JPWO2013118773A1 - 特発性炎症性筋疾患の予防又は治療剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、特発性炎症性筋疾患及び治療中にステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の予防又は治療剤を提供することを目的とする。本発明は、イソロイシン、ロイシンおよびバリンを有効成分として含有する特発性炎症性筋疾患及び治療中にステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の予防又は治療剤を提供する。

Description

本発明は、特発性炎症性筋疾患およびステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の予防又は治療剤に関し、より詳細には、イソロイシン、ロイシンおよびバリンを有効成分として含有する特発性炎症性筋疾患およびステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の予防又は治療剤に関する。
特発性炎症性筋疾患とは、OlsenとWartmannの病型分類によって多発性筋炎、皮膚筋炎、筋症状のない皮膚筋炎、小児皮膚筋炎、悪性腫瘍に合併する筋炎、他の膠原病に合併する筋炎、封入体筋炎に分類された筋疾患の総称である。筋組織内への炎症性細胞の浸潤および、それによる筋線維壊死や萎縮に伴う大小不均一な筋線維の病理所見を認める。筋組織の炎症は、場合によって筋痛および筋萎縮に起因する全身性の筋力低下の症状をもたらす。一部の病型では頸部や四肢の近位筋の筋力低下に起因して、起床時の頭部挙上や階段の昇降、上肢の挙上などの日常動作が困難になり、ときには嚥下障害による誤嚥性肺炎を来たすこともある。このように特発性炎症性筋疾患の筋力低下は、患者のQOLおよび予後に大きく影響する症状であり、炎症の沈静化や合併症予防とともに治療対象となる症状である。
現在の特発性炎症性筋疾患の治療には、主としてステロイド薬が第一選択薬として使用され、加えて免疫抑制剤が併用されることも多い。さらに効果が十分発揮できない場合、大量ステロイド薬使用のパルス療法を行うこともあるなど、ステロイド薬の投薬を中心とした治療が行われている。これらの治療方法は筋組織内の炎症沈静化には有効であるが、筋萎縮および筋力低下の改善効果には乏しい。とりわけステロイド薬には副作用として筋萎縮作用があり、ステロイドミオパチーと呼ばれる筋力低下の症状をもたらすことがある。ステロイドミオパチーはステロイド薬を長期もしくは大量に使用する患者に発症し、回避のためにはステロイド薬の減量や休薬以外には対処の方法がない。しかしながら、特発性炎症性筋疾患の治療におけるステロイド薬の減量は、炎症の増悪や再発のリスクを高めることになる。たとえ減薬ができた場合でも、患者は日常生活の中で体を動かしながら失われた筋力の自然回復を待つことしかできず、完全なまでの回復には長期の時間を要する。このように特発性炎症性筋疾患では、抗炎症と筋力改善の効果を両立させることができる治療薬や治療法が存在しないことが課題である。とりわけ、治療経過中にステロイドミオパチーを合併した特発性炎症性筋疾患においては、炎症の沈静化の後も引き続く筋力低下のため、QOLを著しく損なう原因となるが、これまでに、特発性炎症性筋疾患の治療経過中に発症するステロイドミオパチーを予防したり、ステロイドミオパチーを合併した特発性炎症性筋疾患を治療する方法は知られていない。
一方、炎症性疾患の一つである関節リウマチの治療および予防において、分岐鎖アミノ酸(以下、「BCAA」ともいう)組成物中のバリンがステロイド薬や免疫抑制剤の効果を増強させる可能性が示唆されている(特許文献1)。しかしながら当該文献では、関節スコアとして肢の腫脹に対する薬効を評価したに過ぎず、バリン自体の抗炎症作用の有無を直接的に示すものではない。さらには、バリンが特発性炎症性筋疾患に有効であるとの記述もない。分岐鎖アミノ酸が筋肉に対して作用することは報告されているが、主に筋肉疲労の改善等であり(特許文献2)、それ自体が特発性炎症性筋疾患に有用であることは知られていない。また、分岐鎖アミノ酸がステロイド薬による筋萎縮を抑制し、筋力を改善すること、すなわちステロイドミオパチーの予防及び治療に有用であることが知られているが(特許文献3、非特許文献3)、それ自体が特発性炎症性筋疾患やステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患に有用であることは知られていない。
また、関節リウマチをはじめとする炎症性疾患に対して抗炎症効果を有するとされる薬剤が、必ずしも特発性炎症性筋疾患の炎症抑制に有効ではなく、筋力改善に対する効果も乏しいことが、近年の臨床研究から示されている。例えば、関節リウマチに有効な抗TNF抗体のInfliximabを多発性筋炎、皮膚筋炎、封入体筋炎患者に投与した試験では、炎症の悪化やタイプIインターフェロンの活性化が認められている(非特許文献1)。IL−1受容体拮抗薬のAnakinraもまた、多発性筋炎と皮膚筋炎に対する抗炎症効果は認められていない(非特許文献2)。このように、特発性炎症性筋疾患及び治療中にステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の治療に効果的な薬剤は、今のところ得られていないのが現状である。
国際公開第2005/055997号パンフレット 特開平8−198748号公報 国際公開第2008/072663号パンフレット
Ann Rheum Dis. 2008 Dec;67(12):1670−7 Ann Rheum Dis. 2011;70:A80−A81 Cell Metabolism 2010;13:170−182
本発明は、特発性炎症性筋疾患及び治療中にステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の予防又は治療剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの3種類の分岐鎖アミノ酸が、特発性炎症性筋疾患およびステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の予防又は治療に有効であり、特に、特発性炎症性筋疾患およびステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患における筋組織の炎症を抑制(沈静化)し、さらに筋萎縮の症状を抑制して筋力を改善する作用を有することを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づいてさらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]イソロイシン、ロイシンおよびバリンを有効成分として含有する、特発性炎症性筋疾患の予防又は治療剤;
[2]特発性炎症性筋疾患が、多発性筋炎、皮膚筋炎、筋症状のない皮膚筋炎、小児皮膚筋炎、悪性腫瘍に合併する筋炎、他の膠原病に合併する筋炎、及び封入体筋炎からなる群より選択される、[1]に記載の剤;
[3]筋組織の炎症を抑制することを特徴とする、[1]又は[2]に記載の剤;
[4]筋萎縮および/または筋力低下を改善することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の剤;
[5]イソロイシン、ロイシンおよびバリンの重量比が、1:1〜3:0.5〜2.0である、[1]〜[4]のいずれかに記載の剤;
[6]ヒトに対する1日あたりの投与量が、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの合計量として3〜90gである、[1]〜[5]のいずれかに記載の剤;
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の剤、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物;
[8]イソロイシン、ロイシンおよびバリンからなる、特発性炎症性筋疾患の予防又は治療剤;
[9][8]に記載の剤、及び薬学的に許容される担体からなる医薬組成物;
[10]イソロイシン、ロイシンおよびバリンを有効成分として含有する組成物を、投与対象に投与することを含む、特発性炎症性筋疾患の予防又は改善方法;
[11]イソロイシン、ロイシンおよびバリンを有効成分として含有する組成物を、投与対象に投与することを含む、筋組織の炎症を抑制することを特徴とする、「10」に記載の方法;
[12]イソロイシン、ロイシンおよびバリンを有効成分として含有する組成物を、投与対象に投与することを含む、筋萎縮および/または筋力低下を改善することを特徴とする、[10]に記載の方法;
[13]イソロイシン、ロイシンおよびバリンの重量比が1:1〜3:0.5〜2.0である、[10]〜[12]のいずれかに記載の方法;
[14]ヒトに対する1日あたりの投与量が、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの合計量として3〜90gである、[10]〜[13]のいずれかに記載の方法;
[15]特発性炎症性筋疾患が、治療中にステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患である、[1]〜[6]のいずれかに記載の剤;
[16][15]に記載の剤、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物;
[17]特発性炎症性筋疾患が、治療中にステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患である、[8]に記載の剤;
[18][17]に記載の剤、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物;
[19]特発性炎症性筋疾患が、治療中にステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患である、[10]〜[14]のいずれかに記載の方法。
本発明により提供される、イソロイシン、ロイシンおよびバリンを有効成分として含有する剤または組成物は、特発性炎症性筋疾患およびステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患に対し、特に、筋組織の炎症抑制及び筋力改善の両方の効果に優れていることから、特発性炎症性筋疾患およびステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患を有している患者に投与することにより効果的に疾患を予防又は治療することができる。
特発性炎症性筋疾患の治療においては、抗炎症の観点から従前よりステロイド薬が使用されており、その効果が不十分である場合に免疫抑制剤が併用されている。しかしながら、いずれの薬剤も効果的な筋力改善作用までは有していない。そのため、筋組織における炎症抑制作用及び筋力改善作用の両方を有することは、本発明の剤において特有の効果である。さらに、ステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患に対しては、ステロイド薬の減薬や休薬をすることなく効果的な筋力改善効果を有していることは、本発明の剤において特有の効果である。
また、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの3種類の分岐鎖アミノ酸は安全性の確立した物質であることから、本発明の特発性炎症性筋疾患およびステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の予防又は治療剤は、安全性が高く、副作用もほとんどないものとして提供され得る。
図1は、C−protein誘導型マウス筋炎モデル(CIMマウス)におけるBCAA投与群、プレドニゾロン(PSL)投与群及びVehicle投与群、並びにコントロール(Ctrl)マウスにおける正常群及びアジュバント免疫群の炎症スコアの比較を示すグラフである。グラフの縦軸は、マウスの炎症スコアを示す。 図2は、CIMマウスにおけるBCAA投与群、PSL投与群及びVehicle投与群、並びにCtrlマウスにおける正常群及びアジュバント免疫群の大腿四頭筋、大腿屈筋、上腕三頭筋の筋重量の比較を示すグラフである。グラフの縦軸は、各種筋肉の重量(mg)を示す。 図3は、CIMマウスにおけるBCAA投与群、PSL投与群及びVehicle投与群、並びにCtrlマウスにおける正常群及びアジュバント免疫群の前肢筋力測定値の比較を示すグラフである。グラフの縦軸は、マウスの前肢筋力の測定値(g)を示す。 図4は、CIMマウスにおけるBCAA投与群、PSL投与群及びVehicle投与群、並びにCtrlマウスにおける正常群及びアジュバント免疫群の速筋線維断面積の分布の比較を示すグラフである。グラフの横軸は速筋線維の面積(μm)を、縦軸は筋線維の割合(%)を示す。 図5は、CIMマウスにおけるBCAA+PSL併用投与群及びPSL単独投与群、並びにCtrlマウスにおける正常群及びVehicle投与群の炎症スコアの比較を示すグラフである。グラフの縦軸は、マウスの炎症スコアを示す。 図6は、CIMマウスにおけるBCAA+PSL併用投与群、PSL単独投与群及びVehicle投与群、並びにCtrlマウスにおける正常群の大腿四頭筋、大腿屈筋、上腕三頭筋の筋重量の比較を示すグラフである。グラフの縦軸は、各種筋肉の重量(mg)を示す。 図7は、CIMマウスにおけるBCAA+PSL併用投与群、PSL単独投与群及びVehicle投与群、並びにCtrlマウスにおける正常群の前肢筋力測定値の比較を示すグラフである。グラフの縦軸は、マウスの前肢筋力の測定値(g)を示す。
本発明は、イソロイシン、ロイシンおよびバリンを有効成分として含有する、特発性炎症性筋疾患およびステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の予防又は治療剤を提供するものである(本明細書において、「本発明の剤」と称する場合もある)。
本発明において、特発性炎症性筋疾患とは、四肢又は体幹の骨格筋に単核球の浸潤を認め、炎症や変性等の筋肉障害をきたす疾患をいう。特発性炎症性筋疾患の症状としては、上述した通り主に筋組織の炎症及び筋力低下が見られ、その他に皮膚症状(例えば、ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候等)、関節症状(例えば、関節痛、関節炎等)、レイノー現象、呼吸器症状(例えば、間質性肺炎等)、心症状(例えば、不整脈、心不全等)、全身症状(例えば、発熱、全身倦怠感等)等が見られる。
本発明の剤は、筋組織の炎症抑制作用及び筋力改善作用を有しており、これらの作用と共に、或いはこれらの作用を介して、上記のその他の症状を改善する作用をも有し得る。尚、本明細書中で用いられる場合、特発性炎症性筋疾患およびステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の「予防」とは、上記のような特発性炎症性筋疾患又はステロイドミオパチーの症状を示さない個体において、該症状が顕在化するのを防ぐことを意味し(再発防止も含む)、「治療」とは、特発性炎症性筋疾患およびステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の症状を示す個体において、該症状を軽減すること、或いは該症状の悪化を防ぐこと又は遅延させることを意味する。
特発性炎症性筋疾患は、上記のような臨床症状や針筋電図等の検査所見に応じてさらに詳細に分類され得る。分類された特発性炎症性筋疾患としては、例えば、多発性筋炎、皮膚筋炎、小児皮膚筋炎、悪性腫瘍に合併する筋炎、他の膠原病(例えば、SLE(全身性エリテマトーデス)、強皮症等)に合併する筋炎、及び封入体筋炎等が挙げられる。臨床所見では、多発性筋炎、皮膚筋炎、又は封入体筋炎と診断される患者が多く、その中でも多発性筋炎又は皮膚筋炎と診断される患者が多数を占める。
そのため、本発明の剤は、上記の疾患(筋炎)のいずれに対しても有用であるが、特に、多発性筋炎及び皮膚筋炎に対して好適であり、多発性筋炎に対して最も好適である。
また、近年では、特発性炎症性筋疾患において、筋症状のない皮膚筋炎という疾患概念が受け入れられている。かかる疾患は、皮膚筋炎に特徴的な皮膚症状は認められるものの、筋組織の炎症や筋力低下等の筋症状が他の筋炎よりも軽度であったり、或いはそのような筋症状が全く見られなかったりすることを特徴としている。
しかしながら、本発明の剤は、軽度の筋症状をさらに改善するという観点、或いは将来的に発生する恐れのある筋症状を予防するという観点から、筋症状のない皮膚筋炎に対しても有用である。
多発性筋炎及び皮膚筋炎の発症機序は未だ完全に解明されていないが、これらの疾患における筋組織では、一般に、単核球の未壊死骨格筋筋線維周囲への浸潤が認められる。浸潤している炎症細胞は、例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、NK細胞、マクロファージ、及び樹状細胞等である。
多発性筋炎では、CD8陽性T細胞が筋内膜に浸潤して、細胞膜表面にMHC−Iを発現している筋線維に対してパーフォリンやグランザイムBを介して筋障害を起こしていると考えられている(Curr. Opin. Pharmacol., 10:346−352, 2010)。一方、皮膚筋炎では、補体カスケードの活性化が関与しており、形成された膜侵襲複合体が筋内膜の血管内皮へ沈着し、血管壁の障害及び筋の虚血が生じることも示唆されている。このような筋内の血流低下の結果として、筋束周辺部の筋萎縮が生じるという考え方もある(Curr. Opin. Pharmacol., 10:346−352, 2010)。
本発明の剤は多発性筋炎及び皮膚筋炎のいずれにも有用であることから、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの3種の分岐鎖アミノ酸は、上記のような作用機序に関与する分子に直接的又は間接的に作用し、それらの活性を促進又は抑制する作用を有し得る。
一態様において、イソロイシン、ロイシンおよびバリンは、筋組織における炎症細胞の浸潤を抑制するためのものであり得る。
炎症細胞が浸潤しているかどうかは、生検等により採取した筋組織を切片化して、かかる筋切片をヘマトキシリン・エオシン染色(HE染色)して観察することにより調べることができる。HE染色により観察される炎症細胞の量が分岐鎖アミノ酸の投与前よりも減少していれば、炎症細胞の浸潤を抑制していると判断することができる。
また、別の一態様において、イソロイシン、ロイシンおよびバリンは、筋萎縮および/または筋力低下を改善するためのものであり得る。
筋萎縮が改善しているかどうかは、筋線維の状態の変化を観察することにより調べることができる。筋線維の状態は、例えば、上記と同様にして作製した筋切片をエラスチカ・ワンギーソン染色し、顕微鏡等で観察することができる。染色された筋線維の量(例えば、顕微鏡像における面積)が分岐鎖アミノ酸の投与前よりも増加していれば、筋線維は改善していると判断することができる。筋線維の染色は、上記染色剤のほかにも、筋線維の構成タンパク質であるミオシン重鎖(MHC)やラミニン等に対する抗体を利用して行うこともできる。また、染色による観察以外にも、筋組織から筋細胞を採取し、該細胞における筋萎縮関連遺伝子(例えば、atrogon−1、MuRF−1等)の発現量を測定して筋萎縮の改善を調べることもできる。尚、該遺伝子がatrogon−1又はMuRF−1である場合は、その発現量が分岐鎖アミノ酸の投与前よりも低下していれば筋線維は改善していると判断することができる。
筋力低下が改善しているかどうかは、握力計等の筋力測定機器で市販されているものを用いることにより調べることができる。分岐鎖アミノ酸の投与前よりも筋力が向上していれば、筋力低下が改善していると判断することができる。
多発性筋炎及び皮膚筋炎では、筋組織における炎症と筋力の低下とが症状として見られる。しかしながら、筋への炎症細胞の浸潤の程度と筋力低下の臨床症状の重症度とは必ずしも相関しない。
そのため、本発明の剤が有する筋組織の炎症抑制作用と筋力改善作用とは、それぞれが独立した別個の作用であり得る。
本発明の剤において有効成分として含まれる、イソロイシン、ロイシンおよびバリンはそれぞれL−体、D−体、DL−体のいずれもが使用可能であるが、好ましくはL−体、DL−体であり、さらに好ましくはL−体である。イソロイシン、ロイシンおよびバリンは、例えば、動物又は植物由来の天然タンパク質の加水分解から得られたものを用いることができ、或いは発酵法又は化学合成法によって得られたものを用いることができる。
イソロイシン、ロイシンおよびバリンは、それぞれ、遊離体のみならず、塩の形態でも使用することができる。塩の形態としては、酸付加塩や塩基付加塩等を挙げることができるが、化学的に許容され得る塩であればいずれの形態を採ることもできる。本発明の剤が通常は医療目的で用いられる観点から、塩の形態としては、医薬として許容される塩が好ましい。
医薬として許容される塩としては、例えば、酸との塩、及び塩基との塩が挙げられる。イソロイシン、ロイシンまたはバリンにそれぞれ付加して医薬として許容される塩を形成する酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸や、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸またはモノメチル硫酸等の有機酸が挙げられる。イソロイシン、ロイシン、またはバリンにそれぞれ付加して医薬として許容される塩を形成する塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどの金属の水酸化物や、カルシウム等の金属の炭酸化物、アンモニア等の無機塩基、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、エタノールアミン、モノアルキルエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基が挙げられる。
本発明の剤に含まれるイソロイシン、ロイシンおよびバリンの配合比(重量比)は、本発明の剤が所望の活性又は特発性炎症性筋疾患およびステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の予防若しくは治療効果を有する範囲で適宜調整することが可能である。例えば、3種の分岐鎖アミノ酸の配合比(イソロイシン:ロイシン:バリン)は、重量比として、通常1:1〜3:0.5〜2.0であり、好ましくは1:1.5〜2.5:0.8〜1.5であり、より好ましくは1:1.9〜2.2:1.1〜1.3であり、最も好ましくは1:2:1.2である。尚、本発明の剤が、イソロイシンの塩、ロイシンの塩、またはバリンの塩を含有する場合、重量比の計算は、各分岐鎖アミノ酸の塩を、全て遊離体に換算した上で行うものとする。イソロイシン、ロイシンおよびバリンの重量比が上記範囲内であることにより、特発性炎症性筋疾患およびステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患に対して有効な予防又は治療効果を得ることができる。
本発明の剤は、医薬として有用であり、その適用対象としては、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル等)が挙げられる。本発明の剤の適用対象は、好ましくはヒトである。尚、ヒト以外の哺乳動物に適応する場合、本発明の剤の摂取量は、動物の体重若しくは大きさに応じて適宜加減すればよい。
本発明の剤を医薬として用いる場合の投与方法は、経口投与及び非経口投与のいずれであってもよい。経口投与の剤形としては、散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤、チュアブル剤などの固形剤、溶液剤、シロップ剤などの液剤が挙げられ、また、非経口投与の剤形としては、注射剤、輸液剤、経鼻・経肺用スプレー剤などが挙げられる。
患者への負担を軽減する観点からは、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの分岐鎖アミノ酸は対象者に対して経口投与することが好ましい。一方、経口投与が困難な患者に対しては、輸液として経静脈または動脈投与することができる。
また、本発明の剤は、製剤上の必要に応じて、適宜の薬学的に許容される担体、例えば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、溶剤、崩壊剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤、無痛化剤、防腐剤、抗酸化剤、矯味矯臭剤、着色剤などを配合して、医薬組成物として製剤化され得る(以下、「本発明の組成物」と称する場合がある)。本発明の剤は、通常の方法によって、上記に示したような剤形に製剤化することができる。本発明の組成物の態様としては、簡便に投与可能であるという観点から、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの各有効成分が全て同一の組成物に含まれていることが好ましいが、3種の分岐鎖アミノ酸のそれぞれが単独で又は任意の組み合わせで複数の組成物に含まれているものであってもよい。
賦形剤としては、乳糖、ブドウ糖、D−マンニトールなどの糖類、でんぷん類、結晶セルロースなどのセルロース類などの有機系賦形剤、炭酸カルシウム、カオリンなどの無機系賦形剤などが、結合剤としては、α化デンプン、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、D−マンニトール、トレハロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどが、滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸塩などの脂肪酸塩、タルク、珪酸塩類などが、溶剤としては、精製水、生理的食塩水などが、崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、化学修飾されたセルロースやデンプン類などが、溶解補助剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが、懸濁化剤あるいは乳化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、アラビアゴム、ゼラチン、レシチン、モノステアリン酸グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース類、ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが、等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、糖類、グリセリン、尿素などが、安定化剤としては、ポリエチレングリコール、デキストラン硫酸ナトリウム、その他のアミノ酸類などが、無痛化剤としては、ブドウ糖、グルコン酸カルシウム、塩酸プロカインなどが、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが、抗酸化剤としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸などが、矯味矯臭剤としては、医薬分野において通常に使用される甘味料、香料などが、着色剤としては、医薬分野において通常に使用される着色料が挙げられる。
本発明の組成物に含まれる分岐鎖アミノ酸(イソロイシン、ロイシン、およびバリン)の含有量は、製剤の形態等に応じて適宜設定することができる。例えば、本発明の組成物がゼリー剤の場合は、分岐鎖アミノ酸の含有量は、通常、組成物全体に対して、5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。また、本発明の組成物が顆粒剤の場合は、分岐鎖アミノ酸の含有量は、通常、組成物全体に対して、50〜100重量%、好ましくは90〜100重量%である。ここで、「含有量」とは、本発明の組成物の重量における3種の分岐鎖アミノ酸の合計の重量の割合を示す。従って、例えば、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの各有効成分を1つの組成物中に含めた場合には、その含有量は、当該組成物の重量における3種の分岐鎖アミノ酸の合計の重量の割合であり、各有効成分のそれぞれを単独で又は任意の組み合わせで複数の組成物中に含めた場合には、その含有量は、各組成物を合計した重量における3種の分岐鎖アミノ酸の合計の重量の割合である。また、上記「重量比」は、本発明の組成物に含まれるそれぞれの分岐鎖アミノ酸の重量の比を示し、例えば、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの各有効成分を1つの組成物中に含めた場合には個々の分岐鎖アミノ酸の含有量の比であり、各有効成分のそれぞれを単独で又は任意の組み合わせで複数の組成物中に含めた場合には、各組成物に含まれる各有効成分の重量の比である。
本発明の剤または組成物の好適な例としては、イソロイシン、ロイシンおよびバリンを、1:2:1.2(イソロイシン:0.952g、ロイシン:1.904g、バリン:1.144g)の重量比で含有する分岐鎖アミノ酸製剤リーバクト(登録商標)顆粒(味の素株式会社)(経口投与剤)を挙げることができる。また、好適な非経口投与剤としては、高濃度アミノ酸輸液類のアミニック((登録商標)点滴静注(味の素製薬株式会社))、モリヘパミン((登録商標)点滴静注(味の素製薬株式会社))を挙げることができる。
本発明の剤または組成物のヒトに対する投与量(摂取量)は、対象患者の年齢、体重、病態、投与方法などによっても異なるが、通常、1人あたり1日、イソロイシン1〜30g、ロイシン1〜30g、バリン1〜30gである。一般の成人の場合、好ましくは1人あたり1日、イソロイシン2〜10g、ロイシン4〜20g、バリン2〜10g、より好ましくは、イソロイシン2.5〜3.0g、ロイシン5.0〜7.0g、バリン3.0〜4.0gである。また、成人1日あたりの投与量は、3種の分岐鎖アミノ酸の合計量として、通常3〜90g程度、好ましくは3〜20g程度であり、これを必要に応じて1〜5回、好ましくは2〜4回に分割して投与する。尚、本発明の剤または組成物が、分岐鎖アミノ酸の塩を含有する場合、投与量の計算は、各分岐鎖アミノ酸の塩を、全て遊離体に換算した上で行うものとする。投与の時期としては特に限定されず、食前、食間、及び食後のいずれであってもよい。また、投与期間も特に限定されない。
本発明で使用する有効成分である分岐鎖アミノ酸の投与量(摂取量)について算出する際、本発明で目的とする疾患の治療、予防等の目的で使用される薬剤の有効成分として前記の算定範囲が決められているので、これとは別目的で、例えば通常の食生活の必要から、あるいは別の疾患の治療目的で、摂取または投与される分岐鎖アミノ酸についてはこれを前記算定に含める必要はない。例えば、通常の食生活から摂取される一日あたりの分岐鎖アミノ酸の量を前記本発明における有効成分の一日あたりの投与量から控除して算定する必要はない。
また本発明において、実際の投与量の比は、投与対象(即ち、患者)あたりの各有効成分1回投与量あるいは1日投与量の比である。例えば、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの各有効成分を1つの製剤中に含め、それを投与対象に投与する場合には、重量比が投与量比に相当する。各有効成分を単独でまたは任意の組み合わせで複数の製剤中に含めて投与する場合には、1回あるいは1日投与した各製剤中の各有効成分の合計量の比が投与量比に相当する。
イソロイシン、ロイシン、およびバリンは既に、医薬及び食品分野において広く用いられていて、安全性は確立しており、例えば、これらの分岐鎖アミノ酸を1:2:1.2の比で含有する本発明の剤および組成物における急性毒性(LD50)は、マウスの経口投与において10g/kg以上である。
上述の通り、本発明の剤又は組成物は、特発性炎症性筋疾患およびステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の予防又は治療に有用であるが、従前より使用されている特発性炎症性筋疾患の予防剤又は治療剤と併用することもできる。ここで「併用」とは、従前より使用されている特発性炎症性筋疾患の予防又は治療剤の投与の前、同時、又は後における使用を意味し、また、両者を混合させた配合剤としての使用も含む意味である。
本発明の剤又は組成物と併用され得る上記特発性炎症性筋疾患の予防又は治療剤としては、特に限定されないが、例えば、ステロイド薬、免疫抑制剤等が挙げられる。ステロイド薬としては、例えば、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾン等が挙げられる。免疫抑制剤としては、例えば、アザチオプリン、メトトレキサート、シクロスポリン、タクロリムス、ミコフェノール酸、各種抗体医薬、γグロブリン等が挙げられる。これらの薬剤は、1種単独を本発明の剤又は組成物と併用してもよく、或いは2種以上を併用してもよい。本発明の剤又は組成物と併用する薬剤の投与量、投与期間および投与間隔は、疾患の状況や対象患者等に応じて適宜設定することができる。
本発明の別の態様として、特発性炎症性筋疾患の予防および治療において、本発明の剤又は組成物は、ステロイド薬や免疫抑制剤の効果を増強させることができる。これにより、ステロイド薬または免疫抑制剤を単独で使用した場合よりも、治療効果を高めることができ、かつ、副作用を低減することができる点で有用である。ステロイド薬および免疫抑制剤としては、上記薬剤が挙げられ、ステロイド薬(例、プレドニゾロン)が好ましい。本発明の剤又は組成物と併用する薬剤の投与量、投与期間および投与間隔は、疾患の状況や対象患者等に応じて適宜設定することができる。
特発性炎症性筋疾患の治療には第一選択薬としてステロイド薬が用いられることが多く、その治療経過中に筋力低下が認められた場合に、原疾患の悪化による筋力低下なのか、ステロイドミオパチーが合併したことによる筋力低下なのかの判断が困難である。本発明の剤又は組成物は、特発性炎症性筋疾患におけるステロイド治療開始と同時に併用して使用した場合に、特発性炎症性筋疾患の原疾患による炎症と筋力低下のいずれをも改善する。一方で、ステロイド治療のみでは、ステロイドミオパチーの合併により十分な筋力改善が認められないことも多く、筋力改善を目的とした治療のためにステロイド薬を減量せざるを得ないことがある。本発明の剤又は医薬組成物を使用することにより、ステロイドミオパチーの合併により治療中にステロイド薬の減量をすることなく、治療を継続し、十分な筋力が改善できる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に述べる。なお、以下の実施例は、本発明の一例について具体的に説明するものであって、本発明をこれに限定するものではない。
実施例1 C−protein誘導型マウス筋炎モデルにおけるBCAAの筋組織炎症抑制効果
C−protein誘導型マウス筋炎モデル(C−protein−induced Myositis:CIM)を用いて、筋組織の炎症に与えるBCAAの効果を検討した。C57BL/6マウス(メス、8週齢)に抗原免疫を行うため、200μg C−proteinと100μg結核死菌(Mycobacterium butyricum)とを含み、Complete Freund’s adjuvant(CFA)を成分とするアジュバントを後肢足底および尾根部に、C−proteinを含まないCFAを前肢根部に皮内注射し、0.25μgの百日咳毒素(Pertussis toxin)を腹腔内注射した。抗原を免疫しないAdjuvant controlには、CFAを同じ部位に皮内注射した。免疫3日後より、0.75g/kg BCAA(イソロイシン、ロイシンおよびバリン(重量比としてイソロイシン:ロイシン:バリン=1:2:1.2)の配合物)、又は20mg/kg Prednisolone(PSL)を連日経口投与し、それぞれBCAA投与群、PSL投与群とした。また、BCAA等の代わりに0.5%メチルセルロース及び5%γシクロデキストリンを経口投与し、Vehicle投与群とした。免疫21日後に筋肉を採取し、大腿四頭筋および屈筋の炎症の程度を炎症スコアにより評価した。炎症スコアは、HE染色した筋切片内で炎症細胞の浸潤と筋線維壊死とを認める領域の筋線維数を以下の基準に従ってスコア化し、大腿四頭筋と屈筋とのスコアの平均値として求めた。
スコア化方法:Grade 0 = 浸潤なし, Grade 1 = 1線維, Grade 2 = 2−5線維, Grade 3 = 6−15線維, Grade 4 = 16−30線維, Grade 5 =31−100線維, Grade 6 = 101線維以上。同一筋肉内の複数部位に同スコアの浸潤が見られた場合は、スコアに0.5を加えた。
結果を図1に示す。C−protein誘導型マウス筋炎モデル(CIMマウス)のVehicle投与群で見られる高い炎症スコアは、PSL投与群とBCAA投与群にて有意に抑制された。これにより、BCAAは抗炎症作用を有することが示された。CIMマウスは多発性筋炎のモデルマウスと考えられていることから、BCAAは多発性筋炎の治療等に対して有用であることが示唆された。
実施例2 CIMマウスにおけるBCAAの筋萎縮抑制効果
免疫21日後のCIMマウス及びコントロールマウス(Ctrl)から大腿四頭筋、屈筋、および上腕三頭筋を採取し、筋重量を測定した。結果を図2に示す。いずれの筋肉もCtrl群に比較してCIMマウスのVehicle投与群にて筋重量の低下が見られ、PSL投与群では改善が見られないものの、BCAA投与群では改善された。
実施例3 CIMマウスにおけるBCAAの筋力改善効果
免疫20日後に動物用握力計MK−380CM/R(室町機械)を用いて各マウスの前肢筋力を測定した。測定は各個体につき6回行い、その平均値を求めた。結果を図3に示す。Ctrl群に比べてCIMマウスのVehicle投与群では筋力の低下が見られ、PSL投与群では改善効果が弱いが、BCAA投与群ではほぼ正常レベルまで改善された。
実施例4 CIMマウスにおけるBCAAの筋線維萎縮改善効果
ステロイド筋症は速筋線維(MHC IIB陽性線維)に優位に生じることから、CIMマウスの筋線維の萎縮を筋線維断面積を計測することにより評価した。免疫21日後に採取した上腕三頭筋の切片の速筋線維と筋線維境界部とを、anti−MHC IIB抗体およびanti−Laminin抗体(Sigma)を用いた免疫蛍光染色により標識し、MHC IIB陽性筋線維の断面積をImage Jソフトウェア(NIH)を用いて計測した。筋線維面積の分布をヒストグラムにして図4に示す。Ctrl群に比べてCIMマウスのVehicle投与群では筋線維の萎縮を示すヒストグラムの左側へのシフトが見られ、PSL投与群ではその傾向がさらに強かった。これらに対してBCAA投与群では、細い筋線維の割合の減少と太い筋線維の割合の増加が見られ、筋線維萎縮の改善について部分的な効果が得られた。
実施例5 筋組織炎症抑制に対するBCAAの用量反応性
実施例1に記載の方法に従って、0.25g/kg BCAA+20mg/kg PSL、0.75g/kg BCAA+20mg/kg PSL、2.25g/kg BCAA+20mg/kg PSL(各BCAAは、イソロイシン、ロイシンおよびバリン(重量比としてイソロイシン:ロイシン:バリン=1:2:1.2)の配合物)、又は20mg/kg PSLを連日経口投与し、それぞれPSL単独投与群、PSL+BCAA併用投与群とした。また、BCAA等の代わりに0.5%メチルセルロース及び5%γシクロデキストリンを経口投与し、Vehicle投与群とした。
実施例1に記載の評価法によって得られた結果を図5に示す。BCAA+PSL併用投与群では、炎症スコアにおいてBCAAの投与量が異なるBCAA+PSL併用投与群のいずれでも、PSL単独投与群に比してより炎症を抑制する傾向が見られた。
実施例6 筋萎縮抑制に対するBCAAの用量反応性
実施例5における免疫21日後のCIMマウス及びコントロールマウス(Ctrl)から大腿四頭筋、大腿屈筋、および上腕三頭筋を採取し、筋重量を測定した。結果を図6に示す。PSL単独投与群では、筋重量の増加が認められなかったのに対し、BCAA+PSL併用投与群では、筋重量の増加が投与量に依存して認められた。
実施例7 筋力改善に対するBCAAの用量反応性
実施例5における免疫20日後に動物用握力計MK−380CM/R(室町機械)を用いて各マウスの前肢筋力を測定した。測定は各個体につき6回行い、その平均値を求めた。結果を図7に示す。PSL単独投与群では、前肢筋力の増加が認められなかったのに対し、BCAA+PSL併用投与群では、前肢筋力の増加が投与量に依存して認められた。
イソロイシン、ロイシンおよびバリンの分岐鎖アミノ酸は、これらを組み合わせた場合、筋組織における炎症を抑制し、さらに筋萎縮の症状を抑制して筋力を改善することから、特発性炎症性筋疾患を有している患者に投与することにより、かかる疾患を効果的に治療することが可能である。さらに、ステロイド単剤は、筋力を改善できないのに対し、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの分岐鎖アミノ酸は、これらを組み合わせた場合、ステロイド薬との併用においても、筋力を改善できることから、ステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患を有している患者に投与することにより、かかる疾患を効果的に治療することが可能である。
従って、本発明は特発性炎症性筋疾患及び治療中にステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患の予防又は治療のための医薬として有用である。
本出願は、日本で出願された特願2012−023521を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含される。

Claims (13)

  1. イソロイシン、ロイシンおよびバリンを有効成分として含有する、特発性炎症性筋疾患の予防又は治療剤。
  2. 特発性炎症性筋疾患が、多発性筋炎、皮膚筋炎、筋症状のない皮膚筋炎、小児皮膚筋炎、悪性腫瘍に合併する筋炎、他の膠原病に合併する筋炎、及び封入体筋炎からなる群より選択される、請求項1に記載の剤。
  3. 筋組織の炎症を抑制することを特徴とする、請求項1又は2に記載の剤。
  4. 筋萎縮および/または筋力低下を改善することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の剤。
  5. イソロイシン、ロイシンおよびバリンの重量比が、1:1〜3:0.5〜2.0である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の剤。
  6. ヒトに対する1日あたりの投与量が、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの合計量として3〜90gである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の剤。
  7. イソロイシン、ロイシンおよびバリンを有効成分として含有する組成物を、投与対象に投与することを含む、特発性炎症性筋疾患の予防又は改善方法。
  8. イソロイシン、ロイシンおよびバリンを有効成分として含有する組成物を、投与対象に投与することを含む、筋組織の炎症を抑制することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. イソロイシン、ロイシンおよびバリンを有効成分として含有する組成物を、投与対象に投与することを含む、筋萎縮および/または筋力低下を改善することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  10. イソロイシン、ロイシンおよびバリンの重量比が1:1〜3:0.5〜2.0である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. ヒトに対する1日あたりの投与量が、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの合計量として3〜90gである、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 特発性炎症性筋疾患が、治療中にステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の剤。
  13. 特発性炎症性筋疾患が、治療中にステロイドミオパチーを合併する特発性炎症性筋疾患である、請求項7〜11のいずれか1項に記載の方法。
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