JPWO2013062089A1 - ポリアミド樹脂及びそれからなる成形品 - Google Patents

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Abstract

本発明のポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分及びジアミン成分を用いたポリアミド樹脂であって、前記ジカルボン酸成分は蓚酸化合物を含み、前記ジアミン成分はジアミン(a)及びジアミン(b)を含み、前記ジアミン(a)が炭素数2〜8のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(b)が、炭素数10〜18のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が1:99〜99:1であるため、酸化熱量が小さく耐薬品性に優れる。

Description

本発明は、ポリアミド樹脂及びそれからなる成形品に関するものである。
ナイロン6、ナイロン66などに代表される結晶性ポリアミドは、その優れた特性と溶融成形の容易さから、衣料用、産業資材用繊維、あるいは汎用のエンジニアリングプラスチックとして広く用いられている。一方、吸水による物性変化、酸、高温のアルコール、熱水中での劣化なども指摘されており、より寸法安定性、耐薬品性に優れたポリアミドへの要求が高まっている。
ジカルボン酸成分として蓚酸化合物を用いるポリアミド樹脂はポリオキサミド樹脂と呼ばれ、同じアミノ基濃度の他のポリアミド樹脂と比較して融点が高いこと、吸水率が低いことが知られ(特許文献1)、吸水による物性変化が問題となっていた従来のポリアミドが使用困難な分野での活用が期待される。
これまでに、ジアミン成分として種々の脂肪族直鎖ジアミンを用いたポリオキサミド樹脂が提案されている。例えば、非特許文献1には、ジアミン成分として1,6−ヘキサンジアミンを用いたポリオキサミド樹脂が開示されている。非特許文献2には、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミンであるポリオキサミド樹脂(以下、PA92ともいう)が開示されている。非特許文献3には、ジアミン成分が1,4−ブタンジアミンを用いたポリオキサミド樹脂が開示されている。特許文献2には、種々ジアミン成分と、ジカルボン酸エステルとして蓚酸ジブチルを用いたポリオキサミド樹脂が開示されている。特許文献3には、ジアミン成分として1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンの2種のジアミンを特定の比率で用いたポリオキサミド樹脂が開示されている。特許文献4には、種々ジアミン成分と、蓚酸を用いたポリオキサミド樹脂が開示されている。特許文献5には、ジアミン成分に炭素数2〜18のジアミンを用いたポリオキサミド樹脂が開示されている。
特開2006−57033号公報 特表平5−506466号公報 WO2008−072754公報 米国特許第2130948号 特表平5−506466号公報
S. W. Shalaby., J. Polym. Sci., 11, 1(1973) L. Franco et al., Macromolecules., 31, 3912(1998) R.J.Gaymans et al., J. Polym. Sci. Polym. Chem. Ed., 22, 137 3 (1984)
電気・電子機器、自動車のエンジン周りの部品は、高温下で使用されることがある。高温下では、酸化劣化が進みやすい。そのため、耐酸化性があるポリアミド樹脂が求められている。
しかしながら、耐酸化性のポリアミド樹脂について、特許文献1〜5、非特許文献1〜3のいずれにも開示されていない。
本発明が解決しようとする課題は、耐酸化性があるポリアミド樹脂を提供することにある。
本発明者が、鋭意検討した結果、特定ジカルボン酸成分と特定モル比の特定ジアミン成分を含むポリアミド樹脂が上記の課題を解決することを見出した。
すなわち、本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分及びジアミン成分を用いたポリアミド樹脂であって、前記ジカルボン酸成分は蓚酸化合物を含み、前記ジアミン成分はジアミン(a)及びジアミン(b)を含み、前記ジアミン(a)が炭素数2〜8のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(b)が炭素数10〜18のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が1:99〜99:1であるポリアミド樹脂である。
本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分及びジアミン成分を用いたポリアミド樹脂であって、前記ジカルボン酸成分は蓚酸化合物を含み、前記ジアミン成分はジアミン(a)及びジアミン(b)を含み、前記ジアミン(a)が炭素数2〜8のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(b)が炭素数10〜18のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が50:50〜99:1であるポリアミド樹脂である。すなわち、本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂は、第1アスペクトに係るポリアミド樹脂において、前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が50:50〜99:1に限定されたポリアミド樹脂である。
本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分及びジアミン成分を用いたポリアミド樹脂であって、前記ジカルボン酸成分は蓚酸化合物を含み、前記ジアミン成分はジアミン(a)及びジアミン(b)を含み、前記ジアミン(a)が炭素数2〜8のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(b)が炭素数10〜18のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が1:99〜50:50(ただしジアミン(a)及びジアミン(b)それぞれ50モル%を含まない)であるポリアミド樹脂である。すなわち、本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂は、第1アスペクトに係るポリアミド樹脂において、前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が1:99〜50:50(ただしジアミン(a)及びジアミン(b)それぞれ50モル%を含まない)に限定されたポリアミド樹脂である。
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂は、従来のポリアミド樹脂と比較して、酸化熱量から見積もられる酸化性が低い。また、低吸水性、耐薬品性にも優れており、産業資材、工業材料、家庭用品などの成形材料として、使用することができる。
本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂は、従来のポリアミド樹脂と比較して、融点Tmが高く、酸化熱量から見積もられる酸化性が低い。また、十分な相対粘度(ηr)(高分子量化)が達成され、分解開始温度を示す1%重量減少温度(Td)と融点(Tm)の温度差(Td−Tm)から見積もられる成形性の指標である成形可能温度幅が広く、融点(Tm)と結晶化温度(Tc)の温度差(Tm−Tc)から見積もられる溶融成形性に優れ、さらに低吸水性、耐薬品性にも優れており、産業資材、工業材料、家庭用品などの成形材料として、使用することができる。本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂からなる成形品は、耐熱性部品として提供できる。
本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂は、従来のポリアミド樹脂と比較して、分解開始温度を示す1%重量減少温度(Td)と融点(Tm)の温度差(Td−Tm)から見積もられる成形性の指標である成形可能温度幅が広く、結晶化時間が遅いためにすぐには固化しない。また、酸化熱量から見積もられる酸化性が高くなく、さらに低吸水性、耐薬品性にも優れることから、産業資材、工業材料、家庭用品などの成形材料として、使用することができる。特に、成形可能温度幅が広く、結晶化時間が遅く成形性に優れることから、本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂は、成形性が要求される部品に好適に使用できる。
[本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂]
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分及びジアミン成分を用いたポリアミド樹脂であって、前記ジカルボン酸成分は蓚酸化合物を含み、前記ジアミン成分はジアミン(a)及びジアミン(b)を含み、前記ジアミン(a)が炭素数2〜8のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(b)が炭素数10〜18のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が1:99〜99:1であるポリアミド樹脂である。
(1)本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジカルボン酸成分
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジカルボン酸成分は、蓚酸化合物を含み、その蓚酸化合物は、蓚酸そのもの及び蓚酸ジエステル等の蓚酸に由来した化合物から選択される少なくとも1種である。蓚酸化合物はアミノ基との反応性を有するものであればよい。重合温度を高くして、ポリアミド樹脂を製造する場合、蓚酸そのものを原料として使用すると、蓚酸が熱分解することもあることから、重合温度を高くして、製造する場合の蓚酸化合物は、蓚酸に由来した化合物が好ましい。
蓚酸に由来した化合物としては、重縮合反応における副反応を抑制する観点から蓚酸ジエステルが好ましい。
蓚酸ジエステルとしては、脂肪族1価アルコールの蓚酸ジエステル、脂環式アルコールの蓚酸ジエステル、及び芳香族アルコールの蓚酸ジエステルが挙げられる。
脂肪族1価アルコールの蓚酸ジエステルとしては、蓚酸ジメチル、蓚酸ジエチル、蓚酸ジn−プロピル、蓚酸ジi−プロピル、蓚酸ジn−ブチル、蓚酸ジi−ブチル及び蓚酸ジt−ブチルから選択される少なくとも1種が挙げられ、炭素原子数が3を超える脂肪族1価アルコールの蓚酸ジエステルが好ましく、蓚酸ジブチルがより好ましい。
脂環式アルコールの蓚酸ジエステルとしては、蓚酸ジシクロヘキシルが挙げられる。
芳香族アルコールの蓚酸ジエステルとしては、蓚酸ジフェニルが挙げられる。
蓚酸ジエステルとしては、炭素原子数が3を超える脂肪族1価アルコールの蓚酸ジエステル、脂環式アルコールの蓚酸ジエステル及び芳香族アルコールの蓚酸ジエステルよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、蓚酸ジブチル及び蓚酸ジフェニルから選択される少なくとも1種がより好ましく、蓚酸ジブチルがさらに好ましい。
これらの蓚酸化合物は、単独で、あるいはこれらの任意の混合物をポリオキサミドの製造時に用いることができる。
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジカルボン酸成分には、本発明の効果を損なわない範囲で蓚酸化合物以外のジカルボン酸成分を用いる事が出来る。
蓚酸化合物以外のジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン、芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸が挙げられる。
これらの蓚酸化合物以外の他のジカルボン酸成分は、単独で、あるいはこれらの任意の混合物をポリアミド樹脂の製造時に用いることができる。
さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸を蓚酸化合物以外のジカルボン酸成分の有無に関わらず、溶融成形が可能な範囲内で用いることもできる。
蓚酸化合物以外のジカルボン酸成分及び多価カルボン酸成分の総量の含有量は、蓚酸化合物を含めた全カルボン酸成分の中で50モル%未満であることが好ましく、より好ましくは20モル%以下であり、より好ましくは10モル%以下であり、さらに好ましくは5モル%以下であり、さらに好ましくは1モル%以下である。
蓚酸化合物の含有量は、蓚酸化合物を含めた全カルボン酸成分の中で50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは80モル%超であり、より好ましくは90モル%超であり、さらに好ましくは95モル%超であり、さらに好ましくは99モル%超である。
(2)本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジアミン成分
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジアミン成分は、ジアミン(a)及びジアミン(b)を含む。
ジアミン(a)とジアミン(b)のモル比は、1:99〜99:1であり、1:99〜80:20が好ましく、10:90〜80:20がより好ましく、15:85〜70:30がさらに好ましく、20:80〜70:30がさらに好ましい。
また、耐酸化性や高い融点を有する観点から、ジアミン(a)とジアミン(b)の含有量は、ポリアミド樹脂の全ジアミン成分に対し、50モル%超過であり、好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、95モル%以上がさらに好ましく、99モル%以上がさらに好ましい。
(2−1)ジアミン(a)
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジアミン(a)は、炭素数2〜8のジアミンよりなる群から選択される少なくとも1種のジアミンである。
炭素数2〜8のジアミンとしては、炭素数2〜8の脂肪族ジアミンが挙げられ、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミンから選択される少なくとも1種の脂肪族ジアミンが挙げられる。
ジアミン(a)は、得られるポリアミド樹脂の高分子量化のしやすさの観点から、炭素数4〜8のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンが好ましく、炭素数6〜8のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンがより好ましい。
炭素数4〜8のジアミンとしては、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミンなどの脂肪族ジアミンが挙げられる。
炭素数6〜8のジアミンとしては、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミンなどの脂肪族ジアミンが挙げられる。この中でも、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン及び2−メチル−1,5−ペンタンジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンが好ましく、1,6−ヘキサンジアミン及び1,8−オクタンジアミンから選択される少なくとも1種がより好ましく、1,6−ヘキサンジアミンがさらに好ましい。
(2−2)ジアミン(b)
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジアミン(b)は、炭素数10〜18のジアミンよりなる群から選択される少なくとも1種のジアミンである。
炭素数10〜18のジアミンとしては、1,10−デカンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,15−ペンタデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミンなどの脂肪族ジアミンが挙げられる。
ジアミン(b)は、得られるポリアミド樹脂の融点の観点から、炭素数10〜16のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンが好ましく、炭素数10〜14のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンがより好ましい。
炭素数10〜16のジアミンとしては、1,10−デカンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,15−ペンタデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミンなどの脂肪族ジアミンが挙げられる。
炭素数10〜14のジアミンとしては、1,10−デカンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミンなどの脂肪族ジアミンが挙げられる。この中でも、1,10−デカンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン及び1,14−テトラデカンジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンが好ましく、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン及び1,12−ドデカンジアミンから選択される少なくとも1種がより好ましく、1,10−デカンジアミン及び1,12−ドデカンジアミンから選択される少なくとも1種がさらに好ましい。
(2−3)他のジアミン成分
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジアミン成分には、本発明の効果を損なわない範囲で、他のジアミン成分を混合する事が出来る。
他のジアミン成分としては、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミンが挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、1,9−ノナンジアミン、2−メチル1,8−オクタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミンが挙げられる。
脂環式ジアミンとしては、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが挙げられる。
これらの他のジアミン成分は、単独で、あるいはこれらの任意の混合物をポリオキサミドの製造時に用いることができる。
他のジアミン成分の含有量は、前述したジアミン(a)及びジアミン(b)を含めた全ジアミン成分に対し、50モル%未満であり、好ましくは20モル%以下であり、より好ましくは10モル%以下であり、5モル%以下がさらに好ましく、1モル%以下がさらに好ましい。
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂並びに後述する第2及び第3アスペクトに係るポリアミド樹脂は、ジアミン(a)として1,6−ヘキサンジアミンを含み、ジアミン(b)として1,10−デカンジアミン及び1,12−ドデカンジアミンの少なくとも1種を含むことが好ましく、蓚酸化合物として蓚酸ジブチルを含むことがより好ましく、加えて蓚酸化合物が蓚酸ブチルであることが更に好ましい。また、第1アスペクトに係るポリアミド樹脂並びに後述する第2及び第3アスペクトに係るポリアミド樹脂は、ジアミン(a)が1,6−ヘキサンジアミンからなり、ジアミン(b)が1,10−デカンジアミン及び1,12−ドデカンジアミンの少なくとも1種からなることが好ましく、加えて蓚酸化合物として蓚酸ジブチルを含むことがより好ましく、蓚酸化合物が蓚酸ブチルであることが更に好ましい。
(3)本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂の製造
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂は、ポリアミド樹脂を製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。高分子量化及び生産性の観点から、ジアミン及び蓚酸ジエステルをバッチ式又は連続式で重縮合反応させることにより得ることが好ましい。ジアミン及び蓚酸ジエステルを前重縮合工程と後重縮合工程からなる(i)二段重合法もしくは、WO2008−072754公報記載の(ii)加圧重合法によって得ることがより好ましい。具体的には、以下の操作で示されるような(i)もしくは(ii)の重合法で合成を行うことが好ましい。
(i)二段重合法:前重縮合工程
まず反応器内を窒素置換した後、ジアミン及び蓚酸化合物を混合する。
混合する場合にジアミン及び蓚酸化合物が共に可溶な溶媒を用いても良い。ジアミン及び蓚酸化合物が共に可溶な溶媒としては、トルエン、キシレン、トリクロロベンゼン、フェノール、トリフルオロエタノールなどを用いることができ、特にトルエンを好ましく用いることができる。例えば、ジアミンを溶解したトルエン溶液を50℃に加熱した後、これに対して蓚酸化合物を加える。このとき、蓚酸化合物と上記ジアミンの仕込み比は、蓚酸化合物/上記ジアミンで、0.8〜1.5(モル比)が好ましく、0.91〜1.1(モル比)がより好ましく、0.99〜1.01(モル比)が更に好ましい。
このように仕込んだ反応器内を攪拌しながら、昇温する。温度は、最終到達温度が80〜150℃の範囲になるように制御するのが好ましく、100〜140℃の範囲がより好ましい。最終到達温度での反応時間は3時間〜6時間が好ましい。
(i)二段重合法:後重縮合工程
更に高分子量化を図るために、前重縮合工程で生成した重合物を反応器内で昇温するのが好ましい。前重縮合工程の最終到達温度から、好ましくは215℃以上320℃以下、好ましくは220℃以上315℃以下、更に好ましくは225℃以上310℃以下の温度範囲にまで昇温させる。昇温時間を含めて1〜8時間保持することが好ましく、2〜6時間保持することがより好ましい。さらに必要に応じて減圧下での重合を行うこともできる。減圧重合を行う場合の好ましい最終到達圧力は0.1MPa〜13.3Paである。
(ii)加圧重合法
まずジアミンを耐圧容器内に入れ窒素置換した後、封圧下において反応温度まで昇温する。その後、反応温度において封圧状態を保ったまま蓚酸化合物を耐圧容器内に注入し、重縮合反応を開始させる。反応温度は、ジアミンと蓚酸化合物の反応によって生じるポリアミド樹脂が、スラリー状、もしくは溶液状態を維持でき、かつ熱分解しない温度であれば特に制限されない。例えば、1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンと蓚酸ジブチルを原料とするポリアミド樹脂の場合、上記反応温度は、150℃から250℃が好ましい。ここで、蓚酸ジブチルとジアミンの仕込み比は、蓚酸ジブチルのモル量/ジアミンの総モル量で、0.8〜1.5(モル比)、好ましくは0.91〜1.1(モル比)、更に好ましくは0.99〜1.01(モル比)である。
次に耐圧容器内を封圧状態に保ちながらポリアミド樹脂の融点以上かつ熱分解しない温度以下に昇温する。例えば、1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンと蓚酸ジブチルを原料とするポリアミド樹脂の場合、融点は220〜300℃であることから、225℃以上330℃以下、好ましくは230℃以上325℃以下、更に好ましくは235℃以上320℃以下に昇温する。所定温度に到達するまでの耐圧容器内の圧力は、およそ生成するアルコールの飽和蒸気圧から0.1MPaG、好ましくは1MPaGから0.2MPaGに調整する。所定温度に到達後は、生成したアルコールを留去しながら放圧し、必要に応じて常圧窒素気流下もしくは減圧下において継続して重縮合反応を行う。減圧重合を行う場合の好ましい最終到達圧力は0.1MPa〜13.3Paである。
(4)本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂の相対粘度
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂の相対粘度は、ポリアミド樹脂濃度が1.0g/dlの96質量%濃硫酸溶液を用い、25℃で測定される。溶融成形後の成形物が脆くなり物性が低下する傾向を避けることと、溶融成形時の溶融粘度が高くなり成形加工性が悪くなる傾向を避ける観点から、本発明のポリアミド樹脂の相対粘度は、1.6〜6.0が好ましく、1.8〜5.5がより好ましく、2.0〜4.5がより好ましい。上記相対粘度の制御はジアミンとカルボン酸の組成比、又は反応温度により達成される。
(5)本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂の熱特性と吸水性
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂の酸化熱量は、耐熱性を確保する観点から、好ましくは600J/g以下、より好ましくは550J/g以下である。
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂の融点Tmは、高温下での使用の観点と固化速度が適度にして溶融成形性を確保する観点から、好ましくは200〜320℃、より好ましくは210〜300℃である。
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂の1%重量減少温度Tdは、成形可能温度幅、溶融成形性を十分に確保する観点から、好ましくは340〜410℃、より好ましくは360〜400℃である。
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂の結晶化温度Tcは、成形サイクル性、溶融成形性を十分に確保する観点から、好ましくは180〜270℃、より好ましくは190〜260℃である。
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂の成形可能温度幅を示す温度差(Td−Tm)は、好ましくは60℃以上、より好ましくは65℃以上、更に好ましくは70℃以上である。
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂の溶融成形性を示す温度差(Tm−Tc)は、成形サイクル時間を抑制し、生産性を確保する観点と、結晶化時間を適度の大きさに抑制し、成形品の物性を確保する観点から、好ましくは10〜70℃であり、より好ましくは15〜60℃である。
本発明の第1アスペクトに係る結晶化速度の指標である結晶化時間tmaxは、好ましくは1分以上、より好ましくは1〜5分、より好ましくは1.5〜5分である。
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂の飽和吸水率は、低吸水性を十分に確保する観点から、好ましくは1.5%未満である。
なお、上記の酸化熱量、融点Tm、1%重量減少温度Td、結晶化温度Tc、結晶化時間tmax及び飽和吸水率は、実施例に記載の方法によって測定することができる。
(6)本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂への配合
また、本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂には本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリアミド樹脂を混合することができる。具体的には、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミドを混合することが可能である。更に、ポリアミド以外の熱可塑性ポリマー、エラストマー、フィラーや、補強繊維、各種添加剤を同様に配合することができる。
さらに、本発明第1アスペクトにより得られるポリアミド樹脂には必要に応じて、銅化合物などの安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、ガラス繊維、可塑剤、潤滑剤などをポリアミド樹脂の製造時に添加することができ、また、製造後のポリオキサミド樹脂のペレットに直接、若しくは溶融混練により添加することもできる。
(7)本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂からなる成形品
本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂からなる成形品の成形方法としては、射出、押出、中空、プレス、ロール、発泡、真空・圧空、延伸などポリアミド樹脂に適用できる公知の成形加工法はすべて可能であり、これらの成形法によってフィルム、シート、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維、容器などの形状に加工することができ、成形品の形状は、フィルム、シート、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維又は容器の形状であることが好ましい。
(8)本発明の第1アスペクトに係るポリアミド樹脂からなる成形品の用途
本発明第1アスペクトによって得られる成形品は、従来ポリアミド成形物が用いられてきた各種成形品のシート、フィルム、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維、容器等として、自動車部品、コンピューター及びコンピュータ関連機器、光学機器部品、電気・電子機器、情報・通信機器、精密機器、土木・建築用品、医療用品、家庭用品などにおいて、使用することができる。さらに、本発明のポリオキサミド樹脂は融点が高く酸化熱量が低いことから、例えば、自動車部材、電気・電子機器の用途に好適に使用できる。
[本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂]
本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分及びジアミン成分を用いたポリアミド樹脂であって、前記ジカルボン酸成分は蓚酸化合物を含み、前記ジアミン成分はジアミン(a)及びジアミン(b)を含み、前記ジアミン(a)が炭素数2〜8のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(b)が炭素数10〜18のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が50:50〜99:1であるポリアミド樹脂である。
(1)本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジカルボン酸成分
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(2)本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジアミン成分
本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジアミン成分は、ジアミン(a)及びジアミン(b)を含む。
ジアミン(a)とジアミン(b)のモル比は、50:50〜99:1であり、ポリアミド樹脂の耐酸化性や高い融点を有する観点から、50:50〜80:20が好ましく、55:45〜80:20がより好ましく、55:45〜70:30がさらに好ましい。
また、耐酸化性や高い融点を有する観点から、ジアミン(a)とジアミン(b)の含有量は、ポリアミド樹脂の全ジアミン成分に対し、50モル%超過であり、好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、95モル%以上がさらに好ましく、99モル%以上がさらに好ましい。
(2−1)ジアミン(a)
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(2−2)ジアミン(b)
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(2−3)他のジアミン成分
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(3)本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂の製造
本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂は、ポリアミド樹脂を製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。高分子量化及び生産性の観点から、ジアミン及び蓚酸ジエステルをバッチ式又は連続式で重縮合反応させることにより得ることが好ましい。ジアミン及び蓚酸ジエステルを前重縮合工程と後重縮合工程からなる(i)二段重合法もしくは、WO2008−072754公報記載の(ii)加圧重合法によって得ることがより好ましい。具体的には、以下の操作で示されるような(i)もしくは(ii)の重合法で合成を行うことが好ましい。
(i)二段重合法:前重縮合工程
まず反応器内を窒素置換した後、ジアミン及び蓚酸化合物を混合する。
混合する場合にジアミン及び蓚酸化合物が共に可溶な溶媒を用いても良い。ジアミン及び蓚酸化合物が共に可溶な溶媒としては、トルエン、キシレン、トリクロロベンゼン、フェノール、トリフルオロエタノールなどを用いることができ、特にトルエンを好ましく用いることができる。例えば、ジアミンを溶解したトルエン溶液を50℃に加熱した後、これに対して蓚酸化合物を加える。このとき、蓚酸化合物と上記ジアミンの仕込み比は、蓚酸化合物/上記ジアミンで、0.8〜1.5(モル比)が好ましく、0.91〜1.1(モル比)がより好ましく、0.99〜1.01(モル比)が更に好ましい。
このように仕込んだ反応器内を攪拌しながら、昇温する。温度は、最終到達温度が80〜150℃の範囲になるように制御するのが好ましく、100〜140℃の範囲がより好ましい。最終到達温度での反応時間は3時間〜6時間が好ましい。
(i)二段重合法:後重縮合工程
更に高分子量化を図るために、前重縮合工程で生成した重合物を反応器内で昇温するのが好ましい。前重縮合工程の最終到達温度から、230℃以上320℃以下、好ましくは235℃以上315℃以下、更に好ましくは240℃以上310℃以下の温度範囲にまで昇温させる。昇温時間を含めて1〜8時間保持することが好ましく、2〜6時間保持することがより好ましい。さらに必要に応じて減圧下での重合を行うこともできる。減圧重合を行う場合の好ましい最終到達圧力は0.1MPa〜13.3Paである。
(ii)加圧重合法
まずジアミンを耐圧容器内に入れ窒素置換した後、封圧下において反応温度まで昇温する。その後、反応温度において封圧状態を保ったまま蓚酸化合物を耐圧容器内に注入し、重縮合反応を開始させる。反応温度は、ジアミンと蓚酸化合物の反応によって生じるポリアミド樹脂が、スラリー状、もしくは溶液状態を維持でき、かつ熱分解しない温度であれば特に制限されない。例えば、1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンと蓚酸ジブチルを原料とするポリアミド樹脂の場合、上記反応温度は、150℃から250℃が好ましい。ここで、蓚酸ジブチルとジアミンの仕込み比は、蓚酸ジブチルのモル量/ジアミンの総モル量で、0.8〜1.5(モル比)、好ましくは0.91〜1.1(モル比)、更に好ましくは0.99〜1.01(モル比)である。
次に耐圧容器内を封圧状態に保ちながらポリアミド樹脂の融点以上かつ熱分解しない温度以下に昇温する。例えば、1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンと蓚酸ジブチルを原料とするポリアミド樹脂の場合、融点は245〜300℃であることから、250℃以上330℃以下、好ましくは255℃以上325℃以下、更に好ましくは260℃以上320℃以下に昇温する。所定温度に到達するまでの耐圧容器内の圧力は、およそ生成するアルコールの飽和蒸気圧から0.1MPaG、好ましくは1MPaGから0.2MPaGに調整する。所定温度に到達後は、生成したアルコールを留去しながら放圧し、必要に応じて常圧窒素気流下もしくは減圧下において継続して重縮合反応を行う。減圧重合を行う場合の好ましい最終到達圧力は0.1MPa〜13.3Paである。
(4)本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂の相対粘度
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(5)本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂の熱特性と吸水性
本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂の酸化熱量は、耐熱性を十分に確保する観点から、好ましくは600J/g以下、より好ましくは550J/g以下である。
本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂の融点Tmは、高温下での使用の観点と固化速度が適度にして溶融成形性を確保する観点から、好ましくは270〜320℃、より好ましくは280〜300℃である。
本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂の1%重量減少温度Tdは、成形可能温度幅、溶融成形性を十分に確保する観点から、好ましくは340〜390℃、より好ましくは360〜390℃である。
本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂の結晶化温度Tcは、成形サイクル性、溶融成形性を十分に確保する観点から、好ましくは210〜270℃、より好ましくは220〜260℃である。
本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂の成形可能温度幅を示す温度差(Td−Tm)は、成形可能温度幅、溶融成形性を十分に確保する観点から、好ましくは60〜190℃、より好ましくは65〜185℃、更に好ましくは70〜180℃である。
本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂の溶融成形性を示す温度差(Tm−Tc)は、成形サイクル時間を抑制し、生産性を確保する観点と、結晶化時間を適度の大きさに抑制し、成形品の物性を確保する観点から、好ましくは20〜70℃であり、より好ましくは30〜60℃である。
本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂の飽和吸水率は、低吸水性を十分に確保する観点から、好ましくは1.5%未満である。
なお、上記の酸化熱量、融点Tm、1%重量減少温度Td、結晶化温度Tc、及び飽和吸水率は、実施例に記載の方法によって測定することができる。
(6)本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂への配合
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(7)本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂からなる成形品
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(8)本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂からなる成形品の用途
本発明の第2アスペクトによって得られる成形品は、従来ポリアミド成形物が用いられてきた各種成形品のシート、フィルム、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維、容器等として、自動車部品、コンピューター及びコンピュータ関連機器、光学機器部品、電気・電子機器、情報・通信機器、精密機器、土木・建築用品、医療用品、家庭用品などにおいて、使用することができる。さらに、本発明のポリオキサミド樹脂は融点が高く酸化熱量が低いことから、耐熱性が要求される用途、例えば、自動車部材、電気・電子機器の用途が好ましく使用でき、特に、耐熱性を要求される部品の用途に好適に使用できる。
[本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂]
本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分及びジアミン成分を用いたポリアミド樹脂であって、前記ジカルボン酸成分は蓚酸化合物を含み、前記ジアミン成分はジアミン(a)及びジアミン(b)を含み、前記ジアミン(a)が炭素数2〜8のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(b)が炭素数10〜18のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が1:99〜50:50(ただしジアミン(a)及びジアミン(b)それぞれ50モル%を含まない)であるポリアミド樹脂である。
(1)本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジカルボン酸成分
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(2)本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジアミン成分
本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂に用いられるジアミン成分は、ジアミン(a)及びジアミン(b)を含む。ジアミン(a)とジアミン(b)のモル比は、1:99〜50:50(ただしジアミン(a)及びジアミン(b)それぞれ50モル%を含まない)であり、ポリアミド樹脂の耐酸化性や広い成形可能温度幅を有する観点から、1:99〜49:51が好ましく、10:90〜42:58がより好ましく、15:85〜45:55がさらに好ましく、20:80〜45:55がさらに好ましい。
また、耐酸化性や高い融点を有する観点から、ジアミン(a)とジアミン(b)の含有量は、ポリアミド樹脂の全ジアミン成分に対し、50モル%超過であり、好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、95モル%以上がさらに好ましく、99モル%以上がさらに好ましい。
(2−1)ジアミン(a)
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(2−2)ジアミン(b)
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(2−3)他のジアミン成分
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(3)本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂の製造
本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂は、ポリアミド樹脂を製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。高分子量化及び生産性の観点から、ジアミン及び蓚酸ジエステルをバッチ式又は連続式で重縮合反応させることにより得ることが好ましい。ジアミン及び蓚酸ジエステルを前重縮合工程と後重縮合工程からなる(i)二段重合法もしくは、WO2008−072754公報記載の(ii)加圧重合法によって得ることがより好ましい。具体的には、以下の操作で示されるような(i)もしくは(ii)の重合法で合成を行うことが好ましい。
(i)二段重合法:前重縮合工程
まず反応器内を窒素置換した後、ジアミン及び蓚酸化合物を混合する。
混合する場合にジアミン及び蓚酸化合物が共に可溶な溶媒を用いても良い。ジアミン及び蓚酸化合物が共に可溶な溶媒としては、トルエン、キシレン、トリクロロベンゼン、フェノール、トリフルオロエタノールなどを用いることができ、特にトルエンを好ましく用いることができる。例えば、ジアミンを溶解したトルエン溶液を50℃に加熱した後、これに対して蓚酸化合物を加える。このとき、蓚酸化合物と上記ジアミンの仕込み比は、蓚酸化合物/上記ジアミンで、0.8〜1.5(モル比)が好ましく、0.91〜1.1(モル比)がより好ましく、0.99〜1.01(モル比)が更に好ましい。
このように仕込んだ反応器内を攪拌しながら、昇温する。温度は、最終到達温度が80〜150℃の範囲になるように制御するのが好ましく、100〜140℃の範囲がより好ましい。最終到達温度での反応時間は3時間〜6時間が好ましい。
(i)二段重合法:後重縮合工程
更に高分子量化を図るために、前重縮合工程で生成した重合物を反応器内で昇温するのが好ましい。前重縮合工程の最終到達温度から、215℃以上300℃以下、好ましくは220℃以上295℃以下、更に好ましくは225℃以上290℃以下の温度範囲にまで昇温させる。昇温時間を含めて1〜8時間保持することが好ましく、2〜6時間保持することがより好ましい。さらに必要に応じて減圧下での重合を行うこともできる。減圧重合を行う場合の好ましい最終到達圧力は0.1MPa〜13.3Paである。
(ii)加圧重合法
まずジアミンを耐圧容器内に入れ窒素置換した後、封圧下において反応温度まで昇温する。その後、反応温度において封圧状態を保ったまま蓚酸化合物を耐圧容器内に注入し、重縮合反応を開始させる。反応温度は、ジアミンと蓚酸化合物の反応によって生じるポリアミド樹脂が、スラリー状、もしくは溶液状態を維持でき、かつ熱分解しない温度であれば特に制限されない。例えば、1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンと蓚酸ジブチルを原料とするポリアミド樹脂の場合、上記反応温度は、150℃から250℃が好ましい。ここで、蓚酸ジブチルとジアミンの仕込み比は、蓚酸ジブチルのモル量/ジアミンの総モル量で、0.8〜1.5(モル比)、好ましくは0.91〜1.1(モル比)、更に好ましくは0.99〜1.01(モル比)である。
次に耐圧容器内を封圧状態に保ちながらポリアミド樹脂の融点以上かつ熱分解しない温度以下に昇温する。例えば、1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンと蓚酸ジブチルを原料とするポリアミド樹脂の場合、融点は220〜280℃であることから、225℃以上320℃以下、好ましくは230℃以上315℃以下、更に好ましくは235℃以上310℃以下に昇温する。所定温度に到達するまでの耐圧容器内の圧力は、およそ生成するアルコールの飽和蒸気圧から0.1MPaG、好ましくは1MPaGから0.2MPaGに調整する。所定温度に到達後は、生成したアルコールを留去しながら放圧し、必要に応じて常圧窒素気流下もしくは減圧下において継続して重縮合反応を行う。減圧重合を行う場合の好ましい最終到達圧力は0.1MPa〜13.3Paである。
(4)本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂の相対粘度
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(5)本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂の熱特性と吸水性
本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂の酸化熱量は、耐熱性を確保する観点から、好ましくは600J/g以下、より好ましくは550J/g以下である。
本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂の融点Tm’は、高温下での使用の観点と溶融成形性を確保する観点から、好ましくは200〜280℃、より好ましくは210〜270℃である。
本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂の1%重量減少温度Tdは、成形可能温度幅、溶融成形性を十分に確保する観点から、好ましくは340〜410℃、より好ましくは360〜400℃である。
本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂の結晶化温度Tcは、成形サイクル性、溶融成形性を十分に確保する観点から、好ましくは180〜250℃、より好ましくは190〜240℃である。
本発明の第3アスペクトに係る成形可能温度幅を示す温度差(Td−Tm’)は、成形可能温度幅、溶融成形性を十分に確保する観点から、好ましくは125℃以上、より好ましくは128℃以上、更に好ましくは130℃以上である。
本発明の第3アスペクトに係る溶融成形性を示す温度差(Tm’−Tc)は、成形サイクル時間を抑制し、生産性を確保する観点と、結晶化時間を適度の大きさに抑制し、成形品の物性を確保する観点から、好ましくは10〜40℃であり、より好ましくは15〜30℃である。
本発明の第3アスペクトに係る結晶化速度の指標である結晶化時間tmax’は、好ましくは1分以上、より好ましくは1〜5分、より好ましくは1.5〜5分である。
本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂の飽和吸水率は、低吸水性を十分に確保する観点から、好ましくは1.5%未満である。
なお、上記の酸化熱量、融点Tm’、1%重量減少温度Td、結晶化温度Tc、結晶化時間tmax’及び飽和吸水率は、実施例に記載の方法によって測定することができる。
(6)本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂への配合
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(7)本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂の成形品
第1アスペクトに係るポリアミド樹脂と同様である。
(8)本発明の第3アスペクトに係るポリアミド樹脂の成形品の用途
本発明によって得られる成形品は、従来、ポリアミド樹脂が用いられてきた各種成形品のシート、フィルム、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維、容器等として、自動車部品、コンピューター及びコンピュータ関連機器、光学機器部品、電気・電子機器、情報・通信機器、精密機器、土木・建築用品、医療用品、家庭用品などにおいて、使用することができる。さらに、本発明のポリオキサミド樹脂は融点が高く酸化熱量が低いことから、耐酸化性が要求される用途、例えば、自動車部材、電気・電子機器の用途が好ましく使用でき、特に、耐酸化性を要求される部品の用途に好適に使用できる。
[1]実施例I−1〜I−8,参考例I−1〜I−2,比較例I−1〜I−5
[物性測定、成形、評価方法]
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。なお、実施例中の相対粘度、融点、結晶化温度、結晶化時間評価、1%重量減少温度、フィルム成形及び耐酸化性評価、飽和吸水率の測定、耐薬品性、耐加水分解性の評価は以下の方法により行った。
(1)相対粘度(ηr)
オストワルド型粘度計を用いて、25℃の温水中で、96質量%硫酸を溶媒にしたポリオキサミド樹脂の濃度が1.0g/dlである溶液の相対粘度(ηr)を測定した。
(2)融点(Tm)、結晶化温度(Tc)及び温度差(Tm−Tc)
Tm及びTcは、PerkinELmer社製PYRIS Diamond DSC用いて窒素雰囲気下で測定した。30℃から280℃まで10℃/分の速度で昇温し(昇温ファーストランと呼ぶ)、280℃で5分保持したのち、30℃まで10℃/分の速度で降温し(降温ファーストランと呼ぶ)、次に280℃まで10℃/分の速度で昇温した(昇温セカンドランと呼ぶ)。得られたDSCチャートから降温ファーストランの発熱ピーク温度を結晶化温度(Tc)、昇温セカンドランの吸熱ピークの高温側ピーク端の温度を融点(Tm)とした。得られた融点(Tm)と結晶化温度(Tc)から温度差(Tm−Tc)を求めた。尚、高温下での耐久性と溶融成形性の観点から、融点(Tm)が270℃以上320℃未満のものをA、270℃未満もしくは320℃以上のものをBと評価した。
(3)結晶化時間評価
結晶化時間の測定では、(2)のDSCの昇温セカンドランで測定した、吸熱ピークの高温側ピーク端の温度(Tm)を用いた。
結晶化時間の測定は、PerkinELmer社製PYRIS Diamond DSCを用いて窒素雰囲気下で測定を行った。室温からTm+20℃まで100℃/分の速度で昇温させ、Tm+20℃で10分間保持後してポリマーを溶解後、次に500℃/分の速度でTm−20℃まで降温させ、Tm−20℃で保持し等温結晶化させた。Tm−20℃に達してから、結晶化による発熱ピークのピークトップが観測されるまでの時間をtmaxとし、この値を結晶化時間として用いた。尚、成形性の観点からtmaxの値が1分以上のものをA、1分未満のものをBと評価した。
(4)1%重量減少温度(Td)及び温度差(Td−Tm)
Tdは島津製作所社製THERMOGRAVIMETRIC ANALYZER TGA−50を用い、熱重量分析(TGA)により測定した。20ml/分の窒素気流下室温から500℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、1%重量減少温度(Td)を測定した。得られた1%重量減少温度(Td)と(2)で得られた融点(Tm)から温度差(Td−Tm)を求めた。
尚、溶融成形性の観点から、温度差(Td−Tm)が125℃以上のものをAA、60℃以上125℃未満のものをA、50℃以上60℃未満のものをB、50℃未満のものをCと評価した。
(5)フィルム成形
東邦マシナリー社製真空プレス機TMB−10を用いてフィルム成形を行った。500〜700Paの減圧雰囲気下245〜295℃で5分間加熱溶融させた後、10MPaで1分間プレスを行いフィルム成形した。次に減圧雰囲気を常圧まで戻したのち室温5MPaで1分間冷却することにより結晶化させてフィルムを得た。
(6)耐酸化性
(5)のフィルム成形で得られたフィルムに対し、セイコーインスツルメンツ社製 RDC220を用いて耐酸化性の評価を行った。セイコーインスツルメンツ社製 RDC220に得られたフィルムをセットし、100ml/分の窒素気流下で、昇温速度20℃/分で、室温から190℃まで昇温し、190℃で保持し、昇温開始から60分後に、100ml/分の酸素気流下に切り替え、フィルムの発熱量を測定した。測定された発熱量を酸化熱量とし、耐酸化性の指標として用いた。酸化することにより酸化熱量が発生することから、酸化熱量が小さい方が、耐酸化性が優れる。尚、酸化熱量は耐熱性の観点から、酸化熱量が600J/g未満のものをA、600J/g以上のものをBと評価した。
(7)飽和吸水率
(5)のフィルム成形で得られたフィルム(寸法:20mm×10mm、厚さ0.25mm;重量約0.05g)を23℃のイオン交換水に浸漬し、所定時間(30日)ごとにフィルムを取り出し、フィルムの重量を測定し、フィルム重量の増加率を算出した。3回連続してフィルム重量の増加率が0.2%の範囲内となった場合にポリアミド樹脂フィルムへの水分の吸収が飽和に達したと判断して、水に浸漬する前のフィルムの重量(Xg)と飽和に達した時のフィルムの重量(Yg)から式(1)により飽和吸水率(%)を算出した。
Figure 2013062089
(8)耐薬品性
(5)のフィルム成形で得られたフィルムを以下に列挙する薬品とその温度で7日間浸漬した後に、フィルムの重量残存率(%)及び外観の変化を観測した。使用した薬品とその温度は、37質量%濃塩酸、64質量%硫酸、30g/dl水酸化ナトリウム水溶液、5g/dl過マンガン酸カリウム水溶液が23℃、ベンジルアルコールが50℃である。
(9)耐加水分解性
(5)のフィルム成形で得られたフィルムをオートクレーブに入れ、水、0.5モル/l硫酸、1モル/l水酸化ナトリウム水溶液中でそれぞれ121℃、60分間処理した後の重量残存率(%)、及び外観変化を調べた。
[実施例I−1]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、放圧口、ポリマー取出口、及び直径1/8インチのSUS316製配管によって原料フィードポンプを直結させた原料投入口を備えた5Lの耐圧容器に、1,6−ヘキサンジアミン290g(2.5モル)と1,10−デカンジアミン430g(2.5モル)を仕込み、耐圧容器内を窒素ガスで3.0MPaGに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出し、封圧下、系内を昇温した。20分間かけて内部温度を190℃にした後、蓚酸ジブチル1011g(5.0モル)を原料フィードポンプにより流速65ml/分で反応容器内に注入した。全量注入直後の耐圧容器内の内圧は、重縮合反応により生成した1−ブタノールによって0.65MPaGまで上昇し、内部温度は197℃まで上昇した。
注入直後から生成したブタノールの留去を開始し、内圧を0.50MPaGに保持したまま、2時間かけて内部温度を260℃まで昇温させた(第1昇温工程)。内部温度が260℃に達した直後から放圧口より重縮合反応によって生成した1−ブタノールを20分間かけて抜き出した(抜出工程)。放圧後、260ml/分の窒素気流下において昇温を開始し、1時間かけて内部温度を275℃まで昇温し、275℃において1時間保持した(第2昇温工程)。その後、攪拌を止めて系内を窒素で3MPaGに加圧して10分間静置した後、内圧0.5MPaGまで放圧し、重合物を圧力容器下部より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の重合物をペレタイザーによってペレット化した。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンのモル比は、50:50である。
[実施例I−2]
(i)前重合工程:撹拌機、還流冷却器、窒素導入管、原料投入口を備えた内容積が1Lのセパラブルフラスコの内部を窒素ガスで置換し、脱水済みトルエン500ml、1,6−ヘキサンジアミン35.2g(0.30モル)、1,10−デカンジアミン34.7g(0.20モル)を仕込んだ。このセパラブルフラスコをオイルバス中に設置して50℃に昇温した後、蓚酸ジブチル102g(0.50モル)を仕込んだ。
次にオイルバスの温度を130℃まで昇温させ、還流下、5時間保持した。なお、原料仕込みから反応終了までの全ての操作は50ml/分の窒素気流下で行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた重合物を撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製反応管に仕込み、反応管内を13Pa以下の減圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを導入する操作をした後、50ml/分の窒素気流下240℃に保った塩浴に移し、直ちに昇温を開始した。1時間かけて塩浴の温度を290℃にさせた後、容器内を約66.5Paまで減圧させ、さらに2時間保持した。続いて常圧まで窒素ガスを導入したのち、塩浴から取り出し50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却して白色のポリオキサミド樹脂を得た。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンのモル比は、60:40である。
[実施例I−3]
1,6−ヘキサンジアミン406g(3.5モル)、1,10−デカンジアミン258g(1.5モル)、蓚酸ジブチル1012g(5.0モル)を用い、第1昇温工程において0.05MPaG下で280℃まで昇温させ、第2昇温工程において窒素気流下で300℃まで昇温させた以外は実施例I−1と同様に行った。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンのモル比は、70:30である。
[実施例I−4]
1,6−ヘキサンジアミン465g(4.0モル)、1,10−デカンジアミン172g(1.0モル)、蓚酸ジブチル1012g(5.0モル)を用い、第1昇温工程において0.05MPaG下で295℃まで昇温させ、第2昇温工程において窒素気流下で310℃まで昇温させた以外は実施例I−1と同様に行った。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンのモル比は、80:20である。
[実施例I−5]
1,6−ヘキサンジアミン290g(2.5モル)、1,12−ドデカンジアミン501g(2.5モル)、蓚酸ジブチル1012g(5.0モル)を用い、第1昇温工程において0.05MPaG下で260℃まで昇温させ、第2昇温工程において窒素気流下で280℃まで昇温させた以外は実施例I−1と同様に行った。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,12−デカンジアミンのモル比は、50:50である。
[実施例I−6]
(i)前重縮合工程:1,6−ヘキサンジアミン40.7g(0.35モル)、1,12−ドデカンジアミン30.1g(0.15モル)、蓚酸ジブチル102g(0.50モル)を仕込んだ以外は実施例I−2と同様に行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた重合物を撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製反応管に仕込み、反応管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを導入する操作をした後、50ml/分の窒素気流下240℃に保った塩浴に移し、直ちに昇温を開始した。1時間かけて塩浴の温度を310℃とした後、容器内を約66.5Paまで減圧し、さらに2時間保持した。続いて常圧まで窒素ガスを導入したのち、塩浴から取り出し50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却してポリアミド樹脂を得た。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,12−ドデカンジアミンのモル比は、70:30である。
[実施例I−7]
1,6−ヘキサンジアミン232g(2.0モル)、1,10−デカンジアミン517g(3.0モル)、蓚酸ジブチル1012g(5.0モル)を用い、第1昇温工程において0.05MPaG下で220℃まで昇温させ、第2昇温工程において窒素気流下で240℃まで昇温させた以外は実施例I−1と同様に行った。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンのモル比は、40:60である。
[実施例I−8]
1,6−ヘキサンジアミン232g(2.0モル)、1,12−ドデカンジアミン601g(3.0モル)、蓚酸ジブチル1012g(5.0モル)を用い、第1昇温工程において0.05MPaG下で215℃まで昇温させ、第2昇温工程において窒素気流下で235℃まで昇温させた以外は実施例I−1と同様に行った。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,12−ドデカンジアミンのモル比は、40:60である。
[比較例I−1]
(i)前重縮合工程:内容積が300mlのセパラブルフラスコを用い、脱水済みトルエン100ml、1,6−ヘキサンジアミン15.5g(0.13モル)、蓚酸ジブチル27.1g(0.13モル)を仕込んだ以外は実施例I−2と同様に行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた重合物を撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製反応管に仕込み、反応管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを導入する操作をした後、50ml/分の窒素気流下210℃に保った塩浴に移し、直ちに昇温を開始した。1時間かけて塩浴の温度を340℃とした後、さらに2時間保持した。その後、塩浴から取り出し窒素気流下で室温まで冷却して白色粉末のポリアミドを得た。この粉末は、プレス成形によるフィルムの作製が困難であり、酸化性評価はできなかった。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンのモル比は、100:0である。
[参考例I−1]
(i)前重縮合工程:内容積が500mlのセパラブルフラスコを用い、脱水済みトルエン200ml、1,10−デカンジアミン36.2g(0.21モル)、蓚酸ジブチル42.5g(0.21モル)を仕込んだ以外は実施例I−2と同様に行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた重合物を撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製反応管に仕込み、反応管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを導入する操作をした後、50ml/分の窒素気流下210℃に保った塩浴に移し、直ちに昇温を開始した。1時間かけて塩浴の温度を285℃とし、さらに2時間保持した。塩浴から取り出し50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却してポリオキサミド樹脂を得た。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンのモル比は、0:100である。
[参考例I−2]
(i)前重縮合工程:内容積が500mlのセパラブルフラスコを用い、脱水済みトルエン200ml、1,12−ドデカンジアミン42.1g(0.21モル)、蓚酸ジブチル42.5g(0.21モル)を仕込んだ以外は実施例I−2と同様に行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた重合物を撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製反応管に仕込み、反応管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを導入する操作をした後、50ml/分の窒素気流下210℃に保った塩浴に移し、直ちに昇温を開始した。1時間かけて塩浴の温度を265℃とし、さらに2時間保持した。塩浴から取り出し50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却してポリオキサミド樹脂を得た。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,12−ドデカンジアミンのモル比は、0:100である。
[比較例I−2]
(i)前重縮合工程:1,9−ノナンジアミン4.8g(0.03モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン75.4g(0.47モル)、蓚酸ジブチル102g(0.50モル)を仕込んだ以外は実施例I−2と同様に行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた重合物を撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製反応管に仕込み、反応管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを導入する操作をした後、50ml/分の窒素気流下210℃に保った塩浴に移し、直ちに昇温を開始した。1時間かけて塩浴の温度を260℃とした後、容器内を約66.5Paまで減圧し、さらに2時間保持した。続いて常圧まで窒素ガスを導入したのち、塩浴から取り出し50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却してポリアミド樹脂を得た。
実施例I−1〜I−8、参考例I−1〜I−2及び比較例I−1〜I−2より得られたポリアミド樹脂のジアミン組成、相対粘度(ηr)、融点(Tm)、結晶化温度(Tc)、1%重量減少温度(Td)、温度差(Tm−Tc)、成形可能温度幅(Td−Tm)、酸化熱量を表I−1及び表I−2に示す。また、実施例I−1〜I−6より得られたポリアミド樹脂の飽和吸水量を表I−3に示す。さらに、実施例I−1より得られたポリアミド樹脂の耐薬品性を表I−4に示し、耐加水分解性を表I−5に示す。
Figure 2013062089
Figure 2013062089
表I−1及び表I−2より、実施例I−1からI−6で得られたポリアミド樹脂は、実施例I−7、実施例I−8、参考例I−1、参考例I−2、比較例I−2に比べて融点が高い。また実施例I−1からI−6で得られたポリアミド樹脂は、比較例I−2に比べて小さい酸化熱量を示すことから耐酸化性が優れる。本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂は、融点が高く、耐酸化性が優れ、耐熱性に優れる。
[比較例I−3]
本発明で得られるポリアミド樹脂に替えてナイロン6(宇部興産製、UBEナイロン 1015B)を用いてフィルムを成形した。得られたナイロン6のフィルムは無色透明のフィルムであった。このフィルムの飽和吸水率、耐薬品性、耐加水分解性を評価した。結果を表I−3、I−4及びI−5にそれぞれ示す。
[比較例I−4]
本発明で得られるポリアミド樹脂に替えてナイロン66(宇部興産製、UBEナイロン 2020B)を用いてフィルムを成形した。得られたナイロン66のフィルムは無色透明のフィルムであった。このフィルムの飽和吸水を評価した。結果を表I−3に示す。
[比較例I−5]
本発明で得られるポリアミド樹脂に替えてナイロン12(宇部興産製、UBESTA 3014U)を用いてフィルムを成形した。得られたナイロン12のフィルムは無色透明のフィルムであった。このフィルムの飽和吸水率、耐薬品性を評価した。結果を表I−3及びI−4にそれぞれ示す。
表I−3、I−4及びI−5から、本発明の第2アスペクトに係るポリアミド樹脂はナイロン6、ナイロン66や12と比較して低吸水であり、耐薬品性、耐加水分解性に優れる。
Figure 2013062089
Figure 2013062089
Figure 2013062089
[2]実施例II−1〜II−7,参考例II−1〜II−2,比較例II−1〜II−5
[物性測定、成形、評価方法]
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。なお、実施例中の相対粘度、融点、結晶化温度、結晶化時間評価、1%重量減少温度、フィルム成形及び耐酸化性評価、飽和吸水率の測定、耐薬品性、耐加水分解性の評価は以下の方法により行った。
(1)相対粘度(ηr)
上記[1]と同様にして測定した。
(2)融点(Tm’)、結晶化温度(Tc)及び温度差(Tm’−Tc)
Tm’及びTcは、PerkinELmer社製PYRIS Diamond DSC用いて窒素雰囲気下で測定した。30℃から280℃まで10℃/分の速度で昇温し(昇温ファーストランと呼ぶ)、280℃で5分保持したのち、30℃まで10℃/分の速度で降温し(降温ファーストランと呼ぶ)、次に280℃まで10℃/分の速度で昇温した(昇温セカンドランと呼ぶ)。得られたDSCチャートから降温ファーストランの発熱ピーク温度を結晶化温度(Tc)、昇温セカンドランの吸熱ピーク温度を融点(Tm’)とした。得られた融点(Tm’)と結晶化温度(Tc)から温度差(Tm’−Tc)を求めた。尚、高温下での耐久性と溶融成形性の観点から、融点(Tm’)が270℃以上320℃未満のものをA、270℃未満もしくは320℃以上のものをBと評価した。
(3)結晶化時間評価
以下の結晶化時間の測定では、(2)のDSCの昇温セカンドラン吸熱ピーク温度(Tm’)を用いた。
結晶化時間の測定は、PerkinELmer社製PYRIS Diamond DSCを用いて窒素雰囲気下で測定を行った。室温からTm’+20℃まで100℃/分の速度で昇温させ、Tm’+20℃で10分間保持後してポリマーを溶解後、次に500℃/分の速度でTm’−20℃まで降温させ、Tm’−20℃で保持し等温結晶化させた。Tm’−20℃に達してから、結晶化による発熱ピークのピークトップが観測されるまでの時間をtmax’とし、この値を結晶化時間として用いた。尚、成形性の観点からtmax’の値が1分以上のものをA、1分未満のものをBと評価した。
(4)1%重量減少温度(Td)及び温度差(Td−Tm’)
Tdは島津製作所社製THERMOGRAVIMETRIC ANALYZER TGA−50を用い、熱重量分析(TGA)により測定した。20ml/分の窒素気流下室温から500℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、1%重量減少温度(Td)を測定した。得られた1%重量減少温度(Td)と(2)で得られた融点(Tm’)から温度差(Td−Tm’)を求めた。
尚、溶融成形性の観点から、温度差(Td−Tm’)が125℃以上のものをAA、60℃以上125℃未満のものをA、50℃以上60℃未満のものをB、50℃未満のものをCと評価した。
(5)フィルム成形
上記[1]と同様にして測定した。
(6)耐酸化性
上記[1]と同様にして測定した。
(7)飽和吸水率
上記[1]と同様にして測定した。
(8)耐薬品性
上記[1]と同様にして測定した。
(9)耐加水分解性
上記[1]と同様にして測定した。
[実施例II−1]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、放圧口、ポリマー取出口、及び直径1/8インチのSUS316製配管によって原料フィードポンプを直結させた原料投入口を備えた5Lの耐圧容器に、1,6−ヘキサンジアミン232g(2.0モル)と1,10−デカンジアミン517g(3.0モル)を仕込み、耐圧容器内を窒素ガスで3.0MPaGに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出し、封圧下、系内を昇温した。20分間かけて内部温度を190℃にした後、蓚酸ジブチル1011g(5.0モル)を原料フィードポンプにより流速65ml/分で反応容器内に注入した。全量注入直後の耐圧容器内の内圧は、重縮合反応により生成した1−ブタノールによって0.65MPaGまで上昇し、内部温度は197℃まで上昇した。
注入直後から生成したブタノールの留去を開始し、内圧を0.50MPaGに保持したまま、2時間かけて内部温度を260℃まで昇温させた(第1昇温工程)。内部温度が260℃に達した直後から放圧口より重縮合反応によって生成した1−ブタノールを20分間かけて抜き出した(抜出工程)。放圧後、260ml/分の窒素気流下において昇温を開始し、1時間かけて内部温度を245℃まで昇温し、245℃において1時間保持した(第2昇温工程)。その後、攪拌を止めて系内を窒素で3MPaGに加圧して10分間静置した後、内圧0.5MPaGまで放圧し、重合物を圧力容器下部より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の重合物をペレタイザーによってペレット化した。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンのモル比は、40:60である。
[実施例II−2]
(i)前重合工程:撹拌機、還流冷却器、窒素導入管、原料投入口を備えた内容積が1Lのセパラブルフラスコの内部を窒素ガスで置換し、脱水済みトルエン500ml、1,6−ヘキサンジアミン11.6g(0.10モル)、1,10−デカンジアミン68.9g(0.40モル)を仕込んだ。このセパラブルフラスコをオイルバス中に設置して50℃に昇温した後、蓚酸ジブチル101g(0.50モル)を仕込んだ。
次にオイルバスの温度を130℃まで昇温させ、還流下、5時間保持した。なお、原料仕込みから反応終了までの全ての操作は50ml/分の窒素気流下で行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた重合物を撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製反応管に仕込み、反応管内を13Pa以下の減圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを導入する操作をした後、50ml/分の窒素気流下210℃に保った塩浴に移し、直ちに昇温を開始した。1時間かけて塩浴の温度を250℃にさせた後、容器内を約66.5Paまで減圧させ、さらに2時間保持した。続いて常圧まで窒素ガスを導入したのち、塩浴から取り出し50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却して白色のポリオキサミド樹脂を得た。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンのモル比は、20:80である。
[実施例II−3]
1,6−ヘキサンジアミン29.1g(0.25モル)、1,10−デカンジアミン818g(4.75モル)、蓚酸ジブチル1011g(5.0モル)を用い、第1昇温工程において0.05MPaG下で260℃まで昇温させ、第2昇温工程において窒素気流下で275℃まで昇温させた以外は実施例II−1と同様に行った。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンのモル比は、5:95である。
[実施例II−4]
1,6−ヘキサンジアミン232g(2.0モル)、1,12−ドデカンジアミン601g(3.0モル)、蓚酸ジブチル1012g(5.0モル)を用い、第1昇温工程において0.05MPaG下で215℃まで昇温させ、第2昇温工程において窒素気流下で235℃まで昇温させた以外は実施例II−1と同様に行った。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,12−デカンジアミンのモル比は、40:60である。
[実施例II−5]
(i)前重縮合工程:1,6−ヘキサンジアミン11.6g(0.1モル)、1,12−ドデカンジアミン80.1g(0.4モル)、蓚酸ジブチル101g(0.50モル)を仕込んだ以外は実施例II−2と同様に行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた重合物を撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製反応管に仕込み、反応管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを導入する操作をした後、50ml/分の窒素気流下210℃に保った塩浴に移し、直ちに昇温を開始した。1時間かけて塩浴の温度を245℃とした後、容器内を約66.5Paまで減圧し、さらに2時間保持した。続いて常圧まで窒素ガスを導入したのち、塩浴から取り出し50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却してポリアミド樹脂を得た。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,12−ドデカンジアミンのモル比は、20:80である。
[実施例II−6]
1,6−ヘキサンジアミン291g(2.5モル)と1,10−デカンジアミン431g(2.5モル)、蓚酸ジブチル1011g(5.0モル)を用い、第1昇温工程において0.05MPaG下で260℃まで昇温させ、第2昇温工程において窒素気流下で280℃まで昇温させた以外は実施例II−1と同様に行った。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンのモル比は、50:50である。
[実施例II−7]
1,6−ヘキサンジアミン291g(2.5モル)と1,12−ドデカンジアミン501g(2.5モル)、蓚酸ジブチル1012g(5.0モル)を用い、第1昇温工程において0.05MPaG下で260℃まで昇温させ、第2昇温工程において窒素気流下で275℃まで昇温させた以外は実施例II−1と同様に行った。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,12−ドデカンジアミンのモル比は、50:50である。
[比較例II−1]
(i)前重縮合工程:内容積が300mlのセパラブルフラスコを用い、脱水済みトルエン100ml、1,6−ヘキサンジアミン15.5g(0.13モル)、蓚酸ジブチル27.1g(0.13モル)を仕込んだ以外は実施例II−2と同様に行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた重合物を撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製反応管に仕込み、反応管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを導入する操作をした後、50ml/分の窒素気流下210℃に保った塩浴に移し、直ちに昇温を開始した。1時間かけて塩浴の温度を340℃とした後、さらに2時間保持した。その後、塩浴から取り出し窒素気流下で室温まで冷却して白色粉末のポリアミド樹脂を得た。この粉末は、プレス成形によるフィルムの作製が困難であり、酸化性評価はできなかった。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンのモル比は、100:0である。
[参考例II−1]
(i)前重縮合工程:内容積が500mlのセパラブルフラスコを用い、脱水済みトルエン200ml、1,10−デカンジアミン36.2g(0.21モル)、蓚酸ジブチル42.5g(0.21モル)を仕込んだ以外は実施例II−2と同様に行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた重合物を撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製反応管に仕込み、反応管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを導入する操作をした後、50ml/分の窒素気流下210℃に保った塩浴に移し、直ちに昇温を開始した。1時間かけて塩浴の温度を285℃とし、さらに2時間保持した。塩浴から取り出し50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却してポリオキサミド樹脂を得た。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,10−デカンジアミンのモル比は、0:100である。
[参考例II−2]
(i)前重縮合工程:内容積が500mlのセパラブルフラスコを用い、脱水済みトルエン200ml、1,12−ドデカンジアミン42.1g(0.21モル)、蓚酸ジブチル42.5g(0.21モル)を仕込んだ以外は実施例II−2と同様に行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた重合物を撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製反応管に仕込み、反応管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを導入する操作をした後、50ml/分の窒素気流下210℃に保った塩浴に移し、直ちに昇温を開始した。1時間かけて塩浴の温度を265℃とし、さらに2時間保持した。塩浴から取り出し50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却してポリオキサミド樹脂を得た。得られたポリオキサミド樹脂の1,6−ヘキサンジアミンと1,12−ドデカンジアミンのモル比は、0:100である。
[比較例II−2]
(i)前重縮合工程:1,9−ノナンジアミン4.8g(0.03モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン75.4g(0.47モル)、蓚酸ジブチル102g(0.50モル)を仕込んだ以外は実施例II−2と同様に行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた重合物を撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製反応管に仕込み、反応管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを導入する操作をした後、50ml/分の窒素気流下210℃に保った塩浴に移し、直ちに昇温を開始した。1時間かけて塩浴の温度を260℃とした後、容器内を約66.5Paまで減圧し、さらに2時間保持した。続いて常圧まで窒素ガスを導入したのち、塩浴から取り出し50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却してポリアミド樹脂を得た。
実施例II−1〜II−7、参考例II−1〜II−2及び比較例II−1〜II−2より得られたポリアミド樹脂のジアミン組成、相対粘度(ηr)、融点(Tm’)、結晶化温度(Tc)、1%重量減少温度(Td)、温度差(Tm’−Tc)、成形可能温度幅(Td−Tm’)、酸化熱量を表II−1及び表II−2に示す。また、実施例II−1〜II−5より得られたポリアミド樹脂の飽和吸水量を表II−3に示す。さらに、実施例II−1より得られたポリアミド樹脂の耐薬品性を表II−4に示し、耐加水分解性を表II−5に示す。
Figure 2013062089
Figure 2013062089
表II−1及び表II−2より、実施例II−1からII−5で得られたポリアミド樹脂は、実施例II−6、実施例II−7、比較例I−1、比較例I−2に比べて成形可能温度幅が広い。また実施例II−1からII−5で得られたポリアミド樹脂は、比較例II−1、参考例II−1、参考例II−2に比べて結晶化時間が長い。また実施例II−1からII−5で得られたポリアミド樹脂は、比較例II−2に比べて小さい酸化熱量を示すことから耐酸化性が優れる。本発明の第3のアスペクトに係るポリアミド樹脂は、耐酸化性を有し、成形性に優れる。
[比較例II−3]
本発明で得られるポリアミド樹脂に替えてナイロン6(宇部興産製、UBEナイロン 1015B)を用いてフィルムを成形した。得られたナイロン6のフィルムは無色透明のフィルムであった。このフィルムの飽和吸水率、耐薬品性、耐加水分解性を評価した。結果を表II−3、II−4及びII−5にそれぞれ示す。
[比較例II−4]
本発明で得られるポリアミド樹脂に替えてナイロン66(宇部興産製、UBEナイロン 2020B)を用いてフィルムを成形した。得られたナイロン66のフィルムは無色透明のフィルムであった。このフィルムの飽和吸水を評価した。結果を表II−3にそれぞれ示す。
[比較例II−5]
本発明で得られるポリアミド樹脂に替えてナイロン12(宇部興産製、UBESTA 3014U)を用いてフィルムを成形した。得られたナイロン12のフィルムは無色透明のフィルムであった。このフィルムの飽和吸水率、耐薬品性を評価した。結果を表II−3及びII−4にそれぞれ示す。
表II−3、II−4及びII−5から、本発明のポリアミド樹脂はナイロン6、ナイロン66や12と比較して低吸水であり、耐薬品性、耐加水分解性に優れる。
Figure 2013062089
Figure 2013062089
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本発明のポリアミド樹脂は、産業資材、工業材料、家庭用品などの成形材料として好適に使用することができる。たとえば、シート、フィルム、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維等の各種成形品として、自動車部品、コンピュータ及びコンピュータ関連機器、光学機器部材、電気・電子機器、情報・通信関連機器、精密機器、土木・建築用品、医療用品、家庭用品等の成形材料として使用できる。
中でも第2アスペクトに係るポリアミド樹脂は、耐熱性に優れるため、耐熱性を要求される、熱殺菌を必要とする包装材料、自動車のエンジン回りの成形材料、ハンダ耐熱性を有する電気・電子材料等の成形材料として好適に使用できる。
また、中でも、第3アスペクトに係るポリアミド樹脂は、結晶化時間が遅い特性を生かし、押出成形品の成形材料として好適に使用できる。

Claims (13)

  1. ジカルボン酸成分及びジアミン成分を用いたポリアミド樹脂であって、
    前記ジカルボン酸成分は蓚酸化合物を含み、
    前記ジアミン成分はジアミン(a)及びジアミン(b)を含み、
    前記ジアミン(a)が炭素数2〜8のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、
    前記ジアミン(b)が、炭素数10〜18のジアミンからなる群より選択される少なくとも1種のジアミンであり、
    前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が1:99〜99:1であるポリアミド樹脂。
  2. 96質量%硫酸を溶媒とするポリアミド樹脂の濃度が1.0g/dlである溶液を用いて25℃で測定した相対粘度が1.6〜6.0である請求項1に記載のポリアミド樹脂。
  3. 酸化熱量が600J/g以下である請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂。
  4. 前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が50:50〜99:1である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂。
  5. 前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が50:50〜80:20である請求項4に記載のポリアミド樹脂。
  6. 融点が270〜320℃である請求項4又は5に記載のポリアミド樹脂。
  7. 前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が1:99〜50:50(ただし、ジアミン(a)及びジアミン(b)それぞれ50モル%を含まない)である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂。
  8. 前記ジアミン(a)と前記ジアミン(b)のモル比が15:85〜45:55である請求項7に記載のポリアミド樹脂。
  9. ポリアミド樹脂の1%重量現象温度Tdからポリアミド樹脂の融点Tm’を差し引いた値である成形可能温度幅(温度差:Td−Tm)が125℃以上である請求項7又は8に記載のポリアミド樹脂。
  10. 結晶化時間の指標であるtmax’が1分以上である請求項7〜9のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂からなる成形品。
  12. 耐熱性を要求される部品に用いられることを特徴とする請求項11に記載の成形品。
  13. 前記成形品の形状が、シート、フィルム、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維又は容器の形状である請求項11又は12に記載の成形品。
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