JPWO2013058079A1 - 溶融塩電池及びその稼働方法 - Google Patents

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Abstract

溶融塩を電解液として、正極にはナトリウム化合物(NaCrO2)を有し、負極には錫(Sn)を有する溶融塩電池の稼働方法であって、溶融塩電池の稼働温度領域は、本来は57℃〜190℃であるが、この溶融塩電池の内部温度(電極や溶融塩の温度)を98℃〜190℃として稼働させることによりナトリウムを液相とし、これが、負極において微粉化したSn−Na合金に入り込むことによってSn−Na合金の離脱を抑制する。

Description

本発明は、溶融塩電池の稼働方法に関する。
高エネルギー密度に加えて、不燃性という強力な利点を持つ二次電池として、低融点(57℃)の溶融塩を電解液とする溶融塩電池が開発され、注目されている(非特許文献1参照。)。この溶融塩電池の稼働温度領域は57℃〜190℃であり、リチウムイオン電池の稼働温度領域(−20℃〜80℃)と比べると、高温での温度領域が広い。そのため、溶融塩電池には排熱スペースや防火等の装備が不要であり、個々の素電池を高密度に集めて組電池を構成しても全体としては比較的コンパクトである、という利点が生じる。このような溶融塩電池は、例えば、中小規模電力網や家庭等での電力貯蔵用途に期待されている。
「SEI WORLD」2011年3月号(VOL.402)、住友電気工業株式会社
ところが、最近になって、正極にナトリウム化合物、負極に錫を使用した溶融塩電池のサイクル寿命が短くなる場合があることが発見された。その直接の原因は、負極に形成されるSn−Na合金が、組成変化に伴う膨張・収縮によって微粉化し、集電体から離脱することにあると解される。
かかる問題点に鑑み、本発明は、溶融塩電池の負極における錫(Sn)−ナトリウム(Na)合金の離脱を抑制してサイクル寿命を改善することを目的とする。
本発明は、溶融塩を電解液として、正極にはナトリウム化合物を有し、負極にはSnを有する溶融塩電池の稼働方法であって、前記溶融塩電池の内部温度を98℃〜190℃として稼働させることを特徴とする。
上記のような溶融塩電池の稼働方法によれば、溶融塩電池の稼働温度領域である57℃〜190℃のうち、98℃〜190℃に限定して溶融塩電池を稼働させる。Naは融点が98℃であるから、液相となって、Sn−Na合金の微粉化を抑制又は補修する。これにより、溶融塩電池の負極におけるSn−Na合金の離脱を抑制してサイクル寿命を改善することができる。
なお、上記の稼働方法は、例えば、正極及び負極のそれぞれの電流容量を正極容量及び負極容量とするとき、正極容量を負極容量で除した値は、1.0〜1.8の範囲内にある溶融塩電池についての稼働方法である。少なくともこのような前提条件の下で、上記の温度限定により、サイクル寿命の改善という結果が得られる。
さらに、本発明の溶融塩電池の稼動方法は、負極における充電終了時のNaの含有量が、負極に含まれるSnに対して、原子比率で3.75倍以上とする稼動方法でもある。これにより、上記の稼動温度条件や正負極容量比率の条件下で、サイクル寿命が一層改善される。
本発明によれば、溶融塩電池のサイクル寿命を改善することができる。
溶融塩電池のセルについて、サイクル数が121回目〜123回目の充放電特性を示すグラフである。 コイン型の溶融塩電池の構成例を示す図である。 少なくとも120サイクル後の充放電特性を示すグラフである。
まず、溶融塩電池の一形態として、負極側にNa金属、正極側にSnを適用するNa/NaFSA−KFSA/Snの試験セルについて充放電特性を調べた。電解液の溶融塩は、NaFSA(ナトリウム ビスフルオロスルフォニルアミド)と、KFSA(カリウム ビスフルオロスルフォニルアミド)との混合物である。この溶融塩電池の稼働温度領域は57℃〜190℃である。なお、実際の溶融塩電池では、正極側にナトリウム化合物が使用され、負極側にSnが使用される。
当該試験セルは、Na金属を対極としたSnの充放電特性を調査する事を目的として、負極をNa金属とし、正極をSnとする構成をとっている。
当該セルにおいては、負極側のNa金属にはNa金属箔を使用し、その形状は直径18mm、厚さ0.5mmであった。
正極側のSnは以下の方法により製造した。
まず、集電体には、厚みが20μmで、直径が15mmであるAl箔製の集電体を使用したが、まず、Al集電体の前処理として、Al集電体が有する酸化膜をアルカリ性のエッチング処理液により除去するソフトエッチング処理を行った。
次に、硝酸を用いてデスマット(スマット(溶解残渣)の除去)処理を行った。
水洗した後、酸化膜が除去された集電体の表面に対し、ジンケート処理液を用いてジンケート処理(亜鉛置換めっき)を行い、厚み100nmのZn被膜を形成した。ここで、一度Zn被膜の剥離処理を行い、ジンケート処理を再度行うことにしてもよい。この場合、より緻密で薄いZn被膜を形成することができ、集電体との密着性が向上し、Znの溶出を抑制することができる。
次に、Zn被膜が形成された集電体を、めっき液が注入されためっき浴に浸漬してSnめっきを行い、厚み10μmのSn層を形成した。
ここにおいて、Snめっき方法としては、Al製の集電体にSnを電気化学的に析出させる電気めっき、又はSnを化学的に還元析出させる無電解めっきにより行うことができる。
セパレータにはガラス製不織布を使用し、正極、負極、及び電解液を組み込んで、コイン型セルを作製した。
上記セルについて、内部温度(正負極や溶融塩の温度)を90℃(363K)とし、下限カットオフ電圧0.200V、及び上限カットオフ電圧1.200Vの間で、100サイクルの充放電を行った。電圧は、Na金属を基準とした電圧であるので、充電によってセルの電圧が下がり、逆に、放電によってセルの電圧が上がる。
次に、下限カットオフ電圧0.005、上限カットオフ電圧1.200Vとし、駆動電圧範囲を広げて、引き続き20サイクルの充放電を行った。この結果、ほとんど容量が無い状態(約10mAhg-1)(g:上記セルの正極に使用されるSnの質量)であることが確認された。すなわち、120サイクルの充放電が行われた結果、ほとんど容量が無い状態となっている。
ここで、セルの内部温度を90℃から105℃に上昇させ、121サイクル以降の充放電を行う。充電は、理論容量の125%(1059mAhg-1)(g:上記セルの正極に使用されるSnの質量)に達するまで行い、放電は1.2Vに達するまで行う。図1は、サイクル数が121回目〜123回目の充放電特性を示すグラフである。
ここで、理論容量とは、Na金属が共存せずに、Na−Sn合金相のみとなる最大Na含有量(Na15Sn4組成)での容量のことである。
図1において、121回目(二点鎖線)の充放電特性は、充電しても電気容量がほとんど入らず、放電時はすぐに放電してしまう。
ところが、122回目(破線)において、充電特性が劇的に改善され、電気容量は、理論容量の125%まで入るようになる。一方、放電特性は少し改善の兆しが見えるが、まだ良くない。
そして、123回目(実線)においては、充電特性のみならず、放電特性も劇的に改善され、充放電共に、十分な容量が復活する、という驚異的な結果が得られた。123回目の充電時に0Vを僅かに下回る−10mV付近の停滞が、固体状のSn4Na15合金相とNaの液相とが混在した領域と解される。
この結果を分析すると、以下の通りである。
充電時の正極における反応は、正極のSnに負極のNaが入り、Sn+Na++e-によりSn−Na合金ができる。合金組成の最大はSn4Na15である。このとき、正極は膨張する。放電時は、正極からNaが出て負極に戻り、正極は収縮する。この膨張・収縮が前述の微粉化の原因であるが、温度を上昇させたことにより、融点98℃のNaは液相になっており、液体のNaが、微粉化されたSn4Na15の隙間に充填されるように入り込む。このように入り込んだNaは、いわば糊のような役目をして、Sn4Na15の微粉化の状態を補修し、また、Sn4Na15が正極から脱落することを防止する。
なお、図1における123回目の放電開始後にセルの電圧が0〜0.3V付近まで斜めに上昇しているのは、上記の隙間に入り込んだNaが先に出ていくのではなく、合金であるSn4Na15から先にNaが出て行くためであると解される。
図2は、コイン型の溶融塩電池(上記セルとは違う本来の溶融塩電池)10の基本構成例を示す図である。図において、正極1は、正極集電体1aと、正極活物質1bとによって構成される。正極集電体1aは、アルミニウム箔である。正極活物質1bはナトリウム化合物であり、例えばNaCrO2である。正極活物質1bの目付量は、15mg/cm2、正極容量(電極幾何面積当たり)は1.125mAh/cm2である。
正極活物質には、亜クロム酸ナトリウム(NaCrO2)を用いた。導電助剤はアセチレンブラックを使用した。
正極における導電助剤の含有率は5質量%以上20質量%以下が好ましく、本実施例においては8質量%とした。
バインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)もしくはポリフッ化ビニリデン(PVdF)を使用した。
正極におけるバインダの含有率は1質量%以上10質量%以下の範囲が好ましく、本実施例では5質量%とした。
これらのNaCrO2、導電助剤、バインダの混合物に有機溶媒(N-メチルピロリドン)を添加して混練してペースト状にして、厚みが20μmのアルミニウム箔上に塗布した。その後、有機溶媒を除去し、1t/cm2の圧力で圧縮して正極とした。電池作製においては、正極のサイズは、直径14mmとした。
一方、負極2は、負極集電体2aと、その表面に錫の層を形成したSn層2bとによって構成される。負極集電体2aは、アルミニウム箔である。Sn層2bの目付量は、厚さが1.5μm、負極容量(電極幾何面積当たり)は0.935mAh/cm2である。Sn層2bは、例えばメッキ、気相法等により形成される。なお、正極活物質1b、Sn層2bのそれぞれにおける目付量に寄与する面積は同じであるとする。
負極2は以下の方法で製造した。
負極集電体2aには、直径15mm、厚み20μmのAl箔製の集電体(Al集電体)を使用したが、まず、Al集電体の前処理として、Al集電体が有する酸化膜をアルカリ性のエッチング処理液により除去するソフトエッチング処理を行った。
次に、硝酸を用いてデスマット(スマット(溶解残渣)の除去)処理を行った。
水洗した後、酸化膜が除去された集電体の表面に対し、ジンケート処理液を用いてジンケート処理(亜鉛置換めっき)を行い、Zn被膜を形成した。ここで、一度Zn被膜の剥離処理を行い、ジンケート処理を再度行うことにしてもよい。この場合、より緻密で薄いZn皮膜を形成することができ、集電体との密着性が向上し、Znの溶出を抑制することができる。
次に、Zn被膜が形成された集電体をめっき液が注入されためっき浴に浸漬してSnめっきを行い、Sn層2bを形成した。
一方、負極2は、負極集電体2aと、その表面に錫の層を形成したSn層2bとによって構成される。負極集電体2aは、アルミニウム箔である。Sn層2bの目付量は、厚さが1.5μm、負極容量(電極幾何面積当たり)は0.935mAh/cm2である。Sn層2bは、例えばメッキ、気相法等により形成される。なお、正極活物質1b、Sn層2bのそれぞれにおける目付量に寄与する面積は同じであるとする。
正極1及び負極2の間に介在するセパレータ3は、ガラスの不織布(厚さ200μm)に電解質としての溶融塩を含浸させたものである。この溶融塩は、例えば、NaFSA56mol%と、KFSA44mol%との混合物であり、融点以上の温度では、溶融塩は溶融し、高濃度のイオンが溶解した電解液となって、正極1及び負極2に触れている。この溶融塩電池の稼働温度領域は57℃〜190℃である。
なお、溶融塩の組成は上記に限定されず、NaFSAは40〜60mol%の組成範囲であってもよい。
また、上記の例では、正極容量を負極容量で除した値(正極容量/負極容量)は、前述のように容量に寄与する面積が同じであるとして、(1.125/0.935)=1.2である。この値は、実験上あるいは経験上、1.0以上1.8以下とすることができるが、実際の製品としては、1.1以上1.5以下が好適である。
上記のようなコイン型の溶融塩電池は、その内部温度が、稼働温度領域57℃〜190℃のうちの98℃〜190℃の温度領域内で使用される。言い換えれば57℃以上98℃未満では使用しない。この場合、Sn層2bにおけるSn−Na合金の微粉化は抑制され、サイクル寿命が長くなることがわかった。
図3は、正極容量対負極容量の比を上述の数値範囲(1.0〜1.8(好ましくは1.1〜1.5))に設定することを前提として、かつ、溶融塩電池の使用温度を98℃〜190℃の範囲内とした場合において、少なくとも120サイクル後の充放電特性を示すグラフである。このように、120サイクル後も、容量が低下せずに充放電が行われることがわかる。
以上、詳説したように、上記のような溶融塩電池の稼働方法によれば、溶融塩電池の稼働温度領域である57℃〜190℃のうち、98℃〜190℃に限定して溶融塩電池を稼働させる。Naは融点が98℃であるから、液相となって、Sn−Na合金の微粉化を抑制又は補修する。これにより、溶融塩電池の負極におけるSn−Na合金の離脱を抑制してサイクル寿命を改善することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 正極
2 負極
10 溶融塩電池
【0001】
技術分野
[0001]
本発明は、溶融塩電池及びその稼働方法に関する。
背景技術
[0002]
高エネルギー密度に加えて、不燃性という強力な利点を持つ二次電池として、低融点(57℃)の溶融塩を電解液とする溶融塩電池が開発され、注目されている(非特許文献1参照。)。この溶融塩電池の稼働温度領域は57℃〜190℃であり、リチウムイオン電池の稼働温度領域(−20℃〜80℃)と比べると、高温での温度領域が広い。そのため、溶融塩電池には排熱スペースや防火等の装備が不要であり、個々の素電池を高密度に集めて組電池を構成しても全体としては比較的コンパクトである、という利点が生じる。このような溶融塩電池は、例えば、中小規模電力網や家庭等での電力貯蔵用途に期待されている。
先行技術文献
非特許文献
[0003]
非特許文献1:「SEI WORLD」2011年3月号(VOL.402)、住友電気工業株式会社
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0004]
ところが、最近になって、正極にナトリウム化合物、負極に錫を使用した溶融塩電池のサイクル寿命が短くなる場合があることが発見された。その直接の原因は、負極に形成されるSn−Na合金が、組成変化に伴う膨張・収縮によって微粉化し、集電体から離脱することにあると解される。
[0005]
かかる問題点に鑑み、本発明は、溶融塩電池の負極における錫(Sn)−ナトリウム(Na)合金の離脱を抑制してサイクル寿命を改善することを目的とする。
【0002】
課題を解決するための手段
[0006]
本発明は、溶融塩を電解液として、正極にはナトリウム化合物を有し、負極にはSnを有する溶融塩電池の稼働方法であって、前記溶融塩電池の内部温度を98℃〜190℃として稼働させることを特徴とする。
[0007]
上記のような溶融塩電池の稼働方法によれば、溶融塩電池の稼働温度領域である57℃〜190℃のうち、98℃〜190℃に限定して溶融塩電池を稼働させる。Naは融点が98℃であるから、液相となって、Sn−Na合金の微粉化を抑制又は補修する。これにより、溶融塩電池の負極におけるSn−Na合金の離脱を抑制してサイクル寿命を改善することができる。
[0008]
なお、上記の稼働方法は、例えば、正極及び負極のそれぞれの電流容量を正極容量及び負極容量とするとき、正極容量を負極容量で除した値は、1.0〜1.8の範囲内にある溶融塩電池についての稼働方法である。少なくともこのような前提条件の下で、上記の温度限定により、サイクル寿命の改善という結果が得られる。
[0009]
さらに、本発明の溶融塩電池の稼働方法は、負極における充電終了時のNaの含有量が、負極に含まれるSnに対して、原子比率で3.75倍以上とする稼働方法でもある。これにより、上記の稼働温度条件や正負極容量比率の条件下で、サイクル寿命が一層改善される。
一方、本発明の溶融塩電池は、溶融塩を電解液として、正極にはナトリウム化合物を有し、負極には錫又は錫を含む合金を有する溶融塩電池であって、前記正極の正極容量を前記負極の負極容量で除した値は、1.0以上1.8以下である。
発明の効果
[0010]
本発明によれば、溶融塩電池のサイクル寿命を改善することができる。
図面の簡単な説明
[0011]
[図1]溶融塩電池のセルについて、サイクル数が121回目〜123回目の充放電特性を示すグラフである。
[図2]コイン型の溶融塩電池の構成例を示す図である。
[図3]少なくとも120サイクル後の充放電特性を示すグラフである。
発明を実施するための形態
[0012]
まず、溶融塩電池の一形態として、負極側にNa金属、正極側にSnを適

Claims (3)

  1. 溶融塩を電解液として、正極にはナトリウム化合物を有し、負極には錫又は錫を含む合金を有する溶融塩電池の稼働方法であって、
    前記溶融塩電池の内部温度を98℃〜190℃として稼働させることを特徴とする溶融塩電池の稼働方法。
  2. 正極及び負極のそれぞれの電流容量を正極容量及び負極容量とするとき、正極容量を負極容量で除した値は、1.0〜1.8の範囲内にある請求項1記載の溶融塩電池の稼働方法。
  3. 前記負極における充電終了時のナトリウムの含有量が、前記負極に含まれる錫に対して、原子比率で3.75倍以上になる請求項1又は2に記載の溶融塩電池の稼動方法。
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