JPWO2013100163A1 - ポリカーボネート樹脂 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、耐熱性、耐沸水性、表面硬度、低吸水率に優れたポリカーボネート樹脂を提供することにある。本発明は、主たる繰り返し単位が下記式で表される単位(A)と、下記式で表される単位(B)を含み、(式中Xは、炭素数3〜20のアルキレン基または炭素数3〜20のシクロアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜20のアルキル基または炭素数3〜20のシクロアルキル基を表し、mは1〜10の整数を示す。)単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)が30/70〜99/1のポリカーボネート樹脂である。

Description

本発明は、耐熱性、耐沸水性、表面硬度、低吸水率に優れたポリカーボネート樹脂に関する。
近年、石油資源の枯渇の懸念や、地球温暖化を引き起こす空気中の二酸化炭素の増加の問題から、原料を石油に依存せず、また燃焼させても二酸化炭素を増加させないカーボンニュートラルが成り立つバイオマス資源が大きく注目を集めるようになり、ポリマーの分野においても、バイオマス資源から生産されるバイオマスプラスチックが盛んに開発されている。
バイオマスプラスチックの代表例がポリ乳酸であり、バイオマスプラスチックの中でも比較的高い耐熱性、機械特性を有するため、食器、包装材料、雑貨などに用途展開が広がりつつあるが、更に、工業材料としての可能性も検討されるようになってきた。
しかしながら、ポリ乳酸は、工業材料として使用するに当っては、その耐熱性が不足し、また生産性の高い射出成形によって成形品を得ようとすると、結晶性ポリマーとしてはその結晶性が低いため成形性が劣るという問題がある。
バイオマス資源を原料として使用し、かつ耐熱性が高い非晶性のポリカーボネート樹脂として、糖質から製造可能なエーテルジオール残基から得られる原料を用いたポリカーボネート樹脂が検討されている。特に、モノマーとしてイソソルビドを中心に用いてポリカーボネートに組み込むことが検討されてきた。イソソルビドと脂肪族ジヒドロキシ化合物とを共重合することにより、耐熱性と成形性に優れたポリカーボネート樹脂が提案されている(特許文献1、特許文献2)。しかしながら、イソソルビドを含むポリカーボネート樹脂は吸水率が高いためその成形品において吸水による寸法変化や反りが生じる。特に、ディスク材料やそれらの光学系に用いる光ピックアップレンズ、コネクターや、吸水による反りが問題になるシートなどの高精度な寸法安定性が要求される用途や、吸水と乾燥が長期に亘って繰り返される環境下での用途の成形品に対しては、使用が制限されており、低吸水率で高耐熱の樹脂が求められている。また、食品、医療・医薬品、精密電子部品などの包装などに用いられる包装材料では煮沸殺菌や加圧・加熱殺菌処理を施す必要があり、耐沸水性の高い樹脂が求められている。
また、イソソルビド単位、C14〜44脂肪族二酸単位、C14〜44脂肪族ジオール単位を含むポリカーボネートポリマーが開示されている(特許文献3、特許文献4)。しかしながら、かかるポリカーボネートポリマーは、主鎖炭素鎖数が非常に長いため、HDT(荷重たわみ温度)が低下するという問題がある。
国際公開第2004/111106号パンフレット 特開2008−24919号公報 特表2011−500925号公報 国際公開第2011/082103号パンフレット
本発明の目的は、耐熱性、耐沸水性、表面硬度に優れ、低い吸水率を有するポリカーボネート樹脂を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、共重合モノマーとして主鎖炭素数と側鎖炭素数を制御することにより、大幅に吸水率が低減できることを究明し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、主たる繰り返し単位が下記式で表される単位(A)と、
Figure 2013100163
下記式で表される単位(B)を含み、
Figure 2013100163
(式中Xは、炭素数3〜20のアルキレン基または炭素数3〜20のシクロアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜20のアルキル基または炭素数3〜20のシクロアルキル基を表し、mは1〜10の整数を示す。)
単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)が30/70〜99/1のポリカーボネート樹脂である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のポリカーボネート樹脂は、主たる繰り返し単位が、単位(A)と単位(B)とから構成される。
(単位(A))
単位(A)の具体例として、立体異性体の関係にある下記式の単位(A1)、(A2)および(A3)が例示される。
Figure 2013100163
これらは、糖質由来のエーテルジオール由来の単位であり、自然界のバイオマスからも得られる物質で、再生可能資源と呼ばれるものの1つである。単位(A1)、(A2)および(A3)は、それぞれイソソルビド、イソマンニド、イソイディッドに由来する。イソソルビドは、でんぷんから得られるD−グルコースに水添した後、脱水を受けさせることにより得られる。その他のエーテルジオールについても、出発物質を除いて同様の反応により得られる。なかでも特に、イソソルビド(1,4;3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)から誘導される単位は、製造の容易さ、耐熱性に優れることから好ましい。
(単位(B))
単位(B)は、側鎖アルキル基または側鎖シクロアルキル基を有する脂肪族ジオールから誘導される単位である。
単位(B)は、炭素数の合計が4〜12の範囲であることが好ましく、5〜10の範囲であることがより好ましい。かかる範囲であると、ポリカーボネート樹脂のHDT(荷重たわみ温度)が高く保持される。
また、単位(B)は、Xの炭素数(主鎖炭素数)と、Rの炭素数の合計(側鎖炭素数)が、下記式(i)を満足することが好ましく、下記式(i−a)を満足することがより好ましく、下記式(i−b)を満足することがさらに好ましい。下記式(i)を満足すると、耐沸水性に優れ、且つ大幅に吸水率が低減できるため好ましい。
0.3 ≦ (主鎖炭素数)/(側鎖炭素数) ≦ 8 (i)
0.4 ≦ (主鎖炭素数)/(側鎖炭素数) ≦ 5 (i−a)
0.5 ≦ (主鎖炭素数)/(側鎖炭素数) ≦ 2 (i−b)
(単位(B)中のX)
前記式(B)において、Xは炭素数3〜20のアルキレン基または炭素数3〜20のシクロアルキレン基を表す。
Xは、好ましくは炭素数3〜12のアルキレン基、より好ましくは炭素数3〜8のアルキレン基、さらに好ましくは炭素数3〜6のアルキレン基である。アルキレン基としては、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基などが挙げられる。
Xは、好ましくは炭素数3〜12のシクロアルキレン基、より好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキレン基、さらに好ましくは炭素数3〜6のシクロアルキレン基である。シクロアルキレン基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基などが挙げられる。
(単位(B)中のR)
式(B)において、Rは炭素数1〜20のアルキル基または炭素数3〜20のシクロアルキル基を表す。
Rは、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。
Rは、好ましくは炭素数3〜12のシクロアルキル基、より好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキル基である。シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
(単位(B)中のm)
式(B)において、mは1〜10の整数、好ましくは2〜8の整数、より好ましくは2〜5の整数を示す。
(単位(B)中のXが炭素数3〜20のアルキレン基のとき)
単位(B)中の、Xが炭素数3〜20のアルキレン基で、Rが炭素数1〜4のアルキル基で、mが2〜8の整数であることが好ましい。単位(B)中のXが炭素数3〜5のアルキレン基で、Rが炭素数1〜4のアルキル基で、mが1〜2の整数であることが好ましい。
単位(B)が、下記式で表される単位(Ba)であることが好ましい。
Figure 2013100163
nは2〜6の整数、好ましくは3〜5の整数である。n個あるRは各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基から選ばれる。n個あるRは各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基から選ばれる。n個あるRおよびn個あるRの内、1個若しくは2個は炭素数1〜4のアルキル基であり、他は水素原子であることが好ましい。
単位(B)中の、−X{−(R)}−は、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジイル基、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジイル基、3−メチル−1,5−ペンタンジイル基であることが好ましい。
(単位(B)中のXが炭素数3〜20のシクロアルキレン基のとき)
前記式(B)において、Xは炭素数4〜5のシクロアルキレン基で、Rは炭素数1〜10のアルキル基で、mは3〜12の整数であることが好ましい。
単位(B)が、下記式で表される単位(B1)であることが好ましい。
Figure 2013100163
、R、R、Rはそれぞれ同一または異なっていても良いアルキル基であり、R〜Rの炭素数の合計が4〜10であり、また、RとR、RとRが結合して炭素環を形成しても良い。単位(B1)中のR、R、R、Rはそれぞれ独立に、メチル基、エチル基またはプロピル基であることが好ましい。
単位(B)が、下記式で表される単位(B2)であることが好ましい。
Figure 2013100163
(組成)
本発明のポリカーボネート樹脂は、主たる繰り返し単位が単位(A)と単位(B)とからなり、単位(A)としてイソソルビド成分を有することにより、バイオマス資源を有しつつ耐熱性を高くでき、さらに単位(B)として分岐ジオールを有することで、より吸水率を低減することができたものである。
耐熱性、低吸水率、さらに耐沸水性、表面硬度のバランスに考慮して、単位(A)と単位(B)のモル比(A/B)は30/70〜99/1である。モル比(A/B)が30/70〜99/1の範囲では、鉛筆硬度が高く、吸水率が低く、さらに成形性も良好となる。
単位(A)と単位(B)のモル比(A/B)は、60/40〜95/5の範囲が好ましく、70/30〜90/10の範囲がより好ましく、75/25〜90/10の範囲がさらに好ましく、80/20〜90/10の範囲が特に好ましい。なお、モル比(A/B)が30/70より小さい場合は、生物起源物質の含有率が低くなり、モル比(A/B)が99/1より大きい場合は、吸水率が高く、流動性が悪化する。
本発明における主たる繰り返し単位とは、全繰り返し単位を基準として60モル%以上であり、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上である。また、各繰り返し単位のモル比は、日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し算出することができる。
単位(A)は、エーテル基を有する脂肪族ジオールから誘導されるものである。バイオマス資源の中でエーテル結合を有するジオールは、耐熱性および鉛筆硬度が高い材料である。エーテル基を有する脂肪族ジオールとして、立体異性体の関係にあるイソソルビド、イソマンニド、イソイディッドが挙げられる。
単位(B)は、側鎖アルキル基または側鎖シクロアルキル基を有する脂肪族ジオールから誘導される。側鎖アルキル基または側鎖シクロアルキル基を有する脂肪族ジオールとしては、1,3−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサングリコール、1,2−オクチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,3−ジイソブチル−1,3−プロパンジオール、1,12−オクタデカンジオール、2,2−ジイソアミル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−シクロヘキシル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールなどが挙げられる。
なかでも3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールが好ましく、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールが特に好ましい。これらは2種類以上併用して用いても良い。
単位(A)および単位(B)以外のその他の単位を誘導するジオール化合物としては、脂肪族ジオール化合物、脂環式ジオール化合物、芳香族ジヒドロキシ化合物のいずれでも良い。具体的には国際公開第2004/111106号パンフレット、国際公開第2011/021720号パンフレットに記載のジオール化合物やジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのオキシアルキレングリコール類が挙げられる。
脂肪族ジヒドロキシ化合物として、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1.9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のジヒドロキシ化合物が好ましい。
脂環式ジヒドロキシ化合物としては、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンからなる群より選ばれる少なくとも1種のジヒドロキシ化合物が好ましい。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、ビスフェノールM、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールAF、および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカンからなる群より選ばれる少なくとも1種のジヒドロキシ化合物が好ましい。
(ポリカーボネート樹脂の製造方法)
本発明のポリカーボネート樹脂は、通常のポリカーボネート樹脂を製造するそれ自体公知の反応手段、例えばジオール成分に炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反応させる方法により製造される。次にこれらの製造方法について基本的な手段を簡単に説明する。
カーボネート前駆物質として炭酸ジエステルを用いるエステル交換反応は、不活性ガス雰囲気下所定割合の芳香族ジヒドロキシ成分を炭酸ジエステルと加熱しながら撹拌して、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点などにより異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。また、必要に応じて末端停止剤、酸化防止剤等を加えてもよい。
エステル交換反応に使用される炭酸ジエステルとしては、置換されてもよい炭素数6〜12のアリール基、アラルキル基等のエステルが挙げられる。具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネートおよびm−クレジルカーボネート等が例示される。なかでもジフェニルカーボネートが特に好ましい。ジフェニルカーボネートの使用量は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、好ましくは0.97〜1.10モル、より好ましくは1.00〜1.06モルである。
また溶融重合法においては重合速度を速めるために、重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物、金属化合物等が挙げられる。
このような化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の、有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシド等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩等が例示される。
アルカリ土類金属化合物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、二酢酸マグネシウム、二酢酸カルシウム、二酢酸ストロンチウム、二酢酸バリウム等が例示される。
含窒素化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類が挙げられる。また、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。また、アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基あるいは塩基性塩等が例示される。
金属化合物としては亜鉛アルミニウム化合物、ゲルマニウム化合物、有機スズ化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物等が例示される。これらの化合物は1種または2種以上併用してもよい。
これらの重合触媒の使用量は、ジオール成分1モルに対し好ましくは1×10−9〜1×10−2当量、好ましくは1×10−8〜1×10−2当量、より好ましくは1×10−7〜1×10−3当量の範囲で選ばれる。
また、反応後期に触媒失活剤を添加することもできる。使用する触媒失活剤としては、公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましい。更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の塩類、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の塩類が好ましい。
またスルホン酸のエステルとして、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニル等が好ましく用いられる。なかでも、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好ましく使用される。
これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれた少なくとも1種の重合触媒を用いた場合、その触媒1モル当たり好ましくは0.5〜50モルの割合で、より好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好ましくは0.8〜5モルの割合で使用することができる。
得られるポリカーボネート樹脂の末端構造はヒドロキシ基または、炭酸ジエステル残基となる。本発明のポリカーボネート樹脂は、その特性を損なわない範囲で別途末端基を導入しても良い。かかる末端基は、モノヒドロキシ化合物を重合時に添加することにより導入することができる。モノヒドロキシ化合物としては下記式(2)または(3)で表されるヒドロキシ化合物が好ましく用いられる。
Figure 2013100163
上記式(2),(3)中、Rは炭素原子数4〜30のアルキル基、炭素原子数7〜30のアラルキル基、炭素原子数4〜30のパーフルオロアルキル基、または下記式(4)
Figure 2013100163
であり、好ましくは炭素原子数4〜20のアルキル基、炭素原子数4〜20のパーフルオロアルキル基、または上記式(4)であり、特に炭素原子数8〜20のアルキル基、または上記式(4)が好ましい。Xは単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミノ結合およびアミド結合からなる群より選ばれる少なくとも一種の結合が好ましいが、より好ましくは単結合、エーテル結合およびエステル結合からなる群より選ばれる少なくとも一種の結合であり、なかでも単結合、エステル結合が好ましい。aは1〜5の整数であり、好ましくは1〜3の整数であり、特に1が好ましい。
また、上記式(4)中、R,R,R,RおよびRは、夫々独立して炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基および炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基であり、好ましくは夫々独立して炭素原子数1〜10のアルキル基および炭素原子数6〜10のアリール基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基であり、特に夫々独立してメチル基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基が好ましい。bは0〜3の整数であり、1〜3の整数が好ましく、特に2〜3の整数が好ましい。cは4〜100の整数であり、4〜50の整数が好ましく、特に8〜50の整数が好ましい。
本発明に用いるモノヒドロキシ化合物もまた植物などの再生可能資源から得られる原料であることが好ましい。植物から得られるモノヒドロキシ化合物としては、植物油から得られる炭素数14以上の長鎖アルキルアルコール類(セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール)などが挙げられる。
(比粘度:ηSP
本発明のポリカーボネート樹脂の比粘度(ηSP)は、0.2〜1.5であることが好ましい。比粘度が0.2〜1.5のとき、強度および成形加工性が良好となる。比粘度は、より好ましくは0.2〜1.2であり、さらに好ましくは0.2〜1.0である。ポリカーボネート樹脂の比粘度が、0.2より小さいと射出成形した成形片の強度が低下しやすく、他方1.5より大きいと射出成形の際の成形加工性が低下しやすくなる。
本発明でいう比粘度は、20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求める。
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
比粘度の測定は次の要領で行うことができる。まず、ポリカーボネート樹脂をその20〜30倍重量の塩化メチレンに溶解し、可溶分をセライト濾過により採取した後、溶液を除去して十分に乾燥し、塩化メチレン可溶分の固体を得る。かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から20℃における比粘度を、オストワルド粘度計を用いて求める。
(ガラス転移温度:Tg)
本発明のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは70〜160℃、より好ましくは70〜150℃、さらに好ましくは80〜140℃であり、特に好ましくは90℃〜130℃、最も好ましくは100℃〜130℃である。Tgが70℃〜160℃であると、光学成形品として使用した際に、耐熱安定性および成形性が良好であり好ましい。ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)が、70℃より低いと成形片での耐熱性が不十分となり、また、160℃より大きいと射出成形の際の成形加工性が悪化し易くなる。ガラス転移温度(Tg)はティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、昇温速度20℃/minにて測定される。
(荷重たわみ温度:HDT)
本発明のポリカーボネート樹脂の荷重たわみ温度(HDT)は、好ましくは82〜150℃、より好ましくは85〜140℃であり、さらに好ましくは90〜130℃である。荷重たわみ温度が82〜150℃であると、成形品として使用した際の耐熱安定性および高温下で使用する用途において変形しにくく好ましい。本発明のポリカーボネート樹脂の荷重たわみ温度が、82℃より低いと耐熱性や高温下での使用が困難となり、また、150℃より大きいと射出成形の際の成形加工性が悪化し易くなる。
(鉛筆硬度)
本発明のポリカーボネート樹脂は、鉛筆硬度がF〜4Hであることが好ましい。耐傷性に優れるという点で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましい。なお、鉛筆硬度は4H以下で充分な機能を有する。鉛筆硬度は全繰り返し単位を基準として単位(B)の組成を増加させることで硬くすることができる。本発明において、鉛筆硬度とは、本発明の樹脂を特定の鉛筆硬度を有する鉛筆で樹脂を擦過した場合に擦過しても擦過痕が残らない硬さのことであり、JIS K−5600に従って測定できる塗膜の表面硬度試験に用いる鉛筆硬度を指標とすることが好ましい。鉛筆硬度は、9H、8H、7H、6H、5H、4H、3H、2H、H、F、HB、B、2B、3B、4B、5B、6Bの順で柔らかくなり、最も硬いものが9H、最も軟らかいものが6Bである。
(吸水率(Wa))
本発明のポリカーボネート樹脂の吸水率(Wa)は、好ましくは2.5%以下、より好ましくは2.2%以下である。吸水率が2.2%以下であると成形品において吸水による寸法変化や反りが低減でき好ましい。
(TW値)
本発明のポリカーボネート樹脂は、ガラス転移温度(Tg、℃)と吸水率(Wa、%)との関係が下記式(ii)を満足することが好ましく、下記式(ii−a)を満足することがより好ましい。下記式(ii)を満足すると、耐熱性に優れ、且つ低吸水率のポリカーボネート樹脂であるため好ましい。TW値の上限は特に限定されないけれども、10以下で充分である。
2.5 ≦ TW値 = Tg × 0.04 − Wa (ii)
2.6 ≦ TW値 = Tg × 0.04 − Wa (ii−a)
(光弾性定数)
本発明のポリカーボネート樹脂は、光弾性定数の絶対値が30×10−12Pa−1以下が好ましく、25×10−12Pa−1以下がより好ましく、20×10−12Pa−1以下がさらに好ましく、15×10−12Pa−1以下が特に好ましい。絶対値が30×10−12Pa−1より大きいと、応力による複屈折が大きく、位相差フィルムとして使用する場合に光抜けが起こり易くなる。
(リン系安定剤)
本発明のポリカーボネート樹脂は、さらに良好な色相かつ安定した流動性を得るため、熱安定剤を含有することが好ましい。熱安定剤としては、リン系安定剤を含有することが好ましい。リン系安定剤として、下記式(5)に示すペンタエリスリトール型ホスファイト化合物を配合することが好ましい。
Figure 2013100163
[式中R21、R22はそれぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基ないしアルキルアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数15〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリール基を示す。なお、シクロアルキル基およびアリール基は、アルキル基で置換されていてもよい。]
ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物として、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。好適には、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられる。
他のリン系安定剤としては、前記以外の各種ホスファイト化合物、ホスフェート化合物、ホスホナイト化合物およびホスホネイト化合物が挙げられる。
ホスファイト化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、およびトリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。
さらに他のホスファイト化合物としては二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイトなどを挙げることができる。
ホスフェート化合物としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることができる。好ましくはトリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートである。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられる。テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物は上記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物との併用可能であり好ましい。
ホスホネイト化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、およびベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。
リン系安定剤は、単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。少なくともペンタエリスリトール型ホスファイト化合物を有効量配合することが好ましい。リン系安定剤はポリカーボネート樹脂100重量部当たり、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.3重量部配合される。
(その他添加剤)
本発明のポリカーボネート樹脂中には、目的や用途に応じて各種の粒子を添加することができる。添加する粒子は、本発明のポリカーボネート樹脂に不活性なものであれば特に限定されないが、無機粒子、有機粒子、架橋高分子粒子、重合系内で生成させる内部粒子などを挙げることができる。これらの粒子を2種以上添加しても構わない。かかる粒子の添加量は、ポリカーボネート樹脂の全重量に対して0.01〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3重量%である。
また、本発明のポリカーボネート樹脂は、用途や必要に応じて他の熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤等の添加剤を配合することができる。また、本発明のポリカーボネート樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で他の樹脂と併用してもよい。
<成形品>
本発明のポリカーボネート樹脂からなる成形品は、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、溶液キャスティング法など任意の方法により成形される。本発明のポリカーボネート樹脂は、成形性および耐熱性に優れているので種々の成形品として利用することができる。殊に光学レンズ、光学ディスク、液晶パネル、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、コネクター、蒸着プラスチック反射鏡、ディスプレイなどの光学部品の構造材料、パソコンや携帯電話の外装や前面板などの電気電子部品、自動車のヘッドランプや窓などの自動車用途、または機能材料用途に適した成形品として有利に使用することができる。
<フィルム>
本発明のポリカーボネート樹脂からなるフィルムは、表面保護フィルム、加飾用フィルム、前面板、位相差フィルム、プラセル基板フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルム、輝度上昇フィルム、光ディスクの保護フィルム、拡散フィルム等の光学フィルムに用いられる。
光学フィルムの製造方法としては、例えば、溶液キャスト法、溶融押出法、熱プレス法、カレンダー法等公知の方法を挙げることが出来る。なかでも、溶液キャスト法、溶融押出法が好ましく、特に生産性の点から溶融押出法が好ましい。
溶融押出法においては、Tダイを用いて樹脂を押出し、冷却ロールに送る方法が好ましく用いられる。このときの樹脂温度はポリカーボネート樹脂の分子量、Tg、溶融流動特性等から決められるが、180〜350℃の範囲であり、200℃〜320℃の範囲がより好ましい。180℃より低いと粘度が高くなりポリマーの配向、応力歪みが残りやすく好ましくない。また、350℃より高いと熱劣化、着色、Tダイからのダイライン(筋)等の問題が起きやすい。
また、本発明のポリカーボネート樹脂は、有機溶媒に対する溶解性が良好なので、溶液キャスト法も適用することが出来る。溶液キャスト法の場合は、溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジオキソラン、ジオキサン等が好適に用いられる。溶液キャスト法で獲られるフィルム中の残留溶媒量は2重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以下である。残留溶媒量が2重量%を超えるとフィルムのガラス転移温度の低下が著しくなり耐熱性の点で好ましくない。
本発明のポリカーボネート樹脂を用いてなる未延伸フィルムの厚みとしては、30〜400μmの範囲が好ましく、より好ましくは40〜300μmの範囲である。かかる未延伸フィルム状物をさらに延伸して位相差フィルムとする場合には、光学フィルムの所望の位相差値、厚みを勘案して上記範囲内で適宜決めればよい。
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中「部」とは「重量部」を意味する。
実施例1〜7、比較例1〜5
実施例1〜7、比較例1〜5において使用した使用樹脂および評価方法は以下のとおりである。
1.ポリマー組成比(NMR)
日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて各繰り返し単位を測定し、ポリマー組成比(モル比)を算出した。
2.比粘度測定
20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
3.ガラス転移温度(Tg)測定
ポリカーボネート樹脂8mgを用いてティー・エイ・インスツルメント(株)製の熱分析システム DSC−2910を使用して、JIS K7121に準拠して窒素雰囲気下(窒素流量:40ml/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
4.荷重たわみ温度(HDT)測定
ポリカーボネート樹脂ペレットを、射出成形機((株)日本製鋼所製J75EIII型)によりシリンダー温度230℃、金型温度90℃、成形サイクル40秒で成形し、曲げ試験片(寸法:長さ80mm×幅10mm×厚み4mm)を成形し、温度23℃および相対湿度50%RHの雰囲気下において24時間保管した後ISO75−1および75−2に準拠して、荷重1.80MPaにて荷重たわみ温度を測定した。
5.吸水率(Wa)
吸水率は、ポリカーボネート樹脂ペレットを塩化メチレンに溶解後、塩化メチレンを蒸発させて得られたキャストフィルムを用い、100℃12時間乾燥後、25℃72時間水中に浸漬した後の重量増加を測定し、次式によって吸水率を求めた。
吸水率(%)=吸水後の樹脂重量×100/吸水前の樹脂重量
6.TW値
TW値は、次式によって求めた。
TW値=ガラス転移温度(Tg)×0.04―吸水率(Wa)
7.耐沸水試験
ペレットを日本製綱所製射出成形機J85−ELIIIを用いてシリンダー温度250℃、金型温度80℃、1分サイクルにて2mm厚成形板を成形した。この成形板を用いてプレッシャークッカー試験(蒸気雰囲気中、温度105℃で1時間曝露)を実施し、プレッシャークッカー試験後の外観を評価した。成形板が著しく白化もしくは変形した場合を×、わずかに白化もしくは変形した場合を△、白化、変形が見られなかった場合を○とした。
8.鉛筆硬度
ペレットを日本製綱所製射出成形機J85−ELIIIを用いてシリンダー温度250℃、金型温度80℃、1分サイクルにて2mm厚角板を成形し、その成形試験片を用いて、JIS K5600の基図板試験方法によって測定した。
実施例1
<ポリカーボネート樹脂の製造>
イソソルビド(以下ISSと略す)426部、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(以下BEPDと略す)83部、ジフェニルカーボネート(以下DPCと略す)750部、および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.8×10−2部と水酸化ナトリウム0.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、60℃/hrの速度で250℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行い、反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの評価結果を表1に記載した。
実施例2
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BEPDの代わりに2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール(以下DEPと略す)に変更した他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
実施例3
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS405部、DEP104部に変更した他は、実施例2と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
実施例4
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS451部、DEP55部に変更した他は、実施例2と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
実施例5
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BEPDの代わりに3−メチル−1,5−ペンタンジオール(以下MPDと略す)61部に変更した他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
実施例6
<ポリカーボネート樹脂の製造>
DEPの代わりにMPD77部に変更した他は、実施例3と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
実施例7
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS250部、MPD101部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下TMCと略す)266部に変更した他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
比較例1
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS501部、DPC749.7部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
比較例2
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS376部、1,3−プロパンジオール(以下PDと略す)65部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
比較例3
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS400部、1,5−ペンタンジオール(以下PeDと略す)71部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
比較例4
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS426部、1,6−ヘキサンジオール(以下HDと略す)118部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
比較例5
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS275部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下CHDMと略す)222部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
Figure 2013100163
表1中のBEPDは2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、DEPは2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、MPDは3−メチル−1,5−ペンタンジオール、PDは1,3−プロパンジオール、PeDは1,5−ペンタンジオール、HDは1,6−ヘキサンジオール、CHDMは1、4−シクロヘキサンジメタノール、ISSはイソソルビド誘導体を示し、繰り返し単位のジオール成分である。
実施例8〜13、比較例6〜10
実施例8〜13、比較例6〜10において使用した使用樹脂および評価方法は以下のとおりである。
1.ポリマー組成比(NMR)
日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて各繰り返し単位を測定し、ポリマー組成比(モル比)を算出した。
2.比粘度測定
20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
3.ガラス転移温度(Tg)測定
ポリカーボネート樹脂8mgを用いてティー・エイ・インスツルメント(株)製の熱分析システム DSC−2910を使用して、JIS K7121に準拠して窒素雰囲気下(窒素流量:40ml/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
4.鉛筆硬度
ペレットを日本製綱所製射出成形機J85−ELIIIを用いてシリンダー温度250℃、金型温度80℃、1分サイクルにて2mm厚角板を成形し、その成形試験片を用いて、JIS K5600の基図板試験方法によって測定した。
5.吸水率(Wa)
吸水率(Wa)は、ポリカーボネート樹脂ペレットを塩化メチレンに溶解後、塩化メチレンを蒸発させて得られた厚み200μmのキャストフィルムを用い、100℃12時間乾燥後、25℃48時間水中に浸漬した後の重量増加を測定し、次式によって吸水率を求めた。
吸水率(%)={(吸水後の樹脂重量−吸水前の樹脂重量)/吸水前の樹脂重量}×100
6.光弾性定数
光弾性定数は上記フィルムから長さ50mm、幅10mmの試験片を切り出し、日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し測定した。
7.TW値
TW値は、次式によって求めた。
TW値=ガラス転移温度(Tg)×0.04―吸水率(Wa)
8.耐沸水試験
ペレットを日本製綱所製射出成形機J85−ELIIIを用いてシリンダー温度250℃、金型温度80℃、1分サイクルにて2mm厚成形板を成形した。この成形板を用いてプレッシャークッカー試験(蒸気雰囲気中、温度105℃で1時間曝露)を実施し、プレッシャークッカー試験後の外観を評価した。成形板が著しく白化もしくは変形した場合を×、わずかに白化もしくは変形した場合を△、白化、変形が見られなかった場合を○とした。
実施例8
イソソルビド(以下ISSと略す)409部、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(以下TMCBと略す)101部、ジフェニルカーボネート(以下DPCと略す)750部、および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.8×10−2部と水酸化ナトリウム0.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、60℃/hrの速度で250℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行い、反応終了後、触媒量の2倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。評価結果を表2に記載した。
実施例9
ISS460部、TMCB50部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例8と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表2に記載した。
実施例10
ISS307部、TMCB202部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例8と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表2に記載した。
実施例11
ISS358部、TMCB76部、1,6−ヘキサンジオール(以下HDと略す)62部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例8と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表2に記載した。
実施例12
ISS358部、TMCB76部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下CHDMと略す)76部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例8と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表2に記載した。
実施例13
ISS358部、TMCB76部、ビスフェノールA(以下BPAと略す)120部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例8と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表2に記載した。
比較例6
ISS511部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例8と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表2に記載した。
比較例7
ISS435部、HD60部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例8と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表2に記載した。
比較例8
ISS307部、CHDM202部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例8と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表2に記載した。
比較例9
ISS250部、BPA391部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例8と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表2に記載した。
比較例10
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(以下BP−APと略す)145部、TMCB72部、DPC214部を原料として用いた他は、実施例8と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表2に記載した。
Figure 2013100163
発明の効果
本発明のポリカーボネート樹脂は、耐熱性、耐沸水性、表面硬度に優れ、且つ吸水率が低い。
電気・電子部品、自動車用部品等の射出成形分野、フィルム、シート分野、建材分野、ボトル、容器分野、さらには、カメラレンズ、ファインダーレンズ、CCDやCMOS用レンズなどのレンズ用途、液晶やプラズマディスプレイなどに利用される位相差フィルム、拡散シート、偏光フィルムなどのフィルム、シート、光ディスク、光学材料、光学部品、色素および電荷移動剤等を固定化するバインダー用途といった幅広い分野へ適用可能である。

Claims (13)

  1. 主たる繰り返し単位が下記式で表される単位(A)と、
    Figure 2013100163
    下記式で表される単位(B)を含み、
    Figure 2013100163
    (式中Xは、炭素数3〜20のアルキレン基または炭素数3〜20のシクロアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜20のアルキル基または炭素数3〜20のシクロアルキル基を表し、mは1〜10の整数を示す。)
    単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)が30/70〜99/1のポリカーボネート樹脂。
  2. 単位(B)は、Xの炭素数(主鎖炭素数)と、(R)の炭素数(側鎖炭素数)が、下記式(i)を満足する請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
    0.3 ≦ (主鎖炭素数)/(側鎖炭素数) ≦ 8 (i)
  3. 単位(B)は、炭素数の合計が4〜12の範囲である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  4. 単位(B)は、Rが炭素数1〜10のアルキル基であり、mが3〜12である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  5. 単位(B)が、下記式で表される単位(B1)
    Figure 2013100163
    (R、R、R、Rはそれぞれ同一または異なっていても良い炭素数1〜3のアルキル基であり、R〜Rの炭素数の合計が4〜10であり、また、RとR、RとRが結合して炭素環を形成しても良い。)
    である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  6. 単位(B)が、下記式で表される単位(B2)
    Figure 2013100163
    である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  7. 20℃の塩化メチレン溶液で測定された比粘度(ηSP)が0.2〜1.5である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  8. ガラス転移温度が70℃〜160℃である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  9. 飽和吸水率が2.5%以下である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  10. ガラス転移温度(Tg℃)と吸水率(Wa%)との関係が下記式(ii)を満足する請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
    2.5 ≦ TW値 = Tg × 0.04 − Wa (ii)
  11. 鉛筆硬度がF〜4Hである請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  12. 請求項1〜11の何れか一項に記載のポリカーボネート樹脂からなる成形品。
  13. 請求項1〜11の何れか一項に記載のポリカーボネート樹脂からなるフィルム。
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