JPWO2013100078A1 - 光ケーブル - Google Patents

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Abstract

光ケーブル1においては、チューブ20の外径ODに対する内径IDの比が0.5以下であるので、チューブ20が比較的厚肉となる。このため、例えば2mm程度の小さな曲げ半径でもって光ケーブル1を曲げた場合においても、チューブ20の曲げの内側に相当する部分のキンクが抑制される。その結果、チューブ20のキンクに起因して光ファイバ心線10が破損したり伝送ロスが増加したりすることが抑制される。

Description

本発明は、光ファイバ心線を含む光ケーブルに関する。
上記技術分野の従来の技術として、例えば、特許文献1に記載の光ケーブルが知られている。特許文献1に記載の光ケーブルは、光ファイバを被覆するシリコン樹脂製の一次被覆、及びその一次被覆をさらに被覆するLCP(液晶ポリマ)の二次被覆からなる光ファイバ心線と、その光ファイバ心線を遊動状態で収容するチューブ(ルースチューブ)とを備えている。特許文献1においては、そのような光ケーブルをテンションメンバの外周に沿って8つ配列することにより1つのケーブルを構成している。
特開昭64−74514号公報
上述したように光ファイバ心線を遊動状態でチューブに収容してなる光ケーブルにあっては、比較的小さな曲げ半径(例えば2mm程度)でもってその光ケーブルを曲げたときに、チューブを曲げた部分がキンクする場合がある。そのような場合には、チューブの内部に収容された光ファイバ心線に力が加わり、光ファイバ心線が折り曲げられて破損したり、伝送ロスが増加したりするおそれがある。
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、チューブのキンクを抑制可能な光ケーブルを提供することを課題とする。
本発明の一側面は、光ケーブルに係る。この光ケーブルは、光ファイバ心線を含む光ケーブルであって、光ファイバ心線を遊動可能に収容するチューブを備え、チューブの外径に対するチューブの内径の比は0.1以上0.5以下である、ことを特徴とする。
この光ケーブルにおいては、チューブの外径に対する内径の比(すなわち、内径/外径)が0.5以下であるので、チューブが比較的厚肉となる。このため、例えば2mm程度の小さな曲げ半径でもって光ケーブルを曲げた場合においても、チューブのキンクが抑制される。その結果、チューブのキンクに起因して光ファイバ心線が破損したり伝送ロスが増加したりすることが抑制される。なお、チューブのキンクを抑制する目的のためには、チューブの外径に対する内径の比を0.5以下の範囲で任意に小さくすることが可能であるが、光ファイバ心線を遊動可能に収容するためのスペースをチューブ内に確保するためには、チューブの内径に対する外径の比を0.1以上とすることが望ましい。
本発明の一側面に係る光ケーブルは、チューブを被覆する外被をさらに備えることができる。この場合には、外被内においてチューブのキンクが抑制される。
本発明の一側面に係る光ケーブルは、チューブと外被との間に配置された抗張力体をさらに備えることができる。或いは、本発明の一側面に係る光ケーブルは、チューブの空隙に配置された抗張力体をさらに備え、チューブと外被とは互いに密着しているものとすることができる。
また、本発明の一側面に係る光ケーブルは、チューブの外側に配置された電線をさらに備えることができる。この場合には、この電線を用いて電気信号を伝送したり電力を供給したりすることが可能となる。
このとき、本発明の一側面に係る光ケーブルにおいては、電線は、金属線と、金属線を被覆する被覆材とを含み、チューブを構成する材料の弾性率は、被覆材の弾性率よりも大きいものとすることができる。この場合には、電線がチューブを押したときに、チューブに収容されている光ファイバ心線に側圧が加わりにくい。
また、本発明の一側面に係る光ケーブルにおいては、チューブを構成する材料の弾性率は、100MPa以上2300MPa以下であるものとすることができる。この場合には、チューブのキンクを確実に抑制することができる。
さらに、本発明の一側面に係る光ケーブルは、偶数本の光ファイバ心線を含み、チューブは、偶数本の光ファイバ心線を遊動可能に収容しているものとすることができる。この場合には、上りの光信号と下りの光信号とを別々の光ファイバ心線を用いて伝搬することが可能となる。
さらに、本発明の一側面に係る光ケーブルは、光ファイバ心線を含む光ケーブルであって、光ファイバ心線を遊動可能に収容するチューブと、チューブを被覆する外被と、を備え、チューブと外被とは互いに密着しており、外被の外径に対するチューブの内径の比は0.1以上0.5以下である、ことを特徴とする。
さらに、本発明の一側面に係る光ケーブルは、チューブの空隙に配置された抗張力体をさらに備える、ことを特徴とする。
さらに、本発明の一側面に係る光ケーブルは、二枚の板で当該光ケーブルをU字状に挟み、その間隔を一定速度で荷重を加えながら縮めていったとき、降伏点が発生するのは前記二枚の板間の距離が当該光ケーブルの外径の3倍以下になってからである、ことを特徴とする。
本発明によれば、チューブのキンクを抑制可能な光ケーブルを提供することができる。
本発明に係る光ケーブルの第1実施形態の構成を示す断面図である。 本発明に係る光ケーブルの第2実施形態の構成を示す断面図である。 本発明に係る光ケーブルの第3実施形態の構成を示す断面図である。 本発明に係る光ケーブルの第4実施形態の構成を示す断面図である。 本発明に係る光ケーブルの実施例及び比較例の特性を示す表である。 U字曲げ試験の様子を模式的に示す図である。 本発明に係る光ケーブルの実施例及び比較例の特性を示すグラフである。
以下、本発明に係る光ケーブルの一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面における各部の寸法比率は、実際のものとは異なる場合がある。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る光ケーブルの第1実施形態の構成を示す断面図である。図1における断面は、光軸に直交する面に沿ってとられた断面である。図1に示されるように、光ケーブル1は、偶数本(ここでは4本)の光ファイバ心線10を含んでいる。光ケーブル1において、2本の光ファイバ心線10によって1つのチャンネルを構成すると、上りの光信号と下りの光信号とを互いに異なる光ファイバ心線10を用いて伝搬させることができる。2本1組の光ファイバ心線10で多チャンネルの信号を伝送すると、光ファイバ心線の数は偶数となる。
光ケーブル1は、偶数本の光ファイバ心線10を一括して収容するチューブ20を備えている。チューブ20は、断面略円形の空隙21を有している。チューブ20は、所謂ルースチューブであり、光ファイバ心線10に密着することなく、光ファイバ心線10を遊動可能に空隙21内に収容している。チューブ20の空隙21は、例えば、チューブ20内の光ファイバ心線10を並列配置したときの幅よりも0.2mm以上径が大きくなる程度の空隙である。
チューブ20の外径ODに対する内径IDの比(すなわち、内径ID/外径OD)は、0.1以上0.5以下である。チューブ20を構成する材料の弾性率は、例えば100MPa以上2300MPa以下である。チューブ20を構成する材料は、弾性率が上記の範囲となるように、例えば、POM等のエンジニアリングプラスチック、PTFEやPFA等のフッ素樹脂、或いはPVC等から任意に選択することができる。
光ケーブル1は、チューブ20の外側に配置された抗張力体40と、抗張力体40の外側に配置された外被30とをさらに備えている。つまり、光ケーブル1は、チューブ20と外被30との間に配置された抗張力体40を備えている。抗張力体40は、例えばケブラ等の抗張力繊維から構成することができる。抗張力体40を設けることにより、光ケーブル1が引っ張られたときの引っ張り力に抗張力体40が耐え、光ファイバ心線10や外被30やインナーチューブ(チューブ20)が引き伸ばされることがない。そして、光ケーブル1をコネクタに取り付けるときに、抗張力体40をコネクタに固定することによって、光ケーブル1が引っ張られたときの引っ張り力に抗張力体40が耐え、光ケーブル1とコネクタとの接続が維持される。
[第2実施形態]
図2は、本発明に係る光ケーブルの第2実施形態の構成を示す断面図である。図2における断面は、光軸に直交する面に沿ってとられた断面である。図2に示されるように、光ケーブル2は、複数本(ここでは6本)の電線50と、複数本(ここでは18本)のフィラー60とをさらに備える点で、第1実施形態に係る光ケーブル1と相違している。
電線50は、チューブ20の外側に配置されている。より具体的には、電線50は、チューブ20と外被30との間において、チューブ20の外面に沿って配列されている。このように、電線50をチューブ20の外側に配置すれば、光ケーブル2に側圧が加わっても電線50が光ファイバ心線10を押すことがないので、伝送ロスの増加が抑制される。電線50は、例えば、給電線や低速信号線として用いることができる。
電線50は、金属線51と、金属線51を被覆する被覆材52とを含む。被覆材52は、例えば、ポリエチレンやフッ素樹脂やEVA等から構成することができる。光ケーブル2においては、チューブ20を構成する材料の弾性率は、被覆材52を構成する材料の弾性率よりも大きい。したがって、光ケーブル2においては、チューブ20を構成する材料は、その弾性率が100MPa以上2300MPa以下の範囲において、被覆材52を構成する材料の弾性率よりも大きくなるように選択される。
このように、チューブ20の弾性率を電線50の被覆材52の弾性率よりも大きくすることによって、電線50がチューブ20を押したときに、チューブ20に収容されている光ファイバ心線10に側圧が加わりにくくなる。
フィラー60は、チューブ20の外側に配置されている。より具体的には、フィラー60は、チューブ20と外被30との間において、チューブ20の外面に沿って配列されている。フィラー60の外径と電線50の外径とは略同一である。光ケーブル2においては、抗張力体40は、チューブ20と外被30との間において電線50及びフィラー60の隙間を埋めるように設けられている。フィラー60の数は、電線50の数による。電線50がチューブ20の周囲に配置されてフィラー60を入れる空間がない場合にはフィラー60は不要である。
[第3実施形態]
図3は、本発明に係る光ケーブルの第3実施形態の構成を示す断面図である。図3における断面は、光軸に直交する面に沿ってとられた断面である。図3に示されるように、光ケーブル3は、光ファイバ心線10に代えて光ファイバテープ心線13を備える点、抗張力体70をさらに備える点、及び、外被30と抗張力体40とを備えない点で、第1実施形態に係る光ケーブル1と相違している。
光ファイバテープ心線13は、光ファイバ心線10と同様に、チューブ20に遊動可能に収容されている。光ファイバテープ心線13は、複数(例えば偶数本、ここでは4本)の光ファイバ心線が並列配置されて一体化されたものである。
抗張力体70は、チューブ20の空隙21内に配置されている。抗張力体70は、例えばケブラ等の抗張力繊維から構成することができる。抗張力体70は、チューブ20内の光ファイバテープ心線13に側圧を与えないように、6000d/mm以下程度の密度(例えば3000d/mm)でもってチューブ20の空隙21内に入れられている。このように抗張力体70を設けることによって、光ケーブル3に抗張力性を持たせることができる。
[第4実施形態]
図4は、本発明に係る光ケーブルの第4実施形態の構成を示す断面図である。図4における断面は、光軸に直交する面に沿ってとられた断面である。図4に示されるように、光ケーブル4は、抗張力体40に代えて抗張力体70を備える点で、第1実施形態に係る光ケーブル1と相違している。
特に、光ケーブル4においては、抗張力体70は、チューブ20の空隙21に配置されている。抗張力体70は、チューブ20内の光ファイバ心線10のそれぞれに側圧を与えないように、6000d/mm以下程度の密度(例えば3000d/mm)でもってチューブ20の空隙21内に入れられている。このように抗張力体70を設けることによって、光ケーブル4に抗張力性を持たせることができる。しかし、光ケーブル4に抗張力性が要求されない場合には、抗張力体70を省略して、チューブ20内に光ファイバ心線内に入れることができる。
また、光ケーブル4においては、第1実施形態に係る光ケーブル1のようにチューブ20と外被30との間に抗張力体40が介在されていない。光ケーブル4においては、チューブ20の外面が外被30の内面に密着させられている。つまり、光ケーブル4においては、チューブ20と外被30とが互いに密着している。チューブ20と外被30とが密着している光ケーブル4を曲げてもチューブ20と外被30とは動かず一体化されている。この場合、チューブ20と外被30とを合わせてチューブと見なすことができる。チューブ20と外被30とが一体化されている場合は、チューブ20の内径の外被30の外径に対する比を0.5以下とすることができる。外被30が一層の場合に限らず、二層以上でもあっても同様のことがいえる。チューブ20と外被30とが一体化されていると光ケーブル4の端部を固定するときに、チューブ20と外被30とがずれて固定が不十分になることがない。
以上説明したように、第1〜4実施形態に係る光ケーブル1〜4においては、チューブ20の外径ODに対する内径IDの比が0.5以下であるので、チューブ20が比較的厚肉となる。このため、例えば2mm程度の小さな曲げ半径でもって光ケーブル1〜4を曲げた場合においても、チューブ20の曲げの内側に相当する部分のキンクが抑制される。その結果、チューブ20のキンクに起因して光ファイバ心線10や光ファイバテープ心線13が破損したり伝送ロスが増加したりすることが抑制される。
なお、チューブ20のキンクを抑制するという目的のためには、チューブ20の外径ODに対する内径IDの比を0.1よりも小さくすることも可能であるが、光ファイバ心線10を遊動可能に収容するためのスペースをチューブ20内に確保するためには、チューブ20の外径ODに対する内径IDの比を0.1以上とすることが現実的である。チューブ20の外径ODに対する内径IDの比を0.1以上とした場合には、例えば、チューブ20の外径ODが2mmであるときに、チューブ20の内径IDが0.2mm以上となり、0.125mm〜0.18mmの外径の1本の光ファイバ心線10を遊動可能にチューブ20内に収容することが可能となる。
以上の実施形態は、本発明に係る光ケーブルの一実施形態を説明したものである。したがって、本発明に係る光ケーブルは、上述した光ケーブル1〜4に限定されない。本発明に係る光ケーブルは、各請求項の要旨を変更しない範囲において、上述した光ケーブル1〜4を任意に変形したものとすることができる。
例えば、第1〜3実施形態に係る光ケーブル1〜3においては、チューブ20の外側(例えばチューブ20と外被30との間)に、例えば金属線を編組して構成される電磁シールド層を設けることができる。電磁シールド層を設けることによって、例えばコネクタ内部の光/電気変換や電気/光変換を行う機器からの電磁ノイズが光信号に与える影響を低減することができる。
また、第1,2実施形態に係る光ケーブル1,2においては、第3実施形態に係る光ケーブル3と同様に、光ファイバ心線10に代えて光ファイバテープ心線13を適用したり、チューブ20の空隙21に抗張力体70を設けたりしてもよい。また、第4実施形態に係る光ケーブル4においても、光ファイバ心線10に代えて光ファイバテープ心線13を適用してもよい。また、第1,2,4実施形態に係る光ケーブル1,2,4においては、光ファイバ心線10の本数を、偶数本に限らず任意の本数とすることができる。さらに、第3実施形態に係る光ケーブル3においては、光ファイバテープ心線13に代えて光ファイバ心線10を適用してもよい。
以下、図5〜7を参照して、本発明に係る光ケーブルの実施例、及び比較例の特性について説明する。図5に示される実施例1〜8は、上述したチューブ20と同様のチューブに外径250μmの光ファイバ心線を遊動可能に収容してなる光ケーブルであり、比較例1〜3は、内径と外径の比が上述した範囲でないチューブに外径250μmの光ファイバ心線を遊動可能に収容してなる光ケーブルである。ここでの光ファイバ心線は、ガラスコア径80μm、樹脂クラッド径125μm、開口数0.3、被覆弾性率1000MPaといったように構成されている。なお、実施例1においてのみ、チューブの空隙(空隙21)にケブラ(抗張力体70)を充填している。
図5の表における「内径/外径比[%]」は、チューブの外径に対する内径の比を百分率で表している。また、図5の表における「U字曲げ(R=2mm)」は、図6に示されるように、実施例及び比較例の光ケーブルCを一対の板状部材PLで挟んだ状態において加重Fを加えることにより、光ケーブルCを曲げ半径R=2mmで曲げたときのチューブT及び光ファイバ心線の状態を示している。なお、ここでの曲げ半径Rは、チューブTの中心軸CAの半径としている。
図5に示されるように、チューブの弾性率が100MPa以上2300MPa以下であり、且つ、チューブの外径に対する内径の比が50%以下である実施例1〜8においては、曲げ半径R=2mmでもってU字状に曲げたとき、チューブがキンクすることなく、光ファイバ心線が光ケーブルCの長手方向に遊動可能であった(換言すれば、キンクに起因した側圧が光ファイバ心線に加わらなかった。さらに換言すれば、チューブの曲がった部分に光ファイバ心線の外径以上の空隙があった)。
これに対して、チューブの弾性率が540MPaであり、且つ、チューブの外径に対する内径の比が67%である比較例1においては、同様にU字状に曲げたとき、チューブがキンクすると共に、そのキンクに起因して光ファイバに心線に側圧が加わって光ファイバ心線が損傷し、伝送ロスが増加した。また、チューブの弾性率が100MPaであり、且つ、チューブの外径に対する内径の比が72%である比較例2においては、同様にU字状に曲げたときに、光ファイバ心線の損傷は避けられたものの、チューブがキンクして、そのキンクに起因して光ファイバ心線に側圧が加わり伝送ロスが増加した。
さらに、チューブの弾性率が2300MPaであり、且つ、チューブの外径に対する内径の比が70%である比較例3においては、同様にU字状に曲げたときに、チューブがキンクすると共に、そのキンクに起因して光ファイバ心線に側圧が加わって光ファイバ心線が損傷し、伝送ロスが増加した。以上の結果から、チューブの外径に対する内径の比を50%以下としてチューブを厚肉化することにより、曲げ半径R=2mmでU字状に曲げたときのチューブのキンクを抑制することができ、その結果、チューブのキンクに起因した側圧により光ファイバ心線が損傷したり伝送ロスが増加したりすることを抑制できると確認された。
図7は、チューブの弾性率をX軸とし、チューブの外径に対する内径の比をX軸に直交するY軸としたグラフであり、実施例1〜8及び比較例1〜3のそれぞれを対応する位置にプロットしている。図7において、直線L1は、X軸に沿って延びると共に0.1でY軸と交差する直線であり、直線L2は、X軸に沿って延びると共に0.5でY軸と交差する直線である。
チューブの外径に対する内径の比は、上述したように、チューブのキンクを抑制するという制約から0.5以下であることが望ましい。一方、チューブの外径に対する内径の比は、チューブの内部に光ファイバ心線を遊動可能に収容するという制約から0.1以上であることが望ましい。それらの制約によれば、図7のグラフにおける直線L1と直線L2との間の領域が望ましい領域である。図7のグラフにおいて直線L2よりもY軸正方向側の領域は、チューブがキンクして光ファイバ心線に側圧が加わり、光ファイバ心線が損傷したり伝送ロスが増加したりする領域である。
他方、チューブの外に電線(例えば電線50)を設ける場合には、電線がチューブを押したときに光ファイバ心線に側圧が加わることを抑制する目的から、チューブを構成する材料の弾性率を電線の被覆材の弾性率よりも大きくすることが望ましい。
(キンクの定義)
光ケーブルCを図6のように一定速度で荷重を加えていったとき2枚の板PLの距離が光ケーブルCの外径の3倍に達する前に降伏点を有することと定義した。降伏点は、ある時間の荷重を、横軸を時間、縦軸を荷重としてグラフにプロットして求めることができる。
本発明によれば、チューブのキンクを抑制可能な光ケーブルを提供することができる。
1〜4…光ケーブル、10…光ファイバ心線、13…光ファイバテープ心線、20…チューブ、30…外被、40,70…抗張力体、50…電線、ID…内径、OD…外径。

Claims (11)

  1. 光ファイバ心線を含む光ケーブルであって、
    前記光ファイバ心線を遊動可能に収容するチューブを備え、
    前記チューブの外径に対する前記チューブの内径の比は0.1以上0.5以下である、
    ことを特徴とする光ケーブル。
  2. 前記チューブを被覆する外被をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の光ケーブル。
  3. 前記チューブと前記外被との間に配置された抗張力体をさらに備える、ことを特徴とする請求項2に記載の光ケーブル。
  4. 前記チューブの空隙に配置された抗張力体をさらに備え、
    前記チューブと前記外被とは互いに密着している、ことを特徴とする請求項2に記載の光ケーブル。
  5. 前記チューブの外側に配置された電線をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ケーブル。
  6. 前記電線は、金属線と、前記金属線を被覆する被覆材とを含み、
    前記チューブを構成する材料の弾性率は、前記被覆材の弾性率よりも大きい、ことを特徴とする請求項5に記載の光ケーブル。
  7. 前記チューブを構成する材料の弾性率は、100MPa以上2300MPa以下である、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光ケーブル。
  8. 偶数本の前記光ファイバ心線を含み、
    前記チューブは、前記偶数本の前記光ファイバ心線を遊動可能に収容している、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光ケーブル。
  9. 光ファイバ心線を含む光ケーブルであって、
    前記光ファイバ心線を遊動可能に収容するチューブと、
    前記チューブを被覆する外被と、を備え、
    前記チューブと前記外被とは互いに密着しており、
    前記外被の外径に対する前記チューブの内径の比は0.1以上0.5以下である、ことを特徴とする光ケーブル。
  10. 前記チューブの空隙に配置された抗張力体をさらに備える、ことを特徴とする請求項9に記載の光ケーブル。
  11. 光ファイバ心線を収容する光ケーブルであって、二枚の板で当該光ケーブルをU字状に挟み、その間隔を一定速度で荷重を加えながら縮めていったとき、降伏点が発生するのは前記二枚の板間の距離が当該光ケーブルの外径の3倍以下になってからであることを特徴とする光ケーブル。
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