JPWO2013122227A1 - 赤外線反射基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

反射層と保護層とを積層した赤外線反射基板の製造方法であって、前記反射層と、電子線が照射されることによって架橋される高分子を含有する前記保護層とを積層するステップと、前記保護層に電子線を照射するステップと、を備えた赤外線反射基板の製造方法が提供される。

Description

本発明は、可視光領域において高い透過性を有し且つ赤外光領域において高い反射性を有する赤外線反射基板の製造方法に関する。
赤外線反射基板は、主に、放射される太陽光の熱影響を抑制するために用いられる。例えば、建物や自動車等の窓ガラスに赤外線反射基板を貼ることで、窓ガラスを通って室内に入射される赤外線(特に近赤外線)を遮蔽し、室内の温度上昇を抑制し、これにより、冷房の消費電力を抑制して省エネルギー化を図ることができる。
赤外線の反射には、金属や金属酸化物の積層構造による赤外線反射層が用いられる。しかしながら、金属や金属酸化物は耐擦傷性が低い。そのため、赤外線反射基板では、赤外線反射層の上に保護層を設けるのが一般的である。例えば、特許文献1には、ポリアクリロニトリル(PAN)を保護層の材料として用いることが開示されている。ポリアクリロニトリルのような高分子は、赤外線の吸収率が低く、室内から透光性部材を通って外に出射される遠赤外線を遮蔽できることから、冬期や室外の温度が低下する様な夜間での断熱効果による省エネルギー化も図ることができる。
ポリアクリロニトリルのような高分子を保護層の材料として用いる場合、保護層は、まず、高分子を溶剤に溶解させて溶液を調製し、この溶液を赤外線反射層の上に塗布し、次いで、溶液を乾燥させる(溶剤を揮発させる)、という手順で形成される。
日本国特公昭61−51762号公報
ところで、この種の赤外線反射基板は、保護層が表側となるように建物や自動車等の窓ガラスに貼られる。従って、保護層の表面には、時間が経過するほどに汚れ等が付着していく。汚れ等を除去するためには、保護層の表面を例えば洗浄液を用いた拭き取り等によって清掃すればよい。しかしながら、洗浄液には各種の有機溶剤が含まれていることが多い。そして、洗浄液に含まれる少なくとも一部の有機溶剤が保護層に含まれる高分子を可溶な溶剤である場合、清掃時に保護層が溶出し、拭き取り等の擦れによって除去され、耐擦傷性の低い赤外線反射層が露出してしまう、という問題が生じる。
また、保護層に含まれる高分子が洗浄液に可溶でない場合であっても、保護層が物理的な擦れに弱いと、拭き取り等によって保護層が除去され、上記同様、耐擦傷性の低い赤外線反射層が露出してしまう、という問題が生じる。
このように、耐溶剤性や物理的な擦れに対する耐性といった保護層の耐擦傷性が十分でない場合には、赤外線反射層を十分に保護することが困難である。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、断熱性及び耐擦傷性に優れた赤外線反射基板の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る赤外線反射基板の製造方法は、
反射層と保護層とを積層した赤外線反射基板の製造方法であって、
前記反射層と、電子線が照射されることによって架橋される高分子を含有する前記保護層とを積層するステップと、
前記保護層に電子線を照射するステップと、を備える。
本発明に係る赤外線反射基板の製造方法の一態様として、
前記赤外線反射板は、前記反射層と、前記保護層と、さらに基材とを有しており、
前記反射層と前記保護層とを積層するステップが、
前記基材の一方の面に前記反射層を形成するステップと、
前記高分子を溶剤に溶解させた高分子組成物溶液を前記反射層上に塗布し、次いで溶液を乾燥させ前記保護層を形成するステップと、を備えるようにすることができる。
本発明に係る赤外線反射基板の製造方法の他の一態様として、
前記赤外線反射板は、前記反射層と、前記保護層と、さらに基材とを有しており、
前記反射層と前記保護層とを積層するステップが、
前記基材の一方の面に前記反射層を形成するステップと、
前記保護層として前記高分子を有するフィルムを用い、該保護層と前記反射層とを貼合するステップと、を備えるようにすることができる。
この場合、前記保護層の厚さ15μmあたりの遠赤外線の透過率が65%以上であることが好ましい。
ここで、「遠赤外線の透過率」は、保護層のみに遠赤外線を照射したときの、該保護層における波長2.5μm〜25μm領域での赤外光の透過率の平均値を意味する。
この場合、前記高分子は、前記電子線が照射されることにより架橋型の反応挙動を示すものであることが好ましい。
ここで、従来一般的に、電子線が照射されることにより誘起される反応として、架橋反応が優先的に起こる架橋型高分子と、主鎖切断が優先的に起こる崩壊型(切断型)高分子とに分類されている。前記「架橋型の反応挙動」とは、この2種類の反応挙動のうち、架橋が優先的に起こる反応挙動を意味する。
この場合、前記高分子は、オレフィン系高分子またはシクロオレフィン系高分子であることが好ましい。
この場合、前記高分子は、下記化学式Iの繰り返し単位A、B及びCのうち、少なくともいずれか二つ以上の繰り返し単位を含むようにすることができる。
Figure 2013122227
ここで、本発明に係る赤外線反射基板の製造方法の一態様として、前記電子線を照射される前の保護層が、前記高分子100重量部に対して1重量部〜20重量部のラジカル重合性モノマーをさらに含むのが好ましい。
この場合、前記電子線を照射された後の前記保護層のゲル分率が70%以上である、ようにすることができる。
この場合、前記保護層側表面の垂直放射率が0.40以下である、ようにすることができる。
本発明によれば、断熱性及び耐擦傷性に優れた赤外線反射基板の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る赤外線反射基板の積層構造を説明するための概要図を示す。 本発明の他の実施形態に係る赤外線反射基板の積層構造を説明するための概要図を示す。 本発明の他の実施形態に係る赤外線反射基板の積層構造を説明するための概要図を示す。 本発明の他の実施形態に係る赤外線反射基板の積層構造を説明するための概要図を示す。
(第一の実施形態)
以下、本発明に係る赤外線反射基板の製造方法の第一の実施形態について、説明する。
本実施形態に係る赤外線反射基板の製造方法は、反射層と保護層とを積層するステップと、該保護層に電子線を照射するステップと、を備え、前記赤外線基板が前記保護層と、前記反射層と、さらに基材とを有しており、前記反射層と前記保護層とを積層するステップが、前記基材の一方の面に前記反射層を形成するステップと、高分子を溶剤に溶解させた高分子組成物溶液を該反射層上に塗布し、次いで溶液を乾燥させ保護層を形成するステップとを有している。
まず、本実施形態に係る赤外線反射基板の積層構造について、図1を参酌しつつ説明する。なお、本実施形態に係る赤外線反射基板は、従来の赤外線反射基板が持つ遮熱特性(近赤外線の反射特性)に加え、断熱特性(遠赤外線の反射特性)を併せ持つ赤外線反射基板である。
本実施形態に係る赤外線反射基板は、図1に示す如く、基材1の一方の面1aに、反射層2及び保護層3をその順に積層し、他方の面1bに粘着層4を設けた層構造となっている。
基材1は、ポリエステル系基板が用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンメチレンテレフタレート、あるいはこれらを2種以上組み合わせた混合樹脂からなる基板が用いられる。尚、これらの中で、性能面から、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板が好ましく、特に2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)基板が好適である。
反射層2は、基材1の表面(一方の面)1aに蒸着により形成される蒸着層である。該蒸着層の形成方法としては、例えば、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング等の物理蒸着(PVD)がある。ここで、真空蒸着においては、真空中で抵抗加熱、電子ビーム加熱、レーザ光加熱、アーク放電等の方法で蒸着物質を加熱蒸発させることで、基材1上に反射層2が形成される。また、スパッタリングにおいては、アルゴン等の不活性ガスが存在する真空中で、グロー放電等により加速されたAr+等の陽イオンをターゲット(蒸着物質)に撃突させて蒸着物質をスパッタ蒸発させることで、基材1上に反射層2が形成される。イオンプレーティングは、真空蒸着とスパッタリングとを組み合わせた形態の蒸着法である。この方法では、真空中において、加熱により放出された蒸発原子を、電界中でイオン化と加速を行い、高エネルギー状態で基材1上に付着させることで、反射層2が形成される。
反射層2は、半透明金属層2aを一対の金属酸化物層2b,2cで挟み込んだ複層構造となっており、上記蒸着層の形成方法を用い、まず、基材1の表面(一方の面)1aに金属酸化物層2bを蒸着し、次に、金属酸化物層2b上に半透明金属層2aを蒸着し、最後に、半透明金属層2a上に金属酸化物層2cを蒸着して形成される。半透明金属層2aは、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銀合金(MgAg、Ag−Pd−Cu合金(APC)、AgCu、AgAuCu等)、アルミニウム合金(AlLi、AlCa、AlMg等)、あるいはこれらを2種又は2層以上組み合わせた金属材料が用いられる。金属酸化物層2b,2cは、反射層2に透明性を付与し、半透明金属層2aの劣化を防止するためのものであり、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウムチタン(IT)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化ガリウム亜鉛(GZO)、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)、酸化ガリウムインジウム(IGO)等の酸化物が用いられる。
保護層3は、高分子を含有する層である。保護層3が高分子を含有していることにより、電子線の照射によって該高分子がラジカル化されたりイオン化されたりして後述する架橋が生じ得る。また、該高分子としては、電子線が照射されることにより架橋が優先的に起こる架橋型高分子が好ましい。かかる架橋型高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系高分子、ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系高分子、ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリビニルアルコール、ポリアミド、アクリロニトリル、これら高分子のモノマー成分を構成単位として含む共重合体、または、該共重合体の水素化物などが好ましい。
これらのうち、前記高分子は、オレフィン系高分子またはシクロオレフィン系高分子であることが好ましい。また、前記共重合体の水素化物であることも好ましい。
前記水素化物としては、例えば、前記共重合体が二重結合を有する場合、該二重結合の一部が水素化されたものが挙げられる。このような水素化物としては、下記化学式Iの繰り返し単位A、B及びCのうち、少なくともいずれか二つ以上の繰り返し単位を含む高分子が挙げられる。化学式I中のR1としては、Hやメチル基を用いることができる。また、化学式I中のR2〜R5として、H、炭素数が1〜4のアルキル基又はアルケニル基を用いることができる。ちなみに、繰り返し単位A、B及びCで構成され、R1〜R5としてHを用いたものは、水素化ニトリルゴム(HNBR)である。
Figure 2013122227
これらの高分子を得るためのモノマー成分としては、例えば、化学式IIで示すようなアクリロニトリル(繰り返し単位D)及びその誘導体、炭素数が4のアルキル(繰り返し単位E)及びその誘導体、並びに、ブタジエン(繰り返し単位F1又はF2)及びそれらの誘導体の共重合体等が挙げられる。ここで、R6は、H又はメチル基、R7〜R18は、H又は炭素数が1〜4のアルキル基を示す。なお、F1,F2のそれぞれは、ブタジエンが重合する繰り返し単位を示しており、F1がメインの繰り返し単位となっている。また、これらの高分子は、化学式IIのアクリロニトリル(繰り返し単位D)及びその誘導体、1,3−ブタジエン(繰り返し単位F1)及びその誘導体の共重合体であるニトリルゴムや、ニトリルゴム中に含まれる二重結合の一部又は全部が水素化された水素化ニトリルゴムであってもよい。
Figure 2013122227
上記共重合体を部分的に切り出した化学式IIIを用いて、アクリロニトリル、ブタジエン及びアルキルが重合された共重合体と、それぞれの繰り返し単位A、B及びCとの関係を説明する。化学式IIIは、保護層3に用いられる高分子鎖の一部を切り出しており、1,3−ブタジエン(繰り返し単位F1)、アクリロニトリル(繰り返し単位D)、及び1,3−ブタジエン(繰り返し単位F1)が順に結合されている。なお、化学式IIIはR7,R11〜R14がHの結合例を示している。化学式IIIは、左側のブタジエンにはアクリロニトリルのシアノ基(−CN)が結合された側が結合しており、アクリロニトリルのシアノ基(−CN)が結合していない側に右側のブタジエンが形成されている。この様な結合例においては、1個の繰り返し単位A、1個の繰り返し単位B、及び2個の繰り返し単位Cが含まれている。この中で、繰り返し単位Aは左側のブタジエンの右側の炭素原子とアクリロニトリルのシアノ基(−CN)とが結合した炭素原子を含んでおり、繰り返し単位Bはアクリロニトリルのシアノ基(−CN)が結合していない炭素原子と右側のブタジエンの左側の炭素原子とを含んだ組合せである。そして、左側のブタジエンの一番左側の炭素原子と、右側のブタジエンの一番右側の炭素原子は、結合する分子の種類により繰り返し単位Aまたは繰り返し単位Bの一部の炭素原子となる。
Figure 2013122227
高分子中に含まれる化学式Iの繰り返し単位Aが高分子全体に占める割合は、下限値としては、5重量%以上である。好ましくは、15重量%以上である。より好ましくは、25重量%以上である。また、上限値としては、100重量%以下である。好ましくは、60重量%以下である。より好ましくは、40重量%以下である。上記範囲であれば、赤外線反射フィルムに良好な断熱特性を付与することができる。
保護層3の厚さは、下限値としては、1μm以上である。好ましくは、2μm以上である。また、上限値としては、20μm以下である。好ましくは、15μm以下である。より好ましくは、10μm以下である。保護層3の厚さが小さいと、赤外線の反射特性は高くなるものの、耐擦傷性が損なわれ、保護層3としての機能を十分に発揮することができない。保護層3の厚さが大きいと、赤外線反射基板の断熱特性が悪くなる。保護層3の厚さが上記範囲内であれば、赤外線の吸収が小さく且つ反射層2を適切に保護することができる保護層3が得られる。
尚、垂直放射率とは、JIS R3106で規定される通り、垂直放射率(εn)=1−分光反射率(ρn)で表わされる。分光反射率ρnは、常温の熱放射の波長域5〜50μmで測定される。5〜50μmの波長域は遠赤外線領域であり、遠赤外線の波長域の反射率が高くなるほど、垂直放射率は小さくなる。
化学式I中のkとlとmの比率は、kとlとmの合計を100としたとき、k:l:m=3〜30:20〜95:0〜60であることが好ましく、k:l:m=5〜25:60〜90:0〜20であることがより好ましく、k:l:m=15〜25:65〜85:0〜10であることがさらに好ましい。
また、化学式Iの繰り返し単位AとBとCの比率は、A:B:C=5〜50重量%:25〜85重量%:0〜60重量%(但し、AとBとCの合計は100重量%)となるのが好ましい。より好ましくは、A:B:C=15〜40重量%:55〜85重量%:0〜20重量%(但し、AとBとCの合計は100重量%)である。さらに好ましくは、A:B:C=25〜40重量%:55〜75重量%:0〜10重量%(但し、AとBとCの合計は100重量%)である。
前記保護層3は、上述した高分子を(必要に応じて架橋剤とともに)溶剤に溶解させて高分子組成物溶液を調製し、この溶液を反射層2の上に塗布し、次いで、溶液を乾燥させる(溶剤を揮発させる)、という手順で形成される。溶剤は、上述した高分子を可溶な溶剤であり、例えば、メチルエチルケトン等の溶剤が用いられる。
ところで、これら保護層3に良好な耐溶剤性を付与する観点から、保護層3は、高分子同士の架橋構造を有することが好ましい。高分子同士を架橋させることにより、保護層3の耐溶剤性が向上するため、高分子を可溶な溶剤が保護層3に接触した場合であっても、保護層3が溶出するのを防止することができる。
高分子同士に架橋構造を付与する手段としては、溶液を乾燥させた後に、電子線を照射することが挙げられる。保護層3に含まれる高分子が上記化学式Iで示される化合物である場合には、電子線の照射線量は、下限値としては、30kGy以上である。また、上限値としては、600kGy以下である。好ましくは、400kGy以下である。より好ましくは、200kGy以下である。電子線の照射線量が上記範囲内であれば、高分子同士の十分な架橋を得ることができる。また、電子線の照射線量が上記範囲内であれば、電子線の照射によって発生する高分子や基材1の黄変を最小限に抑えることができ、着色の少ない赤外線反射基板を得ることができる。なお、これら電子線の照射条件は、加速電圧が100kV〜150kVでの照射条件である。
また、保護層3に含まれる高分子が、上記化学式I以外の化合物、すなわち、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系高分子、ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系高分子、ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、アクリロニトリル、これら高分子のモノマー成分を構成単位として含む共重合体、または、該共重合体の水素化物などである場合には、電子線の照射線量は、下限値としては60kGy以上である。より好ましくは、75kGyである。また、上限値としては、150kGy以下である。好ましくは、125kGy以下である。電子線の照射線量が上記範囲内であれば、耐傷擦性が良好な赤外線反射板を得ることができる。なお、これら電子線の照射条件は、加速電圧が100kV〜150kVでの照射条件である。
また、高分子を溶剤に溶解させる際に、あるいは、高分子を溶剤に溶解させた後に、高分子組成物溶液にラジカル重合型モノマー等の多官能モノマーといった架橋剤を添加することが好ましい。特に、(メタ)アクリレート系モノマーのラジカル重合型モノマーが好ましい。多官能モノマーを添加すると、多官能モノマーに含まれる官能基がそれぞれの高分子鎖と反応(結合)することにより、高分子同士が(多官能モノマーを介して)架橋されやすくなる。従って、電子線の照射線量を(70kGy以下に、例えば50kGy程度に)引き下げても高分子同士の十分な架橋を得ることができる。そのため、電子線の照射線量を低照射線量で済ませることができる。また、電子線の照射線量が低下することで、高分子や基材1の黄変をさらに抑制することができ、しかも、生産性を向上させることができる。
しかしながら、架橋剤の添加量が多くなれば、赤外線反射基板の(反射層2を基準とした)保護層3側表面の垂直放射率が悪化する。垂直放射率が悪化すると、赤外線反射基板における赤外線の反射特性が低下し、赤外線反射基板の断熱特性が悪くなる。そのため、高分子組成物溶液は、高分子100重量%に対して5〜35重量%(すなわち、高分子100重量部に対して5〜35重量部)の架橋剤を含むのが好ましい。より好ましくは、高分子100重量%に対して1〜20重量%(すなわち、高分子100重量部に対して1〜20重量部)である。
また、保護層3は、厚さ15μmあたりの2.5μm〜25μmの波長領域での遠赤外線の透過率の平均値が65%以上であるように構成されていることが好ましい。また、該遠赤外線透過率は、好ましくは68%以上、さらに好ましくは70%以上である。該遠赤外線の透過率が65%以上であることによって、保護層3に外側から入射した遠赤外線が、反射層2へとより透過し易くなる。これにより、赤外線反射基板の(反射層2を基準とした)保護層3側表面の垂直放射率の悪化を、より抑制することができる。
かかる遠赤外線の透過率は、フーリエ変換型赤外分光(FT−IR)光度計(日本分光株式会社製)を用い、保護層3のみに遠赤外線を照射したときの、波長2.5〜25μmの領域での赤外光の透過率を測定し、平均値を算出し、得られた数値を、厚み15μmあたりの数値となるように換算する。
本実施形態に係る赤外線反射基板の積層構造についての説明は以上の通りであり、次に、本実施形態に係る赤外線反射基板の作製方法について説明する。
本実施形態に係る赤外線反射基板の作製方法は、基材1の一方の面1aに反射層2を形成するステップと、上述したような高分子を溶剤に溶解させた高分子組成物溶液を該反射層2上に塗布し、次いで溶液を乾燥させ保護層3を形成するステップと、該保護層3に電子線を照射するステップとを備える。
また、本実施形態に係る赤外線反射基板の作製方法では、上述のように調製された高分子組成物溶液が、高分子100重量%に対して1重量%〜20重量%(すなわち、高分子100重量部に対して1重量部〜20重量部)のラジカル重合性モノマーをさらに含むようにしている。本実施形態においては、ラジカル重合型モノマーとして、(メタ)アクリレート系モノマーが採用されている。
基材1の一方の面1aに反射層2を形成するステップでは、後述のDCマグネトロンスパッタ法が採用されている。より具体的には、DCマグネトロンスパッタ法を用い、基材1の一方の面1aに酸化インジウム錫からなる金属酸化物層2bを形成し、その上にAg−Pd−Cu合金からなる半透明金属層2aを形成し、その上に酸化インジウム錫からなる金属酸化物層2cを形成する。金属酸化物層2b,2cの厚みは、作製された層の屈折率にも依存するが、実用上、透明性(可視光線透過率)の高い赤外線反射基板を得るには、5〜50nmの範囲が好ましく、更に好ましい厚みは、15〜40nmである。
また、反射層2上に保護層3を形成するステップでは、基材1の一方の面1aに形成された反射層2上に、上述の高分子を溶剤に溶解させた高分子組成物溶液を、アプリケータ等を用いて塗布し、溶液を乾燥させる(溶剤を揮発させる)ことで、保護層3を形成する。そして、保護層3に電子線を照射するステップでは、後述する電子線照射装置により保護層3の表面側から電子線を照射する。このようにして、本実施形態に係る赤外線反射基板が完成する。
以上の製造方法によって作製された本実施形態に係る赤外線反射基板によれば、反射層2上の層構造の厚み、即ち、保護層3の厚みを少なくすることで、(反射層2を基準とした)保護層3側表面の垂直放射率が小さくなっている。また、特に、遠赤外線を吸収しにくく、透過しやすいニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、完全水素化ニトリルゴム、ポリプロピレンなどを保護層3に用いれば、それによっても垂直放射率は小さくなる。これにより、遠赤外線は、保護層3に入射されても保護層3に吸収されにくく、反射層2に到達し、その結果、反射層2で反射されやすくなる。従って、本実施形態に係る赤外線反射基板を窓ガラス等の透光性部材に室内側から貼っておくことで、室内から透光性部材を通って外に出射される遠赤外線を遮蔽することができ、これにより、冬季や室内の温度が低下する夜間での断熱効果が期待できる。本実施形態に係る赤外線反射基板では、その目的のために、保護層3側表面の垂直放射率が0.40以下に設定される。但し、該垂直放射率は、好ましくは0.30以下、より好ましくは0.25以下、さらに好ましくは0.15以下である。
また、以上の製造方法によって作製された本実施形態に係る赤外線反射基板によれば、可視光線透過率(JIS A5759参照)を高くすることで、透光性部材の透光性が阻害されることはない。本実施形態に係る赤外線反射基板では、その目的のために、可視光線透過率が50%以上に設定される。
また、近赤外線は、(粘着層4及び)基材1に入射されても(粘着層4及び)基材1に吸収されにくく、反射層2に到達し、その結果、反射層2で反射されやすくなる。従って、本実施形態に係る赤外線反射基板を窓ガラス等の透光性部材に室内側から貼っておくことで、窓ガラス等の透光性部材を通って室内に入射される近赤外線を遮蔽することができ、これにより、従来の赤外線反射基板と同様、夏季での遮熱効果が期待できる。
そして、以上の製造方法によって作製された本実施形態に係る赤外線反射基板によれば、上述の如く、保護層3に良好な耐擦傷性が付与されている。即ち、保護層3における高分子同士を架橋することで、保護層3の耐溶剤性が向上している。これにより、高分子を可溶な溶剤が保護層3に接触した場合であっても、保護層3が溶出するのを防止することができ、そのため、赤外線反射層2が露出することによって耐擦傷性が低下するのを防止することができる。本実施形態に係る赤外線反射基板では、その目的のために、メチルエチルケトンに対する溶解性試験後のゲル分率が70%以上に設定される。但し、好ましくは、75%以上である。より好ましくは、80%以上である。
また、保護層3が耐溶剤性に優れた高分子を含有している場合には、保護層3における高分子を架橋することで、物理的な擦れに起因する剥がれを防止することができ、そのため、赤外線反射層2が露出することによって耐擦傷性が低下するのを防止することができる。
また、本実施形態に係る赤外線反射基板の製造方法によれば、上述のように調製された高分子組成物溶液が、高分子100重量部に対して1重量部〜20重量部のラジカル重合性モノマーをさらに含むようにしているため、保護層3における高分子同士がラジカル重合型モノマーを介して架橋されるやすくなり、電子線の照射線量を(70kGy以下に、例えば50kGy程度に)引き下げても高分子同士の十分な架橋を得ることができる。そのため、電子線の照射線量を低照射線量で済ませることができる。
また、保護層3における高分子同士がラジカル重合型モノマーを介して架橋されることで、保護層3は、耐溶剤性が向上している。これにより、高分子を可溶な溶剤が保護層3に接触した場合であっても、保護層3が溶出するのを防止することができる。そのため、反射層2が露出することによって耐擦傷性が低下するのを防止することができる。
(第二の実施形態)
以下、本発明に係る赤外線反射基板の製造方法の第二の実施形態について、説明する。まず、本実施形態に係る赤外線反射基板の積層構造について、図2を参酌しつつ説明する。なお、本実施形態に係る赤外線反射基板は、従来の赤外線反射基板が持つ遮熱特性(近赤外線の反射特性)に加え、断熱特性(遠赤外線の反射特性)を併せ持つ赤外線反射基板である。
本実施形態に係る赤外線反射基板は、図2に示す如く、反射層2上(反射層2と保護層3との間)に易接着層5が形成されている点以外は、第一の実施形態に係る赤外線反射基板と同一の構成であるため、同一の構成については、同一の参照符号を付して、詳細な説明を繰り返さない。
本実施形態においては、易接着層5として、シランカップリング剤を用いてもよいが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、有機物とケイ素から構成される有機ケイ素化合物であり、一つの分子中に異なる反応基を有する。より具体的には、シランカップリング剤は、一つの分子中に有機物との反応や相互作用を生じることができる有機官能基(例えば、ビニル基、(メタ)アクリル基、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、スチリル基、スルフィド基等)と、加水分解性基とを有する。シランカップリング剤は、この反応基の構造を利用して、有機官能基を介して有機物と化学結合を形成するとともに、加水分解性基を加水分解、反応させることにより無機物表面等と化学結合を形成することで、化学的性質の異なる化合物を強固に結合させることができる。以下に示す実施例においては、ビニル系のシランカップリング剤が用いられる。実施例においては、ビニル系のシランカップリング剤が用いられるが、シランカップリング剤は、これに限定されるものではない。
易接着層5は、上述した化合物を溶剤に溶解させて溶液を調製し、この溶液を反射層2の上に塗布し、次いで、溶液を乾燥させ(溶剤を揮発させ)、活性エネルギー線としての電子線を保護層3の表面側から照射する、という手順で形成される。なお、活性エネルギー線とは、化学反応又は物理的変化を促進するエネルギー線であり、本実施形態においては、活性エネルギー線は、保護層3と易接着層5との間の化学結合の形成を促進するように作用する。より具体的には、溶液を反射層2の上に塗布し、溶液を乾燥させた(溶剤を揮発させた)状態で、その上に保護層3を形成し、電子線等の活性エネルギー線を保護層3の表面側から照射することで、保護層3と易接着層5との間に架橋構造等の化学結合が形成され、保護層3と易接着層5とが結合される。そうすることで、反射層2と保護層3との間に易接着層5を形成することにより、保護層3と反射層2との間の密着性が高められるため、保護層3が反射層2から剥離して耐擦傷性の低い反射層2が露出しにくくなる。
本実施形態に係る赤外線反射基板の構成についての説明は以上の通りであり、次に、本実施形態に係る赤外線反射基板の作製方法について説明する。なお、本実施形態に係る赤外線反射基板の作製方法は、反射層2上(反射層2と保護層3との間)に易接着層5を形成するステップを備えること以外は、第一の実施形態に係る赤外線反射基板の作製方法と同様のため、詳しい説明を省略する。
反射層2上に易接着層5を形成するステップでは、第一の実施形態に係る赤外線反射基板の作製方法と同様に、基材1の一方の面1aに反射層2を形成した後、該反射層2上に、上述のシランカップリング剤を溶剤に溶解させた溶液を、ワイヤーバー等を用いて塗布し、溶液を乾燥させることで、易接着層5が形成される。その後、該易接着層5上に保護層3を形成し、前述した電子線照射装置により保護層3の表面側から電子線を照射する。このようにして、本実施形態に係る赤外線反射基板が完成する。
以上の製造方法によって作製された本実施形態に係る赤外線反射基板によれば、上記第一の実施形態に係る赤外線反射基板と同様の効果に加えて、反射層2上(反射層2と保護層3との間)に易接着層5を形成するステップをさらに備えるため、上述の如く、易接着層5が保護層3と化学的に結合され、反射層2と保護層3とが易接着層5を介して接着されることで、反射層2と保護層3との間の接着性が高まる。そのため、保護層3が外部からストレスを受けた場合でも、保護層3が反射層2から剥離しにくい。従って、保護層3の剥離により耐擦傷性の低い反射層2が露出し、反射層2がダメージを受ける、といった事態が生じるのを防止することができる。
(第三の実施形態)
以下、本発明に係る赤外線反射基板の製造方法の第三の実施形態について、説明する。まず、本実施形態に係る赤外線反射基板の積層構造について、図3を参酌しつつ説明する。
本実施形態に係る赤外線反射基板は、図3に示す如く、反射層2上にフィルムたる保護層3が接着層6を介して積層されている点以外は、第一、第二及び第三の実施形態に係る赤外線反射基板と同一の構成であるため、同一の構成については、同一の参照符号を付して、詳細な説明を繰り返さない。
本実施形態においては、保護層3は、例えば、上述した高分子を(必要に応じて上述した架橋剤とともに)溶剤に溶解させて上述した高分子組成物溶液を調製し、この溶液を、上述した基材1に代えて支持板(不図示)上に塗布し、乾燥した後、該支持板から剥離するという手順で、フィルムとして形成される。
また、保護層3としては、上述した高分子を含むフィルムを、公知の方法により延伸させて二軸延伸フィルムを作製し、該二軸延伸フィルムを用いてもよい。また、市販品の二軸延伸フィルムを用いてもよく、かかる二軸延伸フィルムとしては、東レ(株)社製「トレファン(登録商標)」などがある。この場合においても、前述と同様に、保護層3の厚みは、下限値としては、5μm以上であり、また、上限値としては、30μm以下である。
本実施形態においては、接着層6として、ポリエステル系接着剤が用いられる。本実施形態においては、接着層6として、ポリエステル系接着剤が用いられるが、これらに限定されるものではない。なお、接着層6の厚みは、0.1〜1.5μmであるのが好ましい。
本実施形態に係る赤外線反射基板の構成についての説明は以上の通りであり、次に、本実施形態に係る赤外線反射基板の作製方法について説明する。なお、本実施形態に係る赤外線反射基板の作製方法は、保護層3として上述した高分子を含有するフィルムを用い、反射層2と保護層3を積層するステップが、反射層2上に接着層6を介して保護層3を積層するステップを備えること以外は、第一の実施形態に係る赤外線反射基板の作製方法と同様のため、詳しい説明を繰り返さない。
反射層2と保護層3を積層するステップでは、保護層3の一方の面3a上に、上述したような接着剤を塗布し、これを反射層2上に積層し、乾燥させる。その後、前述した電子線照射装置により保護層3の表面側から電子線を照射する。このようにして、本実施形態に係る赤外線反射基板が完成する。
なお、本実施形態の製造方法は、このように反射層2上にフィルム状の保護層3を積層した後、電子線を照射する工程を備えている他、フィルム状の保護層3に電子線を照射した後、該電子線を照射された保護層3を反射層2上に積層する工程を備えていてもよい。これらいずれの方法も、本発明の製造方法に含まれる。
また、保護層3に電子線を照射した後、該照射された保護層3を反射層2に積層する工程を備えた赤外線反射板の製造方法によれば、上記第一の実施形態に係る赤外線反射基板の製造方法と同様の効果に加えて、基材1や反射層2に電子線を照射することなく、電子線が照射された保護層3を得ることができる。これにより、電子線の照射による基材1へのダメージ(黄変・機械強度の低下など)などの発生が抑制された赤外線反射板を得ることができる。
(第四の実施形態)
以下、本発明に係る赤外線反射基板の製造方法の第四の実施形態について、説明する。
本実施形態に係る赤外線反射基板は、図4に示す如く、基材1を備えておらず、保護層3と反射層2とが直接積層されて形成されている(具体的には、保護層3の一方の面3a上に反射層が直接形成されている)点、及び、保護層3が第三実施形態と同一のフィルムである点以外は、第一の実施形態に係る赤外線反射基板と同一の構成であるため、同一の構成については、同一の参照符号を付して、詳細な説明を繰り返さない。
また、本実施形態に係る赤外線反射基板の作製方法は、保護層3として、第三の実施形態と同一のフィルムを用い、反射層2と保護層3を積層するステップとして、保護層3の一方の面3aに反射層2を形成するステップを備えること以外は、第一の実施形態に係る赤外線反射基板の作製方法と同様のため、詳しい説明を繰り返さない。
保護層3の一方の面3aに反射層2を形成するステップでは、第三の実施形態と同一の保護層3の一方の面3a上に、第一の実施形態と同様にして、反射層2を形成する。すなわち、第一の実施形態における基材1の一方の面1aの代わりに、フィルムたる保護層3の一方の面3a上に、第一の実施形態と同様にして、反射層2を形成する。その後、前述した電子線照射装置により保護層3の表面側から電子線を照射する。このようにして、本実施形態に係る赤外線反射基板が完成する。なお、本実施形態においても、上記第三の実施形態と同様、保護層3に電子線を照射した後、該電子線が照射された保護層3の一方の面3aに、反射層を形成してもよい。
ここで、本発明者らは、本実施形態に係る赤外線反射基板を作製し(実施例)、併せて、比較用の赤外線反射基板を作製した(比較例)。
実施例、比較例ともに、作製方法は次のとおりである。厚みが50μmのポリエチレンテレフタレート基板(三菱樹脂株式会社製 商品名「ダイアホイル T602E50」)を基材1として用いた。この基材1の一方の面1aにDCマグネトロンスパッタ法により反射層2を形成した。詳しくは、DCマグネトロンスパッタ法を用い、基材1の一方の面1aに酸化インジウム錫からなる金属酸化物層2bを35nmの厚みで形成し、その上にAg−Pd−Cu合金からなる半透明金属層2aを18nmの厚みで形成し、その上に酸化インジウム錫からなる金属酸化物層2cを35nmの厚みで形成し、これを反射層2とした。そして、この反射層2の上に保護層3を形成した。尚、保護層3の詳細な形成条件は、それぞれ実施例、比較例の説明において詳述する。
<実施例1>
上記作製方法により作製した反射層2の上に、塗工法により保護層3を形成した。具体的には、反射層2の上に、水素化ニトリルゴム(ランクセス社製 商品名「テルバン5065」〔k:33.3、l:63、m:3.7、R1〜R3:H〕の10%メチルエチルケトン(MEK)溶液をアプリケータを用いて塗布し、空気循環式の乾燥オーブンに入れ、120℃で2分間乾燥を行った。これにより、厚さが5μmの保護層3を形成した。その後、電子線照射装置(岩崎電気株式会社製 製品名「EC250/30/20mA」)を用いて保護層3の表面側から電子線を照射し、実施例1に係る赤外線反射基板を得た。電子線の照射条件は、ライン速度を3m/min、加速電圧を150kV、照射線量を100kGyとした。
<実施例2>
電子線の照射線量を200kGyとした点以外は、実施例1と同じである。
<実施例3>
水素化ニトリルゴム(ランクセス社製 商品名「テルバン5065」)〔k:33.3、l:63、m:3.7、R1〜R3:H〕の10%メチルエチルケトン(MEK)溶液に、(メタ)アクリレート系モノマー(大阪有機化学社製 商品名「ビスコート#295」)を水素化ニトリルゴムの固形分に対して5重量%(5重量部)添加した点、及び電子線の照射線量を50kGyとした点以外は、実施例1と同じである。
<実施例4>
水素化ニトリルゴム(ランクセス社製 商品名「テルバン5065」)〔k:33.3、l:63、m:3.7、R1〜R3:H〕の10%メチルエチルケトン(MEK)溶液に、(メタ)アクリレート系モノマー(大阪有機化学社製 商品名「ビスコート#295」)を水素化ニトリルゴムの固形分に対して10重量%(10重量部)添加した点以外は、実施例3と同じである。
<実施例5>
(メタ)アクリレート系モノマー(大阪有機化学社製 商品名「ビスコート#295」)を水素化ニトリルゴムの固形分に対して15重量%(15重量部)添加した点以外は、実施例3と同じである。
<実施例6>
(メタ)アクリレート系モノマー(大阪有機化学社製 商品名「ビスコート#295」)を水素化ニトリルゴムの固形分に対して20重量%(20重量部)添加した点以外は、実施例3と同じである。
<実施例7>
水素化ニトリルゴムとして、上記商品名「テルバン5065」に代えて、商品名「テルバン5005」(ランクセス社製)〔k:33.3、l:66.7、m:0、R1〜R3:H〕5005を用いた点以外は、実施例1と同様である。
<比較例1>
電子線を照射しない点以外は、実施例1と同じである。
<実施例8>
反射層2の上に塗工法により保護層3形成することに代えて、厚みが15μmの2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(東レ(株)製「トレファン」)からなる保護層3を、厚みが0.8μmのポリエステル系接着剤(接着層6)を介して反射層2の上に積層した点、及び電子線の加速電圧を100kV、照射線量を100kGyとした点以外は、実施例1と同じである。
<実施例9>
電子線の加速電圧を150kV、照射線量を100kGyとした点以外は、実施例8と同じである。
<比較例2>
電子線を照射しない点以外は、実施例8と同じである。
<比較例3>
保護層3として、「テルバン5065」を用いる代わりに、厚み23μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステル社製 商品名「ダイアホイル T609E25」を用い、このフィルムを反射層2の表面に、厚み80nmのポリエステル系接着剤(接着層6)を介して貼着し、このフィルムに電子線を照射しなかった点以外は、実施例1と同様の方法で、赤外線反射フィルムを作製した。
<比較例4>
保護層3として、「テルバン5065」を用いる代わりに、厚み4.9μmのハードコート層(DIC社製 商品名「アクリル−ウレタン系ハードコートPC1097」を塗布し、紫外線硬化させたもの)を用いた。このハードコート層形成用材料を反射層2の表面に、厚み80nmのポリエステル系接着剤(接着層6)を介して塗布して、反射層2上にハードコート層を形成した。また、このハードコート層に電子線を照射しなかった。これらの点以外は、実施例1と同様の方法で、赤外線反射フィルムを作製した。
<評価>
そして、実施例1〜7比較例1のそれぞれについて、上記実施形態に係る赤外線反射基板のゲル分率、及び赤外線反射基板の垂直放射率を以下の方法によって測定した。併せて、保護層における、厚さ15μmあたりの波長2.5μm〜25μmの領域での遠赤外線の透過率を、以下の方法によって測定した。
また、実施例8、9、比較例2〜4のそれぞれについて、上記実施形態に係る赤外線反射基板の垂直放射率を以下の方法によって測定した。また、これら赤外線反射基板については、保護層3がメチルエチルケトンに溶解しないため、耐溶剤性試験に代えて、以下の方法によって擦傷性試験を行った。併せて、保護層における、厚さ15μmあたりの波長2.5μm〜25μmの領域での遠赤外線の透過率の平均値を、以下の方法によって測定した。
これらの結果を表1、表2に示す。
実施例1〜7及び比較例1における保護層3の耐溶剤性試験は、次のとおりである。まず、保護層100mgをテフロン(登録商標)膜で包んだものを用意した。それをメチルエチルケトンの溶剤に浸漬させた。浸漬期間は1週間とした。その後、110℃で2時間乾燥させた。そして、乾燥後、それぞれの重量を測定し、溶剤浸漬前後の重量変化からゲル分率を算出した。算出式は次のとおりである。
ゲル分率(%) = (溶剤浸漬後の重量(g)/溶剤浸漬前の重量(g))× 100
垂直放射率の測定方法は、次のとおりである。角度可変反射アクセサリを装着したフーリエ変換型赤外分光(FT−IR)装置(Varian社製 製品名「FTS7000S」)を用いて、波長5μm〜25μmの赤外光の正反射率を測定し、JISR 3106−2008(板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法)に準じて求めた。
実施例1〜9及び比較例1〜4の赤外線反射板における遠赤外線の透過率の測定方法は、次の通りである。フーリエ変換型赤外分光(FT−IR)光度計 JASCO FT/IR−230(日本分光株式会社製)を用い、保護層3のみに遠赤外線を照射したときの、該保護層3における波長2.5μm〜25μm領域の赤外光の透過率を測定し、平均値を算出し、得られた透過率(平均値)を、15μmあたりの透過率となるように換算した。なお、塗布により保護層3を形成する例の場合には、離型処理がなされたポリエチレンテレフタレートフィルム上に、各例と同様にして保護層3に用いる樹脂層を形成した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離して得られた樹脂層に対して、遠赤外線の透過率の測定を行った。一方、フィルム状の樹脂層を貼り合せて保護層3を形成する例の場合には、樹脂層のみについて、遠赤外線の透過率の測定を行った。
耐傷性試験は、次の通りである。学振摩耗試験機を用い、擦動手段として、布(かなきん3号)を用い、試験体(実施例8、9及び比較例2〜4)に摺動手段を当接させ、500gの荷重を掛けつつ100回往復運動させる試験を行う。該試験において、目視により保護層3の全面に傷が観察される場合を、良好な耐擦傷性を示さない場合として×と表し、それ以外の場合を、良好な耐擦傷性を示す場合として○と表す。
Figure 2013122227
Figure 2013122227
表1に示すように、実施例1〜7の結果において、赤外線反射基板におけるゲル分率が70%以上であるとともに、垂直放射率が0.20以下であり、ゲル分率、垂直放射率共に良好な結果を得た。また、表2に示すように、実施例8、9の結果において、垂直放射率が0.20以下であるとともに、物理的な擦れに対する耐性としての耐擦傷性が良好であった。従って、本実施例に係る赤外線反射性基板では、耐擦傷性の低い反射層2が露出し、反射層2がダメージを受ける、といった事態が生じるのを防止することができる。
また、本実施例に係る赤外線反射基板では、垂直放射率が0.20以下であることから、遠赤外線は、保護層3側から反射層2に到達し、その結果、反射層2で反射されやすくなる。従って、赤外線反射基板を窓ガラス等の透光性部材に貼っておくことで、室内から窓ガラス等を通って室外に出射される遠赤外線を効率よく遮蔽することができ、断熱効果を期待できる。そして、近赤外線は、基材1に入射されても該基材1に吸収されにくく、反射層2に到達し、その結果、反射層2で反射されやすくなる。従って、本実施形態に係る赤外線反射基板を窓ガラス等の透光性部材に貼っておくことで、窓ガラス等の透光性部材を通って室内に入射される近赤外線を遮蔽することができ、夏季での遮熱効果が期待できる。なお、接着層6の厚みが0.8μm程度であれば、反射層2と保護層3との間に接着層6を形成した場合でも、垂直放射率に対して与える影響を低減することができる。
そして、本実施例に係る赤外線反射基板では、実施例1〜7において、保護層3に添加するラジカル重合型モノマーとしての(メタ)アクリレート系モノマー(以下、ラジカル重合型モノマーという)の添加量が増加するのに伴って垂直放射率が微増(0.11〜0.18)しているが、添加量が水素化ニトリルゴムの固形分に対して5〜20重量%(5〜20重量部)の範囲であれば、保護層3にラジカル重合型モノマーを添加した場合でも、垂直放射率に影響しないことが分かった。
また、比較例1の結果において、保護層3にラジカル重合型モノマーを添加せず、電子線を照射しない場合、垂直放射率は良好な値(0.11)を示すものの、ゲル分率が3%となり、良好な結果が得られなかった。また、比較例2の結果において、保護層3としてのフィルムを反射層2に貼付し、電子線を照射しない場合、物理的な耐擦傷性が不十分となり、良好な結果が得られなかった。さらに、比較例3、4の結果においては、保護層3としてPETフィルムやアクリル−ウレタン系ハードコート層を用いた場合、垂直放射率に悪影響を及ぼすことが分かった。
以上より、電子線を照射された後の保護層3のゲル分率が70%以上であり、保護層3に添加するラジカル重合型モノマーの添加量が5〜20重量部の範囲であれば、ゲル分率及び垂直放射率(赤外線反射性能)が共に良好な赤外線反射性基板を得ることができる。
なお、本発明に係る赤外線反射基板は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記各実施形態においては、高分子の一例として、繰り返し単位A、B及びCのうち、少なくともいずれか二つ以上の繰り返し単位からなる高分子について説明した。しかしながら、前記繰り返し単位からなる高分子は、これに限定されるものではない。これら繰り返し単位以外の他の繰り返し単位についても、保護層に必要な特性を損なわない範囲で含ませることができる。他の繰り返し単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは、高分子全体に対する割合が10重量%以下であるのが好ましい。
また、上記各実施形態においては、反射層2を蒸着により形成した。しかしながら、これに限定されるものではない。
また、上記各実施形態においては、保護層3に添加するラジカル重合型モノマーとして、(メタ)アクリレート系モノマーを用いたが、これに限定されるものではない。
また、上記各実施形態に係る赤外線反射基板は、遮熱特性と断熱特性とを併せ持つ赤外線反射基板である。しかしながら、これに限定されるものではない。本発明に係る赤外線反射基板は、従来の遮熱特性のみを持つ赤外線反射基板にも適用できることは言うまでもない。
また、上記第三及び第四の実施形態においては、フィルムたる保護層3の形成方法の一例について説明した。しかしながら、かかるフィルムたる保護層3の形成方法は、これに限定されるものではない。
また、本発明に係る他の実施形態の赤外線反射基板及びその作製方法として、上記各実施形態の他、例えば、上記第四の実施形態で形成された反射層と保護層との積層体における反射層上に、さらに、第一の実施形態で示されたような基材をさらに積層することもできる。この場合、例えば、第三の実施形態で示されたような接着層を介して反射層上に基材を積層することができる。また、上記第四の実施形態で形成された反射層と保護層との積層体における反射層上に、第一の実施形態で示されたような粘着層をさらに積層することもできる。
1…基材、1a…一方の面、1b…他方の面、2…反射層、2a…半透明金属層、2b,2c…金属酸化物層、3…保護層、3a・・・一方の面、4…粘着層、5…易接着層、6・・・接着層

Claims (10)

  1. 反射層と保護層とを積層した赤外線反射基板の製造方法であって、
    前記反射層と、高分子を含有する前記保護層とを積層するステップと、
    前記保護層に電子線を照射するステップと、を備える赤外線反射基板の製造方法。
  2. 前記赤外線反射板は、前記反射層と、前記保護層と、さらに基材とを有しており、
    前記反射層と前記保護層とを積層するステップが、
    前記基材の一方の面に前記反射層を形成するステップと、
    前記高分子を溶剤に溶解させた高分子組成物溶液を前記反射層上に塗布し、次いで溶液を乾燥させ前記保護層を形成するステップと、を備える、請求項1に記載の赤外線反射基板の製造方法。
  3. 前記赤外線反射板は、前記反射層と、前記保護層と、さらに基材とを有しており、
    前記反射層と前記保護層とを積層するステップが、
    前記基材の一方の面に前記反射層を形成するステップと、
    前記保護層として前記高分子を有するフィルムを用い、該保護層と前記反射層とを貼合するステップと、を備える、請求項1に記載の赤外線反射基板の製造方法。
  4. 前記保護層の厚さ15μmあたりの遠赤外線の透過率が65%以上である、請求項1に記載の赤外線反射基板の製造方法。
  5. 前記高分子は、前記電子線が照射されることにより架橋型の反応挙動を示すものである、請求項1に記載の赤外線反射基板の製造方法。
  6. 前記高分子は、オレフィン系高分子またはシクロオレフィン系高分子である、請求項1に記載の赤外線反射基板の製造方法。
  7. 前記高分子は、下記化学式Iの繰り返し単位A、B及びCのうち、少なくともいずれか二つ以上の繰り返し単位を含む、請求項1に記載の赤外線反射基板の製造方法。
    Figure 2013122227
  8. 前記電子線を照射される前の保護層が、前記高分子100重量部に対して1重量部〜20重量部のラジカル重合性モノマーをさらに含む、請求項7に記載の赤外線反射基板の製造方法。
  9. 前記電子線を照射された後の前記保護層のゲル分率が70%以上である、請求項1に記載の赤外線反射基板の製造方法。
  10. 前記保護層側表面の垂直放射率が0.40以下である請求項1に記載の赤外線反射基板の製造方法。
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