JPWO2013140911A1 - 信号サーチ方法、信号サーチプログラム、信号サーチ装置、gnss信号受信装置、および情報機器端末 - Google Patents

信号サーチ方法、信号サーチプログラム、信号サーチ装置、gnss信号受信装置、および情報機器端末 Download PDF

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Abstract

【課題】従来方法よりも正確に目的のGPS信号を捕捉できたかどうかを判別する。【解決手段】GPS信号のコード周期によって決定された1000Hz間隔の複数の周波数を1つのグループとして、全てのコード位相で積算相関値を取得する(S101)。グループを構成する各周波数iにおける最大の積算相関値であるピーク相関値Peak(i)を取得する(S102)。各周波数iのピーク相関値Peak(i)を比較し、これらの最大値を最大ピーク値Tpeakとして設定し、2番目に高い値のピーク相関値Peak(i)を、最大ノイズ値Npに設定する。最大ピーク値Tpeakと最大ノイズ値Npとの比Ratioが閾値Thよりも低ければ、クロスコリレーションと判定し(S104:Yes)、高ければ、最大ピーク値Tpeakは目的のGPS信号によるものだと判定し(S104:No)、GPS信号を捕捉する(S105)。

Description

この発明は、受信信号から所望信号をサーチする信号サーチ方法、特に、GNSSにおけるGPS信号をサーチする方法に関する。
現在、GNSS(Global Navigation Satellite System)の一つとして、GPS(Global Positioning System)がある。
GPSでは、複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号のコード位相やキャリア位相を用いて、受信機の測位を行う。GPSでは、GPS衛星毎に異なる拡散コードが設定されており、各GPS信号は、異なる拡散コードでコード変調されている。
このようなGPSでは、目的とするGPS衛星とは異なるGPS衛星からのGPS信号を、目的とするGPS信号と誤って捕捉し、追尾処理を行ってしまうことがある。このような現象はクロスコリレーションと呼ばれている。
クロスコリレーションを防ぐ方法として、特許文献1では、単一のサーチ周波数におけるコード位相上の各コード位相点の積算相関値を比較することで、取得した積算相関値が、目的とするGPS信号によるものか、クロスコリレーションによるものかを判定している。図1は、特許文献1に記載された信号サーチ方法の概念を示す図である。
特許文献1の方法では、単一のサーチ周波数の各コード位相での積算相関値を取得し、これらの値を比較する。特許文献1の方法では、全てのコード位相での積算相関値における最大値となる積算相関値Vpk1を検出する。次に、特許文献1の方法では、全てのコード位相での積算相関値における2番目に値の高い積算相関値Vpk2を検出する。特許文献1の方法では、最大値となる積算相関値Vpk1と2番目に値の高い積算相関値Vpk2との比を算出する。特許文献1の方法では、当該比が所定閾値以上であれば、最大値となる積算相関値Vpk1に対応するコード位相Cpk1が、目的信号によるものとして、当該コード位相Cpk1の信号を捕捉する。一方、比が閾値以下であれば、信号サーチを継続する。
また、特許文献2では、次の方法を用いている。まず、所定周波数間隔で且つ一定の積算時間で積算相関値を算出した結果から強信号を検出する。検出した強信号の周波数と捕捉対象の周波数との差と、信号レベルとが所定の関係があることを利用して、クロスコリレーションの検出を行っている。そして、検出した強信号がクロスコリレーションと判定されれば、信号サーチを継続する。
上述のように、従来の信号サーチ方法では、サーチ範囲すなわち信号サーチを実行するコード位相範囲および周波数範囲の全体をサーチできるまでは、各コード位相、周波数での積算時間は一定である。そして、このような全体サーチを少なくとも1回(場合によっては複数回)終了させた後に、目的とする信号が検出できなければ、積算時間を長くして、信号サーチを実行する。
また、弱信号を検出する場合には、強信号検出用の積算時間よりも、積算時間を長く設定する。
米国特許7161977号明細書 米国特許7623070号明細書
しかしながら、特許文献1の方法では、最大となる積算相関値Vpk1を検出後に、再度コード位相軸上を走査して、2番目に値の高い積算相関値Vpk2を検出しなければならない。したがって、単に、最大となる積算相関値Vpk1のコード位相Cpk1を検出する場合と比較して、2倍のサーチ時間を必要としてしまう。
また、特許文献1の方法では、2番目に高い積算相関値は、最大となる積算相関値Vpk1を含む極大に向かう途中のコード位相(図1の例であれば、コード位相Cpk2w)となることがある。したがって、積算相関値Vpk1のコード位相Cpk1を含む所定コード位相範囲を含まないように、2番目に高い積算相関値の検出を行わなければならず、処理が複雑化してしまう。
さらに、コード位相軸上での2番目に高い積算相関値の検出範囲を、コード位相全域でなく、図1に示すように部分的なコード位相範囲Covに制限すると、真の2番目に高い積算相関値Vpk2よりも値の低い積算相関値Vpk2'を検出することがある。この積算相関値Vpk2'を用いた場合、最大値となる積算相関値Vpk1との比は、真の比よりも大きくなってしまう。このため、クロスコリレーションであるにも係わらず、目的のGPS信号と判定してしまう誤判定が生じやすい。
また、特許文献2の信号サーチ方法では、上述のように、サーチ範囲全域に亘り、同じ積算時間で積算相関値を算出するため、例えば積算時間を短く設定したとしても弱信号等を検出できないため、サーチ範囲全域を繰り返しサーチしなければならず、結果的に積算時間が長くなる。一方で、積算時間を長く設定すると、コード位相、周波数の二次元範囲における各相関積算値算出点での積算時間が長くなり、サーチ範囲全域に対するサーチ時間が長くなる。
また、サーチ範囲全域に亘り、同じ積算時間で積算相関値を算出する場合には、クロスコリレーションの影響を受けやすく、上述の誤検出を生じる確率を低下させることができない。
このように、従来の特許文献1、特許文献2に示す方法では、クロスコリレーションの判定および真の信号の捕捉に係る時間が長くなるとともに、クロスコリレーションを誤判定してしまう可能性がある。
したがって、本発明の目的は、従来方法よりも比較的簡素な処理で、従来よりも正確に目的信号を捕捉できる信号サーチ方法を提供することにある。
この発明は、目的信号を捕捉するための信号サーチ方法であって、相関値取得工程と判定工程とを有する。相関値取得工程では、目的信号を変調した拡散コードのコード周期から決定される周波数間隔に設定された複数の周波数を1つのグループとして、受信信号と複数の周波数で生成された目的信号のレプリカ信号との相関処理を行って相関値を取得する。判定工程では、該グループ内の複数の相関値から目的信号を捕捉できたかどうかの判定を行う。
この方法では、次の2つの相関値の周波数特性に基づいて、目的信号を捕捉できたかどうかを判定している。
(i)クロスコリレーションは、拡散コードのコード周期(周波数)に応じた間隔で相関値のピークが生じる。すなわち、特定の周波数間隔で、ピーク相関値が検出される。
(ii)真の信号(目的信号)では、ピーク相関値のみが突出して高いことを利用している。すなわち、前記特定の周波数間隔で設定される複数の周波数であっても、これら複数の周波数の内の特定の1つの周波数の相関値のみが、他の周波数の相関値をよりも大幅に高くなる。
このような相関値の周波数特性を利用すれば、同時に取得する複数の周波数での最大相関値からなるピーク相関値を比較するだけで、目的信号を捕捉できたかどうかの判定を行うことが可能になる。これにより、比較的簡素な処理で且つ正確に目的信号を捕捉できたかどうかの判定を行うことができる。
また、この発明の信号サーチ方法では、目的信号はGPS信号のL1波であり、周波数間隔は1000Hz間隔である。これは、目的信号として具体的にGPS信号のL1波を捕捉する場合を示している。GPS信号のL1波を変調する拡散コードであるC/Aコードは、1023chipからなり、ビットレート1.023Mbpsであり、コード周期は、1msec.である。このようなC/Aコードを用いたL1波によってしょうじるクロスコリレーションは、約1000Hz間隔で相関値の極大を有する。したがって、1000Hz間隔で相関値を比較すれば、上述のように、クロスコリレーションと目的信号との相関特性の差が明確になる。
また、この発明の信号サーチ方法では、判定工程は、グループ内の周波数毎の最大相関値に検出し、当該最大値をその周波数のピーク相関値に設定する。判定工程は、各周波数のピーク相関値の大小関係に基づいて、目的信号を捕捉できたかどうかを判定する。
この方法では、目的信号を捕捉できたかどうかの判定の具体的な方法例を示している。上述のように、クロスコリレーションは、コード周期に基づいた周波数間隔での相関値は略同じである。目的信号は、特定の一周波数だけで相関値が高くなる。したがって、各周波数のピーク相関値の大小関係を比較すれば、目的信号を捕捉できたかどうかの判定を正確にできる。
また、この発明の信号サーチ方法では、判定工程は、各周波数のピーク相関値の最大値となる最大ピーク値を検出する工程と、最大ピーク値を除く各周波数のピーク相関値から最大ノイズ値を決定する工程と、最大ピーク値と最大ノイズ値との比を算出する工程と、を有する。そして、判定工程では、このようにして得られた比に基づいて目的信号を捕捉できたかどうかを判定する。
この方法では、さらに具体的な判定方法の態様を示している。
また、この発明の信号サーチ方法では、判定工程によって目的信号を捕捉できていないと判定された時、複数の周波数を、周波数間隔よりも短い一定の周波数幅で周波数シフトさせる。
この方法に示すように、周波数を一定の周波数でシフトさせながら、目的信号を捕捉できたかどうかの判定を繰り返すことで、捕捉用の走査を行うべき全ての周波数帯域に対する目的信号を捕捉できたかどうかの判定を実行でき、目的信号を正確且つ確実に捕捉することができる。
また、この発明の信号サーチ方法では、相関値取得工程は、サーチ基準周波数設定工程と、積算時間決定工程と、相関値算出工程とを有する。サーチ基準周波数設定工程では、追尾中の信号の周波数と周波数間隔とからサーチ基準の周波数を設定する。積算時間決定工程では、サーチ基準周波数とサーチ対象の周波数との周波数差に応じて、該サーチ対象の周波数での積算時間を設定する。相関値算出工程では、設定された積算時間で、相関値を積算することによって積算相関値を算出する。
この方法では、追尾中の信号が現在サーチ対象として目的信号を捕捉する際のクロスコリレーションの原因となることを利用している。したがって、追尾中の信号周波数と、上述のように設定した周波数間隔とから得られるクロスコリレーションのピーク相関値が検出されやすいサーチ基準周波数と現在サーチ対象となっている周波数との差によって、現在サーチ対象となっている周波数での相関値の積算時間を決定する。すなわち、サーチ基準周波数と現在サーチ対象となっている周波数との差によって、積算時間を変化させる。これにより、目的信号の捕捉に対して、追尾中の信号によるクロスコリレーションの影響を低減することができる。さらに、積算時間が適切に設定されることで、単に積算時間を一定にする場合よりも、周波数帯域全域に亘るトータルの積算時間を短縮することが可能になる。
また、この発明の信号サーチ方法では、積算時間決定工程は、周波数区間決定工程と、区分判定工程と、決定工程とを有する。周波数区間決定工程では、サーチ基準周波数とサーチ対象の周波数との周波数差に応じて、サーチ対象の周波数が選択的に該当し得る複数の周波数区間を決定する。区分判定工程では、サーチ対象の周波数が複数の周波数区間のいずれに属するかを判定する。決定工程では、周波数区間毎に積算時間を設定する。
この方法では、サーチ対象の周波数を複数の周波数区間に分け、周波数区間毎に積算時間を決定している。これにより、個別のサーチ周波数毎に詳細に積算時間を決定する場合に対して、信号サーチ性能をあまり低下させることなく、積算時間の決定工程を簡素化して、短縮化できる。
この発明によれば、従来方法よりも比較的簡素な方法で、且つ従来用法よりも目的信号を正確に捕捉できる。
特許文献1に記載された信号サーチ方法の概念を示す図である。 本発明の実施形態の信号サーチ方法のフローチャートである。 相関値算出のコード位相、周波数設定の概念を説明するための図である。 目的のGPS信号を捕捉した場合のピーク相関値Peak(i)の周波数特性、および、クロスコリレーションの場合のピーク相関値Peak(i)の周波数特性を示す。 目的のGPS信号の相関特性、およびクロスコリレーションの相関特性を示す図である。 目的のGPS信号およびクロスコリレーションの判定フローを示すフローチャートである。 平均値および標準偏差を用いた目的のGPS信号およびクロスコリレーションの判定フローを示すフローチャートである。 2種の最大ノイズ値を切り替えて用いた場合の目的のGPS信号およびクロスコリレーションの判定フローを示すフローチャートである。 本実施形態の積算相関値算出方法のフローチャートである。 周波数区間の設定概念を説明するための図である。 積算時間設定用マップの一例を示す図である。 積層時間変更用マップの形成工程のフローチャートである。 周波数区間の判定処理および積算時間の設定処理を示すフローチャートである。 周波数区間の判定概念および積算時間の設定概念を説明するための図である。 信号強度区分の設定概念を説明するための図である。 信号強度区分も含めた積算時間設定用マップの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るGPS信号受信装置1の構成を示すブロック図である。 GPS信号受信装置1を備える情報機器端末100の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態に係る信号サーチ方法について、図を参照して説明する。なお、本実施形態では、GPS衛星から送信されるGPS信号のL1波(以下、単にGPS信号と称する。)をサーチ方法について説明する。しかしながら、GPS信号のL1波に限らず、一定のコード周期でコード変調された信号を捕捉する場合に、以下の方法を適用することができる。
図2は本実施形態の信号サーチ方法のフローチャートである。図3は相関値算出のコード位相、周波数設定の概念を説明するための図である。
図2に示すように、本実施形態の信号サーチ方法では、まず、GPS信号の周波数1575.42MHzを走査帯域の略中心の周波数とした8kHzの周波数区間に対して、受信信号とレプリカ信号との相関処理を行う。レプリカ信号とは、GPS信号に用いられているC/Aコードを再現した信号である。そして、本実施形態の信号サーチ方法では、各コード位相および周波数の組合せ毎に、所定時間長に亘り相関値を積算することで、積算相関値を算出する。
さらに、本実施形態の信号サーチ方法では、図3に示すように、コード位相軸方向に対しては、1個の周波数における1023chipのコード位相に対して、0.5chipの分解能で、全てのコード位相点を同時に相関処理し、コード位相点毎に積算相関値を算出する。このように1つの周波数で得られる積算相関値群を、周波数上の積算相関値と称する。
また、本実施形態の信号サーチ方法では、周波数軸方向に対しては、1000Hz間隔で設定された8個の周波数を1グループとし、同時並行して相関処理を実行し積算相関値を算出する。具体的な例としては、図3に示すように、1000Hz間隔からなる周波数Fsig011,Fsig012,Fsig013,Fsig014,Fsig015,Fsig016,Fsig017,Fsig018のグループGr1において、同時に積算相関値が算出される(S101)。
次に、グループGr1に対して、周波数を50HzシフトさせたグループGr2(周波数Fsig021を含むグループ)において、8点で同時に相関処理が実行される。
次に、グループGr2に対して、周波数を50HzシフトさせたグループGr3(周波数Fsig031を含むグループ)において、8点で同時に相関処理が実行される。
このような相関処理を、グループGr1からグループGr19まで順次実行していくことで、走査帯域の全域(8kHz)を網羅する1チャンネル分の積算相関値を得る。そして、1チャンネル分の相関処理が終了すると、再度グループGr1からの相関処理が、順次繰り返して実行される。なお、グループGr間の移行は、後述するクロスコリレーションの判定と同時並行して行ってもよいが、以下では、クロスコリレーション判定中のグループGrにおいて、クロスコリレーション判定された場合、言い換えれば目的の信号を捕捉できなかった場合に、次のグループGrに移行する処理を示す。
次に、1つのグループGrを構成する周波数i(i=1〜8)毎に、当該周波数i上に存在する全ての積算相関値を比較する。そして、最大値となる積算相関値を、当該周波数iのピーク相関値Peak(i)として取得する(S102)。
このように取得した周波数i毎のピーク相関値Peak(i)は、図4に示すような特性となる。図4(A)は目的のGPS信号を捕捉した場合のピーク相関値Peak(i)の周波数特性を示し、図4(B)はクロスコリレーションの場合のピーク相関値Peak(i)の周波数特性を示す。
目的のGPS信号を捕捉した場合、特定の周波数のピーク相関値が、他の周波数のピーク相関値よりも大幅に高くなる。具体的に、図4(A)の例であれば、周波数Fsig012の周波数i=2のピーク相関値Peak(2)が、グループGr1の他の周波数Fsig011,Fsig013〜Fsig018の周波数i=1,3〜8のピーク相関値Peak(1),Peak(3)〜Peak(8)よりも大幅に大きくなる。
クロスコリレーションの場合、取得した全ての周波数i=1〜8のピーク相関値Peak(1)〜Peak(8)が略同じなる。
これは、目的のGPS信号に対する相関特性と、クロスコリレーションの相関特性とが図5に示すような周波数特性を有するからである。図5(A)は目的のGPS信号の相関特性を示し、図5(B)はクロスコリレーションの相関特性を示す図である。
図5(A)に示すように、目的のGPS信号の場合、積算相関値は、目的のGPS信号の受信時の周波数のみで積算相関値が非常に高くなる。その一方で、他の周波数では積算相関値が大幅に低くなる。
図5(B)に示すように、クロスコリレーションの場合、積算相関値が1000Hz間隔で極大となり、略同じ積算相関値となる。これは、C/Aコードが、1023chipからなり、ビットレート1.023Mbpsであることに起因している。すなわち、C/Aコードのコード周期が1msec.(ミリ秒)であり、コード周期が1000Hzであることに起因している。
このような相関特性を利用し、本実施形態の信号サーチ方法では、引き続き、次に示すフローで、目的のGPS信号の捕捉およびクロスコリレーションの判定を行う。
上述のように、取得した各周波数iのピーク相関値Peak(i)を比較してクロスコリレーションの判定を行う(S103)。図6は目的のGPS信号およびクロスコリレーションの判定フローを示すフローチャートである。
まず、各周波数iのピーク相関値Peak(i)を比較し、これらの最大値を最大ピーク値Tpeakとして検出する(S301)。
次に、各周波数iのピーク相関値Peak(i)を比較し、これらの中で2番目に高い値のピーク相関値Peak(i)を、最大ノイズ値Npに設定する(S302)。言い換えれば、各周波数iのピーク相関値Peak(i)の中で、最大ピーク値Tpeakを除いて最大値となるピーク相関値Peak(i)を、最大ノイズ値Npに設定する。
次に、最大ピーク値Tpeakと最大ノイズ値Npとの比Ratioを、Tpeak/Npの演算式によって算出する(S303)。
次に、予め設定した閾値Thと比Ratioとを比較して、比Ratioが閾値Thよりも高ければ(S304:Yes)、最大ピーク値Tpeakは目的のGPS信号によるものだと判定する(S306)。一方、比Ratioが閾値Th以下であれば(S304:No)、これらピーク相関値Peak(i)群は、クロスコリレーションによるものだと判定する(S305)。
具体的に、図4(A)の例では、周波数Fsig012のピーク相関値Peak(2)が最大ピーク値Tpeakに設定される。周波数Fsig014のピーク相関値Peak(4)が最大ノイズ値Npに設定される。比Ratio(Tpeak/Np)は、Peak(2)/Peak(4)となる。ここで、上述のように、GPS信号の相関特性から、ピーク相関値Peak(2)は、ピーク相関値Peak(4)よりも大幅に高い。したがって、比Ratioは、非常に高い正値となる。
図4(B)の例でも、周波数Fsig012のピーク相関値Peak(2)が最大ピーク値Tpeakに設定される。周波数Fsig014のピーク相関値Peak(4)が最大ノイズ値Npに設定される。比Ratio(Tpeak/Np)は、Peak(2)/Peak(4)となる。しかしながら、上述のように、クロスコリレーションの場合、ピーク相関値Peak(2)とピーク相関値Peak(4)を含む他のピーク相関値Peakとは、略同じ値となる。したがって、比Ratioは約1程度となる。
このため、閾値Thを、例えば2〜3程度の所定の正値に設定すれば、GPS信号の場合には、比Ratioが閾値Thよりも高くなり、最大ピーク値Tpeakが目的のGPS信号によるものと正確に判定できる。一方、クロスコリレーションの場合には、比Ratioが閾値Thよりも低くなり、クロスコリレーションと正確に判定できる。
このように、目的のGPS信号であるかクロスコリレーションであるかが判定され、目的のGPS信号から積算相関値を得ていることが判定できると(S104:No)、最大ピーク値Tpeakとなる積算相関値を得た周波数とコード位相を取得することで、目的のGPS信号の捕捉し(S105)、追尾処理に移行する。
ここで、クロスコリレーションと判定されれば(S104:Yes)、グループを構成する各周波数をそれぞれ50Hzずつシフトして、すなわち、グループを移行して、上述の積算相関値の取得に始まるクロスコリレーションの判定処理を同様に行う。この処理は、例えば、目的のGPS信号を捕捉するまで継続的に繰り返し実行される。ただし、走査帯域の全域を所定回数(例えば2、3回)走査しても、目的のGPS信号を得られない場合には、例えば、目的のGPS信号を捕捉できなかったことを示す表示を行う等の処理を行ってもよい。なお、本実施形態では50Hzの周波数シフトを行う例を示したが、演算を実行するリソース量や必要とする捕捉速度等に応じて、他の周波数(例えば、100Hz)の周波数シフトであってもよい。
以上のように、本実施形態の信号サーチ方法を用いれば、クロスコリレーションを正確に判定し、目的のGPS信号を正確且つ確実に捕捉することができる。
さらに、本実施形態の方法を用いることで、離散して設定された各周波数に対して、最大の積算相関値(周波数別最大相関値)を算出する工程と、複数の周波数別最大相関値から、さらにクロスコリレーション判定用の最大積算相関値と、2番目に高い積算相関値とを検出するだけで、クロスコリレーションの判定を行うことができる。すなわち、従来技術に示すように、コード位相軸の全体に対して2度の最大値検出を行う必要がなく、処理が簡素化される。例えば、1023chipのコード位相を0.5chipの分解能で走査する場合、従来例であれば、1023×2×2=4092回の積算相関値の取得を行わなければならず、これを8個の異なる周波数で取得する場合、4092×8=32736回の積算相関値の取得が必要になる。一方で、本実施形態の方法では、一周波数に対して1023×2=2046回であり、8周波数では、2046×8=16368回となる。そして、8周波数の積算相関値から最大ピーク相関値を決定するために8回、2番目のピーク相関値を決定するのに7回の走査となる。したがって、16368+8+7=16383回となり、従来の32736回の半分程度で済む。その上、本実施形態では、独立する8周波数で平行して、積算相関値に対する各処理を実行するので、さらに高速な処理が実現できる。
また、従来技術では、コード位相軸に存在する2番目の相関ピークを見つけるために、コード位相軸上での範囲制限を行わなければならなかったが、本実施形態では、互いに独立する複数の周波数のピーク相関値間から2番目のピーク相関値を決定するため、制限を設ける必要が無く、従来技術よりも簡素な処理が可能となる。
また、既に航法メッセージを取得済みで、当該航法メッセージから目的のGPS信号の情報が得られた場合、従来技術であっても本実施形態の方法であってもコード位相軸上での走査範囲を狭くすることができるが、従来技術の場合、上述のように、真の2番目のピーク相関値が走査範囲内にないことが考えられ、クロスコリレーションの判定確度が低下することがある。しかしながら、本実施形態の方法では、各周波数のコード位相軸上では最大の積算相関値を取得し、これら互いに独立する複数の周波数での最大の積算相関値から、最大ピーク値と2番目のピーク相関値(最大ノイズ値)を得るため、クロスコリレーション判定を行うために必要とする真の2番目のピーク相関値(積算相関値)を得ることができ、クロスコリレーション判定確度を低下させることない。
以上のように、本実施形態の方法を用いれば、従来技術よりも簡素な処理でありながら、クロスコリレーションを正確に判定し、目的のGPS信号を正確に捕捉することができる。
なお、上述の説明では、最大ノイズ値Npを2番目のピーク相関値とする例を示したが、次に示すように、各周波数iのピーク相関値Peak(i)の平均値および標準偏差から最大ノイズ値Np'を設定してもよい。図7は、平均値および標準偏差を用いた目的のGPS信号およびクロスコリレーションの判定フローを示すフローチャートである。
まず、各周波数iのピーク相関値Peak(i)を比較し、これらの最大値を最大ピーク値Tpeakとして検出する(S311)。
次に、同時に取得した全ての周波数i(i=1〜8)の積算相関値の平均値Eを算出する(S312)。例えば、上述の8周波数同時処理で、1023chipに対する0.5chip分解能で積算相関値を取得した場合、1023×2×8=16368個の積算相関値を加算し、この加算値を母数16368で除算することで、平均値Eを算出する。
次に、同時に取得した全ての周波数i(i=1〜8)の積算相関値の標準偏差σを算出する(S313)。例えば、上述の8周波数同時処理で、1023chipに対する0.5chip分解能で積算相関値を取得した場合、1023×2×8=16368個の積算相関値の自乗和を算出し、当該自乗和を母数16368で除算し、上述の平均値Eの自乗を減算する。そして、この減算結果の平方根と取ることで、標準偏差σを算出する。
次に、平均値Eと標準偏差σとから最大ノイズ値Np'を算出する(S314)。最大ノイズ値Np'は、標準偏差σに定数Nを乗算し、乗算結果と平均値Eの加算により算出される。すなわち、Np'=E+Nσから得られる。ここで、Nは、コード位相軸方向に沿った走査範囲に準じて設定される定数である。
例えば、走査範囲が拡がるほどNが小さくなり、走査範囲が狭くなるほどNが大きく設定される。具体例としては、コード位相の全コード範囲(1023chip)を走査範囲とする場合にN=4が設定され、コード位相の前コード範囲における1/4(256chip)を走査範囲とする場合にN=5が設定される。
走査範囲に応じて、このように定数Nを設定することで、サンプル数(走査範囲の大きさ)によるノイズ算定誤差に対する影響を抑圧でき、走査範囲を変化させても信頼性の高い最大ノイズ値Np'を設定できる。
次に、最大ピーク値Tpeakと最大ノイズ値Np'との比Ratio'を、Tpeak/Np'の演算式によって算出する(S315)。
次に、予め設定した閾値Th'と比Ratio'とを比較して、比Ratio'が閾値Th'よりも高ければ(S316:Yes)、最大ピーク値Tpeakは目的のGPS信号によるものだと判定する(S318)。一方、比Ratio'が閾値Th'以下であれば(S316:No)、これらピーク相関値Peak(i)群は、クロスコリレーションによるものだと判定する(S317)。
このように、平均値Eと標準偏差σを用いた最大ノイズ値Np'を設定する方法を用いれば、最大ノイズ値の統計学上の信頼性を向上させることができる。したがって、より正確にクロスコリレーションを判定することができる。
なお、上述の二種の最大ノイズ値の設定方法を、組み合わせて利用することもできる。図8は2種の最大ノイズ値を切り替えて用いた場合の目的のGPS信号およびクロスコリレーションの判定フローを示すフローチャートである。
まず、各周波数iのピーク相関値Peak(i)を比較し、これらの最大値を最大ピーク値Tpeakとして検出する(S321)。
コード位相の走査範囲を取得し、コード位相の走査範囲が広い(1023chipのフルコード等)場合(S322:Yes)、各周波数iのピーク相関値Peak(i)を比較し、これらの中で2番目に高い値のピーク相関値Peak(i)を、最大ノイズ値Npに設定する(S323)。
次に、最大ピーク値Tpeakと最大ノイズ値Npとの比Ratioを、Tpeak/Npの演算式によって算出する(S324)。
次に、予め設定した閾値Thと比Ratioとを比較して、比Ratioが閾値Thよりも高ければ(S325:Yes)、最大ピーク値Tpeakは目的のGPS信号によるものだと判定する(S326)。一方、比Ratioが閾値Th以下であれば(S325:No)、これらピーク相関値Peak(i)群は、クロスコリレーションによるものだと判定する(S327)。
コード位相の走査範囲を取得し、コード位相の走査範囲が狭い(1023chipのフルコードの1/4(256chip)等)場合(S322:No)、同時に取得した全ての周波数i(i=1〜8)の積算相関値の平均値Eと標準偏差σを算出する(S328)。これら積算相関値の平均値Eおよび標準偏差σの算出方法は、上述の方法と同じ方法を用いる。
次に、平均値Eと標準偏差σとから最大ノイズ値Np'を算出する(S329)。最大ノイズ値Np'は、標準偏差σに定数Nを乗算し、乗算結果と平均値Eの加算により算出される。すなわち、Np'=E+Nσから得られる。ここで、Nは、コード位相軸方向に沿った走査範囲に準じて設定される定数である。
次に、最大ピーク値Tpeakと最大ノイズ値Np'との比Ratio'を、Tpeak/Np'の演算式によって算出する(S330)。
次に、予め設定した閾値Th'と比Ratio'とを比較して、比Ratio'が閾値Th'よりも高ければ(S331:Yes)、最大ピーク値Tpeakは目的のGPS信号によるものだと判定する(S326)。一方、比Ratio'が閾値Th'以下であれば(S331:No)、これらピーク相関値Peak(i)群は、クロスコリレーションによるものだと判定する(S327)。
このような2つの最大ノイズ値の設定方法の組合せを用いる場合で、母数が多い場合に、2番目に高い値のピーク相関値を用いるため、最大ノイズ値の設定に対して、母数の多さの影響を受けにくい。さらに、母数が多いため、最大ノイズ値を2番目に高い値のピーク相関値で設定しても、その値は十分な信頼性を有する。一方、母数が少ない場合には、平均値Eと標準偏差σとを用いる統計学的手法により、最大ノイズ値を設定するので、母数の少なさによる最大ノイズ値の信頼性低下を抑制できる。さらに、母数が少ないために演算処理負荷の増加に余り影響を及ぼさない。したがって、2つの最大ノイズ値の設定方法の組合せを用いる方法とすることで、最大ノイズ値の信頼性を維持し、且つ演算処理負荷をあまり増加させることなく、クロスコリレーションの判定を行うことができる。
ところで、上述の信号サーチ方法では、相関値を算出するための積算時間を特に詳細に定義せず、周波数によることなく一定としていた。しかしながら、すでに追尾中のGPS信号が存在する場合には、次に示すように、グループ毎に積算時間を個別に設定してもよい。
本発明の実施形態に係る信号サーチ方法について、図を参照して説明する。なお、本実施形態では、GPS衛星から送信されるGPS信号のサーチ方法について説明する。また、本実施形態では、説明を簡略化するために、本実施形態に示す信号サーチの開始時点において、追尾中のGPS信号が1個である場合について説明する。
図9は本実施形態の積算相関値算出方法のフローチャートである。図9に示すように、本実施形態の信号サーチ方法では、まず、追尾中のGPS信号の周波数Fを取得し、サーチ基準周波数FSBに設定する(S601)。サーチ基準周波数FSBは、取得した追尾中のGPS信号の周波数Fと、当該周波数Fを基準として、上述の8kHzの周波数範囲内に存在する1000Hz間隔に設定された周波数からなる。このサーチ基準周波数FSBが、本実施形態で示す信号サーチ時におけるクロスコリレーションによる積算相関値の極大が発生する周波数に相当する。
次に、このようなクロスコリレーション特有の積算相関値特性を利用して、サーチ基準周波数FSBに基づいて、図10に示すように周波数区間を決定する(S602)。図10は周波数区間の設定概念を説明するための図である。
図10に示すように、本実施形態の信号サーチ方法では、サーチ基準周波数FSBを基準の周波数(0Hz)として、当該基準の周波数から500Hz離間する周波数範囲を、第1周波数区間ARc、第2周波数区間ARn、および第3周波数区間ARfに分割して設定する。
第1周波数区間ARcは、概念的には、クロスコリレーションの影響を最も受けやすく、クロスコリレーションの周波数に対して極近接する周波数区間である。第1周波数区間ARcは基準の周波数から第1閾値周波数Fcまでの周波数帯域で設定される。
第2周波数区間ARnは、概念的には、クロスコリレーションの影響を受ける可能性ある程度有り、クロスコリレーションの周波数に対して極近接区間よりは離間しているが、ある程度近接する周波数区間である。第2周波数区間ARnは、第1閾値周波数Fcから第2閾値周波数Fn(<Fc)までの周波数帯域で設定される。
第3周波数区間ARfは、概念的には、クロスコリレーションの影響を殆ど受けることなく、クロスコリレーションの周波数に対して離間している周波数区間である。第3周波数区間ARfは、第2閾値周波数Fnから500Hzまでの周波数帯域で設定される。
なお、第1閾値周波数Fc、第2閾値周波数Fnは、積算時間に基づいて適宜設定される。例えば、クロスコリレーションのメインローブに略相当する周波数帯域が第1周波数区間ARcとなるように、第1閾値周波数Fcが設定される。また、当該メインローブに隣り合うサイドローブに略相当する周波数帯域が第2周波数区間ARnとなるように、第2閾値周波数Fnが設定される。
そして、積算時間が変化すれば、クロスコリレーションの相関特性を構成する各ローブの幅は変化するので、この相関特性の変化に応じて、第1閾値周波数Fc、第2閾値周波数Fnを変化させればよい。例えば、積算時間が長くなると、メインローブおよびサイドローブの幅が狭くなるので、第1閾値周波数Fc、第2閾値周波数Fnを、より小さな値に設定すればよい。
次に、本実施形態の信号サーチ方法では、予備サーチによって検出された予備検出信号の周波数を取得し、図11に示すような積算時間変更用のマップ形成を行う(S603)。図11は積算時間設定用マップの一例を示す図である。また、図12は、積層時間変更用マップの形成工程のフローチャートである。
予備サーチによって検出された予備検出信号の周波数Fを取得すると、当該予備検出信号の周波数Fと、サーチ基準周波数FSBとの差分値(周波数差分値Df(F))を算出する。この際、複数の予備検出信号があれば、個々の予備検出信号毎に周波数差分値Df(F)を算出する(S701)。
予備検出信号の周波数差分値Df(F)は次式から得られる。 Df(F)=(ABS(F−FSB))/1000 [Hz] ここで、ABS( )は、絶対値演算を表す記号である。
次に、予備検出信号の周波数差分値が0Hzから500Hzまでの間の値となるように規格化し、規格化周波数差分値Δf(F)を算出する。予備検出信号の規格化周波数差分値Δf(F)は次式から得られる。なお、Mod( )は余り表す記号である。 If Mod(Df(F))≧500 [Hz] Δf(F)=ABS(Df(F)−1000) Else Mod(Df(F))<500 [Hz] Δf(F)=Mod(Df(F)) このように算出された各予備検出信号の規格化周波数差分値Δf(F)を、第1閾値周波数Fc、第2閾値周波数Fnと比較する(S702)。
予備検出信号の規格化周波数差分値Δf(F)が第1閾値周波数Fcよりも低ければ(S703:Yes)、当該予備検出信号は第1周波数区間ARc内と判定し(S705)、第1周波数区間ARcの予備検出信号数が+1カウントされる(S706)。
予備検出信号の規格化周波数差分値Δf(F)が第1閾値周波数Fc以上であり(S703:No)、第2閾値周波数Fnよりも低ければ(S704:Yes)、当該予備検出信号は第2周波数区間ARn内と判定し(S707)、第2周波数区間ARnの予備検出信号数が+1カウントされる(S708)。
予備検出信号の規格化周波数差分値Δf(F)が第1閾値周波数Fc以上であり(S703:No)、第2閾値周波数Fn以上であれば(S704:No)、当該予備検出信号は第3周波数区間ARf内と判定し(S709)、第3周波数区間ARfの予備検出信号数が+1カウントされる(S710)。
このような予備検出信号がどの周波数区間に該当するかを処理は、全ての予備検出信号に対して行われ(S711:Yes)、当該判断処理が行われていない予備検出信号がある場合は(S711:No)、全ての予備検出信号に対する判断処理が終わるまで、上述のステップS702からの処理を繰り返す。
このような処理を行うことで、第1周波数区間ARc、第2周波数区間ARn、第3周波数区間ARf毎に存在する予備検出信号数のマップ(図11参照)が形成される。
次に、マップに基づいて、第1周波数区間ARcの積算時間Tc、第2周波数区間ARnの積算時間Tn、および第3周波数区間ARfの積算時間Tfを設定し(S604)、設定された積算時間で相関値を積算することにより積算相関値を算出する(S605)。
ここで、図11に示すように、第1周波数区間ARc、第2周波数区間ARnの両方に予備検出信号がある場合、第1周波数区間ARcの積算時間Tc、第2周波数区間ARnの積算時間Tn、および第3周波数区間ARfの積算時間Tfは、Tc>Tn>Tfの関係となるように、設定される。
このような設定を行うことで、クロスコリレーションの影響を受けやすい周波数区間ほど、積算時間が長くなるように設定される。ここで、積算時間が長くなるほど、クロスコリレーションによる相関特性のピークが急峻になることからも分かるように、積算時間を長くするほど、周波数軸上での信号検出の分解能が向上する。
したがって、本実施形態のように積算時間を設定することで、クロスコリレーションのピーク周波数に極近接する周波数帯や、クロスコリレーションのピーク周波数に近接する周波数帯であっても、それぞれの周波数区間に応じて適切にクロスコリレーションの影響が低減され、目的とするGPS信号を、より正確に検出し、捕捉することができる。
このように、周波数区間と積算時間が設定されると、各サーチ周波数Fsigに対して、上述のいずれの周波数区間に該当するかを判定し、サーチ周波数Fsigの積算時間を決定する。この際、上述のようにグループGrを構成するサーチ周波数Fsigは、1000Hz間隔にあるので、1つのグループGrに含まれる全てのサーチ周波数Fsigとサーチ基準周波数FSBとの差は同じである。
したがって、1つのグループGrに含まれる全てのサーチ周波数Fsigに対する積算時間の決定は、1つのサーチ周波数Fsigで行い、決定した積算時間を同じグループGrに属する他のサーチ周波数Fsigにも設定すればよい。図13は周波数区間の判定処理および積算時間の設定処理を示すフローチャートである。
サーチ基準周波数FSBとグループGrを代表する1つのサーチ周波数Fsigとの周波数差分値Dfを算出し、規格化周波数差分値Δfsigを算出する(S801)。具体的には、上述の予備検出信号の規格化周波数差分値Δf(F)と同様の処理を行う。
サーチ基準周波数FSBとグループGrを代表する1つのサーチ周波数Fsigとの周波数差分値Dfを算出する。
周波数差分値Dfは次式から得られる。 Df=(ABS(Fsig−FSB))/1000 [Hz] 次に、周波数差分値が0Hzから500Hzまでの間の値となるように規格化し、規格化周波数差分値Δfsigを算出する。規格化周波数差分値Δfsigは次式から得られる。 If Mod(Df)≧500 [Hz] Δfsig=ABS(Df−1000) Else Mod(Df)<500 [Hz] Δfsig=Mod(Df) このように算出されたサーチ周波数Fsigに対する規格化周波数差分値Δfsigと、上述の第1閾値周波数Fcとを比較する(S802)。
規格化周波数差分値Δfsigが第1閾値周波数Fcよりも低ければ(S802:Yes)、サーチ周波数Fsigは第1周波数区間ARc内と判定し、サーチ周波数Fsigに対して積算時間Tcを採用する(S804)。
規格化周波数差分値Δfsigが第1閾値周波数Fc以上であれば(S802:No)、サーチ周波数Fsigに対する規格化周波数差分値Δfsigと、上述の第2閾値周波数Fnとを比較する(S803)。
規格化周波数差分値Δfsigが第2閾値周波数Fnよりも低ければ(S803:Yes)、サーチ周波数Fsigは第2周波数区間ARn内と判定し、サーチ周波数Fsigに対して積算時間Tnを採用する(S805)。
規格化周波数差分値Δfsigが第2閾値周波数Fn以上であれば(S803:No)、サーチ周波数Fsigは第3周波数区間ARf内と判定し、サーチ周波数Fsigに対して積算時間Tfを採用する(S806)。
このようにして、クロスコリレーションのピーク周波数に対するサーチ周波数Fsigの離間具合に応じた積算値が設定される。
具体的に、上述のように、サーチ周波数をグループ毎に50Hz間隔でシフトさせる場合には、各グループGr1〜Gr18を代表するサーチ周波数Fsig011,Fsig021,Fsig031,Fsig041,Fsig051,Fsig061,Fsig071,Fsig081,Fsig091,Fsig101,Fsig111,Fsig121,Fsig131,Fsig141,Fsig151,Fsig161,Fsig171,Fsig181,Fsig191は、図14のように設定される。図14は周波数区間の判定概念および積算時間の設定概念を説明するための図である。なお、図14では、各グループGr1のサーチ周波数Fsig011が、クロスコリレーションのピーク周波数から最も遠い例を示している。
図14の例では、サーチ周波数Fsig011,Fsig021,Fsig031,Fsig041,Fsig051,Fsig061は第3周波数区間ARfに該当する。サーチ周波数Fsig071,Fsig081は第2周波数区間ARnに該当する。サーチ周波数Fsig091,Fsig101,Fsig111は第1周波数区間ARcに該当する。サーチ周波数Fsig121,Fsig131は第2周波数区間ARnに該当する。サーチ周波数Fsig141,Fsig151,Fsig161,Fsig171,Fsig181,Fsig191は第3周波数区間ARfに該当する。
したがって、サーチ周波数Fsig011,Fsig021,Fsig031,Fsig041,Fsig051,Fsig061、およびサーチ周波数Fsig141,Fsig151,Fsig161,Fsig171,Fsig181,Fsig191には、積算時間Tfが採用される。サーチ周波数Fsig071,Fsig081およびサーチ周波数Fsig121,Fsig131には、積算時間Tnが採用される。サーチ周波数Fsig091,Fsig101,Fsig111には積算時間Tcが採用される。
この結果を元にして、サーチ周波数Fsig011,Fsig021,Fsig031,Fsig041,Fsig051,Fsig061、およびサーチ周波数Fsig141,Fsig151,Fsig161,Fsig171,Fsig181,Fsig191をそれぞれ含むグループGr1,Gr2,Gr3,Gr4,Gr5,Gr6,Gr14,Gr15,Gr16,Gr17,Gr18,Gr19に属する全てのサーチ周波数Fsigに対する積算時間は、Tfに設定される。
サーチ周波数Fsig071,Fsig081およびサーチ周波数Fsig121,Fsig131をそれぞれ含むグループGr7,Gr8,Gr12,Gr13に属する全てのサーチ周波数Fsigに対する積算時間は、Tnに設定される。
サーチ周波数Fsig091,Fsig101,Fsig111をそれぞれ含むグループGr9,Gr10,Gr11に属する全てのサーチ周波数Fsigに対する積算時間は、Tcに設定される。
このように設定された積算時間に応じて、各サーチ周波数で相関処理が行われ、積算時間に応じた積算相関値が算出される。
このような処理を行うことで、上述のように、周波数区間に応じて適切にクロスコリレーションの影響が低減され、信号サーチ性能を従来方法よりも向上させることができる。
また、クロスコリレーションの影響を受けにくい第2、第3周波数区間ARn,ARfの積算時間Tn,Tfを、クロスコリレーションの影響を受けやすい第1周波数区間の積算時間Tcよりも短くすることで、全周波数帯域において、クロスコリレーションの影響を受けやすい第1周波数区間の積算時間Tcを採用するよりも、1チャンネル分の信号サーチ時間を短縮することができる。
以上のように、本実施形態の積算相関値算出方法を用いれば、さらに、クロスコリレーションによる誤捕捉を生じることなく、従来方法よりも短時間でGPS信号の捕捉を行うことができる。
なお、上述の説明では、カウント数に応じて積算時間Tc,Tn,Tfを設定する例を示したが、カウント数を考慮することなく、周波数区間毎に、クロスコリレーションのピーク周波数に近い順に、積算時間を長くするようにしてもよい。このような積算時間の設定を行えば、予備サーチを必要としない。ただし、カウント数に応じて積算時間を設定する場合には、予備検出信号が無い場合に第2周波数区間ARnの積算時間Tn、および第3周波数区間ARfの積算時間Tfを同等に短くしたり、各積算時間を一様に短くする等の設定が可能になり、状況に応じて、より最適な積算時間の設定が可能になる。
また、上述の説明では、クロスコリレーションのピーク周波数(サーチ基準周波数FSB)からの離間量のみに応じて、積算時間を設定する例を示したが、予備検出信号の信号強度も用いて積算時間を設定してもよい。図15は信号強度区分の設定概念を説明するための図である。図16は信号強度区分も含めた積算時間設定用マップの一例を示す図である。
図15に示すように、信号強度区分は、予備検出信号のC/Noに応じて、3段階に設定されている。具体的には、第1閾値C/N0n未満を第1信号強度区分ZONEwに設定し、第1閾値C/N0n以上第2閾値C/N0s未満を第2信号強度区分ZONEnに設定し、第2閾値C/N0s以上を第3信号強度区分ZONEsに設定する。
予備検出信号を取得した場合、予備検出信号毎にC/N0を検出し、いずれの信号強度区分に該当するか判定する。
この処理を行うことで、上述の周波数区間の判定結果とともに、図16に示すような積算時間設定用マップを形成することができる。
そして、各周波数区間において、各信号強度区分に該当する予備検出信号数の分布を参照して、各周波数区間の積算時間を設定する。例えば、図16に示すように、第1周波数区間ARcに、C/N0の高い予備検出信号が存在すると判明すれば、当該予備検出信号はクロスコリレーションによるピーク周波数を発生する追尾中のGPS信号である可能性が高いので、当該追尾中のGPS信号の影響を受けにくくするように、積算時間を、より長く補正すればよい。
これにより、さらに受信状況に応じて、より適する積算時間を設定でき、クロスコリレーションによる誤捕捉をさらに生じないようにすることができる。
なお、上述の説明では、GPS信号のクロスコリレーションの場合を例に説明したが、他のGNSS信号の捕捉にも同様に適用できる。さらには、目的信号を変調する拡散コードの周期から決定される周波数間隔で相関値にピークが現れるような無線通信信号の捕捉に対しても、同様に適用できる。
また、上述の周波数区間の設定処理では、3個の周波数区間を設定する例を示したが、2個以上の周波数区間に設定することができる。同様に、信号強度区分も、2個以上の信号強度区分に設定することができる。
また、上述の説明では、詳細に示していないが、積算時間はコヒーレント積算時間、ノンコヒーレント積算時間のうち、いずれか一方か、もしくは両方を設定変更することで、積算時間の補正を実現すればよい。
また、上述の説明では、サーチ対象周波数Fsigを複数の周波数区間に振り分け、周波数区間毎に積算時間を設定する例を示したが、サーチ対象周波数Fsigとサーチ基準周波数FSBとの周波数差分値に応じて、サーチ対象周波数Fsig毎に、積算時間を設定することも可能である。この場合、例えば、サーチ対象周波数Fsigとサーチ基準周波数FSBと周波数差分値が大きくなるほど、積算時間を短くなるように設定すればよい。
以上のような処理は、次に示す構成のGPS信号受信装置で実現できる。図17は、本発明の実施形態に係るGPS信号受信装置1の構成を示すブロック図である。
GPS信号受信装置1は、GPS受信アンテナ10、RF処理部20、ベースバンド処理部30、および測位演算部40を備える。
GPS受信アンテナ10は、各GPS衛星から放送(送信)されるGPS信号を受信し、RF処理部20へ出力する。RF処理部20は、受信したGPS信号をダウンコンバートして、中間周波数信号(IF信号)生成し、ベースバンド処理部30へ出力する。
ベースバンド処理部30は、本発明の「相関値取得部」および「判定部」を備える「信号サーチ装置」に対応する。また、ベースバンド処理部30は、本発明の「捕捉追尾部」にも対応する。なお、ベースバンド処理部30は、「判定部」に相当するハードウェアと、「相関値取得部」および「捕捉追尾部」に相当するハードウェアとを個別に実現してもよく、一体のハードウェアで実現してもよい。ベースバンド処理部30は、IF信号にキャリア周波数信号を乗算することでベースバンド信号を生成し、当該ベースバンド信号によるGPS信号の捕捉処理、および追尾処理を行う。この際、捕捉処理に、上述の信号サーチ方法を用いる。これにより、クロスコリレーションの誤捕捉を抑制し、目的とするGPS信号を確実に捕捉できる。
このような捕捉されたGPS信号に対する捕捉処理は、追尾処理に移行する。この追尾に得られるコード相関結果やキャリア相関結果、さらにはコード相関結果から得られる擬似距離は、測位演算部40へ出力される。
測位演算部40は、コード相関結果に基づいて航法メッセージを復調するとともに、コード相関結果、キャリア位相結果、擬似距離から、GPS信号受信装置1の測位を行う。
このような構成を用い、上述の信号サーチ方法を用いることで、誤捕捉が抑制され且つ高速な捕捉を行えるので、GPS信号の追尾精度が向上し、結果的に測位結果の精度を向上させることもできる。
なお、上述の信号サーチ方法を実行するベースバンド処理部30は、各処理を実行するハードウェア群で実現してもよく、上述の信号サーチ方法の各処理をプログラム化した状態で記憶媒体に記憶しておき、コンピュータで当該プログラムを読み出して実行する態様によって実現してもよい。
また、このようなGPS信号受信装置1やGPS信号受信機能は、図18に示すような情報機器端末100に利用される。図18は、本実施形態のGPS信号受信装置1を備えた情報機器端末100の主要構成を示すブロック図である。
図18に示すような情報機器端末100は、例えば携帯電話機、カーナビゲーション装置、PND、カメラ、時計等であり、アンテナ10、RF処理部20、ベースバンド処理部30、測位演算部40、アプリケーション処理部130を備える。アンテナ10、RF処理部20、ベースバンド処理部30、測位演算部40は、上述の構成のものであり、これらにより上述のようにGPS信号受信装置1が構成されている。
アプリケーション処理部130は、GPS信号受信装置1から出力された測位結果に基づいて、自装置位置や自装置速度を表示したり、ナビゲーション等に利用するための処理を実行する。
このような構成において、上述のように高精度な測位結果を得られることで、高精度な位置表示やナビゲーション等を実現することができる。
1:GPS信号受信装置、10:GPS受信アンテナ、20:RF処理部、30:ベースバンド処理部、40:測位演算部、100:情報機器端末、130:アプリケーション処理部

Claims (17)

  1. 目的信号を捕捉するための信号サーチ方法であって、
    前記目的信号を変調した拡散コードのコード周期から決定される周波数間隔に設定された複数の周波数を1つのグループとして、受信信号と前記複数の周波数で生成された前記目的信号のレプリカ信号との相関処理を行って相関値を取得する相関値取得工程と、
    該グループ内の複数の相関値から前記目的信号を捕捉できたかどうかの判定を行う判定工程と、を有する信号サーチ方法。
  2. 請求項1に記載の信号サーチ方法であって、
    前記目的信号は、GPS信号のL1波であり、
    前記周波数間隔は、1000Hz間隔である、信号サーチ方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の信号サーチ方法であって、
    前記判定工程は、
    前記グループ内の周波数毎の最大相関値を検出し、当該最大相関値をその周波数のピーク相関値に設定し、前記各周波数のピーク相関値の大小関係に基づいて、前記目的信号を捕捉できたかどうかを判定する、信号サーチ方法。
  4. 請求項3に記載の信号サーチ方法であって、
    前記判定工程は、
    前記各周波数のピーク相関値の最大値となる最大ピーク値を検出する工程と、
    前記最大ピーク値を除く前記各周波数のピーク相関値から最大ノイズ値を決定する工程と、
    前記最大ピーク値と前記最大ノイズ値との比を算出する工程と、を有し、
    前記比に基づいて前記目的信号を捕捉できたかどうかを判定する、信号サーチ方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の信号サーチ方法であって、
    前記判定工程によって前記目的信号を捕捉できていないと判定された時、前記複数の周波数を、前記周波数間隔よりも短い一定の周波数幅で周波数シフトさせる、信号サーチ方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の信号サーチ方法であって、
    前記相関値取得工程は、
    追尾中の信号の周波数と前記周波数間隔とからサーチ基準の周波数を設定するサーチ基準周波数設定工程と、
    前記サーチ基準周波数とサーチ対象の周波数との周波数差に応じて、該サーチ対象の周波数での積算時間を設定する積算時間決定工程と、
    設定された積算時間で前記相関値を積算することによって積算相関値を算出する相関値算出工程と、
    を有する信号サーチ方法。
  7. 請求項6に記載の信号サーチ方法であって、
    前記積算時間決定工程は、
    前記サーチ基準周波数とサーチ対象の周波数との周波数差に応じて、前記サーチ対象の周波数が選択的に該当し得る複数の周波数区間を決定する周波数区間決定工程と、
    前記サーチ対象の周波数が前記複数の周波数区間のいずれに属するかを判定する区分判定工程と、
    前記周波数区間毎に積算時間を設定する決定工程と、
    を有する信号サーチ方法。
  8. 目的信号を捕捉する処理をコンピュータに実行させるための信号サーチプログラムであって、
    前記目的信号を変調した拡散コードのコード周期から決定される周波数間隔に設定された複数の周波数を1つのグループとして、該複数の周波数で前記目的信号のレプリカ信号と受信信号との相関処理を行うことで相関値を取得させる相関値取得処理と、
    該グループ内の複数の相関値から前記目的信号を捕捉できたかどうかを判定させる判定処理と、を有する信号サーチプログラム。
  9. 請求項8に記載の信号サーチプログラムであって、
    前記目的信号は、GPS信号のL1波であり、
    前記周波数間隔は、1000Hz間隔である、信号サーチプログラム。
  10. 請求項8または請求項9に記載の信号サーチプログラムであって、
    前記判定処理では、
    前記グループ内の周波数毎の最大相関値を検出させ、当該最大相関値をその周波数のピーク相関値に設定させ、前記各周波数のピーク相関値の大小関係に基づいて、前記目的信号を捕捉できたかどうかを判定させる、信号サーチプログラム。
  11. 請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の信号サーチ方法であって、
    前記相関値取得処理には、
    追尾中の信号の周波数と前記周波数間隔とからサーチ基準の周波数を設定させるサーチ基準周波数設定処理と、
    前記サーチ基準周波数とサーチ対象の周波数との周波数差に応じて、該サーチ対象の周波数での積算時間を設定させる積算時間決定処理と、
    設定された積算時間で前記相関値を積算することによって積算相関値を算出させる相関値算出処理と、
    を有し、
    前記判定処理では、前記積層相関値を、前記目的信号を捕捉できたかどうかを判定する相関値として用いる、
    信号サーチプログラム。
  12. 目的信号を捕捉する信号サーチ装置であって、
    前記目的信号を変調した拡散コードのコード周期から決定される周波数間隔に設定された複数の周波数を1つのグループとして、該複数の周波数で前記目的信号のレプリカ信号と受信信号との相関処理を行って相関値を取得する相関値取得部と、
    該グループ内の複数の相関値から前記目的信号を捕捉できたかどうかを判定する判定部と、を備える信号サーチ装置。
  13. 請求項12に記載の信号サーチ装置であって、
    前記目的信号は、GPS信号のL1波であり、
    前記周波数間隔は、1000Hz間隔である、信号サーチ装置。
  14. 請求項12または請求項13に記載の信号サーチ装置であって、
    前記判定部は、
    前記グループ内の周波数毎の最大相関値を検出し、当該最大相関値をその周波数のピーク相関値に設定し、前記各周波数のピーク相関値の大小関係に基づいて、前記目的信号を捕捉できたかどうかを判定する、信号サーチ装置。
  15. 請求項12乃至請求項14のいずれかに記載の信号サーチ方法であって、
    前記相関値取得部は、
    追尾中の信号の周波数と前記周波数間隔とからサーチ基準の周波数を設定させるサーチ基準周波数設定部と、
    前記サーチ基準周波数とサーチ対象の周波数との周波数差に応じて、該サーチ対象の周波数での積算時間を設定させる積算時間決定部と、
    設定された積算時間で前記相関値を積算することによって積算相関値を算出させる相関値算出部と、を備え、
    前記判定部は、前記積層相関値を、前記目的信号を捕捉できたかどうかを判定する相関値として用いる、
    信号サーチ装置。
  16. 請求項12乃至請求項15のいずれかに記載の信号サーチ装置と、
    前記相関値から前記目的の信号を捕捉、追尾する捕捉追尾部と、
    追尾結果に基づいて測位を行う測位演算部と、を備えるGNSS信号受信装置。
  17. 請求項16に記載のGNSS信号受信装置と、
    前記測位演算部の測位演算結果を用いて所定のアプリケーションを実行するアプリケーション処理部と、を備える情報機器端末。
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