100mLの反応容器を用い、上記で合成したCl・H −Leu−Arg(Pbf)−NH 1.02g(1.77mmol)、HOBt 0.25g(1.9mmol)、EDC・HC l0.40g(2.1mmol)、Fmoc−Asp(Ot−Bu)−OH 0.63g(1.5mmol)を仕込んだ。撹拌しながらTHF(8mL)を加え、氷浴にて冷却しながらNMM 0.45mL(4.1mmol)を添加した。氷浴にて冷却しながら5.8時間撹拌した後、酢酸エチル(8mL)、上水(8mL)を加え室温下撹拌後静置、分液した。有機層を飽和重層水(4mL)、上水(4mL)、1N 塩酸(4mL×2回)、上水(4mL×2)の順で洗浄した。得られたFmoc−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NHの酢酸エチル溶液にピペリジン 0.36mL(3.6mmol、2.05eq.)を加え、室温下終夜撹拌した。上水(4mL)を加え撹拌、静置、分液を行い、有機層を上水洗浄(4mL×2回)した。減圧濃縮し、残渣にDMF(2.5mL)を加え再度減圧濃縮を行った。析出した固体をろ別し、ろ液をポンプアップしてH−Asp(Ot−Bu)−Leu−Arg(Pbf)−NH(ペプチド誘導体VIb)0.98gを得た(Cl・H −Leu−Arg(Pbf)−NHから2工程での収率78%)。
1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ ppm: 0.91(d, J = 6.0 Hz, 3 H); 0.96(d, J = 6.0 Hz, 3 H); 1.43(s, 9 H); 1.46(s, 6 H); 1.5-1.9(m, 6 H); 1.9-2.0(m, 1 H); 2.09(s, 3 H); 2.51(s, 3 H); 2.58(s, 3 H); 2.5-2.7(m, 1 H); 2.7-2.8(m, 1 H); 2.9-3.0(s, 2 H); 3.2-3.3(m, 2 H); 3.68(dd, J1 = 7.2 Hz, J2 = 4.8 Hz, 2H); 3.7-3.8(m, 1 H); 4.2-4.4(m, 1 H); 4.48(dt, J1 = 8.6 Hz, J2 = 4.7 Hz, 1 H); 5.66(s, 1 H); 6.18, 6.28(br. s×2, 3 H); 6.94(s, 1 H); 7.45(d, J = 8.0 Hz, 1 H); 7.90(d, J = 6.8 Hz, 1 H).
[参考例4]
ペプチド誘導体IIa(X=Ala)
Figure 2014010721
の合成。
(1)
Figure 2014010721
の調製。
10Lの反応容器にCl・H −Leu−OMe 300g(1.65mol)、Boc−Ala−OH 327g(1.73mol)、HOBt 268g(1.98mol)、THF(3600mL)を仕込んだ後、内温−5〜0℃でTEA 550mL(3.96mol)を滴下した。この溶液にEDC・HCl 380g(1.98mol)を加えた後、氷浴で冷却しながら終夜撹拌した。反応液に9%食塩水(1500mL)、酢酸エチル(3000mL)を加えて分液した後、7%重層水(1500mL×2回)、上水(1500mL)、1N 塩酸(1500mL)、上水(1500mL×3回)の順で有機層を洗浄した。減圧濃縮した後、濃縮残渣にCPME(1500mL)を加えて置換濃縮し、Boc−Ala−Leu−OMeのCPME溶液を得た。これに2M HCl/CPME溶液3300mL(6.60mol)を加え、室温で終夜撹拌した。減圧濃縮し、Cl・H −Ala−Leu−OMeを得た。これに、THF(1800mL)を加えた。外温40℃に加熱し、Boc−Leu−OH 364g(1.46mol)、HOBt 230g(1.70mol)を加えた。内温−5〜0℃でEDC・HCl 326g(1.70mol)を加え、TEA 470mL(3.41mol)を滴下した。この反応液を氷浴で冷却しながら終夜撹拌した。反応液に9%食塩水(1800mL)、酢酸イソプロピル(3600mL)を加えて分液した後、7%重層水(1800mL×2回)、上水(1800mL)、1N 塩酸(1800mL)、上水(1800mL×3回)の順で有機層を洗浄した。有機層をろ過し、ろ液を濃縮した。濃縮残渣をIPA(1000mL)から再結晶し、ろ取した結晶をMTBE/IPA(9/1)混合溶液(4800mL)に溶解し、不溶物をろ別した。ろ液を減圧濃縮後、IPA(912mL)から再結晶を行い、ろ取した結晶を真空乾燥し294gのBoc−Leu−Ala−Leu−OMeを得た(Cl・H −Leu−OMeから3工程での収率40%)。
1H NMR (400 MHz、CDCl3)δ ppm: 0.9-1.0(m, 12 H); 1.38(d, J = 7.2 Hz, 3 H); 1.44(s, 9 H); 1.5-1.7(m, 6 H); 3.73(s, 3 H); 4.09(br. s, 1 H); 4.4-4.6(m, 2 H); 4.86(br. s, 1 H); 6.5-6.7(m, 2 H).
(2)ペプチド誘導体IIa(X=Ala)の塩酸塩
Figure 2014010721
の調製。
5Lの反応容器にBoc−Leu−Ala−Leu−OMe 250g(0.56mol)、2M HCl/CPME溶液1160mL(2.32mol)を仕込み、室温で終夜撹拌した。IPE(1250mL)を加えて10分撹拌した後、デカンテーションにより上澄みを除去した。IPE(3000mL)を加えて10分撹拌した後、デカンテーションにより上澄みを除去した。減圧濃縮し、199gのCl・H −Leu−Ala−Leu−OMe(ペプチド誘導体IIa(X=Ala)の塩酸塩)を得た(収率96.3%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3)δ ppm: 0.90-0.97(m, 12 H); 1.42(d, J = 6.8 Hz, 3 H); 1.63-1.82(m, 6 H); 3.71(s, 3 H); 4.38(br. s, 1 H); 4.47-4.50(m, 1 H); 4.71(br. s, 1 H); 7.59(br. s, 1 H); 8.28(br. s, 3 H); 8.51(br. s, 1 H).
[参考例5]
ペプチド誘導体IIa(X=Leu)の塩酸塩
Figure 2014010721
の合成。
30mLの反応容器にH−Leu−Leu−Leu−OH 1.00g(2.80mmol)を仕込み、2M HCl/MeOH溶液5mL(10mmol)を加えて室温下終夜撹拌した。減圧濃縮を行い、Cl・H −Leu−Leu−Leu−OMe(ペプチド誘導体IIa(X=Leu)の塩酸塩)1.17gを得た(収率は定量的)。
1H NMR (400 MHz、D2O) δ ppm: 0.82 (d, J = 6.6 Hz, 3 H); 0.83-0.90 (m, 12 H); 0.92 (d, J = 6.6 Hz, 3 H); 1.3-1.8 (m, 9 H); 3.5-3.7 (s, 3 H); 3.6-3.9 (m, 1 H); 4.2-4.4 (m, 1 H); 4.4-4.5 (m, 1 H); 8.14 (br. s, 3 H); 8.46 (d, J = 7.8 Hz, 1 H); 8.61 (d, J = 8.4 Hz, 1 H).
このようにして製造された、本発明の自己組織化ペプチド誘導体は、公知の技術水準に従って使用される。
本発明により、再生医療分野及び外科領域において有用である自己組織化ペプチド誘導体を、低コストで効率的に製造することができる。またスケールアップが容易である。

Claims (16)

  1. 一般式(IX)
    Figure 2014010721
    で表されるペプチド誘導体2硫酸塩、又は
    一般式(X)
    Figure 2014010721
    で表わされる、ペプチド誘導体2硫酸塩。
  2. 一般式(I)
    Figure 2014010721
    (式中、保護基Aと保護基Cは塩基性条件下では安定で強酸性条件下において脱保護できるアルギニン側鎖の保護基であり互いに同じであっても異なっていても良い。また式中、保護基Bは塩基性条件下では安定で強酸性条件下において脱保護できるアスパラギン酸側鎖の保護基である。さらに、N末端アルギニンのアミノ基及び/又はC末端アルギニンのカルボキシ基は修飾されていても良い。)
    で表されるペプチド誘導体Iと、
    一般式(II)
    Figure 2014010721
    (式中、N末端ロイシンのアミノ基及び/又はC末端ロイシンのカルボキシ基は修飾されていても良く、XはAla又はLeuである。)
    で表されるペプチド誘導体IIとを、ビルディングブロックとして用い、これらを順次カップリングし、側鎖保護基を強酸で脱保護し、さらに末端脱保護工程、修飾工程及び/又は塩交換工程を含んでもよい各工程よりなる、
    一般式(VII)
    Figure 2014010721
    (式中、nは酸の価数に応じて(酸の価数)×nが4となる係数を意味する。)、
    又は、
    一般式(VIII)
    Figure 2014010721
    (式中、nは酸の価数に応じて(酸の価数)×nが4となる係数を意味する。)
    で表されるペプチド誘導体の製造方法。
  3. 前記ペプチド誘導体IのN末端がアセチル化されているペプチド誘導体Iaと、前記ペプチド誘導体IIのC末端がエステル基で保護されているペプチド誘導体IIaとをカップリングさせ、生じたペプチド誘導体IIIaのC末端を脱保護した後に、さらに前記ペプチド誘導体IのC末端がアミド基であるペプチド誘導体Ibとカップリングさせ、得られたペプチド誘導体IVaの側鎖保護基を脱保護する工程を含む請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記ペプチド誘導体IのN末端がアセチル化されているペプチド誘導体Iaと、前記ペプチド誘導体IIのC末端がエステル基で保護されているペプチド誘導体IIaとをカップリングさせ、生じたペプチド誘導体IIIaのC末端を脱保護した後に、さらに前記ペプチド誘導体IのC末端がエステル基で保護されているペプチド誘導体Icとカップリングさせ、得られたペプチド誘導体IVbの側鎖保護基を脱保護した後にC末端エステル基をアミド基へと変換する工程を含む請求項2に記載の製造方法。
  5. 前記ペプチド誘導体IIaのC末端エステルがメチルエステルである、請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 前記ペプチド誘導体IcのC末端エステルがメチルエステルである、請求項4に記載の製造方法。
  7. 一般式(V)
    Figure 2014010721
    (式中、保護基Aは前記と同意義を示し、N末端アルギニンのアミノ基は修飾されている。)
    で表されるペプチド誘導体Vと、
    一般式(VI)
    Figure 2014010721
    (式中、保護基B、Cは前記と同意義を示し、C末端アルギニンのカルボキシ基は修飾されている。)
    で表されるペプチド誘導体VIとをカップリングさせ、そのカップリング体のN末端アルギニンのアミノ基及び/又はC末端アルギニンのカルボキシ基の脱保護を行う工程及び/又は修飾を行う工程を含んでいてもよい、前記ペプチド誘導体Iを得る工程を含む請求項3〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記保護基A及び前記保護基Cが、2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル基である請求項3〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記保護基Bが、t−ブチルエステルである請求項3〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記ペプチド誘導体IのN末端がアセチル化されているペプチド誘導体Iaの調製において、ペプチド誘導体VのN末端がアセチル化されているペプチド誘導体Vaと、前記ペプチド誘導体VIのC末端がエステル基で保護されているペプチド誘導体VIaをカップリングさせ、その後C末端エステルを脱保護してペプチド誘導体Iaを得る工程;及び/又は、前記ペプチド誘導体VのN末端がアセチル基以外の保護基で保護されているペプチド誘導体Vbと、前記ペプチド誘導体VIaとのカップリング後に、N末端をアセチル基に変換、並びにC末端エステルを脱保護してペプチド誘導体Iaを得る工程を含む請求項7〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記ペプチドVIaのC末端エステル基がメチルエステルである、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記ペプチド誘導体IのC末端がアミド化されているペプチド誘導体Ibの調製において、前記ペプチド誘導体VのN末端がアセチル基以外の保護基で保護されているペプチド誘導体Vbと、前記ペプチド誘導体VIのC末端がアミド化されているペプチド誘導体VIbとをカップリングさせ、その後N末端を脱保護してペプチド誘導体Ibを得る工程を含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記ペプチド誘導体IのC末端がエステル基で保護されたペプチド誘導体Icの調製において、前記ペプチド誘導体VのN末端がアセチル基以外の保護基で保護されているペプチド誘導体Vbと、前記ペプチド誘導体VIのC末端がエステル基で保護されたペプチド誘導体VIaとをカップリングさせ、その後N末端を脱保護してペプチド誘導体Icを得る工程を含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 一般式(VII)
    Figure 2014010721
    (式中、nは酸の価数に応じて(酸の価数)×nが4となる係数を意味する。但し、酸が塩酸である場合を除く。)
    及び/又は、一般式(VIII)
    Figure 2014010721
    (式中、nは酸の価数に応じて(酸の価数)×nが4となる係数を意味する。但し、酸が塩酸である場合を除く。)
    で表されるペプチド誘導体を、有機溶媒存在下塩酸で処理して、塩交換する工程を含む一般式(XI)
    Figure 2014010721
    又は一般式(XII)
    Figure 2014010721
    で表されるペプチド誘導体4塩酸塩の製造方法。
  15. 前記有機溶媒がTHFである、請求項14に記載の製造方法。
  16. 一般式(VII)及び/又は一般式(VIII)で表されるペプチド誘導体のn(酸)が2硫酸である、請求項2〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
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