JP2005305187A - カテーテルバルーン及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルーン円筒部、円錐部の配向ムラを無くし、薄肉で耐圧性が向上したカテーテルバルーンを提供する。
【解決手段】高分子材料から形成され、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての円周方向の主屈折率がそのバルーンを形成する材料の固有屈折率より常に大きく、且つ円周方向の複屈折率が常に0より大きいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーン。
【選択図】なし

Description

本発明は、拡張操作を目的とする手術に使用されるカテーテルとその製造方法に関するもので、特に血管拡張用カテーテルに関するものである。
拡張カテーテルは狭窄、または閉塞した血管に対しての血管形成治療に用いられている。この治療においては、カテーテルのバルーン部は患者の動脈を経て狭窄部位中に挿入されねばならず、そのためバルーン部が小断面であること(ロー・プロファイル)、バルーン部を含めたカテーテル先端部が血管追随性に優れていること、すなわち柔軟性に富んでおり、かつ、ガイドワイヤとの摩擦が少ないことが要求されている。この両者の要求を満たすためバルーン部分の薄膜化が研究されてきている。この薄膜化を目的とした従来の血管拡張用カテーテルに使用されるバルーンの成型方法は、バルーンの原料パリソンを二次転移温度以上において軸方向に延伸を加え、その後、型内で吹き込み成形を行い円周方向に延伸、二次延伸された高強度バルーンを得るというものであった(例えば、特許文献1、2参照)。
一般に、バルーンを成形する際には、上記の方法によって得られるバルーンの円錐部の肉厚は円筒部より離れるに従って円筒部の肉厚より厚くなる事は避けられない。このためバルーンを血管に挿入するために収縮させシャフト部周囲に折りたたんだ場合に、円錐部の肉厚が厚い故に折りたたみが困難であったり、折りたたんだ円錐部の断面がその近傍のカテーテルの断面より大きくなり、バルーン部端に突起が生じる場合があった。したがって、カテーテルの血管中を通過させる性能、狭窄部を突破させる性能が低下し、さらに挿入された血管部、他組織を損傷するという危険もあった。
これらの問題を解決するために、予めパリソンの円錐部を形成すると考えられる部分を選択的に薄膜化しておき、円錐部の肉厚を薄くコントロールするバルーンの製法(例えば、特許文献3、4参照)や、バルーン円筒部を複層化し円錐部を薄くしたバルーン(例えば、特許文献5参照)が提案されている。
特公昭63−26655号公報 特公平3−63908号公報 特開平2−4387号公報 特開平4−176473号公報 特開平4−231070号公報
上記のように医療用カテーテルのバルーン部分を作製するために高強度化、薄肉化、円筒部と円錐部の肉厚比の低下と数々の努力が試されてきた。しかし、我々はバルーン作製を研究する過程、特にバルーンの破壊特性を詳細に検討した際において、従来の技術で作製されたバルーンは円筒部から円錐部への遷移部近傍から破壊をきたす場合が多いということに気づいた。その原因を更に調査した結果、従来の技術によって作製されたバルーンは円筒部から円錐部への遷移部近傍及び円錐部に分子配向ムラが存在することが判った。
上述したように、拡張用カテーテルバルーンは二軸延伸によって加工作製される。延伸は高分子材料を軟化点以上の温度で引っ張り、分子を配向させ、強度を増すプロセスである。延伸においては、材料のどの部分にも均一な温度と応力及び延伸量が維持されることが不可欠である。温度に関しては材料が十分に軟化されていない状態で延伸すると応力が不均一となり延伸ムラが生じ、温度が高すぎると延伸時の配向緩和の温度依存性が大きくなり、わずかな温度ムラが配向ムラとなる。応力、延伸量に関してはテンターなどを用いるフィルム延伸ではフィルム材料内で一様な応力、延伸量が加えられるが、型内で延伸をおこなう際には型内の形状により材料に加えられる応力、延伸量が一定ではないため材料全体が一様な延伸状態になることは難しい。バルーンの場合は円筒部と円錐部からなる型内で延伸ブローするので、円筒部と円錐部では延伸の程度が異なり延伸ムラが生じやすいことは明白である。バルーン部分は高分子材料を高度に延伸することによって高強度に作製されるが、延伸による配向がそろっていないと当然その部分の強度は低下するのでバルーンとして耐圧性を上げるために厚肉となっていた。従って、均一な延伸を行いバルーンの部位による配向ムラを無くしてやることにより成型品としての強度を上げ、また強度が上昇した分だけ薄肉化することが可能である。
また上述したように、バルーン円錐部の肉厚を薄くすることは重要であると考えられているが、そのためには特開平2−4387の如く予めチューブを予備的に加工しておくような操作が必要であったり、また特開平4−231030の如くバルーン円筒部を積層化するような煩雑な操作が必要であった。。
本発明はバルーン円筒部、円錐部の配向ムラを無くした、より一層耐圧性が向上した、バルーン部が薄肉化されたカテーテルバルーン及びその製造方法を提供するものである。さらに本発明は、バルーン円筒部と円錐部の肉厚の差を小さくしたカテーテルバルーン及びカテーテルバルーンの容易な製造方法を提供するものである。
本発明は、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の円筒部と円錐部の肉厚の比が円筒部を形成される前のチューブとの比より比較的小で、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけて延伸ムラ、配向ムラの少ない事を特徴とするカテーテルバルーン、特に主延伸方向(円周方向)への分子配向のムラが円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で比較的小である事を特徴とする拡張用カテーテルバルーンを提供することにより上記目的を達成するものである。
即ち、本発明の第1は、延伸加工が可能な高分子材料から形成され、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての円周方向の主屈折率がそのバルーンを形成する材料の固有屈折率より常に大きく、且つ円周方向の複屈折率が常に0より大きいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンを内容とする。
本発明の第2は、延伸加工が可能な高分子材料から形成され、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての円周方向の配向係数が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に1/3より大きいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンを内容とする。
本発明の第3は、延伸加工が可能な高分子材料から形成され、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての円周方向の配向度が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に0より大きいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンを内容とする。
本発明の第4は、延伸加工が可能な高分子材料から形成され、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての膜厚方向の配向係数が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に1/3より小さいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンを内容とする。
本発明の第5は、延伸加工が可能な高分子材料から形成され、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての膜厚方向への配向度が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に0より小さいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンを内容とする。
本発明の第6は、延伸加工が可能な負の屈折率を持つ高分子材料から形成され、円筒部との両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけて円周方向の主屈折率がそのバルーンを形成する材料の固有屈折率より常に小さく、且つ円周方向の複屈折率が常に0より小さいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンを内容とする。
本発明の第7は、延伸加工が可能な高分子材料からなるチューブ状パリソンを二次転移温度以上で型内で円周方向に延伸しバルーンの形成を開始すると同時に、チューブ状パリソンに軸方向にかかっている応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または外側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させて得られる、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての円周方向の主屈折率がそのバルーンを形成する材料の固有屈折率より常に大きく、且つ円周方向の複屈折率が常に0より大きいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンを内容とする。
本発明の第8は、延伸加工が可能な高分子材料からなるチューブ状パリソンを二次転移温度以上で型内で円周方向に延伸しバルーンの形成を開始すると同時に、チューブ状パリソンに軸方向にかかっている応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または外側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させて得られる、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての円周方向の配向係数が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に1/3より大きいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンを内容とする。
本発明の第9は、延伸加工が可能な高分子材料からなるチューブ状パリソンを二次転移温度以上で型内で円周方向に延伸しバルーンの形成を開始すると同時に、チューブ状パリソンに軸方向にかかっている応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または外側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させて得られる、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての円周方向の配向度が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に0より大きいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンを内容とする。
本発明の第10は、延伸加工が可能な高分子材料からなるチューブ状パリソンを二次転移温度以上で型内で円周方向に延伸しバルーンの形成を開始すると同時に、チューブ状パリソンに軸方向にかかっている応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または外側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させて得られる、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての膜厚方向の配向係数が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に1/3より小さいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンを内容とする。
本発明の第11は、延伸加工が可能な高分子材料からなるチューブ状パリソンを二次転移温度以上で型内で円周方向に延伸しバルーンの形成を開始すると同時に、チューブ状パリソンに軸方向にかかっている応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または外側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させて得られる、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての膜厚方向への配向度が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に0より小さいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンを内容とする。
本発明の第12は、延伸加工が可能な負の屈折率を持つ高分子材料からなるチューブ状パリソンを二次転移温度以上で型内で円周方向に延伸しバルーンの形成を開始すると同時に、チューブ状パリソンに軸方向にかかっている応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または外側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させて得られる、円筒部との両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけて円周方向の主屈折率がそのバルーンを形成する材料の固有屈折率より常に小さく、且つ円周方向の複屈折率が常に0より小さいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンを内容とする。
本発明の第13は、延伸加工が可能な高分子材料からなるチューブ状パリソンを型内に配置し二次転移温度以上で圧力気体を吹き込みカテーテルバルーンを成形するに際し、チューブ状パリソンが円周方向へ延伸しバルーンの形成を開始すると同時にチューブ状パリソンの軸方向にかかっている応力の変化を検知し、該応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または片側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させる操作を行うことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンの製造方法を内容とする。
本発明のカテーテル用バルーンは、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を持つ円筒部を有するカテーテル用バルーンであって、両方又は一方の円筒部と円錐部の肉厚の比が円筒部を形成される前のチューブとの比より比較的小で、両方又は一方の円筒部から円錐部にかけて延伸ムラ、配向ムラの少ないことが特徴である。特に、円筒部の円錐部近傍における十分に延伸されにくい部分の延伸が的確に行われて配向ムラが無くなるので、成型品としての強度が向上し、また強度が向上した分だけ薄肉化されたバルーンを提供することが可能である。
本発明のバルーンは、ブロー成形の際にチューブを軸方向へバルーンの反対方向に移動させることにより得られ、従来方法、即ち、予めチューブを予備的に加工しておくような操作が必要であったり、バルーン円筒部を積層化するような煩雑な操作が必要な方法に比べ、容易にバルーン円筒部と円錐部の肉厚をコントロールすることが可能である。
本発明のカテーテルバルーンは、例えば図1に示す如き装置を用いて製造される。即ち、バルーンに成形されるのに適切な材質、直径、肉厚であるチューブ1を型2内に導入し、チューブ状パリソン3を型2内に配置し、空気、窒素等の圧力気体8をパリソン内に導入してブロー成形する際に、バルーンが型内で膨張を開始するのと同時にチューブ状パリソン3の軸方向の応力変化をフォースゲージの如き検知手段4で検知し、固定部5、6でチューブ1を保持したまま軸方向で且つバルーンと反対側へスライドテーブル7上を移動させることによりチューブ1を移動させて製造される。この場合、ブロー成形の前にチューブ1の軸方向へ延伸を加えておくと、より好ましい結果が得られる。
本発明の好ましい実施状態においては、バルーン円筒部から円錐部までほぼ一定の延伸状態であるバルーンが得られる。特に円筒部の円錐部近傍における十分に延伸されにくい部分の延伸が的確に行われて配向ムラが無くなる。また、本発明のバルーンの円錐部の肉厚は、ブロー成形の際にチューブを軸方向へ移動させる操作を加えない場合に比べて薄くなり、円筒部の肉厚との比も比較的小となる。
拡張用カテーテルに用いるバルーン部分は、拡張時にかけられる内圧に対して十分な強度を与えるため延伸加工によって作られる。高分子材料は延伸により力学的性質、光学的性質、熱的、電気的性質の異方性が出現する。このような物理的性質の異方性は、延伸による結晶、非結晶相内に介在する高分子鎖の配向によって支配される。したがって、分子配向の評価は異方性の評価によって行うことが可能である。
バルーン部の素材としては延伸加工が可能な高分子材料なら制限されず選択でき、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ポリアセチレン、ポリサルフォン等の高分子材料とその共重合体、混合体が適用可能である。それらは下記のような種々の評価法をその材料の特徴に則して用いることにより、材料中の分子配向として延伸の状態が評価可能である。
一般に延伸した高分子は各種分光学的手法によって配向状態を評価される。具体的には顕微偏光分光光度計や屈折計を用いる複屈折の測定法、広角X線回折、小角X線散乱、変更蛍光法、レーザーラマン散乱法による配向評価があるが、これらの配向の特徴は配向係数、配向度によって表現される。配向係数は下記(a)の如く、延伸方向に対する分子鎖、結晶主軸の配向(全分子配向)の方向余弦の2乗平均値であり、これより下記(b)の如く、配向度が求められる。分子鎖および結晶が延伸方向に完全に配向した場合は、下記(c)の如くとなる。配向に方向性が無い場合は下記(d)の如くである。延伸方向に完全に垂直に配向した場合は、下記(e)の如くである。すなわち配向係数が1/3より大きく、配向度が0より大きい場合は延伸方向に配向が存在し、配向係数が1/3より小さく、配向度が0より小さい場合は延伸方向と垂直な配向が存在することを示している。
Figure 2005305187
高分子膜の理想的な延伸においては、延伸方向と平行に分子鎖、結晶主軸が配向するため常に延伸方向の配向係数は1/3より大きく、配向度が0より大きくなり、且つ、膜厚方向は延伸方向とそれに平行な分子配向と垂直になるために常に配向係数が1/3より小さく、配向度が0より小さくなる。
また、本明細書中では屈折率の測定より分子配向を評価しているので、延伸と屈折率の関係をもう少し詳しく述べると、物質の屈折率は分子の分極に起源し、たいていの分子は分極していることから光学的に異方性である。物質中に分子が方向性を示さずにランダムに分布している場合は、どの方向の分極率も等しくなり単一の屈折率が示されるが、延伸などの操作により分子および分子鎖、結晶主軸が配向すると光学的異方性が出現する。高分子膜の延伸、特に2軸延伸においては長さ、幅、厚さ方向に振動する光の屈折率が異なりそれぞれ3方向の主屈折率とされる。その場合、延伸方向と平行に分子鎖、結晶主軸が配向するため常に延伸方向の主屈折率がその材料の固有屈折率よりも大きくなり、複屈折率が0より大きくなる。
バルーン用素材としては、先述したように延伸可能な高分子材料とその共重合体、混合体が適用可能であるが、例えばポリスチレンやポリメチルメタクリレート及びその共重合体、混合体のように分子の配向方向と光軸が垂直になる場合、即ち負の屈折率を持つ素材は屈折率の評価は正の屈折率を持つ素材と反対となることに注意しなければならない。
本明細書中では顕微偏光分光光度計を用い、バルーンの円周方向、軸方向、膜厚方向のそれぞれの主屈折率、複屈折率を測定し、コンバーテック1994年9月、p.78〜81、コンバーテック1994年10月、p.63〜67、コンバーテック1994年12月、p.44〜47、コンバーテック1995年1月、p.4〜8、コンバーテック1995年2月、p.33〜35に記載された方法によってバルーンの各方向の配向係数、配向度を求めて評価指標とした。
以下に本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例1
バルーンに成形されるのに適切な直径、肉厚である架橋したポリエチレン製チューブを内径2.5mmφの型内に配置し、115℃に加熱し、軸方向へ1.5倍延伸した後、チューブ内へ加圧窒素(6kg/cm2)を導入しチューブが円周方向へ延伸されるのをフォースゲージを用いて検知し、同時にチューブの両端をすばやく軸方向にバルーンの反対方向へ向けて400mm/secの速度で移動させ、外径2.5mmのバルーンを成形した(バルーンA)。
比較例1
チューブの両端を軸方向にバルーンの反対方向にむけて移動させる操作を施さない以外は、実施例1と同様の方法で外径2.5mmのバルーン(バルーンB)を成形した。
比較例2、3
市販の公称外径2.5mmのポリエチレン製カテーテルバルーン(バルーンC)、市販のポリエチレンテレフタレート(PET)製のカテーテルバルーン(バルーンD)を比較対象とした。
上記バルーンA〜Dの肉厚、主屈折率、配向係数及び配向度を測定した。尚、図3に肉厚、主屈折率などを測定したバルーンの部所を示す。aはバルーンの円筒部中央、bはバルーン円筒部と円錐部との境界から円筒部側へ0.5mmの部位、cはバルーン円筒部と円錐部との境界から円錐部側へ0.5mmの部位、dはバルーン円錐部中央である。
(1)バルーンの肉厚
本発明のバルーンA、比較例1のバルーンBの、図3に示したa〜dの各測定点での肉厚を測定した。結果は下記のとおりである。
Figure 2005305187
円錐部中央であるd点でのバルーンAの肉厚はバルーンBと比較して小さくなっており、シャフト部周囲に折りたたんだ場合はバルーンAはバルーンBより折りたたみ易く、折りたたんだ円錐部の断面もバルーンAの方が小であった。
(2)主屈折率、配向係数、配向度
バルーンA〜Dについて、図2に示すように、円周方向(nx)、軸方向(ny)、厚さ方向(nz)の主屈折率、分子配向係数、分子配向度を図3に示す各測定部所での測定した。測定結果を計算結果として示す。
測定方法は顕微偏光分光光度計を用いてバルーン部分のレターデーションを測定、バルーン円周方向、軸方向、厚さ方向の主屈折率、分子配向係数、分子配向度を計算した。計算にはポリエチレンの固有屈折率として1.510、固有複屈折として0.049を、PETの固有屈折率として1.674、固有複屈折として0.217を使用した。
Figure 2005305187
Figure 2005305187
Figure 2005305187
Figure 2005305187
これらの表から判るように、本発明のバルーンAは比較バルーンB、C、Dと比べてバルーンの各部分で円周方向、軸方向、厚さ方向の主屈折率、配向係数、配向度の変動が少なく、延伸ムラが少ない。
特に、比較バルーンB、C、Dではバルーンの円筒部と円錐部の境界近傍で主屈折率、配向係数、配向度の値の変動が激しく、延伸にムラがあることがわかる。
また、比較バルーンB、C、Dでは円筒部と円錐部の境界付近で分子配向が見られない箇所がある他、円錐部中央dでは配向がほとんどみられない。屈折率については、本発明のバルーンAはどの測定箇所においても常に円周方向の屈折率が固有屈折よりも大きく円周方向の配向が常に存在することがわかる。
更に、比較バルーンB、C、Dでは円周方向の屈折率が固有屈折率と同じ、つまり他方向と比べた円周方向の分子配向がみられないか、または円周方向の屈折率が固有屈折率より小さく、円周方向の分子配向より他方向の方が配向されている。
具体的に示すと、バルーンAは各測定部所a、b、c、dのどの点においても円周方向の主屈折率が固有屈折率1.510より大きい値を示し且つ円周方向>軸方向>厚さ方向の関係を示しているが、比較バルーンB、C、Dにおいては上記関係を満たさず、また、測定部所dにおいて円周方向の主屈折率がバルーンB、Cは両方とも1.510と固有屈折率1.510よりも大きくない。バルーンDにおいては測定点dにおいて円周方向の主屈折率が1.643とPETの固有屈折率1.674より小さい。
また、バルーンAの円筒部と円錐部の境界近傍(測定部所b点、c点)の屈折率に注目すると、バルーンAのb、c点での円周方向、軸方向、厚さ方向の主屈折率はそれぞれ上記表2から抜粋した表6に示すようにb点、c点で差が少なく、延伸状態がバルーンの円筒部と円錐部の境界近傍で均等であることが示されている。
Figure 2005305187
円周方向の複屈折率について示す。複屈折率(Δ)は延伸方向に平行な主屈折率(n‖)と延伸方向に垂直な主屈折率(n⊥)の差で表される。
Δ=n‖−n⊥
それで、円周方向の複屈折率を求める場合、円周方向に垂直な主屈折率(n⊥)として寄与の大きいと考えられる、軸方向(ny)、厚さ方向(nz)のうち値の大きい方を垂直成分の主屈折率として計算する方法と、軸方向、厚さ方向の平均を垂直成分にとる方法がある。
Δ=nx−ny
Δ=nx−nz
Δ=nx−(ny+nz)/2
これらのいずれの計算方法においても、本発明のバルーンAにおける円周方向の複屈折率は、どの部所においても常に0より大きいことが表から読みとることができる。
バルーンAと比べて、比較バルーンBのb、c点での円周方向、軸方向、厚さ方向の主屈折率は、それぞれ上記表3から抜粋した表7に示すように軸方向、厚さ方向の主屈折率の値の変動が大きく、バルーンの円筒部と円錐部の境界近傍で一様な延伸状態ではないことが示されている。
Figure 2005305187
バルーンAと比べて、比較バルーンCのb、c点での円周方向、軸方向、厚さ方向の主屈折率は、それぞれ上記表4から抜粋した表8に示すように円周方向、軸方向の主屈折率の値の変動が大きく、バルーンの円筒部と円錐部の境界近傍で一様な延伸状態ではないことが示されている。
Figure 2005305187
バルーンAと比べて、比較バルーンDのb、c点での円周方向、軸方向、厚さ方向の主屈折率は、それぞれ上記表5から抜粋した表9に示すように円周方向、軸方向、厚さ方向全ての主屈折率の値の変動が大きく、バルーンの円筒部と円錐部の境界近傍で一様な延伸状態では無いことが示されている。
Figure 2005305187
配向係数に関しても、本発明のバルーンAは、円周方向、軸方向、厚さ方向の配向係数が比較バルーンB、C、Dと比べてバルーンの各部分で円周方向、軸方向、厚さ方向の配向係数の変動が少なく、延伸ムラが少ないことが示されている。
表2に示されているように、バルーンAは各測定部所a、b、c、dのどの点においても配向係数の大きさが、円周方向>軸方向>厚さ方向の順になっており、配向が延伸を行った方向、すなわち円周方向、軸方向に存在し、主延伸方向である円周方向の配向がいちばん大きいことが示されている。また、各測定部所aからdでの配向係数の大きさは円周方向が0.476〜0.599と1/3より大きく、軸方向が0.333〜0.354、厚さ方向が0.027〜0.190と1/3より小さくなっており、また測定点間での差が小さくバルーン円筒部から円錐部にかけて延伸状態が一様であることが示されている。さらにバルーンの円筒部と円錐部の境界近傍(測定部所b点、c点)の配向係数に注目するとバルーンAのb、c点での円周方向、軸方向、厚さ方向の配向係数は、それぞれ上記表2から抜粋した表10に示すようにb点、c点で差が少なく、バルーンの円筒部と円錐部の境界近傍で延伸状態が均等であることが示されている。
Figure 2005305187
バルーンAと比べて、比較バルーンBは測定部所dにおいて配向係数の大きさが厚さ方向>円周方向>軸方向となり、円周方向、軸方向の延伸がおこなわれていないことが示されており、各測定部所aからdの配向係数の大きさも円周方向が0.333〜0.599、軸方向が0.293〜0.374、厚さ方向が0.068〜0.354と測定点間での差がバルーンAと比べて大きく、バルーン円筒部から円錐部にかけての延伸状態が一様でないことが示されている。また、バルーンBのb、c点での円周方向、軸方向、厚さ方向の配向係数はそれぞれ上記表3から抜粋した表11に示すように軸方向、厚さ方向の配向係数の値の変動が大きく、バルーンの円筒部と円錐部の境界近傍で一様な延伸状態ではないことが示されている。
Figure 2005305187
バルーンAと比べて、比較バルーンCは測定部所dにおいて配向係数の大きさが厚さ方向>円周方向>軸方向となり、しかもそれぞれの値が0.333に近いことからどの方向に対してもほとんど延伸がおこなわれていないことが示されている。また、バルーンCのb、c点での円周方向、軸方向、厚さ方向の分子配向係数はそれぞれ上記表4から抜粋した表11に示されるように円周方向、軸方向の分子配向係数の変動が大きく、バルーンの円筒部と円錐部の境界近傍で一様な延伸状態ではないことが示されている。
Figure 2005305187
バルーンAと比べて、比較バルーンDは測定部所dにおいて配向係数の大きさが厚さ方向>円周方向>軸方向となり、円周方向、軸方向の延伸がおこなわれていないことが示されており、各測定部所aからdの配向係数の大きさも円周方向が0.306〜0.476、軸方向が0.273〜0.425、厚さ方向が0.098〜0.421と測定点間での差がバルーンAと比べて大きく、バルーン円筒部から円錐部にかけての延伸状態が一様でないことが示されている。また、バルーンDのb、c点での円周方向、軸方向、厚さ方向の配向係数はそれぞれ上記表5から抜粋した表13に示されるように円周方向、軸方向、厚さ方向全ての配向係数の変動が大きく、バルーンの円筒部と円錐部の境界近傍で一様な延伸状態ではないことが示されている。
Figure 2005305187
配向度に関しても、本発明のバルーンAは、円周方向、軸方向、厚さ方向の配向度が比較バルーンB、C、Dと比べてバルーンの各部分で円周方向、軸方向、厚さ方向の配向度の変動が少なく、延伸ムラが少ないことが示されている。具体的に示すと、バルーンAは各測定部所a、b、c、dのどの点においても円周方向の分子配向度の値が0より大きくなっており、配向が延伸を行った方向すなわち円周方向に存在することが示されている。また、各測定部所aからdでの配向度の大きさは円周方向が0.214〜0.398、軸方向が0.000〜0.031、厚さ方向が−0.459〜−0.214と測定点間での差が小さく、かつ円周方向の配向度が常に0より大きく、軸方向の配向度が常に0に近く、厚さ方向の配向度が常に0より小さいことからバルーン円筒部から円錐部にかけて延伸状態が一様であることが示されている。さらにバルーンの円筒部と円錐部の境界近傍(測定部所b点、c点)の配向度に注目するとバルーンAのb、c点での円周方向、軸方向、厚さ方向の配向度はそれぞれ上記表2から抜粋した表14に示すようにb点、c点で各方向の分子配向度に差が少なく、バルーンの円筒部と円錐部の境界近傍で延伸状態が均等であることが示されている。
Figure 2005305187
バルーンAと比べて、比較バルーンBは測定部所dにおいて円周方向の配向度が0であり円周方向の延伸がおこなわれていないことが示されており、各測定部所aからdの配向度の大きさも円周方向が0.000〜0.398、軸方向が−0.061〜0.061、厚さ方向が−0.398〜0.031と測定点間での差がバルーンAと比べ大きく、バルーン円筒部から円錐部にかけての延伸状態が一様でないことが示されている。また、バルーンBのb、c点での円周方向、軸方向、厚さ方向の配向度はそれぞれ上記表3から抜粋した表15に示されるように軸方向、厚さ方向の配向度の値の変動が大きくバルーンの円筒部と円錐部の境界近傍で一様な延伸状態ではないことが示されている。
Figure 2005305187
バルーンAと比べて、比較バルーンCは測定部所dにおいて円周方向の配向度が0であり円周方向の延伸がおこなわれていないことが示されており、各測定部所aからdの配向度の大きさも円周方向が0.000〜0.306、軸方向が−0.031〜0.092、厚さ方向が−0.337〜0.031と測定部所間での差がバルーンAと比べて大きく、バルーン円筒部から円錐部にかけての延伸状態が一様でないことが示されている。また、バルーンCのb、c点での円周方向、軸方向、厚さ方向の配向度はそれぞれ上記表4から抜粋した表16に示されるように軸方向、厚さ方向の分子配向度の値の変動が大きくバルーンの円筒部と円錐部の境界近傍で一様な延伸状態ではないことが示されている。
Figure 2005305187
バルーンAと比べて、比較バルーンDは測定点dにおいて円周方向の配向度が0より小さく、円周方向の延伸がおこなわれていないことが示されており、各測定部所aからdの配向度の大きさも円周方向が−0.041〜0.214、軸方向が−0.090〜0.138、厚さ方向が−0.353〜0.131と測定点間での差がバルーンAと比べて大きく、バルーン円筒部から円錐部にかけての延伸状態が一様でないことが示されている。また、バルーンDのb、c点での円周方向、軸方向、厚さ方向の配向度はそれぞれ上記表5から抜粋した表17に示されるように円周方向、軸方向、厚さ方向全ての配向度の値の変動が大きくバルーンの円筒部と円錐部の境界近傍で一様な延伸状態ではないことが示されている。
Figure 2005305187
(3)膜強度
本発明のバルーンA、比較バルーンB、Cの破壊試験を実施した。そのデータとそれから求めた膜強度を表18に示す。破壊試験はカテーテル内部に37℃生理食塩水を徐々に導入していくのと同時に、バルーン部の外径と内圧をバルーン部が破壊するまで測定した。バルーンが破壊する圧力を本明細書中では破壊圧力とする。円筒状の物に内部から圧が加わる場合は円周方向に加わる応力は軸方向に加わる応力の2倍であり、試験したバルーンは全て円周方向に引っ張られて破壊されていた。バルーン管壁の強度は下記に示すように公知の薄肉円管の円周方向の応力方程式:f=pd/2tから求めた。膨張による管壁厚の変化は無いものとして計算した。
fは管壁の円周方向の強度
pは加えられた内圧
dは直径
tは管壁厚
Figure 2005305187
表18から明かなように、バルーンAの破壊圧力、膜強度は共に比較バルーンB、Cを上回った。比較バルーンBの破壊は、円筒部、円錐部の境界近傍で始まるものが多かった。
本発明のカテーテル用バルーンは、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を持つ円筒部を有するカテーテル用バルーンであって、両方又は一方の円筒部と円錐部の肉厚の比が円筒部を形成される前のチューブとの比より比較的小で、両方又は一方の円筒部から円錐部にかけて延伸ムラ、配向ムラの少ないことが特徴である。特に、円筒部の円錐部近傍における十分に延伸されにくい部分の延伸が的確に行われて配向ムラが無くなるので、成型品としての強度が向上し、また強度が向上した分だけ薄肉化されたバルーンを提供することが可能である。
本発明のバルーンは、ブロー成形の際にチューブを軸方向へバルーンの反対方向に移動させることにより得られ、従来方法、即ち、予めチューブを予備的に加工しておくような操作が必要であったり、バルーン円筒部を積層化するような煩雑な操作が必要な方法に比べ、容易にバルーン円筒部と円錐部の肉厚をコントロールすることが可能である。
本発明のバルーン製造装置を示す概略図である。 バルーンの円周方向(nx)、軸方向(ny)、厚さ方向(nz)の主屈折率を示す図である。 図3はバルーンの主屈折率等の測定部位を示す図である。
符号の説明
1 チューブ
2 型
3 パリソン
4 検知手段
5、6 固定部
7 スライドテーブル
8 圧力気体

Claims (19)

  1. 延伸加工が可能な高分子材料から形成され、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての円周方向の主屈折率がそのバルーンを形成する材料の固有屈折率より常に大きく、且つ円周方向の複屈折率が常に0より大きいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーン。
  2. 三軸方向屈折率を、円周方向の主屈折率nx、軸方向の主屈折率ny、厚さ方向の主屈折率nzとしたとき常にnx>ny>nzという関係が成り立つ正の屈折率を持つ材料から作製される請求項1記載の拡張用カテーテルバルーン。
  3. 三軸方向屈折率を、円周方向の主屈折率nx、軸方向の主屈折率ny、厚さ方向の主屈折率nzとしたとき常にnx>ny>nzという関係が成り立つポリエチレン、ポリエチレン共重合体又はそれらの混合物から作製される請求項1記載の拡張用カテーテルバルーン。
  4. 延伸加工が可能な高分子材料から形成され、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての円周方向の配向係数が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に1/3より大きいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーン。
  5. 高分子材料から形成され、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての円周方向の配向度が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に0より大きいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーン。
  6. 延伸加工が可能な高分子材料から形成され、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての膜厚方向の配向係数が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に1/3より小さいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーン。
  7. 延伸加工が可能な高分子材料から形成され、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての膜厚方向への配向度が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に0より小さいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーン。
  8. 延伸加工が可能な負の屈折率を持つ高分子材料から形成され、円筒部との両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけて円周方向の主屈折率がそのバルーンを形成する材料の固有屈折率より常に小さく、且つ円周方向の複屈折率が常に0より小さいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーン。
  9. 三軸方向屈折率を、円周方向の主屈折率nx、軸方向の主屈折率ny、厚さ方向の主屈折率nzとしたとき常にnz>ny>nxという関係が成り立つ負の屈折率を持つ材料から作製される請求項8記載の拡張用カテーテルバルーン。
  10. 延伸加工が可能な高分子材料からなるチューブ状パリソンを二次転移温度以上で型内で円周方向に延伸しバルーンの形成を開始すると同時に、チューブ状パリソンに軸方向にかかっている応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または外側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させて得られる、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての円周方向の主屈折率がそのバルーンを形成する材料の固有屈折率より常に大きく、且つ円周方向の複屈折率が常に0より大きいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーン。
  11. 三軸方向屈折率を、円周方向の主屈折率nx、軸方向の主屈折率ny、厚さ方向の主屈折率nzとしたとき常にnx>ny>nzという関係が成り立つ正の屈折率を持つ材料から作製される請求項10記載の拡張用カテーテルバルーン。
  12. 三軸方向屈折率を、円周方向の主屈折率nx、軸方向の主屈折率ny、厚さ方向の主屈折率nzとしたとき常にnx>ny>nzという関係が成り立つポリエチレン、ポリエチレン共重合体又はそれらの混合物から作製される請求項10記載の拡張用カテーテルバルーン。
  13. 延伸加工が可能な高分子材料からなるチューブ状パリソンを二次転移温度以上で型内で円周方向に延伸しバルーンの形成を開始すると同時に、チューブ状パリソンに軸方向にかかっている応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または外側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させて得られる、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての円周方向の配向係数が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に1/3より大きいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーン。
  14. 延伸加工が可能な高分子材料からなるチューブ状パリソンを二次転移温度以上で型内で円周方向に延伸しバルーンの形成を開始すると同時に、チューブ状パリソンに軸方向にかかっている応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または外側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させて得られる、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての円周方向の配向度が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に0より大きいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーン。
  15. 延伸加工が可能な高分子材料からなるチューブ状パリソンを二次転移温度以上で型内で円周方向に延伸しバルーンの形成を開始すると同時に、チューブ状パリソンに軸方向にかかっている応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または外側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させて得られる、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての膜厚方向の配向係数が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に1/3より小さいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーン。
  16. 延伸加工が可能な高分子材料からなるチューブ状パリソンを二次転移温度以上で型内で円周方向に延伸しバルーンの形成を開始すると同時に、チューブ状パリソンに軸方向にかかっている応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または外側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させて得られる、円筒部とその両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけての膜厚方向への配向度が円筒部、円筒部と円錐部の境界近傍部、円錐部で常に0より小さいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーン。
  17. 延伸加工が可能な負の屈折率を持つ高分子材料からなるチューブ状パリソンを二次転移温度以上で型内で円周方向に延伸しバルーンの形成を開始すると同時に、チューブ状パリソンに軸方向にかかっている応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または外側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させて得られる、円筒部との両端に外側に向かい径小に傾斜する円錐部分を有するカテーテルバルーンであって、両方又は一方の、円筒部から円錐部にかけて円周方向の主屈折率がそのバルーンを形成する材料の固有屈折率より常に小さく、且つ円周方向の複屈折率が常に0より小さいことを特徴とする拡張用カテーテルバルーン。
  18. 三軸方向屈折率を、円周方向の主屈折率nx、軸方向の主屈折率ny、厚さ方向の主屈折率nzとしたとき常にnz>ny>nxという関係が成り立つ負の屈折率を持つ材料から作製される請求項17記載の拡張用カテーテルバルーン。
  19. 延伸加工が可能な高分子材料からなるチューブ状パリソンを型内に配置し二次転移温度以上で圧力気体を吹き込みカテーテルバルーンを成形するに際し、チューブ状パリソンが円周方向へ延伸しバルーンの形成を開始すると同時にチューブ状パリソンの軸方向にかかっている応力の変化を検知し、該応力の変化に応じて型の外部分のチューブの両側または片側を軸方向にバルーンと反対側へ移動させる操作を行うことを特徴とする拡張用カテーテルバルーンの製造方法。
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