JPWO2014006874A1 - 機能性反射防止積層体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、有機無機複合薄膜表面に、透明導電性膜又はガスバリア性の薄膜のように、高い屈折率を有し、光の透過率が低い無機薄膜を積層した場合でも、高い透過率を発現するだけでなく、無機薄膜との密着性の優れた機能性反射防止膜を提供する。本発明の機能性反射防止積層体は、樹脂基体上に、第1層、第2層の順に形成された薄膜積層体において、第1層が、a)式(I)RnSiX4−n (I)で表される有機ケイ素化合物の縮合物、b)有機高分子化合物を含有する、膜厚500nm以上の有機無機複合薄膜であり、第2層が、膜厚10〜300nmの透明導電性膜またはガスバリア膜であり、第2層の表面は、高さ40〜500nm、ピッチ50〜400nmの微細凸凹構造が形成されており、波長500〜700nmにおける入射角12°の表面正反射率が3%以下であることを特徴とする。

Description

本発明は、機能性反射防止積層体に関し、特に、表面無機化した有機無機複合体薄膜の上に透明導電性膜又はガスバリア性の薄膜を積層した反射防止積層体に関する。
本願は、2012年 7月 4日に出願された日本国特許出願第2012−150076号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来から光学部品等の表面での光の反射を防止するために、様々な種類の反射防止膜が研究されてきている。このような反射防止膜としては、異なる屈折率からなる誘電体により構成される誘電体多層膜、多孔質膜などの低屈折率膜、表面の凹凸を利用した膜等が知られている。
これらのうち、前記表面の凹凸を利用した膜としては、表面の凹凸を利用した膜の1種であるMotheye(モスアイ;蛾の眼)と呼ばれる微細な構造(モスアイ構造)を有する反射防止膜がある。
このようなモスアイ構造の反射防止膜としては、例えば、特許文献1には、光透過性プラスチック基材の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸を有し、前記凹凸の周期が35nm〜400nmの範囲内であり、且つ前記凹凸の深さが100nm〜700nmの範囲内である反射防止膜が開示されている。ここで凹凸は、Ni基体の一方の表面に、微細な凹凸を有し、前記凹凸の周期が35nm〜400nmの範囲内であり、かつ、前記凹凸の深さが100nm〜700nmの範囲内であるスタンパを用いて光透過性プラスチック樹脂を型押しするか、又はこのスタンパにプラスチック樹脂をキャスティングすることにより形成される。
また、特許文献2には、透明基材上に積層される反射防止膜であって、透明樹脂と該透明樹脂中に分散された微粒子とからなり、前記微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離が50nm〜800nmの範囲にあり、前記反射防止膜中の前記微粒子の配列構造がアモルファス構造であり、且つ、前記反射防止膜の表面に凸部の平均高さが40nm〜500nmの範囲にある反射防止膜が開示されている。微粒子の平均粒子径としては、50nm〜500nmが好ましいことが開示されている。
さらに、特許文献3には、表面に、平均高さ150nm以上250nm以下の凸部又は平均深さ150nm以上250nm以下の凹部を有し、その凸部又は凹部が、少なくともある一の方向に対し平均周期100nm以上250nm以下で存在し、該凸部の平均高さ又は該凹部の平均深さを該平均周期で割って得られるアスペクト比が1.0以上1.5以下である反射防止膜が開示されている。当該反射防止膜の波長380nm〜750nmにおける入射角5°の正反射率は、0.1%以下である。ここでは、凸部又は凹部の形成方法として、型を用いて形状を転写させる方法、微粒子を貼りつける方法、化学物質によってエッチングする方法、微粒子の吹き付けによる方法、有機溶媒を蒸発させ生じた微小水滴を蒸発させる方法等何れも使用できることが記載されており、このうち、型を用いて形状を転写させる方法が、該型を忠実に転写でき、所望の形状を確実に実現できる点で好ましく、アルミニウムを陽極酸化したときに陽極酸化被膜に生じる凹部を型として、その形状を転写させて、反射防止膜の表面に凸部を形成させる方法が、前記平均高さ、平均周期及びアスペクト比について、その特定の数値範囲を実現し易いために特に好ましいことが開示されている。
さらにまた、特許文献4には、透明基板の片面に直接または他の層を介してハードコート層が設けられており、さらに当該ハードコート層の表面に反射防止層が積層された反射防止フィルムが開示されており、ハードコート層には微粒子を含有することにより凹凸を設けることが好ましいことも開示されている。
上記特許文献1〜4に記載の反射防止膜はいずれも、その表面に透明導電膜やガスバリア膜等の機能性膜を設けられることまで開示されていない。
他方、出願人は、光感応性化合物の存在下に有機ケイ素化合物に紫外線を照射することにより、表面が非常に高い硬度を有すると共に、内部及び裏面側が適当な硬度を有しつつ、かつ基体との密着性に優れた有機無機複合薄膜(ハードコート膜)を開発し(特許文献5参照)、さらに、膜の表面を無機質にすることにより、有機樹脂の欠点である劣化を防ぎ、耐湿性や耐熱性に優れた有機無機複合薄膜(ハードコート膜)を開発してきた(特許文献6参照)。
特開2003−43203号公報 特開2009−139796号公報 特開2011−2759号公報 特開2003−205581号公報 WO2006/088079号パンフレット WO2008/069217号パンフレット
本発明は、有機無機複合薄膜表面に、透明導電性膜又はガスバリア性の薄膜のように、高い屈折率を有し、光の透過率が低い無機薄膜を積層した場合でも、高い透過率を発現するだけでなく、無機薄膜との密着性の優れた機能性反射防止膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、樹脂基体上に、第1層として有機ケイ素化合物の縮合物と有機高分子化合物を含有し、モールドなどで凹凸を設けた層を形成した後、その上に、第2層として透明導電膜層又はガスバリア膜を積層することにより、反射防止効果の優れた透明導電膜層又はガスバリア膜を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)樹脂基体上に、第1層、第2層の順に形成された薄膜積層体において、
第1層が、
a)式(I)
SiX4−n (I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合した有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物の縮合物、
b)有機高分子化合物
を含有する、膜厚500nm以上の有機無機複合薄膜であり、
第2層が、膜厚10nm〜300nmの透明導電性膜またはガスバリア膜であり、第2層の表面は、高さ40nm〜500nm、ピッチ50nm〜400nmの微細凸凹構造が形成されており、
波長500nm〜700nmにおける入射角12°の表面正反射率が3%以下であることを特徴とする機能性反射防止積層体、
(2)第1層の有機無機複合薄膜が、さらに、平均粒子径が50nm〜500nmの金属酸化物粒子の集合体を含有することを特徴とする上記(1)に記載の機能性反射防止積層体、
(3)第1層の有機無機複合薄膜が、さらに金属元素がチタン、ジルコニウム、アルミニウム、スズ、鉛、タンタル又はケイ素の少なくとも1種である金属化合物を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の機能性反射防止積層体、及び、
(4)第1層は、第2層との界面側に式(I)で表される有機ケイ素化合物の縮合物が濃縮した層を有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の機能性反射防止積層体に関する。
本発明により、有機無機複合薄膜に透明導電性膜又はガスバリア性の薄膜のように、高い屈折率を有し、光の透過率が低い無機薄膜を積層した場合でも、高い透過率を発現し、これまでにない無機薄膜との密着性に優れた反射防止膜を提供することができる。
本発明の反射防止膜を作製するための工程の概略を示す図である。 PETフィルム上に塗工した有機無機複合材料の上にモールドを乗せてプレスし、モールドを取り除いた後、紫外線を照射した後の、有機無機複合材料表面のAFMの形状像(観察範囲2μm四方)およびSEM像(倍率5万倍)を示す図である。 図2の凹凸形状を形成した有機無機複合薄膜上に、DCスパッタ法で酸化インジウム膜(ITO膜)を積層した後の積層体表面のAFM形状像(観察範囲2μm四方)およびSEM像(倍率5万倍)を示す図である。 有機無機複合薄膜上に、DCスパッタ法で窒化酸化ケイ素膜(SiON膜)を積層した後のSEM像(倍率5万倍)を示す図である。
本発明の機能性反射防止積層体は、樹脂基体の少なくとも片面に、以下のA)樹脂基体、B)第1層及びC)第2層の各層がA)、B)及びC)の順に積層された構成からなる薄膜積層体である。この場合、第1層の上に直接、第2層を積層することが好ましい。本発明の機能性反射防止積層体は、さらに、反射防止効果の優れた透明導電膜層又はガスバリア膜として機能する限り、他の層を1又は2以上積層する場合を包含する。
A)樹脂基体
B)第1層
a)式(I)
SiX4−n (I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合した有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物の縮合物、及び
b)有機高分子化合物
を含有する、膜厚500nm以上である有機無機複合薄膜
C)第2層
膜厚10nm〜300nm、好ましくは10nm〜100nmの透明導電性膜またはガスバリア膜
第2層の表面は、高さ40nm〜500nm、ピッチ50nm〜400nmの微細凸凹構造が形成されている。
第1層は第2層との界面側に式(I)で表される有機ケイ素化合物の縮合物が濃縮した層を有し、該濃縮層の炭素原子の濃度は、第2層の表面より400nmの深さの第1層の炭素原子の濃度に比べて20%以上少ないことが好ましい。
上記機能性反射防止積層体は、波長500nm〜700nmにおける入射角12°の表面正反射率が3%以下であり、好ましくは2%以下である。
本発明の機能性反射防止積層体の製造工程の概略を図1に示す。
以下に、詳細に説明する。
1)樹脂基体
本発明において使用される樹脂基体は、本発明の積層体を形成することができる限り制限はないが、例えば、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミノビスマレインイミド等のポリイミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート等のポリエステル系樹脂;フェノール系エポキシ樹脂、アルコール系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルホン等のポリエーテル系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂;ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン等のポリスチレン系樹脂;エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィンの単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド系樹脂;エチレン−ポリビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂;エチレン−四フッ化エチレン共重合体、ポリ三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリフッ化ビニル、パーフルオロエチレン−パーフルオロプロピレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂;ポリカーボネート、ポリビニルブチラート樹脂、ポリアリレート樹脂等が挙げられる。
また、樹脂として、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリル系化合物よりなる樹脂組成物や、上記アクリル系化合物とチオール基を有するメルカプト化合物よりなる樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート等のオリゴマーを多官能アクリレートモノマーに溶解した樹脂組成物等の光硬化性樹脂及びこれらの混合物等を用いることができる。
基体の大きさや形は特に制限されず、平板、立体物、フィルム等いずれも使用することができるが、フィルム状のものが好ましい。
また、その他諸機能を付与する目的で、基体中に各種有機及び/又は無機添加物が加えられていてもよい。さらに、塗装した物品も基体として用いることができる。
フィルム状の基体は、未延伸フィルムからなるものであっても、延伸フィルムからなるものであってもよい。
また、樹脂基体としては、単層フィルムや二層以上をラミネート、コーティング等の手段によって積層させた積層フィルム等が挙げられる。
フィルム状のプラスチック基体は、従来公知の一般的な方法により製造することができる。例えば、材料樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸フィルムからなる基体を製造することができる。また、未延伸フィルムからなる基体を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、基体の流れ(縦軸)方向、又は基体の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸フィルムからなる基体を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基体の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することができるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
フィルム状の樹脂基体の厚みは、特に制限されるものではないが、通常1μm〜1000μm、好ましくは3μm〜500μmである。
2)第1層
本発明の第1層である有機無機複合薄膜は、少なくとも有機ケイ素化合物の縮合物、及び有機高分子化合物を必須成分として含有するが、その他、金属化合物、光重合開始剤、金属酸化物粒子等を含有していてもよい。また、有機無機複合薄膜は通常、厚さが500nm以上であり、好ましくは、1μm〜10μmである。厚さが500nm未満では基体の表面凹凸の影響が出やすく、10μmを超えると基体が反り返り易く、屈曲性が悪くなる。
2−1)有機ケイ素化合物の縮合物
有機ケイ素化合物は、以下の式(I)で表される。
SiX4−n (I)
式中、RはSiに炭素原子が直接結合した有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。
ここで、Rで表される「Siに炭素原子が直接結合した有機基」としては、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素のポリマーからなる基等を挙げることができる。
上記「置換されていてもよい炭化水素基」及び「置換されていてもよい炭化水素のポリマーからなる基」の炭化水素基としては、通常、炭素数1〜30の炭化水素基であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルケニル基である。
また、上記「炭化水素基」又は「炭化水素のポリマーからなる基」には、酸素原子、窒素原子、又はケイ素原子を含んでいてもよい。
「炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基等が挙げられる。なお、炭素数10を超える長鎖のアルキル基としては、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が挙げられる。
「炭素数3〜8のシクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
「炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基」は、いずれか1カ所以上に炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜10の直鎖、又は分岐鎖のアルケニル基を意味し、例えば、エテニル基、プロパ−1−エン−1−イル基、プロパ−2−エン−1−イル基、プロパ−1−エン−2−イル基、ブタ−1−エン−1−イル基、ブタ−2−エン−1−イル基、ブタ−3−エン−1−イル基、ブタ−1−エン−2−イル基、ブタ−3−エン−2−イル基、ペンタ−1−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、ペンタ−1−エン−2−イル基、ペンタ−4−エン−2−イル基、3−メチル−ブタ−1−エン−1−イル基、ヘキサ−1−エン−1−イル基、ヘキサ−5−エン−1−イル基、ヘプタ−1−エン−1−イル基、ヘプタ−6−エン−1−イル基、オクタ−1−エン−1−イル基、オクタ−7−エン−1−イル基、ブタ−1,3―ジエン−1−イル基等が挙げられる。
「炭素数3〜8のシクロアルケニル基」は、いずれか1カ所以上に炭素−炭素二重結合を有し、かつ環状部分を有する炭素数3〜8のアルケニル基を意味し、例えば、1−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、1−シクロヘキセン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられる。
「アルキニル基」としては、炭素数2〜10アルキニル基が挙げられ、例えば、エチニル基、プロパ−1−イン−1−イル基、プロパ−2−イン−1−イル基、ブタ−1−イン−1−イル基、ブタ−3−イン−1−イル基、ペンタ−1−イン−1−イル基、ペンタ−4−イン−1−イル基、ヘキサ−1−イン−1−イル基、ヘキサ−5−イン−1−イル基、ヘプタ−1−イン−1−イル基、オクタ−1−イン−1−イル基、オクタ−7−イン−1−イル基等が挙げられる。
「シクロアルキルアルキル基」としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基と炭素数1〜8のアルキル基の結合した基が挙げられ、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロへキシルエチル基、シクロヘプチルメチル基等が挙げられる。
「アリールアルキル基」としては、炭素数6〜10のアリール基と炭素数1〜8のアルキル基が結合した基が挙げられ、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニル−n−プロピル基、4−フェニル−n−ブチル基、5−フェニル−n−ペンチル基、8−フェニル−n−オクチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
「アリールアルケニル基」としては、炭素数6〜10のアリール基と炭素数2〜8のアルケニル基が結合した基が挙げられ、例えば、スチリル基、3−フェニル−プロパ−1−エン−1−イル基、3−フェニル−プロパ−2−エン−1−イル基、4−フェニル−ブタ−1−エン−1−イル基、4−フェニル−ブタ−3−エン−1−イル基、5−フェニル−ペンタ−1−エン−1−イル基、5−フェニル−ペンタ−4−エン−1−イル基、8−フェニル−オクタ−1−エン−1−イル基、8−フェニル−オクタ−7−エン−1−イル基、ナフチルエテニル基等が挙げられる。
「酸素原子を有する炭化水素基」としては、アルコキシアルキル基、エポキシ基、エポキシアルキル基、グリシドキシアルキル基等のオキシラン環(エポキシ基)を有する基、アクリロキシメチル基、メタクリロキシメチル基などが挙げられる。
ここで、「アルコキシアルキル基」としては、通常炭素数1〜6のアルコキシ基と炭素数1〜6のアルキル基が結合した基であり、例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、3−エトキシーn−プロピル基等が挙げられる。
ここで、エポキシアルキル基としては炭素数3〜10の直鎖又は分岐鎖のエポキシアルキル基が好ましく、例えばグリシジル基、グリシジルメチル基、2−グリシジルエチル基、3−グリシジルプロピル基、4−グリシジルブチル基、3,4−エポキシブチル基、4,5−エポキシペンチル基、5,6−エポキシヘキシル基等の直鎖状のエポキシ基を含むアルキル基;
β−メチルグリシジル基、β−エチルグリシジル基、β−プロピルグリシジル基、2−グリシジルプロピル基、2−グリシジルブチル基、3−グリシジルブチル基、2−メチル−3−グリシジルプロピル基、3−メチル−2−グリシジルプロピル基、3−メチル−3,4−エポキシブチル基、3−エチル−3,4−エポキシブチル基、4−メチル−4,5−エポキシペンチル基、5−メチル−5,6−エポキシヘキシル基等の枝分かれ状のエポキシ基を含むアルキル基等
が挙げられる。
「グリシドキシアルキル基」としては、グリシドキシメチル基、グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
「窒素原子を有する炭化水素基」としては−NR’(式中、R’は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、各R’は互いに同一でも異なっていてもよい。)を有する基、又は−N=CR’’(式中、R’’は水素原子又はアルキル基を表し、各R’’は互いに同一でも異なっていてもよい。)を有する基が好ましく、ここでR’及びR’’のアルキル基およびアリール基としては上記Rにおいて例示されたものと同じものが挙げられる。
例えば、−NR’を有する基としては、―CH−NH基、−C−NH基、−CH−NH−CH基等が挙げられる。−N=CR’’を有する基としては、−CH−N=CH−CH基、−CH−N=C(CH基、−C−N=CH−CH基等が挙げられる。
「ケイ素原子を有する炭化水素」としては、例えば、ポリシロキサン、ポリビニルシラン、ポリアクリルシラン等のポリマーを含む基が挙げられる。
上記「置換されていてもよい」の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、メタクリロキシ基等を挙げることができる。ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基としては、Rにおけるものと同じものを例示することができる。
上記のうち、350nm以下の波長の光の照射によって分解される基としては、ビニル基、オキシラン環を有する基、−NR’(式中、R’は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、各R’は互いに同一でも異なっていてもよい。)を有する基、又は−N=CR’’(式中、R’’は水素原子又はアルキル基を表し、各R’’は互いに同一でも異なっていてもよい。)を有する基が挙げられる。
また、式(I)中、nは、1又は2を表し、n=1のものが特に好ましい。nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよい。また、これらは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
式(I)において、Xは、水酸基又は加水分解性基を表す。式(I)の(4−n)が2以上のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。ここで、加水分解性基とは、例えば、無触媒、過剰の水の共存下、25℃〜100℃で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基や、シロキサン縮合物を形成することができる基を意味し、具体的には、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、イソシアネート基等を挙げることができ、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアシルオキシ基が好ましい。
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜6のアシルオキシ基(ただし、炭素数にはカルボニル基の炭素を含まない)としては、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。イソシアネート基としては、例えば、アルキル基に結合したイソシアネート基、シクロアルキル基に結合したイソシアネート基、アリール基に結合したイソシアネート基、シクロアルキル基が置換したアルキル基に結合したイソシアネート基、アリール基が置換したアルキル基に結合したイソシアネート基等が挙げられる。
具体的に、原料となる有機ケイ素化合物としては、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ノナフルオロブチルエチルジメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、ジメチルジアミノシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリメトキシシラン、オキサシクロヘキシルトリメトキシシラン、メチルトリ(メタ)アクリロキシシラン、メチル[2−(メタ)アクリロキシエトキシ]シラン、メチル−トリグリシジロキシシラン、メチルトリス(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、「炭化水素のポリマーからなる基」としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸および無水マレイン酸などの酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどから選ばれるビニル系化合物を共重合したビニル系ポリマーを挙げることができる。
なお、本発明の有機無機複合薄膜における主成分となる有機ケイ素化合物の縮合物は、これらの有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物がさらに縮合したものを意味する。
有機ケイ素化合物の縮合物の配合割合は、有機無機複合薄膜全体の固形分に対して2〜98質量%、好ましくは5〜50質量%である。有機ケイ素化合物の縮合物の割合が多くなると、基体の樹脂との密着性が悪くなり、逆に少なくなると、濃縮層が形成されにくくなる。
2−2)有機高分子化合物
本発明の有機高分子化合物とは、特に限定されるものではなく、熱硬化性化合物の重合物または紫外線硬化性化合物の重合物であるが、好ましくは、光重合開始剤の存在下で紫外線の照射により重合反応を起こす官能基を有する化合物あるいは樹脂を、光重合開始剤の存在下で紫外線の照射により重合反応させたものである。たとえば、(メタ)アクリレート化合物、エポキシ樹脂、前記アクリレート化合物を除くビニル化合物などを重合反応させたものが例示される。官能基の数は、1個以上であれば特に限定されない。
原料となるアクリレート化合物としては、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、ポリスチリル(メタ)アクリレート、ポリカーボネートジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー等が挙げられるが、好ましくはポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレートであり、より好ましくは、ポリウレタン(メタ)アクリレートである。
分子量は、有機無機複合体形成用組成物に溶解する限り限度はないが、通常は質量平均分子量として500〜250,000、好ましくは1,000〜50,000である。
ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる、両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。または、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基をアクリル酸でエステル化することにより得られる。
ポリウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート化合物と、水酸基を有するアクリレートモノマーとの反応生成物であり、ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールが挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラックエポキシ樹脂のオキシラン環とアクリル酸とのエステル化反応により得ることができる。
本発明で用いるウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、荒川化学工業株式会社製商品名:ビームセット102、502H、505A−6、510、550B、551B、575、575CB、EM−90、EM92、サンノプコ株式会社製商品名:フォトマー6008、6210、新中村化学工業株式会社製商品名:NKオリゴU−2PPA、U−4HA、U−6HA、H−15HA、UA−32PA、U−324A、U−4H、U−6H、東亜合成株式会社製商品名:アロニックスM−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−1960、共栄社化学株式会社製商品名:AH−600、AT606、UA−306H、日本化薬株式会社製商品名:カヤラッドUX−2201、UX−2301、UX−3204、UX−3301、UX−4101、UX−6101、UX−7101、日本合成化学工業株式会社製商品名:紫光UV−1700B、UV−3000B、UV−6100B、UV−6300B、UV−7000、UV−7600B、UV−2010B、根上工業株式会社製商品名:アートレジンUN−1255、UN−5200、HDP−4T、HMP−2、UN−901T、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、UN−3320HS、H−61、HDP−M20、ダイセルユーシービー株式会社製商品名:Ebecryl6700、204、205、220、254、1259、1290K、1748、2002、2220、4833、4842、4866、5129、6602、8301等を挙げることができる。
また、上記アクリレート化合物を除くビニル化合物としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、スチレン、不飽和ポリエステルなどがあり、エポキシ樹脂としては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートなどを挙げることができる。
有機高分子化合物の配合割合は、有機無機複合薄膜全体の固形分に対して、通常2〜98質量%、好ましくは30〜95質量%である。
2−3)光重合開始剤
本発明において使用される光重合開始剤は、(a)光照射によりカチオン種を発生させる化合物及び(b)光照射により活性ラジカル種を発生させる化合物等を挙げることができる。
光照射によりカチオン種を発生させる化合物としては、例えば、カチオン部分が、スルホニウム、ヨードニウム、ジアゾニウム、アンモニウム、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Feカチオンであり、アニオン部分が、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、[BX4-(ただし、Xは少なくとも2つ以上のフッ素又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基)で構成されるオニウム塩が挙げられる。
具体的に、スルホニウム塩としては、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
ヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
ジアゾニウム塩としては、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
アンモニウム塩としては、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe塩としては、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラフルオロボレート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
光照射により活性ラジカル種を発生させる化合物としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)等を挙げることができる。
本発明において用いられる光重合開始剤の配合量は、有機高分子化合物の原料の紫外線硬化性化合物の固形分に対して、0.01〜20質量%配合することが好ましく、0.1〜10質量%が、さらに好ましい。
なお、本発明においては、必要に応じて増感剤を添加することができる、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が使用できる。
2−4)金属化合物
本発明の金属化合物は、屈折率調整、第2層との親和性強化、形状維持、硬度調整のために含有させるものであり、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、スズ、鉛、タンタル又はケイ素からなる元素の少なくとも1種を含む金属化合物が好ましく、さらに、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、スズが好ましく、特にチタンが好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上用いることもできる。
金属化合物としては、金属キレート化合物、有機酸金属塩、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物、それらの加水分解物、及びそれらの縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物等が挙げられる。金属化合物は1種単独、又は、2種以上の組合せで使用することができる。特に、金属キレート化合物、有機酸金属塩、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物の加水分解物及び/又は縮合物であることが好ましく、特に、金属キレート化合物の加水分解物及び/又は縮合物が好ましい。
薄膜中の金属化合物としては、原料である化合物のまま存在するものや、前記化合物がさらに縮合されたもののほか、上述した有機ケイ素化合物等と化学結合したものも包含する。
上記金属キレート化合物としては、水酸基若しくは加水分解性基を有する金属キレート化合物であることが好ましく、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属キレート化合物であることがより好ましい。なお、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有するとは、加水分解性基及び水酸基の合計が2以上であることを意味する。また、前記金属キレート化合物としては、β−ケトカルボニル化合物、β−ケトエステル化合物、及びα−ヒドロキシエステル化合物が好ましく、具体的には、アセト酢酸メチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸t−ブチル等のβ−ケトエステル類;アセチルアセトン、へキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、オクタン−2,4−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、5−メチル−へキサン−2,4−ジオン等のβ−ジケトン類;グリコール酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸等が配位した化合物が挙げられる。
上記有機酸金属塩は、金属イオンと有機酸から得られる塩からなる化合物であり、有機酸としては、酢酸、シュウ酸、酒石酸、安息香酸等のカルボン酸類;スルホン酸、スルフィン酸、チオフェノール等の含硫黄有機酸;フェノール化合物;エノール化合物;オキシム化合物;イミド化合物;芳香族スルホンアミド;等の酸性を呈する有機化合物が挙げられる。
また、上記2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物は、上記金属キレート化合物及び有機酸金属塩以外のものであり、例えば、水酸化物や、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシド等の金属アルコラート等を挙げることができる。
上記金属化合物、上記金属キレート化合物又は上記有機酸金属塩における加水分解性基としては、例えば、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン基、イソシアネート基が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアシルオキシ基が好ましい。なお、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有するとは、加水分解性基及び水酸基の合計が2以上であることを意味する。
金属化合物の加水分解物及び/又は縮合物としては、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物1モルに対して、0.5モル以上の水を用いて加水分解したものであることが好ましく、0.5〜2モルの水を用いて加水分解したものであることがより好ましい。
また、金属キレート化合物の加水分解物及び/又は縮合物としては、金属キレート化合物1モルに対して、5〜100モルの水を用いて加水分解したものであることが好ましく、5〜20モルの水を用いて加水分解したものであることがより好ましい。
また、有機酸金属塩の加水分解物及び/又は縮合物としては、金属有機酸塩1モルに対して、5〜100モルの水を用いて加水分解したものであることが好ましく、5〜20モルの水を用いて加水分解したものであることがより好ましい。
さらに硬度向上のための金属化合物としては、4官能シランやコロイド状シリカを例示することが出来る。
4官能シランとしては、例えば、テトラアミノシラン、テトラクロロシラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラベンジロキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラ(メタ)アクリロキシシラン、テトラキス[2−(メタ)アクリロキシエトキシ]シラン、テトラキス(2−ビニロキシエトキシ)シラン、テトラグリシジロキシシラン、テトラキス(2−ビニロキシブトキシ)シラン、テトラキス(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)シランを挙げることができる。また、コロイド状シリカとしては、水分散コロイド状シリカ、メタノールもしくはイソプロピルアルコールなどの有機溶媒分散コロイド状シリカを挙げることができる。
金属化合物の配合割合は、有機無機複合薄膜全体の固形分に対して、0.1〜50質量%、好ましくは10〜50質量%である。
2−5)金属酸化物粒子
本発明の金属酸化物粒子の金属としては、ケイ素、タングステン、アンチモン、ジルコニウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、鉄、スズ、亜鉛、カドミウム、ニッケル、銅、ベリウム、ルテニウム、トリウム、イットリウム、水銀、セシウム、クロム、ランタンなどが挙げられ、金属酸化物としては、シリカ、酸化タングステン、酸化アンチモン、ジルコニア、アルミナ、チタニア、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化イットリウム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化ベリウム、酸化ルテニウム、酸化トリウム、酸化水銀、酸化セリウム、酸化クロム等が挙げられる。
用いる金属酸化物粒子は、2次粒子であっても1次粒子であっても特に制限はないが、1次粒子であるのが好ましい。
金属酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは、50nm〜500nmである。
また、各金属酸化物粒子の表面を、シランカップリング剤等により、表面修飾されたものを用いることができ、具体的には、炭化水素基等で疎水性処理を施されたシリカゾル等を例示することができる。
金属酸化物粒子の配合割合は、有機無機複合体全体の固形分に対して、0.1〜50質量%、好ましくは10〜50質量%である。
2−6)その他の添加剤
また、第1層の着色防止、厚膜化、下地への紫外線透過防止、防蝕性の付与、耐熱性などの諸特性を発現させるために、別途、充填材を添加・分散させることも可能である。この充填材としては、例えば有機顔料、無機顔料などの非水溶性の顔料または顔料以外の粒子状、繊維状もしくは鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。この充填材の具体例としては、粒子状、繊維状もしくは鱗片状の鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーンブラック、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデンなどを挙げることができる。
その他、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシランなどの公知の脱水剤、各種界面活性剤、前記以外のシランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料、分散剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を添加することもできる。
2−7)第1層(有機無機複合薄膜)の製造法
(有機無機複合薄膜形成用溶液の調製)
本発明における有機無機複合薄膜の形成用溶液は、有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、有機高分子化合物の原料及び光重合開始剤、及び必要に応じて、金属化合物、シラノール縮合触媒、金属酸化物粒子、水及び/又は溶媒等のその他の成分を混合して調製される。
本発明の金属化合物はシラノール触媒としても機能するため、金属化合物を使用する場合は、シラノール触媒を使用しなくてもよい。
具体的には、たとえば、金属化合物を溶媒に混合し、所定量の水を加え、(部分)加水分解を行い、続いて、有機ケイ素化合物を添加して(部分)加水分解させる。一方、有機高分子化合物の原料を溶媒に溶解して光重合開始剤を添加し、その後、両溶液を混合する。これら4成分は、同時に混合することもでき、また、有機ケイ素化合物と金属化合物の混合方法については、有機ケイ素化合物と金属化合物を混合した後に、水を加えて(部分)加水分解する方法や、有機ケイ素化合物及び金属化合物を別々に(部分)加水分解したものを混合する方法を挙げることができる。水や溶媒を加える必要は必ずしもないが、水を加えて(部分)加水分解物としておくことが好ましい。所定量の水の量としては、金属化合物の種類にもよるが、例えば、金属化合物が2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物の場合、金属化合物1モルに対して、0.5モル以上の水を用いることが好ましく、0.5〜2モルの水を用いることがより好ましい。また、金属化合物が金属キレート化合物又は有機酸金属塩の場合、金属キレート化合物又は有機酸金属塩1モルに対して、5〜100モルの水を用いることが好ましく、5〜20モルの水を用いることがより好ましい。
本発明の有機ケイ素化合物の縮合物としては、有機ケイ素化合物を、公知のシラノール縮合触媒を用いて(部分)加水分解させたものを用いても良い。
本発明における有機無機複合薄膜の形成用組成物としては、上記の各成分に加え、水及び/又は溶媒等を含有することが好ましい。
用いる溶媒としては、特に制限されるものではなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;メタノール、エタノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール誘導体類等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
シラノール縮合触媒としては、前記金属化合物のほか、酸、塩基等が挙げられる。
酸としては、有機酸、鉱酸が挙げられ、具体的には例えば、有機酸としては酢酸、ギ酸、シュウ酸、炭酸、フタル酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等、鉱酸としては、塩酸、硝酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等が挙げられる。
ここで、光照射によって酸を発生する光酸発生剤、具体的には、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等も包含される。
塩基としては、テトラメチルグアニジン、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン等の強塩基類;有機アミン類、有機アミンのカルボン酸中和塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明における有機無機複合体形成用溶液中の固形分(有機ケイ素成分、有機高分子化合物の原料、金属化合物、金属酸化物粒子、シラノール縮合触媒、及び光重合開始剤等)としては、1〜98質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましい。
有機無機複合体形成用原料の固形分(有機ケイ素成分、有機高分子化合物の原料、金属化合物、金属酸化物粒子、シラノール縮合触媒、光重合開始剤等)の全質量に対する、有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、有機高分子化合物、金属化合物、金属酸化物粒子、光重合開始剤等の含有量は、上記有機無機複合膜中の含有量と同様である。
(有機無機複合薄膜の製造法)
本発明の有機無機複合薄膜の製造方法として、以下の工程を例示することができる。
第1工程:基材上に有機無機複合薄膜形成用溶液を塗工する工程
第2工程:熱及び/又は電磁線によって、塗工面を半硬化させて微細凹凸パターン形成用基材とする工程
第3工程:当該微細凹凸パターン形成用基材に所定の微細凹凸パターンが形成されたマスターモールドをインプリント法により押し付けて微細凹凸パターンを転写する工程
第4工程:転写した当該微細凹凸パターン形成用基材から該マスターモールドを除去した状態、又は除去しない状態で電磁線を照射することにより硬化させる工程
(第1工程)
本発明の有機無機複合薄膜形成用溶液を基材の上に塗工して行いうるが、各種の公知の積層方法が使用できる。例えばマイクログラビア塗工、コンマ塗工、バーコーター塗工、エアナイフ塗工、スピンコート塗工、ディップ塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、スプレー塗工などの方法により形成できる。
有機無機複合薄膜形成用溶液の塗布方法としては、公知の塗布方法を用いることができ、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法、スロットダイ塗工法、ダイコート法等を挙げることができる。
(第2工程)
基材への微細凹凸パターン形成用基材の形成は、基材上に有機無機複合薄膜形成用溶液を塗工等した後に、加熱及び/または電磁線を照射することにより半硬化させて行う。この工程により有機無機複合薄膜形成用溶液中の有機ケイ素化合物の縮合物が架橋し、有機無機複合薄膜層が半硬化する。また希釈溶媒等として有機溶剤を用いた時は、加熱により有機溶剤が除去される。加熱は通常40〜200℃、好ましくは50〜150℃である。加熱時間は通常10秒〜60分、好ましくは30秒〜10分である。
(第3工程)
基材上に積層された有機無機複合薄膜形成用溶液からの半硬化物である微細凹凸パターン形成用基材に、反射防止機能を有する凹凸構造が形成されたモールドを押し付けて、微細凹凸パターン形成用基材を変形させる。たとえば、油圧式プレス機により特定のパターン形成されたSiウェハモールドを用いて行う。
モールドの押し付けは、公知の手法により行うことができるが、通常、温度が20〜200℃において、5秒〜10分間行う。
(第4工程)
モールドを微細凹凸パターン形成用基材に押し付けたまま電磁線を照射してもよいし、モールドを微細凹凸パターン形成用基材が積層された基材上から取り除いた後、電磁線を照射することもよい。
電磁線としては、紫外線、X線、放射線、イオン化放射線、電離性放射線(α、β、γ線、中性子線、電子線)を用いることができ、350nm以下の波長を含む光が好ましい。
活性エネルギー線の照射には、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、カーボンアークランプ、キセノンアークランプ等の公知の装置を用いて行うことができ、照射する光源としては、150〜350nmの範囲のいずれかの波長の光を含む光源であることが好ましく、250〜310nmの範囲のいずれかの波長の光を含む光源であることがより好ましい。
また、半硬化状態の有機無機複合薄膜層を十分に硬化させるために照射する光の照射光量としては、例えば、0.1〜100J/cm程度が挙げられ、膜硬化効率(照射エネルギーと膜硬化程度の関係)を考慮すると、1〜10J/cm程度であることが好ましく、1〜5J/cm程度であることがより好ましい。
本発明において「350nm以下の波長を含む光」とは、350nm以下の波長のみならず、350nmよりも長い波長の紫外線も有するという意味である。これは、有機高分子化合物が光重合開始剤の存在下で紫外線の照射により重合反応を起こす官能基を有する化合物あるいは樹脂の場合、350nmを超える波長、好ましくは365nm付近に感光性を有するからである。
なお、「350nm以下の波長の光の照射」とは、350nm以下のいずれかの波長の光を成分とする光源を用いる照射、好ましくは、350nm以下のいずれかの波長の光を主成分とする光源を用いる照射、すなわち、最も成分量の多い波長が350nm以下の光源を用いる照射をいう。
本発明の有機無機複合薄膜(第1層)は、第2層との界面側に式(I)で表される有機ケイ素化合物の縮合物が濃縮した層を有し、該濃縮層の炭素原子の濃度は、第2層の表面より400nmの深さの第1層の炭素原子の濃度に比べて20%以上、好ましくは40%以上少ない。
本発明の有機ケイ素化合物の縮合物が濃縮した層はTEM(透過型電子顕微鏡)、あるいはESCA(X線光電子分光法)を用いることにより確認することが出来る。
本発明の有機無機複合薄膜の深さ方向における元素濃度は、ESCA分析によって測定することができる。
ここで、「炭素原子の濃度」とは、(全金属原子+酸素原子+炭素原子)を100%とした時の炭素原子のモル濃度を意味する。他の元素の濃度も同様である。
また、「有機ケイ素化合物の縮合物が濃縮した層」をESCA分析による炭素原子の濃度で規定しているが、濃縮した層では、ケイ素の濃度が高くなっている。
本発明においては、炭素濃度が低いほどケイ素濃度が高くなる関係にある。
有機ケイ素化合物の縮合物が濃縮した層の表面の有機物汚れや原料の有機基Rを分解し、表面をSiOに近い状態に変化させ、ぬれ性および密着性を向上させるには、以下の方法が好ましい。
第2層を形成する前に、第1層の表面を大気圧プラズマ処理やUVオゾン処理をする工程を設けても良い。
本発明に置いてプラズマ処理とは、窒素ガス雰囲気でのコロナ放電処理、あるいはヘリウム、アルゴンなどの希ガス雰囲気でのグロープラズマ処理である。
より具体的には、電極対の少なくとも一方を誘電体で被覆した平行平板電極間に、高周波数の高電圧を印加することでプラズマを発生させ、該電極間に基材層を保持する方法、あるいは該電極間で該基材層を移動させる方法が挙げられる。プラズマ処理には、大気圧プラズマ処理と真空プラズマ処理があるが、大気圧プラズマ処理では真空プラズマ処理に比して活性種の密度が高いために、高速、高効率で電極表面の処理ができ、また処理時に真空にする必要がないために、少ない工程数で処理ができるといった利点がある。
大気圧プラズマ処理は、大気圧プラズマ発生装置(例えば、株式会社魁半導体製の大気圧プラズマ装置S−5000、積水化学工業株式会社製の常圧プラズマ表面処理装置RDシリーズ等)を用いて行うことができる。
本発明においてUVオゾン処理とは、薄膜にUV(紫外線)を照射し、空気中の酸素をオゾンに変化させ、このオゾン及び紫外線により当該薄膜を改質することを意味する。
UV光源は、UV照射により酸素をオゾンに変化させることができれば、特に制限されない。UV光源としては、低圧水銀ランプが挙げられる。低圧水銀ランプは185nmと254nmのUV光を発生し、185nm線が酸素をオゾンに変化させることができる。照射の際の照度は、用いる光源により異なるが、一般的に数十〜数百mW/cmのものが使用されている。また、集光や拡散することで照度を変更することができる。照射時間は、ランプの照度及び前記未処理層の種類により異なるが、通常、1分〜24時間である。処理温度は、通常、10〜200℃である。また、UVの照射量(即ち、紫外線量)は、通常1J/cm以上であり、好ましくは1〜100000J/cmであり、より好ましくは10〜100000J/cmである。
3)第2層(透明導電性膜又はガスバリア膜)
本発明の第2層である透明導電性膜の材質は、導電性を有し透明な膜であれば特に限定されないが、具体的には、スズがドープされた酸化インジウム膜(ITO膜)、フッ素がドープされた酸化スズ膜(FTO膜)、アンチモンがドープされた酸化亜鉛膜やインジウムがドープされた酸化亜鉛膜等を例示することができる。
ガスバリア膜は、酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する限り特に制限はないが、好ましくは、無機化合物の薄膜であり、特に、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛から成る群より選ばれた金属元素を有する金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物又はそれらの複合物の薄膜が好ましい。
第2層の厚さは、通常10〜300nm、好ましくは10〜200nm、より好ましくは10〜100nmである。膜厚が10nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、透明導電性膜又はガスバリア膜としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また薄膜にフレキシビリティを保持させるという観点からは200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。
無機化合物からなる透明導電性膜又はガスバリア膜を第1層上に形成する方法は、公知の方法により形成することが可能であるが、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の物理的方法や、スプレー法、ディップ法、熱CVD法、プラズマCVD法等の化学的方法等により行うことができる。
たとえば、スパッター法等によれば、例えばケイ素化合物を酸素ガス存在下で焼結させたもの等をターゲットとして用いることにより、酸化ケイ素からなる膜を成膜することもできし、金属シリコンをターゲットとして酸素存在下で反応性スパッターすることによっても成膜することができる。また、プラズマCVD法によれば、シランガスを、酸素ガスおよび窒素ガスと共に、プラズマを発生させたチャンバーの中に供給し、反応させ、基板上に酸化窒化ケイ素からなる膜を成膜することができる。また、熱CVD法等によれば、例えばケイ素化合物を含有する有機溶媒溶液等を蒸発物として用いることにより、酸化ケイ素からなる膜を成膜することができる。
本発明においては、特に、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法又はプラズマCVD法により成膜するのが好ましい。
以下実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[実施例1]
1 有機無機複合材料の調製
ジイソプロポキシビスアセチルアセトナートチタン(日本曹達製、T−50、酸化チタン換算固形分量16.5質量%)50.7gをメチルイソブチルケトン97.6gに溶解させ、溶液[A−1]を作製した。有機ケイ素化合物としてビニルトリメトキシシラン[B−1](信越化学工業製、KBM−1003)97.7gと3−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン[B−2](信越化学工業製、KBM−503)70.2gを混合させた液[C−1](ビニルトリメトキシシラン/3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン=70/30:モル比)を使用した。元素比(Ti/Si=1/9)となるように上記[A−2]148.2gと[C−1]167.8gを混合し、さらにイオン交換水を34.3g(1倍モル/有機ケイ素化合物のモル数)を添加し、12時間攪拌させた[D−1]を作製した。
電磁線硬化性化合物として、タックフリーのウレタンアクリレートオリゴマーA93.8gとシリカ粒子分散液B319.0g(日産化学工業製、MIBK−SD)を加え混合させた。この溶液に光重合開始剤として2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、Irgacure907)をウレタンアクリレートオリゴマーの固形分に対して4質量%となるように溶解させ、溶液[E−1]を作製した。上記[E−1]に、[D−1]265.2gを混合させ。有機無機複合材料[F−1]を作製した。
2 有機無機複合薄膜上への凹凸パターン形成
モールドとしてNILテクノロジー社製の、反射防止構造を持つニッケル電鋳モールドを使用した。モールドは、あらかじめシリカ系界面活性剤からなる有機薄膜形成用有機溶媒溶液SAMLAY(登録商標)(日本曹達社製)で処理して離型性を付与した。
上記方法により調整した有機無機複合材料[F−1]を、PETフィルム(東洋紡績社製、コスモシャインA4300、厚さ100μm)にマイクログラビアコーター(康井電機製)で、4μm厚で塗工し、150℃で加熱乾燥した。
次に、PETフィルム上に塗工した有機無機複合材料の上に上記モールドを乗せ、ナノインプリント装置(明昌機工製 NANOIMPRINTER)を用いて60℃において、4MPaの圧力で3分間プレスした。モールドを取り除いた後、高圧水銀灯により、紫外線を照射した(照射量 1000mJ/cm@254nm)。AFM(SIIナノテクノロジー社製、SPI−3800N、SPA400ユニット)により有機無機複合材料面を観察したところ、250nmピッチパターンの良好な転写が確認できた。AFMの形状像(観察範囲2μm四方)およびSEM像(倍率5万倍)を図2に示す。
3 透明導電膜層の形成
凹凸形状を形成した有機無機複合薄膜上に、DCスパッタ法でスズがドープされた酸化インジウム膜(ITO膜)を約30nm積層した。透明導電層形成後のAFM形状像(観察範囲2μm四方)およびSEM像(倍率5万倍)を図3に示す。
[比較例1]
比較例として、上記実施例1の操作のうち、2までを行った。すなわち、透明導電膜層を形成しなかったものを作製した。
[比較例2]
上記実施例1と同じ操作で有機無機複合薄膜を作製し、凹凸パターンを形成せずに、透明導電層としてITO膜を約30nm積層したものを作製した。
(評価方法)
積層膜の評価として、以下の内容を実施した。
・濁度・全光線透過率・・・フィルム切片を色彩・濁度同時測定器(日本電色工業;COH 400)により測定。
・反射率・・・12°正反射率を分光光度計(日立;U−4100)により評価。測定波長は250nm〜850nm。フィルム裏面は紙やすり#100でこすり、裏面反射を抑制して測定した。
・密着性・・・テープ剥離試験を以下の要領で実施した。カッターナイフで積層膜を1mm間隔で10×10格子状に傷をつけ、セロテープ(登録商標)を消しゴムでこすりながら貼り付けた後、垂直方向に一気に引き剥がし、膜が剥離していない格子の数を数えた。
・表面形状・・・反射防止構造の形状評価は、上記AFMの他に、FE−SEM(JEOL製)により断面形状を評価した。
結果を表1に示す。
反射防止構造を付与した積層体実施例1は、反射防止構造の無い比較例2に比べて、全光線透過率が10%以上高くなり、12°正反射率が10%以上低下した。また、実施例1は、透明導電層を形成していない比較例1に比べると、全光線透過率、12°正反射率が劣ったが、AFMおよびSEM測定の結果、反射防止構造を保ったまま、透明導電層が形成されていることがわかった。
〔実施例2〕
1 有機無機複合材料の調製
〔実施例1〕と同様に行なった。
2 有機無機複合薄膜上への凹凸パターン形成
〔実施例1〕と同様に行なった。
3 ガスバリア膜層の形成
凹凸形状を形成した有機無機複合薄膜上に、窒素雰囲気下、シリコンをターゲットとしたDCスパッタ法で窒化酸化ケイ素膜(SiON膜)を約50nm積層した。ガスバリア層形成後のSEM像(倍率5万倍)を図4に示す。
[比較例3]
比較例として、上記実施例1の操作のうち、2までを行った、すなわち、ガスバリア膜層を形成しなかったものを作製した。
[比較例4]
上記実施例1と同じ操作で有機無機複合薄膜を作製し、凹凸パターンを形成せずに、ガスバリア層としてSiON膜を約50nm積層したものを作製した。
評価方法
実施例1と同様の条件で、濁度・全光線透過率、反射率、密着性及び表面形状について評価を行なった。
結果を表2に示す。
反射防止構造を付与した積層体実施例2は、反射防止構造の無い比較例4に比べて、全光線透過率が9%以上高くなり、12°正反射率が12%以上低下した。また、実施例2は、ガスバリア層を形成していない比較例3に比べると、全光線透過率、12°正反射率が劣ったが、SEM測定の結果、反射防止構造を保ったまま、ガスバリア層が形成されていることがわかった。

Claims (4)

  1. 樹脂基体上に、第1層、第2層の順に形成された薄膜積層体において、
    第1層が、
    a)式(I)
    SiX4−n (I)
    (式中、RはSiに炭素原子が直接結合した有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物の縮合物、
    b)有機高分子化合物
    を含有する、膜厚500nm以上の有機無機複合薄膜であり、
    第2層が、膜厚10nm〜300nmの透明導電性膜またはガスバリア膜であり、
    第2層の表面は、高さ40nm〜500nm、ピッチ50nm〜400nmの微細凸凹構造が形成されており、
    波長500nm〜700nmにおける入射角12°の表面正反射率が3%以下であることを特徴とする機能性反射防止積層体。
  2. 第1層の有機無機複合薄膜が、さらに、平均粒子径が50nm〜500nmの金属酸化物粒子の集合体を含有することを特徴とする請求項1に記載の機能性反射防止積層体。
  3. 第1層の有機無機複合薄膜が、さらに金属元素がチタン、ジルコニウム、アルミニウム、スズ、鉛、タンタル又はケイ素の少なくとも1種である金属化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性反射防止積層体。
  4. 第1層は、第2層との界面側に式(I)で表される有機ケイ素化合物の縮合物が濃縮した層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の機能性反射防止積層体。
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