JPWO2013121821A1 - 共重合体、該共重合体の製造方法、該共重合体を含む硬化性樹脂組成物、及び該硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物 - Google Patents

共重合体、該共重合体の製造方法、該共重合体を含む硬化性樹脂組成物、及び該硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物 Download PDF

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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Abstract

塗布性、パターン形成特性など諸特性に優れ、しかも硬化物にした際の塗膜が柔軟である硬化性樹脂組成物を製造可能な共重合体、該共重合体の製造方法、該共重合体を含む硬化性樹脂組成物、及び該硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を提供する。下記一般式(I)で表される脂環式エポキシ基含有不飽和化合物から誘導される1種又は2種以上のモノマー単位(A)、及びアルカリ可溶性基を含むモノマー単位(B)とを含む共重合体を提供する。【化1】(式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基であり、nは1〜10の整数である。)

Description

本発明は、半導体プロセスにおける遠紫外線、電子線、イオンビーム、X線などの活性光線を用いたリソグラフィーや、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品に設けられる絶縁膜、保護膜等を形成するための材料に用いられる感放射線性樹脂、液晶表示材料(液晶表示用フォトスペーサー、液晶表示用リブ形成材料、オーバーコート、カラーフィルター形成用カラーレジスト、TFT絶縁膜など)を形成するための液晶レジスト用材料、塗料、コーティング剤、粘接着剤等として使用される硬化性樹脂組成物、その製法及びその硬化物に関する。
硬化性樹脂組成物としては、従来、種々のものが知られており、塗布性、パターン形成特性などを考慮して適切な共重合体からなる硬化性樹脂組成物が選択、使用されている。上記塗布性、パターン形成特性など諸特性に優れた硬化性樹脂組成物として、例えば、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物から誘導されるモノマー単位を含む共重合体からなるものが知られている(特許文献1〜3)。
特開2010−237465号公報 特開2010−256848号公報 特開2009−203320号公報
しかしながら、これらの硬化性樹脂組成物には、硬化物にした際の塗膜が硬いという問題がある。このため、塗布性、パターン形成特性など諸特性に優れ、しかも硬化物にした際の塗膜が柔軟である硬化性樹脂組成物が求められている。
従って、本発明の目的は、塗布性、パターン形成特性など諸特性に優れ、しかも硬化物にした際の塗膜が柔軟である硬化性樹脂組成物を製造可能な共重合体、該共重合体の製造方法、該共重合体を含む硬化性樹脂組成物、及び該硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を提供することにある。
本発明者らは、上記した問題点を解決するために鋭意研究を行った結果、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物のうち、特定の構造を有するものから誘導されるモノマー単位とアルカリ可溶性基を含むモノマー単位とを含む共重合体が上記の問題点を解消し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
下記一般式(I)で表される脂環式エポキシ基含有不飽和化合物から誘導される1種又は2種以上のモノマー単位(A)、及び
アルカリ可溶性基を含むモノマー単位(B)とを含む
共重合体を提供する。
Figure 2013121821
(式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基であり、nは1〜10の整数である。)
前記共重合体は、モノマー単位(A)においてn=1であるモノマー単位(A1)を、モノマー単位(A)全体の30重量%以上含むことが好ましい。
また、本発明は、
下記一般式(I)で表される脂環式エポキシ基含有不飽和化合物の1種又は2種以上と、
アルカリ可溶性基を含む重合性不飽和化合物とを、
共重合させることを特徴とする共重合体の製造方法を提供する。
Figure 2013121821
(式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基であり、nは1〜10の整数である。)
また、本発明は、前記共重合体を含む硬化性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、前記硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を提供する。
本発明の共重合体は、塗布性、パターン形成特性など諸特性に優れ、しかも硬化物にした際の塗膜が柔軟である硬化性樹脂組成物を製造可能であるため、塗膜が柔らかい硬化物を得ることができ、フレキシブル用途などへの展開が可能となった。
[共重合体]
本発明の共重合体は、
下記一般式(I)で表される脂環式エポキシ基含有不飽和化合物から誘導される1種又は2種以上のモノマー単位(A)、及び
アルカリ可溶性基を含むモノマー単位(B)とを含んでいる。
Figure 2013121821
(式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基であり、nは1〜10の整数である。)
<モノマー単位(A)>
モノマー単位(A)は、対応する脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物を共重合に付すことにより共重合体中に導入できる。
モノマー単位(A)に対応する脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物は、
n=1の場合、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物(カプロラクトン単位の付加モル数:1)であり、
n=2の場合、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物(カプロラクトン単位の付加モル数:2)であり、
nが3〜10の場合も同様である。
これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
モノマー単位(A)の含有量は特に限定されず、例えば、用いる単量体の種類やレジストのタイプ(ネガ型又はポジ型)によっても異なるが、共重合体を構成する全モノマー単位に対して10〜90重量%であることが好ましく、20〜80重量%であることがより好ましく、25〜75重量%であることがさらに好ましい。モノマー単位(A)の含有量が少なすぎる場合には、塗膜の柔軟性が不十分になるという問題が生じる場合があり、モノマー単位(A)の含有量が多すぎる場合には、塗膜の硬化性が不足するという問題が生じる場合がある。
塗膜の耐熱性低下によるタックを抑制する観点から、共重合体中に、モノマー単位(A)においてn=1〜5であるモノマー単位が少なくとも含まれていることが好ましく、モノマー単位(A)においてn=1〜3であるモノマー単位が少なくとも含まれていることがさらに好ましく、モノマー単位(A)においてn=1であるモノマー単位(以下、モノマー単位(A1)と呼ぶことがある)が少なくとも含まれていることが特に好ましい。
モノマー単位(A1)が共重合体中に含まれている場合の、モノマー単位(A1)の含有量の下限は特に限定されないが、例えば、モノマー単位(A)全体の10重量%であることが好ましく、20重量%であることがより好ましく、25重量%であることがさらに好ましい。モノマー単位(A1)の含有量が少なすぎる場合には、塗膜の耐熱性と柔軟性のバランスが取りにくくなるという問題が生じる場合がある。
モノマー単位(A)に対応する脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物は、前述のように、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できるが、前記脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物のカプロラクトン単位の平均付加モル数は、特に制限されないが、例えば0.3以上であり、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.7以上である。カプロラクトン単位の平均付加モル数とは、式(I)における、ラクトンユニットの平均モル数であり、例えば、カプロラクトン単位の付加モル数が0である脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物(式(I)において仮にn=0とした場合に相当)、及びn=1、n=2の脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物が、それぞれ順に0.3:0.3:0.4(モル比)含まれているものとすると、カプロラクトン単位の平均付加モル数は、0×0.3+1×0.3+2×0.4=1.1となる。
上述のように、式(I)中、nは1〜10の整数であるが、カプロラクトン単位の平均付加モル数を算出する際には、カプロラクトン単位の付加モル数が0である脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物の量も考慮するものとする。また、nは整数であるが、モノマー単位(A)は2種以上含まれることもあるため、カプロラクトン単位の平均付加モル数は必ずしも整数とはならない。
<アルカリ可溶性基を含むモノマー単位(B)>
アルカリ可溶性基を含むモノマー単位は、ポリマーにアルカリ可溶性を付与する機能を有する。これによってポリマーは現像時にアルカリ水溶液(現像液)に溶解する。
アルカリ可溶性基を含むモノマー単位は、アルカリ可溶性基を含む重合性不飽和化合物を共重合に付すことによりポリマー中に導入できる。前記アルカリ可溶性基としては、レジストの分野で通常用いられる基を使用でき、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基などが挙げられる。アルカリ可溶性基を含む重合性不飽和化合物の代表的な例として、不飽和カルボン酸又はその酸無水物、ヒドロキシスチレン又はその誘導体などが挙げられるが、これらに限定されない。これらのなかでも、特に不飽和カルボン酸又はその酸無水物が好ましい。
不飽和カルボン酸又はその酸無水物として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などのα,β−不飽和カルボン酸及びその酸無水物(無水マレイン酸、無水イタコン酸等)が例示される。これらのなかでも、アクリル酸、メタクリル酸が特に好ましい。アルカリ可溶性基を含む重合性不飽和化合物は単独で又は2以上を組み合わせて使用できる。
アルカリ可溶性基を含むモノマー単位の共重合体に占める割合は、用いる単量体の種類やレジストのタイプ(ネガ型又はポジ型)によっても異なるが、通常、共重合体を構成する全モノマー単位に対して5〜50重量%であり、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%である。この割合が小さすぎるとアルカリ現像液に対して溶解しにくく現像性が悪くなる場合があり、逆に大きすぎると現像後のエッチング耐性が悪くなる場合がある。
<モノマー単位(A)、モノマー単位(B)以外のモノマー単位(C)>
本発明の脂環式エポキシ基含有硬化性樹脂組成物に含まれる共重合体は、モノマー単位(A)、モノマー単位(B)以外のモノマー単位(C)を含有することができる。モノマー単位(C)は、対応する重合性不飽和化合物を共重合に付すことによりポリマー中に導入できる。
モノマー単位(C)は、大別して、
モノマー単位(C1):モノマー単位(A)以外の脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物に対応するモノマー単位、
モノマー単位(C2):エポキシ基非含有脂環式重合性不飽和化合物に対応するモノマー単位、
モノマー単位(C3):その他のモノマー単位、に分けられる。
<モノマー単位(C1):モノマー単位(A)以外の脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物に対応するモノマー単位>
モノマー単位(C1)は、対応する脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物を共重合に付すことにより共重合体中に導入できる。
前記脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)プロピル(メタ)アクリレートなどの3,4−エポキシシクロヘキサン環等のエポキシ基含有脂環式炭素環を含む重合性不飽和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導体など);5,6−エポキシ−2−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル(メタ)アクリレート等の5,6−エポキシ−2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環を含む重合性不飽和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導体など);エポキシ化ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート[3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、又はこれらの混合物]、エポキシ化ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート[2−(3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、又はこれらの混合物]、エポキシ化ジシクロペンテニルオキシブチル(メタ)アクリレート、エポキシ化ジシクロペンテニルオキシヘキシル(メタ)アクリレートなどの3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環を含む重合性不飽和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導体など)などが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
前記脂環式エポキシ基含有重合性不飽和化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキサン環等のエポキシ基含有脂環式炭素環を含む重合性不飽和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導体など)が好ましく、中でも、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エポキシ化ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート[3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、又はこれらの混合物]がより好ましい。
モノマー単位(C1)が共重合体中に含まれている場合の、モノマー単位(C1)の含有量の上限は特に限定されないが、例えば、共重合体を構成する全モノマー単位に対して60重量%であることが好ましく、50重量%であることがより好ましく、40重量%であることがさらに好ましい。モノマー単位(C1)の含有量が多すぎる場合には、塗膜の硬化性が低下するという問題が生じる場合がある。
<モノマー単位(C2):エポキシ基非含有脂環式重合性不飽和化合物に対応するモノマー単位>
モノマー単位(C2)は、対応するエポキシ基非含有脂環式重合性不飽和化合物を共重合に付すことにより共重合体中に導入できる。
前記エポキシ基非含有脂環式重合性不飽和化合物に含まれる脂環としては、例えば、炭素数5〜20の脂環式炭化水素環が挙げられ、単環であっても、縮合環や橋かけ環等の多環であってもよい。代表的な脂環式炭化水素環として、例えば、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環などが挙げられる。脂環式炭化水素環には、メチル基等のアルキル基(例えば、C1-4アルキル基など)、塩素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、オキソ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基などの置換基を有していてもよい。脂環としては、例えばトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、アダマンタン環等の多環の脂環式炭化水素環(橋かけ環式炭化水素環)であるのが好ましい。
エポキシ基非含有脂環式重合性不飽和化合物としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2−(シクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(シクロヘキシルメチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(シクロヘキシルメチルオキシ)プロピル(メタ)アクリレートなどのシクロヘキサン環を含む重合性不飽和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導体など);2−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル(メタ)アクリレート等の2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環を含む重合性不飽和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導体など);1−アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンタン環を含む重合性不飽和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導体など);ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート{トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、又はこれらの混合物}、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート{トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン−9−イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン−8−イル(メタ)アクリレート、又はこれらの混合物}、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート{2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、又はこれらの混合物}、ジシクロペンテニルオキシブチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシヘキシル(メタ)アクリレートなどのトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環を含む重合性不飽和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導体など)などが挙げられる。エポキシ基非含有脂環式重合性不飽和化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
エポキシ基非含有脂環式重合性不飽和化合物としては、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環又はアダマンタン環を含む重合性不飽和化合物が好ましく、中でも、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレートが好ましい。
<モノマー単位(C3):その他のモノマー単位>
モノマー単位(C3)は、対応する重合性不飽和化合物を共重合に付すことによりポリマー中に導入できる。
モノマー単位(C3)に対応する重合性不飽和化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸C1-10アルキルエステル等];ベンジル(メタ)アクリレートなどの分子内に芳香族環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンビニルナフタレンなどのスチレン系化合物;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物が挙げられる。
また、モノマー単位(C3)に対応する重合性不飽和化合物には、親水性基を有するラジカル重合性単量体も含まれる。親水性基として、例えば、水酸基(フェノール性のものを除く)、第4級アンモニウム基、アミノ基、複素環式基等が挙げられる。親水性基を有するラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソオクチルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;2−アミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;2−ビニルピロリドン等のビニル基を有する複素環式化合物(含窒素複素環式化合物等)などを挙げることができる。
[共重合体の製造方法]
本発明の共重合体の製造方法は、
前記一般式(I)で表される脂環式エポキシ基含有不飽和化合物の1種又は2種以上と、
アルカリ可溶性基を含む重合性不飽和化合物とを、
共重合させることを特徴とする共重合体の製造方法であればよく、特に制限されない。
また、本発明の共重合体の製造方法は、必要に応じてモノマー単位(C)に対応する重合性不飽和化合物を含む単量体混合物を共重合に付しても良い。
重合に用いられる重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤が使用できる。例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、ジエチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジブチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、過酸化水素などが挙げられる。過酸化物をラジカル重合開始剤として使用する場合、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。上記のなかでもアゾ化合物が好ましく、特に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルが好ましい。
重合開始剤の使用量は、円滑な共重合を損なわない範囲で適宜選択できるが、通常、全単量体成分及び重合開始剤の総量に対して、0.1〜10重量%程度であり、好ましくは0.5〜8重量%程度である。
本発明においては、ラジカル重合において一般的に使用されている連鎖移動剤を併用してもよい。具体例としては、チオール類(n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、トリエチレングリコールジメルカプタン等)、チオール酸類(メルカプトプロピオン酸、チオ安息香酸、チオグリコール酸、チオリンゴ酸等)、アルコール類(イソプロピルアルコール等)、アミン類(ジブチルアミン等)、次亜燐酸塩類(次亜燐酸ナトリウム等)、α−メチルスチレンダイマー、タービノーレン、ミルセン、リモネン、α−ピネン、β−ピネン等を挙げることができ、連鎖移動剤の量は全ラジカル重合性単量体の量に対して、好ましくは0.001〜3重量%である。連鎖移動剤を使用する場合は、予め単量体に混合させておくことが好ましい。
重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合、乳化重合など、慣用の方法により行うことができるが、これらのなかでも溶液重合が好ましい。単量体、重合開始剤は、それぞれ、反応系に一括供給してもよく、その一部又は全部を反応系に滴下してもよい。例えば、一定温度に保持した単量体と重合溶媒の混合液中に、重合開始剤を重合溶媒に溶解した溶液を滴下して重合する方法や、予め単量体、重合開始剤を重合溶媒に溶解させた溶液を、一定温度に保持した重合溶媒中に滴下して重合する方法(滴下重合法)などを採用できる。重合温度は、例えば、30〜150℃程度の範囲で適宜選択できる。
重合溶媒は単量体組成等に応じて適宜選択できる。重合溶媒としては、本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる溶媒として後述する溶媒を30重量%以上(さらに50重量%以上、特に80重量%以上)含む溶媒が好ましい。このような重合溶媒を使用することにより、硬化性樹脂組成物製造時に溶媒置換等の処理を省略でき、製造工程をより簡略化できる。
上記方法により本発明の共重合体が生成する。共重合体の重量平均分子量は、例えば500〜100000、好ましくは1000〜40000、さらに好ましくは2000〜30000程度である。共重合体の分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は1〜3程度である。
[硬化性樹脂組成物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の共重合体を含むことを特徴とする。
<溶媒>
本発明の硬化性樹脂組成物は、溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、エーテル[ジエチルエーテル;エチレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノ又はジアルキルエーテル(ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテルなど)、プロピレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノ又はジアリールエーテル、ジプロピレングリコールモノ又はジアルキルエーテル(ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルn−プロピルエーテル等のジプロピレングリコールジC1-4アルキルエーテルなど)、トリプロピレングリコールモノ又はジアルキルエーテル、1,3−プロパンジオールモノ又はジアルキルエーテル、1,3−ブタンジオールモノ又はジアルキルエーテル、1,4−ブタンジオールモノ又はジアルキルエーテル、グリセリンモノ,ジ又はトリアルキルエーテル等のグリコールエーテル類などの鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルなど]、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、C5-6シクロアルカンジオールモノ又はジアセテート、C5-6シクロアルカンジメタノールモノ又はジアセテート等のカルボン酸エステル類;エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ又はジアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ又はジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ又はジアセテート、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ又はジアセテート、1,3−プロパンジオールモノアルキルエーテルアセテート、1,3−プロパンジオールモノ又はジアセテート、1,3−ブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート、1,3−ブタンジオールモノ又はジアセテート、1,4−ブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート、1,4−ブタンジオールモノ又はジアセテート、1,6−ヘキサンジオールモノ又はジアセテート、グリセリンモノ,ジ又はトリアセテート、グリセリンモノ又はジC1-4アルキルエーテルジ又はモノアセテート、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノ又はジアセテート等のグリコールアセテート類又はグリコールエーテルアセテート類など)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オンなど)、アミド(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、C5-6シクロアルカンジオール、C5-6シクロアルカンジメタノールなど)、炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素など)などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中でも、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(EDM)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM)、ジプロピレングリコールメチルn−プロピルエーテル(DPMNP)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(MMPGAC)、3−メトキシブチルアセテート(MBA)、1−メトキシ−2−プロパノール(MMPG)、3−メトキシ−1−ブタノール(MB)等が特に好ましい。
硬化性樹脂組成物全体に対する溶媒含有量は、特に制限されないが、ポリマーの製造条件と配合組成物の粘度との観点から例えば、40〜90重量%とすることができ、好ましくは45〜85重量%、より好ましくは50〜80重量%とすることができる。
[硬化性樹脂組成物の製造方法]
本発明の硬化性樹脂組成物の製造方法は、前記共重合体を含む硬化性樹脂組成物の製造方法であれば良く、特に制限されない。
本発明の硬化性樹脂組成物の製造方法では、必要に応じて、硬化触媒[熱酸発生剤(熱硬化触媒、熱カチオン重合開始剤)、光酸発生剤(光硬化触媒、光カチオン重合開始剤)]、光ラジカル開始剤、硬化剤、硬化促進剤、感放射線性成分、反応性希釈剤、添加剤(架橋剤、充填剤、着色用顔料、重合禁止剤、密着性付与剤、消泡剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、低応力化剤、可とう性付与剤、ワックス類、樹脂、架橋剤、ハロゲントラップ剤、レベリング剤、濡れ改良剤など)を配合することができる。また、重合により生成したポリマーを沈殿又は再沈殿等により精製し、この精製したポリマーを、前記適宜な添加物とともに用途に応じた溶媒に溶解することにより、硬化性樹脂組成物を得ることもできる。必要に応じて、硬化性樹脂組成物を構成する溶媒として、前記例示の溶媒を使用できる。
前記硬化触媒のうち、熱酸発生剤としては、特に制限されないが、例えば、サンエイドSI−45、同左SI−47、同左SI−60、同左SI−60L、同左SI−80、同左SI−80L、同左SI−100、同左SI−100L、同左SI−145、同左SI−150、同左SI−160、同左SI−110L、同左SI−180L(以上、三新化学工業社製品、商品名)、CI−2921、CI−2920、CI−2946、CI−3128、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達社製品、商品名)、CP−66、CP−77(旭電化工業社製品、商品名)、FC−520(3M社製品、商品名)などに代表されるジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩等を使用できる。
光酸発生剤としては、特に制限されないが、例えば、サイラキュアUVI−6970、サイラキュアUVI−6974、サイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−950(以上、米国ユニオンカーバイド社製、商品名)、イルガキュア261(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)、SP−150、SP−151、SP−170、オプトマーSP−171(以上、旭電化工業社製、商品名)、CG−24−61(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)、DAICATII(ダイセル社製、商品名)、UVAC1591[ダイセル・サイテック社製、商品名]、CI−2064、CI−2639、CI−2624、CI−2481、CI−2734、CI−2855、CI−2823、CI−2758(以上、日本曹達社製品、商品名)、PI−2074(ローヌプーラン社製、商品名、ペンタフルオロフェニルボレートトルイルクミルヨードニウム塩)、FFC509(3M社製品、商品名)、BBI−102、BBI−101、BBI−103、MPI−103、TPS−103、MDS−103、DTS−103、NAT−103、NDS−103(ミドリ化学社製、商品名)、CD−1012(米国、Sartomer社製、商品名)などに代表されるジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩等を使用できる。
光ラジカル開始剤としては、特に制限されないが、例えば、ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノンベンジル、ベンジルジメチルケトン;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;ジメトキシアセトフェノン、ジメトキシフェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類;ジフェニルジサルファイト、オルトベンゾイル安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル[日本化薬社製 カヤキュアEPA等]、2,4−ジエチルチオキサンソン[日本化薬社製 カヤキュアDETX等]、2−メチル−1−[4−(メチル)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1[チバガイギー社製 イルガキュア907等]、テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ベンジル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾ−ル[土谷化学社製B−CIM等]を単独、もしくは混合して使用することができ、必要に応じて光増感剤を加えることができる。重合開始剤は、特に制限されないが、硬化性樹脂組成物中に1〜10重量%の割合で配合することが好ましい。
硬化触媒の添加量は、特に制限されないが、例えば、硬化性樹脂組成物中の前記共重合体(樹脂分)に対して、0.05〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。硬化触媒は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
前記架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、多官能性アルコール化合物や多官能性チオール化合物類等を使用できる。
多官能性アルコール化合物としては、ヒドロキシル基を2個以上有する化合物であればよく、特に制限されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコール類、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、ポリブチレングリコール類、ポリテトラメチレングリコール類などのポリアルキレングリコール類、ポリカプロラクトンジオール類、ポリカプロラクトントリオール類、ポリカーボネートジオール類などが挙げられる。
多官能性チオール化合物としては、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、特に制限されないが、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、テトラエチレングリコールビス3−メルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリス3−メルカプトプロピオネート、トリス(3−メルカプトプロピニルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス3−メルカプトプロピオネート、ジペンタエリスリトールテトラキス3−メルカプトプロピオネート、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)などが挙げられる。多官能性アルコール化合物や多官能性チオール化合物類は1種単独であってもよく、2種以上存在していてもよい。
前記感放射線性成分としては、特に制限されないが、例えば、多官能性(メタ)アクリレート、多官能性エポキシ化合物、多官能性ウレタン(メタ)アクリレート、多官能性エポキシ(メタ)アクリレート(エポキシ基にアクリル酸付加したタイプ)等が挙げられる。多官能性(メタ)アクリレートと熱または放射線重合開始剤、多官能性エポキシ化合物と熱または放射線酸発生剤を組み合わせて配合してもよい。これら感放射線性成分や熱または放射線重合開始剤、熱または放射線酸発生剤はそれぞれ1種単独であってもよく、2種以上存在していてもよい。
多官能性(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類、両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプリラクトンなどの両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類、グリセリン、1,2,4,−ブタントリオール、トリメチロールアルカン、テトラメチロールアルカン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類、3価以上の多価アルコールのポリアルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレート類、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼンジオール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキッド樹脂(メタ)アクリレート、シリコン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは1種単独であってもよく、2種以上存在していてもよい。
多官能性エポキシ化合物としては、特に制限されないが、例えば、商品名「セロキサイド2021」、商品名「セロキサイド2081」、商品名「セロキサイド3000」、商品名「EHPE3150」、商品名「エポリードGT401」(以上、ダイセル社製)、商品名「エポライト4000」(共栄社化学製)などを使用できる。これらは1種単独であってもよく、2種以上存在していてもよい。
前記反応性希釈剤としては、上記共重合体を溶解し得るものであれば特に制限されないが、例えば、1種以上の(メタ)アクリル基を有する重合性ビニルモノマーなどが使用できる。なお、反応性希釈剤は前記感放射線性成分としても機能しうる。
反応性希釈剤としては、特に制限されないが、例えば、イソボニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等のアルキルあるいはシクロアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;エチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコールの(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート等のグリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート;グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリまたはテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールまたはそのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等が例示できる。
これらのうち、反応性希釈剤としては、特に制限されないが、例えば、引火点が100℃以上であるものが製造工程における安全性確保の面から好ましい。また、反応性希釈剤としては、特に制限されないが、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のポリオールまたはそのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレートが特に好ましい。
反応性希釈剤の配合量は、特に制限されないが、例えば、前記共重合体100質量部に対して、1〜1000質量部、好ましくは50〜700質量部、さらに好ましくは100〜500質量部の割合で配合できる。
本発明の硬化性樹脂組成物に必要に応じて添加する充填剤としては、特に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂等の反応性樹脂、硫酸バリウム、酸化珪素、タルク、クレー及び炭酸カルシウム等が挙げられる。着色用顔料としては、フタロシアニングリーン、クリスタルバイオレット、酸化チタン及びカーボンブラック等が挙げられる。重合禁止剤としては、特に制限されないが、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン等が挙げられる。
こうして得られる硬化性樹脂組成物は、硬化により基材や基板に対して高い密着性を有するとともに、耐溶剤性や耐アルカリ性等の耐薬品性に優れ、しかも、塗膜が柔軟である硬化物(硬化皮膜等)を得ることができる。そのため、液晶レジスト用材料のほか、塗料、インキ、コーティング剤、粘接着剤等の構成成分としても有用であり、特に、液晶、有機ELなどで使用される表示材料、保護膜などのフレキシブル用途に好適に使用できる。
[硬化物]
本発明の硬化物は、例えば、上記硬化性樹脂組成物を、スピンコーター、スリットコーターなどの方式によって、各種基材又は基板へ塗工して塗膜を形成した後、該塗膜を硬化させることにより得ることができる。基材又は基板としては、ガラス、セラミック、シリコンウエハ、金属、プラスチックなどが挙げられる。スピンコーターやスリットコーター等による塗工は公知の方法により行うことができる。本発明の硬化物は、基板密着性、耐溶剤性、硬度、膜厚均一性、線幅均一性、感度、現像性、形成されるパターン特性などの諸物性に優れ、しかも、塗膜が柔軟である。
塗膜の硬化は加熱すること、あるいは活性エネルギー線を照射し露光すること、又は露光後に加熱することにより行われる。上記硬化性樹脂組成物を熱により硬化させる場合、加熱温度は50℃から260℃の範囲、好ましくは80℃から240℃の範囲である。また、上記硬化性樹脂組成物を光により硬化させる場合、露光には種々の波長の光線、例えば、紫外線、X線、g線、i線、エキシマレーザーなどが使用される。硬化後の塗膜の厚みは、用途によって適宜選択できるが、一般には0.1〜40μm、好ましくは0.3〜20μm、より好ましくは0.5〜10μm程度である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(合成例1)
温度計、還流冷却管、滴下ロート、窒素導入管、及び攪拌機を備えた内容積1リットルのセパラブルフラスコにジエチレングリコールエチルメチルエーテル300gを仕込み、65℃に昇温後、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートのカプロラクトン変性物(カプロラクトン単位の平均付加モル数:1)(製品名「サイクロマーM101」、ダイセル社製)238g、メタクリル酸34g、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート68g、及びジエチレングリコールエチルメチルエーテル80gを混合した単量体溶液を調整し、滴下ロートを用いて4時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)20gをジエチレングリコールエチルメチルエーテル260gに溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて、3時間かけて滴下した。単量体溶液滴下終了後、さらに3時間熟成することにより光および/または熱硬化性樹脂溶液を得た。滴下及び熟成の間、溶液の温度は65℃に保たれていた。得られた硬化性樹脂溶液の固形分33.9重量%、分子量12,200、分散度1.70、酸価67mg−KOH/g(固形分換算)であった。
(合成例2)
フラスコへの張り込み溶媒に、ジプロピレングリコールジメチルエーテル150gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート150gを、単量体溶液の溶媒に、ジプロピレングリコールジメチルエーテル40gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40gを、重合開始剤溶液の溶媒に、ジプロピレングリコールジメチルエーテル130gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート130gを、重合開始剤に2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を30g使用した以外は、合成例1と同様にして、光および/または熱硬化性樹脂溶液を得た。滴下及び熟成の間、溶液の温度は65℃に保たれていた。得られた硬化性樹脂溶液の固形分34.1重量%、分子量12,700、分散度1.81、酸価66mg−KOH/g(固形分換算)であった。
(合成例3)
単量体に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートのカプロラクトン変性物(カプロラクトン単位の平均付加モル数:1)(製品名「サイクロマーM101」、ダイセル社製)120g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(製品名「サイクロマーM100」、ダイセル社製)118g、メタクリル酸34g、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート68g、重合開始剤に2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を19g使用した以外は、合成例1と同様にして、光および/または熱硬化性樹脂溶液を得た。滴下及び熟成の間、溶液の温度は65℃に保たれていた。得られた硬化性樹脂溶液の固形分34.6重量%、分子量11,600、分散度1.79、酸価70mg−KOH/g(固形分換算)であった。
(合成例4)
単量体に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートのカプロラクトン変性物(カプロラクトン単位の平均付加モル数:1)(製品名「サイクロマーM101」、ダイセル社製)238g、メタクリル酸34g、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート34g、ベンジルメタクリレート34g、重合開始剤に2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を22g使用した以外は、合成例1と同様にして、光および/または熱硬化性樹脂溶液を得た。滴下及び熟成の間、溶液の温度は65℃に保たれていた。得られた硬化性樹脂溶液の固形分34.2重量%、分子量12,500、分散度1.77、酸価71mg−KOH/g(固形分換算)であった。
(合成例5)
単量体に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートのカプロラクトン変性物(カプロラクトン単位の平均付加モル数:1)(製品名「サイクロマーM101」、ダイセル社製)136g、メタクリル酸34g、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート68g、ベンジルメタクリレート102g、重合開始剤に2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を22g使用した以外は、合成例1と同様にして、光および/または熱硬化性樹脂溶液を得た。滴下及び熟成の間、溶液の温度は65℃に保たれていた。得られた硬化性樹脂溶液の固形分34.0重量%、分子量12,200、分散度1.74、酸価66mg−KOH/g(固形分換算)であった。
(比較合成例1)
合成例1において、単量体「サイクロマーM101」を3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(製品名「サイクロマーM100」、ダイセル社製)に変更した以外は合成例1と同様にして光および/または熱硬化性樹脂溶液を得た。得られた光および/または熱硬化性樹脂溶液の固形分は34.6重量%、酸価は68mg−KOH/g(固形分換算)、重量平均分子量Mwは13,000、分散度は1.71であった。
(実施例1〜5)
合成例1〜5で製造した光および/または熱硬化性樹脂溶液58重量部に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製「KAYARAD DPHA」)15重量部、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製「KAYARAD DPCA−120」)5重量部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「イルガキュア184」)5重量部、及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100重量部を配合して硬化性樹脂組成物1〜5を調製した。
(比較例1)
共重合体溶液を比較合成例1で製造したものに替えた以外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物2を調製した。
[評価試験]
(1)評価用試験片の作製
基材に、各実施例及び比較例で得られた共重合体溶液(硬化性樹脂組成物)をスピンコーターで塗布したのち、80℃のホットプレートで10分間加熱後、230℃のオーブン中で30分間加熱することで各評価用試験片を作製した。基材として、ガラス板とステンレス板を用いた。
(2)塗膜の柔軟性
前記(1)で作製した評価用試験片(基材:ガラス板)を用い、10mN/秒の荷重印加速度で圧縮し、初期膜厚(H0)の85%に相当する高さ(H1)になるまで圧縮した。ここで、H1に達した時点での荷重をFとした。次いでこの荷重Fを5秒間保持し、定荷重での変形を与えた後、10mN/秒の荷重印加速度で負荷を取り除き、弾性回復による膜厚の回復変形を観察して相対的に比較した。評価は、比較例1の試料を基準として、下式で求めた圧縮弾性係数の大小で行った(圧縮弾性係数が比較例1と同程度であれば柔軟性は△とする)。
E=F/(D×S)
E:圧縮弾性係数(Pa)
F:荷重(N)
D:膜厚の変化率=(H0−H1)/H0
S:膜の断面積(m2
なお、上記圧縮弾性係数が大中小のそれぞれの場合、一般的に下記のような変形挙動を
示す。
小の場合:荷重に対して大きく変形し、荷重を取り除くと徐々に復元する。
(柔軟性:○)
中の場合:荷重に対して変形し、荷重を除くと復元する。
(柔軟性:△)
大の場合:荷重に対して変形が小さいが、最終的には破壊が起こる。
(柔軟性:×)
(3)安定性
各実施例及び比較例において、室温で1週間貯蔵した共重合体溶液を使用し、前記(1)と同様にして、ガラス板で作製した評価用試験片を作製した。
貯蔵前の共重合体溶液を使用して作製した評価用試験片[前記(1)]と比較し、同等の膜厚の均一な塗膜であれば◎、僅かに膜厚が変化するがほぼ同等の塗膜であれば○、大きく膜厚が変化するようであれば△、均一な塗膜が形成できなければ×とした。ガラス板で作製した評価試験片を用いた場合も、ステンレス板で作製した評価用試験片を用いた場合も同様の結果が得られた。
(4)密着性
前記(1)で作製した評価用試験片(基材:ガラス板、ステンレス板)を用い、JISK−5600−5−6に準拠し、基材からの剥離により密着性を測定した。また、JISK5600−5−68.3表1試験結果の分類で規定された分類に従って、下記基準に基づいて評価した。
◎:試験結果の分類の「0」であった。
○:試験結果の分類の「1」であった。
△:試験結果の分類の「2」であった。
×:試験結果の分類の「3」「4」であった。
(5)耐溶剤性
実施例及び比較例において、ガラス板で作製した評価用試験片へ、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルエチルケトン(MEK)、N−メチルピロリドン(NMP)をそれぞれ1滴ずつ滴下し、10分間放置した。その後水洗し、溶剤を滴下した箇所が全く変化していなかったら◎、僅かに溶剤の跡が残るが、拭き取れば消えるようであれば○、溶剤の跡が残り、拭き取っても消えないようであれば△、全面的に変色していたら×とした。ステンレス板で作製した評価用試験片を用いた場合も同様の結果が得られた。
評価試験の結果を表1に示す。
Figure 2013121821
表1より明らかなように、実施例の硬化性樹脂組成物、及び該樹脂組成物から得られた硬化塗膜は、安定性、基板密着性及び耐溶剤性の何れの点でも優れているばかりでなく、柔軟性の点でも優れていることが分かった。これに対し、比較例の硬化性樹脂組成物、及び該樹脂組成物から得られた硬化塗膜は、特に柔軟性の点で劣っていた。
本発明によれば、塗布性、パターン形成特性など諸特性に優れ、しかも硬化物にした際の塗膜が柔軟である硬化性樹脂組成物を製造可能な共重合体が得られる。したがって、この硬化性樹脂組成物を硬化して得られた塗膜は、液晶、有機ELなどで使用される表示材料、保護膜などのフレキシブル用途などに好適に使用できる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表される脂環式エポキシ基含有不飽和化合物から誘導される1種又は2種以上のモノマー単位(A)、及び
    アルカリ可溶性基を含むモノマー単位(B)とを含む
    共重合体。
    Figure 2013121821
    (式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基であり、nは1〜10の整数である。)
  2. モノマー単位(A)においてn=1であるモノマー単位(A1)を、モノマー単位(A)全体の30重量%以上含む請求項1記載の共重合体。
  3. 下記一般式(I)で表される脂環式エポキシ基含有不飽和化合物の1種又は2種以上と、
    アルカリ可溶性基を含む重合性不飽和化合物とを、
    共重合させることを特徴とする共重合体の製造方法。
    Figure 2013121821
    (式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基であり、nは1〜10の整数である。)
  4. 請求項1又は2記載の共重合体を含む硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項4記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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