JPWO2013157459A1 - 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

感度および密着性、耐熱透明性のすべてに優れた感光性樹脂組成物の提供。(A)下記(1)および(2)の少なくとも一方を満たす重合体を含む重合体成分、(1)(a1)酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位、および(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体、(2)(a1)酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位を有する重合体、および(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体、(B)光酸発生剤、(C)下記一般式(I)で表される化合物、および、(D)溶剤を含有する感光性樹脂組成物。

Description

本発明は感光性樹脂組成物に関する。特に、化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物に関する。また、感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法、該感光性組成物を硬化してなる硬化膜、該硬化膜を用いた各種画像表示装置に関する。
さらに詳しくは、液晶表示装置、有機EL表示装置、集積回路素子、固体撮像素子などの電子部品の平坦化膜、保護膜や層間絶縁膜の形成に好適な、ポジ型感光性樹脂組成物およびそれを用いた硬化膜の製造方法に関する。
有機EL表示装置や液晶表示装置などには、輝度向上、消費電力低減などの観点から層間絶縁膜が設けられている。この層間絶縁膜の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少なく、しかも十分な平坦性が得られるといったことから、感光性樹脂組成物が広く使用されている。
ここで、上記のような感光性樹脂組成物を用いてパターン形成された層間絶縁膜は、現像後および加熱硬化後に密着に優れ、耐熱透明性に優れるといった、信頼性の高い効果膜であることが求められる。また、近年は有機EL表示装置や液晶表示装置を生産性良く製造するため、感光性樹脂組成物の高感度化が求められている。
従来、高感度な感光性樹脂組成物として例えば、アセタール構造またはケタール構造を有するバインダーを用いた特許文献1などが知られている。密着改良剤としてシランカップリング剤が見当されているものの、これらの組成物では、満足のいく密着性が達成できていなかった。また、基板との相互作用を考え、アミン類を使用することにより密着性が向上するという考え方があるものの、添加量の増大に応じて感度が下がってしまうという欠点があり、感度と密着性の両立が達成できていなかった。また、アセタール構造を有するバインダーは一般に保存安定性があまり高くなく、そのため、安定性を損なわない密着改良剤を見出すことが望まれていた。
特開2011−221494号公報
本願発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、感度および密着性、耐熱透明性のすべてに優れた感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者が上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、感光性樹脂組成物において、下記一般式(I)で表される化合物(以下、「特定の含硫黄化合物」とも称する)を添加することにより、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、特定の含硫黄化合物のS−S結合の分解によりラジカルが発生し、透明性に悪影響を与える化合物に攻撃し、結果として、透明性等を向上させることを見出した。
具体的には、以下の手段<1>により、好ましくは、<2>〜<15>により上記課題は解決された。
<1>(A)下記(1)および(2)の少なくとも一方を満たす重合体を含む重合体成分、
(1)(a1)酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位、および(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体、
(2)(a1)酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位を有する重合体、および(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体、
(B)光酸発生剤、
(C)下記一般式(I)で表される化合物、および、
(D)溶剤
を含有する感光性樹脂組成物。
一般式(I)
Figure 2013157459
(一般式(I)中、R11およびR12は、それぞれ、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基および複素環基の少なくとも1つを含む基を表し、nは2〜4の整数を表す。)
<2>一般式(I)中、R11およびR12が、それぞれ、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基である、<1>に記載の感光性樹脂組成物。
<3>一般式(I)中、R11およびR12が、それぞれ、炭素数1〜10アルキル基または、炭素数6〜11のアリール基である、<1>に記載の感光性樹脂組成物。
<4>(C)一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする、<1>に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2013157459
(一般式(II)中、R21およびR22は、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、LおよびLは、それぞれ、アルキレン基またはアリーレン基を表し、L11およびL22は、それぞれ、*−O−C(=O)−または*−NH−C(=O)−を表す。*側でLまたはLと結合する。)
<5>上記構成単位(a1)が、カルボキシル基がアセタールの形で保護された残基を有する構成単位である<1>〜<4>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<6>上記構成単位(a1)が、下記式(A2’)で表される構成単位である、<1>〜<4>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
式(A2’)
Figure 2013157459
(式中、RおよびRは、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、少なくともRおよびRのいずれか一方がアルキル基またはアリール基であり、Rは、アルキル基またはアリール基を表し、RまたはRと、Rとが連結して環状エーテルを形成してもよく、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Xは単結合またはアリーレン基を表す。)
<7>上記架橋性基が、エポキシ基、オキセタニル基、−NH−CH−OR(Rは炭素数1〜20のアルキル基)から選ばれる少なくとも1種である<1>〜<6>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<8>上記感光性樹脂組成物が、化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物である、<1>〜<7>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<9>(B)光酸発生剤が、オキシムスルホネート化合物またはオニウム塩化合物である、<1>〜<8>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
<10>(1)<1>〜<9>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に適用する工程、
(2)適用された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する工程、
(3)活性放射線で露光する工程、
(4)水性現像液で現像する工程、および、
(5)熱硬化するポストベーク工程、を含むことを特徴とする硬化膜の製造方法。
<11>上記現像工程後、ポストベーク工程前に、全面露光する工程を含む、<10>に記載の硬化膜の製造方法。
<12>上記基板が金属基板である、<10>または<11>に記載の硬化膜の製造方法。
<13><1>〜<9>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
<14>層間絶縁膜である、<13>に記載の硬化膜。
<15><13>または<14>に記載の硬化膜を有する、液晶表示装置または有機EL表示装置。
本発明によれば、密着性、耐熱透明性のすべてに両方に優れた感光性樹脂組成物を提供することができる。
有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。 液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。液晶表示装置におけるアクティブマトリックス基板の模式的断面図を示し、層間絶縁膜である硬化膜17を有している。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
[感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)下記(1)および(2)の少なくとも一方を満たす重合体を含む重合体成分、(B)光酸発生剤、(C)下記一般式(I)で表される化合物、および、
(D)溶剤を含有することを特徴とする。
(1)(a1)酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位、および(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体、
(2)(a1)酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位を有する重合体、および(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体、
一般式(I)
Figure 2013157459
(一般式(I)中、R11およびR12は、それぞれ、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基および複素環基の少なくとも1つを含む基を表し、nは2〜4の整数を表す。)
本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型感光性樹脂組成物である。また、本発明の感光性樹脂組成物は、化学増幅型のポジ型感光性樹脂組成物(化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物)であることが好ましい。
以下、本発明の感光性樹脂組成物について各成分の好ましい態様を順に説明する。
<(A)成分>
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)成分として、(A)下記(1)および(2)の少なくとも一方を満たす重合体成分を含む。
(1)(a1)酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位、および(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体、
(2)(a1)酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位を有する重合体、および(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体
ここで、上記(1)の態様では、少なくとも1種類の重合体を含み、該重合体が(a1)酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位、および(a2)架橋性基を有する構成単位を有する態様である。かかる重合体は、さらに、他の繰り返し単位を含んでいてもよい。また、構成単位(a1)や構成単位(a2)は、それぞれ、2種類以上含んでいてもよい。
上記(2)の態様では、少なくとも2種類の重合体を含み、該重合体の少なくとも1種が、構成単位(a1)を有し、上記重合体の他の少なくとも1種が、構成単位(a2)を有する態様である。
さらに、(2)の態様において、構成単位(a1)を含む重合体がさらに、構成単位(a2)や他の構成単位を含んでいても良い。同様に、構成単位(a2)を含む重合体が、構成単位(a1)や他の構成単位を含んでいても良い。このような場合、(1)と(2)の両方を満たす態様となる。本明細書中、特に断りなく「成分A」という場合は、上記いずれの重合体成分も含む趣旨である。
本発明の好ましい第一の実施形態として、(A)成分として、重合体を2種類以上含み、該重合体の少なくとも1種は、少なくとも酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位を有する重合体であり、上記重合体の他の少なくとも1種は、少なくとも架橋性基を有する構成単位を有する重合体である。分子設計の自由度の観点からは、上記少なくとも酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位を有する重合体が、構成単位(a2)を実質的に含まず、少なくとも架橋性基を有する構成単位を有する重合体が、実質的に構成単位(a1)を含まないことがより好ましい。ここで、実質的に含まないとは、例えば、全構成単位に対する割合が3モル%以下、さらには1モル%以下であることをいう。
本発明の好ましい第二の実施形態として、相溶性の観点から、上記構成単位(a1)を含有する重合体が上記構成単位(a2)を含有する態様が挙げられる。
さらに、第三の態様として、重合体成分(A)として、上記第一の実施形態の重合体と第二の実施形態の重合体が並存する態様も考えられる。
(A)成分は、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来する構成単位を含む重合体であることがより好ましい。なお、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来する構成単位以外の構成単位、例えば、スチレンに由来する構成単位や、ビニル化合物に由来する構成単位等を有していてもよい。
上記(A)成分は、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来する構成単位を、重合体における全構成単位に対し、50モル%以上含有することが好ましく、90モル%以上含有することがより好ましく、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来する構成単位のみからなる重合体であることが特に好ましい。
なお、「(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来する構成単位」を「アクリル系構成単位」ともいう。また、「(メタ)アクリル酸」は、「メタクリル酸および/またはアクリル酸」を意味するものとする。
(A)成分はアルカリ不溶性であることが好ましく、かつ、構成単位(a1)が有する酸分解性基が分解したときにアルカリ可溶性となる樹脂であることが好ましい。ここで、酸分解性基とは酸の存在下で分解することが可能な官能基を意味する。すなわち、カルボキシル基が酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位は、酸により保護基が分解することによって、カルボキシル基を生成可能であり、また、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位は、酸により保護基が分解することによって、フェノール性水酸基を生成可能である。ここで、本発明において「アルカリ可溶性」とは、当該化合物(樹脂)の溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成される当該化合物(樹脂)の塗膜(厚さ3μm)の、23℃における0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、0.01μm/秒以上であることをいい、「アルカリ不溶性」とは、当該化合物(樹脂)の溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成される当該化合物(樹脂)の塗膜(厚さ3μm)の、23℃における0.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、0.01μm/秒未満であることをいう。
上記(A)共重合体は、後述するカルボキシル基、カルボン酸無水物由来の構造および/またはフェノール性水酸基を有するその他の構成単位等を有していてもよい。但し、酸性基の導入をする場合は、上記(A)共重合体全体をアルカリ不溶性に保つ範囲で、導入することが好ましい。
<<(a1)酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位>>
(A)成分は、(a1)酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位を少なくとも有する。(A)成分が構成単位(a1)を有することにより、極めて高感度な感光性樹脂組成物とすることができる。
本発明における構成単位(a1)は、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位または酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位を含有することが好ましい。
以下、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)と、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)について、順にそれぞれ説明する。
<<<(a1−1)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位>>>
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)は、カルボキシル基を有する構成単位のカルボキシル基が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護カルボキシル基を有する構成単位である。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)に用いることができる上記カルボキシル基を有する構成単位としては、特に制限はなく公知の構成単位を用いることができる。例えば、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)や、エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位(a1−1−2)が挙げられる。
以下、上記カルボキシル基を有する構成単位として用いられる(a1−1−1)分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位と、(a1−1−2)エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位について、それぞれ順に説明する。
<<<<(a1−1−1)分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位>>>>
上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)として本発明で用いられる不飽和カルボン酸としては以下に挙げるようなものが用いられる。すなわち、不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、けい皮酸などが挙げられる。また、不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。また、カルボキシル基を有する構成単位を得るために用いられる不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物であってもよい。具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸は、多価カルボン酸のモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などが挙げられる。さらに、不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。また、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等も用いることができる。
中でも、現像性の観点から、上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)を形成するためには、アクリル酸、メタクリル酸、または不飽和多価カルボン酸の無水物等を用いることが好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸を用いることがより好ましい。
上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)は、1種単独で構成されていてもよいし、2種以上で構成されていてもよい。
<<<<(a1−1−2)エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位>>>>
エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位(a1−1−2)は、エチレン性不飽和基を有する構成単位中に存在する水酸基と酸無水物とを反応させて得られたモノマーに由来する単位であることが好ましい。
上記酸無水物としては、公知のものが使用でき、具体的には、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物などの酸無水物が挙げられる。これらの中では、現像性の観点から、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、または無水コハク酸、が好ましい。
上記酸無水物の水酸基に対する反応率は、現像性の観点から、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。
<<<<構成単位(a1−1)に用いることができる酸分解性基>>>>
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)に用いることができる上記酸分解性基としては、酸分解性基として公知のものを使用でき特に限定されない。従来、酸分解性基としては、酸により比較的分解し易い基(例えば、テトラヒドロピラニル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的分解し難い基(例えば、tert−ブチルエステル基、tert−ブチルカーボネート基等のtert−ブチル系官能基)が知られている。
これらの酸分解性基の中でもアセタール系官能基が、感光性樹脂組成物の基本物性、特に感度やパターン形状、コンタクトホールの形成性、感光性樹脂組成物の保存安定性の観点から好ましい。さらに酸分解性基で保護された保護カルボキシル基の中でもカルボキシル基が下記一般式(a1−1)で表されるアセタールの形で保護された保護カルボキシル基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、カルボキシル基が下記一般式(a1−1)で表されるアセタールの形で保護された保護カルボキシル基である場合、保護カルボキシル基の全体としては、−(C=O)−O−CR101102(OR103)の構造となっている。
一般式(a1−1)
Figure 2013157459
(式(a1−1)中、R101およびR102は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、但し、R101とR102とが共に水素原子の場合を除く。R103は、アルキル基を表す。R101またはR102と、R103とが連結して環状エーテルを形成してもよい。)
上記一般式(a1−1)中、R101〜R103は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、該アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。ここで、R101およびR102の双方が水素原子を表すことはなく、R101およびR102の少なくとも一方はアルキル基を表す。
上記一般式(a1−1)において、R101、R102およびR103がアルキル基を表す場合、該アルキル基は直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。
上記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜12であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜4であることがさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基(2,3−ジメチル−2−ブチル基)、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
上記環状アルキル基としては、炭素数3〜12であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましく、炭素数4〜6であることがさらに好ましい。上記環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。
上記アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基が例示できる。置換基としてハロゲン原子を有する場合、R101、R102、R103はハロアルキル基となり、置換基としてアリール基を有する場合、R101、R102、R103はアラルキル基となる。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、これらの中でもフッ素原子または塩素原子が好ましい。
また、上記アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜12であり、具体的には、フェニル基、α−メチルフェニル基、ナフチル基等が例示でき、アリール基で置換されたアルキル基全体、すなわち、アラルキル基としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が例示できる。
上記アルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4であり、メトキシ基またはエトキシ基がより好ましい。
また、上記アルキル基がシクロアルキル基である場合、該シクロアルキル基は置換基として炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有していてもよく、アルキル基が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である場合には、置換基として炭素数3〜12のシクロアルキル基を有していてもよい。
これらの置換基は、上記置換基でさらに置換されていてもよい。
上記一般式(a1−1)において、R101、R102およびR103がアリール基を表す場合、該アリール基は炭素数6〜12であることが好ましく、炭素数6〜10であることがより好ましい。該アリール基は置換基を有していてもよく、該置換基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく例示できる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、シリル基、クメニル基、1−ナフチル基等が例示できる。
また、R101、R102およびR103は互いに結合して、それらが結合している炭素原子と
一緒になって環を形成することができる。R101とR102、R101とR103またはR102とR103が結合した場合の環構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、テトラヒドロフラニル基、アダマンチル基およびテトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
なお、上記一般式(a1−1)において、R101およびR102のいずれか一方が、水素原子またはメチル基であることが好ましい。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)の好ましい態様は、式(A2’)で表される構成単位である。
式(A2’)
Figure 2013157459
(式中、RおよびRは、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、少なくともRおよびRのいずれか一方がアルキル基またはアリール基であり、Rは、アルキル基またはアリール基を表し、RまたはRと、Rとが連結して環状エーテルを形成してもよく、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Xは単結合またはアリーレン基を表す。)
およびRがアルキル基の場合、炭素数は1〜10のアルキル基が好ましい。RおよびRがアリール基の場合、フェニル基が好ましい。RおよびRは、それぞれ、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
は、アルキル基またはアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、1〜6のアルキル基がより好ましい。
Xは単結合またはアリーレン基を表し、単結合が好ましい。
上記一般式(a1−1)で表される保護カルボキシル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、Rは水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2013157459
<<<(a1−2)酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位>>>
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)は、フェノール性水酸基を有する構成単位が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位である。
<<<<(a1−2−1)フェノール性水酸基を有する構成単位>>>>
上記フェノール性水酸基を有する構成単位としては、ヒドロキシスチレン系構成単位やノボラック系の樹脂における構成単位が挙げられるが、これらの中では、ヒドロキシスチレン、またはα−メチルヒドロキシスチレンに由来する構成単位が、透明性の観点から好ましい。フェノール性水酸基を有する構成単位の中でも、下記一般式(a1−2)で表される構成単位が透明性、感度の観点から好ましい。
一般式(a1−2)
Figure 2013157459
(一般式(a1−2)中、R220は水素原子またはメチル基を表し、R221は単結合または二価の連結基を表し、R222はハロゲン原子または炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表し、aは1〜5の整数を表し、bは0〜4の整数を表し、a+bは5以下である。なお、R222が2以上存在する場合、これらのR222は相互に異なっていてもよいし同じでもよい。)
上記一般式(a1−2)中、R220は水素原子またはメチル基を表し、メチル基であることが好ましい。
また、R221は単結合または二価の連結基を示す。単結合である場合には、感度を向上させることができ、さらに硬化膜の透明性を向上させることができるので好ましい。R221の二価の連結基としてはアルキレン基が例示でき、R221がアルキレン基である具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。中でも、R221が単結合、メチレン基、エチレン基であることが好ましい。また、上記二価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。また、aは1〜5の整数を表すが、本発明の効果の観点や、製造が容易であるという点から、aは1または2であることが好ましく、aが1であることがより好ましい。
また、ベンゼン環における水酸基の結合位置は、R221と結合している炭素原子を基準(1位)としたとき、4位に結合していることが好ましい。
222はハロゲン原子または炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状のアルキル基である。
具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。中でも製造が容易であるという点から、塩素原子、臭素原子、メチル基またはエチル基であることが好ましい。
また、bは0または1〜4の整数を表す。
<<<<構成単位(a1−2)に用いることができる酸分解性基>>>>
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)に用いることができる上記酸分解性基としては、上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)に用いることができる上記酸分解性基と同様に、公知のものを使用でき、特に限定されない。酸分解性基の中でもアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位であることが、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状、感光性樹脂組成物の保存安定性、コンタクトホールの形成性の観点から好ましい。
さらに、酸分解性基の中でもフェノール性水酸基が上記一般式(a1−1)で表されるアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、フェノール性水酸基が上記一般式(a1−1)で表されるアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基である場合、保護フェノール性水酸基の全体としては、−Ar−O−CR101102(OR103)の構造となっている。なお、Arはアリーレン基を表す。
フェノール性水酸基のアセタールエステル構造の好ましい例は、R101=R102=R103=メチル基やR101=R102=メチル基でR103=ベンジル基の組み合わせが例示できる。
また、フェノール性水酸基がアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、特開2011−215590号公報の段落番号0042に記載のものなどが挙げられる。
これらの中で、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートのテトラヒドロピラニル保護体、が透明性の観点から好ましい。
フェノール性水酸基のアセタール保護基の具体例としては、1−アルコキシアルキル基が挙げられ、例えば、1−エトキシエチル基、1−メトキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチル基、1−ベンジルオキシエチル基などを挙げることができ、これらは単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、フェノール性水酸基を有する化合物を酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させることにより合成することができる。上記の合成はフェノール性水酸基を有するモノマーをその他のモノマーと予め共重合させておき、その後に酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させてもよい。
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2013157459
Figure 2013157459
Figure 2013157459
<<<構成単位(a1)の好ましい態様>>>
上記構成単位(a1)を含有する重合体が、実質的に、構成単位(a2)を含まない場合、構成単位(a1)は、該構成単位(a1)を含有する重合体中、5〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましい。
上記構成単位(a1)を含有する重合体が、上記構成単位(a2)を含有する場合、単構成単位(a1)は、該構成単位(a1)と構成単位(a2)を含有する重合体中、感度の観点から3〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。また、特に上記構成単位(a1)に用いることができる上記酸分解性基がカルボキシル基がアセタールの形で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位である場合、10〜40モル%がさらに好ましい。
本発明では、さらに、いずれの態様にかかわらず、(A)成分の全構成単位中、構成単位(a1)を3〜70モル%含有することが好ましく、10〜60モル%含有することがより好ましい。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)は、上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)に比べると、現像が速いという特徴がある。よって、速く現像したい場合には酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)が好ましい。逆に現像を遅くしたい場合には酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)を用いることが好ましい。
<<(a2)架橋基を有する構成単位>>
(A)成分は、架橋基を有する構成単位(a2)を有する。上記架橋基は、加熱処理で硬化反応を起こす基であれば特に限定はされない。好ましい架橋基を有する構成単位の態様としては、オキシラニル基、オキセタニル基、−NH−CH−OR(Rは炭素数1〜20のアルキル基)およびエチレン性不飽和基よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含む構成単位が挙げられる。
その中でも、本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)成分が、オキシラニル基およびオキセタニル基のうち少なくとも1つを含む構成単位を含むことがより好ましく、オキセタニル基を含む構成単位を含むことが特に好ましい。より詳細には、以下のものが挙げられる。
<<<(a2−1)オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有する構成単位>>>
上記(A)共重合体は、オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有する構成単位(構成単位(a2−1))を含有することが好ましい。上記3員環の環状エーテル基はオキシラニル基とも呼ばれ、4員環の環状エーテル基はオキセタニル基とも呼ばれる。上記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有する構成単位(a2−1)としては、脂環オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有する構成単位であることが好ましく、オキセタニル基を有する構成単位であることがより好ましい。
上記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有する構成単位(a2−1)は、1つの構成単位中にオキシラニル基またはオキセタニル基を少なくとも1つ有していればよく、1つ以上のオキシラニル基および1つ以上オキセタニル基、2つ以上のオキシラニル基、または、2つ以上のオキセタニル基を有していてもよく、特に限定されないが、オキシラニル基および/またはオキセタニル基を合計1〜3つ有することが好ましく、オキシラニル基および/またはオキセタニル基を合計1または2つ有することがより好ましく、オキシラニル基またはオキセタニル基を1つ有することがさらに好ましい。
オキシラニル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、α−エチルアクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、特許第4168443号公報の段落番号0031〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物などが挙げられる。
オキセタニル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、特開2001−330953号公報の段落番号0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどを挙げることができる。
上記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有する構成単位(a2−1)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、メタクリル酸エステル構造を含有するモノマー、アクリル酸エステル構造を含有するモノマーであることが好ましい。
これらのモノマーの中で、さらに好ましいものとしては、特許第4168443号公報の段落番号0034〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物および特開2001−330953号公報の段落番号0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、特に好ましいものとしては特開2001−330953号公報の段落番号0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。これらの中でも好ましいものは、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、および、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルであり、最も好ましいものはアクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、および、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルである。これらの構成単位は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有する構成単位(a2−1)としては、特開2011−215590号公報の段落番号0053〜0055の記載を参酌できる。
上記オキシラニル基および/またはオキセタニル基を有する構成単位(a2−1)の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2013157459
本発明において、感度の観点からは、オキセタニル基が好ましい。また、透過率(透明性)の観点からは、脂環オキシラニル基およびオキセタニル基が好ましい。以上より、本発明においては、オキシラニル基および/またはオキセタニル基としては、脂環オキシラニル基およびオキセタニル基が好ましく、オキセタニル基が特に好ましい。
<<<(a2−2)エチレン性不飽和基を有する構成単位>>>
上記架橋基を有する構成単位(a2)の1つとして、エチレン性不飽和基を有する構成単位(a2−2)が挙げられる(以下、「構成単位(a2−2)」ともいう。)。上記エチレン性不飽和基を有する構成単位(a2−2)としては、側鎖にエチレン性不飽和基を有する構成単位が好ましく、末端にエチレン性不飽和基を有し、炭素数3〜16の側鎖を有する構成単位がより好ましく、下記一般式(a2−2−1)で表される側鎖を有する構成単位がさらに好ましい。
一般式(a2−2−1)
Figure 2013157459
(一般式(a2−2−1)中、R301は炭素数1〜13の二価の連結基を表し、R302は水素原子またはメチル基を表し、*は架橋基を有する構成単位(a2)の主鎖に連結する部位を表す。)
301は、炭素数1〜13の二価の連結基であって、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリーレン基またはこれらを組み合せた基を含み、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合等の結合を含んでいてもよい。また、二価の連結基は、任意の位置にヒドロキシ基、カルボキシル基等の置換基を有していてもよい。R301の具体例としては、下記の二価の連結基が挙げられる。
Figure 2013157459
上記一般式(a2−2−1)で表される側鎖の中でも、上記R301で表される2価の連結基を含めて脂肪族の側鎖が好ましい。
その他(a2−2)エチレン性不飽和基を有する構成単位については、特開2011−215580号公報の段落番号0077〜0090の記載を参酌できる。
<<<(a2−3)−NH−CH−O−R(Rは炭素数1〜20のアルキル基)で表される部分構造を有する構成単位>>>
本発明で用いる共重合体は、−NH−CH−O−R(Rは炭素数1〜20のアルキル基)で表される部分構造を有する構成単位(a2−3)も好ましい。構成単位(a2−3)を有することで、緩やかな加熱処理で硬化反応を起こすことができ、諸特性に優れた硬化膜を得ることができる。ここで、Rは炭素数1〜9のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。また、アルキル基は、直鎖、分岐または環状のアルキル基のいずれであってもよいが、好ましくは、直鎖または分岐のアルキル基である。構成単位(a2)は、より好ましくは、下記一般式(1)で表される基を有する構成単位である。
一般式(1)
Figure 2013157459
(上記式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
は、炭素数1〜9のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がさらに好ましい。また、アルキル基は、直鎖、分岐または環状のアルキル基のいずれであってもよいが、好ましくは、直鎖または分岐のアルキル基である。
の具体例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、シクロヘキシル基、およびn−ヘキシル基を挙げることができる。中でもi−ブチル基、n−ブチル基、メチル基が好ましい。
<<<構成単位(a2)の好ましい態様>>>
上記構成単位(a2)を含有する重合体が、実質的に、構成単位(a1)を含まない場合、構成単位(a1)は、該構成単位(a1)を含有する重合体中、5〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましい。
上記構成単位(a2)を含有する重合体が、上記構成単位(a1)を含有する場合、単構成単位(a1)は、該構成単位(a1)と構成単位(a2)を含有する重合体中、感度の観点から3〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。
本発明では、さらに、いずれの態様にかかわらず、(A)成分の全構成単位中、構成単位(a2)を3〜70モル%含有することが好ましく、10〜60モル%含有することがより好ましい。
上記の数値の範囲内であると、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の透明性およびITOスパッタ耐性が良好となる。
<<(a3)その他の構成単位>>
本発明において、(A)成分は、上記構成単位(a1)および(a2)に加え、その他の構成単位(a3)を有していてもよい。その他の構成単位(a3)となるモノマーとしては、特に制限は無い。例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物類、マレイミド化合物類、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、その他の不飽和化合物を挙げることができる。
具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、エチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレートなどによる構成単位を挙げることができる。この他、特開2004−264623号公報の段落番号0021〜0024に記載の化合物を挙げることができる。
中でも、(最終)加熱処理で構成単位(a2)や別添加の架橋剤と反応する基を有するその他の構成単位(a3)が、膜強度の観点で好ましい。
具体的にはアルコール性水酸基を有する基が好ましく、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルが特に好ましい。上記(最終)加熱処理で構成単位(a2)や別添加の架橋剤と反応する基を有するその他の構成単位(a3)の、全(A)成分に対する割合は、1〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、10〜30モル%であることが特に好ましい。
また、上記(A)成分は、保護されていないカルボキシル基を有する構成単位、または、保護されていないフェノール性水酸基を有する構成単位を全(A)成分に対して1〜50モル%含有することが感度の点で好ましく、3〜40モル%であることがより好ましく、5〜20モル%であることが特に好ましい。上記保護されていないカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する構成単位としては、公知の酸性基を有するモノマーを挙げることができ、そのなかでもヒドロキシスチレン類や(メタ)アクリル酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
上記その他の構成単位(a3)となるモノマーは、単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、その他の構成単位(a3)としてスチレン類、脂肪族環式骨格を有する基が、電気特性の観点で好ましい。具体的にはスチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、その他の構成単位(a3)として(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、密着性の観点で好ましい。具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等が挙げられる。
(A)成分について、上述したいずれの態様においても、構成単位(a3)成分を有することができ、複数種を併用することも可能である。
本発明では、アセタールの形で保護されたカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する構成単位と、保護されていないカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する構成単位を共に含むことが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、(A)重合体成分は、溶剤を除く成分の70重量%以上を占めることが好ましく、90重量%以上を占めることがより好ましい。
<<(A)共重合体の分子量>>
(A)共重合体の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは2,000〜50,000の範囲である。上記の数値の範囲内であると、感度とITO適性とが良好である。
数平均分子量と重量平均分子量の比(分散度)は1.0〜5.0が好ましく1.5〜3.5がより好ましい。
<<(A)共重合体の製造方法>>
また、(A)成分の合成法についても、様々な方法が知られているが、一例を挙げると、少なくとも上記(a1)および上記(a2)で表される構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体を含むラジカル重合性単量体混合物を有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。また、いわゆる高分子反応で合成することもできる。
共重合体(A)の具体例としては、(1)を満たす例として
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(45/8/35/12)、
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸アリル/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体(35/10/30/5/15/15)、
メタクリル酸1−シクロヘキシルオキシエチル/メタクリル酸/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/スチレン共重合体(40/8/35/12/5)、
メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル/メタクリル酸/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/スチレン共重合体(35/10/15/15/15/10)、
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/N−メトキシメチルアクリルアミド/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(40/5/40/5/10)、
メタクリル酸テトラヒドロピラン−2−イル/メタクリル酸/メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル共重合体(42/11/25/18/4)、
を挙げる事ができる
(2)を満たす例として、
メタクリル酸1−エトキシエチル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/メタクリル酸ベンジル共重合体(60/10/10/20)とメタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/メタクリル酸ベンジル共重合体(60/10/10/20)の組み合わせ、
メタクリル酸テトラヒドロピラン−2−イル/メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/メタクリル酸ジシクロペンタニル共重合体(65/5/10/20)とメタクリル酸グリシジル/N−メトキシメチルアクリルアミド/メタクリル酸/メタクリル酸ジシクロペンタニル/スチレン共重合体(50/15/5/15/15)の組み合わせ等を挙げる事ができる。
<(B)光酸発生剤>
本発明で使用される光酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。本発明で使用される光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましい。
(B)成分は、感度の観点からオニウム塩化合物またはオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。これらの中でも電気特性の観点でオキシムスルネートがより好ましい。オキシムスルホネート化合物を酸発生剤として用いた場合に、着色する副生成物としてイミンが2量化した化合物が副生する。あくまで推定ではあるが、その着色物質を一般式(C)で表される化合物のS−Sの分解により生じたラジカルが攻撃することで、着色を抑制と考えている。
光酸発生剤の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、スルホニウム塩やヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、および、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、絶縁性の観点から、オキシムスルホネート化合物を用いることが好ましい。これら光酸発生剤は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、第四級アンモニウム塩類、およびジアゾメタン誘導体の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落番号0077〜0078に記載の化合物が例示できる。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物が好ましく例示できる。
一般式(B1)
Figure 2013157459
(一般式(B1)中、R21は、アルキル基、アリール基、フッ化アルキル基、フッ化アルキル基を表す。波線は他の基との結合を表す。)
いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されてもよい。
21のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基またはナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、低級アルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子で置換されてもよい。
上記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する上記化合物は、下記一般式(B2)で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
Figure 2013157459
(式(B2)中、R42は、アルキル基、アリール基、フッ化アルキル基、フッ化アルキル基を表し、Xは、アルキル基、アルコキシ基、または、ハロゲン原子を表し、m4は、0〜3の整数を表し、m4が2または3であるとき、複数のXは同一でも異なっていてもよい。)
Xとしてのアルキル基は、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。
Xとしてのアルコキシ基は、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルコキシ基が好ましい。
Xとしてのハロゲン原子は、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
m4は、0または1が好ましい。
上記一般式(B2)中、m4が1であり、Xがメチル基であり、Xの置換位置がオルト位であり、R42が炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニルメチル基、またはp−トルイル基である化合物が特に好ましい。
上記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記一般式(B3)で表されるオキシムスルホネート化合物であることもより好ましい。
Figure 2013157459
(式(B3)中、R43は式(B2)におけるR42と同義であり、Xは、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、n4は0〜5の整数を表す。)
上記一般式(B3)におけるR43としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、p−トリル基、4−クロロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基が好ましく、n−オクチル基が特に好ましい。
としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
n4としては、0〜2が好ましく、0〜1が特に好ましい。
上記一般式(B3)で表される化合物の具体例としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−〔(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル、α−〔(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリルを挙げることができる。
好ましいオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記化合物(i)〜(viii)等が挙げられ、1種単独で使用、または、2種類以上を併用することができる。化合物(i)〜(viii)は、市販品として、入手することができる。また、他の種類の(B)光酸発生剤と組み合わせて使用することもできる。
Figure 2013157459
上記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記一般式(OS−1)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2013157459
上記一般式(OS−1)中、R101は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シアノ基、アリール基、または、ヘテロアリール基を表す。R102は、アルキル基、または、アリール基を表す。
101は−O−、−S−、−NH−、−NR105−、−CH−、−CR106H−、または、−CR105107−を表し、R105〜R107はアルキル基、または、アリール基を表す。
121〜R124は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基、スルホ基、シアノ基、または、アリール基を表す。R121〜R124のうち2つは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
121〜R124としては、水素原子、ハロゲン原子、および、アルキル基が好ましく、また、R121〜R124のうち少なくとも2つが互いに結合してアリール基を形成する態様もまた、好ましく挙げられる。中でも、R121〜R124がいずれも水素原子である態様が感度の観点から好ましい。
既述の官能基は、いずれも、さらに置換基を有していてもよい。
上記一般式(OS−1)で表される化合物の好ましい例としては、特開2011−221496号公報の段落番号0194〜0202に記載の一般式およびその例示化合物が挙げられる。
本発明では、上記一般式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記一般式(OS−3)、下記一般式(OS−4)または下記一般式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。
Figure 2013157459
(一般式(OS−3)〜一般式(OS−5)中、R22、R25およびR28はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R23、R26およびR29はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表し、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表し、X〜Xはそれぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、n〜nはそれぞれ独立に1または2を表し、m〜mはそれぞれ独立に0〜6の整数を表す。)
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。
上記式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
また、上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
また、上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、Rにおけるヘテロアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数4〜30のヘテロアリール基が好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R22、R25およびR28におけるヘテロアリール基は、少なくとも1つの環が複素芳香環であればよく、例えば、複素芳香環とベンゼン環とが縮環していてもよい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R23、R26およびR29は、水素原子、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、化合物中に2以上存在するR23、R26およびR29のうち、1つまたは2つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることが好ましく、1つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることがより好ましく、1つがアルキル基であり、かつ残りが水素原子であることが特に好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R23、R26およびR29におけるアルキル基またはアリール基は、置換基を有していてもよい。ここで、R23、R26およびR29におけるアルキル基またはアリール基が有していてもよい置換基としては、上記R22、R25およびR28におけるアルキル基またはアリール基が有していてもよい置換基と同様の基が例示できる。
23、R26およびR29におけるアルキル基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、置換基を有してもよい総炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
23、R26およびR29におけるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。
23、R26およびR29におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
これらの中でも、塩素原子、臭素原子が好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、X〜Xはそれぞれ独立にOまたはSを表し、Oであることが好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)において、X〜Xを環員として含む環は、5員環または6員環である。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、n〜nはそれぞれ独立に1または2を表し、X〜XがOである場合、n〜nはそれぞれ独立に1であることが好ましく、また、X〜XがSである場合、n〜nはそれぞれ独立に2であることが好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表す。その中でも、R24、R27およびR30はそれぞれ独立にアルキル基またはアルキルオキシ基であることが好ましい。
24、R27およびR30におけるアルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基およびアルコキシスルホニル基は、置換基を有していてもよい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(OS−3)〜(OS−5)中、R24、R27およびR30におけるアルキルオキシ基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜30のアルキルオキシ基であることが好ましい。
その他、一般式(OS−3)〜(OS−5)の好ましい範囲や例示化合物については、特開2011−227449号公報の段落番号0171〜0200の記載を参酌できる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(B)光酸発生剤は、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは上記(A)共重合体)100質量部に対して、0.1〜10質量部使用することが好ましく、0.5〜10質量部使用することがより好ましい。2種以上を併用することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物は、活性光線に感応する光酸発生剤として1,2−キノンジアジド化合物を含んでいてもよい。1,2−キノンジアジド化合物は、逐次型光化学反応によりカルボキシル基を生成するが、その量子収率は必ず1以下である。
<(C)一般式(I)で表される化合物(特定の含硫黄化合物)>
本発明の感光性樹脂組成物は(C)下記一般式(I)で表される化合物を含む。特定の含硫黄化合物を採用することにより、密着性向上を達成しつつ、感度を向上させ、耐熱透明性が高い硬化物を得ることができる。
一般式(I)
Figure 2013157459
(一般式(I)中、R11およびR12は、それぞれ、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基および複素環基の少なくとも1つを含む基を表し、nは2〜4の整数を表す。)
11およびR12は、それぞれ、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基および複素環基の少なくとも1つを含む基を表し、肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であることが好ましく、アルキル基またはアリール基であることが好ましい。肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
脂肪族炭化水素基は、アルキル基が好ましい。アルキル基は、置換基を有していてもよく、また、直鎖、分岐および環状のいずれのアルキル基であってもよい。アルキル基の炭素数は、置換基を含めない状態で、炭素数1〜10であることが好ましく、1〜6であることが好ましく、1〜3であることがさらに好ましい。アルキル基が有していてもよい置換基としては、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に定めるものではないが、−OH、−C(=O)−OR(Rは水素原子または置換基)、−NHCOR(Rは水素原子または置換基)、ハロゲン原子、シアノ基、スルフィド基およびアリール基が例示される。Rとしては、水素原子またはアルキル基が好ましく、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
芳香族炭化水素基は、アリール基が好ましい。アリール基は、置換基を有していてもよく、単環でも縮合環でもよい。アリール基の炭素数は、炭素数6〜11が好ましく、炭素数6がより好ましい。アリール基は、フェニル基またはナフチル基が好ましく、フェニル基がさらに好ましい。アリール基が有していてもよい置換基としては、−OH、−C(=O)−OR(Rは水素原子または置換基)、−NHCOR(Rは水素原子または置換基)、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、スルフィド基およびアリール基が例示される。Rとしては、水素原子またはアルキル基が好ましく、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
複素環基を含む基としては窒素原子を含むことが好ましい。複素環は、芳香族複素環であっても、脂肪族複素環であってもよく、また、5員環または6員環が好ましい。また、単環であってもよいし、縮合環であってもよい。
nは2または3が好ましく、2がより好ましい。
(C)一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(II)で表されることが好ましい。
Figure 2013157459
(一般式(II)中、R21およびR22は、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、LおよびLは、それぞれ、アルキレン基またはアリーレン基を表し、L11およびL22は、それぞれ、*−O−C(=O)−または*−NH−C(=O)−を表す。*側でLまたはLと結合する。)
21およびR22は、水素原子またはアルキル基が好ましく、アルキル基がより好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がさらに好ましい。
およびLは、それぞれ、アルキレン基またはアリーレン基を表し、アルキレン基が好ましい。アルキレン基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、2〜4であることがさらに好ましく、2であることが特に好ましい。また、該アルキレン基はアルキル基、ヒドロキシル基、アルコシキ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルフィド基、カルボニル基等で置換されていても良い。しかしながら、アルキレン基は、−(CH−で表され、mは2以上の整数で表すことが好ましい。mは2〜4であることがより好ましい。
アリーレン基の炭素数は、6〜12であることが好ましく、6であることがさらに好ましい。アリーレン基は、無置換のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコシキ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルフィド基、カルボニル基等で置換されていても良い。アリーレン基はフェニレン基が好ましい。
11およびL22は、それぞれ、*−O−C(=O)−または*−NH−C(=O)−を表し、*−O−C(=O)−がより好ましい。
本発明で用いる特定の含硫黄化合物は、分子量が100〜1000であることが好ましく、200〜800であることがより好ましく、200〜600であることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、ベーク条件で揮発することなく密着を促進し、感度を向上させることが可能になる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(C)特定の含硫黄化合物は、感光性樹脂組成物中の固形分100質量部に対して、0.1〜10質量部使用することが好ましく、0.5〜5質量部使用することがより好ましく、1.0〜4.0質量部使用することが最も好ましい。2種以上を併用することもできる。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となる。
以下に、本発明で用いることができる(C)特定の含硫黄化合物の好ましい例を示す。本発明がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
Figure 2013157459
Figure 2013157459
<(D)溶剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)溶剤を含有する。本発明の感光性樹脂組成物は、必須成分である上記(A)〜(D)成分、好ましい成分である後述の(E)〜(I)成分、さらに後述の任意の成分を(D)溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される(D)溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される(D)溶剤としては、例えば、特開2011−215580号公報の段落番号0166〜0169の記載を参酌できる。
これら溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、または、2種を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類またはジアルキルエーテル類、ジアセテート類とジエチレングリコールジアルキルエーテル類、あるいは、エステル類とブチレングリコールアルキルエーテルアセテート類とを併用することがさらに好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとジエチレングリコールエチルメチルエーテルとを併用することが最も好ましい。
また、成分Dとしては、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上の溶剤、または、これらの混合物であることが好ましく、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上200℃以下の溶剤、または、これらの混合物であることがより好ましく、沸点130℃以上160℃未満の溶剤と沸点160℃以上200℃以下の溶剤との混合物であることがさらに好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(沸点155℃)、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(沸点131℃)が例示できる。
沸点160℃以上の溶剤としては、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3−メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチエルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が例示できる。
本発明の感光性樹脂組成物における(D)溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全樹脂成分(好ましくは固形分、より好ましくは上記(A)共重合体)100質量部当たり、50〜3,000質量部であることが好ましく、100〜2,000質量部であることがより好ましく、150〜1,500質量部であることがさらに好ましい。
<その他の成分>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分以外に加えて、必要に応じて、(E)増感剤、(F)架橋剤、(G)密着改良剤、(H)塩基性化合物、(I)界面活性剤を好ましく加えることができる。さらに本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、可塑剤、熱ラジカル発生剤、酸化防止剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、現像促進剤、および、有機または無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を加えることができる。
(E)増感剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)光酸発生剤との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、増感剤を含有することが好ましい。増感剤は、活性光線または放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nmの波長域のいずれかに吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン)。
これら増感剤の中でも、多核芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類が好ましく、多核芳香族類がより好ましい。多核芳香族類の中でもアントラセン誘導体が最も好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物中における増感剤の添加量は、感光性樹脂組成物の光酸発生剤100重量部に対し、0〜1000重量部であることが好ましく、10〜500重量部であることがより好ましく、50〜200重量部であることがさらに好ましい。
2種以上を併用することもできる。
(F)架橋剤
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じ、架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤を添加することにより、本発明の感光性樹脂組成物により得られる硬化膜をより強固な膜とすることができる。
架橋剤としては、熱によって架橋反応が起こるものであれば制限は無い。(A成分を除く)。例えば、以下に述べる分子内に2個以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有架橋剤、または、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を添加することができる。
これらの架橋剤の中で、分子内に2個以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物が好ましく、エポキシ樹脂が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物中における架橋剤の添加量は、感光性樹脂組成物の全固形分100重量部に対し、0.01〜50重量部であることが好ましく、0.5〜30重量部であることがより好ましく、2〜10重量部であることがさらに好ましい。この範囲で添加することにより、機械的強度および耐溶剤性に優れた硬化膜が得られる。架橋剤は複数を併用することもでき、その場合は架橋剤を全て合算して含有量を計算する。
<分子内に2個以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物>
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、特開2011−221494号公報の段落番号0189に記載の市販品などが挙げられる。
その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、デナコールEX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−211、EX−212、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L、DLC−201、DLC−203、DLC−204、DLC−205、DLC−206、DLC−301、DLC−402(以上ナガセケムテック製)、YH−300、YH−301、YH−302、YH−315、YH−324、YH−325(以上新日鐵化学製)などが挙げられる。
これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂および脂肪族エポキシ、脂肪族エポキシ樹脂がより好ましく挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましく挙げられる。
分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、その他の架橋剤としては特開2012−8223号公報の段落番号0107〜0108に記載のアルコキシメチル基含有架橋剤、および少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物なども好ましく用いることができる。
(G)密着改良剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(G)密着改良剤を含有してもよい。本発明の感光性樹脂組成物に用いることができる(G)密着改良剤は、基材となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物である。具体的には、シランカップリング剤、チオール系化合物等が挙げられる。本発明で使用される(G)密着改良剤としてのシランカップリング剤は、界面の改質を目的とするものであり、特に限定することなく、公知のものを使用することができる。
好ましいシランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがさらに好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがよりさらに好ましい。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらは基板との密着性の向上に有効であるとともに、基板とのテーパー角の調整にも有効である。
本発明の感光性樹脂組成物における(G)密着改良剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
(H)塩基性化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、(H)塩基性化合物を含有してもよい。(H)塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落番号0204〜0207に記載の化合物が挙げられる。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、複素環式アミンを2種併用することがさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における(H)塩基性化合物の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、0.001〜1質量部であることが好ましく、0.005〜0.2質量部であることがより好ましい。
(I)界面活性剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(I)界面活性剤を含有してもよい。(I)界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、または、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)、SH−8400(東レ・ダウコーニングシリコーン)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤として、特開2011−215580号公報の段落番号0185〜0188に記載の化合物も採用できる。
これらの界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物における(I)界面活性剤の添加量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、0.001〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜10質量部であることがさらに好ましく、0.01〜3質量部であることがよりさらに好ましく、0.01〜1質量部であることが特に好ましい。
酸化防止剤
本発明の感光性樹脂組成物は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、または、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、このような酸化防止剤としては、例えば、特開2012−073609号公報の段落番号0104の記載を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、且つ、パターン形成時の感度も良好となる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の感光性樹脂組成物に添加してもよい。
また、本発明においては、露光光の照射によって実質的に酸を発生せず、熱によって酸を発生するスルホン酸エステルを使用することも好ましい。
露光光の照射によって実質的に酸を発生していないことは、化合物の露光前後でのIRスペクトルやNMRスペクトル測定により、スペクトルに変化がないことで判定することができる。
スルホン酸エステルの分子量は、230〜1,000であることが好ましく、230〜800であることがより好ましい。
本発明に用いることができるスルホン酸エステルは、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いてもよい。スルホン酸エステルは、例えば、塩基性条件下、スルホニルクロリド乃至はスルホン酸無水物を対応する多価アルコールと反応させることにより合成することができる。
熱酸発生剤の感光性樹脂組成物への含有量は、(A)成分の総含有量を100重量部としたとき、0.5〜20重量部が好ましく、1〜15重量部がより好ましい。
〔酸増殖剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、感度向上を目的に、酸増殖剤を用いることができる。
本発明に用いることができる酸増殖剤は、酸触媒反応によってさらに酸を発生して反応系内の酸濃度を上昇させることができる化合物であり、酸が存在しない状態では安定に存在する化合物である。このような化合物は、1回の反応で1つ以上の酸が増えるため、反応の進行に伴って加速的に反応が進むが、発生した酸自体が自己分解を誘起するため、ここで発生する酸の強度は、酸解離定数、pKaとして3以下であるのが好ましく、特に2以下であるのが好ましい。
酸増殖剤の具体例としては、特開平10−1508号公報の段落番号0203〜0223、特開平10−282642号公報の段落番号0016〜0055、および、特表平9−512498号公報第39頁12行目〜第47頁2行目に記載の化合物を挙げることができる。
具体的には
Figure 2013157459
等を挙げることができる。
本発明で用いることができる酸増殖剤としては、酸発生剤から発生した酸によって分解し、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フェニルホスホン酸などのpKaが3以下の酸を発生させる化合物を挙げることができる。
酸増殖剤の感光性樹脂組成物への含有量は、光酸発生剤100重量部に対して、10〜1,000重量部とするのが、露光部と未露光部との溶解コントラストの観点から好ましく、20〜500重量部とするのがさらに好ましい。
〔現像促進剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、現像促進剤を含有することができる。
現像促進剤としては、現像促進効果のある任意の化合物を使用できるが、カルボキシル基、フェノール性水酸基、およびアルキレンオキシ基の群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する化合物であることが好ましく、カルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する化合物がより好ましく、フェノール性水酸基を有する化合物が最も好ましい。
また、(M)現像促進剤の分子量としては、100〜2000が好ましく、100〜1000がさらに好ましく、最適には100〜800である。
現像促進剤の例として、特開2011−221496号公報の段落番号0217〜0217の記載を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
現像促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物における現像促進剤の添加量は、感度と残膜率の観点から、(A)成分を100質量部としたとき、0〜30質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部であることが最も好ましい。
また、その他の添加剤としては特開2012−8223号公報の段落番号0120〜0121に記載の熱ラジカル発生剤、および熱酸発生剤も用いることができる。
[硬化膜の製造方法]
次に、本発明の硬化膜の製造方法を説明する。
本発明の硬化膜の製造方法は、以下の(1)〜(5)の工程を含むことが好ましい。
(1)本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に適用する工程;
(2)適用されたポジ型感光性樹脂組成物から溶剤を除去する工程;
(3)活性光線により露光する工程;
(4)水性現像液により現像する工程;
(5)熱硬化するポストベーク工程。
以下に各工程を順に説明する。
(1)の適用工程では、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に適用して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。
(2)の溶剤除去工程では、適用された上記の膜から、減圧(バキューム)および/または加熱により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させる。
(3)の露光工程では、得られた塗膜に波長300nm以上450nm以下の活性光線を照射する。この工程では、(B)光酸発生剤が分解し酸が発生する。発生した酸の触媒作用により、(A)共重合体中に含まれる酸分解性基が加水分解されて、カルボキシル基またはフェノール性水酸基が生成する。
酸触媒の生成した領域において、上記の加水分解反応を加速させるために、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行う。PEBにより、酸分解性基からのカルボキシル基またはフェノール性水酸基の生成を促進させることができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上100℃以下が特に好ましい。
本発明における式(a1−1)で表される構成単位中の酸分解性基は、酸分解の活性化エネルギーが低く、露光による酸発生剤由来の酸により容易に分解し、カルボキシル基またはフェノール性水酸基を生じるため、必ずしもPEBを行うことなく、現像によりポジ画像を形成することもできるが、本発明の硬化膜の製造方法では、本発明の感光性樹脂組成物を用いて(5)のポストベーク工程を行うことで、得られた硬化膜は熱フローを少なくすることができる。そのため、本発明の硬化膜の製造方法で得られた硬化膜は、例えばレジストとして基板に用いた場合に基板ごと本発明の硬化膜を加熱したとしても、パターンの解像性がほとんど悪化しない。なお、本明細書中、「熱フロー」とは、露光および現像工程によって形成されたパターン硬化膜の断面形状が、その硬化膜を加熱(好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃〜240℃)したときに変形し、寸法、テーパー角などが劣化することを言う。
(4)の現像工程では、遊離したカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する共重合体を、アルカリ性現像液を用いて現像する。アルカリ性現像液に溶解しやすいカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する樹脂組成物を含む露光部領域を除去することにより、ポジ画像が形成する。
(5)のポストベーク工程において、得られたポジ画像を加熱することにより、構成単位(a1)中の酸分解性基を熱分解しカルボキシル基またはフェノール性水酸基を生成させ、構成単位(a2)の架橋基、架橋剤等と架橋させることにより、硬化膜を形成することができる。この加熱は、150℃以上の高温に加熱することが好ましく、180〜250℃に加熱することがより好ましく、200〜240℃に加熱することが特に好ましい。加熱時間は、加熱温度などにより適宜設定できるが、10〜120分の範囲内とすることが好ましい。
ポストベーク工程の前に活性光線、好ましくは紫外線を現像パターンに全面照射する工程を加えると、活性光線照射により発生する酸により架橋反応を促進することができる。
さらに、本発明の感光性樹脂組成物より得られた硬化膜は、ドライエッチングレジストとして使用することもできる。
(5)のポストベーク工程により熱硬化して得られた硬化膜をドライエッチングレジストとして使用する場合、エッチング処理としてはアッシング、プラズマエッチング、オゾンエッチングなどのドライエッチング処理を行うことができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法を具体的に説明する。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
(A)〜(D)の必須成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性樹脂組成物を調製する。例えば、(A)〜(C)成分を、それぞれ予め(D)溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して樹脂組成物を調製することもできる。以上のように調製した組成物溶液は、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
<適用工程および溶剤除去工程>
感光性樹脂組成物を、所定の基板に適用し、減圧および/または加熱(プリベーク)により溶剤を除去することにより、所望の乾燥塗膜を形成することができる。上記の基板としては、例えば液晶表示素子の製造においては、偏光板、さらに必要に応じてブラックマトリックス層、カラーフィルター層を設け、さらに透明導電回路層を設けたガラス板などが例示できる。感光性樹脂組成物を基板へ適用する方法としては特に制限はないが、その中でも、本発明では基板へ感光性樹脂組成物を塗布することが好ましい。基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の方法を用いることができる。中でもスリットコート法が大型基板に適するという観点で好ましい。大型基板で製造すると生産性が高く好ましい。ここで大型基板とは、各辺が1m以上5m以下の大きさの基板をいう。
また、(2)溶剤除去工程の加熱条件は、未露光部における(A)成分中の構成単位(a1)において酸分解性基が分解して、(A)成分をアルカリ現像液に可溶性としない範囲であり、各成分の種類や配合比によっても異なるが、好ましくは80〜130℃で30〜120秒間程度である。
<露光工程および現像工程(パターン形成方法)>
露光工程では、塗膜を設けた基板に所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射する。露光工程の後、必要に応じて加熱処理(PEB)を行った後、現像工程では、アルカリ性現像液を用いて露光部領域を除去して画像パターンを形成する。
活性光線による露光には、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、g線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜180秒間であり、また、現像の手法は液盛り法、ディップ法等の何れでもよい。現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、所望のパターンを形成させることができる。
現像の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げる事ができる。
<ポストベーク工程(架橋工程)>
現像により得られた未露光領域に対応するパターンについて、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、所定の温度、例えば180〜250℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5〜90分間、オーブンならば30〜120分間、加熱処理をすることにより、架橋反応をしんこうさせることにより、耐熱性、硬度等に優れた保護膜や層間絶縁膜を形成することができる。また、加熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより透明性を向上させることもできる。
ポストベークの前に、比較的低温でベークを行った後にポストベークすることもできる(ミドルベーク工程の追加)。ミドルベークを行う場合は、90〜150℃で1〜60分加熱した後に、200℃以上の高温でポストベークすることが好ましい。また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱する事もできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンのテーパー角を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
なお、加熱処理に先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により再露光した後、ポストベークすること(再露光/ポストベーク)により未露光部分に存在する(B)成分から酸を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能させることが好ましい。
すなわち、本発明の硬化膜の形成方法は、現像工程とポストベーク工程の間に、活性光線により再露光する再露光工程を含むことが好ましい。再露光工程における露光は、上記露光工程と同様の手段により行えばよいが、上記再露光工程では、基板の本発明の感光性樹脂組成物により膜が形成された側に対し、全面露光を行うことが好ましい。
再露光工程の好ましい露光量としては、100〜1,000mJ/cm2である。
[硬化膜]
本発明の硬化膜は、本発明の感光性樹脂組成物を硬化して得られた硬化膜である。
本発明の硬化膜は、層間絶縁膜として好適に用いることができる。また、本発明の硬化膜は、本発明の硬化膜の形成方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物により、絶縁性に優れ、高温でベークされた場合においても高い透明性を有する層間絶縁膜が得られる。本発明の感光性樹脂組成物を用いてなる層間絶縁膜は、高い透明性を有し、硬化膜物性に優れるため、有機EL表示装置や液晶表示装置の用途に有用である。
[有機EL表示装置、液晶表示装置]
本発明の有機EL表示装置および液晶表示装置は、本発明の硬化膜を具備することを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置や液晶表示装置としては、上記本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物および本発明の硬化膜は、上記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、カラーフィルターの保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルター上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図1は、有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間または、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化層4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
さらに、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
図2は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。このカラー液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルター22が設けられている。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
(A)重合体成分
以下の合成例において、以下の符号はそれぞれ以下の化合物を表す。
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業製)
V−601:ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業製)
MATHF:メタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル(合成品)
MAEVE:メタクリル酸1−エトキシエチル(合成品)
MATHP:メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル(新中村化学工業)
StOEVE:4−(1−エトキシエチルオキシ)スチレン(合成品)
GMA:グリシジルメタクリレート(和光純薬工業製)
OXE−30:メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(大阪有機化学工業(株)製)
NBMA:n−ブトキシメチルアクリルアミド(三菱レイヨン(株)製)
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル (和光純薬工業製)
St:スチレン(和光純薬工業製)
DCPM:ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成工業)
MMA:メタクリル酸メチル(和光純薬工業製)
PGMEA:メトキシプロピルアセテート(昭和電工社製)
HS−EDM:ハイソルブEDM(東邦化学工業社製)
<MATHFの合成>
メタクリル酸(86g、1mol)を15℃に冷却しておき、カンファースルホン酸(4.6g,0.02mol)添加した。その溶液に、2−ジヒドロフラン(71g、1mol、1.0当量)を滴下した。1時間撹拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)54〜56℃/3.5mmHg留分のメタクリル酸テトラヒドロ−2H−フラン−2−イル(MATHF)125gを無色油状物として得た(収率80%)。
<MAEVEの合成>
エチルビニルエーテル(144.2部、2モル当量)にフェノチアジン(0.5部)を添加し、反応系中を10℃以下に冷却しながらメタクリル酸(86.1部、1モル当量)を滴下後、室温(25℃)で4時間撹拌した。p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(5.0部)を添加後、室温で2時間撹拌し、一夜室温放置した。反応液に炭酸水素ナトリウム5部および硫酸ナトリウム(5部)を添加し、室温で1時間撹拌し、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)43〜45℃/7mmHg留分のメタクリル酸1−エトキシエチル(MAEVE)(134.0部)を無色油状物として得た。
<共重合体(A)A−1の合成>
HS−EDM(82部)を窒素気流下、90℃に加熱撹拌した。MATHF(43部(45.5モル%当量))、OXE−30(48部(37.5モル%当量))、MAA(6部(9.5モル%当量))、HEMA(11部(12.5モル%当量))、ラジカル重合開始剤V−601(商品名、和光純薬工業(株)製、4.3部)およびPGMEA(82部)の混合溶液を2時間かけて滴下し、さらに2時間90℃で反応させることにより、重合体A−1のPGMEA溶液(固形分濃度:40%)を得た。
得られた重合体A−1のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量は、15,000であった。
<他の重合体の合成>
使用した各モノマーおよびその使用量を、下記表に記載のものに変更した以外は、重合体A−1の合成と同様にして、各共重合体をそれぞれ合成した。
Figure 2013157459
上記表において、表中の特に単位を付していない数値はmol%を単位とする。重合開始剤の数値は、単量体成分を100mol%とした場合の、mol%である。固形分濃度は、モノマー重量/(モノマー重量+溶剤重量)×100(単位重量%)として示している。重合開始剤としてV−601を用いた場合は、反応温度は90℃、V−65を用いた場合は70℃を反応温度とした。
(B)光酸発生剤
B−1:Irgacure PAG−103(BASF社製)
B−2:PAI−101(商品名、みどり化学社製)
B−3:下記に示す構造(合成例を後述する。)
B−4:下記に示す構造、TPS−1000(みどり化学社製)
B−1
Figure 2013157459
B−2
Figure 2013157459
B−3
Figure 2013157459
B−4
Figure 2013157459
Tsは、トシル基(p−トルエンスルホニル基)を表す。
<B−3の合成>
2−ナフトール(10g)、クロロベンゼン(30mL)の懸濁溶液に塩化アルミニウム(10.6g)、2−クロロプロピオニルクロリド(10.1g)を添加し、混合液を40℃に加熱して2時間反応させた。氷冷下、反応液に4NHCl水溶液(60mL)を滴下し、酢酸エチル(50mL)を添加して分液した。有機層に炭酸カリウム(19.2g)を加え、40℃で1時間反応させた後、2NHCl水溶液(60mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、結晶をジイソプロピルエーテル(10mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してケトン化合物(6.5g)を得た。
得られたケトン化合物(3.0g)、メタノール(30mL)の懸濁溶液に酢酸(7.3g)、50質量%ヒドロキシルアミン水溶液(8.0g)を添加し、加熱還流した。放冷後、水(50mL)を加え、析出した結晶をろ過、冷メタノール洗浄後、乾燥してオキシム化合物(2.4g)を得た。
得られたオキシム化合物(1.8g)をアセトン(20mL)に溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(1.5g)、p−トルエンスルホニルクロリド(2.4g)を添加し、室温に昇温して1時間反応させた。反応液に水(50mL)を添加し、析出した結晶をろ過後、メタノール(20mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してB−6(前述の構造)2.3gを得た。
なお、B−6のH−NMRスペクトル(300MHz、CDCl)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.4(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d.1H),5.6(q,1H),2.4(s,3H),1.7(d,3H)であった。
(C)特定含硫黄化合物(一般式(I)で表される化合物)
C−2:ジブチルジスルフィド、アルドリッチ社製
C−5:ジイソペンチルジスルフィド、東京化成(株)社製
C−10:ジチオジプロピオン酸ジメチル、和光純薬工業(株)社製
C−11:ジチオジプロピオン酸、東京化成(株)社製
C−16:ジフェニルジスルフィド、アルドリッチ社製
C−20:ビス(2−ベンズアミドフェニル)ジスルフィド、東京化成(株)社製
C−31:ジプロピルトリスルフィド、合成品
C−32:ジフェニルトリスルフィド、合成品
C−33:ジフェニルテトラスルフィド、合成品
C−31はJ. Am. Chem. Soc. 1952, 74, 3982、C−32はJ. Org. Chem. 1980, 45, 5155、C−33はJ. Org. Chem. 2003, 68, 2489に記載の方法にて合成した。
(D)溶剤
HS−EDM(ジエチレングリコールエチルメチルエーテル) 東邦化学株式会社製
(E)増感剤
E−1:DBA(ジブトキシアントラセン)川崎化成工業(株)社製
(F)架橋剤
F−1:JER157S65(商品名、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)
F−2:ニカラックMW−100LM(三和ケミカル(株)製)
F−3:トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成製)
(G)密着性改良剤
G−1:KBM−403(商品名、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、下記に示す構造、信越化学工業(株)製)
Figure 2013157459
(H)塩基性化合物
H−1:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
H−2:トリフェニルイミダゾール
(I)界面活性剤
I−1:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型界面活性剤(ゾルゲン90、第一工業製薬製)
I−2:シリコーン系界面活性剤SH−8400(東レ・ダウコーニングシリコーン)
(R)比較用化合物
比較例において、(C)一般式(I)で表される化合物の代替成分として以下の化合物を使用した。
R−1:ジブチルチオウレア、和光純薬工業社製
R−2:ジオルトフェニルチオウレア、和光純薬工業社製
R−3:メチル−3−メルカプトプロピオネート、SC有機化学(株)社製、商品名MPM
R−4:チオジプロピオン酸ジメチル、SC有機化学(株)社製、TDM
R−5:ジフェニルスルフィド、和光純薬工業(社)製
R−6:ジブチルスルフィド、和光純薬工業(社)製
R−7:チオジプロピオン酸、和光純薬工業(社)製
[実施例1]
表の組成となるように各成分を溶解混合し、口径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、実施例1の感光性樹脂組成物を得た。
[他の実施例および比較例]
実施例1において用いた各化合物を、下記表に記載の化合物に変更した以外は、実施例1と同様の添加量にて溶解混合し、下記実施例および比較例の感光性樹脂組成物を調製した。
Figure 2013157459
<感度の評価>
ヘキサメチルジシラザン蒸気で1分間表面処理をしたガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))上に、各感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、85℃/150秒ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させ、膜厚4.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。
次に、得られた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用いて、9μmホールパターンのマスクを介して露光した。そして、露光後の感光性組成物層を、アルカリ現像液(0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で24℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンスした。
これらの操作により9μmのホールパターンを形成する時の最適露光量(Eopt)を感度とした。なお、評価基準は下記の通りである。値が大きいほど好ましく、6〜4が実用範囲である。
6:30mJ/cm未満
5:30mJ/cm以上60mJ/cm未満
4:60mJ/cm以上90mJ/cm未満
3:90mJ/cm以上120mJ/cm未満
2:120mJ/cm以上150mJ/cm未満
1:150mJ/cm以上
<透明性評価>
ガラス基板(コーニング1737、0.7mm厚(コーニング社製))上に膜厚3.0μmの塗膜を形成した。次に、i線ステッパー(キヤノン(株)製FPA−3000i5+)を用いて、所定のマスクを介して露光した。アルカリ現像液(2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃で65秒間、液盛り現像した後、超純水で1分間リンスした。現像後の塗膜に対し、超高圧水銀灯を用いて波長365nmにおいて300mJ/cm2の光を照射した後、オーブン中にて、220℃で45分間加熱した。この硬化膜の透過率を、分光光度計(U−3000:(株)日立製作所製)を用いて、波長400nmで測定した。最低透過率を表に示した(Fresh透明性)。
さらに、オーブン中にて、230℃で2時間加熱した。この硬化膜の透過率を同様に測定した(耐熱後透過性)。
<密着性評価>
ITO(酸化インジウムスズ)基板、Mo(モリブデン)基板、チタン(Ti)基板上に、各感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上で加熱により溶剤を除去し、膜厚4.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。得られた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が300mJ/cm2(照度:20mW/cm2、i線)となるように露光し、その後、この基板をオーブンにて230℃で1時間加熱して硬化膜を得た。硬化膜にカッターを用いて、縦横に1mmの間隔で切り込みを入れ、スコッチテープを用いてテープ剥離試験を行った。テープ裏面に転写された硬化膜の面積から硬化膜と基板間の密着性を評価した。その結果を下記表に示した。数値としては小さいほど下地基板との密着性が高く、AまたはBが好ましい。
A:転写された面積が1%未満
B:転写された面積が1%以上5%未満
C:転写された面積が5%以上
<保存性評価>
得られた感光性樹脂組成物を30℃恒温槽で2週間静置し、再び上記の感度評価を行った。その結果を下記表に示した。感度変動が少ないほど保存安定性に優れた樹脂組成物である。
A:感度の変動が5%未満
B:感度変動が5%以上
<総合評価>
感光樹脂組成物ならびに硬化膜として感度、透明性、密着性、保存性を鑑みた場合に、以下の総合評価を行った。
5:最も良好な性能であり、実用性に富む
4:良好な性能であり、実用できる
3:実用範囲ではあるが、改善が見込まれる
2:保管期間または、用途が制限されるため、実用には難しい
1:実用不可能
Figure 2013157459
上記結果から明らかなとおり、本発明の感光性樹脂組成物は、感度、耐熱透明性、密着性、保存性のすべてに優れたものであった。これに対し、比較例の感光性樹脂組成物では、いずれかの特性が顕著に劣るものであった。具体的には、塩基性化合物の添加では感度が低下する。また、チオウレア化合物はその塩基性のため、感度が低下し、またチオール化合物は、アセタール構造を有する樹脂とのアセタール交換反応によって感度が変動してしまうという問題を有していた。
[実施例30]
薄膜トランジスター(TFT)を用いた有機EL表示装置を以下の方法で作製した(図1参照)。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3を形成した。次に、この絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)を絶縁膜3上に形成した。この配線2は、TFT1間または、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
さらに、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上へ平坦化膜4を形成した。絶縁膜3上への平坦化膜4の形成は、実施例16の感光性樹脂組成物を基板上にスピン塗布し、ホットプレート上でプリベーク(90℃×2分)した後、マスク上から高圧水銀灯を用いてi線(365nm)を45mJ/cm(照度20mW/cm)照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、230℃で60分間の加熱処理を行った。
感光性樹脂組成物を塗布する際の塗布性は良好で、露光、現像、焼成の後に得られた硬化膜には、しわやクラックの発生は認められなかった。さらに、配線2の平均段差は500nm、作製した平坦化膜4の膜厚は2,000nmであった。
次に、得られた平坦化膜4上に、ボトムエミッション型の有機EL素子を形成した。まず、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5を、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成した。その後、レジストを塗布、プリベークし、所望のパターンのマスクを介して露光し、現像した。このレジストパターンをマスクとして、ITOエッチャント用いたウエットエッチングによりパターン加工を行った。その後、レジスト剥離液(リムーバ100、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用いて該レジストパターンを50℃で剥離した。こうして得られた第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
次に、第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8を形成した。絶縁膜8には、実施例18の感光性樹脂組成物を用い、上記と同様の方法で絶縁膜8を形成した。この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
さらに、真空蒸着装置内で所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設けた。次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成した。得られた上記基板を蒸着機から取り出し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止した。
以上のようにして、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続してなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られた。駆動回路を介して電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い有機EL表示装置であることが分かった。
[実施例31]
特許第3321003号公報の図1に記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、層間絶縁膜として硬化膜17を以下のようにして形成し、実施例31の液晶表示装置を得た。
すなわち、実施例18の感光性樹脂組成物を用い、上記実施例における有機EL表示装置の平坦化膜4の形成方法と同様の方法で、層間絶縁膜として硬化膜17を形成した。
得られた液晶表示装置に対して、駆動電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い液晶表示装置であることが分かった。
1:TFT(薄膜トランジスター)
2:配線
3:絶縁膜
4:平坦化膜
5:第一電極
6:ガラス基板
7:コンタクトホール
8:絶縁膜
10:液晶表示装置
12:バックライトユニット
14,15:ガラス基板
16:TFT
17:硬化膜
18:コンタクトホール
19:ITO透明電極
20:液晶
22:カラーフィルター

Claims (15)

  1. (A)下記(1)および(2)の少なくとも一方を満たす重合体を含む重合体成分、
    (1)(a1)酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位、および(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体、
    (2)(a1)酸基が酸分解性基で保護された残基を有する構成単位を有する重合体、および(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体、
    (B)光酸発生剤、
    (C)下記一般式(I)で表される化合物、および、
    (D)溶剤
    を含有する感光性樹脂組成物。
    一般式(I)
    Figure 2013157459
    (一般式(I)中、R11およびR12は、それぞれ、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基および複素環基の少なくとも1つを含む基を表し、nは2〜4の整数を表す。)
  2. 一般式(I)中、R11およびR12が、それぞれ、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 一般式(I)中、R11およびR12が、それぞれ、炭素数1〜10アルキル基または、炭素数6〜11のアリール基である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  4. (C)一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2013157459
    (一般式(II)中、R21およびR22は、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、LおよびLは、それぞれ、アルキレン基またはアリーレン基を表し、L11およびL22は、それぞれ、*−O−C(=O)−または*−NH−C(=O)−を表す。*側でLまたはLと結合する。)
  5. 上記構成単位(a1)が、カルボキシル基がアセタールの形で保護された残基を有する構成単位である請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 上記構成単位(a1)が、下記式(A2’)で表される構成単位である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
    式(A2’)
    Figure 2013157459
    (式中、RおよびRは、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、少なくともRおよびRのいずれか一方がアルキル基またはアリール基であり、Rは、アルキル基またはアリール基を表し、RまたはRと、Rとが連結して環状エーテルを形成してもよく、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Xは単結合またはアリーレン基を表す。)
  7. 上記架橋性基が、エポキシ基、オキセタニル基、−NH−CH−OR(Rは炭素数1〜20のアルキル基)から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 上記感光性樹脂組成物が、化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. (B)光酸発生剤が、オキシムスルホネート化合物またはオニウム塩化合物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. (1)請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に適用する工程、
    (2)適用された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する工程、
    (3)活性放射線で露光する工程、
    (4)水性現像液で現像する工程、および、
    (5)熱硬化するポストベーク工程、を含むことを特徴とする硬化膜の製造方法。
  11. 上記現像工程後、ポストベーク工程前に、全面露光する工程を含む、請求項10に記載の硬化膜の製造方法。
  12. 上記基板が金属基板である、請求項10または11に記載の硬化膜の製造方法。
  13. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
  14. 層間絶縁膜である、請求項13に記載の硬化膜。
  15. 請求項13または14に記載の硬化膜を有する、液晶表示装置または有機EL表示装置。
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