JP4420549B2 - バルーンカテーテル用パリソン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルーンカテーテルに使用する、バルーン用パリソンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、血管などの脈管において狭窄あるいは閉塞が生じた場合、脈管の狭窄部位あるいは閉塞部位を拡張して、血管末梢側の血流を改善するために行う脈管成形術(PTA:Percutaneous Transluminal Angioplasty、PTCA:Percutaneous Transluminal Coronary Angioplastyなど)は、多くの医療機関において多数の術例があり、この種の症例における手術としては一般的になっている。
【0003】
バルーンカテーテルは、主に冠状動脈の狭窄部位を拡張するために、ガイドカテーテルとガイドワイヤーとのセットで使用される。このバルーンカテーテルを用いた脈管成形術は、まずガイドカテーテルを大腿動脈から挿入して大動脈を経て冠状動脈の入口に先端を位置させた後、バルーンカテーテルを貫通させたガイドワイヤーを冠状動脈の狭窄部位を超えて前進させ、その後バルーンカテーテルをガイドワイヤーに沿って前進させ、バルーンカテーテルのバルーン(以下バルーンとする)を狭窄部位に位置させた状態で膨張させて狭窄部位を拡張する手順で行い、そしてバルーンを収縮させて体外に除去する。しかし、バルーンカテーテルは、動脈狭窄の治療だけに限定されず、血管の中への挿入、ならびに種々の体腔への挿入を含む多くの医療的用途に有用である。
【0004】
バルーンは、通常シングルルーメンチューブを二軸延伸ブロー成形することにより製造されるものである。特にバルーンの成形に用いるシングルルーメンチューブをバルーン用パリソンとよんでいる。バルーン用パリソンは、通常熱可塑性樹脂を押出成形することにより製造されることが多い。
【0005】
押出成形ではダイス形状、押出機の設定温度、吐出量、バルーン用パリソンを引き取る速度、内部エアー圧力などの押出条件を調整することにより、所望サイズのバルーン用パリソンを得ることができる。
【0006】
PTCAバルーンカテーテルのバルーンには大小各種サイズがあり、所望のバルーンを作成するためにはそれぞれのサイズに適したバルーン用パリソンを作成し成形条件を決定する必要があった。またPTCAカテーテルはモデルチェンジのサイクルが速く、バルーン各部の仕様が短期間に変化するため、バルーン用パリソンの仕様、二軸延伸ブロー成形条件をその度に決定する必要があった。
【0007】
しかしバルーンサイズ、ニ軸延伸ブロー成形条件を変えると膨らまなかったり膨らんだ途端に破裂するなど成形できないことがあった。また成形できてもバルーン表面にひびが入ったりピンホールができていたり成形不良品も多く発生していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、目的とするところは、種々のバルーンサイズの作成において、ニ軸延伸ブロー成形をする際に安定してバルーンを作成できるバルーン用パリソンを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を改善すべく鋭意検討を重ねた結果、バルーンカテーテルに使用するものであって、材料がポリアミドエラストマーであるバルーン用パリソンの複屈折が1.3×10-3〜2.4×10-3であることを特徴とするバルーン用パリソンを使用すると、バルーン作成時のニ軸延伸ブロー成形工程の成形不良が減少し、安定してバルーンを作成できることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。本発明におけるバルーン用パリソンの作成に用いた押出装置の概略図を図1に示す。押出装置は押出機、冷却水槽、引取機により構成される。
【0011】
押出条件(吐出量、ダイ水槽間距離、引取速度)を変えることにより複屈折を制御できる。ここでダイ水槽間距離とは押出機先端のダイ先端部と冷却水槽入口部の距離のことである。吐出量、引取速度を上げると複屈折は大きくなり、ダイ水槽間距離を大きくすると、複屈折は小さくなる傾向がある。但し、本発明のバルーン用パリソンの製法が押出成形法に制限されるものではない。
【0012】
以下に本発明で使用するポリアミドエラストマーについて説明するが、本発明はこれにより制限されるものではない。本発明で使用するポリアミドエラストマーとしては、ハードセグメントとソフトセグメントからなるブロック共重合体が用いられ、好適にはポリアミドからなるハードセグメントと、ポリエーテルからなるソフトセグメントを用いたブロック共重合体が用いられる。更にこのハードセグメントを構成するポリアミドには、ポリアミド6、6−6、6−10、6−12、11、12等が使用できるが、特にポリアミド12が好ましい。更にソフトセグメントを構成するポリエーテルには、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が使用できるが、特にポリテトラメチレングリコールが好ましい。一方、ポリアミドエラストマーの硬度は、バルーンに要求される柔軟性によりあらゆる硬度のものが用いられるが、好適にはショアD硬度で25から72のものが、更には好適にはショアD硬度で50から72のものが用いられる。
【0013】
次に複屈折について説明する。プラスチック成形品中の分子配向は、成形加工における流動や変形を通じて形成されるが、これによってさまざまな性質に異方性が生じる。その代表例が屈折率の異方性である。光学的異方性を有する物体において観測される二つの屈折率の差が複屈折として定義される。つまり複屈折はある方向とその直交方向との屈折率の差、すなわち分子配向の大きさの差を表す。通常、指定した面内の複屈折が大きいということは、面内のある方向における屈折率が、面内のその方向に直交する方向の屈折率よりも大きいことであり、その方向における分子配向が、面内のその方向に直交する方向における分子配向より大きいことを示している。但し、本発明でいう複屈折とは、バルーン用パリソンの長手方向と、長手方向に直交する円周方向との屈折率の差を示すものとする。
【0014】
次に複屈折の測定方法について説明する。複屈折は式(1)で表される。
【0015】
Δn=Re/t (1)
ここでΔnは複屈折、Reはレタデーション、tは試料厚みである。実際に測定できるのは、複屈折と試料厚みの積で表されるレタデーションである。複屈折を求めるためにレタデーションと試料厚みを測定した。レタデーションとは2枚の偏光板に挟まれた測定光が試料を通過する際に発生する位相の遅延のことである。レタデーションは以下のようにして測定される。偏光板に挟まれた試料に入射光として590nmのハロゲンライトをあてると、入射光は偏光板を通過することにより直線偏光となる。直線偏光が光学的異方性を有する試料に入ると、二つの屈折率に対応した互いに直交する二つの直線偏光に分かれて進み、二つの直線偏光は異なった屈折率に対応した速度で試料内を進む。従って試料を出る時点で二つの直線偏光の位相にずれが生じる。屈折率の高い方が光の進む速度が遅いため位相差は遅れる。試料を出た光を別の偏光板を通して観測する。このとき、二つの直線偏光の、偏光板の方向の成分を互いに干渉させた結果を、光の強度として測定する。
【0016】
レタデーションの測定は簡易レタデーション測定器(王子計測機器)と微小面積複屈折計KOBRA−CCD(王子計測機器)を併用して行った。KOBRA−CCDで透過光の強度の角度依存からレタデーションを算出した。しかしKOBRA−CCDで算出されるレタデーションは次数がわからないため、簡易レタデーション測定器でレタデーションの次数を求め、該次数を用いてレタデーションを決定した。なお測定は、光源の光をチューブ側面から照射し、この光路に垂直となる面内の、とりわけチューブの直径を通過する位置のレタデーションを求めた。
【0017】
バルーン用パリソンの肉厚測定にはレーザーフォーカス変位計LT8010(KEYENCE)を使用した。またバルーン用パリソンは中空チューブ形状であるので、複屈折を算出するために用いる試料厚みtには、レタデーション測定と対応すべく、図2で示すパリソン肉厚a+bの値を用いた。
【0018】
本発明では、バルーン用パリソンの複屈折を1.3×10-3〜2.4×10-3と規定している。該複屈折が1.3×10-3より小さいと、パリソン長手方向の分子配向が小さすぎるため、バルーン成形工程の加熱時にドローダウンが発生し成形できない。逆に該複屈折が2.4×10-3より大きいと、パリソン長手方向の分子配向が大きすぎるため長手方向に伸びにくく、バルーン成形工程の長手方向延伸時に、バルーン表面にひびが入り、成形不良となりやすく、治療の際血管内でバルーンカテーテルが破裂する危険性がある。
【0019】
また該複屈折は1.4×10-3〜2.0×10-3であることが好ましい。該複屈折が1.4×10-3〜2.0×10-3を示すバルーン用パリソンによりバルーンを成形すると、バルーンの成形不良を更に低減することができる。
【0020】
本発明のバルーンは例えば図3に示す如き装置を用いて製造される。すなわちバルーンに成形されるのに適切な材質、直径、肉厚であるバルーン用パリソン11を金型12内に導入し、バルーン用パリソンのバルーン成形部分13の軸方向の応力変化をフォースゲージの如き検知手段14で検知し、固定部15、16をバルーン用パリソン11を保持したまま軸方向で且つ各々反対側へスライドテーブル17上を移動させ、同時に拡張流体をパリソン内に注入してバルーンを製造する。
【0021】
なお、本発明のバルーン用パリソンにより作成されたバルーンを用いたバルーンカテーテルは、人体のあらゆる体腔、血管に使用でき、更に好ましくは冠動脈、手足の血管、腎臓、肝臓の血管等に使用できる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例、比較例に基づいて更に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。
【0023】
(実施例1)
ポリアミド系エラストマーPEBAX7033(elf atochem社製,ポリアミド12とポリテトラメチレングリコールからなるブロック共重合体,ショアD硬度70)を単軸25mm押出機を用いて表1に示す押出条件により押出成形し、外径0.86mm、内径0.38mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、1.47×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された2.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径2.5mm、肉厚約20μmのバルーンを作成した。作成したバルーン10個について外観検査を行った。外観検査はバルーン表面にわれ、ひび、ピンホールなど外観不良がないかを検査した。表1に示すようにすべてのバルーン表面にひびなどの外観不良は発生せず、良品率は100%であった。
(実施例2)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径0.86mm、内径0.38mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は1.95×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された2.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径2.5mm、肉厚約20μmのバルーンを作成した。実施例1と同様に作成したバルーン10個について外観検査した。表1に示すようにすべてのバルーン表面にひびなどの外観不良は発生せず、良品率は100%であった。
(実施例3)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径0.86mm、内径0.38mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は2.34×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された2.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径2.5mm、肉厚約20μmのバルーンを作成した。実施例1と同様に作成したバルーン10個について外観検査した。表1に示すようにほとんどのバルーン表面にひびなどの外観不良は発生せず、良品率は90%であった。
(実施例4)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径0.86mm、内径0.38mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は1.30×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された2.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径2.5mm、肉厚約20μmのバルーンを作成した。実施例1と同様に作成したバルーン10個について外観検査した。表1に示すようにほとんどのバルーン表面にひびなどの外観不良は発生せず、良品率は90%であった。
(実施例5)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径1.18mm、内径0.57mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は2.37×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された3.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径3.5mm、肉厚約26μmのバルーンを作成した。実施例1と同様に作成したバルーン10個について外観検査した。表1に示すようにほとんどのバルーン表面にひびなどの外観不良は発生せず、良品率は90%であった。
(実施例6)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径1.18mm、内径0.57mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は1.36×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された3.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径3.5mm、肉厚約26μmのバルーンを作成した。実施例1と同様に作成したバルーン10個について外観検査した。表1に示すようにほとんどのバルーン表面にひびなどの外観不良は発生せず、良品率は90%であった。
(実施例7)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径0.54mm、内径0.25mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は2.33×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された1.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径1.5mm、肉厚約17μmのバルーンを作成した。実施例1と同様に作成したバルーン10個について外観検査した。表1に示すようにほとんどのバルーン表面にひびなどの外観不良は発生せず、良品率は90%であった。
(実施例8)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径0.54mm、内径0.25mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は1.32×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された1.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径1.5mm、肉厚約17μmのバルーンを作成した。実施例1と同様に作成したバルーン10個について外観検査した。表1に示すようにほとんどのバルーン表面にひびなどの外観不良は発生せず、良品率は80%であった。
(比較例1)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径0.86mm、内径0.38mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は2.48×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された2.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径2.5mm、肉厚約20μmのバルーンを作成した。実施例1と同様に作成したバルーン10個について外観検査した。バルーン表面の長手方向に垂直な方向にひびがあるものがあった。良品率は60%であった。
(比較例2)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径0.86mm、内径0.38mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は1.20×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された2.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径2.5mm、肉厚約20μmのバルーンを作成した。ニ軸延伸ブロー成形時にドローダウンが生じ成形できないものがバルーン10個中5個あった。実施例1と同様に作成できたバルーン5個について外観検査を行うと、作成できたバルーンについてはひびなどなく外観は良好であった。良品率は50%であった。
(比較例3)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径0.86mm、内径0.38mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は2.87×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された2.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形すると、10回の成形においてすべてのバルーンが破裂した。
(比較例4)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径1.18mm、内径0.58mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は2.50×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された3.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径3.5mm、肉厚約26μmのバルーンを作成した。実施例1と同様に作成したバルーン10個について外観検査した。バルーン表面の長手方向に垂直な方向にひびがあるものがあった。良品率は70%であった。
(比較例5)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径1.18mm、内径0.58mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は1.22×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された2.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径2.5mm、肉厚約20μmのバルーンを作成した。ニ軸延伸ブロー成形時にドローダウンが生じ成形できないものがバルーン10個中5個あった。実施例1と同様に作成できたバルーン5個について外観検査を行うと、作成できたバルーンについてはひびなどなく外観は良好であった。良品率は50%となった。
(比較例6)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径1.18mm、内径0.58mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は3.12×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された3.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形すると、10回すべての成形においてバルーンが膨らむ前にパリソン上にピンホールができ、バルーンが膨らまなかった。
(比較例7)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径0.54mm、内径0.25mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は2.43×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された1.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径1.5mm、肉厚約17μmのバルーンを作成した。実施例1と同様に作成したバルーン10個について外観検査した。結果を表1に示した。バルーン表面にピンホールがあるものや、バルーンの長手方向に垂直な方向にひびがあるものがあった。良品率は50%であった。
(比較例8)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径0.54mm、内径0.25mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は1.24×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された1.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形することで外径1.5mm、肉厚約17μmのバルーンを作成した。ニ軸延伸ブロー成形時にドローダウンが生じ成形できないものがバルーン10個中5個あった。実施例1と同様の方法で作成できたバルーン5個について外観検査を行うと、作成できたバルーンについてはひびなどなく外観は良好であった。良品率は50%となった。
(比較例9)
実施例1と同様にして表1に示す押出条件により押出成形し、外径0.54mm、内径0.25mmのバルーン用パリソンに成形した。該パリソンの複屈折を測定したところ、複屈折は2.85×10-3であった。該パリソンを110℃に保持された1.5mmφの金型内でニ軸延伸ブロー成形すると、10回の成形において成形途中ですべてのバルーンが破裂した。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明のバルーン用パリソンは、該パリソンの長手方向における複屈折を1.3×10-3〜2.4×10-3とすることで種々のバルーンサイズの作成において、ニ軸延伸ブロー成形時に成形不良がなくなり、安定してバルーンを作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバルーン用パリソンの押出装置概略図である。
【図2】本発明に係るバルーン用パリソン断面図である。
【図3】本発明に係るバルーン成形装置概略図である。
【符号の説明】
1.押出機
2.ダイス
3.冷却水槽
4.引取機
5.制御盤
6.巻取機
7.バルーン用パリソン
11.バルーン用パリソン
12.成形金型
13.バルーン用パリソンのバルーン成形部分
14.検知手段
15.固定部
16.固定部
17.スライドテーブル
18.圧力気体
a,b.バルーン用パリソン肉厚
Claims (2)
- バルーンカテーテルに使用するものであって、材料がポリアミドエラストマーであるバルーン用パリソンの複屈折が1.3×10−3〜2.4×10−3であることを特徴とするバルーン用パリソン。
- 前記複屈折が1.4×10−3〜2.0×10−3であることを特徴とする請求項1記載のバルーン用パリソン。
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