JPWO2013140500A1 - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】主回路電源電圧の復帰時に過速度アラームの発生等によりモータが停止するのを防止する。【解決手段】制御部6は、電圧検出部5により直流電圧が所定電圧を下回ったことが検出された場合に指令トルクTrを所定トルク以下に制限するトルク制限を開始し、直流電圧が所定電圧を上回ったことが検出された場合にトルク制限を解除するトルク制限部17と、トルク制限の解除後にモータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1に一致した場合に、速度指令Vrを第1位置指令速度dPr1に一致させる算出部21及び減算器28と、少なくともトルク制限中に溜まる位置偏差である溜まり位置偏差εbufを算出して保持する保持部22と、第1位置指令速度dPr1の減速開始以後に、保持部22により保持された溜まり位置偏差εbufに対応する第2位置指令Pr2を所定の速度プロファイルで払い出す払出部23と、を有する。

Description

開示の実施形態は、モータ制御装置に関する。
特許文献1には、電源が瞬時停電をしても運転を継続できるモータ制御装置が記載されている。このモータ制御装置は、位置指令とモータ位置から速度指令を生成し、速度指令とモータ速度から第1トルク指令を生成する位置・速度制御部と、トルク指令を電流指令に変換し電流指令とモータ電流からPWMゲート信号を生成するトルク制御部と、直流電源の直流電圧が所定電圧よりも低下したことを検出したら電圧不足ワーニング信号を生成し上位コントローラに出力する電圧検出部と、第1トルク指令を上位コントローラのトルク制限信号に制限して第2トルク指令を生成するトルク制限部とを備えている。
国際公開第2008/093485号
半導体製造装置には、SEMI−F47という規格がある。SEMI−F47は、瞬時停電や主回路電源電圧の低下が発生しても、機器やシステムが停止することなく運転を継続することを要求している。
上記従来技術では、主回路電源電圧の低下時にトルク制限を行うことで、SEMI−F47への対応を図っている。しかしながら、トルク制限によりモータが位置指令に追従できず、位置偏差が大きくなる可能性がある。その場合、主回路電源電圧が復帰した際に、増大した位置偏差に対応した速度指令が出力され、モータがオーバーシュートして過速度アラームの発生等により停止するおそれがあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、主回路電源電圧の復帰時に過速度アラームの発生等によりモータが停止するのを防止できるモータ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、交流電源を直流電源に変換するコンバータ部、前記直流電源と並列に接続された平滑コンデンサ、及び、前記直流電源を交流電源に変換しモータを駆動するインバータ部を有する主回路と、前記主回路の直流電圧を検出する電圧検出部と、上位コントローラからの第1位置指令とモータ位置との位置偏差に基づき速度指令を生成する位置制御部、及び、前記速度指令とモータ速度との速度偏差に基づきトルク指令を生成する速度制御部を有し、前記トルク指令に基づき前記インバータ部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電圧検出部により前記直流電圧が所定電圧を下回ったことが検出された場合に、前記トルク指令による指令トルクを所定トルク以下に制限するトルク制限を開始し、前記直流電圧が前記所定電圧を上回ったことが検出された場合に、前記トルク制限を解除するトルク制限部と、前記トルク制限の解除後に前記モータ速度が前記第1位置指令の時間微分値である第1位置指令速度に一致した場合に、前記速度指令を前記第1位置指令速度に一致させる速度一致指示部と、少なくとも前記トルク制限中に溜まる前記位置偏差である溜まり位置偏差を算出して保持する保持部と、前記第1位置指令速度の減速開始以後に、前記保持部により保持された前記溜まり位置偏差に対応する第2位置指令を所定の速度プロファイルで払い出す払出部と、を有するモータ制御装置が適用される。
本発明のモータ制御装置によれば、主回路電源電圧の復帰時に過速度アラームの発生等によりモータが停止するのを防止することができる。
実施形態に係るモータ制御装置の機能構成を表すブロック図である。 通常時における制御部の機能構成を表すブロック図である。 モータ速度が第1位置指令速度に一致した直後における制御部の機能構成を表すブロック図である。 モータ速度が第1位置指令速度に一致した後、第2位置指令の払い出しを開始する直前までにおける制御部の機能構成を表すブロック図である。 第2位置指令の払い出し開始後、払い出しが完了するまでにおける制御部の機能構成を表すブロック図である。 主回路電源電圧の低下が発生した場合のモータ制御装置の動作の一例を表すタイムチャートである。 第2位置指令の速度プロファイルを説明するための説明図である。 第1位置指令速度の減速途中で払い出しを開始し、定速期間がある変形例において、主回路電源電圧の低下が発生した場合のモータ制御装置の動作の一例を表すタイムチャートである。 第1位置指令速度の減速途中で払い出しを開始し、定速期間がある変形例において、第2位置指令の速度プロファイルを説明するための説明図である。 第1位置指令速度の減速途中で払い出しを開始し、減速期間のみである変形例において、第2位置指令の払い出し開始後、払い出しが完了するまでにおける制御部の機能構成を表すブロック図である。 第1位置指令速度の減速途中で払い出しを開始し、減速期間のみである変形例において、主回路電源電圧の低下が発生した場合のモータ制御装置の動作の一例を表すタイムチャートである。 第1位置指令速度の減速途中で払い出しを開始し、減速期間のみである変形例において、第2位置指令の速度プロファイルを説明するための説明図である。 第1位置指令速度の減速開始と同時に払い出しを開始する変形例において、主回路電源電圧の低下が発生した場合のモータ制御装置の動作の一例を表すタイムチャートである。 第1位置指令速度の減速開始と同時に払い出しを開始する変形例において、第2位置指令の速度プロファイルを説明するための説明図である。
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<モータ制御装置の構成>
まず、図1を用いて本実施形態に係るモータ制御装置1の機能構成について説明する。図1に示すように、モータ制御装置1は、コンバータ部2と、平滑コンデンサ3と、インバータ部4と、電圧検出部5と、制御部6と、を有している。
コンバータ部2は、交流電源7から供給される交流電力を直流電力に変換する。平滑コンデンサ3は、正側直流母線8及び負側直流母線9に対して直流電源と並列に接続され、コンバータ部2により変換された直流電力を平滑化する。インバータ部4は、制御部6からの制御信号S1(PWM信号等)に基づき直流電力を交流電力に変換し、モータ10を駆動する。これらコンバータ部2、平滑コンデンサ3、及びインバータ部4等が、主回路11を構成する。
電圧検出部5は、正側直流母線8及び負側直流母線9に接続され、主回路11の直流電圧を検出する。また電圧検出部5は、不足電圧閾値である所定電圧をパラメータにより設定し、直流電圧が所定電圧を下回った場合には、警告信号S2を生成して上位コントローラ12に出力し、直流電圧が所定電圧を上回った(復帰した)場合には、警告信号S2の出力を停止する。上位コントローラ12は、電圧検出部5から警告信号S2が入力される間、制御部6の後述するトルク制限部17に対しトルク制限信号(図示省略)を出力する。制御部6は、上位コントローラ12からの第1位置指令Pr1に基づき、主としてインバータ部4の制御を行う。
なお、以上では、電圧検出部5が警告信号S2を上位コントローラ12に出力することで、上位コントローラ12を介してトルク制限を実施するようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、電圧検出部5が警告信号S2を制御部6に直接出力するようにし、上位コントローラ12を介さずにトルク制限を実施してもよい。
位置検出器13は、モータ10のモータ位置(回転角度等)を光学的または磁気的に検出して位置データを生成し、パルス信号S3として制御部6に出力する。制御部6は、このパルス信号S3をフィードバックされたモータ位置Pfb(図2参照)として取り込むと共に、モータ位置Pfbを差分演算等で速度に変換し、フィードバックされたモータ速度Vfb(図2参照)として取り込む。なお、位置検出器13が出力する位置データの形態は、パルス信号に限らず、シリアルデータ、アナログ正弦波等種々の形態がある。
<制御部の構成>
次に、図2〜図5を用いて制御部6の機能構成について説明する。なお、図2は通常時(通常運転〜トルク制限開始〜トルク制限解除〜解除後にモータ速度が第1位置指令速度に一致するまで)、図3はモータ速度が第1位置指令速度に一致した直後、図4はモータ速度が第1位置指令速度に一致した後、第2位置指令の払い出しを開始する直前まで、図5は第2位置指令の払い出し開始後、払い出しが完了するまでの、制御部6の機能構成を表している。
図2〜図5に示すように、制御部6は、位置制御部14と、速度制限部15と、速度制御部16と、トルク制限部17と、制限値可変部18と、微分器19と、監視部20と、算出部21と、保持部22と、払出部23と、複数の切替スイッチ24〜27とを有している。
位置制御部14は、上位コントローラ12からの第1位置指令Pr1と位置検出器13からフィードバックされたモータ位置Pfbとの位置偏差εに基づき、速度指令Vrを生成する。速度制限部15は、速度指令Vrによる指令速度(以下適宜「指令速度Vr」という)を所定の速度制限値Vlim以下に制限する。速度制限値Vlimは、パラメータとして任意の値に設定され、また制限値可変部18により可変される。速度制限部15による速度制限機能は、トルク制限部17による後述のトルク制限が解除された際に有効になり、トルク制限の解除後に可変された速度制限値Vlim(≒モータ速度Vfb)が第1位置指令Pr1の時間微分値である第1位置指令速度dPr1に一致した際に無効となる。速度制限部15は、この有効期間内に指令速度Vrが速度制限値Vlim以上となった場合に、速度制限を実行する。
速度制御部16は、速度指令Vrと位置検出器13からフィードバックされたモータ位置Pfbを差分演算等した差分値であるモータ速度Vfbとの速度偏差Veに基づき、トルク指令Trを生成する。トルク制限部17は、トルク指令Trによる指令トルク(以下適宜「指令トルクTr」という)を所定のトルク制限値Tlim以下に制限する。トルク制限値Tlimは、パラメータとして任意の値に設定される。トルク制限部17によるトルク制限機能は、上位コントローラ12から前述したトルク制限信号が入力されている間、有効になる。トルク制限部17は、この有効期間内に指令トルクTrがトルク制限値Tlim以上となった場合にトルク制限を実行する。
速度制御部16からのトルク指令Trは、前述の制御信号S1に変換され、インバータ部4に出力される。なお、制御部6がトルク制御部(図示省略)を有するようにしてもよい。このトルク制御部は、速度制御部16からのトルク指令Trを電流指令に変換し、当該電流指令とフィードバックされたモータ電流から電圧指令を生成し、当該電圧指令に基づき制御信号S1を生成する。
制限値可変部18は、速度制限部15の速度制限値Vlimを可変させる。可変の範囲及び態様は、例えば上限値、下限値、及び可変時間等をパラメータとして任意に設定される。可変態様は種々考えられる。本実施形態では、後述の図6に示すように、指令速度Vrがトルク制限の解除時のモータ速度である速度V2から第1位置指令速度dPr1に至るまで一定の加速度で直線的に加速するように、制限値可変部18は速度制限値Vlimを可変させる。
微分器19は、上位コントローラ12からの第1位置指令Pr1を入力し、時間微分値である第1位置指令速度dPr1を生成する。監視部20は、微分器19からの第1位置指令速度dPr1とモータ速度Vfbを入力し、モータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1に一致したか否かを監視する。また監視部20は、払出部23による第2位置指令dPr2の払い出しを開始するために、第1位置指令dPr1の払い出しが完了したか否か(第1位置指令速度dPr1が0となったか否か)についても監視する。
算出部21は、トルク制限の解除後、監視部20によってモータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1に一致したことが検出された際に、モータ速度Vfbと位置制御部14の位置ループゲインkpとに基づき理論位置偏差εthを算出する。この理論位置偏差εthは、次式のように表せる。
εth=Vfb/kp ・・・ (式1)
切替スイッチ24は、図3に示すように、監視部20によってモータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1に一致したことが検出された直後に閉成され、これ以外は開成される。これにより、モータ速度Vfbと第1位置指令速度dPr1とが一致した際にモータ速度Vfbが算出部21に入力され、算出部21は上記理論位置偏差εthの算出が可能となる。なお、位置ループゲインkpは予め設定され記憶されている。
保持部22は、例えばバッファメモリ等であり、トルク制限中及び速度制限中に溜まる位置偏差εである溜まり位置偏差εbufを算出して保持する。この溜まり位置偏差εbufは、第1位置指令Pr1とモータ位置Pfbとの位置偏差εと、算出部21で算出された理論位置偏差εthとに基づき、次式のように表せる。
εbuf=ε−εth ・・・ (式2)
切替スイッチ25は、図3に示すように、監視部20によってモータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1に一致したことが検出された直後に閉成され、これ以外は開成される。これにより、モータ速度Vfbと第1位置指令速度dPr1とが一致した際に位置偏差εが保持部22に入力され、保持部22は上記溜まり位置偏差εbufの算出が可能となる。
また、切替スイッチ26は、図3〜図5に示すように、監視部20によってモータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1に一致したことが検出された直後に閉成され、払出部23による第2位置指令Pr2の払い出しが完了するまで閉成された状態となる。これにより、モータ速度Vfbと第1位置指令速度dPr1とが一致した直後から、減算器28によって、位置偏差εから、当該位置偏差εと算出部21で算出した理論位置偏差εthとの差分値である保持部22で算出した溜まり位置偏差εbufが減算され、払出部23による第2位置指令Pr2の払い出しが開始されるまで、位置制御部14には理論位置偏差εth(=ε−(ε−εth))が入力される(図3及び図4参照)。その結果、位置制御部14で生成される速度指令Vrは第1位置指令速度dPr1と略一致することとなる。以上から、算出部21と減算器28とが、特許請求の範囲に記載の速度一致指示部として機能する。
払出部23は、監視部20によって第1位置指令dPr1の払い出しが完了した(第1位置指令速度dPr1が0となった)ことが検出された際に、保持部22により保持された溜まり位置偏差εbufに対応する第2位置指令Pr2を所定の速度プロファイルで払い出す。払出部23により払い出された第2位置指令Pr2は、加算器29により第1位置指令Pr1と加算されるが、本実施形態では第1位置指令dPr1の払い出しが完了しているので第1位置指令dPr1は0である。したがって、位置制御部14は、第2位置指令Pr2の払い出し開始後は、第2位置指令Pr2とモータ位置Pfbとの位置偏差εに基づき速度指令Vrを生成することになる。
所定の速度プロファイルは、速度、加速度、減速度等のパラメータを用いて任意に設定可能であり、予め設定され記憶されている。本実施形態では、後述の図6及び図7に示すように、第2位置指令Pr2の時間微分値である第2位置指令速度dPr2が、所定の加速度で加速し、所定の速度で所定時間だけ定速となり、所定の減速度で減速する速度プロファイルとなるように設定されている。この速度プロファイルで第2位置指令Pr2を払い出す間の移動距離が溜まり位置偏差εbufとなる。なお、速度プロファイルは上記に限定されるものではなく、種々考えられる。例えば加速及び減速において加減速度を一定でなく可変させたり、定速期間を設けないようにしてもよい。
切替スイッチ27は、図5に示すように、監視部20によって第1位置指令dPr1の払い出しが完了したことが検出された際に閉成される。これにより、払出部23による第2位置指令dPr2の払い出しが可能となる。その後、第2位置指令dPr2の払い出しが完了した際に、切替スイッチ27は開成される。
<主回路電源電圧の低下が発生した場合の動作>
次に、図6及び図7並びに前述の図2〜図5を用いて、瞬時停電等による主回路11の直流電圧の低下が発生した場合のモータ制御装置1の動作の一例について説明する。ここでは、第1位置指令速度dPr1に示すように、第1位置指令Pr1の速度プロファイルが加速、定速、減速であり、この定速期間中に主回路電源電圧の低下が生じた場合について説明する。
電圧検出部5により主回路11の直流電圧が所定電圧V0を下回ったことが検出されると(時間t1)、前述したように電圧検出部5が警告信号S2を生成して上位コントローラ12に出力し、上位コントローラ12がトルク制限部17に対しトルク制限信号を出力する。これにより、トルク制限部17のトルク制限機能が有効となり、トルク制限部17はトルク制限を開始する。
このトルク制限の実施によりモータ速度Vfbは低下し、位置偏差εの増大に伴って指令速度Vrが上昇する。なお、時間t1までは位置指令速度dPr1、指令速度Vr、及びモータ速度Vfbはほぼ同じ値となっている。
その後、主回路電源電圧が低下より復帰して所定電圧V0を上回ったことが検出されると(時間t2)、電圧検出部5が上位コントローラ12への警告信号S2の出力を停止し、上位コントローラ12がトルク制限部17へのトルク制限信号の出力を停止する。これにより、トルク制限部17のトルク制限機能は無効となり、トルク制限部17はトルク制限を解除する。
トルク制限部17によるトルク制限が解除されると、速度制限部15による速度制限機能が有効となる。このとき、制限値可変部18が速度制限値Vlimをトルク制限の解除時のモータ速度である速度V2にラッチさせ、速度制限部15は速度制限を開始する。その後、制限値可変部18は、速度制限値Vlimを速度V2よりも大きい速度V1まで一定の比率で上昇させる。その結果、図6に示すように、制限された指令速度Vrは速度V2から速度V1に至るまで一定の加速度で直線的に加速される。そして、制限された指令速度Vr(=速度制限値Vlim)が速度V1(=第1位置指令速度dPr1)に一致した際に(時間t3)、速度制限部15の速度制限機能が無効となり、速度制限部15は速度制限を解除する。
なお、上述したように監視部20によってモータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1に一致したことが検出される時点(時間t3)までは、図2に示すように制御部6の各切替スイッチ24〜27は開成している。そして、モータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1に一致した直後に、図3に示すように切替スイッチ24〜26が閉成される。これにより、算出部21がこのときのモータ速度Vfb(≒第1位置指令速度dPr1)に基づき理論位置偏差εthを算出し、この理論位置偏差εthが保持部22に入力される。一方、保持部22には位置偏差εが入力され、保持部22は当該位置偏差εと理論位置偏差εthとの差分値である溜まり位置偏差εbufを算出し、保持する。
その後、図4に示すように切替スイッチ24,25は開成され、切替スイッチ26のみが閉成された状態となる。保持部22で保持された溜まり位置偏差εbufは、減算器28によって位置偏差εから減算され、位置制御部14には理論位置偏差εthが入力される。これにより、位置制御部14で生成される速度指令Vrは第1位置指令速度dPr1と略一致する。その結果、図6に示すように、モータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1に一致した後(時間t3)、第1位置指令速度dPr1が減速を開始し(時間t4)、第1位置指令Pr1の払い出しが完了するまでの間(時間t5)、指令速度Vrは第1位置指令速度dPr1とほぼ一致する。すなわち、モータ10は、時間t3から時間t5までの間、第1位置指令Pr1にしたがって駆動される。
監視部20によって第1位置指令dPr1の払い出しが完了した(第1位置指令速度dPr1が0となった)ことが検出されると(時間t5)、図5に示すように切替スイッチ27が閉成される。これにより、払出部23は、保持部22により保持された溜まり位置偏差εbufに対応する第2位置指令Pr2を所定の速度プロファイルで払い出す。前述したように、図6及び図7に示す例では、払出部23は、第2位置指令速度dPr2が所定の加速度accで加速し(時間t5〜t6)、所定の速度V3で所定時間だけ定速となり(時間t6〜t7)、所定の減速度decで減速する(時間t7〜t8)速度プロファイルとなるように、第2位置指令Pr2を払い出す。その結果、トルク制限中及び速度制限中に溜まった位置偏差εbuf分だけモータ10を移動させ、目標位置まで到達させることができる。なお、上記加速度acc、速度V3及び減速度dec等は、パラメータとして任意の値に設定される。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のモータ制御装置1においては、トルク制限の解除後にモータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1に一致した場合に、速度一致指示部として機能する算出部21及び減算器28が、速度制御部16に入力される速度指令Vrを第1位置指令速度dPr1に一致させる。これにより、トルク制限時に位置偏差εが増大し、トルク制限解除時に当該増大した位置偏差である溜まり位置偏差εbufに対応した過大な速度指令Vrが位置制御部14により生成されても、当該速度指令Vrを第1位置指令速度dPr1に一致させるので、モータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1を上回るのを抑制できる。したがって、モータ10のオーバーシュートを抑制して過速度アラームの発生等による停止を回避でき、主回路電源電圧の復帰時にモータ10が停止するのを防止できる。
また本実施形態においては、保持部22が溜まり位置偏差εbufを算出して保持し、払出部23が第1位置指令Pr1の払い出し完了後に保持された溜まり位置偏差εbufに対応する第2位置指令Pr2を所定の速度プロファイルで払い出す。これにより、主回路電源電圧の低下時にトルクを制限することにより生じた位置偏差εの増大分を、第1位置指令Pr1の払い出し完了後に補完することが可能となり、モータ10を目標位置に精度良く位置決めすることができる。
また、本実施形態では特に、制御部6が、トルク制限の解除後に速度指令Vrを可変制限する速度制限部15を更に有する。これにより、トルク制限時および速度制限時に位置偏差εが増大し、速度制限解除時に当該増大した位置偏差である溜まり位置偏差εbufに対応した過大な速度指令Vrが位置制御部14により生成されても、モータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1を上回るのを更に抑制できる。したがって、モータ10のオーバーシュートを更に抑制して過速度アラームの発生等による停止を回避でき、主回路電源電圧の復帰時にモータ10が停止するのを防止できる。また、主回路電源電圧の復帰時におけるモータ10の急激な加速を回避して装置へのショックを低減できると共に、モータ10の動作を滑らかにできる効果もある。
また、本実施形態では特に、第2位置指令Pr2の払い出しを第1位置指令Pr1の払い出し完了後に開始することで、制御部6において第1位置指令Pr1と第2位置指令Pr2とを分離して処理することができるので、第1位置指令Pr1と第2位置指令Pr2とを加算して処理する場合に比べ、演算処理の負担を低減できる。またその結果、演算誤差を抑制できるので、モータ10を目標位置に精度良く位置決めできる。
また、本実施形態では特に、払出部23が、第2位置指令速度dPr2が所定の加速度で加速し、所定の速度で定速となり、所定の減速度で減速する速度プロファイルとなるように第2位置指令Pr2を払い出すので、当該払い出しの際のモータ10の急激な加速・減速を回避し、モータ10の動作を滑らかに目標位置まで到達させることができる。
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)第1位置指令速度の減速途中で払い出しを開始する場合(定速期間あり)
上記実施形態では、第2位置指令Pr2の払い出しを第1位置指令Pr1の払い出し完了後に開始するようにしたが、払い出しの開始タイミングを第1位置指令速度dPr1の減速途中としてもよい。この場合の一例について、図8及び図9を用いて説明する。
図8に示すように、払出部23は、第1位置指令速度dPr1が減速を開始した後(時間t4)、減速途中、すなわちこの例では第1位置指令速度dPr1が速度V1から速度V4まで減速した時点で(時間t9)、第2位置指令Pr2の払い出しを開始する。具体的には、監視部20によって第1位置指令速度dPr1が速度V4となったことが検出されると、前述の図5に示すように切替スイッチ27が閉成され、払出部23が払い出しを開始する。なお、払い出しの開始タイミングが異なる点以外は、制御部6の動作は前述の実施形態における図2〜図5と同様である。位置制御部14は、第2位置指令Pr2の払い出し開始後は、加算された第1位置指令Pr1及び第2位置指令Pr2とモータ位置Pfbとの位置偏差εに基づき速度指令Vrを生成する。
本変形例では、第2位置指令Pr2の速度プロファイルに定速期間を設ける。この速度プロファイルの設定の一例について、図9(a)に示す。定速期間の速度V4及びその後の減速期間の減速度decは、パラメータとして任意の値に設定される。この設定された速度V4及び減速度decにしたがって第1位置指令Pr1及び第2位置指令Pr2を払い出す間の移動距離(斜線部分の面積)が溜まり位置偏差εbufと一致するように、時間t10及び時間t11が設定される。その結果、払出部23は、減速途中の第1位置指令速度dPr1が速度V4に到達した後(時間t9)、速度V4で所定の時間定速となり(時間t9〜t10)、その後所定の減速度decで減速する(時間t10〜t11)速度プロファイルとなるように、第2位置指令Pr2を払い出す。
なお、図9(a)では、第2位置指令速度dPr2の減速度decが第1位置指令速度dPr1の減速度と等しい場合を一例として示しているが、これらを異ならせてもよい。
なお、溜まり位置偏差εbufが小さい場合、指定された速度V4から定速、減速運転をすると、移動距離が溜まり位置偏差εbufより大きくなり、目標位置を過ぎてしまう可能性がある。この場合、指定された速度V4に代えて速度V4’を次式により算出することで、対応すればよい。
V4’=(dec×εbuf)0.5 ・・・ (式3)
上記式3の導出について、図9(b)を用いて説明する。第2位置指令速度dPr2の加速時間または減速時間をΔtとすると、たまり位置偏差εbufの面積は、
εbuf=(2×Δt×V4’)/2=Δt×V4’ ・・・ (式4)
ここで、減速度decは次のように表せる。
dec=V4’/Δt ∴Δt=V4’/dec ・・・ (式5)
式4に式5を代入すると、
εbuf=(V4’/dec)×V4’=V4’/dec ・・・ (式6)
式6をV4’について整理すると、
V4’=(dec×εbuf)0.5 となる。
なお、指定された速度V4により移動距離が溜まり位置偏差εbufより大きくなるか否かは、例えば次の条件で判断すればよい。
εbuf<V4/dec ・・・ (式7)
すなわち、溜まり位置偏差εbufが(V4/dec)以上である場合には、指定された速度V4に基づく速度プロファイルとし、溜まり位置偏差εbufが(V4/dec)より小さい場合には、上記式3によるV4’に基づく速度プロファイルとする。
以上説明した本変形例によれば、払出部23が、第1位置指令速度dPr1の減速途中で第2位置指令Pr2の払い出しを開始し、第2位置指令Pr2の払い出し開始後の速度プロファイルに定速期間を設けるので、モータ10の動作を滑らかに目標位置まで到達させることができる。
(2)第1位置指令速度の減速途中で払い出しを開始する場合(減速期間のみ)
上記変形例(1)では、第2位置指令Pr2の速度プロファイルに定速期間を設けたが、定速期間を設けずに所定の減速度で減速するようにしてもよい。この場合の一例について、図10〜図12を用いて説明する。
図10に示すように、本変形例の制御部6は、減速度算出補正部30を有している。減速度算出補正部30は、監視部20によって第1位置指令速度dPr1が予め定められた所定の速度まで減速したことが検出され、払出部23が第2位置指令Pr2の払い出しを開始する際に、新たな減速度を算出する。また減速度算出補正部30は、必要に応じ、第1位置指令Pr1の払い出し完了時に、当該払い出し完了時における溜まり位置偏差εbufに基づいて速度プロファイルの減速度を補正する。これ以外の制御部6の構成及び動作については、前述の図2〜図5と同様である。なお、減速度算出補正部30が特許請求の範囲に記載の減速度補正部の一例に相当する。
図11に示すように、払出部23は、第1位置指令速度dPr1が減速を開始した後(時間t4)、減速途中、すなわちこの例では第1位置指令速度dPr1が速度V1から速度V5まで減速した時点で(時間t12)第2位置指令Pr2の払い出しを開始し、第1位置指令速度dPr1と第2位置指令速度dPr2の和が所定の減速度で減速するようにしつつ、払い出しを完了する(時間t13)。このときの第2位置指令Pr2の払い出しは、速度算出補正部30によって算出された減速度にしたがって行われる。位置制御部14は、第2位置指令Pr2の払い出し開始後は、加算された第1位置指令Pr1及び第2位置指令Pr2とモータ位置Pfbとの位置偏差εに基づき速度指令Vrを生成する。
本変形例の速度プロファイルの設定の一例について、図12に示す。速度V5はパラメータとして予め任意の値に設定される。この設定された速度V5まで第1位置指令速度dPr1が減速したことが監視部20によって検出されると、減速度算出補正部30は次のような手順で新たな減速度dec’を算出する。まず、減速度算出補正部30は、払出部23から払い出される前回の指令と今回の指令の差分から、第1位置指令速度dPr1の減速度decを算出する。次に、算出した減速度decから次式に基づき減速距離L(斜線部分の面積)を算出する。
L=(1/2)×Δt×V5
=(1/2)×(V5/dec)×V5
=(1/2)×(V5/dec) ・・・ (式8)
そして、減速度算出補正部30は、算出した減速距離Lと保持部22に保持された溜まり位置偏差εbufとから、次式に基づき減速度dec’を算出する
dec’=(1/2)×(V5/(L+εbuf)) ・・・ (式9)
なお、式9は、式8をdecについて整理し、当該式においてLを(L+εbuf)に置き換えることで導出できる。この算出された減速度dec’にしたがって第1位置指令Pr1及び第2位置指令Pr2を払い出す間の移動距離は、減速距離Lと溜まり位置偏差εbufの和と一致する。
なお、上記において算出した減速度decや減速距離Lに誤差がある場合、目標位置に対して位置ずれが生じてしまう。このような位置ずれが予想される場合には、減速度算出補正部30が、第1位置指令Pr1の払い出しが完了した時点(時間t5)で減速度dec’の再計算を行い、補正を行ってもよい。減速度dec’の再計算は、例えば次式に基づいて行う。
dec’=(1/2)×(V5/εbuf’) ・・・ (式10)
なお、εbuf’は第1位置指令Pr1の払い出し完了時における溜まり位置偏差である。これにより補正された減速度dec’の一例を、図12中に一点鎖線で示す。
以上説明した本変形例によれば、払出部23が、第1位置指令速度dPr1の減速途中で第2位置指令Pr2の払い出しを開始し、第2位置指令Pr2の払い出し開始後の速度プロファイルを減速のみとする。これにより、第2位置指令Pr2の払い出し開始の前後において減速度は変化する(小さくなる)ものの、減速状態を維持しつつ第2位置指令Pr2の払い出しを行うことができるので、払い出し開始時のモータ10のショックを低減し、モータ10の動作を滑らかに目標位置まで到達させることができる。また、減速度算出補正部30により減速度dec’の補正を行うので、減速度decや減速距離Lの算出に誤差が生じた場合でも、目標位置に対する位置ずれを防止でき、位置決め精度を向上できる。
(3)第1位置指令速度の減速開始と同時に払い出しを開始する場合
上記変形例(1)及び(2)では、第1位置指令速度dPr1の減速途中で払い出しを開始するようにしたが、第1位置指令速度dPr1の減速開始と同時に払い出しを開始してもよい。この場合の一例について、図13及び図14を用いて説明する。
本変形例の制御部6の構成は、前述の図10に示すものと同様であり、減速度算出補正部30を有している。減速度算出補正部30は、監視部20によって第1位置指令速度dPr1が減速を開始したことが検出され、払出部23が第2位置指令Pr2の払い出しを開始する際に、新たな減速度を算出する。また速度算出補正部30が、必要に応じて速度プロファイルの減速度を補正する点も前述と同様である。
図13に示すように、払出部23は、第1位置指令速度dPr1が減速を開始した際に(時間t4)、第2位置指令Pr2の払い出しを開始し、第1位置指令速度dPr1と第2位置指令速度dPr2の和が所定の減速度で減速するようにしつつ、払い出しを完了する(時間t14)。このときの第2位置指令Pr2の払い出しは、速度算出補正部30によって算出された減速度dec’にしたがって行われる。
本変形例の速度プロファイルの設定の一例について、図14に示す。減速度算出補正部30による減速度dec’の算出手法は、前述した変形例(2)と同様である。但し、本変形例では、減速度dec’の算出タイミングは第1位置指令速度dPr1が減速を開始した時点あるいはその直後である。また、位置ずれが予想される場合に減速度算出補正部30によって行う減速度dec’の補正手法も、前述した変形例(2)と同様である。
以上説明した本変形例によれば、払出部23が、第1位置指令速度dPr1の減速開始と略同時に第2位置指令Pr2の払い出しを開始し、その後の減速度が一定である(減速度の変化が無い)ので、モータ10の動作をさらに滑らかに目標位置まで到達させることができる。
また、第2位置指令Pr2の払い出しの開始タイミングが第1位置指令速度dPr1の減速開始以後であれば、モータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1を上回らないように払い出しを行うことが可能である。
(4)速度制限を実施しない場合
以上では、制御部6が速度制限部15を有し、トルク制限が解除された際に速度制限を実施するようにしたが、速度制限は必ずしも必要ではない。すなわち、制御部6が速度制限部15及び制限値可変部18を有しない構成としてもよい。この場合でも、トルク制限の解除後にモータ速度Vfbが第1位置指令速度dPr1に一致した直後から速度指令Vrが第1位置指令速度dPr1に一致されるので、モータ10のオーバーシュートを抑制して過速度アラームの発生等による停止を回避でき、主回路電源電圧の復帰時にモータ10が停止するのを防止できる。なおこの場合、溜まり位置偏差εbufはトルク制限中に溜まる位置偏差εとなる。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 モータ制御装置
2 コンバータ部
3 平滑コンデンサ
4 インバータ部
5 電圧検出部
6 制御部
7 交流電源
10 モータ
11 主回路
12 上位コントローラ
13 位置検出器
14 位置制御部
15 速度制限部
16 速度制御部
17 トルク制限部
21 算出部(速度一致指示部)
22 保持部
23 払出部
28 減算器(速度一致指示部)
30 減速度算出補正部(減速度補正部)
dPr1 第1位置指令速度
dPr2 第2位置指令速度
kp 位置ループゲイン
Pr1 第1位置指令
Pr2 第2位置指令
Pfb モータ位置
Tr トルク指令
Ve 速度偏差
Vfb モータ速度
Vlim 速度制限値
Vr 速度指令
ε 位置偏差
εbuf 溜まり位置偏差
εth 理論位置偏差
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、交流電源を直流電源に変換するコンバータ部、前記直流電源と並列に接続された平滑コンデンサ、及び、前記直流電源を交流電源に変換しモータを駆動するインバータ部を有する主回路と、前記主回路の直流電圧を検出する電圧検出部と、上位コントローラからの第1位置指令とモータ位置との位置偏差に基づき速度指令を生成する位置制御部、及び、前記速度指令とモータ速度との速度偏差に基づきトルク指令を生成する速度制御部を有し、前記トルク指令に基づき前記インバータ部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電圧検出部により前記直流電圧が所定電圧を下回ったことが検出された場合に、前記トルク指令による指令トルクを所定トルク以下に制限するトルク制限を開始し、前記直流電圧が前記所定電圧を上回ったことが検出された場合に、前記トルク制限を解除するトルク制限部と、前記トルク制限の解除後に前記モータ速度が前記第1位置指令の時間微分値である第1位置指令速度に一致した場合に、前記位置偏差から、前記モータ速度に基づく理論位置偏差と前記位置偏差との差分を減算した理論位置偏差を前記位置制御部に入力することにより前記速度指令を前記第1位置指令速度に一致させる速度一致指示部と、を有するモータ制御装置が適用される。

Claims (11)

  1. 交流電源を直流電源に変換するコンバータ部、前記直流電源と並列に接続された平滑コンデンサ、及び、前記直流電源を交流電源に変換しモータを駆動するインバータ部を有する主回路と、
    前記主回路の直流電圧を検出する電圧検出部と、
    上位コントローラからの第1位置指令とモータ位置との位置偏差に基づき速度指令を生成する位置制御部、及び、前記速度指令とモータ速度との速度偏差に基づきトルク指令を生成する速度制御部を有し、前記トルク指令に基づき前記インバータ部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記電圧検出部により前記直流電圧が所定電圧を下回ったことが検出された場合に、前記トルク指令による指令トルクを所定トルク以下に制限するトルク制限を開始し、前記直流電圧が前記所定電圧を上回ったことが検出された場合に、前記トルク制限を解除するトルク制限部と、
    前記トルク制限の解除後に前記モータ速度が前記第1位置指令の時間微分値である第1位置指令速度に一致した場合に、前記速度指令を前記第1位置指令速度に一致させる速度一致指示部と、
    少なくとも前記トルク制限中に溜まる前記位置偏差である溜まり位置偏差を算出して保持する保持部と、
    前記第1位置指令速度の減速開始以後に、前記保持部により保持された前記溜まり位置偏差に対応する第2位置指令を所定の速度プロファイルで払い出す払出部と、を有する
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記トルク制限部が前記トルク制限を解除した場合に、前記速度指令を速度制限値以下に制限する速度制限を開始し、前記速度指令が前記トルク制限の解除時の前記モータ速度から所定の加速度で加速するように前記速度制限値を可変させ、当該速度制限値が前記第1位置指令速度に一致した場合に、前記速度制限を解除する速度制限部を更に有し、
    前記保持部は、
    前記トルク制限中および前記速度制限中に溜まる前記位置偏差である前記溜まり位置偏差を算出して保持する
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記速度一致指示部は、
    前記トルク制限の解除後に前記モータ速度が前記第1位置指令速度に一致した場合に、前記モータ速度と前記位置制御部の位置ループゲインとに基づき理論位置偏差を算出する算出部と、
    前記位置偏差から、前記位置偏差と前記算出部で算出した前記理論位置偏差との差分値である前記保持部で算出した前記溜まり位置偏差を減算する減算器と、を備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記払出部は、
    前記第1位置指令の払い出しが完了した後に、前記第2位置指令の払い出しを開始し、
    前記位置制御部は、
    前記第2位置指令の払い出し開始後は、前記第2位置指令と前記モータ位置との位置偏差に基づき速度指令を生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記払出部は、
    前記第2位置指令の時間微分値である第2位置指令速度が所定の加速度で加速し、所定の速度で定速となり、所定の減速度で減速する前記速度プロファイルとなるように、前記第2位置指令を払い出す
    ことを特徴とする請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記払出部は、
    前記第1位置指令速度の減速途中で前記第2位置指令の払い出しを開始し、
    前記位置制御部は、
    前記第2位置指令の払い出し開始後は、加算された前記第1位置指令及び前記第2位置指令と前記モータ位置との位置偏差に基づき速度指令を生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
  7. 前記払出部は、
    減速途中の前記第1位置指令速度が所定の速度に到達した後、前記所定の速度で定速となり、所定の減速度で減速する前記速度プロファイルとなるように、前記第2位置指令を払い出す
    ことを特徴とする請求項6に記載のモータ制御装置。
  8. 前記払出部は、
    減速途中の前記第1位置指令速度が所定の速度に到達した後、所定の減速度で減速する前記速度プロファイルとなるように、前記第2位置指令を払い出す
    ことを特徴とする請求項6に記載のモータ制御装置。
  9. 前記払出部は、
    前記第1位置指令速度の減速開始と略同時に前記第2位置指令の払い出しを開始し、
    前記位置制御部は、
    前記第2位置指令の払い出し開始後は、加算された前記第1位置指令及び前記第2位置指令と前記モータ位置との位置偏差に基づき速度指令を生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
  10. 前記払出部は、
    前記第1位置指令速度と前記第2位置指令速度との加算速度が所定の減速度で減速する前記速度プロファイルとなるように、前記第2位置指令を払い出す
    ことを特徴とする請求項9に記載のモータ制御装置。
  11. 前記制御部は、
    前記第1位置指令の払い出し完了時に、当該払い出し完了時における前記溜まり位置偏差に基づいて前記速度プロファイルの減速度を補正する減速度補正部をさらに有する
    ことを特徴とする請求項8又は10に記載のモータ制御装置。
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