JPWO2014010211A1 - 発光モジュール - Google Patents

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Abstract

発光モジュール10は、紫外線又は短波長可視光を発する半導体発光素子14と、紫外線又は短波長可視光により励起され、青色光を発光する第1の蛍光体を有する第1の波長変換層16と、紫外線又は短波長可視光により励起され、黄色光を発光する第2の蛍光体を有する第2の波長変換層18と、を備える。第1の波長変換層16および第2の波長変換層18は、半導体発光素子14の発光面上に積層されており、第1の波長変換層および第2の波長変換層の少なくともいずれか一方は、セラミックス層である。

Description

本発明は、発光モジュールに関する。
従来、照明用の灯具としては蛍光灯や電球が多く用いられてきた。近年、このような灯具の代替として、消費電力や寿命の観点から発光ダイオード(以下、適宜「LED」と称する。)などの半導体発光素子を用いた発光装置が種々開発されている。
このような発光装置では、蛍光体などを用いてLEDなどの発光素子が発する光を波長変換することにより、発光素子が発する光の色とは異なる色の光を出射する発光モジュールを得る技術が知られている。これに対し、光の波長を変換するときの変換効率を増大させるべく、例えば波長変換材料を含むセラミックス層を、発光層によって放出された光の経路内に配置する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−5367号公報
ところで、近年、自動車のヘッドランプや照明用の灯具としてLEDを用いた発光モジュールを採用する技術が開発されている。また、これらの灯具では、コストの低減からLEDの数を減らすことが求められており、より高効率な発光モジュールの開発がすすめられている。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高効率な発光モジュールを実現可能な技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の発光モジュールは、紫外線又は短波長可視光を発する発光素子と、紫外線又は短波長可視光により励起され、青色光を発光する第1の蛍光体を有する第1の波長変換層と、紫外線又は短波長可視光により励起され、黄色光を発光する第2の蛍光体を有する第2の波長変換層と、を備える。第1の波長変換層および第2の波長変換層は、発光素子の発光面上に積層されており、第1の波長変換層および第2の波長変換層の少なくともいずれか一方は、セラミックス層であり、第2の蛍光体は、300nm以上の波長域における励起スペクトルの最大強度をImax、発光素子が発する紫外線又は短波長可視光のピーク波長における励起スペクトルの強度をIaとすると、0.2×Imax<Iaを満たす。
この態様によると、第2の蛍光体は、発光素子が発する紫外線又は短波長可視光のピーク波長における励起スペクトルの強度が高いため、発光素子の光を効率よく黄色光に変換できる。
第1の波長変換層は、発光素子と第2の波長変換層との間に配置されており、第2の波長変換層は、セラミックス層であってもよい。
第2の蛍光体は、300nm以上の波長域における励起スペクトルの最大強度をImax、第1の蛍光体が発する可視光のピーク波長における励起スペクトルの強度をIbとすると、Ib<0.8×Imaxを満たす。これにより、第2の蛍光体において、第1の蛍光体が発する光の吸収を抑えられる。
第1の波長変換層は、第1の蛍光体が透明性の封止材に分散されて構成されており、厚みが15〜1000μmであってもよい。
第1の波長変換層は、第1の蛍光体を0.5〜35体積%含んでいてもよい。これにより、第1の波長変換層を通過し、第2の波長変換層に到達する発光素子の光を多くできる。
第2の波長変換層は、厚みが30〜1000μmであってもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、高効率な発光モジュールを実現できる。
実施例1に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。 比較例に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。 実施例1に係る第1の波長変換層および第2の波長変換層の透過率の測定結果を示す図である。 比較例1に係る第1の波長変換層および第2の波長変換層の透過率の測定結果を示す図である。 実施例1および比較例1に係る発光モジュールの発光スペクトルを示す図である。 実施例1および比較例1に係る発光モジュールにおける光束の温度依存性を示す図である。 実施例2に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。 実施例2および比較例1に係る発光モジュールの発光スペクトルを示す図である。 実施例3に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。 比較例2に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。 実施例3に係る第1の波長変換層および第2の波長変換層の透過率の測定結果を示す図である。 比較例1に係る第1の波長変換層および第2の波長変換層の透過率の測定結果を示す図である。 実施例3および比較例2に係る発光モジュールの発光スペクトルを示す図である。 実施例4に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。 比較例3に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。 実施例4および比較例3に係る発光モジュールの発光スペクトルを示す図である。 実施例1に係る半導体発光素子の発光スペクトルを示す図である。 実施例1に係る蛍光体2および従来のYAG蛍光体の発光スペクトルを示す図である。 実施例1に係る蛍光体2および従来のYAG蛍光体の励起スペクトル、並びに、実施例1に係る蛍光体1および従来の青色LEDの発光スペクトルを示す図である。 発光モジュールの色度を測定する方法を説明するための図である。 測定位置による発光モジュールの色度の変化を示す図である。
はじめに、発明者らが本願発明に想到した背景について説明する。従来、白色LEDモジュールは、近紫外線から青色までの波長の光を発する半導体発光素子に、半導体発光素子が発した光をその光よりも長波長の可視光に変換する蛍光体を組み合わせ、白色光を実現している。
白色LEDモジュールの例としては、青色に発光するLEDチップと黄色に発光するYAG(Yttrium Aluminum Garnet)蛍光体を組み合わせたもの、青色に発光するLEDチップと赤色・緑色にそれぞれ発光する2種類の蛍光体を組み合わせたもの、近紫外線から紫外線に対応する波長の光を発するLEDチップと赤色・緑色・青色にそれぞれ発光する3種類の蛍光体を組み合わせたものなどがある。これらの中で最も一般的なものは、青色LEDチップとYAG蛍光体の組合せである。
LEDモジュールにおける蛍光体層として、粉末状の蛍光体を透明性の封止材(有機樹脂材や無機アモルファス材、無機ゾルゲル材)に分散させた形態とすると、粉末状の蛍光体がフィラーとして作用する。そのため、LEDチップから出射された光を外部に取り出すまでに光損失が発生し、発光モジュールの発光効率を低下させる一因となりうる。これは、蛍光体と封止材の屈折率差が原因であり、この屈折率差により散乱・反射が生じ光損失となる。
そこで、粉末状の蛍光体を焼結させ透光性セラミックス化する手法がある。この手法によれば、蛍光体層は蛍光体単一成分で形成されるため、層内では蛍光体と他の成分との界面は存在せず、屈折率差がなくなり、上述の光損失が大幅に軽減される。その結果、粉末状の蛍光体を透明樹脂に分散させて蛍光体層とした場合と比較して、LEDモジュールの発光効率を高めることができる。現在、高い量子効率を保持したまま透光性セラミックス化に成功している蛍光体はYAGのみである。
しかし、透光性セラミックスYAGと青色LEDとから構成される白色モジュールは、透光性セラミックスYAGより青色LEDの方が発光の指向性が高いので、色が分離する。色分離を抑えるために、透光性セラミックスYAGの中に散乱体成分を添加する手法は有効であるが、一方でセラミックスYAGの透過率が低下し光束が十分得られない。また、このような白色LEDモジュールは、昼白色程度の色温度が高い白色光を実現するのに適している一方、温白色、電球色といった低色温度の光を形成することは困難である。そして、これら低色温度の光を形成するためには、青色光を吸収し赤色に発光する蛍光体を混合するのが一般的であるが、発光面の外周部にレッドリングが形成されやすく、色分離につながる傾向にある。
このような知見に基づいて、本発明者らが鋭意検討した結果、光損失の少ない高効率な発光モジュールを実現すべく以下の構成に着目した。
(1)発光モジュールは、紫外線や短波長可視光(例えば、紫から近紫外の波長の可視光)を発するLEDチップなどの半導体発光素子と、紫外線や短波長可視光を吸収し、可視光で発光する蛍光体を有する蛍光体層と、を備えており、蛍光体層は、蛍光体単一成分で緻密に焼結されたセラミックス層であるとよい。また、セラミックス層は透光性を有することが好ましい。
(2)蛍光体は、発光モジュールとして所望の発光色を得ることができれば、1種類でも複数種類でもよい。
(3)少なくとも1種類以上の蛍光体層がセラミックス層であるとよい。蛍光体の組合せや量によっては、粉末状蛍光体を透明な封止材(有機樹脂材や無機アモルファス材、無機ゾルゲル材)で封止した形状の蛍光体層が含まれていてもよい。この場合、製造コストの低減が図れる。
(4)発光モジュールとしての所望の発光色の違いにより、各色発光の透光性セラミックス蛍光体層同士、透光性セラミックス蛍光体層と粉末状蛍光体を封止した蛍光体層との積層順は限定されず、高効率・色むら抑制などの所望特性により適宜選択することができる。好ましくは、視感度が最も高い色で発光する蛍光体層を最上層(光取り出し面側)に配置するとよい。
(透光性セラミックス蛍光体)
次に、透光性セラミックス蛍光体について説明する。透光性セラミックス蛍光体は、その高い分光透過率を特徴とし、可視光領域を含む波長350〜900nmの波長域において透過率(空気中で測定した場合)が70〜85%、好ましくは80%以上である。ただし、蛍光体自体の吸収帯(励起帯の波長範囲)ではこの限りではない。また、理論最大透過率(空気中測定)は蛍光体自体の屈折率により一意的に決まる。また、蛍光体媒質内のみの透過率は80〜100%、好ましくは90%以上である。ただし、蛍光体自体の吸収帯(励起帯の波長範囲)ではこの限りではない。
また、透光性セラミックス蛍光体を発光モジュールに実装する場合、蛍光体層の厚さが40〜2000μm、加工性を考慮すれば好ましくは80〜2000μmとなるように加工する。また、光の取り出し効率を向上させるため、透光性セラミックス蛍光体表面にフレネルレンズ加工、V字溝加工、レーザ加工、ナノプリンティング加工、イオンミリング、サンドブラスト等の種々の加工による粗面化・パターン化、また任意の屈折率をもつ樹脂やガラス等の白色透明材料を塗布、成膜してもよい。
更に、透光性セラミックス蛍光体は加工性に優れるため、例えばプリズム形状加工、レンズ形状加工、種々のステップ加工、反射材の蒸着などにより、光の取り出し方向や配向制御をすることもできる。また、これらの形状制御は、透光性セラミックス蛍光体の作製過程の成形工程において、あらかじめ所望の形状に成形しておくことで、上記の加工無しで所望形状を付与することもできる。また、鏡面研磨加工とそれに伴い生じる全反射作用を利用し、所定の部位のみの減光、導波、光の取り出し部位の制御等も可能となる。
また、粉末状蛍光体を透明性の封止材(有機樹脂材や無機アモルファス材、無機ゾルゲル材)などで封止した形状の蛍光体層の透過率が、透光性セラミックス蛍光体の透過率と同等である場合は、封止形状の蛍光体層を用いてもよく、製造コストの低減が図れる。この場合、封止形状の蛍光体層の分光透過率は、可視光領域を含む波長350〜900nmの波長域において60〜85%(空気中で測定)の範囲であり、好ましくは65%以上である。
次に、透光性セラミックス蛍光体の作製方法について概略を説明する。蛍光体の微粒子原料を作製し、必要に応じ適切な焼結助剤を添加する。その後、蛍光体微粒子原料を一軸加圧成形、CIP成形(冷間当方加圧成形)などで成形する。又は、PVA(ポリビニルアルコール)、PVB(ポリビニルブチラール)などの樹脂と混合しスラリー化し、テープ成形、押出成形、鋳込み成形、ゲルキャスティング成形、などで成形する。その後、適切な条件で脱脂、仮焼、必要に応じホットプレス焼成、HIP焼成(熱間当方圧加圧焼成)をして透光性セラミックス蛍光体を得る。その後、所定のサイズに切削・研磨加工し、表面処理加工を施すことで、透光性セラミックス蛍光体が作製される。
上述の知見を考慮した本実施の形態のある態様の発光モジュールは、紫外線又は短波長可視光を発する発光素子と、紫外線又は短波長可視光により励起され、青色光を発光する第1の蛍光体を有する第1の波長変換層と、紫外線又は短波長可視光により励起され、黄色光を発光する第2の蛍光体を有する第2の波長変換層と、を備える。第1の波長変換層および第2の波長変換層は、発光素子の発光面上に積層されており、第1の波長変換層および第2の波長変換層の少なくともいずれか一方は、セラミックス層である。なお、以下の説明では、発光素子としてLEDを例に説明するが、レーザダイオード(LD)素子、エレクトロルミネッセンス(EL)素子等を用いることも可能である。
発光素子は、350〜420nmの波長域にピーク波長を有する紫外線又は短波長可視光を発しているものが好ましい。これにより、発光スペクトルの異なる複数種の蛍光体、例えば、各実施例に係る青色蛍光体と黄色蛍光体を用いて白色光を実現できる。また、発光素子の光を直接用いずに青色光と黄色光との混色で白色光を実現できる。
このように、少なくとも1種類の蛍光体を含む層をセラミックス層とすることで、蛍光体層の透過率が向上し、散乱ロスが大幅に軽減されるため、発光モジュールとして高効率化が図れる。
具体的には、発光モジュールとしての白色LEDモジュールは、近紫外光を発するLEDチップと、近紫外光を吸収し青色光を発する第1の蛍光体(蛍光体1)と、近紫外光を吸収し黄色光を発する第2の蛍光体(蛍光体2)とを有する。そして、第1の蛍光体と第2の蛍光体の少なくともいずれかをセラミックス板化することで、新規な白色LEDモジュールが得られる。第1の蛍光体が発する青色光は、例えば、ピーク波長λpが400〜500nm程度の光である。また、第2の蛍光体が発する黄色光は、例えば、ピーク波長λpが500〜620nm程度の光であり、より好ましくは、視感度がピークとなる555nm近傍にピーク波長λを有する光がよい。
このように、近紫外光を発するLEDチップと複数種の蛍光体を組み合わせた白色LEDモジュールは、実質的に、全方向に発光する蛍光体の蛍光のみで白色を形成するため、色分離が生じづらい。この際、複数種の蛍光体の中で、相対的に長波長で発光する蛍光体は、相対的に短波長で発光する蛍光体の蛍光を吸収し発光しないことが重要である。そこで、本実施の形態の好適な例としては、以下に示す、相対的に短波長で発光する蛍光体1と、相対的に長波長で発光する蛍光体2と、を挙げて説明する。
(蛍光体1)
本実施の形態に係る蛍光体1は、紫外光又は短波長可視光により励起され、青色で発光する青色蛍光体である。例えば、
(i)一般式がM (M:Reで表されている蛍光体
(Mは、Ca、Sr、Baのうち一種以上を必須とし、一部をMg、Zn、Cd、K、Ag、Tlからなる群の元素に置き換えることができる。Mは、Pを必須とし、一部をV,Si,As,Mn,Co,Cr,Mo,W,Bからなる群の元素に置き換えることができる。Xは少なくとも1種のハロゲン元素、Reは、Eu2+必須とする少なくとも1種の希土類元素又はMnを示す。aは4.2≦a≦5.8、bは2.5≦b≦3.5、cは0.8<c<1.4、dは0.01<d<0.1の範囲である。)
(ii)一般式がM 1−aMgAl1017:Eu2+ で表されている蛍光体
(Mは、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、aは0.001≦a≦0.5の範囲である。)
(iii)一般式がM 1−aMgSi:Eu2+ で表されている蛍光体
(Mは、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、aは0.001≦a≦0.8の範囲である。)
(iv)一般式がM 2−a(B)X:Reで表されている蛍光体
(Mは、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、Xは少なくとも1種のハロゲン元素、aは0.001≦a≦0.5の範囲である。)
(蛍光体2)
本実施の形態に係る蛍光体2は、紫外光又は短波長可視光により励起され、緑〜黄色で発光する蛍光体である。例えば、
(i)一般式が(Ca1−x−y−z−w、Sr、MII 、Eu、M (SiOで表されている蛍光体
(MIIは、Mg、Ba又はZn、Mは希土類元素又はMn、Xは、Cl又はClを必須とする複数のハロゲン元素、xは0.1<x<0.7、yは0≦y<0.3、zは0<z<0.4、wは0≦w<0.1の範囲である。)
(ii)一般式がCsM 1−a:Eu2+ で表されている蛍光体
(MはCa、Sr、aは0.001≦a≦0.5の範囲である。)
(iii)一般式がBa2−aMgSi:Eu2+ で表されている蛍光体
(aは0.001≦a≦0.5の範囲である。)
このような蛍光体2は、前述の蛍光体1と混合されても、蛍光体1が発する青色光をほとんど吸収しないため、色分離抑制に有効であり、色度もずれにくい。また、青色に発光する蛍光体と組み合わせることで電球色から昼光色までの幅広い白色を形成可能である。
以下に、本実施の形態に係る透光性セラミックス蛍光体層を有する発光モジュールの幾つかの効果を挙げる。
(1)発光モジュール内の色安定性
近紫外光を発するLEDチップと、上述の蛍光体1、蛍光体2を組み合わせた白色LEDモジュールは、製造工法に由来する近紫外発光LEDチップの強度差、波長ずれに対し白色の色度がずれにくい。
(2)高効率(省電力)
InGaN系LEDに代表される近紫外発光LEDチップは、同系の青色発光LEDチップに対し、原理的には1.2倍高効率であり、特にパワー系発光モジュールにおいては有効なLEDチップである。そして、少なくとも1種類の蛍光体を透光性セラミックス化することで蛍光体層における散乱を軽減し、高効率化(省電力化)が可能となる。
(3)温度特性の向上
パワー系発光モジュールとしての使用を想定した場合、蛍光体のストークスロスによる発熱量が大きくなり、この放熱が重要となる。蛍光体自体の熱伝導率は、一般的な封止材(例えば、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。)に対し2倍以上であるため、蛍光体の透光性セラミックス化により放熱性が大きく改善され、発光モジュールとしての温度特性が向上する。
(4)信頼性の向上
一般的に有機物は紫外線に弱い。そこで、複数の蛍光体層を全て透光性セラミックス板化し、更に蛍光体層間、蛍光体層−LEDチップ間の接着をゾルゲル接着剤等を用いた場合は、有機物レスの発光モジュールを実現でき、パワー系発光モジュールとしての信頼性が大幅に向上する。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態の実施例について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
(実施例1)
図1は、実施例1に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。発光モジュール10は、素子搭載用基板12と、素子搭載用基板12の上にフリップチップ実装されている半導体発光素子14と、半導体発光素子14の発光面上に設けられている第1の波長変換層16と、第1の波長変換層16の上に設けられている第2の波長変換層18と、を備えている。ここで、「層の上に設けられ」とは、層の上に直接設けられている場合だけでなく、層の上に他の部材(接着剤やフィルタ等)を介して間接的に設けられている場合も含まれる。
半導体発光素子14は、ピーク波長λp=405nmのLEDチップである。第1の波長変換層16は、一般式がM (M:Reで表されている蛍光体1を有している。また、第2の波長変換層18は、一般式が(Ca1−x−y−z−w、Sr、MII 、Eu、M (SiOで表されている蛍光体2を有している。積層された半導体発光素子14、第1の波長変換層16および第2の波長変換層18の側面は、光反射材20で覆われている。
第1の波長変換層16および第2の波長変換層18のそれぞれは、あらかじめ作製されているサブミクロン以下の各蛍光体の粒子を、適切な焼結助剤と混合し成形した後、一軸加圧成形、CIP成形、常圧焼成、HIP焼成等の処理が行われ、その後、厚さ100μmとなるように薄肉化・研磨され、透光性セラミックス化される。この際、白色発光モジュールとしての発光色温度が5500K近傍となるように蛍光体1、2のRe、Sr、Euの濃度が調整されている。その後、透光性セラミックス蛍光体である、第1の波長変換層16および第2の波長変換層18を、それぞれ厚さ100μm、1.2mm角に加工した。半導体発光素子14と第1の波長変換層16との間、第1の波長変換層16と第2の波長変換層18との間は、ゾルゲル系接着剤により接着されている。
(比較例1)
図2は、比較例に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。発光モジュール22は、第1の波長変換層24および第2の波長変換層26の構成が実施例1に係る発光モジュール10と異なる。第1の波長変換層24は、実施例1と同様の蛍光体1の粉末をシリコーン樹脂に分散させたものである。また、第2の波長変換層26は、実施例1と同様の蛍光体2の粉末をシリコーン樹脂に分散させたものである。この際、白色発光モジュールとしての発光色温度が5500K近傍となるように蛍光体1、2のRe、Sr、Euの濃度が調整されている。その後、第1の波長変換層24および第2の波長変換層26を、それぞれ厚さ100μm、1.2mm角に加工した。半導体発光素子14と第1の波長変換層24との間、第1の波長変換層24と第2の波長変換層26との間は、シリコーン樹脂により接着されている。
図3は、実施例1に係る第1の波長変換層16および第2の波長変換層18の透過率の測定結果を示す図である。図4は、比較例1に係る第1の波長変換層24および第2の波長変換層26の透過率の測定結果を示す図である。図3、図4に示す通り、実施例1に係る第1の波長変換層16および第2の波長変換層18は、比較例1に係る第1の波長変換層24および第2の波長変換層26に対して透過率が高い。つまり、蛍光体をセラミックス化した層の方が、蛍光体を樹脂に分散させた層よりも透過率が高いことがわかる。
図5は、実施例1および比較例1に係る発光モジュールの発光スペクトルを示す図である。前述のように、実施例1で用いられている各波長変換層は、比較例1で用いられている各波長変換層と比較して、透過率が高い。このため、実施例1に係る発光モジュール10は、各波長変換層において散乱による光損失が小さくなる。そのため、実施例1に係る発光モジュール10は、波長域のほぼ全体にわたって発光強度が高い。
表1は、各実施例および各比較例に係る発光モジュールの光束比、発光効率比、色温度[K]を示したものである。なお、発光素子への印加電流は0.7Aである。
Figure 2014010211
表1に示すように、実施例1に係る発光モジュール10は、比較例1に係る発光モジュール22と比較して、光束が約1.35倍となっており、高効率な発光モジュールである。そのため、発光モジュール10は、省電力化が可能である。
図6は、実施例1および比較例1に係る発光モジュールにおける光束の温度依存性を示す図である。図6において、横軸は発光モジュールのジャンクション温度(Tj)を表し、縦軸は光束を相対値で表している。
図6に示すように、実施例1に係る発光モジュール10は、比較例1に係る発光モジュール22と比較して、ジャンクション温度(Tj)の上昇に伴う光束の低下が少ない。具体的には、実施例1に係る発光モジュール10は、比較例1に係る発光モジュール22と比較して、光束がTj=50℃において2.3%、Tj=100℃において6.8%、Tj=150℃において11.3%向上している。このように、蛍光体をセラミックス化した蛍光体層を波長変換層として用いた発光モジュール10は、放熱性が高いため、温度上昇に伴う光束の低下を抑制できる。換言すると、発光モジュール10は、光束の温度依存性が低減されている。
(実施例2)
図3、図4に示すように、蛍光体1を用いた、実施例1に係る第1の波長変換層16と比較例1に係る第1の波長変換層24を比較すると、セラミックス層と封止樹脂層という形態の違いがあるものの、透過率に大きな差はない。このような蛍光体の場合には、蛍光体の粉末を樹脂で封止した波長変換層を用いても性能の低下はほとんどなく、製造コストを低減できる。
図7は、実施例2に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。発光モジュール28は、蛍光体が樹脂に分散された第1の波長変換層24(比較例1参照)を用いている点以外は、形状、大きさや発光色温度を含め実施例1に係る発光モジュール10と同じ構成である。波長変換層は、予め第1の波長変換層を作製しカッティングした後、この第1の波長変換層およびセラミックスからなる第2の波長変換層を積層してもよい。また、波長変換層は、第1の波長変換層の未硬化樹脂を、素子搭載用基板12にフリップチップボンディングされている半導体発光素子14上にポッティング等で塗布した後、セラミックスからなる第2の波長変換層を実装して硬化することで作製してもよい。なお、作製方法はこれらに限られない。
図8は、実施例2および比較例1に係る発光モジュールの発光スペクトルを示す図である。前述のように、実施例2で用いられている第2の波長変換層18は、比較例1で用いられている第2の波長変換層26と比較して、透過率が高い。このため、実施例2に係る発光モジュール28は、特に第2の波長変換層26において散乱による光損失が小さくなる。そのため、実施例2に係る発光モジュール28は、波長域全体にわたって発光強度が高い。
また、表1に示すように、実施例2に係る発光モジュール28は、比較例1に係る発光モジュール22と比較して、光束が約1.28倍となっており、製造コストの低減と高効率とが両立された発光モジュールである。また、効率が高い発光モジュール28は、省電力化が可能である。
(実施例3)
実施例3に係る発光モジュールは、実施例1に係る第1の波長変換層および第2の波長変換層の積層順を変更した点が特徴の一つである。図9は、実施例3に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。発光モジュール30は、第1の波長変換層16と第2の波長変換層18の積層順を、実施例1に係る発光モジュール10と反対にした以外は、形状、大きさや発光色温度を含め実施例1に係る発光モジュール10と同じ構成である。
(比較例2)
比較例2に係る発光モジュールは、比較例1に係る第1の波長変換層および第2の波長変換層の積層順を変更した点が特徴の一つである。図10は、比較例2に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。発光モジュール32は、第1の波長変換層24と第2の波長変換層26の積層順を、比較例1に係る発光モジュール22と反対にした以外は、形状、大きさや発光色温度を含め比較例1に係る発光モジュール22と同じ構成である。
図11は、実施例3に係る第1の波長変換層16および第2の波長変換層18の透過率の測定結果を示す図である。図12は、比較例1に係る第1の波長変換層24および第2の波長変換層26の透過率の測定結果を示す図である。図11、図12に示す通り、実施例3に係る第1の波長変換層16および第2の波長変換層18は、比較例2に係る第1の波長変換層24および第2の波長変換層26に対して透過率が高い。つまり、蛍光体をセラミックス化した第1の波長変換層および第2の波長変換層は、積層順にかかわらず、蛍光体を樹脂に分散させた層よりも透過率が高いことがわかる。
図13は、実施例3および比較例2に係る発光モジュールの発光スペクトルを示す図である。前述のように、実施例3で用いられている各波長変換層は、比較例2で用いられている各波長変換層と比較して、透過率が高い。このため、実施例3に係る発光モジュール30は、各波長変換層において散乱による光損失が小さくなる。そのため、実施例3に係る発光モジュール30は、波長域のほぼ全体にわたって発光強度が高い。
また、表1に示すように、実施例3に係る発光モジュール30は、比較例2に係る発光モジュール32と比較して、光束が約1.37倍となっており、高効率な発光モジュールである。また、効率が高い発光モジュール32は、省電力化が可能である。
(実施例4)
図14は、実施例4に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。発光モジュール34は、第2の波長変換層18の上に、緑色で発光する蛍光体2を含む第3の波長変換層36を更に備えている点が特徴の一つであり、それ以外は、概ね実施例1に係る発光モジュール10と同様の構成である。第3の波長変換層36は、一般式がBa2−aMgSi:Eu2+ で表されている蛍光体2が樹脂で封止されたものである。
なお、発光モジュール34は、白色発光モジュールとしての発光色温度が5500K近傍となるように、第1の波長変換層16における蛍光体1のReの濃度が調整され、第2の波長変換層18における蛍光体2のEu、Srの濃度が調整され、第3の波長変換層36における蛍光体2のEu2+ の濃度が調整されている。また、実施例4においては、第1の波長変換層16および第2の波長変換層18のそれぞれの厚みを90μm、第3の波長変換層36の厚みを50μmとしている。
(比較例3)
図15は、比較例3に係る発光モジュールの概略構造を示す断面図である。発光モジュール38は、第2の波長変換層26の上に、緑色で発光する蛍光体2を含む第3の波長変換層36を更に備えている点が特徴の一つであり、それ以外は、概ね比較例1に係る発光モジュール22と同様の構成である。第3の波長変換層36は、一般式がBa2−aMgSi:Eu2+ で表されている蛍光体2が樹脂で封止されたものである。
なお、発光モジュール38は、前述の発光モジュール34と同様に、白色発光モジュールとしての発光色温度が5500K近傍となるように、第1の波長変換層24における蛍光体1のReの濃度が調整され、第2の波長変換層26における蛍光体2のEu、Srの濃度が調整され、第3の波長変換層36における蛍光体2のEu2+ の濃度が調整されている。また、比較例3においては、第1の波長変換層24および第2の波長変換層26のそれぞれの厚みを90μm、第3の波長変換層36の厚みを50μmとしている。
図16は、実施例4および比較例3に係る発光モジュールの発光スペクトルを示す図である。実施例4に係る発光モジュール34は、各波長変換層において散乱による光損失が小さく、比較例3に係る発光モジュール38と比較して、波長域のほぼ全体にわたって発光強度が高い。
また、表1に示すように、実施例4に係る発光モジュール34は、比較例1に係る発光モジュール38と比較して、光束が約1.40倍となっており、高効率な発光モジュールである。そのため、発光モジュール34は、省電力化が可能である。
次に、発光モジュールの更に好適な構成について説明する。はじめに、半導体発光素子の発光スペクトル、各蛍光体の発光スペクトルおよび励起スペクトルについて説明する。図17は、実施例1に係る半導体発光素子の発光スペクトルを示す図である。図18は、実施例1に係る蛍光体2および従来のYAG蛍光体の発光スペクトルを示す図である。図19は、実施例1に係る蛍光体2および従来のYAG蛍光体の励起スペクトル、並びに、実施例1に係る蛍光体1および従来の青色LEDの発光スペクトルを示す図である。
図17に示すように、実施例に係る半導体発光素子は、ピーク波長λp=405nmの近紫外光を発するLEDである。また、図18に示すように、実施例1に係る蛍光体2の発光スペクトル(ラインL1)は、YAG蛍光体の発光スペクトル(ラインL2)と比較して、青色の波長(約450〜500nmの範囲)を多く含む。
図19に示すラインL1は、実施例1で使用した黄色発光の蛍光体2の励起スペクトルを示している。また、ラインL2は、YAG蛍光体の励起スペクトルを示している。両者を比較すると、励起光の波長域が大きく異なっていることがわかる。YAG蛍光体は、発光素子が発する紫外線又は短波長可視光のピーク波長(λp=405nm)における励起スペクトルの強度Iyは小さく、近紫外光では発光しないことがわかる。そのため、YAG蛍光体と組み合わせて白色を実現するためには、図19に示すような発光スペクトル(ラインL3)特性を有する青色発光LEDチップが必要である。
一方、蛍光体2は、300nm以上の波長域における励起スペクトル(L1)の最大強度をImax、発光素子が発する紫外線又は短波長可視光のピーク波長(λp=405nm)における励起スペクトルの強度をIaとすると、0.2×Imax<Iaを満たしている。好ましくは、蛍光体2は、0.5×Imax<Iaを満たしているとよく、図19に示す蛍光体2のように、0.8×Imax<Iaを満たしていると更によい。
これにより、実施例に係る蛍光体2は、発光素子が発する紫外線又は短波長可視光のピーク波長における励起スペクトルの強度が高いため、発光素子の光を効率よく黄色光に変換できる。
また、各実施例に係る発光モジュールは、複数種の蛍光体(蛍光体1、蛍光体2)でそれぞれ変換された異なる色(青色、黄色)を組み合わせて白色を得ることで、発光素子が発する光と蛍光体が発する光とを組み合わせて白色を得る場合(YAG蛍光体と青色LEDチップとの組合せ)と比較して、モジュールの発光方向による色度ずれが抑えられる。
図19に示すラインL4は、実施例1で使用した青色発光の蛍光体1の発光スペクトルを示している。実施例1に示すように半導体発光素子14の上に蛍光体1を含む第1の波長変換層16を積層し、その上に蛍光体2を含む第2の波長変換層18を積層した発光モジュールの場合、第1の波長変換層16の蛍光体1による青色光が、第2の波長変換層18の蛍光体2で波長変換されると、いわゆるストークスロスによる発熱が生じ、発光効率が低下してしまう。
しかしながら、実施例1に係る蛍光体2は、300nm以上の波長域における励起スペクトルの最大強度をImax、実施例1に係る蛍光体1が発する可視光のピーク波長(約450nm)における励起スペクトルの強度をIbとすると、Ib<0.8×Imaxを満たす。好ましくは、蛍光体2は、Ib<0.5×Imaxを満たしているとよく、図19に示す蛍光体2のように、Ib<0.2×Imaxを満たしていると更によい。これにより、蛍光体2において、蛍光体1が発する光の吸収が少なくなり、ストークスロスが抑えられため、高効率な発光モジュールが実現できる。
ここで、近紫外光を発する半導体発光素子と複数種の蛍光体とを組み合わせた白色発光モジュールでは、青色LEDチップとYAG蛍光体とを組み合わせた白色LEDモジュールと比較して、蛍光体濃度が増加する傾向にある。これは、白色を実現するために素子の光を直接利用せず、ほとんど蛍光体から発する光で実現しているためである。そのため、蛍光体の量が多いと、前述の通り蛍光体による散乱効果が大きくなり発光効率が低下する一因ともなりうる。
そこで、以下では、上述の実施の形態や実施例で得られた知見に基づいて、蛍光体濃度を抑えつつ高い発光効率を実現する発光モジュールの構成について更に詳述する。
青色と黄色を比較すると、黄色の方が視感度が高いため、青色を発する第1の波長変換層よりも黄色を発する第2の波長変換層を発光モジュールの出射面側に配置することで光束を高められる(表1の実施例1と実施例3を参照。)。また、第2の波長変換層に含まれる蛍光体2は、前述のように青色の波長(約450〜500nmの範囲)を比較的多く含む。そのため、第1の波長変換層に含ませる青色発光の蛍光体1の量を低減できる。この場合、蛍光体が樹脂に分散された第1の波長変換層を選択することも可能である。
そこで、以下では、実施例2に示す発光モジュール28の構成を基準に各波長変換層の厚みの好適な例について説明する。図7に示すように、発光モジュール28は、半導体発光素子14の上に、青色発光の蛍光体1が透明性の封止材である樹脂に分散された第1の波長変換層24が積層され、その上に黄色発光の蛍光体2がセラミックス化された第2の波長変換層18が積層された構造である。
発光モジュールを自動車用ヘッドランプの光源として使用する場合、ヘッドランプの色温度は4000〜6000K程度の範囲である。そこで、第2の波長変換層は蛍光体2をセラミックス化した層とし、第1の波長変換層は樹脂に蛍光体1を分散させた層とすると、前述の色温度の光を満たすためには、第1の波長変換層16に含ませられる蛍光体1の濃度の上限量は、製法上の観点から35vol.%程度である。表2に示すように、所望の色温度を満たすために必要な蛍光体の量が一定だとすると、第1の波長変換層の厚みが厚くなると、そこに含まれる蛍光体1の濃度は低下する。
Figure 2014010211
第1の波長変換層は、厚みが15〜1000μmの範囲が好ましい。より好ましくは、厚みが15〜1000μmの範囲である。厚みが15μm以上であれば、所望の色温度を実現できる量の蛍光体1を含ませることができる。一方、厚みが1000μm以下、好ましくは300μm以下であれば、第1の波長変換層の内部での光の吸収や散乱が抑えられる。また、第1の波長変換層は、蛍光体1を0.5〜35体積%含んでいてもよい。これにより、第1の波長変換層を通過し、第2の波長変換層に到達する発光素子の光を多くできる。
また、第1の波長変換層と組み合わせる第2の波長変換層に含まれる蛍光体2が発する光は、前述のように青色の波長成分を多く含んでいるため、第1の波長変換層に含ませる青色発光の蛍光体1の量を少なくしても白色光を実現できる。つまり、第1の波長変換層を非常に薄くできるため、第1の波長変換層としてシリコーン樹脂などの接着性の樹脂に蛍光体1を分散させたものを半導体発光素子上に塗布し、第2の波長変換層を積層することで第2の波長変換層を半導体発光素子に固定できる。つまり、半導体発光素子と第1の波長変換層と第2の波長変換層18とを一つの工程で積層できる。
第2の波長変換層の厚みは、第1の波長変換層の構成に応じて適宜選択すればよいが、例えば、30〜1000μm、好ましくは、50〜300μmの範囲である。厚みが30μm以上であれば、セラミックス化した際の割れなどを防止できる。一方、厚みが1000μm以下であれば、発光モジュールの輝度の低下を抑制できる。
図20は、発光モジュールの色度を測定する方法を説明するための図である。図21は、測定位置による発光モジュールの色度の変化を示す図である。
図20に示す発光モジュール40は、基板42の上にサブマウント44を介して青色光又は紫外光を発するLEDチップ46が搭載されている。LEDチップ46の発光面上には、蛍光部材48が搭載されている。
図21に示すように、LEDチップ46として青色LEDチップを、蛍光部材48としてYAG蛍光体を採用した発光モジュールでは、測定位置によって色度Cxの変化が大きい。これに対して、LEDチップ46としてUV−LEDチップを、蛍光部材48として蛍光体1を有する第1の波長変換層24および蛍光体2を有する第2の波長変換層18(実施例2参照)を採用した発光モジュールでは、測定位置による色度Cxの変化が非常に少ない。
以上、本発明を実施の形態や実施例をもとに説明した。この実施の形態や実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば、第1や第2の波長変換層の構成として、セラミックス化したり樹脂に蛍光体を分散させたりする以外に、無機アモルファス材や無機ゾルゲル材に蛍光体を分散させた構成であってもよい。無機アモルファス材としては、例えば、低融点ガラス材が挙げられる。無機アモルファス材は、処理温度が900℃以下、好ましくは800℃以下のものが挙げられる。また、波長350〜900nmの光において、透過率が70%以上、好ましくは80%以上の無機アモルファス材が好ましい。また、屈折率が1.4以上、2.0以下、好ましくは、1.6以上、2.0以下の無機アモルファス材が好ましい。
上述の各実施例では、青色蛍光体と黄色蛍光体とを組み合わせ発光モジュールについて説明したが、色の組合せはこれらに限られない。
例えば、ある態様の発光モジュールは、
紫外線又は短波長可視光を発する発光素子と、
前記紫外線又は短波長可視光により励起され、可視光を発光する第1の蛍光体を有する第1の波長変換層と、
前記紫外線又は短波長可視光により励起され、第1の蛍光体が発光する可視光のピーク波長よりも長波長側のピーク波長を有する可視光を発光する第2の蛍光体を有する第2の波長変換層と、を備え、
前記第1の波長変換層および前記第2の波長変換層は、前記発光素子の発光面上に積層されており、
前記第1の波長変換層および前記第2の波長変換層の少なくともいずれか一方は、セラミックス層である。
本発明の発光モジュールは種々の灯具、例えば照明用灯具、ディスプレイ用バックライト、車両用灯具等に利用することができる。
10 発光モジュール、 14 半導体発光素子、 16 第1の波長変換層、 18 第2の波長変換層、 22 発光モジュール、 24 第1の波長変換層、 26 第2の波長変換層、 28,30,32,34 発光モジュール、 36 第3の波長変換層、 38,40 発光モジュール。

Claims (6)

  1. 紫外線又は短波長可視光を発する発光素子と、
    前記紫外線又は短波長可視光により励起され、青色光を発光する第1の蛍光体を有する第1の波長変換層と、
    前記紫外線又は短波長可視光により励起され、黄色光を発光する第2の蛍光体を有する第2の波長変換層と、を備え、
    前記第1の波長変換層および前記第2の波長変換層は、前記発光素子の発光面上に積層されており、
    前記第1の波長変換層および前記第2の波長変換層の少なくともいずれか一方は、セラミックス層であり、
    前記第2の蛍光体は、
    300nm以上の波長域における励起スペクトルの最大強度をImax、
    前記発光素子が発する前記紫外線又は短波長可視光のピーク波長における励起スペクトルの強度をIaとすると、
    0.2×Imax<Iaを満たすことを特徴とする発光モジュール。
  2. 前記第1の波長変換層は、前記発光素子と前記第2の波長変換層との間に配置されており、
    前記第2の波長変換層は、セラミックス層であることを特徴とする請求項1に記載の発光モジュール。
  3. 前記第2の蛍光体は、
    300nm以上の波長域における励起スペクトルの最大強度をImax、
    前記第1の蛍光体が発する可視光のピーク波長における励起スペクトルの強度をIbとすると、Ib<0.8×Imaxを満たすことを特徴とする請求項2に記載の発光モジュール。
  4. 前記第1の波長変換層は、前記第1の蛍光体が透明性の封止材に分散されて構成されており、厚みが15〜1000μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光モジュール。
  5. 前記第1の波長変換層は、前記第1の蛍光体を0.5〜35体積%含んでいることを特徴とする請求項4に記載の発光モジュール。
  6. 前記第2の波長変換層は、厚みが30〜1000μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光モジュール。
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