JPWO2013047449A1 - カテーテル用バルーンおよびバルーンカテーテル - Google Patents

カテーテル用バルーンおよびバルーンカテーテル Download PDF

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Abstract

本発明は、膜全体の耐圧性が向上したカテーテル用バルーン(11)およびバルーンカテーテル(10)の提供を目的とするものであり、ポリアミドエラストマー層(8)およびポリアミド層(9)からなる少なくとも2つ以上の層が積層される膜から形成された筒状のカテーテル用バルーン(11)であって、前記ポリアミド層(9)の内側に前記ポリアミドエラストマー層(8)が設けられており、前記ポリアミド層(9)内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr1が前記ポリアミドエラストマー層(8)内側表面における軸直角断面周方向の屈折率のnr2より大きく、かつ前記屈折率nr1と、前記屈折率のnr2との差が0.01以上であることを特徴とするカテーテル用バルーン(11)。

Description

本発明は、カテーテル用バルーンおよびバルーンカテーテルに関する。特に、生体内の管腔などに挿入するバルーンおよびバルーンカテーテルに関する。
血管、胆管、食道、気管、尿道、その他の臓器などの生体内の管腔の狭窄部にステントを留置して管腔空間を確保する生体器官拡張法に使用する場合だけでなく、虚血性心疾患の治療、または排尿が困難な患者に対する導尿として、バルーンの付いたカテーテル(バルーンカテーテル)が使用されている。
そのためバルーンカテーテルには、(1)トラッカビリティ(蛇行した血管などに対するバルーンの追随性)、(2)血管などの狭窄部の通過性、(3)石灰化した血管などの狭窄部の拡張性、(4)コンプライアンス(一度所望の直径に拡張した後は、それ以上膨張しない適度な非伸展性)、(5)バルーン拡張時の内圧や衝撃に耐えられる十分な強度、耐圧性などといった特性が要求されている。
なかでも、バルーン部分には、コンプライアンス、耐圧性、柔軟性、および薄膜性が求められており、かかる特性を満たすようなカテーテル用バルーンの材料としては、従来からポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン類、ポリアミドなどが使用されている。しかし、例えば特開2008−253786号公報において記載されているように、ベースポリマーとして脂肪族−芳香族ポリアミドを選択し、さらにコンプライアンスや耐圧特性を向上させるために炭素鎖の短い脂肪族ポリアミドをポリマーアロイ化している従来のバルーンでは、主鎖中に芳香族環を有するため耐圧性およびコンプライアンスで向上が見られるもののポリエチレンテレフタレート(PET)によるバルーンには及ばない、また、柔軟性において脂肪族ポリアミドより悪いとしている。そのため、当該特開2008−253786号公報では無機結晶をポリマー中に含有させたバルーンの技術が開示されている。
また、その他の耐圧性および柔軟性を向上させる技術として、特開2005−319289号公報が挙げられる。当該特開2005−319289号公報では、ポリアミド系のハードセグメントと、グリコール系のソフトセグメントとを有するブロックポリマーをバルーン膜の材料として二軸延伸ブロー成形によりバルーンを製造し、バルーンの拡張時の圧力における計算弾性率を1300MPa以上にする技術が開示されている。
上記特開2008−253786号公報に記載のように、無機結晶をポリマー中に含有させるとたしかにバルーンの耐圧性やコンプライアンスは向上するものの、柔軟性や薄膜性の向上という観点では改善が見込めない。また、カテーテル用バルーンは、医療行為により拡張と収縮との繰り返し操作が行なわれるため、前記特開2008−253786号公報に記載されている無機結晶とポリマーとを混合しただけの膜からなるバルーンでは、ポリマーと無機結晶との間の接着力が乏しく、かつ無機結晶自体は伸縮し難いため、拡張時に膜内部においてポリマーと無機結晶との界面が剥離して隙間が形成されてしまう。この隙間は、無機結晶とポリマーとの混合物である膜全体としては、クラックとして作用するため、この隙間を起点としてバルーン膜が破壊される虞がある。特に、バルーンは通常筒状体であり、内圧により拡張する構造であるため、力学的観点から最内周にかかる応力が最大となり、膜内に隙間があると内周方向からバルーン膜が破断しやすいという問題がある。
また、上記特開2005−319289号公報のように、ポリアミド系のハードセグメントと、グリコール系のソフトセグメントとを有するブロックポリマーをバルーン膜の材料として二軸延伸ブロー成形しただけでは耐圧性が不足する。特に、上述したように、力学的観点からバルーンの最内周にかかる応力が最大となるため、内周方向からバルーン膜が破断しやすいという問題を解決できない。
そこで、本発明は、かかる問題点を解決するために、バルーン膜中の高分子の配向に着目し、最内周にかかる最大応力を伸張に変換することで膜全体の耐圧性を向上させたカテーテル用バルーンおよびバルーンカテーテルを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明者らは、ポリアミドエラストマー層およびポリアミド層からなる少なくとも2つ以上の層が積層される膜から形成された筒状のカテーテル用バルーンであって、前記ポリアミド層の内側に前記ポリアミドエラストマー層が設けられており、前記ポリアミド層内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr1が前記ポリアミドエラストマー層内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr2より大きく、かつ前記屈折率nr1と、前記屈折率nr2との差が0.01以上であることを特徴とするカテーテル用バルーンにより上記課題が解決できることを見出した。
本発明のさらに他の目的、特徴および特質は、以後の説明および添付図面に例示される好ましい実施の形態を参酌することによって、明らかになるであろう。
本発明に係るカテーテル用バルーンの一例を示す模式図である。 本発明に係るカテーテル用バルーンの他の例を示す模式図である。 本発明に係るカテーテル用バルーンの成形金型の説明用の模式図である。 本発明に係るバルーンカテーテルの一例を示す模式図である。 本発明の実施例の説明および実験データを示す図である。 本発明の実施例の実験データを示す図である。 本発明の実施例の実験データを示す図である。 本発明の実施例の実験データを示す図である。 本発明の比較例の実験データを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
さらに、本出願は、2011年9月29日に出願された日本特許出願番号2011−0214496号に基づいており、その開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。
本発明の第一は、ポリアミドエラストマー層およびポリアミド層からなる少なくとも2つ以上の層が積層される膜から形成された筒状のカテーテル用バルーンであって、前記ポリアミド層の内側に前記ポリアミドエラストマー層が設けられており、前記ポリアミド層内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr1が前記ポリアミドエラストマー層内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr2より大きく、かつ前記屈折率nr1と、前記屈折率nr2との差が0.01以上であることを特徴とするカテーテル用バルーンである。
これにより、従来のものと比べて耐圧性能が向上したカテーテル用バルーンを提供することができる。さらに、従来のバルーンの柔軟性・通過性能を維持したまま、加圧によるバルーン部の伸びを抑えることが可能となり、病変部をしっかりと拡張できる上に、粘膜や血管内面への損傷を抑制できる。そのため、本発明に係るバルーンは、バルーン拡張時の追従性に優れ、破壊の起点となるクラックやクレイズを抑制して、機械的強度と柔軟性に優れたバルーンカテーテルが得られる。
さらに、本発明のバルーンは、径の膨らみやすさを示すコンプライアンスが0.012mm/atm以下と低く、従来のバルーンの柔軟性・通過性能を維持したまま加圧によるバルーン部の伸びを劇的に抑えることが可能となる。
本発明に係るカテーテル用バルーンの構造について図を用いて説明した後、当該バルーンの特性と各構成とを以下に説明するが、図1Aおよび図1Bは、それぞれカテーテル用バルーンの一例であり本発明の範囲はこれに限定されることはない。
図1Aは、本発明に係るカテーテル用バルーンがポリアミド層およびポリアミドエラストマー層からなる2層構造の一例の断面図であり、図1Bは、本発明のカテーテル用バルーンがポリアミドエラストマー層8、ポリアミド層9、およびポリアミドエラストマー層8が順次積層された3層構造の一例の断面図である。
本発明に係るカテーテル用バルーン11は、カテーテルから供給される流体により拡張収縮可能な筒状の膜状本体2と、前記膜状本体の軸方向両端から伸延され、かつ前記カテーテルと接続する接続部7a,7bとから構成されていることが好ましい。また、前記両端の接続部7a,7bにはそれぞれカテーテルから挿通される開口部3a,3bが形成されている。一方の接続部の開口部3bは、他方の接続部の開口部3aより大径に形成されていることが好ましい。また、カテーテル用バルーン11は、血管、尿管、胆管などの生体内管腔の狭窄部を拡張するためのほぼ均一外径を有する筒状の部分を有している。
さらに、当該筒状の膜状本体2の両端部の形状は、図1Aおよび図1Bに示すように、それぞれテーパー状(勾配がついた部分)であってもよい。すなわち、本発明に係るバルーンは、両端側が細くなるように形成された(略)円錐台(または略角錐台)のテーパー部6a,6bを備えた筒状の膜状本体2と、前記テーパー部6a,6bのそれぞれと連設して、かつ軸方向外方に伸延されたカテーテルとの接続部7a,7bと、を有していることが好ましい。さらに、前記両端の接続部7a,7bにはそれぞれカテーテルから挿通される開口部3a,3bが形成されている。
また、筒状の膜状本体の両端部の形状がテーパー状の場合、筒状の膜状本体の中央部は、バルーンの最大径部が連続する部分であり、テーパー部6a,6bは、上記の筒状の膜状本体の中央部と連続し直径が連続的に端部に向かって縮小するように変化している部分である。
さらに、カテーテルとの接続部7a,7bは、上記テーパー部6a,6bとそれぞれ連続し、外径がほぼ同一な小径部となっている部分であり、カテーテルへのバルーンの取り付け部分となる部分であり、それぞれ開口部3a,3bが形成されている。そして、テーパー部6a,6bおよびカテーテルとの接続部7a,7bは、バルーンの筒状の膜状本体の両側にそれぞれあり、それぞれのテーパー部およびそれぞれの接続部の形状は異なっていてもよい。
本発明に係るカテーテル用バルーンは、ポリアミドエラストマー層およびポリアミド層からなる少なくとも2つ以上の層が積層された多層構造の膜から形成されたものであり、好ましくは、前記ポリアミドエラストマー層を1〜3層有し、かつ前記ポリアミド層を1〜2層有する膜から形成されたものであり、より好ましくは、前記ポリアミドエラストマー層を2層有し、かつ前記ポリアミド層を1層有する膜から形成されたものである。
このようにポリアミドエラストマーとポリアミドを積層することで、後述のパリソンを共押出により容易に成形することが可能である、また、カテーテル用バルーンとしての柔軟性・通過性能と耐圧性能とを両立させることが可能となる。
上記ポリアミドエラストマー層8および上記ポリアミド層9が積層される順序は、最内側にポリアミドエラストマー層8が設けられ、かつ当該ポリアミドエラストマー層8の外表面にポリアミド層9が積層された積層構造を備えていれば、その他の層の積層順序は特に制限されることはない。
また、本発明に係るカテーテル用バルーンは、ポリアミドエラストマー層8、ポリアミド層9、およびポリアミドエラストマー層8が順次積層された3層構造の膜から構成されたものであることが特に好ましい。
最外層にポリアミドエラストマー層を形成すると、当該バルーンをカテーテルに装着して体内に挿入する場合、柔軟であるため血管等の生体内の管腔での通過性に優れる。
また、最外層として設けられたポリアミドエラストマー層またはポリアミド層の表面に生体適合性材料や抗血栓材料を必要により被覆してもよい。当該生体適合性材料や抗血栓材料としては、公知の各種の高分子を単独または混合して使用することができるが、例えば、天然高分子(コラーゲン、ゼラチン、キチン、キトサン、セルロース、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリジン、カゼインなど)、合成高分子(リン脂質ポリマー、リン酸基を側鎖に持つMPC(メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)ブロックポリマー、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートとスチレンとの共重合体(例えば、HEMA−St−HEMAブロック共重合体)、ポリメタクリル酸メチル、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸−グリコール酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)が好適に使用できる。
さらに、本発明に係るカテーテル用バルーンの血管内さらにはガイドカテーテル内への挿入を容易にするために、バルーンや膜状本体の外面が血液等と接触したときに、潤滑性を呈するようにするための処理を当該バルーンや膜状本体の外面に施すことが好ましい。このような処理としては、例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミド−グリシジルメタアクリレートのランダムもしくはブロック共重合体等の親水性高分子を表面コーティング、または表面に固定する方法などが挙げられる。
また、上記ポリアミド層の表面に密着してポリアミドエラストマー層が形成されていることが好ましく、前記ポリアミド層の表面の全面にわたって前記ポリアミドエラストマー層が密着して形成されていることが好ましい。これにより、耐圧性を向上したカテーテル用バルーンを提供することができる。
本発明に係るカテーテル用バルーンは、上述したようにポリアミド層の内側にポリアミドエラストマー層が設けられた筒状の膜体であり、さらに前記ポリアミド層内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr1が前記ポリアミドエラストマー層内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr2より大きく、かつ前記屈折率nr1と、前記屈折率nr2との差が0.01以上である。また、前記ポリアミド層の内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr1と、前記ポリアミドエラストマー層の内側表面における軸直角断面周方向の屈折率のnr2との差が0.01以上0.02以下であることが好ましく、前記ポリアミド層の内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr1と、前記ポリアミドエラストマー層の内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr2との差が0.01以上0.015以下であることがより好ましい。
上述のようにポリアミド層の内側にポリアミドエラストマー層を設け、かつポリアミド層の内側表面の軸直角断面周方向の屈折率nr1とポリアミドエラストマー層の内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr2との差が0.01以上であると、ポリアミドエラストマー層におけるポリアミドエラストマー分子が円周方向に配向している数が比較的に少ないため、ポリアミドエラストマー層には伸び代が存在する。そのため、最内周にかかる応力をポリアミドエラストマー層の伸張として変換することができると考えられる。
より詳細に説明すると、カテーテル用バルーンのような円筒体に内圧がかかる系において、理論上当該円筒体の軸直角断面の最内周にかかる応力が最大となり、軸直角断面の放射方向に向って応力が減少していくことが知られており(円筒モデル)、実際にカテーテル用バルーンに内圧をかけた場合、最内周側から破壊されるケースが多いことも確認されている。そこで本発明では、比較的高分子の円周方向の配向が少ない柔軟なポリアミドエラストマー層を最大応力がかかる最内周側に配置することで最内周にかかる最大応力が、柔軟なポリアミドエラストマー層の伸張として変換されるため、カテーテル用バルーンの系において効率よくバルーンにかかる内圧を吸収することができると考えられる。
一方、当該柔軟なポリアミドエラストマー層より比較的高分子の円周方向の配向が多い硬いポリアミド層をその外側に配置することで、カテーテル用バルーン全体としての強度を保つことができると考えられる。なお、本発明に係るバルーン膜において、比較的高分子の円周方向の配向が多い硬いポリアミド層では、結晶化している高分子鎖が多いため良好なコンプライアンスを示す効果もある。
以上のことから、カテーテル用バルーンを構成するポリアミド層とポリアミドエラストマー層からなる少なくとも2つの層が積層された膜の各層の高分子鎖の配向状態を制御することで従来のものと比べて内側からの破壊が少なく耐圧性能が向上すると考えられる。
このような高分子鎖の配向状態は、一般に複屈折を測定することにより知ることができる。例えば一軸延伸の高分子フィルムでは、分子鎖が延伸方向に配向しているため、延伸方向の屈折率と直角方向の屈折率とに差が生じ、光の屈折率の異方性となり、これが複屈折として測定することができる。このような複屈折の測定方法としては、(1)強度法、(2)補償法、および(3)偏光色の観察などがある。本発明では以下のように(2)補償法により複屈折を測定した後、バルーンの軸直角断面(円)周方向の屈折率(nr)、バルーンの長軸方向の屈折率(nl)、およびバルーンの軸直角断面放射方向の屈折率(nd)を算出している。
本発明で使用する相対屈折率は、偏光顕微鏡による三次元解析により算出する。厚さ16μmに薄切したバルーン直管部の中央部で輪切りした切片の断面と、長軸方向にスライスした切片の断面を偏光顕微鏡で観察し、補償子(コンペンセータ)を用いてレタデーションを測定して、下記式(1)〜式(3)により複屈折Δn輪,複屈折Δn長を算出する。
(上記式(1)〜(3)中において、
R:レタデーション(nm),t:試料の厚み16(μm),C:コンペンセータに装着された結晶の厚さに依存する定数であり、0.822×104,i:コンペンセータの補正角度(Radian)である。)
次に、上式(1)〜(3)で算出した複屈折Δn輪と複屈折Δn長とをそれぞれ下記の方程式(1)〜(3)に代入して、軸直角断面周方向(円周方向)の屈折率(nr)、長軸方向の屈折率(nL)、軸直角断面放射方向(厚み方向)の屈折率(nd)の解をそれぞれ算出する。
(上記方程式(1)〜(3)および解中において、
Δn(輪):輪切り方向の複屈折,Δn(長):長軸方向の複屈折,nr:円周方向の屈折率,nL:長軸方向の屈折率,nd:厚み方向の屈折率,n:1.51(平均屈折率)である。)
これにより、後述する実施例における実験結果でも示すように、偏光顕微鏡を用いて上記の測定方法により多層構造のカテーテル用バルーンにおける各層の任意の位置における軸直角断面周方向の屈折率(nr)、長軸方向の屈折率(nL)、および軸直角断面放射方向の屈折率(nd)を算出することができる。
そして、上記の方法により、軸直角断面周方向の屈折率(nr)、長軸方向の屈折率(nL)、および軸直角断面放射方向の屈折率(nd)を算出することで、各方向の高分子鎖の配向状態を特定することができる。例えば、nrが大きくなれば円周方向への配向が強いことを示し、nLが大きくなれば長軸方向への配向が強いことを示し、ndが小さくなれば面配向が強いことを示し、nrとnLとが同値であれば等方的であることを示す。本発明の場合、ポリアミドエラストマー層のnr2がポリアミド層のnr1より0.01以上小さいため、ポリアミドエラストマー層の方が円周方向への配向が弱く、バルーンの最内周に伸び代が存在する。
なお、本明細書ではバルーンの最内側に設けられたポリアミドエラストマー層の内側表面の各屈折率を、軸直角断面周方向の屈折率(nr2)、長軸方向の屈折率(nL2)、および軸直角断面放射方向の屈折率(nd2)とし、当該ポリアミドエラストマー層の表面に積層されたポリアミド層の内側表面の各屈折率を、軸直角断面周方向の屈折率(nr1)、長軸方向の屈折率(nL1)、および軸直角断面放射方向の屈折率(nd1)とする。
また、ここで、ポリアミド層の内側表面の各屈折率とは、ポリアミド層の内表面(ポリアミドエラストマー層との界面)近傍のポリアミド層領域の屈折率をいい、例えば、ポリアミド層の内側表面の軸直角断面周方向の屈折率とは、ポリアミド層全体の肉厚に対して、ポリアミド層の内表面からの距離が3分の1以下の領域における周方向の屈折率である。
また、ここで、ポリアミドエラストマー層の内側表面の各屈折率とは、ポリアミドエラストマー層の内表面近傍のポリアミドエラストマー層領域の屈折率をいい、例えば、ポリアミドエラストマー層の内側表面の軸直角断面周方向の屈折率とは、ポリアミドエラストマー層全体の肉厚に対して、ポリアミドエラストマー層の内表面からの距離が2分の1以下の領域における周方向の屈折率である。
本発明に係るカテーテル用バルーンの大きさとしては、拡張したときの筒状の膜状本体の外径が、1〜35mm、好ましくは、1.5〜30mmであり、当該筒状の膜状本体の長軸方向の長さは、3〜80mm、好ましくは、10〜75mmであり、当該バルーンの全体の長さ(筒状の膜状本体と接続部との長軸方向の合計長さ)が、5〜120mm、好ましくは、15〜100mmである。
本発明に係るバルーンの軸直角の断面形状は、特に制限されることはなく、円、楕円、略楕円、略円、多角柱状であってもよく、本発明に係るバルーンは円筒状が好ましい。
本発明に係るカテーテル用バルーンの収縮時の平均厚み(肉厚)は、5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
当該カテーテル用バルーンの収縮時の平均厚みが5〜50μmの範囲であると、トラッカビリティや血管等の狭窄部の通過性の観点で好ましい。
本発明のカテーテル用バルーンの接続部は、上記図1Aや図1Bに示すような膜状本体2と一体化されたもの(一体成形されたもの)であっても、別途筒状の膜状本体2より小径の略円筒状の膜体を接合したものであってもよい。本発明に係る接続部の常態の平均厚みは、5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
本発明に係るカテーテル用バルーンは、カテーテルから供給される流体により拡張収縮可能な膜状本体を備えているため、折り畳み可能なものであり、収縮状態では、カテーテル本体の外周に折り畳まれた状態となることができる。
本発明に係るカテーテル用バルーンを構成するポリアミド層の平均厚さは、0.5〜49.5μmが好ましく、5〜25μmがより好ましい。カテーテル用バルーンとしての柔軟性・通過性能と耐圧性能とを両立するこが可能となるためである。
本発明に係るポリアミド層は、ポリアミドを有し、必要により公知の添加剤やX線不透過性物質を含んでもよく、またはポリアミドのみから構成されてもよく、当該ポリアミド層において、ポリアミドを50〜100重量%含んでいれば、カテーテル用バルーンに必要な耐圧強度やコンプライアンスを確保することができる。
本発明に係るポリアミド層において好適に使用できるポリアミドは、主鎖に酸アミド結合(−CO−NH−)を有するものであれば、特に限定されることはなく、通常、環構造のラクタムまたはアミノ酸の重合(単独重合)、あるいは、ジカルボン酸およびジアミンの縮重合により製造される。従って、このポリアミドとしては、ホモポリアミドを用いることが好ましい。単独で重合可能な単量体としては、ε−カプロラクタム、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、9−アミノノナン酸、ピペリドン等が挙げられる。
また、ジカルボン酸及びジアミンを縮重合させる場合のジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、テレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン等が挙げられる。
また、前記ポリアミドしては、ポリエステル、ポリエーテル等、他のセグメントを有していないものが好ましく、さらに当該ポリアミドは、市販のものを使用してもまたは合成してもよく、市販のポリアミドとしては例えば、ナイロン4、6、7、8、11、12、6.6、6.9、6.10、6.11、6.12、6T、6/6.6、6/12、6/6T、6T/6I等が挙げられる。なお、ポリアミドの末端は、カルボキシル基、アミノ基等で封止されていてもよい。前記ポリアミド樹脂は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明に係るポリアミドは、上記のうち特にナイロン11、ナイロン12が好ましい。
本発明に係るポリアミドの重量平均分子量は、10,000〜500,000であることが好ましく、15,000〜400,000であることがより好ましく、20,000〜300,000であることがさらに好ましい。
本発明に係るポリアミド層に使用されるポリアミドの分子量が10,000〜500,000であると、耐圧性能を向上させるのに十分な機械的強度を有する。
なお、本発明に係るポリアミドの重量平均分子量は、MSスペクトル法、光散乱法、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーなど公知の方法で測定することができ、本明細書では、ゲルパーミネーションクロマトグラフィーにより測定した分子量を使用している。測定条件は、移動相:ヘキサフルオロイソプロパノール(+添加剤 5mmol/L CF3COONa)、標準物質:標準PMMA/ジメチルテレフタレート、注入量:100μL、流速:1mL/min、カラム温度:40℃、濃度:0.1w/v% DS−4、カラム:Shodex GPC HFIP−806M−2+HFIP−803、検出器:Shodex RI−71である。
本発明に係るポリアミド層の内側表面(ポリアミド層とポリアミドエラストマー層との界面)における各屈折率は、軸直角断面周方向の屈折率(nr1)が1.520〜1.540であることが好ましく、長軸方向の屈折率(nL1)が1.500〜1.520であることが好ましく、軸直角断面放射方向の屈折率(nd1)が1.480〜1.510であることが好ましく、軸直角断面周方向の屈折率(nr1)が1.525〜1.535であることがより好ましく、長軸方向の屈折率(nL1)が1.505〜1.515であることがより好ましく、軸直角断面放射方向の屈折率(nd1)が1.485〜1.500であることがより好ましい。
なお、上記ポリアミド層の内側表面(ポリアミド層の内周面)の各屈折率は、上記の補償法および算出方法から求めたものである。そのため、他の方法で求めた各屈折率と相違する場合もあることはいうまでもない。
必要によりポリアミド層に含有される添加剤としては、高級アルコール、ヒドロシキ安息香酸エステル、芳香族スルホンアミドなどを挙げることができるが必ずしもこれらに限定されることはない。
また、本発明において必要によりポリアミド層に含有されるX線不透過性物質は、X線に対して不透過であれば特に制限されず、公知のX線不透過性物質が使用できる。具体的には、ヨウ素、バリウム、ビスマス、ホウ素、臭素、カルシウム、金、白金、銀、鉄、マンガン、ニッケル、ガドリニウム、ジスプロシウム、タングステン、タンタル、ステンレス鋼、ニチノール、硫酸バリウム、もしくはこれらの化合物、ならびにこれらの溶液/分散液(例えば、生理食塩水);アミドトリゾ酸(amidotrizoic acid、3,5−diacetamino−2,4,6−triiodobenzoic acid)、アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン、アミドトリゾ酸メグルミン、イオタラム酸ナトリウム、イオタラム酸メグルミン、イオトロクス酸メグルミン、イオトロラン、イオキサグル酸、イオキシラン、イオパミドール、イオプロミド、イオヘキソール、イオベルソール、イオメプロール;ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル(例えば、炭素原子がヨウ素化されているケシ種油であるLipiodolTM)などが挙げられる。これらのX線不透過性物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。または、上記したような物質を基剤とする造影層をさらに膜状体に積層して設けてもよい。
これにより、X線透視下でバルーンの拡張度合いを確認できるため、確実にかつ容易にバルーンの位置を容易に確認可能できる。
本発明に係るポリアミドエラストマー層は、ポリアミドエラストマーを有し、必要により公知の添加剤やX線不透過性物質を含んでもよく、または少なくとも1種以上のポリアミドエラストマーのみから構成されてもよい。したがって、ポリアミドエラストマーは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。当該ポリアミドエラストマー層において、ポリアミドエラストマーを50〜100重量%含んでいれば、カテーテル用バルーンに必要なトラッカビリティ、血管などの狭窄部の通過性、および石灰化した血管などの狭窄部の拡張性に必要な柔軟性を確保することができる。
本発明に係るカテーテル用バルーンを構成するポリアミドエラストマー層の平均厚さは、0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。平均厚さが0.5〜10μmであると、カテーテル用バルーンとしての柔軟性・通過性能と耐圧性能とを両立するこが可能となる。
本発明に係るポリアミドエラストマー層に好適に用いられるポリアミドエラストマーは、ポリアミドブロック共重合体であることが好ましく、ハードセグメントとソフトセグメントを有する2元のブロック共重合体がより好ましい。2元のブロック共重合体としては、例えばポリアミド(ハードセグメント)とポリエーテル(ソフトセグメント)のブロック重合体、具体的には、ナイロン11とポリテトラメチレングリコールのブロック共重合体、ナイロン12とポリテトラメチレングリコールのブロック共重合体が挙げられる。
本発明に係るポリアミドエラストマーのソフトセグメントの含有率は、1〜50wt%が好ましく、10〜30wt%がより好ましい。
本発明に係るポリアミドエラストマーのショアD硬度は、50〜80が好ましく、55〜63がより好ましい。
本発明に係るポリアミドエラストマーの引張弾性率は、200〜600MPaが好ましく、230〜500MPaがより好ましい。
本発明に係るポリアミドエラストマーは、以下の化学式(1)もしくは化学式(2)のブロック共重合体を高分子鎖に有することが好ましい。
(上記化学式(1)中において、aは4〜12の整数、bは4〜10の整数、cは0〜100の整数、dは0〜100の整数、pは2〜4の整数、qは1〜100の整数であり、
Lnは、リンカー部位であり、−C(O)−R−O−C(O)−であり、前記Rは、メチレン数が2〜12個からなるアルキレン基である。)
(上記化学式(2)中において、nは5〜11の整数、lは0〜100の整数、mは0〜100の整数、pは2〜4の整数、qは1〜100の整数であり、
Lnは、リンカー部位であり、−C(O)−R−O−C(O)−であり、前記Rは、メチレン数が2〜12個からなるアルキレン基である。)
すなわち、本発明に係るポリアミドエラストマーは、上記の化学式(1)もしくは化学式(2)のポリアミドブロック共重合体自体であっても、上記の化学式(1)もしくは化学式(2)のポリアミドブロック共重合体を溶融重合によりさらに高分子化したものであってもよいが、本発明に係るポリアミドエラストマーは、上記の化学式(1)もしくは化学式(2)のポリアミドブロック共重合体を溶融重合によりさらに高分子化したものが好ましい。したがって溶融重合によりさらに高分子化した場合、上記の化学式(1)もしくは化学式(2)のポリアミドブロック共重合体がいわば'繰り返し単位'となる。
また、上記化学式(1)および化学式(2)中の前記Rは、メチレン数が2〜12個からなるアルキレン基であれば、直鎖状であっても、分岐状であっても、環状であってもよく特に制限されないが、具体的には、テトラメチレン基、2−メチルプロピレン基、1,1−ジメチルエチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ノニレン基、1−メチルオクチレン基、6−メチルオクチレン基、1−エチルヘプチレン基、1−(n−ブチル)ペンチレン基、4−メチル−1−(n−プロピル)ペンチレン基、1,5,5−トリメチルヘキシレン基、1,1,5−トリメチルヘキシレン基、n−デシレン基、1−メチルノニレン基、1−エチルオクチレン基、1−(n−ブチル)ヘキシレン基、1,1−ジメチルオクチレン基、3,7−ジメチルオクチレン基、n−ウンデシレン基、1−メチルデシレン基などが挙げられる。
上記さらに高分子化したものは両末端が封止されていないポリアミドエラストマーを溶融重合することにより得ることができる。当該溶融重合は、冷却機能(冷却機:EYELA製UT−4000L)を付属した真空乾燥機(EYELA製VOS301SD)を用いて、一定時間(12〜96時間)、真空ポンプ(ULVAC製GCD136XN)により真空下にして加熱することで行なうことができる。
また、本発明に係るポリアミドエラストマー層に、上記の化学式(1)もしくは化学式(2)のポリアミドブロック共重合体を使用する場合は、上記の化学式(1)もしくは化学式(2)のポリアミドブロック共重合体を1種単独であるいは2種を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るポリアミドエラストマーの重量平均分子量は、10,000〜500,000であることが好ましく、15,000〜400,000であることがより好ましく、20,000〜300,000であることがさらに好ましい。なお、当該ポリアミドエラストマーの分子量の測定方法は、ポリアミドと同様の方法で測定している。
ポリアミドエラストマーの重量平均分子量は、10,000〜500,000であると、伸張粘度が高く、加圧に伴う伸びが抑制されるため、バルーン全体として低いコンプライアンスを示す。
本発明に係るポリアミドエラストマーは、合成しても市販のものを購入してもよく、本発明に使用できるポリアミドエラストマーとしては、ELG5660(EMS社製、商品名;Grilflex、)、ELG6260(EMS社製、商品名;Grilflex)、前記ELG5660を溶融重合した高分子量体(溶融粘度1260〜3489Pa・s)、前記ELG6260を溶融重合した高分子量体(溶融粘度5282〜7391Pa・s)などが挙げられる。
また、本発明に係るポリアミドエラストマーの末端は、カルボキシル基、アミノ基等で封止されていてもよい。
本発明に係るポリアミドエラストマーの溶融粘度は500以上であることが好ましく、500〜20000Pa・sであることがより好ましい。加圧に伴う伸びがより抑制され、バルーン全体としてより低いコンプライアンスを示すためである。なお、本発明において溶融粘度は、フロテスター「島津製 CFT−500D」を用いて測定した。
必要によりポリアミドエラストマー層に含んでもよい添加剤やX線不透過性物質については、ポリアミド層と同一であるのでここでは省略する。
本発明に係るカテーテル用バルーンの材料の特に好ましい実施形態は、ポリアミドの重量平均分子量が、20,000〜50,000であり、かつポリアミドエラストマーの重量平均分子量が、20,000〜500,000であり、さらに、前記ポリアミドとしてナイロン12、ポリアミドエラストマーとしてナイロン12とポリテトラメチレングリコールのブロック共重合体を選択すると容易に屈折率差を0.01以上にすることができる。
「カテーテル用バルーンの製造方法」
以下、本発明に係るカテーテル用バルーンの製造方法の好ましい実施形態について説明する。本発明に係るカテーテル用バルーンの製造方法は、ポリアミド層とポリアミドエラストマー層とを共押出してなる二色(二層)または三色(三層)のポリマーチューブ(パリソン)を形成する工程1と、当該パリソンを両ポリマーの二次転移温度から一次転移温度までの範囲の温度下にて軸方向に延伸し、さらに延伸されたパリソンを半径方向に膨張させて二軸延伸する工程2と、膨張されたパリソンを両ポリマーの二次転移温度以下に冷却し、内径がほぼ均一な筒状の膜状本体、該膜状本体の前後にそれぞれ設けられたテーパー部、および前記テーパー部の前後にそれぞれ設けられたカテーテルとの接続部を有する二軸延伸されたバルーンを形成する工程3と、を含むことが好ましい。
以下各工程について説明する。
(工程1)
延伸可能なポリマーによりチューブ状パリソンを形成する工程1は、ダイスを取り付けた汎用の押出成形機によって行うことができる。ポリアミドエラストマーを上述の方法により溶融重合して高分子化したポリアミドエラストマー、または高分子化していないポリアミドエラストマー自体、およびポリアミドを成形用ポリマーとし、当該成形用のポリマーをそれぞれ押出成形機内にて加熱溶融し、ダイスより前記ポリマーを共押出して、チューブ状パリソン27を成形する。このときの押出成形温度は、前記ポリマーが溶融可能な温度であれば、特に制限はないが、好ましくは180〜300℃、より好ましくは200〜280℃である。
(工程2)
そして、このチューブ27を図2に示す金型20内に挿入し、チューブ27の一端を閉塞する。閉塞は、加熱溶融、高周波によるシール、鉗子などを用いて行う。当該図2は、バルーン成形金型20の断面図であり、この金型20は、加温手段であるヒーター22と冷却手段である冷却管23とを有している。そして、金型20は分離型25,26となっており、分離型25,26を組み合わせた際に形成される内面形状が、形成するバルーンの基本外面形状となっている。
そして、図2に示すように、ヒーター22を作動させ、バルーン11を形成する部分のチューブ27をポリマー(チューブ27を形成しているポリアミドおよびポリアミドエラストマー)の二次転移温度から一次転移温度までの範囲の温度、具体的には、二次転移温度を少し越える温度まで加熱する。チューブ27を加熱された状態に維持し、チューブ27を矢印X,Y方向に延伸し、さらに、矢印Z方向よりチューブ27内に気体を加圧しながら送り、金型20内で加熱されている部分のチューブ27を分離型25,26の内壁面に密着させる。
(工程3)
そして、冷却管23内に冷却液を循環して、チューブ27を二次転移温度以下に冷却する。また、この冷却は、冷却液を循環することなく、単に放置して自然冷却してもよい。その後チューブ27内部を常圧にし、金型20内より、チューブ27を抜去する。そして、チューブ27の先端部および後端部にてチューブ27を切断することにより、図1に示すようなバルーンの基本形状が形成される。また、上記延伸処理を2回以上行うことによって、目的とする肉厚のバルーンを形成してもよい。
本発明の好ましい実施形態として、以下本発明に係るバルーンカテーテルについて説明するが、以下の実施形態のみには制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
「バルーンカテーテル」
本発明のバルーンカテーテルについて図面を用いて説明する。図3は、本発明に係るバルーンカテーテルの一例を示す模式図である。また、図3ではバルーン11の一例として図1Bに示した3層積層型バルーンを示しているが、図1Aの2層構造のバルーンあるいはその他の本発明に係るバルーンでも好適に使用することができるため、本発明に係るバルーンカテーテルの範囲はこれに限定されるものではない。
本発明に係るバルーンカテーテル10は、図3に示すように、流体を移送可能な長尺状の外管12を備えたカテーテル本体1と、カテーテル本体1の先端に接続されたバルーン11と、カテーテル本体1の基端に取り付けられたハブ13とを有する。また、カテーテル本体1は、外管12内に形成されたルーメン120を通る内管14と、内管14の先端に設けられた先端部材15と、を有する。先端とは使用の際に血管内に挿入される側に位置する端部(遠位端)であり、基端とは使用の際にバルーンカテーテル10を操作する術者側に位置する端部(近位端)である。
なお、図3では、カテーテルの基端部側がシングルルーメンとなっており、先端と基端との間にガイドワイヤーが挿入できるワイヤーポートが備えたラピッドエクスチェンジ型カテーテルを示しているが、カテーテルの基端部側が同軸の二重ルーメンになっており、内管がハブまで延びているオーバーザワイヤー型であってもよい。
このバルーンカテーテル10は、血管拡張用カテーテルに応用した一例であり、本発明のバルーンおよびバルーンカテーテルは尿道カテーテルなど他のカテーテルにも適用できる。
当該カテーテルからバルーンに供給される流体としては、造影剤、ヘリウムガス、生理食塩水、CO2ガス、O2ガス、N2ガス、空気など公知のものが挙げられる。
本発明のバルーンカテーテル10の構造についてより詳細に説明すると、図3に示すように、当該バルーンカテーテル10は、先端が開口している第1のルーメン150を有する内管14と、当該内管14の先端より所定長基端側に後退した位置に当該内管14と同軸的に設けられ、かつ内管14の外面との間に第2のルーメン120を形成する外管12と、内管14との接続部(バルーンの先端部側)7a,外管12との接続部(バルーンの基端部側)7bを有し、接続部7bが外管12に取り付けられ、接続部7aが内管14に取り付けられ、基端部近傍にて第2のルーメン120と連通する折り畳み可能なバルーン1と、前記第2のルーメンと連通する開口部を備えたハブ13と、を具備している。
本発明のバルーンカテーテル10は、内管14および外管12を備えたカテーテル本体1と、ハブ13と、バルーン11とにより構成されている。内管14は、先端が開口した第1のルーメン150(内側のアウタールーメン)を有している。第1のルーメン150は、ガイドワイヤーを挿通するためのルーメンであり、ガイドワイヤーポートを形成する開口部であるワイヤーポート18と連通している。そして、ワイヤーポート18より、ガイドワイヤー17を挿通することができる。
内管14としては、外径が0.30〜2.50mm、好ましくは0.40〜2.00mmであり、内径が0.20〜2.35mm、好ましくは0.25〜1.70mmである。内管24の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性樹脂が使用できる。
外管12は、内部に内管14を挿通し、先端が内管の先端よりやや後退した位置に設けられており、この外管12の内面と内管14の外面により第2のルーメン120が形成されている。よって、第2のルーメン120は、十分な容積を有するルーメンとすることができる。そして、第2のルーメン120は、その先端において上述するバルーン11内とその基端部において連通し、第2のルーメン120の基端は、バルーンを膨張させるための流体(例えば、造影剤、ヘリウムガス、生理食塩水、CO2ガス、O2ガスなど)を注入するためのインジェクションポートを形成するハブ13の開口部130と連通している。外管12としては、外径が0.50〜4.30mm、好ましくは0.60〜4.00mmであり、内径が0.40〜3.80mm、好ましくは0.50〜3.00mmである。
また、必要によりバルーン拡張時にバルーン内に上記のX線不透過性物質を注入してもよい。
外管12の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性樹脂が使用できる。
また、図3において、本発明のバルーンカテーテル10の先端には、血管に追随するのを助ける役割を果たすとともに、血管壁に損傷を与えないようにするため、球面状の先端部材15を有することが好ましい。
バルーン11は、折り畳み可能なものであり、拡張させない状態では、内管14の外周に折り畳まれた状態となることができるものである。そして、バルーン11は、血管や体腔の狭窄部を容易に拡張できるように少なくとも一部が円筒状となっているほぼ同径の筒状本体を有する折り畳み可能なものである。そして、バルーン11は、その接続部7bが外管12の先端部に接着剤または熱融着などにより液密に固着されている。接続部7aも、内管14の先端部に同様に液密に固着されている。
バルーン11は、図3に示すように、拡張時、バルーン11の内面と内管14の外面との間に空間112を形成する。この空間112の基端側ではその全周において第2のルーメン120と連通している。このように、バルーン11の基端側に比較的大きい容積を有する第2のルーメンを連通させているため、第2のルーメンよりバルーン11内への流体を注入するのが容易である。バルーン11としては、上述したものが使用される。また図3においては、バルーン11は3層の膜から構成されているが、上記のように少なくともポリアミド層とポリアミドエラストマー層からなる2層以上の膜で構成されていれば特に制限されない。
また、バルーン11の筒状の膜状本体の位置をX線造影により確認できるようにするために、内管14の外面に、X線マーカー44を一つ以上設けることが好ましい。X線マーカー44は、図3に示すように、バルーン11の内管14との固着部より基端側近傍の位置およびバルーン11と外管12との固着部より先端側近傍の位置、つまり、バルーン11の筒状の膜状本体2の両端に位置する部分に設けることが好ましい。
当該X線マーカー44は、X線不透過材料(例えば、金、白金、イリジウム、タングステンあるいはそれらの合金等)により形成されることが好ましい。
本発明に係るハブ13は、第2のルーメン120と連通し、流体を注入排出する通路の入口であるインジェクションポートを形成する開口部130を有する。そのため、開口部130は、流路としての役割も担い、例えばインデフレーター、シリンジ、ポンプ等の流体給排部(不図示)に連通される。これらによって流体が開口部130および第2のルーメン120を経てバルーン11に供給され、またはバルーン11から排出される。すなわち、開口部130およびルーメン120は、バルーン11を拡張収縮させる駆動流体の供給、排出経路として機能する。
本発明に係るハブの形成材料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート‐ブチレン‐スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
ポリアミドエラストマー(EMS社製グリルアミドELG5660,ショアD硬度56)の溶融重合によって得られたポリアミドエラストマー(溶融粘度1,260Pa・s)樹脂(PAE1)を作製し、内層と外層にPAE1、中層にポリアミド(EMS社製グリルアミドL25)を用いた3層チューブ(内径拡張倍率;8.2倍、φ0.37×0.47×0.82×0.88mm)を成形した。その後、得られたチューブ内に110℃で乾燥窒素を3.9MPaの圧力で30秒間吹き込むことによりブロー成形を行い、外径3.00mm,肉厚22.4μmのバルーンを作製した結果、耐圧(バルーンの破裂圧力)は37.1atm、コンプライアンスは0.010mm/atmであった。
なお、本発明で使用した径の膨らみやすさを示すコンプライアンスという用語は、12atmから22atmの作動レンジでバルーンに内部圧力を加えた時のバルーンの外径の増大との関係を示したコンプライアンス曲線の傾きを示す。
得られたバルーンを輪切と長軸方向とに切断し、それらの断面の偏光顕微鏡観察を実施し、図4(a)に示す5箇所のレタデーションを測定して複屈折を算出した。そして、算出した複屈折を前記方程式(1)〜(3)に代入した結果、中層のポリアミド層内側表面の円周方向の屈折率nr1が1.532、内層のポリアミドエラストマー層内側表面の円周方向の屈折率nr2が1.517であった。
なお、実施例および比較例における各屈折率の測定箇所を図4(a)に示す。3層膜のバルーンの場合は、図4(a)に示す5箇所の各位置でのレタデーションを測定し、2層膜のバルーンの場合は、図4(a)に示す4箇所の各位置でのレタデーションを測定している。また、図4(b)〜図8に示す実施例および比較例のグラフは、バルーンにおける5箇所または4箇所の位置とその位置での屈折率との関係を示すものであり、nr:円周方向の屈折率,nl:長軸方向の屈折率,nd:厚み方向の屈折率を示している。すなわち、図4(a)に示すように、3層膜のバルーンの場合は、カテーテル用バルーンの断面の最内周のポリアミドエラストマー層の内側表面近傍を0、当該最内周のポリアミドエラストマー層に隣接するポリアミド層の内側表面近傍を1、当該ポリアミド層の外側表面近傍を2、当該ポリアミド層の内側表面と外側表面との中間を1.5、カテーテル用バルーンの断面の最外周のポリアミドエラストマー層の外側表面近傍を3とした合計5箇所を、実施例1〜9および比較例1〜2のカテーテル用バルーンの内周面からの距離として規定している。また、2層膜のバルーンの場合は、バルーンの断面の最内周のポリアミド層の内側表面近傍を0、当該ポリアミド層の外側表面近傍を1、当該ポリアミド層の内側表面と外側表面との中間を1.5、カテーテル用バルーンの断面の最外周のポリアミドエラストマー層の外側表面近傍を2とした合計4箇所を、比較例3〜4のカテーテル用バルーンの内周面からの距離として規定している。
(実施例2)
ポリアミドエラストマー(EMS社製グリルアミドELG5660,ショアD硬度56)の溶融重合によって得られたポリアミドエラストマー(溶融粘度1,260Pa・s)樹脂(PAE1)を作製し、内層と外層にPAE1、中層にポリアミド(EMS社製グリルアミドL25)を用いた3層チューブ(内径拡張倍率;8.6倍、φ0.35×0.46×0.77×0.83mm)を成形した。その後、得られたチューブ内に110℃で乾燥窒素を3.9MPaの圧力で120秒間吹き込むことによりブロー成形を行い、外径3.00mm,肉厚22.1μmのバルーンを作製した結果、耐圧(バルーンの破裂圧力)は36.8atm、コンプライアンスは0.010mm/atmであった。
得られたバルーンを輪切と長軸方向に切断し、それらの断面の偏光顕微鏡観察を実施し、図4(a)に示す5箇所のレタデーションを測定して複屈折を算出した。そして、算出した複屈折を前記方程式(1)〜(3)に代入した結果、中層のポリアミド層内側表面の円周方向の屈折率nr1が1.533、内層のポリアミドエラストマー層内側表面の円周方向の屈折率nr2が1.520であった。
(実施例3)
ポリアミドエラストマー(EMS社製グリルアミドELG5660,ショアD硬度56)の溶融重合によって得られたポリアミドエラストマー(溶融粘度3,489Pa・s)樹脂(PAE1)を作製し、内層と外層にPAE1、中層にポリアミド(EMS社製グリルアミドL25)を用いた3層チューブ(内径拡張倍率;8.6倍、φ0.35×0.47×0.82×0.88mm)を成形した。その後、得られたチューブ内に100℃で乾燥窒素を4.0MPaの圧力で30秒間吹き込むことによりブロー成形を行い、外径3.00mm,肉厚22.6μmのバルーンを作製した結果、耐圧(バルーンの破裂圧力)は32.7atm、コンプライアンスは0.009mm/atmであった。
得られたバルーンを輪切と長軸方向に切断し、それらの断面の偏光顕微鏡観察を実施し、図4(a)に示す5箇所のレタデーションを測定して複屈折を算出した。そして、算出した複屈折を前記方程式(1)〜(3)に代入した結果、中層のポリアミド層内側表面の円周方向の屈折率nr1が1.531、内層のポリアミドエラストマー層内側表面の円周方向の屈折率nr2が1.517であった。
(実施例4)
ポリアミドエラストマー(EMS社製グリルアミドELG6260,ショアD硬度62)の溶融重合によって得られたポリアミドエラストマー(溶融粘度5,282Pa・s)樹脂(PAE1)を作製し、内層と外層にPAE1、中層にポリアミド(EMS社製グリルアミドL25)を用いた3層チューブ(内径拡張倍率;8.6倍、φ0.35×0.47×0.82×0.88mm)を成形した。その後、得られたチューブ内に110℃で乾燥窒素を3.7MPaの圧力で120秒間吹き込むことによりブロー成形を行い、外径3.00mm,肉厚22.8μmのバルーンを作製した結果、耐圧(バルーンの破裂圧力)は29.9atm、コンプライアンスは0.011mm/atmであった。
得られたバルーンを輪切と長軸方向に切断し、それらの断面の偏光顕微鏡観察を実施し、図4(a)に示す5箇所のレタデーションを測定して複屈折を算出した。そして、算出した複屈折を前記方程式(1)〜(3)に代入した結果、中層のポリアミド層内側表面の円周方向の屈折率nr1が1.530、内層のポリアミドエラストマー層内側表面の円周方向の屈折率nr2が1.516であった。
(実施例5)
ポリアミドエラストマー(EMS社製グリルアミドELG6260,ショアD硬度62)の溶融重合によって得られたポリアミドエラストマー(溶融粘度5,282Pa・s)樹脂(PAE1)を作製し、内層と外層にPAE1、中層にポリアミド(EMS社製グリルアミドL25)を用いた3層チューブ(内径拡張倍率;7.7倍、φ0.39×0.50×0.82×0.92mm)を成形した。その後、得られたチューブ内に130℃で乾燥窒素を3.2MPaの圧力で30秒間吹き込むことによりブロー成形を行い、外径3.00mm,肉厚21.9μmのバルーンを作製した結果、耐圧(バルーンの破裂圧力)は28.1atm、コンプライアンスは0.010mm/atmであった。
得られたバルーンを輪切と長軸方向に切断し、それらの断面の偏光顕微鏡観察を実施し、図4(a)に示す5箇所のレタデーションを測定して複屈折を算出した。そして、算出した複屈折を前記方程式(1)〜(3)に代入したその結果、中層のポリアミド層内側表面の円周方向の屈折率nr1が1.530、内層のポリアミドエラストマー層内側表面の円周方向の屈折率nr2が1.517であった。
(実施例6)
ポリアミドエラストマー(EMS社製グリルアミドELG6260,ショアD硬度62)の溶融重合によって得られたポリアミドエラストマー(溶融粘度7,391Pa・s)樹脂(PAE1)を作製し、内層と外層にPAE1、中層にポリアミド(EMS社製グリルアミドL25)を用いた3層チューブ(内径拡張倍率;8.6倍、φ0.35×0.47×0.82×0.88mm)を成形した。その後、得られたチューブ内に110℃で乾燥窒素を3.6MPaの圧力で30秒間吹き込むことによりブロー成形を行い、外径3.00mm,肉厚22.2μmのバルーンを作製した結果、耐圧(バルーンの破裂圧力)は30.9atm、コンプライアンスは0.011mm/atmであった。
得られたバルーンを輪切と長軸方向に切断し、それらの断面の偏光顕微鏡観察を実施し、図4(a)に示す5箇所のレタデーションを測定して複屈折を算出した。そして、算出した複屈折を前記方程式(1)〜(3)に代入した結果、中層のポリアミド層内側表面の円周方向の屈折率nr1が1.531、内層のポリアミドエラストマー層内側表面の円周方向の屈折率nr2が1.517であった。
(実施例7)
内外層にポリアミドエラストマー(EMS社製グリルアミドELG5660,ショアD硬度56)、中層にポリアミド(EMS社製グリルアミドL25)を用いた3層チューブ(内径拡張倍率;8.5倍、φ0.36×0.50×0.84×0.88mm)を成形した。その後、得られたチューブ内に90℃で乾燥窒素を4.2MPaの圧力で30秒間吹き込むことによりブロー成形を行い、外径3.00mm,肉厚20.4μmのバルーンを作製した結果、耐圧(バルーンの破裂圧力)は33.1atm、コンプライアンスは0.013mm/atmであった。
得られたバルーンを輪切と長軸方向に切断し、それらの断面の偏光顕微鏡観察を実施し、図4(a)に示す5箇所のレタデーションを測定して複屈折を算出した。そして、算出した複屈折を前記方程式(1)〜(3)に代入した結果、中層のポリアミド層内側表面の円周方向の屈折率nr1が1.526、内層のポリアミドエラストマー層内側表面の円周方向の屈折率nr2が1.514であった。
(実施例8)
内外層にポリアミドエラストマー(EMS社製グリルアミドELG5660,ショアD硬度56)、中層にポリアミド(EMS社製グリルアミドL25)を用いた3層チューブ(内径拡張倍率;8.2倍、φ0.37×0.51×0.84×0.88mm)を成形した。その後、得られたチューブ内に90℃で乾燥窒素を4.2MPaの圧力で30秒間吹き込むことによりブロー成形を行い、外径3.00mm,肉厚19.6μmのバルーンを作製した結果、耐圧(バルーンの破裂圧力)は33.3atm、コンプライアンスは0.016mm/atmであった。
得られたバルーンを輪切と長軸方向に切断し、それらの断面の偏光顕微鏡観察を実施し、図4(a)に示す5箇所のレタデーションを測定して複屈折を算出した。そして、算出した複屈折を前記方程式(1)〜(3)に代入した結果、中層のポリアミド層内側の円周方向の屈折率nr1が1.528、内層のポリアミドエラストマー層内側表面の円周方向の屈折率nr2が1.513であった。
(実施例9)
内外層にポリアミドエラストマー(EMS社製グリルアミドELG5660,ショアD硬度56)、中層にポリアミド(EMS社製グリルアミドL25)を用いた3層チューブ(内径拡張倍率;7.9倍、φ0.38×0.52×0.85×0.89mm)を成形した。その後、得られたチューブ内に100℃で乾燥窒素を4.0MPaの圧力で30秒間吹き込むことによりブロー成形を行い、外径3.00mm,肉厚19.4μmのバルーンを作製した結果、耐圧(バルーンの破裂圧力)は33.0atm、コンプライアンスは0.015mm/atmであった。
得られたバルーンを輪切と長軸方向に切断し、それらの断面の偏光顕微鏡観察を実施し、図4(a)に示す5箇所のレタデーションを測定して複屈折を算出した。そして、算出した複屈折を前記方程式(1)〜(3)に代入した結果、中層のポリアミド層内側表面の円周方向の屈折率nr1が1.525、内層のポリアミドエラストマー層内側表面の円周方向の屈折率nr2が1.515であった。
(比較例1)
内外層にポリアミドエラストマー(アルケマ社製PEBAX5533,ショアD硬度55)、中層にポリアミド(EMS社製グリルアミドL25)を用いた3層チューブ(内径拡張倍率;8.2倍、φ0.37×0.48×0.82×0.90mm)を成形した。その後、得られたチューブ内に110℃で乾燥窒素を3.0MPaの圧力で30秒間吹き込むことによりブロー成形を行い、外径3.00mm,肉厚22.3μmのバルーンを作製した結果、耐圧(バルーンの破裂圧力)は26.0atm、コンプライアンスは0.018mm/atmであった。
得られたバルーンを輪切と長軸方向に切断し、それらの断面の偏光顕微鏡観察を実施し、図4(a)に示す5箇所のレタデーションを測定して複屈折を算出した。そして、算出した複屈折を前記方程式(1)〜(3)に代入した結果、中層のポリアミド層内側表面の円周方向の屈折率nr1が1.528、内層のポリアミドエラストマー層内側表面の円周方向の屈折率nr2が1.522であった。
(比較例2)
内層にポリアミドエラストマー(EMS社製グリルアミドELG5930,ショアD硬度59)、中層にポリアミド(EMS社製グリルアミドL25)、外層にポリアミドエラストマー(EMS社製グリルアミドELG5660,ショアD硬度56)を用いた3層チューブ(内径拡張倍率;8.6倍、φ0.35×0.47×0.82×0.88mm)を成形した。その後、得られたチューブ内に90℃で乾燥窒素を4.2MPaの圧力で30秒間吹き込むことによりブロー成形を行い、外径3.00mm,肉厚23.2μmのバルーンを作製した結果、耐圧(バルーンの破裂圧力)は21.3atm、コンプライアンスは0.015mm/atmであった。
得られたバルーンを輪切と長軸方向に切断し、それらの断面の偏光顕微鏡観察を実施し、図4(a)に示す5箇所のレタデーションを測定して複屈折を算出した。そして、算出した複屈折を前記方程式(1)〜(3)に代入した結果、中層のポリアミド層内側表面の円周方向の屈折率nr1が1.532、内層のポリアミドエラストマー層内側表面の円周方向の屈折率nr2が1.527であった。
(比較例3)
テルモ製バルーンHiryu(φ3.00mm×15mm,膜厚19.8μm,耐圧28.0atm、コンプライアンス0.016mm/atm)(内層:ポリアミド、外層:ポリアミドエラストマーの2層バルーン)の断面の偏光顕微鏡観察を実施し、図4(a)に示す4箇所のレタデーションを測定したところ、ポリアミド層内側表面の円周方向(nr)の屈折率が1.531であり、最内層にポリアミドエラストマーが存在しない上に、最内層表面のnrが1.520以下とならなかった。
(比較例4)
テルモ製バルーンKongou(φ3.00mm×15mm,膜厚23.4μm,耐圧27.9atm、コンプライアンス0.015mm/atm)(内層:ポリアミド、外層:ポリアミドエラストマーの2層バルーン)の断面の偏光顕微鏡観察を実施し、図4(a)に示す4箇所のレタデーションを測定したところ、ポリアミド層内側表面の円周方向(nr)の屈折率が1.529であり、最内層にポリアミドエラストマーが存在しない上に、最内層表面のnrが1.520以下とならなかった。
また、上記実施例1〜9および比較例1〜4の各屈折率と、バルーンの内周面からの距離との関係を示す実験データを図4(b)〜8に示す。
以下、実施例1〜9および比較例1〜4の円周方向の屈折率nrを示す。
(図面における符号の説明)
1 カテーテル本体
2 筒状の膜状本体
3a,3b 開口部
7a,7b カテーテルとの接続部
8 ポリアミドエラストマー層
9 ポリアミド層
10 バルーンカテーテル
11 カテーテル用バルーン
12 外管
13 ハブ
14 内管
130 開口部(インジェクションポート)
120 第2のルーメン
150 第1のルーメン

Claims (5)

  1. ポリアミドエラストマー層およびポリアミド層からなる少なくとも2つ以上の層が積層される膜から形成された筒状のカテーテル用バルーンであって、
    前記ポリアミド層の内側に前記ポリアミドエラストマー層が設けられており、
    前記ポリアミド層内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr1が前記ポリアミドエラストマー層内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr2より大きく、かつ前記屈折率nr1と、前記屈折率nr2との差が0.01以上であることを特徴とするカテーテル用バルーン。
  2. 前記ポリアミドエラストマー層の内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr2が1.520以下である、請求項1記載のカテーテル用バルーン。
  3. 前記ポリアミド層の内側表面における軸直角断面周方向の屈折率nr1が1.520〜1.540である、請求項1または2に記載のカテーテル用バルーン。
  4. 前記ポリアミド層の外側に、さらにポリアミドエラストマー層を設けた、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカテーテル用バルーン。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のカテーテル用バルーンを有する、バルーンカテーテル。
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