JPWO2013136644A1 - ガスレーザ発振装置およびレーザガス置換方法 - Google Patents
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Abstract
本発明のガスレーザ発信装置は、大気圧以下の圧力に減圧された状態で真空チャンバーに封入されたレーザガスと、レーザガスを励起する放電手段と、レーザガスを送風する送風手段と、放電手段と送風手段との間のレーザガスの循環経路を形成するレーザガス経路と、レーザガス経路からレーザガスを一定量排出するガス減圧手段を備える。ガス減圧手段はベルヌーイの原理を応用し、ガス減圧手段はレーザ加工機もしくはガスレーザ発振装置で使用する加圧状態の気体の一部を用い、レーザガス中に混入した大気の比率を一定以下に低減させるシーケンスを備える。
Description
本発明は、主として板金切断用途に用いられるガスレーザ発振装置およびレーザガス置換方法に関する。
従来技術に係るレーザ発振装置を、図3を用いて説明する。図3は、従来技術のガスレーザ発振装置の構成図である。
レーザガスを循環させるためにガス配管経路903を設け、送風機908により高速にガス循環が行われる。ガス配管経路903には、レーザガスを供給するレーザガス供給手段である供給側電磁弁910および装置外部に配置されるレーザガスボンベ930と、通常排出側電磁弁912と急速排出側電磁弁913および排気ポンプ914とを設置する。ここで、通常排出側電磁弁912は、ガス配管経路903のレーザガスを排出するレーザガス排出手段である流量制限器911に直列接続されている。この排気ポンプ914には、通常、比較的安価かつ構造が簡単なロータリーポンプが用いられる。
ガス配管経路903内に新しいレーザガスを所定の割合で供給し、かつガス配管経路903内の圧力を所定の圧力に一定に保つため、ガス配管経路903のレーザガスを排出するレーザガス排出手段内の排気ポンプ914が一定運転されている状態で次のようにレーザガスが供給されている。すなわち、流量制限器911に直列接続された通常排出側電磁弁912を開となし、および急速排出側電磁弁913を閉となす。そして、ガス配管経路903内の圧力が所定の圧力になるようにレーザガスを供給するレーザガス供給手段内の供給側電磁弁910を開閉して装置外部に配置されるレーザガスボンベ930から新しいレーザガスを供給している(例えば特許文献1を参照)。
上述の従来技術のガスレーザ発振装置は、下記課題を有している。
レーザガスを排出するために、運転中は常時真空ポンプの運転を継続する必要がある。真空ポンプとして通常用いられるロータリーポンプではオイルを使用しているため、排気ポンプからのレーザガス流路へのオイルミストの逆流が生じてしまう。オイルミストの逆流は、ガスレーザ発振装置内の放電乱れやミラー劣化を生じさせてレーザ出力低下が発生する原因となる。
結果的にレーザ切断が不安定になり、切断ワークの加工面が悪化し、切断不良発生の原因となっていた。このように排気に用いる真空ポンプのオイルミストの逆流によるレーザ出力低下に伴う切断不良防止が課題となっていた。
また、ロータリーポンプは電気によるモータ駆動を行うため、定常的に一定の電力消費が必要であり、省エネルギーの点からも課題があった。
上述の従来技術には、送風手段のオイル混入をレーザガス流路の圧力を制御することで低減する旨が開示されているが、かかる構成ではロータリーポンプのオイルミストの混入防止にはならない。
本発明は、使用される真空ポンプによる真空系へのオイルミストの逆流を防止し、さらに省エネルギーが可能とし、長期に渡って信頼性の高い、環境性能の高いガスレーザ発振装置およびレーザガス置換方法を提供する。
本発明のガスレーザ発振装置は、レーザガスと、上記レーザガスを励起する放電部と、上記レーザガスを送風する送風部と、レーザガス流路と、ガス減圧部と、を備えている。ここで、レーザガスは、大気圧以下の圧力に減圧された状態で真空チャンバーに封入されている。レーザガス流路は、上記放電部と上記送風部との間のレーザガスの循環経路を形成する。ガス減圧部は、上記レーザガス流路から上記レーザガスを一定量排出する。そして、本発明のガスレーザ発振装置において、上記ガス減圧部は、ベルヌーイの原理を応用して上記レーザガス流路中の上記レーザガスを吸引排気し、上記ガス減圧部は、レーザ加工機もしくはガスレーザ発振装置で使用する加圧状態の気体の一部を用い、上記レーザガス中に混入した大気の比率を一定以下に低減させる構成からなる。
この構成により、従来の真空ポンプの問題点であった真空系へのオイルミストの逆流を防止し、および、これにより省エネルギーが可能となり、長期に渡って信頼性の高い、環境性能の高いレーザ発振装置が提供できる。
また、本発明のレーザガス置換方法は、レーザガスと、レーザガスを励起する放電部と、レーザガスを送風する送風部と、レーザガス流路と、ガス減圧部と、を備えたガスレーザ発振装置におけるレーザガス置換方法である。ここで、レーザガスは、大気圧以下の圧力に減圧された状態で真空チャンバーに封入されている。レーザガス流路は、放電部と送風部との間のレーザガスの循環経路を形成する。ガス減圧部は、レーザガス流路からレーザガスを一定量排出する。そして、本発明のレーザガス置換方法は、ガス減圧部が、ベルヌーイの原理を応用してレーザガス流路中の前記レーザガスを吸引排気するステップと、ガス減圧部が、レーザ加工機もしくはガスレーザ発振装置で使用する加圧状態の気体の一部を用い、レーザガス中に混入した大気の比率を一定以下に低減させるステップと、を備えた方法からなる。
この方法により、真空系へのオイルミストの逆流を防止し、および、これにより省エネルギーが可能となり、長期に渡って信頼性の高い、環境性能の高いレーザ発振装置のレーザガス置換方法が提供できる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同じ構成要素については同じ符号を付しているので説明を省略する場合がある。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る軸流型のガスレーザ発振装置の構成の一例を示す構成図である。以下、図1を参照しながら本実施の形態のガスレーザ発振装置100を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る軸流型のガスレーザ発振装置の構成の一例を示す構成図である。以下、図1を参照しながら本実施の形態のガスレーザ発振装置100を説明する。
本実施の形態のガスレーザ発振装置100の主要構成として、放電管101と、電極102、103と、電源104と、放電空間105と、全反射鏡106と、部分反射鏡107と、を備える。ここで、放電管101は、ガラスなどの誘電体よりなる。電極102、103は、放電管101周辺に設けられている。電源104は、電極102、103に接続されている。放電空間105は、電極102、103間に挟まれた放電管101内にある。この全反射鏡106および部分反射鏡107は、放電空間105の両端に固定配置され、レーザ発振のための光共振器を形成している。レーザビーム108は、部分反射鏡107より出力される。
次にレーザガス循環のための主要構成を説明する。レーザガス150は、図1に示すように光共振器を含むガスレーザ発振装置100に充填されており、軸流型のガスレーザ発振装置100の中を循環しており、レーザガス循環のためにレーザガス流路110を設ける。レーザガス150の流れる方向109は、図1中の矢印で示している。
レーザガス流路110内には、レーザガス150を循環させるための送風部113と、放電空間105における放電と送風機の運転により温度上昇したレーザガス150の温度を下げるための熱交換器111および112を設置する。この送風部113によりレーザガス150を加速することで、放電空間105にて約100m/sec程度のレーザガス150のガス流が得られている。レーザガス流路110と放電管101は、レーザガス導入部114で接続されている。
レーザガス150で満たされる空間は、ガスレーザ発振装置100の運転中は大気圧より低い状態で保たれており、かつ、レーザガス150以外の不純物を極力混入しないように密封された状態になる。いわば、レーザガス150で満たされる空間は、真空チャンバーを形成し、その中にレーザガス150が封入された状態となる。
しかしながら、レーザガス150は、放電により解離するため経時的に劣化してくるので、劣化したレーザガス150を排出し、新鮮なレーザガス150を供給する必要がある。そのため本実施の形態のガスレーザ発振装置100は、レーザガス150を常時特定量だけ排出し、同時に特定量だけ供給するための構成を有している。
レーザガス150の排出には、ガス減圧部130を設け、レーザガス流路110の一部から配管を通じ排出弁122を介しガス吸引部132よりレーザガス150の一部を排出する。レーザガス150の供給には、レーザガスボンベ124を設置し、供給弁125を制御することでレーザガス流路110に新鮮なレーザガス150を供給するようにしている。そして、ガス圧センサ126でレーザガス流路110内のガス圧を検知できるようにし、これらの制御のため制御装置127を備えている。
ガスレーザ発振装置100全体は、筐体128に収納され、周辺雰囲気と隔離されている。筐体128にはレーザビーム出口108a以外の開口部は、基本的には設けない。筐体128内にはドライエア供給装置129から常時一定量のドライエアが供給されている。特に、本発明の特徴的な構成として、ガス減圧部130内のガス流路131をドライエアが流れるように配管を設置している。
以上のように構成した本実施の形態のガスレーザ発振装置100の動作について、より詳細に説明する。
ガスレーザ発振装置100の起動後、レーザガス流路110全体に所定の圧力で満たされたレーザガス150は、送風部113により送り出され、レーザガス流路110を通り、レーザガス導入部114より放電管101内へ導入される。この状態でレーザガス150を励起する放電部160は、電源104に接続された電極102、103から放電空間105に放電を発生させる。すなわち、放電部160は、電源104、電極102、103、放電管101および放電空間105を含んで構成されている。放電空間105内のレーザガス150は、この放電エネルギーを得て励起される。その励起されたレーザガス150から出射された光は、全反射鏡106および部分反射鏡107により形成された光共振器を往復することにより共振状態となり、レーザビーム108が部分反射鏡107から出力される。このレーザビーム108がレーザ加工等の用途に用いられる。
ガスレーザ発振装置100全体を収納し、周辺雰囲気と隔離している筐体128には、ドライエア供給装置129から運転中に常時一定量のドライエアが供給されている。
ドライエアの役割は大きく2つある。一つは、筐体128内の気圧を上昇させ外部から粉塵等が侵入する事を防ぐことである。もう一つは、筐体128内の湿度を下げることにある。これらは筐体128内に収納している放電部160の絶縁性能を維持するために、粉塵や湿度を低減する必要があるためである。供給されたドライエアは、レーザビーム108の出口から外部に排出され、一定周期で入れ替わる。
ガスレーザ発振装置100の運転中は、排出弁122を介して、ガス減圧部130によって、レーザガス流路110中のガスが一定量排出される。この時の排出量は、1時間あたり20〜30リットル程度である。排出されたガス量に応じて、レーザガスボンベ124のガスが、供給弁125の開閉によってレーザガス流路110へ供給される。
レーザガス流路110中の圧力は、常時、ガス圧センサ126によって監視され、制御装置127によって、平均的な圧力が一定値に保たれるように供給弁125を間欠的に開閉している。
ガス減圧部130はベルヌーイの原理を応用して、ガス吸引部132よりレーザガス流路110中のレーザガス150を吸引排気する。ベルヌーイの原理を応用してガスを排出するには圧力差を発生させる手段が必要であり、本実施の形態では、その一例としてドライエア供給装置129から導入された加圧状態の空気を用いている。
ガス減圧部130の内部にはガス流路131が配置されている。加圧されたドライエアは、配管129aに通じてガス流路131に導かれる。ガス流路131は、一部が細くなり、その部分でのドライエアの流速が上がるようになっている。そのため、ベルヌーイの原理に基づき、ガス流路131の部分は減圧される。レーザガス150は、ガス吸引部132より減圧されたガス流路131に吸引され、ドライエアと共に外部に排気される。
本実施の形態のガスレーザ発振装置100の構成では、上述の説明のようにオイルを使用しないため、当然、レーザガス流路110中へのオイルミストの逆流は発生せず、放電の安定およびミラー汚染の恐れがなく、常に良好なレーザ切断を行う事が可能である。
すなわち、本実施の形態のガスレーザ発振装置100は、レーザガス150と、放電部160と、送風部113と、レーザガス流路110と、ガス減圧部130と、を備えている。ここで、レーザガス150は、大気圧以下の圧力に減圧された状態で放電管101などの真空チャンバーに封入されている。放電部160は、レーザガス150を励起する。送風部113は、レーザガス150を送風する。レーザガス流路110は、放電部160と送風部113との間のレーザガス150の循環経路を形成する。ガス減圧部130は、レーザガス流路110からレーザガス150を一定量排出する。そして、ガス減圧部130は、ベルヌーイの原理を応用してレーザガス流路110中のレーザガス150を吸引排気する。そして、ガス減圧部130は、レーザ加工機もしくはガスレーザ発振装置100で使用する加圧状態の気体の一部を用い、レーザガス150中に混入した大気の比率を一定以下に低減させる構成からなる。
この構成により、従来の真空ポンプの問題点であった真空系へのオイルミストの逆流を防止し、および、これにより省エネルギーが可能となり、長期に渡って信頼性の高い、環境性能の高いレーザ発振装置が提供できる。
また、ドライエアは、元々はガスレーザ発振装置100の筐体128内にパージガスとして導入され、外部から筐体128内への粉塵侵入防止および筐体128内をドライ雰囲気に保つために用いられる。したがって、このドライエアをガス減圧部130に用いた後に、そのままガスレーザ発振装置100の筐体128内のパージガスとして使用する。
すなわち、加圧状態の気体は、筐体128内へ導入されるドライエアである構成としてもよい。この構成により、新たに加圧状態のガスを準備する必要がなくなるという効果も奏する。通常、レーザ加工機またはガスレーザ発振装置100に用いられているドライエアを流用することで、大幅な省エネを実現することが出来る。
ガス減圧部130に用いられる加圧状態の気体の別の例として、レーザ加工に用いられるアシストガス(図示せず)も有効である。アシストガスの一部を本構成のドライエアに代わりガス減圧部130に導いて用いることで、排気のための新たに動力源を準備する必要がなくなる。アシストガスとしては窒素ガス発生装置によって発生させた窒素ガスなどが有用である。
また、加圧状態の気体は、レーザ加工アシストガス用に用いられる窒素、酸素および空気の少なくともいずれかを含む構成としてもよい。この構成により、排気のために新たに動力源を準備する必要がなくなるので、さらに省エネを実現することが出来る。
また、本発明適用時には、レーザガス中の大気比率を低減させるシーケンスを備えることが好ましい。一般的なロータリーポンプに比べると、ベルヌーイの原理を応用したガス減圧部130は、到達真空度で劣る。よってメンテナンス等により、レーザガス流路110の中が大気で満たされてしまった後に、レーザガス150との置換が簡単に行えないということが想定される。そのため、レーザガス流路110からのレーザガス150の排出とレーザガス150の再充填を、予め設定された回数繰り返すシーケンスを適用することが有効な動作となる。
すなわち、レーザガス流路110からのレーザガス排出とレーザガス150の再充填を、予め設定された回数繰り返す構成としてもよい。この構成により、レーザガス流路110の中が大気で満たされてしまった後に、レーザガス150との置換を簡単に行うことができる。レーザガス流路110からのレーザガス排出とレーザガス150の再充填を、予め設定された回数繰り返すシーケンスの例としては、レーザ起動後、一定の時間の間のみ、レーザガス排出量を増やし、レーザガス150の置換を促進させる方法も有効である。
また、本実施の形態のレーザガス置換方法は、上述の構成のガスレーザ発振装置100におけるレーザガス置換方法であって、吸引排気するステップと、大気の比率を一定以下に低減させるステップと、を備えた方法からなる。ここで、吸引排気するステップは、ガス減圧部130が、ベルヌーイの原理を応用してレーザガス流路110中のレーザガス150を吸引排気するステップである。大気の比率を一定以下に低減させるステップは、ガス減圧部130が、レーザ加工機もしくはガスレーザ発振装置100で使用する加圧状態の気体の一部を用い、レーザガス150中に混入した大気の比率を一定以下に低減させるステップである。
この方法により、真空系へのオイルミストの逆流を防止し、および、これにより省エネルギーが可能となり、長期に渡って信頼性の高い、環境性能の高いレーザ発振装置のレーザガス置換方法が提供できる。
また、加圧状態の気体は、筐体128内へ導入されるドライエアである方法としてもよい。この方法により、新たに加圧状態のガスを準備する必要がなくなるという効果も奏する。
また、加圧状態の気体は、レーザ加工アシストガス用に用いられる窒素、酸素および空気の少なくともいずれかを含む方法としてもよい。この方法により、排気のために新たに動力源を準備する必要がなくなるので、さらに省エネを実現できる。
また、レーザガス流路110からのレーザガス排出とレーザガス150の再充填を、予め設定された回数繰り返す方法としてもよい。この方法により、レーザガス流路110の中が大気で満たされてしまった後に、レーザガス150との置換を簡単に行うことができる。
次に、本実施の形態のガスレーザ発振装置100を用いた板金切断用のレーザ加工機の概略構成について説明する。図2は、本実施の形態のガスレーザ発振装置100を用いた板金切断用のレーザ加工機の一例を示す構成図である。
図2のレーザ加工機の構成に示すように、ガスレーザ発振装置100から出射されたレーザビーム108は、反射鏡115にて反射され、ワーク116の近傍へ導かれる。レーザビーム108は、トーチ117内部に備えられた集光レンズ118によって高密度のエネルギビームに集光され、ワーク116に照射され、ワーク116の切断加工が行われる。ワーク116は、加工テーブル119上に固定されており、X軸モータ120およびY軸モータ121の少なくともいずれかによって、トーチ117はワーク116に対して相対的に移動する事で、所定の形状の加工が行われる。
本発明により、ロータリーポンプを用いた際の課題であったオイルミストの逆流を防止し、これによりレーザ切断安定化を図ることができ、且つ電力消費を抑制する事ができる。したがって、環境性能の高いレーザ発振装置およびレーザガス置換方法を実現できるので、レーザ加工機などに適用すると有用である。
100 ガスレーザ発振装置
101 放電管
102,103 電極
104 電源
105 放電空間
106 全反射鏡
107 部分反射鏡
108 レーザビーム
108a レーザビーム出口
109 方向
110 レーザガス流路
111,112 熱交換器
113 送風部
114 レーザガス導入部
115 反射鏡
116 ワーク
117 トーチ
118 集光レンズ
119 加工テーブル
120 X軸モータ
121 Y軸モータ
122 排出弁
124 レーザガスボンベ
125 供給弁
126 ガス圧センサ
127 制御装置
128 筐体
129 ドライエア供給装置
129a 配管
130 ガス減圧部
131 ガス流路
132 ガス吸引部
150 レーザガス
160 放電部
101 放電管
102,103 電極
104 電源
105 放電空間
106 全反射鏡
107 部分反射鏡
108 レーザビーム
108a レーザビーム出口
109 方向
110 レーザガス流路
111,112 熱交換器
113 送風部
114 レーザガス導入部
115 反射鏡
116 ワーク
117 トーチ
118 集光レンズ
119 加工テーブル
120 X軸モータ
121 Y軸モータ
122 排出弁
124 レーザガスボンベ
125 供給弁
126 ガス圧センサ
127 制御装置
128 筐体
129 ドライエア供給装置
129a 配管
130 ガス減圧部
131 ガス流路
132 ガス吸引部
150 レーザガス
160 放電部
本発明は、主として板金切断用途に用いられるガスレーザ発振装置およびレーザガス置換方法に関する。
従来技術に係るレーザ発振装置を、図3を用いて説明する。図3は、従来技術のガスレーザ発振装置の構成図である。
レーザガスを循環させるためにガス配管経路903を設け、送風機908により高速にガス循環が行われる。ガス配管経路903には、レーザガスを供給するレーザガス供給手段である供給側電磁弁910および装置外部に配置されるレーザガスボンベ930と、通常排出側電磁弁912と急速排出側電磁弁913および排気ポンプ914とを設置する。ここで、通常排出側電磁弁912は、ガス配管経路903のレーザガスを排出するレーザガス排出手段である流量制限器911に直列接続されている。この排気ポンプ914には、通常、比較的安価かつ構造が簡単なロータリーポンプが用いられる。
ガス配管経路903内に新しいレーザガスを所定の割合で供給し、かつガス配管経路903内の圧力を所定の圧力に一定に保つため、ガス配管経路903のレーザガスを排出するレーザガス排出手段内の排気ポンプ914が一定運転されている状態で次のようにレーザガスが供給されている。すなわち、流量制限器911に直列接続された通常排出側電磁弁912を開となし、および急速排出側電磁弁913を閉となす。そして、ガス配管経路903内の圧力が所定の圧力になるようにレーザガスを供給するレーザガス供給手段内の供給側電磁弁910を開閉して装置外部に配置されるレーザガスボンベ930から新しいレーザガスを供給している(例えば特許文献1を参照)。
上述の従来技術のガスレーザ発振装置は、下記課題を有している。
レーザガスを排出するために、運転中は常時真空ポンプの運転を継続する必要がある。真空ポンプとして通常用いられるロータリーポンプではオイルを使用しているため、排気ポンプからのレーザガス流路へのオイルミストの逆流が生じてしまう。オイルミストの逆流は、ガスレーザ発振装置内の放電乱れやミラー劣化を生じさせてレーザ出力低下が発生する原因となる。
結果的にレーザ切断が不安定になり、切断ワークの加工面が悪化し、切断不良発生の原因となっていた。このように排気に用いる真空ポンプのオイルミストの逆流によるレーザ出力低下に伴う切断不良防止が課題となっていた。
また、ロータリーポンプは電気によるモータ駆動を行うため、定常的に一定の電力消費が必要であり、省エネルギーの点からも課題があった。
上述の従来技術には、送風手段のオイル混入をレーザガス流路の圧力を制御することで低減する旨が開示されているが、かかる構成ではロータリーポンプのオイルミストの混入防止にはならない。
本発明は、使用される真空ポンプによる真空系へのオイルミストの逆流を防止し、さらに省エネルギーが可能とし、長期に渡って信頼性の高い、環境性能の高いガスレーザ発振装置およびレーザガス置換方法を提供する。
本発明のガスレーザ発振装置は、レーザガスと、上記レーザガスを励起する放電部と、上記レーザガスを送風する送風部と、レーザガス流路と、ガス減圧部と、を備えている。ここで、レーザガスは、大気圧以下の圧力に減圧された状態で真空チャンバーに封入されている。レーザガス流路は、上記放電部と上記送風部との間のレーザガスの循環経路を形成する。ガス減圧部は、上記レーザガス流路から上記レーザガスを一定量排出する。そして、本発明のガスレーザ発振装置において、上記ガス減圧部は、ベルヌーイの原理を応用して上記レーザガス流路中の上記レーザガスを吸引排気し、上記ガス減圧部は、レーザ加工機もしくはガスレーザ発振装置で使用する加圧状態の気体の一部を用い、上記レーザガス中に混入した大気の比率を一定以下に低減させる構成からなる。
この構成により、従来の真空ポンプの問題点であった真空系へのオイルミストの逆流を防止し、および、これにより省エネルギーが可能となり、長期に渡って信頼性の高い、環境性能の高いレーザ発振装置が提供できる。
また、本発明のレーザガス置換方法は、レーザガスと、レーザガスを励起する放電部と、レーザガスを送風する送風部と、レーザガス流路と、ガス減圧部と、を備えたガスレーザ発振装置におけるレーザガス置換方法である。ここで、レーザガスは、大気圧以下の圧力に減圧された状態で真空チャンバーに封入されている。レーザガス流路は、放電部と送風部との間のレーザガスの循環経路を形成する。ガス減圧部は、レーザガス流路からレーザガスを一定量排出する。そして、本発明のレーザガス置換方法は、ガス減圧部が、ベルヌーイの原理を応用してレーザガス流路中の前記レーザガスを吸引排気するステップと、ガス減圧部が、レーザ加工機もしくはガスレーザ発振装置で使用する加圧状態の気体の一部を用い、レーザガス中に混入した大気の比率を一定以下に低減させるステップと、を備えた方法からなる。
この方法により、真空系へのオイルミストの逆流を防止し、および、これにより省エネルギーが可能となり、長期に渡って信頼性の高い、環境性能の高いレーザ発振装置のレーザガス置換方法が提供できる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同じ構成要素については同じ符号を付しているので説明を省略する場合がある。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る軸流型のガスレーザ発振装置の構成の一例を示す構成図である。以下、図1を参照しながら本実施の形態のガスレーザ発振装置100を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る軸流型のガスレーザ発振装置の構成の一例を示す構成図である。以下、図1を参照しながら本実施の形態のガスレーザ発振装置100を説明する。
本実施の形態のガスレーザ発振装置100の主要構成として、放電管101と、電極102、103と、電源104と、放電空間105と、全反射鏡106と、部分反射鏡107と、を備える。ここで、放電管101は、ガラスなどの誘電体よりなる。電極102、103は、放電管101周辺に設けられている。電源104は、電極102、103に接続されている。放電空間105は、電極102、103間に挟まれた放電管101内にある。この全反射鏡106および部分反射鏡107は、放電空間105の両端に固定配置され、レーザ発振のための光共振器を形成している。レーザビーム108は、部分反射鏡107より出力される。
次にレーザガス循環のための主要構成を説明する。レーザガス150は、図1に示すように光共振器を含むガスレーザ発振装置100に充填されており、軸流型のガスレーザ発振装置100の中を循環しており、レーザガス循環のためにレーザガス流路110を設ける。レーザガス150の流れる方向109は、図1中の矢印で示している。
レーザガス流路110内には、レーザガス150を循環させるための送風部113と、放電空間105における放電と送風機の運転により温度上昇したレーザガス150の温度を下げるための熱交換器111および112を設置する。この送風部113によりレーザガス150を加速することで、放電空間105にて約100m/sec程度のレーザガス150のガス流が得られている。レーザガス流路110と放電管101は、レーザガス導入部114で接続されている。
レーザガス150で満たされる空間は、ガスレーザ発振装置100の運転中は大気圧より低い状態で保たれており、かつ、レーザガス150以外の不純物を極力混入しないように密封された状態になる。いわば、レーザガス150で満たされる空間は、真空チャンバーを形成し、その中にレーザガス150が封入された状態となる。
しかしながら、レーザガス150は、放電により解離するため経時的に劣化してくるので、劣化したレーザガス150を排出し、新鮮なレーザガス150を供給する必要がある。そのため本実施の形態のガスレーザ発振装置100は、レーザガス150を常時特定量だけ排出し、同時に特定量だけ供給するための構成を有している。
レーザガス150の排出には、ガス減圧部130を設け、レーザガス流路110の一部から配管を通じ排出弁122を介しガス吸引部132よりレーザガス150の一部を排出する。レーザガス150の供給には、レーザガスボンベ124を設置し、供給弁125を制御することでレーザガス流路110に新鮮なレーザガス150を供給するようにしている。そして、ガス圧センサ126でレーザガス流路110内のガス圧を検知できるようにし、これらの制御のため制御装置127を備えている。
ガスレーザ発振装置100全体は、筐体128に収納され、周辺雰囲気と隔離されている。筐体128にはレーザビーム出口108a以外の開口部は、基本的には設けない。筐体128内にはドライエア供給装置129から常時一定量のドライエアが供給されている。特に、本発明の特徴的な構成として、ガス減圧部130内のガス流路131をドライエアが流れるように配管を設置している。
以上のように構成した本実施の形態のガスレーザ発振装置100の動作について、より詳細に説明する。
ガスレーザ発振装置100の起動後、レーザガス流路110全体に所定の圧力で満たされたレーザガス150は、送風部113により送り出され、レーザガス流路110を通り、レーザガス導入部114より放電管101内へ導入される。この状態でレーザガス150を励起する放電部160は、電源104に接続された電極102、103から放電空間105に放電を発生させる。すなわち、放電部160は、電源104、電極102、103、放電管101および放電空間105を含んで構成されている。放電空間105内のレーザガス150は、この放電エネルギーを得て励起される。その励起されたレーザガス150から出射された光は、全反射鏡106および部分反射鏡107により形成された光共振器を往復することにより共振状態となり、レーザビーム108が部分反射鏡107から出力される。このレーザビーム108がレーザ加工等の用途に用いられる。
ガスレーザ発振装置100全体を収納し、周辺雰囲気と隔離している筐体128には、ドライエア供給装置129から運転中に常時一定量のドライエアが供給されている。
ドライエアの役割は大きく2つある。一つは、筐体128内の気圧を上昇させ外部から粉塵等が侵入する事を防ぐことである。もう一つは、筐体128内の湿度を下げることにある。これらは筐体128内に収納している放電部160の絶縁性能を維持するために、粉塵や湿度を低減する必要があるためである。供給されたドライエアは、レーザビーム108の出口から外部に排出され、一定周期で入れ替わる。
ガスレーザ発振装置100の運転中は、排出弁122を介して、ガス減圧部130によって、レーザガス流路110中のガスが一定量排出される。この時の排出量は、1時間あたり20〜30リットル程度である。排出されたガス量に応じて、レーザガスボンベ124のガスが、供給弁125の開閉によってレーザガス流路110へ供給される。
レーザガス流路110中の圧力は、常時、ガス圧センサ126によって監視され、制御装置127によって、平均的な圧力が一定値に保たれるように供給弁125を間欠的に開閉している。
ガス減圧部130はベルヌーイの原理を応用して、ガス吸引部132よりレーザガス流路110中のレーザガス150を吸引排気する。ベルヌーイの原理を応用してガスを排出するには圧力差を発生させる手段が必要であり、本実施の形態では、その一例としてドライエア供給装置129から導入された加圧状態の空気を用いている。
ガス減圧部130の内部にはガス流路131が配置されている。加圧されたドライエアは、配管129aに通じてガス流路131に導かれる。ガス流路131は、一部が細くなり、その部分でのドライエアの流速が上がるようになっている。そのため、ベルヌーイの原理に基づき、ガス流路131の部分は減圧される。レーザガス150は、ガス吸引部132より減圧されたガス流路131に吸引され、ドライエアと共に外部に排気される。
本実施の形態のガスレーザ発振装置100の構成では、上述の説明のようにオイルを使用しないため、当然、レーザガス流路110中へのオイルミストの逆流は発生せず、放電の安定およびミラー汚染の恐れがなく、常に良好なレーザ切断を行う事が可能である。
すなわち、本実施の形態のガスレーザ発振装置100は、レーザガス150と、放電部160と、送風部113と、レーザガス流路110と、ガス減圧部130と、を備えている。ここで、レーザガス150は、大気圧以下の圧力に減圧された状態で放電管101などの真空チャンバーに封入されている。放電部160は、レーザガス150を励起する。送風部113は、レーザガス150を送風する。レーザガス流路110は、放電部160と送風部113との間のレーザガス150の循環経路を形成する。ガス減圧部130は、レーザガス流路110からレーザガス150を一定量排出する。そして、ガス減圧部130は、ベルヌーイの原理を応用してレーザガス流路110中のレーザガス150を吸引排気する。そして、ガス減圧部130は、レーザ加工機もしくはガスレーザ発振装置100で使用する加圧状態の気体の一部を用い、レーザガス150中に混入した大気の比率を一定以下に低減させる構成からなる。
この構成により、従来の真空ポンプの問題点であった真空系へのオイルミストの逆流を防止し、および、これにより省エネルギーが可能となり、長期に渡って信頼性の高い、環境性能の高いレーザ発振装置が提供できる。
また、ドライエアは、元々はガスレーザ発振装置100の筐体128内にパージガスとして導入され、外部から筐体128内への粉塵侵入防止および筐体128内をドライ雰囲気に保つために用いられる。したがって、このドライエアをガス減圧部130に用いた後に、そのままガスレーザ発振装置100の筐体128内のパージガスとして使用する。
すなわち、加圧状態の気体は、筐体128内へ導入されるドライエアである構成としてもよい。この構成により、新たに加圧状態のガスを準備する必要がなくなるという効果も奏する。通常、レーザ加工機またはガスレーザ発振装置100に用いられているドライエアを流用することで、大幅な省エネを実現することが出来る。
ガス減圧部130に用いられる加圧状態の気体の別の例として、レーザ加工に用いられるアシストガス(図示せず)も有効である。アシストガスの一部を本構成のドライエアに代わりガス減圧部130に導いて用いることで、排気のための新たに動力源を準備する必要がなくなる。アシストガスとしては窒素ガス発生装置によって発生させた窒素ガスなどが有用である。
また、加圧状態の気体は、レーザ加工アシストガス用に用いられる窒素、酸素および空気の少なくともいずれかを含む構成としてもよい。この構成により、排気のために新たに動力源を準備する必要がなくなるので、さらに省エネを実現することが出来る。
また、本発明適用時には、レーザガス中の大気比率を低減させるシーケンスを備えることが好ましい。一般的なロータリーポンプに比べると、ベルヌーイの原理を応用したガス減圧部130は、到達真空度で劣る。よってメンテナンス等により、レーザガス流路110の中が大気で満たされてしまった後に、レーザガス150との置換が簡単に行えないということが想定される。そのため、レーザガス流路110からのレーザガス150の排出とレーザガス150の再充填を、予め設定された回数繰り返すシーケンスを適用することが有効な動作となる。
すなわち、レーザガス流路110からのレーザガス排出とレーザガス150の再充填を、予め設定された回数繰り返す構成としてもよい。この構成により、レーザガス流路110の中が大気で満たされてしまった後に、レーザガス150との置換を簡単に行うことができる。レーザガス流路110からのレーザガス排出とレーザガス150の再充填を、予め設定された回数繰り返すシーケンスの例としては、レーザ起動後、一定の時間の間のみ、レーザガス排出量を増やし、レーザガス150の置換を促進させる方法も有効である。
また、本実施の形態のレーザガス置換方法は、上述の構成のガスレーザ発振装置100におけるレーザガス置換方法であって、吸引排気するステップと、大気の比率を一定以下に低減させるステップと、を備えた方法からなる。ここで、吸引排気するステップは、ガス減圧部130が、ベルヌーイの原理を応用してレーザガス流路110中のレーザガス150を吸引排気するステップである。大気の比率を一定以下に低減させるステップは、ガス減圧部130が、レーザ加工機もしくはガスレーザ発振装置100で使用する加圧状態の気体の一部を用い、レーザガス150中に混入した大気の比率を一定以下に低減させるステップである。
この方法により、真空系へのオイルミストの逆流を防止し、および、これにより省エネルギーが可能となり、長期に渡って信頼性の高い、環境性能の高いレーザ発振装置のレーザガス置換方法が提供できる。
また、加圧状態の気体は、筐体128内へ導入されるドライエアである方法としてもよい。この方法により、新たに加圧状態のガスを準備する必要がなくなるという効果も奏する。
また、加圧状態の気体は、レーザ加工アシストガス用に用いられる窒素、酸素および空気の少なくともいずれかを含む方法としてもよい。この方法により、排気のために新たに動力源を準備する必要がなくなるので、さらに省エネを実現できる。
また、レーザガス流路110からのレーザガス排出とレーザガス150の再充填を、予め設定された回数繰り返す方法としてもよい。この方法により、レーザガス流路110の中が大気で満たされてしまった後に、レーザガス150との置換を簡単に行うことができる。
次に、本実施の形態のガスレーザ発振装置100を用いた板金切断用のレーザ加工機の概略構成について説明する。図2は、本実施の形態のガスレーザ発振装置100を用いた板金切断用のレーザ加工機の一例を示す構成図である。
図2のレーザ加工機の構成に示すように、ガスレーザ発振装置100から出射されたレーザビーム108は、反射鏡115にて反射され、ワーク116の近傍へ導かれる。レーザビーム108は、トーチ117内部に備えられた集光レンズ118によって高密度のエネルギビームに集光され、ワーク116に照射され、ワーク116の切断加工が行われる。ワーク116は、加工テーブル119上に固定されており、X軸モータ120およびY軸モータ121の少なくともいずれかによって、トーチ117はワーク116に対して相対的に移動する事で、所定の形状の加工が行われる。
本発明により、ロータリーポンプを用いた際の課題であったオイルミストの逆流を防止し、これによりレーザ切断安定化を図ることができ、且つ電力消費を抑制する事ができる。したがって、環境性能の高いレーザ発振装置およびレーザガス置換方法を実現できるので、レーザ加工機などに適用すると有用である。
100 ガスレーザ発振装置
101 放電管
102,103 電極
104 電源
105 放電空間
106 全反射鏡
107 部分反射鏡
108 レーザビーム
108a レーザビーム出口
109 方向
110 レーザガス流路
111,112 熱交換器
113 送風部
114 レーザガス導入部
115 反射鏡
116 ワーク
117 トーチ
118 集光レンズ
119 加工テーブル
120 X軸モータ
121 Y軸モータ
122 排出弁
124 レーザガスボンベ
125 供給弁
126 ガス圧センサ
127 制御装置
128 筐体
129 ドライエア供給装置
129a 配管
130 ガス減圧部
131 ガス流路
132 ガス吸引部
150 レーザガス
160 放電部
101 放電管
102,103 電極
104 電源
105 放電空間
106 全反射鏡
107 部分反射鏡
108 レーザビーム
108a レーザビーム出口
109 方向
110 レーザガス流路
111,112 熱交換器
113 送風部
114 レーザガス導入部
115 反射鏡
116 ワーク
117 トーチ
118 集光レンズ
119 加工テーブル
120 X軸モータ
121 Y軸モータ
122 排出弁
124 レーザガスボンベ
125 供給弁
126 ガス圧センサ
127 制御装置
128 筐体
129 ドライエア供給装置
129a 配管
130 ガス減圧部
131 ガス流路
132 ガス吸引部
150 レーザガス
160 放電部
Claims (8)
- 大気圧以下の圧力に減圧された状態で真空チャンバーに封入されたレーザガスと、前記レーザガスを励起する放電部と、
前記レーザガスを送風する送風部と、
前記放電部と前記送風部との間の前記レーザガスの循環経路を形成するレーザガス流路と、
前記レーザガス流路から前記レーザガスを一定量排出するガス減圧部と、
を備え、
前記ガス減圧部は、ベルヌーイの原理を応用して前記レーザガス流路中の前記レーザガスを吸引排気し、
前記ガス減圧部は、レーザ加工機もしくはガスレーザ発振装置で使用する加圧状態の気体の一部を用い、前記レーザガス中に混入した大気の比率を一定以下に低減させるガスレーザ発振装置。 - 前記加圧状態の気体は、筐体内へ導入されるドライエアであることを特徴とする請求項1記載のガスレーザ発振装置。
- 前記加圧状態の気体は、レーザ加工アシストガス用に用いられる窒素、酸素および空気の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載のガスレーザ発振装置。
- 前記レーザガス流路からのレーザガス排出とレーザガスの再充填を、予め設定された回数繰り返すことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガスレーザ発振装置。
- 大気圧以下の圧力に減圧された状態で真空チャンバーに封入されたレーザガスと、前記レーザガスを励起する放電部と、
前記レーザガスを送風する送風部と、
前記放電部と前記送風部との間の前記レーザガスの循環経路を形成するレーザガス流路と、
前記レーザガス流路から前記レーザガスを一定量排出するガス減圧部と、
を備えたガスレーザ発振装置におけるレーザガス置換方法であって、
前記ガス減圧部が、ベルヌーイの原理を応用して前記レーザガス流路中の前記レーザガスを吸引排気するステップと、
前記ガス減圧部が、レーザ加工機もしくはガスレーザ発振装置で使用する加圧状態の気体の一部を用い、前記レーザガス中に混入した大気の比率を一定以下に低減させるステップと、を備えたレーザガス置換方法。 - 前記加圧状態の気体は、筐体内へ導入されるドライエアであることを特徴とする請求項5記載のレーザガス置換方法。
- 前記加圧状態の気体は、レーザ加工アシストガス用に用いられる窒素、酸素および空気の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項5記載のレーザガス置換方法。
- 前記レーザガス流路からのレーザガス排出とレーザガスの再充填を、予め設定された回数繰り返すことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載のレーザガス置換方法。
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