JPWO2013105262A1 - 電線端末処理装置の電線反転機構 - Google Patents

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Abstract

[課題]電線をU字形に反転させた状態でも端子が圧着された時点の姿勢が保持できるとともに、端子電線反転機構電線反転機構を備えていない既存の電線端末処理装置にも後付け可能な、小型でかつ高速作動が可能な構造の電線反転機構を提供する。[解決手段]電線端末処理装置10の基台11に固定されて上方に延びる支柱12と、この支柱12に支持されて電線端末処理装置10の上方で水平に延びる基板13と、この基板に支持されてU字形に延びる所定の軌道に沿って移動する電線把持手段30,70とを備える。電線把持手段30,70の移動を案内する案内手段は、基板13の下面に削設された凹溝14あるいは基板13の下方に支持された案内部材65である。電線把持手段30,70を移動させるために、モータ駆動の回動体21と旋回体23の組み合わせ、あるいは一対のプーリ61,62に巻回されたタイミングベルト63を用いる。

Description

本発明は、電線の前端部分および後端部分をそれぞれストリップして端子を圧着する電線端末処理を実行する際に、電線の前端部分を保持して旋回させることにより電線をU字形に反転させる機構に関し、より詳しくは、電線反転装置を備えていない既存の電線端末処理装置にも後から取付可能な構造の電線反転機構に関する。
従来、電線を所定の長さに切断するとともに、切断した電線の前後の端末部分の絶縁被覆をそれぞれストリップして芯線を露出させ、次いで露出させた芯線に端子を圧着する作業を行う電線処理装置が用いられている(例えば、下記特許文献1を参照)。
その構造について図14を参照しつつ概説すると、この電線端末処理装置は、電線W0を測長しながら前方に送給する測長供給手段1と、所定の長さに送給された電線Wを切断する切断手段2と、切断された電線W0の前端部分をストリップする第1のストリップ手段3と、露出した芯線に端子C1を圧着する第1の端子圧着手段4とを備えている。
また、この電線処理装置は、所定の長さに切断された電線W1の後端部分をストリップする第2のストリップ手段5と、露出した芯線に端子C2を圧着する第2の端子圧着手段6と、電線W1の後端部分を保持する保持手段7と、完成した電線W2を排出する排出手段8と、これらの手段5,6,7,8の間で電線W1の後端部分を把持して搬送する搬送手段9とを備えている。
ところで、上述した電線端末処理装置においては、完成させる電線W2の全長が長くなるに連れ、搬送手段9による電線W2の搬送が次第に困難になる。
そこで、所定の長さの電線をU字形に反転させて、その前端部分と後端部分とを隣接させた状態で一体に保持するとともに、電線端末処理装置の一側に並設したストリップ手段および端子圧着手段によって、電線の前端部分および後端部分を順次処理する構造の電線端末処理装置が開発されている(記特許文献2を参照)。
このとき、電線をU字形に反転させるために、エアシリンダの伸縮によって揺動するアームから吊り下げられた電線クランプを用いる電線反転機構が提案されている(下記特許文献3を参照)。
また、電線をU字形に反転させるために、上下方向に延びる回動軸に取り付けられて180度旋回するアームと、このアームの揺動端に設けられたクランプを用いる電線反転機構がある(下記特許文献4を参照)。
特開2005−231783号公報(図14) 特開昭55−144673号公報(第1図、第10図、第11図) 特開平8−203650号公報(図5、図6) 特開2008−140738号公報(図2、図3)
ところで、図14に示したような、電線反転機構を備えていない電線端末処理装置を用いている製造現場においては、製造する電線の全長の変更に伴い、電線をU字形に反転させた状態での電線端末処理が必要となる場合がある。
しかしながら、既存の電線端末処理装置に電線反転機構を追加するためには、ストリップ手段や端子圧着手段の位置を変更したり、搬送手段を改造したりする必要がある。
これにより、既存の電線端末処理装置に電線反転機構を後から追加することは極めて困難であった。
また、特許文献4の図2、図3に示した状態で電線は、前側端子が圧着された状態で、電線測長送給手段により所定の長さだけ前方に送給され、その前側部分が電線湾曲手段の電線把持部によって把持され、回動軸の回りに180°回動して電線は、U字形に湾曲される。
しかし、電線送給時に電線にねじれがあるため、前側端子は、圧着された時点の姿勢を保持することができず、どうしても端子は、ローリングしてしまうことがあった。
電線端末処理装置上で、電線圧着の状態をカメラを用いた画像で確認する必要がある場合など、端子がローリングしていると画像確認ができないという不具合が発生していた。
そこで本発明の目的は、上述した従来技術が有する問題点を解消し、電線をU字形に反転させた状態でも端子が圧着された時点の姿勢が保持できるとともに、端子電線反転機構を備えていない既存の電線端末処理装置にも後付け可能な、小型でかつ高速作動が可能な構造の電線反転機構を提供することにある。
上記の課題を解決する、本発明による電線端末処理装置の電線反転機構は、
電線の前端部分および後端部分をそれぞれストリップして端子を圧着する電線端末処理を実行する際に、前記電線の前端部分を保持して旋回させることにより前記電線をU字形に反転させる機構であって、
電線端末処理装置の基台に固定されて上方に延びる支柱と、
この支柱に支持されて前記電線端末処理装置の上方で水平に延びる基板と、
この基板に回動自在に支持されて上下方向に延びる駆動軸と、
この駆動軸に取り付けられて前記基板の下方で回動自在な回動体と、
前記駆動軸を正逆両方向に回動可能な、前記基板に取り付けられた駆動手段と、
前記駆動軸の軸線に対し半径方向にスライド自在に前記回動体に取り付けられて、前記駆動軸の周りで前記回動体と一体に回動する旋回体と、
U字形に反転させる電線のうち前端側の端子直後の前端部分を係脱自在に把持する、前記旋回体に取り付けられて一体に旋回する電線把持手段と、
前記電線把持手段がU字形に延びる所定の軌道に沿って移動するように前記旋回体の移動を案内する、前記基板に設けられた案内手段と、
前記駆動手段および前記電線把持手段の作動を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
なお、前記案内手段は、前記基板に削設されて所定の軌道に沿って延びる凹溝と、前記旋回体に回転自在に設けられて前記凹溝の内面に係合するローラとから構成することができる。
あるいは、前記案内手段は、前記基板に突設されて所定の軌道に沿って延びる突条と、前記旋回体に回転自在に設けられて前記突条をその幅方向に挟持するローラとから構成することができる。
また、上記の課題を解決する、本発明による電線端末処理装置の電線反転機構は、電線の前端部分および後端部分をそれぞれストリップして端子を圧着する電線端末処理を実行する際に、前記電線の前端部分を保持して旋回させることにより前記電線をU字形に反転させる機構であって、
電線端末処理装置の基台に固定されて上方に延びる支柱と、
この支柱に支持されて前記電線端末処理装置の上方で水平に延びる基板と、
この基板に回動自在に支持されて上下方向に延びる駆動軸と、
前記基板に回動自在に支持されて前記駆動軸と平行に延びる従動軸と、
前記駆動軸および前記従動軸にそれぞれ取り付けられた一対のプーリと、
前記一対のプーリに巻き回された無端状のベルトと、
前記駆動軸を正逆両方向に回動可能な、前記基板に取り付けられた駆動手段と、
前記ベルトに取り付けられて前記ベルトと一体に前記一対のプーリの周りを周回する周回体と、
U字形に反転させる電線のうち前端側の端子直後の前端部分を係脱自在に把持する、前記周回体に取り付けられて一体に周回する電線把持手段と、
前記電線把持手段がU字形に延びる所定の軌道に沿って移動するように前記電線把持手段の移動を案内する、前記基板に支持されたU字形に湾曲する棒状の案内部材と、
前記案内部材と上下方向およびその幅方向に係合して前記電線把持手段を上下方向に支持しつつその移動を案内する、前記電線把持手段に設けられた係合手段と、
前記駆動手段および前記電線把持手段の作動を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
なお、前記係合手段は、前記案内部材を上下方向および幅方向に挟持する、前記周回体あるいは前記電線把持手段に回転自在に支持された複数のローラとすることができる。
なお、本発明による電線端末処理装置の電線反転機構において前記電線把持手段が移動する所定の軌道の形状は、平面視でU字形をなす。
すなわち、本発明の電線端末処理装置の電線反転機構は、電線端末処理装置の基台に固定されて上方に延びる支柱と、この支柱に支持されて電線端末処理装置の上方で水平に延びる基板と、この基板に支持されて所定の軌道に沿って移動する電線把持手段とを備えるものである。
これにより、電線反転機構を備えていない既存の電線端末処理装置においても、支柱を立設するためのスペースを確保できれば、この既存の電線端末処理装置に本発明の電線反転機構を容易に後付けすることができる。
また、本発明の電線端末処理装置の電線反転機構は、基板の下面に削設した凹溝によって、あるいは基板の下方に支持した棒状の案内部材によって、それぞれ電線把持手段がU字形に延びる所定の軌道に沿って移動するように案内する構造である。
これにより、本発明の電線端末処理装置の電線反転機構は、既存の電線端末処理装置に後付け可能な構造でありながら、電線把持手段、したがって電線の前端部分を正確に案内して電線をU字形に反転させることができる。
また、本発明による電線端末処理装置の電線反転機構は、基板に設けた駆動手段によって回動体を回動させるとともに、この回動体によって半径方向にスライド自在に旋回体を支持し、かつ旋回体の移動を案内手段によって案内しつつ、旋回体によって電線把持手段を支持して、U字形に延びる所定の軌道上で電線把持手段を往復移動させる構造である。
さらに、本発明による電線端末処理装置の電線反転機構は、基板に設けた駆動手段によって一対のプーリを回動させてベルトを周回させるとともに、このベルトに固定した周回体によって電線把持手段を駆動し、かつ周回体あるいは電線把持手段を案内部材によって上下方向に支持しつつその移動を案内して、U字形に延びる所定の軌道上で電線把持手段を往復移動させる構造である。
これにより、本発明の電線端末処理装置の電線反転機構は、既存の電線端末処理装置に後付け可能なものでありながら、小型で、かつ電線をU字形に反転させる動作を高速に実行することができる。
このとき、本発明による電線端末処理装置の電線反転機構においては、回動体によって旋回体を半径方向にスライド自在に支持しているので、U字形に延びる所定の軌道の各部分と駆動軸の軸線との間の距離の変化を吸収することができる。
これにより、U字形に延びる所定の軌道を、駆動軸の軸線に対し所望の位置に配置することができる。
また、U字形に反転させる電線の前端部分を電線把持手段が把持するときの前後方向の位置は、U字形に延びる所定の軌道のうち直線状に延びる部分の任意の位置に設定することができるから、既存の電線端末処理装置の構造に合わせて自在に調整することができる。
また、本発明による電線端末処理装置の電線反転機構は、一対のプーリに巻回したベルトによって電線把持手段を駆動する構造である。
これにより、U字形に延びる所定の軌道のうち、円弧状に湾曲する部分の半径を小さくせざるを得ない場合にも、容易に対応することができる。
また、U字形に反転させる電線の前端部分を電線把持手段が把持するときの前後方向の位置は、一対のプーリに巻回されて長円状に延びるベルトのうち直線状に延びる部分の任意の位置に設定することができるから、既存の電線端末処理装置の構造に合わせて自在に調整することができる。
本発明によれば、既存の電線端末処理装置に後付け可能な構造でありながら、電線の前端部分を正確に案内しつつ移動させて電線をU字形に反転させることができ、さらには小型でかつ電線をU字形に反転させる動作を高速に実行できる電線端末処理装置の電線反転機構を提供することができる。また電線把持手段が電線のうち前端側の端子直後の前端部分を把持して、旋回体と一体に旋回する。このため、電線をU字状に反転させた際でも、前端側の端子が圧着された姿勢を保持することができ、電線圧着の状態を端子がローリングすることなく、画像確認することができる。
既存の電線端末処理装置に第1実施形態の電線反転機構を追加した状態を示す平面図。 第1実施形態の電線反転機構を示す正面図。 図2に示した電線反転機構を示す側面図。 図2に示した電線反転機構を示す平面図。 図2に示した電線反転機構の要部を拡大して示す正面図。 基板の構造を示す平面図および断面図。 回動体および旋回体の構造および作動を示す平面図。 図2に示した電線反転機構の作動を示す平面図。 第2実施形態の電線反転機構を示す正面図。 図9に示した電線反転機構を示す側面図。 図9に示した電線反転機構の構造を模式的に示す平面図。 図9に示した電線反転機構の要部を拡大して示す正面図。 図9に示した電線反転機構の作動を示す平面図。 既存の電線処理装置の構造を模式的に示す平面図。
以下、図1〜図13を参照し、本発明の電線端末処理装置の電線反転機構の各実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、同一の部分には同一の符号を用いて重複した説明を省略するとともに、図14に示した測長供給手段1が電線Wを送給する方向を前方と言う。
第1実施形態
まず最初に図1〜図8を参照し、第1実施形態の電線反転機構について説明すると、この電線反転機構100は、例えば図14に示した既存の電線端末処理装置10の基台11上に立設される支柱12と、この支柱12に支持されて測長供給手段1および切断手段2の上方で水平に延びる基板13とを備えている。
基板13には、図6に示したように、U字形に湾曲して延びる凹溝14がその下面に削設されている。
なお、この凹溝14のU字形の形状は、電線を反転させるU字形の形状における一方の直線部分を後方に延長した形状となっている。
また、基板13には、後述する圧縮空気供給配管35が挿通される、凹溝14と平行にU字形に湾曲して延びる配管挿通溝15が貫設されている。
さらに、基板13の上面のうち配管挿通溝15に隣接する部分には、圧縮空気供給配管35が他の部材に干渉することを防止するための一対の板金製プロテクタ16a,16bがそれぞれ立設されている。
基板13の上面に固定された電動モータ(駆動手段)17の駆動軸18は、基板13を貫通して下方に延び、その下端には直方体状の回動体21が固定されている。
したがって、図示されない制御手段によって電動モータ17の作動を制御することにより、回動体21の向きを自在に変更することができる。
回動体21には、図7に示したように、互いに平行に延びる一対の棒状支持部材22a,22bが、駆動軸18の軸線に対して半径方向にスライド自在に挿通されている。
そして、一対の棒状支持部材22a,22bの先端には、直方体状の旋回体23が固定されている。
これにより、旋回体23は、駆動軸18の軸線に対し半径方向にスライド自在に回動体21によって支持されつつ、駆動軸18の軸線の周りに回動体21と一体に回動することができる。
なお、回動体21と旋回体23との間には一対のコイルばね24a,24bが取り付けられていて、旋回体23が回動体21に接近する方向に常に付勢している。
図5および図7に示したように、旋回体23に回動自在に支持されて上下方向に貫通して延びる支軸25の上端には、直方体状のローラ支持部材26が固定されている。
ローラ支持部材26の上面には、一対の回転ローラ27a,27bがそれぞれ回転自在に取り付けられている。
一対の回転ローラ27a,27bは、図5および図8に示したように、基板13の下面に削設された凹溝14の内部にそれぞれ挿通されている。
これにより、U字形に延びる凹溝14の各部分におけるローラ支持部材26の向きは、一対の回転ローラ27a,27bと凹溝14との係合によって規定される。
支軸25の下端には、電線把持手段30が固定されている。
これにより、この電線把持手段30は、旋回体23、棒状支持部材22、回動体21および駆動軸18によって上下方向に支持されつつ、ローラ支持部材26と一体に回動してその向きが規定される。
また、電線把持手段30は、支軸25の下端に固定されたアーム31と、電線Wを把持するための把持爪32と、この把持爪32の上下方向位置を調整するためのエアシリンダ33と、把持爪32を開閉するためのエアシリンダ34とを有している。
そして、これらのエアシリンダ33,34に圧縮空気を供給するための圧縮空気供給配管35が、前述した基板14の配管挿通溝15を通って上方に延び、図示されない制御弁を介して圧縮空気供給源に接続されている。
図1〜図3に示したように、測長供給手段1および切断手段2の近傍には、U字形に反転させた電線Wの後端部分を保持爪41によって保持する後端保持手段42と、電線Wの前端部分を保持爪43によって保持する前端保持手段44とがそれぞれ配設されている。
後端保持手段42は、図14に示した既存の電線端末処理装置10における搬送機構9の電線保持部分9aに対応するものであり、既に設置されている。
また、前端保持手段44も、既に設置されているものであり、後端保持手段42のベース部に一体に固定される。
これにより、後端保持手段42および前端保持手段44は、電線Wの後端部分および前端部分をそれぞれ保持した状態で、既設の搬送機構9によって駆動されて一体に左右方向に移動し、電線Wを次の工程へと順次搬送する。
次に、本第1実施形態の電線反転機構100の作動について説明する。
図1、図2に示したように、電線W0の前端への端子C1の圧着が完了して半完成状態の電線W1が得られ、端子C1が切断手段2に対向している状態では、この電線W1の前端部分は測長供給手段1の保持部1aによって保持されている。
このとき、図示されない制御手段によって電動モータ17を反時計方向に回動させると、電線把持手段30の把持爪32は、図1および図8に示した第1の位置に到着する。
この第1の位置においては、把持爪32の向きは、凹溝14と一対のローラ27a,27bとの係合により、前方に延びている電線W1を左右方向に挟持可能な向きに規定されている。
また、旋回体23を支持している一対の棒状支持体22a,22bは、図7(a)に示したように回動体21から一杯に延び出た状態となっている。
次いで、電線把持手段30のエアシリンダ33を作動させて把持爪32を降下させた後、エアシリンダ34を作動させて把持爪32を閉じると、前端部分は、保持部1aによって保持されているので、端子C1の姿勢を保持したままの状態で把持爪32によって図1のとおり、電線W1のうち前端側の端子C1直後の前端部分を把持することができる。
次いで、電動モータ17を時計方向に回動させると、電線把持手段30の把持爪32は、図1および図8に示した第2の位置に到着する。
この場合、電線W1のうち前端側の端子C1直後の前端部分を把持することにより、電線W1がU字状に反転した場合であっても、端子C1が圧着された姿勢を保持することができ、電線圧着の状態の端子C1がローリングすることなく画像確認することができる。
この第2の位置においては、把持爪32の向きは、凹溝14と一対のローラ27a,27bとの係合により、把持爪32によって把持している電線W1の後端部分が後方に向かって延びるように規定されている
より具体的に説明すると、第2の位置における把持爪32の向きは、第1の位置における把持爪32の向きに対し、180度反転している。
また、旋回体23を支持している一対の棒状支持体22a,22bは、図7(b)に示したように回動体21の内部に入り込んだ状態となっている。
電線把持手段30の電線把持爪32が第2の位置に到着すると、前端保持手段44が上昇し、電線W1の前端部分をその保持爪43によって保持する。
このとき、基板13からアーム51によって吊り下げられている電線ガイド50のエアシリンダ52が作動してその把持爪53を閉じ、電線W1の前端部分の近傍を把持しているので、前端保持手段44による電線W1の前端部分の把持が不良となることはない。
一方、電線把持手段30の把持爪32が電線W1の前端部分を把持しつつU字形に延びる所定の軌道に沿って移動するのと同時に、測長供給手段1は、電線W1の基端部分を所定の長さだけ前方に送り出す。
これにより、電線W1は、図1に示したようにU字形に湾曲して延びることになる。
他方、電線W1がU字形に湾曲して延びる状態になると、切断手段2が作動し、電線W1の基端部分を切断する。
このとき、所定の長さに切断された電線W1の後端部分は、後端保持手段42の保持爪41によって把持される。
前端保持手段44および後端保持手段42による電線W1の保持が完了すると、前端保持手段44および後端保持手段42は、図1における図示左方向に一体に移動し、電線W1の後端部分を第2のストリップ手段5に向け、適宜な距離を移動し、第2のストリップ手段5による後端部分のストリップが行われる。
後端部分のストリップが完了すると、前端保持手段44および後端保持手段42は、図1における図示左方向に一体に移動し、電線W1の後端部分を第2の端子圧着手段6に対向させる。
すると、電線W1の後端部分は、前端保持手段44および後端保持手段42が端子圧着手段6に向け、適宜な距離を移動し第2の端子圧着手段6による第2の端子C2の圧着が行われ、完成品の電線W2が得られる。
その後、完成品の電線W2は、前端保持手段44および後端保持手段42によって保持された状態で、図1における図示左方向に移動し、保持手段7および排出手段8を経由して電線端末処理装置10の外部に排出される。
すなわち、本第1実施形態の電線反転機構100は、電線端末処理装置10の基台11に固定されて上方に延びる支柱12と、この支柱12に支持されて電線端末処理装置10の上方で水平に延びる基板13と、この基板13に支持されつつ所定の軌道に沿って移動する電線把持手段30とを備える構造である。
これにより、電線反転機構を備えていない既存の電線端末処理装置10においても、支柱12を立設するためのスペースを確保できれば、この既存の電線端末処理装置10に本第1実施形態の電線反転機構100を容易に後付けすることができる。
また、本第1実施形態の電線反転機構100は、基板13の下面に削設した凹溝14によって、U字形に延びる所定の軌道に沿って電線把持手段30が移動するように案内する構造である。
これにより、本第1実施形態の電線反転機構100は、既存の電線端末処理装置10に後付け可能な構造でありながら、電線把持手段30、したがって電線W1の前端部分を正確に案内して電線W1をU字形に反転させることができる。
また、本第1実施形態の電線反転機構100は、基板13に設けた電動モータ17によって回動体21を回動させるとともに、この回動体21によって駆動軸18の軸線に対し半径方向にスライド自在に旋回体23を支持し、かつこの旋回体23の移動を凹溝14および一対のローラ27a,27bによって案内しつつ、旋回体23によって電線把持手段30を支持して、U字形に延びる所定の軌道上で電線把持手段30を移動させる構造である。
これにより、本第1実施形態の電線反転機構100は、既存の電線端末処理装置10に後付け可能なものでありながら、小型で、かつ電線W1をU字形に反転させる動作を高速に実行することができる。
さらに、本第1実施形態の電線反転機構100においては、回動体21によって旋回体23を駆動軸18の軸線に対して半径方向にスライド自在に支持しているので、U字形に延びる凹溝14の各部分と駆動軸18の軸線との間の距離の変化を、滑らかに吸収することができる。
これにより、U字形に延びる凹溝14を、駆動軸18の軸線に対して所望の位置に配置することができる。
また、U字形に反転させる電線W1の前端部分を電線把持手段30が把持するときの前後方向の位置は、U字形に延びる凹溝14のうち直線状に延びる部分の任意の位置に設定することができるから、既存の電線端末処理装置10の構造に合わせて自在に調整することができる。
第2実施形態
次に図9〜図13を参照し、第2実施形態の電線反転機構について説明すると、この電線反転機構200は、図14に示した既存の電線端末処理装置10の基台11上に立設される支柱12と、この支柱12に支持されて測長供給手段1および切断手段2の上方で水平に延びる基板13とを備えている。
基板13の上面に固定された電動モータ17の駆動軸18は、基板13を貫通して下方に延び、その下端には駆動プーリ61が固定されている。
また、基板13のうち駆動軸18の後側の部分に回転自在に支持された従動軸19は、基板13を貫通して下方に延び、その下端には従動プーリ62が固定されている。
そして、駆動プーリ61と従動プーリ62には、無端状のタイミングベルト63が巻回されている。
これにより、図示されない制御手段によって電動モータ17の作動を制御すると、タイミングベルト63を長円状に延びる所定の軌道上で自在に周回させることができる。
また、図10および図11に示したように、基板13の下方には、基板13から下方に延びる支持部材64によって、平面視で略U字形に水平に延びる棒状の案内部材65が支持されている。
この案内部材65は、図13に拡大して示したように、タイミングベルト63の外周側においてタイミングベルト63と平行に延びる、第1の直線状部分65aと、円弧状部分65bと、第2の直線状部分65cとを有している。
図12に拡大して示したように、タイミングベルト63の外周面には、電線把持手段70を所定の軌道に沿って移動させるための周回体71が固定されている。
この周回体71は、タイミングベルト63の内周側に配設された固定金具72と共に、タイミングベルト63をその厚み方向に挟持するように固定されている。
そのため、駆動プーリ61および従動プーリ62には、固定金具72を受け入れるための受容部61a,62aがそれぞれ凹設されている。
周回体71の下面に固定されたアーム73には、電線W1の前端部分を把持する把持爪74と、この把持爪74の上下方向位置を調整するためのエアシリンダ75と、把持爪74を開閉するためのエアシリンダ76とが設けられている。
そして、これらのエアシリンダ75,76に圧縮空気を供給するための圧縮空気供給配管77が、基板13の配管挿通溝15を通って上方に延び、図示されない制御弁を介して圧縮空気供給源に接続されている。
さらに、基板13の上面のうち配管挿通溝15の内周側には、圧縮空気供給配管77が他の部材に干渉することを防止するための板金製プロテクタ16が立設されている。
また、アーム73のうち、案内部材65に臨む部分には、案内部材65の上面上および内周側の側面上をそれぞれ転動するローラ73a,73bが回転自在に支持されている。
さらに、アーム73の外周側の先端には、ローラ支持部材78が固定されている。
そして、このローラ支持部材78により、案内部材65の外周側の側面上および下面上それぞれ転動するローラ78a,78bが回転自在に支持されている。
これにより、電線把持手段70のアーム73は、ローラ(係合手段)73a,73b,78a,78bにより、案内部材65と上下方向および左右方向(幅方向)に係合する。
したがって、電線把持手段70は、案内部材65によって上下方向に支持されつつ、案内部材65によって案内されて所定の軌道に沿って移動することができる。
次に、本第2実施形態の電線反転機構200の作動について説明する。
図1に示したように、電線W0の前端への端子C1の圧着が完了して半完成状態の電線W1が得られ、端子C1が切断手段2に対向している状態では、この電線W1の前端部分は測長供給手段1の保持部1aによって保持されている。
このとき、図示されない制御手段によって電動モータ17を反時計方向に回動させると、電線把持手段70の把持爪74は、図11に示した第1の位置に到着する。
この第1の位置においては、把持爪74の向きは、案内部材65と、この案内部材65をその幅方向に挟持するローラ73b,78aとの係合により、前方に延びている電線W1を左右方向の挟持可能な向きに規定されている。
次いで、電線把持手段70のエアシリンダ75を作動させて把持爪74を降下させた後、エアシリンダ76を作動させて把持爪74を閉じると、把持爪74によって電線W1の前端部分を把持することができる。
その後、電動モータ17を時計方向に回動させると、電線把持手段70の把持爪74は、図11に示した第2の位置に到着する。
この第2の位置においては、把持爪74は、案内部材65と、この案内部材65をその幅方向に挟持するローラ73b,78aとの係合により、電線W1が後方に向かって延びるように電線W1の前端部分を把持するようにその向きが規定されている。
より具体的に説明すると、第2の位置における把持爪74の向きは、第1の位置における把持爪74の向きに対し180度反転している。
また、電線把持手段70の把持爪74が電線W1の前端部分を把持しつつU字形に延びる所定の軌道に沿って移動するのと同時に、測長供給手段1は、電線W1の基端部分を所定の長さだけ前方に送り出す。
これにより、電線W1は、図1に示したようにU字形に湾曲して延びることになる。
すなわち、本第2実施形態の電線反転機構200は、電線端末処理装置10の基台11に固定されて上方に延びる支柱12と、この支柱12に支持されて電線端末処理装置10の上方で水平に延びる基板13と、この基板13に支持されて所定の軌道に沿って移動する電線把持手段70とを備える構造である。
これにより、電線反転機構を備えていない既存の電線端末処理装置10においても、支柱12を立設するためのスペースを確保できれば、この既存の電線端末処理装置10に本第1実施形態の電線反転機構100を容易に後付けすることができる。
また、本第2実施形態の電線反転機構200は、基板13の下方に支持した棒状の案内部材65によって、U字形に延びる所定の軌道に沿って電線把持手段70が移動するように案内する構造である。
これにより、本第2実施形態の電線反転機構200は、既存の電線端末処理装置10に後付け可能な構造でありながら、電線把持手段70、したがって電線W1の前端部分を正確に案内して電線W1をU字形に反転させることができる。
また、本第2実施形態の電線反転機構200は、基板13に設けた電動モータ17によって一対のプーリ61,62を回動させて無端状のベルト63を周回させるとともに、このベルト63に固定した周回体71によって電線把持手段70を駆動し、かつ電線把持手段70を案内部材65によって上下方向に支持しつつその移動を案内して、U字形に延びる所定の軌道上で電線把持手段70を移動させる構造である。
これにより、本第2実施形態の電線反転機構200は、既存の電線端末処理装置に後付け可能なものでありながら、小型で、かつ電線をU字形に反転させる動作を高速に実行することができる。
また、本第2実施形態の電線反転機構200は、一対のプーリ61,62に巻回した無端状のベルト63によって電線把持手段70を駆動する構造である。
これにより、U字形に延びる所定の軌道のうち、円弧状に湾曲する部分の半径を小さくせざるを得ない場合にも、容易に対応することができる。
また、U字形に反転させる電線の前端部分を電線把持手段70が把持するときの前後方向の位置は、一対のプーリ61,62に巻回されて長円状に延びる無端状ベルト63のうち直線状に延びる部分の任意の位置に設定することができるから、既存の電線端末処理装置10の構造に合わせて自在に調整することができる。
以上、本発明の電線端末処理装置の電線反転機構の各実施形態について詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した第2実施形態の電線反転機構200においては、電線把持手段70のアーム73と案内部材65とを互いに係合させているが、周回体71と案内部材65とを互いに係合させる構造とすることもできる。
1 測長供給手段
2 切断手段
3 第1のストリップ手段
4 第1の端子圧着手段
5 第2のストリップ手段
6 第2の端子圧着手段
10 電線端末処理装置
11 基台
12 支柱
13 基板
14 凹溝(案内手段)
17 電動モータ(駆動手段)
21 回動体
23 旋回体
30 電線把持手段
32 把持爪
42 後端保持手段
44 前端保持手段
61 駆動プーリ
62 従動プーリ
63 タイミングベルト
65 案内部材
70 電線把持手段
71 周回体
73 アーム
74 把持爪
78 ローラ支持部材
100 第1実施形態の電線反転機構
200 第2実施形態の電線反転機構

Claims (5)

  1. 電線の前端部分および後端部分をそれぞれストリップして端子を圧着する電線端末処理を実行する際に、前記電線の前端部分を保持して旋回させることにより前記電線をU字形に反転させる機構であって、
    電線端末処理装置の基台に固定されて上方に延びる支柱と、
    この支柱に支持されて前記電線端末処理装置の上方で水平に延びる基板と、
    この基板に回動自在に支持されて上下方向に延びる駆動軸と、
    この駆動軸に取り付けられて前記基板の下方で回動自在な回動体と、
    前記駆動軸を正逆両方向に回動可能な、前記基板に取り付けられた駆動手段と、
    前記駆動軸の軸線に対し半径方向にスライド自在に前記回動体に取り付けられて、前記駆動軸の周りで前記回動体と一体に回動する旋回体と、
    U字形に反転させる電線のうち前端側の端子の直後の前端部分を係脱自在に把持する、前記旋回体に取り付けられて一体に旋回する電線把持手段と、
    前記電線把持手段がU字形に延びる所定の軌道に沿って移動するように前記旋回体の移動を案内する、前記基板に設けられた案内手段と、
    前記駆動手段および前記電線把持手段の作動を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする電線端末処理装置の電線反転機構。
  2. 前記案内手段は、前記基板に削設されて所定の軌道に沿って延びる凹溝と、前記旋回体に回転自在に設けられて前記凹溝の内面に係合するローラとを有することを特徴とする請求項1に記載した電線端末処理装置の電線反転機構。
  3. 前記案内手段は、前記基板に突設されて所定の軌道に沿って延びる突条と、前記旋回体に回転自在に設けられて前記突条をその幅方向に挟持するローラとを有することを特徴とする請求項1に記載した電線端末処理装置の電線反転機構。
  4. 電線の前端部分および後端部分をそれぞれストリップして端子を圧着する電線端処理を実行する際に、前記電線のうち前端側の端子の直後の前端部分を保持して旋回させることにより前記電線をU字形に反転させる機構であって、
    電線端末処理装置の基台に固定されて上方に延びる支柱と、
    この支柱に支持されて前記電線端末処理装置の上方で水平に延びる基板と、
    この基板に回動自在に支持されて上下方向に延びる駆動軸と、
    前記基板に回動自在に支持されて前記駆動軸と平行に延びる従動軸と、
    前記駆動軸および前記従動軸にそれぞれ取り付けられた一対のプーリと、
    前記一対のプーリに巻き回された無端状のベルトと、
    前記駆動軸を正逆両方向に回動可能な、前記基板に取り付けられた駆動手段と、
    前記ベルトに取り付けられて前記ベルトと一体に前記一対のプーリの周りを周回する周回体と、
    U字形に反転させる電線の前端部分を係脱自在に把持する、前記周回体に取り付けられて一体に周回する電線把持手段と、
    前記電線把持手段がU字形に延びる所定の軌道に沿って移動するように前記電線把持手段の移動を案内する、前記基板に支持されたU字形に湾曲する棒状の案内部材と、
    前記案内部材と上下方向およびその幅方向に係合して前記電線把持手段を上下方向に支持しつつその移動を案内する、前記電線把持手段に設けられた係合手段と、
    前記駆動手段および前記電線把持手段の作動を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする電線端末処理装置の電線反転機構。
  5. 前記係合手段は、前記案内部材を上下方向および幅方向に挟持する、前記周回体あるいは前記電線把持手段に回転自在に支持された複数のローラを有することを特徴とする請求項4に記載した電線端末処理装置の電線反転機構。
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